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特許7494640サーバ装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理システムの動作方法
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  • 特許-サーバ装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理システムの動作方法 図1
  • 特許-サーバ装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理システムの動作方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】サーバ装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理システムの動作方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/133 20060101AFI20240528BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G08G1/133
G08G1/123 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020135996
(22)【出願日】2020-08-11
(65)【公開番号】P2022032338
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】辰本 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】柏倉 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】石原 学
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 章
(72)【発明者】
【氏名】マイアー スコット アール
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/220205(WO,A1)
【文献】特開2019-135616(JP,A)
【文献】特表2020-522789(JP,A)
【文献】特表2019-526850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-25/00
G06Q 10/00-99/00
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
前記通信部を介して他の装置と情報を送受する制御部とを有し、
前記制御部は、端末装置により当該端末装置のユーザが指定する第1の乗車地点と当該ユーザが指定する所定の距離範囲が指定されると、配車可能な車両が前記第1の乗車地点より早く到着できる、前記第1の乗車地点から前記所定の距離範囲内の第2の乗車地点を前記端末装置へ通知する、
サーバ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、前記端末装置から前記第2の乗車地点を承諾又は選択する情報を受けると、前記車両を前記第2の乗車地点へ配車する処理を行う、
サーバ装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記制御部は、前記車両の現在位置から前記第1の乗車地点に至る経路乗車地点の候補を選択し、当該候補のうち前記所定の距離範囲内の候補を前記第2の乗車地点として設定する、
サーバ装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記制御部は、前記所定の距離範囲内の候補のうち前記車両が最も早く到着可能な候補を前記第2の乗車地点として設定する、
サーバ装置。
【請求項5】
請求項1~のいずれかにおいて、
前記制御部は、
前記第2の乗車地点における前記車両が到着するまでの時間の情報を、更に前記端末装置へ送る、
サーバ装置。
【請求項6】
請求項1~のいずれかにおいて、
前記第2の乗車地点は、前記車両が当該第2の乗車地点に到着するときに、前記第1の乗車地点から乗客が到着するような地点である、
サーバ装置。
【請求項7】
請求項1~のいずれかにおいて、
前記制御部は、道路交通情報又は道路環境情報を用いて前記第2の乗車地点を導出する、
サーバ装置。
【請求項8】
請求項1~7に記載のサーバ装置と端末装置とを有する情報処理システム。
【請求項9】
サーバ装置と通信可能な端末装置に実行されることで、当該端末装置が、
ユーザの操作に応じ、当該ユーザが指定する第1の乗車地点を指定する情報と前記ユーザが指定する所定の距離範囲の情報とを前記サーバ装置へ送り、
前記サーバ装置から、配車可能な車両が前記第1の乗車地点より早く到着できる、前記第1の乗車地点から前記所定の距離範囲内の第2の乗車地点を受ける、
端末装置のプログラム。
【請求項10】
請求項9において、
前記端末装置が、更に、
前記第2の乗車地点の情報を出力し、
当該第2の乗車地点を承諾又は選択する情報を前記サーバ装置へ送って当該サーバ装置に前記車両を前記第2の乗車地点へ配車する処理を行わせる、
端末装置のプログラム。
【請求項11】
請求項9又は10において、
前記端末装置が、更に、
前記第2の乗車地点における前記車両が到着するまでの時間の情報を前記サーバ装置から受け、
前記第2の乗車地点の情報とともに前記時間の情報を出力する、
端末装置のプログラム。
【請求項12】
請求項9~11のいずれかにおいて、
前記第2の乗車地点は、前記車両が当該第2の乗車地点に到着するときに、前記第1の乗車地点から乗客が到着するような地点である、
端末装置のプログラム。
【請求項13】
請求項9~12のいずれかにおいて、
前記端末装置が、更に、
前記第2の乗車地点までの移動を促す情報を出力する、
端末装置のプログラム。
【請求項14】
互いに通信するサーバ装置と端末装置とを有する情報処理システムの動作方法であって、
前記端末装置は、ユーザの操作に応じ、当該ユーザが指定する第1の乗車地点を指定する情報と前記ユーザが指定する所定の距離範囲の情報とを前記サーバ装置へ送り、
前記サーバ装置は、配車可能な車両が前記第1の乗車地点より早く到着できる、前記第1の乗車地点から前記所定の距離範囲内の第2の乗車地点を前記端末装置へ通知する、
動作方法。
【請求項15】
請求項14において、
前記サーバ装置は、前記車両の現在位置から前記第1の乗車地点に至る経路上に乗車地点の候補を選択し、当該候補のうち前記所定の距離範囲内の候補を前記第2の乗車地点として設定する
動作方法。
【請求項16】
請求項15において、
前記サーバ装置は、前記所定の距離範囲内の候補のうち前記車両が最も早く到着可能な候補を前記第2の乗車地点として設定する、
動作方法。
【請求項17】
請求項14において、
前記端末装置は、前記第2の乗車地点を承諾または選択する情報を前記サーバ装置へ送り、
前記サーバ装置は、前記車両を前記第2の乗車地点へ配車する処理を行う、
動作方法。
【請求項18】
請求項14において、
前記サーバ装置は、前記第2の乗車地点における前記車両が到着するまでの時間の情報を、更に前記端末装置へ送り、
前記端末装置は、前記第2の乗車地点の情報とともに前記時間の情報を出力する、
動作方法。
【請求項19】
請求項1418のいずれかにおいて、
前記第2の乗車地点は、前記車両が当該第2の乗車地点に到着するときに、前記第1の乗車地点から乗客が到着するような地点である、
動作方法。
【請求項20】
請求項1419のいずれかにおいて、
前記サーバ装置は、道路交通情報又は道路環境情報を用いて前記第2の乗車地点を導出する、
動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ装置、情報処理システム、プログラム、及び情報処理システムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タクシー又はライドシェアにおいて、配車を支援する技術が種々提案されている。例えば、乗客の端末装置及び車両と情報通信を行うサーバ装置により、乗客が指定する乗車位置に車両を向かわせるように車両に指示を送る技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-212188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配車支援において、乗客が配車を要求してから車両到着までの時間を短縮することで乗客の利便性を向上させる余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示におけるサーバ装置は、通信部と、前記通信部を介して他の装置と情報を送受する制御部とを有し、前記制御部は、端末装置により第1の乗車地点が指定されると、配車可能な車両が前記第1の乗車地点より早く到着できる、前記第1の乗車地点から所定の距離範囲内の第2の乗車地点を前記端末装置へ通知する。
【0006】
本開示におけるプログラムは、サーバ装置と通信可能な端末装置に実行されるプログラムであって、当該プログラムを実行することで当該端末装置は、第1の乗車地点を指定する情報を前記サーバ装置へ送り、前記サーバ装置から、配車可能な車両が前記第1の乗車地点より早く到着できる、前記第1の乗車地点から所定の距離範囲内の第2の乗車地点を受ける。
【0007】
本開示における動作方法は、互いに通信するサーバ装置と端末装置とを有する情報処理システムの動作方法であって、前記端末装置は、第1の乗車地点を指定する情報を前記サーバ装置へ送り、前記サーバ装置は、配車可能な車両が前記第1の乗車地点より早く到着できる、前記第1の乗車地点から所定の距離範囲内の第2の乗車地点を前記端末装置へ通知する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、配車支援において乗客の利便性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】端末装置の構成例を示す図である。
図3】サーバ装置の構成例を示す図である。
図4】車載装置の構成例を示す図である。
図5】情報処理システムの動作例を示すシーケンス図である。
図6】乗車地点の例を示す図である。
図7】端末装置の表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、一実施形態における情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム10は、ライドシェア又はタクシーを利用する乗客の要求に応じた配車を支援する。情報処理システム10は、ネットワーク14を介して互いに情報通信可能に接続される、端末装置11及びサーバ装置12を有する。ネットワーク14には、一以上の車両13がそれぞれの車載装置を介して情報通信可能に接続される。車両13は、ライドシェアに供される任意の車両、又は、タクシーである。端末装置11は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット、又はPC(Personal Computer)である。サーバ装置12は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属し、各種機能を実装するサーバ装置である。本実施形態では、サーバ装置12は、車両13の配車を行う配車サーバとして機能する。ネットワーク14は、例えばインターネットであるが、アドホックネットワーク、LAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、もしくは他のネットワーク又はこれらいずれかの組合せが含まれる。
【0012】
情報処理システム10では、端末装置11の乗客は、端末装置11により配車アプリケーションを実行することで、サーバ装置12が提供するライドシェア又はタクシーの配車サービスを利用する。サーバ装置12は、端末装置11により第1の乗車地点が指定されると、配車可能な車両13が第1の乗車地点(以下、指定乗車地点という)より早く到着できる、指定乗車地点から所定の距離範囲内の第2の乗車地点(以下、代替乗車地点という)を端末装置11へ通知する。乗客は、移動を許容できる所定の距離範囲を設定し、その距離範囲内でサーバ装置12により指定される代替乗車地点へ、例えば徒歩で移動して、代替乗車地点に配車される車両13に乗車する。そうすることで、乗客が許容できる負担において車両13の到着までの時間を短縮することができるので、乗客の利便性を向上させることが可能になる。また、車両13の運転手にとって、乗客を乗せて課金を開始するタイミングを早めることができるので、時間効率を向上させることが可能になる。
【0013】
図2は、端末装置11の構成例を示す。端末装置11は、制御部21、記憶部22、通信部23、測位部24、入力部25、及び出力部26を備える。端末装置11は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット、又はPCである。
【0014】
制御部21は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上の専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。制御部21は、端末装置11の各部を制御しながら、端末装置11の動作に係る情報処理を実行する。
【0015】
記憶部22は、1つ以上の半導体メモリ、1つ以上の磁気メモリ、1つ以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)である。RAMは、例えば、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)である。ROMは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22は、端末装置11の動作に用いられる情報と、端末装置11の動作によって得られた情報とを記憶する。
【0016】
通信部23は、1つ以上の通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、若しくは5G(5th Generation)などの移動通信規格に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。通信部23は、端末装置11の動作に用いられる情報を受信し、また端末装置11の動作によって得られる情報を送信する。端末装置11は、通信部23により、近傍のルータ装置または移動体通信の基地局を介してネットワーク14に接続され、ネットワーク14経由で他の装置と情報通信を行う。
【0017】
測位部24には、1つ以上のGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機が含まれる。GNSSには、例えば、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。測位部24は、端末装置11の位置情報を取得する。
【0018】
入力部25は、1つ以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力インタフェースは、さらに、撮像画像又は画像コードを取り込むカメラ、又はICカードリーダーを含んでもよい。入力部25は、端末装置11の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、入力される情報を制御部21に送る。
【0019】
出力部26は、1つ以上の出力用インタフェースを含む。出力インタフェースは、例えば、情報を画像・映像として出力する外付け又は内蔵のディスプレイ、情報を音声として出力するスピーカ、又は、外部の出力機器との接続インタフェースである。ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。出力部26は、端末装置11の動作によって得られる情報を出力する。
【0020】
端末装置11の動作は、制御部21に含まれるプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムは、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD(Compact Disc)-ROMなどの可搬型記録媒体に記録された状態で流通される。プログラムは、サーバ装置のストレージにプログラムを格納しておき、サーバ装置から他のコンピュータにプログラムを転送することで流通されてもよい。端末装置11の一部又は全ての動作は、制御部21に含まれる専用回路により実行されてもよい。
【0021】
図3は、サーバ装置12の構成例を示す。サーバ装置12は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部35、及び出力部36を備える。サーバ装置12は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属し、各種機能を実装するサーバである。
【0022】
制御部31は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上の専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、例えば、CPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部31は、サーバ装置12の各部を制御しながら、サーバ装置12の動作に係る情報処理を実行する。
【0023】
記憶部32は、1つ以上の半導体メモリ、1つ以上の磁気メモリ、1つ以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32は、サーバ装置12の動作に用いられる情報と、サーバ装置12の動作によって得られた情報とを記憶する。
【0024】
通信部33は、1つ以上の通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部33は、サーバ装置12の動作に用いられる情報を受信し、またサーバ装置12の動作によって得られる情報を送信する。サーバ装置12は、通信部33によりネットワーク14に接続され、ネットワーク14経由で他の装置と情報通信を行う。
【0025】
入力部35は、1つ以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力インタフェースは、さらに、撮像画像又は画像コードを取り込むカメラ、又はICカードリーダーを含んでもよい。入力部35は、サーバ装置12の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、入力される情報を制御部31に送る。
【0026】
出力部36は、1つ以上の出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部36は、サーバ装置12の動作によって得られる情報を出力する。
【0027】
サーバ装置12の機能は、制御プログラムを、制御部31に含まれるプロセッサで実行することにより実現される。制御プログラムは、サーバ装置12の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、そのステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータをサーバ装置12として機能させるためのプログラムである。また、サーバ装置12の一部又は全ての機能が、制御部31に含まれる専用回路により実現されてもよい。
【0028】
図4は、車両13に搭載される車載装置40の構成例を示す。車載装置40は、制御部41、記憶部42、通信部43、測位部44、入力部45、及び出力部46を備える。車載装置40は、例えば、ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、又はPCである。
【0029】
制御部41は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上の専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部41は、車載装置40の各部を制御しながら、車載装置40の動作に係る情報処理を実行する。
【0030】
記憶部42は、1つ以上の半導体メモリ、1つ以上の磁気メモリ、1つ以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部42は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部42は、車載装置40の動作に用いられる情報と、車載装置40の動作によって得られた情報とを記憶する。
【0031】
通信部43は、1つ以上の通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G、若しくは5Gなどの移動通信規格に対応したインタフェースである。通信部43は、車載装置40の動作に用いられる情報を受信し、また車載装置40の動作によって得られる情報を送信する。車載装置40は、通信部43により、移動体通信の基地局を介してネットワーク14に接続され、ネットワーク14経由で他の装置と情報通信を行う。
【0032】
測位部44は、1つ以上のGNSS受信機を含む。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。測位部44は、車両13の位置情報を取得する。
【0033】
入力部45は、1つ以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力インタフェースは、さらに、撮像画像又は画像コードを取り込むカメラ、又はICカードリーダーを含んでもよい。入力部45は、車載装置40の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、入力される情報を制御部41に送る。
【0034】
出力部46には、1つ以上の出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部46は、車載装置40の動作によって得られる情報を出力する。
【0035】
車載装置40の機能は、制御プログラムを、制御部41に含まれるプロセッサで実行することにより実現される。制御プログラムは、車載装置40の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、そのステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータを車載装置40として機能させるためのプログラムである。また、車載装置40の一部又は全ての機能が、制御部41に含まれる専用回路により実現されてもよい。
【0036】
次に、端末装置11、サーバ装置12及び車両13の車載装置40が連携しながら行う動作について、図5図7を用いて説明する。
【0037】
図5は、端末装置11、サーバ装置12及び車両13の車載装置40が連携しながら動作するときの動作手順を示すシーケンス図である。図5の手順は、乗客が端末装置11を操作して端末装置11の配車アプリケーション起動したときに実行される。
【0038】
ステップS500において、端末装置11は、乗客による指定乗車地点と許容距離範囲の入力を受け付ける。端末装置11の制御部21は、例えば、端末装置11の現在位置に応じてサーバ装置12から地図情報を受け取り、その地図情報を出力部26により表示して、乗客に指定乗車地点の入力を促す。乗客は、例えば地図上の所望の地点をタップしたり、住所を入力したりするなどして、指定乗車地点を入力する。あるいは、制御部21は、端末装置11の現在位置を指定乗車地点としてもよい。また、乗客は、指定乗車地点からの移動を許容できる距離範囲(例えば数百メートル以内)を、許容距離範囲として入力する。すると、制御部21が、入力部25を介して乗客からの入力を受け付ける。
【0039】
ステップS502において、端末装置11は、指定乗車地点の位置情報を含む指定乗車地点情報と、許容距離範囲を含む許容距離範囲情報とをサーバ装置12へ送る。端末装置11の制御部21は、通信部23により、指定乗車地点の情報をサーバ装置へ送る。サーバ装置の制御部31は、通信部33により、指定乗車地点情報と許容距離範囲情報とを受ける。
【0040】
なお、許容距離範囲情報は、配車アプリが実行される度ではなく、歩行者が好みを設定するときに一回的にサーバ装置12へ送るようにしてもよい。
【0041】
ステップS504において、サーバ装置12は、指定乗車地点情報に基づき配車要求を生成して車載装置40へ送る。サーバ装置12の制御部31は、通信部33により、指定乗車地点へ向かうことを要求する配車要求を一以上の車両13の車載装置40へ送る。車載装置40の制御部41は、通信部43により、配車要求を受ける。
【0042】
ステップS506において、車載装置40は、配車要求に応じるための配車応答を生成する。車載装置40の制御部41は、受信した配車要求に含まれる指定乗車地点の位置を出力部46により運転手に向け表示し、配車要求への対応可否を回答する運転手の操作を入力部45により受け付けて、配車可否に関する配車応答を生成する。配車が可能である場合、配車応答には、車両13の識別番号、車両13の現在位置の情報等が含まれる。配車が可能であることを示す配車応答が生成されると、ステップS508において、車載装置40は、配車応答をサーバ装置12へ送る。車載装置40の制御部41は、通信部43により、配車応答をサーバ装置12へ送る。サーバ装置12の制御部31は、通信部33により配車応答を受ける。制御部31は、最先の配車応答を受けると、配車応答の受付けを終了する。
【0043】
ステップS510において、サーバ装置12は、配車可能な車両13、つまり配車応答を送った車両13について、代替乗車地点を導出する。サーバ装置12では、例えば、制御部31が、車両13の現在位置から指定乗車地点に至る一以上の経路上で、代替乗車地点を導出する。一以上の経路は、最短距離の経路、最短時間距離の経路等を含む。例えば、制御部31は、同じ距離又は所要時間が見込まれる複数の経路を検索した場合、各経路において代替乗車地点を導出する。
【0044】
図6は、車両13の現在位置60から指定乗車地点61に至るある経路62上で代替乗車地点を導出する例を模式的に示す。例えば、制御部31は、乗客が任意に設定される歩行速度(例えば、時速4~6km)で指定乗車地点61から、車両13が任意に設定される走行速度(例えば、経路に対応する法定速度)で現在位置60からそれぞれ経路62に沿って移動したときに、両者が経路62上で合流する理論上の代替乗車地点候補を導出する。指定乗車地点61が端末装置11の現在位置と異なる場合には、乗客が現在位置から移動するときに車両13と合流する地点を代替乗車地点候補としてもよい。なお、道路が交差する点、曲がり角、ランドマーク付近等、典型的に乗車地点とされる候補地点を地図情報に対応付けて予め記憶部32に格納しておき、乗客と車両13が経路62で合流する地点の最寄りの候補地点を代替乗車地点候補としてもよい。制御部31は、例えば、指定乗車地点61からの許容距離範囲64内で代替乗車地点候補63-1を導出した場合、その代替乗車地点候補63-1を代替乗車地点63-1として採用する。この場合、歩行者と車両13は略同時に代替乗車地点63-1に到着するので、乗客は即座に車両13に乗車でき、乗客、車両13双方にとって時間の無駄を省くことが可能となる。一方、制御部31は、指定乗車地点61からの許容距離範囲64外で代替乗車地点候補63-2を導出した場合、許容距離範囲64の境界上の代替乗車地点63-3を採用する。この場合、歩行者は、車両13の到着をある程度待つことになるが、許容距離範囲を超えて移動をする必要がないので、歩行者の利便性向上が可能となる。また、制御部31は、代替乗車地点63-1又は63-3に車両13が到着するまでの時間を算出する。かかる時間は、代替乗車地点毎に算出される。
【0045】
なお、サーバ装置12の制御部31は、法定速度だけでなく、道路交通情報又は道路環境情報を用いて車両13の走行速度を推測し、推測した走行速度に基づいて代替乗車地点候補を導出してもよい。道路交通情報は、地図上の道路各所の渋滞状況を含む。また、道路環境情報は、道路の車線数、道路の幅、工事の有無、一方通行等の交通規制といった、走行速度に影響を与えうる道路環境の状態を含む。サーバ装置12は、例えば道路交通情報又は道路環境情報を配信する別のサーバ装置からこれらの情報を取得することが可能である。道路交通情報又は道路環境情報を用いることで、より実情に即した精度で車両13の移動にかかる時間を推測し、代替乗車地点を導出することが可能となる。
【0046】
図5に戻り、ステップS512において、サーバ装置12は、代替乗車地点情報を端末装置11へ送る。サーバ装置12の制御部31は、通信部33により、車両13の経路の情報、経路毎の代替乗車地点の位置情報、及び各代替乗車地点における車両13の到着までの時間の情報を含む代替乗車地点情報を、端末装置11へ送る。端末装置11の制御部21は、通信部23により、代替乗車地点情報を受ける。
【0047】
ステップS514において、端末装置11は、代替乗車地点情報を出力する。端末装置11の制御部21は、出力部36により代替乗車地点情報を乗客へ向けて表示する。そして、ステップS516において、端末装置11は、代替乗車地点を承諾又は選択する乗客からの入力を受け付ける。端末装置11の制御部21は、例えば、表示画面上の画像に対する乗客のタップを、入力部25を介して受け付ける。
【0048】
図7は、端末装置11による代替乗車地点情報の表示・入力画面の例を示す。端末装置11の表示画面70には、地図に重畳して、指定乗車地点61、車両13の現在位置60、現在位置60から指定乗車地点61に至る経路62-1、62-2、62-3、各経路における代替乗車地点63a、63b、63cが表示される。さらに、代替乗車地点63a、63b、63cにおける車両13の到着までの時間が、例えば、指定乗車地点61における車両13の到着までの時間との差分、つまり短縮される時間として、表示71a、71b、71cにより表示される。例えば、経路62-1における代替乗車地点63aでは車両13の到着までの時間が4分短縮されることを示す表示71aが表示される。また、経路62-2における代替乗車地点63bでは車両13の到着までの時間が5分短縮されることを示す表示71bが表示される。そして、経路62-3における代替乗車地点63cでは車両13の到着までの時間が4分短縮されることを示す表示71cが表示される。
【0049】
乗客は、画面70に含まれる情報を確認し、代替乗車地点63a、63b、63cのいずれかを例えばタップすることで、いずれかの代替乗車地点を選択する。乗客は、表示71a、71b、71cにより短縮される時間を把握して相互に比較できるとともに、地図上で、道路の交通量、公園等公共施設の付近、各種ランドマークの付近、治安等の地域の属性を考慮して自分の必要又は嗜好に応じた代替乗車地点を選択することができる。なお、代替乗車地点が1つだけの場合は、乗客は、その代替乗車地点を画面70で確認の上でタップし、代替乗車地点を承諾する。
【0050】
図5に戻ると、ステップS518において、端末装置11は、乗客により承諾又は選択された代替乗車地点を示す承諾・選択情報をサーバ装置12へ送る。端末装置11の制御部21は、通信部23により、承諾・選択情報をサーバ装置へ送る。サーバ装置の制御部31は、通信部33により、承諾・選択情報を受ける。
【0051】
ステップS520において、サーバ装置12は、乗客が承諾又は選択した代替乗車地点の位置情報に基づき、車両13が代替乗車地点へ移動することを要求する運行要求を生成して車載装置40へ送る。サーバ装置12の制御部31は、通信部33により、運行要求を車載装置40へ送る。車載装置40の制御部41は、通信部43により、運行要求を受ける。
【0052】
ステップS522において、車載装置40は、運行要求に応じるための運行応答を生成する。車載装置40の制御部41は、受信した運行要求に含まれる代替乗車地点を出力部46により運転手に向け表示し、運転手による運行要求への対応可否を回答する操作を入力部45により受け付けて、運行可否に関する運行応答を生成する。指定乗車地点への配車要求に応じた運転手にとって、代替乗車地点へはより短時間で移動できるので、時間効率向上が可能となる。運行が可能である場合、運行応答には、車両13の識別番号、車両13の現在位置の情報等が含まれる。運行が可能であることを示す運行応答が生成されると、ステップS524において、車載装置40は、運行応答をサーバ装置12へ送る。車載装置40の制御部41は、通信部43により、運行応答をサーバ装置12へ送る。サーバ装置12の制御部31は、通信部33により運行応答を受ける。
【0053】
ステップS526において、サーバ装置12は、受信した運行応答に対応する配車応答を生成して、配車応答を端末装置11へ送る。サーバ装置12の制御部31は、例えば、車両13の現在位置に基づき、代替乗車地点への到着予想時刻を算出する。そして、制御部31は、車両13の識別番号、現在位置、到着予想時刻等を含む配車応答を生成する。そして、制御部31は、通信部33により、配車応答を端末装置11へ送る。端末装置11の制御部21は、通信部23により、配車応答を受ける。
【0054】
ステップS528において、端末装置11は、配車応答を乗客へ向けて出力する。端末装置11の制御部21は、出力部36により配車応答を乗客へ向けて表示する。例えば、「配車完了しました」などの文字情報とともに、代替乗車地点への車両13の到着予想時刻等が表示され、代替乗車地点への移動を促す文字又は音声が出力される。そして、乗客と車両13とが代替乗車地点に到着すると、乗客が車両13に搭乗すると乗車が開始される。
【0055】
本実施形態によれば、例えば、スポーツ又は音楽等のイベント会場、会議場といった大規模施設の周辺で配車サービスを利用する乗客にとって、利便性向上が可能となる。大規模施設が位置するブロックにおいては、ブロックに面する異なる道路間で交通量又は走行方向が異なる場合がある。かかる場合に、乗客がブロックの一端から他端に移動するだけで、配車される車両13がより円滑かつ迅速に乗客と合流することが可能となりうる。本実施形態は、かかる乗客の判断・行動を支援する。すなわち、乗客が許容できる負担において車両13の到着までの時間を短縮することができるので、乗客の利便性を向上させることが可能になる。また、車両13の運転手にとって、乗客を乗せて課金を開始するタイミングを早めることができるので、時間効率を向上させることが可能になる。
【0056】
上述の実施形態において、端末装置11及び車載装置40の動作を規定する処理・制御プログラムは、サーバ装置12の記憶部42又は他のサーバ装置の記憶部に記憶されていて、ネットワーク14経由で各装置にダウンロードされてもよいし、各装置に読取り可能な可搬型で非一過性の記録・記憶媒体に格納され、各装置が媒体から読み取ってもよい。
【0057】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 情報処理システム
11 端末装置
12 サーバ装置
13 車両
14 ネットワーク
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 測位部
25 入力部
26 出力部
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
35 入力部
36 出力部
40 車載装置
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 測位部
45 入力部
46 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7