(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】印刷制御プログラム、印刷制御装置の制御方法、及び印刷制御装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240528BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240528BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 359
G06F3/12 334
G06F3/12 360
H04N1/00 127A
B41J29/38 401
(21)【出願番号】P 2020147359
(22)【出願日】2020-09-02
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】栗林 岳人
(72)【発明者】
【氏名】大橋 一輝
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-123075(JP,A)
【文献】特開2003-015855(JP,A)
【文献】特開2019-175330(JP,A)
【文献】特開2009-009493(JP,A)
【文献】特開2008-107980(JP,A)
【文献】特開2009-170994(JP,A)
【文献】特開2003-150352(JP,A)
【文献】特開2002-215420(JP,A)
【文献】特開2003-025692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバー及び印刷装置と接続され、印刷ジョブを受信して前記印刷装置に前記印刷ジョブを送信するスプーラーが動作する印刷制御装置のコンピューターにより実行される印刷制御プログラムであって、
前記コンピューターに、
前記サーバーと関連付けられたプリントキューを記憶させ、
前記スプーラーを監視させ、
前記スプーラーが前記印刷ジョブを受信したとき、
受信した前記印刷ジョブが、前記プリントキューを指定する場合に、前記印刷ジョブに基づく印刷情報を取得させ、
取得した前記印刷情報を、前記プリントキューと関連付けられた前記サーバーに送信させ
、
前記サーバーと関連づけられていない第2のプリントキューを記憶させ、
前記スプーラーが前記印刷ジョブを受信したとき、
前記印刷ジョブが、前記第2のプリントキューを指定する場合、前記印刷情報を前記サーバーに送信させない、
印刷制御プログラム。
【請求項2】
前記コンピューターに、
送信した前記印刷ジョブに対する印刷終了応答を前記印刷装置から受信した場合、前記印刷情報を前記サーバーに送信させる、
請求項1
に記載の印刷制御プログラム。
【請求項3】
前記コンピューターに、
送信した前記印刷ジョブに対するエラー応答を前記印刷装置から受信した場合、前記印刷情報を前記サーバーに送信させない、
請求項
2に記載の印刷制御プログラム。
【請求項4】
前記コンピューターに、
前記印刷情報を前記サーバーに送信させた後、前記印刷装置から送信した前記印刷ジョブに対する応答を受信した場合、前記応答を前記サーバーに送信させる、
請求項1
に記載の印刷制御プログラム。
【請求項5】
前記コンピューターに、
ユーザーの入力を受け付けさせ、
受け付けたユーザーの入力に基づいて、前記サーバーが関連付けられた前記プリントキューを生成させる、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の印刷制御プログラム。
【請求項6】
サーバーと接続する印刷制御装置の制御方法であって、
前記サーバーが関連付けられたプリントキューを記憶し、
印刷ジョブをスプーラーで受信し、
前記スプーラーで受信した前記印刷ジョブが前記プリントキューを
指定するか否かを判別し、
前記印刷ジョブが前記プリントキューを指定すると判別した場合に、前記印刷ジョブに基づく印刷情報を、前記プリントキューと関連づけられた前記サーバーに送信
し、
前記サーバーと関連づけられていない第2のプリントキューを記憶させ、
前記スプーラーが前記印刷ジョブを受信したとき、
前記印刷ジョブが、前記第2のプリントキューを指定する場合、前記印刷情報を前記サーバーに送信させない、
印刷制御装置の制御方法。
【請求項7】
サーバーと接続する印刷制御装置であって、
前記サーバーが関連付けられたプリントキューを記憶する記憶部と、
印刷ジョブを受信するスプーラーと、
前記スプーラーを監視する監視部と、
前記スプーラーが受信した前記印刷ジョブが、プリントキューを指定すると前記監視部が判別した場合に、前記印刷ジョブに基づく印刷情報を、前記プリントキューと前記サーバーに送信する印刷情報送信部と、を備え
、
前記印刷情報送信部は、
前記サーバーと関連づけられていない第2のプリントキューを前記記憶部に記憶させ、
前記スプーラーが前記印刷ジョブを受信したとき、
前記印刷ジョブが、前記第2のプリントキューを指定すると前記監視部が判別した場合、前記印刷情報を前記サーバーに送信させない、
印刷制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
印刷制御プログラム、印刷制御装置の制御方法、及び印刷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷ジョブに基づく情報を外部に送信する技術が知られている。例えば、特許文献1は、認証された印刷ジョブについて、実際に実行された処理を示す処理情報を課金システムに送信する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、認証された印刷ジョブの全てについて処理情報が課金システムに送信されてしまう。そのため、特許文献1では、例えば、ユーザーが課金対象として望まない印刷ジョブも課金対象となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する一態様は、サーバー及び印刷装置と接続され、印刷ジョブを受信して前記印刷装置に前記印刷ジョブを送信するスプーラーが動作する印刷制御装置のコンピューターにより実行される印刷制御プログラムであって、前記コンピューターに、前記サーバーと関連付けられたプリントキューを記憶させ、前記スプーラーを監視させ、前記スプーラーが前記印刷ジョブを受信したとき、受信した前記印刷ジョブが前記プリントキューを指定する場合に、前記印刷ジョブに基づく印刷情報を取得させ、取得した前記印刷情報を、前記プリントキューと関連付けられた前記サーバーに送信させる。
【0006】
上記課題を解決する別の一態様は、サーバーと接続する印刷制御装置の制御方法であって、前記サーバーとが関連付けられたプリントキューを記憶し、印刷ジョブをスプーラーで受信し、前記スプーラーで受信した前記印刷ジョブが前記プリントキューを指定するか否かを判別し、前記印刷ジョブが前記プリントキューを指定すると判別した場合に、印刷ジョブに基づく印刷情報を、前記プリントキューと関連づけられた前記サーバーに送信する。
【0007】
上記課題を解決するさらに別の一態様は、サーバーと接続する印刷制御装置であって、前記サーバーとが関連付けられたプリントキューを記憶する記憶部と、印刷ジョブを受信するスプーラーと、前記スプーラーを監視する監視部と、前記スプーラーが受信した前記印刷ジョブが、前記プリントキューを指定すると前記監視部が判別した場合に、前記印刷ジョブに基づく印刷情報を、前記プリントキューと関連づけられた前記サーバーに送信する印刷情報送信部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、印刷システム1000の構成を示す図である。
【0010】
図1に示すように、印刷システム1000は、端末装置1を備える。
端末装置1は、印刷制御装置の一例に対応する。
【0011】
端末装置1は、PC(Personal Computer)である。端末装置1は、デスクトップ型PCでもラップトップ型PCでもタブレット型PCでもよい。端末装置1は、ローカルネットワークLNを介して印刷装置2と通信可能に接続され、グローバルネットワークGNを介してサーバー3と通信可能に接続される。
グローバルネットワークGNは、専用回線や、公衆回線網、インターネット等を含んで構成される。
【0012】
印刷システム1000は、印刷装置2を備える。
印刷装置2は、印刷媒体に画像を印刷する装置である。印刷媒体の種類に制限はなく、所定サイズのカット紙、ロール紙、合成樹脂製のシート等が挙げられる。印刷装置2の印刷方式についての制限はなく、ドットインパクト式、熱昇華式、サーマル式等の印刷方式を採用できる。本実施形態では、印刷装置2の印刷方式がインクジェット式である場合を例示する。
【0013】
端末装置1には、メーカー或いは機種が異なる他の印刷装置が1又は複数接続されてもよい。
【0014】
印刷システム1000は、サーバー3を備える。
サーバー3は、印刷装置2による印刷の課金に係わる課金情報を受信し、受信した課金情報に基づいて、課金額の算出や課金額の請求等の課金に係わる各種処理を実行するサーバー装置である。課金情報は、印刷枚数や、A4等の印刷媒体のサイズ、カラー印刷又はモノクロ印刷のいずれかを示す印刷態様等の種々の情報を含む。
課金情報は、印刷情報の一例に対応する。
【0015】
端末装置1には、他のサーバーが1又は複数接続されてもよい。他のサーバーは、印刷装置2以外の印刷装置の印刷に係わる課金情報を処理可能なサーバーである。
【0016】
端末装置1の構成について説明する。
端末装置1は、端末制御部10、第1端末通信部11、第2端末通信部12、表示部13、及び入力部14を備える。
【0017】
端末制御部10は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-processing Unit)等のプログラムを実行するプロセッサーである端末プロセッサー100、及びRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリーである端末記憶部110を備え、端末装置1の各部を制御する。端末プロセッサー100は、コンピューターの一例に対応する。端末記憶部110は、記憶部の一例に対応する。端末制御部10は、端末プロセッサー100が、端末記憶部110に記憶されたプログラムを読み出し、ハードウェア及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。端末制御部10は、端末プロセッサー100が、端末記憶部110が記憶する生成アプリ112を実行することで生成アプリ実行部101として機能する。端末制御部10は、端末プロセッサー100が、端末記憶部110が記憶するプリンタードライバー113を実行することでドライバー実行部102として機能する。端末制御部10は、端末プロセッサー100が、端末記憶部110が記憶する課金アプリ114を実行することで課金アプリ実行部103として機能する。これら機能部については後述する。
【0018】
生成アプリ112は、文書や画像のデータを生成するアプリケーションプログラムである。
課金アプリ114は、印刷装置2による印刷の課金に係わるアプリケーションプログラムである。課金アプリ114は、印刷制御プログラムの一例に対応する。
【0019】
端末記憶部110は、端末プロセッサー100が実行するプログラムや、端末プロセッサー100により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。端末記憶部110は、オペレーティングシステム111、生成アプリ112、プリンタードライバー113、課金アプリ114、関連情報115、その他の各種データを記憶する。端末記憶部110は、不揮発性の記憶領域を有する。端末記憶部110は、揮発性の記憶領域を備え、端末プロセッサー100のワークエリアを構成してもよい。
以下の説明では、オペレーティングシステム111をOS111と略記する。
【0020】
第1端末通信部11は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、端末制御部10の制御に従って、グローバルネットワークGNを介して接続するサーバー3と通信する。
【0021】
第2端末通信部12は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、端末制御部10の制御に従って、ローカルネットワークLNを介して接続する印刷装置2と通信する。第2端末通信部12は、USBケーブルを介して、印刷装置2とUSB接続で通信してもよい。
【0022】
表示部13は、端末装置1が備えるLED(Light Emitting Diode)やOLED(Organic Light Emitting Diode)等で構成される表示パネルであり、端末制御部10の制御に従って、情報の表示を実行する。表示部13は、端末装置1と接続される外付けのディスプレイでもよい。
【0023】
入力部14は、タッチパネル、マウス、キーボード等の入力手段と接続し、ユーザーの入力手段に対する操作を検出し、検出結果を端末制御部10に出力するインターフェイスである。端末制御部10は、入力部14からの入力に基づいて、入力手段に対する操作に対応する処理を実行する。入力手段は、操作スイッチのように、端末装置1に備えられてもよい。
【0024】
端末制御部10は、生成アプリ実行部101、ドライバー実行部102、及び課金アプリ実行部103として機能する。
【0025】
生成アプリ実行部101は、ユーザーの端末装置1に対する操作に基づき印刷装置2が印刷する文書や画像等のデータを生成する。
【0026】
ドライバー実行部102は、プリンタードライバー113の機能によって、生成アプリ実行部101が生成したデータに基づいて印刷ジョブを生成する。印刷ジョブには、生成アプリ実行部101が生成したデータや、当該データを印刷するための各種コマンド等が含まれる。ドライバー実行部102は、印刷ジョブを生成すると、スプーラー1111に出力する。
【0027】
スプーラー1111は、OS111が提供するAPI(Application Programming Interface)であり、生成アプリ112及びプリンタードライバー113で用いられる。スプーラー1111は、ドライバー実行部102が出力した印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブが指定したプリントキューに一時記憶し、当該プリントキューに対応する印刷装置2の状態に応じて印刷ジョブを印刷装置2に出力する。プリントキューは、端末装置1と接続する印刷装置2や印刷の用途等によりユーザーの任意で、端末記憶部110の所定の記憶領域に形成される。端末装置1が印刷装置2と異なる他の印刷装置と接続する場合、所定の記憶領域には、他の印刷装置に対応するプリントキューがユーザーにより形成される。印刷装置2が私用の印刷と業務用の印刷との2つの用途で使用する場合、所定の記憶領域には、私用の印刷に用いるプリントキューと業務用の印刷に用いるプリントキューがユーザーにより形成される。業務用の印刷に用いるプリントキューが、サーバー3と関連付けられたプリントキューに相当し、私用の印刷に用いるプリントキューが第2のプリントキューに相当する。
【0028】
スプーラー1111は、印刷ジョブを送信した印刷装置2から、送信した印刷ジョブに対する印刷終了応答、又は、送信した印刷ジョブに対するエラー応答を受信する。印刷終了応答は、印刷ジョブに基づく印刷が終了したことを示す応答である。印刷装置2は、スプーラー1111から受信した印刷ジョブに基づく印刷が終了すると、スプーラー1111に印刷終了応答を送信する。エラー応答は、印刷ジョブに基づく印刷で紙切れやインク切れ等のエラーが発生したことを示す応答である。印刷装置2は、スプーラー1111から受信した印刷ジョブに基づく印刷中にエラーが発生すると、スプーラー1111にエラー応答を送信する。
【0029】
図2は、課金アプリ実行部103を説明するための図である。
課金アプリ実行部103は、機能部として、関連情報生成部1031、監視部1032、及び課金情報取得送信部1033を有する。
課金情報取得送信部1033は、印刷情報送信部の一例に対応する。
【0030】
関連情報生成部1031は、関連情報115を生成する。関連情報115は、プリントキューとサーバー3とが関連付けられた情報であり、プリントキューを識別する情報とサーバー3のアドレスとを含む。プリントキューを識別する情報としては、対応する印刷装置2が接続するポート番号や、対応する印刷装置2の名称等が挙げられる。
【0031】
関連情報生成部1031は、関連情報115を生成するに際し、プリントキューとサーバー3とを関連付けるユーザーインターフェースを表示部13に表示させる。関連情報生成部1031は、当該ユーザーインターフェースを介して、プリントキューとサーバー3とを指定する入力をユーザーから受け付ける。そして、関連情報生成部1031は、ユーザーの入力に基づいて、ユーザーが指定したプリントキューとサーバー3と関連付けた関連情報115を生成する。関連情報生成部1031は、生成した関連情報115を端末記憶部110に記憶させる。
【0032】
監視部1032は、スプーラー1111を監視する。監視部1032は、関連情報115に含まれるプリントキューに印刷ジョブを記憶させたか否かを監視することで、スプーラー1111で受信した印刷ジョブが関連情報115に含まれるプリントキューを指定する印刷ジョブであるか否かを監視する。
【0033】
監視部1032は、スプーラー1111が、送信した印刷ジョブに対して印刷終了応答又はエラー応答を受信したか否かを監視する。
【0034】
課金情報取得送信部1033は、関連情報115に含まれるプリントキューを指定する印刷ジョブをスプーラー1111が受信したと監視部1032が判別した場合、当該印刷ジョブから課金情報を取得する。課金アプリ実行部103は、関連情報115に含まれるプリントキュー以外のプリントキューが指定された印刷ジョブをスプーラー1111が受信しても、当該印刷ジョブから課金情報を取得しない。
【0035】
課金情報取得送信部1033は、印刷ジョブに含まれる印刷処理情報から課金情報を取得する。印刷処理情報は、印刷ジョブに含まれるコマンドのコマンド体系に依ることなく、印刷ジョブに共通に含まれる情報である。印刷処理情報は、DEVMODE構造体と呼ばれる。課金情報取得送信部1033は、コマンド解析を実行することなく、印刷処理情報を参照して、課金情報を取得する。これにより、課金情報取得送信部1033は、印刷ジョブに含まれるコマンドのコマンド体系によることなく印刷ジョブから課金情報を取得できる。換言すれば、課金情報取得送信部1033は、プリンタードライバー113の種類に依ることなく、印刷ジョブから課金情報を取得できる。
【0036】
課金情報取得送信部1033は、課金情報を取得した印刷ジョブを一時記憶したプリントキューと関連情報115で関連付けられたサーバー3に、取得した課金情報を第1端末通信部11によって送信する。課金情報取得送信部1033は、課金情報を取得した印刷ジョブに対する印刷終了応答をスプーラー1111が受信した場合に、関連情報115に基づいて課金情報をサーバー3に送信する。課金情報取得送信部1033は、課金情報を取得した印刷ジョブに対するエラー応答をスプーラー1111が受信した場合、課金情報をサーバー3に送信しない。
【0037】
次に、本実施形態の端末装置1の動作について説明する。
図3は、端末装置1の動作を示すフローチャートである。
【0038】
課金アプリ実行部103の監視部1032は、関連情報115に含まれるプリントキューを指定する印刷ジョブを、スプーラー1111が受信したか否かを判別する(ステップSA1)。
【0039】
監視部1032は、関連情報115に含まれるプリントキューを指定する印刷ジョブを、スプーラー1111が受信していないと判別した場合(ステップSA1:NO)、再度、ステップSA1の処理を実行する。
【0040】
監視部1032が、関連情報115に含まれるプリントキューを指定する印刷ジョブを、スプーラー1111が受信したと判別した場合(ステップSA1:YES)、課金情報取得送信部1033は、スプーラー1111が受信した印刷ジョブから課金情報を取得する(ステップSA2)。
【0041】
監視部1032は、ステップSA2において課金情報を取得した印刷ジョブに対する印刷終了応答を、スプーラー1111が受信したか否かを判別する(ステップSA3)。
【0042】
監視部1032は、印刷終了応答をスプーラー1111が受信していないと判別した場合(ステップSA3:NO)、ステップSA2で課金情報を取得した印刷ジョブに対するエラー応答を、スプーラー1111が受信したか否かを判別する(ステップSA4)。
【0043】
監視部1032は、エラー応答をスプーラー1111が受信していないと判別した場合(ステップSA4:NO)、処理をステップSA3に戻し、再度、ステップSA3の判別を実行する。
【0044】
一方、監視部1032が、エラー応答をスプーラー1111が受信したと判別した場合(ステップSA4:YES)、課金情報取得送信部1033は、ステップSA2で取得した課金情報をサーバー3に送信しない(ステップSA5)。
【0045】
ステップSA3の説明に戻り、監視部1032が、印刷終了応答をスプーラー1111が受信したと判別した場合(ステップSA3:YES)、課金情報取得送信部1033は、関連情報115に基づいてステップSA2で取得した課金情報をサーバー3に送信する(ステップSA6)。
【0046】
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、上述した実施形態と比較して、課金アプリ実行部103及びサーバー3の動作が異なる。
第2の実施形態の課金アプリ実行部103の課金情報取得送信部1033は、印刷ジョブから課金情報を取得すると、スプーラー1111が印刷終了応答又はエラー応答を受信していなくても、関連情報115に基づいてサーバー3に取得した課金情報を送信する。課金情報取得送信部1033は、課金情報を送信した後、スプーラー1111が印刷終了応答又はエラー応答を受信すると、受信した応答を、課金情報を送信したサーバー3に送信する。
サーバー3は、印刷終了応答を端末装置1から受信した場合、受信した課金情報に基づいて課金に係わる各種処理を実行し、エラー応答を端末装置1から受信した場合、受信した課金情報を処理しない。
【0047】
上述した各実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0048】
端末装置1の端末プロセッサー100により実行される課金アプリ114は、端末プロセッサー100に、プリントキューと、課金情報を送信するサーバー3とが関連付けて記憶させる。印刷ジョブを受信するスプーラー1111を監視させ、プリントキューを指定する印刷ジョブをスプーラー1111が受信した場合に、印刷ジョブに基づく課金情報を取得させ、取得した課金情報を前記関連情報でプリントキューと関連付けられたサーバー3に送信させる。
【0049】
課金情報を受信するサーバー3と接続する端末装置1の制御方法は、プリントキューと、課金情報を送信するサーバー3とが関連付けて記憶し、印刷ジョブをスプーラー1111で受信する。スプーラー1111で受信した印刷ジョブが、サーバー3と関連付けられたプリントキューを指定する印刷ジョブであるか否かを判別する。サーバー3と関連づけられたプリントキューを指定する印刷ジョブであると判別した場合に、印刷ジョブに基づく課金情報を、プリントキューと関連づけられたサーバー3に送信する。
【0050】
課金情報を受信するサーバー3と接続する端末装置1は、プリントキューと、印刷情報を送信するサーバーとが関連付けられて記憶する端末記憶部110と、印刷ジョブを受信するスプーラー1111と、スプーラー1111を監視する監視部1032と、スプーラー1111が受信した印刷ジョブが、サーバー3と関連付けられたプリントキューを指定する印刷ジョブであると監視部1032が判別した場合に、印刷ジョブに基づく課金情報を、関連情報115で関連づけられたサーバー3に送信する課金情報取得送信部1033と、を備える。
【0051】
課金アプリ114、端末装置1の制御方法、及び端末装置1によれば、関連情報においてプリントキューと関連付くサーバー3に、当該プリントキューを指定する印刷ジョブに基づく課金情報を送信するため、すべての印刷ジョブの課金情報をサーバー3に送信することなく、所定の印刷ジョブの課金情報をサーバー3に送信するようにできる。
【0052】
ユーザーが私用の印刷と業務用の印刷との2つの用途のうち業務用の印刷で印刷装置2を使用する場合に、ユーザーが印刷時に関連情報115に含まれる業務用として設定されたプリントキューを指定することで、業務用の印刷に関する印刷ジョブの課金情報をサーバー3に送信できる。よって、在宅勤務で使用される印刷装置2のように私用の印刷と業務用の印刷との2つの用途で印刷装置2が使用される場合で、業務用の印刷に関する課金情報を適切にサーバー3に送信できる。
【0053】
コマンド解析を実行することなく印刷ジョブの所定の記憶領域から印刷ジョブに基づく課金情報を取得するため、端末装置1に接続する印刷装置2の機種やメーカーに依ることなく、課金情報をサーバー3に送信できる。よって、端末装置1に接続する印刷装置2の機種やメーカーに依ることなく、サーバー3が印刷ジョブの課金情報を処理可能なシステムを構築できる。
【0054】
課金アプリ114は、端末プロセッサー100に、生成アプリ112から、関連情報でサーバー3と関連づけられていないプリントキューを指定する印刷ジョブをスプーラー1111が受信した場合、印刷情報をサーバー3に送信させない。
【0055】
これによれば、所定のプリントキューを指定する印刷ジョブの課金情報を送信し、当該所定のプリントキュー以外のプリントキューを指定する印刷ジョブの課金情報を送信しないようできるため、指定するプリントキューに応じて課金情報を送信するか否かを異ならせることができる。
【0056】
課金アプリ114は、端末プロセッサー100に、印刷ジョブに対する印刷終了応答を端末装置1と接続する印刷装置2から受信した場合、課金情報をサーバー3に送信させる。
【0057】
これによれば、印刷が終了した印刷ジョブの課金情報をサーバー3に送信できるため、サーバー3が、印刷が終了した印刷ジョブの課金情報を処理できる。つまり、サーバー3が、実際に印刷が終了した印刷ジョブの課金情報を対象に処理を実行できるため、課金に係わる各種処理を適切に行うことができるようになる。
【0058】
課金アプリ114は、端末プロセッサー100に、印刷ジョブに対するエラー応答を端末装置1と接続する印刷装置2から受信した場合、課金情報をサーバー3に送信させない。
【0059】
これによれば、印刷が終了していない印刷ジョブの課金情報をサーバー3に送信しないため、サーバー3が、印刷が終了していない印刷ジョブの課金情報を処理してしまうことを防止できる。
【0060】
課金アプリ114は、端末プロセッサー100に、課金情報をサーバー3に送信した後、端末装置1と接続する印刷装置2から印刷ジョブに対する応答を受信した場合、この応答をサーバー3に送信させる。
【0061】
これによれば、印刷装置2からの印刷ジョブに対する応答に応じた処理をサーバー3に実行させることができる。より詳細には、印刷終了応答を印刷装置2から受信した場合、サーバー3に印刷終了応答を送信することで、サーバー3に、印刷が終了した印刷ジョブの課金情報を処理させることができる。また、エラー応答を印刷装置2から受信した場合、サーバー3にエラー応答を送信することで、サーバー3に、印刷が終了していない印刷ジョブの課金情報を処理しないようにできる。
【0062】
課金アプリ114は、端末プロセッサー100に、ユーザーの入力を受け付けさせ、受け付けたユーザーの入力に基づいて、プリントキューとサーバー3とが関連付けられた関連情報115を生成させる。
【0063】
これによれば、ユーザーが指定したプリントキューとサーバー3とが関連付けられた関連情報115に基づいて課金情報の送信を行うことができるため、ユーザーの意図しない課金情報がサーバー3に送信させてしまうことを防止できる。
【0064】
上述した各実施形態は、一態様を示すものであり、任意に変形および応用が可能である。
【0065】
上述した課金アプリ実行部103は、サーバー3に課金情報を送信する構成であるが、サーバー3が、端末装置1と接続する印刷装置2のコマンド体系のコマンドを解析可能な場合、課金情報と共に課金情報を取得した印刷ジョブを送信してもよい。
【0066】
端末装置1がサーバー3に送信する印刷情報を課金情報とし、サーバー3が課金情報に基づいて課金に係わる処理を実行する構成であるが、サーバー3は、端末装置1から送信される情報に基づいて、印刷枚数等を収集し収集結果を提供するような印刷実績に係わる処理を行うサーバー装置であってもよい。この場合、印刷情報は、印刷実績を示す情報として捉えることができる。
【0067】
印刷装置2は、スキャン機能やファクシミリ機能等の印刷機能以外の機能を有していてもよい。
【0068】
端末制御部10の機能は、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。
【0069】
図1に示した各部は一例であって、特に限定されない。必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。ソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、端末装置1の他の各部の具体的な細部構成について、任意に変更可能である。
【0070】
図3に示す動作のステップ単位は、端末装置1の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、適宜に入れ替えてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…端末装置(印刷制御装置)、2…印刷装置、3…サーバー、10…端末制御部、11…第1端末通信部、12…第2端末通信部、13…表示部、14…入力部、100…端末プロセッサー(コンピューター)、101…生成アプリ実行部、102…ドライバー実行部、103…課金アプリ実行部、110…端末記憶部(記憶部)、111…オペレーティングシステム、112…生成アプリ、113…プリンタードライバー、114…課金アプリ、115…関連情報、1000…印刷システム、1031…関連情報生成部、1032…監視部、1033…課金情報取得送信部(印刷情報送信部)、1111…スプーラー、GN…グローバルネットワーク、LN…ローカルネットワーク。