(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】液晶表示装置及び光ノード装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1368 20060101AFI20240528BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240528BHJP
G02F 1/31 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G02F1/1368
G02F1/13 505
G02F1/31
(21)【出願番号】P 2020155873
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 隆行
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-156015(JP,A)
【文献】特開2012-113072(JP,A)
【文献】特許第5549614(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1368
G02F 1/13
G02F 1/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極性の画素信号が供給される正極性画素データ線及び負極性の画素信号が供給される負極性画素データ線を1組とする複数組の画素データ線と行走査信号が供給される複数本の行走査線とが交差する交差部に夫々設けられた複数の画素の各々が、
対向する画素電極と共通電極との間に液晶層が挟持された表示素子と、
前記正極性の画素信号を保持するための第1の保持容量と、
ソース-ドレイン経路が前記正極性画素データ線と前記第1の保持容量との間に接続され、ゲートに前記行走査信号が供給される第1のトランジスタと、
前記負極性の画素信号を保持するための第2の保持容量と、
ソース-ドレイン経路が前記負極性画素データ線と前記第2の保持容量との間に接続され、ゲートに前記行走査信号が供給される第2のトランジスタと、
前記第1の保持容量の電圧がゲートに入力される第3のトランジスタを含む、第1のソースフォロワ回路と、
前記第2の保持容量の電圧がゲートに入力される第4のトランジスタを含む、第2のソースフォロワ回路と、
ソース-ドレイン経路が前記第1のソースフォロワ回路の出力端子と前記画素電極との間に接続され、ゲートに第1の制御信号が供給される第5のトランジスタと、
ソース-ドレイン経路が前記第2のソースフォロワ回路の出力端子と前記画素電極との間に接続され、ゲートに前記第1の制御信号と交互にオンになる第2の制御信号が供給される第6のトランジスタと、
を備え、
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタ、前記第5のトランジスタと前記第6のトランジスタは、第1導電型のトランジスタであり、
前記第3のトランジスタ、前記第4のトランジスタは第2導電型のトランジスタであり、
前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタの閾値電圧は、第2導電型の他のトランジスタの閾値電圧と異なり、
前記第5のトランジスタ及び前記第6のトランジスタの閾値電圧は、第1導電型の他のトランジスタの閾値電圧と異なる、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記第5のトランジスタ及び前記第6のトランジスタは、LowVthのトランジスタである、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第5のトランジスタ及び前記第6のトランジスタは、デプレッショントランジスタである、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第5のトランジスタ及び前記第6のトランジスタは、閾値電圧を変更するためのイオンが注入されたトランジスタである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタは、LowVthのトランジスタである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタは、デプレッショントランジスタである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタは、閾値電圧を変更するためのイオンが注入されたトランジスタである、
請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタは、Pチャネル型のMOSトランジスタであり、
前記第5のトランジスタ及び前記第6のトランジスタは、Nチャネル型のMOSトランジスタである、
請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか1項に記載の液晶表示装置と、
入射光を入射する入力ポートと、前記入射光に含まれる各波長に応じた出射光を出射する出力ポートと、を有する入出力部と、
前記入射光に含まれる各波長の光を各波長に応じて空間的に分散させ、前記出射光を前記入出力部の側へ出射する分散素子と、
前記分散素子によって分散された各波長の光を各波長毎に前記液晶表示装置の表面に集光し、前記液晶表示装置によって反射された各波長の光を前記分散素子の側へ出射するレンズと、
を備え、
前記液晶表示装置は、
前記レンズによって集光された各波長の光を、各波長毎にルーティングによって決められた方向に、反射する、
光ノード装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及び光ノード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ネットワークは、高速大容量の電気通信についての現代の需要をサポートするために使用される。これらのネットワークは、一般に、光波長分割多重方式(WDM)として知られている技術を使用して、できる限り多くの光スペクトルを利用する。
【0003】
多くの光ネットワークでは、光ネットワークの分岐点に対応する光ノード装置が使用される。しばしば、光ノード装置において、再構成可能なアド/ドロップ機能を有する再構成可能な光アド/ドロップマルチプレクサ(ROADM)デバイスを使用することが、望ましい。
【0004】
ROADMシステムを実現するために、波長選択スイッチ(WSS)が、任意の波長チャネルのルーティングのために使用されても良い。WSSでは、空間光変調器等の光ビーム偏向デバイスが使用されて、所望の出力ポートへの偏向のために波長を選択してもよい。反射型液晶表示装置を用いた空間光変調器を使用するWSSが、現在使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5549614号公報
【文献】特開2009-223289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した、反射型液晶表示装置を用いた空間光変調器を使用するWSSでは、反射型液晶表示装置のダイナミックレンジを広くすることにより、光信号のS/N比を改善することができ、また、チャネル数を増加することもできる。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑み、ダイナミックレンジを広くすることが可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、そのような液晶表示装置を含む光ノード装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様にかかる液晶表示装置は、正極性の画素信号が供給される正極性画素データ線及び負極性の画素信号が供給される負極性画素データ線を1組とする複数組の画素データ線と行走査信号が供給される複数本の行走査線とが交差する交差部に夫々設けられた複数の画素の各々が、対向する画素電極と共通電極との間に液晶層が挟持された表示素子と、前記正極性の画素信号を保持するための第1の保持容量と、ソース-ドレイン経路が前記正極性画素データ線と前記第1の保持容量との間に接続され、ゲートに前記行走査信号が供給される第1のトランジスタと、前記負極性の画素信号を保持するための第2の保持容量と、ソース-ドレイン経路が前記負極性画素データ線と前記第2の保持容量との間に接続され、ゲートに前記行走査信号が供給される第2のトランジスタと、前記第1の保持容量の電圧がゲートに入力される第3のトランジスタを含む、第1のソースフォロワ回路と、前記第2の保持容量の電圧がゲートに入力される第4のトランジスタを含む、第2のソースフォロワ回路と、ソース-ドレイン経路が前記第1のソースフォロワ回路の出力端子と前記画素電極との間に接続され、ゲートに第1の制御信号が供給される第5のトランジスタと、ソース-ドレイン経路が前記第2のソースフォロワ回路の出力端子と前記画素電極との間に接続され、ゲートに前記第1の制御信号と交互にオンになる第2の制御信号が供給される第6のトランジスタと、を備え、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタ、前記第5のトランジスタと前記第6のトランジスタは、第1導電型のトランジスタであり、前記第3のトランジスタ、前記第4のトランジスタは第2導電型のトランジスタであり、前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタの閾値電圧は、第2導電型の他のトランジスタの閾値電圧と異なり、前記第5のトランジスタ及び前記第6のトランジスタの閾値電圧は、第1導電型の他のトランジスタの閾値電圧と異なる。
【0009】
本発明の一態様にかかる光ノード装置は、上記液晶表示装置と、入射光を入射する入力ポートと、前記入射光に含まれる各波長に応じた出射光を出射する出力ポートと、を有する入出力部と、前記入射光に含まれる各波長の光を各波長に応じて空間的に分散させ、前記出射光を前記入出力部の側へ出射する分散素子と、前記分散素子によって分散された各波長の光を各波長毎に前記液晶表示装置の表面に集光し、前記液晶表示装置によって反射された各波長の光を前記分散素子の側へ出射するレンズと、を備え、前記液晶表示装置は、前記レンズによって集光された各波長の光を、各波長毎にルーティングによって決められた方向に、反射する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ダイナミックレンジを広くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態に係る波長選択スイッチアレイの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態に係る波長選択スイッチアレイの構成を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態の波長選択アレイの反射型液晶表示装置を示す図である。
【
図4】
図4は、比較例の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【
図5】
図5は、比較例の反射型液晶表示装置の交流駆動制御の概要を示す図である。
【
図6】
図6は、正極性の画素信号及び負極性の画素信号の黒レベルから白レベルまでの関係を示す図である。
【
図7】
図7は、比較例及び第2の実施の形態の画素の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【
図8】
図8は、第2の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【
図9】
図9は、NMOSトランジスタのVG-ID特性を示す図である。
【
図10】
図10は、第3の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【
図11】
図11は、比較例及び第3の実施の形態の画素の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【
図12】
図12は、第4の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【
図13】
図13は、比較例及び第4の実施の形態の画素の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【
図14】
図14は、第5の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【
図15】
図15は、比較例及び第5の実施の形態の画素の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【
図16】
図16は、第6の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【
図17】
図17は、比較例及び第6の実施の形態の画素の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【
図18】
図18は、第7の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の平面レイアウト図である。
【
図19】
図19は、第7の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の断面図である。
【
図20】
図20は、第8の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の平面レイアウト図である。
【
図21】
図21は、第9の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の平面レイアウト図である。
【
図22】
図22は、第10の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の平面レイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0013】
<第1の実施の形態>
図1及び
図2は、第1の実施の形態に係る波長選択スイッチ(WSS)アレイの構成を示す図である。
図1は、WSSアレイ10を、x軸方向と逆向きの方向に見た図である。
図2は、WSSアレイ10を、y軸方向と逆向きの方向に見た図である。
【0014】
WSSアレイ10が、本開示の「光ノード装置」の一例に相当する。
【0015】
本開示のWSSアレイ10は、単一パッケージ内で少なくとも2つのWSSを使用する。本開示のWSSアレイ10は、専用の光学素子を必要とすることなく、WSSアレイ10内でそれぞれのWSSの独立した動作を可能にする。それどころかむしろ、光学素子の多くは、個々のWSSデバイス間で共有されることが可能であり、したがって、コスト低減及び小型化が可能である。こうしたデバイスは、例えば、再構成可能な光アド/ドロップマルチプレクサ(ROADM)として現代の通信ネットワークで使用するのに理想的に適している。更に、1つ又は複数の、結合された2つのWSSを有するアレイは、ルート及びセレクト(RS)アーキテクチャを使用する分岐ノード内の構成要素として理想的に適し得る。
【0016】
図1を参照すると、WSSアレイ10は、それぞれが独立したWSSデバイスとして動作し得る2つの独立したWSSデバイスWSS1及びWSS2を含む。本開示において、「独立した」という用語は、WSSデバイスWSS2とは無関係に1つ又は複数のWDM信号を独立して処理するWSSデバイスWSS1の機能を指し、また、その逆も同様である。本開示において、「処理」という用語は広義に使用され、例えば、それぞれのWDM信号を構成する個々の波長チャネルを変調させること、減衰させること、ブロックすること、方向転換させること、及び/又は、スイッチングすることを含む。
【0017】
WSSアレイ10は、入出力部11と、光学系12と、を含む。光学系12は、それぞれのWDM信号ビームをビーム整形するように構成される。また、光学系12は、それぞれのWDM信号を、それらを構成する波長チャネル(又は波長チャネルのグループ)にスペクトル分散(多重分離)させるように構成される。更に、光学系12は、分散済み波長チャネル(又は波長チャネルのグループ)を1つ又は複数のWDM信号にスペクトル結合(多重化)するように構成される。更に、WSSアレイ10は、反射型液晶表示装置13を含む。反射型液晶表示装置13は、例えば個々の波長チャネルをWSSアレイ10内の所定の経路に沿って方向転換させるために、分散済み波長チャネルを光学的に処理するように構成される。
【0018】
反射型液晶表示装置13が、本開示の「液晶表示装置」の一例に相当する。反射型液晶表示装置13については、第2の実施の形態以降で詳しく説明する。
【0019】
WSSアレイ10は、対称軸14に関して対称のアーキテクチャを使用することにより、単一の光学系12及び反射型液晶表示装置13が、WSSアレイ10の幾つかのWSSデバイス、この例ではWSSデバイスWSS1及びWSS2の間で共有可能にする。しかしながら、WSSデバイスWSS1及びWSS2が同じ光学部品の多くを共有し得る一方で、第1の実施の形態のアーキテクチャは、WSSアレイ10のWSSデバイスWSS1及びWSS2が独立して制御可能なデバイスであることを可能にする。そのため、第1の実施の形態のWSSアレイ10は、小型化され、光学的複雑さが軽減される。加えて、WSSアレイ10は、より大型でコストがかかるデバイスに固有の独立した処理能力を保持するマルチWSSデバイスを提供する。
【0020】
本開示では、入出力部11は、1つ又は複数の光WDM信号を伝達するための幾つかの入力ポート及び出力ポートを含み得る。例えば、デバイスは、幾つかの光ファイバー、平面導波路等を含み得るが、そのいずれもが入力ポート又は出力ポートとして割当てられ得る。以下で述べる第1の実施の形態では、入力ポート又は出力ポートは、光ファイバー15として実装される。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の他の種類のポートを使用することができる。
【0021】
入出力部11は、WSSデバイスWSS1用の入出力部11-1を含む。入出力部11-1は、入力ファイバー1及び幾つかの出力ファイバー1a、1b、・・・、1nを含む。ここで、nは自然数である。入出力部11は、WSSデバイスWSS2用の入出力部11-2を更に含む。入出力部11-2は、入力ファイバー2及び幾つかの出力ファイバー2a、2b、・・・、2nを含む。ここで、nは自然数である。したがって、
図1は、WSSデバイスWSS1及びWSS2を含む2つの1×N WSSデバイスのアレイを例として示している。換言すると、WSSアレイ10の入出力部11は、y軸方向に沿って配置される光ファイバースタックを形成する入力ファイバー1、出力ファイバー1a、1b、・・・1n、入力ファイバー2、出力ファイバー2a、2b、・・・、2nのアレイを含む。
【0022】
入出力部11は、マイクロレンズアレイの形態をとるコリメートレンズ16のアレイを更に含む。コリメートレンズ16のアレイは、対応する光パワー素子のアレイ、例えば、それぞれが光ファイバーの出力部及び/又は入力部の前方(z方向)に配置される。本開示では、コリメートレンズ16は、光ビームの方向を誘導及び/又は変更する、及び/又は、一組の光線を集光する能力を有する任意の光学素子を含む。入力ファイバー1、出力ファイバー1a、1b、・・・、1nを含む第1のグループは、対になるコリメートレンズ16の第1のグループと組み合わされて、WSSデバイスWSS1の入出力部11-1を形成する。入力ファイバー2、出力ファイバー2a、2b、・・・、2nを含む第2のグループは、対になるコリメートレンズ16の第2のグループと組み合わされて、WSSデバイスWSS2の入出力部11-2を形成する。
図1では、マイクロレンズアレイとして実装されるWSSアレイ10を示すが、本発明の範囲から逸脱することなく、他のタイプのWSSアレイも使用することができる。
【0023】
本開示では、例えば、第1のグループの光ファイバーの光軸は、第1のグループのコリメートレンズ16の光軸に対して変位される。入力ポート及び出力ポートのアレイとコリメートレンズ16のアレイとの間のこの相対的な位置のずれにより、第1のグループの入力ビーム及び出力ビームは、対称軸14に対して角度θ1をなして光学系12に入る(又は光学系12から出る)ように送出される。これにより、WSSデバイスWSS1からの入力ビーム及び出力ビームのグループが、全体として下降する方向(y軸方向と逆方向)の角度θ1に沿って送出されることになる。
【0024】
同様に、第2のグループのファイバーの光軸は、第2のグループのコリメートレンズ16の光軸に対して変位される。第2のグループの入力ビーム及び出力ビームは、対称軸14に対して角度θ2をなして光学系12に入る(又は光学系12から出る)ように送出されることになる。これにより、WSSデバイスWSS2からの入力ビーム及び出力ビームのグループが、全体として上昇する方向(y軸方向)の角度θ2に沿って送出されることになる。
【0025】
先に言及したように、
図1に示す例示的な例は、2つの1×N WSS、すなわちWSSデバイスWSS1及びWSS2を使用するWSSアレイ10である。そのため、
図1に示す例では、WSSデバイスWSS1は、WDM信号ビーム31をデバイスに入射させる1つの入力ファイバー1を含み、また、WDM信号ビーム32をデバイスに入射させる1つの入力ファイバー2を含む。ここで示す入力ファイバー/出力ファイバー構成は、例示する目的で示されるものにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。むしろ、任意の有用な入力ポート/出力ポートの組合せを、本発明の範囲から逸脱することなく用いることが可能である。
【0026】
WDM信号ビーム31は、入力ファイバー1からデバイスへ送出され、コリメートレンズ16を通過した後、角度θ1にてy-z平面内で光学系12を通って進む。WDM信号ビーム31は、その後、WDM信号ビーム31をx方向に整形するためのレンズ21に入射する。一例では、レンズ21は、円柱軸がy方向に沿って延びるシリンドリカルレンズであっても良い。そのため、レンズ21は、
図1に示すような視点から見るときに、WDM信号ビーム31に影響を及ぼさない。
【0027】
WDM信号ビーム31は、レンズ21を通過した後、レンズ22に入射する。
図1に示す例では、レンズ22は、円柱軸がx方向に沿って延びるシリンドリカルレンズであっても良い。レンズ22の作用は、レンズ22の焦点面に位置決めされる反射型液晶表示装置13に依存する。更に、レンズ22は、その中心(円柱軸)が対称軸14上にある。反射型液晶表示装置13がレンズ22の焦点面に位置決めされるので、レンズ22に入る平行光線の任意の組は、反射型液晶表示装置13上の同じ高さに集光されることになる。逆に、反射型液晶表示装置13上の同じ高さから始まる光線の任意の組は、一組の平行光線としてレンズ22から出ることになる。
【0028】
例えば、
図1に示すように、角度θ1に沿って進む任意の入射ビーム(例えば、WDM信号ビーム31)は、レンズ22によって、反射型液晶表示装置13上のy軸方向の位置LC1に向かうように方向付けられる。逆に、反射型液晶表示装置13上の位置LC1から始まる光線41の群は、
図1に示すように同じ角度θ1をなして進む平行光線としてレンズ22を出る。同様に、角度θ2に沿って進む任意の入射ビーム(例えば、WDM信号ビーム32)は、レンズ22によって、反射型液晶表示装置13上のy軸方向の位置LC2に向かうように方向付けられる。逆に、反射型液晶表示装置13上の位置LC2から始まる光線42の群は、
図1に示すように同じ角度θ2をなして進む平行光線としてレンズ22を出る。
【0029】
光学系12を通るWDM信号ビーム31の伝搬に話を戻すと、レンズ22を通過した後、WDM信号ビーム31は、
図1及び
図2に示すように、WDM信号ビーム31の波長チャネルを角度分散させる分散素子24を通過する。本開示では、分散素子24は、回折格子、プリズム、などの透過型光学部品であっても良い。
【0030】
分散された波長チャネルは、分散素子24を通過した後、
図1及び
図2に示すように、分散された波長チャネルを波長チャネル毎に反射型液晶表示装置13の表面上に集光するレンズ23を通過する。本開示では、レンズ23は、シリンドリカルレンズであっても良い。
【0031】
反射型液晶表示装置13は、2次元ピクセル化光学素子、例えばピクセル化空間光変調器である。2次元ピクセル化光学素子は、以下でより詳細に述べるように、分散された波長チャネルの1つ又は複数が出力ファイバーの任意の1つにルーティングされるように、分散された波長チャネルの1つ又は複数を反射し得るか、あるいは方向転換させ得る。
【0032】
WSSデバイスWSS1に関して、本開示によれば、レンズ22があるので、反射型液晶表示装置13上の位置LC1から始まる光線の全ては、
図1に示すように、角度θ1に沿ってレンズ22から出力される。但し、反射型液晶表示装置13上の位置LC1から始まる光線の全ては、反射型液晶表示装置13からの偏向角度に応じた量だけ互いに対して変位することになる。従って、偏向角度が適切に設定される場合、反射される出力光線は、出力ファイバー1a、1b、・・・、1nのうち任意の出力ファイバーにルーティングされ得る。ここで、反射される出力光線は、例えば、それぞれがWDM信号ビーム31の波長チャネルの1つ又は複数を含み得る光線41の群に対応する、反射される出力光線である。更に、本開示では、コリメートレンズ16の各々が、その対応する出力ファイバーに対して同じ量だけ変位されているので、個々の出力ビームは、効率が改善された状態で、それぞれの出力ファイバーに再結合されることが可能である。
【0033】
同様に、WSSデバイスWSS2に関して、本開示によれば、レンズ22があるので、反射型液晶表示装置13上の位置LC2から始まる光線の全ては、
図1に示すように角度θ2に沿ってレンズ22から出力される。但し、反射型液晶表示装置13上の位置LC2から始まる光線の全ては、反射型液晶表示装置13からの偏向角度に応じた量だけ互いに対して変位することになる。従って、偏向角度が適切に設定される場合、反射される出力光線は、出力ファイバー2a、2b、・・・、2nのうち任意の出力ファイバーにルーティングされ得る。ここで、反射される出力光線は、例えば、それぞれがWDM信号ビーム32の波長チャネルの1つ又は複数を含み得る光線42の群に対応する、反射される出力光線である。更に、本開示では、コリメートレンズ16の各々が、その対応する出力ファイバーに対して同じ量だけ変位されているので、個々の出力ビームは、効率が改善された状態で、それぞれの出力ファイバーに再結合されることが可能である。
【0034】
そのため、入出力部11及びレンズ22の組合せは、所与の角度(例えば、WSSデバイスWSS1の場合、角度θ1、WSSデバイスWSS2の場合、角度θ2)に沿って所与の組のビームを送出する。その後、入出力部11及びレンズ22の組合せは、これらのビームを、入力角度にのみ依存する反射型液晶表示装置13上の位置(位置LC1及び位置LC2)に向かうように方向付ける、WSSアレイデバイスをもたらす。よって、WSSアレイ10は、WSSデバイスWSS1及びWSS2からのWDM信号ビーム31及び32、又は、WSSデバイスWSS1及びWSS2への光線41及び42の2つの組が同一の光学系12及び反射型液晶表示装置13を共有することを可能にする。その一方で、WSSアレイ10は、同時に、個々の波長チャネルを別々に処理するWSSアレイの能力を保持する。
【0035】
図2を参照すると、入出力部11を構成するファイバー及びマイクロレンズのスタックは、ファイバースタックの上部から観察され、したがって、入力ファイバー1だけが、その対応するコリメートレンズ16と共に見えている。以下の説明はWSSデバイスWSS1に的を絞るが、システムの対称性により、全く同じ説明がWSSデバイスWSS2について当てはまることになる。
【0036】
上述したように、WSSデバイスWSS1の場合、WDM信号ビーム31は、入力ファイバー1を介してシステムへ入射される。
図2では、角度θ1は、紙面の奥側に入り込む方向であるため、見えない。本開示では、WDM信号ビーム31は、幾つかの波長チャネルを含み、該チャネルは、最長の波長λ1から最短の波長λnまでの波長範囲を有する。幾つかの例では、波長チャネルの数は多くても良く、例えば固定格子上に50GHz又は100GHzの間隔を有する96の波長チャネルであっても良い。他の例では、デバイスは、例えば12.5GHzの周波数間隔を使用することができ、97以上の波長チャネル、例えば130以上の波長チャネルを有する、適応性のある格子システムで使用され得る。
【0037】
WDM信号ビーム31は、レンズ21に最初に入射する。レンズ21は、分散素子24上で所望のビームサイズを達成するのに適した径にビームを拡張するように、機能する。例えば、コリメートレンズ16及びレンズ21は、ビーム拡張テレスコープとして機能しても良い。本開示では、分散素子24は、
図2に示すように、WDM信号ビーム31の波長チャネルをx軸方向に角度分散させるように機能する。波長チャネル51から5nまでの各々は、分散素子24によってx軸方向に角度分散された後に、レンズ23によって反射型液晶表示装置13の表面上に集光される。それにより、波長チャネル51から5nまでは、波長に応じて、反射型液晶表示装置13上で波長分散方向(x軸方向)に空間的に分散される。
【0038】
図3は、第1の実施の形態のWSSアレイの反射型液晶表示装置を示す図である。
図3は、反射型液晶表示装置13を、z軸方向から見た図である。
【0039】
反射型液晶表示装置13の表面上における波長チャネルの分布の一例が、
図3においてより明瞭に示される。より一般的には、波長チャネルは、長尺ストリップ又は楕円形スポットとして、反射型液晶表示装置13の2次元表面上に配列され得る。簡潔に言えば、波長チャネルは、反射型液晶表示装置13によって独立して作用され得る、離散的な波長信号として処理される。しかしながら、本開示では、反射型液晶表示装置13は、波長チャネルの個々に対して作用することに限定される必要はなく、波長チャネルのグループに対して作用してもよい。更に、
図3に示すように、波長チャネル又は波長チャネルのグループは、それ自体が固定帯域幅を有している必要はない。なぜならば、反射型液晶表示装置13は、動的に完全に再構成可能である空間光変調器として実装され得るからである。したがって、本開示は、目下の固定格子アーキテクチャにおいて、及び/又は、目下の又は将来開発される適応性の高い格子アーキテクチャにおいて実装され得る。
【0040】
再び
図2を参照すると、反射型液晶表示装置13は、波長チャネル51から5nまでの1つ又は複数を或る方向に選択的に方向転換させる。そして、反射型液晶表示装置13は、選択された1つ又は複数の波長チャネル51から5nまでを、1つ又は複数の出力ポート(例えば、
図2の紙面奥側にある1つ又は複数の出力ファイバー(
図1参照))へ最終的に向かうように方向転換させ得る。
図2に示す場合、反射型液晶表示装置13によって達成される方向転換は、紙面に直交する平面(y-z平面)内に位置する角度に沿って行われる。波長チャネル51から5nまでは、例えば、
図1を参照して先に更に詳細に示され、述べられたように、方向転換される。方向転換された波長チャネル51から5nまでは、反射型液晶表示装置13によって反射された後、レンズ23に再び入射し、分散素子24に到るよう更に方向転換され、分散素子24において再結合される。例えば、同じ角度に沿って方向転換されるそれらの波長チャネル51から5nまでは、再結合されて単一ビームとなり、該単一ビームはその後、出力ポートの1つにおいて処理済み信号の出力を可能にし得る方向に沿って方向転換される。
【0041】
例えば、波長λ1、λ2及びλ3並びにチャネル帯域幅δλ1、δλ2及びδλ3をそれぞれ有する3つのWDMチャネルを含むWDM信号ビーム31について検討する。
図1に示す例では、WDM信号ビーム31は、角度θ1にてシステムに入る。更に、角度θ1で進むWDM信号ビーム31は、レンズ22の中心を通過し、角度θ1からずれて偏向されない。WDM信号ビーム31の3つの波長チャネルは、分散素子24を通過した後、直交する平面(x-z平面)内で角度分散される一方で、角度分散されたチャネルの全ては、角度θ1にて依然として進む。これらの3つの分散済み波長チャネルは、その後、
図3に示すように、反射型液晶表示装置13上の異なる位置にレンズ23によって集光される。
【0042】
デバイスのルーティング機能に関して、幾つかの異なるルーティングの組合せがここでは可能である。例えば、3つ全ての波長チャネルが、
図1に示す出力ファイバー1nにルーティングされることを所望される場合を検討する。反射型液晶表示装置13の対応する部分は、波長λ1、λ2及びλ3の波長チャネルそれぞれが
図1に示す光線41の内の1つに沿って戻るように、波長λ1、λ2及びλ3の波長チャネルそれぞれを偏向させる。これらの波長チャネルについての戻り経路に対する分散素子24の作用は、現在伝搬している同一のビームとなるように波長チャネルのそれぞれを再結合(多重化)することである。この結合済みビームは、その後、レンズ22によって方向転換されて角度θ1を有し、WDM信号ビーム31から今や変位した出力ビーム31cに沿って伝搬する。コリメートレンズ16の作用は、再結合済みでかつ方向転換済みの出力ビーム31cを出力ファイバー1nに結合することである。こうして、この動作モードでは、WSSデバイスWSS1の作用は、入力ファイバー1から出力ファイバー1nへWDM信号ビーム31の3つ全ての波長チャネルを通過させることである。
【0043】
別の例では、場合によっては、波長チャネルの幾つかを異なる出力ファイバーへと別々にルーティングすることが所望されるであろう。例えば、場合によっては、反射型液晶表示装置13は、出力ビーム31aに沿って波長λ1の波長チャネルを偏向させ、出力ビーム31bに沿って波長λ2の波長チャネルを偏向させ、出力ビーム31cに沿って波長λ3の波長チャネルを偏向させる。ここでも、分散素子24の作用は、これらの出力ビームのそれぞれを方向転換させることである。但し、この場合、分散素子24は、出力ビームを単一ビームになるよう再結合させるのではなく、扇状に広がって進む3つの出力ビームを生成する。更に、これらの出力ビームのそれぞれが反射型液晶表示装置13上の同じy軸方向の位置LC1から始まっているので、これらの出力ビームは、元々のWDM信号ビーム31と同じ角度θ1に沿って伝搬する一組の平行光線としてレンズ22から出射される。しかしながら、各出力ビームが異なる高さ(y軸方向の異なる位置)でレンズ22に入射するので、出力ビームは、互いから変位することになる。それにより、例えば、波長λ1の波長チャネルは、出力ビーム31aに沿って伝搬し、波長λ2の波長チャネルは、出力ビーム31bに沿って伝搬し、波長λ3の波長チャネルは、出力ビーム31cに沿って伝搬することになる。従って、この構成では、WSSデバイスWSS1の作用は、波長λ1の波長チャネルを入力ファイバー1から出力ファイバー1aまでルーティングすることである。また、WSSデバイスWSS1の作用は、波長λ2の波長チャネルを入力ファイバー1から出力ファイバー1bまでルーティングすることである。また、WSSデバイスWSS1の作用は、波長λ3の波長チャネルを入力ファイバー1から出力ファイバー1nまでルーティングすることである。
【0044】
上記を考慮すると、本開示のWSSアレイ10は、WDM信号ビームの任意の波長チャネルが、必要に応じて出力ファイバーのうちの任意の出力ファイバーにルーティングされ得ることが明らかである。更に、
図1に示すシステムの対称性により、上記説明は、WSSデバイスWSS2を使用してWDM信号ビーム32をルーティングすることにも同様に当てはまる。これは、
図3に示すように、WSSデバイスWSS1及びWSS2の分散済み波長チャネルが最終的に反射型液晶表示装置13の異なる部分上にそれぞれ集光されるからである。更に、
図1から
図3に示す例では、1つの入力ポート及びn個の出力ポートを使用しているが、出力ポートが入力ポートとして再構成され得ること、また、その逆も同様であることが理解されよう。更に、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の個数の入力ポート及び出力ポートを使用することができる。同様に、
図1から
図3に明示的に示す例は、2つのWSSデバイスWSS1及びWSS2を使用するWSSアレイ10であるが、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の個数のWSSデバイスを使用することができる。例えば、入出力部11が4つの別個の送出角度を使用するように設計される場合、WSSアレイ10は、4つの独立したWSSデバイスを提供してもよい。
【0045】
<第2の実施の形態及び比較例>
以下、第2の実施の形態について説明するが、第2の実施の形態の理解を容易にするため、先に比較例について説明する。
【0046】
(比較例)
図4は、比較例の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。反射型液晶表示装置は、マトリクス状に配列された複数の画素Pixを含む。
図4は、第j行目第i列目(i、jは自然数)の画素Pixの構成を示す図である。
【0047】
図4に示すように、画素Pixは、正極性の画素信号を保持する保持容量(コンデンサ)Cs1と、正極性の画素信号を保持容量Cs1に書き込むためのスイッチング用のトランジスタTr1と、を含む。トランジスタTr1は、Nチャネル型のMOS(Metal Oxide Semiconductor:金属酸化物半導体)(以下、NMOS)トランジスタとするが、本開示はこれに限定されない。更に、画素Pixは、負極性の画素信号を保持する保持容量Cs2と、負極性の画素信号を保持容量Cs2に書き込むためのスイッチング用のトランジスタTr2と、を含む。トランジスタTr2は、NMOSトランジスタとするが、本開示はこれに限定されない。
【0048】
トランジスタTr1が、本開示の「第1のトランジスタ」の一例に相当する。トランジスタTr2が、本開示の「第2のトランジスタ」の一例に相当する。
【0049】
更に、画素Pixは、保持容量Cs1の信号蓄積ノード(本例では、高電位側の端子)に接続された、インピーダンス変換用バッファであるソースフォロワ回路61を含む。ソースフォロワ回路61は、トランジスタTr3及びTr7を含んで構成される。トランジスタTr3及びTr7の各々は、Pチャネル型のMOS(以下、PMOS)トランジスタとするが、本開示はこれに限定されない。更に、画素Pixは、保持容量Cs2の信号蓄積ノード(本例では、高電位側の端子)に接続された、インピーダンス変換用バッファであるソースフォロワ回路62を含む。ソースフォロワ回路62は、トランジスタTr4及びTr8を含んで構成される。トランジスタTr4及びTr8の各々は、PMOSトランジスタとするが、本開示はこれに限定されない。
【0050】
ソースフォロワ回路61が、本開示の「第1のソースフォロワ回路」の一例に相当する。ソースフォロワ回路62が、本開示の「第2のソースフォロワ回路」の一例に相当する。トランジスタTr3が、本開示の「第3のトランジスタ」の一例に相当する。トランジスタTr4が、本開示の「第4のトランジスタ」の一例に相当する。
【0051】
更に、画素Pixは、ソースフォロワ回路61の出力端子aと画素電極PEとの間に接続されたトランジスタTr5を含む。トランジスタTr5は、画素電極PEに対してソースフォロワ回路61の出力電圧の導通又は非導通を制御可能なスイッチング用のトランジスタである。トランジスタTr5は、NMOSトランジスタとするが、本開示はこれに限定されない。更に、画素Pixは、ソースフォロワ回路62の出力端子bと画素電極PEとの間に接続され、画素電極PEに対してソースフォロワ回路62の出力電圧の導通又は非導通を制御可能なスイッチング用のトランジスタTr6を含む。トランジスタTr6は、NMOSトランジスタとするが、本開示はこれに限定されない。
【0052】
トランジスタTr5が、本開示の「第5のトランジスタ」の一例に相当する。トランジスタTr6が、本開示の「第6のトランジスタ」の一例に相当する。
【0053】
更に、画素Pixは、液晶表示素子LCを含む。液晶表示素子LCは、互いに対向して配置された画素電極PEと共通電極CEとの間に液晶表示体(液晶層)LCMが挟持されている。共通電極CEは、反射型液晶表示装置の対向基板に形成されることが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0054】
画素データ線は、複数の画素Pixの各列について、正極性用の画素データ線Di+と、負極性用の画素データ線Di-と、の2本1組で構成され、図示しない画素データ線駆動回路でサンプリングされた互いに極性の異なる画素信号が夫々供給される。トランジスタTr1のドレイン端子は画素データ線Di+に接続されている。トランジスタTr2のドレイン端子は画素データ線Di-に接続されている。トランジスタTr1及びTr2のゲート端子は、同一行について同一の行走査線(ゲート線)Gjに接続されている。トランジスタTr1及びTr2は、走査パルス(行走査信号)が図示しない垂直走査回路から行走査線Gjを介してゲート端子に供給されると、同時にオン状態となり、正極性の画素信号及び負極性の画素信号が、保持容量Cs1及びCs2に夫々蓄積される。
【0055】
画素データ線Di+が、本開示の「正極性画素データ線」の一例に相当する。画素データ線Di-が、本開示の「負極性画素データ線」の一例に相当する。
【0056】
ソースフォロワ回路61のトランジスタTr3は、信号入力トランジスタとして機能し、トランジスタTr7は、定電流負荷トランジスタとして機能する。ソースフォロワ回路62のトランジスタTr4は、信号入力トランジスタとして機能し、トランジスタTr8は、定電流負荷トランジスタとして機能する。定電流負荷トランジスタであるトランジスタTr7及びTr8のゲート端子は、同一行画素について同一の配線Bが共通接続されており、定電流負荷トランジスタのバイアス制御が可能な構成となっている。MOSトランジスタで構成されたソースフォロワ回路61及び62の入力抵抗は、非常に大きい(ほぼ無限大)。従って、保持容量Cs1及びCs2の蓄積電荷は、従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置と同様に、リークすることなく、1垂直走査期間後に信号が新たに書き込まれるまで保持される。
【0057】
トランジスタTr5及びTr6は、ソースフォロワ回路61及び62の出力電圧を、液晶表示素子LCにスイッチして、夫々送出する。
【0058】
正極性の画素信号のスイッチングを行うトランジスタTr5のゲート端子と、負極性の画素信号のスイッチングを行うトランジスタTr6のゲート端子と、は独立している。トランジスタTr5のゲート端子は、正極性側のゲート制御信号が供給される配線S+に接続され、トランジスタTr6のゲート端子は、負極性側のゲート制御信号が供給される配線S-に接続されている。トランジスタTr5及びTr6は、正極性側のゲート制御信号と負極性側のゲート制御信号とが交互にオンになることにより、交互にオン状態となり、正極性及び負極性に反転する画素信号を液晶表示素子LCに与えることができる。つまり、画素Pix自体が、極性反転機能を備えている。画素Pixは、トランジスタTr5及びTr6を高速で制御することにより、垂直走査周波数の制約のない高い周波数での交流駆動が可能である。
【0059】
正極性側のゲート制御信号が、本開示の「第1の制御信号」の一例に相当する。正極性側のゲート制御信号と交互にオンになる負極性側のゲート制御信号が、本開示の「第2の制御信号」の一例に相当する。
【0060】
図5は、比較例の反射型液晶表示装置の交流駆動制御の概要を示す図である。
【0061】
配線S+に印加される正極性側のゲート制御信号がハイレベルである期間に、正極性側のスイッチング用のトランジスタTr5がオン状態になる。この期間に配線Bに印加されるバッファ負荷制御信号がローレベルになると、ソースフォロワ回路61がアクティブとなり、画素電極PEが正極性の画素信号レベルに充電される。画素電極PEが完全に充電された状態となった時点で、配線Bのバッファ負荷制御信号がハイレベルになり、正極性側のゲート制御信号がローレベルになると、画素電極PEはフローティング状態となり、液晶表示素子LCに正極性の画素電圧が保持される。
【0062】
一方、配線S-に印加される負極性側のゲート制御信号がハイレベルである期間に、負極性側のスイッチング用のトランジスタTr6がオン状態になる。この期間に配線Bに印加されるバッファ負荷制御信号がローレベルになると、ソースフォロワ回路62がアクティブとなり、画素電極PEが負極性の画素信号レベルに充電される。画素電極PEが完全に充電された状態となった時点で、配線Bのバッファ負荷制御信号がハイレベルになり、負極性側のゲート制御信号がローレベルになると、画素電極PEはフローティング状態となり、液晶表示素子LCに負極性の画素電圧が保持される。
【0063】
以降、この動作を交互に繰り返すことで、画素電極PEには正極性及び負極性の画素信号で交流化された画素電極電圧VPEが印加される。画素Pixは、保持容量Cs1及びCs2に保持されている電荷を液晶表示素子LCに直接転送するのではなく、ソースフォロワ回路61及び62を介して電圧を供給する構成である。従って、画素Pixは、画素電極PEを正極性及び負極性で繰り返し充放電しても、電荷の中和の問題はなく、電圧レベルの減衰がない駆動が実現できる。
【0064】
また、
図5に示すように、共通電極CEに印加されるコモン電圧Vcomは、画素電極PEの電位の反転基準電位Vcとほぼ等しい基準電位レベルに対して、画素電極PEの極性切り替えと同期して反転される。液晶表示体LCMの実質的な交流駆動電圧は、画素電極PEと共通電極CEとの間の差電圧であることから、液晶表示体LCMには、直流成分のない交流電圧VLCが印加される。このように、画素Pixは、共通電極CEの印加電圧を画素電極PEと逆相で切り替えることによって、画素電極PE側に供給する電圧の振幅を小さくすることができる。従って、画素Pixは、画素電極PEを駆動する回路のトランジスタ耐圧や消費電力を低減できる。
【0065】
なお、トランジスタTr7及びトランジスタTr8は、反射型液晶表示装置での消費電流を考慮して、常時アクティブにはせず、トランジスタTr5及びTr6の導通期間の内の限られた期間でのみアクティブになるように、制御される。例えば、画素Pixの1個当たりの定常的なソースフォロワ回路61及び62の電流が1μA(マイクロアンペア)の微少電流であったとする。しかしながら、全画素のソースフォロワ回路61及び62が定常的に電流を消費する条件では、反射型液晶表示装置の消費電流が多大になってしまう、という問題がある。例えば、フルハイビジョン200万画素の反射型液晶表示装置では、消費電流が2Aにも達する見積もりとなる。そのため、特許文献2に記載されているように、消費電流を削減する方法が提案されている。
【0066】
図5に示したように、定電流負荷トランジスタであるトランジスタTr7及びTr8のゲートバイアス電圧(配線B)のローレベルの期間は、画素電極PEの極性切り替えの遷移期間のみに制限する。そして、トランジスタTr7及びTr8のゲートバイアス電圧(配線B)は、画素電極電圧VPEが目標レベルまで充放電された直後には、即座にハイレベルにされ、ソースフォロワ回路61及び62の電流が停止される。従って、画素Pixは、全画素にソースフォロワ回路61及び62を含む構成でありながら、実質的な消費電流を小さく抑えることが可能である。
【0067】
液晶表示体LCMの交流駆動周波数は、垂直走査周波数に依らず、画素Pixでの反転制御周期で自由に設定することができる。例えば、垂直走査周波数が、一般的なテレビ映像信号で用いられる60Hz(ヘルツ)であり、フルハイビジョンの走査線数n=1125ラインであることとする。そして、画素Pixの極性切り替えを15ライン期間程度の周期で行うこととすれば、液晶表示体LCMの交流駆動周波数は、60(Hz)×1125(ライン)÷(15×2)=2.25(kHz)となる。このように、画素Pixは、従来の反射型液晶表示装置と比較して液晶駆動周波数を飛躍的に高めることができる。これにより、画素Pixは、液晶表示体LCMの交流駆動が低周波数の場合に比べて、焼き付きを抑制でき、また信頼性・安定性やシミなどの表示品位低下などを大幅に改善することが可能となる。
【0068】
図6は、正極性の画素信号及び負極性の画素信号の黒レベルから白レベルまでの関係を示す図である。
【0069】
正極性の画素信号91は、レベルが最小の場合に最小階調の黒レベルを表し、反転中心cを挟んで、レベルが最大の場合に最大階調の白レベルを表す。一方、負極性の画素信号92は、レベルが最小の場合に最大階調の白レベルを表し、反転中心cを挟んで、レベルが最大の場合に最小階調の黒レベルを表す。このように、正極性の画素信号91と負極性の画素信号92とは逆極性である。
【0070】
再び
図4を参照すると、画素Pixでは、トランジスタTr1、Tr2、Tr5及びTr6をNMOSトランジスタで構成し、トランジスタTr3、Tr4、Tr7及びTr8をPMOSトランジスタで構成している。つまり、ソースフォロワトランジスタであるトランジスタTr3及びTr4は、PMOSトランジスタとなる。また、極性切り替えスイッチであるトランジスタTr5及びTr6は、NMOSトランジスタとなる。
【0071】
PMOSトランジスタを用いたソースフォロワ回路61及び62は、0.87倍程度のゲインを有するアンプである。また、液晶表示素子LCに印加される電圧のダイナミックレンジが線形領域でなければならないので、ソースフォロワ回路61及び62は、入力電圧対出力電圧特性が非線形となる高入力電圧領域は使用できない。
【0072】
図7は、比較例及び第2の実施の形態の画素の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。入力電圧は、画素データ線D+及びD-に印加される電圧である。出力電圧は、画素電極PEに印加される電圧である。
【0073】
本開示では、電源電圧VDD及び各制御信号のハイレベルの電圧を5.5Vとする。
【0074】
波形71は、比較例の反射型液晶表示装置の画素Pixの入力電圧と出力電圧との関係を示す波形である。
【0075】
まず、画素Pixの出力電圧の最低電圧について、説明する。ソースフォロワ回路61及び62では、入力電圧に対して、出力電圧に1.9V程度のオフセット電圧が加わる。従って、保持容量Cs1及びCs2の電圧が0Vであっても、出力端子a及びbの電圧は0Vにはならず、1.9Vになる。
【0076】
次に、画素Pixの出力電圧の最高電圧について、説明する。通常のNMOSトランジスタがソース端子-ドレイン端子間に導通可能な最高電圧は、5.5V(電源電圧VDD)から閾値電圧Vthを引いた電圧である。通常のNMOSでは、ソース端子及びドレイン端子が0Vである場合、閾値電圧Vthは、0.8V程度である。
【0077】
しかし、画素Pixでは、上記したように、ソースフォロワ回路61及び62の出力電圧の最低電圧は1.9Vである。つまり、トランジスタTr5及びTr6のソース端子及びドレイン端子の最低電圧は、1.9Vである。従って、トランジスタTr5及びTr6には、基板効果(基板バイアス効果)が発生する。トランジスタTr5及びTr6の閾値電圧Vthは、基板効果により、0.7V程度上昇して、1.5V程度になる。従って、トランジスタTr5及びTr6がソース端子-ドレイン端子間に導通可能な最高電圧は、5.5Vから閾値電圧1.5Vを引いた電圧、即ち4.0V(=5.5V-1.5V)である。
【0078】
波形71で示すように、画素Pixは、入力電圧が0Vから3Vまでの範囲で、画素電極PEへの出力電圧が1.9Vから4Vまでの範囲で変化する線形領域である。しかしながら、画素Pixの出力電圧は、上記したトランジスタTr5及びTr6の基板効果により、4Vから飽和しはじめてしまう。液晶表示素子LCに印加される電圧のダイナミックレンジは、線形領域でなければならない。従って、画素Pixの出力電圧のダイナミックレンジは、入力電圧0Vから3Vまでの範囲に対して、1.9Vから4Vまでの範囲の2.1Vとなってしまう。液晶表示素子LCに印加される電圧範囲(ダイナミックレンジ)が狭くなると、コントラスト低下や明るさの低下を招く。従って、画素Pixでは、出力電圧のダイナミックレンジを広くすることが望まれる。
【0079】
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【0080】
第2の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素Pix1の構成要素のうち、比較例の画素Pixと同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0081】
画素Pix1は、画素Pixと比較して、トランジスタTr5及びTr6に代えて、トランジスタTr15及びTr16を含む。
【0082】
トランジスタTr15が、本開示の「第5のトランジスタ」の一例に相当する。トランジスタTr16が、本開示の「第6のトランジスタ」の一例に相当する。
【0083】
トランジスタTr15及びTr16は、通常のNMOSトランジスタであるトランジスタTr5及びTr6よりも閾値電圧Vthが低い、LowVth(低閾値電圧)のNMOSトランジスタである。通常のNMOSトランジスタであるトランジスタTr5及びTr6の閾値電圧Vthは、上記した通り、0.8V程度である。一方、LowVthのNMOSトランジスタであるトランジスタTr15及びTr16の閾値電圧Vthは、0Vより高く且つ0.8V未満の範囲内、例えば0.4V程度が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0084】
トランジスタTr15及びTr16は、スイッチの機能を果たすトランジスタである。トランジスタは、閾値電圧Vthが低いとリーク電流が多くなるので、通常であればスイッチとしては適さない。
【0085】
図9は、NMOSトランジスタのVG(ゲート電圧)-ID(ドレイン電流)特性を示す図である。波形81は、通常のNMOSトランジスタであるトランジスタTr5及びTr6のVG-ID特性を示す波形である。波形82は、LowVthのNMOSトランジスタであるトランジスタTr15及びTr16のVG-ID特性を示す波形である。
【0086】
閾値電圧Vthとは、ドレイン電流IDが流れ出す(オンする)ゲート電圧のことである。通常のNMOSトランジスタであるトランジスタTr5及びTr6の閾値電圧Vthが0.8Vであるのに対し、LowVthのNMOSトランジスタであるトランジスタTr15及びTr16の閾値電圧Vthは、0.4Vである。
【0087】
再び
図7を参照すると、比較例の画素Pixでは、入力電圧0Vから3Vまでの範囲に対して、出力電圧は1.9Vから4.0Vまでの範囲である。この出力電圧は、
図4に示した画素Pixの構成において、画素電極PEの電圧であるが、同時にソースフォロワ回路61の出力端子a又はソースフォロワ回路62の出力端子bの電圧でもある。つまり、画素Pixの出力電圧は、出力端子a又は出力端子bの電圧を、トランジスタTr5又はTr6のソース端子-ドレイン端子間を導通して、画素電極PEに印加しているにすぎない。従って、画素Pixの出力電圧は、1.9Vから4.0Vまでの範囲となり、ダイナミックレンジは2.1Vとなる。
【0088】
上記したように、LowVthのNMOSトランジスタは、リーク電流が多い。リーク電流は、ゲート電圧がオフ(0V)の場合に、ソース電圧が0V、ドレイン電圧が0V以上の場合に、多くなる。
【0089】
画素Pix1での使用態様では、トランジスタTr15及びTr16のソース電圧(出力端子a及びbの電圧)は、1.9Vから4.0Vまでの範囲であり、ドレイン電圧(画素電極PEの電圧)も1.9Vから4.0Vまでの範囲である。つまり、トランジスタTr15及びTr16のソース電圧及びドレイン電圧は、共に0Vよりも高い電圧である。従って、トランジスタTr15及びTr16は、多少リーク電流があったとしても、スイッチとしての機能を正常に果たすことができる。
【0090】
トランジスタTr15及びTr16の閾値電圧Vthが低いと、ゲート電圧がオン(5.5V)の場合、ソース端子に印加される高い電圧をドレイン端子に導通することが可能になる。その理由は、次の通りである。
【0091】
比較例の画素Pixでは、トランジスタTr5及びTr6は、通常のNMOSトランジスタである。従って、トランジスタTr5及びTr6は、ソースフォロワ回路61及び62の出力端子a及びbの電圧を高くしても、5.5Vから閾値電圧Vthを引いた電圧、つまり(5.5V-Vth)以下の電圧しか画素電極PEに導通することができない。また、トランジスタTr5及びTr6には、基板効果が発生するので、閾値電圧Vthが0.8Vから0.7V程度上昇して、1.5Vになる。従って、先に説明したように、トランジスタTr5及びTr6は、4.0V(=5.5V-1.5V)以下の電圧しか画素電極PEに導通することができない。これにより、先に説明したように、画素Pixでは、出力電圧のダイナミックレンジは、2.1Vとなる。
【0092】
一方、トランジスタTr15及びTr16の閾値電圧Vthは、0.4Vである。また、トランジスタTr15及びTr16はNMOSであり、ソース電圧及びドレイン電圧がウエル電圧(0V)よりも高い場合、基板効果が発生する。そのため、トランジスタTr15及びTr16の閾値電圧Vthは、0.4Vから0.7V程度上昇して、1.1Vになる。従って、トランジスタTr15及びTr16は、4.4V(=5.5V-1.1V)以下の電圧を画素電極PEに導通することができる。
【0093】
図7の波形72は、第2の実施の形態の画素Pix1の入力電圧と出力電圧との関係を示す波形である。トランジスタTr15及びTr16は、入力電圧0Vから4Vまでの範囲に対して、1.9Vから4.4Vまでの範囲の電圧を画素電極PEに導通することができる。従って、画素Pix1は、比較例の画素Pixと比較して、ダイナミックレンジを1.9Vから4.4Vまでの2.5Vに広げることができる。これにより、画素Pix1は、コントラストの低下を抑制でき、明るさの低下を抑制できる。また、画素Pix1は、反射光の反射角度を大きくすることができる。
【0094】
コントラストの低下を抑制でき、明るさの低下を抑制できる第2の実施の形態の反射型液晶表示装置を第1の実施の形態のWSSアレイ10に適用すると、出力ビーム31aから31cまで(
図1参照)のコントラストの低下を抑制でき、明るさの低下を抑制できる。これにより、WSSアレイ10は、波長チャネルのS/N(signal/noise)比を向上させることができる。
【0095】
また、反射光の反射角度を大きくすることができる第2の実施の形態の反射型液晶表示装置を第1の実施の形態のWSSアレイ10に適用すると、出力ビーム31aから31cまで(
図1参照)の空間的な間隔を広くすることができる。これにより、WSSアレイ10は、波長チャネルのS/N比を向上させることができる。或いは、WSSアレイ10は、出力ビーム31aから31cまでの空間的な間隔を維持したまま、新たな出力ビームを出力することが可能になる。これにより、WSSアレイ10は、波長チャネルを増加させることができる。
【0096】
<第3の実施の形態>
図10は、第3の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【0097】
第3の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素Pix2の構成要素のうち、比較例の画素Pix又は第2の実施の形態の画素Pix1と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0098】
画素Pix2は、画素Pixと比較して、トランジスタTr5及びTr6に代えて、トランジスタTr25及びTr26を含む。
【0099】
トランジスタTr25が、本開示の「第5のトランジスタ」の一例に相当する。トランジスタTr26が、本開示の「第6のトランジスタ」の一例に相当する。
【0100】
トランジスタTr25及びTr26は、デプレッションNMOSトランジスタである。トランジスタTr25及びTr26の閾値電圧Vthは、0V以下の範囲内、例えば-0.9V程度が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0101】
トランジスタTr25及びTr26のソース電圧(出力端子a及びbの電圧)及びドレイン電圧(画素電極PEの電圧)の最低電圧は、1.9Vである。従って、トランジスタTr25及びTr26は、ゲート電圧がオフ(0V)の場合に、1.9Vがソース-ドレイン間でリークしなければ良い。
【0102】
再び
図9を参照すると、波形83は、デプレッションNMOSトランジスタであるトランジスタTr25及びTr26のVG-ID特性を示す波形である。
【0103】
通常のNMOSトランジスタであるトランジスタTr5及びTr6の閾値電圧Vthが0.8Vであるのに対し、デプレッションNMOSトランジスタであるトランジスタTr25及びTr26の閾値電圧Vthは、-0.9Vである。
【0104】
また、矢印85は、トランジスタTr25及びTr26がオンできるVG(ゲート電圧)の範囲を示している。通常のNMOSトランジスタは、ソース電圧及びドレイン電圧が0Vの場合に、ゲート電圧が0.8Vより低ければ、オフ状態になる。一方、デプレッションNMOSトランジスタであるトランジスタTr25及びTr26は、ソース電圧及びドレイン電圧の最低電圧が1.9Vである。従って、トランジスタTr25及びTr26は、ソース電圧及びドレイン電圧が0Vであると換算した場合に、ゲート電圧が-1.1V(=-1.9V+0.8V)より低ければ、オフ状態になる。
【0105】
実際には、トランジスタTr25及びTr26に発生する基板効果を考慮する必要がある。従って、基板効果を考慮して、トランジスタTr25及びTr26の閾値電圧Vthを設定する。第3の実施の形態では、トランジスタTr25及びTr26の閾値電圧Vthを、-0.9Vに設定した。
【0106】
図11は、比較例及び第3の実施の形態の画素の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【0107】
波形71は、比較例の反射型液晶表示装置の画素Pixの入力電圧と出力電圧との関係を示す波形である。波形73は、第3の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素Pix2の入力電圧と出力電圧との関係を示す波形である。
【0108】
比較例の画素Pixでは、入力電圧0Vから3Vまでの範囲に対して、出力電圧は1.9Vから4.0Vまでの範囲である。この出力電圧は、
図4に示した画素Pixの構成において、画素電極PEの電圧であるが、同時にソースフォロワ回路61の出力端子a又はソースフォロワ回路62の出力端子bの電圧でもある。つまり、画素Pixの出力電圧は、出力端子a又は出力端子bの電圧を、トランジスタTr5又はTr6のソース端子-ドレイン端子間を導通して、画素電極PEに印加しているにすぎない。従って、画素Pixの出力電圧は、1.9Vから4.0Vまでとなり、ダイナミックレンジは2.1Vとなる。
【0109】
一方、閾値電圧Vthが-0.9VであるトランジスタTr25及びTr26では、ソースフォロワ回路61及び62の出力端子a及びbの電圧又は画素電極PEの電圧が高い場合は、閾値電圧Vthが、基板効果を含めて0.2Vになる。従って、トランジスタTr25及びTr26は、5.3V(=5.5V-0.2V)以下の電圧を画素電極PEに導通することができる。
【0110】
波形73に示すように、トランジスタTr25及びTr26は、入力電圧0Vから4.5Vまでの範囲に対して、1.9Vから5.3Vまでの範囲の電圧を画素電極PEに導通することができる。従って、画素Pix2は、入力電圧0Vから4.5Vまでの範囲に対して、ダイナミックレンジを1.9Vから5.3Vまでの3.4Vに広げることができる。
【0111】
画素Pix2は、1.9Vから5.3Vまでの範囲の出力電圧をリークすることなく正常にスイッチングすることが可能であると共に、比較例の画素Pixと比較して、ダイナミックレンジを広げることが可能となる。これにより、画素Pix2は、コントラストの低下を抑制でき、明るさの低下を抑制できる。また、画素Pix2は、反射光の反射角度を大きくすることができる。
【0112】
<第4の実施の形態>
図12は、第4の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【0113】
第4の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素Pix3の構成要素のうち、比較例の画素Pix、第2の実施の形態の画素Pix1又は第3の実施の形態の画素Pix2と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0114】
画素Pix3は、画素Pixと比較して、トランジスタTr5及びTr6に代えて、トランジスタTr35及びTr36を含む。
【0115】
トランジスタTr35が、本開示の「第5のトランジスタ」の一例に相当する。トランジスタTr36が、本開示の「第6のトランジスタ」の一例に相当する。
【0116】
トランジスタTr35及びTr36は、デプレッションNMOSトランジスタである。トランジスタTr35及びTr36の閾値電圧Vthは、0V以下の範囲内、例えば0V程度が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0117】
更に、画素Pix3は、画素Pixと比較して、ソースフォロワ回路61及び62に代えて、ソースフォロワ回路63及び64を含む。ソースフォロワ回路63は、ソースフォロワ回路61と比較して、トランジスタTr3に代えて、トランジスタTr33を含む。ソースフォロワ回路64は、ソースフォロワ回路62と比較して、トランジスタTr4に代えて、トランジスタTr34を含む。
【0118】
トランジスタTr33が、本開示の「第3のトランジスタ」の一例に相当する。トランジスタTr34が、本開示の「第4のトランジスタ」の一例に相当する。
【0119】
トランジスタTr33及びTr34は、デプレッションPMOSトランジスタである。トランジスタTr33及びTr34の閾値電圧Vthは、0V以上の範囲内、例えば+0.4V程度が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0120】
第4の実施の形態では、トランジスタTr33及びTr34がデプレッションPMOSトランジスタであることとしたが、本開示はこれに限定されない。トランジスタTr33及びTr34は、LowVthのPMOSトランジスタであっても良い。LowVthのPMOSトランジスタは、通常のPMOSトランジスタと比較して、閾値電圧Vthがプラス方向に変更されているトランジスタである。
【0121】
トランジスタTr33及びTr34は、チャネル部へのイオン注入によって、閾値電圧Vthを+0.4Vとした。トランジスタTr33及びTr34は、閾値電圧Vthが+0.4Vであるので、ゲート電圧をオフ(0V)にしてもソース-ドレイン間が導通している、ノーマリーオン状態である。
【0122】
トランジスタTr33及びTr34は、ゲート端子に保持容量Cs1及びCs2が夫々接続されており、ゲート端子は画素信号電圧で固定される。そのため、信号入力トランジスタとして機能するトランジスタTr33及びTr34は、ゲート電圧でソース-ドレイン間電流をオンオフ制御することはない。トランジスタTr33及びTr34のソース-ドレイン間電流をオンオフ制御するのは、定電流負荷トランジスタとして機能するトランジスタTr7及びTr8のゲート端子に接続された配線Bに供給される、ゲートバイアス制御信号である。従って、トランジスタTr33及びTr34は、ゲート電圧によってソース-ドレイン間の抵抗値を制御できれば良いので、ゲート電圧が5.5Vであってもソース-ドレイン間電流をオフにする必要がない。これにより、トランジスタTr33及びTr34は、ゲート電圧が高い電圧領域での非線形性を回避することができる。
【0123】
また、ソースフォロワ回路63及び64は、トランジスタTr33及びTr34がデプレッショントランジスタであるので、オフセット電圧は、1.0Vとなる。これにより、トランジスタTr35及びTr36のソース電圧(出力端子a及びbの電圧)及びドレイン電圧(画素電極PEの電圧)の最低電圧は、1.0Vとなる。従って、トランジスタTr35及びTr36は、ゲート電圧がオフ(0V)の場合に、1.0Vがソース-ドレイン間でリークしなければ良い。
【0124】
再び
図9を参照すると、波形84は、デプレッションNMOSトランジスタであるトランジスタTr35及びTr36のVG-ID特性を示す波形である。
【0125】
通常のNMOSトランジスタであるトランジスタTr5及びTr6の閾値電圧Vthが0.8Vであるのに対し、デプレッションNMOSトランジスタであるトランジスタTr35及びTr36の閾値電圧Vthは、0Vである。
【0126】
また、矢印86は、トランジスタTr35及びTr36がオンできるVG(ゲート電圧)の範囲を示している。通常のNMOSトランジスタは、ソース電圧及びドレイン電圧が0Vの場合に、ゲート電圧が0.8Vより低ければ、オフ状態になる。一方、デプレッションNMOSトランジスタであるトランジスタTr35及びTr36は、ソース電圧及びドレイン電圧の最低電圧が1.0Vである。従って、トランジスタTr35及びTr36は、ソース電圧及びドレイン電圧が0Vであると換算した場合に、ゲート電圧が-0.2V(=-1.0V+0.8V)より低ければ、オフ状態になる。
【0127】
実際には、トランジスタTr35及びTr36に発生する基板効果を考慮する必要がある。従って、基板効果を考慮して、トランジスタTr35及びTr36の閾値電圧Vthを設定する。本開示では、トランジスタTr35及びTr36の閾値電圧Vthを、0Vに設定した。
【0128】
図13は、比較例及び第4の実施の形態の画素の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【0129】
波形71は、比較例の画素Pixの入力電圧と出力電圧との関係を示す波形である。波形74は、第4の実施の形態の画素Pix3の入力電圧と出力電圧との関係を示す波形である。
【0130】
比較例の画素Pixでは、入力電圧0Vから3Vまでの範囲に対して、出力電圧は1.9Vから4.0Vまでの範囲である。この出力電圧は、
図4に示した画素Pixの構成において、画素電極PEの電圧であるが、同時にソースフォロワ回路61の出力端子a又はソースフォロワ回路62の出力端子bの電圧でもある。つまり、画素Pixの出力電圧は、出力端子a又は出力端子bの電圧を、トランジスタTr5又はTr6のソース端子-ドレイン端子間を導通して、画素電極PEに印加しているにすぎない。従って、画素Pixの出力電圧は、1.9Vから4.0Vまでとなり、ダイナミックレンジは2.1Vとなる。
【0131】
一方、閾値電圧Vthが0VであるトランジスタTr35及びTr36では、ソースフォロワ回路63及び64の出力端子a及びbの電圧又は画素電極PEの電圧が高い場合は、閾値電圧Vthが、基板効果を含めて1.2Vになる。従って、トランジスタTr35及びTr36は、4.3V(=5.5V-1.2V)以下の電圧を画素電極PEに導通することができる。
【0132】
波形74に示すように、トランジスタTr35及びTr36は、入力電圧0Vから4.5Vまでの範囲に対して、1.0Vから4.3Vまでの範囲の電圧を画素電極PEに導通することができる。従って、画素Pix3は、入力電圧0Vから4.5Vまでの範囲に対して、ダイナミックレンジを1.0Vから4.3Vまでの3.3Vに広げることができる。
【0133】
画素Pix3は、1.0Vから4.3Vまでの範囲の出力電圧をリークすることなく正常にスイッチングすることが可能であると共に、比較例の画素Pixと比較して、ダイナミックレンジを広げることが可能となる。これにより、画素Pix3は、コントラストの低下を抑制でき、明るさの低下を抑制できる。また、画素Pix3は、反射光の反射角度を大きくすることができる。
【0134】
<第5の実施の形態>
図14は、第5の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【0135】
第5の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素Pix4の構成要素のうち、比較例の画素Pix又は第2から第4の実施の形態の画素Pix1からPix3までと同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0136】
画素Pix4は、画素Pixと比較して、トランジスタTr1及びTr2に代えて、トランジスタTr41及びTr42を含む。
【0137】
トランジスタTr41が、本開示の「第1のトランジスタ」の一例に相当する。トランジスタTr42が、本開示の「第2のトランジスタ」の一例に相当する。
【0138】
トランジスタTr41及びTr42は、LowVth又はデプレッションNMOSトランジスタである。トランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthは、LowVthの場合、+0.4V程度が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0139】
更に、画素Pix4は、画素Pixと比較して、トランジスタTr5及びTr6に代えて、トランジスタTr45及びTr46を含む。
【0140】
トランジスタTr45が、本開示の「第5のトランジスタ」の一例に相当する。トランジスタTr46が、本開示の「第6のトランジスタ」の一例に相当する。
【0141】
トランジスタTr45及びTr46は、LowVth又はデプレッションNMOSトランジスタである。トランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthは、LowVthの場合、+0.4V程度が例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0142】
トランジスタTr45及びTr46のソース電圧(出力端子a及びbの電圧)及びドレイン電圧(画素電極PEの電圧)の最低電圧は、1.9Vである。従って、トランジスタTr45及びTr46は、ゲート電圧がオフ(0V)の場合に、1.9Vがソース-ドレイン間でリークしなければ良い。
【0143】
トランジスタTr41及びTr42は、LowVth又はデプレッションNMOSトランジスタである。つまり、トランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthは、トランジスタTr1及びTr2と比較して低い。従って、トランジスタTr41及びTr42は、トランジスタTr1及びTr2と比較して、正極性用の画素データ線Di+及び負極性用の画素データ線Di-に供給される高い電圧を、導通することができる。即ち、トランジスタTr41及びTr42は、行走査線Gjに供給される走査パルスがオン(5.5V)の場合、ソース端子に印加される高い電圧をドレイン端子に導通することができる。
【0144】
一方、比較例の画素Pixでは、トランジスタTr1及びTr2は、通常のNMOSトランジスタである。トランジスタTr1及びTr2の閾値電圧Vthは、基板効果により、0.8Vから0.7V程度上昇して、1.5Vになる。従って、トランジスタTr1及びTr2がソース端子-ドレイン端子間に導通可能な最高電圧は、5.5Vから閾値電圧1.5Vを引いた電圧、即ち4.0V(=5.5V-1.5V)である。つまり、正極性用の画素データ線Di+及び負極性用の画素データ線Di-に高い電圧が供給された場合でも、トランジスタTr1及びTr2が保持容量Cs1及びCs2に導通できる最大電圧は、4Vとなる。
【0145】
また、トランジスタTr45及びTr46の閾値電圧VthをLowVthの+0.4Vとした場合、基板効果により、トランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthは、0.4Vから0.7V程度上昇して、1.1Vになる。従って、トランジスタTr45及びTr46は、4.4V(=5.5V-1.1V)以下の電圧を画素電極PEに導通することができる。
【0146】
図15は、比較例及び第5の実施の形態の画素の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【0147】
波形71は、比較例の画素Pixの入力電圧と出力電圧との関係を示す波形である。波形75は、第5の実施の形態の画素Pix4の入力電圧と出力電圧との関係を示す波形である。
【0148】
LowVthトランジスタであるトランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthを+0.4Vとした場合、基板効果により、トランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthは、0.4Vから0.7V程度上昇して、1.1Vになる。従って、トランジスタTr45及びTr46が正極性用の画素データ線Di+及び負極性用の画素データ線Di-から保持容量Cs1及びCs2へ導通できる最大電圧は、4.4V(=5.5V-1.1V)となる。
【0149】
従って、正極性用の画素データ線Di+及び負極性用の画素データ線Di-に0Vから5Vまでの電圧が供給される場合、保持容量Cs1及びCs2に導通可能な電圧は、0Vから4.4Vまでとなる。保持容量Cs1及びCs2の保持電圧は、ソースフォロワ回路61及び62によって、レベルシフト(オフセット電圧が加算)される。そして、トランジスタTr45及びTr46は、4.4V以下の電圧を画素電極PEに導通することができる。従って、画素電極PEに印加される電圧は、1.9Vから4.4Vまでとなる。
【0150】
正極性用の画素データ線Di+及び負極性用の画素データ線Di-に画素信号を供給するための画素データ線駆動回路に配置されたスイッチは、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタの両方を使用した相補型スイッチである。従って、画素データ線駆動回路のスイッチは、画素Pix4で使用しているようなNMOSトランジスタだけのスイッチとは異なり、高い電圧も導通することができる。そのため、画素データ線駆動回路は、基準電圧(接地電圧)GNDから電源電圧VDDまで、つまり、0Vから5.5Vの画素信号を、正極性用の画素データ線Di+及び負極性用の画素データ線Di-に供給することができる。
【0151】
なお、画素Pix4においては、画素ピッチを小さくする必要があることから、NMOSトランジスタだけのスイッチとなっている。
【0152】
以上説明したように、画素Pix4は、比較例の画素Pixと比較して、ダイナミックレンジを広げることができる。これにより、画素Pix4は、コントラストの低下を抑制でき、明るさの低下を抑制できる。また、画素Pix4は、反射光の反射角度を大きくすることができる。
【0153】
なお、第5の実施の形態では、トランジスタTr41、Tr42、Tr45及びTr46がLowVthのNMOSトランジスタである場合について説明した。しかし、トランジスタTr41、Tr42、Tr45及びTr46は、デプレッションNMOSトランジスタであっても良い。この場合は、画素Pix4に入力される画素信号の電圧範囲とスイッチングできる範囲を考慮して、閾値電圧Vthを設定する。
【0154】
更に、第5の実施の形態では、トランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthと、トランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthと、が同じである場合について説明した。しかし、トランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthと、トランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthと、は異なっていても良い。例えば、LowVthのトランジスタであるトランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthが+0.4Vであり、デプレッショントランジスタであるトランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthが-0.9Vであっても良い。この場合は、画素Pix4は、ダイナミックレンジを更に広げることができる。これにより、画素Pix4は、コントラストの低下を更に抑制でき、明るさの低下を更に抑制でき、反射光の反射角度を更に大きくすることができる。
【0155】
<第6の実施の形態>
図16は、第6の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の構成を示す図である。
【0156】
第6の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素Pix5の構成要素のうち、比較例の画素Pix又は第2から第5の実施の形態の画素Pix1からPix4までと同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0157】
画素Pix5は、第4の実施の形態の画素Pix3(
図12参照)と比較して、トランジスタTr1及びTr2に代えて、トランジスタTr41及びTr42を含む。
【0158】
第5の実施の形態の画素Pix4で説明したように、トランジスタTr41及びTr42は、トランジスタTr1及びTr2と比較して、正極性用の画素データ線Di+及び負極性用の画素データ線Di-に供給される高い電圧を、導通することができる。
【0159】
トランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthは、トランジスタTr1及びTr2の閾値電圧Vthよりも低い。従って、トランジスタTr41及びTr42は、ゲート端子の電圧がオン(5.5V)の場合、ソース端子に印加される高い電圧をドレイン端子に導通することができる。
【0160】
トランジスタTr35及びTr36は、NMOSトランジスタであり、ソース電圧及びドレイン電圧がウエル電圧(0V)よりも高い場合、基板効果が発生するので、閾値電圧Vthが大きくなる。
【0161】
比較例の画素Pixでは、トランジスタTr1及びTr2は、通常のNMOSトランジスタである。トランジスタTr1及びTr2の閾値電圧Vthは、基板効果により、0.8Vから0.7V程度上昇して、1.5Vになる。従って、トランジスタTr1及びTr2がソース端子-ドレイン端子間に導通可能な最高電圧は、5.5Vから閾値電圧1.5Vを引いた電圧、即ち4.0V(=5.5V-1.5V)である。つまり、正極性用の画素データ線Di+及び負極性用の画素データ線Di-に高い電圧が供給された場合でも、トランジスタTr1及びTr2が保持容量Cs1及びCs2に導通できる最大電圧は、4Vとなる。
【0162】
図17は、比較例及び第6の実施の形態の画素の入力電圧と出力電圧との関係を示す図である。
【0163】
波形71は、比較例の画素Pixの入力電圧と出力電圧との関係を示す波形である。波形76は、第6の実施の形態の画素Pix5の入力電圧と出力電圧との関係を示す波形である。
【0164】
比較例の画素Pixでは、入力電圧0Vから3Vまでの範囲に対して、出力電圧は1.9Vから4.0Vまでの範囲である。この出力電圧は、
図4に示した画素Pixの構成において、画素電極PEの電圧であるが、同時にソースフォロワ回路61の出力端子a又はソースフォロワ回路62の出力端子bの電圧でもある。つまり、画素Pixの出力電圧は、出力端子a又は出力端子bの電圧を、トランジスタTr5又はTr6のソース端子-ドレイン端子間を導通して、画素電極PEに印加しているにすぎない。従って、画素Pixの出力電圧は、1.9Vから4.0Vまでとなり、ダイナミックレンジは2.1Vとなる。
【0165】
一方、閾値電圧Vthが0VであるトランジスタTr35及びTr36では、ソースフォロワ回路63及び64の出力端子a及びbの電圧又は画素電極PEの電圧が高い場合は、閾値電圧Vthが、基板効果を含めて1.2Vになる。従って、トランジスタTr35及びTr36は、4.3V(=5.5V-1.2V)以下の電圧を画素電極PEに導通することができる。
【0166】
波形76に示すように、トランジスタTr35及びTr36は、入力電圧0Vから4.5Vまでの範囲に対して、1.0Vから4.3Vまでの範囲の電圧を画素電極PEに導通することができる。従って、画素Pix5は、入力電圧0Vから4.5Vまでの範囲に対して、ダイナミックレンジを1.0Vから4.3Vまでの3.3Vに広げることができる。
【0167】
トランジスタTr33及びTr34は、チャネル部へのイオン注入によって、閾値電圧Vthを+0.4Vとした。トランジスタTr33及びTr34は、閾値電圧Vthが+0.4Vであるので、ゲート電圧をオフ(0V)にしてもソース-ドレイン間が導通している、ノーマリーオン状態である。
【0168】
トランジスタTr33及びTr34は、ゲート端子に保持容量Cs1及びCs2が夫々接続されており、ゲート電極は画素信号電圧で固定される。そのため、信号入力トランジスタとして機能するトランジスタTr33及びTr34は、ゲート電圧でソース-ドレイン間電流をオンオフ制御することはない。トランジスタTr33及びTr34のソース-ドレイン間電流をオンオフ制御するのは、定電流負荷トランジスタとして機能するトランジスタTr7及びTr8のゲート端子に接続された配線Bに供給される、ゲートバイアス制御信号である。従って、トランジスタTr33及びTr34は、ゲート電圧によってソース-ドレイン間の抵抗値を制御できれば良いので、ゲート電圧が5.5Vであってもソース-ドレイン間電流をオフにする必要がない。
【0169】
これにより、トランジスタTr33及びTr34は、ゲート電圧が高い電圧領域での非線形性を回避することができる。
【0170】
また、ソースフォロワ回路63及び64は、トランジスタTr33及びTr34がデプレッショントランジスタであるので、オフセット電圧は、1.0Vとなる。これにより、トランジスタTr35及びTr36のソース電圧(出力端子a及びbの電圧)及びドレイン電圧(画素電極PEの電圧)の最低電圧は、1.0Vである。従って、トランジスタTr35及びTr36は、ゲート電圧がオフ(0V)の場合に、1.0Vがソース-ドレイン間でリークしなければ良い。
【0171】
再び
図9を参照すると、波形82は、LowVthのNMOSトランジスタであるトランジスタTr41及びTr42のVG-ID特性を示す波形である。波形84は、デプレッションNMOSトランジスタであるトランジスタTr35及びTr36のVG-ID特性を示す波形である。
【0172】
通常のNMOSトランジスタであるトランジスタTr1及びTr2の閾値電圧Vthが0.8Vであるのに対し、LowVthのNMOSトランジスタであるトランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthは、0.4Vである。
【0173】
通常のNMOSトランジスタであるトランジスタTr5及びTr6の閾値電圧Vthが0.8Vであるのに対し、デプレッションNMOSトランジスタであるトランジスタTr35及びTr36の閾値電圧Vthは、0Vである。
【0174】
また、矢印86は、トランジスタTr35及びTr36がオンできるVG(ゲート電圧)の範囲を示している。通常のNMOSトランジスタは、ソース電圧及びドレイン電圧が0Vの場合に、ゲート電圧が0.8Vより低ければ、オフ状態になる。一方、デプレッションNMOSトランジスタであるトランジスタTr35及びTr36は、ソース電圧及びドレイン電圧の最低電圧が1.0Vである。従って、トランジスタTr35及びTr36は、ソース電圧及びドレイン電圧が0Vであると換算した場合に、ゲート電圧が-0.2V(=-1.0V+0.8V)より低ければ、オフ状態になる。
【0175】
実際には、トランジスタTr35及びTr36に発生する基板効果を考慮する必要がある。従って、基板効果を考慮して、トランジスタTr35及びTr36の閾値電圧Vthを設定する。本開示では、トランジスタTr35及びTr36の閾値電圧Vthを、0Vに設定した。
【0176】
正極性用の画素データ線Di+及び負極性用の画素データ線Di-に画素信号を供給するための画素データ線駆動回路に配置されたスイッチは、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタの両方を使用した相補型スイッチである。従って、画素データ線駆動回路のスイッチは、画素Pix5で使用しているようなNMOSトランジスタだけのスイッチとは異なり、高い電圧も導通することができる。そのため、画素データ線駆動回路は、基準電圧GNDから電源電圧VDDまで、つまり、0Vから5.5Vの画素信号を、正極性用の画素データ線Di+及び負極性用の画素データ線Di-に供給することができる。
【0177】
なお、画素Pix5においては、画素ピッチを小さくする必要があることから、NMOSトランジスタだけのスイッチとなっている。
【0178】
以上説明したように、画素Pix5は、比較例の画素Pixと比較して、ダイナミックレンジを広げることができる。これにより、画素Pix5は、コントラストの低下を抑制でき、明るさの低下を抑制できる。また、画素Pix5は、反射光の反射角度を大きくすることができる。
【0179】
第6の実施の形態では、トランジスタTr41及びTr42がLowVthのNMOSトランジスタであり、トランジスタTr35及びTr36がデプレッションNMOSトランジスタである場合について説明した。トランジスタTr41、Tr42、Tr35及びTr36は、何れもNMOSトランジスタであるが、閾値電圧Vthが異なっている。この構成では製造が複雑になるので、コストを優先して、トランジスタTr41、Tr42、Tr35及びTr36の閾値電圧Vthを同じ電圧に統一することも考えられる。
【0180】
<第2から第6の実施の形態の変形例>
第2から第6の実施の形態では、トランジスタTr1、Tr2、Tr5、Tr6、Tr15、Tr16、Tr25、Tr26、Tr35、Tr36、Tr41、Tr42、Tr45及びTr46をNMOSトランジスタとした。また、トランジスタTr3、Tr4、Tr7、Tr8、Tr33及びTr34をPMOSトランジスタとした。但し、これらのトランジスタの極性はこれに限定されない。それぞれのトランジスタを、逆極性のトランジスタで回路を構成してもよい。もちろん、それぞれのトランジスタは、一部のみ逆極性であっても構わない。この場合は、それぞれのトランジスタの極性に応じて、LowVthの閾値電圧Vthの極性及びデプレッショントランジスタの閾値電圧Vthの極性も、適宜変更される。
【0181】
LowVth又はデプレッションを採用するトランジスタも、第2から第6の実施の形態に限定されない。例えば、トランジスタTr1及びTr2をLowVth又はデプレッションNMOSトランジスタとし、トランジスタTr3及びTr4をデプレッションPMOSトランジスタとした組み合わせであっても構わない。この場合は、適宜、画素信号の振幅とトランジスタのリーク電流が発生する電圧とを考慮して閾値電圧Vthを決定することは、言うまでもない。
【0182】
更に、第2から第6の実施の形態では、トランジスタTr1、Tr2、Tr5、Tr6、Tr15、Tr16、Tr25、Tr26、Tr35、Tr36、Tr41、Tr42、Tr45及びTr46をNMOSトランジスタで構成した。但し、これらのトランジスタは、NMOS(PMOS)トランジスタのみで構成されていることに限定されない。
【0183】
トランジスタTr1、Tr2、Tr5、Tr6、Tr15、Tr16、Tr25、Tr26、Tr35、Tr36、Tr41、Tr42、Tr45及びTr46で構成されているスイッチは、相補型スイッチでも構わない。相補型スイッチは、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとの2つのトランジスタで1個のスイッチを構成する。例えば、相補型スイッチは、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのソース端子同士を接続して入力端子にし、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのドレイン端子同士を接続して出力端子としているスイッチである。相補型スイッチをオンにする場合は、NMOSトランジスタのゲート端子には電源電圧VDDを印加し、PMOSトランジスタのゲート端子には基準電圧GNDを印加する。相補型スイッチをオフにする場合は、NMOSトランジスタのゲート端子には基準電圧GNDを印加し、PMOSトランジスタのゲート端子には電源電圧VDDを印加する。
【0184】
<第7の実施の形態>
図18は、第7の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の平面レイアウト図である。
図19は、第7の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の断面図である。詳しくは、
図18は、画素Pix1(第2の実施の形態)の各トランジスタ、第1メタル層1M、各トランジスタと第1メタル層1Mとを接続するコンタクト、第1メタル層1Mと第2メタル層2Mとを接続するスルーホールを示す平面レイアウト図である。
図19は、
図18中のA-A’線での断面図である。
【0185】
第7(第2)の実施の形態の画素Pix1の構成要素のうち、比較例の画素Pix又は第3から第6の実施の形態の画素Pix2からPix5までと同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0186】
先に、
図19を参照して、画素Pix1の断面構造について説明する。
【0187】
画素Pix1は、半導体基板のウェル110上に形成された各トランジスタの上層に、第1メタル層1M、第2メタル層2M、第3メタル層3M、第4メタル層4M、第5メタル層5M及び第6メタル層6Mが、夫々の間に層間膜を介在して積層された構造である。また、第6メタル層6Mは画素電極PEを構成し、その画素電極PEと離間対向する位置に共通電極CEが形成されている。画素電極PEと共通電極CEとの間に液晶表示体(液晶層)LCMが狭持されて、液晶表示素子LCが構成されている。
【0188】
画素Pix1は、正極性側の画素回路部と負極性側の画素回路部とで互いに対になっている回路構成要素及び配線が、線対称で配置構成されている。換言すると、対になっている回路構成要素及び配線が、ミラー反転でレイアウト配置されている。
【0189】
画素Pix1(
図8参照)では、正極性側の画素回路部は、トランジスタTr1、Tr3、Tr7及びTr15と、保持容量Cs1と、画素データ線Di+と、を含む。また、画素Pix1では、負極性側の画素回路部は、トランジスタTr2、Tr4、Tr8及びTr16と、保持容量Cs2と、画素データ線Di-と、を含む。但し、トランジスタTr1からTr4まで、Tr7、Tr8、Tr15、及び、Tr16は、半導体基板であるウェル上に形成されており、第1メタル層1Mから第6メタル層6Mには、それ以外の回路構成要素及び配線が配置されている。
【0190】
ウェル110には、トランジスタTr3及びTr7の各々のゲートと、トランジスタTr4及びTr8の各々のゲートとが、左右対称に配置形成されている。これらのゲート電極は、ポリシリコンにより形成されている。
【0191】
また、ウェル110には、トランジスタTr3のゲートとトランジスタTr7のゲートとの間に、トランジスタTr3のソース及びトランジスタTr7のドレインとなる拡散層111が、形成されている。また、トランジスタTr4のゲートとトランジスタTr8のゲートとの間に、トランジスタTr4のソース及びトランジスタTr8のドレインとなる拡散層112が、形成されている。また、ウェル110には、トランジスタTr3のドレインとなる拡散層113と、トランジスタTr4のドレインとなる拡散層114と、トランジスタTr7のソース及びトランジスタTr8のソースとなる拡散層115と、が形成されている。拡散層111から115までの内の一部は、コンタクト及びスルーホールを介して、第1メタル層1Mの画素電極配線138(
図18参照)に電気的に接続されている。また、拡散層111から115までの内の他の一部は、第1メタル層1Mの基準電位配線VSSに電気的に接続されている。
【0192】
なお、
図19において、第1メタル層1M、第2メタル層2M、第3メタル層3M及び第5メタル層5Mの各々の上面及び下面、並びに、第6メタル層6Mの下面には、太実線で示す反射防止膜が形成されている。この反射防止膜は、Ti又はTiNなどの金属膜で形成されており、メタル層の一部として機能している。反射防止膜は、画素電極PEの間隙から照射された光を吸収しながら、吸収しきれなかった分を反射する。従って、反射光の光路長を長くするほど(反射を繰り返すほど)、反射光は減衰していく構造になっている。
【0193】
第4メタル層4Mには、保持容量Cs1の高電位側の電極である正極性保持容量電極121と、保持容量Cs2の高電位側の電極である負極性保持容量電極122と、図示しない、画素電極保持容量電極が作成されている。画素電極保持容量電極は、スルーホール104及び105を介して、第6メタル層6M(画素電極PE)と接続されている構造となっている。
【0194】
次に、
図18を参照して、画素Pix1の平面レイアウトについて説明する。
【0195】
各トランジスタは、活性領域とポリシリコンなどとのレイヤで形成され、必要に応じてコンタクトを介して第1メタル層1M配線と接続されている。
図18において、トランジスタTr2は、負極性の画素信号書き込み用スイッチングトランジスタであり、トランジスタTr1は、正極性の画素信号書き込み用スイッチングトランジスタである。トランジスタTr1とトランジスタTr2とは、1画素内の中心線131を基準として、左右にミラー反転して形成されている。
【0196】
更に、ソースフォロワ回路61(トランジスタTr3とトランジスタTr7とで構成)と、ソースフォロワ回路62(トランジスタTr4とトランジスタTr8とで構成)は、中心線131を基準として、左右ミラー反転で形成されている。
【0197】
接続配線133は、トランジスタTr2のソース、トランジスタTr4のゲート、及び、保持容量Cs2に接続されている。接続配線132は、トランジスタTr1のソース、トランジスタTr3のゲート、及び、保持容量Cs1に接続されている。接続配線133と接続配線132とは、左右ミラー反転して形成されている。正極性の画素信号のスイッチングを行うトランジスタTr15のゲート電極と、負極性の画素信号のスイッチングを行うトランジスタTr16のゲート電極とは、独立している。そして、トランジスタTr15のゲート電極及びトランジスタTr16のゲート電極は、同一行画素について行方向に配置されている配線S+及びS-に夫々接続されている。
【0198】
トランジスタTr1、Tr2、Tr7、Tr8、Tr15及びTr16の各々のゲート、並びに、トランジスタTr7及びTr8の各々のドレインに図示しているスルーホールには、図示していないコンタクトも配置されている。従って、トランジスタTr1、Tr2、Tr7、Tr8、Tr15及びTr16の各々のゲート、並びに、トランジスタTr7及びTr8の各々のドレインは、コンタクト及びスルーホールを介して、第2メタル層2Mに接続されている。
【0199】
電源電圧VDDを供給する電源配線134及び135は、1画素内の左右両端に配置されており、左右両隣の画素の第1メタル層1Mで構成された接続配線132又は133からのクロストークを抑制するように、ガードパターンの役割として配置されている。これにより、保持容量Cs1及びCs2は、不要な電圧に振られることなく、安定した電圧を保持できるようになる。更に、電源配線134及び135は、電源電圧VDD電位を上下画素で接続する配線としても使用されている。
【0200】
ここで、先に説明したように、トランジスタTr15及びTr16は、LowVthのNMOSトランジスタである。トランジスタTr15及びTr16のイオン注入エリア136及び137には、他の通常のNMOSトランジスタとは異なる閾値電圧Vthとなるように、イオンが注入される。実際には、イオン注入エリア136及び137のパタンにてマスクを作成する。そして、マスクを通過したイオンが、トランジスタTr15及びTr16のゲート下の活性領域に注入される。これにより、トランジスタTr15及びTr16は、所望の閾値電圧Vthとなるように、調整される。画素Pix1では、トランジスタTr15及びTr16の閾値電圧Vthが0.4Vとなるように、イオン注入が行われる。
【0201】
なお、第3の実施の形態の画素Pix2の作成方法は、画素Pix1の作成方法と同様であるので、説明を省略する。画素Pix2では、トランジスタTr25及びTr26のイオン注入エリア136及び137には、デプレッショントランジスタとなるように、イオンが注入される。画素Pix2では、トランジスタTr25及びTr26の閾値電圧Vthが-0.9Vになるように、イオン注入が行われる。
【0202】
<第8の実施の形態>
図20は、第8の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の平面レイアウト図である。詳しくは、
図20は、画素Pix3(第4の実施の形態)の各トランジスタ、第1メタル層1M、各トランジスタと第1メタル層1Mとを接続するコンタクト、第1メタル層1Mと第2メタル層2Mとを接続するスルーホールを示す平面レイアウト図である。
【0203】
第8(第4)の実施の形態の画素Pix3の構成要素のうち、比較例の画素Pix又は第2、第3、第5から第7の実施の形態の画素Pix1、Pix2、Pix4及びPix5と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0204】
各トランジスタは、活性領域とポリシリコンなどとのレイヤで形成され、必要に応じてコンタクトを介して第1メタル層1M配線と接続されている。
図20において、トランジスタTr2は、負極性の画素信号書き込み用スイッチングトランジスタであり、トランジスタTr1は、正極性の画素信号書き込み用スイッチングトランジスタである。トランジスタTr1とトランジスタTr2とは、1画素内の中心線131を基準として、左右にミラー反転して形成されている。
【0205】
更に、ソースフォロワ回路63(トランジスタTr33とトランジスタTr7とで構成)と、ソースフォロワ回路64(トランジスタTr34とトランジスタTr8とで構成)は、中心線131を基準として、左右ミラー反転で形成されている。
【0206】
接続配線133は、トランジスタTr2のソース、トランジスタTr4のゲート、及び、保持容量Cs2に接続されている。接続配線132は、トランジスタTr1のソース、トランジスタTr3のゲート、及び、保持容量Cs1に接続されている。接続配線133と接続配線132とは、左右ミラー反転して形成されている。正極性の画素信号のスイッチングを行うトランジスタTr35のゲート電極と、負極性の画素信号のスイッチングを行うトランジスタTr36のゲート電極とは、独立している。そして、トランジスタTr35のゲート電極及びトランジスタTr36のゲート電極は、同一行画素について行方向に配置されている配線S+及びS-に夫々接続されている。
【0207】
トランジスタTr1、Tr2、Tr7、Tr8、Tr35及びTr36の各々のゲート、並びに、トランジスタTr7及びTr8の各々のドレインに図示しているスルーホールには、図示していないコンタクトも配置されている。従って、トランジスタTr1、Tr2、Tr7、Tr8、Tr35及びTr36の各々のゲート、並びに、トランジスタTr7及びTr8の各々のドレインは、コンタクト及びスルーホールを介して、第2メタル層2Mに接続されている。
【0208】
電源電圧VDDを供給する電源配線134及び135は、1画素内の左右両端に配置されており、左右両隣の画素の第1メタル層1Mで構成された接続配線132又は133からのクロストークを抑制するように、ガードパターンの役割として配置されている。これにより、保持容量Cs1及びCs2は、不要な電圧に振られることなく、安定した電圧を保持できるようになる。更に、電源配線134及び135は、電源電圧VDD電位を上下画素で接続する配線としても使用されている。
【0209】
ここで、先に説明したように、トランジスタTr35及びTr36は、デプレッションNMOSトランジスタである。トランジスタTr35及びTr36のイオン注入エリア136及び137には、他の通常のNMOSトランジスタとは異なる閾値電圧Vthとなるように、イオンが注入される。実際には、イオン注入エリア136及び137のパタンにてマスクを作成する。そして、マスクを通過したイオンが、トランジスタTr35及びTr36のゲート下の活性領域に注入される。これにより、トランジスタTr35及びTr36は、所望の閾値電圧Vthとなるように、調整される。画素Pix3では、トランジスタTr35及びTr36の閾値電圧Vthが0Vとなるように、イオン注入が行われる。
【0210】
また、先に説明したように、トランジスタTr33及びTr34は、デプレッションPMOSトランジスタである。トランジスタTr33及びTr34のイオン注入エリア141及び142には、他の通常のPMOSトランジスタとは異なる閾値電圧Vthとなるように、イオンが注入される。実際には、イオン注入エリア141及び142のパタンにてマスクを作成する。そして、マスクを通過したイオンが、トランジスタTr33及びTr34のゲート下の活性領域に注入される。これにより、トランジスタTr33及びTr34は、所望の閾値電圧Vthとなるように、調整される。画素Pix3では、トランジスタTr33及びTr34の閾値電圧Vthが+0.4Vとなるように、イオン注入が行われる。
【0211】
なお、イオン注入エリア136及び137は、NMOSトランジスタ用のパタンの第1のマスクを使用してイオン注入が行われ、イオン注入エリア141及び142は、PMOSトランジスタ用のパタンの第2のマスクを使用してイオン注入が行われる。従って、イオン注入エリア136及び137用のマスクと、イオン注入エリア141及び142用のマスクとは、別のマスクである。
【0212】
<第9の実施の形態>
図21は、第9の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の平面レイアウト図である。詳しくは、
図21は、画素Pix4(第5の実施の形態)の各トランジスタ、第1メタル層1M、各トランジスタと第1メタル層1Mとを接続するコンタクト、第1メタル層1Mと第2メタル層2Mとを接続するスルーホールを示す平面レイアウト図である。
【0213】
第9(第5)の実施の形態の画素Pix4の構成要素のうち、比較例の画素Pix又は第2から第4、第6から第8の実施の形態の画素Pix1、Pix2、Pix3及びPix5と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0214】
各トランジスタは、活性領域とポリシリコンなどとのレイヤで形成され、必要に応じてコンタクトを介して第1メタル層1M配線と接続されている。
図21において、トランジスタTr42は、負極性の画素信号書き込み用スイッチングトランジスタであり、トランジスタTr41は、正極性の画素信号書き込み用スイッチングトランジスタである。トランジスタTr41とトランジスタTr42とは、1画素内の中心線131を基準として、左右にミラー反転して形成されている。
【0215】
更に、ソースフォロワ回路61(トランジスタTr3とトランジスタTr7とで構成)と、ソースフォロワ回路62(トランジスタTr4とトランジスタTr8とで構成)は、中心線131を基準として、左右ミラー反転で形成されている。
【0216】
接続配線133は、トランジスタTr42のソース、トランジスタTr4のゲート、及び、保持容量Cs2に接続されている。接続配線132は、トランジスタTr41のソース、トランジスタTr3のゲート、及び、保持容量Cs1に接続されている。接続配線133と接続配線132とは、左右ミラー反転して形成されている。正極性の画素信号のスイッチングを行うトランジスタTr45のゲート電極と、負極性の画素信号のスイッチングを行うトランジスタTr46のゲート電極とは、独立している。そして、トランジスタTr45のゲート電極及びトランジスタTr46のゲート電極は、同一行画素について行方向に配置されている配線S+及びS-に夫々接続されている。
【0217】
トランジスタTr7、Tr8、Tr41、Tr42、Tr45及びTr46の各々のゲート、並びに、トランジスタTr7及びTr8の各々のドレインに図示しているスルーホールには、図示していないコンタクトも配置されている。従って、トランジスタTr7、Tr8、Tr41、Tr42、Tr45及びTr46の各々のゲート、並びに、トランジスタTr7及びTr8の各々のドレインは、コンタクト及びスルーホールを介して、第2メタル層2Mに接続されている。
【0218】
電源電圧VDDを供給する電源配線134及び135は、1画素内の左右両端に配置されており、左右両隣の画素の第1メタル層1Mで構成された接続配線132又は133からのクロストークを抑制するように、ガードパターンの役割として配置されている。これにより、保持容量Cs1及びCs2は、不要な電圧に振られることなく、安定した電圧を保持できるようになる。更に、電源配線134及び135は、電源電圧VDD電位を上下画素で接続する配線としても使用されている。
【0219】
ここで、先に説明したように、トランジスタTr41、Tr42、Tr45及びTr46は、LowVthのNMOSトランジスタである。トランジスタTr45及びTr46のイオン注入エリア136及び137、並びに、トランジスタTr41及びTr42のイオン注入エリア151及び152には、他の通常のNMOSトランジスタとは異なる閾値電圧Vthとなるように、イオンが注入される。実際には、イオン注入エリア136、137、151及び152のパタンを合成した1個のマスクを作成する。そして、マスクを通過したイオンが、トランジスタTr41、Tr42、Tr45及びTr46のゲート下の活性領域に注入される。これにより、トランジスタTr41、Tr42、Tr45及びTr46は、所望の閾値電圧Vthとなるように、調整される。画素Pix4では、トランジスタTr41、Tr42、Tr45及びTr46の閾値電圧Vthが+0.4Vとなるように、イオン注入が行われる。
【0220】
なお、上記では、トランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthと、トランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthとが、同じ電圧である場合について説明した。トランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthと、トランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthとが、異なる場合は、イオン注入エリア136及び137用の第1のマスクと、イオン注入エリア151及び152用の第2のマスクとを、別のマスクにする。そして、トランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthと、トランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthとが、夫々所望の閾値電圧Vthとなるように、イオン注入が行われる。
【0221】
<第10の実施の形態>
図22は、第10の実施の形態の反射型液晶表示装置の画素の平面レイアウト図である。詳しくは、
図22は、画素Pix5(第6の実施の形態)の各トランジスタ、第1メタル層1M、各トランジスタと第1メタル層1Mとを接続するコンタクト、第1メタル層1Mと第2メタル層2Mとを接続するスルーホールを示す平面レイアウト図である。
【0222】
第10(第6)の実施の形態の画素Pix5の構成要素のうち、比較例の画素Pix又は第2から第5及び第7から第9の実施の形態の画素Pix1からPix4までと同一の構成要素については、同一の参照符号を付して、説明を省略する。
【0223】
各トランジスタは、活性領域とポリシリコンなどとのレイヤで形成され、必要に応じてコンタクトを介して第1メタル層1M配線と接続されている。
図22において、トランジスタTr42は、負極性の画素信号書き込み用スイッチングトランジスタであり、トランジスタTr41は、正極性の画素信号書き込み用スイッチングトランジスタである。トランジスタTr41とトランジスタTr42とは、1画素内の中心線131を基準として、左右にミラー反転して形成されている。
【0224】
更に、ソースフォロワ回路63(トランジスタTr33とトランジスタTr7とで構成)と、ソースフォロワ回路64(トランジスタTr34とトランジスタTr8とで構成)は、中心線131を基準として、左右ミラー反転で形成されている。
【0225】
接続配線133は、トランジスタTr42のソース、トランジスタTr34のゲート及び保持容量Cs2に接続されている。接続配線132は、トランジスタTr41のソース、トランジスタTr33のゲート及び保持容量Cs1に接続されている。接続配線133と接続配線132とは、左右ミラー反転して形成されている。正極性の画素信号のスイッチングを行うトランジスタTr35のゲート電極と、負極性の画素信号のスイッチングを行うトランジスタTr36のゲート電極とは、独立している。そして、トランジスタTr35のゲート電極及びトランジスタTr36のゲート電極は、同一行画素について行方向に配置されている配線S+及びS-に夫々接続されている。
【0226】
トランジスタTr7、Tr8、Tr41、Tr42、Tr35及びTr36の各々のゲート、並びに、トランジスタTr7及びTr8の各々のドレインに図示しているスルーホールには、図示していないコンタクトも配置されている。従って、トランジスタTr7、Tr8、Tr41、Tr42、Tr35及びTr36の各々のゲート、並びに、トランジスタTr7及びTr8の各々のドレインは、コンタクト及びスルーホールを介して、第2メタル層2Mに接続されている。
【0227】
電源電圧VDDを供給する電源配線134及び135は、1画素内の左右両端に配置されており、左右両隣の画素の第1メタル層1Mで構成された接続配線132又は133からのクロストークを抑制するように、ガードパターンの役割として配置されている。これにより、保持容量Cs1及びCs2は、不要な電圧に振られることなく、安定した電圧を保持できるようになる。更に、電源配線134及び135は、電源電圧VDD電位を上下画素で接続する配線としても使用されている。
【0228】
ここで、先に説明したように、トランジスタTr35及びTr36は、デプレッションNMOSトランジスタである。トランジスタTr35及びTr36のイオン注入エリア136及び137には、他の通常のNMOSトランジスタとは異なる閾値電圧Vthとなるように、イオンが注入される。実際には、イオン注入エリア136及び137のパタンにてマスクを作成する。そして、マスクを通過したイオンが、トランジスタTr35及びTr36のゲート下の活性領域に注入される。これにより、トランジスタTr35及びTr36は、所望の閾値電圧Vthとなるように、調整される。画素Pix5では、トランジスタTr45及びTr46の閾値電圧Vthが0Vとなるように、イオン注入が行われる。
【0229】
また、先に説明したように、トランジスタTr41及びTr42は、LowVthのNMOSトランジスタである。トランジスタTr41及びTr42のイオン注入エリア151及び152には、他の通常のNMOSトランジスタとは異なる閾値電圧Vthとなるように、イオンが注入される。実際には、イオン注入エリア151及び152のパタンにてマスクを作成する。そして、マスクを通過したイオンが、トランジスタTr41及びTr42のゲート下の活性領域に注入される。これにより、トランジスタTr41及びTr42は、所望の閾値電圧Vthとなるように、調整される。画素Pix5では、トランジスタTr41及びTr42の閾値電圧Vthが+0.4Vとなるように、イオン注入が行われる。
【0230】
また、先に説明したように、トランジスタTr33及びTr34は、デプレッションPMOSトランジスタである。トランジスタTr33及びTr34のイオン注入エリア141及び142には、他の通常のPMOSトランジスタとは異なる閾値電圧Vthとなるように、イオンが注入される。実際には、イオン注入エリア141及び142のパタンにてマスクを作成する。そして、マスクを通過したイオンが、トランジスタTr33及びTr34のゲート下の活性領域に注入される。これにより、トランジスタTr33及びTr34は、所望の閾値電圧Vthとなるように、調整される。画素Pix5では、トランジスタTr33及びTr34の閾値電圧Vthが+0.4Vとなるように、イオン注入が行われる。
【0231】
なお、トランジスタTr41及びTr42は、LowVthのNMOSトランジスタであり、トランジスタTr35及びTr36は、デプレッションNMOSトランジスタである。また、トランジスタTr33及びTr34は、デプレッションPMOSトランジスタである。従って、イオン注入エリア136及び137のパタンの第1のマスクと、イオン注入エリア141及び142のパタンの第2のマスクと、イオン注入エリア151及び152のパタンの第3のマスクとは、別のマスクである。
【0232】
また、画素Pix5では、トランジスタTr41及びTr42がLowVthのNMOSトランジスタであり、トランジスタTr35及びTr36がデプレッションNMOSトランジスタである。トランジスタTr41、Tr42、Tr35及びTr36は、何れもNMOSトランジスタであるが、閾値電圧Vthが異なっている。この構成では製造が複雑になるので、コストを優先して、トランジスタTr41、Tr42、Tr35及びTr36の閾値電圧Vthを同じ電圧に統一することも考えられる。その場合、イオン注入エリア151及び152、イオン注入エリア136及び137のパタンを合成した1個のマスクを作成する。そして、トランジスタTr41、Tr42、Tr35及びTr36のゲート下の活性領域にイオン注入が実施される。これにより、トランジスタTr41、Tr42、Tr35及びTr36は、所望の閾値電圧Vthとなるように、調整される。
【0233】
<付記>
図3に示す反射型液晶表示装置13の、拡散された複数の波長チャネルが入射しない部分(額縁部)13aの画素の中の各トランジスタは、LowVth又はデプレッショントランジスタではなく、通常の閾値電圧Vthのトランジスタとすると好ましい。これにより、反射型液晶表示装置13は、部分13aでのリーク電流が抑制されるので、消費電力を抑制することができる。
【0234】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0235】
10 WSSアレイ
11 入出力部
12 光学系
13 反射型液晶表示装置
16 コリメートレンズ
21、22、23 レンズ
24 分散素子
61、62、63、64 ソースフォロワ回路
Pix、Pix1、Pix2、Pix3、Pix4、Pix5 画素
Tr1、・・・、Tr8、Tr15、Tr16、Tr25、Tr26、Tr33、Tr34、Tr35、Tr36、Tr41、Tr42、Tr45、Tr46 トランジスタ
Cs1、Cs2 保持容量
LC 液晶表示素子
LCM 液晶表示体
PE 画素電極
CE 共通電極