(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及び街灯
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20240528BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04Q9/00 301Z
(21)【出願番号】P 2020178453
(22)【出願日】2020-10-23
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100220674
【氏名又は名称】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】宮田 亜衣
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0262189(US,A1)
【文献】特開2018-113685(JP,A)
【文献】特開2004-295200(JP,A)
【文献】特開平11-185976(JP,A)
【文献】特開2014-154438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と通信する通信部と、
前記端末装置によって撮影された対象物の画像を前記端末装置から前記通信部を介して取得し、
取得した前記画像に応じて、前記端末装置の周囲に設けられた少なくとも1つの街灯を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記通信部を介して前記端末装置の位置を示す位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて、複数の前記街灯のうち、前記端末装置の周囲に設けられた前記少なくとも1つの街灯を選択し、
前記画像の明るさが基準値未満であるとき、前記少なくとも1つの街灯の光量を変化させることで前記少なくとも1つの街灯を制御し、
前記位置情報は、前記端末装置が向いている方向の情報を含む、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記街灯の光源部の光量を増加させることで前記街灯の前記光量を変化させる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記端末装置の前記位置から基準距離以内に設けられた前記街灯を選択し、選択した前記街灯を制御する、請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記画像を複数の領域に分割し、分割した前記領域の明るさに基づいて前記街灯を制御する、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記画像の明るさが前記基準値未満であるかどうかについての判断を行い、
前記判断において、前記画像の明るさが前記基準値以上であると判断するまで、前記対象物の画像の取得及び前記画像に応じた前記街灯の制御を繰り返し実行する、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
端末装置と通信する通信部を備える制御装置が実行する制御方法であって、
前記端末装置によって撮影された対象物の画像を前記端末装置から前記通信部を介して取得することと、
取得した前記画像に応じて、前記端末装置の周囲に設けられた少なくとも1つの街灯を制御することと、
前記通信部を介して前記端末装置の位置を示す位置情報を取得することと、
前記位置情報に基づいて、複数の前記街灯のうち、前記端末装置の周囲に設けられた前記少なくとも1つの街灯を選択することと、
前記画像の明るさが基準値未満であるとき、前記少なくとも1つの街灯の光量を変化させることで前記少なくとも1つの街灯を制御することと、を含み、
前記位置情報は、前記端末装置が向いている方向の情報を含む、
制御方法。
【請求項7】
前記街灯の光源部の光量を増加させることで前記街灯の前記光量を変化させることをさらに含む、請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
前記端末装置の前記位置から基準距離以内に設けられた前記街灯を選択することと、
選択した前記街灯を制御することと
をさらに含む、請求項6又は7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記画像を複数の領域に分割することと、
分割した前記領域の明るさに基づいて前記街灯を制御することと
をさらに含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項10】
前記画像の明るさが前記基準値未満であるかどうかについての判断を行うことと、
前記判断において、前記画像の明るさが前記基準値以上であると判断するまで、前記対象物の画像の取得及び前記画像に応じた前記街灯の制御を繰り返し実行することと
をさらに含む、請求項6から9のいずれか一項に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、制御方法、及び街灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物の位置に照明装置の照射位置を追従させることで、暗い場所での撮影を可能にする技術が知られている。例えば、特許文献1には、非接触センサを用いて対象物の位置を検出し、当該対象物の位置にスポットライトの照射位置を追従させ、当該照射位置にカメラの撮像範囲を一致させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、対象物を撮影するために専用の照明装置を用いる必要があった。
【0005】
本開示の目的は、専用の照明装置を用いずに、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御装置は、
端末装置によって撮影された対象物の画像を取得し、
取得した前記画像に応じて、前記端末装置の周囲に設けられた少なくとも1つの街灯を制御する制御部を備える。
【0007】
本開示に係る制御方法は、
端末装置によって撮影された対象物の画像を取得することと、
取得した前記画像に応じて、前記端末装置の周囲に設けられた少なくとも1つの街灯を制御することと
を含む。
【0008】
本開示に係る街灯は、
少なくとも1つの光源部と、
制御装置と通信する通信部と、
前記通信部を介して前記制御装置から指示を取得し、取得した前記指示に従って前記光源部の光量を変化させる制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本実施形態によれば、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る制御装置、端末装置及び照明装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る端末装置及び照明装置の位置の例を示す図である。
【
図4A】本実施形態に係るシステムの動作を示す図である。
【
図4B】本実施形態に係るシステムの動作を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る端末装置から取得された画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図を参照して説明する。各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0012】
(第1実施形態)
図1を参照して、本実施形態に係るシステム10の構成を説明する。
【0013】
本実施形態に係るシステム10は、制御装置20と、端末装置30と、1つ以上の照明装置40とを備える。
図1では説明の簡便のため、2つの照明装置40を図示しているが、照明装置40の数はこれに限られず、自由に定められてよい。
【0014】
以下の説明において、照明装置40Aから照明装置40Fを特に区別しない場合、照明装置40Aから照明装置40Fを総称して照明装置40と呼ぶ。
【0015】
制御装置20は、ネットワーク50を介して端末装置30、及び照明装置40と通信可能である。
【0016】
ネットワーク50は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの組み合わせを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク50は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0017】
制御装置20は、データセンタなどの施設に設置される。制御装置20は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0018】
端末装置30は、ユーザ11によって使用される。端末装置30は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。
【0019】
照明装置40は、屋外又は屋内の一定の領域を照射可能な装置である。照明装置40は道路に設けられた街灯を含む。照明装置40は、公共施設又は店舗等の建物、看板、信号機、電柱等に備え付けられていてもよい。照明装置40は、照明装置40の付近の道路、広場又は駐車場等に光を照射できる。照明装置40は、例えば街灯であるがこれに限られない。例えば、撮影専用に設けられた照明以外の任意の照明が、照明装置40として採用可能である。
【0020】
【0021】
図1に示すシステム10において、制御装置20は、端末装置30よって撮影された対象物の画像を取得し、取得した画像に応じて、端末装置30の周囲に設けられた少なくとも1つの照明装置40を制御する制御部21を備える。
【0022】
「対象物」は、車両についたキズを含む。車両は、例えばカーシェアリングサービスで利用される車両を含む。「端末装置30の周囲」とは、端末装置30の前方、後方、側方等が含まれる。端末装置30の周囲とは、より具体的には、端末装置30を使用するユーザ11が立っている場所の周囲をいう。
【0023】
図2を参照して、本実施形態に係る制御装置20の構成を説明する。制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25とを備える。
【0024】
制御部21には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部21は、制御装置20の各部を制御しながら、制御装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0025】
制御部21は、端末装置30から、通信部23を介して画像を受信する。このようにして制御部21は画像を取得する。制御部21は、取得した画像の明るさが基準値未満であるかどうかを判断する。画像の明るさとは、具体的には、取得した画像に含まれる各画素の輝度値の平均値をいう。画像の明るさとは、これに限られず、例えば、取得した画像のコントラスト比の高さ等であってもよい。基準値とは、撮影する対象物が認識できる程度の値をいい、例えば130の輝度値をいう。基準値はこれに限定されず、自由に設定されてよい。制御部21は、対象物として車両のキズを認識できる。制御部21は、周知の画像解析技術を用いて取得した画像を解析し、対象物を認識してよい。制御部21は、例えば、機械学習によって生成された条件に基づいて対象物を認識してもよい。
【0026】
取得した画像の明るさが基準値未満であると判断した場合、制御部21は、端末装置30に、端末装置30の位置を示す位置情報の送信を要求する。制御部21は、通信部23を介して、当該要求を端末装置30に送信する。
【0027】
制御部21は、端末装置30から、通信部23を介して位置情報を受信する。このようにして制御部21は位置情報を取得する。制御部21は、記憶部22に格納した地図情報を参照する。地図情報には、照明装置40の位置が予め登録されている。制御部21は、地図情報に登録されている複数の照明装置40の中から、端末装置30の位置から基準距離以内に設けられている照明装置40を選択する。基準距離とは、例えば10mの距離をいう。基準距離はこれに限定されず、自由に設定されてよい。
図3は、端末装置30及び照明装置40の位置の例を示す図である。
図3では、ユーザ11が端末装置30を使用して、被写体である車両のキズを撮影している。
図3において、照明装置40Aから40Fの位置は黒丸で示される。照明装置40Aから40Fのうち、端末装置30の位置から基準距離以内に設けられている照明装置40は、照明装置40Aから照明装置40Dである。よって制御部21はまず、照明装置40Aから照明装置40Dを選択する。このようにして制御部21は、複数の照明装置40のうち、端末装置30の周囲に設けられた少なくとも1つの照明装置40を選択する。
【0028】
位置情報には、端末装置30の位置を示す情報の他、端末装置30が向いている方向の情報も含まれる。制御部21は、端末装置30が向いている方向に基づいて、照明装置40をさらに絞り込んで選択する。端末装置30が向いている方向とは、具体的には端末装置30の撮影部37が向いている方角である。制御部21は、逆光とならないよう、端末装置30の位置を基点として、端末装置30が向いている方向と反対側の方向に設けられている照明装置40を選択する。
図3を参照すると、端末装置30が向いている方向は北の方向である。この場合、制御部21は、照明装置40Aから照明装置40Dのうち、端末装置30が向いている方向と反対側に設けられている照明装置40A及び照明装置40Bを選択する。端末装置30が向いている方向に基づいて選択される照明装置40の条件はこれに限られず、自由に定められてよい。
【0029】
制御部21は、選択した照明装置40に、光源部43の点灯の状態を検出した結果を示す点灯情報の送信を要求する。制御部21は、通信部23を介して、当該要求を照明装置40に送信する。制御部21は、照明装置40から送信された点灯情報を、通信部23を介して受信する。このようにして制御部21は点灯情報を取得する。
【0030】
制御部21は、取得した点灯情報に応じて、選択した照明装置40に指示する動作を決定する。制御部21は、点灯情報が消灯中を示す場合に、光源部43を点灯させる動作を決定する。また、制御部21は、点灯情報が点灯中を示す場合に、点灯中の発光素子の数を増加した状態で光源部43を点灯させる動作を決定してもよい。制御部21が決定する動作の種類はこれらに限られず、自由に設定されてよい。
【0031】
選択した照明装置40が複数ある場合、制御部21は、照明装置40のそれぞれについて異なる動作を決定してよい。例えば、制御部21は、照明装置40Aと照明装置40Bとで異なる数の発光素子を点灯させた状態で、それぞれの光源部43を点灯させる動作を決定してもよい。
【0032】
制御部21は決定した動作の指示を、選択した照明装置40に送信する。制御部21は、通信部23を介して動作の指示を送信する。照明装置40は動作の指示を受信し、指示に従って動作する。このようにして制御部21は照明装置40の光量を増加させる。
【0033】
制御部21は、動作の指示を送信したあと、端末装置30に再度撮影を行うよう通知を送信する。制御部21は、通信部23を介して通知を端末装置30へ送信する。通知を受信した端末装置30は、再度、被写体の撮影を行う。端末装置30の制御部31は、通信部33を介して通知を受信すると、再度撮影を行うよう撮影部37を制御してもよい。また、端末装置30の制御部31は、受信した通知を、出力部35を介してユーザ11に対し表示してもよい。これにより、ユーザ11が表示を認識し、端末装置30を操作して再度の撮影を行うことができる。
【0034】
制御部21は、端末装置30から取得した画像の明るさが基準値以上であると判断するまで、端末装置30からの画像の取得と照明装置40の制御とを繰り返し実行する。繰り返しにおいて、制御部21は、選択した照明装置40に指示する動作を前回と異なる動作に決定できる。例えば、前回決定された動作が、一定数の発光素子を点灯させた状態で光源部43を点灯させる動作であったとする。この場合制御部21は、繰り返しにおいて、当該数よりも多い数、又は当該数よりも少ない数の発光素子を点灯させた状態で光源部43を点灯させる動作を決定してよい。これにより、照明装置40の光量を様々なパターンに変化させることができる。
【0035】
このように制御装置20が照明装置40を制御することで、端末装置30が様々な明るさの下で撮影することが可能となる。
【0036】
記憶部22には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22には、制御装置20の動作に用いられる情報と、制御装置20の動作によって得られた情報とが記憶される。記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び地図情報を記憶する。地図情報には、照明装置40の位置が予め登録されている。地図情報は、記憶部22に予め格納される代わりに、インターネット上のGISなど、外部のシステムに蓄積されていてもよい。「GIS」は、geographic information systemの略語である。
【0037】
通信部23には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部23は、制御装置20の動作に用いられる情報を受信し、また制御装置20の動作によって得られる情報を送信する。
【0038】
入力部24には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部24は、制御装置20の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部24は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0039】
出力部25には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。出力部25は、制御装置20の動作によって得られる情報を出力する。出力部25は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の出力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0040】
制御装置20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部21に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、制御プログラムに従って制御装置20の動作を実行することにより制御装置20として機能する。
【0041】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記録しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD又はCD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compactdisc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0042】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0043】
制御装置20の一部又は全ての機能が、制御部21に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0044】
図2を参照して、本実施形態に係る端末装置30の構成を説明する。端末装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、測位部36と、撮影部37とを備える。
【0045】
制御部31には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部31は、端末装置30の各部を制御しながら、端末装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0046】
記憶部32には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32には、端末装置30の動作に用いられる情報と端末装置30の動作によって得られた情報とが記憶される。
【0047】
通信部33には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部33は、端末装置30の動作に用いられる情報を受信し、また端末装置30の動作によって得られる情報を送信する。
【0048】
入力部34には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部34は、端末装置30の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部34は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0049】
出力部35には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又は振動モータある。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部35は、端末装置30の動作によって得られる情報を出力する。出力部35は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の出力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0050】
測位部36には、少なくとも1つのGNSS受信機が含まれる。「GNSS」は、global navigation satellite systemの略語である。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。測位部36は、地磁気センサ及び加速度センサを含む。測位部36は、端末装置30の位置と、端末装置30が向いている方向とを検出することができる。端末装置30が向いている方向とは、具体的には撮影部37が向いている方角である。測位部36が検出した、端末装置30の位置と端末装置30が向いている方向とを示す情報は、位置情報として制御部31に取得される。位置情報は、制御部31によって制御装置20に送信される。位置情報の送信は、本実施形態では、制御装置20からの要求に応じて行われるが、これに限られず、常時行われてもよい。
【0051】
撮影部37は、端末装置30の周囲を撮影するカメラである。撮影部37は、ユーザ11の操作によって静止画又は動画を取得可能である。撮影部37は取得した画像を制御部31に出力できる。撮影部37は例えば、出力部35と反対側の面に設けられる。
【0052】
端末装置30の機能は、本実施形態に係る端末プログラムを、制御部31に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置30の機能は、ソフトウェアにより実現される。端末プログラムは、端末装置30の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを端末装置30として機能させる。すなわち、コンピュータは、端末プログラムに従って端末装置30の動作を実行することにより端末装置30として機能する。
【0053】
端末装置30の一部又は全ての機能が、制御部31に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、端末装置30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0054】
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る照明装置40の構成を説明する。照明装置40は、
図2に示すように、制御部41と、通信部42と、光源部43とを備える。
【0055】
制御部41には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部41は、照明装置40の各部を制御しながら、照明装置40の動作に関わる処理を実行する。
【0056】
制御部41は、光源部43の点灯の状態を検出し、検出した結果を点灯情報として取得する。点灯情報とは、照明装置40の光源部43が点灯中であるかどうかについての情報を含む。点灯情報はさらに、点灯中の発光素子の数を示す情報を含んでもよい。制御部41は、点灯情報を、通信部42を介して制御装置20に送信する。点灯情報の送信は制御装置20の要求に応じて行われる。これに限られず、点灯情報の送信は常時行われてもよい。
【0057】
制御部41は、通信部42を介して、動作の指示を制御装置20から受信する。制御部41は、受信した指示に従って光源部43を制御する。制御部41は、受信した指示に従って、光源部43を点灯又は消灯させることができる。制御部41は、受信した指示に従って、点灯中の発光素子の数を増加した状態で光源部43を点灯させることができる。
【0058】
通信部42には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格等の移動通信規格に対応したインタフェースである。通信部42は、照明装置40の動作に用いられる情報を受信し、また照明装置40の動作によって得られる情報を送信する。
【0059】
光源部43は、筐体内に1つ以上の発光素子を備える。発光素子は、LED又は有機EL等を含む。「LED」は、Light Emitting Diodeの略語である。光源部43は、制御部41の制御によって点灯又は消灯させられる。点灯中の発光素子の数は、制御部41の制御によって増加又は減少させられてもよい。このようにして照明装置40の光量が変化させられる。また、光源部43が発光素子を覆う蓋を備え、制御部41の制御によって当該蓋が開閉させられることにより、照明装置40の光量が変化させられてもよい。
【0060】
図3、
図4A、及び
図4Bを参照して、本実施形態に係るシステム10の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る制御方法に相当する。本例では、ユーザ11が端末装置30を用いて、車両の車体についたキズを撮影しているとする。本例において、照明装置40Aは制御部41A、通信部42A、及び光源部43Aを備える。本例において、照明装置40Bは制御部41B、通信部42B、及び光源部43Bを備える。本例では、簡便のため
図4Bにおいて照明装置40は一台のみ示す。
図4A及び
図4Bは、本実施形態に係るシステム10全体の処理フローを示す。
【0061】
図4AのステップS101において、端末装置30は、被写体の撮影を行う。本例では、端末装置30の撮影部37が、被写体としての車両についたキズを撮影する。端末装置30の制御部31は、撮影部47が撮影した画像を取得する。
【0062】
ステップS102において、端末装置30は、撮影した被写体の画像を制御装置20に送信する。本例では、端末装置30の制御部31は、撮影部37から取得した画像を、通信部33を介して制御装置20に送信する。
【0063】
ステップS103において、制御装置20は、画像を端末装置30から受信する。本例では、制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、画像を端末装置30から受信する。このようにして制御装置20は画像を取得する。
【0064】
ステップS104において、制御部21は、取得した画像の明るさが基準値未満であるかどうかを判断する。制御部21が、取得した画像の明るさが基準値以上であると判断した場合、システム10の動作は終了する。制御部21が、取得した画像の明るさが基準値未満であると判断した場合、システム10の動作はステップS105に進む。本例では、制御部21は、取得した画像の各画素の輝度値の平均値が、基準値の130未満であるかどうかを判断する。本例では、取得した画像の各画素の輝度値の平均値は100である。よって制御部21の処理はステップS105に進む。
【0065】
ステップS105において、制御部21は、端末装置30に、位置情報の送信を要求する。本例では、制御部21は、通信部23を介して、端末装置30に位置情報の送信の要求を送信する。
【0066】
ステップS106において、端末装置30は、位置情報の要求を受信する。本例では、端末装置30の制御部31は、通信部33を介して要求を受信する。
【0067】
ステップS107において、端末装置30は、位置情報を取得する。本例では、端末装置30の測位部36が、端末装置30の位置と、端末装置30の撮影部37が向いている方向とを検出する。本例では、端末装置30が向いている方向は北の方向である。端末装置30の制御部31は、測位部36が検出した端末装置30の位置と端末装置30が向いている方向とを示す情報を位置情報として取得する。
【0068】
ステップS108において、端末装置30は、取得した位置情報を制御装置20に送信する。本例では、端末装置30の制御部31は、測位部36から取得した位置情報を、通信部33を介して制御装置20に送信する。
【0069】
ステップS109において、制御装置20は、位置情報を端末装置30から受信する。本例では、制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、位置情報を端末装置30から受信する。このようにして制御装置20は位置情報を取得する。
【0070】
ステップS110において、制御部21は、ステップS109で取得した端末装置30の位置情報から、端末装置30の位置から基準距離以内に設けられている照明装置40を選択する。本例では、制御部21はまず、記憶部22に格納した地図情報を参照して、地図情報に登録されている複数の照明装置40の中から、端末装置30の位置から基準距離の10m以内に設けられている照明装置40を選択する。
図3を参照すると、黒丸で示す照明装置40Aから40Fのうち、端末装置30の位置から基準距離以内に設けられている照明装置40は、照明装置40Aから照明装置40Dである。制御部21は、照明装置40Aから照明装置40Dを選択する。
【0071】
ステップS111において、制御部21は、位置情報に含まれる、端末装置30の向いている方向に基づいて照明装置40をさらに絞り込んで選択する。端末装置30が向いている方向に基づいて選択される照明装置40の条件は、自由に定められてよい。本例では、制御部21は、逆光とならないよう、端末装置30の位置を基点として、端末装置30の向いている方向と反対側に設けられている照明装置40を選択する。
図3を参照すると、端末装置30が向いている方向は北の方向である。制御部21は、当該方向と反対側に設けられている照明装置40A及び照明装置40Bを選択する。
【0072】
ステップS112において、制御部21は、選択した照明装置40に、点灯情報の送信を要求する。本例では、制御部21は、通信部23を介して、照明装置40A及び照明装置40Bに当該要求を送信する。
【0073】
ステップS113において、照明装置40は、点灯情報の要求を受信する。本例では、照明装置40Aの制御部41Aが、通信部42Aを介して要求を受信する。また、照明装置40Bの制御部41Bが、通信部42Bを介して要求を受信する。
【0074】
ステップS114において、照明装置40は、点灯情報を取得する。本例では、照明装置40Aの制御部41Aが光源部43Aの点灯の状態を、照明装置40Bの制御部41Bが光源部43Bの点灯の状態を、それぞれ検出する。本例では、検出された点灯の状態は、光源部43A及び光源部43Bのいずれも、一定数の発光素子を点灯させた状態で点灯中であるとする。制御部41A及び制御部41Bのそれぞれは、検出した結果を点灯情報として取得する。
【0075】
ステップS115において、照明装置40は、点灯情報を制御装置20に送信する。本例では、照明装置40Aの制御部41Aが、通信部42Aを介して点灯情報を制御装置20に送信する。また、照明装置40Bの制御部41Bが、通信部42Bを介して点灯情報を制御装置20に送信する。
【0076】
ステップS116において、制御装置20は点灯情報を照明装置40から受信する。本例では、制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、点灯情報を照明装置40A及び照明装置40Bから受信する。このようにして制御装置20は点灯情報を取得する。
【0077】
ステップS117において、制御部21は、選択した照明装置40に指示する動作を決定する。制御部21は、取得した点灯情報が消灯中を示す場合に、照明装置40の光源部43を点灯させる動作を決定する。制御部21は、点灯情報が点灯中を示す場合に、点灯中の発光素子の数を増加した状態で光源部43を点灯させる動作を決定する。制御部21が決定する動作の種類はこれらに限られず、自由に設定されてよい。本例では、制御部21は、照明装置40Aの光源部43A、及び照明装置40Bの光源部43Bを、点灯中の発光素子の数を増加させた状態で点灯させる動作を決定する。
【0078】
ステップS118において、制御部21は、ステップS117で決定した動作の指示を、選択した照明装置40に送信する。本例では、制御部21は、通信部23を介して、動作の指示を照明装置40A及び照明装置40Bに送信する。このようにして、制御部21は照明装置40を制御する。
【0079】
ステップS119において、照明装置40は、動作の指示を制御装置20から受信する。本例では、照明装置40Aの制御部41Aが、通信部42Aを介して動作の指示を受信する。また、照明装置40Bの制御部41Bが、通信部42Bを介して動作の指示を受信する。
【0080】
ステップS120において、照明装置40は、ステップS119で受信した指示に従って動作する。本例では、照明装置40Aの制御部41Aは、点灯中の発光素子の数を増加させた状態で光源部43Aを点灯させる。照明装置40Bの制御部41Bも、点灯中の発光素子の数を増加させた状態で光源部43Bを点灯させる。
【0081】
ステップS121において、制御装置20は、端末装置30に再度撮影を行うよう通知を送信する。本例では、制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、通知を端末装置30へ送信する。
【0082】
ステップS122において、端末装置30は制御装置20から通知を受信する。そして端末装置30の動作は、ステップS101に戻る。すなわち、システム10全体の動作がステップS101に戻る。ステップS101において、端末装置30は再度、被写体の撮影を行う。本例では、端末装置30の制御部31が通信部33を介して通知を受信する。制御部31は、再度被写体を撮影するよう、端末装置30の撮影部37を制御する。
【0083】
以上の通り、ステップS101からステップS122の動作が、ステップS104で制御部21の判断により終了するまで繰り返される。繰り返しにおいて、ステップS117で制御部21が決定する動作は、前回と異なる動作に決定されてよい。例えば、前回決定された動作が、一定数の発光素子を点灯させた状態で光源部43A及び光源部43Bを点灯させる動作であったとする。この場合、制御部21は、光源部43Aについては当該数よりも多い数の発光素子を点灯させた状態で点灯させ、光源部43Bについては当該数よりも少ない数の発光素子を点灯させた状態で点灯させる動作を決定してよい。これにより、照明装置40の光量を様々なパターンに変化させることができる。
【0084】
上述のように、本実施形態に係る制御装置20は、端末装置30によって撮影された対象物の画像を取得し、取得した画像に応じて、端末装置30の周囲に設けられた少なくとも1つの照明装置40を制御する制御部21を備える。
【0085】
制御部21は、端末装置30から取得した画像に応じて照明装置40を制御する。端末装置30は、周囲に設けられた照明装置40が制御された後、より明るい環境下で再度対象物の撮影を行うことができる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0086】
上述のように、制御部21は、画像の明るさが基準値未満であるとき、照明装置40の光量を変化させることで照明装置40を制御する。
【0087】
制御部21は、予め設定した基準値に基づいて、取得した画像の明るさを精度よく判断できる。制御部21は、判断の結果に応じて照明装置40に指示する動作を決定する。制御部21は、照明装置40の光量を増加又は減少させる動作を決定できる。また、複数の照明装置40を選択している場合、制御部21は、ある照明装置40の光量をさらに増加させる一方、他の照明装置40の光量は減少させる動作を決定し、柔軟に照明装置40を制御し得る。これにより、端末装置30は、照明装置40が制御された後、より適切な明るさの環境下で再度撮影を行い得る。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0088】
上述のように、制御部21は、照明装置40の光源部43の光量を増加させることで照明装置40の光量を変化させる。
【0089】
制御部21は、照明装置40の光源部43の光量を増加させる動作を決定できる。照明装置40は、動作の指示を受信し、指示に従って光源部43の光量を増加させる。これにより、端末装置30は、照明装置40が制御された後、より明るい環境下で再度撮影を行い得る。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0090】
上述のように、制御装置20は、端末装置30と通信する通信部23をさらに備える。制御部21は、画像を端末装置30から通信部23を介して取得する。
【0091】
制御部21は、通信部23を介して、遠く離れた位置にある端末装置30からも画像を取得できる。制御部21は、取得した画像の明るさに応じて照明装置40を制御することができる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0092】
上述のように、制御部21は、通信部23を介して端末装置30の位置を示す位置情報を取得し、位置情報に基づいて、複数の照明装置40のうち、端末装置30の周囲に設けられた少なくとも1つの照明装置40を選択する。
【0093】
制御部21は、複数の照明装置40の中から、端末装置30の位置により近い位置にある照明装置40を選択できる。これにより、端末装置30は、より明るい環境下で再度撮影を行うことができる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0094】
上述のように、制御装置20において、位置情報は、端末装置30が向いている方向の情報を含む。
【0095】
制御部21は、端末装置30が向いている方向に基づいて、端末装置30の周囲の照明装置40を選択することができる。制御部21は、端末装置30が向いている方向を考慮して、より適切な照明装置40を選択することができる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0096】
上述のように、制御部21は、端末装置30の位置から基準距離以内に設けられた照明装置40を選択し、選択した照明装置40を制御する。
【0097】
制御部21は、予め設定した基準距離に基づいて照明装置40を選択する。基準距離は、照明装置40が少ない地域では長く、照明装置40が多い地域では短くする等、柔軟に設定できる。基準距離を設定することで、照明装置40を効率よく選択できる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0098】
上述のように、制御部21は、画像の明るさが基準値未満であるかどうかについての判断を行う。制御部21は、当該判断において、画像の明るさが基準値以上であると判断するまで、対象物の画像の取得及び画像に応じた照明装置40の制御を繰り返し実行する。
【0099】
制御部21は、端末装置30が取得した画像が適切な明るさとなるまで、照明装置40の光量を変化させ続けることができる。これにより、端末装置30が様々な明るさの下で再度撮影を行うことができる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0100】
上述のように、照明装置40は、少なくとも1つの光源部43と、制御装置20と通信する通信部42と、通信部42を介して制御装置20から指示を取得し、取得した指示に応じて光源部43の光量を変化させる制御部41と、を備える。
【0101】
照明装置40は、通常、街灯として機能しているものも含む。照明装置40は、通信部42を介して受信した制御装置20からの指示に従って、光源部43の光量を変化させる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0102】
上述のように、制御部41は、光源部43の点灯の状態を検出し、検出した結果を示す点灯情報を通信部42を介して制御装置20に送信する。
【0103】
制御装置20が照明装置40の点灯情報を受信することで取得する。制御装置20は、取得した点灯情報に基づいて照明装置40の動作を柔軟に決定できるようになる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0104】
(第2実施形態)
以下、
図3及び
図5を参照して、第1実施形態と本実施形態との差異を説明する。
図5は、本実施形態に係る端末装置30から取得された画像の一例を示す。
【0105】
本実施形態に係るシステム10、制御装置20、端末装置30、及び照明装置40の構成については第1実施形態のものと同じであるため、説明を省略する。
【0106】
本実施形態において、制御装置20の制御部21は、端末装置30から取得した画像を複数の領域に分割する。制御部21は、分割した領域の明るさに基づいて照明装置40を制御できる。
【0107】
制御部21は例えば、取得した画像を中央で分割し左右の領域に分ける。
図5は、分割された画像の例を示す。
図5において破線は画像を分割する線を示す。記号Sは被写体としての車両のキズを示す。制御部21は、分割された画像の左側の領域と右側の領域とのそれぞれについて、明るさが基準値未満であるかどうかを判断する。例えば、制御部21は、左側の領域の明るさは基準値以上であるが、右側の領域の明るさは基準値未満であると判断できる。分割する線の位置、分割される領域の数及び形状等は自由に設定されてよい。
【0108】
本実施形態において、制御部21は、第一実施形態と同様に照明装置40を選択した後、分割された画像の明るさに応じて照明装置40を選択する。具体的には、制御部21は、選択した照明装置40のうち、明るさが基準値未満と判断した領域の側に設けられている照明装置40を、さらに絞り込んで選択する。例えば、第1実施形態と同様に、制御部21は照明装置40A及び照明装置40Bを選択しているとする。制御部21は、
図5に示す画像の右側の領域の明るさが基準値未満であると判断したとする。この場合、制御部21は、
図3で示す照明装置40A及び照明装置40Bのうち、分割した画像の右側の領域の側、すなわち端末装置30の右側に設けられている照明装置40Bを選択する。
【0109】
次に、本実施形態に係るシステム10の動作の、第1実施形態との差異を説明する。
【0110】
ステップS101~ステップS102までは、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0111】
ステップS103において、制御装置20は、画像を端末装置30から取得し、複数の領域に分割する。本例では、制御装置20の制御部21は、通信部23を介して、画像を端末装置30から受信する。このようにして制御装置20は画像を取得する。そして制御部21は、取得した画像を中央で分割し左右の領域に分ける。分割する線の位置、分割される領域の数及び形状等は自由に設定されてよい。
【0112】
ステップS104において、制御部21は、ステップS103で分割した画像の各領域の明るさが基準値未満であるかどうかを判断する。制御部21が、分割した画像の各領域の明るさが基準値以上であると判断した場合、システム10の動作は終了する。制御部21が、いずれかの領域の明るさが基準値未満であると判断した場合、システム10の動作はステップS105に進む。本例では、制御部21は、各領域の各画素の輝度値の平均値が、基準値の130未満であるかどうかを判断する。本例では、右側の領域の各画素の輝度値の平均値は100である。よって制御部21が、右側の領域の明るさが基準値未満であると判断し、システム10の動作はステップS105に進む。
【0113】
ステップS105~ステップS110までは、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0114】
ステップS111において、制御部21は、第一実施形態と同様に、端末装置30の向いている方向に基づいて照明装置40を選択する。本例では、制御部21は、第一実施形態と同様に照明装置40A及び照明装置40Bを選択する。本実施形態では、制御部21は、分割された画像の明るさに応じて、照明装置40をさらに絞り込んで選択する。分割された画像の明るさに応じて選択される照明装置40の条件は、自由に定められてよい。本例では、制御部21は、選択した照明装置40のうち、明るさが基準値未満と判断した領域の側に設けられている照明装置40をさらに絞り込んで選択する。
図5に示す画像において、制御部21は右側の領域の明るさが基準値未満であると判断している。よって制御部21は、
図3で示す照明装置40A及び照明装置40Bのうち、右側の領域の側、すなわち端末装置30の右側に設けられている照明装置40Bを選択する。
【0115】
ステップS112からステップS122までは、選択された照明装置40が照明装置40Bのみである点以外、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0116】
上述のように、制御部21は、画像を複数の領域に分割し、分割した領域の明るさに基づいて照明装置40を制御する。
【0117】
制御部21は、端末装置30の周囲の複数の照明装置40のうち、明るさが基準値未満であると判断した領域の側にある照明装置40を選択して制御できる。すなわち、制御部21は、特に明るさが必要な方向にある照明装置40を選択することができる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0118】
(変形例1)
本実施形態の一変形例として、照明装置40の制御部41は、光源部43の点灯可否を検出できる。制御部41は、安全のために光源部43の光量を変化させられない場合、又は発光素子が劣化している場合等に、光源部43が点灯不可であることを検出できる。制御部41は、検出した結果を示す情報を点灯可否情報として、通信部42を介して、制御装置20に送信する。点灯可否情報の送信は制御装置20の要求に応じて行ってもよいし、常時行われてもよい。制御装置20の制御部21は、点灯可否情報を、通信部23を介して受信する。このようにして制御装置20は点灯可否情報を取得する。
【0119】
本変形例によれば、制御装置20が取得した点灯可否情報に基づき、確実に制御できる照明装置40のみを選択できるようになる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。また、制御装置20は、当該点灯可否情報に基づき、照明装置40の整備を行う者が使用する端末装置等に、発光素子が劣化していることの通知を送信してもよい。これにより、整備が必要な照明装置40が発見されやすくなり、結果的に、照明装置40を継続的に制御することが可能となる。
【0120】
(変形例2)
本実施形態の一変形例として、制御装置20の制御部21は、画像の取得を行わずに、端末装置30の位置情報に基づいて照明装置40を選択する。制御部21は、選択した照明装置40に指示する動作を決定する。例えば、制御部21は、全ての発光素子を点灯させた状態で光源部43を点灯させる動作を決定する。制御部21は、決定した動作の指示を選択した照明装置40に送信する。照明装置40は、制御部21からの動作の指示に従い、全ての発光素子を点灯させた状態で光源部43を点灯させる。
【0121】
本変形例によれば、制御部21は、画像の明るさを判断することなく、端末装置30の周囲に設けられた照明装置40を制御する。これにより、制御部21に判断の負荷がかかることなく、素早く端末装置30の周囲の照明装置40を制御することができる。照明装置40が、全ての発光素子を点灯させた状態で光源部43を点灯させるため、最大限の明るさの下で端末装置30が対象物を再度撮影することができる。
【0122】
(変形例3)
本実施形態の一変形例として、制御装置20の制御部21は、取得した画像に、照明装置40からの光が反射して映り込んでしまっていることを判断する。制御部21は、照明装置40からの光が反射して映り込むことで、対象物の一部又は全部が明確に撮影できていないことを判断する。制御部21は、対象物が明確に撮影できていないと判断した場合、光の映り込みを発生させている照明装置40を特定する。制御部21は、特定した照明装置40の光量を減少させる動作の決定を行う。制御部21は、照明装置40の特定を、取得した画像を解析し、端末装置30の位置情報から推定することにより行ってもよい。制御部21は、決定した動作の指示を、通信部23を介して、特定した照明装置40に送信する。照明装置40は、受信した動作の指示に従って光量を減少させる。
【0123】
本変形例によれば、制御部21が照明装置40の光量をあえて減少するよう制御することができる。これにより、端末装置30が対象物を再度撮影したとき、適切な明るさの画像を取得できる。よって、専用の照明装置を用いずとも、暗い場所でも対象物を撮影しやすくすることができる。
【0124】
本開示は上述の実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0125】
10 システム
11 ユーザ
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 出力部
30 端末装置
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 出力部
36 測位部
37 撮影部
40,40A,40B,40C,40D,40E,40F 照明装置
41 制御部
42 通信部
43 光源部
50 ネットワーク