(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】金属部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/354 20140101AFI20240528BHJP
C23C 26/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
B23K26/354
C23C26/00 E
(21)【出願番号】P 2020205718
(22)【出願日】2020-12-11
【審査請求日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】P 2020131502
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】内村 将大
(72)【発明者】
【氏名】中田 博道
(72)【発明者】
【氏名】古川 雅志
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-080360(JP,A)
【文献】特開2019-106480(JP,A)
【文献】国際公開第2018/074035(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0356578(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/354
C23C 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面がC
uを主成分とする材料によって構成された基材と、前記基材の表面に形成された凹凸形状を有する凹凸部と、を備えた金属部材の製造方法であって、
前記凹凸部を形成するステップでは、
前記基材の表面のうち第1領域にパルス発振のレーザビームを照射して、当該第1領域における前記基材の表面を溶融させるステップと、
前記第1領域における前記基材の表面が溶融することによって所定の雰囲気中に放出された金属の蒸気又はプラズマから、金属の粒子を生成し、前記第1領域に堆積させるステップと、
前記基材の表面のうち前記第1領域に隣接する第2領域に前記レーザビームを照射して、当該第2領域における前記基材の表面を溶融させるステップと、
前記第2領域における前記基材の表面が溶融することによって前記所定の雰囲気中に放出された金属の蒸気又はプラズマから、金属の粒子を生成し、前記第2領域及びそれに隣接する前記第1領域のそれぞれに堆積させるステップと、
を備え
、
前記レーザビームの照射条件は、ピーク出力が6kW以上、パルス幅が1~1000ns、第1領域及び第2領域のそれぞれの直径であるレーザスポット径が200μm以下、第1領域及び第2領域の間隔であるスポット間隔が前記レーザスポット径以下である、
金属部材の製造方法。
【請求項2】
前記基材は、表面にC
uを主成分とする材料によって構成された金属薄膜を有し、
前記凹凸部は、前記金属薄膜の表面に形成される、
請求項1に記載の金属部材の製造方法。
【請求項3】
表面
がTiを主成分とする材料によって構成された基材と、前記基材の表面に形成された凹凸形状を有する凹凸部と、を備えた金属部材の製造方法であって、
前記凹凸部を形成するステップでは、
前記基材の表面のうち第1領域にパルス発振のレーザビームを照射して、当該第1領域における前記基材の表面を溶融させるステップと、
前記第1領域における前記基材の表面が溶融することによって所定の雰囲気中に放出された金属の蒸気又はプラズマから、金属の粒子を生成し、前記第1領域に堆積させるステップと、
前記基材の表面のうち前記第1領域に隣接する第2領域に前記レーザビームを照射して、当該第2領域における前記基材の表面を溶融させるステップと、
前記第2領域における前記基材の表面が溶融することによって前記所定の雰囲気中に放出された金属の蒸気又はプラズマから、金属の粒子を生成し、前記第2領域及びそれに隣接する前記第1領域のそれぞれに堆積させるステップと、
を備え
、
前記レーザビームの照射条件は、ピーク出力が1kW以上、パルス幅が1~1000ns、第1領域及び第2領域のそれぞれの直径であるレーザスポット径が250μm以下、第1領域及び第2領域の間隔であるスポット間隔が前記レーザスポット径以下である、
金属部材の製造方法。
【請求項4】
前記基材は、表面
にTiを主成分とする材料によって構成された金属薄膜を有し、
前記凹凸部は、前記金属薄膜の表面に形成される、
請求項
3に記載の金属部材の製造方法。
【請求項5】
表面
がFeを主成分とする材料によって構成された基材と、前記基材の表面に形成された凹凸形状を有する凹凸部と、を備えた金属部材の製造方法であって、
前記凹凸部を形成するステップでは、
前記基材の表面のうち第1領域にパルス発振のレーザビームを照射して、当該第1領域における前記基材の表面を溶融させるステップと、
前記第1領域における前記基材の表面が溶融することによって所定の雰囲気中に放出された金属の蒸気又はプラズマから、金属の粒子を生成し、前記第1領域に堆積させるステップと、
前記基材の表面のうち前記第1領域に隣接する第2領域に前記レーザビームを照射して、当該第2領域における前記基材の表面を溶融させるステップと、
前記第2領域における前記基材の表面が溶融することによって前記所定の雰囲気中に放出された金属の蒸気又はプラズマから、金属の粒子を生成し、前記第2領域及びそれに隣接する前記第1領域のそれぞれに堆積させるステップと、
を備え
、
前記レーザビームの照射条件は、ピーク出力が1kW以上、パルス幅が1~1000ns、第1領域及び第2領域のそれぞれの直径であるレーザスポット径が250μm以下、第1領域及び第2領域の間隔であるスポット間隔が前記レーザスポット径以下である、
金属部材の製造方法。
【請求項6】
前記基材は、表面
にFeを主成分とする材料によって構成された金属薄膜を有し、
前記凹凸部は、前記金属薄膜の表面に形成される、
請求項
5に記載の金属部材の製造方法。
【請求項7】
前記凹凸部を形成するステップの後に、前記凹凸部の凹凸形状を部分的に緻密化するステップをさらに備え、
前記凹凸部の凹凸形状を部分的に緻密化するステップでは、
前記基材の表面に形成された前記凹凸部の所定領域に、前記凹凸部を形成するステップにおいて用いられたレーザビームよりも微弱なレーザビームを照射して、前記所定領域において前記凹凸部の凹凸形状を形成する堆積物を溶融させるステップを有する、
請求項1~
6の何れか一項に記載の金属部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部材及び金属部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、金属部材と他部材との間の密着性を向上させるため、当該金属部材の表面に微細な凹凸を設けて粗面化することが検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、Ni、Au、Pd、Agのうち少なくとも一つを主成分とする材料で構成された金属薄膜の表面に低エネルギー密度のエネルギービームを照射して、当該金属薄膜の表面を溶融、凝固させることで、当該金属薄膜の表面を粗面化することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の手法では、文献中にも記載されているように、アルミニウム(Al)や銅(Cu)などの融点の低い材料を主成分とする金属薄膜の表面を粗面化することができない、という課題があった。
【0006】
本発明は、上記を鑑みなされたものであって、少なくとも表面に融点の低い材料が用いられた基材の表面に微細な凹凸形状を設けることで、他部材との密着性を向上させることが可能な金属部材及び金属部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様に係る金属部材の製造方法は、少なくとも表面がCu、Al、Sn、Ti及びFeのうち少なくとも何れかを主成分とする材料によって構成された基材と、前記基材の表面に形成された凹凸形状を有する凹凸部と、を備えた金属部材の製造方法であって、前記凹凸部を形成するステップでは、前記基材の表面のうち第1領域にパルス発振のレーザビームを照射して、当該第1領域における前記基材の表面を溶融させるステップと、前記第1領域における前記基材の表面が溶融することによって所定の雰囲気中に放出された金属の蒸気又はプラズマから、金属の粒子を生成し、前記第1領域に堆積させるステップと、前記基材の表面のうち前記第1領域に隣接する第2領域に前記レーザビームを照射して、当該第2領域における前記基材の表面を溶融させるステップと、前記第2領域における前記基材の表面が溶融することによって前記所定の雰囲気中に放出された金属の蒸気又はプラズマから、金属の粒子を生成し、前記第2領域及びそれに隣接する前記第1領域のそれぞれに堆積させるステップと、を備える。この金属部材の製造方法は、少なくとも表面にCuやAlなどの融点の低い材料が用いられた基材の表面にも、微細な凹凸形状を設けることができるため、当該金属部材と他部材との間の密着性を向上させることができる。
【0008】
前記基材は、表面にCu、Al、Sn、Ti及びFeのうち少なくとも何れかを主成分とする材料によって構成された金属薄膜を有し、前記凹凸部は、前記金属薄膜の表面に形成されても良い。この金属部材の製造方法は、CuやAlなどの融点の低い材料を主成分とする金属薄膜の表面にも、微細な凹凸形状を設けることができるため、金属部材と他部材との間の密着性を向上させることができる。
【0009】
前記基材は、Alを主成分とする材料によって構成され、前記レーザビームの照射条件は、ピーク出力が3kW以上、パルス幅が1~1000ns、第1領域及び第2領域のそれぞれの直径であるレーザスポット径が200μm以下、第1領域及び第2領域の間隔であるスポット間隔が前記レーザスポット径以下であることが好ましい。
【0010】
前記基材は、Cuを主成分とする材料によって構成され、前記レーザビームの照射条件は、ピーク出力が6kW以上、パルス幅が1~1000ns、第1領域及び第2領域のそれぞれの直径であるレーザスポット径が200μm以下、第1領域及び第2領域の間隔であるスポット間隔が前記レーザスポット径以下であることが好ましい。
【0011】
前記基材は、Snを主成分とする材料によって構成され、前記レーザビームの照射条件は、ピーク出力が1kW以上、パルス幅が1~1000ns、第1領域及び第2領域のそれぞれの直径であるレーザスポット径が250μm以下、第1領域及び第2領域の間隔であるスポット間隔が前記レーザスポット径以下であることが好ましい。
【0012】
前記基材は、Tiを主成分とする材料によって構成され、前記レーザビームの照射条件は、ピーク出力が1kW以上、パルス幅が1~1000ns、第1領域及び第2領域のそれぞれの直径であるレーザスポット径が250μm以下、第1領域及び第2領域の間隔であるスポット間隔が前記レーザスポット径以下であることが好ましい。
【0013】
前記基材は、Feを主成分とする材料によって構成され、前記レーザビームの照射条件は、ピーク出力が1kW以上、パルス幅が1~1000ns、第1領域及び第2領域のそれぞれの直径であるレーザスポット径が250μm以下、第1領域及び第2領域の間隔であるスポット間隔が前記レーザスポット径以下であることが好ましい。
【0014】
前記凹凸部を形成するステップの後に、前記凹凸部の凹凸形状を部分的に緻密化するステップをさらに備え、前記凹凸部の凹凸形状を部分的に緻密化するステップでは、前記基材の表面に形成された前記凹凸部の所定領域に、前記凹凸部を形成するステップにおいて用いられたレーザビームよりも微弱なレーザビームを照射して、前記所定領域において前記凹凸部の凹凸形状を形成する堆積物を溶融させるステップを有する。この金属部材の製造方法では、当該金属部材の表面に形成された凹凸部の凹凸形状を部分的に他の部分よりも緻密化させることができ、緻密化された部分において、絶縁抵抗の性能、耐食性能、及び、耐摩耗性を向上させることができる。
【0015】
本発明の一実施態様に係る金属部材は、少なくとも表面がCu、Al、Sn、Ti及びFeのうち少なくとも何れかを主成分とする材料によって構成された基材と、前記基材の表面に形成された凹凸形状を有する凹凸部と、を備え、前記凹凸部は、前記基材の表面に用いられている材料を主成分とする、堆積された金属の粒子によって構成されている。この金属部材は、少なくとも表面にCuやAlなどの融点の低い材料が用いられた基材の表面に微細な凹凸形状が形成されているため、当該金属部材と他部材との間の密着性を向上させることができる。
【0016】
前記基材は、表面にCu、Al、Sn、Ti及びFeのうち少なくとも何れかを主成分とする材料によって構成された金属薄膜を有し、前記凹凸部は、前記金属薄膜の表面に形成されていることが好ましい。この金属部材は、CuやAlなどの融点の低い材料を主成分とする金属薄膜の表面に微細な凹凸形状が形成されているため、当該金属部材と他部材との間の密着性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、少なくとも表面に融点の低い材料が用いられた基材の表面に微細な凹凸形状を設けることで、他部材との密着性を向上させることが可能な金属部材及び金属部材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施の形態1に係る金属部材の概略断面図である。
【
図2】
図1に示す金属部材の製造方法を示すフローチャートである。
【
図3】
図1に示す金属部材の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図4】
図1に示す金属部材の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図5】
図1に示す金属部材の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図6】
図1に示す金属部材の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図7】
図1に示す金属部材の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図8】
図1に示す金属部材の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図9】
図1に示す金属部材の製造時におけるレーザ照射方法を説明するための概略平面図である。
【
図10】実施の形態1に係る金属部材に設けられた、Cuを主成分とする金属薄膜の表面を拡大したSEM画像である。
【
図11】
図10に示す金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
【
図12】
図10に示す金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【
図13】実施の形態1に係る金属部材に設けられた、Alを主成分とする金属薄膜の表面を拡大したSEM画像である。
【
図14】
図13に示す金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
【
図15】
図13に示す金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【
図16】比較例に係る金属部材に設けられた、Cuを主成分とする金属薄膜の表面を拡大したSEM画像である。
【
図17】
図16に示す金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
【
図18】
図16に示す金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【
図19】実施の形態1に係る金属部材に設けられた、Snを主成分とする金属薄膜の表面を拡大したSEM画像である。
【
図20】
図19に示す金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
【
図21】
図19に示す金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【
図22】実施の形態1に係る金属部材に設けられた、Tiを主成分とする金属薄膜の表面を拡大したSEM画像である。
【
図23】
図22に示す金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
【
図24】
図22に示す金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【
図25】実施の形態1に係る金属部材に設けられた、Feを主成分とする金属薄膜の表面を拡大したSEM画像である。
【
図26】
図25に示す金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
【
図27】
図25に示す金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【
図28】実施の形態2に係る金属部材の製造方法を示すフローチャートである。
【
図29】
図28に示す金属部材の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図30】
図28に示す金属部材の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図31】
図28に示す金属部材の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図32】
図28に示す金属部材の製造方法を説明するための概略断面図である。
【
図33】実施の形態2に係る金属部材に設けられた、Cuを主成分とする金属薄膜の表面のうち、微弱レーザによって凹凸形状が緻密化された部分を拡大したSEM画像である。
【
図34】
図33に示す金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
【
図35】
図33に示す金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0020】
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る金属部材1の概略断面図である。金属部材1は、例えば、半導体チップが搭載されるリードフレームとして用いられ、金属部材1と封止樹脂(他部材)とによって半導体チップを封止する。そのため、金属部材1には、封止樹脂との間の密着性を向上させることが求められている。
【0021】
図1に示すように、金属部材1は、基材11と、金属薄膜12と、凹凸部13と、を備える。基材11は、平板状の部材であって、CuやAl等の導電性の金属材料によって構成されている。金属薄膜12は、基材11の表面11aに形成されている。より詳細には、金属薄膜12は、基材11の一方の主面(表面)に形成されている。ここで、金属薄膜12は、Ni、Au、Pd、Ag等よりも融点の低いCu、Al、Sn、Ti及びFeの何れかを主成分とする金属材料によって構成されている。なお、金属薄膜12は、基材11の一部ということもできる。
【0022】
さらに、金属薄膜12の表面12aには、微細な凹凸形状を有する凹凸部13が形成されている。凹凸部13は、金属薄膜12の表面12aの一部が、パルスレーザ(パルス発振のレーザビーム)によって照射され、溶融し、蒸発し、その後、粒子になって、当該金属薄膜12の表面12aに堆積することによって形成される(詳しくは後述)。したがって、凹凸部13は、金属薄膜12と同じ金属(Cu、Al、Sn、Ti及びFeの何れか)を主成分とする金属材料によって構成されている。
【0023】
このように、金属部材1は、金属薄膜12の表面12aに、微細な凹凸形状を有する凹凸部13を備える。それにより、金属薄膜12と他部材(封止樹脂など)との間の密着性を向上させることができる。
【0024】
また、例えば、金属薄膜12と他部材とを接着剤を用いて接着する場合には、微細な凹凸形状によってアンカー効果を高めることができる。或いは、他の用途として、金属薄膜12と他部材とを潤滑剤を用いて摺動させる場合には、潤滑剤が拡散してしまうのを防ぐことができる。
【0025】
(金属部材1の製造方法)
続いて、金属部材1の製造方法について説明する。
図2は、金属部材1の製造方法を示すフローチャートである。また、
図3~
図8は、金属部材1の製造方法を説明するための概略断面図である。なお、
図3~
図8は、それぞれ、
図2のステップS101~S106の処理に対応している。
【0026】
まず、凹凸部13が形成される前の金属部材1(以下、金属部材1_preと称す)を準備する。なお、金属部材1_preに設けられた金属薄膜12は、既に説明したように、Ni、Au、Pd、Ag等よりも融点の低いCu、Al、Sn、Ti及びFeの何れかを主成分とする金属材料によって構成されている。ここでは、金属薄膜12が、Cuを主成分とする金属材料によって構成されている場合を例に説明する。
【0027】
その後、金属部材1_preに設けられた金属薄膜12の表面12aの所定領域A1にパルスレーザを照射する(
図2のステップS101及び
図3参照)。なお、所定領域A1とは、例えばパルスレーザが一度に照射可能な領域である。
【0028】
それにより、所定領域A1における金属薄膜12の一部は溶融する(
図2のステップS102及び
図4参照)。以下、金属薄膜12が溶融したものを溶融金属12bと称す。
【0029】
その後、溶融金属12bは、蒸発して、ガス雰囲気中に放出される(
図2のステップS103及び
図5参照)。以下、溶融金属12bが蒸発したものを金属蒸気12cと称す。
【0030】
金属蒸気12cは、ガス雰囲気中に留まり、時間が経過すると、凝縮してそのまま粒子になったり、ガスと反応して粒子になったりする(
図2のステップS104及び
図6参照)。以下、金属蒸気12cが粒子になったものを金属粒子12dと称す。
【0031】
その後、金属粒子12dは、金属薄膜12の表面12a(所定領域A1含む)に堆積する(
図2のステップS105及び
図7参照)。
【0032】
所定領域A1に堆積した金属粒子12dが凝固すると、次に、金属薄膜12の表面12aのうち所定領域A1に隣接する所定領域A2に対しても、所定領域A1に対して行った処理(ステップS101~S105の処理)と同様の処理を行う。それにより、所定領域A1の堆積物には、所定領域A2の金属が、溶融し、蒸発し、その後、粒子になって堆積する。換言すると、所定領域A1の堆積物は、所定領域A2からの粒子の堆積によって成長する(
図2のステップS106及び
図8参照)。
【0033】
なお、所定領域A1の堆積物のうち、隣接領域から飛んでくる金属粒子の飛散方向に対して影になる部分には、当該金属粒子は堆積しない(射影効果)。そのため、所定領域A1の堆積物は、微細になりすぎず、例えばnmオーダーの凹凸形状を有するように成長する。
【0034】
所定領域A2に堆積した金属粒子12dが凝固すると、次に、金属薄膜12の表面12aのうち所定領域A2に隣接する所定領域A3に対しても、所定領域A1や所定領域A2に対して行った処理と同様の処理を行う。それにより、所定領域A2の堆積物には、所定領域A3の金属が、溶融し、蒸発し、その後、粒子になって堆積する。換言すると、所定領域A3の堆積物は、所定領域A2からの粒子の堆積によって成長する。このような処理は、金属薄膜12の表面12aの全部又は一部の領域において繰り返される(
図9参照)。
【0035】
上述のような工程を経て、凹凸部13を有する金属部材1が製造される。
【0036】
なお、本実施の形態では、ステップS103の処理において、溶融金属12bが蒸発して金属蒸気12cになる場合を例に説明したが、これに限られない。ステップS103の処理では、溶融金属12bが、プラズマ化して金属プラズマになってもよい。この場合、金属プラズマは、プラズマ雰囲気中に放出される。
【0037】
このように、金属部材1の製造方法では、金属薄膜12の表面12aのうち所定領域A1の金属が、パルスレーザの照射によって溶融し、蒸発し、その後、粒子になって、所定領域A1に堆積し、次に、金属薄膜12の表面12aのうち所定領域A1に隣接する所定領域A2の金属が、パルスレーザの照射によって溶融し、蒸発し、その後、粒子になって、所定領域A1,A2のそれぞれに堆積する。このとき、所定領域A1の堆積物は、所定領域A2からの粒子の堆積によって成長する。同様にして、所定領域A2の堆積物は、所定領域A2に隣接する所定領域A3からの粒子の堆積によって成長する。それにより、金属部材1の製造方法では、AlやCuなどの融点の低い材料を主成分とする金属薄膜12の表面にも、微細な凹凸形状を有する凹凸部13を形成することができるため、金属薄膜12(換言すると金属部材1)と他部材との間の密着性を向上させることができる。
【0038】
また、例えば、金属薄膜12と他部材とを接着剤を用いて接着する場合には、微細な凹凸形状によってアンカー効果を高めることができる。或いは、他の用途として、金属薄膜12と他部材とを潤滑剤を用いて摺動させる場合には、潤滑剤が拡散してしまうのを防ぐことができる。
【0039】
(金属部材1の製造結果の一例(Cu主成分))
続いて、
図10~
図12を用いて、実際に製造された金属部材1の観察結果について説明する。
図10は、金属部材1に設けられた金属薄膜の表面を拡大したSEM(Scanning Electron Microscope)画像である。
図11は、金属部材1に設けられた金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
図12は、金属部材1に設けられた金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【0040】
ここで、
図10~
図12の例では、金属部材1に設けられた金属薄膜12が、Cuを主成分とする金属材料(C1100材)によって構成されている。
【0041】
また、本例では、パルスレーザの照射条件が、レーザ波長が1064nm、ピーク出力が20kW、パルス幅が50ns、レーザスポット径(所定領域A1,A2等のそれぞれの直径)が75μm、スポット間隔(隣接する所定領域A1,A2等の間隔)が59μmとなっている。
【0042】
まず、
図10を参照すると、図中の点線に示すように、金属薄膜12の表面12aには、パルスレーザの照射によって加工溝が形成されているのが分かる。
【0043】
また、
図11を参照すると、金属薄膜12の表面12aには、nmオーダーの凹凸形状を有する凹凸部13が形成されているのが分かる。さらに、
図12を参照すると、凹凸部13を構成する堆積物が成長して長く延びていることが分かる。
【0044】
なお、パルスレーザの照射条件は、上述の場合に限られず、少なくとも、ピーク出力が6kW以上、パルス幅が1~1000ns、レーザスポット径が200μm以下、スポット間隔がレーザスポット径以下であればよい。
【0045】
(金属部材1の製造結果の他の例(Al主成分))
次に、
図13~
図15を用いて、実際に製造された金属部材1の観察結果の他の例について説明する。
図13は、金属部材1に設けられた金属薄膜の表面を拡大したSEM画像である。
図14は、金属部材1に設けられた金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
図15は、金属部材1に設けられた金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【0046】
ここで、
図13~
図15の例では、金属部材1に設けられた金属薄膜12が、Alを主成分とする金属材料(A1050材)によって構成されている。
【0047】
また、本例では、パルスレーザの照射条件が、レーザ波長が1064nm、ピーク出力が5.3kW、パルス幅が150ns、レーザスポット径が80μm、スポット間隔が75μmとなっている。
【0048】
図13及び
図14を参照すると、金属薄膜12の表面12aがまだら模様になっており、金属薄膜12の表面12aに、凹凸形状を有する凹凸部13が形成されていると推測することができる。また、
図15を参照すると、nmオーダーの凹凸形状を有する凹凸部13が形成され、かつ、その凹凸形状を構成する堆積物が成長して長く延びていることが分かる。
【0049】
なお、パルスレーザの照射条件は、上述の場合に限られず、少なくとも、ピーク出力が3kW以上、パルス幅が1~1000ns、レーザスポット径が200μm以下、スポット間隔がレーザスポット径以下であればよい。
【0050】
なお、Cuを主成分とする金属薄膜の表面に照射されるパルスレーザの照射条件を、Alを主成分とする金属薄膜の表面に照射されるパルスレーザの照射条件と同じにしても、所望の凹凸形状が形成されるとは限らない(
図16~
図18のSEM画像参照)。つまり、最適なパルスレーザの照射条件は、金属薄膜12の主成分によって異なる。
【0051】
(金属部材1の製造結果の他の例(Sn主成分))
次に、
図19~
図21を用いて、実際に製造された金属部材1の観察結果の他の例について説明する。
図19は、金属部材1に設けられた金属薄膜の表面を拡大したSEM画像である。
図20は、金属部材1に設けられた金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
図21は、金属部材1に設けられた金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【0052】
ここで、
図19~
図21の例では、金属部材1に設けられた金属薄膜12が、Snを主成分とする金属材料(Snめっき)によって構成されている。
【0053】
また、本例では、パルスレーザの照射条件が、レーザ波長が1064nm、ピーク出力が5.3kW、パルス幅が150ns、レーザスポット径が80μm、スポット間隔が75μmとなっている。
【0054】
図19及び
図20を参照すると、金属薄膜12の表面12aがまだら模様になっており、金属薄膜12の表面12aに、凹凸形状を有する凹凸部13が形成されていると推測することができる。また、
図21を参照すると、nmオーダーの凹凸形状を有する凹凸部13が形成され、かつ、その凹凸形状を構成する堆積物が成長して長く延びていることが分かる。
【0055】
なお、パルスレーザの照射条件は、上述の場合に限られず、少なくとも、ピーク出力が1kW以上、パルス幅が1~1000ns、レーザスポット径が250μm以下、スポット間隔がレーザスポット径以下であればよい。
【0056】
(金属部材1の製造結果の他の例(Ti主成分))
次に、
図22~
図24を用いて、実際に製造された金属部材1の観察結果の他の例について説明する。
図22は、金属部材1に設けられた金属薄膜の表面を拡大したSEM画像である。
図23は、金属部材1に設けられた金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
図24は、金属部材1に設けられた金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【0057】
ここで、
図22~
図24の例では、金属部材1に設けられた金属薄膜12が、Tiを主成分とする金属材料によって構成されている。
【0058】
また、本例では、パルスレーザの照射条件が、レーザ波長が1064nm、ピーク出力が20kW、パルス幅が50ns、レーザスポット径が75μm、スポット間隔が59μmとなっている。
【0059】
図22及び
図23を参照すると、金属薄膜12の表面12aがまだら模様になっており、金属薄膜12の表面12aに、凹凸形状を有する凹凸部13が形成されていると推測することができる。また、
図24を参照すると、nmオーダーの凹凸形状を有する凹凸部13が形成され、かつ、その凹凸形状を構成する堆積物が成長して長く延びていることが分かる。
【0060】
なお、パルスレーザの照射条件は、上述の場合に限られず、少なくとも、ピーク出力が1kW以上、パルス幅が1~1000ns、レーザスポット径が250μm以下、スポット間隔がレーザスポット径以下であればよい。
【0061】
(金属部材1の製造結果の他の例(Fe主成分))
次に、
図25~
図27を用いて、実際に製造された金属部材1の観察結果の他の例について説明する。
図25は、金属部材1に設けられた金属薄膜の表面を拡大したSEM画像である。
図26は、金属部材1に設けられた金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
図27は、金属部材1に設けられた金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【0062】
ここで、
図25~
図27の例では、金属部材1に設けられた金属薄膜12が、Feを主成分とする金属材料(SUS304)によって構成されている。
【0063】
また、本例では、パルスレーザの照射条件が、レーザ波長が1064nm、ピーク出力が5.3kW、パルス幅が150ns、レーザスポット径が80μm、スポット間隔が75μmとなっている。
【0064】
図25及び
図26を参照すると、金属薄膜12の表面12aがまだら模様になっており、金属薄膜12の表面12aに、凹凸形状を有する凹凸部13が形成されていると推測することができる。また、
図27を参照すると、nmオーダーの凹凸形状を有する凹凸部13が形成され、かつ、その凹凸形状を構成する堆積物が成長して長く延びていることが分かる。
【0065】
なお、パルスレーザの照射条件は、上述の場合に限られず、少なくとも、ピーク出力が1kW以上、パルス幅が1~1000ns、レーザスポット径が250μm以下、スポット間隔がレーザスポット径以下であればよい。
【0066】
このように、金属部材1の製造方法では、金属薄膜12の表面12aのうち所定領域A1の金属が、パルスレーザの照射によって溶融し、蒸発し、その後、粒子になって、所定領域A1に堆積し、次に、金属薄膜12の表面12aのうち所定領域A1に隣接する所定領域A2の金属が、パルスレーザの照射によって溶融し、蒸発し、その後、粒子になって、所定領域A1,A2のそれぞれに堆積する。このとき、所定領域A1の堆積物は、所定領域A2からの粒子の堆積によって成長する。同様にして、所定領域A2の堆積物は、所定領域A2に隣接する所定領域A3からの粒子の堆積によって成長する。それにより、金属部材1の製造方法では、Cu、Al、Sn、Ti、Feなどの融点の低い材料を主成分とする金属薄膜12の表面にも、微細な凹凸形状を有する凹凸部13を形成することができるため、金属薄膜12(換言すると金属部材1)と他部材との間の密着性を向上させることができる。
【0067】
また、例えば、金属薄膜12と他部材とを接着剤を用いて接着する場合には、微細な凹凸形状によってアンカー効果を高めることができる。或いは、他の用途として、金属薄膜12と他部材とを潤滑剤を用いて摺動させる場合には、潤滑剤が拡散してしまうのを防ぐことができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0069】
上記実施の形態では、基材11の表面に金属薄膜12が形成され、金属薄膜12の表面に凹凸形状を有する凹凸部13が形成された場合を例に説明したが、これに限られない。例えば、基材11の全部又は少なくとも表面が、融点の低いCu、Al、Sn、Ti及びFeの何れか主成分とする金属材料によって構成され、その基材11の表面に凹凸形状を有する凹凸部13が形成されても良い。
【0070】
<実施の形態2>
以下、実施の形態2に係る金属部材2について説明する。本実施の形態に係る金属部材2は、金属部材1の表面(より具体的には金属薄膜12の表面12a)に形成された凹凸部13の凹凸形状を部分的に緻密化した部材である。
【0071】
金属部材2は、表面に形成された凹凸部13の凹凸形状により、金属部材1の場合と同様に、金属部材2と他部材との密着性を向上させること等ができる。また、金属部材2は、表面に形成された凹凸部13の凹凸形状を部分的に他の部分よりも緻密化させることにより、緻密化された部分において、絶縁抵抗の性能、耐食性能、及び、耐摩耗性を向上させることができる。
【0072】
(金属部材2の製造方法)
続いて、金属部材2の製造方法について説明する。
図28は、金属部材2の製造方法を示すフローチャートである。また、
図29~
図32は、金属部材2の製造方法を説明するための概略断面図である。なお、
図29~
図32は、それぞれ、
図28のステップS201~S204の処理に対応している。
【0073】
まず、既に説明したステップS101~S106の処理を経て、凹凸部13を有する金属部材1が製造される。
【0074】
その後、金属部材1の表面に形成された凹凸部13の所定領域B1に、凹凸部13を形成する際に用いられた(ステップS101の処理において用いられた)パルスレーザよりも微弱なパルスレーザを照射する(
図28のステップS201及び
図29参照)。なお、所定領域B1とは、例えば微弱なパルスレーザが一度に照射可能な領域である。
【0075】
ここで、微弱なパルスレーザの照射は、例えば低酸素雰囲気中で行われる必要は無く、大気雰囲気中などで行われてもよい。したがって、例えば、金属部材1の表面に凹凸部13を形成した後に、雰囲気調整することなく、当該凹凸形状を部分的に緻密化させることができる。
【0076】
この微弱なパルスレーザの照射により、所定領域B1において凹凸部13の凹凸形状を形成している堆積物(金属粒子12d)は、溶融する(
図28のステップS202及び
図30参照)。
【0077】
所定領域B1における堆積物の溶融が進むにつれて、当該堆積物は緻密化する(
図28のステップS203及び
図31参照)。
【0078】
その後、所定領域B1において緻密化された堆積物は、凝固する(
図28のステップS204及び
図32参照)。
【0079】
上述のような工程を経て、部分的に緻密化された凹凸部13を有する金属部材2が製造される。
【0080】
(金属部材1の製造結果の一例(Cu主成分))
続いて、
図33~
図35を用いて、実際に製造された金属部材2のうち緻密化された部分の観察結果について説明する。
【0081】
図33は、金属部材2に設けられた金属薄膜の表面のうち、微弱レーザによって凹凸形状が緻密化された部分を拡大したSEM画像である。
図34は、
図33に示す金属薄膜の表面をさらに拡大したSEM画像である。
図35は、
図33に示す金属薄膜の断面を拡大したSEM画像である。
【0082】
ここで、
図33~
図35の例では、金属部材2に設けられた金属薄膜12が、Cuを主成分とする金属材料(C1100材)によって構成されている。そのため、緻密化されていない部分では、
図10~
図12に示すSEM画像と同様のものが観察される。
【0083】
また、本例では、微弱なパルスレーザの照射条件が、パルス幅が1~1000ns、パルスエネルギーが0.001~0.1mJ/pulse、エネルギー密度が0.01~10mJ/mm2となっている。
【0084】
図33~
図35を参照すると、金属薄膜12の表面12aに形成されていた凹凸部13の凹凸形状は、
図10~
図12と比較してもわかるように、緻密化されている(換言すると滑らかになっている)。
【0085】
このように、本実施の形態に係る金属部材2の製造方法では、金属部材2の表面に凹凸部13を形成した後に、雰囲気調整することなく、当該凹凸形状を部分的に緻密化させることができる。また、本実施の形態に係る金属部材2の製造方法では、その表面に形成された凹凸部13の凹凸形状により、金属部材1の場合と同様に、金属部材2と他部材との密着性を向上させること等ができる。さらに、本実施の形態に係る金属部材2の製造方法では、その表面に形成された凹凸部13の凹凸形状を部分的に他の部分よりも緻密化させることにより、緻密化された部分において、絶縁抵抗の性能、耐食性能、及び、耐摩耗性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 金属部材
1_pre 金属部材
2 金属部材
11 基材
11a 基材の表面
12 金属薄膜
12a 金属薄膜の表面
12b 溶融金属
12c 金属蒸気
12d 金属粒子
13 凹凸部