(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240528BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20240528BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20240528BHJP
【FI】
G06Q50/06
A63F13/80 Z
A63F13/65
(21)【出願番号】P 2021094612
(22)【出願日】2021-06-04
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】胡桃沢 薫
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 健
(72)【発明者】
【氏名】山田 健一
(72)【発明者】
【氏名】横田 一生
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-018444(JP,A)
【文献】特許第6522205(JP,B1)
【文献】特開2021-061992(JP,A)
【文献】特開2014-204795(JP,A)
【文献】特開2013-106381(JP,A)
【文献】特開2022-080766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置であって、制御部を含み、前記制御部は、
ユーザの電力消費に関する情報に応じて、前記ユーザが実行するゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を決定することと、
前記ユーザに関連付けられた特定の地域での電力需要量の予測値と、前記特定の地域への電力供給量の予測値とに基づいて、前記ゲーム内で実施されるイベントの日時を決定することと、
過去に実施された1以上のイベントと前記1以上のイベントの各々の実施時の電力消費量を示す情報とから、電力低減量が最も大きいイベントを識別し、識別されたイベントを実施することを決定することと、
前記日時に前記
識別されたイベントを実施することと、
を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記イベントは、前記ユーザが現実の電力消費量を低減することによって前記ゲーム内でメリットを享受することができるイベントを含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記メリットは、前記ゲーム内でのパラメータ及び条件の少なくとも一方がゲーム攻略にとって有利になるように変更されることを含む、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記特定の地域での電力需要量の実績値と前記特定の地域への電力供給量の実績値とから、前記電力需要量の予測値と前記電力供給量の予測値とを推定する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記電力需要量の予測値と前記電力供給量の予測値とから、電力不足が予測されるタイミングを判定し、電力不足が予測されるタイミングに応じて前記イベントの日時を決定する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、前記イベントが実施される期間において電力低減量が最も大きいタイミングを、前記電力不足が予測されるタイミングに合わせることによって、前記イベントの日時を決定する、情報処理装置。
【請求項7】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
ユーザの電力消費に関する情報に応じて、前記ユーザが実行するゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を決定することと、
前記ユーザに関連付けられた特定の地域での電力需要量の予測値と、前記特定の地域への電力供給量の予測値とに基づいて、前記ゲーム内で実施されるイベントの日時を決定することと、
過去に実施された1以上のイベントと前記1以上のイベントの各々の実施時の電力消費量を示す情報とから、電力低減量が最も大きいイベントを識別し、識別されたイベントを実施することを決定することと、
前記日時に前記
識別されたイベントを実施することと、
を含む動作を実行させる、プログラム。
【請求項8】
請求項
7に記載のプログラムにおいて、
前記イベントは、前記ユーザが現実の電力消費量を低減することによって前記ゲーム内でメリットを享受することができるイベントを含む、プログラム。
【請求項9】
請求項
8に記載のプログラムにおいて、
前記メリットは、前記ゲーム内でのパラメータ及び条件の少なくとも一方がゲーム攻略にとって有利になるように変更されることを含む、プログラム。
【請求項10】
請求項
7乃至
9のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記特定の地域での電力需要量の実績値と前記特定の地域への電力供給量の実績値とから、前記電力需要量の予測値と前記電力供給量の予測値とを推定することを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項11】
請求項
10に記載のプログラムにおいて、
前記電力需要量の予測値と前記電力供給量の予測値とから、電力不足が予測されるタイミングを判定し、電力不足が予測されるタイミングに応じて前記イベントの日時を決定することを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項12】
請求項
11に記載のプログラムにおいて、
前記イベントが実施される期間において電力低減量が最も大きいタイミングを、前記電力不足が予測されるタイミングに合わせることによって、前記イベントの日時を決定することを前記コンピュータに更に実行させる、プログラム。
【請求項13】
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
ユーザの電力消費に関する情報に応じて、前記ユーザが実行するゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を決定することと、
前記ユーザに関連付けられた特定の地域での電力需要量の予測値と、前記特定の地域への電力供給量の予測値とに基づいて、前記ゲーム内で実施されるイベントの日時を決定することと、
過去に実施された1以上のイベントと前記1以上のイベントの各々の実施時の電力消費量を示す情報とから、電力低減量が最も大きいイベントを識別し、識別されたイベントを実施することを決定することと、
前記日時に前記
識別されたイベントを実施することと、
を含む情報処理方法。
【請求項14】
請求項
13に記載の情報処理方法において、
前記イベントは、前記ユーザが現実の電力消費量を低減することによって前記ゲーム内でメリットを享受することができるイベントを含む、情報処理方法。
【請求項15】
請求項
14に記載の情報処理方法において、
前記メリットは、前記ゲーム内でのパラメータ及び条件の少なくとも一方がゲーム攻略にとって有利になるように変更されることを含む、情報処理方法。
【請求項16】
請求項
13乃至
15のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記特定の地域での電力需要量の実績値と前記特定の地域への電力供給量の実績値とから、前記電力需要量の予測値と前記電力供給量の予測値とを推定することを更に含む情報処理方法。
【請求項17】
請求項
16に記載の情報処理方法において、
前記電力需要量の予測値と前記電力供給量の予測値とから、電力不足が予測されるタイミングを判定し、電力不足が予測されるタイミングに応じて前記イベントの日時を決定することを更に含む情報処理方法。
【請求項18】
請求項
17に記載の情報処理方法において、
前記イベントが実施される期間において電力低減量が最も大きいタイミングを、前記電力不足が予測されるタイミングに合わせることによって、前記イベントの日時を決定することを更に含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各ユーザ宅に設置されたエネルギー利用システムからエネルギー利用に関する利用実績情報を受け取り、利用実績情報に基づいて各ユーザのエネルギー利用評価値を算定し、エネルギー利用評価値に応じて付加価値を算定し、付加価値をゲーム条件として組み込むシステムが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、ゲーム条件の決定において電力需要量は考慮されているものの、電力需要量と電力供給量とのバランスの改善方法は考慮されていない。このため、バランスの改善方法には改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、電力需要量と電力供給量とのバランスを改善することができる情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置であって、制御部を含み、前記制御部は、
ユーザの電力消費に関する情報に応じて、前記ユーザが実行するゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を決定することと、
前記ユーザに関連付けられた特定の地域での電力需要量の予測値と、前記特定の地域への電力供給量の予測値とに基づいて、前記ゲーム内で実施されるイベントの日時を決定することと、
前記日時に前記イベントを実施することと、
を実行する。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータに、
ユーザの電力消費に関する情報に応じて、前記ユーザが実行するゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を決定することと、
前記ユーザに関連付けられた特定の地域での電力需要量の予測値と、前記特定の地域への電力供給量の予測値とに基づいて、前記ゲーム内で実施されるイベントの日時を決定することと、
前記日時に前記イベントを実施することと、
を含む動作を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
ユーザ端末と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
ユーザの電力消費に関する情報に応じて、前記ユーザが実行するゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を決定することと、
前記ユーザに関連付けられた特定の地域での電力需要量の予測値と、前記特定の地域への電力供給量の予測値とに基づいて、前記ゲーム内で実施されるイベントの日時を決定することと、
前記日時に前記イベントを実施することと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による情報処理装置、プログラム及び情報処理方法によれば、電力需要量と電力供給量とのバランスを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】ゲームユーザDB(database)のデータ構造を示す図である。
【
図8】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは、ネットワークNWを介して互いに通信可能な情報処理装置1とユーザ端末2とを含む。ネットワークNWは、例えば移動体通信網とインターネットとを含む。
【0012】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置1とユーザ端末2とは1つずつ図示される。しかし、情報処理装置1とユーザ端末2とのそれぞれの数はこれに限られない。例えば、本実施形態の情報処理装置1が実行する処理は、分散配置された複数の情報処理装置1によって実行されてよい。複数のユーザ端末2がユーザによって操作されてよい。
【0013】
本実施形態の情報処理装置1が実行する処理の概要が説明される。制御部11は、ユーザの電力消費に関する情報に応じて、ユーザが実行するゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を決定することと、ユーザに関連付けられた特定の地域での電力需要量の予測値と、特定の地域への電力供給量の予測値とに基づいて、ゲーム内で実施されるイベントの日時を決定することとを実行する。制御部11は、決定された日時にイベントを実施する。この構成により情報処理装置1は、電力需要量と電力供給量との予測値に基づいてイベントの日時を調整することができるので、もって、ゲーム内イベントを通じて電力需要量と電力供給量とのバランスを改善することができる。
【0014】
情報処理装置1は、データセンタなどの施設に設置される。情報処理装置1は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータである。
【0015】
図2を参照して情報処理装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0016】
情報処理装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とを含む。情報処理装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0017】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部11は通信部12を介して、任意の情報を送信及び受信する。
【0018】
通信部12は、ネットワークNWに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークNWを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0019】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれるが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、情報処理装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。記憶部13は情報処理装置1の外部に設けられて、情報処理装置1からアクセスされてよい。記憶部13は後述されるゲームユーザDBと予測値DBとイベントDBとを含む。
【0020】
ユーザ端末2は、ユーザによって操作される端末である。ユーザ端末2は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器である。代替例としてユーザ端末2は、PCなどの汎用機器、又は専用機器であってよい。「PC」は、personal computerの略語である。
【0021】
図3を参照してユーザ端末2の内部構成が詳細に説明される。
【0022】
ユーザ端末2は、制御部21と通信部22と記憶部23と表示部24と入力部25とを含む。ユーザ端末2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0023】
ユーザ端末2の制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成は、情報処理装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0024】
表示部24は例えば、ディスプレイである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。表示部24は、ユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の出力機器としてユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0025】
入力部25は例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部25は、ユーザ端末2の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部25は、ユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の入力機器としてユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0026】
以下、本実施形態の情報処理システムSで実行される処理が詳細に説明される。ここでは一例として、ユーザU01が電力を消費しながら生活を送る場面が説明される。
【0027】
電力は、化石エネルギー及び再生可能エネルギーの少なくとも一方で発電される。化石エネルギーは例えば次の資源を含む。
・石油
・石炭
・天然ガス
【0028】
再生可能エネルギーは、非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用できると認められるものである。再生可能エネルギーは例えば次のうち少なくとも1つを含む。
・太陽光
・風力
・水力
・地熱
・太陽熱
・大気中の熱その他の自然界に存在する熱
・バイオマス
【0029】
情報処理装置1の制御部11は、ユーザU01の電力消費に関する情報を、電力会社等によって管理される任意の端末装置から通信部12を介して取得する。制御部11は、電力消費に関する情報を記憶部13に記憶する。
【0030】
電力消費に関する情報は、電力消費に関する任意の情報を含んでよい。例えば電力消費に関する情報は、次の情報の少なくとも1つを含んでよい。
・電力消費量[kW]
・電力消費量の減少量又は減少割合(前年比、前月比、前日比等)
【0031】
制御部11は仮想のゲーム空間を設定する。制御部11は、ユーザU01の電力消費に関する情報に応じて、ユーザU01が実行するゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を決定する。決定方法は任意である。例えば、前日比での電力消費量の減少量が基準値以上である場合、ゲーム攻略において有利になるようにパラメータが設定されてよい。
【0032】
ゲーム内のパラメータは例えば次のものを含む。
・攻撃力(ヒットポイント)
・防御力
・能力値
・魔法等の特殊能力を使うために消費するポイント(マジックポイント)
・経験値
・レベル
・保有アイテム
・その他各種ポイント
【0033】
ゲーム内の条件は例えば次のものを含む。
・相手(敵)に勝利又は敗北する条件
・ルール
【0034】
図4に示されるように、制御部11は、ユーザU01のパラメータと条件とを、ユーザIDに関連付けてゲームユーザDBに記憶する。
【0035】
制御部11は、ユーザU01に関連付けられた特定の地域を判定する。特定の地域は、ユーザU01によって登録された地域、ユーザU01が居住する地域等であってよい。特定の地域は、特定の行政区域又は言語区域等であってよい。
【0036】
制御部11は、ユーザU01に関連付けられた特定の地域の電力需要量の予測値を示す情報と、その特定の地域への電力供給量の予測値を示す情報とを任意の端末から取得する。予測値は所定の時刻における予測値であってよい。任意の端末は、例えば電力会社によって管理されるサーバであってよい。
図5に示されるように制御部11は、任意の端末から取得した予測値情報を、予測値DBに記憶する。
図5の例では、説明の簡便のため、電力供給量の予測値は時刻にかかわらず一定である。しかし電力供給量の予測値は時刻に応じて変化してよい。
【0037】
制御部11は、ゲーム内で実施されるイベントを決定する。具体的には制御部11は、
図6に示されるイベントDBを参照する。イベントDBでは、過去に実施された1以上のイベントと、1以上のイベントの各々の実施時の電力低減量とが関連付けて記憶される。例えば制御部11は、電力低減量が最も大きいイベントを識別する。
図6に示される例では、電力低減量が最も大きいイベントはイベントE02である。すなわち電力使用の低減効果が最も高いイベントはイベントE02である。制御部11は、イベントE02を実施することを決定する。
【0038】
イベントでは、ユーザU01が現実の電力消費量を低減することによって、ゲーム内でメリットを享受することができる。例えば制御部11は、ユーザU01がイベント中に基準値を超える電力消費量を削減したことを検出すると、ユーザU01のゲーム内でのパラメータ及び条件の少なくとも一方を、ゲーム攻略にとって有利になるように変更してよい。
【0039】
制御部11は、電力需要量の予測値と電力供給量の予測値とに基づいて、ゲーム内で実施されるイベント(ここではイベントE02)の日時を決定する。特定の地域での電力需要量及び電力供給量の予測値とは、同一地域での電力需要量及び電力供給量の過去の実績値から制御部11によって推定されてよいし、電力会社によって管理されるサーバ等から取得されてよい。
【0040】
制御部11は
図5に示される予測値DBを参照して、電力需要量の予測値と電力供給量の予測値とから、電力不足が予測されるタイミングを判定する。電力不足が予測されるタイミングとは、例えば、電力需要量の予測値が電力供給量の予測値を超えるタイミングである。
【0041】
制御部11は、電力不足が予測されるタイミングは12:00と15:00とであると判定する。制御部11は、12:00と15:00とをイベントの日時として決定する。代替例として制御部11は、電力不足量が最も大きくなる12:00にのみイベントE02を実施することを決定してよい。
【0042】
代替例として制御部11は、イベントが実施される期間において電力消費量が最も小さいタイミングを判定することができる。制御部11は、判定されたタイミングを、電力不足が予測されるタイミングに合わせることによって、イベントの日時を決定してよい。
【0043】
図7に示されるように制御部11は、イベントの実施前に、イベントが実施されることをユーザU01に通知してよい。具体的には制御部11は、イベントが実施される日時と、イベントの内容とを含む通知画面をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2の表示部24は、通知画面を表示する。
【0044】
制御部11は、決定されたイベント実施日時にイベントを実施する。制御部11は、ユーザU01がイベントに参加して電力消費量を低減したことを検出すると、ユーザU01のゲーム内のパラメータ又は条件を変更してよい。
【0045】
図8を参照して、情報処理装置1の制御部11による情報処理方法が説明される。
【0046】
ステップS1にて制御部11は、ユーザU01の電力消費に関する情報に基づいて、ユーザU01が実行するゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を決定する。
【0047】
ステップS2にて制御部11は、ユーザU01に関連付けられた特定の地域での電力需要量の予測値と、特定の地域への電力供給量の予測値とを取得する。
【0048】
ステップS3にて制御部11は、電力需要量の予測値と、電力供給量の予測値とから、電力不足が予測されるタイミングを推定する。
【0049】
ステップS4にて制御部11は、電力不足が予測されるタイミングに応じて、イベントの日時を決定する。
【0050】
ステップS5にて制御部11は、イベントの日時をユーザU01に通知する。
【0051】
ステップS6にて制御部11は、ステップS5にて決定された日時に、イベントを実施する。
【0052】
ステップS7にて制御部11は、イベント中のユーザU01の電力消費に関する情報に応じて、ユーザU01のゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を変更する。
【0053】
以上述べたように本実施形態によれば、制御部11は、ユーザU01の電力消費に関する情報に応じて、ユーザU01が実行するゲーム内のパラメータ及び条件の少なくとも一方を決定することと、ユーザU01に関連付けられた特定の地域での電力需要量の予測値と、特定の地域への電力供給量の予測値とに基づいて、ゲーム内で実施されるイベントの日時を決定することとを実行する。制御部11は、決定された日時にイベントを実施する。この構成により情報処理装置1は、電力需要量と電力供給量との予測値に基づいてイベントの日時を調整することができるので、もって、ゲーム内イベントを通じて電力需要量と電力供給量とのバランスを改善することができる。
【0054】
また本実施形態によれば、イベントは、ユーザU01が現実の電力消費量を低減することによってゲーム内でメリットを享受することができるイベントを含む。メリットは、ゲーム内でのパラメータ及び条件の少なくとも一方がゲーム攻略にとって有利になるように変更されることを含む。この構成により情報処理装置1は、イベントに参加する動機をユーザU01に与えつつ、ユーザU01による電力消費量を低減することができる。もって情報処理装置1は、電力需要量を低減し、電力需要量と電力供給量とのバランスを改善することができる。
【0055】
また本実施形態によれば、制御部11は、特定の地域での電力需要量の実績値と特定の地域への電力供給量の実績値とから、電力需要量の予測値と電力供給量の予測値とを推定する。この構成により制御部11は、予測値を精度良く推定することができる。
【0056】
また本実施形態によれば、制御部11は、電力需要量の予測値と電力供給量の予測値とから、電力不足が予測されるタイミングを判定し、電力不足が予測されるタイミングに応じてイベントの日時を決定する。例えば制御部11は、イベントが実施される期間において電力低減量が最も大きいタイミングを、電力不足が予測されるタイミングに合わせることによって、イベントの日時を決定する。この構成により制御部11は、電力不足が予測されるタイミングに、電力消費量の低減効果が大きいイベントを実施するので、電力需要量と電力供給量とのバランスを改善することができる。
【0057】
本開示が諸図面及び実施例に基づき説明されるが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。例えば、各手段又は各ステップに含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0058】
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0059】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0060】
S 情報処理システム
NW ネットワーク
1 情報処理装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
2 ユーザ端末
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 表示部
25 入力部