(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】学習支援装置
(51)【国際特許分類】
G09B 19/14 20060101AFI20240528BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240528BHJP
【FI】
G09B19/14
G06Q50/20 300
(21)【出願番号】P 2021163818
(22)【出願日】2021-10-05
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樫村 貴士
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友樹
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-032204(JP,A)
【文献】特開2013-161177(JP,A)
【文献】特開2010-107384(JP,A)
【文献】特開2007-328612(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0276969(US,A1)
【文献】国際公開第2019/240070(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G06Q 50/20
G08B 19/00-21/24
G08G 1/00-99/00
G09B 1/00- 9/56,
17/00-19/26,
23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全を確保する行動を学習する学習者が携帯する学習支援装置において、
前記学習者が指定エリア内で前記行動を行ったか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定後、
前記学習者が前記指定エリア内に留まっている間に前記判定部の判定結果を前記学習者に通知する通知部とを有
し、
前記通知部は、前記学習者が前記指定エリア外から前記指定エリア内に到達した場合、第1モード及び第2モードの一方を乱数に基づき選択し、前記第1モードを選択したとき、前記行動を指示する指示メッセージを前記学習者に通知し、前記第2モードを選択したとき、前記指示メッセージを通知しない、
学習支援装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記指定エリア外で前記学習者が行った前記行動の判定結果を前記学習者に通知しない、
請求項
1に記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記学習者が前記行動を行ったと前記判定部が判定した場合、前記学習者を褒める第1判定メッセージを前記学習者に通知する、
請求項
1または2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記学習者が前記行動を行っていないと前記判定部が判定した場合、前記行動が行われていない旨を指摘する第2判定メッセージを前記学習者に通知する、
請求項1乃至
3の何れかに記載の学習支援装置。
【請求項5】
前記通知部は、前記学習者が前記行動を行ったと前記判定部が判定した場合、前記第
2モードを選択しているとき、前記第
1モードを選択しているときより前記判定部の判定結果を強調して通知する、
請求項
1に記載の学習支援装置。
【請求項6】
前記判定部の判定結果が記録されるテーブルを記憶する記憶部を有し、
前記判定部は、前記判定部の判定結果を前記指定エリアごとに前記テーブルに記録し、
前記通知部は、前記テーブルに基づいて、前記学習者が前記行動を行ったと判定した前記判定部の判定結果の頻度が高いほど、前記第
2モードが選択される頻度が高くなるように前記乱数を補正する、
請求項
1または5に記載の学習支援装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記学習者が前記指定エリア内で交通安全を確保する前記行動を行ったか否かを判定する、
請求項1乃至
6の何れかに記載の学習支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば登下校時の子供の交通事故などの増加に伴い、子供に安全を教育する効果的な手段が求められている。例えば交通安全に関し、例えば特許文献1には、子供が携帯する端末が子供の登下校時の行動に関する検出値を検出してデータセンタに送信し、データセンタが検出値に基づき行動を評価するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のシステムによると、子供は帰宅後に登下校時の行動を評価され、その結果が端末に通知されるため、交通安全のための行動を行う場所から離れた後で行動の評価結果を知ることになる。このため、評価結果に対する子供の実感が乏しくなることから学習効果が低く、交通安全のための行動習慣が子供に身に付きにくい。なお、この問題は、交通安全のための行動の学習に限られず、例えば通学路の地形に起因による事故を避けるために必要な他の安全行動の学習についても存在する。
【0005】
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、安全のための行動の学習効果を向上した学習支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の学習支援装置は、安全を確保する行動を学習する学習者が携帯する学習支援装置において、前記学習者が指定エリア内で前記行動を行ったか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定後、前記学習者が前記指定エリア内に留まっている間に前記判定部の判定結果を前記学習者に通知する通知部とを有し、前記通知部は、前記学習者が前記指定エリア外から前記指定エリア内に到達した場合、第1モード及び第2モードの一方を乱数に基づき選択し、前記第1モードを選択したとき、前記行動を指示する指示メッセージを前記学習者に通知し、前記第2モードを選択したとき、前記指示メッセージを通知しない。
【0008】
上記の構成において、前記通知部は、前記指定エリア外で前記学習者が行った前記行動の判定結果を前記学習者に通知しないようにしてもよい。
【0009】
上記の構成において、前記通知部は、前記学習者が前記行動を行ったと前記判定部が判定した場合、前記学習者を褒める第1判定メッセージを前記学習者に通知してもよい。
【0010】
上記の構成において、前記通知部は、前記学習者が前記行動を行っていないと前記判定部が判定した場合、前記行動が行われていない旨を指摘する第2判定メッセージを前記学習者に通知してもよい。
【0012】
上記の構成において、前記通知部は、前記学習者が前記行動を行ったと前記判定部が判定した場合、前記第1モードを選択しているとき、前記第2モードを選択しているときより前記判定部の判定結果を強調して通知してもよい。
【0013】
上記の構成において、前記判定部の判定結果が記録されるテーブルを記憶する記憶部を有し、前記判定部は、前記判定部の判定結果を前記指定エリアごとに前記テーブルに記録し、前記通知部は、前記テーブルに基づいて、前記学習者が前記行動を行ったと判定した前記判定部の判定結果の頻度が高いほど、前記第1モードが選択される頻度が高くなるように前記乱数を補正してもよい。
【0014】
上記の構成において、前記判定部は、前記学習者が前記指定エリア内で交通安全を確保する前記行動を行ったか否かを判定してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、安全のための行動の学習効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】交通安全学習支援システムの一例を示す構成図である。
【
図4】安全行動管理テーブルの一例を示す図である。
【
図6】判定結果履歴テーブルの一例を示す図である。
【
図7】情報の取得処理の一例を示すフローチャートである
【
図8】安全行動の判定の指示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】安全行動の判定及び結果出力の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(交通安全学習支援システムの構成及び機能)
図1は、交通安全学習支援システム(以下、「システム」と表記)7の一例を示す構成図である。システム7は、学習支援装置1、スマートフォン2、及び記録サーバ3を含む。学習支援装置1、スマートフォン2、及び記録サーバ3は、例えばインターネットなどのネットワーク9に接続されており、ネットワーク9を介して互いに通信することができる。学習支援装置1及びスマートフォン2は例えばLTE(Long Term Evolution)などに基づく無線通信機能により通信する。
【0018】
学習支援装置1は、例えば登下校時の子供に、交通安全を確保する行動(以下、「安全行動」と表記)を学習させる携帯型の装置である。符号Gaは、学習支援装置1を携帯した子供の概略図である。学習支援装置1は、例えば略矩形のバッジタイプのデバイスであり、子供の通学用帽子Hに取り付けられる。このため、子供は、登下校時に簡便に学習支援装置1を携帯することができる。
【0019】
なお、学習支援装置1の取り付け位置は、これに限定されず、例えば子供のランドセルの肩紐に取り付けられてもよいし、子供の衣服に取り付けられてもよい。また、学習支援装置1の形状についても限定はなく、例えば子供の腕に取り付けられるように腕時計タイプの形状としてもよい。
【0020】
学習支援装置1は、例えば通学路上の複数の指定位置において子供の安全行動の有無を判定する。指定位置は、交差点や曲がり角などの交通安全上の注意が必要な場所である。学習支援装置1は、指定位置ごとの子供の安全行動の有無の判定履歴を記録し、例えば定期的に履歴情報として記録サーバ3に送信する。
【0021】
記録サーバ3は、学習支援装置1が記録した安全行動の判定履歴を履歴データベース(DB)30に保存する。履歴データベース30は記録サーバ3のハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブなどに格納されている。
【0022】
スマートフォン2は、学習支援装置1を携帯する子供の親が所有する端末である。スマートフォン2は、学習支援装置1に対応する専用のアプリケーション(APP)20がインストールされている。スマートフォン2は、アプリケーション20の機能に基づき、例えば学習支援装置1に対し安全行動の指定位置を設定する。このとき、スマートフォン2から学習支援装置1には指定位置の情報が送信される。
【0023】
また、スマートフォン2は、アプリケーション20の機能に基づき、記録サーバ3から安全行動の履歴情報を取得する。アプリケーション20は、スマートフォン2のタッチパネルに子供の安全行動の判定結果を地図上の子供の移動経路とともに表示する。
【0024】
符号Gbは、アプリケーション20が表示したタッチパネルの画面の一例を示す。画面には、子供の登下校の経路(点線)を示す地
図80、子供の現在位置Po、安全行動の指定位置P#1~#3、及び各指定位置P#1~#3での判定結果81~83が表示されている。
【0025】
例えば、指定位置P#1はT字路のエリアに該当し、安全行動として一時停止及び左右確認が必要である。子供がいずれの安全行動も行った場合、指定位置P#1の判定結果81は、一時停止及び左右確認ともに「OK」となる。
【0026】
また、指定位置P#2は路地のエリアに該当し、安全行動として低速歩行(つまり走らないこと)が必要である。子供がその安全行動を行わなかった場合、指定位置P#2の判定結果82は「NG」となる。
【0027】
また、指定位置P#3は十字路のエリアに該当し、安全行動として一時停止及び左右確認が必要である。子供が一時停止を行ったが左右確認を行わなかった場合、指定位置P#3の判定結果83は、一時停止については「NG」となるが左右確認については「OK」となる。
【0028】
このため、親はスマートフォン2の画面を通じて子供の安全行動の結果を確認することができる。なお、本例では安全行動の学習者として子供を挙げるが、これに限定されず、例えば、病院に通う老人であってもよい。
【0029】
(学習支援装置の構成)
図2は、学習支援装置1の一例を示す構成図である。学習支援装置1は、制御部40、RTC(Real Time Clock)モジュール41、GPS(Global Positioning System)モジュール42、モーションセンサ部43、スピーカ44、及び通信処理部45を有する。
【0030】
RTCモジュール41はカレンダ及び時計の機能を有する。RTCモジュール41は、安全行動の判定履歴を生成するための年月日情報及び時刻情報を、制御部40からの要求に従って制御部40に出力する。
【0031】
GPSモジュール42はGPS衛星から受信した電波により学習支援装置1の現在位置、つまり学習者の現在位置Poを検出する。GPSモジュール42は、検出した現在位置の位置情報を制御部40からの要求に従って制御部40に出力する。なお、GPSモジュール42は、学習者の位置を検出する位置検出手段である。
【0032】
モーションセンサ部43は、1以上のセンサを含み、学習者の動作を検出する。モーションセンサ部43には、例えば、加速度センサ及び角速度センサなどが含まれる。モーションセンサ部43は、加速度及び角速度などの各センサの検出値を制御部40からの要求に従って制御部40に出力する。なお、モーションセンサ部43は、学習者の動作を検出する動作検出手段である。
【0033】
スピーカ44は、制御部40から入力されるメッセージの音声信号に応じた音声メッセージを出力する。音声メッセージとしては、学習者の現在位置Poが指定位置P#1~#3を中心とし、半径が距離Dのエリア(以下、「指定エリア」と表記)内に到達したときに学習者に安全行動を指示する指示メッセージ、学習者が安全行動を行った場合に学習者を褒めるOK判定メッセージ、学習者が安全行動を行わなかった場合にその旨を学習者に指摘するNG判定メッセージがある。
【0034】
通信処理部45は、例えばLTEに準ずる無線通信回路であり、ネットワーク9を介した制御部40と記録サーバ3及びスマートフォン2の通信を処理する。通信処理部45は、制御部40から入力されたデータ信号をネットワーク9に送信し、ネットワーク9から入力されたデータ信号を制御部40に出力する。
【0035】
制御部40は、指定位置P#1~#3ごとに学習者が安全行動を行った否かを判定し、判定結果に応じたメッセージをスピーカ44から学習者に通知する。ここで、制御部40は、学習者の現在位置PoをGPSモジュール42から取得して、学習者の現在位置Poが指定エリア内であるか否かを判定する。また、制御部40は、学習者の動作をモーションセンサ部43から取得して安全行動の判定に用いる。
【0036】
図3は、制御部40の一例を示す構成図である。制御部40は、例えばマイクロコントローラであり、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、ストレージメモリ13、及び入出力ポート14を有する。CPU10は、互いに信号の入出力ができるように、ROM11、RAM12、ストレージメモリ13、及び入出力ポート14と、バス19を介して接続されている。なお、制御部40はコンピュータの一例である。
【0037】
ROM11は、CPU10を駆動するプログラムが格納されている。RAM12は、CPU10のワーキングメモリとして機能する。入出力ポート14は、例えばRTCモジュール41、GPSモジュール42、モーションセンサ部43、スピーカ44、及び通信処理部45との間でそれぞれ各種の信号を送受信する。CPU10は入出力ポート14を介してRTCモジュール41、GPSモジュール42、モーションセンサ部43、スピーカ44、及び通信処理部45との間で信号を入出力する。
【0038】
CPU10は、ROM11からプログラムを読み込むと、機能として、管理部100、設定処理部101、情報取得部102、安全行動判定部103、メッセージ出力部104、及び履歴送信部105を形成する。また、ストレージメモリ13には、安全行動管理テーブル(TBL)130、メッセージテーブル(TBL)131、及び判定結果履歴テーブル(TBL)132が格納されている。ストレージメモリ13としてはフラッシュメモリが挙げられるが、これに限定されない。
【0039】
管理部100は学習支援装置1の全体の動作を管理する。管理部100は、プログラムに設定されたシーケンスに従って設定処理部101、情報取得部102、安全行動判定部103、メッセージ出力部104、及び履歴送信部105に対して動作を指示する。
【0040】
設定処理部101は、スマートフォン2から入出力ポート14を介して指定位置P#1~#3の設定情報を受信する。設定情報には、指定位置P#1~#3だけでなく、指定位置P#1~#3ごとの安全行動の種別(左右確認など)が含まれていてもよい。設定処理部101は設定情報に従って安全行動管理テーブル130を設定する。
【0041】
図4は、安全行動管理テーブル130の一例を示す図である。安全行動管理テーブル130には、指定位置P#1~#3、及び必要な安全行動、つまり学習者が指定位置P#1~#3で行うべき安全行動として一時停止、左右確認、及び低速歩行などが互いに対応付けられて登録されている。ここで指定位置P#1~#3は、GPSに基づく経度及び緯度の値である。安全行動管理テーブル130は、学習者の現在位置Poが指定エリアに到達したときに参照され、安全行動の判定に用いられる。
【0042】
再び
図3を参照すると、情報取得部102は、RTCモジュール41、GPSモジュール42、及びモーションセンサ部43から入出力ポート14を介して各種の情報を取得する。情報取得部102はRTCモジュール41から年月日情報及び時刻情報を取得する。また、情報取得部102は、学習者の現在位置Poを示す位置情報として緯度及び経度の情報をGPSモジュール42から取得し、モーションセンサ部43から学習者の動作に関する各種の検出値を取得する。
【0043】
安全行動判定部103は、判定部の一例であり、学習者の現在位置Poが指定位置P#1~#3の近傍のエリア内に到達したとき、学習者が指定エリア内で安全行動を行ったか否かをモーションセンサ部43の検出結果に基づき判定する。例えば安全行動判定部103は、角速度センサの検出値が正方向及び負方向に所定値を超えて連続的に変動した場合、学習者が左右確認を行ったと判定する。また、安全行動判定部103は、加速度センサの検出値が所定値以下である場合、学習者が停止または低速歩行を行っていると判定する。
【0044】
安全行動判定部103の判定手法は、上記に限定されず、モーションセンサ部43のセンサ類の種別や学習支援装置1の取り付け位置に応じて適切な手法が採用される。例えばモーションセンサ部43として小型カメラが設けられてもよく、この場合、モーションセンサ部43は、小型カメラが撮像した画像に基づいて安全行動を判定する。また、GPSモジュール42をモーションセンサ部43とともに動作検出手段として安全行動の判定に用いてもよく、この場合、安全行動判定部103は、GPSモジュール42が検出した現在位置Poの時刻に応じた変位から学習者が停止または低速歩行を行っていると判定することができる。
【0045】
メッセージ出力部104は、安全行動判定部103が、学習者が安全行動を行ったと判定した場合、学習者を褒めるOK判定メッセージをスピーカ44から出力し、安全行動判定部103が、学習者が安全行動を行っていないと判定した場合、安全行動が行われていない旨を学習者に通知するNG判定メッセージをスピーカ44から出力する。例えばOK判定メッセージは「よくできました。」とし、NG判定メッセージは「次回は左右確認(一時停止、ゆっくり歩き(低速歩行))をしましょう。」とすることができる。
【0046】
メッセージ出力部104は、安全行動判定部103の判定後、速やかにその判定結果を学習者に通知する。例えば管理部100は、安全行動判定部103から判定結果を得ると、学習者が指定エリア外に出るまでの所要時間内にメッセージ出力部104に対し、判定結果としてOK判定メッセージの出力を指示する。なお、メッセージ出力部104は通知部の一例であり、OK判定メッセージは第1判定メッセージの一例であり、NG判定メッセージは第2判定メッセージの一例である。
【0047】
これにより学習支援装置1は、安全行動の判定後、すぐにその判定結果を学習者に通知することができる。したがって、子供を例に挙げると、子供は、登下校の途中、安全行動を行った後、すぐにOK判定メッセージを聞くことができるため、自分の安全行動が正しいと認められることで高い満足感を得ることができる。仮に子供が指定エリアを離れ帰宅した後にOK判定メッセージを聞いた場合、安全行動の判定結果に対する実感が薄いため、低い満足感しか得られない。
【0048】
また、子供は、安全行動を行わないまま指定エリアを出た後、すぐにNG判定メッセージを聞いて安全行動を忘れていたことに気づくことができるため、その悔しさが強く印象付けられる。仮に子供が指定エリアを離れ帰宅した後にNG判定メッセージを聞いた場合、安全行動の判定結果に対する実感が薄いため、安全行動を忘れたことにあまり悔しさを感じることができない。なお、上記の効果は大人の学習者でも同様に得ることができる。
【0049】
よって、本例の学習支援装置1によると、交通安全のための行動の学習効果を向上することができる。
【0050】
このように、学習支援装置1は学習者の安全行動に対してOK判定メッセージまたはNG判定メッセージを通知するため、学習者が、例えば子供である場合、指定エリア外でも興味本位で安全行動を行うことが考えられる。子供は、例えば左右確認の必要がない一本道でも上記の判定メッセージを期待して故意に左右確認を行うおそれある。仮に学習支援装置1が指定エリア外での安全行動に対して上記の判定メッセージを通知すると、安全行動が必要となる指定エリア内で適切に安全行動を行う習慣を身につけることが難しくなるおそれがある。
【0051】
このため、メッセージ出力部104は、指定エリア外で学習者が行った安全行動の判定結果を学習者に通知しない。このとき、安全行動判定部103は、学習者の現在位置Poが指定エリア外である場合、安全行動の判定を停止する。したがって、指定エリア外の安全行動の判定結果としてOK判定メッセージ及びNG判定メッセージが学習者に通知されることが抑制されるため、学習支援装置1は、安全行動が必要となる指定エリア内で適切に安全行動を行う習慣をより効果的に学習者に学習させることができる。
【0052】
また、メッセージ出力部104は、学習者の現在位置Poが指定エリア内に到達したとき、学習の難易度の相違するEASYモード及びHARDモードの一方を乱数に基づき選択する。EASYモードは第1モードの一例であり、HARDモードは第2モードの一例である。EASYモードは、学習者に予め安全行動を指示する点においてHARDモードより学習の難易度が低い。
【0053】
メッセージ出力部104は、EASYモードを選択したとき、学習者に安全行動を指示する指示メッセージをスピーカ44から出力する。指示メッセージは例えば「左右確認(一時停止、低速歩行)をしましょう。」としてもよい。このため、学習者は、指示メッセージを聞いて安全行動を行うことを思い出すことができる。一方、メッセージ出力部104は、HARDモードを選択したとき、学習者に指示メッセージを出力しない。このように、指示メッセージが通知されるEASYモード、及び指示メッセージが通知されないHARDモードがランダムに選択されるため、学習者は常に指示メッセージをあてにすることができないため、安全行動に対する意識を高めることとなる。
【0054】
また、メッセージ出力部104は、EASYモード及びHARDモードの何れの動作モードであるかに応じて、OK判定メッセージの内容を異ならせる。例えばメッセージ出力部104は、安全行動判定部103が、学習者が安全行動を行ったと判定した場合、HARDモードを選択しているとき、EASYモードを選択しているときよりOK判定メッセージを強調して出力する。すなわちメッセージ出力部104は、HARDモードを選択しているとき、EASYモードを選択しているときよりOK判定メッセージを強調して学習者に通知する。
【0055】
例えばメッセージ出力部104は、HARDモードの場合、EASYモードの場合よりOK判定メッセージの文言を強調する。例えばEASYモードのOK判定メッセージが「よくできました。」である場合、HARDモードのOK判定メッセージは「とてもよくできました。」とすることができる。このため、OK判定メッセージを聞いた学習者は、HARDモードにおいてEASYモードの場合より高い満足感を得ることができる。なお。EASYモード及びHARDモードのOK判定メッセージは、文言だけでなく、音量及び回数が異なっていてもよい。
【0056】
図5は、メッセージテーブル131の一例を示す図である。メッセージ出力部104は、メッセージテーブル131から適切なメッセージの設定データを読み出し、その音声信号をスピーカ44に出力することにより上記の各種のメッセージを出力する。
【0057】
メッセージテーブル131には、種別、動作モード、音量、(出力の)回数、及びメッセージが登録されている。メッセージ内の「****」の部分には、安全行動に応じた文言(左右確認、一時停止、ゆっくり歩き)などが入る。
【0058】
OK判定メッセージは、上述したようにEASYモード及びHARDモードでメッセージの文言が異なる。また、OK判定メッセージの音量は、EASYモードでは「通常」であるのに対し、HARDモードでは「大」に設定されている。さらにOK判定メッセージの回数は、EASYモードでは「1回」であるのに対し、HARDモードでは「2回」に設定されている。なお、指示メッセージ及びNG判定メッセージの音量及び回数は「通常」及び「1回」にそれぞれ設定されている。
【0059】
再び
図3を参照すると、安全行動判定部103は、指定位置P#1~#3ごとに安全行動の判定結果を判定結果履歴テーブル132に記録する。安全行動判定部103は、RTCモジュール41から入出力ポート14を介して年月日情報及び時刻情報を取得して日時として判定結果履歴テーブル132に記録する。なお、判定結果履歴テーブル132は、安全行動判定部103の判定結果が記録されるテーブルの一例であり、ストレージメモリ13は記憶部の一例である。記憶部としてはストレージメモリ13に限定されず、他の情報記憶手段が用いられてもよい。
【0060】
図6は、判定結果履歴テーブル132の一例を示す図である。判定結果履歴テーブル132には、日時、指定位置、安全行動、及び判定結果が記録されている。日時は、上記のようにRTCモジュールから取得される。指定位置及び安全行動は、安全行動管理テーブル130から取得される。
【0061】
判定結果は、指定位置P#1~#3に該当する指定エリア内で学習者が安全行動を行ったと判定された場合、「OK」を示し、指定位置P#1~#3に該当する指定エリア内で学習者が安全行動を行っていないと判定された場合、「NG」を示す。
【0062】
再び
図3を参照すると、履歴送信部105は、例えば定期的にストレージメモリ13かから判定結果履歴テーブル132を読み出して、入出力ポート14を介して通信処理部45に出力する。通信処理部45は、判定結果履歴テーブル132を履歴情報として記録サーバ3に送信する。
【0063】
また、メッセージ出力部104は、EASYモード及びHARDモードの一方の選択に用いる乱数を判定結果履歴テーブル132に基づき補正する。メッセージ出力部104は、一例として判定結果履歴テーブル132内の全ての判定結果数に対する「OK」の判定結果数の比率に応じ、HARDモードを選択する確率(以下、「選択確率」と表記)を決定する。例えば「OK」の判定結果の比率が0.1であるとき、HARDモードの選択確率は0.1となり、「OK」の判定結果の比率が0.5であるとき、HARDモードの選択確率は0.5となる。
【0064】
このようにメッセージ出力部104は、判定結果履歴テーブル132に基づいて、「OK」の判定結果の頻度が高いほど、HARDモードが選択される頻度が高くなるように乱数を補正する。このため、学習者は、安全行動の習得の度合いが高くなるほど、指定エリア内で指示メッセージを聞く機会が減少し、習得の度合いをさらに高めることができる。
【0065】
(制御部の動作)
次に制御部40の動作を説明する。制御部40において、管理部100は、設定処理部101に安全行動管理テーブル130の設定処理を指示した後、情報取得部102に対しRTCモジュール41、GPSモジュール42、及びモーションセンサ部43から各種の情報を取得する処理を指示するとともに、安全行動判定部103及びメッセージ出力部104に安全行動の判定処理及び結果出力処理をそれぞれ指示する。
【0066】
図7は、情報の取得処理の一例を示すフローチャートである。本処理は例えば所定の周期で繰り返し実行される。
【0067】
情報取得部102はRTCモジュール41から年月日情報及び時刻情報を取得する(ステップSt1)。次に情報取得部102はGPSモジュール42から学習者の現在位置Poを取得する(ステップSt2)。現在位置Poは例えば緯度及び経度で示される。
【0068】
次に情報取得部102はモーションセンサ部43から学習者の動作に関する各種の検出値を取得する(ステップSt3)。検出値としては加速度及び角加速度が挙げられるが、これに限定されず、学習支援装置1の取り付け位置や判定対象の安全行動の種類に応じて適宜に決定される。
【0069】
図8は、安全行動の判定の指示処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、例えば、学習者である子供の登下校の開始時に起動され、その終了時に停止する。
【0070】
管理部100はストレージメモリ13から安全行動管理テーブル130を読み出す(ステップSt11)。安全行動管理テーブル130は事前に親のスマートフォン2から設定されている。なお、管理部100は、情報取得部102が取得した各種の情報を必要に応じて安全行動判定部103及びメッセージ出力部104に出力する。
【0071】
次に管理部100は安全行動管理テーブル130から指定位置P#1~#3の1つを選択する(ステップSt12)。次に管理部100は、選択中の指定位置P#1~#3における安全行動の判定処理及び結果出力処理を安全行動判定部103及びメッセージ出力部104にそれぞれ指示する(ステップSt13)。
【0072】
次に管理部100は、安全行動管理テーブル130の全ての指定位置P#1~#3を選択済みであるか否か判定する(ステップSt14)。未選択の指定位置P#1~#3が存在する場合(ステップSt14のNo)、管理部100は次の指定位置P#1~#3を選択する(ステップSt12)。その後、ステップSt13及びSt14の処理が再び実行される。ここで、管理部100は例えば子供の登下校の経路に沿った順番に従って指定位置P#1~#3を選択する。
【0073】
また、全ての指定位置P#1~#3が選択済みである場合(ステップSt14のYes)、管理部100は処理を終了する。
【0074】
図9は、安全行動の判定及び結果出力の処理の一例を示すフローチャートである。本処理は、上記のステップSt13の指示に応じて実行される。指示には、安全行動管理テーブル130の指定位置P#1~#3が付与されている。
【0075】
メッセージ出力部104は、現在位置Poと選択中の指定位置P#1~#3の間の距離Dを算出する(ステップSt21)。次にメッセージ出力部104は距離Dと閾値Dthを比較する(ステップSt22)。これによりメッセージ出力部104は学習者の現在位置Poが指定エリア内に到達したか否かを判定する。なお、閾値Dthは、例えば指定位置P#1~#3ごとの個別の値であり、交差点の大きさなどの指定位置P#1~#3の各種の条件に応じて決定される。
【0076】
メッセージ出力部104は、距離Dが閾値Dthより大きい場合(ステップSt22のNo)、再びステップSt21の処理を実行する。すなわち、メッセージ出力部104は、学習者の現在位置Poが指定エリア外である場合、学習者が安全行動を行ってもその判定メッセージを出力しない。このため、安全行動が必要となる指定エリア内で適切に安全行動を行う習慣をより効果的に学習者に学習させることが可能となる。
【0077】
また、メッセージ出力部104は、距離Dが閾値Dth以下である場合(ステップSt22のYes)、判定結果履歴テーブル132を読み出す(ステップSt23)。次にメッセージ出力部104は、判定結果履歴テーブル132に基づいて動作モードの選択確率を調整する(ステップSt24)。上述したように、メッセージ出力部104は「OK」の判定結果の頻度が高いほど、HARDモードが選択される頻度が高くなるように乱数を補正する。
【0078】
次にメッセージ出力部104は乱数により動作モードを選択する(ステップSt25)。メッセージ出力部104は、EASYモードを選択した場合(ステップSt26のYes)、メッセージテーブル131に基づき、安全行動を指示する指示メッセージをスピーカ44から出力する(ステップSt27)。すなわちメッセージ出力部104は指示メッセージを学習者に通知する。これにより学習者は安全行動を思い出すことができる。
【0079】
また、メッセージ出力部104は、HARDモードを選択した場合(ステップSt26のNo)、指示メッセージを出力しない。すなわちメッセージ出力部104は指示メッセージを学習者に通知しない。このため学習者は、指示メッセージによらずに自発的に安全行動を行う必要がある。
【0080】
次に安全行動判定部103は、モーションセンサ部43の各検出値に基づき学習者の動作を解析する(ステップSt28)。次に安全行動判定部103は、動作解析の結果から、学習者が選択中の指定位置P#1~#3に応じた安全行動を行ったか否かを判定する(ステップSt29)。例えば安全行動判定部103は、指定位置P#1の指定エリア内において、学習者が一時停止及び左右確認を行ったか否かを加速度及び角加速度から判定する。
【0081】
安全行動判定部103が、学習者が安全行動を行ったと判定した場合(ステップSt29のYes)、メッセージ出力部104は、EASYモードを選択しているとき(ステップSt30のYes)、メッセージテーブル131に基づき、EASYモードに対応するOK判定メッセージを出力する(ステップSt31)。また、メッセージ出力部104は、HARDモードを選択しているとき(ステップSt30のNo)、メッセージテーブル131に基づき、HARDモードに対応するOK判定メッセージを出力する(ステップSt32)。すなわちメッセージ出力部104は学習者にOK判定メッセージを通知する。HARDモードに対応するOK判定メッセージは、上述したようにEASYモードに対応するOK判定メッセージより強調されるため、学習者は高い満足感を得ることができる。
【0082】
このとき、例えば管理部100は、安全行動判定部103の判定(ステップSt29)の後、速やかにOK判定メッセージが出力されるようにメッセージ出力部104に指示を与える。例えば管理部100は、安全行動判定部103から安全行動の判定結果(安全行動あり)が入力されると、学習者が指定エリア外に出るための所要時間内にメッセージ出力部104にOK判定メッセージの出力を指示する。なお、管理部100は、固定値として所要時間を予め保持しておいてもよいし、現在位置Poの単位時間ごとの変化から学習者の平均移動速度を算出し、平均移動速度と現在位置Poから所要時間を算出してもよい。
【0083】
これによりメッセージ出力部104は、学習者が指定エリア内に留まっている間に安全行動の判定結果を学習者に通知する。このため、学習者は、安全行動の直後にその判定結果としてOK判定メッセージを聞くことができるため、学習効果を高めることができる。
【0084】
また、安全行動判定部103は、学習者が安全行動を行っていないと判定した場合(ステップSt29のNo)、現在位置Poと選択中の指定位置P#1~#3の間の距離Dを算出する(ステップSt34)。次にメッセージ出力部104は距離Dと閾値Dthを比較する(ステップSt35)。これによりメッセージ出力部104は学習者の現在位置Poが指定エリア内にあるか否かを判定する。
【0085】
距離Dが閾値Dth以下である場合(ステップSt35のYes)、安全行動判定部103は、再び学習者の動作を解析する(ステップSt28)。その後、ステップSt29以降の各処理が実行される。
【0086】
また、距離Dが閾値Dthより大きい場合(ステップSt35のNo)、メッセージ出力部104はNG判定メッセージを出力する(ステップSt36)。すなわちメッセージ出力部104は学習者にNG判定メッセージを通知する。
【0087】
このとき、例えば管理部100は、安全行動判定部103の判定(ステップSt29)の後、速やかにNG判定メッセージが出力されるようにメッセージ出力部104に指示を与える。例えば管理部100は、安全行動判定部103から安全行動の判定結果(安全行動なし)が入力され、学習者の現在位置Poが指定エリア外に位置すると判定した後(ステップSt35のNo)、所定時間内(例えば5秒以内)にメッセージ出力部104にNG判定メッセージの出力を指示する。
【0088】
このようにメッセージ出力部104は、学習者が安全行動を行わないまま指定エリア外に移動した場合、速やかにNG判定メッセージを出力する。このため、子供は、安全行動を行わないまま指定エリアを出た後、すぐにNG判定メッセージを聞いて安全行動を忘れていたことに気づくことができる。
【0089】
次に安全行動判定部103は、安全行動の判定結果を判定結果履歴テーブル132に記録する(ステップSt33)。判定結果履歴テーブル132は動作モードの選択及びスマートフォン2による安全行動の判定結果確認に用いられる。
【0090】
このように学習支援装置1は、指定エリアごとの学習者の安全行動の判定の後、すぐに判定結果としてOK判定メッセージ及びNG判定メッセージを学習者に通知することができる。このため、本例の学習支援装置1によると、交通安全のための行動の学習効果を向上することができる。
【0091】
なお、本例では学習者への各種のメッセージの伝達手段としてスピーカ44を挙げたが、メッセージは音声に限定されない。例えば、メッセージを文字で伝達する手段としてディスプレイを挙げることができる。この場合、メッセージ出力部104は、文字の大きさを変えることによりHARDモードのOK判定メッセージをEASYモードのOK判定メッセージより強調することができる。
【0092】
また、メッセージを光で伝達する手段としてLED(Light Emitting Diode)などの発光装置を挙げることができる。この場合、メッセージ出力部104は、光の強さを変えることによりHARDモードのOK判定メッセージをEASYモードのOK判定メッセージより強調することができる。
【0093】
また、メッセージを振動で伝達する手段として、バイブレーションモータなどの振動発生装置を挙げることができる。この場合、メッセージ出力部104は、振動の強さを変えることによりHARDモードのOK判定メッセージをEASYモードのOK判定メッセージより強調することができる。
【0094】
これまで述べたように、本例の学習支援装置1によると、学習者が交通安全を確保する安全行動の学習を効果的に支援することができる。しかし、学習支援装置1は、交通安全に限定されず、例えば通学路の地形に起因による事故に対して安全を確保する行動の学習を支援する装置であってもよい。この場合、指定位置P#1~P#3としては、急斜面の近傍の道などが指定され、安全行動判定部103は、その指定エリア内で学習者が低速歩行したか否かを判定してもよい。このように、学習支援装置1の用途は限定されることはない。
【0095】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0096】
1 学習支援装置
40 制御部
42 GPSモジュール
43 モーションセンサ部
44 スピーカ
10 CPU
13 ストレージメモリ(記憶部)
100 管理部
103 安全行動判定部(判定部)
104 メッセージ出力部(通知部)
132 判定結果履歴テーブル(テーブル)