(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】自動倉庫
(51)【国際特許分類】
B65G 1/14 20060101AFI20240528BHJP
H01L 21/673 20060101ALN20240528BHJP
【FI】
B65G1/14 E
H01L21/68 T
(21)【出願番号】P 2021178752
(22)【出願日】2021-11-01
【審査請求日】2023-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉本 忠浩
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-171004(JP,A)
【文献】特開2008-168961(JP,A)
【文献】特開2018-090391(JP,A)
【文献】特開2004-101027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を収容可能な収容棚と、前記収容棚の正面に沿って移動して前記物品を搬送する搬送装置と、を備えた自動倉庫であって、
前記収容棚は、それぞれに前記物品が載置される複数の載置部と、複数の前記載置部を支持する枠部材と、複数の前記載置部のそれぞれに対応して設けられた載置部付属部材と、カバー部材と、を備え、
前記カバー部材は、前記収容棚の背面の一部又は全部に設定された対象領域を覆うように設けられ、
前記収容棚の前記正面及び前記背面の一方から他方へ向かう方向を奥行方向とし、前記奥行方向に沿う奥行方向視で上下方向に直交する方向を幅方向とし、前記奥行方向における前記背面から前記正面へ向かう側を奥行方向正面側とし、前記奥行方向における前記正面から前記背面へ向かう側を奥行方向背面側として、
複数の前記載置部は、前記上下方向及び前記幅方向にそれぞれ複数並ぶように配置され、前記上下方向に隣接する2つの前記載置部の間に、前記物品が収容される領域である収容領域が形成され、
前記カバー部材は、前記対象領域を覆う閉状態から、前記枠部材に対して移動して前記対象領域を開放する開状態に状態変更可能に構成されており、
前記載置部付属部材は、
前記載置部に載置された前記物品の有無を検出する物品検出センサを構成する反射板部であり、
対応する前記載置部の上に形成された前記収容領域よりも前記奥行方向背面側且つ前記カバー部材よりも前記奥行方向正面側であって前記奥行方向視で前記収容領域と重複する位置に配置され、
複数の前記載置部付属部材が、前記カバー部材の前記閉状態から前記開状態への状態変更に伴って前記枠部材に対して移動するように、前記カバー部材に固定されている、自動倉庫。
【請求項2】
前記枠部材に、前記カバー部材の取り付け位置を規定する位置決め機構が設けられている、請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記位置決め機構は、前記幅方向における前記枠部材に対する前記カバー部材の取り付け位置を規定する第1位置決め部材と、前記上下方向における前記枠部材に対する前記カバー部材の取り付け位置を規定する第2位置決め部材と、を備え、
前記第1位置決め部材は、前記カバー部材の前記幅方向における両側縁のそれぞれに当接する幅方向当接面を備え、
前記第2位置決め部材は、前記カバー部材における下側を向く被支持面を支持するように設けられた、上側を向く支持面を備える、請求項2に記載の自動倉庫。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記対象領域を覆うカバー本体部と、被支持部と、を備え、
前記被支持部は、前記カバー部材の下端領域において、前記カバー本体部から前記奥行方向正面側に突出するように設けられ、
前記被支持部の下側を向く面が、前記被支持面とされており、
前記カバー本体部の前記被支持部よりも下側の部分を、カバー本体下側部として、
前記被支持面が前記支持面に当接している状態で、前記カバー本体部の前記カバー本体下側部における前記奥行方向正面側を向く面が、前記第2位置決め部材の前記奥行方向背面側を向く面に当接する、請求項3に記載の自動倉庫。
【請求項5】
前記載置部付属部材は、前記カバー部材の前記奥行方向正面側を向く面における、複数の前記載置部のそれぞれに対応する位置に取り付けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動倉庫。
【請求項6】
前記枠部材は、複数の前記収容領域に対して前記奥行方向背面側に配置された背面側枠部を備え、
前記カバー部材は、前記背面側枠部に対して着脱自在に固定され、又は、前記背面側枠部に対して揺動自在に支持されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の自動倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品を収容可能な収容棚と、前記収容棚の正面に沿って移動して前記物品を搬送する搬送装置と、を備えた自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
このような自動倉庫の一例が、特開2003-171004号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号又は名称は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に記載された自動倉庫(1)は、支柱体(21)と、支柱体(21)同士を接続する繋ぎ材(22)と、支柱体(21)に固定される棚部材(25)と、外壁パネル(23)と、棚部材(25)に物品(8)を載置する移載装置(4)とを備えている。外壁パネル(23)は、2組の支柱体(21)と2組の繋ぎ材(22)とで区画される面域にそれぞれ1枚ずつ取り付けられている。具体的には、外壁パネル(23)の側端部を、支柱体(21)と押え部材(18)とで挟持すると共に、繋ぎ材(22)の挿入溝(22g)に、外壁パネル(23)の下端部を挿入することで、外壁パネル(23)は、支柱体(21)及び繋ぎ材(22)に対して着脱自在に取り付けられる。これにより、外壁パネル(23)をボルト等で支柱体(21)に固定する構成と比べて、外壁パネル(23)の自動倉庫(1)に対する取り外しが容易となる。そのため、例えば、移載装置(4)の故障や停電などの非常時に、作業者が外壁パネル(23)を取り外して、自動倉庫(1)の背面側から、棚部材(25)上の物品(8)を直接取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の自動倉庫(1)には設けられていないが、外壁パネル(23)と棚部材(25)に載置された物品(8)との間に、棚部材(25)等の物品(8)を載置する載置部に付属する付属部材が設けられていることもある。このような付属部材には、例えば、各種センサを構成する部材、配管部材、配線部材、載置部の強度を確保するための補強部材等が含まれる。このような付属部材が存在すると、当該付属部材が邪魔になって、物品(8)を自動倉庫(1)の背面側から取り出すことが難しい場合がある。
【0006】
そこで、このような付属部材が設けられている場合であっても、収容棚の背面側から物品を取り出すことができる自動倉庫の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、自動倉庫の特徴構成は、複数の物品を収容可能な収容棚と、前記収容棚の正面に沿って移動して前記物品を搬送する搬送装置と、を備えた自動倉庫であって、前記収容棚は、それぞれに前記物品が載置される複数の載置部と、複数の前記載置部を支持する枠部材と、複数の前記載置部のそれぞれに対応して設けられた載置部付属部材と、カバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記収容棚の背面の一部又は全部に設定された対象領域を覆うように設けられ、前記収容棚の前記正面及び前記背面の一方から他方へ向かう方向を奥行方向とし、前記奥行方向に沿う奥行方向視で上下方向に直交する方向を幅方向とし、前記奥行方向における前記背面から前記正面へ向かう側を奥行方向正面側とし、前記奥行方向における前記正面から前記背面へ向かう側を奥行方向背面側として、
複数の前記載置部は、前記上下方向及び前記幅方向にそれぞれ複数並ぶように配置され、前記上下方向に隣接する2つの前記載置部の間に、前記物品が収容される領域である収容領域が形成され、前記カバー部材は、前記対象領域を覆う閉状態から、前記枠部材に対して移動して前記対象領域を開放する開状態に状態変更可能に構成されており、前記載置部付属部材は、前記載置部に載置された前記物品の有無を検出する物品検出センサを構成する反射板部であり、対応する前記載置部の上に形成された前記収容領域よりも前記奥行方向背面側且つ前記カバー部材よりも前記奥行方向正面側であって前記奥行方向視で前記収容領域と重複する位置に配置され、複数の前記載置部付属部材が、前記カバー部材の前記閉状態から前記開状態への状態変更に伴って前記枠部材に対して移動するように、前記カバー部材に固定されている点にある。
【0008】
一般的に、収容棚の背面がカバー部材により覆われていると、搬送装置が故障や停電等によって停止した場合等に、収容棚から物品を取り出すことが困難となる。しかし、本構成によれば、収容棚の背面を覆うカバー部材が、枠部材に対して対象領域を覆う閉状態から、枠部材に対して移動して対象領域を解放する開状態に状態変更可能に構成されているため、カバー部材を開状態に状態変更することにより、収容棚の背面側から載置部に載置された物品を取り出すことができる。
ここで、仮に載置部付属部材が載置部に固定されていると、このような背面側からの物品の取り出しに際して、載置部付属部材が邪魔になる位置関係となる。しかし、本構成によれば、載置部付属部材は、カバー部材に固定されており、カバー部材の状態変更に伴って前記枠部材に対して移動する。そのため、カバー部材が開状態では、載置部付属部材も閉状態における位置から枠部材に対して移動した状態となり、載置部付属部材が、収容棚の背面側からの物品の取り出しの邪魔になることがない。
従って、搬送装置が故障や停電等によって停止したような非常時であっても、比較的容易に物品を取り出すことができる。
ところで、既に物品が載置されている載置部に対して、搬送装置が誤って物品の載置動作を行うことを回避するために、各載置部に載置された物品の有無を検出する物品検出センサが用いられる場合がある。この場合において、当該物品検出センサによる物品の検出を高精度に行うために、当該物品検出センサを構成する部材が各載置部に対応する収容領域よりも奥行方向背面側であって、奥行方向視で前記収容領域と重複する位置に配置される場合がある。
本構成によれば、このような場合であっても、当該物品検出センサを構成する部材が背面側からの物品の取り出しの邪魔にならないようにすることができる。
【0009】
自動倉庫のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】カバー部材及び背面側枠部の位置関係を示す幅方向視における部分拡大図
【
図6】第1位置決め部材、枠部材、及びカバー部材との位置関係を示す上下方向視における部分拡大図
【
図7】別実施形態における収容棚の背面の部分拡大図
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1実施形態〕
まず、自動倉庫1の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0012】
1.自動倉庫
図1に示すように自動倉庫1は、複数の物品Wを収容可能な収容棚2と、収容棚2の正面2Aに沿って移動して物品Wを搬送する搬送装置4と、を備えている。図示の例では、自動倉庫1は、搬送装置4を挟んで対向するように配置された一対の収容棚2を備えている。また本実施形態では、自動倉庫1は、物品検出センサ32を備えている。なお、本例では、物品Wは、半導体基板(ウェハ)を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)とされている。
【0013】
以下では、自動倉庫1の各構成について説明するが、
図1及び
図2に示すように、一対の収容棚2のそれぞれにおける正面2A及び背面2Bの一方から他方へ向かう方向を奥行方向Xとし、奥行方向Xに沿う奥行方向視で上下方向Zに直交する方向を幅方向Yとし、奥行方向Xにおける背面2Bから正面2Aへ向かう側を奥行方向正面側X1とし、奥行方向Xにおける正面2Aから背面2Bへ向かう側を奥行方向背面側X2として説明する。また、幅方向Yの一方側を幅方向第1側Y1とし、他方側を幅方向第2側Y2として説明する。
【0014】
2.搬送装置
本実施形態では、
図1に示すように、搬送装置4は移載機83を備えている。移載機83は、物品Wを保持すると共に収容棚2の載置部10との間で物品Wの移載を行う装置である。そして、搬送装置4は、移載機83を収容棚2の正面2Aに沿って幅方向Y及び上下方向Zの双方に沿って移動させることで、物品Wを収容棚2の正面2Aに沿って搬送する。本例では、搬送装置4は、移載機83に加えて、収容棚2の正面2Aに沿って幅方向Yに延在するように配置された通路5と、通路5に沿って走行する台車80と、台車80に固定された支柱81と、移載機83を支持して支柱81に沿って上下方向Zに昇降する昇降体82と、を備えている。ここでは、台車80は、通路5に沿って敷設されたレールRに案内されることで、幅方向Yに沿って移動する。このように、本例では、搬送装置4は、スタッカークレーンとされている。また、搬送装置4は、正面2Aが通路5を向くように配置された収容棚2のいずれかの載置部10から物品Wを受け取って、収容棚2の外部に物品Wを搬出するための搬出ポート(不図示)へ物品Wを搬送する。また、搬送装置4は、収容棚2の外部から物品Wを搬入するための搬入ポート(不図示)から物品Wを受け取って、収容棚2のいずれかの載置部10へ物品Wを搬送する。
【0015】
移載機83は、通路5を挟んで奥行方向Xの両側に配置された一対の収容棚2のいずれの載置部10に対しても、物品Wを移載できるように構成されている。具体的には、移載機83は、収容棚2が備える複数の載置部10等の移載対象箇所と自己との間で物品Wを移動させることで、当該物品Wを移載する。上記のとおり、移載機83の移載対象箇所は、載置部10以外に、収容棚2の外部から物品Wを搬入するための搬入ポート、及び、収容棚2の外部に物品Wを搬出するための搬出ポートが含まれる。本実施形態では、移載機83は、物品Wを支持すると共に奥行方向Xに出退する搬送支持部84を備えている。本例では、搬送支持部84は、物品Wを下方から支持するように構成されている。説明を加えると、搬送支持部84は、物品Wの被係合部(不図示)に下方から係合する複数の搬送突起部(不図示)を備えており、これら複数の搬送突起部が物品Wの被係合部に下方から係合した状態で、搬送支持部84が物品Wの底面を下方から支持するように構成されている。なお、本例では、移載機83は、スライドフォーク式の移載装置である。
【0016】
3.物品検出センサ
物品検出センサ32は、収容棚2の載置部10に載置された物品Wの有無を検出するセンサである。より詳細には、
図1に示すように、物品検出センサ32は、搬送装置4の移載機83が、移載対象箇所として選択された載置部10に対応する位置にある状態で、当該載置部10に載置された物品Wの有無を検出する。ここで、「載置部10に対応する位置」とは、移載機83が、移載対象箇所として選択された載置部10との間で物品Wの移載を行う場合における移載機83の位置である。本例では、物品検出センサ32は、投受光部31と反射板部24とを備えている。投受光部31は、移載機83の搬送支持部84に取り付けられている。反射板部24は、複数の載置部10のそれぞれに対応して設けられ、各載置部10の上に形成された物品Wの収容領域Sよりも奥行方向背面側X2にであって、奥行方向X視で収容領域Sと重複する位置に配置されている。本例では、移載機83が、移載対象箇所として選択された載置部10に対応する移載準備位置に配置された状態で、当該載置部10に物品Wが載置されていない場合には、投受光部31から投光された光が反射板部24に到達し、反射板部24で反射した光が投受光部31で受光される。ここで、反射板部24は、入射光を光源方向に向けて反射する再帰性反射材を用いて構成されている。一方、移載対象箇所として選択された載置部10に物品Wが載置されている場合には、投受光部31から投光された光は物品Wにより遮られ、反射板部24に到達しないため、投受光部31で受光することもない。このように、物品検出センサ32は、投受光部31が反射光を受光するか否かにより、載置部10に載置された物品Wの有無を検出する。
【0017】
4.収容棚
収容棚2は、それぞれに物品Wが載置される複数の載置部10と、複数の載置部10を支持する枠部材6と、複数の載置部10のそれぞれに対応して設けられた載置部付属部材30と、カバー部材3と、を備えている。
図1に示すように、本実施形態では、一対の収容棚2のそれぞれは、収容棚2の正面2Aが通路5の側となる向きで、当該正面2Aが上下方向Z及び幅方向Yに沿うと共に通路5に隣接して設けられている。本例では、一対の収容棚2が、通路5を挟んで奥行方向Xの両側に配置されている。また、一対の収容棚2の正面2Aが、互いに対向するように配置されている。図示の例では、自動倉庫1は、気流発生装置Dを更に備えている(
図1参照)。そして、一対の収容棚2は、気流発生装置Dよりも下方に配置されている。なお、この気流発生装置Dは、収容棚2及び搬送装置4の存在範囲において、上方から下方に向かう気流(ダウンフロー)を発生させる。また、収容棚2の背面2Bには、当該背面2Bを覆うカバー部材3が設けられている(
図2参照)。後に詳細に説明するが、このカバー部材3は、枠部材6に対して着脱自在に固定されている。本例では、一部のカバー部材3(ここでは最も下のカバー部材3と下から2番目のカバー部材3)が、枠部材6に対して容易に着脱できるように構成されている。また、残りのカバー部材3(ここでは下から3番目のカバー部材3より上のカバー部材3)は、容易に着脱できるようにすることを考慮しない形態で枠部材6に固定されている。以下では、容易に着脱できるように構成されたカバー部材3を単にカバー部材3と称し、それ以外のカバー部材3を固定式カバー部材3Kと称する。
【0018】
4-1.載置部
図1及び
図2に示すように、複数の載置部10は、上下方向Z及び幅方向Yに並ぶ状態で配置されている。また、上下方向Zに隣接する2つの載置部10の間に、物品Wが収容される領域である収容領域Sが形成されている。本実施形態では、複数の載置部10のそれぞれは、枠部材6により奥行方向背面側X2から片持ち状態で支持されている。具体的には、複数の載置部10のそれぞれは、後述する背面側枠部16に支持されている。そして、複数の載置部10のそれぞれは、収容領域Sに対し、奥行方向正面側X1から物品Wを出し入れするよう構成されている。本例では、
図4に示すように、複数の載置部10のそれぞれは、収容した物品Wを下方から支持する支持体12と、背面側枠部16に固定される被固定部11とを備えている。ここでは、支持体12と被固定部11とは、同一部材により一体的に形成されている。支持体12は、物品Wの被係合部(不図示)に下方から係合する複数の収容突起部9を備えている。そして支持体12は、これらの収容突起部9が物品Wの被係合部に下方から係合した状態で、物品Wの底面を下方から支持するように構成されている。
【0019】
4-2.枠部材
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、枠部材6は、複数の収容領域Sに対して奥行方向背面側X2に配置された背面側枠部16を備えている。本例では、背面側枠部16は、収容領域Sに対して奥行方向背面側X2に配置された、複数の背面側支柱15と複数の梁17とを含む。梁17は、幅方向Yに沿う姿勢で配置され、幅方向Yに隣り合って配置された一対の背面側支柱15を連結している。そして、複数の梁17は、上下方向Zに分かれて一定間隔で並んで配置されている。また、本例では、枠部材6は、このような背面側枠部16に加えて、収容領域Sに対して奥行方向正面側X1に配置された、複数の正面側支柱14を含む。正面側支柱14は、背面側支柱15と対応する幅方向Yの位置に配置されている。そして、上下方向Zの複数個所において、正面側支柱14と背面側支柱15とが連結梁21により連結されている。連結梁21は、奥行方向Xに沿う姿勢で配置され、対応する幅方向Yの位置に配置された正面側支柱14と背面側支柱15とを互いに連結している。
【0020】
本実施形態では、背面側枠部16に、複数の載置部10がそれぞれ片持ち状態で支持されている。具体的には、複数の梁17のそれぞれに、載置部10の被固定部11が固定されている。載置部10は、背面側枠部16に対して奥行方向正面側X1に突出した状態で、背面側枠部16に支持されている。本例では、幅方向Yに並んで配置された複数の載置部10が、1つの梁17に支持されている。図示の例では、1つの梁17につき、幅方向Yに並ぶ3つの載置部10が支持されている(
図2参照)。
【0021】
本実施形態では、枠部材6に、カバー部材3の取り付け位置を規定する位置決め機構8が設けられている。カバー部材3は、後に詳細に説明するが、収容棚2の背面2Bを覆うように設けられる部材であり、枠部材6に対し着脱自在に構成されている。このカバー部材3に枠部材6に位置決め機構8が設けられることで、カバー部材3を一度取り外した後、再び取り付ける場合に、適正位置に対して位置ずれがない状態でカバー部材3を取り付けることができる。本実施形態では、位置決め機構8は、幅方向Yにおける枠部材6に対するカバー部材3の取り付け位置を規定する第1位置決め部材18と、上下方向Zにおける枠部材6に対するカバー部材3の取り付け位置を規定する第2位置決め部材28と、を備えている。以下では、第1位置決め部材18と、第2位置決め部材28とについて具体的に説明する。
【0022】
本実施形態では、
図3に示すように、第1位置決め部材18は、背面側枠部16に設けられている。そして、第1位置決め部材18は、カバー部材3の幅方向Yにおける両側縁のそれぞれに当接する幅方向当接面19を備えている。本例では、第1位置決め部材18は、上下方向Zに延びる一対の長尺部材18aを備えている。ここでは、1つのカバー部材3を支持する一対の背面側支柱15のそれぞれに1つの長尺部材18aが取り付けられている。これにより、1つのカバー部材3に対して幅方向Yの両側に長尺部材18aが配置されている。そして、カバー部材3が枠部材6に取り付けられた状態で、長尺部材18aのカバー部材3を向く側の面が、第1位置決め部材18の幅方向当接面19として、カバー部材3の幅方向Yにおける両側縁にそれぞれ当接する。
【0023】
本実施形態では、一対の長尺部材18aは、幅方向Yに分かれて配置された一対の背面側支柱15のそれぞれに対して、奥行方向背面側X2から重ね合わされる。
図3に示すように、本例では、幅方向第1側Y1の背面側支柱15に対しては、長尺部材18aの幅方向第2側Y2の側縁が、当該背面側支柱15の幅方向第2側Y2の側縁に沿うように、重ね合わされる。同様に、幅方向第2側Y2の背面側支柱15に対しては、長尺部材18aの幅方向第1側Y1の側縁が、当該背面側支柱15の幅方向第1側Y1の側縁に沿うように、重ね合わされる。
【0024】
また本例では、長尺部材18aを背面側支柱15に固定すると共に、当該長尺部材18aの幅方向Yの取付け位置を規定する第1押さえ部材50が、一対の背面側支柱15のそれぞれに取付けられている。
図3及び
図6に示すように、第1押さえ部材50は、背面側支柱15の奥行方向背面側X2を向く面に、第1締結部材51により、固定されている。そして、第1押さえ部材50は、第1締結部材51の締付けにより、背面側支柱15との間で、長尺部材18aを奥行方向Xに挟持するよう構成されている。これにより、長尺部材18aは、背面側支柱15に固定される。更に、第1押さえ部材50は、幅方向Yにおいて長尺部材18aと当接する第1押さえ部材当接面52を備えている。長尺部材18aは、第1押さえ部材当接面52と当接することにより、幅方向Yにおける取付け位置が規定されている。具体的には、幅方向第1側Y1の背面側支柱15では、長尺部材18aが、第1押さえ部材50の幅方向第2側Y2側を向く第1押さえ部材当接面52と当接している。幅方向第2側Y2の背面側支柱15では、長尺部材18aが、第1押さえ部材50の幅方向第1側Y1側を向く第1押さえ部材当接面52と当接している。このように、第1押さえ部材50は、第1位置決め部材18の幅方向Yの位置決め及び固定を行っている。なお、
図2及び
図3の例では、1つのカバー部材3に対し、一対の長尺部材18a及び一対の第1押さえ部材50がそれぞれ設けられている。
【0025】
本実施形態では、
図3及び
図5に示すように、第2位置決め部材28は、背面側枠部16を構成する複数の梁17のうちの、カバー部材3の下端部に対応する位置に配置されている梁17である。当該梁17は、具体的には、奥行方向X視でカバー部材3の下端部と重複する位置に配置されている。そして、第2位置決め部材28は、カバー部材3における下側を向く被支持面13を支持するように設けられた、上側を向く支持面29を備えている。本例では、カバー部材3が背面側枠部16に取り付けられた状態で、カバー部材3の下端部に対応する位置にある梁17における上側を向く面が、カバー部材3の被支持面13に対して下側から当接する。このような梁17の上側を向く面が、第2位置決め部材28の支持面29となっている。このように、第2位置決め部材28は、カバー部材3を下側から支持して、カバー部材3の上下方向Zにおける取付け位置を規定している。
【0026】
4-3.カバー部材
カバー部材3は、収容棚2の背面2Bの一部又は全部に設定された対象領域Eを覆うように設けられている。本実施形態では、
図2に示すように、カバー部材3は、収容棚2の背面2Bの一部に設定された対象領域Eを覆うように設けられている。そして、複数のカバー部材3を背面2Bに取り付けることで、背面2Bの対象領域Eの全部を覆うように構成されている。本例では複数のカバー部材3が、背面2Bにおいて、上下方向Zに並んで配置されている。なお、本例では、複数のカバー部材3を、上下方向Zに並べて配置する構成としたが、例えば、複数のカバー部材3を幅方向Yに並べて配置する構成としても良い。
【0027】
図1及び
図2に示すように、カバー部材3は、対象領域Eを覆う閉状態から、枠部材6に対して移動して対象領域Eを開放する開状態に状態変更可能に構成されている。本実施形態では、カバー部材3は、枠部材6に対して着脱自在に固定されている。より詳細には、カバー部材3は、背面側枠部16に対して着脱自在に固定されている。すなわち、カバー部材3は、背面側枠部16に取り付けられることで、対象領域Eを覆う閉状態となり、背面側枠部16から取り外されることで、対象領域Eを開放する開状態となる。本例では、カバー部材3は、背面側枠部16に対して、奥行方向背面側X2から固定されている。なお、図示の例では、上記のとおり、固定式カバー部材3K以外の、2枚のカバー部材3が、背面側枠部16に対して容易に着脱できる状態で固定されている。
【0028】
本例では、カバー部材3は、カバー本体部43と、被支持部33と、取手部38とを備えている。取手部38は、収容棚2からカバー部材3を取り外す場合に作業者等が把持する部分である。取手部38は、カバー本体部43に固定されている。図示の例では、1つのカバー部材3につき2個の取手部38が、幅方向Yに並んで設けられている(
図2参照)。
【0029】
被支持部33は、カバー本体部43の下端部に設けられている。具体的には、被支持部33は、カバー本体部43の奥行方向正面側X1を向く面から奥行方向正面側X1に突出するように設けられている。また、被支持部33は、カバー本体部43の奥行方向正面側X1を向く面に固定されている。そして、被支持部33は、第2位置決め部材28(カバー部材3の下端部に対応する位置に配置されている梁17)の支持面29と上方から当接する、上述の被支持面13を備えている。本例では、1つのカバー部材3につき、複数の被支持部33が設けられている。図示の例では、1つのカバー部材3につき、2つの被支持部33が、幅方向Yに分かれて設けられている。また、被支持部33は、第2締結部材34によってカバー本体部43に固定されている。本例では、被支持部33は、幅方向Y視で、L字状となるように屈曲形成された板状部材で構成されている。そして、外側を向く2つの面のうち一方の面がカバー本体部43の奥行方向正面側X1を向く面に当接した状態でカバー本体部43に固定され、他方の面が下方を向く被支持面13とされている。なお、このような被支持部33としては、例えばL型アングル材を用いることができる。
【0030】
カバー本体部43は、板状に形成された部材である。そして、収容棚2の背面2Bの一部を覆うように設けられている。また、カバー本体部43は、奥行方向X視で、複数の収容領域Sを覆うように設けられている。具体的には、1つのカバー部材3のカバー本体部43が、幅方向Y及び上下方向Zに並ぶように形成された複数の収容領域Sを覆うように設けられている(
図3参照)。このため、本例では、カバー本体部43は、奥行方向X視で、矩形状の板状に形成されている。なお、図示の例では、1つのカバー部材3のカバー本体部43が、幅方向Yに3つ、上下方向Zに2段の合計6個の収容領域Sを覆うように構成されている。
【0031】
本実施形態では、
図3及び
図5に示すように、収容棚2は、第2押さえ部材40を更に備えている。第2押さえ部材40は、カバー部材3を枠部材6に取り付けた状態で、カバー部材3の奥行方向Xの移動を規制するための部材である。第2押さえ部材40は、カバー部材3の上端部と下端部とのそれぞれに対応する位置にある背面側枠部16の梁17に取り付けられている。本例では、第2押さえ部材40は、梁17との間でカバー本体部43の上端及び下端を、それぞれ挟み込むよう構成されている。本例では、第2押さえ部材40は、幅方向Yに長い帯状に形成されている。また、第2押さえ部材40は、第3締結部材41により、梁17の奥行方向背面側X2を向く面に固定されている。それぞれの第2押さえ部材40は、第3締結部材41の締付けにより、カバー本体部43の上端及び下端の少なくとも一方を、背面側枠部16との間で挟持する。
図2の例では、第2押さえ部材40は、最も下のカバー部材3の下端部に対応する位置にある梁17(第2位置決め部材28)と、最も下のカバー部材3の上端部及び下から2番目のカバー部材3の下端部に対応する位置にある梁17(第2位置決め部材28)と、下から2番目のカバー部材3の上端部に対応する位置にある梁17とにそれぞれ固定されている。そして、最も下のカバー部材3の下端部に対応する位置にある第2押さえ部材40は、最も下のカバー部材3の下端を梁17との間で挟持している。最も下のカバー部材3の上端部及び下から2番目のカバー部材3の下端部に対応する位置にある第2押さえ部材40は、最も下のカバー部材3の上端と、下から2番目のカバー部材3の下端とを梁17との間で挟持している。下から2番目のカバー部材3の上端部に対応する位置にある第2押さえ部材40は、下から2番目のカバー部材3の上端を梁17との間で挟持している。
【0032】
本例では、カバー部材3を枠部材6から取り外す場合、締付けられた第3締結部材41を緩めることで、カバー本体部43の上端と下端とのそれぞれが、第2押さえ部材40と梁17との間に挟持された状態が解除される。これにより、カバー部材3の枠部材6に対する奥行方向背面側X2への移動の規制が解除される。そして、作業者等が取手部38を把持してカバー部材3を持ち上げることで、第2位置決め部材28が被支持面13を支持する状態が解除される。その後、作業者等が、カバー部材3を、枠部材6に対して奥行方向背面側X2に移動させることで、カバー部材3は、枠部材6から取り外される。このように、カバー部材3を枠部材6から取り外すことで、収容棚2の背面2B側から、載置部10に載置された物品Wを取り出すことが可能となる。
【0033】
4-4.載置部付属部材
図3及び
図4に示すように、載置部付属部材30は、対応する載置部10の上に形成された収容領域Sよりも奥行方向背面側X2且つカバー部材3よりも奥行方向正面側X1であって、奥行方向X視で収容領域Sと重複する位置に配置されている。すなわち、載置部付属部材30は、カバー部材3と、収容領域Sとの間に配置されている。
【0034】
また、複数の載置部付属部材30が、カバー部材3の閉状態から開状態への状態変更に伴って枠部材6に対して移動するように、カバー部材3に固定されている。これにより、カバー部材3を閉状態から開状態にすると、載置部付属部材30も、閉状態における位置から枠部材6に対して移動する。具体的には、カバー部材3が開状態となることにより、載置部付属部材30は、奥行方向X視で収容領域Sと重複しない位置又は、奥行方向X視で収容領域Sと重複するとしても、収容領域Sから物品Wを取り出すことができるように収容領域Sから十分に離れた位置に移動する。本実施形態では、
図3に示すように、載置部付属部材30は、カバー部材3の奥行方向正面側X1を向く面における、複数の載置部10のそれぞれに対応する位置に取り付けられている。具体的には、載置部付属部材30は、カバー本体部43の奥行方向正面側X1を向く面に取り付けられている。また、載置部付属部材30は、複数の載置部10にそれぞれ対応するように、上下方向Z及び幅方向Yに並ぶ状態で、カバー本体部43に取り付けられている。これにより、1つのカバー部材3が覆う収容領域Sの数(図示の例では6個)と同数の載置部付属部材30が、1つのカバー部材3のカバー本体部43に取り付けられている。このような構成により、カバー部材3を枠部材6に取り付けると、複数の載置部付属部材30が、複数の載置部10のそれぞれに対応する位置に配置される。言い換えると、カバー部材3の閉状態において、複数の載置部付属部材30が、複数の載置部10のそれぞれに対応する位置に配置される。本例では、
図3に示すように、カバー部材3を枠部材6に取り付けた状態において、載置部付属部材30は、被支持部33と幅方向Yにずれた位置に配置されている。図示の例では、複数の載置部付属部材30のそれぞれは、第4締結部材35により、カバー本体部43の奥行方向正面側X1を向く面に固定されている。なお、収容棚2の背面2Bにおける固定式カバー部材3Kが設けられている領域については、載置部付属部材30は、載置部10に固定されていても良いし、固定式カバー部材3Kに固定されていても良い。
【0035】
本実施形態では、載置部付属部材30は、載置部10に載置された物品Wの有無を検出する物品検出センサ32を構成する部材である。本例では、載置部付属部材30は、物品検出センサ32を構成する反射板部24に相当する。すなわち、カバー本体部43には、それぞれの載置部10に対応する位置に、反射板部24が取り付けられている。これにより、反射板部24は、移載機83に設けられた投受光部31と協同で、物品検出センサ32として機能する。具体的には、反射板部24は、移載機83が移載準備位置に配置された状態で、投受光部31から投光された光が受光される位置に配置されるように、カバー本体部43の奥行方向正面側X1を向く面に取り付けられている。本例では、このように、反射板部24をカバー部材3に固定しているにことで、載置部付属部材30としての反射板部24が、収容棚2の背面2B側からの物品Wの取出しの邪魔にならないように、カバー部材3と共に取り外すことができる。これにより、載置部付属部材30は、奥行方向X視で収容領域Sと重複しない位置又は、奥行方向X視で収容領域Sと重複するとしても、収容領域Sから物品Wを取り出すことができるように収容領域Sから十分に離れた位置に移動する。
【0036】
〔第2実施形態〕
次に、自動倉庫の第2実施形態について、図面(
図7)を参照して説明する。以下では、本実施形態の自動倉庫について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。特に明記しない点については、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0037】
図7に示すように、本実施形態では、カバー部材3は、背面側枠部16に対して揺動自在に支持されている。本例では、カバー部材3は、背面側支柱15に対して上下方向Zに沿う上下軸心回りに回転可能に支持されている。具体的には、カバー部材3は、背面側支柱15に固定された長尺部材18a(第1位置決め部材18)に、ヒンジ91を介して取り付けられている。そして、カバー部材3は、ヒンジ91における上下軸心回りに旋回することで、対象領域Eを覆う閉状態と対象領域Eを開放する開状態とに状態変更する。このように、本例では、カバー部材3は、扉としての機能を有している。図示の例では、一対の背面側支柱15のそれぞれに、カバー部材3が1つずつ支持されている。そして、カバー部材3の閉状態(カバー部材3を閉めた状態)において、一対のカバー部材3の第2方向内側を向く面同士が当接する。これにより、対象領域Eの全部が一対のカバー部材3に覆われる(
図7参照)。一対のカバー部材3のそれぞれには、取手部38が1つずつ設けられている。このように、図示の例では、一対のカバー部材3は、観音式の扉とされている。なお、1つのカバー部材3が、一対の背面側支柱15のうちの1つの背面側支柱15のみにヒンジ91を介して取り付けられており、カバー部材3の閉状態において、対象領域Eの全部が、1つのカバー部材3に覆われる構成(片開きの扉)としても良い。また、カバー部材3が背面側枠部16に対して、幅方向Yにスライド移動自在に設けられており、カバー部材3を幅方向Yにスライド移動させることで、カバー部材3の閉状態と開状態との状態変更を実現する構成としても良い。
【0038】
本実施形態においても、複数の載置部付属部材30が、カバー部材3の閉状態から開状態への状態変更に伴って枠部材6に対して移動するように、カバー部材3に固定されている。本例では、複数の載置部付属部材30が、一対のカバー部材3のそれぞれに取り付けられている。具体的には、複数の載置部付属部材30は、カバー部材3の奥行方向正面側X1を向く面における、複数の載置部10のそれぞれに対応する位置に取り付けられている。ここで、載置部付属部材30は、カバー部材3の閉状態で、対応する載置部10の上に形成された収容領域Sよりも奥行方向背面側X2且つカバー部材3よりも奥行方向正面側X1であって、奥行方向X視で収容領域Sと重複する位置に配置されている。そして、カバー部材3を閉状態から開状態にすると、載置部付属部材30も、閉状態における位置から枠部材6に対して移動する。具体的には、カバー部材3が開状態となることにより、載置部付属部材30は、奥行方向X視で収容領域Sと重複しない位置又は、奥行方向X視で収容領域Sと重複するとしても、収容領域Sから物品Wを取り出すことができるように収容領域Sから十分に離れた位置に移動する。
【0039】
5.その他の実施形態
次に、自動倉庫のその他の実施形態について説明する。
【0040】
(1)上記の実施形態では、枠部材6に対して着脱自在に固定された複数のカバー部材3のそれぞれが、収容棚2の背面2Bの一部を覆うように設けられている構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、枠部材6に対して着脱自在に固定された複数のカバー部材3により、収容棚2の背面2Bの全部を覆うように構成されていても良い。或いは、枠部材6に対して着脱自在に固定された1枚のカバー部材3により、収容棚2の背面2Bの全部を覆うように構成されていても良い。このような構成は、例えば、収容棚2のサイズが比較的小さい場合等において好適である。
【0041】
(2)上記の実施形態では、枠部材6に、カバー部材3の取付け位置を規定する位置決め機構8を設ける構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、枠部材6に、位置決め機構8を設けない構成としても良い。
【0042】
(3)上記の実施形態では、第2位置決め部材28は、複数の背面側枠部16のうちの、カバー部材3の下端部に対応する位置に配置されている梁17であり、当該梁17の上側を向く面を支持面29とする構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されない。例えば、カバー部材3の下端部に対応する位置の梁17の奥行方向背面側X2を向く面に、カバー本体部43の下側を向く面を支持する支持部材を固定し、当該支持部材を第2位置決め部材28としても良い。
【0043】
(4)上記の実施形態では、載置部付属部材30は、物品検出センサ32の反射板部24である構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、載置部付属部材30は、複数の載置部10のそれぞれに対応して設けられる部材であればなんでも良い。例えば、各種センサを構成する部材や、配管部材、配線部材、載置部10の強度を確保するための補強部材等が載置部付属部材30であっても良い。
【0044】
(5)上記の実施形態では、複数の載置部付属部材30が、カバー部材3の奥行方向正面側X1を向く面における複数の載置部10のそれぞれに対応する位置に取り付けられている構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、複数の載置部付属部材30が、複数の載置部10のうちの一部の載置部10に対応する位置にのみ取り付けられている構成としても良い。
【0045】
(6)上記の実施形態では、カバー部材3は、背面側枠部16に対して着脱自在に固定されている構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、カバー部材3は、枠部材6における背面側枠部16以外の部分に対して着脱自在に固定されていても良い。
【0046】
(7)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【0047】
6.上記実施形態の概要
以下では、上記において説明した自動倉庫の概要について説明する。
【0048】
自動倉庫は、複数の物品を収容可能な収容棚と、前記収容棚の正面に沿って移動して前記物品を搬送する搬送装置と、を備えた自動倉庫であって、前記収容棚は、それぞれに前記物品が載置される複数の載置部と、複数の前記載置部を支持する枠部材と、複数の前記載置部のそれぞれに対応して設けられた載置部付属部材と、カバー部材と、を備え、前記カバー部材は、前記収容棚の背面の一部又は全部に設定された対象領域を覆うように設けられ、前記収容棚の前記正面及び前記背面の一方から他方へ向かう方向を奥行方向とし、前記奥行方向に沿う奥行方向視で上下方向に直交する方向を幅方向とし、前記奥行方向における前記背面から前記正面へ向かう側を奥行方向正面側とし、前記奥行方向における前記正面から前記背面へ向かう側を奥行方向背面側として、
複数の前記載置部は、前記上下方向及び前記幅方向にそれぞれ複数並ぶように配置され、前記上下方向に隣接する2つの前記載置部の間に、前記物品が収容される領域である収容領域が形成され、前記カバー部材は、前記対象領域を覆う閉状態から、前記枠部材に対して移動して前記対象領域を開放する開状態に状態変更可能に構成されており、前記載置部付属部材は、対応する前記載置部の上に形成された前記収容領域よりも前記奥行方向背面側且つ前記カバー部材よりも前記奥行方向正面側であって前記奥行方向視で前記収容領域と重複する位置に配置され、複数の前記載置部付属部材が、前記カバー部材の前記閉状態から前記開状態への状態変更に伴って前記枠部材に対して移動するように、前記カバー部材に固定されている。
【0049】
一般的に、収容棚の背面がカバー部材により覆われていると、搬送装置が故障や停電等によって停止した場合等に、収容棚から物品を取り出すことが困難となる。しかし、本構成によれば、収容棚の背面を覆うカバー部材が、枠部材に対して対象領域を覆う閉状態から、枠部材に対して移動して対象領域を解放する開状態に状態変更可能に構成されているため、カバー部材を開状態に状態変更することにより、収容棚の背面側から載置部に載置された物品を取り出すことができる。
ここで、仮に載置部付属部材が載置部に固定されていると、このような背面側からの物品の取り出しに際して、載置部付属部材が邪魔になる位置関係となる。しかし、本構成によれば、載置部付属部材は、カバー部材に固定されており、カバー部材の状態変更に伴って前記枠部材に対して移動する。そのため、カバー部材が開状態では、載置部付属部材も閉状態における位置から枠部材に対して移動した状態となり、載置部付属部材が、収容棚の背面側からの物品の取り出しの邪魔になることがない。
従って、搬送装置が故障や停電等によって停止したような非常時であっても、比較的容易に物品を取り出すことができる。
【0050】
ここで、前記枠部材に、前記カバー部材の取り付け位置を規定する位置決め機構が設けられていると好適である。
【0051】
本構成によれば、カバー部材を開状態にした後、再び閉状態にした場合に、適正位置に対して位置ずれがない状態で、カバー部材を閉状態に状態変更することができる。よって、載置部付属部材が、例えばセンサを構成する部材や、物品を位置決めする部材等のように、配置される位置が重要な部材である場合でも、カバー部材の状態変更による載置部付属部材の位置ずれを回避することができる。
【0052】
また、前記位置決め機構は、前記幅方向における前記枠部材に対する前記カバー部材の取り付け位置を規定する第1位置決め部材と、上下方向における前記枠部材に対する前記カバー部材の取り付け位置を規定する第2位置決め部材と、を備え、前記第1位置決め部材は、前記カバー部材の前記幅方向における両側縁のそれぞれに当接する幅方向当接面を備え、前記第2位置決め部材は、前記カバー部材における下側を向く被支持面を支持するように設けられた、上側を向く支持面を備えると好適である。
【0053】
本構成によれば、収容棚に取り付けられるカバー部材の、枠部材に対する幅方向及び上下方向における位置決めを適切に行うことができる。よって、カバー部材の開状態と閉状態との状態変更による当該カバー部材及び載置部付属部材の位置ずれを回避することができる。
【0054】
また、前記載置部付属部材は、前記載置部に載置された前記物品の有無を検出する物品検出センサを構成する部材であると好適である。
【0055】
既に物品が載置されている載置部に対して、搬送装置が誤って物品の載置動作を行うことを回避するために、各載置部に載置された物品の有無を検出する物品検出センサが用いられる場合がある。この場合において、当該物品検出センサによる物品の検出を高精度に行うために、当該物品検出センサを構成する部材が各載置部に対応する収容領域よりも奥行方向背面側であって、奥行方向視で前記収容領域と重複する位置に配置される場合がある。
本構成によれば、このような場合であっても、当該物品検出センサを構成する部材が背面側からの物品の取り出しの邪魔にならないようにすることができる。
【0056】
また、前記載置部付属部材は、前記カバー部材の前記奥行方向正面側を向く面における、複数の前記載置部のそれぞれに対応する位置に取り付けられていると好適である。
【0057】
本構成によれば、カバー部材を、対象領域を覆う閉状態に状態変更することで、カバー部材に固定された載置部付属部材が、複数の載置部のそれぞれに対応する位置に配置される。よって、カバー部材を開状態にした後、再び閉状態にした場合でも、載置部付属部材を、複数の載置部のそれぞれに対して適切な位置に配置させることができる。
【0058】
また、前記枠部材は、複数の前記収容領域に対して前記奥行方向背面側に配置された背面側枠部を備え、前記カバー部材は、前記背面側枠部に対して着脱自在に固定され、又は、前記背面側枠部に対して揺動自在に支持されていると好適である。
【0059】
本構成によれば、枠部材に対するカバー部材の着脱作業や、枠部材に対するカバー部材の揺動操作を比較的容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示に係る技術は、自動倉庫に利用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 :自動倉庫
2 :収容棚
2A :正面
2B :背面
3 :カバー部材
4 :搬送装置
6 :枠部材
8 :位置決め機構
10 :載置部
13 :被支持面
16 :背面側枠部
18 :第1位置決め部材
19 :幅方向当接面
28 :第2位置決め部材
29 :支持面
30 :載置部付属部材
32 :物品検出センサ
40 :部材
50 :部材
E :対象領域
S :収容領域
W :物品
X :奥行方向
X1 :奥行方向正面側
X2 :奥行方向背面側
Y :幅方向
Z :上下方向