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特許7494865編集方法、プログラム、情報処理装置、及び印刷装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】編集方法、プログラム、情報処理装置、及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20240528BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20240528BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G06F3/04842
B41J3/36 T
B41J21/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022008172
(22)【出願日】2022-01-21
(65)【公開番号】P2023107073
(43)【公開日】2023-08-02
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 健一
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-185336(JP,A)
【文献】特開2017-162317(JP,A)
【文献】特開平07-152922(JP,A)
【文献】特開平07-271994(JP,A)
【文献】特開平05-081393(JP,A)
【文献】特開2001-243488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01、3/048-3/04895
B41J 3/36
B41J 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
オブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面を表示部に表示させ、
前記編集画面上のオブジェクトの各々が、少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で行われる前記編集画面内の範囲を指定する操作を含む利用者による操作に基づいて選択状態と非選択状態とのいずれか一方にされるための選択条件として、選択された状態の前記オブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする第3の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする第4の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトを除く全てのオブジェクトを選択状態にする第5の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトの全てを選択状態にする第6の選択条件と、のいずれか1つを含む選択条件を、切り替え可能にする、
処理を実行することを特徴とする編集方法。
【請求項2】
前記利用者による操作は、前記編集画面内の範囲を指定する操作を含み、
前記選択条件は、指定された範囲内に自領域の全部が含まれるオブジェクトを選択状態にする第1の選択条件と、指定された前記範囲内に少なくとも一部の自領域が含まれるオブジェクトを選択状態にする第2の選択条件と、の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の編集方法。
【請求項3】
前記利用者による操作は、少なくとも1つのオブジェクトを選択する操作を含み、
前記選択条件は、選択された状態の前記オブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする第7の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする第8の選択条件と、選択された前記オブジェクトを除く全てのオブジェクトを選択状態にする第9の選択条件と、のいずれか1つを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の編集方法。
【請求項4】
前記コンピュータが、
前記編集画面内の範囲を指定する操作が行われている間に、前記選択条件に基づいて、選択状態になり得るオブジェクトが選択対象外のオブジェクトと比べて強調されるようにオブジェクトの表示を変更する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の編集方法。
【請求項5】
オブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面を表示部に表示させ、
前記編集画面上のオブジェクトの各々が、少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で行われる前記編集画面内の範囲を指定する操作を含む利用者による操作に基づいて選択状態と非選択状態とのいずれか一方にされるための選択条件として、選択された状態の前記オブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする第3の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする第4の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトを除く全てのオブジェクトを選択状態にする第5の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトの全てを選択状態にする第6の選択条件と、のいずれか1つを含む選択条件を、切り替え可能にする、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
オブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面を表示装置に表示させ、前記編集画面上のオブジェクトの各々が、少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で行われる前記編集画面内の範囲を指定する操作を含む利用者による操作に基づいて選択状態と非選択状態とのいずれか一方にされるための選択条件として、選択された状態の前記オブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする第3の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする第4の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトを除く全てのオブジェクトを選択状態にする第5の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトの全てを選択状態にする第6の選択条件と、のいずれか1つを含む選択条件を、切り替え可能にする制御部
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
被印刷媒体への印刷を行う印刷部と、
被印刷媒体に印刷するオブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面を表示部に表示させ、前記編集画面上のオブジェクトの各々が、少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で行われる前記編集画面内の範囲を指定する操作を含む利用者による操作に基づいて選択状態と非選択状態とのいずれか一方にされるための選択条件として、選択された状態の前記オブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする第3の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする第4の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトを除く全てのオブジェクトを選択状態にする第5の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトの全てを選択状態にする第6の選択条件と、のいずれか1つを含む選択条件を、切り替え可能にする制御部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、編集方法、プログラム、情報処理装置、及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テープ状の被印刷媒体への印刷を行う印刷装置の利用者は、印刷装置自身又は専用のアプリケーションを実行する情報処理装置を利用して、被印刷媒体に印刷する文字や図形等のオブジェクトのレイアウトを編集することができる。オブジェクトのレイアウトの編集中、利用者は、所定の選択操作を行うことにより、編集画面内に配置された複数のオブジェクトのなかから所望のオブジェクトを選択することができる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-119015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マウスドラッグ等の編集画面内に配置されたオブジェクトを選択するための選択操作が行われると、印刷装置自身又は情報処理装置は、選択操作と対応付けられた選択条件を満たすオブジェクトを、選択された状態であることを示す表示に変更する。しかしながら、従来の編集処理では、選択条件が固定的である。例えば、編集画面内で範囲を指定する選択操作と対応付けられる選択条件は、一般的に、指定された範囲内に全体が含まれるオブジェクトを選択オブジェクトとすること、及び指定された範囲内に少なくとも一部が含まれるオブジェクトを選択オブジェクトとすることのいずれか一方に定められている。このため、編集画面内に配置されたオブジェクトの数が多くなると、予め定められた選択操作により所望のオブジェクトのみを選択することが難しくなり、利用者への負担が増大する。
【0005】
本発明の一側面に係る目的は、被印刷媒体に印刷させるオブジェクトのレイアウトの編集作業における利用者への負担を抑制することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る編集方法は、コンピュータが、オブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面を表示部に表示させ、前記編集画面上のオブジェクトの各々が、少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で行われる前記編集画面内の範囲を指定する操作を含む利用者による操作に基づいて選択状態と非選択状態とのいずれか一方にされるための選択条件として、選択された状態の前記オブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする第3の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする第4の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトを除く全てのオブジェクトを選択状態にする第5の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトの全てを選択状態にする第6の選択条件と、のいずれか1つを含む選択条件を、切り替え可能にする、処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様によれば、被印刷媒体に印刷させるオブジェクトのレイアウトの編集作業における利用者への負担を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理装置と組み合わせて利用することが可能な印刷装置の一例を示す図である。
図2】印刷装置内部の機構を概略的に説明する図である。
図3】情報処理装置及び印刷装置の構成例を示すブロック図である。
図4】オブジェクトのレイアウトを編集するアプリケーションの表示画面の一例を示す図である。
図5】編集画面内に配置された複数のオブジェクトの第1の例を示す図である。
図6】選択条件を全部にして範囲を指定したときのオブジェクトの表示例を示す図である。
図7】選択条件を一部にして範囲を指定したときのオブジェクトの表示例を示す図である。
図8】情報処理装置が行うオブジェクトの選択に関する処理の第1の例を説明するフローチャートである。
図9】オブジェクトの選択に関する処理の第1の例における選択オブジェクト及び非選択オブジェクトの例を説明する図である。
図10】選択条件の第2の例と編集画面内に配置された複数のオブジェクトの第2の例を示す図である。
図11】選択条件を同じ種類にして範囲を指定したときのオブジェクトの表示例を示す図である。
図12】選択条件を他の種類にして範囲を指定したときのオブジェクトの表示例を示す図である。
図13】情報処理装置が行うオブジェクトの選択に関する処理の第2の例を説明するフローチャートである。
図14】選択条件の第3の例と範囲を指定したときのオブジェクトの表示例を示す図である。
図15】範囲を指定する操作が行われているときのオブジェクトの表示方法の別の例を説明する図である。
図16】範囲を指定する操作が行われている間に情報処理装置が行うオブジェクトの表示に関する処理の例を説明するフローチャートである。
図17】選択条件の第4の例と編集画面内に配置された複数のオブジェクトの第1の例を示す図である。
図18】選択条件を対象にしたときのオブジェクトの表示例を示す図である。
図19】選択条件を非対象にしたときのオブジェクトの表示例を示す図である。
図20】選択条件を反転にしたときのオブジェクトの表示例を示す図である。
図21】情報処理装置が行うオブジェクトの選択に関する処理の第3の例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、情報処理装置と組み合わせて利用することが可能な印刷装置の一例を示す図である。図2は、印刷装置内部の機構を概略的に説明する図である。図2には、感熱式の印刷装置における被印刷媒体の搬送経路に沿った機構を概略的に示している。
【0011】
図1に例示した印刷装置10は、情報処理装置1から送信された印刷データに基づいて、テープ状の被印刷媒体21への印刷、及び被印刷媒体21のカットを行うことができる。情報処理装置1は、印刷装置10に対応する専用のアプリケーション2を実行可能な装置であり、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン等の汎用のコンピュータであり得る。情報処理装置1と印刷装置10とは、既知の近距離無線通信規格に従った無線通信、又は伝送ケーブルを介した有線での通信を行うことができる。
【0012】
図1に例示した印刷装置10は、第1の部材11と第2の部材12とにより構成される装置筐体内に、被印刷媒体21を供給するカセット(媒体アダプタ)を装着する装着部と、被印刷媒体21を搬送する搬送機構と、被印刷媒体21への印刷を行う印刷機構と、被印刷媒体21をカットするカット機構が設けられている。また、装置筐体内には、搬送機構、印刷機構、及びカット機構の動作を制御する制御回路等の各種電子部品が設けられている。第2の部材(蓋部材)12は、第1の部材11に着脱自在であり、第2の部材12を第1の部材11から取り外すことにより、被印刷媒体21を巻き取ったロール20が収容されたカセット(媒体アダプタ)を装置筐体内に装着することができる。図2に例示したように、ロール20からほどかれた被印刷媒体21は、サーマルヘッド15とプラテンローラ16との間を通る搬送経路に沿って搬送される。サーマルヘッド15は、印刷機構の一部であり、被印刷媒体21に熱エネルギーを印加する。プラテンローラ16は、搬送機構の一部であり、被印刷媒体21を搬送経路に沿って搬送する。サーマルヘッド15とプラテンローラ16とは、少なくとも被印刷媒体21を搬送するときに被印刷媒体21を挟持するように構成されている。プラテンローラ16は、例えば、被印刷媒体21を搬送経路の下流に向けて搬送する方向への回転(正転)と、被印刷媒体21を搬送経路の上流に向けて搬送する方向への回転(逆転)とを行うことができる。搬送経路に沿って下流側に搬送された被印刷媒体21は、第1の部材11に設けられた排出口1101から印刷装置10の外部に排出される。
【0013】
印刷データに基づいて被印刷媒体21への印刷を行うとき、印刷装置10は、まず、被印刷媒体21の始端(搬送経路下流側の先端)が図2に例示した頭出し位置になるように被印刷媒体21を搬送する。その後、印刷装置10は、プラテンローラ16を正転させて被印刷媒体21を搬送しながらサーマルヘッド15により被印刷媒体21への印刷を行う。また、印刷装置10は、例えば、被印刷媒体21への印刷が終了した後等の所定のタイミングで、第1のカッター1701又は第2のカッター1702により被印刷媒体21をカットすることができる。第1のカッター1701は、被印刷媒体21に対してフルカットと呼ばれるカットを行うカッターであり、フルカット位置で被印刷媒体21の全体をカットして2つに分割する。第2のカッター1702は、被印刷媒体21に対してハーフカットと呼ばれるカットを行うカッターである。第2のカッター1702は、ハーフカット位置で被印刷媒体21をカットする。被印刷媒体21が粘着層及び剥離紙を有する多層構造の粘着テープタイプの媒体である場合、第2のカッター1702は、ハーフカット位置と重なる被印刷媒体21のハーフカットラインにおける剥離紙を除く他の層をカットする。第2のカッター1702は、ハーフカット位置と重なる被印刷媒体21のハーフカットラインを、カットされた区間とカットされていない区間とが繰り返されるミシン目状にカットするものであってもよい。
【0014】
図1に例示した印刷装置10は、上述のように、情報処理装置1から送信された印刷データに基づいて、被印刷媒体21への印刷やカットを行うことができる。このため、図1に例示した印刷装置10は、印刷データの作成に利用可能なキーボードが省略されている。図1に例示した印刷装置10の第1の部材11の外面には、印刷装置10の動作に関する操作ボタン13及び表示ランプ14が配置されている。操作ボタン13は、例えば、電源のオン・オフを行うボタン、無線通信の種類(規格)を切り替えるボタン、及び再印刷を行うボタンを含む。表示ランプ14は、例えば、電源のオン・オフの状態を示すランプ、有効な無線通信の種類を示すランプ、及びエラーを通知するランプを含む。
【0015】
図3は、情報処理装置及び印刷装置の構成例を示すブロック図である。図3の情報処理装置1及び印刷装置10における各ブロックは、機能構成を例示するものであり、以下に説明するように、ハードウェア構成と関連付けられる。
【0016】
情報処理装置1は、制御部30、記憶部31、入力部32、表示部33、及び通信部34を含む。制御部30は、情報処理装置1で実施可能な各種動作を制御する。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部31に記憶されたOS(Operation System)のプログラムや各種アプリケーションプログラムを実行することにより情報処理装置1の動作を制御する。プロセッサが実行するアプリケーションプログラムは、印刷装置10と連携させるアプリケーションプログラムを含む。
【0017】
記憶部31は、制御部30による情報処理装置1の動作の制御に利用可能な各種情報等を記憶する。記憶部31には、例えば、制御部30としてのプロセッサが実行するプログラム、及びプログラムの実行中に参照するデータ、プログラムの実行中に生成されたデータ等を記憶することができる。記憶部31は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。記憶部31は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の内蔵型の補助記憶装置を含んでもよい。記憶部31は、メモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体を含んでもよい。
【0018】
入力部32は、情報処理装置1に各種情報を入力する操作を受け付ける。入力部32は、例えば、キーボードやマウスを含む。表示部33は、情報処理装置1の動作に関する各種情報を表示する。表示部33は、例えば、液晶ディスプレイを含む。情報処理装置1がタブレット型コンピュータやスマートフォンの場合、入力部32及び表示部33の組み合わせに、液晶ディスプレイの表示領域上にデジタイザ(位置検出器)を重ねて配置したタッチパネルディスプレイが含まれてもよい。
【0019】
通信部34は、少なくとも、印刷装置10に適用された通信規格に従って印刷装置10と通信する。通信部34は、例えば、Wi-Fi(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy。登録商標)等の既知の近距離無線通信規格による外部装置との無線通信が可能な通信インタフェースを含む。通信部34は、例えば、USBケーブル等の汎用のコネクタを有する伝送ケーブルを接続可能な端子を含んでもよい。
【0020】
なお、情報処理装置1は、図3を参照して上述した構成に限らず、他の構成を含んでもよい。また、図3に例示した情報処理装置1における1つのブロックは、単一のハードウェアに限らず、複数のハードウェアの組み合わせであってもよい。例えば、制御部30は、プログラムを処理するCPU等の第1のプロセッサと、表示部33の表示を制御するDSP(Digtal Signal Processor)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の第2のプロセッサとを含んでもよい。更に、図3に例示した情報処理装置1における複数のブロックが単一のハードウェアにより実現されてもよいし、1つのブロックと対応するハードウェアが他のブロックの機能と対応するハードウェア要素を含んでもよい。
【0021】
印刷装置10は、制御部40、記憶部41、入力部42、表示部43、通信部44、検知部45、搬送部46、印刷部47、及びカット部48を含む。制御部40は、印刷装置10で実施可能な各種動作を制御する。制御部40は、CPU等のプロセッサであり、記憶部41に記憶されたOSのプログラムや被印刷媒体21への印刷に関連する各種プログラムを実行することにより印刷装置10の動作を制御する。被印刷媒体21への印刷に関連する各種プログラムは、例えば、情報処理装置1との通信に関するプログラム、印刷データに基づいて搬送部46、印刷部47、及びカット部48の動作を制御するプログラムを含む。
【0022】
記憶部41は、制御部40による印刷装置10の動作の制御に利用可能な各種情報等を記憶する。記憶部41には、例えば、制御部40としてのプロセッサが実行するプログラム、及びプログラムの実行中に参照する印刷データ等を記憶することができる。記憶部41は、ROM及びRAMを含む。記憶部41は、メモリカードやUSBメモリ等の可搬型記録媒体を含んでもよい。
【0023】
入力部42は、印刷装置10に各種情報を入力する操作を受け付ける。表示部43は、情報処理装置1の動作に関する各種情報を表示する。図1に例示した印刷装置10では、操作ボタン13が入力部42と対応し、表示ランプ14が表示部43と対応する。なお、印刷装置10の入力部42は、例えば、被印刷媒体21に印刷する文字等の入力に利用可能なキーボードを含んでもよい。また、印刷装置10の表示部43は、例えば、液晶ディスプレイ等の文字情報を表示可能な表示装置を含んでもよい。
【0024】
通信部44は、所定の通信規格に従って情報処理装置1等の外部装置と通信する。通信部44は、例えば、Wi-Fi及びBLE等の既知の近距離無線通信規格による外部装置との無線通信が可能な通信インタフェースを含む。通信部44は、例えば、USBケーブル等の汎用のコネクタを有する伝送ケーブルを接続可能な端子を含んでもよい。
【0025】
検知部45は、被印刷媒体21に関する各種情報を検知する。検知部45は、例えば、ロール20を収容したカートリッジ(媒体アダプタ)が装着されているか否か及びロール20(被印刷媒体21)の幅を検知する第1のセンサ、搬送経路上の被印刷媒体21の有無を検知する第2のセンサを含む。
【0026】
搬送部46は、制御部40からの制御信号に従って被印刷媒体21を搬送する。搬送部46は、上述の搬送機構と対応し、プラテンローラ16、プラテンローラ16を回転させるモータ、及び被印刷媒体21の搬送量を示す情報を取得するエンコーダを含む。印刷部47は、制御部40からの制御信号に従って被印刷媒体21への印刷を行う。印刷部47は、上述の印刷機構と対応し、サーマルヘッド15、サーマルヘッド15の発熱素子に印加する電流を制御する制御回路、及びサーマルヘッド15の温度を検出するサーミスタを含む。カット部48は、制御部40からの制御信号に従って、被印刷媒体21をカットする。カット部48は、上述のカット機構と対応し、第1のカッター1701、第2のカッター1702、及び各カッターを動作させるモータを含む。
【0027】
なお、印刷装置10は、図3を参照して上述した構成に限らず、他の構成を含んでもよい。例えば、印刷装置10の検知部45は、被印刷媒体21の色を検知するセンサや、図2を参照して上述した頭出し位置に被印刷媒体21の先端を移動させるためのセンサを含んでもよい。また、印刷装置10は、図3を参照して上述した構成のいくつかが省略されていてもよい。例えば、印刷装置10のカット部48は、被印刷媒体21をハーフカットする第2のカッター1702が省略されていてもよい。また、カット部48のカッターは、利用者が所定のボタンを押すことで印加される外力により動作して被印刷媒体21をカットする構成であってもよい。
【0028】
上述したように、情報処理装置1は、印刷データを作成するためのアプリケーションプログラムを実行することができる。情報処理装置1においてアプリケーションプログラムを起動すると、被印刷媒体21に印刷させる文字や図形等のオブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面(表示画面)が表示部33に表示される。
【0029】
図4は、オブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面の一例を示す図である。図4に例示した編集画面200は、アプリケーションの1つのウィンドウ(作業領域)として、表示部33の表示領域の全体又は一部分に表示される。
【0030】
編集画面200は、メニュー領域210、編集領域220、及び補助情報領域230を含む。メニュー領域210には、アプリケーションで実行可能な処理が、キーボードやマウスの操作により指定可能な態様で表示される。メニュー領域210には、オブジェクトの1つである文字列を横書きで入力する処理を選択するボタン211や、縦書きで入力する処理を選択するボタン212等が表示される。編集領域220には、被印刷媒体21を示す媒体領域221、及び被印刷媒体21に印刷する文字や図形等のオブジェクトが表示される。補助情報領域230には、媒体領域221の寸法を示す情報231や、オブジェクトの選択条件を示す情報232等が表示される。
【0031】
図4に例示した編集領域220内の媒体領域221は、印刷に使用する被印刷媒体21の印刷時の搬送方向(言い換えると、図2のプラテンローラ16を正転させたときの搬送方向)を左方向として表示されている。この場合、媒体領域221の左辺221a(及び右辺221b)の長さが、印刷に使用する被印刷媒体21の幅であり、補助情報領域230の情報231におけるラベル幅と対応する。ラベル幅は、例えば、被印刷媒体21への印刷に使用する印刷装置10で対応している被印刷媒体21の幅のなかから選択することができる。また、媒体領域221の左辺221aから右辺221bまでの距離が、印刷装置10により被印刷媒体21への印刷を行って作成するラベル(被印刷媒体21の媒体片)の長さであり、補助情報領域230の情報231におけるラベル長さと対応する。ラベル長さは、例えば、被印刷媒体21への印刷に使用する印刷装置10で対応している最短長以上の任意の長さに設定することができる。ラベルの長さは、例えば、編集領域220のスライダ229をルーラーに沿って移動させること、又は補助情報領域230の情報231におけるラベル長さを示す数値を入力することにより変更可能である。
【0032】
図4に例示した媒体領域221内の破線の矩形222は、印刷装置10により被印刷媒体21への印刷を行うときの印刷可能領域と媒体領域221の外周部に設定される余白領域との境界を示す。アプリケーションを実行している情報処理装置1の利用者は、例えば、破線の矩形222で囲まれた印刷可能領域内にオブジェクトが収まるように、文字や図形等のオブジェクトのレイアウトを編集する。
【0033】
図5は、編集画面内に配置された複数のオブジェクトの第1の例を示す図である。図5には、図4に例示した編集画面200の編集領域220のうちの媒体領域221が表示された部分及びその周辺部分に相当する部分領域220Pを示している。
【0034】
図5に例示した部分領域220Pには、4つの文字オブジェクト240~243と、1つの第1の種類の図形オブジェクト250と、1つの第2の種類の図形オブジェクト260とが配置されている。なお、各オブジェクト240~243、250、及び260における二点鎖線の矩形は、オブジェクトの形状及び寸法(言い換えると、編集画面200内でオブジェクトと認識される領域)をわかりやすくするために図示したものであり、情報処理装置1の表示部33に表示される部分領域220Pを含む編集画面200内では表示されない。
【0035】
部分領域220P内に配置されたオブジェクト240~243、250、及び260のうちの1つ以上のオブジェクトを選択する操作は、一般に、選択するオブジェクトを直接指定する操作と、編集領域220内で範囲を指定する操作との2通りに大別される。選択するオブジェクトを直接指定する操作は、例えば、マウスを動かしてポインタ300を選択するオブジェクト(例えば、文字オブジェクト240)と重なる位置(より具体的には、図5において二点鎖線の矩形で表される領域内)に移動させた後、マウスをクリックする操作である。編集領域220内で範囲を指定する操作は、例えば、マウスをドラッグする操作である。情報処理装置1が上述したタッチパネルディスプレイを有する場合、タッチパネルディスプレイに表示されたオブジェクト(より具体的には、図5において二点鎖線の矩形で示される領域内)を指やスタイラス等でタッチすることにより、オブジェクトを直接指定(選択)することができる。また、情報処理装置1が上述したタッチパネルディスプレイを有する場合、編集領域220内の一点に接触させた指やスタイラス等を接触させた状態のまま別の点に移動させて離すことにより、編集領域220内で範囲を指定することができる。
【0036】
従来のアプリケーションにおいて編集領域220内で範囲を指定する操作が行われた場合に、指定された範囲に基づいてオブジェクトの各々が選択状態と非選択状態とのいずれか一方にされるための選択条件は、次の2つの選択条件のいずれか一方に定められている。第1の選択条件は、指定された範囲内に全体が含まれるオブジェクトが選択状態にされ、その他のオブジェクトは非選択状態にされる選択条件である。第2の選択条件は、指定された範囲内に少なくとも一部分が含まれるオブジェクトが選択状態にされ、その他のオブジェクトは非選択状態にされる選択条件である。指定された範囲内に全体が含まれるオブジェクトは、例えば、図5に例示した二点鎖線の矩形内の領域全体が指定された範囲内に含まれるオブジェクトである。指定された範囲内に少なくとも一部分が含まれるオブジェクトは、例えば、図5に例示した二点鎖線の矩形内の領域の少なくとも一部分が指定された範囲内に含まれるオブジェクトである。
【0037】
第1の選択条件と第2の選択条件のいずれを適用するかは、アプリケーション毎に異なる。このため、オブジェクトのレイアウトを編集するアプリケーションに適用されている選択条件が利用者にとって使いやすい選択条件とは異なる場合があり、アプリケーションの利便性が低下することがある。また、第1の選択条件及び第2の選択条件のいずれか一方に定められている場合、範囲を指定する操作により所望の複数のオブジェクトのみを選択することが困難になることがある。範囲を指定する操作により所望の複数のオブジェクトのみを選択することが困難な場合、利用者は、例えば、特定のキーを押しながら複数のオブジェクトのそれぞれを直接指定する操作等を行うことになる。
【0038】
これに対し、本発明の実施形態に係るアプリケーションでは、範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件を第1の選択条件及び第2の選択条件のいずれにするかを、利用者により切り替え可能になっている。例えば、利用者は、図4に例示した編集画面200に表示されているオブジェクトの選択条件を示す情報232内のラジオボタンにより、範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件を、第1の選択条件と対応する「全部」と第2の選択条件と対応する「一部」とのいずれか一方に指定することができる。また、利用者は、アプリケーションの実行中に、情報232内のラジオボタンにより、範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件を切り替えることができる。なお、オブジェクトの選択条件を示す情報232は、図4に例示した編集画面200の補助情報領域230内に限らず、編集画面200内の他の領域に表示されていてもよい。また、オブジェクトの選択条件を示す情報232は、例えば、アプリケーションが実行されている間、編集画面200内のいずれかの領域に常に表示されていてもよいし、メニュー領域210を利用した設定変更等の操作が行われたときに表示されてもよい。更に、オブジェクトの選択条件を示す情報232は、編集画面200内に限らず、例えば、編集画面200とは別のサブ画面(サブウィンドウ)で表示され、編集画面200とは別個に表示部33の表示領域内での表示位置を変更することが可能であってもよい。
【0039】
図6は、選択条件を全部にして範囲を指定したときのオブジェクトの表示例を示す図である。図7は、選択条件を一部にして範囲を指定したときのオブジェクトの表示例を示す図である。図6及び図7は、それぞれ、図5に例示したオブジェクト240~243、250、及び260が配置された部分領域220P内で範囲を指定する操作を行ったときのオブジェクトの表示例を示している。また、図6及び図7のXY直交座標系は、表示部33の表示領域(又は編集画面200の編集領域220)に設定される座標系である。X軸は右方向が正の方向であり、xb>xaである。Y軸は下方向が正の方向であり、yb>yaである。
【0040】
図6に例示したオブジェクトの選択条件を示す情報232では、ラジオボタンにより「全部」が指定されている。この場合、アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件を、第1の選択条件(すなわち、指定された範囲内に全体が含まれるオブジェクトは選択状態にされ、その他のオブジェクトは非選択状態にされる選択条件)にする。このため、例えば、マウスをドラッグして範囲SAを指定した場合、情報処理装置1は、指定された範囲SA内に全体が含まれるオブジェクトのみを選択状態のオブジェクトとして表示する。情報処理装置1は、例えば、部分領域220Pを含む編集領域220内における、指定された範囲SAの左上Qaの座標(xa,ya)及び右下Qbの座標(xb,yb)と、配置されたオブジェクトの左上の座標及び右下の座標(より具体的には、図5に例示した二点鎖線の矩形における左上の座標及び右下の座標)とに基づいて、オブジェクトの全体が指定された範囲SA内に含まれるか否かを判定する。図5に例示したオブジェクト240~243、250、及び260のうちの図6に例示した範囲SA内に全体が含まれるオブジェクトは、「横書き」という文字オブジェクト240と、「123」という文字オブジェクト243のみである。従って、情報処理装置1は、「横書き」という文字オブジェクト240を、選択状態であることを示す表示240aにするとともに、「123」という文字オブジェクト243を、選択状態であることを示す表示243aにした編集画面200を表示部33に表示する。図6に例示した表示240a及び243aは、それぞれ、オブジェクトを囲む枠とオブジェクトの寸法を変更可能なハンドル(図6中に「○」で示された要素)とをオブジェクトとともに表示することにより、選択状態であることを示している。
【0041】
一方、図7に例示したオブジェクトの選択条件を示す情報232では、ラジオボタンにより「一部」が指定されている。この場合、アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件を、第2の選択条件(すなわち、指定された範囲内に少なくとも一部分が含まれるオブジェクトは選択状態にされ、その他のオブジェクトは非選択状態にされる選択条件)にする。このため、例えば、マウスをドラッグして範囲SAを指定した場合、情報処理装置1は、指定された範囲SA内に少なくとも一部分が含まれるオブジェクトのみを選択状態のオブジェクトとして表示する。情報処理装置1は、例えば、部分領域220Pを含む編集領域220内における、指定された範囲SAの左上Qaの座標(xa,ya)及び右下Qbの座標(xb,yb)と、配置されたオブジェクトの左上の座標及び右下の座標とに基づいて、オブジェクトの少なくとも一部が指定された範囲SA内に含まれるか否かを判定する。図5に例示したオブジェクト240~243、250、及び260の全てが、図7に例示した範囲SA内に少なくとも一部分が含まれるオブジェクトである。従って、情報処理装置1は、図5に例示したオブジェクト240~243、250、及び260のそれぞれを、選択状態であることを示す表示240a~243a、250a、及び260aにした編集画面200を表示部33に表示する。
【0042】
アプリケーションにおける範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件が「一部」と対応する第2の選択条件に固定されている場合、範囲を指定する操作により、図5に例示した「横書き」という文字オブジェクト240と「123」という文字オブジェクト243との2つのみを選択することは困難である。このため、利用者は、例えば、所定のキーを押しながら、「横書き」という文字オブジェクト240を直接指定する操作と「123」という文字オブジェクト243を直接指定する操作とを行うことになる。一方、アプリケーションにおける範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件が「全部」と対応する第1の選択条件に固定されている場合、範囲を指定する操作により、図5に例示した全てのオブジェクト240~243、250、及び260を選択する場合、指定する範囲が広くなる。このため、例えば、利用者がマウスをドラッグする際のマウスの移動量が大きくなり範囲の指定に失敗することや、選択したいオブジェクトの端部がマウスをドラッグして指定した範囲外になってしまいオブジェクトの選択に失敗することがあった。
【0043】
これに対し、本発明の実施形態に係るアプリケーションでは、上述のように、範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件を第1の選択条件及び第2の選択条件のいずれにするかを、利用者が指定し適宜切り替えることができる。このため、第1の選択条件及び第2の選択条件のいずれか一方に固定されているアプリケーションと比べて、オブジェクトを選択する操作による利用者への負担を抑制することができる。
【0044】
図8は、情報処理装置が行うオブジェクトの選択に関する処理の第1の例を説明するフローチャートである。図8のフローチャートは、図5図7を参照して上述したオブジェクトの選択に関する処理の一例である。アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、1つ以上のオブジェクトが配置された編集領域220内で範囲を指定する操作が行われたときに、図8に例示した処理を開始する。
【0045】
情報処理装置1は、まず、指定された範囲SAの左上の座標(xa,ya)及び右下の座標(xb,yb)を取得する(ステップS1)。ステップS1において、情報処理装置1は、マウス等のポインティングデバイスを操作して表示部33の表示領域内の範囲を指定したときに行われる既知の処理により、例えば、表示領域内に設定される座標系における範囲SAの左上の座標(xa,ya)及び右下の座標(xb,yb)を取得する。表示領域内に設定される座標系は、例えば、編集画面200の編集領域220内に設定される座標系であってもよい。その後、情報処理装置1は、編集画面200の編集領域220内に配置されたオブジェクト毎に、選択状態及び非選択状態のどちらにするかを判定するループ処理(ステップS2~S9)を行い、選択状態にすると判定されたオブジェクト(選択オブジェクト)の表示を選択状態であることを示す表示に切り替える(ステップS10)。
【0046】
情報処理装置1は、例えば、ループ処理の始端(ステップS2)において判定の対象にするオブジェクトを選択する。次に、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトの左上の座標(x1,y1)及び右下の座標(x2,y2)を取得する(ステップS3)。ステップS3において、情報処理装置1は、範囲SAの左上の座標(xa,ya)及び右下の座標(xb,yb)と対応する表示領域内の座標系における、判定対象のオブジェクトの左上の座標(x1,y1)及び右下の座標(x2,y2)を取得する。オブジェクトの左上の座標(x1,y1)及び右下の座標(x2,y2)は、図5等に例示したオブジェクトの形状及び寸法を示す二点鎖線の矩形における左上の座標(x1,y1)及び右下の座標(x2,y2)である。
【0047】
次に、情報処理装置1は、オブジェクトの選択条件が第2の判定条件と対応する一部と第1の判定条件と対応する全部とのどちらであるかを判定する(ステップS4)。
【0048】
オブジェクトの選択条件が全部である場合(ステップS4;全部)、情報処理装置1は、x1≧xaかつy1≧yaかつx2≦xbかつy2≦ybを満たすか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、判定対象のオブジェクトの全部が指定された範囲SA内に含まれるか否かを判定することができればよい。このため、ステップS5の判定条件は、x1≧xaかつy1≧yaかつx2≦xbかつy2≦ybを満たすか否かに限らず、他の判定条件であってもよい。ステップS5の判定条件を満たす場合(ステップS5;YES)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトは選択状態にするオブジェクト(選択オブジェクト)であるとする(ステップS7)。ステップS5の判定条件を満たしていない場合(ステップS5;NO)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトは非選択状態にするオブジェクト(非選択オブジェクト)であるとする(ステップS8)。
【0049】
一方、オブジェクトの選択条件が一部である場合(ステップS4;一部)、情報処理装置1は、x1>xb又はx2<xa又はy1>yb又はy2<yaを満たすか否かを判定する(ステップS6)。x1>xb又はx2<xa又はy1>yb又はy2<yaを満たす場合、判定対象のオブジェクトの全部が範囲SAの外側にある。ステップS6では、判定対象のオブジェクトの少なくとも一部が指定された範囲SA内に含まれるか否かを判定することができればよい。このため、ステップS6の判定条件は、x1>xb又はx2<xa又はy1>yb又はy2<yaを満たすか否かに限らず、他の判定条件であってもよい。ステップS6の判定条件を満たす場合(ステップS6;YES)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトは非選択オブジェクトであるとする(ステップS8)。ステップS6の判定条件を満たしていない場合(ステップS6;NO)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトは選択オブジェクトであるとする(ステップS7)。
【0050】
ステップS7又はS8の後、情報処理装置1は、例えば、ループ処理の終端(ステップS9)において、編集領域220内に配置された全てのオブジェクトについて選択オブジェクト及び非選択オブジェクトのいずれであるかを特定したかを判定する。選択オブジェクト及び非選択オブジェクトのいずれであるかを特定していないオブジェクトが残っている場合、情報処理装置1は、ループ処理を継続する。全てのオブジェクトについて選択オブジェクト及び非選択オブジェクトのいずれであるかを特定すると、情報処理装置1は、ループ処理を終了して選択オブジェクトの表示を選択状態であることを示す表示に切り替え(ステップS10)、オブジェクトの選択に関する処理を終了する。
【0051】
なお、図5図7を参照して上述したオブジェクトの選択方法を実現するために情報処理装置1に実行させる処理は、図8に例示したフローチャートに沿った処理に限らず、適宜変更可能である。
【0052】
図9は、オブジェクトの選択に関する処理の第1の例における選択オブジェクト及び非選択オブジェクトの例を説明する図である。図9に例示した6つの二点鎖線の矩形270~275は、それぞれ、部分領域220P(編集領域220)に配置されたオブジェクトの外形を示す。また、図9のXY直交座標系は、表示部33の表示領域(又は編集画面200の編集領域220)に設定される座標系である。X軸は右方向が正の方向であり、xb>xaである。Y軸は下方向が正の方向であり、yb>yaである。
【0053】
利用者が範囲SAを指定する操作を行うとき、一般には、範囲SAの左上Qaを始点とし、右下Qbを終点とするような操作を行う。しかしながら、範囲SAを指定する操作は、そのような操作に限らず、例えば、範囲SAの右上を始点とし、左下を終点とする操作等であってもよい。一方、部分領域220P(編集領域220)に配置されたオブジェクトの位置及び寸法は、オブジェクトの外形を示す二点鎖線の矩形における左上の座標(x1,y1)と右下の座標(x2,y2)とで表される。このため、範囲SAを指定する操作が行われたことに応答してオブジェクトが選択オブジェクト及び非選択オブジェクトのいずれであるかを判定する場合には、指定された範囲SAを左上Qaの座標(xa,ya)及び右下Qbの座標(xb,yb)で表す。このようにすることで、範囲SAの左上Qaの座標(xa,ya)及び右下Qbの座標(xb,yb)と、判定対象のオブジェクトの左上の座標(x1,y1)及び右下の座標(x2,y2)とに基づいて、判定対象のオブジェクトと範囲SAとの重なりの度合いを判定することができる。
【0054】
図8を参照して説明したステップS5の判定では、判定対象のオブジェクトの全部が指定された範囲SA内に含まれるか否かを判定する。図9に例示したオブジェクト270のように全体が範囲SA内に含まれる場合、x1>xaかつy1>yaかつx2<xbかつy2<ybとなる。また、範囲SA内に全部が含まれるオブジェクトのうちの寸法が最大となるオブジェクトは(x1,y1)=(xa,ya)かつ(x2,y2)=(xb,yb)となるオブジェクトである。このため、指定された範囲SA内に全部が含まれるオブジェクトは、x1≧xaかつy1≧yaかつx2≦xbかつy2≦ybを満たす。従って、オブジェクトの選択条件が図8を参照して上述した第1の選択条件と対応する全部である場合、x1≧xaかつy1≧yaかつx2≦xbかつy2≦ybを満たすオブジェクトが、選択状態にするオブジェクトとなる。このとき、図9に例示したオブジェクト271~275は、x1≧xaかつy1≧yaかつx2≦xbかつy2≦ybを満たしていない(すなわち、少なくとも一部分が範囲SAの外側に存在する)ため、非選択状態にするオブジェクトとなる。
【0055】
一方、図8を参照して説明したステップS6の判定では、判定対象のオブジェクトの少なくとも一部分が指定された範囲SA内に含まれるか否かを判定する。このような判定は、例えば、判定対象のオブジェクトの全部が範囲SAの外側に位置するか否かに置き換えることにより簡易な判定条件で効率よく行うことができる。例えば、範囲SAよりも上方に位置するオブジェクト272は、範囲SAに最も近い下辺の位置を示す座標y2がy2<yaとなる。範囲SAよりも下方に位置するオブジェクト273は、範囲SAに最も近い上辺の位置を示す座標y1がy1>ybとなる。範囲SAよりも左方に位置するオブジェクト274は、範囲SAに最も近い右辺の位置を示す座標x2がx2<xaとなる。範囲SAよりも右方に位置するオブジェクト275は、範囲SAに最も近い左辺の位置を示すx1がx1>xbとなる。このため、x1>xb又はx2<xa又はy1>yb又はy2<yaを満たすオブジェクトは、上述のように、全部が範囲SAの外側に存在するオブジェクトとなる。すなわち、x1>xb又はx2<xa又はy1>yb又はy2<yaを満たしていないオブジェクトは、少なくとも一部分が範囲SA内に含まれるオブジェクトと言える。例えば、選択条件が一部(第2の選択条件)である場合には、図9に例示したオブジェクト270及び271が、x1>xb又はx2<xa又はy1>yb又はy2<yaを満たしていない(すなわち、少なくとも一部分が範囲SA内に含まれる)ため、選択状態にするオブジェクトとなる。
【0056】
このように、本発明の実施形態に係るアプリケーションを実行する情報処理装置1の利用者は、編集領域220内の範囲SAを指定する操作を行ったときに選択状態にするオブジェクトを特定するための選択条件を、範囲SA内に全部が含まれるオブジェクトが選択状態にされる第1の選択条件と、範囲SA内に少なくとも一部分が含まれるオブジェクトが選択状態にされる第2の選択条件とから選択すること、及び切り替えることができる。このため、選択条件が固定されている場合に比べて、オブジェクトを選択する処理における利用者の負担を抑制することができる。
【0057】
図10は、選択条件の第2の例と編集画面内に配置された複数のオブジェクトの第2の例を示す図である。図10には、選択条件の第2の例を示す情報233と、編集画面200の編集領域220の部分領域220Pとを示している。また、図10のXY直交座標系は、表示部33の表示領域(又は編集画面200の編集領域220)に設定される座標系である。X軸は右方向が正の方向であり、Y軸は下方向が正の方向である。
【0058】
図10を参照して説明するオブジェクトの選択方法は、編集領域220内に配置された少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で編集領域220内の範囲を指定する操作を開始する方法である。図10には、部分領域220P(編集領域220)に配置された複数のオブジェクトの例として、1個の文字オブジェクト245、1個の第3の種類の図形オブジェクト280、及び12個の第2の種類の図形オブジェクト261を示している。図形オブジェクト280は、QRコード(登録商標)である。12個の図形オブジェクト261のうちの左上に位置する1個の図形オブジェクト261は、利用者の操作により選択されており、選択状態であることを示す表示261aになっている。他のオブジェクト245、280、及び261を囲む二点鎖線の矩形は、図5を参照して上述したように、表示部33には表示されない。
【0059】
選択条件の第2の例を示す情報233は、例えば、上述した情報232と同様、編集画面200の補助情報領域230内等に表示される。情報233は、少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で行われる範囲を指定する操作によって指定された範囲SAに基づいて選択状態にするオブジェクトの種類を、範囲を指定する操作の開始時に選択されていたオブジェクトと同じ種類にする第3の選択条件と、異なる種類にする第4の選択条件とのいずれであるかを示す。また、情報233は、第3の選択条件及び第4の選択条件のいずれの選択条件でオブジェクトを選択するかを利用者が指定し適宜変更することができるように構成されている。なお、オブジェクトが選択された状態で行われる範囲を指定する操作は、オブジェクトが選択された状態で開始される範囲を指定する操作を含む。すなわち、オブジェクトが選択された状態で範囲を指定する操作を開始した場合、その操作が行われている間の、開始時に選択された状態であったオブジェクトの表示は、選択状態であることを示す表示のままであってもよいし、非選択状態であることを示す表示に変更されてもよい。
【0060】
図11は、選択条件を同じ種類にして範囲を指定したときのオブジェクトの表示例を示す図である。図12は、選択条件を他の種類にして範囲を指定したときのオブジェクトの表示例を示す図である。図11及び図12は、それぞれ、図10に例示したオブジェクト245、280、及び261が配置された部分領域220P内で範囲を指定する操作を行ったときのオブジェクトの表示例を示している。また、図11及び図12のXY直交座標系は、表示部33の表示領域(又は編集画面200の編集領域220)に設定される座標系である。X軸は右方向が正の方向であり、xb>xaである。Y軸は下方向が正の方向であり、yb>yaである。なお、図11及び図12では、オブジェクトの形状及び寸法を示す二点鎖線の矩形のうちのいくつかを省略している。
【0061】
図11に例示したオブジェクトの選択条件を示す情報233では、ラジオボタンにより「同じ種類」が指定されている。この場合、アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件を、第3の選択条件(すなわち、範囲を指定する操作が行われたときに選択された状態であったオブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする選択条件)にする。例えば、図10に例示したように三角形のオブジェクト261が選択された状態で範囲を指定する操作が開始されると、図11の2つの部分領域220Pのうちの上側の部分領域220Pに示したように、オブジェクト261が非選択状態の表示に変更されるとともに、指定される範囲SA’を示す矩形が表示される。その後、範囲を指定する操作が完了すると、情報処理装置1は、完了した操作により指定された範囲内に含まれる三角形のオブジェクト261の全てを選択状態にする。例えば、図11の12個の三角形のオブジェクト261の全てが含まれる範囲SAが指定されると、情報処理装置1は、図11の2つの部分領域220Pのうちの下側の部分領域220Pに示したように、範囲SA内の12個の三角形のオブジェクト261の全てを、選択状態であることを示す表示261aに変更した編集画面200を表示部33に表示する。このとき、情報処理装置1は、指定された範囲SA内に含まれ、上側の6個の三角形のオブジェクト261の組と下側の6個の三角形のオブジェクト261の組との間に配置されている文字のオブジェクト245及びQRコードのオブジェクト280は選択状態にしない。すなわち、利用者は、範囲を指定する操作により三角形のオブジェクト261のみを容易に選択することができる。
【0062】
一方、図12に例示したオブジェクトの選択条件を示す情報233では、ラジオボタンにより「他の種類」が指定されている。この場合、アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件を、第4の選択条件(すなわち、範囲を指定する操作が行われたときに選択された状態であったオブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする選択条件)にする。例えば、図12の2つの部分領域220Pのうちの上側の部分領域220Pに示したように、三角形のオブジェクト261のうちの1つが選択された場合、情報処理装置1は、文字のオブジェクト245及びQRコードのオブジェクト280を、三角形のオブジェクト261とは異なる種類のオブジェクトと判定する。このため、三角形のオブジェクト261が選択された状態で範囲を指定する操作を開始し、その操作により指定される範囲SAが確定すると、例えば、図12の2つの部分領域220Pのうちの下側の部分領域220Pに示したように、範囲SA内に含まれるオブジェクト245、280、及び261のうちの三角形のオブジェクト261を除くオブジェクト245及び280が選択状態であることを示す表示245a及び280aに変更される。
【0063】
図13は、情報処理装置が行うオブジェクトの選択に関する処理の第2の例を説明するフローチャートである。図13のフローチャートは、図10図12を参照して上述したオブジェクトの選択に関する処理の一例である。アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、編集領域220内に配置されたオブジェクトが選択された状態で開始された範囲を指定する操作が完了したときに、図13に例示した処理を開始する。
【0064】
情報処理装置1は、まず、選択状態で表示するオブジェクトの種類を特定する(ステップS21)とともに、指定された範囲SAの左上の座標(xa,ya)及び右下の座標(xb,yb)を取得する(ステップS22)。ステップS21において、情報処理装置1は、例えば、範囲を指定する操作を開始したときに選択された状態であるオブジェクトの種類と、図10図12を参照して上述した情報233において指定されているオブジェクトの選択条件とに基づいて、選択状態で表示するオブジェクトの種類を特定する。ステップS22において、情報処理装置1は、マウス等のポインティングデバイスを操作して表示部33の表示領域内の範囲を指定したときに行われる既知の処理により、例えば、表示領域内に設定される座標系における範囲SAの左上の座標(xa,ya)及び右下の座標(xb,yb)を取得する。表示領域内に設定される座標系は、例えば、編集画面200の編集領域220内に設定される座標系であってもよい。ステップS21及びS22の処理は、この順序に限らず、逆の順序で行ってもよいし、並列に行ってもよい。
【0065】
ステップS21及びS22の後、情報処理装置1は、編集画面200の編集領域220内に配置されたオブジェクト毎に、選択状態及び非選択状態のどちらにするかを判定するループ処理(ステップS23~S31)を行い、選択状態にすると判定したオブジェクト(選択オブジェクト)の表示を選択状態であることを示す表示に切り替える(ステップS32)。
【0066】
情報処理装置1は、例えば、ループ処理の始端(ステップS23)において判定の対象にするオブジェクトを選択する。次に、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトが、ステップS21で特定した種類のオブジェクトであるか否かを判定する(ステップS24)。判定対象のオブジェクトが特定した種類のオブジェクトである場合(ステップS24;YES)、情報処理装置1は、例えば、図8を参照して上述した処理におけるステップS3~ステップS8と対応する処理(ステップS25~S30)を行う。範囲SA内に全てが含まれるオブジェクトのみを選択状態にする選択条件(第1の選択条件)が指定されている場合(ステップS26;全部)、情報処理装置1は、x1≧xaかつy1≧yaかつx2≦xbかつy2≦ybを満たすオブジェクトを選択状態で表示させる選択オブジェクトとし(ステップS29)、満たしていないオブジェクトを非選択状態で表示させる非選択オブジェクトとする(ステップS30)。一方、範囲SA内に少なくとも一部分が含まれるオブジェクトを選択状態にする選択条件(第2の選択条件)が指定されている場合(ステップS26;一部)、情報処理装置1は、x1>xb又はx2<xa又はy1>yb又はy2<yaを満たしていないオブジェクトを選択オブジェクトとし(ステップS29)、満たしているオブジェクトを非選択オブジェクトとする(ステップS30)。
【0067】
一方、ステップS24において、判定対象のオブジェクトが特定した種類のオブジェクトではないと判定した場合(ステップS24;YES)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトを非選択オブジェクトとする(ステップS30)。
【0068】
ステップS29又はS30の後、情報処理装置1は、例えば、ループ処理の終端(ステップS31)において、編集領域220内に配置された全てのオブジェクトについて選択オブジェクト及び非選択オブジェクトのいずれであるかを特定したかを判定する。選択オブジェクト及び非選択オブジェクトのいずれであるかを特定していないオブジェクトが残っている場合、情報処理装置1は、ループ処理を継続する。全てのオブジェクトについて選択オブジェクト及び非選択オブジェクトのいずれであるかを特定すると、情報処理装置1は、ループ処理を終了して選択オブジェクトの表示を選択状態であることを示す表示に切り替え(ステップS32)、オブジェクトの選択に関する処理を終了する。
【0069】
なお、図10図12を参照して上述したオブジェクトの選択方法を実現するために情報処理装置1に実行させる処理は、図13に例示したフローチャートに沿った処理に限らず、適宜変更可能である。
【0070】
図14は、選択条件の第3の例と範囲を指定したときのオブジェクトの表示例を示す図である。図14には、選択条件の第3の例を示す情報234と、編集画面200の編集領域220の部分領域220Pとを示している。また、図14のXY直交座標系は、表示部33の表示領域(又は編集画面200の編集領域220)に設定される座標系である。X軸は右方向が正の方向であり、Y軸は下方向が正の方向である。また、図14では、オブジェクトの形状及び寸法を示す二点鎖線の矩形のいくつかを省略している。
【0071】
図14を参照して説明するオブジェクトの選択方法は、編集領域220内に配置された少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で編集領域220内の範囲を指定する操作が行われた(開始された)ときの選択方法の別の例である。図14には、部分領域220P(編集領域220)に配置された複数のオブジェクトの例として、2個の文字オブジェクト245及び246と、12個の図形(三角形)オブジェクト261を示している。2つの部分領域220Pのうちの上側の部分領域220Pでは、2個の文字オブジェクトのうちの「新製品資料」というオブジェクト245が利用者の操作により選択されており、選択状態であることを示す表示245aになっている。他のオブジェクト246及び261を囲む二点鎖線の矩形は、図5を参照して上述したように、表示部33には表示されない。
【0072】
選択条件の第3の例を示す情報234は、例えば、上述した情報232及び233等と同様、編集画面200の補助情報領域230内等に表示される。情報234は、少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で行われた範囲を指定する操作によって指定された範囲SAに基づいて選択状態にするオブジェクトを、範囲を指定する操作が行われたときに選択されていたオブジェクト以外の全てにする第5の選択条件と、範囲を指定する操作が行われたときに選択されていたオブジェクト以外でありかつ異なる種類のものにする第6の選択条件とのいずれであるかを示す。また、情報234は、第5の選択条件及び第6の選択条件のいずれの選択条件でオブジェクトを選択するかを利用者が指定し適宜変更することができるように構成されている。
【0073】
図14に例示した情報234では、ラジオボタンにより「指定オブジェクト以外(全種類)」が指定されている。この場合、アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件を第5の選択条件(すなわち、範囲を指定する操作が行われたときに選択されていたオブジェクト以外の全てを選択状態のオブジェクトにする選択条件)にする。例えば、図14に例示したように文字のオブジェクト245が選択された状態で範囲を指定する操作が行われ(開始され)、範囲SAが指定されると、図14の2つの部分領域220Pのうちの下側の部分領域220Pに示したように、範囲を指定する操作の開始時に選択されていたオブジェクト245が非選択状態になり、範囲SA内の他のオブジェクト246及び261を、選択状態であることを示す表示246a及び261aに変更した編集画面200を表示部33に表示する。
【0074】
また、図を参照した説明は省略するが、図14に例示した情報234において、ラジオボタンにより「指定オブジェクト以外(他の種類)」が指定されている場合、アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、範囲を指定する操作が行われたときのオブジェクトの選択条件を第6の選択条件(すなわち、範囲を指定する操作が行われたときに選択されていたオブジェクト以外であり、かつ種類が異なるオブジェクトを選択状態のオブジェクトにする選択条件)にする。この場合、例えば、図14に例示したような範囲SAが指定されると、範囲を指定する操作の開始時に選択されていたオブジェクト245が非選択状態になり、範囲SA内の種類が文字以外のオブジェクト261を、選択状態であることを示すオブジェクト表示261aに変更した編集画面200を表示部33に表示する。
【0075】
図15は、範囲を指定する操作が行われているときのオブジェクトの表示方法の別の例を説明する図である。図15には、図10図12を参照して説明したオブジェクトの表示方法についての別の例を示している。
【0076】
図10図12に例示したオブジェクトを選択する処理では、範囲を指定する操作が行われている間、各オブジェクトが非選択オブジェクトとして表示される。このため、例えば、範囲を指定する操作が行われている間に表示部33に表示される表示画面において選択対象であるオブジェクトの種類が分かりにくい。このような選択対象であるオブジェクトの種類が分かりにくさを改善するために、例えば、図15に例示したように、範囲を指定する操作が行われている間、選択対象に特定された種類以外の種類のオブジェクトの色を薄くしてもよい。図15では、図形(三角形)のオブジェクト261が選択された状態で範囲を指定する操作が行われ(開始され)、かつオブジェクトの選択条件を示す情報233において「同じ種類」が指定されている。この場合、情報処理装置1は、範囲を指定する操作が行われている間、三角形のオブジェクト261とは種類が異なる文字のオブジェクト245及びQRコード280を、選択対象外であることを示す色の薄い表示245b及び280bに変更して表示する。これにより、利用者は、範囲を指定する操作が行われている間も選択対象であるオブジェクトの種類を容易に把握することができる。
【0077】
図16は、範囲を選択する処理が行われている間に情報処理装置が行うオブジェクトの表示に関する処理の例を説明するフローチャートである。図16のフローチャートに沿った処理は、例えば、図13に例示したフローチャートに沿った処理が開始される前に行われる編集領域220内で範囲を指定する操作と並列に行われる。より具体的には、情報処理装置1は、編集領域220に配置されたオブジェクトが選択された状態で編集領域220内の範囲を指定する操作が開始されると、図16のフローチャートに沿った処理を開始する。
【0078】
情報処理装置1は、まず、選択状態で表示するオブジェクトの種類を特定する(ステップS41)。ステップS41において、情報処理装置1は、例えば、範囲を指定する操作を開始したときに選択されているオブジェクトの種類と、図10図12を参照して上述した情報233において指定されているオブジェクトの選択条件とに基づいて、選択状態で表示するオブジェクトの種類を特定する。その後、情報処理装置1は、編集画面200の編集領域220内に配置されたオブジェクト毎に、ステップS41で特定した種類のオブジェクトであるか否かを判定し、特定した種類のオブジェクトの表示色を薄くするループ処理(ステップS42~S45)を行う。
【0079】
情報処理装置1は、例えば、ループ処理の始端(ステップS42)において判定の対象にするオブジェクトを選択する。次に、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトが、ステップS41で特定した種類のオブジェクトであるか否かを判定する(ステップS43)。判定対象のオブジェクトが特定した種類のオブジェクトではない場合(ステップS43;NO)、情報処理装置1は、例えば、判定対象のオブジェクトの表示色を薄くする(ステップS44)。その後、情報処理装置1は、例えば、ループ処理の終端(ステップS45)において、編集領域220内に配置された全てのオブジェクトについてステップS41で特定した種類であるか否かを判定したかを判定する。ステップS41で特定した種類であるか否かを判定していないオブジェクトが残っている場合、情報処理装置1は、ループ処理を継続する。全てのオブジェクトについてステップS41で特定した種類であるか否かを判定すると、情報処理装置1は、ループ処理を終了し、範囲を指定する操作が行われている間のオブジェクトの表示に関する処理を終了する。
【0080】
なお、図15を参照して上述したオブジェクトの表示を実現するために情報処理装置1に実行させる処理は、図16に例示したフローチャートに沿った処理に限らず、適宜変更可能である。例えば、図15及び図16を参照して上述したオブジェクトの表示は、例えば、利用者により選択(指定)された選択条件と、範囲を指定する操作の開始時に選択されているオブジェクトの種類とに基づいて、選択状態になり得るオブジェクトが選択対象外のオブジェクト(非選択オブジェクト)と比べて相対的に強調されるように表示部33に表示されるような処理であればよい。
【0081】
図17は、選択条件の第4の例と編集画面内に配置された複数のオブジェクトの第1の例を示す図である。図17には、選択条件の第4の例を示す情報235と、編集画面200の編集領域220の部分領域220Pとを示している。図17の部分領域220Pは、図5に例示した部分領域220Pと対応する。また、図17のXY直交座標系は、表示部33の表示領域(又は編集画面200の編集領域220)に設定される座標系である。X軸は右方向が正の方向であり、Y軸は下方向が正の方向である。
【0082】
図17を参照して説明するオブジェクトの選択方法は、編集領域220内に配置された少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態であるときに、オブジェクトを直接指定する操作及び範囲を指定する操作とは異なる操作によりオブジェクトの選択条件を変更する方法の一例である。図17には、部分領域220P(編集領域220)に配置された複数のオブジェクトの例として、4個の文字オブジェクト240~243、1個の第1の種類の図形オブジェクト250、及び1個の第2の種類の図形オブジェクト260を示している。4個の文字オブジェクト240~243のうちの「横書き」という文字オブジェクトは、利用者により選択された状態であり、選択状態であることを示す表示240aに変更されている。他のオブジェクト241~243、250、及び260を囲む二点鎖線の矩形は、図5を参照して上述したように、表示部33には表示されない。
【0083】
選択条件の第4の例を示す情報235は、例えば、上述した情報232及び233等と同様、編集画面200の補助情報領域230内等に表示される。情報235は、オブジェクトの選択条件が、選択中のオブジェクトと同じ種類のオブジェクトの全てを選択状態にする第7の選択条件と、選択中のオブジェクトとは異なる種類のオブジェクトの全てを選択状態にする第8の選択条件と、選択中のオブジェクトとは異なる全てのオブジェクトを選択状態にする第9の選択条件とのいずれであるかを示す。また、情報235は、第7の選択条件、第8の選択条件、及び第9の選択条件のいずれの選択条件でオブジェクトを選択するかを利用者が指定し適宜変更することができるように構成されている。
【0084】
図18は、選択条件を対象にしたときのオブジェクトの表示例を示す図である。図19は、選択条件を非対象にしたときのオブジェクトの表示例を示す図である。図20は、選択条件を反転にしたときのオブジェクトの表示例を示す図である。図18図20のXY直交座標系は、表示部33の表示領域(又は編集画面200の編集領域220)に設定される座標系である。X軸は右方向が正の方向であり、Y軸は下方向が正の方向である。図18図20では、オブジェクトの形状及び寸法を示す二点鎖線の矩形のいくつかを省略している。
【0085】
図18に例示した情報235では、ラジオボタンにより「対象」が指定されている。この場合、アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、第7の選択条件に基づいて、「対象」を指定する操作が行われたときに選択されているオブジェクトと同じ種類のオブジェクトの全てを、選択状態であることを示す表示にする。図17に例示したように文字のオブジェクト240が選択されている(選択状態であることを示す表示240aになっている)ときに「対象」を指定する操作が行われると、情報処理装置1は、図18に例示したように、編集領域220に配置されているオブジェクトのうちの、文字のオブジェクト240~243の全てを、選択状態であることを示す表示240a~243aで表示する。
【0086】
図19に例示した情報235では、ラジオボタンにより「非対象」が指定されている。この場合、アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、第8の選択条件に基づいて、「非対象」を指定する操作が行われたときに選択されているオブジェクトとは異なる種類のオブジェクトの全てを、選択状態であることを示す表示にする。図17に例示したように文字のオブジェクト240が選択されているときに「非対象」を指定する操作が行われると、情報処理装置1は、図19に例示したように、編集領域220に配置されているオブジェクトのうちの図形のオブジェクト250及び260を、選択状態であることを示す表示250a及び260aで表示する。
【0087】
図20に例示した情報235では、ラジオボタンにより「反転」が指定されている。この場合、アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、第9の選択条件に基づいて、「反転」を指定する操作が行われたときに選択されているオブジェクトを除く全てのオブジェクトを、選択状態であることを示す表示にする。図17に例示したように文字のオブジェクト240が選択されているときに「反転」を指定する操作が行われると、情報処理装置1は、図20に例示したように、編集領域220に配置されているオブジェクトのうちの文字のオブジェクト240を除く全てのオブジェクト241~243、250、及び260を、選択状態であることを示す表示241a~243a、250a、及び260aで表示する。
【0088】
図21は、情報処理装置が行うオブジェクトの選択に関する処理の第3の例を説明するフローチャートである。図21のフローチャートは、図17図20を参照して上述したオブジェクトの選択に関する処理の一例である。アプリケーションを実行中の情報処理装置1は、例えば、編集領域220内に配置されたオブジェクトが選択されると、図17等に例示した情報235を編集画面200内に表示させて図21に例示した処理を開始する。情報235を表示する位置は、編集画面200内の特定の位置に限定されない。また、情報235は、編集画面200内に限らず、編集画面200とは別のサブ画面(サブウィンドウ)として表示されてもよい。
【0089】
情報処理装置1は、まず、情報235と関連付けられるオブジェクトの選択条件が確定したか否かを判定する(ステップS51)。ステップS51において、情報処理装置1は、例えば、情報235に含まれるラジオボタンにより「対象」、「非対象」、及び「反転」のいずれかを指定(選択)する操作が行われた場合に、選択条件が確定したと判定する。選択条件が確定した場合(ステップS51;Yes)、情報処理装置1は、選択中のオブジェクトの識別情報及び種類を取得する(ステップS52)。オブジェクトの識別情報は、編集領域220内に配置されたオブジェクトをオブジェクト単位で識別(区別)する情報である。その後、情報処理装置1は、編集画面200の編集領域220内に配置されたオブジェクト毎に、選択状態にするオブジェクトであるか否かを判定するループ処理(ステップS53~S60)を行い、選択状態にすると判定したオブジェクト(選択オブジェクト)の表示を選択状態であることを示す表示に切り替える(ステップS61)。
【0090】
情報処理装置1は、例えば、ループ処理の始端(ステップS53)において判定の対象にするオブジェクトを選択する。次に、情報処理装置1は、ステップS51で確定した選択条件が対象、非対象、及び反転のいずれであるかを判定する(ステップS54)。
【0091】
選択条件が対象である場合(ステップS54;対象)、情報処理装置1は、次に、判定対象のオブジェクトが選択中のオブジェクトと同じ種類であるか否かを判定する(ステップS55)。同じ種類である場合(ステップS55;YES)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトを選択状態であることを示す表示にするオブジェクト(選択オブジェクト)とする(ステップS58)。同じ種類ではない場合(ステップS55;NO)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトを非選択状態であることを示す表示にするオブジェクト(非選択オブジェクト)とする(ステップS59)。
【0092】
選択条件が非対象である場合(ステップS54;非対象)、情報処理装置1は、次に、判定対象のオブジェクトが選択中のオブジェクトと同じ種類であるか否かを判定する(ステップS56)。同じ種類である場合(ステップS56;YES)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトを非選択オブジェクトとする(ステップS59)。同じ種類ではない場合(ステップS56;NO)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトを選択オブジェクトとする(ステップS58)。
【0093】
選択条件が反転である場合(ステップS54;反転)、情報処理装置1は、次に、オブジェクトの識別情報に基づいて、判定対象のオブジェクトが選択中のオブジェクトであるか否かを判定する(ステップS57)。判定対象のオブジェクトが選択中のオブジェクトである場合(ステップS57;YES)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトを非選択オブジェクトとする(ステップS59)。判定対象のオブジェクトが選択中のオブジェクトではない場合(ステップS57;NO)、情報処理装置1は、判定対象のオブジェクトを選択オブジェクトとする(ステップS58)。
【0094】
ステップS58又はS59の後、情報処理装置1は、例えば、ループ処理の終端(ステップS60)において、編集領域220内に配置された全てのオブジェクトについて選択オブジェクト及び非選択オブジェクトのいずれであるかを特定したかを判定する。選択オブジェクト及び非選択オブジェクトのいずれであるかを特定していないオブジェクトが残っている場合、情報処理装置1は、ループ処理を継続する。全てのオブジェクトについて選択オブジェクト及び非選択オブジェクトのいずれであるかを特定すると、情報処理装置1は、ループ処理を終了する。ループ処理終了後、情報処理装置1は、選択オブジェクトを選択状態であることを示す表示にし、非選択オブジェクトを非選択状態であることを示す表示にして(ステップS61)、オブジェクトの選択に関する処理を終了する。
【0095】
なお、図17図20を参照して上述したオブジェクトの選択方法を実現するために情報処理装置1に実行させる処理は、図21に例示したフローチャートに沿った処理に限らず、適宜変更可能である。
【0096】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るオブジェクトのレイアウトの編集処理では、オブジェクトを直接指定する方法とは異なる操作と関連付けられるオブジェクトの選択条件を、アプリケーションを実行中の情報処理装置1の利用者が指定し、適宜変更することができる。このため、編集画面200の編集領域220に配置したオブジェクトを、利用者の好みに適した操作で選択することができ、オブジェクトのレイアウトの編集作業における利用者への負担を抑制することができる。
【0097】
本発明の実施形態に係るオブジェクトのレイアウトの編集処理では、例えば、範囲を指定する操作が行われたことに応答してオブジェクトを選択するときの選択条件を、指定された範囲内に全部が含まれるオブジェクトを選択状態にし、その他のオブジェクトを非選択状態にする第1の選択条件と、指定された範囲内に少なくとも一部分が含まれるオブジェクトを選択状態にし、その他のオブジェクトを非選択状態にする第2の選択条件とのいずれかに、利用者が指定し、適宜変更することできる。第1の選択条件は、例えば、複数のオブジェクトのうちのいくつかのオブジェクトを選択する場合に、選択することを望んでいないオブジェクトも選択されてしまうことを抑制することができる。第2の選択条件は、例えば、複数のオブジェクトの全てを選択する場合に、いくつかのオブジェクトが選択対象から除外されてしまうことを抑制することができる。
【0098】
本発明の実施形態に係るオブジェクトのレイアウトの編集処理では、例えば、オブジェクトが選択された状態で開始された範囲を指定する操作により範囲が指定されたことに応答してオブジェクトを選択するときの選択条件を、範囲を指定する操作が行われたとき(又は開始時)に選択されていたオブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする第3の選択条件と、範囲を指定する操作が行われたときに選択されていたオブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする第4の選択条件とのいずれかに、利用者が指定し、適宜変更することができる。第3の選択条件は、例えば、複数のオブジェクトのうちの単一の種類のオブジェクトを選択する場合に、選択することを望んでいない種類のオブジェクトも選択されてしまうことを抑制することができる。第4の選択条件は、例えば、複数のオブジェクトのうちの、単一の種類のオブジェクトが間に配置されている複数のオブジェクトを選択する場合の操作を容易にすることができる。例えば、第1の種類のオブジェクトと第2の種類のオブジェクトとの間に第3の種類のオブジェクトが複数配置されている場合、第4の選択条件を選択した状態で、第3の種類のオブジェクトを選択し、第1の種類のオブジェクト、第2の種類のオブジェクト、及び第3の種類のオブジェクトが含まれるような範囲を指定する操作を行うことにより、第1の種類のオブジェクト及び第2の種類のオブジェクトのみを容易に選択することができる。また、第3の選択条件、又は第4の選択条件が選択(適用)された状態で範囲を指定する操作が行われた場合、情報処理装置1は、範囲を指定する操作が行われたときに選択されていたオブジェクトの種類と選択条件とに基づいて、選択対象になり得るオブジェクトが、選択対象外になり得るオブジェクトと比べて相対的に強調されるように表示部33に表示してもよい。このようにすることで、選択対象になり得るオブジェクトを視覚により確認しながら範囲を指定する操作を行うことができ、選択したいオブジェクトが選択対象外になってしまうことを防げる。
【0099】
また、本発明の実施形態に係るオブジェクトのレイアウトの編集処理では、例えば、オブジェクトが選択された状態で行われた(又は開始された)範囲を指定する操作により範囲が指定されたことに応答してオブジェクトを選択するときの選択条件を、範囲を指定する操作が行われたときに選択されていたオブジェクトを除く全てのオブジェクトを選択状態にする第5の選択条件と、範囲を指定する操作が行われたときに選択されていたオブジェクトとは異なる種類のオブジェクトの全てを選択状態にする第6の選択条件とのいずれかに、利用者が指定し、適宜変更することできる。第5の選択条件は、例えば、複数のオブジェクトのうちの選択したいオブジェクトの数が選択したくないオブジェクトの数よりも多い場合に、選択したいオブジェクトのそれぞれを連続して直接指定する選択方法と比べて、選択したいオブジェクトのみを容易に選択することを可能にする。第6の選択条件は、例えば、選択したくないオブジェクトに複数の同一種類のオブジェクトが含まれる場合の選択したいオブジェクトのみを選択する操作を、より容易にすることができる。
【0100】
更に、本発明の実施形態に係るオブジェクトのレイアウトの編集処理では、例えば、オブジェクトが選択された状態で行うことが可能な、オブジェクトを直接指定する操作及び範囲を指定する操作とは別の選択操作によりオブジェクトを選択するときの選択条件を選択し、変更することができる。より具体的には、選択操作を行ったときに選択されていたオブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする第7の選択条件と、選択操作を行ったときに選択されていたオブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする第8の選択条件と、選択操作を行ったときに選択されていたオブジェクト以外のオブジェクトを選択状態にする第9の選択条件とのいずれかに、利用者が指定し、適宜変更することできる。第7の選択条件は、例えば、複数のオブジェクトのうちの選択したい種類のオブジェクトの数が多い場合に、選択したいオブジェクトのそれぞれを連続して直接指定する選択方法と比べて、選択したい種類のオブジェクトのみを容易に選択することを可能にする。第8の選択条件は、例えば、複数のオブジェクトのうちの選択したい種類のオブジェクトの数が多い場合に、少数の選択したくない種類のオブジェクトを選択した状態で適用することにより、オブジェクトを容易に選択することを可能にする。第9の選択条件は、例えば、複数のオブジェクトのうちの選択したいオブジェクトの数が多い場合に、少数の選択したくないオブジェクトを選択した状態で適用することにより、オブジェクトを容易に選択することを可能にする。
【0101】
なお、上述した実施形態は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎない。すなわち、本発明に係る編集方法、プログラム、及び情報処理装置は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、様々な変形、変更が可能である。
【0102】
例えば、上述した実施形態で個別に例示したオブジェクトの選択方法は、組み合わせて適用することも可能である。例えば、図13のフローチャートを参照して説明したオブジェクトの選択方法は、第3の選択条件及び第4の選択条件のいずれか一方によるオブジェクトの選択方法に、第1の選択条件及び第2の選択条件のいずれか一方によるオブジェクトの選択方法を組み合わせた選択方法と言える。
【0103】
また、上述したオブジェクトの選択方法は、例えば、選択状態にするオブジェクトの種類(分類)と、非選択状態にするオブジェクトの種類とを利用者が指定し、適宜変更することが可能な選択方法と組み合わせてもよい。例えば、オブジェクトの選択条件を示す情報232は、第1の選択条件及び第2の選択条件のどちらでオブジェクトを選択するかを指定するラジオボタンとは別に、範囲を指定する操作が行われて選択状態で表示されているオブジェクトのうちの特定の種類のオブジェクトのみを非選択状態に変更することが可能な選択要素を含んでもよい。より具体的には、情報232等のオブジェクトの選択条件を示す情報に、「文字」、「図形」、「バーコード」等の複数のオブジェクトの種類(分類)のうちの非選択状態に変更したい(選択状態にしたくない)種類を指定することが可能なラジオボタン又はチェックボックスを付加してもよい。
【0104】
また、上述したオブジェクトの選択方法における「同じ種類」は、寸法や向き等を含むオブジェクトに関する情報のうちの、位置に関する情報を除く全ての情報が同一であることを条件としてもよいし、寸法や向き等のいくつかの情報が異なっていてもよいことを条件としてもよい。例えば、図10において選択状態であることを示す表示240aになっている図形(三角形)のオブジェクト261は、2つの頂点を結ぶ辺の上方に第3の頂点が存在する向きで配置されている。この場合の「同じ種類」は、2つの頂点を結ぶ辺の下方に第3の頂点が存在する向きで配置されたオブジェクト261を含んでもよいし、含まなくてもよい。また、「同じ種類」であるとみなすオブジェクトの定義を、利用者が指定し、適宜変更することができるようにしてもよい。
【0105】
また、上述した実施形態では、ラジオボタンによりオブジェクトの選択条件を切り替え可能としたが、オブジェクトの選択条件の切り替え方法はラジオボタンでなくともよく、所定のキー入力(操作)によって行われても良い。例えば、マウスのドラッグのような範囲を指定する操作を行っている最中または範囲指定後に、キーボードなどによるキー操作を行うと、オブジェクトの選択条件が切り替わるようにしても良い。また、範囲を指定する操作の向き(例えば、画面左上から右下へのマウスのドラッグ操作や、画面右上から左下へのマウスのドラッグ操作等)によって、オブジェクトの選択条件が異なるようにしても良い。これにより、ラジオボタンによって都度切り替えを行わずに済み、効率的に編集を行うことができる。なお、上記のオブジェクトの選択条件の切り替え方法は、ラジオボタンによる切り替え方法と併用しても良い。
【0106】
また、上述したオブジェクトの選択方法は、印刷装置10とは別の情報処理装置1が実行するアプリケーションに限らず、例えば、オブジェクトのレイアウトの編集に利用可能なキーボード等の入力装置、及びオブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面を表示する表示装置を有する印刷装置10において行われてもよい。
【0107】
更に、上述した実施形態では、テープ状の被印刷媒体21への印刷を行う印刷装置10と関連付けられるアプリケーションにおけるオブジェクトの選択方法を例示したが、本発明に係るオブジェクトの選択方法は、他のアプリケーションに適用されてもよい。
【0108】
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
コンピュータが、
オブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面を表示部に表示させ、
前記編集画面上のオブジェクトの各々が利用者による操作に基づいて選択状態と非選択状態とのいずれか一方にされるための選択条件を、切り替え可能にする、
処理を実行することを特徴とする編集方法。
[付記2]
前記利用者による操作は、前記編集画面内の範囲を指定する操作を含み、
前記選択条件は、指定された範囲内に自領域の全部が含まれるオブジェクトを選択状態にする第1の選択条件と、指定された前記範囲内に少なくとも一部の自領域が含まれるオブジェクトを選択状態にする第2の選択条件とを含む、
ことを特徴とする付記1に記載の編集方法。
[付記3]
前記利用者による操作は、少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で行われる前記編集画面内の範囲を指定する操作を含み、
前記選択条件は、選択された状態の前記オブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする第3の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする第4の選択条件とを含む、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の編集方法。
[付記4]
前記利用者による操作は、少なくとも1つのオブジェクトが選択された状態で行われる前記編集画面内の範囲を指定する操作を含み、
前記選択条件は、選択された状態の前記オブジェクトを除く全てのオブジェクトを選択状態にする第5の選択条件と、選択された状態の前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトの全てを選択状態にする第6の選択条件とを含む、
ことを特徴とする付記1~3のいずれか1項に記載の編集方法。
[付記5]
前記コンピュータが、
前記編集画面内の範囲を指定する操作が行われている間に、前記選択条件に基づいて、選択状態になり得るオブジェクトが選択対象外のオブジェクトと比べて強調されるようにオブジェクトの表示を変更する、
ことを特徴とする付記3又は4に記載の編集方法。
[付記6]
前記利用者による操作は、少なくとも1つのオブジェクトを選択する操作を含み、
前記選択条件は、選択された前記オブジェクトと同じ種類のオブジェクトを選択状態にする第7の選択条件と、選択された前記オブジェクトとは異なる種類のオブジェクトを選択状態にする第8の選択条件と、選択された前記オブジェクトを除く全てのオブジェクトを選択状態にする第9の選択条件と、のいずれか1つを指定する操作を含む、
ことを特徴とする付記1~4のいずれか1項に記載の編集方法。
[付記7]
前記編集画面は、被印刷媒体に印刷されるオブジェクトのレイアウトを編集する画面である、
ことを特徴とする付記1~6のいずれか1項に記載の編集方法。
[付記8]
オブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面を表示部に表示させ、
前記編集画面上のオブジェクトの各々が利用者による操作に基づいて選択状態と非選択状態とのいずれか一方にされるための選択条件を、切り替え可能にする、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
[付記9]
オブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面を表示装置に表示させ、前記編集画面上のオブジェクトの各々が利用者による操作に基づいて選択状態と非選択状態とのいずれか一方にされるための選択条件を、切り替え可能にする制御部
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[付記10]
被印刷媒体への印刷を行う印刷部と、
被印刷媒体に印刷するオブジェクトのレイアウトを編集可能な編集画面を表示部に表示させ、前記編集画面上のオブジェクトの各々が利用者による操作に基づいて選択状態と非選択状態とのいずれか一方にされるための選択条件を、切り替え可能にする制御部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【符号の説明】
【0109】
1 情報処理装置
2 アプリケーション
10 印刷装置
11 第1の部材
12 第2の部材
13 操作ボタン
14 表示ランプ
15 サーマルヘッド
16 プラテンローラ
1701 第1のカッター
1702 第2のカッター
20 ロール
21 被印刷媒体
30、40 制御部
31、41 記憶部
32、42 入力部
33、43 表示部
34、44 通信部
45 検知部
46 搬送部
47 印刷部
48 カット部
200 表示画面
210 メニュー領域
220 編集領域
221 媒体領域
230 補助情報領域
231、232、233、234、235 情報
240、241、242、243、245、246 (文字の)オブジェクト
250、260、261、280 (図形の)オブジェクト
270、271、272、273、274、275 オブジェクト
SA 範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21