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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】加湿器
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/16 20060101AFI20240528BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20240528BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
A61M16/16 A
F24F6/00 B
F24F13/20
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023144156
(22)【出願日】2023-09-06
(62)【分割の表示】P 2022514411の分割
【原出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2023164512
(43)【公開日】2023-11-10
【審査請求日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】P 2020069629
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】服部 篤志
(72)【発明者】
【氏名】新 耕華
(72)【発明者】
【氏名】東山 祐三
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-337670(JP,A)
【文献】特表2004-524088(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10226160(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/16
F24F 6/00
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に水を貯留可能であり、空気が流通するための第1流通口及び第2流通口を有する水チャンバを備え、
前記水チャンバは、上部に開口を有するタンクと、前記開口を前記タンクの底面部から離間して覆う上蓋とを備え、
前記第1流通口及び前記第2流通口のうちの少なくとも前記第2流通口は、前記タンクの空間内に面する前記上蓋の一方主面と前記タンクの空間外に位置する他方主面とを貫通しており、
前記上蓋の一方主面には、前記第2流通口の少なくとも一部を覆う第1バッフルが設けられ、
前記第1バッフルは、前記上蓋の一方主面から立ち上がる側壁を有し、
前記第1バッフルと前記上蓋の一方主面とによって、第3流通口が形成されるとともに、前記第3流通口と前記第2流通口とを連通する通路が形成され、
前記第3流通口が開口する方向は、前記第1流通口が開口する方向とは異なっており、
前記水チャンバには、前記水チャンバの内外を連通する第2管が備えてられており、
前記第2管は湾曲して延びており、
前記第2管における前記水チャンバの内部に位置する部分には、前記第1流通口が設けられており、
前記第2管における前記水チャンバの内部側の端には、前記第1流通口とは異なる第4流通口が設けられている
加湿器。
【請求項2】
前記上蓋の他方主面からは、前記第2流通口と連通する第1管が延びており、
前記第2流通口の中心軸線方向から視た場合に、前記第1管における前記第2流通口とは反対側の開口は、前記中心軸線を挟んで前記第3流通口とは反対側を向いている
請求項1に記載の加湿器。
【請求項3】
前記第1管は、前記中心軸線を軸に回動可能に前記上蓋に取り付けられており、
前記第1管の回動範囲は、前記中心軸線を挟んだ前記第3流通口と反対方向を中心として両側に90度以内である
請求項2に記載の加湿器。
【請求項4】
前記上蓋の一方主面と前記タンクとの間には封止部材が設けられており、
前記封止部材が、前記第2管の前記第4流通口の少なくとも一部を塞いでいる
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の加湿器。
【請求項5】
前記上蓋の一方主面と前記タンクとの間には封止部材が設けられており、
前記第1バッフルは、前記封止部材との一体成形物である
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の加湿器は、水が貯留される水チャンバを備えている。当該水チャンバの外壁には、外部から空気を導入するための流入口が開口している。また、当該水チャンバにおいて、当該流入口を備える外壁と対向する外壁には、水チャンバ内の空気を排出するための流出口が開口している。水チャンバの使用状態において流出口と流入口とは略同じ高さに配置されている。
【0003】
また、水チャンバの内部には、流入口側と流出口側とを別のエリアに区画する分割部材が配置されている。水チャンバ内の水は、流出口側のエリアに貯水される。分割部材には、流入口側のエリアから流出口側のエリアに空気が流通するための貫通孔が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2004-524087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の加湿器において、流出口側のエリアに水が貯められている。水チャンバ内に流入した空気は、当該流出口側のエリアにおける水との接触により加湿される。したがって、分割部材の貫通孔を通過してから、流出口に到達するまでの距離が長いほど、空気が十分に加湿される。しかしながら、特許文献1に記載の加湿器では、空気の流れと空気の加湿の程度について着目しておらず、この点において改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示の一態様は、内部に水を貯留可能であり、空気が流通するための第1流通口及び第2流通口を有する水チャンバを備え、前記水チャンバは、上部に開口を有するタンクと、前記開口を前記タンクの底面部から離間して覆う上蓋とを備え、前記第1流通口及び前記第2流通口のうちの少なくとも前記第2流通口は、前記タンクの空間内に面する前記上蓋の一方主面と前記タンクの空間外に位置する他方主面とを貫通しており、前記上蓋の一方主面には、前記第2流通口の少なくとも一部を覆う第1バッフルが設けられ、前記第1バッフルは、前記上蓋の一方主面から立ち上がる側壁を有し、前記第1バッフルと前記上蓋の一方主面とによって、第3流通口が形成されるとともに、前記第3流通口と前記第2流通口とを連通する通路が形成され、前記第3流通口が開口する方向は、前記第1流通口が開口する方向とは異なっている加湿器である。
【発明の効果】
【0007】
加湿器内部を通過する空気が加湿されやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】各実施形態におけるCPAP装置の使用状態を表す図。
図2】第1実施形態における外カバー部を取り付けた加湿器の斜視図。
図3】第1実施形態における加湿器の斜視図。
図4】第1実施形態における加湿器の上蓋の内面の斜視図。
図5】第1実施形態における加湿器の上蓋の内面の平面図。
図6】第1実施形態における加湿器の上蓋の内面の側面図。
図7】第2実施形態における加湿器の上蓋の内面の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、加湿器の第1実施形態について説明する。
まず、本実施形態の加湿器を適応したContinuous Positive Airway Pressure装置(以下、CPAP装置と記載。)の全体構成を説明する。
【0010】
図1に示すように、CPAP装置10は、送風ユニット100と、ベースユニット200とで構成されている。送風ユニット100をベースユニット200に取り付けた状態では、CPAP装置10は全体として略直方体状になっている。なお、以降の説明では、CPAP装置10を平面視したときに長辺が延びる方向を長手方向、短辺が延びる方向を幅方向とする。
【0011】
CPAP装置10の送風ユニット100は、略直方体状になっている。図示は省略するが、送風ユニット100の内部には、空気が流通する通路や当該通路内の空気を圧送する送風ファンが格納されている。また、送風ユニット100の上面には、スイッチ101が設置されている。このスイッチ101を操作することにより、送風ユニット100内部の送風ファンのオン・オフ等が制御される。
【0012】
CPAP装置10のベースユニット200は、幅方向からの側面視でL字状になっている。そして、ベースユニット200のL字の内側に送風ユニット100を取り付けることで、上述したように、CPAP装置10が略直方体形状になる。
【0013】
ベースユニット200は、下側のベース部201に対して、上側の外カバー部202が取り外し可能になっている。また、ベースユニット200の内部には、送風ユニット100へ供給する空気の通路や、当該通路を空気が通過する際の音を消音する消音器が設けられている。さらに、ベースユニット200の内部には、送風ユニット100から供給される空気を加湿する加湿器20が格納されている。なお、加湿器20の詳細については後述する。
【0014】
図2に示すように、ベースユニット200の外カバー部202からは、加湿器20の導管50が突出している。図1に示すように、導管50には、エアチューブ90を介してマスク91が取り付けられている。マスク91は、使用者92の鼻又は口を覆うように取り付けられる。
【0015】
ベースユニット200に送風ユニット100を取り付けた状態では、ベースユニット200内の通路を介して空気が送風ユニット100に供給される。そして、送風ユニット100から送風される空気は、ベースユニット200内の加湿器20に供給され、加湿される。その後、加湿器20の導管50、及びエアチューブ90を介して、マスク91に加湿された空気が供給される。
【0016】
次に、加湿器20について説明する。
図2に示すように、加湿器20は水チャンバ30を備えている。水チャンバ30は概ね直方体状で、内部が空洞になっている。図3に示すように、水チャンバ30のタンク31は、全体として概ね四角箱形状になっている。すなわち、タンク31は、4つの側面部31Aとこれら側面部31Aの下端に接続された底面部31Bとを有している。そして、4つの側面部31A及び底面部31Bとで水を貯留可能な空間が形成されている。また、タンク31の各側面部31Aの上縁によってタンク31の開口が形成されている。
【0017】
水チャンバ30は、タンク31の底面部31Bと離間してタンク31の開口を覆う上蓋32を備えている。上蓋32は、タンク31の開口形状に対応した天板32Aを有している。天板32Aにおける長手方向第1端側からの縁からは、タンク31側に向かって側壁32Bが立ち上がっている。なお、側壁32Bは、天板32Aの幅方向両側の縁の一部にまで至っている。
【0018】
側壁32Bの下縁からは、下側に向かって板状の第1係止部32Cが延びている。第1係止部32Cは、側壁32Bの幅方向中央部に配置されている。第1係止部32Cにおいては、貫通孔32Dが貫通している。図4に示すように、上蓋32の長手方向第2端側の縁からは、下側に向かって板状の第2係止部32Eが延びている。第2係止部32Eは、上蓋32の長手方向第2端側の縁における幅方向中央部に配置されている。第2係止部32Eにおいては、貫通孔32Fが貫通している。上蓋32をタンク31に取り付けた状態では、上蓋32における第1係止部32Cの貫通孔32D、及び第2係止部32Eの貫通孔32Fが、タンク31の図示しない突起と嵌合する。これにより、上蓋32がタンク31に取り付けられる。
【0019】
図3に示すように、上蓋32の側壁32Bにおいては、第2管としての流れ管300が貫通している。なお、流れ管300は、水チャンバ30の内外を連通しており、水チャンバ30内に空気を供給するための管である。
【0020】
図4に示すように、流れ管300は、略長手方向に延びる上流部301と、上流部301の延設方向と交差する方向に延びる下流部302とに大別できる。すなわち、流れ管300は、全体としては湾曲して延びている。上流部301は、略円管状になっている。上流部301は、側壁32Bを貫通している。上流部301は、幅方向において側壁32Bの中央よりも第1端側に寄せて配置されている。上流部301の下流端には、下流部302が接続されている。下流部302は、半円状に湾曲した板状になっている。なお、天板32Aの両主面のうち、上蓋32をタンク31に装着した状態においてタンク31の空間内側の面を内面33A、空間外側の面を外面33Bとする。この実施形態では、下流部302の湾曲の内側面と天板32Aの内面33Aとで空気の流路が区画されている。下流部302は、上流部301の下流端から上蓋32の幅方向第2端側に向かって斜めに延びている。下流部302は、上蓋32の幅方向第2端側の縁部にまで至っている。
【0021】
図4及び図6に示すように、下流部302の下流端、すなわち流れ管300の水チャンバ30の内部側の先端においては、第4流通口としての開口311が開口している。また、下流部302においては、開口311とは異なる第1流通口310が開口している。
【0022】
図4及び図5に示すように、第1流通口310は、下流部302の延設方向中央よりも下流側に配置されている。また、第1流通口310は、下流部302の中心軸線よりも長手方向第1端側において開口している。すなわち、図5に示すように、上蓋32における天板32Aの内面33Aを平面視した場合に、第1流通口310は、上蓋32の長手方向第1端側を向いて開口している。この実施形態では、第1流通口310の開口形状は、平面視で四角形状になっている。
【0023】
図4に示すように、天板32Aにおいては、当該天板32Aの両主面、すなわち内面33Aと外面33Bとを円形の第2流通口320が貫通している。第2流通口320は、上蓋32において流れ管300よりも長手方向第2端側に配置されている。また、第2流通口320は、幅方向の略中央に配置されている。
【0024】
天板32Aの内面33Aには、第2流通口320を下側から覆う第1バッフルとしての出口バッフル330が設けられている。出口バッフル330は、天板32Aの内面33Aから立ち上がる側壁331を有している。側壁331は、第2流通口320を、長手方向第1端側、長手方向第2端側、及び幅方向第2端側の三方から囲うように延びている。側壁331の先端には、天板32Aの内面33Aと略平行なバッフル板332が接続されている。バッフル板332は、上蓋32を内面33A側から平面視した場合に、第2流通口320の全体を覆っている。
【0025】
なお、上述したとおり、出口バッフル330の側壁331は、幅方向第1端側には設けられていない。したがって、出口バッフル330と上蓋32における天板32Aの内面33Aとによって、第3流通口334が形成されている。この第3流通口334は、幅方向第1端側に向けて開口している。そして、出口バッフル330における側壁331及びバッフル板332と、天板32Aの内面33Aとによって、第3流通口334と第2流通口320とを連通させる空気通路333が形成されている。なお、第3流通口334は上蓋32の幅方向第1端側に開口しているのに対し、第1流通口310は上蓋32の長手方向第1端側に開口している。すなわち、第1流通口310が開口する方向と第3流通口334が開口する方向とは異なっている。
【0026】
図4及び図5に示すように、流れ管300の下流部302からは、水チャンバ30の内部に向かって板状の第2バッフルとしてのバッフル340が突出している。バッフル340は上蓋32を内面33A側から平面視したとき、第1流通口310と第2流通口320との間に設けられている。具体的には、バッフル340は、上蓋32において、第1流通口310よりも長手方向第2端側に配置され、第1流通口310の開口縁に沿って延びている。また、バッフル340は、下流部302の延設方向中央より上流から下流部302の下流端まで、下流部302の軸線方向に向かって延びている。図6に示すように、バッフル340の水チャンバ30の内部に向かって延びた突出先端は、流れ管300の上流部301の上流端の開口の下端よりも下側に位置している。なお、水チャンバ30に満水まで水を貯留させた場合、水チャンバ30内の水面は流れ管300の上流部301の開口の下端に位置する。したがって、水チャンバ30の満水時において、バッフル340の突出先端は水に浸かる。水チャンバ30の満水時の水面位置は、例えばタンク31の内面に目盛り等で表示されていることもある。
【0027】
ここで、図4及び図5に示すように、第1流通口310と出口バッフル330の第3流通口334との最短距離は、第1流通口310のうち長手方向第2端側且つ幅方向第1端側の第1流通口310の開口端Pから、第3流通口334の長手方向第1端側の開口端Qを結んだ矢印X1の経路である。
【0028】
また、バッフル340は上述したように、第1流通口310の長手方向第2端側の開口縁に沿って延びている。そして、下流部302よりも長手方向第2端側に配置されている。したがって、バッフル340は、第1流通口310と第3流通口334との最短経路上に配置され、且つバッフル340は当該最短経路と交差する方向に延びている。
【0029】
図4に示すように、天板32Aの内面33Aには、ゴム製の封止部材350が取り付けられている。封止部材350は、天板32Aの外縁形状に沿って延びている。上蓋32をタンク31の開口に被せた際、タンク31の内側と封止部材350の外側とが接触しつつ、上蓋32とタンク31とが嵌合する。これにより、上蓋32とタンク31との間がシールされる。
【0030】
また、図4及び図6に示すように、封止部材350のうち、流れ管300における下流部302の下流端の近傍箇所は、下側に凸となるように湾曲した湾曲部351となっている。湾曲部351は、下流部302の下流端の湾曲の内面に沿っている。そして、湾曲部351の内側には、板状の栓体352が配置されている。栓体352は、平面視で開口311と同じ半円状の形状をしている。封止部材350を上蓋32に取り付けた状態では、栓体352は、開口311の全域を塞いでいる。なお、封止部材350は、その全体が一体成形されている。封止部材350は、天板32Aの内面33Aに対して着脱可能である。したがって、封止部材350を天板32Aから外した場合には、下流部302の開口311は全体が開口した状態になる。
【0031】
図3に示すように、水チャンバ30の上蓋32の外面33Bからは、第1管としての導管50が延びている。導管50は、第2流通口320の開口縁に接続されていて、導管50の内部が第2流通口320と連通している。導管50は、水チャンバ30の幅方向第2端側に向かって斜めに延びている。導管50における第2流通口320とは反対側の開口51、すなわち下流側の開口51は、水チャンバ30の幅方向第2端側を向いている。すなわち、開口51は、第2流通口320の中心軸線を挟んで第3流通口334とは反対側を向いている。また、導管50は、第2流通口320の中心軸線を回動軸として回転可能になっている。導管50の回動範囲は、第2流通口320の中心軸線を挟んで第3流通口334と反対方向を中心として両側に90度以内である。すなわち、導管50は、水チャンバ30の幅方向第2端側を向いた状態を基準に、水チャンバ30の長手方向第1端側及び第2端側にそれぞれ90度まで回動可能になっている。
【0032】
次に、第1実施形態の作用について説明する。
まず、加湿器20の使用時において加湿器20の内部を通過する空気の流れについて説明する。
【0033】
図1及び図2に示すように、送風ユニット100によって圧送された空気は、流れ管300の上流部301の開口を通って水チャンバ30の内部に流入する。図5に示すように、流れ管300に流入した空気は、下流部302の第1流通口310を通って、上蓋32とタンク31に貯留した水の水面との間に放出される。
【0034】
なお、タンク31に貯留した水は、タンク31の下面に配置した図示しないヒータ等で加熱される。そして、タンク31内の水の水面近傍において湿度の高い空気が溜まる。したがって、タンク31内に流入した空気が、タンク31内の水の水面近傍を湿度の高い空気と混ざり合って流れていくことで、空気が加湿される。
【0035】
水チャンバ30内で加湿された空気は、出口バッフル330の第3流通口334に到達すると、出口バッフル330と上蓋32における天板32Aの内面33Aとで区画された空気通路333を通過して、第2流通口320に到達する。第2流通口320を通過した空気は、導管50の開口51とエアチューブ90内部とを通り、マスク91を介して使用者92に供給される。
【0036】
ここで、第1流通口310から排出された空気は、水チャンバ30内の様々な経路を通って出口バッフル330の第3流通口334に到達する。例えば、図4に示すように、第1流通口310のうち長手方向第2端側且つ幅方向第1端側の開口端Pから空気が排出された場合、図中の矢印X2のような、バッフル340を下側から飛び越える経路を通過して第3流通口334に到達することが考えられる。また、水チャンバ30に水を満水状態まで貯めたときには、バッフル340の先端は水面に接している。そのため、開口端Pから排出された空気は、図中の矢印X2の経路のようにバッフル340を飛び越えて通過することができない。したがって、開口端Pから排出された空気は、図中の矢印X3のようにバッフル340を迂回する経路で第3流通口334に到達することが考えられる。
【0037】
次に、加湿器20が横転した場合について説明する。
図1に示すように、CPAP装置10は幅方向よりも長手方向に長い略直方体状であるため、比較的に幅方向に横転しやすくなっている。仮に、CPAP装置10が、CPAP装置10の幅方向第2端側が下になるように横転したとする。
【0038】
加湿器20の幅方向第2端側が下になるように加湿器20が90度横転すると、出口バッフル330の第3流通口334は上側を向く。つまり、第2流通口320の上側以外は、出口バッフル330の側壁331によって囲われた状態となる。また、加湿器20が幅方向第2端側に90度横転した場合、流れ管の300の上流部301の開口は上側に配置される。
【0039】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)本実施形態において、上蓋32における天板32Aの内面33Aからはバッフル340が突出している。バッフル340は、図4において矢印X1で示す出口バッフル330の第3流通口334と第1流通口310との最短経路上に位置している。さらに、バッフル340は、当該最短経路と交差する方向に延びている。したがって、第1流通口310から放出された空気は、バッフル340に遮られ、最短経路で第3流通口334に到達することができない。そのため、例えば図4における矢印X2の経路や、水チャンバ30が満水の場合には、矢印X3の経路などを通過して第3流通口334に到達する。これらの経路は、最短経路を示す図中の矢印X1の経路よりも長くなっている。したがって、水チャンバ30内に放出された空気は、水チャンバ30内の水面と接触する距離が長くなり、湿度の高い空気と共に下流側へと流されやすくなる。したがって、加湿器20から排出される空気が加湿されやすくなる。
【0040】
(1-2)本実施形態において、第1流通口310は上蓋32の長手方向第1端側に開口し、出口バッフル330の第3流通口334は上蓋32の幅方向第1端側に開口している。このように、第1流通口310が開口する方向と出口バッフル330が開口する方向とが交差していることで、タンク31の内部において空気が撹拌されやすくなる。したがって、水チャンバ30内部で流通する空気の流路長を長くすることができる。
【0041】
(1-3)本実施形態において、上蓋32における天板32Aの外面33Bからは、第2流通口320と連通する導管50が延びている。導管の開口51は、加湿器20の幅方向第2端側を向いている。したがってCPAP装置10を使用する際には、図1に示すように、導管50の開口51と使用者92とが対向するようにCPAP装置10を配置することが多い。当該配置において使用者92が動いた場合には、使用者92に取り付けられたマスク91とエアチューブ90とで加湿器20を引っ張ることが想定される。すなわち、CPAP装置10の使用時においてCPAP装置10が倒れる場合には、幅方向第2端側に向かって倒れることが考えられる。
【0042】
仮に、CPAP装置10が、幅方向第2端側が下となるように90度倒れる場合には、上述したように、出口バッフル330の第3流通口334が上側を向き、流れ管300の上流部301の開口は上側に配置される。これらの開口が上側に配置されることで、水チャンバ30内の水が第2流通口320や流れ管300の上流部301の開口に到達しにくくなっている。すなわち、CPAP装置10が倒れた場合でも、加湿器20から水が漏れにくくなっている。
【0043】
(1-4)本実施形態において、導管50は、水チャンバ30の幅方向第2端側を向いた状態を基準に、水チャンバ30の長手方向第1端側及び第2端側にそれぞれ90度まで回動可能になっている。導管50が回動することで、エアチューブ90の可動範囲が広がり、マスク91を取り付けた使用者92が動いた場合にも加湿器20が倒れにくくなっている。また、導管50が上記の可動範囲であるため、導管50の開口51は水チャンバ30の幅方向第1端側には向かない。つまり、エアチューブ90をCPAP装置10の幅方向第1端側から延ばした状態でCPAP装置10を使用しにくくなっている。当該使用状態では、万が一CPAP装置10が横転した場合であっても、CPAP装置10の幅方向第1端側が下になるように転倒しにくくなっている。CPAP装置10の幅方向第1端側への横転を防止することで、タンク31内の水が第2流通口320に流入し、加湿器20から水が漏れることを抑制できる。
【0044】
(1-5)流れ管300は湾曲しており、上流部301と下流部302とでは延設方向が異なっている。そして、流れ管300の上流側の開口は幅方向の第1端側の縁近傍に位置しているのに対して、流れ管300の下流側の開口311は幅方向の第2端側の縁近傍に位置している。そのため、水チャンバ30が幅方向に転倒しても、流れ管300の上流側の開口及び下流側の開口311のうちのいずれかは、タンク31内の水面より上側に位置する可能性が高い。したがって、水チャンバ30が幅方向に転倒した場合に、流れ管300を介して水が漏れることを抑制できる。
【0045】
(1-6)仮に、流れ管300の内部を洗浄しようと、上流部301の開口端から用具を差し込んで洗浄する場合、流れ管300の湾曲によって下流部302側に用具がうまく届かないおそれがある。本実施形態において、流れ管300の下流部302の先端には、開口311が開口している。したがって、流れ管300の内部を掃除する際には、下流部302に対して、その先端の開口311から用具を管内に挿入することができ、流れ管300の内部を洗浄しやすい。
【0046】
(1-7)本実施形態において、上蓋32の天板32Aの内面33Aとタンク31との間には封止部材350が設けられている。当該封止部材350は、上蓋32の内面33Aから着脱可能になっている。上蓋32の洗浄時には、封止部材350を取り外すことで上蓋32と封止部材350とをそれぞれ洗浄できる。また、封止部材350と上蓋32とを分解して乾燥させることができ、当該部品同士の間に水が滞留しにくく衛生的である。
【0047】
(1-8)本実施形態において、封止部材350を上蓋32の天板32Aの内面33Aに取り付けた際、湾曲部351及び栓体352が、流れ管300の下流部302の開口311を塞いでいる。CPAP装置10を駆動中には不要である開口311を閉栓できるため、流れ管300を通過する空気の圧力損失を抑制できる。
【0048】
次に、加湿器の第2実施形態について説明する。なお、以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の部分についての説明は簡略化又は省略する。
図7に示すように、上蓋32の側壁32Bにおいては、流れ管400が貫通している。流れ管400は、水チャンバ30の外側では円管状であり、水チャンバ30の内側では内面33Aに向かって開口した箱型形状になっている。したがって、水チャンバ30の内部では、流れ管400の箱型の内側面と天板32Aの内面33Aとで空気の流路が区画されている。上蓋32を内面33A側から平面視した場合に、流れ管400は、上蓋32の長手方向第1端側且つ幅方向第1端側から、長手方向第2端側かつ幅方向第2端側へと斜めに延びている。流れ管400の先端は、上蓋32の幅方向第2端側の縁部にまで至っている。流れ管400の先端は、上蓋32の長手方向の略中央に位置している。流れ管400は、上流側から下流側に向かうにつれて流路断面積が徐々に大きくなっている。
【0049】
流れ管400の下流端、すなわち流れ管400の水チャンバ30の内部側の先端においては、開口411が開口している。また、流れ管400においては、開口411とは別に、第1流通口410が開口している。
【0050】
第1流通口410は、流れ管400の延設方向中央よりも下流側に配置されている。この実施形態では、第1流通口410は、流れ管400の下流端近傍に配置されている。また、第1流通口410は、流れ管400における長手方向第1端側の側壁において開口している。すなわち、上蓋32を内面33A側から平面視した場合に、第1流通口410は、上蓋32の長手方向第1端側かつ幅方向第2端側の斜め方向を向いて開口している。この実施形態では、第1流通口410の開口形状は、平面視で四角形状になっている。
【0051】
流れ管400からは、水チャンバ30内部に向かってバッフル440が突出している。バッフル440は、板状の主壁441と、3つの補助壁442とで構成されている。バッフル440の主壁441は、流れ管400の下流端の開口縁全域に亘り開口縁に沿って延びている。主壁441には、3つの補助壁442が接続されている。3つの補助壁442は、主壁441における延設方向の両側及び中央に配置されている。補助壁442は、主壁441から流れ管400の上流側に向けて延びている。補助壁442は、第1流通口410の開口範囲よりも長く延びている。換言すれば、第1流通口410の下側の全域には、補助壁442が存在している。各補助壁442は、第1流通口410の上流側に向かうほど突出長が小さくなっている。なお、水チャンバ30に満水まで水を貯留させた場合、水チャンバ30内の水面は流れ管400の水チャンバ30の外側の開口の下端に位置する。したがって、水チャンバ30の満水時において、バッフル440の主壁441の突出先端及び補助壁442の突出先端の一部は水に浸かる。
【0052】
天板32Aにおいては、当該天板32Aの両主面、すなわち内面33Aと外面33Bとを円形の第2流通口420が貫通している。第2流通口420は、天板32Aにおいて流れ管400よりも長手方向第2端側に配置されている。また、第2流通口420は、幅方向の略中央に配置されている。
【0053】
また、天板32Aの内面33Aには、ゴム製の封止部材450が取り付けられている。封止部材450は、天板32Aの外縁形状に沿って延びる外縁部451を備えている。外縁部451において、流れ管400の先端近傍箇所には水チャンバ30の内部側に向かって突出部452が突出している。突出部452の突出長は、開口411の上下方向の寸法よりもわずかに大きくなっている。突出部452は、開口411の長手方向第2端側の縁から長手方向第1端側に向かって開口411の略半分の位置まで延びている。突出部452は、開口411のおよそ半分の領域を塞いでいる。
【0054】
また、封止部材450は、天板32Aの内面33Aに沿って広がる天板部453を備えている。天板部453は、天板32Aにおける流れ管400より長手方向第2端側で、膜状に広がっている。なお、図示は省略するが、天板部453においては、第2流通口を塞がないように開口が貫通している。天板部453における長手方向第2端側、幅方向第1端側及び幅方向第2端側は外縁部451と繋がっている。
【0055】
天板部453において第2流通口420近傍には、第2流通口420を下側から覆うゴム製の出口バッフル430が設けられている。当該出口バッフル430は、封止部材450における天板部453と一体成形されている。出口バッフル430は、天板部453の内面から立ち上がる側壁431を有している。側壁431は、第2流通口420を、長手方向第1端側、長手方向第2端側、及び幅方向第2端側の三方から囲うように延びている。側壁431の先端には、天板32Aの内面33Aと略平行なバッフル板432が接続されている。また、バッフル板432における幅方向第1端側の一部は、側壁431の延設範囲を越えて突出している。バッフル板432は、上蓋32を内面33A側から平面視した場合に、第2流通口420の全体を覆っている。出口バッフル430における側壁431及びバッフル板432と天板32Aの内面33Aに沿った天板部453とによって、第2流通口420に連通する空気通路433が区画されている。
【0056】
また、上述したとおり、出口バッフル430の側壁431は、幅方向第1端側には設けられていない。したがって、空気通路433の第3流通口434は、幅方向第1端側に向けて開口している。なお、第3流通口434は上蓋32の幅方向第1端側に開口しているのに対し、第1流通口410は、長手方向第1端側かつ幅方向第2端側の斜め方向に開口している。すなわち、第1流通口410が開口する方向と第3流通口434が開口する方向とは交差している。
【0057】
ここで、上述したように、第1流通口410の下側の全領域に補助壁442が存在している。第1流通口410の長手方向第2端側の開口端Rから第3流通口434の長手方向第1端側の開口端Sを結んだ矢印Y1の直線経路上には、バッフル440の補助壁442が配置されている。すなわちバッフル440の補助壁442は、当該矢印Y1の経路と交差する方向に延びている。
【0058】
なお、封止部材450は、天板32Aの内面33Aに対して着脱可能である。本実施形態では、封止部材450及び出口バッフル430はその全体が一体成形されている。したがって、封止部材450を天板32Aから外した場合には、出口バッフル430も上蓋32から取り除かれる。また、封止部材450を天板32Aから外した場合には、流れ管400先端の開口411は全域が開口した状態になる。
【0059】
次に、第2実施形態の作用について説明する。
図7に示すように、第1流通口410から排出された空気は、水チャンバ30内の様々な経路を通って出口バッフル430の第3流通口434に到達する。例えば、図7に示すように、第1流通口410のうち長手方向第2端側の開口端Rから空気が排出された場合、図中の矢印Y2のような、バッフル440の補助壁442を下側から飛び越える経路を通過して第3流通口434に到達することが考えられる。また、水チャンバ30に水を満水状態まで貯めたときには、補助壁442の一部の先端は水面に接している。そのため、開口端Rから排出された空気は、図中の矢印Y2の経路のようにバッフル440を飛び越えて通過することができない。したがって、開口端Rから排出された空気は、図中の矢印Y3のように補助壁442を迂回する経路で第3流通口434に到達することが考えられる。
【0060】
次に、第2実施形態の効果を説明する。第2実施形態のCPAP装置10は、第1実施形態の(1-2)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(2-1)本実施形態において、水チャンバ30の上蓋32における天板32Aの内面33Aからはバッフル440が突出している。バッフル440は、出口バッフル430の第3流通口434と第1流通口410とを結ぶ直線経路のうち、図7において矢印Y1で示す開口端Rと開口端Sとを結ぶ直線経路上に位置している。さらに、バッフル340は、矢印Y1で示す直線経路と交差する方向に延びている。したがって、第1流通口410から放出された空気の少なくとも一部は、バッフル440に遮られ、最短経路で第3流通口434に到達することができない。そのため、例えば図7における矢印Y2の経路や、水チャンバ30が満水の場合には、矢印Y3の経路などを通過して第3流通口434に到達する。これらの経路は、上述した矢印X1の経路よりも長くなっている。したがって、水チャンバ30内に放出された空気は、水チャンバ30内の水面と接触する距離が長くなり、湿度の高い空気と共に下流側へと流されやすくなる。したがって、加湿器20から排出される空気が加湿されやすくなる。
【0061】
(2-2)本実施形態では、出口バッフル430は封止部材450と一体成形されている。したがって、封止部材450とともに出口バッフル430を上蓋32から取り外すことができる。上蓋32の清掃時に、出口バッフル430を上蓋32から取り外すことで、出口バッフル430の側壁431、バッフル板432、天板部453で区画された空気通路433を視認して清掃しやすい。
【0062】
(2-3)CPAP装置10の使用状態において、流れ管400の開口411からも空気が水チャンバ30内に流入する。開口411における長手方向第1端側の開口端Wから第3流通口334の長手方向第1端側の開口端Sの直線経路上には、バッフル440の主壁441が配置されている。したがって、開口411から放出された空気は、バッフル440の主壁441を迂回して様々な経路で出口バッフル430の第3流通口434に到達する。バッフル440の主壁441を迂回して第3流通口434に到達する経路は、開口411の開口端Wから第3流通口434の開口端Sの直線経路よりも長くなる。したがって、開口411から水チャンバ30内に放出された空気の流路長を長くすることができる。
【0063】
(2-4)CPAP装置10の使用時には、第1流通口410及び開口411から、水チャンバ30の内部に空気が放出される。第1流通口410から第3流通口434に到達する空気の流通経路と、開口411から第3流通口434に到達する空気の流通経路とが混ざり合うことで、水チャンバ30内において空気がより撹拌されやすくなる。したがって、水チャンバ30内部で流通する空気の流路長を長くすることができる。
【0064】
本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・各実施形態において、CPAP装置10は、送風ユニット100及び加湿器20を有するものであれば任意の構成でよい。また、CPAP装置10の形状も限定されない。また、加湿器20に対する空気の給排が可能であれば、CPAP装置10の加湿器20に限らない。
【0065】
・各実施形態において、加湿器20は、水チャンバ30を備えていれば任意の構成でよい。例えば、導管50を省略して、エアチューブ90を第2流通口320に挿入するようにしてもよい。また、例えば、水チャンバ30の底面にヒータからの熱伝導をよくする金属製の伝熱部材が備えられていてもよい。また、加湿器20の形状も上記の実施形態に限定されない。
【0066】
・各実施形態において、水チャンバ30の構成は限定されない。例えば、タンク31と上蓋32とが一体成形されていて、タンク31の側面の一部が開口するような構成でもよい。また、上蓋32に第1係止部32Cや第2係止部32Eが備えられておらず、別の構成で上蓋32がタンク31に取り付けられていてもよい。
【0067】
・各実施形態において、流れ管300の形状は適宜変更してもよい。例えば、第1実施形態において、上流部301と下流部302とが、境界なくどちらも管状で成形されていてもよい。
【0068】
・第1流通口310、410の開口方向は、上記各実施形態の例に限らない。少なくとも、第1流通口310、410の開口方向は、出口バッフル330、430の第3流通口334、434の開口方向と交差していればよい。
【0069】
・各実施形態において、第2流通口320、420の形状や、上蓋32に対する配置は適宜変更してよい。上蓋32に対して第2流通口320、420の配置を変更する場合は、加湿器20が、幅方向第2端側が下になるように横転した場合を想定して、上蓋32の幅方向第1端側の縁の近くに配置される方が好ましい。
【0070】
・各実施形態において、流れ管300、400は、上蓋32と一体の構造でなくてもよい。例えば、流れ管300、400は、タンク31の側面において貫通する管状の部材でもよい。また、水チャンバ30内において上蓋32と接しておらず、流れ管300、400内を空気が流通する構成となっていてもよい。
【0071】
・各実施形態において、流れ管300、400を省略して、上蓋32に第1流通口310、410を設けてもよい。
・各実施形態において、出口バッフル330、430の形状は適宜変更してよい。例えば、出口バッフル330、430は半球状のものでもよく、第2流通口320、420の少なくとも一部を下側から覆い、上蓋32の内面と空気通路を区画する形状であればよい。
【0072】
・各実施形態において、バッフル340、440は複数設けられていてもよい。その場合、第1流通口310、410と第3流通口334、434との直線経路上且つ当該直線経路と交差する方向に延びるようにバッフル340、440を配置すればよい。
【0073】
・各実施形態において、水チャンバ30の満水状態は任意に設定してもよい。その場合でも、水チャンバ30の満水時にはバッフル340、440の突出先端が水に浸かっていることが好ましい。
【0074】
・封止部材350が天板32Aの内面33Aをすべて覆っていてもよい。また、バッフル340、440等の部材が封止部材350、450と一体成形されていてもよい。
・各実施形態において、開口311、411は複数設けられていてもよい。さらに、開口311、411を省略してもよい。
【0075】
・各実施形態において、導管50の形状は上記実施形態に限定されない。例えば、上蓋32における天板32Aの外面33Bから突出し、途中で上蓋32における天板32Aの外面33Bと平行なるように湾曲しているような形状でもよい。
【0076】
・各実施形態において、導管50の回動範囲は適宜変更できる。例えば、導管50は、360度回転可能であってもよい。また、導管50が回動不能であってもよい。また、導管50における第2流通口320、420とは反対側の開口の向きも、適宜変更できる。
【0077】
・第1実施形態において、封止部材350の栓体352は開口311の全域ではなく、一部を覆うようなものでもよい。さらに、栓体352そのものを省略してもよい。また、第2実施形態において、突出部452は、開口411の全域を覆っていてもよいし、省略してもよい。
【0078】
・第1実施形態において封止部材350を省略することもできる。例えば、水チャンバ30の上蓋32そのものがゴム等の軟質な材質で構成されていれば、封止部材350を省略しても差し支えない。
【符号の説明】
【0079】
10…CPAP装置
20…加湿器
30…水チャンバ
31…タンク
32…上蓋
50…導管
300…流れ管
310…第1流通口
311…開口
320…第2流通口
330…出口バッフル
333…空気通路
334…第3流通口
340…バッフル
350…封止部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7