(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】検査用コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/72 20110101AFI20240528BHJP
H01R 24/50 20110101ALI20240528BHJP
H01R 31/06 20060101ALI20240528BHJP
H01R 24/60 20110101ALI20240528BHJP
【FI】
H01R12/72
H01R24/50
H01R31/06
H01R24/60
(21)【出願番号】P 2023549326
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2022005226
(87)【国際公開番号】W WO2023047618
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2024-03-15
(31)【優先権主張番号】P 2021156904
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 学
(72)【発明者】
【氏名】山口 亨
(72)【発明者】
【氏名】荒木 聖人
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109780234(CN,A)
【文献】国際公開第2020/105525(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/003640(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/049743(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
H01R 24/00-24/86
H01R 27/00-31/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心導体と、前記中心導体の周囲を囲む外部導体と、前記中心導体と前記外部導体とを絶縁する絶縁体と、前記外部導体の周囲を囲む被覆と、を備える1以上の同軸ケーブルの端部に接続される検査用コネクタであって、1以上の第2信号端子を含む相手方コネクタを備える電子機器の検査に用いられる検査用コネクタであって、
上下方向に延びる中心軸線を有する筒形状を有している筒状部材と、
前記筒状部材の下部において前記筒状部材の内部に位置し、かつ、前記筒状部材に保持されている信号端子保持部材と、
前記信号端子保持部材に支持されている1以上の第1信号端子であって、前記1以上の第2信号端子のいずれか1つと電気的に接続される1以上の第1信号端子と、
前記信号端子保持部材に保持されている回路基板と、
を備えており、
前記回路基板は、基板本体及び1以上の信号配線を含んでおり、
前記基板本体は、前後方向に並ぶ2つの主面を有する板形状を有しており、
前記1以上の信号配線のそれぞれは、前記基板本体の上部に位置する第1端部、及び前記基板本体の下部に位置する第2端部を有しており、
1以上の前記第1端部のそれぞれは、1以上の前記中心導体のいずれか1つと電気的に接続されており、
1以上の前記第2端部のそれぞれは、前記1以上の第1信号端子のいずれか1つと電気的に接続されており、
前記回路基板の上端が前記筒状部材の上端より上に位置することにより、前記上下方向に直交する方向に見て、前記回路基板の一部分が視認される、
検査用コネクタ。
【請求項2】
中心導体と、前記中心導体の周囲を囲む外部導体と、前記中心導体と前記外部導体とを絶縁する絶縁体と、前記外部導体の周囲を囲む被覆と、を備える1以上の同軸ケーブルの端部に接続される検査用コネクタであって、1以上の第2信号端子を含む相手方コネクタを備える電子機器の検査に用いられる検査用コネクタであって、
上下方向に延びる中心軸線を有する筒形状を有している筒状部材と、
前記筒状部材の下部において前記筒状部材の内部に位置し、かつ、前記筒状部材に保持されている信号端子保持部材と、
前記信号端子保持部材に支持されている1以上の第1信号端子であって、前記1以上の第2信号端子のいずれか1つと電気的に接続される1以上の第1信号端子と、
前記信号端子保持部材に保持されている回路基板と、
を備えており、
前記回路基板は、基板本体及び1以上の信号配線を含んでおり、
前記基板本体は、前後方向に並ぶ2つの主面を有する板形状を有しており、
前記1以上の信号配線のそれぞれは、前記基板本体の上部に位置する第1端部、及び前記基板本体の下部に位置する第2端部を有しており、
1以上の前記第1端部のそれぞれは、1以上の前記中心導体のいずれか1つと電気的に接続されており、
1以上の前記第2端部のそれぞれは、前記1以上の第1信号端子のいずれか1つと電気的に接続されており、
前記回路基板は、前記回路基板の一部分が前記信号端子保持部材に引っ掛かること又は前記信号端子保持部材の一部分が前記回路基板に引っ掛かることにより、前記信号端子保持部材に着脱可能に保持されている、
検査用コネクタ。
【請求項3】
前記筒状部材は、導電性を有している、
請求項1又は請求項2に記載の検査用コネクタ。
【請求項4】
前記相手方コネクタは、グランド電位に接続されるグランド導体を更に含んでおり、
前記筒状部材は、前記グランド導体に電気的に接続される、
請求項3に記載の検査用コネクタ。
【請求項5】
前記回路基板は、前記基板本体の上部に位置する第3端部、及び前記基板本体の下部に位置する第4端部を有する1以上のグランド配線を含んでおり、
1以上の前記第3端部のそれぞれは、1以上の前記外部導体のいずれか1以上と電気的に接続されており、
1以上の前記第4端部のそれぞれは、前記1以上の第1信号端子のいずれか1つと電気的に接続されている、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の検査用コネクタ。
【請求項6】
前記第4端部が電気的に接続されている前記第1信号端子と前記第2端部が電気的に接続されている前記第1信号端子とは隣り合っている、
請求項5に記載の検査用コネクタ。
【請求項7】
前記回路基板は、前記回路基板の上部に位置する第3端部、及び前記回路基板の下部に位置する第4端部を有する1以上のグランド配線を含んでおり、
1以上の前記第3端部のそれぞれは、1以上の前記外部導体のいずれか1つと電気的に接続されており、
前記1以上の前記第1信号端子の数は、複数であり、
複数の前記第1信号端子は、左右方向に延びる第1列、及び前記第1列より前に位置し、かつ、左右方向に延びる第2列に並んでおり、
前記信号端子保持部材は、前記1以上の第4端部に電気的に接続され、かつ、前記第1列及び前記第2列の間に位置しているグランド部材を、更に含んでおり、
前記グランド部材は、前記筒状部材に接触している、
請求項3に記載の検査用コネクタ。
【請求項8】
前記回路基板は、前記基板本体の下端部に固定され、かつ、前記1以上の第4端部に電気的に接続される金属部材を更に含んでおり、
前記回路基板は、前記信号端子保持部材の一部分が前記金属部材に引っ掛かることにより、前記信号端子保持部材に着脱可能に保持されている、
請求項7に記載の検査用コネクタ。
【請求項9】
前記基板本体には、1以上の凹部が設けられており、
前記1以上の第4端部は、前記1以上の凹部に位置しており、
前記グランド部材が前記1以上の凹部に引っ掛かることにより、前記グランド部材が前記1以上の第4端部に接触している、
請求項7又は請求項8に記載の検査用コネクタ。
【請求項10】
前記信号端子保持部材には、上方向に向かって開口し、かつ、左右方向に延びる溝が設けられており、
前記回路基板の下端部は、前記溝に挿入されている、
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の検査用コネクタ。
【請求項11】
前記溝の内周面は、互いに向かい合う前面及び後面を有しており、
前記前面の上端部は、後上方向に向かって延びる法線を有しており、
前記後面の上端部は、前上方向に向かって延びる法線を有している、
請求項10に記載の検査用コネクタ。
【請求項12】
上下方向に見て、前記筒状部材の内周面は円形状を有しており、
前記基板本体の左右方向の長さは、前記筒状部材の内周面の直径とほぼ等しい、
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の検査用コネクタ。
【請求項13】
前記回路基板の下端部の左右方向の幅は、前記回路基板の左右方向の幅の最大値と一致している、
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の検査用コネクタ。
【請求項14】
前記検査用コネクタは、
前記回路基板の上に位置するように、前記回路基板に固定されている保持部材を、
更に備えており、
前記保持部材の上端が前記筒状部材の上端より上に位置することにより、前記上下方向に直交する方向に見て、前記保持部材の一部分が視認される、
請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の検査用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号の測定に用いられる検査用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の検査用コネクタに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載のマルチチャネルプローブが知られている。特許文献1に記載のマルチチャネルプローブは、基板、複数の信号端子、複数のコネクタ、ホルダ及びプランジャを備えている。複数の信号端子は、上下方向に延びている。複数の信号端子は、絶縁部材であるホルダに保持されている。プランジャは、グランド電位に接続されている筒状部材である。ホルダは、プランジャ内に設けられている。基板には、上下方向に延びる複数本の配線が設けられている。基板は、ホルダに保持されている。これにより、複数本の配線のそれぞれは、複数本の信号端子のいずれか1つと電気的に接続されている。複数のコネクタは、基板に実装されている。これにより、複数のコネクタのそれぞれは、複数本の配線のいずれか1つと接続されている。複数のコネクタのそれぞれには、同軸ケーブルが接続される。このようなマルチチャネルプローブは、電子機器の検査に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】中国特許出願公開第109782034号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のマルチチャネルプローブにおいて、基板の着脱を容易にしたいという要望がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、回路基板の着脱を容易に行うことができる検査用コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る検査用コネクタは、
中心導体と、前記中心導体の周囲を囲む外部導体と、前記中心導体と前記外部導体とを絶縁する絶縁体と、前記外部導体の周囲を囲む被覆と、を備える1以上の同軸ケーブルの端部に接続される検査用コネクタであって、1以上の第2信号端子を含む相手方コネクタを備える電子機器の検査に用いられる検査用コネクタであって、
上下方向に延びる中心軸線を有する筒形状を有している筒状部材と、
前記筒状部材の下部において前記筒状部材の内部に位置し、かつ、前記筒状部材に保持されている信号端子保持部材と、
前記信号端子保持部材に支持されている1以上の第1信号端子であって、前記1以上の第2信号端子のいずれか1つと電気的に接続される1以上の第1信号端子と、
前記信号端子保持部材に保持されている回路基板と、
を備えており、
前記回路基板は、基板本体及び1以上の信号配線を含んでおり、
前記基板本体は、前後方向に並ぶ2つの主面を有する板形状を有しており、
前記1以上の信号配線のそれぞれは、前記基板本体の上部に位置する第1端部、及び前記基板本体の下部に位置する第2端部を有しており、
1以上の前記第1端部のそれぞれは、1以上の前記中心導体のいずれか1つと電気的に接続されており、
1以上の前記第2端部のそれぞれは、前記1以上の第1信号端子のいずれか1つと電気的に接続されており、
前記回路基板の上端が前記筒状部材の上端より上に位置することにより、前記上下方向に直交する方向に見て、前記回路基板の一部分が視認される。
【0007】
本発明の一形態に係る検査用コネクタは、
中心導体と、前記中心導体の周囲を囲む外部導体と、前記中心導体と前記外部導体とを絶縁する絶縁体と、前記外部導体の周囲を囲む被覆と、を備える1以上の同軸ケーブルの端部に接続される検査用コネクタであって、1以上の第2信号端子を含む相手方コネクタを備える電子機器の検査に用いられる検査用コネクタであって、
上下方向に延びる中心軸線を有する筒形状を有している筒状部材と、
前記筒状部材の下部において前記筒状部材の内部に位置し、かつ、前記筒状部材に保持されている信号端子保持部材と、
前記信号端子保持部材に支持されている1以上の第1信号端子であって、前記1以上の第2信号端子のいずれか1つと電気的に接続される1以上の第1信号端子と、
前記信号端子保持部材に保持されている回路基板と、
を備えており、
前記回路基板は、基板本体及び1以上の信号配線を含んでおり、
前記基板本体は、前後方向に並ぶ2つの主面を有する板形状を有しており、
前記1以上の信号配線のそれぞれは、前記基板本体の上部に位置する第1端部、及び前記基板本体の下部に位置する第2端部を有しており、
1以上の前記第1端部のそれぞれは、1以上の前記中心導体のいずれか1つと電気的に接続されており、
1以上の前記第2端部のそれぞれは、前記1以上の第1信号端子のいずれか1つと電気的に接続されており、
前記回路基板は、前記回路基板の一部分が前記信号端子保持部材に引っ掛かること又は前記信号端子保持部材の一部分が前記回路基板に引っ掛かることにより、前記信号端子保持部材に着脱可能に保持されている。
【0008】
以下に、本明細書における用語の定義について説明する。本明細書において、前後方向に延びる軸や部材は、必ずしも前後方向と平行である軸や部材だけを示すものではない。前後方向に延びる軸や部材とは、前後方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材のことである。同様に、上下方向に延びる軸や部材とは、上下方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材のことである。左右方向に延びる軸や部材とは、左右方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材のことである。
【0009】
以下に、本明細書における部材の位置関係について定義する。第1部材ないし第3部材は、検査用コネクタの構造物である。本明細書において、前後方向に並ぶ第1部材及び第2部材とは、以下の状態を示す。前後方向に垂直な方向に第1部材及び第2部材を見たときに、第1部材及び第2部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている状態である。本明細書において、上下方向に見たときに前後方向に並ぶ第1部材及び第2部材とは、以下の状態を示す。上下方向に第1部材及び第2部材を見たときに、第1部材及び第2部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている。この場合、上下方向とは異なる左右方向から第1部材及び第2部材を見ると、第1部材及び第2部材のいずれか一方が前後方向を示す任意の直線上に配置されていなくてもよい。なお、第1部材と第2部材とが接触していてもよい。第1部材と第2部材とが離れていてもよい。第1部材と第2部材との間に第3部材が存在していてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0010】
本明細書において、第1部材が第2部材の上に配置されるとは、以下の状態を指す。第1部材の少なくとも一部は、第2部材の真上に位置している。従って、上下方向に見て、第1部材は、第2部材と重なっている。この定義は、上下方向以外の方向にも適用される。
【0011】
本明細書において、第1部材が第2部材より上に配置されるとは、第1部材の少なくとも一部が第2部材の真上に位置している場合、及び第1部材が第2部材の真上に位置せずに第1部材が第2部材の斜め上に位置している場合を含む。この場合、上下方向に見て、第1部材は、第2部材と重なっていなくてもよい。斜め上とは、例えば、左上、右上である。この定義は、上下方向以外の方向にも適用される。
【0012】
本明細書において、特に断りのない場合には、第1部材の各部について以下のように定義する。第1部材の前部とは、第1部材の前半分を意味する。第1部材の後部とは、第1部材の後半分を意味する。第1部材の左部とは、第1部材の左半分を意味する。第1部材の右部とは、第1部材の右半分を意味する。第1部材の上部とは、第1部材の上半分を意味する。第1部材の下部とは、第1部材の下半分を意味する。第1部材の前端とは、第1部材の前方向の端を意味する。第1部材の後端とは、第1部材の後方向の端を意味する。第1部材の左端とは、第1部材の左方向の端を意味する。第1部材の右端とは、第1部材の右方向の端を意味する。第1部材の上端とは、第1部材の上方向の端を意味する。第1部材の下端とは、第1部材の下方向の端を意味する。第1部材の前端部とは、第1部材の前端及びその近傍を意味する。第1部材の後端部とは、第1部材の後端及びその近傍を意味する。第1部材の左端部とは、第1部材の左端及びその近傍を意味する。第1部材の右端部とは、第1部材の右端及びその近傍を意味する。第1部材の上端部とは、第1部材の上端及びその近傍を意味する。第1部材の下端部とは、第1部材の下端及びその近傍を意味する。
【0013】
本明細書における任意の2つの部材を第1部材及び第2部材と定義した場合、任意の2つの部材の関係は以下のような意味になる。本明細書において、第1部材が第2部材に支持されているとは、第1部材が第2部材に対して移動不可能に第2部材に取り付けられている(すなわち、固定されている)場合、及び第1部材が第2部材に対して移動可能に第2部材に取り付けられている場合を含む。また、第1部材が第2部材に支持されているとは、第1部材が第2部材に直接に取り付けられている場合、及び第1部材が第3部材を介して第2部材に取り付けられている場合の両方を含む。
【0014】
本明細書において、第1部材が第2部材に保持されているとは、第1部材が第2部材に対して移動不可能に第2部材に取り付けられている(すなわち、固定されている)場合を含み、第1部材が第2部材に対して移動可能に第2部材に取り付けられている場合を含まない。また、第1部材が第2部材に保持されているとは、第1部材が第2部材に直接に取り付けられている場合、及び第1部材が第3部材を介して第2部材に取り付けられている場合の両方を含む。
【0015】
本明細書において、「第1部材と第2部材とが電気的に接続される」とは、第1部材と第2部材との間で電気が導通していることを意味する。従って、第1部材と第2部材とが接触していてもよいし、第1部材と第2部材とが接触していなくてもよい。第1部材と第2部材とが接触していない場合には、第1部材と第2部材との間に導電性を有する第3部材が配置されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る検査用コネクタによれば、回路基板の着脱を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、検査用コネクタ100の斜視図である。
【
図2】
図2は、検査用コネクタ100の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、検査用コネクタ100の右面図である。
【
図4】
図4は、検査用コネクタ100の下面図である。
【
図5】
図5は、信号端子保持部材110の斜視図である。
【
図6】
図6は、信号端子保持部材110及び回路基板112の斜視図である。
【
図7】
図7は、第1信号端子120a~120k、回路基板112及びグランド部材111の背面図である。
【
図9】
図9は、検査用コネクタ100の下面図である。
【
図10】
図10は、外部接続用コネクタ200aの背面図である。
【
図12】
図12は、検査用コネクタ100及び相手方コネクタ500の断面図である。
【
図13】
図13は、検査用コネクタ100aの信号端子保持部材110の斜視図である。
【
図14】
図14は、第1信号端子120a~120k及び回路基板112の背面図である。
【
図15】
図15は、検査用コネクタ100bの回路基板112の斜視図である。
【
図17】
図17は、検査用コネクタ100dの外観斜視図である。
【
図19】
図19は、検査用コネクタ100dの右側面図である。
【
図22】
図22は、信号端子保持部材110の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
[検査用コネクタの構造]
以下に、本発明の第1実施形態に係る検査用コネクタ100の構造について図面を参照しながら説明する。
図1は、検査用コネクタ100の斜視図である。
図2は、検査用コネクタ100の分解斜視図である。
図3は、検査用コネクタ100の右面図である。
図4は、検査用コネクタ100の下面図である。
図5は、信号端子保持部材110の斜視図である。
図6は、信号端子保持部材110及び回路基板112の斜視図である。
図7は、第1信号端子120a~120k、回路基板112及びグランド部材111の背面図である。
図8は、回路基板112の背面図である。
図9は、検査用コネクタ100の下面図である。
図10は、外部接続用コネクタ200aの背面図である。
図11は、コネクタ300aの背面図である。
【0019】
本明細書では、筒状部材101の中心軸が延びる方向を上下方向と定義する。また、回路基板112の基板本体112aの2つの主面が並ぶ方向を前後方向と定義する。前後方向は、上下方向に直交する。また、前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向と定義する。なお、上下方向、左右方向及び前後方向は、説明の便宜上定義した方向である。従って、上下方向、左右方向及び前後方向は、検査用コネクタ10の使用時の上下方向、左右方向及び前後方向と一致していなくてもよい。
【0020】
検査用コネクタ100は、1以上の同軸ケーブルの端部に接続される。検査用コネクタ100は、1以上の第2信号端子を含む相手方コネクタを備える電子機器の検査に用いられる。検査用コネクタ100は、電子機器内を伝送される高周波信号の測定に用いられる。検査用コネクタ100は、
図1及び
図2に示すように、筒状部材101、フランジ106、スプリング108、信号端子保持部材110、回路基板112、第1信号端子120a~120v(
図4参照)及び外部接続用コネクタ200a,200b(
図3参照)を備えている。
【0021】
筒状部材101は、上下方向に延びる中心軸線を有する筒形状を有している。具体的には、筒状部材101は、プランジャ102及びハウジング104を含んでいる。プランジャ102は、
図2に示すように、プランジャ下部102a及びプランジャ上部102bを含んでいる。プランジャ下部102aは、直方体形状を有している。プランジャ上部102bは、プランジャ下部102aの上に位置している。プランジャ上部102bは、上下方向に延びる中心軸線を有する円柱形状を有している。そして、プランジャ102には、プランジャ102を上下方向に貫通する貫通孔が設けられている。
【0022】
ハウジング104は、プランジャ102の上に位置している。ハウジング104は、上下方向に延びる中心軸線を有する円筒形状を有している。そして、ハウジング104には、ハウジング104を上下方向に貫通する貫通孔が設けられている。ハウジング104の下端部は、プランジャ上部102bに挿入されている。以上のような筒状部材101は、導電性を有している。筒状部材101の材料は、例えば、SUS(Steel Use Stainless)である。
【0023】
信号端子保持部材110は、
図5に示すように、信号端子保持部材下部110a、信号端子保持部材上部110b、信号端子保持部材先端部110c及びグランド部材111を含んでいる。信号端子保持部材下部110a、信号端子保持部材上部110b及び信号端子保持部材先端部110cは、一体化された単一の部材である。信号端子保持部材下部110aは、直方体形状を有している。信号端子保持部材上部110bは、上下方向に延びる中心軸線を有する円柱形状を有している。信号端子保持部材先端部110cは、直方体形状を有している。信号端子保持部材上部110b、信号端子保持部材下部110a及び信号端子保持部材先端部110cは、上から下へとこの順に並んでいる。ただし、信号端子保持部材先端部110cの前後方向の大きさは、信号端子保持部材下部110aの前後方向の大きさより小さい。信号端子保持部材先端部110cの左右方向の大きさは、信号端子保持部材下部110aの左右方向の大きさより小さい。信号端子保持部材下部110aの前後方向の大きさは、信号端子保持部材上部110bの前後方向の大きさより小さい。信号端子保持部材下部110aの左右方向の大きさは、信号端子保持部材上部110bの左右方向の大きさより小さい。
【0024】
また、信号端子保持部材下部110a、信号端子保持部材上部110b及び信号端子保持部材先端部110cには、信号端子保持部材下部110a、信号端子保持部材上部110b及び信号端子保持部材先端部110cを上下方向に貫通する貫通孔H1が設けられている。貫通孔H1は、
図4に示すように、上下方向に見て、長方形状を有している。
【0025】
図5に示すように、信号端子保持部材先端部110cの左面には、開口haが設けられている。開口haは、貫通孔H1と繋がっている。信号端子保持部材先端部110cの右面には、開口hbが設けられている。開口hbは、貫通孔H1と繋がっている。
【0026】
信号端子保持部材上部110bには、上方向に向かって開口し、かつ、左右方向に延びる溝SLが設けられている。より詳細には、溝SLは、信号端子保持部材上部110bの上面に設けられている。溝SLは、貫通孔H1と繋がっている。
【0027】
溝SLの内周面は、互いに向かい合う前面SF及び後面SBを有している。前面SFの上端部は、後上方向に向かって延びる法線を有している。後面SBの上端部は、前上方向に向かって延びる法線を有している。従って、前面SFと後面SBとの前後方向の間隔は、上に行くにしたがって大きくなっている。以上のような信号端子保持部材下部110a、信号端子保持部材上部110b及び信号端子保持部材先端部110cの材料は、絶縁性を有する樹脂である。本実施形態では、信号端子保持部材下部110a、信号端子保持部材上部110b及び信号端子保持部材先端部110cは、一体化された単一の部材である。
【0028】
第1信号端子120a~120vは、
図5に示すように、信号端子保持部材110に支持されている。より詳細には、第1信号端子120a~120vは、上下方向に延びる棒形状を有する金属端子である。第1信号端子120a~120vの一部分は、信号端子保持部材下部110a内に位置している。すなわち、第1信号端子120a~120vは、信号端子保持部材下部110aによりモールドされている。ただし、第1信号端子120a~120kの上端部は、溝SLの後面SBに位置している。第1信号端子120l~120vの上端部は、溝SLの前面SFに位置している。第1信号端子120a~120kの下端部は、信号端子保持部材先端部110cの後面に位置している。第1信号端子120l~120vの下端部は、信号端子保持部材先端部110cの前面に位置している。これにより、第1信号端子120a~120vの上端部及び第1信号端子120a~120vの下端部は、信号端子保持部材110から露出している。
【0029】
また、第1信号端子120a~120kは、
図4に示すように、左右方向に延びる第1列L1に並んでいる。本実施形態では、第1信号端子120a~120kは、左から右へとこの順に並んでいる。第1信号端子120l~120vは、左右方向に延びる第2列L2に並んでいる。本実施形態では、第1信号端子120l~120vは、左から右へとこの順に並んでいる。第2列L2は、第1列L1より前に位置している。以上のような第1信号端子120a~120vの材料は、弾性を有する金属である。第1信号端子120a~120vの材料は、例えば、リン青銅である。
【0030】
グランド部材111は、
図4に示すように、第1列L1及び第2列L2の間にしている。より詳細には、グランド部材111は、
図5に示すように、グランド部材本体111a、グランド部材鉤部111b,111c及びグランド部材突起部111d,111eを備えている。グランド部材本体111aは、前後方向に見て長方形状を有する板形状部材である。グランド部材本体111aの長辺は上下方向に延びている。グランド部材本体111aの短辺は左右方向に延びている。
【0031】
グランド部材鉤部111bは、前後方向に見て、グランド部材本体111aの左長辺の上端部から左上方向に延びている。グランド部材鉤部111cは、前後方向に見て、グランド部材本体111aの右長辺の上端部から右上方向に延びている。
【0032】
グランド部材突起部111dは、前後方向に見て、グランド部材本体111aの左長辺の下端部から左方向に突出している。グランド部材突起部111eは、前後方向に見て、グランド部材本体111aの右長辺の下端部から右方向に突出している。
【0033】
以上のようなグランド部材111は、信号端子保持部材下部110a、信号端子保持部材上部110b及び信号端子保持部材先端部110cの貫通孔H1内に位置している。また、グランド部材鉤部111bは、溝SLの左端部に位置している。グランド部材鉤部111cは、溝SLの右端部に位置している。グランド部材突起部111dは、
図6に示すように、開口haを介して信号端子保持部材先端部110cから左方向に突出している。グランド部材突起部111eは、開口hbを介して信号端子保持部材先端部110cから右方向に突出している。以上のようなグランド部材111の材料は、弾性を有する金属である。グランド部材111の材料は、例えば、リン青銅である。
【0034】
以上のような信号端子保持部材110は、筒状部材101の下部において筒状部材101の内部に位置し、かつ、筒状部材101に保持されている。より詳細には、信号端子保持部材110は、
図2に示すように、筒状部材101の下部に相当するプランジャ102に挿入されている。信号端子保持部材下部110a及び信号端子保持部材先端部110cは、プランジャ下部102a内に位置している。ただし、信号端子保持部材先端部110cは、プランジャ下部102aから下方向に突出している。また、グランド部材突起部111d,111eは、プランジャ102の内周面に接している。従って、グランド部材111は、筒状部材101に接触している。これにより、グランド部材111は、プランジャ102に電気的に接続されている。信号端子保持部材上部110bは、プランジャ上部102b内に位置している。これにより、
図4に示すように、第1信号端子120a~120vは、上下方向に見て、プランジャ102に囲まれている。
【0035】
回路基板112は、
図6ないし
図8に示すように、基板本体112a、信号配線Sa,Sb及びグランド配線Ga,Gbを含んでいる。基板本体112aは、前後方向に並ぶ2つの主面を有する板形状を有している。基板本体112aは、前後方向に見て、長方形状を有している。基板本体112aの長辺は、上下方向に延びている。基板本体112aの短辺は、左右方向に延びている。また、基板本体112aには、凹部ga,gbが設けられている。基板本体112aの左長辺の下端近傍には、凹部gaが設けられている。凹部gaは、基板本体112aの左長辺の一部が右方向に窪むことにより形成されている。基板本体112aの右長辺の下端近傍には、凹部gbが設けられている。凹部gbは、基板本体112aの右長辺の一部が左方向に窪むことにより形成されている。以上のような回路基板112では、回路基板112の下端部の左右方向の幅は、回路基板112の左右方向の幅の最大値と一致している。
【0036】
信号配線Sa,Sb及びグランド配線Ga,Gbは、基板本体112aに設けられている。信号配線Sa,Sb及びグランド配線Ga,Gbは、
図7及び
図8に示すように、上下方向に延びている。グランド配線Ga、信号配線Sa,Sb及びグランド配線Gbは、左から右へとこの順に並んでいる。
【0037】
信号配線Saは、
図7及び
図8に示すように、基板本体112aの上部に位置する第1端部Ta1、及び基板本体112aの下部に位置する第2端部Ta2を有している。信号配線Sbは、基板本体112aの上部に位置する第1端部Tb1、及び基板本体112aの下部に位置する第2端部Tb2を有している。第1端部Ta1,Tb1及び第2端部Ta2,Tb2は、基板本体112aの後主面において基板本体112aから露出している。換言すれば、信号配線Sa,Sbは、第1端部Ta1,Tb1及び第2端部Ta2,Tb2を除く部分において基板本体112a内部に位置している。第1端部Ta1,Tb1及び第2端部Ta2,Tb2は、電極として機能する。なお、回路基板112は、基板本体112aの前面において露出する端部を備える1以上の信号配線を更に備えている。しかしながら、これらの信号配線は、信号配線Sa,Sbと前後対称な構造を有するので説明を省略する。
【0038】
グランド配線Gaは、
図7及び
図8に示すように、基板本体112aの上部に位置する第3端部ta1、及び基板本体112aの下部に位置する第4端部ta2を有している。グランド配線Gbは、基板本体112aの上部に位置する第3端部tb1、及び基板本体112aの下部に位置する第4端部tb2を有している。第3端部ta1,tb1は、基板本体112aの後主面において基板本体112aから露出している。第4端部ta2,tb2のそれぞれは、凹部ga,gbに位置している。すなわち、第4端部ta2,tb2のそれぞれは、凹部ga,gbにおいて基板本体112aから露出している。換言すれば、グランド配線Ga,Gbは、第3端部ta1,tb1及び第4端部ta2,tb2を除く部分において基板本体112a内部に位置している。第3端部ta1,tb1及び第4端部ta2,tb2は、電極として機能する。なお、回路基板112は、基板本体112aの前面及び凹部ga,gbにおいて露出する端部を備える1以上のグランド配線を更に備えている。しかしながら、これらのグランド配線は、グランド配線Ga,Gbと前後対称な構造を有するので説明を省略する。
【0039】
以上のような回路基板112は、
図6に示すように、信号端子保持部材110に保持されている。より詳細には、回路基板112の下端部は、信号端子保持部材110の溝SLに挿入されている。このとき、
図7に示すように、第2端部Ta2は、第1信号端子120c(1以上の第1信号端子のいずれか1つ)と電気的に接続されている。第2端部Tb2は、第1信号端子120e(1以上の第1信号端子のいずれか1つ)と電気的に接続されている。
【0040】
また、
図7に示すように、グランド部材鉤部111bの一部分が、凹部ga内に位置している。これにより、グランド部材鉤部111bは、第4端部ta2に接触している。グランド部材鉤部111bの一部分が、凹部gb内に位置している。これにより、グランド部材鉤部111cは、第4端部tb2に接触している。その結果、グランド部材111は、第4端部ta2,tb2に電気的に接続されている。このように、回路基板112は、信号端子保持部材110の一部分が回路基板112に引っ掛かることにより、信号端子保持部材110に着脱可能に保持されている。本実施形態では、信号端子保持部材110の一部分は、グランド部材鉤部111b,111cである。そして、グランド部材111が凹部ga,gbに引っ掛かることにより、グランド部材111が第4端部ta2,tb2に接触している。本明細書において、第1部材が第2部材から着脱可能とは、第1部材及び第2部材を破損させることなく、第1部材と第2部材とを分離できることを意味する。よって、グランド部材鉤部111b,111cの回路基板112に対する引っ掛かりが解除されることにより、回路基板112が信号端子保持部材110から分離される。
【0041】
以上のように、回路基板112が信号端子保持部材110に支持されることにより、回路基板112は、ハウジング104内に位置している。ただし、
図1に示すように、回路基板112の上端が筒状部材101の上端より上に位置することにより、上下方向に直交する方向に見て、回路基板112の一部分が視認される。すなわち、回路基板112は、ハウジング104から上方向に突出している。
【0042】
また、
図9に示すように、上下方向に見て、筒状部材101の内周面は円形状を有している。そして、基板本体112aの左右方向の長さは、筒状部材101の内周面の直径とほぼ等しい。
【0043】
フランジ106は、
図1及び
図2に示すように、板形状を有する部材である。フランジ106は、下方向に見たときに、長方形状を有する。フランジ106は、上下方向において、ハウジング104の上端部近傍に配置される。フランジ106には、
図2に示すように、上下方向に延びる貫通孔H2が設けられている。ハウジング104は、貫通孔H2内を上下方向に通過している。ただし、ハウジング104の上端部の直径は、フランジ106の貫通孔H2の直径より大きい。そのため、ハウジング104は、貫通孔H2を下方向に向かって通過できない。このようなフランジ106は、導電性の高い金属により作製されている。フランジ106は、例えば、SUSにより作製されている。
【0044】
スプリング108は、フランジ106の下に位置し、かつ、プランジャ102の上に位置している。スプリング108は、フランジ106を上方向に押している。スプリング108は、プランジャ102を下方向に押している。より詳細には、スプリング108の上端は、フランジ106の下面に固定されている。スプリング108の下端は、プランジャ102の上端に固定されている。プランジャ102とハウジング104とは一体化されている。そのため、プランジャ102が上方向に押されると、スプリング108が縮んで、プランジャ102及びハウジング104がフランジ106に対して上方向に変位する。
【0045】
外部接続用コネクタ200aは、
図10に示すように、信号端子202a,204a,206a、グランド導体208a及び絶縁部材210aを含んでいる。信号端子202a,204a,206aは、上下方向に延びている。信号端子202a,204a,206aは、左から右へとこの順に並んでいる。グランド導体208aは、前後方向に見て、信号端子202a,204a,206aの上端部の周囲を囲んでいる。絶縁部材210aは、信号端子202a,204a,206a及びグランド導体208aを保持している。このような外部接続用コネクタ200aは、基板本体112aの後主面に半田により実装される。これにより、信号端子202a,206aのそれぞれは、第1端部Ta1,Tb1に電気的に接続される。グランド導体208aは、第3端部ta1,tb1に電気的に接続される。なお、外部接続用コネクタ200bは、外部接続用コネクタ200aと前後対称な構造を有する。従って、外部接続用コネクタ200bの説明を省略する。
【0046】
外部接続用コネクタ200aには、同軸ケーブル400a,400bが接続されたコネクタ300aが接続される。また、外部接続用コネクタ200bには、同軸ケーブル400c,400dが接続されたコネクタ300bが接続される。以下に、同軸ケーブル400a及びコネクタ300aを例に挙げて説明する。
【0047】
同軸ケーブル400aは、検査装置(図示せず)とコネクタ300aとを電気的に接続している。同軸ケーブル400aは、
図11に示すように、中心導体402a、外部導体404a、絶縁体406a及び被覆408aを備えている。中心導体402aは、同軸ケーブル400aの芯線である。従って、中心導体402aは、同軸ケーブル400aの中心に位置している。中心導体402aは、低い抵抗値を有する導体により作製されている。中心導体402aは、例えば、銅により作製されている。中心導体402aには、高周波信号が伝送される。
【0048】
外部導体404aは、中心導体402aの周囲を囲んでいる。従って、外部導体404aは、同軸ケーブル400aが延びる方向に直交する断面において、円環形状を有している。このような外部導体404aは、例えば、細い導線が編まれることにより作製されている。外部導体404aは、低い抵抗値を有する導体により作製されている。外部導体404aは、例えば、銅により作製されている。外部導体404aは、グランド電位に接続される。
【0049】
絶縁体406aは、中心導体402aと外部導体404aとを絶縁している。絶縁体406aは、中心導体402aと外部導体404aとの間に位置している。絶縁体406aは、中心導体402aの周囲を囲んでいる。絶縁体406aの周囲は、外部導体404aにより囲まれている。絶縁体406aは、同軸ケーブル400aが延びる方向に直交する断面において、円環形状を有している。絶縁体406aは、絶縁性を有する樹脂により作製されている。絶縁体406aは、例えば、ポリエチレンにより作製されている。また、同軸ケーブル400aがしなやかに変形できるように、絶縁体406aには複数の孔が設けられている。
【0050】
被覆408aは、外部導体404aの周囲を囲んでいる。従って、被覆408aは、同軸ケーブル400aが延びる方向に直交する断面において、円環形状を有している。被覆408aは、絶縁性を有する樹脂により作製されている。被覆408aは、例えば、ポリエチレンにより作製されている。ただし、被覆408aには、複数の孔が設けられていない、又は絶縁体406aより少ない孔が設けられている。そのため、被覆408aは、絶縁体406aより変形しにくい。従って、被覆408aのヤング率は、絶縁体406aのヤング率より大きい。
【0051】
同軸ケーブル400aの下端部では、外部導体404a、絶縁体406a及び被覆408aが除去されることにより、中心導体402aが同軸ケーブル400aから露出している。また、中心導体402aが露出している部分より上において被覆408aが除去されることにより、外部導体404aが同軸ケーブル400aから露出している。なお、同軸ケーブル400b~400dは、同軸ケーブル400aと同じ構造を有する。そのため、同軸ケーブル400b~400dの説明を省略する。
【0052】
コネクタ300aは、
図11に示すように、信号端子302a,304a,306a、グランド導体308a及び絶縁部材310aを含んでいる。信号端子302a,304a,306aは、上下方向に延びている。信号端子302a,304a,306aは、左から右へとこの順に並んでいる。信号端子302aの上端部は、同軸ケーブル400aの中心導体402aに電気的に接続されている。信号端子306aの上端部は、同軸ケーブル400bの中心導体402b(図示せず)に電気的に接続されている。
【0053】
グランド導体308aは、前後方向に見て、信号端子302a,304a,306aの下端部の周囲を囲んでいる。グランド導体308aは、同軸ケーブル400aの外部導体404a及び同軸ケーブル400bの外部導体404b(図示せず)を保持している。これにより、グランド導体308aは、外部導体404a,404bに電気的に接続されている。なお、コネクタ300bは、コネクタ300aと同じ構造を有している。そのため、コネクタ300bの説明を省略する。
【0054】
以上のようなコネクタ300aは、外部接続用コネクタ200aに接続される。このとき、信号端子302a,304a,306aのそれぞれは、信号端子202a,204a,206aに接続される。その結果、第1端部Ta1は、中心導体402a(1以上の中心導体のいずれか1つ)と電気的に接続されている。第1端部Tb1は、中心導体402b(1以上の中心導体のいずれか1つ 図示せず)と電気的に接続されている。グランド導体308aは、グランド導体208aに接続される。その結果、第3端部ta1は、外部導体404a(1以上の外部導体のいずれか1以上)と電気的に接続されている。第3端部tb1は、外部導体404b(1以上の外部導体のいずれか1以上 図示せず)と電気的に接続されている。
【0055】
次に、検査用コネクタ100の使用方法について説明する。
図12は、検査用コネクタ100及び相手方コネクタ500の断面図である。
【0056】
まず、相手方コネクタ500について説明する。相手方コネクタ500は、
図12に示すように、第2信号端子502a~502v(第2信号端子502c,502nのみ図示)、グランド導体504及び絶縁部材506を含んでいる。第2信号端子502a~502kは、左から右へとこの順に並んでいる。第2信号端子502l~502vは、左から右へとこの順に並んでいる。第2信号端子502l~502vのそれぞれは、第2信号端子502a~502kの前に位置している。グランド導体504は、第2信号端子502a~502vの周囲を囲んでいる。グランド導体504は、グランド電位に接続される。絶縁部材506は、第2信号端子502a~502v及びグランド導体504を保持している。以上のような相手方コネクタ500は、電子機器の回路基板に実装されている。
【0057】
検査用コネクタ100は、上記のような第2信号端子502a~502vを含む相手方コネクタ500を備える電子機器の検査に用いられる。
図12に示すように、検査用コネクタ100は、相手方コネクタ500の上にセットされる。そして、検査用コネクタ100が下降させられる。これにより、第1信号端子120a~120vのそれぞれは、第2信号端子502a~502vのいずれか1つと電気的に接続される。また、筒状部材101は、グランド導体504に電気的に接続される。これにより、電子機器の検査を行うことができる。
【0058】
[効果]
検査用コネクタ100によれば、回路基板112の着脱を容易に行うことができる。より詳細には、検査用コネクタ100では、回路基板112の上端が筒状部材101の上端より上に位置することにより、上下方向に直交する方向に見て、回路基板112の一部分が視認される。これにより、ユーザは、回路基板112に直接に触れることができる。その結果、ユーザは、回路基板112の着脱を容易に行うことができる。
【0059】
検査用コネクタ100によれば、回路基板112の着脱を容易に行うことができる。回路基板112は、信号端子保持部材110の一部分が回路基板112に引っ掛かることにより、信号端子保持部材110に着脱可能に保持されている、これにより、ユーザは、信号端子保持部材110の一部分を回路基板112に引っ掛けることにより、回路基板112を検査用コネクタ100に取り付けることができる。一方、ユーザは、信号端子保持部材110の一部分を回路基板112から外すことにより、回路基板112を検査用コネクタ100から取り外すことができる。
【0060】
検査用コネクタ100によれば、回路基板112を検査用コネクタ100に容易に取り付けることができる。より詳細には、信号端子保持部材110には、上方向に向かって開口し、かつ、左右方向に延びる溝SLが設けられている。溝SLの内周面は、互いに向かい合う前面SF及び後面SBを有している。前面SFの上端部は、後上方向に向かって延びる法線を有している。後面SBの上端部は、前上方向に向かって延びる法線を有している。これにより、回路基板112の下端部が溝SLに挿入される際に、回路基板112の下端部は前面SF及び後面SBにより溝SLに誘導される。その結果、検査用コネクタ100によれば、回路基板112を検査用コネクタ100に容易に取り付けることができる。
【0061】
検査用コネクタ100によれば、回路基板112を検査用コネクタ100に容易に取り付けることができる。より詳細には、上下方向に見て、筒状部材101の内周面は円形状を有している。基板本体112aの左右方向の長さは、筒状部材101の内周面の直径とほぼ等しい。これにより、ユーザが筒状部材101に回路基板112を挿入する際に、回路基板112が筒状部材101に対して傾くことが抑制される。その結果、回路基板112が信号端子保持部材110に対してずれることが抑制される。よって、検査用コネクタ100によれば、回路基板112を検査用コネクタ100に容易に取り付けることができる。
【0062】
検査用コネクタ100によれば、第1信号端子120c,120eに所望の特性インピーダンス(例えば、50Ω)を発生させることができる。より詳細には、グランド部材111は、グランド配線Ga,Gbの第4端部ta2,tb2に電気的に接続されている。そして、グランド部材111は、筒状部材101に接触している。これにより、筒状部材101は、グランド電位に接続されている。従って、第1信号端子120c,120eは、上下方向に見て、グランド電位に接続されている筒状部材101に囲まれている。すなわち、第1信号端子120c,120e及び筒状部材101は、同軸構造を有するようになる。その結果、検査用コネクタ100によれば、第1信号端子120c,120eに所望の特性インピーダンスを発生させることができる。
【0063】
検査用コネクタ100では、第1信号端子120a~120kは、第1列L1に並んでいる。第1信号端子120l~120vは、第2列L2に並んでいる。そして、グランド部材111は、第1列L1と第2列L2との間に位置している。グランド部材111は、グランド電位に接続されている。そのため、第1信号端子120a~120kと第1信号端子120l~120vとの間にシールドが存在するようになる。よって、第1信号端子120a~120kと第1信号端子120l~120vとの間でノイズが行き来することが抑制される。また、グランド部材111と第1信号端子120a~120vとの間に容量が形成されるので、第1信号端子120a~120vに所望の特性インピーダンスを発生させることができる。
【0064】
検査用コネクタ100では、回路基板112の下端部の左右方向の幅は、回路基板112の左右方向の幅の最大値である。これにより、ユーザは、下方向に見たときに、回路基板112の下端部を視認できる。すなわち、回路基板112の下端が信号端子保持部材110に挿入されたことを視認できる。
【0065】
検査用コネクタ100によれば、検査用コネクタ100の汎用性を向上させることができる。より詳細には、検査用コネクタ100は、回路基板112を交換することができる。そのため、回路基板112を交換することにより、中心導体402a~402dに接続される第1信号端子を変えることができる。その結果、検査用コネクタ100をより多品種の電子機器の検査に用いることができる。以上より、検査用コネクタ100によれば、検査用コネクタ100の汎用性を向上させることができる。
【0066】
(第1変形例)
以下に第1変形例に係る検査用コネクタ100aについて図面を参照しながら説明する。
図13は、検査用コネクタ100aの信号端子保持部材110の斜視図である。
図14は、第1信号端子120a~120k及び回路基板112の背面図である。
【0067】
検査用コネクタ100aは、グランド部材111を備えていない点において検査用コネクタ100と相違する。第4端部ta2,ta22は、グランド配線Gaの端部である。第4端部tb2は、グランド配線Gbの端部である。検査用コネクタ100aでは、第4端部ta2,ta22,tb2のそれぞれは、基板本体112aの後主面において基板本体112aから露出している。
【0068】
第4端部ta2は、第1信号端子120b(1以上の第1信号端子のいずれか1つ)と電気的に接続されている。第4端部ta22は、第1信号端子120d(1以上の第1信号端子のいずれか1つ)と電気的に接続されている。これにより、第4端部ta2,ta22が電気的に接続されている第1信号端子120b,120dと第2端部Ta2が電気的に接続されている第1信号端子120cとは隣り合っている。
【0069】
第4端部tb2は、第1信号端子120f(1以上の第1信号端子のいずれか1つ)と電気的に接続されている。これにより、第4端部ta22,tb2が電気的に接続されている第1信号端子120d,120fと第2端部Tb2が電気的に接続されている第1信号端子120eとは隣り合っている。
【0070】
検査用コネクタ100aでは、筒状部材101は、グランド電位に接続されていてもよいし、グランド電位に接続されていなくてもよい。検査用コネクタ100aのその他の構造は、検査用コネクタ100と同じであるので説明を省略する。検査用コネクタ100aは、検査用コネクタ100と同じ作用効果を奏することができる。
【0071】
(第2変形例)
以下に第2変形例に係る検査用コネクタ100bについて図面を参照しながら説明する。
図15は、検査用コネクタ100bの回路基板112の斜視図である。
【0072】
検査用コネクタ100bは、回路基板112が金属部材112bを更に含んでいる点において検査用コネクタ100と相違する。より詳細には、金属部材112bは、基板本体112aの下端部に固定され、かつ、第4端部ta2,tb2に電気的に接続されている。回路基板112は、信号端子保持部材110の一部分が金属部材112bに引っ掛かることにより、信号端子保持部材110に着脱可能に保持されている。本実施形態では、グランド部材111のグランド部材鉤部111b,111cが金属部材112bに引っ掛かっている。金属部材112bの材料は、例えば、SUSである。検査用コネクタ100bのその他の構造は、検査用コネクタ100と同じであるので説明を省略する。検査用コネクタ100bは、検査用コネクタ100と同じ作用効果を奏することができる。
【0073】
また、グランド部材鉤部111b,111cは、金属部材112bに引っ掛かっている。これにより、検査用コネクタ100bの使用時に、グランド部材鉤部111b,111cと金属部材112bとの間に摩擦が生じたとしても、グランド部材鉤部111b,111c及び金属部材112bが摩耗しにくい。よって、検査用コネクタ100bの耐久性が向上する。
【0074】
(第3変形例)
以下に第3変形例に係る検査用コネクタ100cについて図面を参照しながら説明する。
図16は、検査用コネクタ100cの背面図である。
【0075】
検査用コネクタ100cは、回路基板112の上に位置するように、回路基板112に固定されている保持部材600を更に備えている点において検査用コネクタ100と相違する。保持部材600の上端が筒状部材101の上端より上に位置することにより、上下方向に直交する方向に見て、保持部材600の一部分が視認される。検査用コネクタ100cのその他の構造は、検査用コネクタ100と同じであるので説明を省略する。検査用コネクタ100cは、検査用コネクタ100と同じ作用効果を奏することができる。
【0076】
また、検査用コネクタ100cによれば、回路基板112の着脱を容易に行うことができる。より詳細には、検査用コネクタ100では、保持部材600の上端が筒状部材101の上端より上に位置することにより、上下方向に直交する方向に見て、保持部材600の一部分が視認される。これにより、ユーザは、保持部材600に直接に触れることができる。保持部材600が回路基板112に固定されているので、ユーザは、保持部材600を操作することにより、回路基板112の着脱を容易に行うことができる。
【0077】
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態に係る検査用コネクタ100dについて図面を参照しながら説明する。
図17は、検査用コネクタ100dの外観斜視図である。
図18は、検査用コネクタ100dの背面図である。
図19は、検査用コネクタ100dの右側面図である。
図20は、
図19のF-Fにおける断面図である。
図21は、信号端子保持部材110の背面図である。
図22は、信号端子保持部材110の右側面図である。
図23は、
図22のG-Gにおける断面図である。
図24は、検査用コネクタ100dの上面図である。
【0078】
検査用コネクタ100dと検査用コネクタ100との相違点を中心に説明する。
図17ないし
図20に示すように、検査用コネクタ100dは、プランジャ102の代わりに第1プランジャ102A及び第2プランジャ102Bを備えている。また、検査用コネクタ100dは、
図20に示すように、スプリング109を更に備えている。
【0079】
第1プランジャ102A及び第2プランジャ102Bは、上下方向に延びる中心軸線を有する円筒形状を有している筒状部材である。第1プランジャ102Aは、第2プランジャ102Bの上に位置している。第2プランジャ102Bは、プランジャ下部102a及びプランジャ上部102bを含んでいる。検査用コネクタ100dのプランジャ下部102a及びプランジャ上部102bの構造は、検査用コネクタ100のプランジャ下部102a及びプランジャ上部102bと同じであるので説明を省略する。
【0080】
ハウジング104の下部は、第1プランジャ102A及び第2プランジャ102Bに挿入されている。第1プランジャ102Aは、
図17に示すように、ハウジング104にねじ700により固定されている。また、第2プランジャ102Bの前面には、上下方向に長手方向を有する長孔LHが設けられている。そして、長孔LHには、ねじ72が挿入されている。ねじ72は、ハウジング104に固定されている。これにより、第2プランジャ102Bは、ハウジング104に対して上下方向に移動することができる。ただし、第2プランジャ102Bが上下方向に移動できる幅は、長孔LHの上下方向の長さに制限されている。
【0081】
スプリング109は、
図20に示すように、ハウジング104の下、かつ、第2プランジャ102Bのプランジャ上部102b内に設けられている。そして、スプリング109の上端は、信号端子保持部材フランジ部110d(詳細は後述)の下面に接触している。スプリング109の下端は、プランジャ下部102aの上端に接触している。これにより、スプリング109は、ハウジング104及び信号端子保持部材110に対して第2プランジャ102Bを下方向に押している。そのため、
図20の拡大図に示すように、第1信号端子120a~120vは、プランジャ下部102aから突出していない。
【0082】
検査用コネクタ100dが上記構造を有することにより、相手方コネクタ500が第2プランジャ102Bを上方向に押すと、第2プランジャ102Bがハウジング104及び信号端子保持部材110に対して上方向に移動できる。換言すれば、ハウジング104及び信号端子保持部材110は、第2プランジャ102Bに対して下方向に移動できる。これにより、第1信号端子120a~120vは、プランジャ下部102aから下方向に突出する。その結果、第1信号端子120a~120vは、相手方コネクタ500の第2信号端子502a~502vに接触できる。
【0083】
また、プランジャ下部102aの内面には、
図20に示すように、斜面S1,S2が設けられている。斜面S1は、信号端子保持部材先端部110cの左に位置している。斜面S1は、右上方向を向いている。斜面S2は、信号端子保持部材先端部110cの右に位置している。斜面S2は、左上方向を向いている。これにより、第1信号端子120a~120vが第2プランジャ102Bに対して下方向に移動するときに、信号端子保持部材先端部110cが左方向にずれている場合には、信号端子保持部材先端部110cが斜面S1に接触する。そして、信号端子保持部材先端部110cが斜面S1を右下方向に滑ることにより、第1信号端子120a~120vがプランジャ下部102aから下方向に突出する。同様に、第1信号端子120a~120vが第2プランジャ102Bに対して下方向に移動するときに、信号端子保持部材先端部110cが右方向にずれている場合には、信号端子保持部材先端部110cが斜面S2に接触する。そして、信号端子保持部材先端部110cが斜面S2を左下方向に滑ることにより、第1信号端子120a~120vがプランジャ下部102aから下方向に突出する。
【0084】
次に、信号端子保持部材110の構造について説明する。検査用コネクタ100dの信号端子保持部材110は、信号端子保持部材フランジ部110dを含んでいる点において、検査用コネクタ100の信号端子保持部材110と相違する。信号端子保持部材フランジ部110dは、
図21及び
図22に示すように、信号端子保持部材上部110bの上端に接続されている。信号端子保持部材フランジ部110dは、信号端子保持部材上部110bの上端から前後方向及び左右方向に突出している。信号端子保持部材フランジ部110dは、上下方向に見て、円環形状を有している。前記の通り、信号端子保持部材フランジ部110dには、スプリング109の上端が接触する。
【0085】
また、検査用コネクタ100dの信号端子保持部材110は、信号端子保持部材上部110bの形状において、検査用コネクタ100の信号端子保持部材110と相違する。より詳細には、信号端子保持部材上部110bは、
図21及び
図22に示すように、上下方向に延びる中心軸線を有する円柱形状を有している。また、信号端子保持部材上部110bは、前面SF及び後面SBを有している。前面SFは、後上方向に向かって延びる法線を有している。後面SBは、前上方向に向かって延びる法線を有している。前面SF及び後面SBは、上下方向に対して、60°だけ傾いている。これにより、前面SFと後面SBとの前後方向の間隔は、上に行くにしたがって大きくなっている。これにより、回路基板112の下端部が溝SLに挿入される際に、回路基板112の下端部は前面SF及び後面SBにより溝SLに誘導される。ただし、前面SF及び後面SBが上下方向に対して形成する角度は、60°に限らない。
【0086】
また、信号端子保持部材下部110aの前面及び後面は、平坦面である。これにより、信号端子保持部材下部110aの前面とプランジャ下部102aの内周面との間、及び、信号端子保持部材下部110aの後面とプランジャ下部102aの内周面との間に隙間が形成される。検査用コネクタ100dの信号端子保持部材110のその他の構造は、検査用コネクタ100の信号端子保持部材110と同じであるので説明を省略する。
【0087】
また、検査用コネクタ100dのグランド部材111の構造は、
図5及び
図20に示すように、検査用コネクタ100dとほぼ同じである。従って、グランド部材111は、グランド部材本体111a及びグランド部材鉤部111b,111cを含んでいる。グランド部材本体111aは、信号端子保持部材下部110a及び信号端子保持部材上部110bの貫通孔H1に挿入されている。グランド部材鉤部111b,111cは、回路基板112に引っ掛かる。これにより、回路基板112は、信号端子保持部材110に着脱可能に保持されている。更に、検査用コネクタ100dでも検査用コネクタ100と同じように、グランド部材111により回路基板112にグランド電位が接続されている。
【0088】
また、
図22及び
図23に示すように、第1信号端子120a~120kは、第1信号端子120a~120kの下端部において前方向に折れ曲がっている。これにより、第1信号端子120a~120kの下端部は、後下方向を向く斜面S11を有している。同様に、第1信号端子120l~120vは、第1信号端子120l~120vの下端部において後方向に折れ曲がっている。これにより、第1信号端子120l~120vの下端部は、前下方向を向く斜面S12を有している。
【0089】
検査用コネクタ100dが相手方コネクタ500(
図12参照)に取り付けられるときに、第1信号端子120a~120kのそれぞれは、斜面S11において第2信号端子502a~502k(
図12参照)と接触する。そして、第2信号端子502a~502kのそれぞれは、第1信号端子120a~120kの斜面S11を滑りながら、第1信号端子120a~120kを前方向に押す。その結果、第1信号端子120a~120kは、前方向に撓むように弾性変形する。これにより、第1信号端子120a~120kのそれぞれは、第2信号端子502a~502kに接触する。同様に、第2信号端子502l~502vのそれぞれは、第1信号端子120l~120vの斜面S12を滑りながら、第1信号端子120l~120vを後方向に押す。その結果、第1信号端子120l~120vは、後方向に撓むように弾性変形する。これにより、第1信号端子120l~120vと第2信号端子502l~502vとに位置ずれが生じていても、第1信号端子120l~120vのそれぞれが第2信号端子502l~502vに接触できる。
【0090】
なお、第1信号端子120a~120vの下端部が折れ曲がっている角度は、鈍角である。しかしながら、第1信号端子120a~120vの下端部が折れ曲がっている角度は、鈍角に限らず、90度であってもよい。この場合においても、第1信号端子120l~120vの下端部は、後ろ下方向を向く斜面S11及び前下方向を向く斜面S12を有している。また、第1信号端子120a~120vの下端部は、左右方向に見て、U字形状に折れ曲がっていてもよい。この場合においても、第1信号端子120l~120vの下端部は、後ろ下方向を向く斜面S11及び前下方向を向く斜面S12を有している。
【0091】
なお、検査用コネクタ100dが相手方コネクタ500に取り付けられていない時には、第1信号端子120a~120vの下端部以外の部分は、上下方向に延びている。しかしながら、信号端子保持部材110が第1信号端子120a~120kの下端部以外の部分に後から接触することにより、第1信号端子120a~120kの下端部以外の部分が前方向に撓んでいてもよい。同様に、信号端子保持部材110が第1信号端子120l~120vの下端部以外の部分に前から接触することにより、第1信号端子120l~120vの下端部以外の部分が後方向に撓んでいてもよい。プランジャ下部102aが相手方コネクタ500に接触することにより、第1信号端子120a~120vが第2信号端子520a~520vに対して位置決めされるため、上記のように第1信号端子120a~120vが撓んでいてもよい。また、第1信号端子120a~120vが撓んでいることにより、検査用コネクタ100dが相手方コネクタ500に取り付けられる時に、第1信号端子120a~120vが第2信号端子520a~520vに対して十分な力で圧接することができる。
【0092】
次に、ハウジング104の構造について図面を参照しながら説明する。ハウジング104は、円筒形状を有している。ただし、
図24に示すように、ハウジング104の内周面の直径は、回路基板112の左右方向の幅より小さい。そこで、ハウジング104には、溝SL10,SL11が設けられている。溝SL10は、ハウジング104の内周面の左端から左方向に窪んでいる。溝SL11は、ハウジング104の内周面の右端から右方向に窪んでいる。溝SL10,SL11は、上下方向に延びている。そして、回路基板112は、溝SL10に挿入されている。これにより、回路基板112は、ハウジング104に保持されている。その結果、回路基板112が前後方向にずること、及び、回路基板112が上下方向に延びる回転軸線を中心に回転することが抑制される。
【0093】
(その他の実施形態)
本発明に係る検査用コネクタは、前記実施形態に係る検査用コネクタ100,100a~100dに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
【0094】
また、検査用コネクタ100,100a~100dの構成要件を任意に組み合わせてもよい。
【0095】
なお、筒状部材101は、導電性を有していなくてもよい。すなわち、筒状部材101は、絶縁性を有していてもよい。この場合、筒状部材101の材料は、例えば、樹脂である。
【0096】
なお、相手方コネクタ500は、1以上の第2信号端子を備えていればよい。
【0097】
なお、同軸ケーブルの数は、1以上であればよい。
【0098】
なお、検査用コネクタ100,100a~100dは、1以上の第1信号端子を備えていればよい。
【0099】
なお、回路基板112は、1以上の信号配線を備えていればよい。
【0100】
なお、回路基板112は、グランド配線を備えていなくてもよい。また、回路基板112は、1以上のグランド配線を備えていてもよい。
【0101】
なお、検査用コネクタ100,100a~100dは、グランド部材の代わりにグランド部材と同じ形状を有する絶縁部材を備えていてもよい。
【0102】
なお、検査用コネクタ100aにおいて、第4端部ta2,ta22が電気的に接続されている第1信号端子と第2端部Ta2が電気的に接続されている第1信号端子とは隣り合っていなくてもよい。第4端部ta22,tb2が電気的に接続されている第1信号端子と第2端部Tb2が電気的に接続されている第1信号端子とは隣り合っていなくてもよい。
【0103】
なお、検査用コネクタ100,100a~100dにおいて、回路基板112は、回路基板112の一部分が信号端子保持部材110に引っ掛かることにより、信号端子保持部材110に着脱可能に保持されてもよい。
【0104】
なお、検査用コネクタ100,100a~100dでは、回路基板112の上端が筒状部材101の上端より上に位置することにより、上下方向に直交する方向に見て、回路基板112の一部分が視認される。そのため、検査用コネクタ100,100a~100dでは、同軸ケーブル400a~400dは、外部接続用コネクタ200a,200bから右方向又は左方向に延びていてもよい。このように同軸ケーブル400a~400dが延びる方向を任意に設計することができる。その結果、同軸ケーブル400a~400dを不必要に撓ませる必要がなくなる。
【0105】
なお、第3端部ta1は、複数の外部導体と電気的に接続されてもよい。第3端部tb1は、複数の外部導体と電気的に接続されてもよい。
【0106】
なお、第4端部の数は、1以上であればよい。
【0107】
なお、凹部の数は、1以上であればよい。
【0108】
なお、凹部gaは、
図7に示すように、上面、下面及び右面を有している。右面は、左方向を向く面である。第4端部ta2は、凹部gaの下面に位置している。しかしながら、第4端部taは、凹部gaの右面に位置していてもよいし、上面に位置していてもよい。また、凹部gbは、
図7に示すように、上面、下面及び左面を有している。左面は、右方向を向く面である。第4端部tb2は、凹部gbの下面に位置している。しかしながら、第4端部tbは、凹部gbの左面に位置していてもよいし、上面に位置していてもよい。
【符号の説明】
【0109】
100,100a~100d:検査用コネクタ
101:筒状部材
102:プランジャ
102a:プランジャ下部
102b:プランジャ上部
102A:第1プランジャ
102B:第2プランジャ
104:ハウジング
106:フランジ
108,109:スプリング
110:信号端子保持部材
110a:信号端子保持部材下部
110b:信号端子保持部材上部
110c:信号端子保持部材先端部
111:グランド部材
111a:グランド部材本体
111b,111c:グランド部材鉤部
111d,111e:グランド部材突起部
112:回路基板
112a:基板本体
112b:金属部材
120a~120v:第1信号端子
200a,200b:外部接続用コネクタ
202a,204a,206a:信号端子
208a:グランド導体
210a:絶縁部材
300a,300b:コネクタ
302a,304a,306a:信号端子
308a:グランド導体
310a:絶縁部材
400a~400d:同軸ケーブル
402a,402b:中心導体
404a,404b:外部導体
406a:絶縁体
408a:被覆
500:相手方コネクタ
502a~502v:第2信号端子
504:グランド導体
506:絶縁部材
600:保持部材
Ga,Gb:グランド配線
H1,H2:貫通孔
L1:第1列
L2:第2列
SB:後面
SF:前面
SL:溝
Sa,Sb:信号配線
S1,S2,S11,S12:斜面
Ta1,Tb1:第1端部
Ta2,Tb2:第2端部
ga,gb:凹部
ha,hb:開口
ta1,tb1:第3端部
ta2,ta22,tb2:第4端部