(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】光導波路、バックライト装置およびディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240528BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240528BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240528BHJP
G02B 6/00 20060101ALI20240528BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240528BHJP
F21Y 105/00 20160101ALN20240528BHJP
【FI】
F21S2/00 431
G02F1/13357
G02F1/13 505
G02B6/00 331
F21S2/00 433
F21Y115:10
F21Y105:00
(21)【出願番号】P 2020550747
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(86)【国際出願番号】 US2019023659
(87)【国際公開番号】W WO2019183525
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-02-16
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516384542
【氏名又は名称】リアルディー スパーク エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウッドゲート、グラハム ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン、マイケル ジー.
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-103241(JP,A)
【文献】特開2014-032953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0223251(US,A1)
【文献】国際公開第2016/093137(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/13357
G02F 1/13
G02B 6/00
F21Y 115/10
F21Y 105/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路であって、
全反射によって前記光導波路に沿って光をガイドするための第1および第2の対向する導光面と、
前記第1および第2の導光面の間に配置された少なくとも1つの光入射端であって、横方向に延在する光入射端と、を備え、
前記第2の導光面が、
(i)アレイ状に配置された複数の非傾斜光抽出特徴部であって、各非傾斜光抽出特徴部が、細長く、前記横方向に垂直な長手方向に延在し、前記長手方向に直交する平面内で変化し且つ前記長手方向において傾斜の成分を有しない表面法線方向を有する、複数の非傾斜光抽出特徴部と、
(ii)アレイ状に配置された複数の傾斜光抽出特徴部であって、
第1の複数の傾斜光抽出特徴部であって、前記第1の複数の傾斜光抽出特徴部の各光抽出特徴部が表面法線方向を有しており、前記表面法線方向は第1の光入射端から離れている前記長手方向において前記表面法線方向の成分を有した傾斜を有する、第1の複数の傾斜光抽出特徴部と、
第2の複数の傾斜光抽出特徴部であって、前記第2の複数の傾斜光抽出特徴部の各光抽出特徴部が、前記第1の光入射端に向かう前記長手方向の成分を有する傾斜を有する表面法線方向を有する、第2の複数の傾斜光抽出特徴部と、
を有する、複数の傾斜光抽出特徴部と、を備え、
前記複数の非傾斜光抽出特徴部および前記複数の傾斜光抽出特徴部が、出射光として前記第1および第2の導光面を通ってガイドされた光を導くように配向されており、
前記非傾斜光抽出特徴部の幅が前記傾斜光抽出特徴部の間の尖点に向かって減少するように、前記複数の非傾斜光抽出特徴部がそれに隣接する前記傾斜光抽出特徴部の平面によって二等分される光導波路。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光入射端が、第1の光入射端と、前記長手方向において前記第1の光入射端に面する第2の光入射端とを備える、請求項1に記載の光導波路。
【請求項3】
前記第1の複数の傾斜光抽出特徴部の前記表面法線方向の前記傾斜の前記長手方向の前記成分の大きさが、前記第2の複数の傾斜光抽出特徴部の前記表面法線方向の前記傾斜の前記長手方向の前記成分の大きさとは異なる、請求項1に記載の光導波路。
【請求項4】
前記第1の複数の傾斜光抽出特徴部の前記表面法線方向の前記傾斜の前記長手方向の前記成分が、0.25度と5度の間である、請求項3に記載の光導波路。
【請求項5】
前記第2の複数の傾斜光抽出特徴部の前記表面法線方向の前記傾斜の前記長手方向の前記成分が、80度と90度の間である、請求項3または4に記載の光導波路。
【請求項6】
前記第2の複数の傾斜光抽出特徴部の前記長手方向の前記傾斜が、0.25度と5度の間である、請求項3または4に記載の光導波路。
【請求項7】
前記傾斜光抽出特徴部が、平面傾斜光抽出特徴部を備える、請求項1に記載の光導波路。
【請求項8】
前記平面傾斜光抽出特徴部が、前記横方向に成分を有しない表面法線方向を有する、請求項7に記載の光導波路。
【請求項9】
前記傾斜光抽出特徴部が、前記長手方向に延在するレンチキュラー面を備える、請求項1に記載の光導波路。
【請求項10】
前記非傾斜光抽出特徴部が、レンチキュラー面または細長プリズム面を備える、請求項1に記載の光導波路。
【請求項11】
前記複数の非傾斜光抽出特徴部が、前記傾斜光抽出特徴部と交差される、請求項1に記載の光導波路。
【請求項12】
前記アレイが二次元である、請求項1に記載の光導波路。
【請求項13】
前記第1の導光面が平面を備える、請求項1に記載の光導波路。
【請求項14】
請求項1に記載の光導波路を備え、前記少なくとも1つの入射端において光を前記光導波路に入射するように構成された少なくとも1つの光源と、
前記光導波路の前記第1の導光面を透過した光を反射するように構成された、前記第1の導光面に面する後部反射器と、
をさらに備えるバックライト装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの光入射端が、第1の光入射端と、前記長手方向において前記第1の光入射端に面する第2の光入射端とを備え、
前記バックライト装置がさらに、第1の光入射端において前記光導波路に光を入射するように構成された少なくとも1つの光源と、第2の光入射端において前記光導波路に光を入射するように構成された少なくとも1つのさらなる光源とを備える、請求項14に記載のバックライト装置。
【請求項16】
前記光源からの光束を制御するように構成された制御システムをさらに備える、請求項14または15に記載のバックライト装置。
【請求項17】
前記横方向に細長いプリズム素子のアレイを備える光転向フィルムをさらに備える、請求項14に記載のバックライト装置。
【請求項18】
請求項17に記載のバックライト装置であって、
前記光導波路の前記第2の導光面が、前記光導波路の前記第1の導光面と前記光転向フィルムとの間に配置され、
前記光転向フィルムが、前記光導波路の前記第2の導光面を透過した光を受光するように構成される、バックライト装置。
【請求項19】
前記プリズム素子の前記アレイの前記プリズム素子が、それぞれ、対向する第1および第2のプリズム面を備え、
各第1のプリズム面が、第1の入射端に向かって前記長手方向に傾斜した成分を有する表面法線方向を有し、
各第2のプリズム面が、前記第1の入射端から離れて前記長手方向に傾斜する成分を有する表面法線方向を有する、請求項17または18に記載のバックライト装置。
【請求項20】
各第1のプリズム面が平面を備え、各第2のプリズム面が波状面を備え、
光が前記光導波路の第1の入射端に入射されるとき、前記光導波路からの出射光が、前記第2のプリズム面によって屈折され、前記第1のプリズム面によって反射され、
光が前記光導波路の第2の入射端に入射されるとき、前記光導波路からの出射光が、前記第1のプリズム面によって屈折され、前記第2のプリズム面によって反射される、請求項19に記載のバックライト装置。
【請求項21】
前記光導波路の前記第1の導光面を透過した光を反射するように構成された、前記第1の導光面に面する後部反射器をさらに備える、請求項14に記載のバックライト装置。
【請求項22】
請求項14に記載のバックライト装置を備え、光転向フィルムから光を受光するように構成された空間光変調器をさらに備えるディスプレイ装置。
【請求項23】
前記空間光変調器の側に配置された少なくとも1つのディスプレイ偏光子と、
前記空間光変調器の前記ディスプレイ偏光子と同じ側に配置された追加の偏光子と、
前記ディスプレイ偏光子と前記追加の偏光子との間に配置された液晶材料の層を備える切り替え可能な液晶リターダと、
をさらに備える、請求項22に記載のディスプレイ装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの光入射端が、第1の光入射端と、前記長手方向において前記第1の光入射端に面する第2の光入射端とを備え、
光源が第1の光入射端において前記光導波路に光を入射するように構成されているとき、第1の電圧が前記切り替え可能な液晶リターダにわたって印加され、光源が第2の光入射端において前記光導波路に光を入射するように構成されているとき、前記第1の電圧とは異なる第2の電圧が、前記切り替え可能な液晶リターダにわたって印加される、請求項23に記載のディスプレイ装置。
【請求項25】
光導波路であって、
全反射によって前記光導波路に沿って光をガイドするための第1および第2の対向する導光面と、
前記第1および第2の導光面の間に配置された少なくとも1つの光入射端であって、横方向に延在する光入射端と、を備え、
前記少なくとも1つの光入射端が、第1の光入射端と、
前記横方向に垂直な長手方向において前記第1の光入射端に面する第2の光入射端とを備え、
前記第2の導光面が、
(i)アレイ状に配置された複数の非傾斜光抽出特徴部であって、各非傾斜光抽出特徴部が、細長く、
前記長手方向に延在し、前記長手方向に直交する平面内で変化し且つ前記長手方向において傾斜の成分を有しない表面法線方向を有する、複数の非傾斜光抽出特徴部と、
(ii)アレイ状に配置された複数の傾斜光抽出特徴部であって、
第1の複数の傾斜光抽出特徴部であって、前記第1の複数の傾斜光抽出特徴部の各光抽出特徴部が表面法線方向を有しており、前記表面法線方向は第1の光入射端から離れている前記長手方向において前記表面法線方向の成分を有した傾斜を有する、第1の複数の傾斜光抽出特徴部と、
第2の複数の傾斜光抽出特徴部であって、前記第2の複数の傾斜光抽出特徴部の各光抽出特徴部が、前記第1の光入射端に向かう前記長手方向の成分を有する傾斜を有する表面法線方向を有する、第2の複数の傾斜光抽出特徴部と、
を有する、複数の傾斜光抽出特徴部と、を備え、
前記第1の複数の傾斜光抽出特徴部の前記表面法線方向の前記傾斜の前記長手方向の前記成分の大きさが、前記第2の複数の傾斜光抽出特徴部の前記表面法線方向の前記傾斜の前記長手方向の前記成分の大きさとは異なる、
光導波路。
【請求項26】
前記第1の複数の傾斜光抽出特徴部の前記表面法線方向の前記傾斜の前記長手方向の前記成分が、0.25度と5度の間である、請求項25に記載の光導波路。
【請求項27】
前記第2の複数の傾斜光抽出特徴部の前記表面法線方向の前記傾斜の前記長手方向の前記成分が、80度と90度の間である、請求項25または26に記載の光導波路。
【請求項28】
前記第2の複数の傾斜光抽出特徴部の前記長手方向の前記傾斜が、0.25度と5度の間である、請求項25または26に記載の光導波路。
【請求項29】
前記傾斜光抽出特徴部が、平面傾斜光抽出特徴部を備える、請求項25に記載の光導波路。
【請求項30】
前記平面傾斜光抽出特徴部が、前記横方向に成分を有しない表面法線方向を有する、請求項29に記載の光導波路。
【請求項31】
前記非傾斜光抽出特徴部が、レンチキュラー面または細長プリズム面を備える、請求項25に記載の光導波路。
【請求項32】
前記複数の非傾斜光抽出特徴部が、前記傾斜光抽出特徴部と交差される、請求項25に記載の光導波路。
【請求項33】
前記アレイが二次元である、請求項25に記載の光導波路。
【請求項34】
前記第1の導光面が平面を備える、請求項25に記載の光導波路。
【請求項35】
請求項25に記載の光導波路を備え、前記少なくとも1つの入射端において光を前記光導波路に入射するように構成された少なくとも1つの光源をさらに備えるバックライト装置。
【請求項36】
第1の入射端において前記光導波路に光を入射するように構成された少なくとも1つの光源と、第2の入射端において前記光導波路に光を入射するように構成された少なくとも1つのさらなる光源とを備える、請求項35に記載のバックライト装置。
【請求項37】
前記光源からの光束を制御するように構成された制御システムをさらに備える、請求項35または36に記載のバックライト装置。
【請求項38】
前記横方向に細長いプリズム素子のアレイを備える光転向フィルムをさらに備える、請求項35に記載のバックライト装置。
【請求項39】
前記光導波路の前記第2の導光面が、前記光導波路の前記第1の導光面と前記光転向フィルムとの間に配置され、
前記光転向フィルムが、前記光導波路の前記第2の導光面を透過した光を受光するように構成される、請求項38に記載のバックライト装置。
【請求項40】
前記プリズム素子の前記アレイの前記プリズム素子が、それぞれ、対向する第1および第2のプリズム面を備え、
各第1のプリズム面が、第1の入射端に向かって前記長手方向に傾斜した成分を有する表面法線方向を有し、
各第2のプリズム面が、前記第1の入射端から離れて前記長手方向に傾斜する成分を有する表面法線方向を有する、請求項38または39に記載のバックライト装置。
【請求項41】
各第1のプリズム面が平面を備え、各第2のプリズム面が波状面を備え、
光が前記光導波路の第1の入射端に入射されるとき、前記光導波路からの出射光が、前記第2のプリズム面によって屈折され、前記第1のプリズム面によって反射され、
光が前記光導波路の第2の入射端に入射されるとき、前記光導波路からの出射光が、前記第1のプリズム面によって屈折され、前記第2のプリズム面によって反射される、請求項40に記載のバックライト装置。
【請求項42】
前記光導波路の前記第1の導光面を透過した光を反射するように構成された、前記第1の導光面に面する後部反射器をさらに備える、請求項35に記載のバックライト装置。
【請求項43】
請求項35に記載のバックライト装置を備え、光転向フィルムから光を受光するように構成された空間光変調器をさらに備えるディスプレイ装置。
【請求項44】
前記空間光変調器の側に配置された少なくとも1つのディスプレイ偏光子と、
前記空間光変調器の前記ディスプレイ偏光子と同じ側に配置された追加の偏光子と、
前記ディスプレイ偏光子と前記追加の偏光子との間に配置された液晶材料の層を備える切り替え可能な液晶リターダと、
をさらに備える、請求項43に記載のディスプレイ装置。
【請求項45】
光源が第1の入射端において前記光導波路に光を入射するように構成されているとき、第1の電圧が前記切り替え可能な液晶リターダにわたって印加され、光源が第2の入射端において前記光導波路に光を入射するように構成されているとき、前記第1の電圧とは異なる第2の電圧が、前記切り替え可能な液晶リターダにわたって印加される、請求項44に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、光変調装置からの照明に関し、より具体的には、プライバシーディスプレイ、屋外ディスプレイ、夜間使用のための低迷光ディスプレイ、および省電力ディスプレイを含むディスプレイにおいて使用するための照明の制御を提供する光学スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
プライバシーディスプレイは、通常は軸上位置にある主ユーザに対して画像視認性を提供し、通常は軸外位置にある覗き見者に対して画像内容の低減された視認性を提供する。プライバシー機能は、ディスプレイから軸上方向には高輝度を透過し、軸外位置では低輝度を透過するマイクロルーバー光学フィルムによって提供される場合があるが、そのようなフィルムは、切り替え可能でないため、ディスプレイは、プライバシーのみの機能に制限される。
【0003】
軸外の光出射を制御することにより、切り替え可能なプライバシーディスプレイが提供される場合がある。
【0004】
制御は、輝度低減によって、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)空間光変調器のための切り替え可能なバックライトによって提供されることができる。ディスプレイのバックライトは、一般に、導波路およびエッジ放射光源を採用している。特定のイメージング指向性バックライトは、ディスプレイパネルを通して照明を視認ウィンドウに向ける追加機能を有する。イメージングシステムは、複数の光源とそれぞれのウィンドウ画像との間に形成されることができる。イメージング指向性バックライトの一例は、折り畳まれた光学システムを使用することができる光学バルブであり、それゆえ、折り畳まれたイメージング指向性バックライトの一例とすることができる。光は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,519,153号に記載されているように、光学バルブを通して一方向に実質的に損失なく伝播することができ、同時に逆伝播光は、チルトしたファセットからの反射によって抽出されることができる。
【0005】
軸外プライバシーの制御は、コントラスト低減によって、例えば、面内スイッチングLCDの液晶面バイアスチルトを調整することによって、さらに提供されることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、指向性照明装置は、一方の入射端における光入射に対して狭い光出射円錐を提供するように構成された微細構造導光面および平面導光面を有する光導波路を備えることができる。微細構造導光面は、光導波路の対向する入射端に配置された第1および第2の光源の制御によって光出射が切り替え可能であるように構成される。バックライトは、光導波路、光転向フィルムおよび後部反射器を備えることができる。ディスプレイは、バックライトおよび空間光変調器を備えることができる。ディスプレイは、さらに、切り替え可能な液晶層、補償リターダおよび吸収偏光子を備える切り替え可能な遅延光学スタックを備えることができる。
【0007】
広角動作モードでは、切り替え可能な液晶層が切り替えられ、広範囲の極出射角度で周囲照明に高い透過率を提供し、バックライトは、第2の端部における光入射からの広い視野の光を提供するように構成される。プライバシー動作モードでは、切り替え可能な液晶層が切り替えられ、主ユーザによって観察される方向の周囲照明に高い透過率を提供し、覗き見者によって観察される方向に低い透過率を提供し、バックライトは、第1の端部における光入射からの狭い視野を提供するように構成される。
【0008】
本開示の第1の態様によれば、全反射によって光導波路に沿って光をガイドするための第1および第2の対向する導光面と、第1および第2の導光面の間に配置された少なくとも1つの光入射端と、を備え、光入射端が横方向に延在し、第2の導光面が、(i)アレイ状に配置された複数の非傾斜光抽出特徴部であって、各非傾斜光抽出特徴部が、細長く、横方向に垂直な長手方向に延在し、長手方向に直交する平面内で変化し且つ長手方向に傾斜の成分がない表面法線方向を有する、複数の非傾斜光抽出特徴部と、(ii)アレイ状に配置された複数の傾斜光抽出特徴部であって、各傾斜光抽出特徴部が、長手方向に成分を有する傾斜を有する表面法線方向を有し、複数の非傾斜光抽出特徴部および複数の傾斜光抽出特徴部が、出射光として第1および第2の導光面を通ってガイドされた光を導くように配向されている、複数の傾斜光抽出特徴部と、を備える、光導波路が提供される。
【発明の効果】
【0009】
有利には、単一の成形面は、光導波路の光学構造を提供することができる。光抽出は、光導波路からディスプレイに向けられ、抽出効率を高めることができる。光導波路は、光学コーティングがなくてもよく、効率を高め、コストおよび複雑さを低減する。非常に薄い導波路が配置され、可撓性基板上または可撓性基板内に形成され、可撓性ディスプレイを提供することができる。
【0010】
少なくとも1つの光入射端は、第1の光入射端と、長手方向において第1の光入射端に面する第2の光入射端とを備えることができる。導波路からの光出射には、それぞれ第1および第2の端部からの光入射のための第1および第2の角度照明プロファイルが提供されることができる。光導波路の光出射は、第1の光入射端および第2の入射端における光入射に対して異なることができる。有利には、ディスプレイ装置のプライバシーモードと広角モードとの間の切り替えを達成するために切り替え可能なバックライトが設けられることができる。
【0011】
複数の非傾斜光抽出特徴部は、レンチキュラー面または細長プリズム面を備えることができる。有利には、特徴部は、既知の加工方法によって加工されてもよく、低コストおよび高い均一性で光導波路の基材上または基材内に形成されてもよい。
【0012】
複数の傾斜光抽出特徴部は、第1の複数の傾斜光抽出特徴部であって、第1の複数の傾斜光抽出特徴部の各光抽出特徴部が、第1の光入射端から離れた長手方向の成分を有する傾斜を有する表面法線方向を有する、第1の複数の傾斜光抽出特徴部と、第2の複数の傾斜光抽出特徴部であって、第2の複数の傾斜光抽出特徴部の各光抽出特徴部が、第1の光入射端に向かう長手方向の成分を有する傾斜を有する表面法線方向を有する、第2の複数の傾斜光抽出特徴部とを備えることができる。第1の複数の傾斜光抽出特徴部の表面法線方向の傾斜の長手方向の成分の大きさは、第2の複数の傾斜光抽出特徴部の表面法線方向の傾斜の長手方向の成分の大きさと異なることができる。
【0013】
第1の複数の傾斜光抽出特徴部の表面法線方向の傾斜の長手方向の成分は、0.25度と5度の間、好ましくは0.5度と4度の間、最も好ましくは1度と3度の間とすることができる。有利には、狭い円錐角で均一な光出射を達成することができる。
【0014】
第2の複数の傾斜光抽出特徴部の表面法線方向の傾斜の長手方向の成分は、80度と90度の間、好ましくは85度と90度の間とすることができる。有利には、広い円錐角で均一な光出射を達成することができる。
【0015】
傾斜光抽出特徴部は、平面傾斜光抽出特徴部を備えることができる。平面傾斜光抽出特徴部は、横方向に成分がない表面法線方向を有することができる。傾斜光抽出特徴部は、長手方向に延在するレンチキュラー面を備えることができる。有利には、特徴部は、既知の加工方法によって加工されてもよく、低コストおよび高い均一性で光導波路の基材上または基材内に形成されてもよい。さらに、光出射円錐は、出射平行光を提供するように構成されることができる。
【0016】
複数の非傾斜光抽出特徴部のうちの少なくともいくつかは、少なくとも1つの傾斜光抽出特徴部と交差することができる。少なくとも1つの第1の傾斜光抽出特徴部によって交差される複数の非傾斜光抽出特徴部は、交差領域において少なくとも1つの第1の傾斜光抽出特徴部によって交差されることができ、交差領域内の非傾斜光抽出特徴部の幅は、長手方向に変化することができる。有利には、非傾斜および傾斜光抽出特徴部は、同じツール上で都合よく加工され、低コストおよび高い忠実度で複製されることができる。
【0017】
アレイは、二次元とすることができる。有利には、指向性バックライトを実現するために、空間光変調器の均一な照明を提供することができる。
【0018】
第1の導光面は、平面を含んでもよい。
【0019】
本開示の第2の態様によれば、第1の態様の光導波路と、少なくとも1つの入射端において光を光導波路に入射するように構成された少なくとも1つの光源とを備えるバックライト装置が提供される。有利には、狭い出射円錐角を有するバックライトを提供することができる。
【0020】
少なくとも1つの光源は、第1の入射端において光導波路に光を入射するように構成されることができ、少なくとも1つのさらなる光源は、第2の入射端において光導波路に光を入射するように構成されることができる。有利には、少なくとも1つの光入射端が、第1の光入射端と、長手方向において第1の光入射端に面する第2の光入射端とを備えるとき、第1および第2の角度出射プロファイルを有するバックライトが提供されることができる。
【0021】
バックライト装置は、第1および第2の光源からの光束を制御するように構成された制御システムをさらに備えることができる。有利には、バックライトの出射視野を制御することができる。バックライトは、狭角プロファイル、広角プロファイル、および狭角プロファイルと広角プロファイルとの組み合わせである中間プロファイルの間で切り替えることができる。
【0022】
バックライト装置は、横方向に細長いプリズム素子のアレイを備える光転向フィルムをさらに備えることができる。有利には、ディスプレイの出射の少なくとも一部は、ディスプレイの法線方向に向けられることができる。光の少なくとも一部は、軸上観察者に向けられてもよい。
【0023】
光導波路の第2の面は、光導波路の第1の面と光転向フィルムとの間に配置されることができ、光転向フィルムは、光導波路の第2の面を透過した光を受光するように構成されることができる。有利には、光出射の効率は、後部反射器が光導波路の第2の面を透過した光を受光する構成と比較して増加されることができる。
【0024】
プリズム素子のアレイのプリズム素子は、それぞれ、対向する第1および第2のプリズム面を含むことができ、各第1のプリズム面は、第1の入射端に向かって長手方向に傾斜した成分を有する表面法線方向を有し、各第2のプリズム面は、第1の入射端から離れて長手方向に傾斜した成分を有する表面法線方向を有する。有利には、出射円錐角のサイズを増加させることができる。
【0025】
各第1のプリズム面は、平面を含み、各第2のプリズム面は、波状面を含み、光が光導波路の第1の入射端に入射されると、光導波路からの出射光は、第2のプリズム面によって屈折され、第1のプリズム面によって反射され、光が光導波路の第2の入射端に入射されると、光導波路からの出射光は、第1のプリズム面によって屈折され、第2のプリズム面によって反射される。
【0026】
有利には、第1の光源からの光のための光円錐は、小さな拡散を有することができ、第2の光源からの光のための光円錐は、より大きな拡散を有することができる。広角モードの光円錐のサイズは、増加させることができるが、狭い円錐角プロファイルは、同様のサイズを有することができる。有利には、広角の視認性が向上し、プライバシーの視認性が大幅に低下しない。
【0027】
バックライト装置は、光導波路の第1の面を透過した光を反射するように構成された、第1の導光面に面する後部反射器をさらに備えてもよい。有利には、光出射効率を高めることができる。
【0028】
本開示の第3の態様によれば、第2の態様のバックライト装置を備え且つ光転向フィルムから光を受光するように構成された空間光変調器をさらに備えるディスプレイ装置が設けられる。有利には、ディスプレイは、軸上観察者のための高効率の光出射を備えることができる。
【0029】
ディスプレイ装置は、空間光変調器の側に配置された少なくとも1つのディスプレイ偏光子と、空間光変調器のディスプレイ偏光子と同じ側に配置された追加の偏光子と、ディスプレイ偏光子と追加の偏光子との間に配置された液晶材料の層を備える切り替え可能な液晶リターダと、を備えることができる。光源が第1の入射端において光導波路に光を入射するように構成されている場合、第1の電圧が切り替え可能な液晶リターダに印加されることができ、光源が第2の入射端において光導波路に光を入射するように構成されている場合、第1の電圧とは異なる第2の電圧が、切り替え可能な液晶リターダに印加されることができる。
【0030】
有利には、覗き見者の軸外輝度が低減されることができ、プライバシーモードの性能が向上する。軸上効率は、実質的に変化しなくてもよい。さらに、広角モードの性能が向上する。
【0031】
本開示の態様のいずれかは、任意の組み合わせで適用されることができる。
【0032】
本開示の実施形態は、様々な光学システムにおいて使用されることができる。実施形態は、様々なプロジェクタ、投影システム、光学部品、ディスプレイ、マイクロディスプレイ、コンピュータシステム、プロセッサ、内蔵型投影システム、ビジュアルおよび/またはオーディオビジュアルシステム、ならびに電気および/または光学装置を含むことができるか、またはこれらとともに作動することができる。本開示の態様は、光学装置および電気装置、光学システム、プレゼンテーションシステム、または任意の種類の光学システムを包含してもよい任意の装置に関連する、実質的にいかなる装置に使用されてもよい。したがって、本開示の実施形態は、視覚的なおよび/または光学的なプレゼンテーション、視覚的な周辺機器などにおいて、ならびに多数のコンピュータ環境において使用される、光学システム、光学装置で用いられてもよい。
【0033】
詳細に開示する複数の実施形態に進む前に、本開示は、他の実施形態例が可能であるので、用途または作製において示す特定の配置の詳細に限定されないことを理解するべきである。さらに、本開示の態様は、独自の固有の実施形態を規定するために様々な組み合わせおよび配置で述べられてもよい。また、本明細書で使用する用語は、説明の目的のためのものであって、限定するためのものではない。
【0034】
本開示の前述および他の利点ならびに特徴は、本開示をその全体にわたって読むことで、当業者に明白となるであろう。
【0035】
例示のために、実施形態が添付の図面に示され、添付の図面において、同様の参照符号は、類似の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】
図1は、空間光変調器を照明するように構成された切り替え可能なバックライトを備える切り替え可能なプライバシーディスプレイ装置の光学スタックを側面斜視図で示す概略図である。
【0037】
【
図2】
図2は、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を備える光導波路を側面斜視図で示す概略図である。
【0038】
【
図3A】
図3Aは、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路を斜視図で示す概略図である。
【
図3B】
図3Bは、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路を斜視図で示す概略図である。
【0039】
【
図4A】
図4Aは、交差領域にない光導波路の非傾斜レンチキュラー面を側面斜視図で示す概略図である。
【0040】
【
図4B】
図4Bは、交差領域における光導波路の非傾斜レンチキュラー面を側面斜視図で示す概略図である。
【0041】
【
図4C】
図4Cは、交差領域における光導波路の第1の傾斜平面領域を側面斜視図で示す概略図である。
【0042】
【
図4D】
図4Dは、交差領域における光導波路の第1の傾斜平面領域の傾斜した断面形状を側面斜視図で示す概略図である。
【0043】
【
図4E】
図4Eは、交差領域における光導波路の第2の傾斜平面領域を側面斜視図で示す概略図である。
【0044】
【
図4F】
図4Fは、光導波路の非傾斜レンチキュラー面を側面図で示す概略図である。
【0045】
【
図4G】
図4Gは、交差領域における光導波路の非傾斜レンチキュラー面および光導波路の第1の傾斜平面領域を平面図で示す概略図である。
【0046】
【
図5A】
図5Aは、軸上照明のための平面非傾斜領域を含む光導波路の第1の傾斜平面領域の動作を側面図で示す概略図である。
【0047】
【
図5B】
図5Bは、軸上照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を側面図で示す概略図である。
【0048】
【
図6A】
図6Aは、軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を平面図で示す概略図である。
【0049】
【
図6B】
図6Bは、軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を端面図で示す概略図である。
【0050】
【
図6C】
図6Cは、軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を側面図で示す概略図である。
【0051】
【
図6D】
図6Dは、軸外照明のための傾斜平面特徴部の動作を平面図で示す概略図である。
【0052】
【
図6E】
図6Eは、軸外照明のための傾斜平面特徴部の動作を端面図で示す概略図である。
【0053】
【
図6F】
図6Fは、軸外照明のための傾斜平面特徴部の動作を側面図で示す概略図である。
【0054】
【
図6G】
図6Gは、傾斜平面特徴部による入射後の軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を平面図で示す概略図である。
【0055】
【
図6H】
図6Hは、傾斜平面特徴部による入射後の軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を端面図で示す概略図である。
【0056】
【
図6I】
図6Iは、傾斜平面特徴部による入射後の軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を側面図で示す概略図である。
【0057】
【
図7】
図7は、光導波路の出射を平面図で示す概略図である。
【0058】
【
図8A】
図8Aは、光転向フィルムに入射した後の
図7の構成の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0059】
【
図8B】
図8Bは、平面対向面を含む光転向フィルムを斜視図で示す概略図である。
【0060】
【
図9A】
図9Aは、第2の入射端からの光についての傾斜平面特徴部の動作を平面図で示す概略図である。
【0061】
【
図9B】
図9Bは、第2の入射端からの光についての傾斜平面特徴部の動作を端面図で示す概略図である。
【0062】
【
図9C】
図9Cは、第2の入射端からの光についての傾斜平面特徴部の動作を側面図で示す概略図である。
【0063】
【
図10】
図10は、非傾斜レンチキュラー面、傾斜平面、後部反射器および光転向フィルムを備える光導波路を備えるバックライトを側面図で示す概略図である。
【0064】
【
図11A】
図11Aは、光転向フィルムを斜視図で示す概略図であり、各第1のプリズム面が平面を含み、各第2のプリズム面が波状面を含む。
【
図11B】
図11Bは、光転向フィルムを斜視図で示す概略図であり、各第1のプリズム面が平面を含み、各第2のプリズム面が波状面を含む。
【
図11C】
図11Cは、光転向フィルムを斜視図で示す概略図であり、各第1のプリズム面が平面を含み、各第2のプリズム面が波状面を含む。
【
図11D】
図11Dは、光転向フィルムを斜視図で示す概略図であり、各第1のプリズム面が平面を含み、各第2のプリズム面が波状面を含む。
【0065】
【
図12A】
図12Aは、光が光導波路の第1の端部に入射されるときの
図2の光導波路および
図8Bの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0066】
【
図12B】
図12Bは、光が光導波路の第1の端部に入射されるときの
図2の光導波路および
図11A~
図11Dの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0067】
【
図12C】
図12Cは、光が光導波路の第2の端部に入射されるときの
図2の光導波路および
図8Bの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0068】
【
図12D】
図12Dは、光が光導波路の第2の端部に入射されるときの
図2の光導波路および
図11A~
図11Dの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0069】
【
図13A】
図13Aは、光導波路の第1および第2の入射端からの光入射に対する角度輝度プロファイルを示す概略グラフである。
【0070】
【
図13B】
図13Bは、光導波路の第1および第2の入射端からの光入射に対する正規化された角度輝度プロファイルを示す概略グラフである。
【0071】
【
図14A】
図14Aは、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路の面の製造のためのツールを形成する方法を斜視図で示す概略図である。
【
図14B】
図14Bは、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路の面の製造のためのツールを形成する方法を斜視図で示す概略図である。
【
図14C】
図14Cは、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路の面の製造のためのツールを形成する方法を斜視図で示す概略図である。
【
図14D】
図14Dは、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路の面の製造のためのツールを形成する方法を斜視図で示す概略図である。
【
図14E】
図14Eは、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路の面の製造のためのツールを形成する方法を斜視図で示す概略図である。
【0072】
【
図14F】
図14Fは、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路の面の製造のためのツールを斜視図で示す概略図である。
【
図14G】
図14Gは、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路の面の製造のためのツールを斜視図で示す概略図である。
【0073】
【
図15】
図15は、本開示にかかる、湾曲入射形状の光導波路を平面図で示す概略図である。
【0074】
【
図16】
図16は、平面対向面およびねじれ対向面を含む光転向フィルムを第1の斜視図で示す概略図である。
【0075】
【
図17】
図17は、平面対向面およびねじれ対向面ならびに平面出射面を含む光転向フィルムを第2の斜視図で示す概略図である。
【0076】
【
図18A】
図18Aは、光が光導波路の第1の端部に入射されるときの
図2の光導波路および
図17A~Bの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0077】
【
図18B】
図18Bは、光が光導波路の第2の端部に入射されるときの
図2の光導波路および
図17A~Bの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0078】
【
図19A】
図19Aは、プライバシーモード照明および切り替え可能な液晶リターダを提供するように構成された光導波路を備えるプライバシーディスプレイの光学スタックを平面図で示す概略図である。
【0079】
【
図19B】
図19Bは、プライバシー動作モードにおける切り替え可能なリターダの等透過性視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0080】
【
図20A】
図20Aは、広角照明および切り替え可能な液晶リターダを提供するように構成された光導波路を備えるプライバシーディスプレイの光学スタックを平面図で示す概略図である。
【0081】
【
図20B】
図20Bは、広角動作モードにおける切り替え可能なリターダの等透過性視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0082】
【
図21A】
図21Aは、プライバシーモードで動作しているディスプレイの透過出射光の観察を正面斜視図で示す概略図である。
【0083】
【0084】
【
図22】
図22は、非傾斜レンチキュラー面および非傾斜レンチキュラー面と交差しない傾斜平面を備える光導波路を側面斜視図で示す概略図である。
【
図23】
図23は、非傾斜レンチキュラー面および非傾斜レンチキュラー面と交差しない傾斜平面を備える光導波路を側面斜視図で示す概略図である。
【0085】
【
図24A】
図24Aは、光導波路の非傾斜レンチキュラー面を側面斜視図で示す概略図である。
【0086】
【
図24B】
図24Bは、光導波路の第1の傾斜平面領域を側面斜視図で示す概略図である。
【0087】
【
図24C】
図24Cは、光導波路の第2の傾斜平面領域を側面斜視図で示す概略図である。
【0088】
【
図25】
図25は、非傾斜細長プリズム面と、第1および第2の傾斜交差平面とを備える光導波路を側面斜視図で示す概略図である。
【0089】
【
図26A】
図26Aは、光が光導波路の第1の端部に入射されるときの
図25の光導波路および
図11A~
図11Dの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0090】
【
図26B】
図26Bは、光が光導波路の第2の端部に入射されるときの
図25の光導波路および
図11A~
図11Dの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0091】
【
図27A】
図27Aは、非傾斜レンチキュラー面、傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を備える光導波路を斜視図で示す概略図である。
【
図27B】
図27Bは、非傾斜レンチキュラー面、傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を備える光導波路を斜視図で示す概略図である。
【
図27C】
図27Cは、非傾斜レンチキュラー面、傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を備える光導波路を斜視図で示す概略図である。
【0092】
【
図28】
図28は、非傾斜レンチキュラー面と、非傾斜レンチキュラー面上に配置された第1および第2の傾斜平面とを備える光導波路を斜視図で示す概略図である。
【0093】
【
図29A】
図29Aは、非傾斜レンチキュラー面と、第1および第2の対向する傾斜平面とを備える光導波路を斜視図で示す概略図である。
【
図29B】
図29Bは、非傾斜レンチキュラー面と、第1および第2の対向する傾斜平面とを備える光導波路を斜視図で示す概略図である。
【0094】
【
図29C】
図29Cは、非傾斜レンチキュラー面と、第1および第2の対向する傾斜平面とを備える光導波路を側面図で示す概略図である。
【0095】
【
図30A】
図30Aは、光が光導波路の第1の端部に入射されるときの
図29Cの光導波路および
図11A~
図11Dの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0096】
【
図30B】
図30Bは、光が光導波路の第2の端部に入射されるときの
図29Cの光導波路および
図11A~
図11Dの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0097】
【
図31】
図31は、
図29Cの光導波路1を備えるバックライトを備えるディスプレイを備える自動車キャビンを平面図で示す概略図である。
【0098】
【
図32】
図32は、空間光変調器を照明するように構成された切り替え可能な指向性導波路を備える切り替え可能なプライバシーディスプレイ装置の光学スタックを側面斜視図で示す概略図である。
【0099】
【
図33】
図33は、空間光変調器を照明するように構成された切り替え可能な指向性導波路を備えるコリメートされたディスプレイ装置の光学スタックを側面斜視図で示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0100】
ディスプレイ装置に比較的狭い出射円錐角を提供するコリメートされたバックライトを提供することが望ましいであろう。本開示では、コリメートは、ディスプレイおよび/またはバックライトからの狭角照明、例えば、40度未満、典型的には30度未満の半値全幅(FWHM)輝度円錐角の許容される用語として使用される。
【0101】
従来の広角バックライトと比較して、コリメートされたバックライトは、正面観察者に高効率の光出射を提供し、所定の消費電力での輝度の増加または所定の輝度での消費電力の削減を実現することができる。コリメートされたバックライトはまた、プライバシーディスプレイのために低い軸外画像視認性を提供することもできる。第1の動作モードで狭角出射を提供し、第2の動作モードで広角出射を提供するように切り替え可能なコリメートされたバックライトを提供することがさらに望ましいであろう。動作中、狭角出射は、単一の正面ユーザに提供されることができ、広角出射は、複数のディスプレイユーザに提供されることができる。
【0102】
ここで、様々な切り替え可能なディスプレイ装置の構造および動作について記載する。この説明では、共通の要素は共通の参照符号を有する。任意の要素に関する開示は、同じまたは対応する要素が提供される各装置に適用されることに留意されたい。したがって、簡潔にするために、このような開示を繰り返さない。
【0103】
図1は、切り替え可能な液晶リターダ300および空間光変調器48を照明するように構成された切り替え可能なバックライト20を備える切り替え可能なプライバシーディスプレイ100の光学スタックを側面斜視図で示す概略図である。
【0104】
光導波路1は、全反射によって光導波路1に沿って光をガイドするための第1および第2の対向する導光面6、8を備える。少なくとも1つの光入射端2は、第1および第2の導光面6、8の間に配置され、光入射端2は、横方向(y軸方向)に延在する。
【0105】
バックライト20は、光導波路1、後部反射器3および光転向フィルム5を備える。光導波路1の第2の面8は、光導波路の第1の面6と光転向フィルム5との間に配置され、光転向フィルム5は、光導波路1の第2の面8を透過した光を受光するように配置される。
【0106】
バックライト20は、第1の入射端2において光導波路1に光を入射するように構成された光源15をさらに備える。光源15は、白色発光ダイオード(LED)などの光源のアレイを備えることができ、LEDのアレイは横方向に延在する。LEDのさらなるアレイとすることができる少なくとも1つのさらなる光源17は、第2の入射端4において光導波路1に光を入射するように構成される。
【0107】
ディスプレイコントローラ310、バックライトコントローラ314、第1の光源15のドライバ315および第2の光源17のドライバ317を備える制御システムは、第1および第2の光源15、17からの光束を制御するように構成されることができる。
【0108】
ディスプレイ装置100は、バックライト20、切り替え可能な液晶リターダスタック300、および光400を出射するための空間光変調器48を備える。
【0109】
空間光変調器は、入射偏光子210と、TFT基材212と、通常は赤色ピクセル220、緑色ピクセル222および青色ピクセル224によってピクセル化される液晶層214と、カラーフィルター基材216と、出射偏光子218とを備える。
【0110】
切り替え可能な液晶リターダスタック300は、バックライト20および空間光変調器48と直列に配置される。スタック300は、液晶層314の制御可能な整列を提供するために透明電極および整列層を備えた基材312、316を備える切り替え可能な液晶リターダ301を備える。スタック300は、追加の偏光子332および補償リターダ330をさらに備え、様々な実施形態は、双方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,126,575号明細書および米国特許出願公開第2019-0086706号明細書に記載されている。
【0111】
切り替え可能な液晶リターダスタック300および空間光変調器48は、光転向フィルム5によって透過された光を受光するように構成される。拡散器334は、出射円錐角の変更を提供し、さらにモアレおよびムラアーチファクトを最小化するように構成されることができる。
【0112】
制御システムは、液晶リターダ301の両端の電圧を制御するために、切り替え可能な液晶リターダスタック300のコントローラ312および液晶セルドライバ315をさらに備えることができる。コントローラ312は、切り替え可能な液晶リターダ301が、ディスプレイが広角モードで動作するときに第1の整列状態で駆動され、ディスプレイが狭角プライバシーモードで動作するときに第2の整列状態で駆動されるように、電圧ドライバ350をアドレス指定するように構成される。
【0113】
ここで、光導波路1の構造についてさらに説明する。
【0114】
図2は、非傾斜レンチキュラー面30および傾斜平面32、36を備える光導波路1を側面斜視図で示す概略図であり、
図3A~
図3Bは、非傾斜レンチキュラー面30および傾斜平面32、36を備える光導波路1を斜視図で示す概略図である。
【0115】
光導波路1の少なくとも1つの光入射端は、第1の光入射端2と、第1の光入射端2に面する第2の光入射端4とを備える。
【0116】
光導波路1の第1の導光面6は、平面を含む。
【0117】
第2の導光面8は、(i)レンチキュラー面30を備える複数の非傾斜光抽出特徴部と、(ii)アレイ状に配置された傾斜平面表面32、36を備える複数の傾斜光抽出特徴部とを備える。本実施形態では、複数の非傾斜光抽出特徴部は、レンチキュラー面30を備え、それぞれが長手(x軸に平行)方向に延在する曲面を備える。
【0118】
ここで、第2の導光面8の構造についてさらに詳細に説明する。
【0119】
図4Aは、交差領域34にない光導波路の非傾斜レンチキュラー面30を側面斜視図で示す概略図である。
【0120】
第2の導光面8は、アレイ状に配置されたレンチキュラー面30によって形成された複数の非傾斜光抽出特徴部を備え、各非傾斜光抽出特徴部30は、細長く、長手方向(x軸方向に平行)に延在している。各非傾斜光抽出特徴部30は、長手方向に直交する平面129において変化し且つ長手方向に傾斜の成分を有しない表面法線方向130a、130b、130cを備える。
【0121】
図4Bは、交差領域34における光導波路の非傾斜レンチキュラー面30を側面斜視図で示す概略図である。
【0122】
複数の非傾斜レンチキュラー面30は、交差領域34における傾斜平面32、36によって交差され、交差領域34における非傾斜光抽出特徴部31の幅は、長手方向に変化する。換言すれば、本実施形態では、各レンチキュラー面30は、その幅が平面32、36の間の尖点37に向かって減少するように、それに隣接する傾斜平面32、36の平面によって二等分される。
【0123】
図4Cは、交差領域34における光導波路1の第1の傾斜平面領域32を側面斜視図で示す概略図である。
【0124】
第2の導光面8は、アレイ状に配置された複数の傾斜平面32をさらに備え、各傾斜平面32は、長手方向の成分を有するディスプレイ法線方向130に対して傾斜角133の傾斜を有する少なくとも1つの表面法線方向132を備える。
【0125】
複数の傾斜光抽出特徴部は、
図4Cにおいて陰影を付けて示されている第1の複数の傾斜平面32を備える。第1の複数の傾斜平面32の各平面32は、傾斜角133を有する表面法線132を有し、表面法線132の傾斜は、第1の光入射端2から離れた長手方向(x軸に平行)の成分を有する。
【0126】
複数の傾斜光抽出特徴部はまた、以下にさらに説明する
図4Eにおいて陰影を付けて示されている第2の複数の傾斜光抽出平面36も備える。各平面36は、傾斜角137を有する表面法線方向136を有し、表面法線137の傾斜は、第1の光入射端2に向かう長手方向の成分を有する。
【0127】
傾斜平面32、36は、平面傾斜光抽出特徴部である。平面32、36はまた、横方向に成分を有しない表面法線方向を有することができ、すなわち、表面法線132、136は、x-z平面に配置されることができる。
【0128】
図4Dは、交差領域における光導波路の第1の傾斜平面領域の傾斜断面プロファイル33を側面斜視図で示す概略図である。断面プロファイル33は、例えば三角形の領域を備えることができる。有利には、そのような構造は、以下に説明されるように、都合よく加工されることができる。
【0129】
図4Eは、交差領域34における光導波路1の第2の傾斜平面36を側面斜視図で示す概略図であり、
図4Fは、光導波路1の非傾斜レンチキュラー面30を側面図で示す概略図であり、
図4Gは、光導波路の非傾斜レンチキュラー面30と、交差領域における光導波路の第1の傾斜平面領域とを平面図で示す概略図である。さらに詳細には記載されていない
図2~
図4Gの構成の特徴は、特徴のあらゆる潜在的な変形を含む、上述したような等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0130】
例示的な実施形態では、傾斜角133は、2度とすることができ、傾斜角137は、88度とすることができる。より一般的には、
図2に示される種類の光導波路1では、第1の複数の傾斜平面32の長手方向の傾斜角133は、0.25度と5度の間、好ましくは0.5度と4度の間、最も好ましくは1度と3度の間とすることができ、第2の複数の傾斜平面36の長手方向の傾斜角137は、80度と90度の間、好ましくは85度と90度の間とすることができる。
【0131】
複数の非傾斜レンチキュラー面30の少なくともいくつかは、少なくとも1つの傾斜平面32、36によって交差領域34において交差される。以下の
図14A~Gは、光導波路1の面8を提供するためのツールの切断方法を示している。そのような加工プロセスの間、平面32、36は、レンチキュラー面30を介して切断されてもよく、または平面32、36は、レンチキュラー面によって切断されてもよい。交差領域34は、それぞれの切断された交差によって提供される。
【0132】
本実施形態では、アレイは二次元である。LCDバックライト用の広い面積にわたって照明を提供することができ、有利には、高い均一性を達成する。
【0133】
ここで、第1の入射端2からの光入射について、光抽出特徴部の動作をさらに説明する。
【0134】
図5Aは、軸上照明のための光導波路1の第1の傾斜平面32の動作を側面図で示す概略図である。光線180は、面6と8の間をガイドすることによって伝播する。光線180は、傾斜角133によって与えられる平面32の先細りによって徐々に減少する面6、8における入射角を有する。光導波路1の材料の臨界角よりも小さい入射角である光線は、第1または第2のガイド面6、8をかすめることに近い角度で抽出される。動作中、平面32の傾斜角133は、光導波路1からの十分な光漏れだけを提供しないように構成され、すなわち、非傾斜レンチキュラー面30が存在しなかった場合、それは不十分な漏れが存在することになる。
【0135】
図5Bは、軸上照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を側面図で示す概略図である。非傾斜レンチキュラー面30における各反射において、
図5Bの紙面外にある光線182の偏向が提供される。したがって、結果として生じる光線は、レンチキュラー面30の傾斜面に起因する先細効果を見る。一部の反射は入射角を増加させる一方で、他の反射は入射角を減少させる。動作中、正味の光線入射角の変化は小さく、光導波路1からの十分な光漏れを提供せず、すなわち、平面32が存在しなかった場合、不十分な漏れが存在することになる。
【0136】
レンチキュラー面30からの光抽出の指向性は、ここで、平面32において反射を受けなかった光について、レンチキュラー面30にわたって異なる位置に入射する光線についてさらに説明される。
【0137】
図6Aは、軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を平面図で示す概略図であり、
図6Bは、軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を端面図で示す概略図であり、
図6Cは、軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を側面図で示す概略図である。
【0138】
光線184a、184b、184cは、レンチキュラー面30においてそれぞれ入射位置185a、185b、185cを有する。平面図では、光線184a、184cは、傾斜レンチキュラー面30によって偏向される。端面図では、反射角度は、面30にわたって変化するが、側面図では、反射角度は、変更されない。反射ごとに、光線角度は、臨界角を十分に超えており、光は抽出されない。
【0139】
図6Dは、軸外照明のための傾斜平面特徴部の動作を平面図で示す概略図であり、
図6Eは、軸外照明のための傾斜平面特徴部の動作を端面図で示す概略図であり、
図6Fは、軸外照明のための傾斜平面特徴部の動作を側面図で示す概略図である。
【0140】
光線184a、184b、184cは、平面32においてそれぞれ入射位置185a、185b、185cを有する。平面図および端面図では、光線184a、184b、184cは、傾斜平面32によって僅かに偏向される。側面図では、平面32の主要な効果を視覚化することができ、角度187bは、角度187aよりも小さい。したがって、平面32の傾斜角133は、光線184bを臨界角のより近くに導く。
【0141】
平面32と非傾斜レンチキュラー面30との組み合わされた効果がここで説明される。
【0142】
図6Gは、傾斜平面32による入射後の軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を平面図で示す概略図であり、
図6Hは、傾斜平面32による入射後の軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を端面図で示す概略図であり、
図6Iは、傾斜平面32による入射後の軸外照明のための非傾斜レンチキュラー構造の動作を側面図で示す概略図である。
【0143】
図6A~
図6Cの構成と比較して、光線184a~cは、平面32における反射後に減少した入射角を有する。光線184a、184bは、レンチキュラー面30に入射するとき、依然として臨界入射角を超えたままである。しかしながら、光線184cは、臨界角未満の角度で入射して抽出される。
図6Gに示されるように、抽出の方向は、入射光線角度と比較して長手方向に向かって傾斜している。このようにして、平面32およびレンチキュラー面30は、協働して長手方向に近い方向に光を抽出する。
【0144】
図7は、光導波路の出射を平面図で示す概略図である。したがって、光線188a、188b、188cを含む光円錐は、優先的にレンチキュラー面30から出射され、傾斜面に向かって進む光に対して生じる。したがって、反射光線束189a~cはまた、反対に傾斜したレンチキュラー面からも提供される。
【0145】
さらに詳細には記載されていない
図5A~
図7の構成の特徴は、特徴のあらゆる潜在的な変形を含む、上述したような等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0146】
図8Aは、細長プリズム素子50の平面対向面52、54を備える光転向フィルムを斜視図で示す概略図である
図8Bに示されるように転向フィルム5上に入射した後の
図7の構成についてのシミュレーションされた等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。プロファイルは、x軸に平行な方向が仰角を表し且つ直交方向が観察者の横方向を表すように、導波路1の下側に沿って配置された入射LED15を備えて構成された装置について示されている。
【0147】
本開示の視野プロットは、横方向の視野角に対する長手方向の視野角についての出射輝度の変動を示している。この例示的な実施形態では、光源15は、ディスプレイ100の下縁に配置されることができ、光源17は、ディスプレイ100の上縁に配置される。この構成では、水平視野角方向は、横方向(x軸に平行)であり、垂直視野角方向は、長手方向(y軸に平行)である。
【0148】
長手方向において、光線分布は、導光面8上へのかすめ入射角に近い光によって提供され、したがって、制限された円錐角を有する。横方向視野角方向において、出射輝度プロファイルは、
図7に示されるように、レンチキュラー面30からの光線の分布によって決定される。
【0149】
有利には、非常に狭い円錐角を提供することができる。そのような照明プロファイルは、高効率出射のために使用され、消費電力を低減するかまたは所定の入射消費電力に対する出射輝度を増加させることができる。さらに、以下にさらに説明するように、そのような輝度プロファイルをプライバシーディスプレイに使用することができる。
【0150】
図8Aにおいて提供されるものよりも広い出射の角度プロファイルを提供することが望ましいであろう。
【0151】
図9Aは、第2の入射端からの光に対する傾斜平面36の動作を平面図で示す概略図であり、
図9Bは、第2の入射端からの光に対する傾斜平面特徴部の動作を端面図で示す概略図であり、
図9Cは、第2の入射端からの光に対する傾斜平面特徴部の動作を側面図で示す概略図である。
【0152】
図7と比較して、平面36に入射する光線190a、190bは、境界面での屈折により広い角度広がりで導かれる。さらに示されるように、そのような出射は、広範な光出射を提供する。有利には、切り替え可能な広い角度範囲を有する光導波路1を提供することができる。
【0153】
平面36からの抽出は、光転向フィルム5に近接しており、後部反射器3上にはない。抽出が第1のガイド面8から行われた場合に存在するはずのフレネル反射が増加するため、抽出の効率が向上する。有利には、広角出射の効率が高められる。
【0154】
ここで、光導波路1を備える
図1のバックライト20の動作についてさらに説明する。
【0155】
図10は、非傾斜レンチキュラー面30および傾斜平面32、36を備える光導波路を備えるバックライト20、後部反射器3および光転向フィルム5を側面図で示す概略図である。
図11A~
図11Dは、光転向フィルム5を斜視図で示す概略図であり、各第1のプリズム面40は、平面を備え、各第2のプリズム面42は、波状面を備える。さらに詳細には記載されていない
図10~
図11Dの構成の特徴は、特徴のあらゆる潜在的な変形を含む、上述したような等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0156】
光転向フィルム5は、典型的には平面である第1の面55と、横方向(y軸に平行)に細長いプリズム素子50のアレイを備える第1の面55に面する第2の面とを備える。プリズム素子のアレイのプリズム素子50は、それぞれ、対向する第1および第2のプリズム面52、54を備える。各第1のプリズム面52は、ディスプレイ法線方向(z軸方向)から傾斜角151だけ傾斜した表面法線152の方向を有し、第1の入射端2に向かって長手方向(x軸に平行)に傾斜した成分を有する。各第2のプリズム面54は、ディスプレイ法線方向(z軸方向)から傾斜角153だけ傾斜した表面法線方向154を有し、第1の入射端2から離れて長手方向に傾斜した成分を有する。
【0157】
光源15が作動すると、光線172、174は、光導波路1の第1の入射端2に入射され、導波路1内の全反射によってガイドされる。以下にさらに説明するように、複数の非傾斜レンチキュラー面30および傾斜平面32は、出射光線172、174として第1および第2の導光面6、8を通ってガイドされた光線170を導くように配向されている。平面36は、第1の入射端2から伝播する光に対して隠されており、したがって、出射光に実質的に寄与しない。
【0158】
面8からの出射の方向は、光導波路1内の臨界角に近く、したがって典型的には空気中において面8からのかすめ入射に近い光線172、174に対するものである。
【0159】
バックライト20は、さらに、光導波路1の第1の面6を透過する光線174を反射するように構成された第1の導光面6に面する後部反射器3を備える。面6を通過する光線は、後部反射器3に入射し、光導波路1を通って反射されて戻される。
【0160】
光導波路から出射された後、光導波路1からの出射光線172、174は、転向フィルム5に入射され、そこで第2のプリズム面54によって屈折され、全反射によって第1のプリズム面52によって反射される。
【0161】
光線は、ディスプレイ面の法線方向(z軸に平行)に向かって反射され、有利には高い正面輝度を実現する。
【0162】
第2のプリズム面54の起伏は、光線172、174についての光線方向のいくらかの偏向を提供することができる。例示の目的で、面54は、横方向に直交するx-z平面内で波状部として示されている。しかしながら、波状部は、主にx-y平面にある。したがって、光線は、長手方向に拡散するものとして示されているが、
図11A~
図11Dに示されるそのような波状ファセットは、主に横方向に拡散を提供するように配置される。
【0163】
そのような偏向は、波状面54での屈折によって提供され、したがって比較的小さい。少量の光円錐拡散は、波状プリズム面54によって光線172、174に提供されることができる。
【0164】
本実施形態は、第1の端部2に単一の光源15を設けることができる。有利には、以下にさらに説明されるように、狭い出射円錐角が提供され、プライバシー動作のための低い軸外輝度および高い正面効率を達成することができる。さらに、狭いベゼル幅を実現することができる。
【0165】
第1の動作モードと比較してより広い視野角を提供する第2の動作モードを提供することが望ましい場合がある。
【0166】
第2の光源17は、光導波路1の第2の入射端4に入射光を入射するように構成されることができる。複数の非傾斜光抽出特徴部30および傾斜平面32は、ガイドされた光線176cをガイド光線として光導波路1内に導くように配向されている。平面36は、入射光線176a、176bが平面36によって出射光として屈折されるように、第2の入射端4に面する。以下に説明されるように、透過光線176a、176bについての平面36から出射される光の円錐角は、光線172、174の場合よりも実質的に大きくてもよい。
【0167】
平面36は、光導波路1の、光転向フィルム5のプリズム素子50と同じ側に配置される。出射光は、後部反射器3によって反射されず、または第1の平面6を通して出射されない。反射器3の近くに配置された平面36を有する構成と比較して、本実施形態では、有利には第2の動作モードでの抽出効率が改善されるように、フレネル反射損失が低減される。
【0168】
光導波路1からの出射光線176a、176bは、第1のプリズム面52によって屈折され、全反射によって第2のプリズム面54によって反射される。光線172、174と比較して、光線は、屈折ではなく、波状ファセット54において反射を受ける。反射面の有効屈折力は、屈折した光に対する同じ面の屈折力の約3倍であり、したがって、波状部は、光線172、174の場合と比較して、大幅な拡散効果を提供することができる。
【0169】
平面36および波状プリズム面54は、光源15による入射端2からの光入射に対して達成される出射円錐角よりも実質的に大きい、光源17による第2の端部からの光入射に対する出射円錐角を達成することができる。有利には、広角モードにおける出射円錐角は、大幅に増加されることができる。そのようなバックライト20は、広範囲の視野角から都合よく見ることができるディスプレイ100を提供することができる。
【0170】
ここで、
図2~
図6Dの例示的な実施形態のシミュレートされた輝度分布を、光源15および光源17による照明について説明する。
【0171】
図12Aは、光が光導波路の第1の端部に入射されるときの
図2の光導波路および
図8Bの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフであり、
図12Bは、光が光導波路の第1の端部に入射されるときの
図2の光導波路1および
図11A~
図11Dの光転向フィルム5を備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0172】
したがって、
図12A~
図12Bは、各輪郭が20%輝度輪郭間隔を表す、光源15による本例示的な実施形態の光導波路1および転向フィルム5の照明のシミュレートされた外観を示している。パラメータXは、第1の入射端2からの相対距離を表し、式1によって与えられ、ここで、xは入射端2からの距離であり、Lは
図10に示される光導波路1の長さである。
X=x/L 式1
【0173】
輝度出射プロファイルは、ディスプレイ法線方向130を中心として約+/-20度の横方向視野角および+/-10度の長手方向視野角内に提供される。
【0174】
有利には、そのような照明プロファイルは、正面ユーザへの高効率の照明を達成することができる。さらに、そのようなプロファイルは、光導波路1の長さに沿って実質的に均一であり、高い輝度均一性を達成する。そのようなプロファイルはまた、以下にさらに説明されるように、プライバシーディスプレイのプライバシーモード動作を提供するために使用されることもできる。
【0175】
図12Bは、平面と比較して転向フィルム5の面45上の波状部によって横方向拡散が実質的に増加しないという点で
図12Aとは異なる。有利には、横方向視野の小さな変化のみが波状部によって提供され、プライバシー性能は同様である。
【0176】
図12Cは、光が光導波路の第2の端部に入射されるときの
図2の光導波路および
図8Bの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフであり、
図12Dは、光が光源17によって光導波路1の第2の入射端2に入射されるときの
図2の光導波路および
図11A~
図11Dの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
図12Bの出射と比較して、視野は、横方向に約+/-40度に増加している。有利には、ディスプレイは、広角動作モードについて、横方向の広い範囲の視野方向から見ることができる。
【0177】
図12Dは、平面と比較して転向フィルム5の面45上の波状部によって横方向拡散が増加するという点で
図12Cとは異なる。有利には、横方向視野が拡大され、広角性能が改善される。
【0178】
図12A~
図12Dの視野プロファイルは、拡散器334と、出射偏光子218などの他のディスプレイ面上に配置された拡散器とによってさらに拡大されてもよい。拡散器は、対称または非対称拡散器とすることができる。例えば、非対称表面レリーフ微細構造を含む非対称拡散器は、例えば、横方向角度プロファイルに実質的に変化を提供することなく、長手方向に増加した円錐角を提供することができる。有利には、長手方向(典型的には垂直方向とすることができる)での観察の自由は拡大されることができ、横方向でのプライバシー視野角は、実質的に変更されない。それぞれ長手方向に主要な構成要素を有する、光導波路1の繰り返し尖点37と、光転向フィルム5と、空間光変調器48のピクセルとの間のさらなるモアレビーティングは、最小化されることができる。
【0179】
ここで、単一の長手視野角の視野角プロファイルについて説明する。
【0180】
図13Aは、光導波路1の第1および第2の入射端2、4からの光入射についての横方向視野角72のプロファイル76、78に対する角輝度70を示す概略グラフであり、
図13Bは、光導波路1の第1および第2の入射端2、4からの光入射についての正規化された角輝度プロファイルを示す概略グラフである。プライバシー動作モードでは、プロファイル76が光源15による照明のために提供されることができるとともに、広角モードでは、プロファイル78が光源17による照明のために提供されることができる。プロファイル78の半値全幅は、プロファイル76の方がかなり大きい。さらに、軸外観察位置では、輝度が大幅に低下する。
【0181】
有利には、切り替え可能なプライバシーディスプレイが提供されることができる。
【0182】
ここで、光導波路1の面8を形成するために使用されるツールを提供する方法について説明する。
【0183】
図14A~
図14Eは、非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路の面の製造のためのツールを形成する方法を斜視図で示す概略図である。
【0184】
図14Aに示す第1のステップでは、平面ツール60のブランクが提供される。ツールブランクは、例えば、銅またはニッケルとすることができる。
図14Bに示す第2のステップでは、湾曲切断面63を有するダイヤモンド62を使用して、ツール60の表面に長手方向に平行に整列した円筒状溝64を刻み、
図14Cに示すように均一なレンチキュラー面が提供される。
【0185】
第3のステップでは、ツール60の表面に対して角度67で傾斜した平面切断面65を有する異なるダイヤモンド66があり、角度67は、通常、平面表面法線の角度133と同じである。ツールは、ツールが交差領域34においてレンチキュラー溝64を通って切断するように長手方向に直交する横方向に平面溝を刻むために使用される。
【0186】
図14Eは、代替の切断シーケンスを示している。第2のステップ(図示せず)では、線形ファセット68が横方向に切断され、第3のステップでは、レンチキュラー溝が、湾曲切断面63を有するダイヤモンド62によって線形ファセット68を通って切断される。
【0187】
図14F~
図14Gは、
図14A~14Eに示されるように切断され且つ溝64および平面領域61、69を備える非傾斜レンチキュラー面および傾斜平面を含む光導波路の面の製造のためのツールを斜視図で示す概略図である。さらに詳細には記載されていない
図14A~Gの構成の特徴は、特徴のあらゆる潜在的な変形を含む、上述したような等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0188】
そのようなツールは、例えば、光導波路1の射出成形、熱エンボス加工またはUV鋳造に使用されてもよい。
【0189】
有利には、光学面6は平面であり、支持基材または平面射出成形金型によって都合よく提供されることができる。さらに、高い忠実度の特徴部が提供され、高効率の抽出を達成することができる。面8は、導光板(LGP)を提供するために、0.4mm以上の厚さのPMMAまたはPET基材などの堅い基材上に設けられてもよい。あるいは、0.4mm未満の厚さの薄い可撓性基材を使用して、可撓性ディスプレイにおいて使用するための導光フィルム(LGF)を提供することができる。
【0190】
ディスプレイ100に自由形状を提供すること、例えば、ディスプレイ領域に湾曲したコーナーまたはノッチを提供することが望ましいであろう。
【0191】
図15は、湾曲した入射形状の光導波路1を平面図で示す概略図である。入射側2には、成形部品の成形または切断により、直線領域21aおよび曲線領域21c、21bを設けることができる。有利には、自由形状のディスプレイが提供されることができる。さらに詳細には考察されていない
図15の構成の特徴は、特徴のあらゆる潜在的な変形を含む、上述したような等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0192】
典型的なプライバシーモード動作では、横方向に比較的狭い視野角、および長手方向に広い視認自由度を備えたディスプレイが提供されることができる。典型的には水平方向とすることができる横方向の軸を中心としたディスプレイの回転を可能にするために、長手方向の視認自由度を最大にすることが望ましいであろう。
【0193】
図16は、平面対向面52と、互いに角度57で傾斜したファセット56a、56bを含むねじれ対向面54とを含む光転向フィルム5を第1の斜視図で示す概略図である。
図17は、平面対向面52およびねじれ対向面54および平面出射面を含む光転向フィルム5を第2の斜視図で示す概略図である。さらに詳細には記載されていない
図16~
図17の構成の特徴は、特徴のあらゆる潜在的な変形を含む、上述したような等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0194】
面54は、3つ以上の面を含んでもよく、または曲面であってもよい。
図11A~
図11Dの波状面と比較して、ファセットは、主に長手方向に拡散を提供するように構成される。
【0195】
動作中、第2の端部4に配置された光源17からの光線は、転向フィルム5の面54における全反射によって偏向され、
図11A~
図11Dの波状面による横方向の広がりと比較して、長手方向に広がる。
【0196】
図18Aは、光が光導波路1の第1の端部2に入射されるときの
図2の光導波路1および
図16~
図17の光転向フィルムを備えるバックライト20にわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフであり、
図18Bは、光が光導波路1の第2の端部4に入射されるときの
図2の光導波路1および
図16~
図17の光転向フィルム5を備えるバックライト20にわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0197】
プライバシー動作モードでは、高効率と低プライバシークロストークレベルを有利に達成するために、狭い視野が提供される。広角モードでは、例えば
図12Dと比較して、長手方向の視野が大幅に増加する。有利には、ディスプレイは、より広い視野角から見ることができる。さらに、ディスプレイは、横向きおよび縦向きの双方の表示に対して実質的に均一な照明プロファイルを有することができる。
【0198】
本実施形態では、広角モードの全出射は、双方の光源15および17からの照明によって提供されることができ、したがって、合成された出射は、駆動される光源15、17の相対的な光束によって決定される比率での
図18Aおよび
図18Bの組み合わせとすることができる。有利には、出射指向性は、光源15、17の制御によって調整されることができる。
【0199】
プライバシー動作モードでは、本実施形態のバックライト20は、例えばバックライト20における散乱および拡散から生じるディスプレイ上の画像データを覗き見者が知覚することを可能にすることができる観察領域に迷光を提供することができる。例えば、覗き見者は、周囲の照明条件に応じて、ピーク正面輝度の0.5%を超える輝度で画像データを観察することができる。典型的な狭角バックライトは、軸外観察位置(例えば、±45度の横方向観察位置)で2%以上の軸外輝度を実現することができる。覗き見者への軸外画像の視認性を最小限に抑えることが望ましい。
【0200】
図19Aは、プライバシーモード照明を提供するように配置された第1の端部2において光源15によって照明される光導波路1を備えるバックライト20と、液晶配向の第1の状態で駆動される切り替え可能な液晶リターダ300とを備えるプライバシーディスプレイの光学スタックを平面図で示す概略図である。
【0201】
プライバシーディスプレイを強化するための切り替え可能な液晶リターダ300は、双方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,126,575号明細書および米国特許出願公開第2019-0086706号明細書に記載されている。
【0202】
図1と比較して、空間光変調器48は、バックライト20と切り替え可能な液晶リターダ300との間に配置されるが、性能は、2つの配置について実質的に同じであると予想される。したがって、ディスプレイ装置100は、さらに、空間光変調器48の側に配置された少なくとも1つのディスプレイ偏光子218または210と、空間変調器48のディスプレイ偏光子218と同じ側に配置された追加の偏光子318と、ディスプレイ偏光子218と追加の偏光子318との間に配置された液晶材料314の層を備える切り替え可能な液晶リターダ330、314と、を備える。
【0203】
図1に戻ると、プライバシー動作の第2の状態における動作において、光源ドライバ315は、第1の光源15を駆動するように起動される。さらに、液晶リターダ300のコントローラ312は、狭い視野角を提供するように動作する。換言すれば、光源15が第1の入射端2において光導波路1に光を入射するように構成されている場合、第1の電圧V
1は、液晶層314の分子が第1の配向構成を有するように、電極311a、311bによって切り替え可能な液晶リターダ300に印加される。
【0204】
動作中、バックライト20からの非偏光光線400、402は、電気ベクトル透過方向211を有する空間光変調器48の入射偏光子210によって偏光される。ピクセル層214による変調後、電気ベクトル透過方向219を有する出射偏光子218は、光線400、402に偏光状態360、361を提供する。補償リターダ300および切り替え可能な液晶層314は、光線400の偏光状態362に実質的に変化をもたらさないが、軸外光線402の変更された偏光状態364を提供するように構成される。方向219に平行な電気ベクトル透過方向319を有する追加の偏光子318は、光線400を透過するが、光線402の光を吸収し、軸外方向の透過を実質的に低減する。
【0205】
図19Bは、プライバシー動作モードにおける補償された切り替え可能なリターダの等透過視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0206】
視野プロファイルの向きは、プライバシーモードにおいて迷光輝度の低減を提供するように構成されることができる。例えば、軸外輝度は、
図18Aの出射光円錐と
図19Bの透過視野プロファイルとの組み合わせにより、広い視野のピーク正面輝度の1%未満に低減されることができる。
【0207】
有利には、覗き見者から見た出射は、切り替え可能な液晶リターダを備えていないディスプレイと比較して大幅に低減され、強化されたプライバシー性能が達成される。さらに、正面輝度は、実質的に影響を受けず、主ユーザにとって高い効率を実現する。
【0208】
さらに、切り替え可能なプライバシーディスプレイに切り替え可能な広い視野を提供することが望ましい。
【0209】
図20Aは、広角照明を提供するように構成された第2の端部4における光源17によって照明される光導波路1を備えるバックライト20と、液晶配向の第2の状態で駆動される切り替え可能な液晶リターダ300とを備えるプライバシーディスプレイの光学スタックを平面図で示す概略図である。
【0210】
図1に戻ると、広角動作のための第2の状態での動作において、光源ドライバ317は、第2の光源17を駆動するために起動される。さらに、液晶リターダ300のコントローラ312は、広角視野を提供するように動作する。換言すれば、光源17が第2の入射端4において光導波路1に光を入射するように構成されている場合、第1の電圧とは異なる第2の電圧V
2は、液晶層314の分子が第2の配向構成を有するように、電極311a、311bによって切り替え可能な液晶リターダ300にドライバ350によって印加される。
【0211】
動作中、補償リターダ300および切り替え可能な液晶層314は、光線400および軸外光線402の偏光状態362に実質的に変化をもたらさないように構成される。方向219に平行な電気ベクトル透過方向319を有する追加の偏光子318は、光線400、402を透過し、軸外方向の輝度を実質的に維持する。
【0212】
図20Bは、広角動作モードにおける切り替え可能なリターダの等透過視野極座標プロットを示す概略グラフである。有利には、軸外観察者によって見られる出射は、高輝度を有し、高効率動作が維持される。さらに、正面輝度は、実質的に影響を受けず、主ユーザにとって高い効率を実現する。
【0213】
さらに詳細には記載されていない
図19A~
図20Bの構成の特徴は、特徴のあらゆる潜在的な変形を含む、上述したような等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0214】
ここで、プライバシーディスプレイの表示についてさらに説明する。
【0215】
図21Aは、プライバシーモードで動作しているディスプレイの透過出射光の観察を正面斜視図で示す概略図である。ディスプレイ100は、白領域603および黒領域601を備えることができる。覗き見者47は、観察領域601、603間の輝度差が知覚され得る場合、ディスプレイ上の画像を観察することができる。動作中、主ユーザ45は、指向性ディスプレイの光学窓とすることができる視認場所26までの光線400によって全輝度画像を観察する。覗き見者47は、光導波路およびオプションの切り替え可能な液晶リターダ300からの軸外位置の輝度の低下に起因して、観察場所27における輝度光線402の低下を観察する。
【0216】
図21Bは、軸外輝度低減を伴うプライバシーモード1で動作している
図1のディスプレイの外観を正面斜視図で示す概略図である。したがって、上方視象限530、532、下方視象限534、536、および側方視位置526、528は、低減された輝度を提供する一方で、上/下中央視領域522、520および正面視は、はるかに高い輝度を提供する。
【0217】
有利には、横軸を中心とした回転のための快適な視界を有するプライバシーディスプレイが提供されることができる。
【0218】
ここで、光導波路1の他の構造について説明する。
【0219】
図22~
図23は、非傾斜レンチキュラー面30と、非傾斜レンチキュラー面30と交差しない傾斜平面表面32、36とを備える光導波路1を側面斜視図で示す概略図であり、
図24Aは、光導波路1の非傾斜レンチキュラー面30を側面斜視図で示す概略図であり、
図24Bは、光導波路1の第1の傾斜平面32を側面斜視図で示す概略図であり、
図24Cは、光導波路1の第2の傾斜平面36を側面斜視図で示す概略図である。
【0220】
シミュレーションでは、そのような構造は、
図2で上に示したものと同様の視野輝度特性を提供する。
図2の実施形態と比較して、そのような構造は、クロスカットされていない均一な細長レンチキュラー面を提供することができる。クロスカット面の交点での散乱を低減することができる。有利には、プライバシー性能を改善することができる。
【0221】
ここで、光導波路1の他の構造について説明する。
【0222】
図25は、光導波路1を側面透視図で示す概略図であり、第2の導光面は、表面法線が横方向において細長プリズム特徴部の幅にわたって変化するように、それぞれが反対角度に傾斜した横方向に垂直な平面に表面法線を有する2つの面80、82を備えるプリズム特徴部である非傾斜細長特徴部を備える。第2の導光面はまた、傾斜光抽出特徴部を形成する第1および第2の傾斜交差平面32、36を備える。
【0223】
さらに詳細には記載されていない
図22~
図25の構成の特徴は、特徴のあらゆる潜在的な変形を含む、上述したような等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0224】
図26Aは、光が光導波路の第1の端部に入射されるときの
図25の光導波路および
図11A~
図11Dの光転向フィルムを備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフであり、
図26Bは、光が光導波路の第2の端部に入射されるときの
図25の光導波路および
図11A~
図11Dの光転向フィルム5を備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。有利には、プリズム面は、平面ダイヤモンドを用いて都合よく製造されることができる。さらに、プライバシーモードでの出射のプロファイルを拡大して、軸上表示の向上した均一性を実現することができる。
【0225】
ここで、光導波路1の他の構造について説明する。
【0226】
図27A~
図27Cは、光導波路を斜視図で示す概略図であり、第2のガイド面は、非傾斜光抽出特徴部である非傾斜レンチキュラー面30、ならびに傾斜光抽出特徴部である傾斜レンチキュラー面432および傾斜平面436も備える。すなわち、傾斜光抽出特徴部は、長手方向に延在するレンチキュラー面432および平面436を備える。有利には、非傾斜レンチキュラー面30を切断するために使用される同じダイヤモンドを使用して、傾斜レンチキュラー面432を切断し、コストおよび複雑さを低減することができる。
【0227】
ここで、光導波路1の他の構造について説明する。
【0228】
図28は、光導波路を斜視図で示す概略図であり、第2のガイド面は、非傾斜光抽出特徴部である非傾斜レンチキュラー面30と、非傾斜レンチキュラー面30上に配置された傾斜光抽出特徴部である第1および第2の傾斜平面632、636とを備える。
図2と比較して、平面632、636は、導光面8を横切ってランダムに配置されることができ、モアレの外観を有利に低減する。
【0229】
2つの異なる狭角照明方向を提供することが望ましい場合がある。
【0230】
図29A~
図29Bは、光導波路を斜視図で示す概略図であり、第2ガイド面は、非傾斜光抽出特徴部である非傾斜レンチキュラー面730と、傾斜光抽出特徴部である第1および第2の対向傾斜平面732、736とを備え、
図29Cは、同じ光導波路を側面図で示す概略図である。
【0231】
x-z平面における非傾斜レンチキュラー面730に対する法線731の傾斜はゼロであり、すなわち、長手方向に傾斜がない。
【0232】
第1の傾斜平面732は、第2の入射端4に向かって長手方向に傾斜した表面法線735を有し、第2の傾斜平面736は、第1の入射端2に向かって傾斜した表面法線737を有する。第1および第2の複数の傾斜平面732、736のそれぞれの長手方向における法線方向735、737の傾斜角733、739は、0.25度と5度の間、好ましくは0.5度と4度の間、最も好ましくは1度と3度の間である。
【0233】
さらに詳細には記載されていない
図27A~
図29Cの構成の特徴は、特徴のあらゆる潜在的な変形を含む、上述したような等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0234】
図30Aは、光が光源15によって光導波路1の第1の端部2に入射されるときの
図29Cの光導波路1および
図11A~
図11Dの光転向フィルム5を備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフであり、
図30Bは、光が光導波路1の第2の端部2に入射されるときの
図29Cの光導波路および
図11A~
図11Dの光転向フィルム5を備えるバックライトにわたる異なる位置の等輝度視野極座標プロットを示す概略グラフである。
【0235】
したがって、照明光源15によって提供される第1の動作モードでは、軸外照明プロファイルが、長手方向の法線方向から30度オフセットで提供される。第2の動作モードでは、軸上照明プロファイルは、光源17の照明によって提供されることができる。
【0236】
2つの照明プロファイルの相対的オフセットは、光転向フィルム5のプリズム面52、54の表面法線方向の角度を調整することによって制御されることができる。
【0237】
有利には、そのようなディスプレイは、2人の別々のユーザに制御可能な照明を提供することができる。ここで、そのようなディスプレイの自動車キャビン環境への適用について説明する。
【0238】
図31は、
図29Cの光導波路1を備えるバックライト20を備えるディスプレイ100を備える車両550の自動車キャビン552を平面図で示す概略図である。第1の動作モードでは、光源15が照明されて、光円錐554で乗客に照明を提供する。そのようなディスプレイは、運転手に低輝度を提供することができ、したがって、例えば運転手の注意をそらすことなく、娯楽機能を提供することができる。軸外輝度は、
図1の切り替え可能な液晶リターダ300によってさらに低減することができる。
【0239】
夜間動作の場合、迷光を低減して、望ましくない内部キャビン照明からの向上した安全性を有利に提供することができる。ディスプレイのサイズは、自動車キャビンの周囲光が低い場合、大きくすることができる。
【0240】
第2の動作モードでは、運転手がディスプレイからの画像を知覚できるように、第2の光源17によってバックライト20を代替的または追加的に照明することができる。
【0241】
空間光変調器に表示される画像は、時間多重化されることができる。第1のフェーズでは、光源15が照明され、第1の画像が、例えば100Hz以上のフレームレートが可能な高速応答液晶ディスプレイとすることができる空間光変調器48上に表示されることができる。第2のフェーズでは、光源17が照明され、空間光変調器48の第2の画像を表示することができる。第1の画像が運転手に供給され、第2の画像が乗客に供給されてもよい。有利には、ディスプレイ100は、低コストおよび複雑さで、各ユーザのための完全な空間解像度で乗客および運転手に異なる画像を提供することができる。
【0242】
ここで、様々なディスプレイ構成について説明する。
【0243】
図32は、空間光変調器を照明するように構成された切り替え可能な指向性導波路を備える切り替え可能なプライバシーディスプレイ装置の光学スタックを側面斜視図で示す概略図である。したがって、
図1の切り替え可能な液晶リターダ300は省略されてもよい。有利には、厚さおよびコストが削減される。そのようなディスプレイは、高輝度または低減された電力消費、ならびに夜間の動作を都合よく提供して、非ユーザへの迷光を低減することができる。
【0244】
図33は、空間光変調器を照明するように構成された切り替え不能な指向性導波路を備えるコリメートされたディスプレイ装置の光学スタックを側面斜視図で示す概略図である。そのようなディスプレイは、光源17および関連する接続を省略しているため、
図1と比較して狭いベゼル幅を有し、したがって、より小さなフォームファクタで構成されることができる。平面32、36および光転向フィルム5の形状は、例えば、切り替え可能な液晶リターダ300によって提供されるプライバシー切り替えによって望ましい広角プロファイルを達成するために、
図12Aに示されるよりも大きな円錐角を提供するように調整されることができる。
【0245】
さらに詳細には記載されていない
図33の構成の特徴は、特徴のあらゆる潜在的な変形を含む、上述したような等価な参照符号を有する特徴に対応するものとすることができる。
【0246】
本明細書で使用され得るとき、用語「実質的に」および「およそ(ほぼ)」は、それに対応する用語および/または項目間の相対性に対して、業界で受け入れられる許容範囲を付与するものである。かかる業界で受け入れられる許容範囲は、0パーセント~10パーセントの範囲であり、成分値、角度などが該当するが、これらに限定されない。かかる項目間の相対性は、約0パーセント未満~10パーセントの範囲である。
【0247】
本明細書に開示される原理による様々な実施形態を上述してきたが、それらは限定としてではなく単なる一例として提示されていることを理解されたい。したがって、この開示の広さおよび範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても制限されてはならず、特許請求の範囲のいずれか、および本開示に由来するそれらの均等物に従ってのみ規定されるべきである。さらに、上記の利点および特徴は、記載された実施形態において提供されているが、上記の利点のいずれかまたは全てを達成するプロセスおよび構造に対して、かかる由来の特許請求の範囲の適用を限定しない。
【0248】
さらに、本明細書における節の見出しは、米国特許法施行規則1.77に基づく示唆との一貫性を持たせるために、またはそれ以外では構成上の手がかりを提供するために、提供されている。これらの見出しは、本開示から生じ得る特許請求の範囲に定める(単数または複数の)実施形態を限定しない、または特徴付けないものとする。具体的には、単に例示ではあるが、「技術分野」という見出しがあるが、いわゆる分野を説明するためにこの見出しの下に選択された表現によって、特許請求の範囲が限定されることはない。さらに、「背景技術」に記載された技術に関する記述は、特定の技術が、本開示における任意の(単数または複数の)実施形態に対する先行技術であることの承認として、解釈されるべきではない。「発明の概要」についても、公開される特許請求の範囲で述べられる(単数または複数の)実施形態を特徴付けるものとして考慮されるべきでない。さらに、本開示内での単数形の「発明」の言及は、本開示において単一の新規性のみ存在すると主張するために使用されるべきではない。複数の実施形態は、本開示により、公開される複数の特許請求の範囲の限定に従って、述べられる場合がある。したがって、かかる特許請求の範囲は、この(単数または複数の)実施形態およびそれらの均等物を定義することによって、それらを保護している。全ての例では、かかる請求項の範囲は、本開示に照らしてそれら自体のメリットを考慮されるであろうが、本明細書内で記載された見出しによって制約されるべきではない。