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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】キャップ組立体及びそれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/152 20210101AFI20240528BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240528BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20240528BHJP
   H01M 50/578 20210101ALI20240528BHJP
【FI】
H01M50/152
H01M50/15
H01M50/342 101
H01M50/578
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022568662
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 KR2021014524
(87)【国際公開番号】W WO2022092662
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-11-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0140614
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、クン-ジョー
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ヤン-ス
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-192712(JP,A)
【文献】特開2015-133245(JP,A)
【文献】特開平10-275612(JP,A)
【文献】特開2000-182591(JP,A)
【文献】中国実用新案第211507692(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10
H01M 50/30
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池缶の開放端に結合される二次電池用キャップ組立体であって、
最上部に突出した形態で配置されて正極端子を形成するトップキャップと、
前記トップキャップの下部で前記電池缶の内圧が増加すると形態が変形されるように構成された安全ベントと、
前記トップキャップ及び前記安全ベントの周縁を囲むガスケットと、
前記トップキャップと前記安全ベントとの間に介在され、周縁が前記ガスケットによって囲まれ、少なくとも一部分がメッシュ状で構成されたスクリーン部材と、を含み、
前記スクリーン部材は、少なくとも中央部分が上方に突出したドーム状に形成されている、二次電池用キャップ組立体。
【請求項2】
電池缶の開放端に結合される二次電池用キャップ組立体であって、
最上部に突出した形態で配置されて正極端子を形成するトップキャップと、
前記トップキャップの下部で前記電池缶の内圧が増加すると形態が変形されるように構成された安全ベントと、
前記トップキャップ及び前記安全ベントの周縁を囲むガスケットと、
前記トップキャップと前記安全ベントとの間に介在され、周縁が前記ガスケットによって囲まれ、少なくとも一部分がメッシュ状で構成されたスクリーン部材と、を含み、
前記スクリーン部材は、上方または下方に突設された突起を備える、二次電池用キャップ組立体。
【請求項3】
電池缶の開放端に結合される二次電池用キャップ組立体であって、
最上部に突出した形態で配置されて正極端子を形成するトップキャップと、
前記トップキャップの下部で前記電池缶の内圧が増加すると形態が変形されるように構成された安全ベントと、
前記トップキャップ及び前記安全ベントの周縁を囲むガスケットと、
前記トップキャップと前記安全ベントとの間に介在され、周縁が前記ガスケットによって囲まれ、少なくとも一部分がメッシュ状で構成されたスクリーン部材と、を含み、
前記スクリーン部材は、上下方向に積層された複数の単位スクリーンを備え、
前記複数の単位スクリーンのうちの上側スクリーンは、少なくとも中央部分が上方に凸をなしてドーム状に形成され、前記複数の単位スクリーンのうちの下側スクリーンは、少なくとも中央部分が下方に凸をなしてドーム状に形成されている、二次電池用キャップ組立体。
【請求項4】
上部が前記安全ベントの下端に連結され、下部が電極組立体に連結され、前記安全ベントの変形時に前記電極組立体と前記トップキャップとの間の電気的接続を遮断させるように構成された電流遮断部材をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の二次電池用キャップ組立体。
【請求項5】
前記複数の単位スクリーンは、相異なるメッシュ状で構成されている、請求項に記載の二次電池用キャップ組立体。
【請求項6】
前記下側スクリーンは、前記安全ベントの変形によって凸形状が下方から上方に反転するように構成されている、請求項に記載の二次電池用キャップ組立体。
【請求項7】
前記下側スクリーンは、凸形状の反転時に、少なくとも一部の穴が前記上側スクリーンの穴と水平方向でずれて位置するように構成されている、請求項に記載の二次電池用キャップ組立体。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載の二次電池用キャップ組立体を含む、二次電池。
【請求項9】
請求項に記載の二次電池を一つ以上含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年10月27日付け出願の韓国特許出願第10-2020-0140614号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、二次電池及びそれに使用されるキャップ組立体(cap assembly)に関し、より詳しくは、発火や爆発時の安全性が増大した二次電池及びそれに使用されるキャップ組立体などに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、スマートフォンやラップトップパソコンのような携帯型機器、電気自動車や電動キックボード、電気二輪車のような運送手段、そしてエネルギー貯蔵システム(ESS:Energy Storage System)などの装置が広く用いられ、それに伴って電源を供給する核心部品である二次電池に対する関心がさらに高まっている。
【0004】
特に、二次電池は、充放電が可能であるため、長期間繰り返して使用できることから、近年多様な分野に広く適用されている。このような二次電池には、多くの種類の電池が含まれ得るが、中でもリチウム二次電池はニッケル-カドミウム電池またはニッケル-水素電池よりも大きい容量を有し、単位重量当りエネルギー密度が高いため、一層脚光を浴びており、その活用程度が急増している。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主に、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質が塗布された正極板と負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介在して配置された電極組立体、及び電極組立体を電解液とともに封止収納する外装材を備える。
【0006】
一方、リチウム二次電池は、電池ケースの形状によって、電極組立体が金属材質の電池缶に収納されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートからなるパウチに収納されているパウチ型二次電池とに分けられる。そして、缶型二次電池は、金属缶の形態によって、円筒型電池と角形電池とにさらに分けられる。このような角形または円筒型二次電池の外装材は、開放端が形成されたケース、すなわち電池缶、及び電池缶の開放端に密封結合されるキャップ組立体を備える。
【0007】
図1は、従来の円筒型二次電池のキャップ組立体10部分の断面図である。
【0008】
図1を参照すると、一般に円筒型二次電池は、円筒型の電池缶20、電池缶20の内部に収容されるゼリーロール形態の電極組立体30、電池缶20の上部に結合されるキャップ組立体10、キャップ組立体10を取り付けるために電池缶20の上端に設けられたビーディング部40、及び電池を密封するためのクリンピング部50を備える。
【0009】
電極組立体30は、正極と負極との間にセパレータが介在された状態でゼリーロール形態で巻き取られた構造であり、正極には正極リード31が取り付けられてキャップ組立体10に接続され、負極には負極リード(図示せず)が取り付けられて電池缶20の下端に接続されている。
【0010】
キャップ組立体10は、正極端子を形成するトップキャップ11、電池内部の圧力が上昇するとき、電流遮断及び/またはガス排気を行う安全ベント12、特定部分を除いた安全ベント12を電流遮断部材14から電気的に分離する絶縁部材13、正極に連結された正極リード31が接続されている電流遮断部材14が順次に積層された構造を有する。そして、このようなキャップ組立体10は、ガスケット15に取り付けられた状態で電池缶20のビーディング部40に取り付けられる。したがって、正常な作動条件では、電極組立体30の正極は、正極リード31、電流遮断部材14及び安全ベント12を介してトップキャップ11に連結されて通電する。
【0011】
このようなキャップ組立体の構成において、電極組立体30側で発火などが発生する場合、電池缶20内部の圧力が増加する。そして、このような圧力の増加は、安全ベント12を変形させ、電池缶20内部のガスが外側に放出される。しかし、このようなガス放出過程で、電極組立体30の活物質が加熱された状態で電池缶20の外側へと排出され得る。排出された高温の活物質は、落塵のような形態で二次電池周辺の他の構成、例えば他の二次電池に付着して該二次電池を加熱する。
【0012】
特に、最近は一つの二次電池を単独で使用するより、多数の二次電池を一つのバッテリーモジュールまたはバッテリーパックに含めた形態で使用することが多い。例えば、電気自動車の場合、数十個または数百個の二次電池がバッテリーモジュールまたはバッテリーパックに含まれ得る。このとき、いずれか一つの二次電池で発火して加熱された活物質が外側に排出されると、周辺の他の二次電池を加熱して連鎖的な燃焼を引き起こし得る。そして、このような連鎖的な燃焼は、バッテリーモジュールまたはバッテリーパックの損傷は勿論、バッテリーが搭載された装置または構造物の火災及び人命の被害などの深刻な問題につながるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明は、上記の問題点を解決するために創案されたものであって、ガス放出、発火、または爆発などの状況で加熱された活物質の排出を遮断するかまたは減少させるように構造が改善されたキャップ組立体及びそれを用いる二次電池などを提供することを目的とする。
【0014】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるキャップ組立体は、電池缶の開放端に結合される二次電池用キャップ組立体であって、最上部に突出した形態で配置されて正極端子を形成するトップキャップと、トップキャップの下部で電池缶の内圧が増加すると形態が変形されるように構成された安全ベントと、トップキャップ及び安全ベントの周縁を囲むガスケットと、トップキャップと安全ベントとの間に介在され、周縁がガスケットによって囲まれ、少なくとも一部分がメッシュ状で構成されたスクリーン部材と、を含む。
【0016】
ここで、本発明によるキャップ組立体は、上部が安全ベントの下端に連結され、下部が電極組立体に連結され、安全ベントの変形時に電極組立体とトップキャップとの間の電気的接続を遮断させるように構成された電流遮断部材をさらに含み得る。
【0017】
また、スクリーン部材は、少なくとも中央部分が上方に突出したドーム状に形成され得る。
【0018】
また、スクリーン部材は、上方または下方に突設された突起を備え得る。
【0019】
また、スクリーン部材は、上下方向に積層された複数の単位スクリーンを備え得る。
【0020】
また、複数の単位スクリーンは、相異なるメッシュ状で構成され得る。
【0021】
また、複数の単位スクリーンのうちの上側スクリーンは、少なくとも中央部分が上方に凸をなしてドーム状に形成され、複数の単位スクリーンのうちの下側スクリーンは、少なくとも中央部分が下方に凸をなしてドーム状に形成され得る。
【0022】
また、下側スクリーンは、安全ベントの変形によって凸形状が下方から上方に反転するように構成され得る。
【0023】
また、下側スクリーンは、凸形状の反転時に、少なくとも一部の穴が上側スクリーンの穴と水平方向でずれて位置するように構成され得る。
【0024】
また、上記の目的を達成するため、本発明の他の一態様による二次電池は、本発明による二次電池用キャップ組立体を含む。
【0025】
また、上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様によるバッテリーパックは、本発明による二次電池を一つ以上含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、二次電池の安全性が向上することができる。
【0027】
特に、本発明の一態様によれば、二次電池の内圧増加による内部ガスの放出、熱暴走による発火、または爆発などの状況が発生する場合、内部の活物質が電池の外側に排出されることを遮断するかまたは減少させることができる。
【0028】
特に、発火や爆発などの状況では内部の活物質の温度が非常に高い状態であるため、外側に排出されると、他の二次電池などを加熱して、バッテリーモジュールまたはバッテリーパックの内部で連鎖発火または爆発を引き起こすおそれがある。しかし、本発明の一態様によれば、一つまたは一部の二次電池で発火や爆発が発生しても、内部の高温活物質が外側に排出されることを阻止し、連鎖発火または爆発につながることを防止することができる。
【0029】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであり、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】従来の円筒型二次電池のキャップ組立体部分の断面図である。
図2】本発明の一実施形態によるキャップ組立体が二次電池に含まれる構成を概略的に示した分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による二次電池のキャップ組立体部分の構成を概略的に示した断面図である。
図4】本発明の一実施形態によるキャップ組立体に含まれるスクリーン部材の構成を概略的に示した上面図である。
図5】本発明の一実施形態によるキャップ組立体に含まれるスクリーン部材の構成を概略的に示した斜視図である。
図6図5のB-B'線に沿った断面図である。
図7】本発明の一実施形態によるキャップ組立体において、安全ベントが変形された状態の構成を概略的に示した断面図である。
図8】本発明の他の実施形態によるスクリーン部材の一部構成を概略的に示した断面図である。
図9】本発明の他の実施形態による二次電池用キャップ組立体の構成を概略的に示した断面図である。
図10図9のC2部分を拡大して示した図である。
図11】本発明のさらに他の実施形態によるスクリーン部材の構成を概略的に示した上面図である。
図12】本発明のさらに他の実施形態によるスクリーン部材の構成を概略的に示した上面図である。
図13】本発明のさらに他の実施形態によるキャップ組立体の構成を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0032】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0033】
図2は、本発明の一実施形態によるキャップ組立体100が二次電池に含まれる構成を概略的に示した分解斜視図である。また、図3は、本発明の一実施形態による二次電池のキャップ組立体100部分の構成を概略的に示した断面図である。
【0034】
図2及び図3を参照すると、本発明による二次電池は、電極組立体300、電池缶200、及びキャップ組立体100を含む。
【0035】
電極組立体300は、セパレータを介在して配置された正極板と負極板とを含み、電池缶200に収納される。このとき、電極組立体300は、ゼリーロール形態で巻き取られて配置され、この場合、ゼリーロールとも称される。電極組立体300の電極板は、集電体に活物質スラリーが塗布された構造で形成され得るが、スラリーは通常、粒状の活物質、補助導体、バインダー及び可塑剤などを溶媒が添加された状態で撹拌して形成する。電極板の巻取方向における集電体の始端と終端には、スラリーが塗布されていない無地部が存在し得るが、このような無地部にはそれぞれの電極板に対応する電極リードが付着され得る。一般に、正極リード310は電極組立体300の上端に取り付けられてキャップ組立体100に電気的に接続され、負極リード(図示せず)は電極組立体300の下端に取り付けられて電池缶200の底部に接続され得る。
【0036】
一方、図示していないが、電極組立体300の上端には上部絶縁板が配置され得る。このような上部絶縁板は、電極組立体300とキャップ組立体100との間を絶縁させる役割を果たす。
【0037】
電池缶200は、アルミニウム、ステンレス鋼、またはこれらの合金のような軽量の伝導性金属材質から構成され、上端が開放された開放部、及びそれに対向する密閉した底部を有する円筒型または角形構造を有し得る。電池缶200の内部空間には、電極組立体300とともに電解液が収納され得る。
【0038】
特に、本発明による二次電池は、電池缶200が円筒型である円筒型電池であり得る。ただし、このような電池缶200は、角形のように、円筒型以外の他の多様な形態で形成されてもよい。
【0039】
本発明による電池缶200には、図2及び図3に示されたように、ビーディング部が形成され得る。ただし、本発明が必ずしもこのような電池缶200の形態に限定されることはなく、ビーディング部が形成されていない電池缶200にも適用され得る。
【0040】
本発明による二次電池用キャップ組立体100は、電池缶200の上端、すなわち開放端に結合される二次電池の構成要素であって、電池缶200の開放端に結合されると、電池缶200の内部空間を密閉することができる。このようなキャップ組立体100は、電池缶200の形態に応じて円形または角形などの多様な形態で形成され得る。
【0041】
本発明による二次電池用キャップ組立体100は、トップキャップ110、安全ベント120、ガスケット130及びスクリーン部材140を含む。
【0042】
トップキャップ110は、キャップ組立体100の最上部に上方に突出した形態で配置されて正極端子を形成し得る。したがって、トップキャップ110は、外部装置、例えば負荷または充電装置と電気的に接続されるように構成され得る。または、トップキャップ110は、他の二次電池と電気的に接続されるように構成され得る。特に、バッテリーモジュールまたはバッテリーパックを形成するため、多数の二次電池が互いに電気的に直列及び/または並列に接続され得る。このとき、トップキャップ110は、他の二次電池のトップキャップ110や電池缶200、またはバスバーのような連結用部材などに接触され得る。
【0043】
このようなトップキャップ110には、図2にVで示されたように、ガスが排出されるガス穴が形成され得る。したがって、電極組立体300からガスが発生したとき、このようなガス穴Vを通って電池缶200の外側へとガスが排出され得る。
【0044】
トップキャップ110は、電気伝導性材質、例えばステンレス鋼やアルミニウムのような金属材質で形成され得る。
【0045】
安全ベント120は、トップキャップ110よりも電極組立体300に近く、トップキャップ110の下部に位置するように配置され得る。そして、このような安全ベント120は、二次電池の内圧、すなわち電池缶200の内圧が一定水準以上に増加する場合、形態が変形されるように構成され得る。例えば、安全ベント120は、二次電池の内圧が15kgf/cm以上になると、変形されて破裂するように構成され得る。
【0046】
そのため、安全ベント120は、図示されたように、中心部が下方に突出するように形成され得る。そして、二次電池の内部、すなわち電極組立体300側からガスが発生して電池缶200の内圧が増加すれば、安全ベント120は、その形状が反転しながら上方に向かって突出するように変形され得る。特に、安全ベント120の中心部付近には所定の切欠が形成され、変形時に切欠を中心にして安全ベント120が破裂し得る。したがって、このような安全ベント120の破裂部分を通って電池缶200の内部に満たされていたガスが外側へと排出される。
【0047】
ガスケット130は、トップキャップ110及び安全ベント120の周縁、すなわち外周部を囲むように構成され得る。ガスケット130は、トップキャップ110及び安全ベント120の周縁部分が電池缶200と絶縁されるように、電気絶縁性を有する材質からなり得る。また、ガスケット130は、キャップ組立体100を支持し保護するため、耐衝撃性、弾力性及び耐久性を有する材質からなり得る。したがって、ガスケット130は、例えばポリオレフィンまたはポリプロピレンで製造され得る。そして、ガスケット130は、電気絶縁性の弱化を防止するため、熱処理せず、機械的加工によってベンディングされることが好ましい。
【0048】
スクリーン部材140は、トップキャップ110と安全ベント120との間に介在され得る。そして、スクリーン部材140は、周縁がガスケット130によって囲まれ得る。すなわち、トップキャップ110の外周部、スクリーン部材140の外周部及び安全ベント120の外周部は、互いに密着した形態で積層されてガスケット130によって囲まれ得る。
【0049】
スクリーン部材140は、少なくとも一部分がメッシュ状で構成され得る。このようなスクリーン部材140のより具体的な形態について、図4をさらに参照して詳しく説明する。
【0050】
図4は、本発明の一実施形態によるキャップ組立体100に含まれるスクリーン部材140の構成を概略的に示した上面図である。
【0051】
図4に示されたように、スクリーン部材140は、A1で示された部分のような中央部分がメッシュ状で構成され得る。ここで、メッシュ状とは、板状の部材に多数の穴Hが形成された形態であり得る。特に、スクリーン部材140は、円筒型二次電池に適用されたキャップ組立体100の場合、トップキャップ110及び安全ベント120と同様に、円形のプレート状で構成され得、このような円形のプレートの中央部分に多数の穴Hが形成された形態で構成され得る。代表的に、スクリーン部材140は、図4のA1で示された部分のような中央部分において、相異なるワイヤが直交する網のような形態で構成され得る。この場合、スクリーン部材140を製造し易く、穴Hの大きさを小さくしながらも多数形成し得る。
【0052】
一方、スクリーン部材140は、図4のA2で示された部分のような周縁部分の場合、メッシュ状で構成されなくてもよい。さらに、スクリーン部材140は、このような周縁部分がガスケット130によって囲まれ得る。すなわち、スクリーン部材140のうちガスが通過しない部分は、メッシュ状で構成されなくてもよい。
【0053】
スクリーン部材140は、少なくとも一部分が金属のような電気伝導性材質で構成され得る。ここで、金属材質には、鋼またはニッケルのような材質が含まれ得る。このような鋼やニッケル材質の場合、銅やアルミニウムよりも融点が高いため、電池の発火または爆発時にも形態をより安定的に維持可能である。
【0054】
特に、スクリーン部材140は、少なくともA2で示されたような周縁部分が電気伝導性材質で構成され得る。このようなスクリーン部材140の周縁部分は、トップキャップ110の周縁と安全ベント120の周縁との間に介在されて電気的接続通路の役割を果たし得る。すなわち、トップキャップ110と安全ベント120とは直接接触せず、スクリーン部材140によって電気的に接続され得る。したがって、スクリーン部材140は、少なくとも周縁部分が電気伝導性材質で構成され得る。
【0055】
このような本発明の構成によれば、スクリーン部材140によって、安全性が向上したキャップ組立体100を提供することができる。特に、スクリーン部材140は、少なくとも一部分、例えば中央部分がメッシュ状で構成されているため、電池缶200の内圧が高くなって安全ベント120が破損し変形される場合、電池缶200内部のガスが外側へと排出されることを妨害しない。また、このようなガス排出過程でも、スクリーン部材140のメッシュ構成によって、電池缶200内部の活物質は外側へと排出されなくなり得る。すなわち、二次電池の発火または爆発時にも、電池缶200内部の活物質はスクリーン部材140によって阻止され得る。特に、二次電池の発火または爆発時などには、二次電池が高温である場合が多く、このとき、電池缶200内部の活物質が加熱されて非常に高温になり得る。しかし、本発明の上記のような構成によれば、スクリーン部材140によって高温の活物質が電池缶200の外側へと排出されなくなる。したがって、このような活物質の排出によって周辺の二次電池などが損傷されるかまたは連鎖発火する問題を防止することができる。
【0056】
また、本発明によるキャップ組立体100は、図2及び図3に示されたように、電流遮断部材150をさらに含み得る。
【0057】
電流遮断部材150は、上部の少なくとも一部分が安全ベント120の下端に連結され、下部が電極組立体300の電極リード、例えば正極リード310に連結されるように構成され得る。そして、電流遮断部材150は、安全ベント120の変形時に電極組立体300とトップキャップ110との間の電気的接続を遮断させるように構成され得る。すなわち、電流遮断部材150は、安全ベント120と電極組立体300との間に位置し、電極組立体300と安全ベント120とを電気的に接続する。このような電流遮断部材150は、CID(Current Interrupt Device)と称され得る。
【0058】
したがって、正常状態では、電極組立体300から生成された電流は正極リード310を経て電流遮断部材150、安全ベント120、スクリーン部材140及びトップキャップ110へと流れ、二次電池が放電される。しかし、ガスの発生によって電池の内圧が増加し、安全ベント120の形状が反転すれば、安全ベント120と電流遮断部材150との間の接触が断ち切られるか又は電流遮断部材150が破損され、安全ベント120と電極組立体300との間の電気的接続が遮断され得る。
【0059】
キャップ組立体100が電流遮断部材150を含む場合、絶縁部材をさらに含み得る。絶縁部材は、安全ベント120と電流遮断部材150との間に介在され、安全ベント120の中央突出部分と電流遮断部材150とが接触する部分を除いて、電流遮断部材150と安全ベント120とを互いに電気的に絶縁させ得る。
【0060】
スクリーン部材140は、少なくとも一部分がドーム状に形成され得る。これについて具体的には図5及び図6をさらに参照して説明する。
【0061】
図5は本発明の一実施形態によるキャップ組立体100に含まれるスクリーン部材140の構成を概略的に示した斜視図であり、図6図5のB-B'線に沿った断面図である。
【0062】
図3と共に、図5及び図6を参照すると、スクリーン部材140は、中央部分が上方に突出したドーム状に形成され得る。特に、スクリーン部材140は、略円形のプレート状に形成されるが、図6のA3で示された部分のように、中央部分が上方に突出するように構成され得る。
【0063】
そして、スクリーン部材140のうち上方に突出した部分の下部には空いた空間が形成され得る。すなわち、安全ベント120側からスクリーン部材140を眺めるとき、換言すると、スクリーン部材140を下方から上方に眺めるとき、スクリーン部材140には上方に凸をなして形成された部分が存在すると言える。
【0064】
本発明のこのような構成によれば、電池の爆発などガスが電池缶200の外側へと放出される状況で、爆発の圧力がドーム状のスクリーン部材140に均一に分布し得る。すなわち、排出ガスがスクリーン部材140の特定部分に集中されず、全体から均一に噴出され得る。したがって、このようなガス排出時の圧力によってスクリーン部材140が破損されることを防止することができる。
【0065】
さらに、上記の構成によれば、電池缶200内部の圧力増加によって安全ベント120が上方に突出するように変形される場合、安全ベント120の上方への突出部分がスクリーン部材140のドーム部分に挿入され得る。したがって、安全ベント120の変形によるスクリーン部材140の破損を防止することができる。
【0066】
特に、スクリーン部材140は、内圧増加による安全ベント120の変形時に、変形された安全ベント120と所定の距離だけ離隔した形態でドーム部分が形成されるように構成され得る。これについては、図7を参照して具体的に説明する。
【0067】
図7は、本発明の一実施形態によるキャップ組立体100において、安全ベント120が変形された状態の構成を概略的に示した断面図である。本実施形態において、上述した説明が同一または類似に適用される部分については詳細な説明を省略し、相違点を中心にして説明する。
【0068】
図7を参照すると、電池缶200の内圧増加時、安全ベント120は、矢印で示されたように、上方に突出するように変形され得る。そして、このような安全ベント120の変形によって電流遮断部材150と安全ベント120との間の電気的接続は断ち切られ得る。このとき、安全ベント120が上方に突出するように変形された状態でも、安全ベント120の突出部分とスクリーン部材140のドーム部分とが接触することなく、所定の距離だけ離隔するように構成され得る。すなわち、電池缶200の内圧増加によって、安全ベント120が上方に突出しても、このような突出部分とスクリーン部材140のドームとの間は、図7にDで示されたように、一定距離以上で維持され得る。
【0069】
本発明のこのような構成によれば、電池爆発などの状況で、安全ベント120によるスクリーン部材140の破損を防止することで、スクリーン部材140の機能、すなわち活物質の排出を阻止する機能を安定的に維持することができる。
【0070】
スクリーン部材140は、突起を備え得る。これについては、図8を参照して具体的に説明する。
【0071】
図8は、本発明の他の実施形態によるスクリーン部材140の一部構成を概略的に示した断面図である。例えば、図8は、図6のC1部分の変更例であると言える。本実施形態においても、上述した実施形態と相違する部分を主に説明する。
【0072】
図8を参照すると、スクリーン部材140は、Pで示されたように、上面及び/または下面に突起を備え得る。例えば、スクリーン部材140は、P1で示されたように、上面に上方に突設された上部突起を多数個備え得る。また、スクリーン部材140は、P2で示されたように、下面に下方に突設された下部突起を多数個備え得る。
【0073】
特に、このようなスクリーン部材140の突起Pは、端部が鋭く形成されたピン形態で形成され得る。例えば、スクリーン部材140の上部突起P1は、少なくとも上端が上方に向けて次第に細くなる形態で構成され得る。また、スクリーン部材140の下部突起P2は、少なくとも下端が下方に向けて次第に細くなる形態で構成され得る。さらに、スクリーン部材140の突起Pは、スクリーン部材140の穴Hの周辺に位置するように構成され得る。
【0074】
本発明のこのような構成によれば、電池の爆発などの状況でガスがスクリーン部材140の穴Hを通過するとき、活物質までもスクリーン部材140の穴Hを通過することを阻止することができる。特に、スクリーン部材140の穴Hよりも小さい微細活物質が存在するか、または、ガスの排出圧力によって一部の活物質がスクリーン部材140の穴Hに吸い込まれることがあり得るが、上記の構成の場合、活物質が突起Pに引っかかることになる。したがって、活物質がスクリーン部材140を通過してトップキャップ110側に移動し、電池の外側へと排出されることを防止することができる。
【0075】
さらに、スクリーン部材140の下部突起P2は、スクリーン部材140の内側に位置した活物質が引っかかるようにすることで、活物質がスクリーン部材140の穴Hを通過することを事前に遮断することができる。さらに、スクリーン部材140の下部突起P2は、活物質がスクリーン部材140の穴Hを塞ぐかまたは穴Hに挟まれることを防止し、スクリーン部材140の穴Hを通ってガスが円滑に外側へと排出されるようにする。また、スクリーン部材140の上部突起P1は、スクリーン部材140の下側に位置した活物質がスクリーン部材140の穴Hを通過したとしても、活物質がトップキャップ110に向かう前に活物質を上側で再度捕まることができる。
【0076】
したがって、上記のような構成によれば、スクリーン部材140による活物質排出の阻止効果が一層向上することができる。
【0077】
また、スクリーン部材140は、複数の単位スクリーンを備え得る。これについては、図9を参照して具体的に説明する。
【0078】
図9は、本発明の他の実施形態による二次電池用キャップ組立体100の構成を概略的に示した断面図である。本実施形態においても、上述した実施形態と相違する部分を主に説明する。
【0079】
図9を参照すると、スクリーン部材140は、上側スクリーン141及び下側スクリーン142の二つの単位スクリーンを備え得る。そして、このような上側スクリーン141と下側スクリーン142とは、上下方向に積層され得る。また、上側スクリーン141と下側スクリーン142とは、互いに上下方向に所定の距離だけ離隔するように構成され得る。特に、電池缶200内部の圧力が増加して安全ベント120の形状が変形された状態でも、上側スクリーン141と下側スクリーン142とは互いに所定の距離だけ離隔するように構成され得る。
【0080】
本発明のこのような構成によれば、二重で設けられたスクリーン部材140によって、活物質排出の防止効果が一層向上することができる。すなわち、二次電池のガス放出時、加熱された活物質の一部が下側スクリーン142を通過したとしても、上側スクリーン141によって最終的にフィルタリングされ得る。
【0081】
図9に示されたように、上側スクリーン141及び下側スクリーン142は、両方とも上方に凸をなしてドーム状に形成され得る。特に、この場合、上側スクリーン141及び下側スクリーン142は、上方に凸をなして突設されたトップキャップ110の内部空間(下部空間)に、ドーム状に形成された部分が挿入された形態で構成され得る。この場合、上側スクリーン141及び下側スクリーン142は両方とも、圧力が均一に分布されるように構成される一方、キャップ組立体100の内部に上側スクリーン141と下側スクリーン142の保有空間が円滑に確保され、キャップ組立体100の不要な体積の増加を防止することができる。
【0082】
さらに、複数の単位スクリーンは、相異なるメッシュ状で構成され得る。ここで、相異なるメッシュ状とは、メッシュを形成する穴の位置や形状、個数などが相違することを意味し得る。これについては、図10を参照して具体的に説明する。
【0083】
図10は、図9のC2部分を拡大して示した図である。
【0084】
図10を参照すると、上側スクリーン141と下側スクリーン142とは、穴が水平方向でずれて位置するように構成され得る。より具体的には、上側スクリーン141に形成された穴H1と下側スクリーン142に形成された穴H2とは、左右方向(x軸方向)でずれて位置するように構成され得る。この場合、下側スクリーン142の穴H2を通過したガスが上側スクリーン141の穴H1を通過するためには、図面に矢印で示されたように、方向の転換が必要である。
【0085】
本発明のこのような構成によれば、上側スクリーン141と下側スクリーン142との間で、ガスの流出経路が屈曲するように構成される。したがって、複数の単位スクリーンによる活物質フィルタリング効果が一層向上することができる。
【0086】
さらに、上側スクリーン141は、少なくとも下面に、図10にP2で示されたような下部突起P2を備え得る。または、下側スクリーン142は、少なくとも上面に、図10にP1で示されたような上部突起P1を備え得る。すなわち、上側スクリーン141及び下側スクリーン142の少なくとも一つは、互いに対向する表面に突起Pを備え得る。
【0087】
本発明のこのような構成によれば、上側スクリーン141と下側スクリーン142との間の空間に活物質が流れ込んでも、突起Pによって活物質が該空間から容易に抜け出すことができない。特に、このような構成によれば、上側スクリーン141と下側スクリーン142との間の活物質が上側スクリーン141の穴H1から容易に排出されなくなる。
【0088】
また、本発明のこのような構成によれば、突起Pによって、上側スクリーン141と下側スクリーン142との間の離隔空間が安定的に確保され得る。したがって、上側スクリーン141及び下側スクリーン142を通って電池缶200内部のガスが外部へと容易に排出されるようになる。
【0089】
一方、上記の実施形態では、相異なるメッシュ状として、複数の単位スクリーン同士のメッシュの水平方向の位置がずれている構成を説明されたが、相異なるメッシュ状は、他の多様な方式で具現され得る。例えば、単位スクリーン同士の相異なるメッシュ状は、穴の形状や大きさなどが相異なる形態で具現可能である。これについては、図11及び図12をさらに参照して説明する。
【0090】
図11及び図12は、本発明のさらに他の実施形態によるスクリーン部材140の構成を概略的に示した上面図である。
【0091】
まず、図11を参照すると、スクリーン部材140は、中央部分がドーム状に形成された円盤形態で構成され得るが、このとき、ドーム部分には複数の穴Hが形成され、それぞれの穴Hは円状に形成され得る。そして、図12を参照すると、図11の実施形態と類似するが、スクリーン部材140に設けられた複数の穴Hが、円状ではなく方形状に形成された点が相違する。
【0092】
このように、スクリーン部材140または単位スクリーンは、多様なメッシュ状を有するように構成され得る。特に、キャップ組立体100に複数の単位スクリーンが含まれる場合、各単位スクリーンが相異なる穴の形態を有するように構成され得る。例えば、スクリーン部材140に上側スクリーン141及び下側スクリーン142が含まれるとき、上側スクリーン141は図4に示された形態であり、下側スクリーン142は図11に示された形態であり得る。他の例として、上側スクリーン141は図12に示された形態であり、下側スクリーン142は図4に示された形態であり得る。
【0093】
本発明のこのような構成によれば、積層された複数の単位スクリーンを相異なるメッシュ状で容易に構成することができる。
【0094】
一方、キャップ組立体100に一つのスクリーン部材140が含まれる場合にも、図4だけでなく、図11または図12に示されたようなスクリーン部材140が用いられ得ることは勿論である。
【0095】
図13は、本発明のさらに他の実施形態によるキャップ組立体100の構成を概略的に示した断面図である。本実施形態においても、上述した実施形態と相違する部分を主に説明する。
【0096】
図13を参照すると、キャップ組立体100は、複数の単位スクリーンとして上側スクリーン141及び下側スクリーン142を含み、上側スクリーン141及び下側スクリーン142は全てドーム状に形成され得る。このとき、上側スクリーン141は、少なくとも中央部分が上方に凸をなしてドーム状に形成され得る。そして、下側スクリーン142は、少なくとも中央部分が下方に凸をなしてドーム状に形成され得る。
【0097】
この場合、上側スクリーン141は、ドーム状構造の少なくとも一部分がトップキャップ110の凹んだ部分に挿入されるように構成され得る。すなわち、トップキャップ110は、上方に凸をなして形成されており、このようなトップキャップ110を下側から眺めると、トップキャップ110に凹んだ部分が形成されていると言える。このとき、上側スクリーン141は、トップキャップ110の下側に位置し、このようなトップキャップ110の凹んだ部分に少なくとも一部分が挿入され得る。
【0098】
また、下側スクリーン142は、ドーム状構造の少なくとも一部分が安全ベント120の凹んだ部分に挿入されるように構成され得る。すなわち、安全ベント120は、正常状態では下方に凸をなしており、このような安全ベント120を上側から眺めると、安全ベント120に凹んだ部分が形成されていると言える。そして、下側スクリーン142は、安全ベント120の上側に位置し、このような安全ベント120の凹んだ部分に少なくとも一部分が挿入され得る。
【0099】
本発明のこのような構成によれば、スクリーン部材140として複数の単位スクリーンがキャップ組立体100に含まれても、単位スクリーンによるキャップ組立体100の体積増加を最小化することができる。また、上記のような構成によれば、正常状態における単位スクリーン同士の離隔距離を安全に確保可能である。
【0100】
上記のような実施形態において、下側スクリーン142は、安全ベント120の変形によって凸形状が下方から上方に反転するように構成され得る。すなわち、電池缶200の内圧増加によって、電池缶200の内部から外側へとガスが放出される場合、安全ベント120は、図7に示されたように上方に向かって凸状に形態が反転され得る。このとき、下側スクリーン142は、このような安全ベント120の反転時に、安全ベント120と同様に下方に向かった凸状から上方に向かった凸状に形態が反転するように構成され得る。特に、下側スクリーン142は、安全ベント120が反転するときに押し出す力によって、突出形態が下方から上方に変形され得る。例えば、安全ベント120が図7に示されたように上方に向かって凸状に変形される場合、下側スクリーン142は、図9に示されたように上方に向かって凸状に変形されるように構成され得る。
【0101】
本発明のこのような実施形態によれば、ガスなどが排出される非常状況において、下側スクリーン142によって安全ベント120の変形動作が妨害されることを防止することができる。また、上記の実施形態によれば、非常状況でも、下側スクリーン142がドーム状構造を形成することで、ガスの噴出圧力が下側スクリーン142の全体に均一に分布できる。
【0102】
また、上記のような構成において、下側スクリーン142は、凸形状の反転時に、少なくとも一部の穴が上側スクリーン141の穴と水平方向でずれて位置するように構成され得る。
【0103】
例えば、ガス噴出によって安全ベント120及び下側スクリーン142が上方に向かって凸状に形態が反転する場合、下側スクリーン142に形成された多数の穴H2の一部または全体は、図10に示されたように、上側スクリーン141の穴H1と水平方向(図面の左右方向)でずれて位置するように構成され得る。
【0104】
本発明のこのような実施形態によれば、図10を参照して説明したように、ガスが排出される状況で、ガスの排出経路に折曲部分を形成して、スクリーン部材140による活物質フィルタリング効果が一層向上することができる。
【0105】
また、上記のような構成において、下側スクリーン142は、凸形状の反転時、少なくとも一部分が上側スクリーン141と所定の距離だけ離隔するように構成され得る。
【0106】
例えば、下側スクリーン142が上方に向かって凸状に形態が反転した状態で、下側スクリーン142と上側スクリーン141とは、互いに所定の距離だけ離隔するように構成され得る。すなわち、下側スクリーン142と上側スクリーン141とは、ガスが排出される異常状態でも、ガスケット130によって囲まれた部分を除いた中央部分同士が直接接触しないように構成され得る。
【0107】
本発明のこのような構成によれば、ガスが排出されるとき、上側スクリーン141と下側スクリーン142との間の空間でガスが円滑に排出されるようになる。すなわち、ガス排出時に下側スクリーン142の形態の反転によって下側スクリーン142と上側スクリーン141との間の距離が近くなっても、一定空間が確保されることで、ガス排出を妨害することはない。したがって、本発明による電池安全性の向上効果を安定的に確保することができる。
【0108】
本発明によるバッテリーパックは、上述した本発明による二次電池を一つ以上含み得る。特に、バッテリーパックに多数の二次電池が含まれる場合、各二次電池には本発明によるキャップ組立体100が含まれ、いずれか一つの二次電池で爆発や発火が発生しても、他の二次電池まで連鎖的に発火することを防止することができる。
【0109】
一方、本明細書において、上、下、左、右などのように方向を示す用語が使われたが、このような用語は説明の便宜のためのものであるだけで、観測者の位置や対象が置かれている位置などによって表現が変わり得ることは当業者にとって自明である。
【0110】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない
【符号の説明】
【0111】
100:キャップ組立体
110:トップキャップ
120:安全ベント
130:ガスケット
140:スクリーン部材
141:上側スクリーン
142:下側スクリーン
150:電流遮断部材
200:電池缶
300:電極組立体
310:正極リード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13