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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】水中捕捉装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 97/00 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
A01K97/00 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024002560
(22)【出願日】2024-01-11
【審査請求日】2024-01-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523326816
【氏名又は名称】株式会社フルトン
(74)【代理人】
【識別番号】100196302
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 洋介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和徳
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-110656(JP,A)
【文献】特開2023-119527(JP,A)
【文献】米国特許第06057879(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第02136561(EP,A1)
【文献】実開昭53-123086(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/00-97/28
B63C 11/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り人が用いる制御装置からの所定の制御信号に基づいて水上を浮遊して移動可能な浮き部と、
前記浮き部に連動して水中を移動可能な機体と、
前記制御装置と、前記浮き部と、前記機体と、を接続するケーブルと、
水中の対象物を捕捉可能な捕捉部と、
水中画像を撮像可能な撮像部と、
前記機体の位置情報を取得可能な位置情報取得部と、を含む水中捕捉装置であって、
前記ケーブルの一端に、前記制御装置が接続され、
前記ケーブルの他端に、前記機体が接続され、
前記ケーブルの一端と他端の間に、前記浮き部が接続され、
前記機体は、自重により前記ケーブルを介して前記浮き部の略直下に配置可能であり、
前記捕捉部は、前記機体に取り付けられ、
前記撮像部は、前記機体において少なくとも前記捕捉部を撮像可能な位置に設けられ、
前記位置情報取得部は、少なくとも前記捕捉部が前記対象物を捕捉したときの前記機体の位置情報を取得可能であり、
前記機体の位置情報は、前記機体の緯度及び経度の情報と、前記機体の水中における深度の情報と、を含む、水中捕捉装置。
【請求項2】
前記水中画像を表示可能な表示部を備え、
前記機体の移動に応じて前記表示部に表示される前記水中画像は変化する一方で、前記機体の移動にかかわらず、前記表示部に表示される前記水中画像には前記捕捉部の撮像画像が含まれ、
前記表示部は、
前記水中画像として、前記捕捉部が前記対象物を捕捉したときの水中捕捉画像を表示可能である、請求項1に記載の水中捕捉装置。
【請求項3】
前記機体は、
前記所定の制御信号とは異なる特定の制御信号に基づいて移動可能であり、
前記撮像部により前記対象物が撮像されるまで、前記所定の制御信号に基づいて前記浮き部が移動制御されることに連動して水中を移動可能であり、
前記撮像部により前記対象物が撮像されてから、前記特定の制御信号に基づいて水中を移動可能である、請求項1または2に記載の水中捕捉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中の対象物を捕捉する水中捕捉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、無人機として無人航空機(ドローン)を用いて魚釣りを行う釣りシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-81369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載の無人機を用いた釣りシステムでは、水上を飛行する無人航空機によって水上から魚群を探知し、水上から釣り糸を水中に投下するものであるため、無人航空機は、より深い水中の魚群を必ずしも探知できるものではなかった。また、水中に投下された釣り糸に魚が掛かったとき、無人航空機から釣り糸が分離されるため、釣り糸に魚が掛かるときの水中画像を撮像したり、釣り糸に魚が掛かったときの位置情報(緯度、経度、深度)を正確に取得したりできるものではなかった。このため、無人機を用いた釣りシステムとして改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、無人機を用いて水中の対象物(例えば、魚)を探知して捕捉し、水中の対象物が捕捉されたときに、対象物が捕捉されたときの水中画像を撮像するとともに、対象物が捕捉されたときの無人機の位置情報を取得可能な水中捕捉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一例に係る水中捕捉装置は、釣り人が用いる制御装置からの所定の制御信号に基づいて水上を浮遊して移動可能な浮き部と、前記浮き部に連動して水中を移動可能な機体と、前記制御装置と、前記浮き部と、前記機体と、を接続するケーブルと、水中の対象物を捕捉可能な捕捉部と、水中画像を撮像可能な撮像部と、前記機体の位置情報を取得可能な位置情報取得部と、を含む水中捕捉装置であって、前記ケーブルの一端に、前記制御装置が接続され、前記ケーブルの他端に、前記機体が接続され、前記ケーブルの一端と他端の間に、前記浮き部が接続され、前記機体は、自重により前記ケーブルを介して前記浮き部の略直下に配置可能であり、前記捕捉部は、前記機体に取り付けられ、前記撮像部は、前記機体において少なくとも前記捕捉部を撮像可能な位置に設けられ、前記位置情報取得部は、少なくとも前記捕捉部が前記対象物を捕捉したときの前記機体の位置情報を取得可能であり、前記機体の位置情報は、前記機体の緯度及び経度の情報と、前記機体の水中における深度の情報と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一例に係る水中捕捉装置によれば、撮像部は、機体において少なくとも捕捉部を撮像可能な位置に設けられるので、撮像部が撮像可能な水中画像には捕捉部が含まれる。このため、撮像部は、捕捉部が対象物を捕捉したときの水中画像を撮像可能であるとともに、捕捉部が対象物を捕捉したときの機体の位置情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る水中捕捉装置の概要を説明するための図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る水中捕捉装置における制御装置と浮きと水中ドローンとの構成を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る浮きの制御部が実行する遠隔捕捉処理の一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の第1実施形態に係る釣りの概要を説明するための図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る、サーバのハードウェア構成例を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るサーバ、制御装置、及びユーザ端末の機能的構成例を示す図である
図8】本発明の第2実施形態に係るサーバの制御部が実行する釣り情報提示処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の第2実施形態に係る釣り情報提示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第1実施形態、及び第2実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1実施形態では、水中捕捉装置1により、仕掛け部17が対象物2を捕捉したときの対象物2を含む水中画像と位置情報とを取得する実施形態について説明し、第2実施形態では、取得した水中画像を蓄積して活用する実施形態について説明する。
【0010】
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、第1実施形態に係る水中捕捉装置1の概要について説明する。図1は、第1実施形態に係る水中捕捉装置1の概略図を示す。なお、第1実施形態に係る水中捕捉装置1は、釣り人が魚釣りを行うための釣り装置(釣り具)として用いられる。
【0011】
(水中捕捉装置の概要)
図1に示すように、第1実施形態に係る水中捕捉装置1は、釣り人が把持する釣り竿11と、釣り人が操作する制御装置12と、釣り人が操作するリール13と、浮き15と、水中ドローン16と、制御装置12と浮き15及び水中ドローン16とを接続するケーブル14と、水中ドローン16に取り付けられ、対象物2(例えば、魚)を捕捉する仕掛け部17と、を含んで構成される。
【0012】
釣り竿11は、釣り人により把持され、ケーブル14を保持するための留め具111を備える。なお、ケーブル14の保持の詳細については後述する。
【0013】
制御装置12は、釣り人が操作可能となるように釣り竿11の下端に着脱可能に取り付けられ、表示部125と、操作部126とを含んで構成される。表示部125には、水中ドローン16から送信される画像情報等に基づいた画像が表示され、操作部126は、釣り人が浮き15を遠隔操作するため等に用いられる。なお、制御装置12は、釣り竿11の下端において釣り竿11と一体的に取り付けられるものとしてもよい。
【0014】
リール13は、釣り人が操作可能となるように、釣り竿11において制御装置12の上方に取り付けられ、釣り人が水中に延びたケーブル14を巻き取るために用いられる。なお、リール13は、釣り竿11上に配置されるのではなく、釣り竿11とは別個に設けられるものとしてもよい。
【0015】
ケーブル14は、防水加工された通信ケーブルであり、例えば、テザーケーブルで構成すればよい。ケーブル14は、浮き15及び水中ドローン16と、制御装置12とを通信可能に接続する。具体的には、ケーブル14は、その一端が水中ドローン16に接続され、水中ドローン16に接続されたケーブル14の一端から他端に向けて長さLmaxの位置において、ケーブル14と浮き15とが接続される。そして、水中ドローン16は、その自重により、水上を浮遊する浮き15と接続されたケーブル14に対して鉛直下向き(図1に示すZ方向)に負荷をかけることで浮き15の略直下に配置されるため、このときの水中ドローン16の深度がLmaxとなる。
【0016】
また、浮き15と、水中ドローン16とを接続するケーブル14の長さは、浮き15の調整部156(後述)によって調整可能に構成されている。具体的には、調整部156は、ケーブル14の一部を巻き取り収納可能であるとともに、巻き取ったケーブル14の一部を繰り出し可能に構成されている。調整部156により、ケーブル14の一部が巻き取られると、浮き15と水中ドローン16とを接続するケーブル14の長さ(すなわち、水中ドローン16の深度)が短くなる。このため、水中ドローン16は、その最大深度をLmaxとして、深度を可変に構成されている。
【0017】
また、制御装置12から浮き15及び水中ドローン16へ延びるケーブル14の一部は、留め具111によって制御装置12が取り付けられた釣り竿11に這わせるように設けられる。具体的には、留め具111は、ケーブル14の外径よりも大きいリング孔を有するリング状に形成され、ケーブル14は、留め具111のリング孔に挿通される。なお、この留め具111は、釣り竿11の複数個所に設けられるものとしてもよい。このように、釣り竿11に設けられた留め具111によって、ケーブル14は、制御装置12から釣り竿11に這うように延び、浮き15及び水中ドローン16に接続される。また、留め具111のリング孔は、ケーブル14の外径よりも大きいため、ケーブル14は、留め具111によって固定されるわけではなく、リール13によってケーブル14が巻き取られると、釣り竿11に沿ってケーブル14が巻き取られる。なお、留め具111は、ケーブル14を釣り竿11に這うように保持するとともに、リール13によってケーブル14が釣り竿11を這うように巻き取られるように構成するものであれば、上記した形状に限るものではない。
【0018】
このように、ケーブル14が浮き15及び水中ドローン16と接続されていることにより、ケーブル14が釣り人のリール13の操作によって巻き取られる(手繰り寄せられる)と、浮き15及び水中ドローン16も釣り人側に手繰り寄せられることになる。また、調整部156(後述)によりケーブル14の一部を巻き取り、あるいは繰り出すことで、水中ドローン16の深度を調整することができる。
【0019】
なお、浮き15及び水中ドローン16と制御装置12との通信は、ケーブル14を用いた有線通信に限らず、無線通信であってもよい。この場合、浮き15と、水中ドローン16とを通信機能を有しないケーブルで接続し、制御装置12は、浮き15を無線通信により制御することで、浮き15と、ケーブル14で接続された水中ドローン16とを制御するものとすればよい。
【0020】
浮き15は、水上を浮遊することで、釣り人が目印として視認可能であり、防水構造の筐体と、該筐体を駆動させる駆動部155と、調整部156(後述)と、を含んで構成される。また、浮き15は、釣り人が操作する制御装置12によって外部から遠隔制御される。なお、浮き15は、水上を浮遊するので、釣り人が制御装置12に対する操作を行わない場合でも、水上にて視認可能となる。
【0021】
水中ドローン16は、水中を移動可能であり、防水構造の筐体と、該筐体に取り付けられ、防水加工が施された撮像部165と照明部166と、を含んで構成される。この水中ドローン16の筐体は略球状に小型化、軽量化されて形成されている。これは、水中ドローン16を釣り人が投擲により水中に投下し易くするためであるが、水中ドローン16の形状は、これに限るものではなく、釣り人が投擲し易い形状であれば、例えば、ペットボトルの形状のように釣り人が片手で把持して投げやすい形状であってもよい。その他、水中ドローン16の形状としては、水流の影響を受けにくい流線形等であってもよい。
【0022】
なお、第1実施形態では、水上を浮遊する浮き15が外部から遠隔制御されることで動作し、ケーブル14を介して浮き15に接続された水中ドローン16は、浮き15の動作に連動して動作する。このように、浮き15を動作させることで間接的に水中ドローン16を動作させるものとしているが、その利点について説明する。比較のため、浮き15がなく、ケーブル14に接続された水中ドローン16を水中で直接動作させる構成について考えると、この構成では、水中ドローン16が水流の影響により意図せず水中で激しく動作してしまった場合、その動作範囲は、水平方向(図1に示すXY方向)だけでなく深度方向(図1に示すZ方向)にも及ぶため、3軸方向の制御が必要となり、正常な動作、姿勢を保つことが難しくなる。一方、第1実施形態のように、浮き15を動作させることで水中ドローン16を間接的に動作させる場合には、浮き15は、水上に浮遊するものであるため、水流の影響を受けて意図せず動作したとしても、その動作範囲は、水平方向(図1に示すXY方向)に及ぶとしても、深度方向(Z方向)には及び難い。より具体的に言えば、浮き15と水中ドローン16とを接続するケーブル14は、浮き15の浮力により鉛直上向きの力が加わるとともに、水中ドローン16の自重により鉛直下向きの力が加わることにより鉛直方向に力が拮抗しているので、深度方向(Z方向)に対して水流の影響を受け難い。このため、第1実施形態では、浮き15に対して水平方向の動作の制御を行うことで水流の影響を受け難くし、ケーブル14を介して浮き15の直下に配置される水中ドローン16の水平方向(XY方向)の動作を浮き15の動作と連動させるとともに、浮き15と水中ドローン16との間のケーブル14の長さを調整可能とすることで、水中ドローン16の深度方向(Z方向)の動作を制御可能としている。
【0023】
なお、上記のように第1実施形態では、浮き15に連動して水中ドローン16が動作するものとしたが、浮き15を外部から遠隔制御可能であることに加えて、水中ドローン16も外部から遠隔制御することにより動作可能であるものとしてもよい。このように構成する場合には、例えば、まず浮き15を遠隔操作することで、おおよその地点まで水中ドローン16を移動させ、その後、水中ドローン16を遠隔操作することでより精度高く水中ドローン16の位置を制御するものとしてもよい。
【0024】
撮像部165は、水中ドローン16の筐体の前面の中央付近に設けられ、水中ドローン16の前方周囲を撮像する。照明部166は、撮像部165の近傍であって、例えば筐体の前面かつ撮像部165の上方に設けられ、撮像部165の撮像範囲を照明する。
【0025】
仕掛け部17は、剛性部材171を介して水中ドローン16に取り付けられ、水中の対象物2(例えば、魚)を捕捉可能に構成されている。仕掛け部17としては、例えば、釣り針や、ルアーで構成すればよい。また、仕掛け部17は、撮像部165の撮像範囲に含まれるように取り付けられる。より具体的には、仕掛け部17は、剛性部材171(例えば、棒状のプラスチック部材や金属部材)を介して水中ドローン16と接続されているため、水流の影響を受けても、水中ドローン16との位置関係が変化しにくいように構成されている。これにより、撮像部165の撮像範囲に含まれた仕掛け部17は、水流によって多少の変位があったとしても、撮像範囲から外れることが無い。このため、撮像部165は、仕掛け部17が対象物2を捕捉する場面を撮像することができる。なお、仕掛け部17は、水中ドローン16と一体的に構成されてもよいし、取り外し可能に取り付けられてもよい。また、以下の説明において、撮像部165により撮像される水中画像のうち、仕掛け部17が対象物2を捕捉する場面が撮像された画像のことを「水中捕捉画像」ということがある。
【0026】
なお、第1実施形態では、ケーブル14の一部は、釣り竿11に這うように設けられるため、ケーブル14が引っ張られ、ケーブル14に負荷がかかった場合に、釣り竿11にも負荷を連動させることができる。また、ケーブル14は、釣り竿11に這うように設けられるとともにリール13によって巻き取ることもできる。このため、水中ドローン16に取り付けられた仕掛け部17が対象物2を捕捉したことにより、水中ドローン16及び浮き15に負荷がかかり、これによりケーブル14に負荷がかかったとき、釣り竿11に負荷が連動することで釣り竿11が変形する(しなる)ことになる。釣り人は、釣り竿11がしなることにより、対象物2を捕捉したことを認識することができ、釣り竿11やリール13を操作してケーブル14を引っ張ったり、たわませたりすることで、水中ドローン16に取り付けられた仕掛け部17と、該仕掛け部17に捕捉された対象物2との位置関係を調整し、いわゆるフッキングを行うことができる。このため、第1実施形態では、浮き15や水中ドローン16を用いた遠隔制御による魚釣りを行いながらも、通常の魚釣り(釣り竿11だけの魚釣り)と同様の体感を得ることができ、釣りの興趣を向上させることができる。
【0027】
次に、図2を用いて、水中捕捉装置1における制御装置12と浮き15と水中ドローン16の概要について説明する。図2は、図1に示す水中捕捉装置1における制御装置12と浮き15と水中ドローン16の構成例を示している。
【0028】
(制御装置の概要)
制御装置12は、釣り竿11に取り付けられて、図2に示すように、電源部121、通信部122、制御部123、記憶部124を収容している。また、制御装置12は、表示部125、操作部126、センサ部127を有している。
【0029】
電源部121は、制御装置12を構成する各機能部に電力を供給する。電源部121としては、一次電池、二次電池、燃料電池等の電池を用いてもよいし、外部から電力ケーブルを介して制御装置12に電力が供給されるものとしてもよいし、浮き15や水中ドローン16からケーブル14を介して制御装置12に電力が供給されるものとしてもよい。
【0030】
通信部122は、制御部123により制御されて、ケーブル14を介して浮き15及び水中ドローン16と有線通信を行う。これにより、制御装置12は、浮き15及び水中ドローン16との間でデータの送受信が可能となる。なお、第1実施形態では、通信部122は、ケーブル14を介した有線通信を行うものとしたが、無線通信であってもよく、また、他の装置(例えば、サーバ装置)に対して無線通信可能としてもよい。
【0031】
制御部123は、制御装置12を構成する各機能部と接続され、各機能部を制御することで、表示部125に画像や各種情報を表示し、また、浮き15に対して操作部126に対する操作に基づく操作信号を送信する。制御部123は、CPU(Central Processing Unit)で構成され、記憶部124に記憶されているプログラムを実行することにより、制御装置12を構成する各機能部を制御する。
【0032】
記憶部124は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)により構成される。ROMは、制御部123(CPU)により実行されるプログラムを記憶する。また、RAMは、センサ部127により検知された各種検知情報等を記憶する。
【0033】
表示部125は、水中ドローン16の周囲の環境を釣り人が確認するために用いられ、例えば、液晶ディスプレイで構成すればよい。浮き15の位置検知部157(後述)が検知した検知情報や、水中ドローン16の撮像部165が撮像した水中画像の情報や、水中ドローン16のセンサ部167(後述)が検知した各種検知情報は、浮き15や水中ドローン16からケーブル14を介して制御装置12に送信される。これらの情報が、制御部123により制御されることで、撮像部165が撮像した水中画像が表示部125に表示され、また、必要に応じて浮き15の位置情報や水中ドローン16の周囲の検知情報が表示部125に表示可能となる。なお、浮き15及び水中ドローン16から制御装置12に対する情報の送信は、リアルタイムに行われるものとするが、周期的に行われるものとしてもよい。
【0034】
操作部126は、浮き15及び水中ドローン16を釣り人が遠隔操作するために用いられ、例えば、浮き15の移動方向を制御するための十字キーやスティックコントローラや、浮き15の推進力を制御するための操作ボタンや、浮き15の調整部156(後述)によりケーブル14の長さを調整するための操作ボタンや、水中ドローン16の照明部166のON/OFFを切り替えるための操作ボタン等を含んで構成すればよい。操作部126に対する操作が行われると、該操作に応じた操作信号が、制御部123により制御されて、浮き15や水中ドローン16に送信される。これにより、浮き15及び水中ドローン16は、釣り人の操作部126に対する操作に応じて動作可能となる。
【0035】
センサ部127は、例えば制御装置12の筐体の側面に設けられ、制御装置12に関する各種情報を検知する。センサ部127としては、例えば、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、位置センサ等を組み合わせて構成すればよく、制御装置12の位置情報や姿勢(向き)情報(制御装置12が取り付けられた釣り竿11の位置情報や姿勢(向き)情報とも言える)などを検知する。これらの検知情報は、制御部123により、表示部125に表示されるものとしてもよい。また、これらの検知情報は、記憶部124(RAM)に記憶され、無線通信により外部装置(例えば、外部サーバ)に送信可能としてもよい。このようにすることで、外部装置では、制御装置12の位置情報や姿勢(向き)情報(すなわち、釣り竿11の位置情報や姿勢(向き)情報)を蓄積することができ、制御装置12(すなわち、釣り竿11)が複数ある場合には、釣り竿11の位置情報(より具体的には、釣り竿11がしなったときの釣り竿11の位置や向き)を複数蓄積することができるので、釣り人にとっての人気ポイントや釣りを仕掛ける方向などの把握に役立てることができる。
【0036】
なお、第1実施形態では、表示部125と操作部126とが一体に構成される(制御装置12として構成される)ものとしたが、別個に設けられるものとしてもよい。例えば、表示部125は、釣り人に装着されるヘッドマウントディスプレイとして構成され、操作部126は、釣り竿11に取り付けられ、ケーブル14は、操作部126と浮き15及び水中ドローン16とを接続するものとしてもよい。
【0037】
(浮きの概要)
浮き15は、水中捕捉装置1を使用する釣り人が制御装置12の操作部126を操作することにより浮き15に対して送信される種々の制御信号にしたがって動作するように構成される。図2に示すように、浮き15は、防水構造の筐体内に、電源部151、通信部152、制御部153、記憶部154を収容している。また、浮き15は、筐体上に、駆動部155、調整部156、位置検知部157を有している。
【0038】
電源部151は、浮き15を構成する各機能部に電力を供給する。電源部151としては、一次電池、二次電池、燃料電池等の電池を用いてもよいし、外部から電力ケーブルを介して浮き15に電力が供給されるものとしてもよいし、制御装置12からケーブル14を介して浮き15に電力が供給されるものとしてもよい。
【0039】
通信部152は、制御部153により制御されて、ケーブル14を介して制御装置12と有線通信を行う。これにより、浮き15は、制御装置12との間でデータの送受信が可能となる。なお、浮き15は、ケーブル14を介して水中ドローン16と有線通信可能としてもよい。また、第1実施形態では、通信部152は、ケーブル14を介した有線通信を行うものとしたが、無線通信であってもよく、また、他の装置(例えば、サーバ装置)に対して無線通信可能としてもよい。
【0040】
制御部153は、浮き15を構成する各機能部と接続され、各機能部を制御することで浮き15の動作や、浮き15と水中ドローン16との間のケーブル14の長さ(すなわち、水中ドローン16の深度)を制御し、また、制御装置12へ各種信号を送信する。制御部153は、CPU(Central Processing Unit)で構成され、記憶部154に記憶されているプログラムを実行することにより、浮き15を構成する各機能部を制御する。
【0041】
記憶部154は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)により構成される。ROMは、制御部153(CPU)により実行されるプログラムを記憶する。また、RAMは、位置検知部157により検知された各種検知情報(具体的には、緯度情報及び経度情報)や、浮き15と水中ドローン16との間のケーブル14の長さの情報(すなわち、水中ドローン16の深度情報)を記憶する。
【0042】
駆動部155は、制御部153により制御されて、浮き15を推進させ、また、推進方向を変化させる。駆動部155としては、例えば、浮き15の後方に設けられるプロペラ、及び当該プロペラを回転させるアクチュエータを含んで構成すればよい。制御部153は、制御装置12の操作部126が操作されたことによる操作信号に基づいて駆動部155を制御する。これにより、浮き15は、釣り人の操作部126に対する操作に応じて動作可能となる。
【0043】
調整部156は、制御部153により制御されて、浮き15と水中ドローン16とを接続するケーブル14の長さを調整する。調整部156としては、例えば、モータが時計回りに回転駆動することでケーブル14を巻き取り、モータが反時計周りに回転駆動することでケーブル14を繰り出すケーブル調整機構と、巻き取ったケーブル14を収納するケーブル収納機構と、を備えて構成すればよい。制御部153は、制御装置12の操作部126が操作されたことによる操作信号に基づいて調整部156を制御する。これにより、浮き15と水中ドローン16とを接続するケーブル14の長さ(すなわち、水中ドローン16の深度)は、釣り人の操作部126に対する操作に応じて調整可能となる。
【0044】
位置検知部157は、例えば浮き15の筐体の側面や上面に設けられ、浮き15の位置情報を検知する。位置検知部157としては、例えば、位置測位センサとしてのGPSセンサで構成すればよく、人工衛星を利用したGPSセンサであっても、水上に位置しているため、水中に位置する場合に比べて好適に浮き15の位置を検知することができる。なお、位置検知部157によって検知される浮き15の位置情報としては、緯度情報と、経度情報と、を含む。また、水中ドローン16は、その自重により浮き15の略直下に位置するため、浮き15の緯度情報及び経度情報は、水中ドローン16の緯度情報及び経度情報と略一致する。このように、第1実施形態では、水中に位置する水中ドローン16ではなく、水上に浮遊する浮き15にGPSセンサを設けているので、好適に位置情報を検知できるとともに、浮き15の緯度情報及び経度情報に基づいて、水中ドローン16の緯度情報及び経度情報を取得することができる。
【0045】
なお、調整部156により調整された水中ドローン16の深度情報、及び位置検知部157により検知された浮き15の緯度情報及び経度情報(したがって、水中ドローン16の緯度情報及び経度情報とも言える)は、制御部153により、ケーブル14を介してリアルタイムで又は周期的に制御装置12に送信されるものとしてもよい。このようにすることで、水中ドローン16の位置情報としての緯度情報、経度情報、及び深度情報を制御装置12の表示部125に表示可能となる。また、この水中ドローン16の位置情報は、記憶部154(RAM)に記憶され、無線通信により外部装置(例えば、外部サーバ)に送信可能としてもよい。
【0046】
(水中ドローンの概要)
水中ドローン16は、浮き15とケーブル14を介して接続され、水中捕捉装置1を使用する釣り人が制御装置12の操作部126を操作することにより動作する浮き15に連動して水中を動作する。図2に示すように、水中ドローン16は、防水構造の筐体内に、電源部161、通信部162、制御部163、記憶部164を収容している。また、水中ドローン16は、筐体上に、撮像部165、照明部166、センサ部167を有している。
【0047】
電源部161は、水中ドローン16を構成する各機能部に電力を供給する。電源部161としては、一次電池、二次電池、燃料電池等の電池を用いてもよいし、外部から電力ケーブルを介して水中ドローン16に電力が供給されるものとしてもよいし、制御装置12からケーブル14を介して水中ドローン16に電力が供給されるものとしてもよい。
【0048】
通信部162は、制御部163により制御されて、ケーブル14を介して制御装置12と有線通信を行う。これにより、水中ドローン16は、制御装置12との間でデータの送受信が可能となる。なお、水中ドローン16は、ケーブル14を介して浮き15と有線通信可能としてもよい。また、第1実施形態では、通信部162は、ケーブル14を介した有線通信を行うものとしたが、無線通信であってもよく、また、他の装置(例えば、サーバ装置)に対して無線通信可能としてもよい。
【0049】
制御部163は、水中ドローン16を構成する各機能部と接続され、各機能部を制御することで水中ドローン16の姿勢や動作を制御し、また、制御装置12へ各種信号を送信する。制御部163は、CPU(Central Processing Unit)で構成され、記憶部164に記憶されているプログラムを実行することにより、水中ドローン16を構成する各機能部を制御する。
【0050】
記憶部164は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)により構成される。ROMは、制御部163(CPU)により実行されるプログラムを記憶する。また、RAMは、センサ部167により検知された各種検知情報や、撮像部165により撮像された画像情報を記憶する。
【0051】
撮像部165は、制御部163により制御されて、前述したように、水中ドローン16の前方周囲を撮像する。撮像部165としては、例えば、静止画や動画を撮像する防水カメラで構成すればよい。撮像部165が撮像した画像情報は、制御部163により、ケーブル14を介して制御装置12に送信される。これにより、撮像部165が撮像した水中画像が、制御装置12の表示部125に表示可能となる。
【0052】
照明部166は、制御部163により制御されて、前述したように、撮像部165の撮像範囲を照明する。照明部166としては、例えば、ハロゲンランプやLED(Light Emitting Diode)で構成すればよい。
【0053】
センサ部167は、例えば水中ドローン16の筐体の側面に設けられ、水中ドローン16の位置・姿勢情報や、水中ドローン16が移動する水中における各種情報を検知する。センサ部167としては、例えば、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、流速センサ、魚群探知センサ等を組み合わせて構成すればよく、水中ドローン16の姿勢情報、周囲の水温情報や水流情報などを検知し、また、周辺の魚群を検知する。これらの検知情報は、制御部163により、ケーブル14を介して制御装置12に送信されてもよい。このようにすることで、水中ドローン16の周囲の情報を制御装置12の表示部125に表示可能となる。
【0054】
なお、撮像部165が撮像した画像情報や、センサ部167が検知した検知情報は、記憶部164(RAM)に記憶され、無線通信により外部装置(例えば、外部サーバ)に送信可能としてもよい。このようにすることで、外部装置では、水中ドローン16の周囲の情報を蓄積することができ、水中環境の把握に役立てることができる。
【0055】
また、制御部163は、センサ部167が検知する検知情報(例えば、水中ドローン16の姿勢情報や、水流の情報など)に応じて、記憶部164(ROM)に記憶されたプログラムに基づいて水中ドローン16の姿勢を自動制御するものとしてもよい。このようにすることで、浮き15に連動して水中ドローン16が動作する際に、その姿勢を自動的に適切に保つことができる。なお、この自動制御には、フライトコントローラを用いることができる。
【0056】
(遠隔捕捉処理)
次に、図3を参照して、図2の浮き15の制御部153(CPU)が実行する遠隔捕捉処理について説明する。なお、遠隔捕捉処理は、釣り人による操作部126に対する遠隔操作に基づいて浮き15が動作し、浮き15の直下に配置される水中ドローン16が連動して動作し、水中ドローン16に取り付けられた仕掛け部17により対象物2が捕捉され、水中捕捉画像が取得されるまでの処理を含む。また、図3に示す遠隔捕捉処理は、第1実施形態において特徴的な処理について説明するためのものであり、釣り人が浮き15を遠隔操作して釣りを行うための処理において必要な他の処理を排除するものではない。
【0057】
ステップS1において、制御部153は、浮き15の電源がONとされているか、すなわち、電源部151により電力が供給されているか否かを判定する。電源がONであると判定された場合(ステップS1;YES)、処理はステップS2に進み、電源がONではない(すなわち、OFFに切り替えられた)と判定された場合(ステップS1;NO)、処理は終了する。
【0058】
なお、ステップS1の処理において、浮き15の電源がONとされているとき、水中ドローン16の電源も連動してONとされているものとする。そして、水中ドローン16の電源がONとなると、水中ドローン16の制御部163は、撮像部165が撮像した水中画像の情報や、センサ部167により検知された水中ドローン16の位置・姿勢情報や、周囲の検知情報を取得して、記憶部164(RAM)に記憶する。また、制御部163は、これらの情報を、ケーブル14を介して制御装置12に送信する。なお、制御装置12(より具体的には制御部123)は、これらの情報を受信し、当該情報に基づいて、表示部125に水中ドローン16の前方周囲の水中画像を表示し、また、水中ドローン16の周囲の検知情報を表示する。なお、撮像部165が撮像する水中画像の情報は、リアルタイムで制御装置12に送信されることで、表示部125に水中画像がリアルタイムで更新表示される。
【0059】
ステップS2において、制御部153は、浮き15の移動制御を指示する移動信号を制御装置12から受信したか否かを判定する。なお、この移動信号は、釣り人が操作部126に対して浮き15の移動方向を制御するための操作(以下、移動操作という)を行うことに基づいて制御装置12から送信される。移動信号を受信したと判定された場合(ステップS2;YES)、処理はステップS3に進み、移動信号を受信していないと判定された場合(ステップS2;NO)、処理はステップS4に進む。
【0060】
ステップS3において、制御部153は、浮き15を移動制御する。具体的には、制御部153は、操移動信号に基づいて駆動部155を制御することで、水上の浮き15を水平方向(図1に示すXY方向に)移動させる。
【0061】
ステップS4において、制御部153は、浮き15と水中ドローン16との間のケーブル14の長さの調整を指示する調整信号を受信したか否かを判定する。なお、この調整信号は、釣り人が操作部126に対してケーブル14の長さを調整するため操作(以下、長さ調整操作という)に基づいて制御装置12から送信される。調整信号を受信したと判定された場合(ステップS4;YES)、処理はステップS5に進み、調整信号を受信していないと判定された場合(ステップS4;NO)、処理はステップS6に進む。
【0062】
ステップS5において、制御部153は、ケーブル14の長さを調整する。具体的には、制御部153は、調整信号に基づいて調整部156を制御することで、浮き15と水中ドローン16との間のケーブル14の長さ(すなわち、水中ドローン16の深度)を調整する。
【0063】
なお、ステップS3、S5の処理により、浮き15の水平方向(図1に示すXY方向)の移動が制御されるとともに、浮き15と水中ドローン16とを接続するケーブル14の長さが調整される。これにより、ケーブル14を介して浮き15の略直下に配置される水中ドローン16の水平方向(図1に示すXY方向)の移動が制御されるとともに、水中ドローン16の深度(図1に示すZ方向)が調整される。このため、水中ドローン16に備わる撮像部165の撮像範囲(XYZ方向)も変化し、水中ドローン16に取り付けられた仕掛け部17の位置(XYZ方向)も変化する。このように、操作部126が操作されたことに基づいて、浮き15が移動し、ケーブル14の長さが調整されることで、水中ドローン16の前方周囲の水中画像が変化するとともに仕掛け部17の位置も変化し、この水中画像の変化が表示部125に表示される。ただし、表示部125に表示される水中画像が変化しても、該水中画像の一部として仕掛け部17が表示され続ける。したがって、釣り人は、表示部125に表示される水中ドローン16の前方周囲の水中画像を確認しながら浮き15を遠隔操作し、釣りの対象となる対象物2(魚)を探し、表示されている仕掛け部17で対象物2の捕捉を試みることができる。
【0064】
なお、制御部153は、位置検知部157が検知する検知情報(緯度情報及び経度情報)に基づいて、駆動部155を制御して、予め設定された目的地(設定された緯度情報及び経度情報)まで浮き15を自動で移動させるものとしてもよい。このようにすることで、釣り人は、意識することなく、設定された目的地まで浮き15及び水中ドローン16を移動させることができる。
【0065】
また、釣り人が、操作部126に対して移動操作及び長さ調整操作を行うことにより浮き15を遠隔操作し、対象物2を探した結果、表示部125に対象物2が表示された場合(具体的には、公知の画像判定技術等によって、撮像部165が撮像した水中画像に対象物2が含まれていると制御部163により判定された場合)、撮像部165を制御する制御部163から制御装置12に対して、所定の通知信号が送信されることにより、対象物2が探知されたことが通知される。なお、この通知としては、表示部125に対する所定の通知表示であってもよいし、操作部126を振動させたり表示部125を発光させたりするものとしてもよい。このようにすることで、釣り人に対して、対象物2が水中ドローン16の周囲で探知されたことを報知することができる。
【0066】
また、釣り人が、対象物2を探知した後、仕掛け部17が対象物2を捕捉した場合(具体的には、公知の画像判定技術等によって、撮像部165が撮像した水中画像が水中捕捉画像であると制御部163により判定された場合)にも、同様に、制御装置12に対して所定の通知信号が送信されることにより、対象物2が捕捉されたことが通知される。なお、この通知としては、表示部125に対する所定の通知表示であってもよいし、操作部126を振動させたり表示部125を発光させたりするものとしてもよい。このようにすることで、釣り人に対して、対象物2が仕掛け部17により捕捉されたことを報知することができる。なお、対象物2が仕掛け部17により捕捉されたことの報知は、対象物2が水中ドローン16の周囲で探知されたことの報知とは異なる態様で実行されるものとしてもよい。
【0067】
ステップS6において、制御部153は、捕捉信号を受信したか否かを判定する。なお、この捕捉信号は、制御装置12に対して対象物2が捕捉されたことが通知されたことに基づいて、制御装置12から浮き15に対して送信される信号である。また、水中ドローン16が、浮き15と通信可能に構成される場合には、撮像部165が撮像した水中画像が水中捕捉画像であると制御部163により判定された場合に、この捕捉信号が、水中ドローン16から浮き15に対して送信されるものとしてもよい。捕捉信号を受信したと判定された場合(ステップS6;YES)、処理はステップS7に進み、捕捉信号を受信していないと判定された場合(ステップS6;NO)、処理は終了する。
【0068】
ステップS7において、制御部153は、水中ドローン16の位置情報を記憶する。具体的には、制御部153は、位置検知部157が検知する浮き15の緯度情報及び経度情報を、その直下に位置する水中ドローン16の緯度情報及び経度情報として記憶部154に記憶する。また、制御部153は、調整部156によって調整された浮き15と水中ドローン16との間のケーブル14の長さを、水中ドローン16の深度情報として記憶部154に記憶する。また、制御部153は、記憶部154に記憶された水中ドローン16の位置情報(経度情報、緯度情報、深度情報)を制御装置12に送信する。
【0069】
なお、前述したように、制御装置12に対して、水中ドローン16の制御部163から、撮像部165が撮像する水中画像の情報がリアルタイムで送信される。そして、仕掛け部17は、浮き15の移動制御によって水中ドローン16が水中をどのように移動しても、常に撮像部165の撮像範囲に含まれているので、撮像部165は、仕掛け部17が対象物2を捕捉する場面(水中捕捉画像)を撮像することができる。また、捕捉信号に基づいて(すなわち、対象物2が捕捉されたことに基づいて)、制御装置12に対して、浮き15の制御部153から水中ドローン16の位置情報が送信される。このため、制御装置12は、対象物2が捕捉されたときに、そのときの水中ドローン16の位置情報と、水中捕捉画像の情報と、を取得することができる。したがって、対象物2が捕捉されたとき、制御装置12の表示部125には、リアルタイムで表示されている水中捕捉画像に重畳するように水中ドローン16の位置情報に対応した対応表示を表示することができる。また、制御装置12は、対象物2が捕捉されたとき、リアルタイムで表示される水中捕捉画像と、水中ドローン16の位置情報とを関連付けて録画情報として記憶部124に記憶することもできる。このため、釣り人は、対象物2が捕捉されたときの様子とともに、対象物2が捕捉されたときの水中ドローン16の位置情報を確認することができる。そして、水中ドローン16の位置と、対象物2の位置とは近似することから、対象物2を捕捉したとき、まさにそのときの対象物2の位置を精度高く、確認し、また記録することが可能となる。
【0070】
なお、制御装置12の記憶部124に、録画情報として水中ドローン16の位置情報と関連付けられた水中捕捉画像が記憶される場合、この録画情報は、無線通信により外部装置(例えば、外部サーバ)に送信可能としてもよい。また、この送信タイミングは、対象物2が捕捉されたとき、すなわち、水中捕捉画像が水中ドローン16の位置情報と関連付けて記憶されるタイミングであってもよいし、対象物2が捕捉された後の任意のタイミングであってもよい。このようにすることで、外部装置では、水中捕捉画像と、その位置情報とを蓄積することができるので、水中のどの位置において実際に対象物2が捕捉されたのか、また、対象物2の種類は何であるかを把握することができる。このため、陸上の釣り場のスポットといった大まかな精度ではなく、実際に対象物2を捕捉した(例えば、魚がヒットした)場所としての詳細な精度の情報を把握し、釣り人に提供することが可能となる。なお、この詳細については第2実施形態において後述する。
【0071】
また、上記では、捕捉信号に基づいて(すなわち、対象物2が捕捉されたことに基づいて)水中ドローン16の位置情報が制御装置12に対して送信されるものとしたが、これに限らず、釣り人の要求に応じて水中ドローン16の位置情報が制御装置12に対して送信されるものとしてもよい。具体的には、操作部126に対する所定操作に基づいて、制御装置12から浮き15に対して所定の要求信号が送信され、該要求信号に基づいて制御部153から水中ドローン16の位置情報が制御装置12に対して送信されるものとすればよい。このようにすると、制御装置12は、釣り人の所定操作に基づいて、水中ドローン16の位置情報と、水中画像の情報と、を取得することができる。したがって、釣り人は、表示部125に表示される水中画像を確認しながら浮き15を遠隔操作し、水中画像に対象物2が表示されたときなどを含めて所望のタイミングで、リアルタイムで表示されている水中画像に重畳するように水中ドローン16の位置情報に対応した対応表示を表示することができる。また、制御装置12は、釣り人の所定操作に応じて、リアルタイムで表示される水中画像と、水中ドローン16の位置情報とを関連付けて録画情報として記憶部124に記憶することもできる。このようにして、記憶部124に、録画情報として水中ドローン16の位置情報と関連付けられた水中画像が記憶される場合、この録画情報は、無線通信により外部装置(例えば、外部サーバ)に送信可能としてもよい。このようにすることで、外部装置では、水中画像と、その位置情報とを蓄積することができ、水中環境の把握に役立てることができる。
【0072】
なお、水中画像や水中捕捉画像に重畳するように水中ドローン16の位置情報に対応した対応表示を表示する場合、この対応表示は、位置情報を示す文字情報で表示するものであってもよいし、位置情報に対応した模式図(例えば、深度の範囲に応じた色表示等)で表示するものであってもよい。
【0073】
また、第1実施形態では、仕掛け部17が対象物2を捕捉したと判定されたことに基づいて、水中ドローン16の位置情報が記憶され、当該位置情報に関連付けて水中捕捉画像が記憶されるので、釣り人は、表示部125において仕掛け部17が対象物2を捕捉したか否かを確認しなくても、仕掛け部17が対象物2を捕捉したときの様子とともに、対象物2が捕捉されたときの水中ドローン16の位置情報を自動的に記憶させることが可能となる。また、このような自動的な記憶は、仕掛け部17が対象物2を捕捉したときに限らず、例えば、表示部125に対象物2が表示されたときであってもよいし、水中ドローン16の位置情報と関連付けて水中画像を自動的に記憶する条件を、釣り人が予め設定可能としてもよい。
【0074】
また、第1実施形態では、水中ドローン16の位置情報に関連付けられた水中画像(水中捕捉画像を含む)は制御装置12の記憶部124に記録されるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、浮き15の制御部153が、撮像部165が撮像した水中画像の情報を受信し、該水中画像の情報を水中ドローン16の位置情報に関連付けて記憶部154に記憶するものとしてもよい。また、水中ドローン16の制御部163が、浮き15から水中ドローン16の位置情報を受信し、該位置情報に関連付けて撮像部165が撮像した水中画像の情報を記憶部164に記憶するものとしてもよい。
【0075】
(釣りの概要)
次に、図4を参照して、水中捕捉装置1を用いて行われる釣りの概要について説明する。図4は、第1実施形態に係る水中捕捉装置1を用いた釣りの概要を説明するための図である。
【0076】
図4(A)に示すように、釣り人は、まず、水中捕捉装置1をセッティングする。具体的には、釣り人は、ケーブル14を釣り竿11の留め具111のリング孔に挿通することにより、釣り竿11とケーブル14とを連結するとともに、ケーブル14の一端を制御装置12に接続し、ケーブル14の他端を水中ドローン16に接続する。なお、ケーブル14の所定位置(水中ドローン16までの長さがLmaxとなる位置)には浮き15が取り付けられている。また、ケーブル14に接続された制御装置12を釣り竿11の下端に取り付ける。また、リール13を釣り竿11に取り付け、仕掛け部17を水中ドローン16に取り付ける。なお、仕掛け部17は、予め水中ドローン16に一体的に取り付けられているものとしてもよい。そして、釣り人は、浮き15、水中ドローン16、及び制御装置12を起動する(電源投入する)。これにより、水中ドローン16の撮像部165による撮像画像の取得が開始され、センサ部167による検知情報の取得が開始される。そして、水中ドローン16は釣り人が投擲し易いように球状に形成されているので、釣り人は、水中ドローン16を水中に目がけて投擲することで、水中ドローン16が水中に投下されるとともに、水中ドローン16とケーブル14で接続された浮き15も水上に投下される。その後、釣り人は、制御装置12の操作部126に対して移動操作を行い浮き15を移動させることで水中ドローン16を移動させ、また、長さ調整操作を行い水中ドローン16の深度を調整し、水中ドローン16を所望の場所(例えば、魚釣りのポイント)まで移動させる。
【0077】
なお、浮き15の移動(したがって、水中ドローン16の移動)は、釣り人の操作に基づくものに限らず、水中ドローン16のセンサ部167が検知する検知情報(例えば、魚群を検知した情報)や、浮き15の位置検知部157が検知する検知情報(緯度情報及び経度情報)に基づいて、あるいは、予め設定された目的地の位置情報に基づいて、自動的に移動するものとしてもよい。
【0078】
次に、図4(B)に示すように、浮き15の移動によって水中ドローン16を移動させた結果、水中ドローン16の撮像部165により対象物2(例えば、魚)が撮像されると、釣り人は、仕掛け部17によって対象物2を捕捉するために、制御装置12の操作部126を操作して浮き15を移動させることで水中ドローン16を移動させ、水中ドローン16に取り付けられた仕掛け部17が対象物2を捕捉するように対象物2を追尾する。なお、この追尾中、制御装置12の表示部125には、仕掛け部17や対象物2を含む周囲の水中画像がリアルタイムに表示されるため、釣り人は、この水中画像を確認しながら、対象物2を追尾することができる。
【0079】
なお、第1実施形態では、浮き15を遠隔操作して移動させることで水中ドローン16を移動させるものとしたが、浮き15の遠隔操作に加えて、水中ドローン16も遠隔操作により移動制御可能としてもよい。その際、釣り人は、撮像部165により対象物2が撮像されるまで(すなわち、対象物2が見つかるまで)浮き15の遠隔操作によって水中ドローン16を移動制御し、対象物2が見つかった後は、仕掛け部17が対象物2を捕捉するように水中ドローン16を遠隔操作して対象物2を追尾するものとしてもよい。また、この追尾は、水中ドローン16のセンサ部167が検知する検知情報や、撮像部165が撮像する水中画像の情報に基づいて、水中ドローン16が自動的に追尾するものとしてもよい。
【0080】
次に、図4(C)に示すように、仕掛け部17が対象物2を捕捉すると、釣り人は、釣り竿11やリール13を用いてフッキングを行う。具体的には、前述したように、仕掛け部17が対象物2を捕捉したことにより、水中ドローン16及び浮き15に負荷がかかり、これによりケーブル14に負荷がかかったとき、釣り竿11に負荷が連動することで釣り竿11がしなることになる。釣り人は、このしなりに応じてフッキングを行うことにより、水中ドローン16に取り付けられた仕掛け部17と、該仕掛け部17に捕捉された対象物2との位置関係を調整し、捕捉された対象物2が仕掛け部17から離れない(逃げない)ようにする。また、このとき、対象物2が捕捉されたことに基づいて、水中ドローン16の位置情報(すなわち、対象物2の位置情報と近似すると言える)に関連付けて水中捕捉画像が記憶される。
【0081】
なお、その後、釣り人は、リール13を用いてケーブル14を巻き取り、ケーブル14に接続された浮き15及び水中ドローン16を引き寄せること仕掛け部17に捕捉された対象物2を引き寄せ、対象物2を引き上げる。なお、対象物2を引き寄せる際に、リール13を用いてケーブル14を巻き取るだけでなく、制御装置12の操作部126を操作して浮き15を引き寄せるものとしてもよい。
【0082】
ところで、従来から、釣り人の間では、魚を釣りあげた後に、釣りあげた魚の画像を記録し、SNS(ソーシャルネットワークサービス)を介して、該画像を発信することが知られている。しかし、このような場合、実際に魚を釣り上げることができた場合にのみ、釣りあげた魚の画像を記録することができるに過ぎず、魚に逃げられてしまった場合には、対象物2を捕捉したときの位置情報及びそのときの対象物2を含む画像を記録することができない。このため、必ずしも対象物2を捕捉可能な位置情報及びその対象物2の種類を正確に把握することができないという課題がある。これに対して、上記した第1実施形態では、仕掛け部17が対象物2を捕捉したときに、その場面を水中捕捉画像として記録することができるので、仮に、その後、フッキング操作が上手くいかず、仕掛け部17による対象物2の捕捉が失敗に終わった場合(魚に逃げられた場合)であっても、水中におけるどの位置において、対象物2を捕捉できたかを記録することができる。このように、第1実施形態では、実際に対象物2を捕捉して陸上に引き上げることができたか(すなわち、魚を釣り上げることができたか)否かにかかわらず、水中ドローン16の位置情報に関連付けて水中捕捉画像を記録することができるので、フッキング操作の技量にかかわらず、対象物2を捕捉可能な位置情報及び対象物2の種類を確認、記録することができる。
【0083】
以上のように、第1の実施形態によれば、水中ドローン16が有する撮像部165は、仕掛け部17を撮像可能な位置に設けられているので、仕掛け部17が対象物2を捕捉したときの様子(例えば、仕掛けの種類や、対象物2としての魚の種類など)を撮像可能であり、また、仕掛け部17が対象物2を捕捉したときの水中ドローン16の位置情報(対象物2の位置情報とも言える)として、緯度情報、経度情報、深度情報を取得することができる。このため、水中におけるどの位置において、どのような種類の仕掛け部17によってどのような種類の対象物2が捕捉されたのかという情報を取得することができる。
【0084】
また、水中画像を表示可能な表示部125は、仕掛け部17が対象物2を捕捉したときの水中捕捉画像を表示可能であり、水中捕捉画像を表示するときに、水中ドローン16の位置情報に対応した対応表示を水中捕捉画像に重畳するように表示可能である。このため、釣り人は、表示部125における水中捕捉画像を確認するだけで、仕掛け部17が対象物2を捕捉したときの様子(例えば、仕掛けの種類や、対象物2としての魚の種類など)と、そのときの水中ドローン16の位置情報と、を確認することができる。
【0085】
また、水上の浮き15に備わる位置検知部157により検知される浮き15の緯度情報及び経度情報に基づいて、浮き15の直下に配置された水中ドローン16の緯度情報及び経度情報を取得可能であり、調整部156によって調整される浮き15と水中ドローン16との間のケーブル14の長さに基づいて、水中ドローン16の深度情報を取得可能である。このため、水中に位置する水中ドローン16の位置情報(対象物2の位置情報とも言える)を好適に取得することができる。
【0086】
また、ケーブル14の一部は、釣り竿11に這うように設けられるため、ケーブル14が引っ張られ、ケーブル14に負荷がかかった場合に、釣り竿11にも負荷を連動させることができる。このため、水中ドローン16に取り付けられた仕掛け部17が対象物2を捕捉したことにより、水中ドローン16に負荷がかかり、これによりケーブル14に負荷がかかったとき、釣り竿11に負荷が連動することで釣り竿11が変形する(例えば、しなる)ことになる。このため、釣り人は、この釣り竿11にかかる負荷に応じて釣り竿11を操作する(例えば、フッキングを行う)ことにより、仕掛け部17と、該仕掛け部17に捕捉された対象物2との位置関係を調整し、捕捉された対象物2が仕掛け部17から離れない(逃げない)ようにすることができる。このように、釣り人は、水中ドローン16を用いて対象物2を捕捉するとしても、把持する釣り竿11を通して対象物2の負荷を感じながら、釣り竿11を操作して対象物2を捕捉する実感が得られるので、釣りの興趣を高めることができる。
【0087】
また、釣り竿11には、ケーブル14を巻き取ることが可能なリール13が取り付けられる。このため、操作部126を用いて浮き15を動作させることでケーブル14を移動させるだけでなく、リール13を用いてケーブル14を巻き取ることもできる。このため、例えば、対象物2を捕捉したときに、リール13を用いてケーブル14を手繰り寄せることで、浮き15及び水中ドローン16を手繰り寄せた結果、仕掛け部17に捕捉された対象物2を手繰り寄せることができるので、自身で手繰り寄せた(引き上げた)という実感が得られ、釣りの興趣を高めることができる。
【0088】
また、制御装置12の記憶部124は、センサ部127により検知された検知情報として釣り竿11の位置情報や姿勢(向き)情報を記憶する。このため、例えば、対象物2が捕捉されたときの釣り竿11の向きと位置情報を把握することができるので、対象物2を捕捉するための情報として役立てることができる。なお、これらの情報は、制御装置12の記憶部124に記憶されるものとしたが、表示部125と操作部126とが制御装置12として一体に構成されていない場合(別個に構成されている場合)、これらの情報は、表示部125が有する記憶部に記憶されてもよいし、操作部126が有する記憶部に記憶されてもよい。
【0089】
また、制御装置12として表示部125と操作部126とが一体に構成されている。このため、水中捕捉装置1を構成するときに、表示部125と操作部126とを容易に釣り竿11に取り付けることができる。
【0090】
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は、上記した第1実施形態に限定されるものではなく、以下の変形例のように変形してもよい。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で複数の変形例を組み合わせてもよい。
【0091】
(変形例)
上記した第1実施形態では、水中捕捉装置1は、釣り人が魚釣りを行うための釣り装置(釣り具)に適用されるものとしたが、他の水中装置に適用されるものとしてもよい。具体的には、水中の生息物を探索し、捕獲するような水中探索装置に適用されるものとしてもよいし、水中のごみを探索し、ごみを捕獲することで水中を清掃する水中清掃装置に適用されるものとしてもよい。なお、このように釣り以外の用途に水中捕捉装置1を適用する場合、水中捕捉装置1は、釣り竿11やリール13を含まず、制御装置12と、浮き15と、水中ドローン16(及び取り付けられた仕掛け部17)と、ケーブル14と、で構成されてもよい。また、ケーブル14は、浮き15と水中ドローン16とを接続するために用いられるものとし、制御装置12と、浮き15及び水中ドローン16とは、無線通信されるものとしてもよい。また、このとき、仕掛け部17としては、釣り針やルアーのみならず、遠隔操作可能なアーム等で構成してもよい。また、このように、水中捕捉装置1として、釣り竿11を含まない場合であっても、水中ドローン16の位置情報に関連付けて、仕掛け部17により対象物2が捕捉される様子(水中捕捉画像)を記憶することができ、また、水中捕捉画像を表示部125で視認することができる。
【0092】
また、上記した第1実施形態における水中捕捉装置1の構成において、制御装置12(操作部126及び表示部125)は必ずしも必須の構成としなくてもよい。水中捕捉装置1において制御装置12の構成を含まない場合には、浮き15の遠隔操作や、表示部125における水中画像の表示ができないが、釣り人は、所望の釣りポイントまで例えば船で移動し、船上から水中ドローン16を投擲により水中に投下し、釣り竿11を操作することにより、ケーブル14に接続された水中ドローン16の位置を調整するものとすればよい。このようにした場合であっても、撮像部165によって仕掛け部17が対象物2を捕捉した場面が撮像されたこと(具体的には、公知の画像判定技術等によって、撮像部165が撮像した水中画像が水中捕捉画像であると判定されたこと)に基づいて、水中ドローン16の位置情報が記憶され、水中ドローン16の位置情報と関連付けられた水中捕捉画像が記憶される(例えば、記憶部164に記憶される、あるいは記憶部154に記憶される)ものとすればよい。このようにしても、仕掛け部17が対象物2を捕捉するときの様子(水中捕捉画像)を撮像部165により撮像可能であるとともに、仕掛け部17が対象物2を捕捉したときの水中ドローン16の位置情報(緯度情報、経度情報、深度情報)を取得することができる。なお、このとき、水中捕捉装置1は、水中捕捉画像を表示する表示部を有しないが、水中捕捉画像及び水中ドローン16の位置情報は、外部装置(例えば、釣り人が所有するスマートフォンや、外部サーバ)に送信されるものとし、外部装置において水中捕捉画像及び水中ドローン16の位置情報を確認可能としてもよい。
【0093】
また、上記した第1実施形態では、浮き15が調整部156を備え、浮き15と水中ドローン16とを接続するケーブル14の長さを調整するものとしたが、水中ドローン16が調整部を備えるものとして、操作部126に対する長さ調整操作に基づいて水中ドローン16の調整部がケーブル14の長さを調整するものとしてもよい。
【0094】
また、上記した第1実施形態において、浮き15は、水中を撮像可能な撮像部(水中カメラ)を備えるものとしてもよい。具体的には、撮像部は、浮き15の底面において、ケーブル14及びケーブル14に接続された水中ドローン16を撮像可能な位置に取り付けられる。このように取り付けられた浮き15の撮像部は、ケーブル14のたわみ具合を撮像することができるので、例えば、ケーブル14が鉛直方向に延びずに、たわんでいるときには、水流によりZ方向に水中ドローン16が意図せず動作していると判断し、調整部156によってケーブル14を巻き取る等してケーブル14のたわみを解消し、水中ドローン16が適切に浮き15の略直下に配置されるように制御することができる。また、浮き15の撮像部は、水中ドローン16をその上方から撮像することができるので、水中ドローン16の仕掛け部17が対象物2を捕捉するまでの様子を俯瞰的な視点で提供することもでき、釣りの興趣を向上することができる。
【0095】
また、上記した第1実施形態において、水中ドローン16の撮像部165は、操作部126に対する操作に基づいて、撮像方向を変化可能としてもよい。このようにすると、水中ドローン16の位置を変化させずに、撮像部165の撮像範囲を変化させることができる。ただし、仕掛け部17は、撮像部165の撮像範囲に含まれていることが好ましいため、例えば、対象物2を探知するまでは、撮像部165の撮像方向を変化させ、対象物2を探知した後は、仕掛け部17が対象物2を捕捉するときの水中捕捉画像を撮像可能となるように、操作部126に対する所定操作に基づいて、撮像部165の撮像方向が初期位置(仕掛け部17が撮像範囲に含まれる位置)に戻るものとすればよい。その他、撮像部165の撮像方向の変化にあわせて仕掛け部17が撮像部165の撮像範囲に含まれるように仕掛け部17の位置が変化するように構成するものとしてもよい。
【0096】
また、上記した第1実施形態では、浮き15と水中ドローン16との間のケーブル14の長さを、水中ドローン16の深度情報として記憶するものとしたが、水中ドローン16の深度情報は、ケーブル14の長さによって取得されるものに限らない。例えば、浮き15が水中ソナーを備え、該水中ソナーによって水中ドローン16までの距離(すなわち、水中ドローン16の深度)が測定されることで、深度情報が取得されるものとしてもよい。
【0097】
また、上記した第1実施形態では、撮像部165によって水中捕捉画像が撮像されるとき、水中ドローン16の位置情報が取得される(記憶される)ものとしたが、さらにこのとき仕掛け部17として用いられていたルアーの情報や餌の情報が記憶されるものとしてもよい。このようにすることで、水中で対象物2が捕捉されたときに、どのような仕掛け部17が用いられていたかを記録することができ、今後の釣りに役立てることができる。
【0098】
また、上記した第1実施形態において、照明部166は、仕掛け部17として用いられてもよい。例えば、対象物2として光を好んで反応するもの(例えば、イカ)を捕捉するときには、照明部166としての水中ライトを、仕掛け部17としての疑似餌として用いることができる。
【0099】
また、上記した実施形態において、仕掛け部17は、水中ドローン16と取り外し可能に構成され、対象物2の種類に応じて複数種類取り付け替え可能としてもよい。この場合、仕掛け部17は、その取り外し、取り付けが簡単にできるように構成される(例えば、ワンタッチで取り付け/取り外し可能に構成される)ものとすればよい。
【0100】
また、上記した実施形態において、水中ドローン16は、対象物2を誘引するための誘引物(例えば、撒き餌)を貯留する貯留部を備え、貯留部に貯留した誘引物を釣り人の遠隔操作(例えば、操作部126の操作)により水中ドローン16の近傍に排出可能としてもよい。このようにすることで、対象物2をより捕捉し易い環境を構築することができる。
【0101】
また、上記した実施形態において、水中ドローン16の制御部163は、探知した魚種を把握するものとしてもよい。具体的には、制御部163は、撮像部165が撮像した対象物2(魚)を含む水中画像に基づいて、公知の画像判定技術に基づいて対象物2の魚種を把握できるものとしてもよい。また、この対象物2の魚種を制御装置12に対して通知するものとしてもよい。このようにすると、魚種を把握したうえで対象物2として魚を捕捉することができる。
【0102】
また、上記した実施形態において、仕掛け部17は、重量センサを有するものとしてもよい。このように、重量センサを有する場合には、仕掛け部17が対象物2を捕捉したときに捕捉した対象物2の重量を把握可能となる。そして、この重量の情報は、水中捕捉画像に関連付けて記憶されるものとしてもよい。このようにすると、水中捕捉画像に関連付けて、対象物2が捕捉されたときの位置情報と、対象物2の重量情報と、を記録することができる。
【0103】
以上のように、本発明の第1実施形態及び変形例について説明したが、本発明の第1実施形態及び変形例には、以下に示す種々の構成が含まれる。
【0104】
すなわち、水上を浮遊して移動可能な浮き部(例えば、浮き15)と、水中を移動可能な機体(例えば、水中ドローン16)と、前記浮き部と、前記機体と、を接続するケーブル(例えば、ケーブル14)と、水中の対象物(例えば、対象物2)を捕捉可能な捕捉部(例えば、仕掛け部17)と、水中画像を撮像可能な撮像部(例えば、撮像部165)と、前記機体の位置情報を取得可能な位置情報取得部(例えば、位置検知部157、調整部156)と、を含む水中捕捉装置(例えば、水中捕捉装置1)であって、前記機体は、自重により前記ケーブルを介して前記浮き部の略直下に配置可能であり、前記捕捉部は、前記機体に取り付けられ、前記撮像部は、前記機体において少なくとも前記捕捉部を撮像可能な位置に設けられ、前記位置情報取得部は、少なくとも前記捕捉部が前記対象物を捕捉したときの前記機体の位置情報を取得可能であり、前記機体の位置情報は、前記機体の緯度及び経度の情報と、前記機体の水中における深度の情報と、を含む。このような構成によれば、撮像部は、機体において少なくとも捕捉部を撮像可能な位置に設けられるので、撮像部が撮像可能な水中画像には捕捉部が含まれる。このため、撮像部は、捕捉部が対象物を捕捉したときの水中画像を撮像可能であるとともに、捕捉部が対象物を捕捉したときの機体の位置情報を取得することができる。
【0105】
前記水中画像を表示可能な表示部(例えば、表示部125)を備え、前記表示部は、前記水中画像として、前記捕捉部が前記対象物を捕捉したときの水中捕捉画像を表示可能であり、前記水中捕捉画像を表示するときに、前記位置情報取得部により検知された前記機体の位置情報に対応した対応表示を該水中捕捉画像に付加して(例えば、重畳するように)表示可能である。このような構成によれば、水中捕捉画像を確認するだけで、捕捉部が対象物を捕捉したときの様子と、そのときの機体の位置情報と、を確認することができる。
【0106】
前記ケーブルの長さを制御可能な長さ制御部(調整部156)と、前記浮き部の緯度及び経度の情報を検知可能な検知部(位置検知部157)と、を備え、前記位置情報取得部は、前記検知部の検知情報に基づいて、前記浮き部の直下に配置された前記機体の緯度及び経度の情報を取得可能であり、前記長さ制御部により制御された前記ケーブルの長さに基づいて、前記浮き部の直下に配置された前記機体の深度の情報を取得可能である。このような構成によれば、水中の機体の緯度及び経度の情報は、水上の浮き部の緯度及び経度の情報に基づいて取得され、機体の深度の情報は、機体と浮き部との間のケーブルの長さに基づいて取得されるので、好適に機体の位置情報を取得することができる。
【0107】
(第2実施形態)
次に、図5を参照して、第2実施形態に係る情報処理システムについて説明する。図5に示す情報処理システムは、サーバ3と、m台(mは1以上の任意の整数値)の制御装置12-1乃至12-mと、n台(nは1以上の任意の整数値)のユーザ端末4-1乃至4-nとを含むように構成される。
【0108】
サーバ3は、釣り情報提示サービスの提供者により管理される。釣り情報提示サービスとは、Webやアプリケーションプログラム等を介して釣り情報を提示するサービスであり、第2実施形態に係る情報処理システムの適用対象となるサービスである。なお、釣り情報提示サービスの詳細については後述するが、このサービスの特徴的なことは、釣り情報として、対象物2が仕掛け部17により捕捉されたときの水中捕捉画像(例えば、魚が釣り針に掛かった様子を撮像した水中画像)が提示されることである。
【0109】
制御装置12-1乃至12-mのそれぞれは、第1実施形態で説明した制御装置12であり、第1実施形態で説明したように水中捕捉装置1を用いて魚釣りを行うm人の釣り人のそれぞれにより使用される。なお、第1実施形態で説明したように、制御装置12の記憶部124には、水中ドローン16の位置情報に関連付けられた水中捕捉画像が記憶されているものとする。このため、m人の釣り人のそれぞれは、制御装置12を用いて、釣り情報としての水中捕捉画像を提供することが可能である。したがって、第2実施形態において、水中捕捉装置1を用いて魚釣りを行うm人の釣り人のそれぞれは、釣り情報の供給者であるということができる。
【0110】
ユーザ端末4-1乃至4-nは、スマートフォン等の携帯端末装置であり、n人の釣り情報の需要者のそれぞれにより使用される。つまり、n人の釣り情報の需要者は、ユーザ端末4-1乃至4-nのそれぞれを操作して、釣り情報を要求することで釣り情報の提供を受けることができる。なお、釣り情報の供給者と、釣り情報の需要者は、必ずしも異なるものではなく、同一となる場合もある。
【0111】
なお、以下、制御装置12-1乃至12-mのそれぞれを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「制御装置12」ということにする。同様に、ユーザ端末4-1乃至4-nのそれぞれを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザ端末4」ということにする。
【0112】
また、サーバ3と、制御装置12と、ユーザ端末4とは、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0113】
(釣り情報提示サービス)
次に、釣り情報提示サービスの概要について簡単に説明する。なお、以下では、釣り情報提示サービスは、制御装置12やユーザ端末4にインストールされるアプリケーションプログラムを介して提供されるものとするが、サーバ3により管理されるウェブサイトを介して提供されるものとしてもよい。
【0114】
まず、第1実施形態で説明した水中捕捉装置1を用いて釣りを行った釣り人は、釣り情報提示サービスを利用して、釣り情報の供給者として釣り情報を提供する。具体的には、釣り情報の供給者は、制御装置12にインストールされた釣り情報提示サービスのアプリケーションプログラムを起動して、釣り情報をサーバ3に送信する。なお、この釣り情報には、制御装置12の記憶部124に記憶された水中捕捉画像及び該水中捕捉画像が撮像されたときの水中ドローン16の位置情報が含まれている。
【0115】
ところで、第1実施形態で説明したように、水中捕捉画像が撮像されたときに水中ドローン16の位置情報が記憶されるものとしたが、水中捕捉画像が撮像されたとき(すなわち、対象物2が仕掛け部17により捕捉されたとき)の対象物2の位置と、水中ドローン16の位置とは、近似している。このため、水中ドローン16の位置情報は、対象物2の位置情報ということもできる。したがって、サーバ3に送信される釣り情報には、対象物2が捕捉されたときの対象物2を含む水中捕捉画像と、そのときの対象物2の位置情報とが含まれているということもできる。
【0116】
サーバ3は、釣り情報提示サービスの管理者により管理され、釣り情報の供給者から送信される釣り情報を収集管理する。具体的には、サーバ3は、釣り情報としての水中捕捉画像を、その位置情報(水中ドローン16の位置情報)と紐づけて管理し、また、所定の地図アプリケーションプログラムと組み合わせることで、地図上の対応する位置に水中捕捉画像を表示させることができる。
【0117】
釣り情報の需要者は、ユーザ端末4に釣り情報提示サービスのアプリケーションプログラムをインストールし、該プログラムを起動し、サーバ3と所定の通信を行うことで、サーバ3から釣り情報を受信することができる。このようにして釣り情報を受信したユーザ端末4には、釣り情報提示画面が表示され、釣り情報の需要者は、釣り情報を確認することができる。なお、釣り情報提示画面の詳細は図9を参照して後述するが、地図上に水中捕捉画像が撮像された位置を示すドット表示が行われる全体画面と、全体画面において所定のドット表示にカーソルを合わせることで水中捕捉画像がポップアップ表示される詳細画面と、を含む。
【0118】
このように、釣り情報提示サービスでは、釣り情報の供給者から水中捕捉画像(すなわち、対象物2が仕掛け部17により捕捉されたときの水中画像)を含む釣り情報の提供を受けて、これらの情報を蓄積、管理する。そして、釣り情報を求める需要者に対して、釣り情報提示画面を提示することで、種々の位置で撮像された水中捕捉画像を、その位置に関連付けて提示することができる。
【0119】
次に、図5の情報処理システムのうち、サーバ3のハードウェア構成の一例について説明する。図6は、図5の情報処理システムのうちサーバ3のハードウェア構成例を示している。
【0120】
(サーバ3のハードウェア構成)
サーバ3は、CPU(Central Processing Unit)31と、ROM(Read Only Memory)32と、RAM(Random Access Memory)33と、バス34と、入出力インターフェース35と、記憶部36と、通信部37とを備えている。
【0121】
CPU31は、ROM32に記録されているプログラム、又は、記憶部36からRAM33にロードされたプログラムにしたがって各種の処理を実行する。RAM33には、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータ等が適宜記憶される。
【0122】
CPU31、ROM32及びRAM33は、バス34を介して相互に接続されている。このバス34には、入出力インターフェース35も接続されている。入出力インターフェース35には、記憶部36、通信部37が接続されている。
【0123】
記憶部36は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部37は、インターネットや、携帯電話網や、LAN(Local Area Network)等を含むネットワークNを介して他の装置(図5の例では制御装置12、ユーザ端末4等)との間で行う通信を制御する。
【0124】
なお、制御装置12、ユーザ端末4のハードウェア構成は、情報を入力させるための入力部や情報を表示させるための表示部を有する点を除き、サーバ3の構成と基本的に同様であるため、それらのハードウェア構成の説明は省略する。
【0125】
このようなサーバ3、制御装置12、及びユーザ端末4の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ3の実行する処理のうち、釣り情報の需要者に対して釣り情報を提示するための一連の処理(以下、釣り情報提示処理という)を実行可能となる。
【0126】
次に、上記した釣り情報提示処理を実行するにあたり、サーバ3、制御装置12、及びユーザ端末4が有する機能的構成について説明する。図7は、図5のサーバ3、制御装置12、及びユーザ端末4が実行する釣り情報提示処理に必要な機能的構成例を示している。
【0127】
(制御装置12の機能的構成)
まず、制御装置12の機能的構成について説明する。制御装置12のCPU123(第1実施形態における制御部123)は、釣り情報送信制御部1231として機能する。第1実施形態で説明したように、制御装置12の記憶部124には、水中ドローン16の位置情報に関連付けられた水中捕捉画像が記憶されている。釣り情報送信制御部1231は、操作部126を介して釣り情報の供給者からの釣り情報の送信指示を受け付けて、釣り情報としての水中捕捉画像を、通信部120を介してサーバ3に送信するための制御を実行する。
【0128】
なお、上記した釣り情報には、水中捕捉画像のみならず、第1実施形態で説明した水中捕捉装置1において取得可能な各種情報が含まれるものとしてもよい。例えば、水中捕捉画像が撮像されたとき(すなわち、仕掛け部17が対象物2を捕捉したとき)における制御装置12の位置情報や姿勢(向き)情報(すなわち、釣り竿11の位置情報や姿勢(向き)情報)が含まれてもよいし、水中捕捉画像が撮像されたときにおけるセンサ部167が検知した検知情報等が含まれてもよい。
【0129】
(サーバ3の機能的構成)
次に、サーバ3の機能的構成について説明する。サーバ3のCPU31は、釣り情報取得部311と、釣り情報管理部312と、要求取得部313として機能する。また、サーバ3の記憶部36には、釣り情報DB360が設けられる。
【0130】
釣り情報取得部311は、制御装置12から送信されてきた釣り情報を取得し、当該情報を釣り情報管理部312に通知する。
【0131】
釣り情報管理部312は、通知された釣り情報を収集管理する。この釣り情報は、サーバ3の釣り情報DB360に記憶される。また、釣り情報管理部312は、釣り情報DB360に記憶されている釣り情報(及び位置情報)に基づいて、釣り情報の解析結果を作製し、また、水中捕捉画像を、位置情報に対応した地図上の対応位置に提示する釣り情報提示画面を作製する。
【0132】
要求取得部313は、後述するユーザ端末4の釣り情報要求制御部411により送信されてきた要求情報を取得し、当該情報を釣り情報管理部312に通知する。なお、この要求情報は、釣り情報管理部312が収集管理する釣り情報のうち、いずれの釣り情報の提示を要求するかを示す情報である。要求情報としては、例えば、釣り情報としての水中捕捉画像のうち、特定の対象物2(特定の魚)が撮像されているものを要求する情報や、釣り情報としての水中捕捉画像のうち、特定の範囲(例えば、日本、関東地方)において撮像されているものを要求する情報が含まれる。この要求情報に基づいて、釣り情報管理部312は、対応する釣り情報を抽出し、抽出した釣り情報を含む釣り情報提示画面を作製し、通信部37を介してユーザ端末4に送信するための制御を実行する。
【0133】
(ユーザ端末4の機能的構成)
次に、ユーザ端末4の機能的構成について説明する。ユーザ端末4のCPU41は、釣り情報要求制御部411と、釣り情報表示制御部412として機能する。
【0134】
釣り情報要求制御部411は、入力部43(典型的にはタッチパネル)を介して釣り情報の需要者からの釣り情報の要求指示を受け付けて、釣り情報を要求する要求情報を、通信部42を介してサーバ3に送信するための制御を実行する。
【0135】
釣り情報表示制御部412は、釣り情報管理部312から送信される釣り情報に基づいて釣り情報提示画面を表示部44(典型的には液晶ディスプレイ)に表示するための制御を実行する。
【0136】
(釣り情報提示処理)
次に、図8を参照して、図7の機能的構成を有するサーバ3のCPU31が実行する釣り情報提示処理について説明する。なお、図8に示す釣り情報提示処理は、第2実施形態において特徴的な処理について説明するためのものであり、釣り情報を提示するための処理において必要な他の処理を排除するものではない。
【0137】
ステップS1において、釣り情報取得部311は、制御装置12の釣り情報送信制御部1231から送信される釣り情報を受信したか否かを判定する。釣り情報を受信したと判定された場合(ステップS1;YES)、処理はステップS2に進み、釣り情報を受信していないと判定された場合(ステップS1;NO)、処理はステップS3に進む。
【0138】
ステップS2において、釣り情報管理部312は、釣り情報取得部311が取得した釣り情報を釣り情報DB360に記憶する。なお、この釣り情報には、水中捕捉画像と、該水中捕捉画像が撮像されたときの水中ドローン16の位置情報と、が含まれている。また、前述したように、水中ドローン16の位置情報は、対象物2の位置情報ということもできる。したがって、この釣り情報には、対象物2が捕捉されたときの対象物2を含む水中捕捉画像と、そのときの対象物2の位置情報とが含まれているということができる。
【0139】
ステップS3において、要求取得部313は、ユーザ端末4の釣り情報要求制御部411から送信される要求情報を受信したか否かを判定する。要求情報を受信したと判定された場合(ステップS3;YES)、処理はステップS4に進み、要求情報を受信していないと判定された場合(ステップS3;NO)、処理は終了する。
【0140】
ステップS4において、釣り情報管理部312は、要求取得部313が取得した要求情報に基づいて、要求情報に対応する釣り情報を含む釣り情報提示画面を作製する。具体的には、釣り情報管理部312は、まず、釣り情報DB360に記憶されている釣り情報のうち、要求情報(例えば、範囲が日本であること)に合致する釣り情報を抽出する。そして、抽出した釣り情報としての水中捕捉画像を、その位置情報と関連付けて地図上の対応する位置に表示させる釣り情報提示画面を作製し、ユーザ端末4の釣り情報表示制御部412に送信する。これにより、ユーザ端末4の表示部44に、釣り情報提示画面が表示可能となる。
【0141】
(釣り情報提示画面)
次に、図9を参照してユーザ端末4に表示される釣り情報提示画面の概要について説明する。図9は、第2実施形態に係る釣り情報提示画面の概要を説明するための図である。図9(A)は、釣り情報提示画面の全体画面を示し、図9(B)は釣り情報提示画面の詳細画面を示す。
【0142】
図9(A)に示すように、全体画面では、地図上に、水中捕捉画像が撮像された位置(水中ドローン16の位置)を示すドット表示が行われる。より具体的には、釣り情報の需要者の要求(要求情報)に応じて、表示対象となる水中捕捉画像が抽出される。例えば、釣り情報の需要者の要求が「対象範囲:日本」、「対象物2の種類:全魚種」であった場合、サーバ3に記憶された水中捕捉画像のうち、該当する水中捕捉画像が抽出される。そして、抽出された水中捕捉画像に紐づけられた位置情報(緯度、経度)に対応する地図上の位置がドット表示される。したがって、釣り情報の需要者は、この全体画面を視認することで、自身が要求した対象範囲において、どの地点で水中捕捉画像が撮像されたか(言い換えると、どの地点で対象物2が仕掛け部17により捕捉されたのか)、その全体感を把握することができる。なお、ドット表示の色によって水中捕捉画像が撮像されたときの深度が示唆されるものとしてもよい。
【0143】
また、釣り情報の需要者は、図9(A)に示す全体画面において、例えばピンチアウト操作を行うことにより一部の領域を拡大表示して、図9(B)に示す詳細画面に切り替え表示可能である。
【0144】
図9(B)に示すように、詳細画面では、全体画面の一部が拡大表示されるので、釣り情報の需要者は、水中捕捉画像の位置を示すドット表示の一部に、所定のカーソルを合わせることができる。このように所定のカーソルを合わせると、カーソルが合わさった位置に対応する水中捕捉画像が画面右方にポップアップ表示される。そして、この水中捕捉画像には、緯度情報、経度情報、深度情報の位置情報が関連付けられているため、ポップアップ表示された水中捕捉画像の一部に重畳するように位置情報に対応した対応表示(例えば、位置情報を示す文字表示)が表示される。したがって、釣り情報の需要者は、この詳細画面によって、特定の地点における水中捕捉画像を確認することができるので、どの地点で、どのような対象物2が仕掛け部17により捕捉されたのか、あるいは、そのとき、どのような仕掛け部17であったのかを確認することができる。
【0145】
このように、第2実施形態では、釣り人により提供された水中捕捉画像及び該水中捕捉画像が撮像された位置情報に基づいて、釣り情報提示画面が提示されることにより、どのような対象物2がどの地点でどのように捕捉されたのかを確認することができ、今後の釣りに役立てることができる。
【0146】
ところで、従来から、釣り人に役立つ情報を提供するアプリケーションとして、釣り人から送信された釣り場のスポットの情報や、釣りあげた魚の情報などを提供するものが知られている。しかし、例えば、釣り場のスポットの情報は、陸上の釣り場の情報であって、実際に魚が釣り針に掛かったときの水中の位置情報ではないため、実際にはどこに釣り針を落とせばよいか分からないという課題がある。また、船上で釣りを行い、釣りあげた魚の情報を送信することで、船上の位置情報と、魚の情報とを提供することも考えられるが、このような場合、どの深度で魚が捕捉されたのか分からないし、魚が釣りあげられなかった場合には、魚の情報を提供することができないという課題がある。これに対して、上記した第2実施形態では、水中で仕掛け部17により対象物2が捕捉されたときの水中捕捉画像と、そのときの位置情報とが、累積的にサーバ3に記憶され、釣り情報提示画面として表示される。このため、実際に魚が釣りあげられたか否かにかかわらず、水中のどの位置であれば、対象物2が仕掛け部17に捕捉され易いか(つまり、魚が掛かり易いか)を把握することができ、釣り人に対してより実践的な情報を提供することができるので、釣りの興趣向上に役立てることができる。
【0147】
また、釣り情報の供給者の視点でみれば、水中捕捉装置1を用いて釣りを行い、対象物2を捕捉したとき、実際に釣り上げることができなかったとしても、水中捕捉画像を取得することができる。このため、釣りの習熟度(例えば、フッキングの技術)が低い釣り人であっても、水中で対象物2を捕捉したときの様子を、サーバ3に送信することができる。これにより、釣りの習熟度が低い釣り人であっても釣りの興趣を向上させることができ、新たな釣り需要を喚起することができる。
【0148】
以上のように、第2の実施形態によれば、サーバ3は、釣り情報として、対象物2が捕捉されたときの対象物2を含む水中捕捉画像と、そのときの対象物2の位置情報(正確には水中ドローン16の位置情報)を取得し、該水中捕捉画像を、位置情報と関連付けて釣り情報DB360に記憶し、該水中捕捉画像を、位置情報に対応した地図上の対応位置に提示する釣り情報提示画面を生成することができる。このため、水中のどの位置であれば、対象物2が捕捉され易いかを把握することができ、釣りの興趣向上に役立てることができる。
【0149】
また、水中捕捉画像には、対象物2を捕捉したときの仕掛け部17も表示されているので、釣り情報提示画面において表示される水中捕捉画像を確認することで、どの仕掛け部17のときに、どの対象物2を捕捉できたのかを確認することができる。
【0150】
また、釣り情報提示画面においてポップアップ表示される水中捕捉画像には、位置情報に対応した対応表示(例えば、位置情報を示す文字表示)が重畳表示される。このため、水中捕捉画像において表示されている対象物2がどの位置において捕捉されたものであるかを一目で確認することができる。
【0151】
また、サーバ3には、複数の釣り情報供給者から釣り情報としての水中捕捉画像が蓄積されていくので、調査用水中ドローンなど大掛かりなものを要することなく、水中の魚の様子を把握することができる。
【0152】
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明は、上記した第2実施形態に限定されるものではなく、以下の変形例のように変形してもよい。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で複数の変形例を組み合わせてもよい。
【0153】
(変形例)
上記した第2実施形態では、第1実施形態で用いた制御装置12(さらに言えば、水中捕捉装置1)が用いられるものとし、すなわち、第2実施形態は、第1実施形態と組み合わせて用いられるものとしたが、これに限るものではない。具体的には、第2実施形態では、第1実施形態の水中捕捉装置1を用いることなく、他の方法(例えば、ダイビング等)で水中捕捉画像及びそのときの位置情報を取得した釣り情報の供給者が、自身の端末等を用いてサーバ3に対して水中捕捉画像及び位置情報を送信するものとしてもよい。
【0154】
また、上記した第2実施形態では、釣り情報(水中捕捉画像等)は、釣り情報の提供者による制御装置12の操作に基づいて、サーバ3に送信されるものとしたが、これに限らず、制御装置12からサーバ3に対して自動的に送信されるものとしてもよい。具体的には、例えば、対象物2が捕捉されたタイミングで自動的に送信されるものとしてもよいし、釣り人による制御装置12に対する事前設定によって、対象物2が捕捉された後の所望の設定タイミングで自動的に送信されるものとしてもよい。
【0155】
また、上記した第2実施形態では、釣り情報の供給者は、制御装置12を用いて釣り情報をサーバ3に送信するものとした。このように、第2実施形態では、水中捕捉画像が記憶される制御装置12に釣り情報提示サービスのアプリケーションプログラムがインストールされているので、釣り情報の供給者は、同じ制御装置12を用いて即座に(例えば、水中捕捉画像を記録した直後に)水中捕捉画像をサーバ3に送信することができる。ただし、釣り情報の供給者は、制御装置12を用いるのではなく、制御装置12の記憶部124に記憶された水中捕捉画像を、例えば、自身の携帯端末に送信し、その後、自身の携帯端末に釣り情報提示サービスのアプリケーションプログラムをインストールし、自身の携帯端末から水中捕捉画像をサーバ3に送信するものとしてもよい。
【0156】
また、上記した第2実施形態において、釣り情報提示画面において水中捕捉画像はカテゴリ毎に表示されるものとしてもよい。例えば、サーバ3の釣り情報DB360に記憶されている位置情報に基づいて、水中捕捉画像を、深度毎に分類し、深度毎に対応する水中捕捉画像を表示するものとしてもよい。
【0157】
また、第1実施形態において説明した浮き15の位置情報に基づいて、浮き15の移動軌跡が記録されるものとして、当該移動軌跡の情報が釣り情報としてサーバ3に送信されるものとしてもよい。このようにすることで、釣り情報提示画面において対象物2を捕捉するまでの浮き15の移動軌跡を表示可能としてもよい。
【0158】
なお、釣り情報の供給者に対しては、釣り情報を提供した回数等に応じてポイントを付与するものとしてもよい。このポイントは、釣り情報提示サービスにおいて利用可能なものであってもよいし、外部サービスにおいて利用可能なものであってもよい。また、釣り情報を提供する際に、SNS(ソーシャルネットワークサービス)と連携するものとしてもよい。
【0159】
また、図8に示す釣り情報提示処理は、単なる例示であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、例えば各ステップの順番を入れ替えたり、他のステップが加えられたり、ステップの一部が省略されたりしてもよい。
【0160】
以上のように、本発明の第2実施形態及び変形例について説明したが、本発明の第2実施形態及び変形例には、以下に示す種々の構成が含まれる。
【0161】
すなわち、情報処理装置(例えば、サーバ3)は、水中の対象物が捕捉されたときの該対象物の位置情報と、該対象物を含む水中捕捉画像と、を取得する取得手段(例えば、釣り情報取得部311)と、前記取得手段により取得された前記水中捕捉画像を、前記位置情報と関連付けて記憶する記憶手段(例えば、釣り情報DB360)と、前記記憶手段に記憶された前記水中捕捉画像を、前記位置情報に対応した地図上の対応位置にて提示する提示画面(例えば、釣り情報提示画面)を生成する生成手段(例えば、釣り情報管理部312)と、を備える。このような構成によれば、水中のどの位置において対象物が捕捉され易いかを把握することができ、釣りの興趣向上に役立てることができる。
【0162】
前記水中捕捉画像は、前記対象物(例えば、対象物2)と、前記対象物を捕捉するための仕掛け部(例えば、仕掛け部17)と、を含む。このような構成によれば、どの仕掛け部のときに、どの対象物を捕捉できたのかを確認することができる。
【0163】
前記生成手段は、前記提示画面を生成するときに、前記水中捕捉画像の所定位置において前記位置情報に対応した対応表示を重畳表示させる。このような構成によれば、水中捕捉画像において表示されている対象物がどの位置において捕捉されたものであるかを一目で確認することができる。
【0164】
また、本発明は、情報処理方法や、情報処理プログラムに適用することもできる。
【0165】
以上、本発明について説明したが、上記説明は本発明の例示に過ぎず、種々の改良や変形が加えられてもよい。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる好適な効果を列挙しているに過ぎず、本発明による効果は、これに限られるものではない。
【符号の説明】
【0166】
1 水中捕捉装置
11 釣り竿
111 留め具
12 制御装置
121 電源部
122 通信部
123 制御部(CPU)
124 記憶部
125 表示部
126 操作部
127 センサ部
13 リール
14 ケーブル
15 浮き
151 電源部
152 通信部
153 制御部
154 記憶部
155 駆動部
156 調整部
157 位置検知部
16 水中ドローン
161 電源部
162 通信部
163 制御部
164 記憶部
165 撮像部
166 照明部
167 センサ部
17 仕掛け部
2 対象物
3 サーバ
4 ユーザ端末
【要約】
【課題】無人機を用いて水中の対象物が捕捉されたときに、対象物が捕捉されたときの水中画像を撮像するとともに、対象物が捕捉されたときの無人機の位置情報を取得可能な水中捕捉装置を提供すること。
【解決手段】水中捕捉装置は、浮き部と、水中を移動可能な機体と、浮き部と、機体と、を接続するケーブルと、水中の対象物を捕捉可能な捕捉部と、水中画像を撮像可能な撮像部と、機体の位置情報を取得可能な位置情報取得部と、を含み、機体は、自重によりケーブルを介して浮き部の略直下に配置可能であり、捕捉部は、機体に取り付けられ、撮像部は、機体において少なくとも捕捉部を撮像可能な位置に設けられ、位置情報取得部は、少なくとも捕捉部が対象物を捕捉したときの機体の位置情報を取得可能であり、位置情報は、機体の緯度及び経度の情報と、機体の水中における深度の情報と、を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9