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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】状態監視装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/12 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
H05K7/12 N
H05K7/12 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020090536
(22)【出願日】2020-05-25
(65)【公開番号】P2021190434
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515276750
【氏名又は名称】ノバルス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中塩 賀雄
(72)【発明者】
【氏名】荻澤 裕也
(72)【発明者】
【氏名】井上 真吾
(72)【発明者】
【氏名】金筒 崇宏
(72)【発明者】
【氏名】沖 誠人
(72)【発明者】
【氏名】山下 くらら
(72)【発明者】
【氏名】小山 和宏
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 俊隆
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 晋
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-045442(JP,A)
【文献】実開平04-105230(JP,U)
【文献】特開2018-153096(JP,A)
【文献】特開2015-111988(JP,A)
【文献】特開2019-054356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/12
H02B 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
状態監視装置に接続される機器の状態を表す状態信号を外部に通信する通信ユニットが配置される通信ユニット配置部と、
機器から入力される状態信号を状態信号の種類に応じて変更し通信ユニットへ出力するための中継基板と、
通信ユニットに電気的に接続する第一の接続部および第二の接続部と、
を備える機器の状態監視装置であって、
通信ユニット配置部の一方側に第一の接続部を備え、他方側に第二の接続部を備え
第一の接続部と第二の接続部の間に嵌め込むように通信ユニットを配置することで、通信ユニットと中継基板とを電気的に接続することが可能である状態監視装置。
【請求項2】
中継基板は、機器から受ける状態信号の種類に応じて、通信ユニットに送るパルスの発生回数又はパルス幅を定める請求項1に記載の状態監視装置。
【請求項3】
状態監視装置は、通信ユニット、中継基板、端子部を収納するケース本体と、機器からの配線に接続される端子部を有し、
上方から通信ユニット配置部、中継基板、端子部の順で配置される請求項1又は2に記載の状態監視装置。
【請求項4】
ケース本体の上端に、通信ユニット配置部、中継基板、端子部の上方を覆う庇部を備えた請求項3に記載の状態監視装置。
【請求項5】
電池を収納可能な電池収納部と、電池により給電される通信部と、を有する通信ユニットを備え、
前記通信ユニットは、外表面の一端に第一の接続部と接続する第一の外側端子を備えるとともに、外表面の他端に第二の接続部と接続する第二の外側端子を備え、
前記通信ユニットを、第一の接続部と第二の接続部で挟み込むように通信ユニット配置部に配置した請求項1から4の何れかに記載の状態監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続される機器の状態を監視するために用いられる状態監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、分電盤の内部に通信機器を設置することがなされている。分電盤の内部に設置される通信機器などを動かすには電力や信号が必要である。そこで従来は、分岐ブレーカに内蔵させたACアダプタを用いて、分電盤の内部に設置される通信機器(通信ユニット)に対して、電力供給を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-282801号公報
【0004】
しかしながら、通信機器(通信ユニット)と信号線を分離したり接続したりすることは考えられていないため、その作業を軽減するようなことは考慮されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、状態監視装置における通信ユニットの電気的接続を簡単にできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、状態監視装置に接続される機器の状態を表す状態信号を外部に通信する通信ユニットが配置される通信ユニット配置部と、機器から入力される状態信号を状態信号の種類に応じて変更し通信ユニットへ出力するための中継基板と、通信ユニットに電気的に接続する第一の接続部および第二の接続部と、を備える機器の状態監視装置であって、通信ユニット配置部の一方側に第一の接続部を備え、他方側に第二の接続部を備えた状態監視装置とする。
【0007】
また、中継基板は、機器から受ける状態信号の種類に応じて、通信ユニットに送るパルスの発生回数又はパルス幅を定める構成とすることが好ましい。
【0008】
また、状態監視装置は、通信ユニット、中継基板、端子部を収納するケース本体と、機器からの配線に接続される端子部を有し、上方から通信ユニット配置部、中継基板、端子部の順で配置されるものとすることが好ましい。
【0009】
また、ケース本体の上端に、通信ユニット配置部、中継基板、端子部の上方を覆う庇部を備えた構成とすることが好ましい。
【0010】
また、電池を収納可能な電池収納部と、電池により給電される通信部と、を有する通信ユニットを備え、前記通信ユニットは、外表面の一端に第一の接続部と接続する第一の外側端子を備えるとともに、外表面の他端に第二の接続部と接続する第二の外側端子を備え、前記通信ユニットを、第一の接続部と第二の接続部で挟み込むように通信ユニット配置部に配置した構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、状態監視装置における通信ユニットの電気的接続を簡単にできるようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態における状態監視装置の斜視図である。ただし、カバーは閉じている。
図2】実施形態における状態監視装置の斜視図である。ただし、カバーは開いている。
図3図1に示す状態監視装置からカバーを取り外した状態における正面図である。
図4図3に示す状態監視装置から通信ユニットなどを取り外した状態を示す分解斜視図である。
図5図4に示す中継基板などが納められたケース本体から中継基板などを取り外した状態を示す分解斜視図である。
図6図3に示す状態監視装置を外部の機器であるブレーカに接続した例を示す図である。
図7図1に示す状態監視装置をDINレールに取り付けた例を示す斜視図である。ただし、背面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1などに示されていることから理解されるように、本実施形態の状態監視装置1は、状態監視装置1に接続される機器71の状態を表す状態信号を外部に通信する通信ユニット8が配置される通信ユニット配置部11と、機器71から入力される状態信号を状態信号の種類に応じて変更し通信ユニット8へ出力する中継基板12と、通信ユニット8に電気的に接続する第一の接続部13および第二の接続部14と、を備えている。この状態監視装置1は、通信ユニット配置部11の一方側に第一の接続部13を備え、他方側に第二の接続部14を備えた構成としている。このため、通信ユニット配置部11に通信ユニット8を配置すれば、第一の接続部13と第二の接続部14に通信ユニット8が挟まれるような状態とすることができ、状態監視装置1における通信ユニット8の電気的接続が簡単にできる。
【0014】
ここで、図1などに示した状態監視装置1について説明する。この状態監視装置1は、分電盤の内部などに取り付けて使用されるのが主目的とされるものであり、通信ユニット8、中継基板12、端子部15、第一の接続部13、第二の接続部14、絶縁シート16、ケース本体17、カバー18、基板カバー19などを備えている。各種機器などが納められるケース本体17側には、通信ユニット8を収める通信ユニット配置部11、通信ユニット8に電気的に接続する第一の接続部13および第二の接続部14などを備えている。通信ユニット8を通信ユニット配置部11に配置する際には、この第一の接続部13と第二の接続部14の間に嵌め込むように通信ユニット8が配置される。この位置に通信ユニット8を嵌め込むようにすることで、通信ユニット8は中継基板12と電気的に接続される。なお、第一の接続部13および第二の接続部14の少なくとも一方を弾性変形可能に構成し、通信ユニット8を通信ユニット配置部11に配置した際に、第一の接続部13および第二の接続部14が密着するものとすることが好ましい。
【0015】
図2から図4に示した通信ユニット8は、電池91を収納可能な電池収納部81と、電池91から給電されることで動作し、外部と無線通信可能な通信部82を備えている。このため、停電時でも外部と通信することができる。この通信ユニット8は電池規格(「IEC 60086-1」、「JIS C 8500 一次電池通則」など)に準じた形状であり、一端側の面に第一の外側端子83を備え、その反対側の面に第二の外側端子84を備えている。第一の外側端子83は第一の接続部13と接触する部分であり、第二の外側端子84は第二の接続部14と接触する部分である。
【0016】
図4に示す例においては、通信ユニット8の上面に第一の外側端子83を備え、下面に第二の外側端子84を備えている。なお、第一の外側端子83は単一型の乾電池の正極側と同様の形状であり、略筒形状の突起部となっている。
【0017】
また、通信ユニット8は、電池91の正極端子部に接続される内側正極端子部(図示せず)と、電池91の負極端子部に接続される内側負極端子部(図示せず)とを備えている。内側正極端子部と内側負極端子部は、電池収納部81の端部にそれぞれ設けられ、電池収納部81に電池91が収納されたときに、電池91の正極端子部、負極端子部と接続される。
【0018】
ところで、実施形態では電池収納部81を通信ユニット8の外周面に設けているが、このようにすることで、電池容量の低下などに起因する電池91の交換を容易に行うことができる。また、電池収納部81を通信ユニット8の背面側(ケース本体17側)に設けることで、通信ユニット8をケース本体17に取り付けた状態とすれば電池収納部81が露出しないものとなるため、電池91の脱落を防ぐことができる。なお、実施形態では通信部82が状態監視装置1の正面側に位置しており、その背面側に電池収納部81が位置している。
【0019】
ところで、通信ユニット8は電池91を利用して外部装置に通信するものであるが、電池91から通信部82への給電は、通信部82が中継基板12から出力された信号を受けたときになされるようにすることが好ましい。このようにすれば、電池91の消費を抑えることができる。
【0020】
通信ユニット8は中継基板12から信号を受けるが、図5に示すことから理解されるように、実施形態の中継基板12は、外部の機器71と接続する配線72が接続される端子部15と、回路が適切な状態にあることを確認する際に用いられるテストスイッチ41と、中継基板12の設定を切り替えることが可能な切り替えスイッチ42を備えている。なお、実施形態の中継基板12は、正面側が基板カバー19により覆われている。
【0021】
図6に示すように、端子部15が機器71と接続されている状態であると、状態監視装置1は、機器71との間で接続された配線72を介して機器71の状態信号を受けることができる。状態監視装置1が、機器71から状態信号を受けた後、中継基板12は、その種類に応じた状態信号を通信ユニット8に向けて出力する。出力内容は、中継基板12が機器71から受ける信号によって定められるが、例えば、機器71から受ける信号によって、信号のパルス発生回数を増減させたり、パルス幅を変更したりするなど、信号のパルスを変更することにより、機器71の状態の違いを通信ユニット8に伝えるのが好ましい。パルスの発生回数又はパルス幅を定める場合には、何れかだけを定めても良いし、双方を定めても良い。
【0022】
ここで、機器71から信号を受けた中継基板12が通信ユニット8に向けて出力を行うまでの流れの例を示す。例えば、機器71の接点がオフ状態からオン状態に切り替わった場合、機器71がオンになったという状態信号を中継基板12が受けると、中継基板12は、パルス幅の短い信号(例えば数ms~十数ms)を通信ユニット8へ出力する。また、機器71の接点がオン状態からオフ状態に切り替わった場合、機器71がオフになったという状態信号を中継基板12が受けると、中継基板12は、パルスの長い信号(例えば数十ms以上)を、通信ユニット8へ出力する。このため、通信ユニット8は、中継基板12から出力される信号のパルス幅から、機器71の状態を判定することができ、その内容を外部装置へ通信することができる。
【0023】
また、例えば中継基板12でパルス回数が少ない信号(例えば、一定時間中に1回のパルス)と、パルス回数が多い信号(例えば、一定時間中に10回のパルス)などで機器71の状態を区別してもよい。なお、機器71の状態の違いを表す手段は、これらの例に限る必要は無い。
【0024】
中継基板12に備えられたテストスイッチ41は、中継基板12から通信ユニット8へ信号が出力され、通信部82から外部装置へ通信される動作が正常に行われるか否かをテストする際に利用されるものである。なお、中継基板12から通信ユニット8へ出力される信号は、テストであることが明確となるような信号に変更されて、出力されることが好ましい。
【0025】
中継基板12に備えられた切り替えスイッチ42は、機器71の種類などに応じて、中継基板12の設定を切り替えるためのスイッチである。例えば、端子部15に接続される機器71の接触形式がa接点であるか、b接点であるかによって、切り替えスイッチ42を切り替えれば、それに合わせた中継基板12の設定とすることができる。また、1台の状態監視装置1に複数台の機器71が接続された場合に、切り替えスイッチ42を操作することで、監視する機器71を切り替えることができるようにしてもよい。
【0026】
ところで、実施形態における端子部15は、通信ユニット8、中継基板12を収納するケース本体17に収納されている。なお、この例では端子部15は中継基板12に固定されている。端子部15は、機器71と配線72により接続され、機器71の状態信号を受ける。また、端子部15は複数の端子を備えている。実施形態においては、接触形式が異なる機器71により接続する端子を選択できる。また、端子部15に複数の機器71を接続できるようにすることで、複数の機器71の状態を監視できるようにしてもよい。
【0027】
実施形態における状態監視装置1は、上方から通信ユニット配置部11、中継基板12、端子部15の順で配置される。このため、状態監視装置1が横長になることを抑制することができる。また、機器71に繋がる配線72と端子部15の接続を状態監視装置1の下部側で行えるため、当該作業が容易となる。
【0028】
実施形態のケース本体17には、通信ユニット8の第一の外側端子83に接続される第一の接続部13と、通信ユニット8の第二の外側端子84に接続される第二の接続部14を含む接続部位21を備えている。この接続部位21は中継基板12にも接続される。実施形態においては、第一の接続部13は板状の金属を用いて構成されており、電線22により中継基板12と接続されている。第二の接続部14は弾性変形可能ならせん状の金属を用いて構成されている。
【0029】
実施形態においては、第一の接続部13と中継基板12を接続する電線22が配置される空間と通信ユニット8を配置する空間を区画するように絶縁シート16を配置している。この絶縁シート16により、両者が互いに電気的な影響を与えないように絶縁することができる。
【0030】
実施形態においては、通信ユニット8、中継基板12、端子部15、第一の接続部13、第二の接続部14、絶縁シート16などがケース本体17に収納されているが、このケース本体17の上端には、前方に延びる庇部51が形成されている。この庇部51は、通信ユニット8、中継基板12、端子部15などを上方から覆い、防水及び防塵の効果を向上させる。
【0031】
実施形態のケース本体17は正面側が解放されている。この部分を覆うことができるようケース本体17には、カバー18が取り付けられている。実施形態のカバー18はケース本体17の上方の側面で回動可能に軸支されており、通信ユニット8などが外部から視認できる状態と視認できない状態を選択することができる。
【0032】
なお、状態監視装置1は、背面を固定に用いることができる。図6及び図7に示す例では、ケース本体17にネジ穴53を二つ備えており、このネジ穴53を利用してネジ54で取り付けることができる。また、図7に示す例では、ケース本体17の背面に磁石56を設けており、この磁石56を用いて、固定することもできる。また、図7に示す例では、ケース本体17背面に凹形状のDINレール取付部58が設けられており、このDINレール取付部58を利用して、DINレール93に取り付けている。
【0033】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 状態監視装置
8 通信ユニット
11 通信ユニット配置部
12 中継基板
13 第一の接続部
14 第二の接続部
15 端子部
17 ケース本体
71 機器
81 電池収納部
82 通信部
83 第一の外側端子
84 第二の外側端子
91 電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7