(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】包装搬送装置および包装搬送方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/54 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
B65B43/54 P
(21)【出願番号】P 2020186259
(22)【出願日】2020-11-09
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】河田 学
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-294726(JP,A)
【文献】特開平08-133237(JP,A)
【文献】特開2019-099385(JP,A)
【文献】特許第6155406(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装を個々に把持しつつ搬送路に沿ってリニアモータにより搬送する装置であって、
一つの前記搬送路の方向に並び、前記搬送路の方向に移動可能
な前記リニアモータにおける
複数の可動子と、
前記可動子との間で電磁的相互作用を受け、前記搬送路に沿って形成される前記リニアモータにおける固定子と、を備え、
前記包装のうち第1の包装の前記搬送路の方向における両側の端部が一対の第1のグリッパにより把持され、前記第1の包装よりも前記搬送路から離れた位置で前記第1の包装に対して並列に配置される前記包装のうち第2の包装の前記搬送路の方向における両側の端部が一対の第2のグリッパにより把持されるものとして
、
複数の
前記可動子には、
前記第1の包装の前記搬送路の方向における前側の端部を把持する前記第1のグリッパ、および前記第2の包装の前側の端部を把持する前記第2のグリッパを支持する前側の可動子と、
前記第2の包装の前記搬送路の方向における後側の端部を把持する前記第1のグリッパ、および前記第2の包装の後側の端部を把持する前記第2のグリッパを支持する後側の可動子と、が含まれ、
前記前側の可動子および前記後側の可動子の少なくとも一方は、
前記第1のグリッパを支持する第1の支持部と、
前記第2のグリッパを支持し、前記第1の支持部に対して傾動可能に設けられる第2の支持部と、
前記第2の支持部を前記一対の第2のグリッパが離隔する向きに引っ張る弾性体と、を備える、包装搬送装置。
【請求項2】
前記前側の可動子および前記後側の可動子の少なくとも一方は、
前記第1の支持部に沿って延びた姿勢が前記第2の支持部の基準姿勢であるとして、
前記基準姿勢から、前記一対の第2のグリッパが互いに離隔する向きへと前記第2の支持部が傾動することを規制するストッパを備え、
前記第2の支持部は、前記基準姿勢から、前記弾性体の弾性力に抗して前記一対の第2のグリッパが互いに近接する向きへと傾動可能である、
請求項1に記載の包装搬送装置。
【請求項3】
前記前側の可動子および前記後側の可動子の少なくとも一方は、
前記第1の支持部、前記第2の支持部、および前記弾性体に加え、
前記第1の支持部に対して前記第2の支持部を傾動させる操作が可能なレバーを備える、
請求項1または2に記載の包装搬送装置。
【請求項4】
前記可動子は、
前記搬送路に移動可能に設けられる可動子本体と、
前記可動子本体に対して前記搬送路から離れる向きに突出する前記第1の支持部と、
前記第1の支持部よりも前記搬送路から離れる向きに突出する前記第2の支持部と、
前記第1の支持部に対して前記第2の支持部を傾動可能に取り付ける関節と、
前記第1の支持部および前記第2の支持部に沿って配置される前記弾性体としてのばねと、を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の包装搬送装置。
【請求項5】
前記グリッパは、
前記包装を表裏両側から挟み込んで把持する一対の挟持片を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の包装搬送装置。
【請求項6】
複数の
前記可動子のそれぞれの位置を制御可能な制御部を備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の包装搬送装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の包装搬送装置を用いて前記包装を搬送する方法であって、
前記一対の第1のグリッパにより前記第1の包装を把持するステップと、
前記前側の可動子および前記後側の可動子が相対的に離れる向きに駆動されることで前記第1の包装に張力を付与するステップと、
前記弾性体の弾性力に抗して前記第2の支持部を前記第1の支持部に対して前記一対の第2のグリッパが近接する向きに傾動させた状態で前記一対の第2のグリッパにより前記第2の包装を把持するステップと、
前記弾性体の弾性力により前記第2の包装に張力を付与するステップと、を備える、
包装搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばパウチ等の包装を把持して搬送する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパウチ(パウチ包装)や、袋体等の包装入り製品は、包装が搬送される間に、充填用の開口部を通じて包装に内容物を充填する処理、および開口部を封止する処理を経て製造される。なお、充填前の包装は、例えば、2枚のフィルムが、周縁に沿って、開口部を残して熱融着されてなる。
かかる包装入り製品の製造ラインには、例えば、特許文献1に示すように、包装を把持するグリッパが取り付けられた複数の可動子を電磁作用により周回軌道に沿って移動させる搬送装置が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように一対のグリッパにより包装を両側から把持する場合は、例えば、充填に先立ち包装の開口部を開く際には、一対のグリッパを近接させることで、包装を両側から中央に向けて押して開口部を開く。充填後、開口部を封止する際には、封止箇所に皺が出来ないように、包装の幅に相応の距離で離れた一対のグリッパにより包装を両側から引っ張って平坦な形状に保つ。
【0005】
グリッパに把持されている包装の姿勢、形状は、包装の寸法形状の公差や供給時の位置精度等に起因してばらつく可能性がある。封止等の処理を安定して行うため、可動子の位置制御により一対のグリッパの間隔を調整して個々の包装の姿勢、形状を一定の基準に維持しようとすれば、特許文献1および
図10Aに示すように、可動子91とグリッパ93とを1対1で対応させるとよい。
しかしながら、
図10Aに示すように可動子とグリッパとを1対1で対応させると、
図10Bに示すように単一の可動子91に複数のグリッパ931,932を与え、一対の可動子91により複数の包装941,942を把持する場合と比べ、同一の処理能力下において長い搬送路を要する。
図10Bに示す構成によると、搬送路長を抑えることはできても、一対のグリッパ931の間隔と、一対のグリッパ932の間隔とを個別に調整することができないので、包装941,942に個別に張力を付与することはできない。一方、
図10Aに示す構成によると、搬送路長が長いので、搬送装置の製造コストが増大する上、搬送装置の設置に必要なスペースが増大してしまう。また、
図10Bの構成と比べて可動子の数が多いことによってもコストが増大する。
【0006】
以上より、本開示は、搬送路長を抑えつつ、グリッパにより把持された包装の姿勢、形状を安定させることが可能な包装搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る包装搬送装置は、包装を個々に把持しつつ搬送路に沿って搬送する装置であって、搬送路の方向に並び、搬送路の方向に移動可能な複数の可動子を備える。第1の包装の搬送路の方向における両側の端部が一対の第1のグリッパにより把持され、第1の包装よりも搬送路から離れた位置で第1の包装に対して並列に配置される第2の包装の搬送路の方向における両側の端部が一対の第2のグリッパにより把持されるものとする。
複数の可動子には、第1の包装の搬送路の方向における前側の端部を把持する第1のグリッパ、および第2の包装の前側の端部を把持する第2のグリッパを支持する前側の可動子と、第2の包装の搬送路の方向における後側の端部を把持する第1のグリッパ、および第2の包装の後側の端部を把持する第2のグリッパを支持する後側の可動子と、が含まれる。
前側の可動子および後側の可動子の少なくとも一方は、第1のグリッパを支持する第1の支持部と、第2のグリッパを支持し、第1の支持部に対して傾動可能に設けられる第2の支持部と、第2の支持部を一対の第2のグリッパが離隔する向きに引っ張る弾性体と、を備える。
【0008】
また、本開示に係る包装搬送方法は、上述の包装搬送装置を用いて包装を搬送する方法であって、一対の第1のグリッパにより第1の包装を把持するステップと、前側可動子および後側可動子が相対的に離れる向きに駆動されることで第1の包装に張力を付与するステップと、弾性体の弾性力に抗して第2の支持部を第1の支持部に対して一対の第2のグリッパが近接する向きに傾動させた状態で一対の第2のグリッパにより第2の包装を把持するステップと、弾性体の弾性力により第2の包装に張力を付与するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、前側可動子と後側可動子とが相対的に離れる向きに駆動されることで一対の第1のグリッパに把持した第1の包装に必要な張力を付与することができることに加えて、第2の支持部を基準姿勢よりも内向き(一対の第2のグリッパが互いに近接する向き)に弾性体の弾性力に抗して傾動させた状態で第2のグリッパにより把持した第2の包装にも、内向きの姿勢に維持される第2の支持部を介して第2の包装に作用する弾性力により、必要な張力を付与することができる。
図10Bに示す比較例とは異なり、第1の包装および第2の包装に個別に張力が付与される結果、第1の包装および第2の包装のいずれの姿勢、形状をも安定させることができるので、その後に行われる充填や密封等の処理の際にも、包装の姿勢、形状が安定している。そのため、これらの処理を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態に係る包装搬送装置を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す可動子および搬送対象であるパウチを示す平面図である。
【
図3】
図2のIII矢印の向きから可動子およびパウチを示す側面図である。
【
図5】グリッパの挟持片の開閉、およびパウチの姿勢、形状の例を示す模式図である。
【
図6】第2パウチに対する把持および張力付与を説明するための図である。
【
図7】第1パウチに対する把持および張力付与を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、実施形態について説明する。
〔全体の概略構成〕
図1に示す包装搬送装置1は、周回軌道を有する搬送路2と、搬送路2に沿って移動可能な複数の可動子10と、可動子10の走行を制御する制御部3とを備えている。
包装搬送装置1は、搬送路2と可動子10との間の電磁的相互作用により可動子10を走行させるリニアモータ式の搬送装置である。包装搬送装置1は、可動子10に備わるグリッパ13によりパウチ包装4(以下、パウチ4)を個々に把持しつつ搬送路2に沿って搬送する。
【0012】
〔パウチ〕
パウチ4は、フィルム状、あるいはシート状の柔軟な素材から、例えば飲料や食料、医薬品等の内容物を充填可能な袋状の形態に形成されている。パウチ4は、一例として、
図4に示すように、重ね合わせられたフィルム素材41A,41Bから平坦に形成されている。重ねられたフィルム素材41A,41Bの周縁は、内容物の充填前は、開口部42を残して三辺に沿って、加熱および加圧により融着(熱融着)されることで封止されている。内容物の充填後、開口部42も熱融着により封止されることで、パウチ4は密閉される。
その他、パウチ4は、底部あるいは両サイドが内側に折り込まれることで、充填後に立体的な形状をなすものであってもよい。また、パウチ4は、フィルム素材に加えて、開口部に挿入されるスパウトと呼ばれる筒体を備えていてもよい。
【0013】
〔搬送路〕
搬送路2は、直線状の平行な直線路21,23と、直線路21,23を繋ぐ円弧状に湾曲した湾曲路22,24とを備え、全体として略楕円形状を呈している。搬送路2には、可動子10の永久磁石に対して電磁的に作用する図示しない電磁コイルが設けられている。制御部3は、搬送路2の電磁コイルを流れる電流を制御することで、各可動子10の位置および速度等を個別に制御可能である。
【0014】
〔可動子の基本的構成〕
複数の可動子10は、搬送路2の方向に並び、搬送路2を循環する。可動子10の移動に伴い、各パウチ4が直線路21、湾曲路22、および直線路23の順に搬送される間に、各パウチ4に対する充填や密閉等の処理が行われる。それらの処理を終えたパウチ4は、直線路23から図示しない下流の装置へと移送される。
【0015】
各可動子10は、
図2および
図3に一例を示すように、搬送路2の方向に移動可能な可動子本体11と、可動子本体11に設けられて搬送路2から離れる向きに突出したアーム状の支持体12と、支持体12に支持されパウチ4の端部4Eを把持するグリッパ13とを備えている。
また、各可動子10は、湾曲路22,24を移動中に支持体12を可動子本体11に対して傾転させる機構(図示しない)を備えている。この傾転機構により、可動子10が搬送路2を周回する間に亘り、パウチ4を把持したグリッパ13を支持する一対の支持体12を互いに平行に保つことができる。そのため、湾曲路22,24においてもパウチ4はグリッパ13から外れない。
【0016】
可動子本体11は、搬送路2を構成する部材に係合し、搬送路2の方向に並んでいる。可動子本体11には、図示しない永久磁石が設けられている。
本実施形態の搬送路2の略楕円形の軌道は、水平な同一面上に設置されている。この搬送路2から支持体12が水平方向に突出している。搬送路2の方向に隣接する支持体12の間にパウチ4が配置される。
【0017】
支持体12は、グリッパ13の支持に足りる剛性を備えた適宜な金属や樹脂等の材料から構成することができる。例えばアルミニウム合金を支持体12に用いることにより軽量化を図ることで、可動子本体11に加えられる負荷を小さくすることができる。
本実施形態では、ブロック状に形成された可動子本体11に支持体12が接合されているが、その限りではない。可動子本体11が、グリッパ13を支持する部分を含めて一体に形成されていてもよい。
【0018】
グリッパ13は、パウチ4を表裏両側から挟み込む一対の板状の挟持片131と、一対の挟持片131の間を
図5に示すように開閉させる図示しない駆動機構とを備えている。一対の挟持片131のそれぞれの先端部131Aは、パウチ4を挟持片131間にガイドするためにテーパ状に形成されている。
挟持片131は、パウチ4の把持に必要な剛性を備えた鋼材等の金属材料から形成されている。
パウチ4は、搬送路2の方向に互いに対向して設けられた一対のグリッパ13により、両側の端部4Eが把持された状態で、開口部42の位置する上端部4Uを上方に向けて吊り下げられる。パウチ4を安定して吊り下げ、かつ開口部42からの充填や、開口部42の密閉の処理を安定して行うため、グリッパ13によりパウチ4を重心よりも上方で把持することが好ましい。
【0019】
〔パウチの姿勢、形状〕
図示しない供給機構によりグリッパ13にパウチ4が供給される。そのパウチ4を、仮に、搬送路2の方向に一定の間隔に制御されるグリッパ13により把持するとすれば、各パウチ4の寸法形状の公差により、グリッパ13により把持されているパウチ4の姿勢、形状を安定させることが難しい。
【0020】
図5には、一対のグリッパ13が一定間隔に制御される場合に、それら一対のグリッパ13により把持されているパウチ4の形状が、鉛直方向に対して平行な基準の面に一致して平坦な場合と(
図5の中段)、基準の面に対して湾曲している場合(
図5の下段)とを模式的に示している。
【0021】
基準の面に対するパウチ4の変位は、パウチ4の公差によるばかりではなく、搬送時にパウチ4に加えられる振動によっても生じる。密閉等の処理時にパウチ4の姿勢、形状を安定させるため、各パウチ4のそれぞれに適度な張力を付与するとよい。
【0022】
〔一対の可動子からなる移動体〕
図2および
図3は、搬送路2に配置される可動子群の一部として、一対をなす前側可動子10Fおよび後側可動子10Rを示している。
本明細書において、前側Fおよび後側Rは、搬送路2の方向に従う。
搬送路2の方向をxで示し、可動子本体11から水平方向に支持体12が突出する方向をyで示し、鉛直方向をzで示す。y方向は、パウチ4の平面に対して直交する方向に相当する。上述のパウチ4の基準面は、x方向およびz方向に延在する面に相当する。
【0023】
本実施形態において、前側可動子10Fと後側可動子10Rとは、それぞれの支持体12の間の中心線Lに対して対称に形成されている。こうした対称形状の前側可動子10Fおよび後側可動子10Rにより、パウチ4を両側から安定して支持することができる。
【0024】
本実施形態は、搬送路2の方向に並ぶ前側の可動子10Fおよび後側の可動子10Rと、これら前側可動子10Fおよび後側可動子10Rにそれぞれ支持される一対の第1グリッパ13-1と、同じく前側可動子10Fおよび後側可動子10Rにそれぞれ支持される一対の第2グリッパ13-2とを備えた移動体を採用している。
上述のグリッパ13は、パウチ4-1を相対的に搬送路2に近い位置で把持する一対の第1グリッパ13-1と、別のパウチ4-2を相対的に搬送路2から遠い位置で把持する一対の第2グリッパ13-2とに区別される。
【0025】
第2グリッパ13-2の位置は、第1グリッパ13-1の位置よりも、搬送路2からy方向に離れている。第1グリッパ13-1と第2グリッパ13-2とのy方向の間隔は、各パウチ4に対する処理に支障のないよう適宜に設定される。
【0026】
一対の第1グリッパ13-1により第1パウチ4-1が把持され、一対の第2グリッパ13-2により第2パウチ4-2が把持される。第1パウチ4-1および第2パウチ4-2は、搬送路2に沿って並列に配置される。
第1パウチ4-1および第2パウチ4-2のそれぞれの幅は、同一である。但し、同一に限られるものではない。
【0027】
本実施形態では、パウチ4-1,4-2が並列に配置され、かつ並列のパウチ4-1,4-2がまとめて一対の可動子10F,10Rにより搬送される。そのため、
図10Aのように包装94が直列に配置される場合に同数の包装の搬送に要する搬送路長および可動子91の数と比べて、搬送路長を短く、可動子10の数を少なくすることができる。
したがって、同一の搬送能力下、搬送路長を抑えて包装搬送装置1の製造コストおよび設置スペースの削減を図ることができる。
【0028】
一対の第1グリッパ13-1のうち、前側Fの第1グリッパ13-1は、第1パウチ4-1の前側Fの端部4Eを把持し、後側Rの第1グリッパ13-1は、第1パウチ4-1の後側Rの端部4Eを把持する。
以下、前側Fの第1グリッパ13-1のことを13-1Fと称し、後側Rの第1グリッパ13-1のことを13-1Rと称する場合がある。
【0029】
同様に、一対の第2グリッパ13-2のうち、前側Fの第2グリッパ13-2は、第2パウチ4-2の前側Fの端部4Eを把持し、後側Rの第2グリッパ13-2は、第2パウチ4-2の後側Rの端部4Eを把持する。
以下、前側Fの第2グリッパ13-2のことを13-2Fと称し、後側Rの第2グリッパ13-2のことを13-2Rと称する場合がある。
【0030】
〔パウチの姿勢、形状を安定させるための構造〕
張力の付与により各パウチ4に規定の姿勢、形状を安定して与えることができるように、本実施形態は、下記の構造を採用する。
前側可動子10Fおよび後側可動子10Rのそれぞれに備わる支持体12は、第1支持部12-1と第2支持部12-2とに区分されている。そして、第1グリッパ13-1を支持する第1支持部12-1に対して第2支持部12-2が傾動可能となっている。第1支持部12-1は、第1グリッパ13-1を支持し、第2支持部12-2は、第2グリッパ13-2を支持する。第2支持部12-2は、弾性体としてのばね14により、一対の第2グリッパ13-2が離隔する向きに引っ張られる。
【0031】
それぞれが前側Fに位置する第1支持部12-1、第2支持部12-2、およびコイルばね14のことを12-1F、12-2F、14Fと称し、それぞれが後側Rに位置する第1支持部12-1、第2支持部12-2、およびコイルばね14のことをそれぞれ12-1R、12-2R、14Rと称する場合がある。以下に述べるストッパ15やレバー16等についても同様である。
【0032】
搬送路2の方向に並び、対をなす可動子10が第1支持部12-1、第2支持部12-2、および弾性体14を備えていることにより、後述するように、並列に配置されるパウチ4-1,4-2にそれぞれ適切な張力を付与することができ、それによってパウチ4-1,4-2のいずれについても姿勢、形状を安定させることができる。
【0033】
なお、対をなす前側可動子10Fおよび後側可動子10Rの少なくとも一方が、第1支持部12-1、第2支持部12-2、および弾性体14を備えていれば足りる。
図9には、前側可動子10Fおよび後側可動子10Rの一方(ここでは前側可動子10F)のみが、第1支持部12-1、第2支持部12-2、および弾性体14を備えている例を示している。後側可動子10Rに備わる支持体12は、第1支持部と第2支持部とに区分されておらず、先端側が基端側に対して傾動することもない。
【0034】
本実施形態において、前側可動子10Fおよび後側可動子10Rはそれぞれ、第1支持部12-1、第2支持部12-2、および弾性体14に加え、第2支持部12-2の傾動を規制するストッパ15と、第2支持部12-2を傾動させる操作が可能なレバー16とを備えていることが好ましい。
【0035】
以下、前側Fの構成を例に取り、第1支持部12-1、第2支持部12-2、ばね14、ストッパ15、およびレバー16のより具体的な構成を説明する。
【0036】
(第1支持部)
第1支持部12-1Fは、基端部が可動子本体11Fに設けられており、可動子本体11Fに対して搬送路2から離れる向き(y方向)に突出している。なお、変形例として、第1支持部12-1Fが搬送路2に対して傾斜した状態に可動子本体11Fから突出していてもよい。
【0037】
(第2支持部およびばね)
第2支持部12-2Fは、第1支持部12-1Fに対して、関節120を介して傾動可能に支持されている。関節120は、第1支持部12-1Fの先端部および第2支持部12-2Fの基端部に設けられている。第2支持部12-2Fは、第1支持部12-1Fよりも搬送路2から離れる向きに突出している。
【0038】
ばね14Fは、引張コイルばねであり、第2支持部12-2Fを一対の第2グリッパ13-2F,13-2Rが離隔する向きに引っ張る。
ばね14Fは、第1支持部12-1Fの先端部付近に設けられた保持部141Fと、第2支持部12-2Fの先端部付近に設けられた保持部142Fとの間に、第1支持部12-1Fおよび第2支持部12-2Fに沿って保持されている。また、ばね14Fは、第1支持部12-1Fおよび第2支持部12-2Fよりも前方に配置されている。
第2支持部12-2Fは、ばね14Fにより第1支持部12-1Fに支持されることで、第1支持部12-1Fの延長線上にほぼ沿って維持される。このように第2支持部12-2Fが第1支持部12-1Fに沿って延びた姿勢を第2支持部12-2の「基準姿勢」と称する。
図2に、第2支持部12-2の基準姿勢を一点鎖線で示す。
【0039】
(ストッパ)
第2支持部12-2Fの基準姿勢を超えて、一対の第2グリッパ13-2F,13-2Rが離隔する向きへと第2支持部12-2Fを傾動させようとすると、ストッパ15Fに第2支持部12-2Fが突き当てられることで、それ以上に第2支持部12-2Fが傾動することが規制される。ストッパ15Fは、例えば、板状に形成され、第1支持部12-1Fの前方側面の上部に取り付けられる取付部151と、第1支持部12-1Fの前方側面から上方へ突出した規制部152とを備えている。第2支持部12-2Fの前方側面に対向する規制部152により、第2支持部12-Fの傾動が規制される。
【0040】
第2支持部12-2Fは、基準姿勢から(より厳密には、ストッパ15Fに突き当たった状態から)、一対の第2グリッパ13-2F,13-2Rが互いに近接する向きへと傾動可能である。
また、一対の第2グリッパ13-2F,13-2Rが互いに近接する向きへと傾動した状態から基準姿勢まで、第2支持部12-2Fは、一対の第2グリッパ13-2F,13-2Rが互いに離隔する向きへと傾動可能である。
以下、一対の第2グリッパ13-2F,13-2Rが互いに近接する向きを「内向き」と称し、第2支持部12-2F,12-2Rが基準姿勢を超えないことを限度として互いに離隔する向きを「外向き」と称することがある。
ストッパ15Fは、第2グリッパ13-2F,13-2Rにパウチ4が把持されていないときに第2支持部12-2Fが基準姿勢に対して外向きに倒れないように、第2支持部12-2Fの位置を基準姿勢に制限する。
【0041】
(レバー)
レバー16Fは、第1支持部12-1Fに対して第2支持部12-2Fを傾動させるために操作される。例えば図示しない駆動機構により搬送路2から離れる向きに移動した押圧板17Fによりレバー16Fを押すことで、ばね14の弾性力に抗してレバー16Fを関節120の軸を中心として
図2における反時計周りに回動させると、第2支持部12-2Fも関節120の軸を中心として反時計回りに、つまり内向きに傾動する。
レバー16Fの先端には、押圧板17Fに対して回転しながら接触するローラが設けられていることが好ましい。
【0042】
それぞれが後側Rに位置する第1支持部12-1R、第2支持部12-2R、ばね14R、ストッパ15R、およびレバー16R等の構成は、前側Fの構成と中心線Lに対して対称に与えられているので、説明を省略する。
【0043】
レバー16F,16Rの操作により第2支持部12-2F,12-2Rが内向きに傾動すると、第2グリッパ13-2F,13-2Rの間隔が、第2支持部12-2F,12-2Rが基準姿勢にあるときの間隔と比べて例えば0.1~数mm程度狭まる。この状態で第2パウチ4-2を第2グリッパ13-2F,13-2Rにより把持した後、レバー16F,16Rに対して押圧板17F,17Rをそれぞれ退避させると、ばね14F,14Rの弾性力により第2支持部12-2F,12-2Rが外向きに傾動して第2グリッパ13-2F,13-2Rの間隔が広がるのに伴い第2パウチ4-2が両側に引っ張られる結果、第2パウチ4-2に幅方向の張力が付与される。
【0044】
〔第1、第2パウチに対する張力付与〕
制御部3による可動子本体11Fおよび可動子本体11Rの駆動制御により、第1グリッパ13-1F,13-1Rにより把持される第1パウチ4-1に張力を付与することができる。
一方、第2グリッパ13-2F,13-2Rにより把持される第2パウチ4-2には、第2支持部12-2F,12-2Rをそれぞれ支持するばね15F,15Rの弾性力により張力を付与することができる。
【0045】
以下、図示しない供給機構により第1グリッパ13-1および第2グリッパ13-2にそれぞれ供給されるパウチ4-1,4-2に対する張力付与について、手順の一例を示しつつ、より具体的に説明する。
まず、
図6を参照し、第2パウチ4-2に対する把持および張力付与を説明する。
図6に示すように、押圧板17Fによりレバー16Fを押すとともに、押圧板17Rによりレバー16Rを押すことで、ばね14F,14Rの引張力に抗して第2支持部12-2F,12-2Rを互いに内向きに、例えば、基準姿勢に対して角度αだけ傾動させる。このとき、制御部3による位置制御により、可動子本体11Fと可動子本体11Rとの間に所定の距離D
x0が与えられている。可動子本体11F,11Rは、供給機構によるパウチ4の供給箇所に対して位置決めされている。
そして、第2支持部12-2F,12-2Rが内向きに傾動した状態で、かつ、第2グリッパ13-2F,13-2Rのいずれも挟持片131が開いた状態で、第2パウチ4-2を一対の挟持片131間に挿入した後、挟持片131を閉じることにより、第2パウチ4-2を第2グリッパ13-2F,13-2Rにより把持する(第2パウチ把持ステップS1)。
【0046】
次いで、押圧板17F,17Rをレバー16F,16Rに対して退避させることで第2支持部12-2F,12-2Rへの外力印加を停止すると、ばね14F,14Rの弾性力により、第2パウチ4-2に幅方向の張力が付与される(第2パウチ張力付与ステップS2)。
このとき、第2パウチ4-2の張力により、第2支持部12-2F,12-2Rは、基準姿勢に対して内向きに傾動した状態に維持される。
【0047】
次に、
図7を参照し、第1パウチ4-1に対する把持および張力付与を説明する。
第1グリッパ13-1F,13-1Rのそれぞれの挟持片131を開いて第1パウチ4-1を挟持片131間に挿入した後、挟持片131を閉じることにより、第1パウチ4-1を第1グリッパ13-1F,13-1Rにより把持する(第1パウチ把持ステップS3)。
【0048】
次いで、制御部3による駆動制御により、可動子本体11Fおよび可動子本体11Rを搬送路2の方向へ相対的に離れる向きに駆動することで、第1グリッパ13-1F,13-1Rにより把持された第1パウチ4-1に張力を付与する(第1パウチ張力付与ステップS4)。
このとき制御部3は、可動子本体11Fと可動子本体11Rとが相対的に離れるように、例えば、可動子本体11Fおよび可動子本体11Rの少なくとも一方に関して位置制御指令を発する。
【0049】
以上で述べたステップS1~S4を通じて、基本的に、可動子本体11Fと可動子本体11Rとの距離は一定であり、第2支持部12-2F,12-2Rの基準姿勢に対する内向きの傾斜角度も一定である。第2支持部12-2F,12-2Rが近接方向に傾動しているため、第2グリッパ13-2F,13-2Rの間隔は、平行に延びた第1支持部12-1F,12-1Rに設けられている第1グリッパ13-1F,13-1Rの間隔と比べて狭い。そのため、第2パウチ4-2は、第1パウチ4-1と比べて第2パウチ4-2の幅方向のより深い位置まで第2グリッパ13-2の挟持片131間に把持される。
【0050】
ステップS1~S4によれば、各パウチ4-1,4-2の公差や供給時の位置精度によらず、第1グリッパ13-1および第2グリッパ13-2により把持されているパウチ4-1および第2パウチ4-2のいずれに対しても一定以上の張力を付与することができる。
各パウチ4-1,4-2への張力付与は、可動子10F,10Rの停止中に限らず、可動子10F,10Rの移動中にも行うことができる。一対の可動子10F,10Rが搬送路2を移動している間は、可動子10F,10Rの間に速度差を与えることにより、可動子10F,10Rが相対的に離れる向きに駆動されることとなる。
【0051】
可動子本体11F,11Rの距離D
x0(
図6)、第1グリッパ13-1および第2グリッパ13-2のそれぞれの基端部131Bのx方向の長さL
G、第2支持部12-2の基準姿勢に対する傾斜角度α等は、適宜に決められる。
【0052】
例えば、第1パウチ4-1の幅が公差や供給時の位置精度の範囲の最小であっても最大であっても第1パウチ4-1を把持でき、第1パウチ4-1に必要な張力が付与されるように、かつ、第2パウチ4-2の幅が公差の最小であっても最大であっても第2パウチ4-2を把持でき、かつ、第2パウチ4-2に必要な張力が付与されるように、距離Dx0、および第1、第2グリッパ13-1,13-2のそれぞれの基端部131Bのx方向の長さLG、および第2支持部12-2F,12-2Rの傾斜角度αが決められる。
第1グリッパ13-1は、第1パウチ4-1への張力付与時に当該パウチ4-1がグリッパ13-1に対して滑らないように、第1パウチ4-1を十分な把持力により把持している。同様に、第2グリッパ13-2も、第2パウチ4-2を十分な把持力により把持している。
なお、パウチ4-1,4-2の若干の滑りは許容される。
【0053】
上記の手順の例とは異なり、第1パウチ4-1の把持および張力付与(
図7のS3,S4)の後、第2パウチ4-2の把持および張力付与(
図6のS1,S2)を行う場合も、上記の手順例による作用と基本的に同様である。
この場合は、第2パウチ4-2が第2グリッパ13-2に供給されていない状態で、第1パウチ4-1を第1グリッパ13-1に把持し(第1パウチ把持ステップS3)、制御部3により可動子本体11F,11Rを相対的に離れる向きに駆動することによって、第1パウチ4-1に張力を付与する(第1パウチ張力付与ステップS4)。
【0054】
その後、第2支持部12-2に外力を加えて第2支持部12-2を内向きに傾動させ、第2グリッパ13-2に供給された第2パウチ4-2を第2グリッパ13-2の挟持片131の間に把持する(第2パウチ把持ステップS1)。
上記のように、第1、第2パウチ4-1,4-2のうち、搬送路2に相対的に近い第1パウチ4-1を先に把持した後、第2パウチ4-2を把持することによれば、搬送路2に向けてy方向に沿ってパウチ4-1,4-2が対応するグリッパ13-1,13-2へ供給される場合において、先に把持されているパウチ4-1に他のパウチ4-2が干渉することなく、第1パウチ4-1および第2パウチ4-2を対応するグリッパ13-1,13-2に順次把持させることに支障ない。
もっとも、各パウチ4-1,4-2がグリッパ13-1,13-2へ供給される向きは、y方向およびz方向を問わず、適宜に設定することができる。例えば、第1パウチ4-1および第2パウチ4-2のいずれも、鉛直方向(z方向)の上方から供給することができる。そうした場合は、第1パウチ4-1および第2パウチ4-2の対応するグリッパ13-1,13-2への把持の順序を選ばない。
【0055】
上記のように第2グリッパ13-2により第2パウチ4-2を把持した後、第2支持部12-2への外力印加を解除すると、第2パウチ4-2には、第2支持部12-2を介して作用するばね14の弾性力により張力が付与される(第2パウチ張力付与ステップS2)。
【0056】
第1パウチ4-1への張力付与と、第2パウチ4-2への張力付与とを同時に行うことも可能である。つまり、ステップS1,S2(
図6)と、ステップS3,S4(
図7)とを並行して行うことができる。
【0057】
なお、
図9に示す変形例によっても、本実施形態の上述のステップS1,S2,S3,S4と同様に、可動子本体11F,11Rを互いに離れる向きに駆動し、かつ、前側Fの構造においてばね14Fの弾性力を、傾動した第2支持部12-2Fを介して第2パウチ4-2に作用させることにより、本実施形態と同様に、第1パウチ4-1および第2パウチ4-2のそれぞれに必要な張力を付与することができる。
【0058】
〔本実施形態の効果〕
以上で説明した本実施形態によれば、可動子本体11Fと可動子本体11Rとを相対的に離れる向きに駆動することで、一対の第1グリッパ13-1に把持した第1パウチ4-1に必要な張力を付与することができる。加えて、第2支持部12-2を基準姿勢よりも内向きに傾動させた状態で第2グリッパ13-2により把持した第2パウチ4-2にも、内向きの姿勢に維持される第2支持部12-2を介在したばね14の弾性力により、必要な張力を付与することができる。
【0059】
上述のステップS1~S4を経て第1パウチ4-1および第2パウチ4-2に個別に張力が付与される結果、第1パウチ4-1および第2パウチ4-2のいずれも、姿勢、形状が安定している。その後、
図8の充填ステップS5に示すように、可動子本体11Fと可動子本体11Rとを近接させることで、第1パウチ4-1および第2パウチ4-2のそれぞれの開口部42を開いた際にも、各パウチ4-1,4-2の姿勢、形状が安定している。そのため、開口部42を通じて各パウチ4-1,4-2に内容物を充填する処理を安定して行うことができる。
【0060】
続いて、
図8の密閉ステップS6に示すように、可動子本体11Fと可動子本体11Rとを離隔させた際にも、第1パウチ4-1および第2パウチ4-2のいずれも、張力の付与された平坦な姿勢、形状に安定する。そのため、各パウチ4-1,4-2のそれぞれの開口部42を金型18で挟み、封止箇所に皺を発生させずに、熱融着により包装を確実に密閉することができる。
【0061】
上記以外にも、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
本開示における搬送対象たる包装は、パウチには限られず、例えば、樹脂製の袋体であってもよい。
【0062】
〔付記〕
以上で説明した包装搬送装置および包装搬送方法は、以下を開示する。
(1)包装4を個々に把持しつつ搬送路2に沿って搬送する装置1は、搬送路2の方向に並び、搬送路2の方向に移動可能な複数の可動子10を備える。第1の包装4-1の搬送路2の方向における両側の端部4Eが一対の第1のグリッパ13-1により把持され、第1の包装4-1よりも搬送路2から離れた位置で第1の包装4-1に対して並列に配置される第2の包装4-2の搬送路2の方向における両側の端部4Eが一対の第2のグリッパ13-2により把持される。
複数の可動子10には、第1の包装4-1の搬送路2の方向における前側の端部を把持する第1のグリッパ13-1、および第2の包装4-2の前側の端部を把持する第2のグリッパ13-2を支持する前側の可動子10Fと、第2の包装4-2の搬送路2の方向における後側の端部を把持する第1のグリッパ13-1、および第2の包装4-2の後側の端部を把持する第2のグリッパ13-2を支持する後側の可動子10Rと、が含まれる。
前側の可動子10Fおよび後側の可動子10Rの少なくとも一方は、第1のグリッパ13-1を支持する第1の支持部12-1と、第2のグリッパ13-2を支持し、第1の支持部12-1に対して傾動可能に設けられる第2の支持部12-2と、第2の支持部12-2を一対の第2のグリッパ13-2が離隔する向きに引っ張る弾性体14と、を備える。
(2)前側の可動子10Fおよび後側の可動子10Rの少なくとも一方は、第1の支持部12-1に沿って延びた姿勢が第2の支持部12-2の基準姿勢であるとして、基準姿勢から、一対の第2のグリッパ13-2が互いに離隔する向きへと第2の支持部12-2が傾動することを規制するストッパ15を備え、第2の支持部12-2は、基準姿勢から、弾性体14の弾性力に抗して一対の第2のグリッパ13-2が互いに近接する向きへと傾動可能であることが好ましい。
(3)前側の可動子10Fおよび後側の可動子10Rの少なくとも一方は、第1の支持部12-1、第2の支持部12-2、および弾性体14に加え、第1の支持部12-1に対して第2の支持部12-2を傾動させる操作が可能なレバー16を備えることが好ましい。
(4)可動子10は、搬送路2に移動可能に設けられる可動子本体11と、可動子本体11に対して搬送路2から離れる向きに突出する第1の支持部12-1と、第1の支持部12-1よりも搬送路2から離れる向きに突出する第2の支持部12-2と、第1の支持部12-1に対して第2の支持部12-2を傾動可能に取り付ける関節120と、第1の支持部12-1および第2の支持部12-2に沿って配置される弾性体としてのばね14と、を備えることが好ましい。
(5)グリッパ13は、包装4を表裏両側から挟み込んで把持する一対の挟持片131を含むことが好ましい。
(6)包装搬送装置1は、複数の可動子10のそれぞれの位置を制御可能な制御部3を備えることが好ましい。
(7)本開示の包装搬送方法は、上述の包装搬送装置1を用いて包装を搬送する方法であって、一対の第1のグリッパ13-1により第1の包装4-1を把持するステップS3と、前側の可動子10Fおよび後側の可動子10Rが相対的に離れる向きに駆動されることで第1の包装4-1に張力を付与するステップS4と、弾性体14の弾性力に抗して第2の支持部12-2を第1の支持部12-1に対して一対の第2のグリッパ13-2が近接する向きに傾動させた状態で一対の第2のグリッパ13-2により第2の包装4-2を把持するステップS1と、弾性体14の弾性力により第2の包装4-2に張力を付与するステップS2と、を備える。
【符号の説明】
【0063】
1 包装搬送装置
2 搬送路
3 制御部
4 パウチ(包装)
4E 端部
4U 上端部
10 可動子
10F 前側可動子
10R 後側可動子
11,11F,11R 可動子本体
12 支持体
12-1 第1支持部
12―2 第2支持部
13 グリッパ
13-1 第1グリッパ
13-2 第2グリッパ
14,14F,14R ばね(弾性体)
15,15F,15R ストッパ
16,16F,16R レバー
17F,17R 押圧板
18 金型
21,23 直線路
22,24 湾曲路
41A,41B フィルム素材
42 開口部
91 可動子
93,931,932 グリッパ
94,941,942 包装
120,120F,120R 関節
131 挟持片
131A 先端部
131B 基端部
141F 保持部
142F 保持部
151 取付部
152 規制部
Dx0 距離
α 傾斜角度
F 前側
R 後側
L 中心線
LG 長さ
S1 第2パウチ把持ステップ
S2 第2パウチ張力付与ステップ
S3 第1パウチ把持ステップ
S4 第1パウチ張力付与ステップ
S5 充填ステップ
S6 密閉ステップ