(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】二次電池の加圧装置および加圧方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20240528BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20240528BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20240528BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/058
H01M50/202 501P
(21)【出願番号】P 2022527873
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(86)【国際出願番号】 KR2021001568
(87)【国際公開番号】W WO2021162361
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0017844
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュン ピル
(72)【発明者】
【氏名】キム、イエ エウン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェオン ベオム
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/052094(WO,A1)
【文献】特開2018-006223(JP,A)
【文献】特開2013-211206(JP,A)
【文献】特開2015-179566(JP,A)
【文献】特開2001-297798(JP,A)
【文献】国際公開第2020/004343(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/058
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体およびパウチを含む二次電池が配置される配置部材と、
前記配置部材に配置された二次電池を加圧する加圧部材とを含み、
前記加圧部材は、
前記配置部材に配置された前記二次電池のパウチ中の前記電極組立体が収容された前記パウチの収容部を加圧する収容部加圧ジグと、
前記配置部材に配置された前記二次電池のパウチ中の前記収容部の周面に沿って形成されたシール部を加圧するシール部加圧ジグとを含み、
前記シール部加圧ジグは、前記シール部と対応する前記収容部加圧ジグの表面に結合され、前記収容部加圧ジグから伝達される加圧力により前記シール部を加圧し、
前記シール部加圧ジグは、複数の加圧ブロックが組み立てられて形成され
、
前記シール部加圧ジグは、電極リードが引き出された前記二次電池に備えられた前記パウチの一面を除いた3面を同時に加圧する「コ」字形状を有するか、又は、前記電極リードが引き出された前記二次電池に備えられたパウチの一面を含んだ4面を同時に加圧する「□」形状を有する、二次電池加圧装置。
【請求項2】
前記複数の加圧ブロックは、前記収容部加圧ジグに結合される第1加圧ブロック、前記シール部を加圧する第2加圧ブロック、および前記第1加圧ブロックと前記第2加圧ブロックとの間に配置される1つ以上の第3加圧ブロックを含む、請求項1に記載の二次電池加圧装置。
【請求項3】
前記第1および第2加圧ブロックは、前記第3加圧ブロックよりも大きい剛性を有する、請求項2に記載の二次電池加圧装置。
【請求項4】
前記第3加圧ブロックは、弾性復原力を有する素材からなる、請求項3に記載の二次電池加圧装置。
【請求項5】
前記シール部を加圧する前記第2加圧ブロックの加圧面は、前記シール部を多段に加圧するように複数の加圧突起が形成される、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の二次電池加圧装置。
【請求項6】
前記シール部加圧ジグは、前記収容部加圧ジグに着脱可能に結合される、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の二次電池加圧装置。
【請求項7】
前記シール部加圧ジグは、前記収容部加圧ジグの中心に向かう方向または反対方向に位置調節可能に結合される、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の二次電池加圧装置。
【請求項8】
前記パウチの収容部を加圧する収容部加圧ジグの加圧面には、前記パウチの収容部を弾力的に加圧する弾性部材を含む、請求項2に記載の二次電池加圧装置。
【請求項9】
電極組立体およびパウチを含む二次電池を配置部材に配置する配置ステップと、
前記配置部材に配置された二次電池を加圧部材により加圧する加圧ステップとを含み、
前記加圧ステップは、
前記配置部材に配置された二次電池のパウチ中の前記電極組立体が収容された前記パウチの収容部を前記加圧部材の収容部加圧ジグにより加圧する第1加圧工程と、
前記配置部材に配置された二次電池のパウチ中の前記収容部の周面に沿って形成されたシール部を前記加圧部材のシール部加圧ジグにより加圧する第2加圧工程とを含み、
前記シール部加圧ジグは、前記シール部と対応する前記収容部加圧ジグに結合され、前記収容部加圧ジグから伝達される加圧力により前記シール部を加圧し、
前記配置ステップと前記加圧ステップとの間には、複数の加圧ブロックを順次組み立てて前記シール部加圧ジグを組み立てる組み立てステップをさらに含
み、
前記シール部加圧ジグは、電極リードが引き出された前記二次電池に備えられた前記パウチの一面を除いた3面を同時に加圧する「コ」字形状を有するか、又は、前記電極リードが引き出された前記二次電池に備えられたパウチの一面を含んだ4面を同時に加圧する「□」形状を有する、二次電池加圧方法。
【請求項10】
前記組み立てステップは、前記シール部と対応する面積を有する複数の加圧ブロックを準備し、前記複数の加圧ブロックは、第1加圧ブロック、第2加圧ブロック、および1つ以上の第3加圧ブロックを含む、請求項9に記載の二次電池加圧方法。
【請求項11】
前記組み立てステップは、前記第1加圧ブロックを前記収容部加圧ジグに結合し、前記シール部を加圧する前記第2加圧ブロックを前記第1加圧ブロックの外側に配置した後、前記第1および第2加圧ブロックの間に1つ以上の第3加圧ブロックを配置してシール部加圧ジグを組み立てる、請求項10に記載の二次電池加圧方法。
【請求項12】
前記第1および第2加圧ブロックは、前記第3加圧ブロックよりも大きい剛性を有する素材から製造され、
前記第3加圧ブロックは、弾性復原力を有する素材から製造される、請求項11に記載の二次電池加圧方法。
【請求項13】
前記組み立てステップと前記加圧ステップとの間には、前記シール部加圧ジグを前記収容部加圧ジグに結合する結合ステップをさらに含み、
前記結合ステップは、前記配置部材に配置されたパウチのシール部と対応する収容部加圧ジグの表面にシール部加圧ジグを配置した後、ボルトを前記シール部加圧ジグの表面に形成された長孔を貫通させシール部加圧ジグに結合して、シール部加圧ジグを収容部加圧ジグに結合し、前記長孔内で前記ボルトを移動させて前記シール部加圧ジグの位置を調節する、請求項12に記載の二次電池加圧方法。
【請求項14】
前記加圧ステップは、前記パウチの収容部を加圧する前記収容部加圧ジグの加圧面に、前記パウチの収容部を弾力的に加圧する弾性部材を結合する工程をさらに含む、請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の二次電池加圧方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年02月13日付けの韓国特許出願第10-2020-0017844号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、二次電池を加圧する二次電池の加圧装置および加圧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電および放電が可能な電池をいい、かかる二次電池は、フォン(Phone)、ノートブックコンピュータ、およびカムコーダなどの先端電子機器分野で広く用いられている。
【0003】
前記二次電池は、缶型二次電池と、パウチ型二次電池に分類され、前記パウチ型二次電池は、電極組立体、電解液、および電極組立体と電解液を収容するパウチを含む。そして、前記電極組立体は、電極とセパレータが交互に積層される構造を有する。そして、パウチは、電極組立体を収容する収容部と、収容部をシールするシール部とを含む。
【0004】
一方、前記二次電池は、性能の向上と寿命の延長のために均一な圧力で加圧されるが、この際、前記二次電池は、前記パウチの内部に発生したガス圧によりパウチのシール部がベント(vent)されるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題を解決するために発明されたものであり、本発明は、二次電池を加圧する際、パウチに含まれたシール部をともに加圧することで、パウチに含まれた収容部に発生したガス圧により前記シール部がベントされるのを防止することができ、これにより、二次電池を安定的に加圧して性能の向上および寿命を延長させることができる、二次電池の加圧装置および加圧方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するための本発明の二次電池加圧装置は、電極組立体およびパウチを含む二次電池が配置される配置部材と、前記配置部材に配置された二次電池を加圧する加圧部材とを含み、前記加圧部材は、前記配置部材に配置された前記二次電池のパウチ中の前記電極組立体が収容された前記パウチの収容部を加圧する収容部加圧ジグと、前記配置部材に配置された前記二次電池のパウチ中の前記収容部の周面に沿って形成されたシール部を加圧するシール部加圧ジグとを含み、前記シール部加圧ジグは、前記シール部と対応する前記収容部加圧ジグの表面に結合され、前記収容部加圧ジグから伝達される加圧力により前記シール部を加圧してもよい。
【0007】
前記シール部加圧ジグは、前記シール部と対応する面積を有する複数の加圧ブロックが組み立てられて形成されてもよい。
前記複数の加圧ブロックは、前記収容部加圧ジグに結合される第1加圧ブロック、前記シール部を加圧する第2加圧ブロック、および前記第1加圧ブロックと前記第2加圧ブロックとの間に配置される1つ以上の第3加圧ブロックを含んでもよい。
【0008】
前記第1および第2加圧ブロックは、前記第3加圧ブロックよりも大きい剛性を有してもよい。
前記第3加圧ブロックは、弾性復原力を有する素材からなってもよい。
【0009】
前記シール部を加圧する前記第2加圧ブロックの加圧面は、前記シール部を多段に加圧するように複数の加圧突起が形成されてもよい。
前記シール部加圧ジグは、前記収容部加圧ジグに着脱可能に結合されてもよい。
【0010】
前記シール部加圧ジグは、前記収容部加圧ジグの中心に向かう方向または反対方向に位置調節可能に結合されてもよい。
前記パウチの収容部を加圧する収容部加圧ジグの加圧面には、前記パウチの収容部を弾力的に加圧する弾性部材を含んでもよい。
【0011】
一方、本発明の二次電池加圧方法は、電極組立体およびパウチを含む二次電池を配置部材に配置する配置ステップ(S10)と、前記配置部材に配置された二次電池を加圧部材により加圧する加圧ステップ(S20)とを含み、前記加圧ステップ(S20)は、前記配置部材に配置された二次電池のパウチ中の前記電極組立体が収容された前記パウチの収容部を前記加圧部材の収容部加圧ジグにより加圧する第1加圧工程と、前記配置部材に配置された二次電池のパウチ中の前記収容部の周面に沿って形成されたシール部を前記加圧部材のシール部加圧ジグにより加圧する第2加圧工程とを含み、前記シール部加圧ジグは、前記シール部と対応する前記収容部加圧ジグに結合され、前記収容部加圧ジグから伝達される加圧力により前記シール部を加圧してもよい。
【0012】
前記配置ステップ(S10)と前記加圧ステップ(S20)との間には、前記シール部加圧ジグを組み立てる組み立てステップ(S15)をさらに含み、前記組み立てステップ(S15)は、前記シール部と対応する面積を有する複数の加圧ブロックを準備し、前記複数の加圧ブロックは、第1加圧ブロック、第2加圧ブロック、および1つ以上の第3加圧ブロックを含んでもよい。
【0013】
前記組み立てステップ(S15)は、前記第1加圧ブロックを前記収容部加圧ジグに結合し、前記シール部を加圧する前記第2加圧ブロックを前記第1加圧ブロックの外側に配置した後、前記第1および第2加圧ブロックの間に1つ以上の第3加圧ブロックを配置してシール部加圧ジグを組み立ててもよい。
【0014】
前記第1および第2加圧ブロックは、前記第3加圧ブロックよりも大きい剛性を有する素材から製造され、前記第3加圧ブロックは、弾性復原力を有する素材から製造されてもよい。
【0015】
前記組み立てステップ(S15)と前記加圧ステップ(S20)との間には、前記シール部加圧ジグを前記収容部加圧ジグに結合する結合ステップ(S17)をさらに含み、前記結合ステップ(S17)は、前記配置部材に配置されたパウチのシール部と対応する収容部加圧ジグの表面にシール部加圧ジグを配置した後、ボルトを前記シール部加圧ジグの表面に形成された長孔を貫通させシール部加圧ジグに結合して、シール部加圧ジグを収容部加圧ジグに結合し、前記長孔内で前記ボルトを移動させて前記シール部加圧ジグの位置を調節してもよい。
【0016】
前記加圧ステップ(S20)は、前記パウチの収容部を加圧する前記収容部加圧ジグの加圧面に、前記パウチの収容部を弾力的に加圧する弾性部材を結合する工程をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の二次電池加圧装置は、配置部材および加圧部材を含み、この際、前記加圧部材は、収容部加圧ジグおよびシール部加圧ジグを含むことに特徴を有する。かかる特徴により、パウチの収容部およびシール部を同時に加圧することができ、それにより、収容部に発生したガス圧によりシール部がベントされるのを防止することができる。その結果、二次電池の性能および寿命を安定的に向上させることができる。
【0018】
また、本発明の二次電池加圧装置において、シール部加圧ジグは、複数の加圧ブロックが組み立てられて形成されることに特徴を有する。かかる特徴により、パウチのシール部の高さと同一にシール部加圧ジグを組み立てることができ、それにより、互換性を高めることができる。
【0019】
また、本発明の二次電池加圧装置において、複数の加圧ブロックは、第1および第2加圧ブロックと、それらの間に配置される第3加圧ブロックとを含み、この際、前記第1および第2加圧ブロックは、第3加圧ブロックよりも大きい剛性を有することに特徴を有する。かかる特徴により、シール部を加圧するシール部加圧ジグの加圧面が変形されるのを防止することができ、それにより、パウチのシール部を安定的に加圧することができる。
【0020】
また、本発明の二次電池加圧装置において、第3加圧ブロックは、弾性復原力を有する素材からなることに特徴を有する。かかる特徴により、パウチのシール部を弾力的に加圧することができ、その結果、シール部が毀損されるのを防止することができる。
【0021】
また、本発明の二次電池加圧装置において、シール部を加圧する第2加圧ブロックの加圧面には、複数の加圧突起が形成されることに特徴を有する。かかる特徴により、パウチのシール部を多段に加圧することができ、その結果、シール部のベントを顕著に防止することができる。
【0022】
また、本発明の二次電池加圧装置において、シール部加圧ジグは、収容部加圧ジグに着脱可能に結合されることに特徴を有する。かかる特徴により、メンテナンスの容易性を高めることができ、多様な大きさおよび面積を有するシール部加圧ジグを取り替えることができるため互換性を高めることができる。
【0023】
また、本発明の二次電池加圧装置において、パウチの収容部を加圧する収容部加圧ジグの加圧面には、弾性部材が備えられることに特徴を有する。かかる特徴により、前記パウチの収容部を弾力的に加圧することができ、特に収容部の毀損および跡の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧装置を示した分離斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧装置のシール部加圧ジグを示した分離斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧装置の収容部加圧ジグとシール部加圧ジグの結合構造を示した斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧方法を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧方法における弾性部材を示した断面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る二次電池加圧装置を示した断面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る二次電池加圧装置を示した断面図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る二次電池加圧装置の他の実施形態を示した断面図である。
【
図11】本発明の第4実施形態に係る二次電池加圧装置を示した斜視図である。
【
図12】本発明の第5実施形態に係る二次電池加圧装置を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施形態を詳しく説明する。但し、本発明は、種々の他の形態で実現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面上、本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書の全体をわたって類似した部分に対しては類似した図面符号を付した。
【0026】
[本発明の二次電池]
本発明の二次電池10は、
図1に示されているように、電極組立体11、前記電極組立体11を収容するパウチ12、および前記電極組立体11に連結され、先端が前記パウチの外に引き出される電極リード13を含む。
【0027】
前記電極組立体11は、電極とセパレータが交互に積層される構造を有し、前記パウチ12は、前記電極組立体11を収容する収容部12aと、前記収容部12aの周面に沿って備えられ、前記収容部12aを密封するシール部12bとを含む。
【0028】
一方、上記のような構造を有する二次電池10は、電池の性能および寿命の延長のために均一な圧力で加圧されるが、この際、本出願の第1実施形態に係る加圧装置を用いる。特に、本出願の第1実施形態に係る加圧装置は、パウチ12の収容部12aおよびシール部12bをともに加圧し、これにより、二次電池の加圧時にシール部12bがベントされるのを防止することができる。その結果、二次電池10を均一に加圧して電池の性能および寿命を向上させることができる。
【0029】
以下、本出願の第1実施形態に係る二次電池加圧装置を詳しく説明する。
[本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧装置]
本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧装置100は、
図1~
図5に示されているように、電極組立体11およびパウチ12を含む二次電池10が配置される配置部材110と、前記配置部材110に配置された二次電池10に向かって移動可能に備えられ、前記配置部材110に配置された二次電池10を加圧する加圧部材120とを含む。
【0030】
ここで、前記加圧部材120は、パウチ12の収容部12aおよびシール部12bをともに加圧し、これにより、収容部12aに発生したガス圧によりシール部12bがベント(vent)されるのを防止することができる。すなわち、加圧部材120は、シール部12bを加圧してシール部12bのシール力を増大させ、これにより、収容部12aに発生したガス圧によりシール部12bがベント(vent)されるのを防止することができる。
【0031】
一例として、前記加圧部材120は、前記配置部材110に配置された前記二次電池10のパウチ12中の前記電極組立体11が収容された前記パウチ12の収容部12aを加圧する収容部加圧ジグ121と、前記配置部材110に配置された前記二次電池10のパウチ12中の前記収容部12aの周面に沿って形成されたシール部12bを加圧するシール部加圧ジグ122とを含む。
【0032】
これにより、前記加圧部材120は、収容部加圧ジグ121およびシール部加圧ジグ122を介して、パウチ12の収容部12aおよびシール部12bをともに加圧することができる。その結果、シール部12bのシール力を増大させ、収容部12aに発生したガス圧によりシール部12bがベントされるのを防止することができる。
【0033】
一方、前記シール部加圧ジグ122は、前記シール部12bと対応する前記収容部加圧ジグ121の表面に結合される。これにより、前記シール部加圧ジグ122は、前記収容部加圧ジグ121から伝達される加圧力により、前記シール部12bを加圧することができる。
【0034】
一方、前記シール部加圧ジグ122は、前記シール部12bと対応する面積を有する複数の加圧ブロックが組み立てられて形成される。すなわち、複数の加圧ブロックは、
図3で見た際、上下方向に結合され、シール部加圧ジグ122として組み立てられる。これにより、毀損または変形が発生した加圧ブロックのみを取り替えて再使用することができ、特にシール部12bの高さに合わせてシール部加圧ジグ122の高さを調節することができるため互換性を高めることができる。すなわち、複数の加圧ブロックは、シール部12bと同じ高さに調節してもよく、シール部12bよりも小さい高さに調節してもよく、シール部12bよりも大きい高さに調節してもよい。
【0035】
一方、複数の加圧ブロックは、互いに結合される溝および突起を有するレゴブロック形態を有し、これにより、組み立ておよび分解の便宜性を高めることができる。すなわち、互いに結合される1つの加圧ブロックの結合面に結合溝が形成され、他の1つの加圧ブロックの結合面に、前記結合溝に結合される結合突起が形成される。ここで、組み立てられた複数の加圧ブロックは、容易に分離しないように接着剤123により接着されてもよい。
【0036】
一方、前記複数の加圧ブロックは、前記収容部加圧ジグ121に結合される第1加圧ブロック122a、前記シール部12bを加圧する第2加圧ブロック122b、および前記第1加圧ブロック122aと前記第2加圧ブロック122bとの間に配置される1つ以上の第3加圧ブロック122cを含む。すなわち、前記複数の加圧ブロックは、
図3を参照すると、第1加圧ブロック122a、1つ以上の第3加圧ブロック122c、および第2加圧ブロック122bが上下方向に沿って順次結合される。
【0037】
ここで、前記第1加圧ブロック122aおよび第2加圧ブロック122bは、前記第3加圧ブロック122cよりも大きい剛性を有する。これにより、前記第1加圧ブロック122aを前記収容部加圧ジグ121に効果的に結合することができ、第2加圧ブロック122bを介してシール部12bを効果的に加圧することができ、1つ以上の第3加圧ブロック122cを介して、第1加圧ブロック122aまたは第2加圧ブロック122bから伝達される加圧力を効果的に吸収して均一な加圧力を維持させることができる。
【0038】
特に前記第3加圧ブロック122cは、弾性復原力を有する素材である合成樹脂からなる。これにより、第1加圧ブロック122aまたは第2加圧ブロック122bから伝達される加圧力を効果的に吸収することができる。
【0039】
一方、前記シール部加圧ジグ122は、前記収容部加圧ジグ121に着脱可能に結合される。すなわち、前記収容部加圧ジグ121に形成された長孔121aを貫通するボルト121bを前記シール部加圧ジグ122に結合すると、前記シール部加圧ジグ122と前記収容部加圧ジグ121を結合することができ、前記ボルト121bを外すと、前記シール部加圧ジグ122と前記収容部加圧ジグ121を分離することができる。
【0040】
一方、前記シール部加圧ジグ122は、前記収容部加圧ジグ121の中心に向かう方向または反対方向に位置調節可能に結合される。すなわち、前記収容部加圧ジグ121に形成された長孔121aは前記収容部加圧ジグ121の中心に向かう方向に長く形成され、前記ボルト121bを前記長孔121a内で移動させると、前記ボルト121bと連動して前記シール部加圧ジグ122を前記収容部加圧ジグ121の中心に向かう方向または反対方向に移動させることができ、その結果、前記シール部加圧ジグ122の位置を調節することができる。
【0041】
かかる構造を有する前記シール部加圧ジグ122は、パウチのシール部を効果的に加圧することができ、使用便宜性を高めることができ、多様な大きさの二次電池に互換性があるように使用することができる。
【0042】
したがって、本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧装置100は、配置部材110および加圧部材120を含むことで、二次電池10に含まれたパウチ12の収容部12aおよびシール部12bをともに加圧することができる。これにより、シール部12bのシール力を増大させ、収容部12aに発生したガス圧によりシール部12bがベントされるのを防止することができる。
【0043】
以下、本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧装置を用いた加圧方法を説明する。
[本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧方法]
本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧方法は、
図6に示されているように、電極組立体11およびパウチ12を含む二次電池10を配置部材110に配置する配置ステップ(S10)と、加圧部材120のシール部加圧ジグ122を組み立てる組み立てステップ(S15)と、加圧部材120のシール部加圧ジグ122と収容部加圧ジグ121を結合する結合ステップ(S17)と、前記配置部材110に配置された二次電池10を加圧部材120により加圧する加圧ステップ(S20)とを含む。
【0044】
配置ステップ
配置ステップ(S10)は、配置部材110の上面に二次電池10を配置する。
一方、二次電池10は、電極組立体11と、前記電極組立体11を収容するパウチ12とを含む。ここで、前記パウチ12は、電極組立体11を収容する収容空間が形成されたケースと、前記ケースに結合される蓋とを含む。かかる構造を有するパウチ12は、電極組立体をケースの収容空間に収容した状態で蓋を結合する。すると、電極組立体を収容する収容部12aと、収容部12aをシールするシール部12bとが形成されたパウチ12を製造することができる。
【0045】
かかる二次電池10を配置部材110の上面に配置するが、この際、前記蓋が配置部材110に支持されるように二次電池10を配置する。
【0046】
組み立てステップ
組み立てステップ(S15)は、前記シール部12bと対応する面積を有する複数の加圧ブロックを準備した後、複数の加圧ブロックを順次組み立ててシール部加圧ジグ122を完成する。一例として、前記複数の加圧ブロックは、第1加圧ブロック122a、第2加圧ブロック122b、および1つ以上の第3加圧ブロック122cを含む。このように準備された第1加圧ブロック122aは、前記収容部加圧ジグ121に結合されるものとして最上端に配置し、第2加圧ブロック122bは、前記シール部12bを加圧するためのものとして最下端に配置し、1つ以上の第3加圧ブロック122cは、第1加圧ブロック122aと第2加圧ブロック122bとの間に配置する。
【0047】
ここで、前記第1および第2加圧ブロック122a、122bは、前記第3加圧ブロック122cよりも大きい剛性を有する素材から製造される。これにより、シール部加圧ジグ122を収容部加圧ジグ121に安定的に結合することができ、シール部12bを安定的に加圧することができる。また、前記第3加圧ブロック122cは、弾性復原力を有する素材から製造される。これにより、シール部12bを弾力的に加圧してシール部12bの毀損を防止することができる。
【0048】
結合ステップ
結合ステップ(S17)は、シール部加圧ジグ122を収容部加圧ジグ121に結合する。すなわち、前記結合ステップ(S17)は、前記配置部材110に配置されたパウチ12のシール部12bと対応する収容部加圧ジグ121の表面にシール部加圧ジグ122を配置する。次に、ボルト121bを前記収容部加圧ジグ121の表面に形成された長孔121aを貫通させた後、シール部加圧ジグ122に結合する。すると、シール部加圧ジグ122と収容部加圧ジグ121が結合されることで、加圧部材120が完成される。
【0049】
この際、前記長孔121a内で前記ボルト121bを移動させると、前記シール部加圧ジグ122の位置を調節することができる。
【0050】
加圧ステップ
前記加圧ステップ(S20)は、前記配置部材110に配置された二次電池10に向かって加圧部材120を下降させ、前記配置部材110に配置された二次電池10を加圧する。すなわち、前記加圧ステップ(S20)は、前記配置部材110に配置された二次電池10のパウチ12中の前記電極組立体11が収容された前記パウチ12の収容部12aを前記加圧部材120の収容部加圧ジグ121により加圧する第1加圧工程と、前記配置部材110に配置された二次電池10のパウチ12中の前記収容部12aの周面に沿って形成されたシール部12bを前記加圧部材120のシール部加圧ジグ122により加圧する第2加圧工程とを含む。
【0051】
一方、前記シール部加圧ジグ122は、前記シール部12bと対応する前記収容部加圧ジグ121に結合されることで、前記収容部加圧ジグ121から伝達される加圧力により前記シール部12bを加圧する。これにより、シール部12bのシール力を大幅に向上させることができ、その結果、収容部12a内に発生したガス圧によりシール部12bがベントされるのを防止することができる。
【0052】
一方、前記加圧ステップ(S20)は、
図7に示されているように、シール部12bを加圧する前に、パウチ12の収容部12aを加圧する前記収容部加圧ジグ121の加圧面に弾性力を有する弾性部材130を結合する。これにより、前記パウチの収容部12aを弾力的に加圧することができ、その結果、収容部12aの毀損および跡の発生を防止することができる。
【0053】
一方、前記加圧ステップ(S20)は、弾性部材130をパウチの収容部またはシール部に付着してもよく、これにより、パウチの収容部およびシール部をより弾力的に加圧することができる、よって、本発明の第1実施形態に係る二次電池加圧方法は、二次電池の加圧時、パウチの収容部およびシール部をともに加圧することで、シール部のシール力を大幅に増大させることができ、その結果、シール部がベントされるのを防止することができる。
【0054】
以下、本発明の他の実施形態を説明するにおいて、前述した実施形態と同一の構成を有する構成符号に対しては同一の構成符号を用い、重複する説明は省略する。
【0055】
[本発明の第2実施形態に係る二次電池加圧装置]
本発明の第2実施形態に係る二次電池加圧装置100は、
図8に示されているように、シール部12bを加圧するシール部加圧ジグ122を含み、この際、前記シール部加圧ジグ122は、第1加圧ブロック122a、第2加圧ブロック122b、および1つ以上の第3加圧ブロック122cを含む。
【0056】
ここで、シール部12bを加圧する第2加圧ブロックの加圧面には、前記シール部12bを多段に加圧するように複数の加圧突起122b-1が形成され、複数の加圧突起122b-1によりシール部12bを多段にシールすることができる。その結果、シール部12bがベントされるのを大幅に防止することができる。
【0057】
[本発明の第3実施形態に係る二次電池加圧装置]
本発明の第3実施形態に係る二次電池加圧装置100は、
図9および
図10に示されているように、シール部加圧ジグ122'を備えた加圧部材120'を含み、この際、前記シール部加圧ジグ122'は、第1加圧ブロック122a、第2加圧ブロック122b'、および1つ以上の第3加圧ブロック122cを含む。
【0058】
ここで、前記シール部12bを加圧する第2加圧ブロック122b'は、前記第1および第2加圧ブロック122a、122cよりも大きい幅を有するかまたは小さい幅を有する。これにより、シール部12bの幅に応じて第2加圧ブロック122b'のみを取り替えて用いることができる。その結果、シール部加圧ジグ122'全体を取り替える必要がないため、使用便宜性を高めることができる。
【0059】
[本発明の第4実施形態に係る二次電池加圧装置]
本発明の第4実施形態に係る二次電池加圧装置100は、
図11に示されているように、収容部加圧ジグ121およびシール部加圧ジグ122Aを備えた加圧部材120Aを含み、この際、前記シール部加圧ジグ122Aは、電極リード13が引き出された二次電池10に備えられたたパウチ12の一面を除いた3面を同時に加圧するように「コ」字形状を有する。これにより、パウチのシール部を安定的に加圧することができる。
【0060】
[本発明の第5実施形態に係る二次電池加圧装置]
本発明の第5実施形態に係る二次電池加圧装置100は、
図12に示されているように、収容部加圧ジグ121およびシール部加圧ジグ122Bを備えた加圧部材120Bを含み、この際、前記シール部加圧ジグ122Bは、電極リード13が引き出された二次電池10に備えられたパウチ12の一面を含んだ4面を同時に加圧するように「□」形状を有する。これにより、パウチのシール部を安定的に加圧することができる。
【0061】
本発明の範囲は上記の詳細な説明よりは後述の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導き出される多様な実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0062】
100:二次電池加圧装置
110:配置部材
120:加圧部材
121:収容部加圧ジグ
122:シール部加圧ジグ