(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】サーバおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/239 20110101AFI20240528BHJP
H04N 21/2187 20110101ALI20240528BHJP
H04N 21/2343 20110101ALI20240528BHJP
【FI】
H04N21/239
H04N21/2187
H04N21/2343
(21)【出願番号】P 2024013637
(22)【出願日】2024-01-31
【審査請求日】2024-01-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】三上 遼
【審査官】醍醐 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特許第7376035(JP,B1)
【文献】特開2020-044086(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0127500(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
G06Q 50/00-50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブ配信中の配信者の端末からネットワークを介して優先提供期間開始要求を受け付けると、当該ライブ配信の優先提供期間を開始する開始手段と、
前記ライブ配信の次の優先提供期間の開始が可能となるタイミングを管理する管理手段と、
優先提供期間内のライブ配信の情報を、優先提供期間外のライブ配信の情報よりも優先してユーザに提供するための処理を行う処理手段と、を備えるサーバ。
【請求項2】
前記管理手段は、優先提供期間を開始してから、当該優先提供期間よりも長い待機期間が経過すると、次の優先提供期間の開始を可能とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記管理手段は、ライブ配信中の配信者または当該ライブ配信を視聴している視聴者による対価の支払いを条件として待機期間を短縮する請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記管理手段は、ライブ配信中のパラメータの変化に応じて優先提供期間の長さまたは待機期間の長さもしくはその両方を調整する請求項2に記載のサーバ。
【請求項5】
前記処理手段は、優先提供期間内のライブ配信のみの情報を前記ユーザに提供するための処理を行う請求項1に記載のサーバ。
【請求項6】
前記処理手段は、優先提供期間内のライブ配信のリストから、前記ユーザに提供するライブ配信を選択する請求項1に記載のサーバ。
【請求項7】
新たに優先提供期間が開始されたライブ配信を前記リストに登録し、かつ、過去に開始された優先提供期間が満了したライブ配信を前記リストから除去する更新手段をさらに備える請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記リストに登録されている第1ライブ配信の配信者の端末から前記ユーザの端末への前記第1ライブ配信に係る動画データの伝送を中継する中継手段をさらに備え、
前記処理手段は、前記ユーザの端末からネットワークを介して配信変更要求を受け付けると、前記リストから前記第1ライブ配信とは異なる第2ライブ配信を選択し、
前記中継手段は、選択された前記第2ライブ配信の配信者の端末から前記ユーザの端末への前記第2ライブ配信に係る動画データの伝送の中継を開始する請求項6に記載のサーバ。
【請求項9】
ライブ配信中の配信者の端末からネットワークを介して優先提供期間開始要求を受け付けると、当該ライブ配信の優先提供期間を開始することと、
前記ライブ配信の次の優先提供期間の開始が可能となるタイミングを管理することと、
優先提供期間内のライブ配信の情報を、優先提供期間外のライブ配信の情報よりも優先してユーザに提供するための処理を行うことと、を含む方法。
【請求項10】
ライブ配信の配信者の端末に、
ライブ配信中に配信者から優先提供期間開始指示を受け付ける機能と、
優先提供期間開始指示を受け付けると、ネットワークを介して優先提供期間開始要求を請求項1に記載のサーバに送信する機能と、
次の優先提供期間の開始が可能となるタイミングが到来すると、次の優先提供期間開始指示の受け付けを開始する機能と、を実現させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IT技術の発展と共に情報のやりとりの様も移り変わってきた。昭和の時代には新聞やテレビなどの一方通行の情報伝達が主であった。平成になると、ケータイやパソコンが普及し、インターネットの通信速度も大きく改善されたので、チャットサービスなどの即時双方向通信サービスが台頭し、また記憶コストの低減に伴ってオンデマンド型の動画配信サービスが受け入れられていった。そして、現在、令和の時代となり、スマートフォンの高機能化や5Gに代表されるネットワークの速度のさらなる向上を受けて、動画によるリアルタイムのコミュニケーションを実現するサービス、特にライブ配信(Live Streaming)サービスが急速に認知度を高めている。ライブ配信サービスは、離れた場所にいても皆が同じ楽しい時間を共有できるサービスとして、若者を中心に利用者が拡大している。
【0003】
特定のライブ配信を指定してライブ配信プラットフォームにアクセスするユーザもいるが、大抵の場合、ライブ配信プラットフォームは、アクセスしてきたユーザに現在進行中のライブ配信の情報、例えば視聴可能なライブ配信のリストや配信者のプロフィール、を提供する。ユーザは提供された情報から視聴したいライブ配信を選択し、視聴する。ライブ配信プラットフォームは、ユーザと配信者またはライブ配信とのマッチングの度合いに応じて当該ユーザに提供するライブ配信の優先度や当該ユーザに推薦(リコメンド)するライブ配信を決めることができる(例えば、特許文献1参照)。これにより、ユーザには、当該ユーザがより興味を持ちやすいライブ配信の情報が提供され、当該ユーザがライブ配信をより楽しめるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-122470号公報
【文献】特表2020-521207号公報
【文献】特開2019-164617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるようなライブ配信の推薦の仕組みでは、システムがユーザとライブ配信とのマッチングスコアに基づいて当該ユーザに推薦するライブ配信を決める。基本的に、推薦対象を決める過程で配信者の操作や意思は直接的には考慮されない。
【0006】
ライブ配信の性質のひとつとして、ライブ配信はシナリオに従って固定的に進行するものではなく、配信者と視聴者とのその場のインタラクションなどにより自由に進行するものであることがある。したがって、ライブ配信の盛り上がりや見せ場にも波があり、かつ、いつそのような波が来るかをシステムが正確に予測することは困難である。
【0007】
配信者であれば、もうすぐ盛り上がりがくる、今盛り上がっている、今は休憩中、または見せ場が続く、など確度高く判断することができる。しかしながら、従来のライブ配信の提供の仕組みでは配信者のアクションが直接的には提供の対象の選択に反映されないので、配信者の判断を活かすことができていない。
【0008】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、配信者のアクションを反映させることができるライブ配信提供の仕組みの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様は、サーバに関する。このサーバは、ライブ配信中の配信者の端末からネットワークを介して優先提供期間開始要求を受け付けると、当該ライブ配信の優先提供期間を開始する開始手段と、ライブ配信の次の優先提供期間の開始が可能となるタイミングを管理する管理手段と、優先提供期間内のライブ配信の情報を、優先提供期間外のライブ配信の情報よりも優先してユーザに提供するための処理を行う処理手段と、を備える。
【0010】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、ライブ配信の配信者の端末に、ライブ配信中に配信者から優先提供期間開始指示を受け付ける機能と、優先提供期間開始指示を受け付けると、ネットワークを介して優先提供期間開始要求をサーバに送信する機能と、次の優先提供期間の開始が可能となるタイミングが到来すると、次の優先提供期間開始指示の受け付けを開始する機能と、を実現させる。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、配信者のアクションを反映させることができるライブ配信提供の仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態に係るライブ配信システムにおけるライブ配信提供の態様を示す模式図である。
【
図2】実施の形態に係るライブ配信システムの構成を示す模式図である。
【
図3】
図2のユーザ端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図4】
図2のサーバの機能および構成を示すブロック図である。
【
図5】
図4のストリームDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図6】
図4のユーザDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図7】
図4のギフトDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図8】
図4のコアタイム配信リストの一例を示すデータ構造図である。
【
図9】
図4の推薦リストDBの一例を示すデータ構造図である。
【
図10】ライブ配信中の配信者のユーザ端末における一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】配信者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図12】配信者のユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図13】サーバでのコアタイム配信リストの更新における一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】視聴者のユーザ端末にライブ配信を提供するときのライブ配信システムにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】対象ユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面の代表画面図である。
【
図16】対象ユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信選択画面の代表画面図である。
【
図17】本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0015】
実施の形態に係るライブ配信システムでは、ライブ配信を行っている配信者が「コアタイムボタン」を押すと、当該ライブ配信のコアタイムが開始される。ライブ配信システムは、コアタイム中のライブ配信のリストから選択されたライブ配信をユーザに提供する。ユーザのユーザ端末において、上下にスワイプまたはスライドすることで、「コアタイムボタン」を押した配信者のライブ配信のみが次から次へと流れるUIが実現される。コアタイムは比較的短い所定の期間継続する。「コアタイムボタン」は、一度押すと次に押せるようになるまで所定の待機期間だけ待たなければならないよう構成される。例えば、「コアタイムボタン」は、1時間に1回しか押せず、各コアタイムは3分間継続する。
【0016】
実施の形態では、優先提供期間内のライブ配信の情報は、優先提供期間外のライブ配信の情報よりも優先してユーザに提供される。本明細書では、この優先提供期間をコアタイムと称する。
【0017】
図1は、実施の形態に係るライブ配信システムにおけるライブ配信提供の態様を示す模式図である。ある時刻t=Tにおいて、進行中の4つのライブ配信、すなわち第1ライブ配信800、第2ライブ配信802、第3ライブ配信804、第4ライブ配信806がコアタイム中となっている。時刻t=Tにおいてユーザは、第1ライブ配信800を上スワイプすることで第2ライブ配信802に切り替えることができ、また、第2ライブ配信802を下スワイプすることで第1ライブ配信800に戻すことができる。第2ライブ配信802と第3ライブ配信804との間、第3ライブ配信804と第4ライブ配信806との間も同様である。4つのライブ配信はユーザとのマッチングスコアにより順序付けされていてもよい。時刻t=Tにおいて、第1ライブ配信800のコアタイム残り時間は20秒、第2ライブ配信802のコアタイム残り時間は2分、第3ライブ配信804のコアタイム残り時間は2分、第4ライブ配信806のコアタイム残り時間は1分30秒である。ライブ配信システムではこれら4つのライブ配信以外にも少なくともひとつのコアタイム中でない(コアタイム外である)ライブ配信が進行中ではあるが、コアタイム中であるこれら4つのライブ配信が優先してユーザに提供される。例えば、コアタイム外のライブ配信を視聴するためにユーザがより多くの手間(タップや検索など)をかけなければならないよう構成されていてもよい。
【0018】
時刻t=Tから1分が経過した後の時刻t=T+1分において、進行中の5つのライブ配信、すなわち第2ライブ配信802、第3ライブ配信804、第5ライブ配信808、第4ライブ配信806、第6ライブ配信810がコアタイム中となっている。時刻t=T+1分において第1ライブ配信800のコアタイムは終了してしまっているので、第1ライブ配信800は提供対象のリストから除外されている。時刻t=T+1分においてユーザは、第2ライブ配信802を上スワイプすることで第3ライブ配信804に切り替えることができ、また、第3ライブ配信804を下スワイプすることで第2ライブ配信802に戻すことができる。第3ライブ配信804と第5ライブ配信808との間、第5ライブ配信808と第4ライブ配信806との間、第4ライブ配信806と第6ライブ配信810との間も同様である。5つのライブ配信はユーザとのマッチングスコアにより順序付けされていてもよい。
図1の場合、経過した1分の間に第5ライブ配信808および第6ライブ配信810が新たにコアタイムに入り、ユーザとのマッチングの結果、第4ライブ配信806の上位に第5ライブ配信808が入り、第4ライブ配信806の下位に第6ライブ配信810が入る。
【0019】
このように、本実施の形態に係るライブ配信システムでは、配信中かつコアタイム中のライブ配信が配信中だがコアタイム外のライブ配信よりも優先してユーザに提供される。時間の経過によりライブ配信のコアタイムが終了すると、当該ライブ配信は優先提供対象から外される。これにより、配信者がコアタイムに入るタイミングを指定できるので、配信者は自分のライブ配信が盛り上がりそうなとき、盛り上がっているとき、見せ場がきそうなときなど自分のライブ配信を売り出したいときにコアタイムに入ることができる。その結果、ライブ配信が比較的おもしろいときにそのライブ配信が優先してユーザに提供されるので、ユーザはよりおもしろいライブ配信を視聴でき、配信者は自分のライブ配信への視聴者のリテンションを高めることができる。
【0020】
従来のライブ配信システムではシステムが勝手に任意のタイミングで優先提供対象のライブ配信を選択するので、例えば、ライブ配信がたまたま静まっているときに優先提供の対象とされ、入ってきた視聴者が興味を失ったり、逆にとても盛り上がっているときに優先提供の対象として選択してもらえず、視聴者獲得の機会を失する、というようなことも起こりうる。本実施の形態に係るライブ配信システムでは配信者は自分のライブ配信が優先提供されるタイミングを選ぶことができるので、従来技術で発生しうる上記のミスマッチを抑制または除去することができる。
【0021】
また、待機期間を導入することにより、コアタイムボタンの濫用を抑制または除去することができる。コアタイムの希少性により、配信者はよく狙ってコアタイムボタンを押すよう促される。その結果、コアタイム中のライブ配信の品質や盛り上がり度を高めることができる。
【0022】
図2は、本開示の実施の形態に係るライブ配信システム1の構成を示す模式図である。ライブ配信システム1は、配信者(ライバー、ストリーマ(Streamer)ともいう)LVと視聴者(オーディエンスともいう)AU(AU1、AU2、…)とがリアルタイムでやりとりできる双方向型のライブ配信サービスを提供する。
図2に示すように、ライブ配信システム1は、サーバ10と、配信者側のユーザ端末20と、視聴者側のユーザ端末30(30a、30b、…)と、を備える。ライブ配信を配信している配信者、ライブ配信を視聴している視聴者の他に、ライブ配信プラットフォームにログインしたが配信も視聴もしていないユーザもいる。このようなユーザをアクティブユーザという。配信者、視聴者およびアクティブユーザをユーザと総称することがある。サーバ10は、ネットワークNWに接続された一または複数の情報処理装置によって構成されてもよい。ユーザ端末20、30は例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよいし、デスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。サーバ10、ユーザ端末20およびユーザ端末30は、有線または無線の各種ネットワークNWにより互いに通信可能に接続される。
【0023】
ライブ配信システム1には、配信者LVと、視聴者AUと、サーバ10を管理する管理者(不図示)と、が関与する。配信者LVは、自分の歌や、トーク、パフォーマンス、占い、ゲーム実況などのコンテンツを自身のユーザ端末20で録音・録画してそのままサーバ10にアップロードすることで、リアルタイムにコンテンツを発信する者である。管理者は、サーバ10においてコンテンツのライブ配信のためのプラットフォームを提供し、また、配信者LVと視聴者AUとのリアルタイムのやりとりを仲介または管理する。視聴者AUは、ユーザ端末30でプラットフォームにアクセスして所望のコンテンツを選択し、視聴する。このコンテンツのライブ配信中に視聴者AUがユーザ端末30を介してコメントをしたり応援したり占いを依頼したりするための操作を行い、当該コンテンツを提供する配信者LVがそのようなコメントや応援や依頼に反応し、当該反応が映像および/または音声で視聴者AUに伝わることで、双方向のコミュニケーションが成立する。
【0024】
本明細書において「ライブ配信」は、配信者LVのユーザ端末20で録音・録画されたコンテンツが実質的にリアルタイムで視聴者AUのユーザ端末30で再生され視聴可能となる状態を実現するデータの伝送態様を意味するものであってもよく、またはそのような伝送態様により実現される配信そのものを意味してもよい。ライブ配信は、HTTP Live StreamingやCommon Media Application FormatやWeb Real-Time CommunicationsやReal-Time Messaging ProtocolやMPEG DASHなどの既存のライブ配信技術を用いて実現されてもよい。ライブ配信は、配信者LVがコンテンツを録音・録画しているときに、視聴者AUが所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴可能な伝送態様を含む。遅延の大きさについて、少なくとも、配信者LVと視聴者AUとのやりとりが成立する程度の大きさの遅延は許される。ただし、ライブ配信は、コンテンツを録音・録画したデータ全体をいったんサーバに保存し、その後の任意のタイミングでユーザからの求めに応じて当該データをサーバからユーザに提供するいわゆるオンデマンド型の配信とは区別される。
【0025】
本明細書において「動画データ」は、ユーザ端末20、30の撮像機能により生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、ユーザ端末20、30の音声入力機能により生成される音声データ(オーディオデータともいう)と、を含むデータである。動画データは、ユーザ端末20、30で再生されることで、ユーザによるコンテンツの視聴を可能とする。本実施の形態では、動画データが配信者のユーザ端末で生成されてから視聴者のユーザ端末で再生されるまでの間に、圧縮や伸張や符号化や復号やトランスコーディングなどの、データの形式やサイズや仕様を変更する処理が行われることが想定されている。このような処理の前後で動画データが表す内容(例えば、動画像や音声)は実質的に変わらないので、本実施の形態ではそのような処理が行われた後の動画データはそのような処理が行われる前の動画データと同じであるとして説明する。すなわち、動画データが配信者のユーザ端末で生成されてからサーバ10を経由して視聴者のユーザ端末で再生される場合、配信者のユーザ端末で生成された動画データと、サーバ10を通過する動画データと、視聴者のユーザ端末で受信されて再生される動画データと、は全て同じ動画データである。
【0026】
図2の例では、配信者LVがトークをライブ配信している。配信者LVのユーザ端末20はトークを行っている配信者LVの像および音声を録画・録音することで動画データを生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。併せてユーザ端末20は、録画された配信者LVの動画像VDをユーザ端末20のディスプレイに表示させることで、配信者LVによる配信内容の確認を可能とする。
【0027】
配信者LVのライブ配信の視聴をプラットフォームに要求した視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bはそれぞれ、ネットワークNWを介してライブ配信に係る動画データを受信し、受信した動画データを再生することでディスプレイに動画像VD1、VD2を表示させると共にスピーカーから音声を出力する。各ユーザ端末30a、30bで表示される動画像VD1、VD2は配信者LVのユーザ端末20が撮像した動画像VDと実質的に同一であり、各ユーザ端末30a、30bで出力される音声も配信者LVのユーザ端末20が録音した音声と実質的に同一である。
【0028】
配信者LVのユーザ端末20における録音・録画と、視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bにおける動画データの再生と、は実質的に同時に行われる。配信者LVのトークの内容についてひとりの視聴者AU1がコメントをユーザ端末30aに入力すると、サーバ10は当該コメントをリアルタイムで配信者LVのユーザ端末20に表示させると共に各視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bにも表示させる。当該コメントを読んだ配信者LVがその内容に被せたトークを展開すると、そのトークの動画像と音声が各視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bで出力され、これにより配信者LVと視聴者AU1との会話が成立したと認識される。このように、ライブ配信システム1では、一方通行でない双方向のコミュニケーションを可能とするライブ配信が実現される。
【0029】
図3は、
図2のユーザ端末20の機能および構成を示すブロック図である。ユーザ端末30はユーザ端末20と同様の機能および構成を有する。
図2および以後のブロック図に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0030】
ユーザは、ダウンロードサイトからネットワークNWを介して、本実施の形態に係るライブ配信アプリケーションプログラム(以下、ライブ配信アプリという)をユーザ端末20、30にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、ライブ配信アプリはユーザ端末20、30にプリインストールされていてもよい。ライブ配信アプリがユーザ端末20、30により実行されることにより、ユーザ端末20、30はネットワークNWを介してサーバ10と通信し、各種機能を実現する。以下、ユーザ端末20、30(のCPUなどのプロセッサ)がライブ配信アプリを実行することにより実現する機能をユーザ端末20、30の機能として説明する。それらの機能は実際はライブ配信アプリがユーザ端末20、30に実現させる機能である。なお、他の実施の形態では、これらの機能は、サーバ10からユーザ端末20、30のウェブブラウザにネットワークNWを介して送信され、そのウェブブラウザによって実行される、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語により記述されたコンピュータプログラムにより実現されてもよい。
【0031】
ユーザ端末20は、ユーザの像および音声を記録した動画データを生成してサーバ10に提供する配信部100と、サーバ10から動画データを取得して再生する視聴部200と、アクティブユーザによる要求を処理する配信外処理部400と、を備える。ユーザは、配信を行う場合は配信部100を、視聴を行う場合は視聴部200を、視たいライブ配信を探したり配信者のプロフィールを視たりアーカイブを視たりする場合は配信外処理部400を、それぞれ起動する。配信部100がアクティブとなっているユーザ端末は配信者側、つまり動画データの生成側のユーザ端末であり、視聴部200がアクティブとなっているユーザ端末は視聴者側、つまり動画データの再生側のユーザ端末であり、配信外処理部400がアクティブとなっているユーザ端末はアクティブユーザのユーザ端末である。
【0032】
配信部100は、撮像制御部102と、音声制御部104と、動画送信部106と、配信側UI制御部108と、配信側通信部110と、を含む。撮像制御部102は
図2では不図示のカメラと接続され、カメラによる撮像を制御する。撮像制御部102はカメラから画像データを取得する。音声制御部104は
図2では不図示のマイクロフォンと接続され、マイクロフォンによる音声入力を制御する。音声制御部104は、マイクロフォンから音声データを取得する。動画送信部106は、撮像制御部102により取得された画像データおよび音声制御部104により取得された音声データを含む動画データを、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。動画送信部106による動画データの送信はリアルタイムで行われる。すなわち、撮像制御部102および音声制御部104による動画データの生成と、生成された動画データの動画送信部106による送信と、は実質的に同時に行われる。
【0033】
配信側UI制御部108は、配信者向けのUIを制御する。配信側UI制御部108は、
図2では不図示のディスプレイと接続され、動画送信部106による送信対象となっている動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させる。配信側UI制御部108は、
図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して配信者による入力を取得する。配信側UI制御部108は、動画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、配信者から入力を受け付けるための様々なユーザインタフェースオブジェクト(以下、単にオブジェクトという)と、視聴者により入力されたコメントと、サーバ10から取得した情報と、を含む。配信側UI制御部108は例えば配信者によるオブジェクトに対するタップ入力を受け付ける。オブジェクトはコアタイムボタンを含む。
【0034】
配信側通信部110は、ライブ配信中のサーバ10との間の通信を制御する。配信側通信部110は、配信側UI制御部108が取得した配信者による入力の内容を、サーバ10にネットワークNWを介して送信する。配信側通信部110は、ライブ配信に関連付けられた各種の情報をサーバ10からネットワークNWを介して受信する。
【0035】
視聴部200は、視聴側UI制御部202と、視聴側通信部204と、を含む。視聴側通信部204は、ライブ配信中のサーバ10との間の通信を制御する。視聴側通信部204は、ネットワークNWを介してサーバ10から、配信者と視聴者とが参加するライブ配信に係る動画データを受信する。
【0036】
視聴側UI制御部202は、視聴者向けのUIを制御する。視聴側UI制御部202は、
図2では不図示のディスプレイおよびスピーカと接続され、受信された動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させると共に音声をスピーカから出力させる。ディスプレイに画像が出力されると共にスピーカから音声が出力されることを、合わせて「動画データが再生」されていると言うことができる。視聴側UI制御部202は、
図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して視聴者による入力を取得する。視聴側UI制御部202は、サーバ10から取得された動画データの画像に所定のフレーム画像を重畳させる。フレーム画像は、視聴者から入力を受け付けるための様々なオブジェクトと、視聴者により入力されたコメントと、サーバ10から取得した情報と、を含む。視聴側通信部204は、視聴側UI制御部202が取得した視聴者による入力の内容を、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0037】
配信外処理部400は、配信外UI制御部402と、配信外通信部404と、を含む。配信外UI制御部402は、アクティブユーザ向けのUIを制御する。例えば、配信外UI制御部402は、現在参加可能なライブ配信のリストを表示してアクティブユーザによるライブ配信の選択を受け付けるライブ配信選択画面を生成し、ディスプレイに表示させる。配信外UI制御部402は、任意のユーザのプロフィール画面を生成し、ディスプレイに表示させる。配信外UI制御部402は、過去のライブ配信を録音・録画することにより生成されたアーカイブを再生する。
【0038】
配信外通信部404は、ライブ配信外のサーバ10との間の通信を制御する。配信外通信部404は、ネットワークNWを介してサーバ10から、ライブ配信選択画面を生成するための情報や、プロフィール画面を生成するための情報や、アーカイブのデータを受信する。配信外通信部404は、アクティブユーザによる入力の内容を、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。
【0039】
図4は、
図2のサーバ10の機能および構成を示すブロック図である。サーバ10は、配信情報提供部302と、中継部304と、ギフト処理部308と、支払い処理部310と、コアタイム処理部330と、待機期間管理部332と、マッチング部334と、推薦処理部336と、ストリームDB314と、ユーザDB318と、ギフトDB320と、コアタイム配信リスト338と、推薦リストDB340と、を備える。
【0040】
図5は、
図4のストリームDB314の一例を示すデータ構造図である。ストリームDB314は現在行われているライブ配信の情報を保持する。ストリームDB314は、ライブ配信システム1が提供するライブ配信プラットフォームにおいてライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者を特定するユーザIDである配信者IDと、当該ライブ配信の視聴者を特定するユーザIDである視聴者IDと、当該ライブ配信の内容を表す内容タグと、を対応付けて保持する。
【0041】
本実施の形態に係るライブ配信システム1が提供するライブ配信プラットフォームでは、ユーザがライブ配信を行う場合そのユーザは配信者となり、また同じユーザが他のユーザが配信するライブ配信を視聴する場合は視聴者となる。したがって、配信者・視聴者の別は固定的なものではなく、あるとき配信者IDとして登録されていたユーザIDが別のタイミングでは視聴者IDとして登録されることもある。
【0042】
ライブ配信の内容タグは、配信者がライブ配信を始める際に指定したタグであってもよいし、機械学習により生成されたモデルがライブ配信をリアルタイムで解析することで得られるタグであってもよい
【0043】
図6は、
図4のユーザDB318の一例を示すデータ構造図である。ユーザDB318は、ユーザに関する情報を保持する。ユーザDB318は、ユーザを特定するユーザIDと、当該ユーザが有しているポイントと、当該ユーザに付与された報酬と、当該ユーザの待機期間の残り時間と、当該ユーザのレベルと、当該ユーザの属性と、を対応付けて保持する。ユーザの属性は、当該ユーザの年齢の範囲と、当該ユーザの性別と、当該ユーザの髪の色と、を含む。
【0044】
ポイントは、ライブ配信プラットフォーム内で流通する電子的価値である。ユーザはクレジットカードや他の決済手段によりポイントを購入する。報酬はライブ配信プラットフォーム内で定義される電子的価値であり、配信者がライブ配信プラットフォームの管理者から受け取る金銭の額を決めるための指標である。ライブ配信プラットフォームでは、ライブ配信内やライブ配信外で視聴者が配信者にギフトを贈ると、視聴者のポイントが消費され、併せて配信者の報酬が相応分だけ増加する。
【0045】
レベルは、ライブ配信プラットフォームにおけるユーザの配信者としての実績を示す指標である。他の実施の形態では、レベルは、ライブ配信プラットフォームにおけるユーザの視聴者としての実績を示す指標であってもよいし、ユーザの配信者および視聴者の両方としての実績を示す指標であってもよい。レベルは、ライブ配信を行った回数、ライブ配信の配信時間、ライブ配信の総被視聴時間、ライブ配信の視聴者としての総視聴時間、ギフトを贈った回数および/または量、ギフトをもらった回数および/または量、コメントの回数などに応じて増減してもよい。あるいはまた、レベルは、配信者に対するレビューやユーザ満足度や配信内のコメントを基に管理者により評価、決定されてもよい。あるいはまた、レベルは、所定のルールまたは機械学習モデルにより自動的に決定されてもよい。
【0046】
図7は、
図4のギフトDB320の一例を示すデータ構造図である。ギフトDB320は、ライブ配信において視聴者が使用可能なギフトに関する情報を保持する。ギフトは、以下の特徴を有する電子データである。
・ポイントや金銭を対価として購入可能、または無料で付与可能。
・視聴者が配信者に贈ることができるもの。配信者にギフトを贈ることを、ギフトを使用する、またはギフトを投げるともいう。
・ギフトの購入と使用とがセットで同時に発生するタイプのものもあれば、購入した後、視聴者が任意のタイミングで使用可能なタイプのものもある。
・視聴者が配信者にギフトを贈ると、その配信者に相応の報酬が付与される。
・ギフトが使用された場合、ギフトに関連付けられた効果が生じることがある。例えば、ギフトに対応するエフェクトがライブ配信ルーム画面に表れる。
【0047】
ギフトDB320は、ギフトを特定するギフトIDと、当該ギフトを配信者に贈った場合に当該配信者に付与される報酬である付与報酬と、当該ギフトを使用する際に支払うべき対価である対価ポイントと、を対応付けて保持する。視聴者は、ライブ配信の視聴中に、所望のギフトの対価ポイントを支払うことで配信者に当該ギフトを贈ることができる。この対価ポイントの支払いは適宜の電子的決済手段により行われてもよく、例えば対価ポイントを視聴者が管理者に支払うことで行われてもよい。あるいはまた、銀行振込やクレジットカードによる支払いが用いられてもよい。付与報酬と対価ポイントとの関係は管理者が任意に設定可能である。例えば、付与報酬=対価ポイントに設定してもよい。または付与報酬に1.2などの所定の係数を乗じて得られるポイントを対価ポイントに設定してもよいし、付与報酬に所定の手数料ポイントを加算して得られるポイントを対価ポイントに設定してもよい。
【0048】
本実施の形態では、待機期間短縮ギフトが設定される。例えば、
図7のギフト「SH1」は待機期間短縮ギフトとして設定される。ライブ配信中に待機期間短縮ギフトが視聴者によって使用されると、当該ライブ配信の待機期間が短縮される。待機期間の短縮は、現在の待機期間の残り時間を所定量だけ減少させることで実現されてもよいし、待機期間のカウントダウンのスピードを速めることにより実現されてもよい。例えば、
図7のギフト「SH1」がライブ配信中で使用された場合、そのときのライブ配信の待機期間の残り時間が30秒だけ減少する。すなわち、残り時間が2分15秒であったなら、ギフト「SH1」の使用により残り時間は1分45秒となる。
【0049】
図8は、
図4のコアタイム配信リスト338の一例を示すデータ構造図である。コアタイム配信リスト338は、コアタイム内(優先提供期間内)のライブ配信のリストである。コアタイムは、対象のライブ配信が優先提供状態にある期間であってもよい。コアタイム配信リスト338は、コアタイム内のライブ配信のみの情報を含んでもよい。コアタイムの長さは固定であってもよいし、変動してもよい。コアタイム配信リスト338は、コアタイム内のライブ配信の配信者の配信者IDと、当該ライブ配信のストリームIDと、当該ライブ配信のコアタイムが開始された時刻と、を対応付けて保持する。
【0050】
図9は、
図4の推薦リストDB340の一例を示すデータ構造図である。推薦リストDB340は、ユーザごとに、当該ユーザに推薦するコアタイム内のライブ配信(以下、推薦対象配信という)のリストである推薦リストを保持する。推薦リストDB340は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザ向けの推薦リストと、を対応付けて保持する。ユーザ向けの推薦リストは、当該ユーザの推薦対象配信のストリームIDと、当該推薦対象配信と当該ユーザとのマッチングスコアの値と、を対応付けて保持する。推薦リストにおいて、推薦対象配信はマッチングスコアの降順に順序付けされる。
【0051】
図4に戻り、コアタイム処理部330は、現在進行中のライブ配信のコアタイムを制御する。コアタイム処理部330は、ライブ配信中の配信者のユーザ端末20からネットワークNWを介してコアタイム開始要求を受け付けると、当該ライブ配信のコアタイムを開始する。
【0052】
コアタイム処理部330は、ライブ配信の次のコアタイムの開始が可能となるタイミングを管理する。コアタイム処理部330は、あるライブ配信についてコアタイムを開始してから、当該コアタイムよりも長い待機期間が経過すると、次のコアタイムの開始を可能とする。コアタイムの長さは1分、3分、5分、10分等に設定されてもよく、待機期間の長さはコアタイムの長さよりも長い30分、1時間、3時間等に設定されてもよい。
【0053】
本実施の形態ではコアタイムの長さはシステムパラメータとして固定されるが、他の実施の形態ではコアタイムの長さを動的に調整してもよい。例えば、コアタイム処理部330は、ライブ配信中のパラメータの変化に応じてコアタイムの長さを調整してもよい。コアタイム処理部330は、コアタイム内のライブ配信の盛り上がり度合いを測定し、その度合いが所定の延長条件を充たす場合、当該ライブ配信のコアタイムを所定量だけ延長するための処理を行ってもよい。盛り上がりの度合いは、コメントの数、ギフトの数や額、エールの数、などを入力とする数式により算出されてもよい。延長条件は、盛り上がりの度合いがしきい値を超えた場合、またはその状態が所定期間継続した場合に充たされてもよい。あるいはまた、ライブ配信中にコアタイム延長ギフトが視聴者によって使用されると、コアタイム処理部330は、当該ライブ配信のコアタイムを延長するための処理を行ってもよい。あるいはまた、コアタイム内のライブ配信の配信者から対価の支払いがあると、コアタイム処理部330は、当該ライブ配信のコアタイムを延長するための処理を行ってもよい。コアタイムの長さを動的におよび/またはユーザに応じて調整する場合、ユーザDB318が、ユーザごとにコアタイムの長さを保持してもよい。
【0054】
コアタイム処理部330は、コアタイム配信リスト338を管理または更新する。コアタイム処理部330は、新たにコアタイムが開始されたライブ配信をコアタイム配信リスト338に登録し、かつ、過去に開始されたコアタイムが満了したライブ配信をコアタイム配信リスト338から除去する。コアタイム処理部330は、コアタイム開始要求を受信するたびにコアタイム配信リスト338を更新する。コアタイム処理部330は、コアタイム開始要求を受信しなくても所定のマスタ更新期間が経過するとコアタイム配信リスト338を更新する。マスタ更新期間の長さはコアタイムの長さに応じて設定されてもよく、コアタイムの長さよりも小さくなるよう設定されてもよい。例えばマスタ更新期間の長さはコアタイムの長さの十分の一や五分の一に設定されてもよい。あるいはまた、マスタ更新期間の長さはコアタイムの長さよりも十分に小さい固定値とされてもよい。マスタ更新期間の長さをコアタイムの長さよりも小さくなるよう設定することにより、コアタイムの期限が切れているのにコアタイム配信リスト338に残り続けるライブ配信の数を抑制することができる。
【0055】
待機期間管理部332は、ライブ配信中の配信者または当該ライブ配信を視聴している視聴者による対価の支払いを条件として待機期間を短縮する。待機期間管理部332は、ライブ配信中のパラメータの変化に応じて待機期間の長さを調整する。待機期間管理部332は、コアタイム外のライブ配信の盛り上がり度合いを測定し、その度合いが所定の短縮条件を充たす場合、当該ライブ配信の待機期間を所定量だけ短縮するための処理を行ってもよい。短縮条件は、盛り上がりの度合いがしきい値を超えた場合、またはその状態が所定期間継続した場合に充たされてもよい。逆に、待機期間管理部332は、コアタイム外のライブ配信の盛り上がり度合いが所定の待機延長条件を充たす場合、当該ライブ配信の待機期間を所定量だけ延長するための処理を行ってもよい。待機延長条件は、盛り上がり度合いがしきい値を下回った場合、またはその状態が所定期間継続した場合、またはライブ配信がアイドル状態にあると判定された場合に充たされてもよい。あるいはまた、ライブ配信中に待機期間短縮ギフトが視聴者によって使用されると、待機期間管理部332は、当該ライブ配信の待機期間を短縮するための処理を行ってもよい。あるいはまた、コアタイム外のライブ配信の配信者から対価の支払いがあると、待機期間管理部332は、当該ライブ配信の待機期間を短縮するための処理を行ってもよい。
【0056】
待機期間管理部332は、ユーザごとにユーザDB318に登録されている待機期間の残り時間を増減することにより上記の待機期間の調整を実現する。例えば、ユーザ「LR1」の待機期間を30分短縮すべき場合、待機期間管理部332はユーザ「LR1」の待機期間の残り時間の現在値から30分が減じられるようにユーザDB318を更新する。
図6の例では、待機期間管理部332は、ユーザ「LR1」の待機期間の残り時間を「58分40秒」から「28分40秒」に変更する。
【0057】
マッチング部334は、ライブ配信プラットフォームにログインしているユーザと、コアタイム内の各ライブ配信と、のマッチングスコアを算出する。マッチング部334は、コアタイム内のライブ配信の属性を取得する。より具体的には、マッチング部334は、ストリームDB314を参照し、コアタイム内のライブ配信の配信者IDと、内容タグと、を特定する。マッチング部334は、ユーザDB318を参照し、特定された配信者IDに対応する配信者の属性と、レベルと、を取得する。コアタイム内のライブ配信の属性は、当該ライブ配信の配信者の属性およびレベルと、内容タグと、を含む。マッチング部334は、ユーザDB318を参照し、ライブ配信プラットフォームにログインしているユーザの属性を特定する。マッチング部334は、コアタイム内のライブ配信の属性と、特定されたユーザの属性および視聴履歴と、から両者のマッチングスコアを算出する。視聴履歴は不図示の視聴履歴DBから取得される。このようなライブ配信とユーザとのマッチングスコアの算出は、例えば特許文献2や特許文献3に記載されるような公知のマッチング技術を用いて実現されてもよい。
【0058】
推薦処理部336は、推薦リストDB340を管理または更新する。推薦処理部336は、ユーザが新たにライブ配信プラットフォームにログインすると、当該ユーザとコアタイム内の各ライブ配信とのマッチングスコアを算出する。推薦処理部336は、算出されたマッチングスコアの降順となるように当該ユーザに対する推薦リストを生成し、推薦リストDB340に登録する。具体的には、推薦処理部336は、コアタイム内のライブ配信のストリームIDをマッチングスコアが高いほど順位が上となるように並べ替えることで、当該ユーザ向けの推薦リストを生成する。推薦処理部336は、生成された推薦リストを当該ユーザのユーザIDに対応付けて推薦リストDB340に登録する。
【0059】
推薦処理部336は、ユーザの推薦更新期間が経過するごとに当該ユーザの推薦リストを更新する。推薦更新期間の長さはコアタイムの長さに応じて設定されてもよく、コアタイムの長さよりも小さくなるよう設定されてもよい。例えば推薦更新期間の長さはコアタイムの長さの五分の一や二分の一に設定されてもよい。あるいはまた、推薦更新期間の長さはコアタイムの長さよりも十分に小さい固定値とされてもよい。推薦更新期間の長さをコアタイムの長さよりも小さく設定することで、コアタイム配信リスト338の更新の結果をよりリアルタイムに推薦対象配信に反映させることができる。例えば、配信者は、コアタイムに入ることによる露出機会の増大の効果をより早く感じることができるようになる。
【0060】
配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、配信者のユーザ端末20からライブ配信を開始する旨の通知を受けると、当該ライブ配信を特定するストリームIDと、当該ライブ配信の配信者の配信者IDと、をストリームDB314に登録する。
【0061】
配信情報提供部302は、コアタイム内のライブ配信の情報を、コアタイム外のライブ配信の情報よりも優先してユーザに提供するための処理を行う。配信情報提供部302は、コアタイム内のライブ配信のみの情報をユーザに提供するための処理を行う。より具体的には、配信情報提供部302は、ユーザごとに推薦リストに登録されている推薦対象配信のなかから、当該ユーザに提供するライブ配信を選択する。
【0062】
図5および
図8の例では、ライブ配信「ST1」および「ST3」はコアタイム内のライブ配信の例であり、ライブ配信「ST2」はコアタイム外のライブ配信の例である。ユーザにはライブ配信「ST1」および「ST3」が、ライブ配信「ST2」よりも優先して提供される。本実施の形態では
図1に示すようにデフォルトで推薦対象配信のリスト(コアタイム内のライブ配信からなる)から選ばれたライブ配信がユーザに提供されるよう構成され、コアタイム外のライブ配信は別のモードに入る、別のタブに入る、検索するなどより多くの手間をかけなければ視聴できないように構成される。
【0063】
配信情報提供部302は、ユーザが新たにライブ配信プラットフォームにログインすると、推薦処理部336により生成された当該ユーザ向けの推薦対象配信のリストにおいて最上位に登録されているライブ配信の情報を当該ユーザのユーザ端末に送信する。配信情報提供部302は、最上位に登録されているライブ配信の動画データの、当該ユーザのユーザ端末への提供を開始する。配信情報提供部302は、提供が開始されたライブ配信のストリームIDの視聴者IDに、当該ユーザのユーザIDが含まれるようにストリームDB314を更新する。これにより、ユーザはライブ配信の視聴者となる。
【0064】
中継部304は、配信情報提供部302によって開始されたライブ配信の配信者のユーザ端末20から視聴者のユーザ端末30への動画データの伝送を中継する。中継部304は、ライブ配信中すなわち動画データの再生中における視聴者によるユーザ入力を示す信号を視聴側通信部204から受信する。ユーザ入力を示す信号は、上下左右のいずれかの向きを有するスワイプまたはスライド入力を示すスワイプ信号と、ユーザ端末30のディスプレイに表示されたオブジェクトの指定を示すオブジェクト指定信号と、を含む。当該オブジェクト指定信号は、視聴者の視聴者IDと、視聴者が視聴しているライブ配信を行っている配信者の配信者IDと、オブジェクトを特定するオブジェクトIDと、を含む。オブジェクトがギフトアイコンである場合、オブジェクトIDはギフトIDとなる。その場合のオブジェクト指定信号は、視聴者による配信者に対するギフトの使用を示すギフト使用信号となる。同様に、中継部304は、動画データの再生中における配信者によるユーザ入力を示す信号、例えばオブジェクト指定信号をユーザ端末20の配信部100の配信側通信部110から受信する。
【0065】
中継部304は、ライブ配信の視聴者のユーザ端末20からネットワークNWを介して配信変更要求を受け付けると、当該視聴者向けの推薦対象配信のリストから、現在のライブ配信とは異なる新たなライブ配信を選択する。配信変更要求は、上スワイプまたは下スワイプを示すスワイプ信号であってもよい。中継部304は、選択されたライブ配信の配信者のユーザ端末から、配信変更要求の要求元の視聴者のユーザ端末への、選択されたライブ配信に係る動画データの伝送の中継を開始する。
【0066】
ギフト処理部308は、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトの付与報酬に応じて配信者の報酬を増加させるようにユーザDB318を更新する。ギフト処理部308は、ギフトDB320を参照し、受信したギフト使用信号に含まれるギフトIDに対応する付与報酬を特定する。ギフト処理部308は、ギフト使用信号に含まれる配信者IDに対応する報酬に、特定された付与報酬を加えるようユーザDB318を更新する。
【0067】
支払い処理部310は、ギフト使用信号の受信に応じて、視聴者によるギフトの対価の支払いを処理する。支払い処理部310は、ギフトDB320を参照し、ギフト使用信号に含まれるギフトIDで特定されるギフトの対価ポイントを特定する。支払い処理部310は、ギフト使用信号に含まれる視聴者IDで特定される視聴者のポイントから特定された対価ポイントを差し引くようユーザDB318を更新する。
【0068】
以上の構成によるライブ配信システム1の動作を説明する。
図10は、ライブ配信中の配信者のユーザ端末20における一連の処理の流れを示すフローチャートである。ユーザ端末20の配信側UI制御部108は、ライブ配信中、自身が生成する配信者の動画像を含むライブ配信ルーム画面をディスプレイに表示させる。配信者はライブ配信ルーム画面においてコメントの確認や、自身のライブ配信の見え方の確認、配信終了の指示、コアタイム開始の指示などを行うことができる。配信側UI制御部108は、ディスプレイに表示されているライブ配信ルーム画面においてコアタイムボタンを有効化する(S202)。コアタイムボタンは、ライブ配信中に配信者からコアタイムの開始指示を受け付けるためのオブジェクトである。そのようなオブジェクトの有効化および後述の無効化は、オブジェクトの活性化および非活性化を含む。例えば、コアタイムボタンの有効化は、コアタイムボタンの表示を開始することであってもよいし、コアタイムボタンへのタップまたは指定の受け付けを開始することであってもよいし、コアタイムボタンを押下または指定可能な状態に遷移させることであってもよい。コアタイムボタンの無効化は、コアタイムボタンの表示を止めることであってもよいし、コアタイムボタンへのタップまたは指定の受け付けを止めることであってもよいし、コアタイムボタンを押下または指定不可能な状態に遷移させることであってもよい。コアタイムボタンが有効なときと無効なときとでコアタイムボタンの表示態様が異なっていてもよい。この場合、有効なコアタイムボタンは無効なコアタイムボタンよりも強調して表示されてもよい。ボタンの強調、非強調は色や濃さや大きさを用いて表現されてもよい。
【0069】
配信側UI制御部108は、コアタイムボタンへのタップを待ち受ける(S204)。配信側UI制御部108はコアタイムボタンへのタップを検出したか否かを判定し、検出していなければ(S204のN)、S204の処理を繰り返す。配信側UI制御部108がコアタイムボタンへのタップを検出した場合(S204のY)、配信側通信部110は、タップされたコアタイムボタンが表示されているライブ配信ルーム画面に係るライブ配信のストリームIDを含むコアタイム開始要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する(S206)。
【0070】
コアタイムボタンへのタップが検出されると、配信側UI制御部108は、ディスプレイに表示されているライブ配信ルーム画面においてコアタイムボタンを無効化する(S208)。ユーザ端末20は、次のコアタイムの開始が可能となるタイミングが到来すると、次のコアタイムの開始指示の受け付けを開始する。配信側UI制御部108は、ステップS208においてコアタイムボタンが無効化されてから待機期間が経過したか否かを判定する(S210)。この判定は、例えば配信側UI制御部108がタイマ等の計時手段を用いてカウントすることにより実現されてもよいし、配信側通信部110がサーバ10に問い合わせることにより実現されてもよい。前者の場合、待機期間の残り時間に通常のカウントダウン以外の変動または増減があった場合(例えば、期間短縮ギフトの使用など)、サーバ10の待機期間管理部332は変動または増減の後の残り時間をユーザ端末20にネットワークNWを介して通知し、ユーザ端末20の配信側UI制御部108は通知された残り時間で待機期間のカウントを更新する。後者の場合、配信側通信部110がネットワークNWを介して周期的にサーバ10に待機期間が満了したかを問い合わせ、待機期間管理部332はユーザDB318を参照することで待機期間が満了したか否かを判定する。待機期間管理部332は判定の結果を配信側通信部110に返す。このように、待機期間の長さは、コアタイムが開始された後、次のコアタイムの開始が可能となるタイミングを決める。
【0071】
待機期間が経過した場合(S210のY)、配信側UI制御部108は処理をステップS202に戻し、無効化されていたコアタイムボタンを再度有効化する。これにより、次のコアタイムの開始指示の受け付けが開始される。
【0072】
図11は、配信者のユーザ端末20のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面630の代表画面図である。
図11のライブ配信ルーム画面630は、
図10のステップS204でコアタイムボタンのタップを待ち受けている状態に対応する。ライブ配信ルーム画面630は、配信者のユーザ端末20で生成された動画像をリアルタイムで表示する。ライブ配信ルーム画面630は、動画送信部106による送信対象となっている動画データを再生することにより得られる配信者の動画像632と、コメント表示領域634と、配信終了ボタン636と、コアタイムボタン638と、を有する。配信側UI制御部108は、動画データを再生することにより得られる動画像632に、他のオブジェクト、すなわち配信終了ボタン636、コメント表示領域634、コアタイムボタン638を重畳表示することによりライブ配信ルーム画面630を生成する。
【0073】
コメント表示領域634は、視聴者により入力されたコメントと、システムからの通知と、を含みうる。システムからの通知は、配信者に誰がどのギフトを贈ったかを示す情報と、配信者のライブ配信のコアタイムが開始されたことを示す情報と、配信者のライブ配信のコアタイムが終了したことを示す情報と、を含むことができる。配信側UI制御部108は、サーバ10から受信した視聴者のコメントおよびシステムからの通知を含むコメント表示領域634を生成し、生成されたコメント表示領域634をライブ配信ルーム画面630に含める。
【0074】
配信終了ボタン636は、ライブ配信の提供を止めるための指示を配信者から受け付けるためのオブジェクトである。
【0075】
ユーザ端末20の配信側通信部110は、コアタイムボタン638へのタップが検出されると、コアタイム開始要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。ユーザ端末20の配信側UI制御部108は、コアタイム開始要求が送信されると、コアタイムボタン638を無効化する。
【0076】
図12は、配信者のユーザ端末20のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面630の代表画面図である。
図12のライブ配信ルーム画面630は、
図10のステップS208でコアタイムボタンを無効化した直後の状態に対応する。
図11のライブ配信ルーム画面630においてコアタイムボタン638がタップされると、ディスプレイの表示は
図12のライブ配信ルーム画面630に遷移する。
図12では、コアタイムボタン640はグレーアウトまたは透過状態となる。配信側UI制御部108は、この状態のコアタイムボタン640に対するタップを受け付けないよう構成される。この状態のコアタイムボタン640がタップされても配信側UI制御部108はそれを無視する。ライブ配信ルーム画面630は、コアタイムボタン640に関連付けてインジケータ642を含む。インジケータ642は、ライブ配信ルーム画面630に係るライブ配信の待機期間の残り時間を示す。配信側UI制御部108は、待機期間のカウント数に応じて、またはサーバ10から取得した残り時間に応じて、インジケータ642の表示を更新する。ライブ配信ルーム画面630は、ライブ配信がコアタイム内にあるとき、コアタイム中オブジェクト644を含む。配信者はコアタイム中オブジェクト644があることで自身がコアタイム内であることを知ることができる。
図11のコアタイムボタン638のタップにより送信されたコアタイム開始要求に応じて、サーバ10においてライブ配信がコアタイム配信リスト338に登録されると、サーバ10はコアタイムの開始を知らせる開始メッセージ646を生成し、当該ライブ配信の配信者のユーザ端末20および視聴者のユーザ端末30に送信する。ユーザ端末20の配信側UI制御部108は、受信した開始メッセージ646をコメント表示領域634に含める。
【0077】
図12のライブ配信ルーム画面630の状態から時間が経過し、コアタイムが満了すると、配信側通信部110はコアタイムの終了を知らせる終了メッセージをサーバ10から受信し、配信側UI制御部108はその終了メッセージをコメント表示領域634に含める。配信側UI制御部108はコアタイム中オブジェクト644の表示を止める。その後、待機期間が経過すると、コアタイムボタンが活性化され、表示は
図11に示されるライブ配信ルーム画面630に準じたものとなる。
【0078】
図13は、サーバ10でのコアタイム配信リスト338の更新における一連の処理の流れを示すフローチャートである。コアタイム処理部330は、現在進行中のライブ配信の配信者のユーザ端末20からのコアタイム開始要求を待ち受ける(S220)。コアタイム処理部330は、コアタイム開始要求を受信しない場合(S220のN)、前回のコアタイム配信リスト338の更新からマスタ更新期間が経過したか否かを判定する(S222)。マスタ更新期間が経過した場合(S222のY)、処理は後述のステップS224のコアタイム配信リスト更新処理に進む。マスタ更新期間が経過していない場合(S222のN)、処理はステップS220に戻る。これにより、コアタイム配信リスト338の更新間隔はマスタ更新期間と同じかそれよりも短くなる。
【0079】
コアタイム開始要求を受信した場合(S220のY)、コアタイム処理部330は以下の処理を実行することによりコアタイム配信リスト338を更新する。更新後、処理はステップS220に戻る。
・コアタイム処理部330は、ステップS220で受信したコアタイム開始要求の要求元(または送信元)の配信者のライブ配信の情報をコアタイム配信リスト338の最上位に登録する。コアタイム処理部330は、コアタイム開始要求に含まれるストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるライブ配信の配信者の配信者IDと、コアタイム開始要求を受信した時刻と、を対応付けてコアタイム配信リスト338の一番上に登録する。コアタイム開始要求を受信した時刻はコアタイムの開始時刻として登録される。なお、ステップS224がステップS222のNから来た場合、この登録処理は発生しない。
・コアタイム処理部330は、コアタイムが満了したライブ配信の情報をコアタイム配信リスト338から削除する。コアタイム処理部330は、現在時刻と、コアタイム配信リスト338に登録されている各ライブ配信のコアタイムの開始時刻と、の差を算出する。コアタイム処理部330は、算出された差がコアタイムの長さを超えるライブ配信をコアタイム配信リスト338から削除する。
【0080】
図14は、視聴者のユーザ端末30にライブ配信を提供するときのライブ配信システム1における一連の処理の流れを示すフローチャートである。配信情報提供部302は、ユーザのユーザ端末におけるライブ配信アプリの起動を検出する(S240)。ユーザがユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信アプリのアプリアイコンをタップすると、当該ユーザ端末においてライブ配信アプリが起動する。ライブ配信アプリは、起動が完了すると、ユーザ端末のユーザのユーザIDを含む起動信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。サーバ10は起動信号を受信すると、送信元のユーザ端末におけるライブ配信アプリの起動を検出する。
【0081】
マッチング部334は、ステップS240でライブ配信アプリの起動が検出されたユーザ端末のユーザ(以下、対象ユーザという)の属性および視聴履歴を取得する(S242)。マッチング部334は、受信した起動信号に含まれるユーザIDに対応する属性およびレベルをユーザDB318から取得する。マッチング部334は、当該ユーザIDに対応する視聴履歴を不図示の履歴保持部から取得する。マッチング部334は、取得された情報に基づき、対象ユーザとコアタイム配信リスト338に登録されている各ライブ配信とのマッチングスコアを算出する(S244)。
【0082】
推薦処理部336は、コアタイム配信リスト338に登録されているライブ配信をマッチングスコアの高い順に並べ替えることで、対象ユーザ向けのまたは対象ユーザ用の推薦リストを生成し、推薦リストDB340に登録する(S246)。配信情報提供部302は、対象ユーザ向けの推薦リストの最上位に登録されているライブ配信の情報を、対象ユーザのユーザ端末にネットワークNWを介して送信する(S248)。本実施の形態では、ユーザ端末はライブ配信アプリを起動するとすぐに推薦対象配信に係るライブ配信ルーム画面を表示するので、これを実現するため、配信情報提供部302は最上位のライブ配信の動画データの中継を開始する。
【0083】
推薦処理部336は、対象ユーザ向けの推薦リストの前回の更新から推薦更新期間が経過したか否かを判定する(S250)。推薦更新期間が経過した場合(S250のY)、処理は後述のステップS252、S254、S256の推薦リスト更新処理に進む。推薦更新期間が経過していない場合(S250のN)、処理はステップS258に進む。これにより、推薦リストの更新間隔は推薦更新期間と等しいか同等となる。
【0084】
推薦更新期間が経過した場合(S250のY)、マッチング部334は、対象ユーザの属性および視聴履歴を取得する(S252)。マッチング部334は、対象ユーザのユーザIDに対応する属性およびレベルをユーザDB318から取得する。マッチング部334は、当該ユーザIDに対応する視聴履歴を不図示の履歴保持部から取得する。マッチング部334は、取得された情報に基づき、対象ユーザと、そのときコアタイム配信リスト338に登録されている各ライブ配信とのマッチングスコアを算出する(S254)。
【0085】
推薦処理部336は、以下の処理を実行することにより対象ユーザ向けの推薦リストを更新する。
・推薦処理部336は、コアタイム配信リスト338に登録されているライブ配信をマッチングスコアの高い順に並べ替えることで、対象ユーザ向けの新たな推薦リストを生成する。
・推薦処理部336は、対象ユーザ向けの現在の推薦リストを、上記で生成された新たな推薦リストで置換する。推薦処理部336は、このような置換が実現するよう推薦リストDB340を更新する。
その後、処理はステップS248に戻る。
【0086】
推薦更新期間が経過していない場合(S250のN)、配信情報提供部302は、対象ユーザのユーザ端末から配信変更要求を受信したか否かを判定する(S258)。配信変更要求を受信していない場合(S258のN)、処理はステップS250に戻る。配信変更要求を受信した場合(S258のY)、配信情報提供部302は、受信した配信変更要求が、次のライブ配信を要求するものであるか、それとも、前のライブ配信を要求するものであるか、を判定する(S260)。本実施の形態では、配信変更要求が上スワイプを示すスワイプ信号である場合、次のライブ配信を要求する配信変更要求であると判定され、配信変更要求が下スワイプを示すスワイプ信号である場合、前のライブ配信を要求する配信変更要求であると判定される。
【0087】
配信変更要求が次のライブ配信を要求するものである場合(S260の「次のライブ配信」)、中継部304は、対象ユーザ向けの推薦リストにおいて、対象ユーザが現在視聴しているライブ配信よりも一つ下の順位のライブ配信の情報を、対象ユーザのユーザ端末にネットワークNWを介して送信する(S262)。中継部304は、対象ユーザのユーザ端末から上スワイプを示すスワイプ信号を受信すると、ストリームDB314を参照し、スワイプ信号に含まれる対象ユーザのユーザIDを視聴者IDとして含むストリームIDを特定する。特定されたストリームIDで特定されるライブ配信が、対象ユーザが現在視聴しているライブ配信である。中継部304は、推薦リストDB340を参照し、対象ユーザの推薦リストにおいて、特定されたストリームIDの一つ下の順位のストリームIDを取得する。中継部304は、取得されたストリームIDで特定されるライブ配信の動画データの、対象ユーザのユーザ端末への提供を開始する。中継部304は、提供が開始されたライブ配信のストリームIDの視聴者IDに、対象ユーザのユーザIDが含まれるようにストリームDB314を更新する。その後、処理はステップS250に戻る。
【0088】
配信変更要求が前のライブ配信を要求するものである場合(S260の「前のライブ配信」)、中継部304は、対象ユーザ向けの推薦リストにおいて、対象ユーザが現在視聴しているライブ配信よりも一つ上の順位のライブ配信の情報を、対象ユーザのユーザ端末にネットワークNWを介して送信する(S264)。中継部304は、対象ユーザのユーザ端末から下スワイプを示すスワイプ信号を受信すると、ストリームDB314を参照し、スワイプ信号に含まれる対象ユーザのユーザIDを視聴者IDとして含むストリームIDを特定する。特定されたストリームIDで特定されるライブ配信が、対象ユーザが現在視聴しているライブ配信である。中継部304は、推薦リストDB340を参照し、対象ユーザの推薦リストにおいて、特定されたストリームIDの一つ上の順位のストリームIDを取得する。中継部304は、取得されたストリームIDで特定されるライブ配信の動画データの、対象ユーザのユーザ端末への提供を開始する。中継部304は、提供が開始されたライブ配信のストリームIDの視聴者IDに、対象ユーザのユーザIDが含まれるようにストリームDB314を更新する。その後、処理はステップS250に戻る。
【0089】
図5および
図9の例で説明すると、対象ユーザ「VR1」は
図5にある通り現在ライブ配信「ST1」を視聴している。対象ユーザ「VR1」が上スワイプを行うと、中継部304は
図9の推薦リストDB340を参照して、対象ユーザ「VR1」の推薦リストにおいてライブ配信「ST1」の一つ下の順位のライブ配信「ST4」を特定する。中継部304は対象ユーザ「VR1」のユーザ端末へのライブ配信「ST1」の中継を終了し、続けてライブ配信「ST4」の中継を開始する。次に対象ユーザ「VR1」が下スワイプを行うと、中継部304は
図9の推薦リストDB340を参照して、対象ユーザ「VR1」の推薦リストにおいてライブ配信「ST4」の一つ上の順位のライブ配信「ST1」を特定する。中継部304は対象ユーザ「VR1」のユーザ端末へのライブ配信「ST4」の中継を終了し、続けてライブ配信「ST1」の中継を開始する。
【0090】
図15は、対象ユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるライブ配信ルーム画面608の代表画面図である。対象ユーザのユーザ端末においてライブ配信アプリが起動され、当該ユーザ端末がサーバ10から推薦リストの最上位のライブ配信に係る動画データを受信すると、当該ユーザ端末の視聴側UI制御部202は
図15のライブ配信ルーム画面608を生成し、ディスプレイに表示させる。ライブ配信ルーム画面608は、配信者のユーザ端末20で生成された動画像をリアルタイムで表示する。ライブ配信ルーム画面608は、サーバ10から受信した動画データを再生することにより得られる配信者の動画像610と、ギフトオブジェクト612と、コメント入力領域616と、コメント表示領域618と、視聴終了ボタン620と、を有する。視聴側UI制御部202は、動画データを再生することにより得られる動画像610に、他のオブジェクト、すなわちギフトオブジェクト612、コメント入力領域616、コメント表示領域618、視聴終了ボタン620を重畳表示することによりライブ配信ルーム画面608を生成する。
【0091】
コメント入力領域616は視聴者によるコメントの入力を受け付ける。視聴側通信部204は、コメント入力領域616に入力されたコメントを含むコメント入力信号を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。併せて視聴側UI制御部202は、コメント入力領域616に入力されたコメントを表示するようにコメント表示領域618を更新する。
【0092】
視聴終了ボタン620は、ライブ配信の視聴を止めるための指示を視聴者から受け付けるためのオブジェクトである。
【0093】
視聴側UI制御部202は、ライブ配信ルーム画面608に対する上スワイプまたは下スワイプを検出すると、検出されたスワイプの向きと対象ユーザのユーザIDとを含むスワイプ信号を生成する。視聴側通信部204は、生成されたスワイプ信号をサーバ10にネットワークNWを介して送信する。
【0094】
視聴側UI制御部202は、ライブ配信ルーム画面608に対する左スワイプまたは右スワイプを検出すると、ライブ配信ルーム画面608の表示を止め、代わりにライブ配信選択画面をディスプレイに表示させる。あるいはまた、視聴側UI制御部202はディスプレイの表示をライブ配信ルーム画面608からライブ配信選択画面に遷移させる。
【0095】
図16は、対象ユーザのユーザ端末30のディスプレイに表示されるライブ配信選択画面600の代表画面図である。ライブ配信選択画面600は、サーバ10から受信した現在視聴可能なライブ配信のリストにある各ライブ配信を示すサムネイル602を含む。この現在視聴可能なライブ配信のリストは、コアタイム外のライブ配信と、コアタイム内のライブ配信と、を含む。このリストは、コアタイム内か否かという要素は考慮せずに、対象ユーザとライブ配信とのマッチングスコアに基づき生成されてもよい。視聴側UI制御部202は、サーバ10から取得したライブ配信のリストに基づいてライブ配信選択画面600を生成し、ディスプレイに表示させる。視聴者がサムネイル602のひとつをタップすると、対応するライブ配信のライブ配信ルーム画面に遷移する。
【0096】
本実施の形態では、コアタイム外のライブ配信を視聴するためには、ライブ配信アプリを起動した後最初に表示されるコアタイム内のライブ配信のライブ配信ルーム画面において左か右にスワイプしてライブ配信選択画面を表示させ、そこでコアタイム外のライブ配信のサムネイルをタップする必要がある。このように、コアタイム外のライブ配信の視聴には、コアタイム内のライブ配信の視聴よりも多くの手間がかかるよう設計されている。
【0097】
上述の実施の形態において、データベース(DB)の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0098】
本実施の形態に係るライブ配信システム1によると、配信者はコアタイムボタンを押すことにより、自身のライブ配信が潜在視聴者の推薦リストに載るタイミングを指定することができる。これにより、配信者は自身のライブ配信がより魅力的になるタイミングでより多くの潜在視聴者への露出を得ることができるので、より多くの視聴者がライブ配信に入って、かつ、留まるようになる。その結果、視聴者との交流が活性化され、配信者の満足度が向上する。また、視聴者としてはより魅力的なライブ配信を簡単な操作で次々に見ていくことができるので、ライブ配信をより楽しむことができるようになる。
【0099】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、コアタイムに期限を設け、かつ、コアタイムとコアタイムとの間も所定の間隔を置くようにしている。したがって、コアタイムの濫用を抑制すると共に、より多くの配信者にコアタイムの恩恵を提供することができる。
【0100】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、視聴者や配信者による対価の支払いや、ライブ配信のパラメータによってコアタイムを延長したり、待機期間の長さを調整する。したがって、視聴者および/または配信者に、露出を調整するための自由度とインセンティブを提供することができる。
【0101】
また、本実施の形態に係るライブ配信システム1では、視聴者にはいわゆるリール形式でコアタイム内のライブ配信が提供され、かつ、配信者によるコアタイムボタンの押し下げがリールのリストにリアルタイムで反映される。したがって、コアタイム開始の指示から露出の増大までのライムラグを低減することで配信者の満足度を高めることができると共に、リール形式で次々に魅力の高いライブ配信を視聴者に提供することで視聴者を惹き付けることができる。
【0102】
図17を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図17は、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれを実現しうる。
【0103】
情報処理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)902、およびRAM(Random Access Memory)903を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、カメラなどの撮像装置(不図示)を含む。CPU901は、本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能を実現するためのハードウェア構成の例である。本明細書に記載されている機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた回路(circuitry)により実現されてもよい。本明細書に記載されている機能を実現するようにプログラムされた回路(circuitry)は、CPU(a Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、および/又はこれらの組合せを含む。本明細書において特定の機能を実現するユニット、は、当該機能を実現するようにプログラムされた回路として実現されてもよい。
【0104】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM902、RAM903、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれに含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM902、およびRAM903は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0105】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置であってもよいし、マイクロフォンなどの音センサ、加速度センサ、傾きセンサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報または感知した物理量に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0106】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどのディスプレイ、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
【0107】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0108】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0109】
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
【0110】
通信装置929は、例えば、ネットワークNWに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワークNWは、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部としての機能を実現する。
【0111】
カメラなどの撮像装置(不図示)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、または動画を撮像するものであってもよい。
【0112】
以上、実施の形態に係るライブ配信システム1の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解される。
【0113】
実施の形態では、コアタイム内のライブ配信の情報を、コアタイム外のライブ配信の情報よりも優先してユーザに提供することの例として、コアタイム外のライブ配信を視聴するためにコアタイム内のライブ配信を視聴するのに必要な手間よりも多くの手間をかけさせる場合を説明したが、これに限られない。例えば、ユーザと現在視聴可能なライブ配信とのマッチングスコアを算出する際に、コアタイム内のライブ配信のマッチングスコアが、そうでないライブ配信のマッチングスコアよりも高くなるよう計算式を設定してもよい。あるいはまた、ユーザに提示するおすすめリストから、コアタイム外のライブ配信を除去してもよい。あるいはまた、ユーザへのリコメンデーションリストを生成する際に、コアタイム内のライブ配信が優先して含まれるように構成してもよい。
【0114】
変形例に係る配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、ユーザのユーザ端末からライブ配信に関する情報の提供要求を受けると、ストリームDB314を参照して現在視聴可能なライブ配信のリストを生成する。このリストはコアタイム内のライブ配信とコアタイム外のライブ配信を含みうる。配信情報提供部302は、コアタイム内のライブ配信がコアタイム外のライブ配信よりも優先してユーザに提供されるよう、このリストを調整する。例えば、配信情報提供部302は、リストからコアタイム外のライブ配信を除去する。あるいはまた、配信情報提供部302は、コアタイム内のライブ配信がコアタイム外のライブ配信よりも上位となるようリストをソーティングする。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、調整されたリストを要求元のユーザ端末に送信する。要求元のユーザ端末は、受信したリストに基づいてライブ配信選択画面を生成し、ユーザ端末のディスプレイに表示させる。
【0115】
ユーザ端末は、ライブ配信選択画面におけるユーザによるライブ配信の選択を受け付けると、選択されたライブ配信のストリームIDを含む配信要求を生成し、ネットワークNWを介してサーバ10に送信する。配信情報提供部302は、受信した配信要求に含まれるストリームIDにより特定されるライブ配信の、要求元のユーザ端末への提供を開始する。
【0116】
実施の形態では、ライブ配信がコアタイム内であるかコアタイム外であるかに応じて提供の優先度を分ける場合を説明したが、これに限られず、例えば配信者がコアタイム内であるかコアタイム外であるかに応じて提供の優先度を分けてもよい。
【0117】
実施の形態では、コアタイム内のライブ配信のリストをコアタイム配信リスト338として独立して設ける場合を説明したが、これに限られず、例えばストリームDB314やユーザDB318に、各ライブ配信や各配信者がコアタイムに入っているか否かを示す情報と、残り時間と、をさらに記憶させるよう構成してもよい。
【0118】
実施の形態では、前のライブ配信を推薦リストから特定する場合を説明したが、これに限られず、例えばユーザの視聴履歴を保持し、前のライブ配信が要求されると当該視聴履歴から前のライブ配信を特定するよう構成してもよい。この場合、以前視聴したが既にコアタイム外となり更新後の推薦リストからは外れているライブ配信をもう一度見たいときに、そのライブ配信に容易に戻ることを可能とする。
【0119】
実施の形態では、推薦リストをサーバ10で管理する場合を説明したが、これに限られず、ユーザの推薦リストを当該ユーザのユーザ端末で管理するよう構成してもよい。この場合、推薦リスト更新の度にユーザ端末はサーバから最新のコアタイム配信リスト338の内容を取得する。
【0120】
実施の形態では、ユーザごとに推薦リストを設ける場合を説明したが、これに限られない。例えば、マッチングスコアによる順序付けを行わなくてもよい。この場合、サーバは、ユーザ端末でアプリ起動が検出されると、コアタイム配信リスト338の最上位に登録されているライブ配信の当該ユーザ端末への中継を開始し、配信変更要求があると、コアタイム配信リスト338を参照して次に提供するライブ配信を決定する。あるいはまた、サーバは、ユーザ端末でアプリ起動が検出されると、当該ユーザ端末にコアタイム配信リスト338の複製を送信する。ユーザ端末は当該複製を参照して受信するライブ配信を決定する。この場合、サーバは、コアタイム配信リスト338の更新があるごとに更新後のコアタイム配信リスト338を各ユーザ端末に送信する。
【0121】
実施の形態では、配信者がコアタイムボタンを押すたびにコアタイム配信リスト338が更新される場合を説明したが、これに限られず、コアタイム配信リスト338への新規登録をバッチ処理で行うように構成してもよい。例えば、コアタイムボタンが押されたライブ配信の情報を蓄積する仮リストを設け、周期的に仮リストの内容でコアタイム配信リスト338を更新するよう構成してもよい。
【0122】
実施の形態では、コアタイム内のライブ配信に係るライブ配信ルーム画面を上下スワイプで切り替える場合を説明したが、これに限られない。例えば、ライブ配信ルーム画面に代えて、コアタイム内のライブ配信の配信者が予めシステムにアップロードしておいた動画や画像を表示し、その表示を切り替えてもよい。この動画や画像に、対応するライブ配信(現在進行中かつコアタイム内)を視聴するためのオブジェクトを含めてもよい。あるいはまた、コアタイム内のライブ配信から生成したクリップ(短い動画)やアーカイブやプレビューを表示し、その表示を切り替えてもよい。
【0123】
実施の形態では、推薦更新期間ごとに推薦リストが更新される場合を説明したが、これに限られず、例えばコアタイム配信リスト338が更新されるたびに、またはマスタ更新期間ごとに、推薦リストが更新されてもよい。あるいはまた、ユーザが現在の推薦リストにある全てのライブ配信を視聴した場合に推薦リストが更新されてもよい。
【0124】
実施の形態では、待機期間が経過するとコアタイムボタンの表示が開始または再開される場合を説明したが、これに限られない。例えば、絶対時刻の指定やライブ配信のパラメータの条件など要素により、コアタイムの開始が可能となるタイミングを決めてもよい。例えばある配信者は午後1時と午後4時にコアタイムボタンの表示が開始され、一方で他の配信者は午後2時と午後5時にコアタイムボタンの表示が開始されてもよい。あるいはまた、コアタイム外のライブ配信のスコアが所定のしきい値を超えると、または特別なギフトが使用されると、コアタイムボタンの表示が開始されてもよい。あるいはまた、配信者のレベルに応じてコアタイムの表示、非表示を制御してもよい。あるいはまた、コアタイムボタンの表示が可能な配信者のリストを用意し、当該リストに含まれる配信者のライブ配信においてのみコアタイムボタンを表示するように構成してもよい。このリストに掲載可能な配信者の数に上限を設けることで、コアタイム内のライブ配信の数を抑制し、コアタイムの効果を高めることができる。リストはライブ配信プラットフォームの管理者が管理し、例えばリストへの掲載をイベント入賞者へのプライズとしてもよい。
【0125】
実施の形態では、視聴するためにかかる手間の差で、コアタイム内のライブ配信をコアタイム外のライブ配信よりも優先する場合を説明したが、これに限られない。例えば、コアタイム内のライブ配信とコアタイム外のライブ配信とで異なる推薦ロジック、推薦方法、推薦アルゴリズムなどを用いるようにしてもよい。あるいはまた、コアタイム内のライブ配信を、コアタイム外のライブ配信とは異なる態様でユーザに提供してもよい。例えば、ライブ配信アプリにコアタイム内のライブ配信(のサムネイル)のみを集めたタブを設けてもよい。
【0126】
実施の形態におけるギフトの対価ポイントから付与報酬への換算率は一例であって、これらは例えばライブ配信システムの管理者により適宜設定されてもよい。
【0127】
実施の形態に係る技術的思想を、配信者の画像の代わりに配信者の動きと同期した動きをするアバターを用いるバーチャルライブ配信や、ライブコマースに適用してもよい。
【0128】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図、フローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本開示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【0129】
サーバ10により実現される機能の少なくとも一部は、サーバ10以外の装置、例えばユーザ端末20、30により実現されてもよい。ユーザ端末20、30により実現される機能の少なくとも一部は、ユーザ端末20、30以外の装置、例えば、サーバ10により実現されてもよい。例えば、視聴者のユーザ端末で行われる動画データの画像への所定のフレーム画像の重畳は、サーバ10で行われてもよいし、配信者のユーザ端末で行われてもよい。
【要約】
【課題】配信者のアクションを反映させることができるライブ配信提供の仕組みを提供する。
【解決手段】サーバは、ライブ配信中の配信者の端末からネットワークを介して優先提供期間開始要求を受け付けると、当該ライブ配信の優先提供期間を開始する開始手段と、ライブ配信の次の優先提供期間の開始が可能となるタイミングを管理する管理手段と、優先提供期間内のライブ配信の情報を、優先提供期間外のライブ配信の情報よりも優先してユーザに提供するための処理を行う処理手段と、を備える。。
【選択図】
図1