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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】フィルタ保持装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/00 20220101AFI20240528BHJP
   F02M 35/024 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
B01D46/00 C
F02M35/024 511B
F02M35/024 511A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020206528
(22)【出願日】2020-12-14
(65)【公開番号】P2022093829
(43)【公開日】2022-06-24
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591105063
【氏名又は名称】みすず精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 啓
(72)【発明者】
【氏名】長光 勇輔
(72)【発明者】
【氏名】池田 祐人
(72)【発明者】
【氏名】安藤 勝▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】山本 暁男
(72)【発明者】
【氏名】七條 考政
(72)【発明者】
【氏名】山本 晃平
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 信春
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-006842(JP,A)
【文献】特開2011-072962(JP,A)
【文献】特開昭53-139277(JP,A)
【文献】特開2014-050821(JP,A)
【文献】特開2007-021405(JP,A)
【文献】特開2011-072931(JP,A)
【文献】特開2022-089414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/54
F02M 35/00-35/16
F24F 7/04-7/06
F24F 1/0007,1/0059-1/008,1/02,1/032-1/0355
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体の流入が可能な第1開口部が設けられ、前記第1開口部に対応するようにフィルタを収容可能な枠体と、
前記枠体に収容される前記フィルタを前記枠体に対して固定するための固定部と、
を備え、
前記枠体は、前記第1開口部の前方に設けられた第2開口部を有し、
前記固定部は、前記枠体に開閉可能に支持され、前記第2開口部を閉塞可能な扉体であって、
前記扉体には、
前記扉体を開閉可能に支持するヒンジ軸と平行な軸によって回転自在に支持されたローラと、
前記枠体に収容された前記フィルタを前記第1開口部から離れた解放状態から前記第1開口部に押し付けて前記フィルタを前記枠体に対して固定する固定状態に切り替える操作ハンドルと、
前記操作ハンドルの回動量に伴って前記第1開口部に対する前記フィルタの押付力が変化するように構成されたカム機構と、
が設けられる、フィルタ保持装置。
【請求項2】
前記扉体は、前記第2開口部の一側縁部に開閉可能に支持された片開きの扉体である、
請求項に記載のフィルタ保持装置。
【請求項3】
前記扉体は、前記第2開口部の両側縁部に開閉可能に支持された両開きの扉体である、
請求項に記載のフィルタ保持装置。
【請求項4】
前記枠体は、前記第1開口部の側方に前記フィルタを挿入するための少なくとも一つの側面開口部を有する、請求項1からのいずれか一項に記載のフィルタ保持装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つの側面開口部は、前記第1開口部の両側方に一対設けられる、請求項に記載のフィルタ保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルタ保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所等の施設では電源喪失時に備えて非常用電源設備が用意されている。かかる非常用電源設備にはディーゼルエンジン等の内燃機関によって発電する電源設備が採用されるが、粉塵などの粒子状物質を含む雰囲気の中でも確実に始動し、安定的に発電することが求められる。そこで、原子力発電所等の施設又は非常用電源設備では外気取入口に粉塵などを捕集するためのフィルタ装置を設置することが求められる。
【0003】
特許文献1には、火山灰を捕集可能なフィルタ装置が開示されている。かかるフィルタ装置は、外気に含まれる火山灰を捕集するフィルタと、フィルタを外気の流れる方向と交差する方向にスライド可能に支持するレールと、複数のフィルタが外気の流れる方向と交差する方向に並んで配置されるようにレールを支持するフレームと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-37933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたフィルタ装置では吸気圧力損失が発生するので、内燃機関の吸気フィルタを別途設け、火山が噴火した場合に火山灰を捕集するフィルタを外気取入口に対して設置することが検討されている。このような外気取入口に対するフィルタの設置作業は少なからず時間や手間を要するが、例えば、火山が噴火して、近い将来、雰囲気中に火山灰のような粒子状物質の混入が予想される場合には、これらの粒子状物質が到達する前に迅速に設置作業を完了させる必要がある。そのため、内燃機関の吸気フィルタを別途設け、火山が噴火した場合に火山灰のような微粒子を捕集するフィルタを外気取入口に設置する際、フィルタの設置に要する時間の短縮が求められる。
【0006】
本開示は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、フィルタの設置に要する時間を短縮できるフィルタ保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係るフィルタ保持装置は、
気体の流入が可能な第1開口部が設けられ、前記第1開口部に対応するようにフィルタを収容可能な枠体と、
前記枠体に収容される前記フィルタを前記枠体に対して固定するための固定部と、
を備え、
前記固定部は、前記枠体に収容された前記フィルタを前記第1開口部から離れた解放状態と、前記枠体に収容された前記フィルタを前記第1開口部に押し付けて前記フィルタを前記枠体に対して固定する固定状態とに切替可能である。
【発明の効果】
【0008】
本開示のフィルタ保持装置によれば、固定部が枠体に収容されたフィルタを第1開口部に押し付けてフィルタを枠体に対して固定する固定状態に切り替えることで、第1開口部に対してフィルタが設置される。これにより、フィルタの設置に要する時間を短縮でき、近い将来、気体中に火山灰のような粒子状物質の混入が予想される場合にもこれらの粒子状物質が到達する前にフィルタの設置作業を完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】二つのフィルタ保持装置を気体の流通方向に連結したフィルタ保持装置を示す正面図である。
図2図1に示したフィルタ保持装置の平面図である。
図3図1に示したフィルタ保持装置の側面図である。
図4図1に示したフィルタ保持装置の背面図である。
図5-1】図1に示した気体の流入方向上流側に設置されたフィルタ保持装置の平面図であって、前面扉を閉塞した状態を示す図である。
図5-2】図1に示した気体の流入方向上流側に設置されたフィルタ保持装置の平面図であって、前面扉を開放した状態を示す図である。
図6図1に示した気体の流入方向上流側に設置されたフィルタ保持装置の固定部の構成を説明するための図である。
図7図1に示した気体の流入方向下流側に設置されるフィルタ保持装置の平面図である。
図8図1に示した気体の流入方向下流側に設置されるフィルタ保持装置の固定部の構成を説明するための図である。
図9】前面扉が両開きであるフィルタ保持装置の正面図である。
図10図9に示したフィルタ保持装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施の形態に係るフィルタ保持装置について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0011】
図1は、二つのフィルタ保持装置3,5を気体の流通方向に連結したフィルタ保持装置1を示す正面図である。図2は、図1に示したフィルタ保持装置1の平面図である。図3は、図1に示したフィルタ保持装置1の側面図である。図4は、図1に示したフィルタ保持装置1の背面図である。
【0012】
図1から図4に示すフィルタ保持装置1は、図2に示すように、二つのフィルタ保持装置dを気体の流通方向に連結したフィルタ保持装置1であって、二つのフィルタ保持装置3,5を連結した状態で設置可能であり、図には示さないが、二つのフィルタ保持装置3,5を分離することで単独でも設置可能である。
【0013】
二つのフィルタ保持装置3,5を気体の流入方向に連結したフィルタ保持装置1は、例えば、原子力発電所の建て屋等の施設の外気取入口や原子力発電所の施設に用意された非常用電源設備等の設備の外気取入口に設置される。
【0014】
図1に示すように、気体の流入方向上流側に設置されるフィルタ保持装置3は、前面扉37が設けられたフィルタ保持装置であって、枠体31及び固定部33を備えている。
【0015】
枠体31は、幅方向及び高さ方向よりも奥行き方向が短い直方体形状の枠体であって、前面と後面に開口部311,313(図2参照)が設けられるとともに、両側側面に各々開口部315(図3参照)が設けられている。前面開口部313は気体の流入が可能な開口部であって、前面開口部313と対応するように後面開口部313が設けられている。図1に示すように前面開口部313は正面視矩形であって、フィルタ100を正面から挿入するのに十分な大きさを有していてもよい。後面開口部313は前面開口部311と同様に正面視矩形であって、前面開口部311から挿入されたフィルタ100によって閉塞可能な大きさを有している。図3に示すように、側面開口部315は側面視矩形であって、フィルタ100を側方から挿入するのに十分な大きさを有している。よって、フィルタ100を設置する作業者は側面開口部315からフィルタ100を挿入することで後面開口部313に対してフィルタ100を供給することができる。図2に示すように、枠体31は、前面開口部311及び後面開口部313に対応するようにフィルタ100が収容可能であって、前面開口部311と後面開口部313との間には床板32(図3参照)が設けられ、キャスタ付きのフィルタがスライド可能に支持される。
【0016】
枠体31に収容されるフィルタ100は、気体が流入可能であって、気体に含まれる火山灰等の粒子状物質を捕集可能である。枠体31に収容されるフィルタ100は、筐体に収容されたフィルタであって、フィルタ100の後面開口部313に臨む縁部全周にはパッキン110が設けられている。パッキン110は、弾性変形可能な封止部材であり、フィルタ100が後面開口部313に対して押し付けられた場合に後面開口部313とフィルタ100との間を封止する。
【0017】
図1に示すように、上述した前面扉37は、前面開口部311の側縁部に設けられた上下一対のヒンジ371によって開閉可能に支持されている。前面扉37は気体の流入が可能な扉体で構成される。気体の流入が可能な扉体は、扉枠と扉枠に囲まれた領域を二つに分ける桟とで構成された扉体で構成されるが、これに限られるものではない。
【0018】
例えば、前面扉37の後面開口部313に対向する上枠373と下枠375の各々には一対のキャスタ38が設けられている。図5に示すように、キャスタ38に設けられるローラ381は、上述したヒンジ371のヒンジ軸3711と平行に設けられた軸によって回転自在であって、前面扉37を開放状態から閉塞状態に切り替えることで、枠体31に収容されたフィルタ100を後面開口部313に向けて押し出し可能である。よって、枠体31に収容されたフィルタ100を後面開口部313に押し付ける際にフィルタ100が傷ついたり潰れたりするのを防止できる。
【0019】
固定部33は、枠体31に収容されたフィルタ100を後面開口部313から離れた解放状態と、枠体31に収容されたフィルタ100を後面開口部313に押し付けて枠体31に対して固定する固定状態とに切替可能である。図6に示すように、固定部33は、前面扉37の前面に設けられた上下一対の操作ハンドル331,331と、該上下一対の操作ハンドル331,331と連携する上下一対のカム機構333,333とを含んで構成される。カム機構333は、操作ハンドル331の回動量に伴って後面開口部313に対するフィルタ100の押付力が変化するように構成されている。カム機構333は、操作ハンドル331に設けられたカム335と、該カム335に噛み合う受け金具337とを含んで構成される。
【0020】
操作ハンドル331は前面扉37に対して回動操作可能であり、操作ハンドル331に設けられたカム335の前面には操作ハンドル331の回転方向に徐々に厚みが厚くなるカム面335aが設けられ、操作ハンドル331を回動操作した場合にカム335に設けられたカム面が受け金具337(ガイド面337a)に案内され、操作ハンドル331が設けられた前面扉37が後面開口部313に向けて押し込まれる。これにより、前面扉37の閉状態(非押圧状態)から前面扉37を後面開口部313に向けて押圧する押圧状態に切り替わり、フィルタ100が解放状態から固定状態に切り替わる。
【0021】
上述した気体の流入方向上流側に設置されるフィルタ保持装置3によれば、フィルタ100を設置する作業者が前面開口部311又は側面開口部から枠体31にフィルタ100を挿入し、前面扉37を閉操作するとともに、操作ハンドル331を回動操作することで、後面開口部313に対してフィルタ100が設置される。これにより、フィルタ100の設置に要する時間を短縮でき、近い将来気体中に火山灰のような粒子状物質の混入が予想される場合にもこれらの粒子状物質が到達する前にフィルタ100の設置作業を完了させることができる。
【0022】
上述した気体の流入方向上流側に設置されるフィルタ保持装置3では、前面扉37は、前面開口部311の一側縁部に設けられた上下一対のヒンジ371,371によって開閉可能に支持されている片開きの扉体であるが、図9及び図10に示すように前面開口部311の両側縁部の各々に開閉可能に支持された両開き(観音開き)の扉体であってもよい。このように前面扉37が両開きの扉体である場合には、前面扉37の一方に上下一対の操作ハンドル331が設けられ、前面扉37の他方に操作ハンドル331に対応する上下一対の受け金具337が設けられる。
【0023】
図2から図4に示すように、気体の流入方向下流側に設置されるフィルタ保持装置5は、側面開口からフィルタ200が挿入されるフィルタ保持装置であって、枠体51及び固定部53を備えている。
【0024】
図2に示すように、枠体51は、気体の流入方向上流側に設置されるフィルタ保持装置3と幅及び高さが同じで奥行きが長い直方体の形状の枠体であって、前面と後面に開口部511,513が設けられるとともに、両側側面に各々開口部515,515が設けられている。前面開口部511は気体の流入が可能な開口部であって、前面開口部511と対応するように後面開口部513が設けられている。
【0025】
図4に示すように、前面開口部511は正面視矩形である。後面開口部513は前面開口部511と同様に正面視矩形であって、フィルタ200によって閉塞可能な大きさを有している。図3に示すように、側面開口部515は側面視矩形であって、フィルタ200を側方から挿入するのに十分な大きさを有している。よって、フィルタ200を設置する作業者は側面開口部515からフィルタを挿入することで後面開口部513に対してフィルタ200を供給することができる。また、枠体51は、前面開口部511及び後面開口部513に対応するようにフィルタ200が収容可能であって、前面開口部511と後面開口部513との間には床板52が設けられ、キャスタ付きのフィルタがスライド可能に支持される。
【0026】
また、図3に示すように、枠体51の両側に設けられた側面開口部515,515の各々には開閉可能な側面扉57が設けられている。側面扉57は、側面開口部515の縁部に設けられた上下一対のヒンジ571,571によって開閉可能に支持されている。また、側面扉57の前面には上下一対の操作ハンドル573,573が設けられ、対応する側縁部には操作ハンドル573,573に噛み合う一対の受け金具577,577が設けられている。よって、操作ハンドル573は側面扉57が側面開口部515を閉塞した状態を保持可能である。
【0027】
枠体51に収容されるフィルタ200は、気体の流入方向上流側に設置されるフィルタ保持装置3と同様、気体に含まれる火山灰等の粒子状物質を捕集可能なフィルタであってもよいが、火山灰等の粒子状物質を捕集した後の気体に含まれる粒子状物質よりも更に微小な微粒子状物質を捕集可能なフィルタであってもよい。枠体51に収容されるフィルタ200は、筐体に収容されたフィルタ200であって、フィルタ200の後面開口部513に臨む縁部全周にはパッキン210が設けられている。パッキン210は、弾性変形可能な封止部材であり、フィルタ200が後面開口部513に対して押し付けられた場合に後面開口部513とフィルタ200との間を封止する。
【0028】
固定部53は、枠体51に収容されたフィルタ200を後面開口部513から離れた解放状態と、枠体51に収容されたフィルタ200を後面開口部513に押し付けて枠体51に対して固定する固定状態とに切替可能である。図7及び図8に示すように、固定部53は、側面扉57の内側中程に設けられた操作ハンドル531と、該操作ハンドル531と連携するカム機構533とを含んで構成される。カム機構533は、操作ハンドル531の回動量に伴って後面開口部513に対するフィルタ200の押付力が変化するように構成されている。カム機構533は、操作ハンドル531に固定され、操作ハンドル531とともに回動可能なカム軸535と、カム軸535に固定され、カム軸535の回転によってフィルタ200を後面開口部513に向けて押し出すカム537とを含んで構成される。
【0029】
図7に示す操作ハンドル531は枠体51に対して回動操可能であり、カム軸535に固定されたカム537の外周には操作ハンドル531の回転方向に徐々にストロークが大きくなるカム面が設けられ、操作ハンドル531を回動操作した場合にカム537に設けられたカム面がフィルタ200を後面開口に向けて押し出す。これにより、フィルタ200が後面開口に向けて押し出され、フィルタ200が解放状態から固定状態に切り替わる。
【0030】
上述した気体の流入方向上流側に設置されるフィルタ保持装置5によれば、フィルタ200を設置する作業者が側面開口部515から枠体51にフィルタ200を挿入し、操作ハンドル531を回動操作することで、後面開口部513に対してフィルタ200が設置される。これにより、フィルタ200の設置に要する時間を短縮でき、近い将来気体中に火山灰のような粒子状物質の混入が予想される場合にもこれらの粒子が到達する前にフィルタ200の設置作業を完了させることができる。
【0031】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0032】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば、以下のように把握される。
【0033】
[1]の態様に係るフィルタ保持装置(3,5)は、
気体の流入が可能な第1開口部(後面開口部313,513)が設けられ、前記第1開口部(後面開口部313,513)に対応するようにフィルタ(100,200)を収容可能な枠体(31,51)と、
前記枠体(31,51)に収容される前記フィルタ(100,200)を前記枠体(31,51)に対して固定するための固定部(33,53)と、
を備え、
前記固定部(33,53)は、前記枠体(31,51)に収容された前記フィルタ(100,200)を前記第1開口部(後面開口部313,513)から離れた解放状態と、前記枠体(31,51)に収容された前記フィルタ(100,200)を前記第1開口部(後面開口部313,513)に押し付けて前記フィルタ(100,200)を前記枠体(31,51)に対して固定する固定状態とに切替可能である。
【0034】
このような構成によれば、固定部(33,53)が枠体(31,51)に収容されたフィルタ(100,200)を第1開口部(後面開口部313,513)に押し付けてフィルタ(100,200)を枠体(31,51)に対して固定する固定状態に切り替えることで、第1開口部(後面開口部313,513)に対してフィルタ(100,200)が設置される。これにより、フィルタ(100,200)の設置に要する時間を短縮でき、近い将来、気体中に火山灰のような粒子状物質の混入が予想される場合にもこれらの粒子状物質が到達する前にフィルタ(100,200)の設置作業を完了させることができる。
【0035】
[2]別の態様に係るフィルタ保持装置(3,5)は、[1]に記載のフィルタ保持装置(3,5)であって、
前記固定部(33,53)は、操作ハンドル(331,531)の回動操作によって前記解放状態と前記固定状態とが切替可能である。
【0036】
このような構成によれば、操作ハンドル(331,531)を操作することで解放状態から固定状態に切り替わることで、枠体(31,51)に収容されたフィルタ(100,200)を第1開口部(後面開口部313,513)に押し付けてフィルタ(100,200)を枠体(31,51)に対して固定するので、フィルタ(100,200)を枠体(31,51)に対して固定する時間を短くできる。
【0037】
[3]また別の態様に係るフィルタ保持装置(3,5)は、[2]に記載のフィルタ保持装置(3,5)であって、
前記固定部(33,53)は、前記操作ハンドル(331,531)の回動量に伴って前記第1開口部(後面開口部313,513)に対する前記フィルタ(100,200)の押付力が変化するように構成されたカム機構(333,533)を含む。
【0038】
このような構成によれば、固定部(33,53)はカム機構(333,533)によって操作ハンドル(331,531)の回動量に伴ってカム機構(333,533)が第1開口部(後面開口部313,513)に対するフィルタ(100,200)の押付力を変化させることでフィルタ(100,200)が第1開口部(後面開口部313,513)に密着するので、粒子状物質が含まれる気体がフィルタ(100,200)を通らずに施設内又は設備内に入り込むのを抑制できる。
【0039】
[4]また別の態様に係るフィルタ保持装置(3)は、[3]に記載のフィルタ保持装置(3)であって、
前記枠体(31)は、前記第1開口部(後面開口部313)の前方に設けられた第2開口部(前面開口部311)を有し、
前記固定部(33)は、前記枠体(31)に開閉可能に支持され、前記第2開口部(前面開口部311)を閉塞可能な扉体(前面扉37)であって、
前記操作ハンドル(331)と前記カム機構(333)は前記扉体(前面扉37)に設けられる。
【0040】
このような構成によれば、第2開口部(前面開口部311)に対して扉体(前面扉37)を閉塞するとともに操作ハンドル(331)を回動操作することでカム機構(333)が第1開口部(後面開口部313)に対するフィルタ(100)の押し付け力を変化させ、フィルタ(100)が第1開口部(後面開口部313)に密着するので、扉体(前面扉37)を閉塞するとともに操作ハンドル(331)を回動操作するだけで第1開口部(後面開口部313)にフィルタ(100)を密着させた状態で第1開口部(後面開口部313)に対してフィルタ(100)を設置できる。これにより、フィルタ(100)の設置に要する時間を短縮できる。
【0041】
[5]また別の態様に係るフィルタ保持装置(3)は、[4]に記載のフィルタ保持装置(3)であって、
前記扉体(前面扉37)は、前記第2開口部(前面開口部311)の一側縁部に開閉可能に支持された片開きの扉体である。
【0042】
このような構成によれば、第2開口部(前面開口部311)に対して片開きの扉体(前面扉37)を閉塞するとともに操作ハンドル(331)を回動操作することでカム機構(333)が第1開口部(後面開口部313)に対するフィルタ(100)の押し付け力を変化させ、フィルタ(100)が第1開口部(後面開口部313)に密着するので、片開きの扉体(前面扉37)を閉塞するとともに操作ハンドル(331)を回動操作するだけで第1開口部(後面開口部313)にフィルタ(100)を密着させた状態で第1開口部(後面開口部313)に対してフィルタ(100)を設置できる。これにより、フィルタ(100)の設置に要する時間を短縮できる。
【0043】
[6]また別の態様に係るフィルタ保持装置(3)は、[4]に記載のフィルタ保持装置(3)であって、
前記扉体(前面扉37)は、前記第2開口部(前面開口部311)の両側縁部に開閉可能に支持された両開きの扉体である。
【0044】
このような構成によれば、第2開口部(前面開口部311)に対して両開きの扉体(前面扉37)を閉塞するとともに操作ハンドル(331)を回動操作することでカム機構(333)が第1開口部(後面開口部313)に対するフィルタ(100)の押し付け力を変化させ、フィルタ(100)が第1開口部(後面開口部313)に密着するので、両開きの扉体(前面扉37)を閉塞するとともに操作ハンドル(331)を回動操作するだけで第1開口部(後面開口部313)にフィルタ(100)を密着させた状態で第1開口部(後面開口部313)に対してフィルタ(100)を設置できる。これにより、フィルタ(100)の設置に要する時間を短縮できる。
【0045】
[7]また別の態様に係るフィルタ保持装置(3)は、[4]から[6]のいずれか一つに記載のフィルタ保持装置(3)であって、
前記扉体(前面扉37)は、前記扉体(前面扉37)を開閉可能に支持するヒンジ軸(3711)と平行な軸によって回転自在に支持されたローラ(381)を備える。
【0046】
このような構成によれば、枠体(31)に収容されたフィルタ(100)を第1開口部(後面開口部313)に押し付ける際にフィルタ(100)が傷ついたり潰れたりするのを防止できる。
【0047】
[8]また別の態様に係るフィルタ保持装置(3,5)は、[1]から[7]のいずれか一つに記載のフィルタ保持装置(3,5)であって、
前記枠体(31,51)は、前記第1開口部(313,513)の側方に前記フィルタ(100,200)を挿入するための少なくとも一つの側面開口部(315,515)を有する。
【0048】
このような構成によれば、フィルタ(100,200)を設置する作業者は少なくとも一つの側面開口部(315,515)からフィルタ(100,200)を挿入することで第1開口部(後面開口部313,513)に対してフィルタ(100,200)を供給することができる。
【0049】
[9]また別の態様に係るフィルタ保持装置(3,5)は、[8]のフィルタ保持装置(3,5)であって、
前記少なくとも一つの側面開口部(315,515)は、前記第1開口部(313,513)の両側に一対設けられる。
【0050】
このような構成によれば、フィルタ(100,200)を設置する作業者は第1開口部(後面開口部313)の両側に一対設けられた側面開口部(313,513)のどちらからでもフィルタ(100,200)を挿入できるので、フィルタ(100,200)を設置する作業者の利便性が向上する。
【符号の説明】
【0051】
1,3,5 フィルタ保持装置
31 枠体
311 前面開口部
313 後面開口部
315 側面開口部
32 床板
33 固定部
331 操作ハンドル
333 カム機構
335 カム
337 受け金具
37 前面扉
371 ヒンジ
3711 ヒンジ軸
373 上枠
375 下枠
38 キャスタ
381 ローラ
51 枠体
511 前面開口部
513 後面開口部
515 側面開口部
52 床板
53 固定部
531 操作ハンドル
533 カム機構
535 カム軸
537 カム
55 パッキン
57 側面扉
571 ヒンジ
573 操作ハンドル
577 受け金具
100,200 フィルタ
110,210 パッキン
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6
図7
図8
図9
図10