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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20240528BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20240528BHJP
   F24F 11/526 20180101ALI20240528BHJP
   F24C 15/20 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
F24F7/007 C
F24F7/06 101Z
F24F11/526
F24C15/20 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020007757
(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公開番号】P2021113664
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】大岩 雄志
【審査官】広瀬 雅治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-033147(JP,U)
【文献】実開昭59-155438(JP,U)
【文献】特開2009-156562(JP,A)
【文献】特開2012-019808(JP,A)
【文献】特開2007-010307(JP,A)
【文献】実開平06-035802(JP,U)
【文献】特開2016-029318(JP,A)
【文献】特開平10-137060(JP,A)
【文献】特開平05-322243(JP,A)
【文献】特開平05-231683(JP,A)
【文献】特開平02-093231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/007
F24F 7/06
F24F 11/526
F24C 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器の上方に設置され、前記調理器での調理で発生した油煙を捕集して排気するレンジフードであって、
前記レンジフードの運転状況を変更する信号を出力する手動運転操作部と、
前記手動運転操作部からの信号で前記レンジフードの運転状況を変更する制御部と、
前記調理器での調理状態を監視する調理状態監視部と、通知部を備え、
前記制御部には、油煙の発生量、鍋底の温度、調理部上部の温度のいずれか1つ、または複数の組み合わせである前記レンジフードの運転状況に見合う前記調理器での調理状態が設定され、
前記制御部は、前記レンジフードの運転状況に見合う設定された調理状態に対して前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時と下回るまたは少ないと判断した時に、前記通知部で前記レンジフードの運転状況が調理状態に見合わないことを通知することを特徴とするレンジフード。
【請求項2】
請求項1記載のレンジフードにおいて、
前記制御部は、前記通知部が通知をしてから一定時間経過後に再度判断をして、一定時間経過後の前記レンジフードの運転状況に見合う設定された調理状態に対して一定時間経過後の前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時と下回るまたは少ないと判断した時に、前記通知部で前記レンジフードの運転状況が調理状態に見合わないことを再度通知するレンジフード。
【請求項3】
請求項1記載のレンジフードにおいて、
前記制御部は、前記通知部が通知をしてから一定時間経過後に再度判断をして、一定時間経過後の前記レンジフードの運転状況に見合う設定され調理状態に対して一定時間経過後の前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時と下回るまたは少ないと判断した時に、前記レンジフードの運転状況を前記調理状態監視部が監視している調理状態に見合う運転状況に変更するレンジフード。
【請求項4】
請求項1記載のレンジフードにおいて、
前記レンジフードの運転状況を、前記油煙を捕集して排出する排気ファンの風量とし、
前記制御部には、前記排気ファンの風量に見合う前記調理器の調理状態が設定され、
前記制御部は、前記排気ファンの風量に見合う設定された調理状態に対して前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時に、前記通知部で前記排気ファンの風量が少ないことを通知し、かつ前記通知部が通知をしてから一定時間経過後に再度判断をして、一定時間経過後の前記排気ファンの風量に見合う設定された調理状態に対して一定時間経過後の前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時に、通知部で前記排気ファンの風量が少ないことを再度通知するレンジフード。
【請求項5】
請求項1記載のレンジフードにおいて、
前記レンジフードの運転状況を、前記油煙を捕集して排出する排気ファンの風量とし、
前記制御部には、前記排気ファンの風量に見合う前記調理器の調理状態が設定され、
前記制御部は、前記排気ファンの風量に見合う設定された調理状態に対して前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回る又は多いと判断した時に、前記通知部で前記排気ファンの風量が少ないことを通知し、かつ前記通知部が通知をしてから一定時間経過後に再度判断をして、一定時間経過後の前記排気ファンの風量に見合う設定した調理状態に対して一定時間経過後の前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時に、前記排気ファンの風量を前記調理状態に見合う風量とするレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器での調理で発生した油煙を捕集して排気するレンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調理器での調理で発生した油煙を捕集して排気するレンジフードとして、レンジフードの運転状況を使用者が手動で変更するものが提案されている。
例えば、特許文献1に、フードと、排気ファン(送風機)と、フイルタと、運転操作部とを備え、使用者が運転操作部を操作して排気ファンの風量を増減することで、レンジフードの運転状況を変更するレンジフードが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-220100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レンジフードは、調理器での調理状態に見合う運転状況で運転することが望ましいが、特許文献1に開示されたように、運転状況を使用者が手動で変更するレンジフードにおいては、レンジフードは、使用者が変更した運転状況で運転され続けるので、調理器での運転状態が変化した場合などには、レンジフードの運転状況が調理器での調理状態に見合わなくなってしまう。また、使用者が調理器での調理状態に見合わない運転状況に変更してしまうことがあり、その場合には、レンジフードが、調理器での調理状態に見合わない運転状況で運転されることになる。
レンジフードが、調理器での調理状態に見合わない運転状況で運転されると、種々の不具合が発生することがある。例えば、調理器での調理状態が多くの油煙を発生する状態の時には、調理で発生した油煙を迅速に排気するために、レンジフードの運転状況を、排気ファンの風量が多い運転状況とするが、使用者が、レンジフードの運転状態を排気ファンの風量が少ない運転状況に変更すると、調理で発生した油煙の排気が不十分で、レンジフードの周辺に多量の油煙が溜まってしまうことになる。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決すために為されたものであり、その目的は、調理器での調理状態に見合わない運転状況で運転していることを、使用者が知ることができるレンジフードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のレンジフードは、調理器の上方に設置され、前記調理器での調理で発生した油煙を捕集して排気するレンジフードであって、前記レンジフードの運転状況を変更する信号を出力する手動運転操作部と、前記手動運転操作部からの信号で前記レンジフードの運転状況を変更する制御部と、前記調理器での調理状態を監視する調理状態監視部と、通知部を備え、前記制御部には、前記レンジフードの運転状況に見合う前記調理器での調理状態が設定され、前記制御部は、油煙の発生量、鍋底の温度、調理部上部の温度のいずれか1つ、または複数の組み合わせである前記レンジフードの運転状況に見合う設定された調理状態に対して前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時と下回るまたは少ないと判断した時に、前記通知部で前記レンジフードの運転状況が調理状態に見合わないことを通知することを特徴とするレンジフードである。
【0007】
本発明のレンジフードにおいては、前記制御部は、前記通知部が通知をしてから一定時間経過後に再度判断をして、一定時間経過後の前記レンジフードの運転状況に見合う設定された調理状態に対して一定時間経過後の前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時と下回るまたは少ないと判断した時に、前記通知部で前記レンジフードの運転状況が調理状態に見合わないことを再度通知するレンジフードとすることができる。
この構成のレンジフードによれば、通知部での通知後に使用者が再度運転状況を変更することを忘れること等を防止できる。
【0008】
本発明のレンジフードにおいては、前記制御部は、前記通知部が通知をしてから一定時間経過後に再度判断をして、一定時間経過後の前記レンジフードの運転状況に見合う設定され調理状態に対して一定時間経過後の前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時と下回るまたは少ないと判断した時に、前記レンジフードの運転状況を前記調理状態監視部が監視している調理状態に見合う運転状況に変更するレンジフードとすることができる。
この構成のレンジフードによれば、通知部での通知後に使用者が再度運転状況を変更することを忘れても、調理状態に見合う運転状況で運転できる。
【0009】
本発明のレンジフードにおいては、前記レンジフードの運転状況を、前記油煙を捕集して排出する排気ファンの風量とし、前記制御部には、前記排気ファンの風量に見合う前記調理器の調理状態が設定され、
前記制御部は、前記排気ファンの風量に見合う設定された調理状態に対して前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時に、前記通知部で前記排気ファンの風量が少ないことを通知し、かつ前記通知部が通知をしてから一定時間経過後に再度判断をして、一定時間経過後の前記排気ファンの風量に見合う設定された調理状態に対して一定時間経過後の前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時に、通知部で前記排気ファンの風量が少ないことを再度通知するレンジフードとすることができる。
この構成のレンジフードによれば、通知部での通知後に使用者が再度排気ファンの風量を変更することを忘れる等を防止できる。
【0010】
本発明のレンジフードにおいては、前記レンジフードの運転状況を、前記油煙を捕集して排出する排気ファンの風量とし、前記制御部には、前記排気ファンの風量に見合う前記調理器の調理状態が設定され、
前記制御部は、前記排気ファンの風量に見合う設定された調理状態に対して前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時に、前記通知部で前記排気ファンの風量が少ないことを通知し、かつ前記通知部が通知をしてから一定時間経過後に再度判断をして、一定時間経過後の前記排気ファンの風量に見合う設定された調理状態に対して一定時間経過後の前記調理状態監視部が監視する調理状態が、上回るまたは多いと判断した時に、前記排気ファンの風量を前記調理状態に見合う風量とするレンジフードとすることができる。
この構成のレンジフードによれば、通知部での通知後に使用者が再度排気ファンの風量を変更することを忘れても、調理状態に見合う排気ファンの風量で運転できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のレンジフードによれば、使用者が運転状況を変更した時に通知部での通知により、調理器での調理状態に見合わない運転状況に変更したことを使用者が知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のレンジフードと調理器の実施の形態を概略的に示す正面図である。
図2】制御部の実施の形態を示す説明図である。
図3】本発明のレンジフードの第2の実施の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のレンジフードの実施の形態を図1に基づいて説明する。図1は本発明のレンジフードと調理器の実施の形態を概略的に示す正面図である。
レンジフード1は、フード2と、排気ファン3と、手動運転操作部4と、運転状況表示部5と、調理状態監視部6と、通知部7と、制御部8と、図示しないフイルタ等を備えている。
手動運転操作部4は、フード2の前面2aに設けられ、使用者が操作し易くしてある。
運転状況表示部5と通知部7は、フード2の前面2aに設けられ、使用者が目視し易くしてある。
制御部8はフード2の内部に設けてある。使用者とは調理をする者などレンジフードを操作する者である。
【0014】
レンジフード1は調理器10の上方に設置されている。なお、レンジフード1は調理器10の近傍に設置してもよい。
フード2は、下面に開口した流路(図示せず)を有し、その流路に図示しないフイルタが設けてある。
排気ファン3は、ファン3aと、ファン3aを回転するモータ3bを有し、モータ3bでファン3aを回転することで排気ファン3が駆動する。
ファン3aがフード2の流路に臨むように設けてある。
排気ファン3が駆動することで、調理器10での調理で発生した油煙をフード2の流路に捕集し、図示しないフイルタを通して屋外などに排気する。
【0015】
手動運転操作部4は、レンジフードの運転状況を変更するものである。
運転状況表示部5は、レンジフードの運転している運転状況を表示する。
調理状態監視部6は、調理器10での調理状態を監視するものである。
通知部7は、レンジフードの運転状況が、調理状態監視部6が監視している調理状態に見合わないことを通知する。
制御部8は、手動運転操作部4の操作によりレンジフードの運転状況を変更し、かつ変更した運転状況を運転状況表示部5に表示する。また制御部8は、レンジフードの運転状況が、調理状態監視部6が監視している調理状態に見合わない運転状況の時に、通知部7で運転状況が調理状態に見合わないことを通知する。
【0016】
図2に示すように、手動運転操作部4は運転スイッチ40と、レンジフードの運転状況を手動で設定する運転状況手動設定スイッチ41を有している。
運転スイッチ40は制御部8にレンジフードの運転開始信号と、レンジフードの運転停止信号を入力する。
運転状況手動設定スイッチ41は、第1運転状況設定信号を出力する第1運転状況手動設定スイッチ41aと、第2運転状況設定信号を出力する第2運転状況手動設定スイッチ41bと、第3運転状況設定信号を出力する第3運転状況手動設定スイッチ41cを備えている。第1、2、3運転状況設定信号は制御部8に入力される。
運転状況表示部5は、レンジフードが第1運転状況で運転していることを表示する第1表示部50と、レンジフードが第2運転状況で運転していることを表示する第2表示部51と、レンジフードが第3運転状況で運転していることを表示する第3表示部52とを備えている。
【0017】
制御部8は、運転開始信号と第1運転状況設定信号が入力されると、レンジフードを第1運転状況で運転し、かつ第1表示部50を表示する。
制御部8は、運転開始信号と第2運転状況設定信号が入力されると、レンジフードを第2運転状況で運転し、かつ第2表示部51を表示する。
制御部8は、運転開始信号と第3運転状況設定信号が入力されると、レンジフードを第3運転状況で運転し、かつ第3表示部52を表示する。
実施の形態では、レンジフードの運転状況を排気ファン3の風量とし、運転状況手動設定スイッチ41の出力する運転状況設定信号と、運転状況表示部5の表示部の表示を次のようにしてある。
【0018】
第1運転状況設定スイッチ41aが出力する第1運転状況設定信号は、排気ファン3の風量を最大とする信号である。
第2運転状況設定スイッチ41bが出力する第2運転状況設定信号は、排気ファン3の風量を中位とする信号である。
第3運転状況設定スイッチ41cが出力する第3運転状況設定信号は、排気ファン3の風量を最小とする信号である。
【0019】
第1表示部50は、排気ファン3の風量を最大としてレンジフードが運転している第1運転状況を表示する。例えば、強風量運転の文字表示、または強風量運転の音声発生をする。
第2表示部51は、排気ファン3の風量を中位としてレンジフードが運転している第2運転状況を表示する。例えば、中風量運転の文字表示、または中風量運転の音声発生をする。
第3表示部52は、排気ファン3の風量を最小としてレンジフードが運転している第3運転状況を表示する。例えば、弱風量運転の文字表示、または弱風量運転の音声発生をする。
【0020】
制御部8は、レンジフードの運転開始信号と第1運転状況設定信号が入力されると、排気ファン3のモータ3bの通電量を多くしてファン3aを高速回転することで、排気ファン3の風量を最大とし、レンジフードの運転状態を第1運転状況とする。制御部8は、これと同時に第1表示部50を表示する。
制御部8は、レンジフードの運転開始信号と第2運転状況設定信号が入力されると、排気ファン3のモータ3bの通電量を中位としてファン3aを中速回転することで、排気ファン3の風量を中位とし、レンジフードの運転状況を第2運転状況とする。制御部8は、これと同時に第2表示部51を表示する。
制御部8は、レンジフードの運転開始信号と第3運転状況設定信号が入力されると、排気ファン3のモータ3bの通電量を少なくしてファン3aを低速回転することで、排気ファン3の風量を最小とし、レンジフードの運転状況を第3運転状況とする。制御部8は、これと同時に第3表示部52を表示する。
【0021】
制御部8は、レンジフードの運転停止信号が入力されると、モータ3bの通電を止め、排気ファン3を駆動停止し、レンジフードの運転を停止する。制御部8は、これと同時に表示している表示部の表示を止める。
したがって、レンジフードを手動操作で変更して運転している時に、排気ファン3の風量、つまりレンジフードの運転状況を使用者が知ることができる。
【0022】
調理状態監視部6は、調理器での調理状態を監視するもので、調理器での調理状態を制御部8に入力する。
制御部8は、判定部80を備えている。判定部80は、レンジフードの運転状況が調理状態監視部6から入力された調理器での調理状態に見合うかを判断する。判定部80が、運転状況が調理状態に見合わないと判断した時に、制御部8は、調理状態に見合わない運転状況であることを通知部7で通知をする。
実施の形態では、調理状態監視部8は煙センサで、調理器での調理で発生する油煙の発生量を調理状態とする。レンジフードの運転状況は、排気ファン3の風量としている。判定部80は、排気ファン3の風量と、調理で発生した油煙の発生量を比較して、レンジフードの運転状況が調理器での調理状態に見合うかを判断する。
【0023】
判定部80による判断の一例を説明する。
制御部8は、第1、第2、第3設定部81,82,83を有している。第1設定部81には、排気ファン3の最大の風量に見合う油煙の発生量の範囲が設定してある。
第2設定部82には、排気ファン3の中位の風量に見合う油煙の発生量の範囲が設定してある。第3設定部83には、排気ファン3の最小の風量に見合う油煙の発生量の範囲が設定してある。
制御部8に第1運転状況設定信号が入力され、レンジフードの運転状況を排気ファン3の風量が最大である第1運転状況とした場合には、判定部80は、調理状態監視部6から入力された調理で発生した油煙の発生量が、第1設定部81に設定した排気ファン3の最大の風量に見合う油煙の発生量の範囲を下回る場合に、運転状況が調理状態に見合わないと判断し、制御部8は、運転状況が調理状態に見合わないことを通知部7で通知する。
調理で発生した油煙の発生量が、第1設定部81に設定した排気ファン3の最大風量に見合う油煙の発生量の範囲内の時には、判定部80は運転状況が調理状態に見合うと判断し、制御部8は、運転状況が調理状態に見合わないことを通知部7で通知しない。この状態で調理状態が変化し、調理で発生した油煙の発生量が、第1設定部81に設定した排気ファン3の最大の風量に見合う油煙の発生量の範囲を下回る場合には、判定部80は運転状況と調理状態が見合わないと判断し、通知部7で通知をする。
【0024】
制御部8に第2運転状況設定信号が入力され、レンジフードの運転状況を排気ファン3の風量が中位である第2運転状況とした場合には、判定部80は、調理状態監視部6から入力された調理で発生した油煙の発生量が、第2設定部82に設定した排気ファン3の中位の風量に見合う油煙の発生量の範囲を上回る場合、および下回る場合、つまり、排気ファン3の中位の風量に見合う油煙の発生量の範囲外の時に、運転状況が調理状態に見合わないと判断し、制御部8は、運転状況が調理状態に見合わないことを通知部7で通知する。
調理で発生した油煙の発生量が、第2設定部82に設定した排気ファン3の中位の風量に見合う油煙の発生量の範囲内の時には、判定部80は運転状況が調理状態に見合うと判断し、制御部8は、運転状態が調理状態に見合わないことを通知部7で通知しない。この状態で調理状態が変化し、調理で発生した油煙の発生量が、先に述べたように第2設定部82に設定した排気ファン3の中位の風量に見合う油煙の発生量の範囲外の時には、判定部80は運転状況と調理状態が見合わないと判断し、通知部7で通知をする。
【0025】
制御部8に第3運転状況設定信号が入力され、レンジフードの運転状況を排気ファン3の風量が最小である第3運転状況とした場合には、判定部80は、調理状態監視部6から入力された調理で発生した油煙の発生量が、第3設定部83に設定した排気ファン3の最小の風量に見合う油煙の発生量の範囲を上回る場合に、運転状況が調理状態に見合わないと判断し、制御部8は、運転状況が調理状態に見合わないことを通知部7で通知する。
調理で発生した油煙の発生量が、第3設定部83に設定した排気ファン3の最小の風量に見合う油煙の発生量の範囲内の時には、判定部80は運転状況が調理状態に見合うと判断し、制御部8は、運転状況が調理状態に見合わないことを通知部7で通知しない。この状態で調理状態が変化し、調理で発生した油煙の発生量が、第3設定部83に設定した排気ファン3の最小の風量に見合う油煙の発生量の範囲を上回る場合には、判定部80は運転状況と調理状態が見合わないと判断し、通知部7で通知をする。
【0026】
判定部80の判断は次のようにしてもよい。
排気ファン3の最大の風量に見合う油煙の発生量の範囲と、排気ファン3の中位の風量に見合う油煙の発生量の範囲との境目の油煙の発生量を第1設定値(第1閾値)として第1設定部81に設定する。排気ファン3の中位の風量に見合う油煙の発生量の範囲と、排気ファン3の最小の風量に見合う油煙の発生量の範囲との境目の油煙の発生量を第2設定値(第2閾値)として第2設定部82に設定する。第3設定部83には何も設定しない。
判定部80は、使用者がレンジフードの運転状況を第1運転状況に変更した場合には、調理で発生している油煙の発生量が第1設定値より少ない時に、運転状況が調理状態に見合わないと判断し、制御部8は、運転状況が調理状態に見合わないことを通知部7で通知する。油煙の発生量が第1設定値より多い時には運転状況と調理状態が見合うと判断するが、この状態で調理状態が変化し、調理で発生した油煙の発生量が、第1設定値より少なくなると運転状況と調理状態が見合わないと判断し通知部7で通知をする。
【0027】
判定部80は、使用者がレンジフードの運転状況を第2運転状況に変更した場合には、調理で発生している油煙の発生量が第1設定値より多い時、および第2設定値より少ない時に、運転状況が調理状態に見合わないと判断し、制御部8は、運転状況が調理状態に見合わないことを通知部7で通知する。油煙の発生量が第1設定値より少ない時、および第2設定値より多い時には運転状況が調理状態に見合うと判断するが、この状態で調理状態が変化し、調理で発生した油煙の発生量が、第1設定値より多くなった時、および第2設定値より少なくなった時には運転状況と調理状態が見合わないと判断し、通知部7で通知をする。
判定部80は、使用者がレンジフードの運転状況を第3運転状況に変更した場合には、調理で発生している油煙の発生量が第2設定値より多い時に、運転状況が調理状態に見合わないと判断し、制御部8は、運転状況が調理状態に見合わないことを通知部7で通知する。油煙の発生量が第2設定値より少ない時には運転状況が調理状態に見合うと判断するが、この状態で調理状態が変化し、調理で発生した油煙の発生量が、第2設定値より多くなった時には運転状況と調理状態が見合わないと判断し、通知部7で通知をする。
したがって、使用者が運転状況を変更操作した時に、通知部7の通知により調理状態に見合わない運転状況に変更したことを使用者が知ることができる。
そして、使用者は、通知部7の通知により再度運転状況の変更操作をし、調理状態に見合う運転状態に変更する。
また、調理状態と運転状況が見合う状態から調理状態が変化し、運転状況と調理状態が見合わなくなったことを使用者が知ることをできる。
【0028】
使用者が、通知部7の通知後に運転状況を再度変更操作しない場合、または使用者が、調理状態に見合う運転状態とは異なる運転状況に再度変更操作した場合などには、通知部7で通知をしたのちでも調理状態に見合わない運転状況で運転されることになるから、種々の不具合が発生することがある。
そこで、制御部8を次の構成とする。
通知部7で通知をしてから一定時間経過後に判定部80が、調理状態に見合わない運転状況で運転していると判断した際に、制御部8が、通知部7で再度通知する構成とする。
通知部7での再度通知は、最初の通知よりも強いものとする。例えば、最初の通知を「ピー」の音とし、再度の通知を「ピー、ピー」の音とする。または、最後の通知の音を最初の通知の音よりも大きい音とする。
【0029】
制御部8をこの構成とすることで、使用者が調理状態に見合わない運転状況に変更したことを2度通知するので、使用者が再度運転状況を変更する操作を忘れること等を防止できる。
例えば、使用者の操作により変更した運転状況が、調理により発生している油煙の発生量に見合う排気ファン3の風量よりも少ない排気ファン3の風量である時には、制御部8が通知部7で通知をする。
通知部7で通知をしてから一定時間経過後に、排気ファン3の風量が油煙の発生量に見合う風量より少ない時には通知部7で再度通知をする。
【0030】
制御部8を次の構成としてもよい。
通知部7で通知をしてから一定時間経過後に判定部80が、調理状態に見合わない運転状況で運転していると判断した際に、制御部8が、調理状態に見合う運転状態に強制的に変更する構成とする。
制御部8をこの構成とすることで、通知部7で通知後に使用者が再度運転状況の変更操作を忘れても調理状態に見合う運転状況で運転できる。
例えば、使用者の操作により変更した運転状況が、調理により発生している油煙の発生量に見合う排気ファン3の風量よりも少ない排気ファン3の風量である時には、制御部8が通知部7で通知をする。
【0031】
通知部7で通知をしてから一定時間経過後に、排気ファン3の風量が油煙の発生量に見合う風量より少ない時には、制御部8が、排気ファン3の風量が調理により発生している油煙の発生量に見合う風量である運転状況に強制的に変更する。
制御部8をこの構成とすることで、使用者の運転状況の変更操作によらずに、排気ファン3の風量を調理により発生している油煙の発生量とすることができ、排気ファン3の風量不足による不具合が生じることを未然に防止できる。
判定部80を制御部8に設けたが、判定部80を制御部8とは別に設けてもよい。この場合には制御部8と判定部80とで信号(情報)のやり取りを行う。
【0032】
調理状態監視部6は煙センサに限ることはなく、図1に示すように、調理器10の調理部10aに設けて鍋11の底の温度を測定する鍋底温度センサ、フード2の下面2bに設けて調理部11周辺上部の温度を測定する温度センサなどのいずれか1つ、または複数を組み合わせて使用することができる。
調理状態監視部6を煙センサとした場合には油煙の発生量が調理状態となるが、調理状態監視部6が温度センサの場合には温度の高低が調理状態となる。
【0033】
レンジフードの運転状況は排気ファン3の風量としたが、フイルタを回転するようにしたレンジフードの場合には、フイルタの回転速度をレンジフードの運転状況とすることができる。
例えば、図3に示すように、フード2内にフイルタ20を回転可能に設け、モータ21でフイルタ20を回転することで油煙の油脂分をフイルタ20に付着して除去するようにしたレンジフードの場合には、フイルタ20の回転速度をレンジフードの運転状態とし、モータ21の通電量を変えることでフイルタ20の回転速度を変えて運転状況を変更する。
【符号の説明】
【0034】
1…レンジフード、2…フード、3…排気ファン、3a…ファン、3b…モータ、4…手動運転操作部、5…運転状況表示部、6…調理状態監視部、7…通知部、8…制御部、20…フイルタ、21…モータ、80…判定部。


図1
図2
図3