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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】本身の姿勢変換装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/248 20060101AFI20240528BHJP
   B42C 19/08 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
B65G47/248 C
B42C19/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020091030
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021187564
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】596025412
【氏名又は名称】株式会社ホリゾン
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小島 伸幸
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-081758(JP,A)
【文献】特開昭51-135060(JP,A)
【文献】実公昭48-039331(JP,Y1)
【文献】特開平05-229635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/22-47/32
B42C 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本身を垂直姿勢から水平姿勢に姿勢変換するための装置であって、
互いに間隔をあけて平行にのびる一対の水平なガイドレールと、
前記一対の水平なガイドレールの一端から垂直上方にのびる互いに平行な一対の垂直なガイドレールと、
前記一対の水平なガイドレールの前記一端の上側において前記一対の水平なガイドレールを横切る方向にのび、垂直姿勢をとる前記本身の下面を支持する本身支持板と、
一端において、前記一対の水平なガイドレール間にのびるとともに、前記一対の水平なガイドレールに対して、前記一対の水平なガイドレールを横切ってのびる水平軸のまわりに旋回可能にかつ前記一対の水平なガイドレールに沿ってスライド可能に取り付けられ、他端において、前記一対の垂直なガイドレール間にのびるとともに、前記一対の垂直なガイドレールに対して、前記一対の垂直なガイドレールを横切ってのびる水平軸のまわりに旋回可能にかつ前記一対の垂直なガイドレールに沿ってスライド可能に取り付けられた傾倒板と、を備え、
前記本身の表面または裏面が、前記傾倒板における前記水平および垂直なガイドレールと反対側の面に対向して配置され得るようになっており、さらに、
前記傾倒板に接続され、前記傾倒板を垂直位置および水平位置間において運動させる傾倒板駆動部と、
前記傾倒板の前記反対側の面に対向して配置され、前記傾倒板に対し近接および離間する向きに運動し得る押圧板と、
前記傾倒板に設けられ、前記押圧板を、前記傾倒板に対向して配置された前記本身から離間した把持解除位置と、前記傾倒板と協働して前記本身を把持する把持位置との間で運動させる押圧板駆動部と、
前記傾倒板駆動部および前記押圧板駆動部に作動的に接続された制御部と、を備え、
前記本身が垂直姿勢で、前記垂直位置にある前記傾倒板および前記把持解除位置にある前記押圧板間から前記本身支持板上に搬入され、前記本身が、前記水平位置にある前記傾倒板および前記把持解除位置にある前記押圧板間のスペースから水平姿勢で搬出されるようになっており、
前記制御部は、予め入力された前記本身の綴じ処理の有無に関する情報に基づき、綴じられていない前記本身が前記本身支持板上に搬入されたときは、前記傾倒板が前記垂直位置から前記水平位置まで運動する間、前記押圧板に前記把持位置をとらせるものであることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記傾倒板駆動部は、
前記傾倒板の前記一端に接続され、前記傾倒板を前記一対の水平なガイドレールに沿って動かすための第1の駆動部と、
前記傾倒板の前記他端に接続され、前記傾倒板を前記一対の垂直なガイドレールに沿って動かすための第2の駆動部と、を有し、
前記制御部は、前記第1および第2の駆動部の動作を所定のタイミングで切り替えるものであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記傾倒板駆動部の前記第1の駆動部は、
前記一対の水平なガイドレールの前記一端または前記他端の下側において前記一対の水平なガイドレールを横切ってのびる水平な第1の駆動軸と、
前記第1の駆動軸上における前記一対の水平なガイドレールに対応する位置に、前記第1の駆動軸に取り付けられた一対の第1のプーリーと、
前記一対の水平なガイドレールのそれぞれの前記他端または前記一端の下側に、前記第1のプーリーに対向してかつ前記第1の駆動軸に平行な軸のまわりに回転可能に配置された各1つの第2のプーリーと、
前記一対の第1のプーリーのうちの一方の第1のプーリー、および前記一方の第1のプーリーに対向する前記第2のプーリー間に掛け渡された第1のエンドレスベルトと、
前記一対の第1のプーリーのうちの他方の第1のプーリー、および前記他方の第1のプーリーに対向する前記第2のプーリー間に掛け渡された第2のエンドレスベルトと、を有し、
前記傾倒板の前記一端が前記第1および第2のエンドレスベルトに固定されており、
前記傾倒板駆動部の前記第2の駆動部は、
前記一対の垂直なガイドレールの一端または他端の前記傾倒板と反対側において前記一対の垂直なガイドレールを横切ってのびる水平な第2の駆動軸と、
前記第2の駆動軸上における前記一対の垂直なガイドレールに対応する位置に、前記第2の駆動軸に取り付けられた一対の第3のプーリーと、
前記一対の垂直なガイドレールのそれぞれの前記他端または前記一端の前記傾倒板と反対側に、前記第3のプーリーに対向してかつ前記第2の駆動軸に平行な軸のまわりに回転可能に配置された各1つの第4のプーリーと、
前記一対の第3のプーリーのうちの一方の第3のプーリー、および前記一方の第3のプーリーに対向する前記第4のプーリー間に掛け渡された第3のエンドレスベルトと、
前記一対の第3のプーリーのうちの他方の第3のプーリー、および前記他方の第3のプーリーに対向する前記第4のプーリー間に掛け渡された第4のエンドレスベルトと、を有し、
前記傾倒板の前記他端が前記第3および第4のエンドレスベルトに固定されており、
前記第1および第2の駆動部は、さらに、
共通のモータと、
前記共通のモータの駆動力を前記第1および第2の駆動軸に伝達する動力伝達機構と、
前記動力伝達機構と前記第1および第2の駆動軸との間に配置されたクラッチ機構と、を有し、
前記共通のモータおよび前記クラッチ機構に前記制御部が作動的に接続され、前記制御部は、前記所定のタイミングで前記共通のモータの駆動力の伝達先を前記第1の駆動軸と前記第2の駆動軸との切り替えるとともに、前記共通のモータの回転の向きを切り替えるものであることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記傾倒板駆動部の前記第1の駆動部は、
前記一対の水平なガイドレールの前記一端または前記他端の下側において前記一対の水平なガイドレールを横切ってのびる水平な第1の駆動軸と、
前記第1の駆動軸上における前記一対の水平なガイドレールに対応する位置に、前記第1の駆動軸と一体的に回転可能に取り付けられた一対の第1のプーリーと、
前記一対の水平なガイドレールのそれぞれの前記他端または前記一端の下側に、前記第1のプーリーに対向してかつ前記第1の駆動軸に平行な軸のまわりに回転可能に配置された各1つの第2のプーリーと、
前記一対の第1のプーリーのうちの一方の第1のプーリー、および前記一方の第1のプーリーに対向する前記第2のプーリー間に掛け渡された第1のエンドレスベルトと、
前記一対の第1のプーリーのうちの他方の第1のプーリー、および前記他方の第1のプーリーに対向する前記第2のプーリー間に掛け渡された第2のエンドレスベルトと、
第1のモータと、
前記第1のモータの駆動力を前記第1の駆動軸に伝達する第1の動力伝達機構と、を有し、
前記傾倒板の前記一端が前記第1および第2のエンドレスベルトに固定されており、
前記傾倒板駆動部の前記第2の駆動部は、
前記一対の垂直なガイドレールの一端または他端の前記傾倒板と反対側において前記一対の垂直なガイドレールを横切ってのびる水平な第2の駆動軸と、
前記第2の駆動軸上における前記一対の垂直なガイドレールに対応する位置に、前記第
2の駆動軸と一体的に回転可能に取り付けられた一対の第3のプーリーと、
前記一対の垂直なガイドレールのそれぞれの前記他端または前記一端の前記傾倒板と反対側に、前記第3のプーリーに対向してかつ前記第2の駆動軸に平行な軸のまわりに回転可能に配置された各1つの第4のプーリーと、
前記一対の第3のプーリーのうちの一方の第3のプーリー、および前記一方の第3のプーリーに対向する前記第4のプーリー間に掛け渡された第3のエンドレスベルトと、
前記一対の第3のプーリーのうちの他方の第3のプーリー、および前記他方の第3のプーリーに対向する前記第4のプーリー間に掛け渡された第4のエンドレスベルトと、
第2のモータと、
前記第2のモータの駆動力を前記第2の駆動軸に伝達する第2の動力伝達機構と、を有し、
前記傾倒板の前記他端が前記第3および第4のエンドレスベルトに固定されており、
前記第1および第2のモータに前記制御部が作動的に接続され、前記制御部は、前記所定のタイミングで第1および第2のモータのON/OFFと回転の向きとを切り替えるものであることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本身を垂直姿勢から水平姿勢に姿勢変換するための装置に関するものである。
ここで、「本身」とは、単葉紙または折丁の集積体、または当該集積体が綴じられたもの(仮綴じされたもの、および表紙が貼着されたものを含む)をいう(以下同様)。
【背景技術】
【0002】
製本物を製造する製本ラインにおいては、給紙装置、製本装置、断裁装置および集積装置等の加工処理装置が順次配列されるとともに、隣り合う加工処理装置は搬送路によって接続され、本身が搬送装置によって搬送路上を搬送されるようになっている。
【0003】
こうして、上流側の加工処理装置から搬出された本身は、搬送装置によって搬送路上を搬送されて、下流側の加工処理装置に搬入されるが、その際、下流側の加工処理装置が、上流側の加工処理装置から搬出された本身を、搬出時の姿勢のままでは受け入れることができない場合がある。
【0004】
このような場合には、搬送路の途中に本身の姿勢を変換するための姿勢変換装置が配置される。
【0005】
従来の姿勢変換装置として、例えば、星形ホイール装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
星形ホイール装置は、本身が背を先頭にして水平姿勢で搬送される第1の搬送路と、第1の搬送路の下流端において、第1の搬送路に直角に交差し、本身が天または地を先頭にして搬送される第2の搬送路との間に配置される。
【0006】
星形ホイール装置は、第1の搬送路の下流端の下側において、第1の搬送路を横切ってのびる水平軸のまわりに回転可能になっており、そして、星形ホイール装置が第1の搬送路から第2の搬送路に向かう向きに回転することによって、本身が水平姿勢から垂直姿勢に姿勢変換される。
【0007】
しかし、この星形ホイール装置によれば、背を先頭にして水平姿勢で搬送される本身を、背を下向きにして垂直姿勢で搬送され得るように姿勢変換することはできるが、背を下向きにして垂直姿勢で搬送される本身を、背を先頭にして水平姿勢で搬送され得るように姿勢変換することはできなかった。
【0008】
さらに、この星形ホイール装置によれば、本身が単葉紙または折丁の集積体からなっている場合、本身が回転する星形ホイール装置に載せられている間に、本身の整列状態が乱されてしまうおそれがあった。
【0009】
この場合、星形ホイール装置にクランプ機構を設けることも考えられるが、クランプ機構を設けると、星形ホイール装置の構造が複雑となり、また星形ホイール装置が大型化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2005-314111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の課題は、背を下向きにして垂直姿勢で搬送される本身を、背を先頭にして水平姿勢で搬送され得るように姿勢変換する装置を提供することにある。
また、本発明の別の課題は、本身の綴じ処理の有無にかかわらず、本身の整列状態を乱すことなく本身の姿勢変換が行えるコンパクトな装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明によれば、本身を垂直姿勢から水平姿勢に姿勢変換するための装置であって、互いに間隔をあけて平行にのびる一対の水平なガイドレールと、前記一対の水平なガイドレールの一端から垂直上方にのびる互いに平行な一対の垂直なガイドレールと、前記一対の水平なガイドレールの前記一端の上側において前記一対の水平なガイドレールを横切る方向にのび、垂直姿勢をとる前記本身の下面を支持する本身支持板と、一端において、前記一対の水平なガイドレール間にのびるとともに、前記一対の水平なガイドレールに対して、前記一対の水平なガイドレールを横切ってのびる水平軸のまわりに旋回可能にかつ前記一対の水平なガイドレールに沿ってスライド可能に取り付けられ、他端において、前記一対の垂直なガイドレール間にのびるとともに、前記一対の垂直なガイドレールに対して、前記一対の垂直なガイドレールを横切ってのびる水平軸のまわりに旋回可能にかつ前記一対の垂直なガイドレールに沿ってスライド可能に取り付けられた傾倒板と、を備え、前記本身の表面または裏面が、前記傾倒板における前記水平および垂直なガイドレールと反対側の面に対向して配置され得るようになっており、さらに、前記傾倒板に接続され、前記傾倒板を垂直位置および水平位置間において運動させる傾倒板駆動部と、前記傾倒板の前記反対側の面に対向して配置され、前記傾倒板に対し近接および離間する向きに運動し得る押圧板と、前記傾倒板に設けられ、前記押圧板を、前記傾倒板に対向して配置された前記本身から離間した把持解除位置と、前記傾倒板と協働して前記本身を把持する把持位置との間で運動させる押圧板駆動部と、前記傾倒板駆動部および前記押圧板駆動部に作動的に接続された制御部と、を備え、前記本身が垂直姿勢で、前記垂直位置にある前記傾倒板および前記把持解除位置にある前記押圧板間から前記本身支持板上に搬入され、前記本身が、前記水平位置にある前記傾倒板および前記把持解除位置にある前記押圧板間のスペースから水平姿勢で搬出されるようになっており、前記制御部は、予め入力された前記本身の綴じ処理の有無に関する情報に基づき、綴じられていない前記本身が前記本身支持板上に搬入されたときは、前記傾倒板が前記垂直位置から前記水平位置まで運動する間、前記押圧板に前記把持位置をとらせるものであることを特徴とする装置が提供される。
【0013】
本発明の好ましい実施例によれば、前記傾倒板駆動部は、前記傾倒板の前記一端に接続され、前記傾倒板を前記一対の水平なガイドレールに沿って動かすための第1の駆動部と、前記傾倒板の前記他端に接続され、前記傾倒板を前記一対の垂直なガイドレールに沿って動かすための第2の駆動部と、を有し、前記制御部は、前記第1および第2の駆動部の動作を所定のタイミングで切り替える。
【0014】
本発明の別の好ましい実施例によれば、前記傾倒板駆動部の前記第1の駆動部は、前記一対の水平なガイドレールの前記一端または前記他端の下側において前記一対の水平なガイドレールを横切ってのびる水平な第1の駆動軸と、前記第1の駆動軸上における前記一対の水平なガイドレールに対応する位置に、前記第1の駆動軸に取り付けられた一対の第1のプーリーと、前記一対の水平なガイドレールのそれぞれの前記他端または前記一端の下側に、前記第1のプーリーに対向してかつ前記第1の駆動軸に平行な軸のまわりに回転可能に配置された各1つの第2のプーリーと、前記一対の第1のプーリーのうちの一方の第1のプーリー、および前記一方の第1のプーリーに対向する前記第2のプーリー間に掛け渡された第1のエンドレスベルトと、前記一対の第1のプーリーのうちの他方の第1のプーリー、および前記他方の第1のプーリーに対向する前記第2のプーリー間に掛け渡された第2のエンドレスベルトと、を有し、前記傾倒板の前記一端が前記第1および第2のエンドレスベルトに固定されており、前記傾倒板駆動部の前記第2の駆動部は、前記一対の垂直なガイドレールの一端または他端の前記傾倒板と反対側において前記一対の垂直なガイドレールを横切ってのびる水平な第2の駆動軸と、前記第2の駆動軸上における前記一対の垂直なガイドレールに対応する位置に、前記第2の駆動軸に取り付けられた一対の第3のプーリーと、前記一対の垂直なガイドレールのそれぞれの前記他端または前記一端の前記傾倒板と反対側に、前記第3のプーリーに対向してかつ前記第2の駆動軸に平行な軸のまわりに回転可能に配置された各1つの第4のプーリーと、前記一対の第3のプーリーのうちの一方の第3のプーリー、および前記一方の第3のプーリーに対向する前記第4のプーリー間に掛け渡された第3のエンドレスベルトと、前記一対の第3のプーリーのうちの他方の第3のプーリー、および前記他方の第3のプーリーに対向する前記第4のプーリー間に掛け渡された第4のエンドレスベルトと、を有し、前記傾倒板の前記他端が前記第3および第4のエンドレスベルトに固定されており、前記第1および第2の駆動部は、さらに、共通のモータと、前記共通のモータの駆動力を前記第1および第2の駆動軸に伝達する動力伝達機構と、前記動力伝達機構と前記第1および第2の駆動軸との間に配置されたクラッチ機構と、を有し、前記共通のモータおよび前記クラッチ機構に前記制御部が作動的に接続され、前記制御部は、前記所定のタイミングで前記動力伝達を前記第1および第2の駆動軸間において切り替えるとともに、前記共通のモータの回転の向きを切り替える。
【0015】
本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記傾倒板駆動部の前記第1の駆動部は、前記一対の水平なガイドレールの前記一端または前記他端の下側において前記一対の水平なガイドレールを横切ってのびる水平な第1の駆動軸と、前記第1の駆動軸上における前記一対の水平なガイドレールに対応する位置に、前記第1の駆動軸と一体的に回転可能に取り付けられた一対の第1のプーリーと、前記一対の水平なガイドレールのそれぞれの前記他端または前記一端の下側に、前記第1のプーリーに対向してかつ前記第1の駆動軸に平行な軸のまわりに回転可能に配置された各1つの第2のプーリーと、前記一対の第1のプーリーのうちの一方の第1のプーリー、および前記一方の第1のプーリーに対向する前記第2のプーリー間に掛け渡された第1のエンドレスベルトと、前記一対の第1のプーリーのうちの他方の第1のプーリー、および前記他方の第1のプーリーに対向する前記第2のプーリー間に掛け渡された第2のエンドレスベルトと、第1のモータと、前記第1のモータの駆動力を前記第1の駆動軸に伝達する第1の動力伝達機構と、を有し、前記傾倒板の前記一端が前記第1および第2のエンドレスベルトに固定されており、前記傾倒板駆動部の前記第2の駆動部は、前記一対の垂直なガイドレールの一端または他端の前記傾倒板と反対側において前記一対の垂直なガイドレールを横切ってのびる水平な第2の駆動軸と、前記第2の駆動軸上における前記一対の垂直なガイドレールに対応する位置に、前記第2の駆動軸と一体的に回転可能に取り付けられた一対の第3のプーリーと、前記一対の垂直なガイドレールのそれぞれの前記他端または前記一端の前記傾倒板と反対側に、前記第3のプーリーに対向してかつ前記第2の駆動軸に平行な軸のまわりに回転可能に配置された各1つの第4のプーリーと、前記一対の第3のプーリーのうちの一方の第3のプーリー、および前記一方の第3のプーリーに対向する前記第4のプーリー間に掛け渡された第3のエンドレスベルトと、前記一対の第3のプーリーのうちの他方の第3のプーリー、および前記他方の第3のプーリーに対向する前記第4のプーリー間に掛け渡された第4のエンドレスベルトと、第2のモータと、前記第2のモータの駆動力を前記第2の駆動軸に伝達する第2の動力伝達機構と、を有し、前記傾倒板の前記他端が前記第3および第4のエンドレスベルトに固定されており、前記第1および第2のモータに前記制御部が作動的に接続され、前記制御部は、前記所定のタイミングで第1および第2のモータのON/OFFと回転の向きとを切り替える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一対の水平なガイドレールおよび一対の垂直なガイドレールによって案内されて水平位置と垂直位置の間で運動し得る傾倒板と、傾倒板を運動させる傾倒板駆動部を備え、傾倒板に、傾倒板との間に本身を把持し得る押圧板を設け、垂直位置にある傾倒板および把持解除位置にある押圧板間に、本身が垂直姿勢で搬入され、水平位置にある傾倒板および把持解除位置にある押圧板間のスペースから本身が水平姿勢で搬出されるようにした。さらに、綴じられていない本身が搬入されたときは、傾倒板が垂直位置から水平位置まで運動する間、押圧板が把持位置をとり、傾倒板と協働して本身を把持するようにした。
【0017】
そして、背を下向きにして垂直姿勢で搬送される本身を、垂直位置にある傾倒板および把持解除位置にある押圧板間から本身支持板上に搬入した後、本身が綴じられていない場合は、押圧板を把持位置まで動かして本身を傾倒板と押圧板の間に把持するが、本身が綴じられている場合には、押圧板を把持解除位置に留めたままで、傾倒板を垂直位置から水平位置まで動かし、水平位置にある傾倒板および把持解除位置にある押圧板間のスペースから、水平姿勢の本身を背が先頭になる配置で搬出する。
【0018】
こうして、本発明によれば、背を下向きにして垂直姿勢で搬送される本身を、背を先頭にして水平姿勢で搬送され得るように姿勢変換することができる。
さらには、本身の綴じ処理の有無にかかわらず、本身の整列状態を乱すことなく本身の姿勢変換が行えるコンパクトな装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の1実施例による本身の姿勢変換装置の斜視図である。
図2図1の姿勢変換装置の平面図である。
図3図1の姿勢変換装置の側面図である。
図4図1の姿勢変換装置の側面図である。
図5図1の姿勢変換装置の傾倒板を動かすための構成部分のみを示した斜視図である。
図6図1の姿勢変換装置の傾倒板を動かすための構成部分のみを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の構成を好ましい実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の1実施例による本身の姿勢変換装置の斜視図であり、図2は、図1の姿勢変換装置の平面図であり、図3および図4は、図1の姿勢変換装置の側面図である。また、図5および図6は、図1の姿勢変換装置の傾倒板を動かすための構成部分のみを示した斜視図である。
【0021】
図1図6を参照して、本発明によれば、互いに間隔をあけて平行にのびる一対の水平なガイドレール1、2と、一対の水平なガイドレール1、2の一端1a、2aから垂直上方にのびる互いに平行な一対の垂直なガイドレール3、4が備えられる。
【0022】
そして、一対の水平なガイドレール1、2の一端1a、2aの上側に、垂直姿勢をとる本身Bの下面を支持する本身支持板5が配置され、一対の水平なガイドレール1、2を横切る方向にのびている。
本身支持板5は、この実施例では、一対の水平なガイドレール1、2を横切る方向に一定の間隔をあけて配列された複数の部分からなっている。
【0023】
本発明によれば、また、一端6aにおいて、一対の水平なガイドレール1、2間にのびるとともに、一対の水平なガイドレール1、2に対して、一対の水平なガイドレール1、2を横切ってのびる水平軸のまわりに旋回可能にかつ一対の水平なガイドレール1、2に沿ってスライド可能に取り付けられ、他端6bにおいて、一対の垂直なガイドレール3、4間にのびるとともに、一対の垂直なガイドレール3、4に対して、一対の垂直なガイドレール3、4を横切ってのびる水平軸のまわりに旋回可能にかつ一対の垂直なガイドレール3、4に沿ってスライド可能に取り付けられ、水平位置と垂直位置との間で運動し得る傾倒板6が備えられる。
【0024】
傾倒板6は、一対の水平なガイドレール1、2間にのびる下側バー6cと、一対の垂直なガイドレール3、4間にのびる上側バー6dと、それぞれ下側および上側バー6c、6dの長さ方向に互いに間隔をあけて配置された、下側および上側バー6c、6dを連結する複数の細幅部材6eと、下側および上側バー6c、6dの両端に回転自在に取り付けられたローラー6fとから構成されている。
【0025】
そして、傾倒板6の下側バー6cの両端のローラ6fが一対の水平なガイドレール1、2に転動自在に嵌め込まれ、上側バー6dの両端のローラ6fが一対の垂直なガイドレール3、4に転動自在に嵌め込まれている。
【0026】
なお、傾倒板6の各細幅部材6eは、隣り合う本身支持板5の間隔に対応する幅を有し、隣り合う細幅部材6eの間隔は、本身支持板5の幅に対応している。
【0027】
傾倒板6における水平および垂直なガイドレール1~4と反対側の面6gには、本身Bの表面または裏面が対向して配置され得る。
【0028】
本発明によれば、さらに、傾倒板6を垂直位置(図1図3参照)および水平位置(図4および図6参照)間において運動させる傾倒板駆動部7が備えられる。
傾倒板駆動部7は、傾倒板6の一端6aに接続され、傾倒板6を一対の水平なガイドレール1、2に沿って動かすための第1の駆動部8と、傾倒板6の他端6bに接続され、傾倒板6を一対の垂直なガイドレール3、4に沿って動かすための第2の駆動部9とを有している。
【0029】
図5および図6を参照して、第1の駆動部8は、一対の水平なガイドレール1、2の一端1a、2aの下側において一対の水平なガイドレール1、2を横切ってのびる水平な第1の駆動軸8aと、第1の駆動軸8a上における一対の水平なガイドレール1、2のうちの第1の水平なガイドレール1に対応する位置に、第1の駆動軸8aと一体的に回転可能に取り付けられたプーリー(一方の第1のプーリー)8bと、第1の駆動軸8a上における一対の水平なガイドレール1、2のうちの第2の水平なガイドレール2に対応する位置に、第1の駆動軸8aと一体的に回転可能に取り付けられたプーリー(他方の第1のプーリー)8cと、第1の水平なガイドレール1の他端1bの下側に、プーリー8bに対向してかつ第1の駆動軸8aに平行な軸のまわりに回転可能に配置されたプーリー(第2のプーリー)8dと、第2の水平なガイドレール2の他端2bの下側に、プーリー8cに対向してかつ第1の駆動軸8aに平行な軸のまわりに回転可能に配置されたプーリー(第2のプーリー)8eと、プーリー8bおよびプーリー8d間に掛け渡された第1のエンドレスベルト8fと、プーリー8cおよびプーリー8e間に掛け渡された第2のエンドレスベルト8gとを有している。
【0030】
そして、傾倒板6の一端6a(下側バー6cの両端)が第1および第2のエンドレスベルト8f、8gに固定されている。
【0031】
また、第2の駆動部9は、一対の垂直なガイドレール3、4の一端3a、4aの傾倒板6と反対側において一対の垂直なガイドレール3、4を横切ってのびる第2の駆動軸9aと、第2の駆動軸9a上における一対の垂直なガイドレール3、4のうちの第1の水平なガイドレール1側に位置する第1の垂直なガイドレール3に対応する位置に、第2の駆動軸9aと一体的に回転可能に取り付けられたプーリー(一方の第3のプーリー)9bと、第2の駆動軸9a上における一対の垂直なガイドレール3、4のうちの第2の垂直なガイドレール4に対応する位置に、第2の駆動軸9aと一体的に回転可能に取り付けられたプーリー(他方の第3のプーリー)9cと、第1の垂直なガイドーレール3の他端3bの傾倒板6と反対側に、プーリー9bに対向してかつ第2の駆動軸9aに平行な軸のまわりに回転可能に配置されたプーリー(第4のプーリー)9dと、第2の垂直なガイドレール4の他端4bの傾倒板6と反対側に、プーリー9cに対向してかつ第2の駆動軸9aに平行な軸のまわりに回転可能に配置されたプーリー(第4のプーリー)9eと、プーリー9bおよびプーリー9d間に掛け渡された第3のエンドレスベルト9fと、プーリー9cおよびプーリー9e間に掛け渡された第4のエンドレスベルト9gとを有している。
【0032】
そして、傾倒板6の他端6b(上側バー6dの両端)が第3および第4のエンドレスベルト9f、9gに固定されている。
【0033】
第1および第2の駆動部8、9は、さらに、共通のモータ10と、共通のモータ10の駆動力を第1および第2の駆動軸8a、9aに伝達する動力伝達機構11と、動力伝達機構11と第1および第2の駆動軸8a、9a間に配置されたクラッチ機構12とを有している。
【0034】
クラッチ機構12は一対の公知の電磁クラッチ12a、12bから構成され、一対の電磁クラッチ12a、12bのうちの第1の電磁クラッチ12aが第1の駆動軸8aのプーリー8b側の端に設けられ、一対の電磁クラッチ12a、12bのうちの第2の電磁クラッチ12bが第2の駆動軸9aのプーリー9b側の端に設けられている。
【0035】
図示はしないが、電磁クラッチ12a、12bは、コイルが内蔵されたステータと、ステータに同心的にかつこれから独立して回転可能に設けられたロータと、アーマチュアとからなり、電磁クラッチ12a、12bのロータが、関係する駆動軸8a、9aにこれと一体的に回転可能に取り付けられている。
【0036】
また、駆動軸8a、9aのそれぞれの端に、プーリー11b、11eが駆動軸8a、9aから独立して回転可能に取り付けられている。
そして、アーマチュアが、関係する駆動軸8a、9aにこれから独立して回転可能に取り付けられるとともに、隣り合うプーリー11b、11eに固定されている。また、ステータは、姿勢変換装置のフレームに固定されている。
【0037】
共通のモータ10は、その駆動軸が第1の駆動軸8aに平行になる配置で、第1の電磁クラッチ12aの下側に配置されている。
【0038】
動力伝達機構11は、共通のモータ10の駆動軸に固定されたプーリー11aと、第1の駆動軸8aのプーリー11bと、第2の駆動軸9aのプーリー11eと、プーリー11a、11b間に掛け渡されたエンドレスベルト11cと、プーリー11bおよびプーリー11e間に掛け渡されたエンドレスベルト11dとから構成されている。
【0039】
こうして、共通のモータ10がON状態にあって、電磁クラッチ12a、12bはOFF状態のとき、アーマチュアがロータから分離し、それによって、プーリー11b、11eは回転するが、関係する駆動軸8a、9aは空転する。
【0040】
一方、共通のモータ10がON状態にあって、電磁クラッチ12a、12bもON状態のときは、アーマチュアがロータに吸着され、それによって、プーリー11b、11eとともに関係する駆動軸8a、9a回転する。
【0041】
共通のモータ10と、第1および第2の電磁クラッチ12a、12bには、制御部13が作動的に接続されている。
制御部13は、所定のタイミングで動力伝達を第1および第2の駆動軸8a、9a間において切り替えるとともに、共通のモータ10の回転の向きを切り替える(この動作については後述する)。
【0042】
本発明によれば、さらに、傾倒板6の面6gに対向して配置され、傾倒板6に対し近接および離間する向きに運動し得る押圧板14と、傾倒板6に設けられ、押圧板14を、傾倒板6に対向して配置された本身Bから離間した把持解除位置と、傾倒板6と協働して本身Bを把持する把持位置との間で運動させる押圧板駆動部15とが備えられる。
【0043】
押圧板駆動部15は、傾倒板6の第1の水平なガイドレール1に最も近い細幅部材6eに突設された2本のガイドロッド15aを有している。2本のガイドロッド15aは、上下に間隔をあけてかつ面6gに対し垂直にのびている。2本のガイドロッド15aには、押圧板14がガイドロッド15aに沿ってスライド可能に取り付けられている。
【0044】
押圧板駆動部15は、また、2本のガイドロッド15a間において細幅部材6eを貫通してガイドロッド15aに平行にのび、定位置において軸回りに回転可能に配置されたネジ軸15bと、ネジ軸15bにおけるガイドロッド15aと反対側に突出した端に取り付けられたプーリー15cと、傾倒板6のプーリー15cと同じ側において細幅部材6eに固定されたモータ15dとを有している。モータ15dの駆動軸は、ネジ軸15bと平行にのびている。
【0045】
押圧板駆動部15は、さらに、モータ15dの駆動軸に取り付けられたプーリー15eと、第11およびプーリー15c、15e間に掛け渡されたエンドレスベルト15fとを有している。
【0046】
こうして、モータ15dが正逆回転することによって、押圧板14が把持位置および把持解除位置の間で運動する。
モータ15dには制御部13が作動的に接続されている。
【0047】
この実施例では、さらに、第1および第2の水平なガイドレール1、2の上側に、水平位置にある傾倒板6および把持解除位置にある押圧板間のスペースから本身Bを水平姿勢で搬出する搬出機構16が配置されている。
【0048】
搬出機構16は、それぞれ第1および第2の水平なガイドレール1、2を横切る方向に沿って本身支持板5に対応する位置に配置され、当該横切る方向にのびる軸16aのまわりに回転し得る複数の第1のローラ要素16cと、第1および第2の水平なガイドレール1、2の他端1b、2bにおいて軸16aに平行にかつ第1および第2の水平なガイドレール1、2を横切ってのびる回転軸16bと、回転軸16b上の第1のローラ要素16cに対応する位置に第2の回転軸16bと一体的に回転可能に取り付けられた第2のローラ要素16dと、互いに対をなす第1および第2のローラ要素16c、16d間に掛け渡されたエンドレスベルト16eとを有している。
【0049】
搬出機構16は、さらに、回転軸16bの第2の水平なガイドレール2側の端に固定されたプーリー16fと、回転軸16bの下方に配置され、駆動軸が回転軸16bに平行にのびるモータ16gと、モータ16gの駆動軸に固定されたプーリー16hと、プーリー16fおよびプーリー16h間に掛け渡されたエンドレスベルト16iとを有している。
そして、エンドレスベルト16iの上面が搬出機構16の本身搬送面16jを形成する。
【0050】
図示はしないが、搬出機構16は、昇降可能に配置されたサブフレームに取り付けられていて、水平位置をとる傾倒板6の下方に引っ込んだ下降位置と、水平位置をとる傾倒板6の面6gから上方に突出する上昇位置とをとり得るようになっている。
【0051】
こうして、傾倒板6が水平位置をとり、かつ押圧板14が把持解除位置をとったとき、下降位置にある搬出機構16が上昇位置をとり、その後、エンドレスベルト16iが、モータ16gによって回転駆動されることにより、傾倒板6および押圧板14間のスペース内にある本身Bが姿勢変換装置から搬出される。
搬出機構16のモータ16gには、制御部13が作動的に接続されている。
【0052】
次に、本発明の姿勢変換装置の動作を説明する。
図1図3に示すように、本身Bが、公知の適当な搬入装置(図示されない)によって、背を下向きにして垂直姿勢で、垂直位置にある傾倒板6と把持解除位置にある押圧板14の間から本身支持板5上に搬入される。
【0053】
そして、制御部13に予め入力された本身Bの綴じ処理に関する情報に基づき、本身Bが綴じられている(仮綴じを含む)場合は、押圧板14は把持解除位置に留まっているが、本身Bが綴じられていない場合には、押圧板Bが把持解除位置から把持位置まで動き、本身Bが傾倒板6および押圧板14間に挟持される。
【0054】
次いで、第1の電磁クラッチ12aがONになり、第2の電磁クラッチ12bがOFFとなって、共通のモータ10の駆動力が第1の駆動部(水平方向の駆動部)8に伝達される状態となる。そして、共通のモータ10が、傾倒板6の一端6aを第1および第2の水平なガイドレール1、2の他端1b、2b側に向けてスライドさせる向きに回転する。
それによって、傾倒板6およびこれに支持された本身Bが傾倒を開始する。
【0055】
その後、傾倒板6および本身Bが一定程度まで傾倒したタイミングで、第1の電磁クラッチ12aがONからOFFに切り替えられ、第2の電磁クラッチ12bがOFFからONに切り替えられて、共通のモータ10の駆動力の伝達が第1の駆動部8側から第2の駆動部(垂直方向の駆動部)9側に切り替えられる。
【0056】
それによって、第2の駆動部9の第3および第4のエンドレスベルト9f、9gが、傾倒板6の他端6bを第1および第2の垂直なガイドレール3、4に沿って下向きにスライドさせる向きに回転するが、このときの回転速度は傾倒板6の他端6bが第1および第2の垂直なガイドレール3、4に沿って自由落下する速度よりも遅く、そのため、傾倒板6は、本身Bとともに、第2の駆動部9によって制動されながら水平位置まで動く。
【0057】
傾倒板6が水平位置に達したとき、押圧板14が把持位置をとっている場合は、押圧板14が把持解除位置まで動いた後、押圧板14が把持解除位置をとっている場合には、押圧板14はそのままの状態で、搬出機構16が下降位置から上昇位置まで上昇して、搬出動作を開始する。
そして、水平位置にある傾倒板6および把持解除位置にある押圧板14間のスペースから、本身Bが、搬出機構16によって、背を先頭にして水平姿勢で搬出される。
【0058】
本身Bの搬出完了後、搬出機構16が下降位置まで下降し、次いで、共通のモータ10が前と反対向きに回転を開始し、傾倒板6の他端6bが、第2の駆動部9によって、第1および第2の垂直なガイドレール3、4に沿って上向きにスライドせしめられ、傾倒板が上向きに傾斜し始める。
【0059】
その後、傾倒板6が一定程度まで傾斜したタイミングで、第1の電磁クラッチ12aがOFFからONに切り替えられ、第2の電磁クラッチ12bがONからOFFに切り替えられて、共通のモータ10の駆動力の伝達が第2の駆動部9側から第1の駆動部8側に切り替えられる。
【0060】
それによって、第1の駆動部8の第1および第2のエンドレスベルト8f、8gが、傾倒板6の一端6aを第1および第2の水平なガイドレール1、2の一端1a、2a側にスライドさせる向きに、傾倒板6が垂直位置に達するまで回転する。
【0061】
こうして、本発明によれば、背を下向きにして垂直姿勢で搬送される本身Bを、背を先頭にして水平姿勢で搬送され得るように姿勢変換することができる。
さらには、本身Bの綴じ処理の有無にかかわらず、本身Bの整列状態を乱すことなく本身Bの姿勢変換が行えるコンパクトな装置を提供することができる。
【0062】
なお、本発明の構成によれば、傾倒板6が水平位置から垂直位置まで戻る一連の動作を用いることで、本身Bを水平姿勢からに垂直姿勢に姿勢変換することもできる。
【0063】
以上、本発明の構成を好ましい実施例に基づいて説明したが、本発明の構成はこの実施例に限定されず、当業者が本願に添付の特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で種々の変形例を案出し得ることは言うまでもない。
【0064】
例えば、上述の実施例では、第1および第2の駆動部8、9に対する共通のモータ10を備えるとともに、共通のモータ10の駆動力の伝達をクラッチ機構12によって第1および第2の駆動部8、9間において切り替えるようにしたが、その代わりに、第1および第2の駆動部8、9のそれぞれに対してモータを設け、これらのモータのON/OFFと回転の向きを切り替えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 第1の水平なガイドレール
1a 一端
1b 他端
2 第2の水平なガイドレール
2a 一端
2b 他端
3 第1の垂直なガイドレール
3a 一端
3b 他端
4 第2の垂直なガイドレール
4a 一端
4b 他端
5 本身支持板
6 傾倒板
6a 一端
6b 他端
6c 下側バー
6d 上側バー
6e 細幅部材
6f ローラー
6g 面
7 傾倒板駆動部
8 第1の駆動部
8a 第1の駆動軸
8b プーリー(一方の第1のプーリー)
8c プーリー(他方の第1のプーリー)
8d、8e プーリー(第2のプーリー)
8f 第1のエンドレスベルト
8g 第2のエンドレスベルト
9 第2の駆動部
9a 第2の駆動軸
9b プーリー(一方の第3のプーリー)
9c プーリー(他方の第3のプーリー)
9d、9e プーリー(第4のプーリー)
9f 第3のエンドレスベルト
9g 第4のエンドレスベルト
10 共通のモータ
11 動力伝達機構
11a、11b プーリー
11c、11d エンドレスベルト
11e プーリー
12 クラッチ機構
12a 第1の電磁クラッチ
12b 第2の電磁クラッチ
13 制御部
14 押圧板
15 押圧板駆動部
15a ガイドロッド
15b ネジ軸
15c プーリー
15d モータ
15e プーリー
15f エンドレスベルト
16 搬出機構
16a 軸
16b 回転軸
16c 第1のローラ要素
16d 第2のローラ要素
16e エンドレスベルト
16f プーリー
16g モータ
16h プーリー
16i エンドレスベルト
16j 本身搬送面
B 本身
図1
図2
図3
図4
図5
図6