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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】遊技球の清掃機構
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
A63F7/02 351A
A63F7/02 324A
A63F7/02 346A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020135270
(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公開番号】P2022030934
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】小崎 浩正
【審査官】小泉 早苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-161168(JP,A)
【文献】特開2012-152322(JP,A)
【文献】特開2013-94457(JP,A)
【文献】特開2006-159088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に設けられ、遊技球を上下方向に移送する昇降機構と、
前記昇降機構により移送される遊技球が通過する、前記筐体の底面に対して略垂直方向に設けられた移送通路と、
前記移送通路の内部に設けられると共に、長手方向に沿って配置されると共に、前記遊技球に当接する回転清掃体と、
前記回転清掃体に当接すると共に付着した塵埃等を前記回転清掃体から除去する複数のブラシ部材と、
前記回転清掃体を回転させる駆動手段と、
をそなえた遊技球の清掃機構において、
前記複数のブラシ部材の少なくとも1つは、複数の毛材が前記回転清掃体の回転方向に対向するように傾斜して形成されていることを特徴とする遊技球の清掃機構。
【請求項2】
隣り合うブラシ部材間に、塵埃等を落下させる排出路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項3】
複数のブラシ部材は、回転清掃体を覆うように配置されていると共に、隣り合うブラシ部材の各々の毛材は、排出路側に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項4】
ブラシ部材は、複数の毛材が斜め上方に向かい傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項5】
隣り合うブラシ部材は、回転清掃体と当接している面積が異なるように配置されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項6】
隣り合うブラシ部材において、回転清掃体との当接面積が小さい方のブラシ部材は、複数の毛材が斜め下方であって排出路側に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項5に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項7】
回転清掃体は、正回転と逆回転の両方向に回転可能であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項8】
ブラシ部材の端部近傍の筐体に、毛材に付着した塵埃等を除去する除去体が形成されており、前記ブラシ部材は、前記筐体から着脱可能であって、取り外す際には前記毛材が前記除去体に当接することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の遊技球の清掃機構。
【請求項9】
筐体の底面側に、着脱可能なダストボックスを配置したことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の遊技球の清掃機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を上下方向に移送する昇降機構を備えた装置に設置される遊技球の清掃機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機に使用される遊技球に付着した塵埃や汚れを清掃する清掃機構が知られている(特許文献1及び2)。
【0003】
特許文献1に記載の球清掃装置は、遊技球を受ける球タンクを備えた遊技機における球タンクの球排出口に着脱可能になっており、枠体と、枠体に回転可能に設けられた2個の回転ブラシと、枠体に設けられて、回転ブラシを駆動する駆動手段とを備えているものであった。
【0004】
また、特許文献2に記載のパチンコ玉の清掃装置は、パチンコ玉の流路の途中にベルトコンベヤ装置を有すると共に、このベルトコンベヤ装置の鉛直上面に隣接対向して刷毛付きベルト移動装置を有しており、刷毛の除塵装置も有するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-304848号公報
【文献】実開昭51-31365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の球清掃装置は、回転ブラシに塵埃や汚れが付着し過ぎるとパチンコ玉に再付着するおそれがあることから、回転ブラシを遊技機から取り出して塵埃の除去及び清掃作業を頻繁に行わなければならなかった。
【0007】
また、特許文献2に記載のパチンコ玉の清掃装置の刷毛の除塵装置は、除塵用の櫛からなるものであり、この除塵用櫛が刷毛に当接して付着している塵埃を掻き落とす構成であることから、細かな塵埃を刷毛から掻き落とすには十分ではなく、刷毛の清掃効率が低下するという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、回転清掃体のメンテナンス頻度を低減することができると共に、回転清掃体の遊技球に対する清掃効率の低下を軽減することができる遊技球の清掃機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、筐体と、前記筐体内に設けられ、遊技球を上下方向に移送する昇降機構と、前記昇降機構により移送される遊技球が通過する、前記筐体の底面に対して略垂直方向に設けられた移送通路と、前記移送通路の内部に設けられると共に、長手方向に沿って配置された回転清掃体と、前記回転清掃体に当接すると共に付着した塵埃等を前記回転清掃体から除去する複数のブラシ部材と、前記回転清掃体を回転させる駆動手段と、をそなえた遊技球の清掃機構において、前記複数のブラシ部材の少なくとも1つは、複数の毛材が前記回転清掃体の回転方向に対向するように傾斜して形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項1の発明では、ブラシ部材が回転清掃体に付着した塵埃等を掻き取ることで、回転清掃体のメンテナンス頻度を低減することができると共に、回転清掃体の遊技球に対する清掃効率の低下を軽減することができる。また、ブラシ部材の複数の毛材が回転清掃体の表面に付着した細かな塵埃等(金属カスや樹脂カス等)を除去できるため、より回転清掃体のメンテナンス頻度を低減することができる。さらに、複数の毛材は回転清掃体の回転方向に対向するように傾斜しているため、毛材が傾斜していない場合と比べて、塵埃等の保持力が向上し、回転清掃体に再付着するのを防止することができる。
【0011】
請求項2の発明で、請求項1の発明において、隣り合うブラシ部材間に、塵埃等を落下させる排出路が形成されていることを特徴としている。したがって、ブラシ部材で掻き取られた塵埃等を、排出路を通じで外部に排出できるため、回転清掃体への再付着を防止することができる。また、隣り合うブラシ部材が排出路内の塵埃等の水平方向への移動を抑制するため、下方にスムーズに移動させることができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明において複数のブラシ部材は、回転清掃体を覆うように配置されていると共に、隣り合うブラシ部材の各々の毛材は、排出路側に傾斜して形成されていることを特徴としている。したがって、回転清掃体を正回転及び逆回転させることによって、一方のブラシ部材は回転清掃体に付着した塵埃等を掻き取るように働き、他方のブラシ部材に付着した塵埃は回転清掃体により排出路に移動させることができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、ブラシ部材は、複数の毛材が斜め上方に向かい傾斜して形成されていることを特徴としている。したがって、より塵埃等の保持力が向上し、回転清掃体に再付着するのを防止することができる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1~4のいずれかの発明において、隣り合うブラシ部材は、回転清掃体と当接している面積が異なるように配置されていることを特徴としている。ブラシ部材と回転清掃体との当接面積を調整することで、回転清掃体に付着した塵埃等の除去効率と、回転清掃体への回転抵抗を調整することができる。また、回転清掃体の回転方向に対向するように複数の毛材が傾斜している一方のブラシ部材との当接面積を広くし、回転清掃体の回転方向と同方向に複数の毛材が傾斜している他方のブラシ部材との当接面積を極めて少なくした場合には、一方のブラシ部材が回転清掃体の塵埃等を確実に除去することができると共に、他方のブラシ部材が排出路内の塵埃等の水平方向への移動を抑制でき、下方にスムーズに移動させることができる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、隣り合うブラシ部材において、回転清掃体との当接面積が小さい方のブラシ部材は、複数の毛材が斜め下方であって排出路側に傾斜して形成されていることを特徴としている。したがって、排出路内の塵埃等の水平方向への移動を抑制し、より下方へスムーズに移動させることができる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1~6のいずれかの発明において、回転清掃体は、正回転と逆回転の両方向に回転可能であることを特徴としている。したがって、回転清掃体の正回転時にブラシ部材が回転清掃体に付着した塵埃等を除去し、回転清掃体の逆回転時に回転清掃体がブラシ部材に付着した塵埃等を排出路に移送することができる。また、隣り合うブラシ部材の各々の毛材が排出路側に傾斜している場合には、正回転と逆回転の両方向の回転において、どちらか一方のブラシ部材が回転清掃体に付着した塵埃等を除去するように働き、他方のブラシ部材に付着した塵埃等は回転清掃体により排出路に移送させることができる。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1~7のいずれかの発明において、ブラシ部材の端部近傍の筐体に、毛材に付着した塵埃等を除去する除去体が形成されており、前記ブラシ部材は、前記筐体から着脱可能であって、取り外す際には前記毛材が前記除去体に当接することを特徴としている。したがって、毛材に付着した塵埃等を除去することができると共に、ブラシ部材の回転清掃体に対する清掃効率を維持することができる。また、ブラシ部材の取り外しと同時に塵埃等が除去されるため、別途ブラシ部材をメンテナンスする手間を軽減させることができる。
【0018】
請求項9の発明は、請求項1~8のいずれかの発明において、筐体の底面側に、着脱可能なダストボックスを配置したことを特徴としている。したがって、回転清掃体に付着した塵埃等を、排出路を介してダストボックスに収容することができる。また、ダストボックスが筐体に対して着脱可能に配置されているため、ダストボックスに収容された塵埃等を簡単に廃棄することができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の遊技球の清掃機構の発明は、回転清掃体のメンテナンス頻度を低減することができると共に、回転清掃体の遊技球に対する清掃効率の低下を軽減することができる。また、請求項2の発明は、塵埃の回転清掃体への再付着を防止することができると共に、塵埃を下方にスムーズに移動させることができる。また、請求項3の発明は、回転清掃体を正回転及び逆回転させることによって、一方のブラシ部材は回転清掃体に付着した塵埃等を掻き取るように働き、他方のブラシ部材に付着した塵埃は回転清掃体により排出路に移動させることができる。
【0020】
請求項4の発明は、より塵埃等の保持力が向上し、回転清掃体に再付着するのを防止できる。また、請求項5の発明は、ブラシ部材と回転清掃体との当接面積を調整することで、回転清掃体に付着した塵埃等の除去効率と、回転清掃体への回転抵抗を調整することができる。また、請求項6の発明は、排出路内の塵埃等の水平方向への移動を抑制し、より下方へスムーズに移動させることができる。
【0021】
請求項7の発明は、回転清掃体の正回転時にブラシ部材が回転清掃体に付着した塵埃等を除去し、回転清掃体の逆回転時に回転清掃体がブラシ部材に付着した塵埃等を排出路に移送することができる。また、請求項8の発明は、毛材に付着した塵埃等を除去することができると共に、ブラシ部材の回転清掃体に対する清掃効率を維持することができる。また、請求項9の発明は、回転清掃体に付着した塵埃等を、排出路を介してダストボックスに収容することができ、簡単に廃棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る遊技球の清掃機構を示す斜視図
図2】本発明に係る遊技球の清掃機構を示す正面図
図3】(a)清掃機構の第1実施形態を示す断面図(b)清掃機構の第2実施形態を示す断面図(c)清掃機構の第3実施形態を示す断面図
図4】(a)ブラシ部材の第1実施形態を示す斜視図(b)ブラシ部材の第2実施形態を示す斜視図(c)ブラシ部材の第3実施形態を示す斜視図
図5】回転清掃体の第2実施形態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る遊技球の清掃機構を示す斜視図である。また、図2は、本発明に係る遊技球の清掃機構を示す正面図である。尚、図2は内部構造が分かりやすいように、筐体の一部を取り除いた図である。これらの図を用いて本発明に係る遊技球の清掃機構の概要について以下に説明する。尚、本発明に係る遊技球の清掃機構は、遊技機本体内に設置する場合に限定されるものではなく、遊技機に遊技球を供給する遊技球供給装置等の遊技球が上下方向に移送される昇降機構を備えた装置に設置される清掃機構であれば本発明に含まれる。
【0024】
本発明に係る遊技球の清掃機構10は、筐体1と、この筐体1内に設けられ、遊技球3を上下方向に移送する昇降機構2と、この昇降機構2により移送される遊技球3が通過する、筐体1の底面1aに対して略垂直方向に設けられた移送通路4と、この移送通路4の内部に長手方向に沿って配置されると共に、遊技球3に当接する回転清掃体5と、この回転清掃体5に当接すると共に付着した塵埃等を回転清掃体5から除去する2個のブラシ部材6a、6bと、回転清掃体5を回転させる駆動手段7と、筐体1の底面1a側に着脱可能に配置されたダストボックス8と、を備えている。
【0025】
図2において、昇降機構2の一例として、球上げ機構で説明しているが、遊技球を上から下へと移送する球下げ機構であってもよく、これも本発明に含まれる。
【0026】
図2において、2個のブラシ部材6a、6bとしているが、これに限定するものではなく、2個以上の複数のブラシ部材を使用する場合であれば、本発明に含まれる。
【0027】
また、ダストボックス8は、筐体1の底面1a側であって、ブラシ部材6a、6bに対向する位置に配置している。これにより、ブラシ部材6a、6bから下方に直接落下する塵埃等を収容することができる。また、筐体1に対して着脱可能とすることによって、ダストボックス8に収容された塵埃等を簡単に廃棄することができる。
【0028】
上述のように構成された清掃機構10は、投入口18から投入される遊技球3が図2の白抜き矢印で示すように、球上げ機構2を構成するスクリュー2aの下部から、スクリューの羽根2bに案内されると共に、スクリュー2aと回転清掃体5との間に挟まれるようにして昇降機構2の排出口19へと移送される。尚、回転清掃体5と、スクリュー2aは、回転方向が同じであり、駆動手段7を構成するギア7a、7b、7c(図示せず)とモーター(図示せず)とによって回転させている。具体的には、モーターの動力によりギア7b、スクリュー2aが回転すると共に、ギア7cを介してギア7aと連結する回転清掃体5が回転している。尚、投入口18と排出口19の移送面18a、19aは傾斜面となっており、図2において左から右へと遊技球3が転がって移動するようにしている。また、昇降機構2はスクリューによる移送に限定されるものではなく、ベルトの抵抗により遊技球を移送させる機構や、複数の遊技球が連なり後方から押圧移送する機構など、遊技球を昇降させる機構であれば本発明に含まれる。
【0029】
図3(a)~(c)は、本発明に係る遊技球の清掃機構を示す回転清掃体とブラシ部材との関係を示す図2の一部A-A断面図であり、図3(a)は、第1実施形態の清掃機構、図3(b)は、第2実施形態の清掃機構、図3(c)は、第3実施形態の清掃機構を示している。
【0030】
図3(a)に示す第1実施形態の清掃機構10は、隣り合うブラシ部材6a、6b間が連結片6cにより連結されており、この連結片6cと回転清掃体5との間であって、隣り合うブラシ部材6a、6b間に、塵埃等を落下させる排出路9が形成されている。これにより、回転清掃体5が遊技球3に当接して塵埃等12を除去し、回転清掃体5に付着した塵埃等12は、ブラシ部材6a、6bで掻き取られ、この塵埃等12を、排出路9を通じで外部に排出できるため、回転清掃体5への再付着を防止することができる。また、隣り合うブラシ部材6a、6bが排出路9内の塵埃等12の水平方向への移動を抑制するため、下方にスムーズに移動させることができる。
【0031】
また、排出路9の下方には前述した筐体に対して着脱可能なダストボックス8が配置されているため、排出路9から落下した塵埃等12を収容することができ、簡単に廃棄することができる。尚、白抜き矢印は回転清掃体5の回転方向を示しており、ブラシ部材6bに備えられた複数の毛材11bは、回転清掃体5の回転方向に対向するように傾斜して形成されている。一方、ブラシ部材6aに備えられた複数の毛材11aは、回転清掃体5の回転方向と同じ方向に傾斜して形成されている。言い換えれば、隣り合うブラシ部材6a、6bの各々の毛材11a、11bは、排出路9側に傾斜して形成されている。
【0032】
また、複数のブラシ部材6a、6bは、回転清掃体5を覆うように配置されている。ここで、回転清掃体5を覆うとは、複数のブラシ部材6a、6bが、回転清掃体5の側面の一部を覆っていることを意味しており、回転清掃体5の側面全体を覆っていなくてもよい意味である。
【0033】
また、回転清掃体5は、図3(a)に示す白抜きの矢印方向とは逆方向に回転させることも可能である。これにより、正回転と逆回転の両方向の回転において、どちらか一方のブラシ部材6a又は6bが回転清掃体5に付着した塵埃等12を除去するように働き、他方のブラシ部材6b又は6aに付着した塵埃等12は回転清掃体5により排出路9に移送させることができる。
【0034】
図3(b)に示す第2実施形態の清掃機構20では、隣り合うブラシ部材6a、6bは、回転清掃体5と当接している面積が異なるように配置されている。即ち、ブラシ部材6aは、回転清掃体5に当接している面積をブラシ部材6bよりも小さくしている。また、複数の毛材11a、11bは、排出路9側に傾斜して形成されている。ブラシ部材6a、6bと回転清掃体5との当接面積を調整することで、回転清掃体5に付着した塵埃等12の除去効率と、回転清掃体5への回転抵抗を調整することができる。
【0035】
また、回転清掃体5の回転方向(白抜き矢印)に対向するように複数の毛材11bが傾斜している一方のブラシ部材6bとの当接面積を広くし、回転清掃体5の回転方向と同方向に傾斜している他方のブラシ部材11aとの当接面積を極めて少なくした場合には、一方のブラシ部材6bが回転清掃体5の塵埃等12を確実に除去することができると共に、他方のブラシ部材6aが排出路9内の塵埃等12の水平方向への移動を抑制でき、下方にスムーズに移動させることができる。
【0036】
尚、図3(b)において、回転清掃体5の回転方向を逆方向にした場合には、ブラシ部材6aで優しく塵埃等12を捕捉することができ、ブラシ部材6bは、回転清掃体5を正方向に回転させた場合と比較して回転抵抗が小さくなるため、全体として回転抵抗を小さくすることができる。
【0037】
図3(c)に示す第3実施形態の清掃機構30は、ブラシ部材6bの端部近傍の筐体(図示せず)に、毛材11bに付着した塵埃等12を除去する除去体13が形成されており、ブラシ部材6bは、筐体から着脱可能であって、取り外す際には毛材11bが除去体13に当接する構成としている。その他の構成は、図3(a)の第1実施形態の清掃機構10と同一であるので説明は省略する。第3実施形態の清掃機構30では、毛材11bに付着した塵埃等12を除去することができると共に、ブラシ部材6bの回転清掃体5に対する清掃効率を維持することができる。また、ブラシ部材6bの取り外しと同時に塵埃等12が除去されるため、別途ブラシ部材をメンテナンスする手間を軽減させることができる。
【0038】
尚、ブラシ部材6a側の筐体にも同様の除去体を設け、ブラシ部材6aは、筐体から着脱可能であって、取り外す際には毛材11aが除去体に当接する構成とすることもできる。また、第3実施形態では除去体13を櫛としているが、直線ブラシ、研磨布などブラシ部材6a、6bと当接して塵埃等12を除去できる構造であれば本発明に含まれる。
【0039】
図4(a)~(c)は、本発明に係る遊技球の清掃機構を構成するブラシ部材の第1実施形態~第3実施形態を示す斜視図である。
【0040】
図4(a)に示す第1実施形態のブラシ部材6a、6bは、複数の毛材11a、11bを排出路9に向かう方向であって、排出路9の長手方向に対して90度の角度を有する方向(白抜き矢印)に傾斜させている。即ち、複数のブラシ部材6a、6bの少なくとも1つは、複数の毛材11bが回転清掃体の回転方向に対向するように傾斜して形成されている(図3(a)参照)ので、毛材が鉛直下方に傾斜している場合と比べて、塵埃等の保持力が向上し、回転清掃体に再付着することを防止することができる。
【0041】
図4(b)に示す第2実施形態のブラシ部材13aは、複数の毛材14aが斜め下方であって排出路9に向かう方向に傾斜させている。このブラシ部材13aを、図3(b)で説明した第2実施形態の清掃機構20の当接面積が小さい方のブラシ部材に適用することによって、排出路9内の塵埃等の水平方向への移動を抑制し、より下方へスムーズに移動させることができる。
【0042】
また、ブラシ部材13bは、複数の毛材14bが斜め上方であって排出路9に向かう方向に傾斜させている。これにより、塵埃等の保持力が向上し、回転清掃体に再付着するのを防止することができる。
【0043】
図4(c)に示す第3実施形態のブラシ部材15aは、複数の毛材16aを排出路9から離れる方向であって、排出路9の長手方向に対して90度の角度を有する方向に傾斜させている。また、ブラシ部材15bは、複数の毛材16bを排出路9に向かう方向であって、排出路9の長手方向に対して90度の角度を有する方向に傾斜させている。この第3実施形態のブラシ部材15a、15bの複数の毛材16a、16bの傾斜方向に対して対抗する方向に回転清掃体を回転させることによって、回転清掃体に付着している塵埃等はブラシ部材と最初に当接する端側でより強く掻き取られることとなるが、当接回数が増えることで除去効率が向上すると共に、塵埃等の保持力が一層向上し、回転清掃体に再付着するのを防止することができる。
【0044】
尚、図4(c)に示すように、ブラシ部材15aと15bを連結する連結片17に凹部17aを形成することによって、塵埃がブラシ部材15a、15bに再付着するのを防ぐことができると共に、排出路9を広くすることができる。
【0045】
図5は、回転清掃体の第2実施形態を示す斜視図である。図5に示す回転清掃体21は、シャフトと22、このシャフト22の外周に螺旋状に配置された2個の清掃列23、24とを有しており、清掃列23、24は、毛丈の長い清掃列23と、毛丈の長い清掃列23よりも毛丈が短い清掃列24とがシャフト22の長手方向に沿って交互に現れるように形成されている。
【0046】
上記構成の回転清掃体21は、図2で示した昇降機構2のスクリュー2aと組み合わさることによって、遊技球の移送時間を短縮することができると共に、遊技球に当接する面積が増えることから、遊技球に対する清掃効率を向上させることができる。尚、ブラシ部材は、回転清掃体21の清掃列23と24の双方に毛材を当接させることでブラシ部材の複数の毛材が回転清掃体21の表面に付着した細かな塵埃等を除去できるため、回転清掃体21のメンテナンス頻度を低減することができる。また、ブラシ部材を回転清掃体21の毛丈の長い清掃列23にのみ当接させた場合は、回転清掃体21に付着した細かな塵埃等を除去できると共に、回転抵抗を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係るに遊技球の清掃機構は、遊技球を上下方向に移送する昇降機構を備えた装置に設置されて利用される。
【符号の説明】
【0048】
1 筐体
1a 底面
2 昇降機構(球上げ機構)
2a スクリュー
2b 羽根
3 遊技球
4 移送通路
5、21 回転清掃体
6a、6b、13a、13b、15a、15b ブラシ部材
6c、17 連結片
7 駆動手段
7a、7b、7c ギア
8 ダストボックス
9 排出路
10、20、30 遊技球の清掃機構
11a、11b、14a、14b、16a、16b 毛材
12 塵埃等
13 除去体
17a 凹部
18 投入口
18a、19a 移送面
19 排出口
22 シャフト
23 毛丈の長い清掃列
24 毛丈の短い清掃列
図1
図2
図3
図4
図5