(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】優待情報提供装置、優待情報提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240528BHJP
【FI】
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2021075799
(22)【出願日】2021-04-28
(62)【分割の表示】P 2017062628の分割
【原出願日】2017-03-28
【審査請求日】2021-04-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】池田 悠太
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】安井 雅史
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/199971(WO,A1)
【文献】特開2013-168004(JP,A)
【文献】特開2014-219756(JP,A)
【文献】特開2004-118659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店内で起動している店内起動デバイスの数を取得する、店内起動デバイス数取得部と、
前記店内起動デバイスの数に応じた優待情報を決定す
る、優待情報決定部と、
前記店内起動デバイスに、前記優待情報を表示させる、優待情報表示部と、
前記店内起動デバイスと、店外で起動している店外起動デバイスとに分けて識別するデバイス識別部と、
を備え、
前記優待情報表示部が、前記店外起動デバイスに、任意店舗における優待情報を表示させ、
前記デバイス識別部が、店舗内に設置された無線LAN機器を介してシステムサーバに接続されたスマートデバイスを、前記店内起動デバイスとする、
優待情報提供装置。
【請求項2】
前記優待情報表示部が、
前記店内起動デバイスからの要求に応じて、前記店内起動デバイスの数に応じた優待情報を表示させる、
請求項1に記載の優待情報提供装置。
【請求項3】
前記優待情報表示部が、
前記店外起動デバイスからの要求に応じて、前記任意店舗における優待情報を表示させる、
請求項1に記載の優待情報提供装置。
【請求項4】
コンピュータに実行させる方法であって、
(1)店内で起動している店内起動デバイスの数を取得する、ステップと、
(2)前記店内起動デバイスの数に応じた優待情報を決定す
る、ステップと、
(3)前記店内起動デバイスに、前記優待情報を表示させる、ステップと、
(4)前記店内起動デバイスと、店外で起動している店外起動デバイスとに分けて識別する、ステップと、
を備え、
前記(3)のステップにおいて、前記店外起動デバイスに、任意店舗における優待情報を表示させ、
前記(4)のステップにおいて、店舗内に設置された無線LAN機器を介してシステムサーバに接続されたスマートデバイスを、前記店内起動デバイスとする、
優待情報提供方法。
【請求項5】
コンピュータに、
(1)店内で起動している店内起動デバイスの数を取得する、ステップと、
(2)前記店内起動デバイスの数に応じた優待情報を決定す
る、ステップと、
(3)前記店内起動デバイスに、前記優待情報を表示させる、ステップと、
(4)前記店内起動デバイスと、店外で起動している店外起動デバイスとに分けて識別する、ステップと、
を実行させる、プログラムであって、
前記(3)のステップにおいて、前記店外起動デバイスに、任意店舗における優待情報を表示させ、
前記(4)のステップにおいて、店舗内に設置された無線LAN機器を介してシステムサーバに接続されたスマートデバイスを、前記店内起動デバイスとする、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、来店者数に応じた優待情報を提供する、優待情報提供装置、優待情報提供方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ビーコンを用いてシステム利用者が来店した際に自動的に来店時間や利用者情報を取得する技術が開示されている。特許文献2には、利用者に対してクーポンや会員ポイントを付与するサービスおよびシステムが開示されている。しかし、来店者数などに応じた臨機応変な割引クーポンや、セールを自動的に提供する仕組みではない。
【0003】
特許文献3および4には、来店者数などに応じた優待情報を提供する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-171487号公報
【文献】特開2016-146140号公報
【文献】特開2002-251554号公報
【文献】特開2016-126654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3に記載の方法は、ユーザによる店舗識別コードの入力によって集客数カウント値を更新しており、来店者数の算出に時間が掛かり、正確な来店者数を把握できない。
【0006】
特許文献4は、カメラ画像により、混雑状況(来店者数)を把握するものであり、カメラの死角部分の人数把握が困難であるため、正確な来店者数を把握できない。
【0007】
本発明は、上記の従来技術の問題を解決するためになされたものであり、任意店舗への来店者数を迅速、かつ正確に把握することができ、それに応じた優待情報の提供が可能な、優待情報提供装置、優待情報提供方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における優待情報提供装置は、
優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイスを、所定店舗の店内で起動している店内起動デバイスと、店外で起動している店外起動デバイスとに識別する、デバイス識別部と、
前記店内起動デバイスの前記優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗内モードに遷移させる、モード遷移部と、
前記店内起動デバイスの数を取得する、店内起動デバイス数取得部と、
前記店内起動デバイスの数に応じた優待情報を決定する、優待情報決定部と、
前記店舗内モードに遷移させた店内起動デバイスに、前記優待情報を表示させる、優待情報表示部と
を備える。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における優待情報提供方法は、
(1)優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイスの
うち少なくとも店舗内にあるスマートデバイスを店内起動デバイスとして、前記店内起動デバイスの数を取得する、ステップと、
(2)前記店内起動デバイスの数に応じた優待情報を決定する、ステップと、
(3)前記店内起動デバイスの前記優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗内モードに遷移させる、ステップと、
(4)前記店舗内モードに遷移させた店内起動デバイスに、前記優待情報を表示させる、優待ステップと
を備える。
【0010】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
(1)優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイスのうち少なくとも店舗内にあるスマートデバイスを店内起動デバイスとして、前記店内起動デバイスの数を取得する、ステップと、
(2)前記店内起動デバイスの数に応じた優待情報を決定する、ステップと、
(3)前記店内起動デバイスの前記優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗内モードに遷移させる、ステップと、
(4)前記店舗内モードに遷移させた店内起動デバイスに、前記優待情報を表示させる、優待ステップと
を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、任意店舗への来店者数を迅速、かつ正確に把握することができ、それに応じた適切な優待情報の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態における優待情報提供装置を内蔵するシステムサーバの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態における優待情報提供装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態における優待情報提供装置10の動作を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態における優待情報提供装置10の優待情報決定部14の動作を示すフロー図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態における優待情報提供装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における、優待情報提供装置、優待情報提供方法、及びプログラムについて、
図1~
図6を参照しながら説明する。
【0014】
[装置構成]
最初に、本発明の実施の形態における優待情報提供装置の概略構成について
図1~
図3を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態における優待情報提供装置を内蔵するシステムサーバの概略構成を示すブロック図である。
図2は、店舗毎の情報の例を示す図である。また、
図3は、本発明の実施の形態における優待情報提供装置の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施の形態における優待情報提供装置10は、システムサーバ1に内蔵されている。システムサーバ1は、ウェブサーバを備えたクライアントコンピュータであり、通信部3によって、無線LAN機器61を介したインターネット、携帯電話通信網などの通信網により利用者が使用するスマートデバイス50に接続される。
【0016】
スマートデバイス50は、無線LAN機器との通信手段を備えたクライアントコンピュータである。例えば、スマートフォン、タブレット端末、タブレットPC等である。また、スマートデバイス1上には、ソフトウェアとしてシステムサーバ1への接続および割引クーポンなどの優待情報の表示を行うためのアプリケーションソフトウェア(優待情報参照アプリケーションソフトウェア)を有している。
【0017】
図2に示すように、システムサーバ1の記憶部2には、店舗毎の情報が格納されている。店舗毎の情報としては、例えば、店舗名、店舗に設置された無線LAN機器のMACアドレス、現在の来店者数、優待情報(割引クーポンなどの情報)などである。優待情報は、1つに限らず、来店者数に応じた複数の優待情報が含まれる。例えば、「クーポン1」は来店者数が10人以下であれば「10%割引」、「クーポン2」は、来店者数が10人を超え50人以下なら「5%割引」などの、予め設定した優待情報である。また、来店者数は利用者ごとに一意に与えられる利用者識別子を用いて重複が無いように集計される。
【0018】
そして、
図3に示すように、本発明の実施の形態における優待情報提供装置10は、デバイス識別部11と、モード遷移部12と、店内起動デバイス数取得部13と、優待情報決定部14と、優待情報表示部15とを備える。
【0019】
デバイス識別部11は、
図3に示すように、優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイス50を、所定店舗60の店内で起動している店内起動デバイス50aと、店外で起動している店外起動デバイス50bとに識別する。このとき、優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイス50が、システムサーバ1に接続したときの経路により、店内なのか、店外なのかを識別する。具体的には、優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイス50がシステムサーバ1に接続したときに、記憶部2内に記憶された店舗毎の情報に基づき、所定店舗60内に設置された無線LAN機器61のMACアドレスがある場合には、店内起動デバイス50aとする。また、優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイス50のうち、店内起動デバイス50a外のデバイスを店外起動デバイス50bとする。
【0020】
モード遷移部12は、店内起動デバイス50a内の優待情報参照アプリケーションソフトウェアを「店舗内モード」に遷移させる。また、モード遷移部12は、店外起動デバイス50b内の優待情報参照アプリケーションソフトウェアを「店舗外モード」に遷移させる。「店舗内モード」は、店内起動デバイス50aを所有している利用者に対して店舗内用のサービス(来店中の店舗の優待情報の表示)を提供するモードであり、「店舗外モード」は、店外起動デバイス50bを所有している利用者に対して店舗外用のサービス(例えば、任意店舗または近隣店舗の優待情報の検索サービスなど)を提供するモードである。
【0021】
店内起動デバイス数取得部13は、店内起動デバイス50aの数を取得する。具体的には、記憶部2内に記憶された店舗毎の情報に基づき、所定店舗60内に設置された無線LAN機器61のMACアドレスにアクセスしたデバイスの数に基づいて、店内起動デバイス50aの数を取得し、システムサーバ1の記憶部2内の店舗毎の情報の「来店者数」に入力する。
【0022】
優待情報決定部14は、店内起動デバイス50aの数に応じた優待情報を決定する。具体的には、記憶部2内に記憶された店舗毎の情報に基づき、店内起動デバイス50aの所有者が入店中の店における来店者数に基づいた優待情報(割引クーポンなど)を決定する。例えば、
図2に示すように、店舗Aにおいては、「クーポン1」は来店者数が10人以下であれば「10%割引」、「クーポン2」は、来店者数が10人を超え50人以下なら「5%割引」、店舗Bにおいては、「クーポン1」は来店者数が20人以下であれば「8%割引」、「クーポン2」は、来店者数が20人を超え100人以下なら「3%割引」という形で予め設定した店舗毎の優待情報の中から、所定時点での店内起動デバイス50aの数に応じた優待情報を決定する。
【0023】
優待情報表示部15は、「店舗内モード」に遷移させた店内起動デバイス50aに、優待情報決定部14において決定した優待情報を表示させる。例えば、店内起動デバイス50aに、割引クーポンに関する2次元コード(QRコード(登録商標))などの優待情報を送信し、表示させる。このとき、店内起動デバイス50aからの要求に応じて、すなわち、店内起動デバイス50aの所有者が優待情報ボタンを押すなどして優待情報を要求した場合に、その優待情報を表示させてもよいし、「店舗内モード」に遷移させた店内起動デバイス50aに対して自動的に優待情報を表示させてもよい。
【0024】
優待情報表示部15は、店舗外モードに遷移させた店外起動デバイス50bに対して、任意の店舗60における優待情報を表示させることもできる。例えば、店外起動デバイス50bに、現在設定されているクーポンの割引率などの優待情報を送信し、表示させる。このとき、店外起動デバイス50bからの要求に応じて、すなわち、店外起動デバイス50bの所有者が所定の店舗60、所有者に近い場所にある店舗の優待情報ボタンを押すなどして優待情報を要求した場合に、その優待情報を表示させてもよいし、「店舗外モード」に遷移させた店外起動デバイス50bに対して、GPS情報に基づいて店外起動デバイス50bの近くにある店舗における優待情報を自動的に表示させてもよい。この店外起動デバイス50bの所有者が店舗60に来店し、「店舗内モード」に遷移されると、割引クーポンに関する2次元コードなどの優待情報を送信し、表示させてもよい。
【0025】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態における優待情報提供装置10の動作について
図4および
図5を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態における優待情報提供装置10の動作を示すシーケンス図である。
図5は、本発明の実施の形態における優待情報提供装置10の優待情報決定部14の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜
図1~
図3を参酌する。また、本実施の形態では、優待情報提供装置10を動作させることによって、優待情報提供方法が実施される。よって、本実施の形態における優待情報提供方法の説明は、以下の優待情報提供装置10の動作説明に代える。
【0026】
図4に示すように、デバイス識別部11は、優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイス50を、所定店舗60の店内で起動している店内起動デバイス50aと、店外で起動している店外起動デバイス50bとに識別する(ステップS1)。このとき、ユーザが所持するスマートデバイス50の優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗内で起動させたとき、または、店舗外で優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイス50aを店舗内に持ち込んだとき(ステップA1)には、デバイス識別部11は、所定店舗60の店内で起動している店内起動デバイス50aとして識別する。一方、ユーザが所持するスマートデバイス50の優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗外で起動させたとき、または、店舗内で優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイス50aを店舗外に持ち出したとき(ステップB1)には、所定店舗60の店外で起動している店外起動デバイス50bとして識別する。
【0027】
このとき、優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイス50が、システムサーバ1に接続したときの経路により、店内なのか、店外なのかを識別する。具体的には、優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイス50がシステムサーバ1に接続したときに、記憶部2内に記憶された店舗毎の情報に基づき、所定店舗60内に設置された無線LAN機器61のMACアドレスがある場合には、店内起動デバイス50aとする。また、優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイス50のうち、店内起動デバイス50a外のデバイスを店外起動デバイス50bとする。
【0028】
次に、モード遷移部12は、店内起動デバイス50a内の優待情報参照アプリケーションソフトウェアを「店舗内モード」に遷移させ、店外起動デバイス50b内の優待情報参照アプリケーションソフトウェアを「店舗外モード」に遷移させる(ステップS2)。「店舗内モード」は、店内起動デバイス50aを所有している利用者に対して店舗内用のサービス(来店中の店舗の優待情報の表示)を提供するモードであり、「店舗外モード」は、店外起動デバイス50bを所有している利用者に対して店舗外用のサービス(例えば、任意店舗または近隣店舗の優待情報の検索サービスなど)を提供するモードである。
【0029】
次に、店内起動デバイス数取得部13は、店内起動デバイス50aの数を取得する(ステップS3)。具体的には、記憶部2内に記憶された店舗毎の情報に基づき、所定店舗60内に設置された無線LAN機器61のMACアドレスにアクセスしたデバイスの数に基づいて、店内起動デバイス50aの数を取得し、システムサーバ1の記憶部2内の店舗毎の情報の「来店者数」に入力する。
【0030】
次に、優待情報決定部14は、店内起動デバイス50aの数に応じた優待情報を決定する(ステップS4)。具体的には、記憶部2内に記憶された店舗毎の情報に基づき、店内起動デバイス50aの所有者が入店中の店における来店者数に基づいた優待情報(割引クーポンなど)を決定する。例えば、
図5に示すように、任意の店舗における来店数Nに応じて、来店者数Nが10人以下の場合には「10%割引」、来店者数Nが10人を超え50人以下の場合には「5%割引」、来店者数Nが50人を超える場合には「3%割引」と予め設定した店舗においては、店内起動デバイス数取得部13が取得した店内起動デバイス50aの数を来店者数Nとして、所定時点での優待情報を決定する。優待情報については、発行数の上限を決めてもよい。
【0031】
次に、優待情報表示部15は、「店舗内モード」に遷移させた店内起動デバイス50aに、優待情報決定部14において決定した優待情報を表示させる(ステップS5)。例えば、店内起動デバイス50aに、割引クーポンに関する2次元コードなどの優待情報を送信し、表示させる。このとき、店内起動デバイス50aからの要求に応じて、すなわち、店内起動デバイス50aの所有者が優待情報ボタンを押すなどして優待情報を要求した場合(ステップA2)に限り、対応する優待情報を決定し、その優待情報を表示させてもよいし、「店舗内モード」に遷移させた店内起動デバイス50aに対して自動的に優待情報を表示させてもよい。
【0032】
優待情報表示部15は、店舗外モードに遷移させた店外起動デバイス50bに対して、任意の店舗60における優待情報を表示させることもできる(ステップS5)。例えば、店外起動デバイス50bに、現在設定されているクーポンの割引率などの優待情報を送信し、表示させる。このとき、店外起動デバイス50bからの要求に応じて、すなわち、店外起動デバイス50bの所有者が所定の店舗60、所有者の近くにある店舗の優待情報ボタンを押すなどして優待情報を要求した場合(ステップB2)に限り、対応する優待情報を決定し、表示させてもよいし、「店舗外モード」に遷移させた店外起動デバイス50bに対して、GPS情報に基づいて店外起動デバイス50bの近くにある店舗における優待情報を自動的に表示させてもよい。
【0033】
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態における優待情報提供装置10によれば、所定の店舗60内に存在するスマートデバイスの数のよって来客者数を把握するので、その店舗への来客者数を迅速、かつ正確に把握することができ、それに応じた適切な優待情報の提供が可能となる。よって、店舗運営者にとって、刻々と変化する来店者数に応じた優待情報の設定が容易になる。特に、店舗内にあるスマートデバイスに対しては、優待情報に関する2次元コード、バーコードなどを表示させれば、店舗側がPOS端末などを用いて容易に割引情報を適用することができる。一方、店舗外にあるスマートデバイスに対して任意店舗における優待情報を表示させる場合には、ユーザは、その店舗において現在設定されているクーポンの割引率など、最新の優待情報を知ることができる。また、それによりユーザの購買意欲を向上させるので、来店者数の増加に寄与する。
【0034】
本発明の実施の形態における優待情報提供装置10は、アパレルショップなどの店舗において、来客者数に応じた優待情報を提供する場合のほか、例えば、遊園地などのレジャー施設において、入場者数に応じた電子的な特典(例えば、キャラクターグッツの引換券、無料ドリンク券など)を提供する場合にも用いることができる。
【0035】
[プログラム]
本発明の実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、
図4および
図5に示すステップS1~S5を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態における優待情報提供装置と優待情報提供方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、デバイス識別部11、モード遷移部12、店内起動デバイス数取得部13、優待情報決定部14、及び優待情報表示部15として機能し、処理を行なう。
【0036】
また、本実施の形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されても良い。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、デバイス識別部11、モード遷移部12、店内起動デバイス数取得部13、優待情報決定部14、及び優待情報表示部15のいずれかとして機能しても良い。
【0037】
ここで、実施の形態におけるプログラムを実行することによって、優待情報提供装置10を実現するコンピュータについて
図6を用いて説明する。
図6は、本発明の実施の形態における優待情報提供装置10を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0038】
図8に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0039】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0040】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0041】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0042】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
【0043】
なお、本実施の形態における優待情報提供装置10は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。更に、優待情報提供装置10は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【0044】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)~(付記15)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0045】
(付記1)
優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイスを、所定店舗の店内で起動している店内起動デバイスと、店外で起動している店外起動デバイスとに識別する、デバイス識別部と、
前記店内起動デバイスの前記優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗内モードに遷移させる、モード遷移部と、
前記店内起動デバイスの数を取得する、店内起動デバイス数取得部と、
前記店内起動デバイスの数に応じた優待情報を決定する、優待情報決定部と、
前記店舗内モードに遷移させた店内起動デバイスに、前記優待情報を表示させる、優待情報表示部と
を備える優待情報提供装置。
【0046】
(付記2)
前記デバイス識別部が、
店舗内に設置された無線LAN機器を介してシステムサーバに接続されたスマートデバイスを、前記店内起動デバイスとする、
付記1に記載の優待情報提供装置。
【0047】
(付記3)
前記優待情報表示部が、
前記店内起動デバイスからの要求に応じて、前記優待情報を表示させる、
付記1または2に記載の優待情報提供装置。
【0048】
(付記4)
前記モード遷移部が、
前記店外起動デバイスの前記優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗外モード
に遷移させ、
前記優待情報表示部が、
前記店舗外モードに遷移させた店外起動デバイスに、任意店舗における優待情報を表示させる、
付記1から3までのいずれかに記載の優待情報提供装置。
【0049】
(付記5)
前記優待情報表示部が、
前記店外起動デバイスからの要求に応じて、前記優待情報を表示させる、
付記4に記載の優待情報提供装置。
(付記6)
(1)優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイスを、所定店舗の店内で起動している店内起動デバイスと、店外で起動している店外起動デバイスとに識別する、ステップと、
(2)前記店内起動デバイスの前記優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗内モードに遷移させる、ステップと、
(3)前記店内起動デバイスの数を取得する、ステップと、
(4)前記店内起動デバイスの数に応じた優待情報を決定する、ステップと、
(5)前記店舗内モードに遷移させた店内起動デバイスに、前記優待情報を表示させる、ステップと、
を備える優待情報提供方法。
【0050】
(付記7)
前記(1)のステップにおいて、
店舗内に設置された無線LAN機器を介してシステムサーバに接続されたスマートデバイスを、前記店内起動デバイスとする、
付記6に記載の優待情報提供方法。
【0051】
(付記8)
前記(5)のステップにおいて、
前記店内起動デバイスからの要求に応じて、前記優待情報を表示させる、
付記6または7に記載の優待情報提供方法。
【0052】
(付記9)
前記(2)のステップにおいて、
前記店外起動デバイスの前記優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗外モードに遷移させ、
前記(5)のステップにおいて、
前記店舗外モードに遷移させた店外起動デバイスに、任意店舗における優待情報を表示させる、
付記6から8までのいずれかに記載の優待情報提供方法。
【0053】
(付記10)
前記(5)のステップにおいて、
前記店外起動デバイスからの要求に応じて、前記優待情報を表示させる、
付記9に記載の優待情報提供方法。
【0054】
(付記11)
コンピュータに、
(1)優待情報参照アプリケーションソフトウェアを起動しているスマートデバイスを
、所定店舗の店内で起動している店内起動デバイスと、店外で起動している店外起動デバイスとに識別する、ステップと、
(2)前記店内起動デバイスの前記優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗内モードに遷移させる、ステップと、
(3)前記店内起動デバイスの数を取得する、ステップと、
(4)前記店内起動デバイスの数に応じた優待情報を決定する、ステップと、
(5)前記店舗内モードに遷移させた店内起動デバイスに、前記優待情報を表示させる、ステップと、
を実行させる、プログラム。
【0055】
(付記12)
前記(1)のステップにおいて、
店舗内に設置された無線LAN機器を介してシステムサーバに接続されたスマートデバイスを、前記店内起動デバイスとする、
付記11に記載のプログラム。
【0056】
(付記13)
前記(5)のステップにおいて、
前記店内起動デバイスからの要求に応じて、前記優待情報を表示させる、
付記11または12に記載のプログラム。
【0057】
(付記14)
前記(2)のステップにおいて、
前記店外起動デバイスの前記優待情報参照アプリケーションソフトウェアを店舗外モードに遷移させ、
前記(5)のステップにおいて、
前記店舗外モードに遷移させた店外起動デバイスに、任意店舗における優待情報を表示させる、
付記11から13までのいずれかに記載のプログラム。
【0058】
(付記15)
前記(5)のステップにおいて、
前記店外起動デバイスからの要求に応じて、前記優待情報を表示させる、
付記14に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0059】
1 システムサーバ
2 記憶部
3 通信部
10 本実施の形態における優待情報提供装置
11 デバイス識別部
12 モード遷移部
13 店内起動デバイス数取得部
14 優待情報決定部
15 優待情報表示部
50 スマートデバイス
50a 店内起動デバイス
50b 店外起動デバイス
60 所定店舗
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス