(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】ウォータジェットを用いて乾式マッサージするための装置
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20240528BHJP
A61H 9/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
A61H7/00 322B
A61H9/00
(21)【出願番号】P 2021518801
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(86)【国際出願番号】 DE2019100882
(87)【国際公開番号】W WO2020074046
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】102018125146.7
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512069599
【氏名又は名称】ジェイケイ-ホールディング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【氏名又は名称】石塚 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100223424
【氏名又は名称】和田 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ゲルステンマイヤー, ユルゲン
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-260103(JP,A)
【文献】米国特許第06681770(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
A61H 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)であって、
マッサージ水が入れられ、頭側端部から足側端部まで縦方向にかつ左側から右側まで横方向に延びるタブ(W)であって、前記タブ(W)を上側で水密に閉鎖するカバーとしてのフィルム材(F)を有し、前記フィルム材が、治療を受ける人(Pe)のための横たわり面として同時に使用され、圧力パルスの伝達を可能にする、タブ(W)と、
前記タブ(W)の縦方向に移動され得るノズルカート(1)であって、少なくとも2つのノズル(D、D’、D’’)を支持しており、前記ノズル(D、D’、D’’)が、前記フィルム材(F)の底面に対してノズルごとに1つのウォータジェットを噴出するために、ポンプ(P)によって前記タブ(W)から可撓性ホース接続部を介してマッサージ水を供給され得る、ノズルカート(1)と、
前記ノズルカート(1)を前記タブ(W)の縦方向に前後移動させるための第1の駆動部(3)であって、前記少なくとも2つのノズル(D、D’)が前記ノズルカート(1)の前記移動と共に前記タブ(W)の縦方向に前後移動する、第1の駆動部(3)と、
前記ノズル(D、D’)を前記タブ(W)の横方向に移動させる第2の駆動部(5、ZR、Z)と
を備え、
前記フィルム材が、前記フィルム材の底面に1つまたは複数の空洞部を有し、前記空洞部が、横方向に延びており、前記フィルム材の平面から前記フィルム材の上面の側に突出しており、前記フィルム材(F)上に横たわる前記人(Pe)に向けられ、前記フィルム材(F)を前記フィルム材の上面が凸状をなす1つまたは複数の隆起部(100)に形成している、装置(V)において、
前記タブ(W)の前記縦方向に垂直な軸線(14’)を中心に前記
少なくとも2つのノズル
(D,D’)を
枢動させるための手段が設けられており
、前記手段が、前記噴出するウォータジェットを前記フィルム材の底面の前記空洞部に向けることを可能にする
ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記ノズルを支持する前記ノズルカートの部分が、前記ノズルが前記フィルム材に向かって枢動するように軸線を中心に前記ノズルカートに対して枢動可能であり、前記噴出するウォータジェットが、枢動によって前記フィルム材(F)の法線に対して角度をとる、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記ノズルを支持する前記部分の前記枢動の動作が、前記タブ(W)内に配置されたランプによって達成され、前記第1の駆動部によって引き起こされる前記前後移動が、前記部分を前記ランプ(R)に対して変位させ、それによって水平軸を中心に上方に枢動させる、請求項
2に記載の装置。
【請求項4】
前記ノズルがそれぞれノズルホルダ(DH)内に配置されており、前記ノズルホルダ(DH)が歯付きラック(Z)に連結されており、前記歯付きラック(Z)が、前記第2の駆動部の一部として、前記第2の駆動部のギヤによって前記ノズルホルダ(DH)を前記タブの横方向に個々に変位させることを可能にする、請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ノズルホルダ(DH)が、前記歯付きラック(Z)に対して枢動することができ、前記歯付きラック(Z)が、前記ノズルカート(1)の2つの軸(14、14’)に移動可能に連結されている、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
前記ノズルホルダ(DH)が、前記ノズルカート(1)の剛性軸(14’)に連結され、前記ノズルホルダが軸線方向に変位され枢動され得るようになっている、請求項
4または
5に記載の装置。
【請求項7】
前記ノズルカート(1)が、前記タブ(W)の底部(B)に固定された2つのレール上を前記タブ(W)の縦方向に車輪(4、4’、4’’)上で移動することができ、前記ノズルカート(1)が、モータ(2’’)によって前記ノズルカート(1)の底面に作用する前記第1の駆動部(3)によって動作され得、前記第1の駆動部が、前記タブ(W)の内側に取り付けられ、前記タブ(W)の外側から操作され得、前記車輪(4、4’、4’’)上の前記ノズルカート(1)を前記タブ(W)の縦方向に前後移動させるように動作し得る、請求項1~
6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ノズルカート(1)が、前記タブの底部(B)と平行に水平底板(10)を備え、前記水平底板が、前記車輪(4、4’、4’’)上で前記タブの縦方向に移動することができ、前記底板(10)の左右に固定された垂直側板(12、12’)を有し、前記タブ(W)の横方向に延びる第1の枢軸(14)と、前記タブ(W)の横方向に延び、前記第1の枢軸(14)からオフセットされ、案内の目的のために役立つことができる、第2の枢軸(14’)とが、前記垂直側板(12、12’)を互いに固定的に連結している、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
垂直に延びる傾動板(16、16’)が、前記タブ(W)の横方向に延びる前記第1の枢軸(14)を中心に枢動可能であるように、前記側板(12、12’)の外側にそれぞれ取り付けられており、前記タブ(W)の横方向に延びる剛性軸(14’’)が、前記傾動板(16、16’)を互いに固定的に連結しており、前記傾動板(16、16’)のそれぞれが、前記傾動板のストッパとは反対側の端部の(横方向の)外側に、前記第1の枢軸(14)および前記第2の枢軸(14’)と平行な1つの車輪軸を伴う転動車輪(17、17’)を有する、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
前記タブの横方向への前記少なくとも2つのノズル(D、D’)の前記移動を2つのスプラインシャフト(5、5’)によって達成することができ、前記2つのスプラインシャフトが、前記ノズルカート(1)の底側のブッシング(LB)を通って前記装置(V)の長手方向軸線と平行に延びており、前記2つのスプラインシャフトが、前記ノズルカートの底部の底側に配置された、前記スプラインシャフトの1つと同心であるギヤ軸を有するギヤ(ZR)とそれぞれ係合しており、前記スプラインシャフト(5、5’)が、前記スプラインシャフト自体の軸線を中心に回転できるように、前記タブの内側にある軸受(L、L’)の頭側に取り付けられており、前記スプラインシャフト(5、5’)が、各スプラインシャフトの長手方向軸線を中心に回転往復運動を行うように、前記タブ(W)の外側にある駆動モータ(2、2’)によって足側で制御され、スプラインシャフトとそれぞれ係合する前記ギヤ(ZR)が、下部ノズルホルダ(DH)上の前記第1および第2の枢軸(14、14’、14’’)と平行に配置された歯付きラック(Z)と係合しており、前記スプラインシャフト(5、5’)が、荷重支持機能を有さずに、前記第1および第2の枢軸(14、14’、14’’)に沿って前記タブの横方向における前記ノズルの独立した移動を引き起こす、請求項
8または
9に記載の装置。
【請求項11】
前記ノズル(D、D’、D’’)のうちの少なくとも1つがさらに、前記フィルム材(F)の底面で、前記ノズルが噴出するウォータジェットを、前記フィルム材(F)の上面に凸状隆起部(100)を形成する前記フィルム材の底面の前記1つまたは複数の空洞部(100)の内部に向けることができる、請求項1~
10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記装置(V)の前記カバーとして圧力パルスの伝達を可能にする前記フィルム材(F)が熱も伝達可能である、請求項1~
11のいずれか一項に記載の乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)。
【請求項13】
前記フィルム材の底面の前記フィルム材(F)の前記1つまたは複数の空洞部が、横方向に延びており、前記フィルム材(F)上に横たわる前記人(Pe)に向けられ、前記フィルム材(F)を前記フィルム材の上面が凸状をなす1つまたは複数の隆起部(100)に形成しており、前記フィルム材(F)の内面から計算される、1mm~200mmの範囲の深さを有する、請求項1~
12のいずれか一項に記載の乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)。
【請求項14】
前記2つのスプラインシャフト(5、5’)が、前記タブ(W)の前記頭側端部および前記足側端部に取り付けられており、前記ノズルカート(1)のベース板の下のブッシング(LB)を通って延びており、前記2つのスプラインシャフト(5、5’)の前記タブ(W)の縦方向に延びるそれぞれの回転軸を中心とする独立して制御可能なそれぞれの回転を、前記2つのスプラインシャフト(5、5’)とそれぞれ係合する歯車(ZR)を介して、1つの歯車(ZR)と係合し前記タブの横方向に移動可能である1つの歯付きラック(Z)に伝達することができ、前記ラックが、前記タブ(W)の縦方向と直角に前記第1および第2の枢軸(14、14’、14’’)上で前記フィルム材(F)の底面に向けられたノズル(D、D’)を有するノズルホルダ(DH)を、前記タブ(W)の右側または左側に他のノズルとは独立して移動させることができ、前記ノズルカート(1)上の前記ノズル(D、D’、D’’)の前記タブ(W)の縦方向の移動と横方向の移動とを組み合わせることにより、前記フィルム材(F)の底面に任意のウォータジェットマッサージパターンの形成が可能になる、請求項
10に記載の乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)。
【請求項15】
前記ノズルカート(1)上に配置されていない少なくとも1つのノズル(D’’’)を備え、前記少なくとも1つのノズルが、前記ノズルが噴出するウォータジェットを、前記フィルム材の底面の前記1つまたは複数の空洞部の少なくとも1つの内部に向けることができ、前記空洞部が、横方向に延びており、前記フィルム材(F)上に横たわる前記人(Pe)に向けられ、前記フィルム材(F)を前記フィルム材の上面が凸状をなす1つまたは複数の隆起部(100)に形成している、請求項1~
14のいずれか一項または複数項に記載の乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)。
【請求項16】
前記ノズルカート(1)上に少なくとも1つのノズル(D’’)を備え、前記少なくとも1つのノズルが、噴出する各ウォータジェットを、前記フィルム材の底面の前記1つまたは複数の空洞部のうちの少なくとも1つの内部に向けることができ、前記空洞部が、横方向に延びており、前記フィルム材(F)上に横たわる前記人(Pe)に向けられ、前記フィルム材(F)を前記フィルム材の上面が凸状をなす1つまたは複数の隆起部(100)に形成している、請求項1~
15のいずれか一項または複数項に記載の乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)。
【請求項17】
前記ノズルカート(1)上に前記少なくとも2つのノズル(D、D’)を備え、前記少なくとも2つのノズルが、噴出する各ウォータジェットを、前記フィルム材(F)の底面に、または前記フィルム材の底面の前記1つまたは複数の空洞部のうちの少なくとも1つの内部に向けることができ、前記空洞部が、横方向に延びており、前記フィルム材(F)上に横たわる前記人(Pe)に向けられ、前記フィルム材(F)を前記フィルム材の上面が凸状をなす1つまたは複数の隆起部(100)に形成している、請求項1~
16のいずれか一項または複数項に記載の乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)。
【請求項18】
前記ノズルカート(1)上の前記少なくとも2つのノズル(D、D’)が、前記タブ(W)の長辺間および短辺間に及び前記タブ(W)の底部と平行な平面内で前記ノズルカート(1)を移動させるときに、噴出する各ウォータジェットを前記フィルム材(F)の底面と略垂直に向けることができる、請求項
17に記載の乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)。
【請求項19】
前記ノズルカート(1)を前記タブ(W)の縦方向に移動させるときに、前記タブ(W)の底部における前記車輪(4、4’、4’’)の走行と平行に、前記2つの傾動板(16、16’)に装着された前記転動車輪(17、17’)を走行させるように、前記ノズルカート(1)を移動させるために、前記タブ(W)の縦方向に前記タブ(W)の底部(B)に固定された前記2つのレールの左外側および右外側にそれぞれ1つの追加のレール(18、18’)をさらに備え、前記レール(18、18’)が、前記タブの端部に向かう上昇ランプ上の複数の場所に延びており、前記上昇ランプが、前記ノズルカートの端部において前記傾動板(16、16’)の端部を、前記第1の枢軸(14)を中心に前記フィルム材(F)の方向に前記タブ(W)の底部(B)から離れる向きに枢動させることができ、それにより、前記傾動板(16、16’)に固定的に連結された各ノズル(D、D’)の各マッサージ水ジェットと前記フィルム材の底面との角度が、前記傾動板(16、16’)の枢動につれて、前記カバーの底面を基準にして略90°から鋭角まで変化する、請求項
9に記載の乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)。
【請求項20】
前記ノズルカート(1)上の前記少なくとも2つのノズル(D、D’)が、噴出する各ウォータジェットを、前記フィルム材の底面の前記1つまたは複数の空洞部のうちの少なくとも1つの内部に向けることができ、前記1つまたは複数の空洞部が、横方向に延びており、前記フィルム材(F)上に横たわる前記人(Pe)に向けられ、前記フィルム材(F)を前記フィルム材の上面が凸状をなす1つまたは複数の隆起部(100)に形成している、請求項
17に記載の乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)。
【請求項21】
請求項1~
20のいずれか一項に記載の乾式ウォータジェットマッサージのための装置(V)を動作させる方法であって、
ノズル(D、D’)によって噴出される前記ウォータジェットを前記フィルム材(F)および/または前記フィルム材の底面の前記空洞部(100)のうちの1つに向け、同時に、前記ノズル(D、D’)を支持するノズルホルダ(DH)を前記ノズルカートの変位方向と垂直に延びる軸(14’)を中心に枢動させ、それによって、前記ノズル(D、D’)と前記フィルム材との間の距離が縮小され、かつ/または、前記フィルム材の底面の前記空洞部(100)の部分に前記ウォータジェットが投入されるステップ
を含み、前記装置のコントローラが前記ステップを実施する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォータジェットを用いて乾式マッサージするための装置に関する。特に、本発明は、ウォータジェットを用いて乾式マッサージするための装置に関し、この装置で、ユーザまたは患者の身体は、身体が濡れるのを受け入れる必要なしに、ウォータジェットを用いた複数のマッサージステップシーケンスで様々な方法でマッサージされ得る。
【背景技術】
【0002】
ウォータジェットマッサージは、ユーザの身体がウォータジェットのマッサージ治療にさらされる古くからのタイプのマッサージである。ウォータジェットが到達する人の身体の特定の部分には、特定の圧力下でのウォータジェットの機械的衝撃によって触れられる。人の身体の特定部分に圧力を繰り返しかつ/または長時間加えることで、治療されている人の身体の特定部分または全身の快適でリラックスさせ、多くの場合、治癒するマッサージをもたらす。この種のマッサージは、特に、いわゆる「水中マッサージ」として、長い間、マッサージ治療を必要とする多くの人々の治療計画の不可欠な部分であった。
【0003】
一方、乾式ウォータジェットマッサージのための装置が従来技術で知られるようにもなってきた。本明細書および特許請求の範囲でも、従来技術でも、「乾式ウォータジェットマッサージ」は、対応する装置のユーザの身体またはマッサージを必要とする人、例えば患者の身体が、圧力パルス伝達材料上に、例えば装置のプラスチック材料フィルムまたはゴムフィルム上に横たわっていることを意味すると理解される。この材料の下に、装置は、調整可能な圧力を受ける可動ジェットパルスを放出するための付属手段、例えば、その都度1つのウォータジェットを、ジェット方向が圧力パルスを伝達するフィルム材料の底面に向けて噴出する1つまたは複数のノズルを有する。言及した手段は、1つまたは複数のノズルを有する上部がその上に装着される下部を有するノズルカートからなり、下部は、装置の長手方向軸線に沿って歯付きベルト駆動部を介して移動することができ、たいてい複線のレール上をローラ上のタブ底部上で「走行する」。この/これらのノズルは、ノズルカートの移動方向に対して横方向に枢動可能に装着される。ノズルから噴出されたウォータジェットは、パルスをプラスチック材料またはゴムフィルム材料、例えば天然ゴム製の横たわり面に伝達し、この/これらの材料は、パルスを材料上に横たわるユーザ/患者の身体部分に伝達する。パルスは、パルスを伝達するフィルム材料と接触している身体の各部分に所望のマッサージ効果があり、したがって水中マッサージと同様のマッサージ治療を模擬する。これは、マッサージ媒体(水)からフィルム材料上に横たわるユーザ/患者の身体への熱の伝達にも当てはまる。このようなマッサージ治療では、装置のユーザまたは治療を受ける人は乾いたままである。マッサージ師または療法士によって指定またはコンパイルされたマッサージプログラムが、チップカードを介して装置の制御部に転送され得る。このような装置は、例えば、Wellsystem GmbHから「HYDROJET」の名称で市販されている。これらの装置は、適切な水中マッサージのための装置が利用できないか、または必要なウェットルームを設置できない環境でも、衛生上または健康上の理由で、例えばまだ治癒していない創傷のために水中で治療することができない人/患者にとっても、共にウォータジェットマッサージを可能にする。
【0004】
韓国特許第102011129315号明細書は、乾式ウォータジェットマッサージ用のマッサージ椅子として設計された装置を記述しており、この装置では、背もたれの領域が平坦なフィルムで覆われ、特に座部の領域には水用の容器が設けられる。2つのノズルを支持するノズルカートが、背もたれに設けられたベルト駆動部およびモータによってガイドに沿って平面内で移動される。マッサージ水を噴出するノズルは、モータおよびベルトを備えたベルト駆動部によって、ノズルカートの変位方向に垂直な方向に個々に移動され得る。さらに、ノズルは、ノズルカートの変位方向と平行に整列された枢軸を中心にして、別個の駆動部および関連するギヤ機構によって枢動され得る。既知の装置の1つの欠点は、背中しかマッサージできないことである。さらに、フィルム上に直接横たわらない身体の各部分には、マッサージノズルが到達しない。
【0005】
米国特許第20090312680号明細書は、ベッドかマッサージチェアのどちらかとして設計された乾式ウォータジェットマッサージのための装置を記述しており、この装置では、マッサージ水が入れられたタブが、タブを上側で水密に閉鎖するカバーとしてフィルム材料で覆われ、このフィルム材料は、治療を受ける人のための横たわり面として同時に使用され、圧力パルスの伝達を可能にする。この場合、ノズルカートが提供され、ノズルカートは、ノズルカートの端部に連結された車輪付きキャリッジを用いてタブのベースの上方に配置されたレールに沿って移動させることができ、ノズルカートは、ノズルカートに連結されたスピンドルナットとレール間を縦方向にタブを貫通して延びるスピンドルねじとを介してタブ内で縦方向に変位させることができ、スピンドルねじはモータによって駆動される。この場合、ノズルカートは中空外板本体を有し、中空外板本体上には複数のノズルが設けられた、ノズルには、フィルム材料の底面に対してウォータジェットを噴出するために、ポンプを用いてマッサージ水をタブから可撓性ホース接続部を経由して供給することができ、ノズルには、マッサージ水がタブから可撓性ホース接続部を経由して供給される。この場合、ノズルをタブの縦方向に前後に移動させるのは、ノズルカートの移動で行われるが、横方向への移動は行われない。フィルムの下には、ウォータジェットが集中されるべき場所に、排水装置が、排水板の態様でノズルの上方に設けられ、排水装置は、噴出された水を頭/首の領域内のフィルム上の中央に集中させるか、噴出された水を足の領域内に、例えば、フィルムに2つの山が生成されるように分散させるか、のどちらかである。
【0006】
欧州特許出願公開第1666017号明細書は、患者用の支持面として機能するフィルムで覆われたタブと、フィルムの底面に対して向けられる少なくとも1つのマッサージ水ジェットを生成するためにタブの内側に配置されたノズルカート機構と、を有する乾式ウォータジェットマッサージのための装置を記述している。ノズルカート機構は、タブ内の長手方向回転軸を中心にモータで回転させることができる少なくとも1つのガイドレールを有し、ノズルカート機構は、ガイドレールに沿ってモータで移動させることができ、かつマッサージ水ジェットを生成するためにポンプで給水される少なくとも1つのノズルを支持する、回転可能なガイドレール上にノズルカートまたはノズルキャリッジを有する。長手方向回転軸を中心にモータで回転させることができるガイドレールが枢動されると、ガイドレール上を回転軸と平行に走行するノズルカートまたはノズルキャリッジも枢動し、その結果、その上側に配置されたノズルは、回転軸に対して直角に圧力下で出るウォータジェットの方向を変えることができる。軸線に沿って走行するノズルカートの経路と共に、マッサージ水ジェットは、ライナフィルムの底面に当たるフラットパターンで方向付けることができ、タブの縦方向のマッサージ水ジェットの進路は、ガイドレール上でノズルカートが走行することによって決定され、タブの横方向のマッサージ水ジェットの進路は、ガイドレールが枢動し、かつノズルカートがガイドレールと共に枢動することによって決定され、ノズルカートは、ノズルカート上にノズルが配置される。
【0007】
別の従来技術として、欧州特許出願公開第2327386号明細書は、冒頭で既に述べたタイプ、すなわちノズルカートを有するタイプのウォータジェットを用いて乾式マッサージするためのタブ状の装置を記述しており、ノズルカートは、タブの外側で動作し得るモータによって駆動され、タブを覆い密封するライナフィルムの下でタブ底部上に縦方向に固定されたレール上をローラ上で移動可能である。ノズルカートは少なくとも2つのノズルを支持し、ノズルは、ライナフィルムの底面に対してウォータジェットを噴出するために、レールに対して横方向に枢動可能である。枢動可能な2つのノズルの独立した制御はスプラインシャフトを用いて行われ、スプラインシャフトは、タブの縦方向にスプラインシャフト自体の軸線を中心に回転可能に取り付けられ、ノズルカート内の摺動ブッシュを通って無荷重に延びる。各スプラインシャフトの往復運動は、モータによって要求される通り(プログラムを介して電子的にも)制御され得るものであり、最終的に、正の力の伝達でノズルカート上に配置された運動学を介して少なくとも2つの枢動可能なノズルのうちの1つの軸受に伝達され、その結果、これらの運動学は、関連するスプラインシャフトの回転運動の範囲に応じて、当該ウォータジェットを、ノズルカートの走行方向を横切って多かれ少なかれ強く偏向させ、それによって所望のウォータジェットマッサージパターンがライナフィルムの底面に生成され得る。
【発明の概要】
【0008】
乾式ウォータジェットマッサージのための従来技術から知られている装置の欠点は、例外なく、すべての装置が、マッサージを必要とする人、例えば患者の身体の、患者がマッサージのためにライナフィルム上に座ったときにライナフィルムと直接接触する場所に対するマッサージ効果のみに限定されることである。これは、肩上部の筋肉、首の側面領域、腕および脚の内側および外側などの身体の各部分が、マッサージでも、ウォータジェットを用いた乾式マッサージでも解決され得る、多くの人々の痛みおよび病気が起こる場所である限り、満足のいくものではない。しかしながら、これらの場所は、ライナフィルムと接触した状態にすることはできない。したがって、これらの場所は、既知の装置でウォータジェットを使用する乾式マッサージではマッサージすることができない。
【0009】
本発明の目的は、この欠点を是正することである。本発明は、驚くべきことに、ウォータジェットを用いて乾式マッサージするために以前はアクセスできなかった場所でも身体をマッサージすることができる、ウォータジェットを用いて乾式マッサージするための装置を提供する。肩または足の裏が例として挙げられる。
【0010】
本発明の一態様によれば、乾式ウォータジェットマッサージのための装置が考案され、この装置は、マッサージ水が入れられ、頭側端部から足側端部まで縦方向にかつ左側から右側まで横方向に延びるタブであって、タブを上側で水密に閉鎖するカバーとしてフィルム材料を有し、フィルム材料が、治療を受ける人のための横たわり面として同時に使用され、圧力パルスの伝達を可能にする、タブと、タブの縦方向に移動され得るノズルカートであって、少なくとも2つのノズルを支持し、ノズルが、フィルム材料の底面に対してノズルごとに1つのウォータジェットを噴出するために、ポンプによってタブから可撓性ホース接続部を介してマッサージ水を供給され得る、ノズルカートと、ノズルカートをタブの縦方向に前後移動させるための第1の駆動部であって、少なくとも2つのノズルがノズルカートの移動と共にタブの縦方向に前後移動する、第1の駆動部と、ノズルをタブの横方向に移動させる第2の駆動部と、を備え、フィルム材料がフィルムの底面に1つまたは複数の空洞部を有し、この空洞部が横方向に延びていて、フィルム材料上に横たわる人において方向付けられ、フィルムを、フィルムの上面が凸状をなす1つまたは複数の隆起部に形成することで区別される。
【0011】
別の好ましい発展形態が、ノズルをタブの平面から変位または枢動させるための手段が設けられ、この手段が、噴出されるウォータジェットをフィルムの底面の1つまたは複数の空洞部に向けること、特に、フィルムの底面の1つまたは複数の空洞部のフィルムの平面に対して傾斜した面に向けることが可能になるという事実から生じる。特に、これらの手段は、ノズルを支持するノズルホルダがノズルカートの変位方向に垂直な軸線を中心に枢動されることを可能にし、それによって、ノズルによって噴出されるウォータジェットは、ノズルカートの変位方向とは逆の向きのまたはノズルカートの変位方向の成分を与えられ、その結果、特に、フィルムからほぼ垂直に突出する、フィルムの底面の空洞部の領域には容易に到達することができ、特に法線に対して比較的小さい角度をなすウォータジェットで治療することができる。結果として、患者の肩、特に、隆起部に載っている身体の他の部分も、マッサージノズルの作用を効果的に受けることができる。
【0012】
好ましくは、ノズルを支持するノズルカートの部分が、フィルムの方向の軸線を中心にノズルカートに対して枢動可能であり、噴出されるウォータジェットが、枢動することによりフィルムの法線に対して角度をとることがさらに提供される。
【0013】
ノズルを支持する部分の枢動運動は、タブ内に配置されたランプによって好都合に達成され、第1の駆動部によって引き起こされる前後移動は、その部分をランプに対して変位させ、それによって、好ましくはノズルカートの変位方向に垂直な水平軸を中心に上方に枢動させる。
【0014】
この場合、好ましい一実施形態では、ノズルは、リンクを形成するノズルホルダによって枢軸に対して偏心して保持され、その結果、枢動は、ウォータジェットの角度の変化を好適に引き起こすだけでなく、同時に、ノズルカートの変位方向に垂直であり、かつその変位方向に垂直なノズルホルダの変位方向に垂直なz方向の成分を有する変位も引き起こす。結果として、ノズルとフィルムとの間の距離は、好適には、ノズルカート自体がノズルカートの走行面を離れる必要なく変更することができ、したがって、ノズルカートの駆動部を簡単な方法で設計することができる。
【0015】
ノズルはそれぞれ、好都合にはノズル自体のノズルホルダ内に配置され、ノズルホルダは、ノズルカートの移動経路に対して上方に独立して枢動することができる。好ましくは、すべてのノズルホルダが、例えば、1つまたは複数のランプによって偏向されるノズルカートの一部に結合されることによって、共に枢動される。結合は、好都合には、すべてのノズルホルダを枢動可能に通過する剛性軸を介して行われる。
【0016】
好ましい一実施形態によれば、ノズルホルダは歯付きラックに連結され、歯付きラックは、第2の駆動部の一部として、駆動部のギヤを用いてノズルホルダをタブの横方向に個々に変位させることを可能にするものとする。歯付きラックはケージに好都合に連結され、ケージは、第1の軸線に沿って軸線方向に変位可能であり、例えば両側のノズルホルダの周りに係合することにより、この軸線の方向に沿ってノズルホルダを支持する。結果として、歯付きラックを有するケージの横方向の変位、すなわちノズルカートの変位方向に垂直な変位は、ノズルホルダがその枢軸を中心にとる角度にかかわらず、ノズルホルダに伝達される。結果として、歯付きラックは、ランプの上を移動された場合であっても、関連する第2の駆動部に常に好適に結合され、その結果、ノズルホルダが枢動されている間であっても、ノズルの横方向の調整または移動が保証される。
【0017】
したがって、ノズルホルダは、好ましくは、歯付きラックに対しても枢動可能であり、好ましい変形形態では、歯付きラックは、ノズルカートの2つの軸に移動可能に連結され、2つの軸の一方は、好ましくは、ノズルホルダを枢動させることができる軸でもある。
【0018】
これは、好適には、ノズルホルダが、ノズルホルダが軸線方向に変位され枢動され得るようにノズルカートの剛性軸に連結されることを意味する。
【0019】
本発明の一態様は、乾式ウォータジェットマッサージのための装置に関し、この装置は、
(a)マッサージ水が入れられ、頭側端部から足側端部まで縦方向にかつ左側から右側まで横方向に延びるタブであって、タブを上側で水密に閉鎖するカバーとしてのフィルム材料を有し、フィルム材料が、治療を受ける人のための横たわり面として同時に使用され、圧力パルスの伝達を可能にする、タブ
を備え、
(b)フィルム材料が、フィルムの底面に1つまたは複数の空洞部を有し、空洞部は横方向に延びていて、フィルム材料上に横たわる人に向けられ、フィルムを、フィルムの上面が凸状をなす1つまたは複数の隆起部に形成し、
(c)タブの底部に固定された2つのレール上を車輪上でタブの縦方向に移動可能な、少なくとも2つのノズルを支持するノズルカートであって、ノズルカートの底面に作用し、タブの内側に取り付けられ、ノズルカートをタブの縦方向に前後に移動させるためにモータを用いてタブの外側から操作され得る駆動部を有する、ノズルカート
をさらに備え、
(d)ノズルカートが、タブ底部と平行に水平底板を備え、水平底板は、車輪上でタブの縦方向に移動することができ、底板に、いずれの場合も左右に固定された垂直側板を有し、タブの横方向に延びる第1の枢軸と、随意に、タブの横方向に延び、第1の枢軸からオフセットされ、案内目的のために役立つことができる第2の枢軸とが、垂直側板を互いに固定的に連結し、
(e)側板の外側のそれぞれに、傾動板がタブの横方向に延びる第1の枢軸に枢動可能に装着され、タブの横方向に延びる剛性軸が傾動板を互いに固定的に連結し、傾動板のそれぞれが、いずれの場合も第1の枢軸および第2の枢軸に平行な1つの車輪軸を有する傾動板ストッパの反対側にある傾動板の端部の外側に(横方向に)転動車輪を有し、
(f)ノズルカートが、ノズルカート上で移動され得る少なくとも2つのノズルを有し、ノズルには、フィルム材料の底面に対してウォータジェットを噴出するために、マッサージ水をタブからポンプを用いて可撓性ホース接続部を経由して供給することができ、
(g)タブの縦方向への少なくとも2つのノズルの前後移動はノズルカートの移動によって行われ、少なくとも2つのノズルの同心移動(いずれの場合もノズルカートの底側のブッシングを通って装置の長手方向軸線と平行に延び、ノズルカート底部の底側に配置された車輪軸を有するギヤと係合する2つを用いてタブの横方向に走行する)が、いずれの場合もスプラインシャフトの1つで行うことができ、スプラインシャフトは、スプラインシャフト自体の軸線を中心に回転できるようにタブの内側にある軸受内の頭側に取り付けられ、各スプラインシャフト長手方向軸線の周りで回転往復運動を行うようにタブの外側にある駆動モータによって足側で制御され、スプラインシャフトとそれぞれ係合するギヤが、下部ノズルホルダ上の枢軸と平行に配置された歯付きラックと順次係合し、スプラインシャフトが荷重支持機能、特にノズルカート支持機能を有さずに、ノズルをタブの横方向に枢軸に沿って移動させ、
(h)ノズルのうちの少なくとも1つが、フィルム材料の底面に、ノズルが噴出するウォータジェットを、フィルム材料の上面に凸状隆起部を形成する、フィルムの底面の1つまたは複数の空洞部の内部に向けることができる。
【0020】
本発明による装置の好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0021】
本発明の一態様はまた、乾式ウォータジェットマッサージ方法に関し、この方法では、以下の詳細な説明に記載の装置の上部カバーとして設計され圧力パルスの伝達を可能にするフィルム材料上に配置される治療を受ける人の身体を、治療を受ける人またはマッサージを必要とする人の身体にマッサージ効果があるウォータジェットの圧力パルスにさらし、ウォータジェットが、パルスを一定期間送出する少なくとも1つのノズルのうちの1つによるタブの縦方向および横方向における並進移動によって、ノズルからフィルム材料の底面に噴出され、随意に、フィルムの底面の1つまたは複数の空洞部のうちの少なくとも1つの内部に噴出され、1つまたは複数の空洞部が、横方向に延び、フィルム材料上に横たわる人に向けられ、フィルムをフィルムの上面の1つまたは複数の凸状隆起部に形成する。
【0022】
特に、本発明の装置は、特定の条件下でマッサージ師がいなくても済むか、または本発明による装置による複数の人のマッサージに並行して専念することができるように、治療を受ける人またはマッサージを必要とする人のマッサージを「乾式ウォータジェット」により自ら可能または容易にする。
【0023】
最後に、本発明の一態様はまた、身体マッサージのための、好ましくは、痙攣および緊張を解消するため、リラックスのため、筋肉不均衡を除去するため、ストレス関連の筋緊張を除去するため、特にスポーツ傷害における痛みを緩和するため、かつ/または頸部偏頭痛の治療のため、ならびに他の症状のためのマッサージのための、以下の詳細な説明に記載の装置の使用に関する。
【0024】
本発明の一態様によれば、上述のように乾式ウォータジェットマッサージのための装置を動作させる方法が考案され、この方法は、ノズルによって噴出されるウォータジェットをフィルム材料および/またはフィルムの底面の1つまたは複数の空洞部のうちの1つに向け、同時に、ノズルを支持するノズルホルダをノズルカートの変位方向と垂直に延びる軸を中心に枢動させ、それによって、ノズルとフィルムとの間の距離が縮小されかつ/またはフィルムの底面の1つまたは複数の空洞部の各部分がウォータジェットで標的化されるステップを含む。結果として、特に、ウォータジェットを減衰させ、装置の使用が極めて制限されるバッフルをタブ内に設ける必要がない。
【0025】
好ましい特徴によれば、空洞部の内周壁にウォータジェットをかけるために、ノズルが空洞部内に上げられるまたは枢動されるものとする。これは、ノズルがフィルムまたは横たわり面の実際のレベルより上で使用され、したがって非常に良好に配置されたマッサージが可能であるという特別な特徴を与える。
【0026】
好ましくは、フィルムの底面に噴出されたウォータジェットの入射角は、90°の値、すなわちフィルムの底面に対して垂直から鋭角に減少され、好ましくは10°未満、例えば約6°の入射角の値に減少される。これに対応して、ノズルホルダがカバーする枢動角度はほぼ90°である。
【0027】
本発明の他の利点、特性および発展形態は、好ましい実施形態の以下の説明および従属請求項から明らかになる。
【0028】
本発明は、本発明による装置の好ましい実施形態のみを説明する図を参照して以下に説明される。しかしながら、以下に参照される図も以下の説明も、本発明を図示または説明される好ましい実施形態に限定するものとして理解されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】従来技術によるウォータジェットマッサージ装置を示す図である。
【
図1B】本発明の一実施形態によるウォータジェットマッサージ装置を示す図である。
【
図2A】フィルム材料タブカバーWの上面斜視図である。
【
図2B】フィルム材料タブカバーの底面斜視図である。
【
図3】
図1Bと同様であるが、上部フィルムカバーのない、本発明によるウォータジェットマッサージ装置の一実施形態を示す図であり、例えば、マッサージを受ける人Peの頭部の左右に、フィルムカバーの支持面Sも示されている。
【
図4A】本発明によるウォータジェットマッサージ装置のノズルカートを示す図である。
【
図4B】本発明によるウォータジェットマッサージ装置のノズルカートを示す別の図である。
【
図5】被覆ライナフィルムのない本発明によるウォータジェットマッサージ装置の実施形態を示す図であり、ノズルカート1はノズルD、D’を支持し、ノズルを、タブの足側端部の開始位置でマッサージ水を噴出するための位置まで運ぶ。
【
図6A】ノズルカートがこのために設けられた駆動部によって装置の頭側端部の方向にさらに移動された段階での本発明によるウォータジェットマッサージ装置の別の実施形態の図である。
【
図7A】本発明によるウォータジェットマッサージ装置の一実施形態の第1の図であり、ノズルカートのノズルは、ライナフィルムの底面に形成された凹状空洞部内にマッサージ水を噴出する目的でタブの頭側端部まで移動され、そこで傾動板の転動車輪が、タブ底部上のレール付近の位置からタブの頭側端部の方向に上昇するランプの上で移動され、フィルムの底面に噴出されるウォータジェットの入射角は、90°の値、すなわちフィルムの底面に対して直角から鋭角に、好ましくは10°未満、例えば約6°の入射角の値に減少する。
【
図7B】本発明によるウォータジェットマッサージ装置の一実施形態の第2の図である。
【
図7C】本発明によるウォータジェットマッサージ装置の一実施形態の第3の図である。
【
図7D】本発明によるウォータジェットマッサージ装置の一実施形態の第4の図である。
【
図7E】本発明によるウォータジェットマッサージ装置の一実施形態の第5の図である。
【
図9A】ノズルカートをタブの縦方向に移動させるための駆動部の一例、すなわち歯付きベルトを示す図である。
【
図9B】ノズルカートをタブの縦方向に移動させるための駆動部の別の例、すなわち金属穴あきベルトを示す図である。
【
図10】本発明によるウォータジェットマッサージ装置によって実行され得る、マッサージを受ける人の可能なマッサージ画像のスケッチを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、
図1Aおよび
図1Bを参照する。
図1Aは、従来技術による乾式ウォータジェットマッサージのための装置V、例えば「HYDROJET」という名称で長い間販売されている、Wellsystem GmbHによって提供されるような装置を示し、
図1Bは、本発明による乾式ウォータジェットマッサージのための装置を示す。
【0031】
この種の乾式ウォータジェットマッサージのための装置V(この用語の定義については本明細書の導入部を参照されたい)は、通常、タブWで構成され、タブの内部は、例えば温度、漏れ気密性、および防錆に関して、水または水性液体と恒久的に接触するように設計される。この種の装置Vには、通常、カバーとして機能し、同時に横たわり面として機能するフィルム材料Fが設けられ、このフィルム材料は、一方では水がタブWから跳ね出るのを防ぎ、他方では治療を受ける人Peのための横たわり面として機能するために、タブWの上縁上に、閉鎖された、したがって液密の態様で固定され引き伸ばされる。フィルムFの材料の弾性は、治療を受ける人PeがフィルムF上に快適に乗り降りすること、および治療を受ける人Peが快適に横たわることを可能にするだけでなく、フィルム表面からフィルム材料F上に横たわる人Peの身体に衝突するウォータジェット(または複数のウォータジェット)の圧力パルスがフィルムFの底面で人Peに伝達されることも可能にする。
【0032】
このフィルム材料Fの他の要件は、特に衛生的であることである。
【0033】
すなわち、この材料は、洗浄および消毒を目的とした手段で処理されるのに適していなければならない。さらに、フィルム材料Fはまた、ウォータジェットによって運ばれる熱に対して透過性でなければならない。これは、ウォータジェットパルスのマッサージ効果が、ウォータジェットパルスが治療を受ける人PEによって所望されるか、または治療を行う人によって処方されるという条件で、加えられる熱によって増強され得ることを意味する。当業者は、所望の目的でカバー/ライナフィルムFに使用され得る多数の材料を知っており、指定のパラメータに基づいてその材料の適合性についてその材料を容易に試験し選択することができる。天然ゴムは、カバー/ライナフィルムF用の材料として特に有利であることが証明されており、したがって、随意にクロロスルホン化ポリエチレン(CSM)製のキャリア層を備えた天然ゴムフィルムが好ましい。
【0034】
図2Aは、張力をかけた状態のフィルム材料タブカバーW(タブWの上側に配置される)の上からの斜視図を示し、
図2Bは、張力をかけた状態のフィルム材料タブカバー(タブWの上側に配置される)の下から示した斜視図である。
【0035】
本発明によれば、フィルム材料Fは、フィルムの底面に1つまたは複数の空洞部100を有し、この空洞部は、横方向に延び、フィルム材料M上に横たわる人Peに向けられ、フィルムFを、フィルムの上面が凸状をなす1つまたは複数の隆起部100に形成する。本発明の好ましい実施形態では、1つの空洞部もしくは2つの空洞部、3つの空洞部、4つの空洞部、またはさらに多くの空洞部が形成され得る。非常に特に好ましくは、フィルム材料Fは、フィルムの底面に2つの空洞部を有し、これらの空洞部は、フィルムFの横方向に延び、フィルム材料F上に横たわる人Peに向けられ、フィルムFを、フィルムの上面が凸状をなす1つまたは複数の隆起部100に形成する。限定するものではなく、例として、2つのそのような空洞部は、
図1Bのフィルムの底面に横方向に延び、フィルム材料F上に横たわる人Peに向けられ、
図2Aおよび
図2Bに見られるようにフィルムFをフィルムの上面が凸状をなす2つの隆起部100に形成する。
【0036】
フィルム上面に凸状隆起部100として現われ(
図2A参照)、フィルム底面に凹状空洞部100として現われる(
図2B参照)このような「バンプ」の生産は、当業者に知られている任意の方法で行うことができ、実際にはフィルムFに使用される材料に依存する。
【0037】
天然ゴムフィルムの好ましい実施形態では、「バンプ」に対応する成形は、フィルムの生産と同時に、例えば加硫プロセスで行うことができる。
【0038】
適切な形状を有するツールが互いに適合して、2つのツール半体の間に適切に選択された空洞部が残り、残った空洞部に対応するフィルムの厚さは、状況に応じて当業者によって選択され得る。バンプを形成する隆起部および陥凹部は、例えば
図2Aおよび
図2Bに示すフィルムを形成するために、ツールの所望の部分上に設けられる。空洞部は、フィルム材料Fを生産するためのポリマーで充填され、充填されたポリマー層は、適切な条件下で(例えば、加熱して、または加硫助剤を使用して)重合または加硫される。次いで、1つまたは複数の空洞部を備えた完成フィルムは、重合または加硫が終了した後で除去される。このようなフィルムの生産および生産で使用するのに適した装置は、当業者に知られており、本発明がこれにいかなる制限も加えることなく、状況に応じて本発明に提供することができる。
【0039】
原則として、当業者は、フィルム材料の領域内の隆起部/陥凹部/バンプ100の位置を自由に選定することができる。また、(
図1Bに示されているような横たわる人Peで)乾式ウォータジェットマッサージのウォータジェットでマッサージを受ける人の身体の垂直部分に到達する機能に関して、かかる隆起部/陥凹部/バンプ100は、例えば、フィルム材料F上に横たわる人Peの肩、足の裏、腕の内側および外側、ならびに脚の内側および外側に対応するフィルムFの領域内に装着される。
【0040】
隆起部/陥凹部/バンプは、好ましくは、フィルム材料F上に横たわる人Peの肩または足の裏に対応するフィルムFの領域内に装着される。
【0041】
したがって、2つの
図2Aおよび
図2Bは、2つの隆起部/陥凹部/バンプ100が好ましくは、例えばフィルム材料F上に横たわる人Peの肩に対応するフィルムFの領域内に装着される(非限定的)例を示している。
【0042】
したがって、原則として、タブWの上側に配置されるフィルムは、隆起部/陥凹部/バンプ100が、乾式ウォータジェットマッサージのための上に示した領域(すなわち、
図1B、
図2Aおよび
図2Bに示されているケースの場合の人Peの肩)のうちの1つであるフィルムF上の場所に配置されるように生産される。
【0043】
単独で、または別の実施形態もしくは別の特徴と組み合わせて、または本発明の複数もしくはすべての他の実施形態もしくは特徴と組み合わせて実現され得る本発明の好ましい諸実施形態では、これらに限定されるものではないが、本発明による乾式ウォータジェットマッサージ装置Vでは、フィルム材料Fの1つまたは複数の空洞は、フィルム材料Fの内面から計算された1mm~200mmの範囲の深さ、好ましくは1mm~100mmの範囲の深さの凹状円形状または凹状長手形状(
図2A、
図2B参照)を有し、1つまたは複数の空洞部は、横方向に延び、フィルム材料F上に横たわる人Peに向けられ、フィルムFを、フィルムの上面が凸状をなす1つまたは複数、好ましくは2つの隆起部100に形成する。これは、本発明によれば、ノズルD、D’、D’’、D’’’のうちの1つから1つまたは複数の空洞部内にこの深さで噴出されるウォータジェットが、フィルム上に横たわる人Peの身体の垂直に配置された領域に特に良好なマッサージ効果を及ぼすことができるため有利である。
【0044】
本発明は、
図2Aおよび
図2Bに示す凹状凹所/空洞部100を参照して以下でさらに説明される。しかしながら、
図2Aおよび
図2Bに示すかかる凹状凹所/空洞部100を含むものとして示され説明される特徴は、限定するものではなく、例示的なものであり、本発明をよりよく理解するのに役立つことのみを意図している。
【0045】
図3から分かるように、治療を受ける人P/患者が横たわるフィルム表面「上」の凹状凹所/空洞部100は、彼/彼女の肩が2つの凹状形成部/空洞部100の「足」側に載るか、または「足」側に寄りかかるように、治療を受ける人P/患者がフィルムF上に横たわるように配置される。これの代替として、またはこれと共に(図示せず)、凹状凹所/空洞部100は、治療を受ける人P/患者が横たわっているフィルム表面「上」に配置され、それにより、治療を受ける人P/患者はフィルムF上に横たわることができ、それにより、彼/彼女の腕の内側が、2つの凹状形成部/空洞部の右側または左側に載るようになるか、または右側または左側に寄りかかるようになる。これの代替として、またはこれと共に(図示せず)、凹状凹所/空洞部100は、治療を受ける人P/患者が横たわっているフィルム表面「上」に配置され、それにより、治療を受ける人P/患者はフィルムF上に横たわることができ、それにより、彼/彼女の足裏が、2つの凹状形成部/空洞部の「頭」側に載るか、または凹状形成部/空洞部の「頭」側に寄りかかるようになる。
【0046】
マッサージを受ける人Pe/患者のこの位置では、マッサージを受ける人Peの身体のすべての部分を前述のように乾式ウォータジェットマッサージによって治療することができ、身体のこれらの部分は、(前述のように)治療を受ける人Pe/患者が横たわっているときにフィルム材料と接触することができる。
【0047】
当業者に知られているように、対応するモータ2の助けを借りてノズルカート1をタブWの縦方向に移動させることにより、かつ、ノズルカート1上に変位可能に配置された少なくとも2つのノズルD、D’を、1つまたは複数の適切なモータ2’、2’’によってスプラインシャフトの長手方向軸線を中心に回転可能であるスプラインシャフト5、5’を用いてタブの縦方向に対して垂直に変位させることにより、以下で
図10に示されるマッサージパターンはフィルム材料Fの底面に生成され、圧力パルスおよびマッサージ媒体(例えば、水)の熱は、フィルム材料Fによって、治療を受ける人Pe/患者のフィルム材料Fと接触する身体の各部分上に伝達される。
【0048】
このようにして、
図10および以下に説明するマッサージ実験から分かるように、乾式ウォータジェットマッサージのパターンが生成され得る。
【0049】
したがって、治療を受ける人に円マッサージを与えることが可能である(
図10の左のスケッチ)。この目的のために、ノズルキャリッジ1は、タブの縦方向にゆっくりと移動され、2つのスプラインシャフトは、互いに鏡像で(時計回りまたは反時計回りに)前後にゆっくりと移動される。このようにして、2つのノズルは、互いにミラー反転したらせん運動を生成する。したがって、治療を受ける人Peに、例えばこの人の背中にらせん円形状のマッサージが施される。
【0050】
図10の平行マッサージ画像(上左から2番目の図)は、ノズルキャリッジ1をタブの縦方向にゆっくり移動させ、かつ、スプラインシャフト5、5’の平行制御によりノズルD、D’を平行ジグザグ移動させること(すなわち、共に時計回りまたは共に反時計回り)から生じる。
【0051】
これに対応して、
図10の鏡像マッサージ(上左から4番目の図)は、ノズルキャリッジをタブの縦方向にゆっくり移動させ、かつ、スプラインシャフト5、5’を相対する方向に制御することによりノズルD、D’を鏡像ジグザグ移動させること(すなわち、ノズルDが時計回り、ノズルD’が反時計回りであり、その逆も同様である)から生じる。
【0052】
それに対応して、点マッサージ(
図10、上左から3番目の図)は、ノズルをロックしながら(すなわち、特定の点をマッサージする間、ノズルキャリッジをタブの縦方向にも移動させず、ノズルをタブの縦方向に対して横方向にも変位させず)、その都度特定の時間にわたって、その後のマッサージをすることにより与えることができる。
【0053】
平行ストロークマッサージ(
図10、下の図参照)は、スプラインシャフト5、5’をロックし、ノズルキャリッジをタブの縦方向に前後にその都度移動させることにより、ノズルD、D’をそれぞれ(タブの縦方向に対して横方向に)1点に連続的に設定し、その後、スプラインシャフト5、5’を用いてノズルを縦のタブ方向に対して横方向に再調整し、ノズルキャリッジ1をタブの縦方向に再び前後に移動させること、などによって与えられる。
【0054】
上記のマッサージパターンは例にすぎず、本発明は、これらのパターンに限定されるものではない。当業者であれば、移動(すなわち、ノズルキャリッジをタブの縦方向に移動させること、および、スプラインシャフト5、5’を用いてノズルをタブの縦方向壁の方向にまたはその壁から離れる方向に、横方向に変位させることにより、いずれの場合も適切なモータ2を用いて)を任意に組み合わせることにより、任意のジェット組合せが生成され得る(非対称、さらには任意に自発的に生成されたものを含む)ことを認識するであろう。
【0055】
当業者に知られている方法で、特定のマッサージパターンが、治療を受ける人に対して所望または要求されるように予めプログラムされ実行され、さらには繰り返し実行され得るように、(電気)モータ2、2’、2’’を手動でまたは電子的に制御することが可能である。
【0056】
これにより、本発明によれば、身体マッサージのための、具体的にはウォータジェットを用いて治療を受ける人の乾式身体マッサージのための上に詳述した装置を使用することが可能になり、ウォータジェットのパルスは、ライナフィルム/被覆フィルムの底面に伝達され、そこからフィルム上に横たわる人に伝達される。原理上、乾式ウォータジェットマッサージ治療を必要とする治療を受ける人の身体の一部のみをマッサージすること、または治療を受ける動物の身体をマッサージすることも考えられる。
【0057】
本発明によれば、乾式ウォータジェットマッサージのための装置は、タブWの底部B上に固定された2つのレール上を車輪4、4’、4’’上でタブWの縦方向に移動され得るノズルカート1をさらに備える。
【0058】
このようなノズルカートの好ましい一例は、本発明の制限として理解されるべきではなく、主に本発明のより良好でより理解可能な説明のために役立つものであり、
図4Aおよび
図4Bから分かる。車輪4、4’は、ノズルカート1がタブWの底部B上に固定された2つのレール上を走行し、タブWの縦方向に移動されるようにするものであり、ノズルカート1の移動方向に対して横方向に配置された車輪軸を有する。本発明によれば、ノズルカートは、4つまたは6つまたは8つの車輪上で移動することができ、車輪の軸は、荷重がノズルカート全体にわたって均一に分散され得るように配置される。したがって、ノズルカートの重量の全荷重およびフィルム材料Fの底面のノズルからのマッサージ水の噴出によって及ぼされるパルス力の荷重は、車輪4、4’上にあり、タブWの底部上の2つのレール上に伝達される。
【0059】
ノズルカート1の両側の車輪4、4’がレール上を「左右の車線内」で走行することが絶対必要というわけではないが、車輪がレール上を「軌道に乗って」走行する場合が好ましい。重要な一利点は、ノズルカート1から車輪4、4’へ、および車輪から2つのレールへの均一な荷重分散および荷重伝達である。
【0060】
ノズルカート上の上述した耐荷重車輪4、4’に加えて、1つの車輪4’’または複数の車輪4’’をノズルカート1の両側に装着することができる、または複数の車輪4’’をノズルカートの片側に装着することができ、その車輪の軸は垂直に配置され、車輪は、1つのレール上を、または両方のレール上を、またはレールの両側で横方向に移動し、それによってノズルカートを「軌道に乗って」またはレール上に保つ。当業者は、個々の場合に生じる要件から、そのような車輪4’’が設けられるべきか、または設けられなければならないかを知っており、それに応じて、好適には、レール上でのノズルカート1の永続的かつ信頼性の高い走行を確実にするために、また車輪の数を選択するためにも、そのような車輪4’’を設けることができる。
【0061】
本発明によれば、ノズルカート1を車輪4、4’、4’’上でタブWの縦方向に前後に移動させるための駆動部3が、乾式ウォータジェットマッサージのための装置V上に設けられる。
【0062】
当業者は、従来技術から適切な駆動部3を知っており、駆動部3を選択するときに制限を受けることなく、状況に応じて駆動部の技術的知識に基づいて駆動部を選択することができる。対応する駆動部3の例としては、歯付きベルト(
図9A参照)、穿孔が設けられたスチールベルト(
図9B参照)、チェーン、ロープ(例えばワイヤロープ)、台形ねじスピンドル、歯付きラックなどがある。この種の駆動部3の場合、通常は駆動モータ2が設けられ(本発明の範囲内でもある)、駆動モータは、タブWの濡れた領域の外側に配置される。
【0063】
タブの外側の駆動モータ2は、タブWの外側から、例えばタブWの底部からタブW内への回転運動を、従来型動力伝達装置から当業者に知られているように、連動ギヤの組合せを介して偏向ローラ11に伝達する。偏向ローラ11は、タブの縦方向に垂直な(動作中の装置において略垂直な)軸線を中心に回転し、偏向ローラの回転運動をノズルキャリッジまたはノズルカート1のタブWの縦方向の並進運動に伝達する。
【0064】
通常、そのような偏向ローラは2つあり、例えば、偏向ローラの一方はタブWの頭側端部に配置され、他方はタブWの足側端部に配置される。偏向ローラの一方または両方はそれぞれ駆動部3によって駆動され得る、あるいは偏向ローラの一方のみが駆動部3によって駆動され、他方が「受動的に」並んで走行する実施形態が選択され得る。
【0065】
本発明の好ましい一実施形態では、偏向ローラ(複数可)の回転運動は、歯付きベルトによってタブの縦方向のノズルキャリッジ1の並進運動に変換される(
図9A参照)。歯付きベルトは、一方では従動偏向ローラ内の対応するギヤに係合し、他方ではノズルキャリッジ1内の対応するギヤに係合する。偏向ローラが回転すると、歯付きベルトをタブの縦方向に移動させる。歯付きベルト12は、ノズルキャリッジをガイドレールの両方のトラック上で、タブの縦方向にも移動させる。
【0066】
本発明の別の好ましい実施形態では、偏向ローラ(複数可)の回転運動は、穴あきベルト(
図9B参照)、例えば穴あきステンレス鋼ベルトによって、タブWの縦方向のノズルキャリッジ1の並進運動に変換される。穴あきベルト13は、一方では対応する偏向ローラのガイド領域上の隆起部に係合し、他方ではノズルキャリッジ1に係合する。偏向ローラ11が回転すると、穴あきベルトをタブの縦方向に移動させ、穴あきベルトは、ノズルキャリッジ1をガイドレール上でタブの縦方向にも移動させる。
【0067】
本発明の他の好ましい実施形態では、偏向ローラ(複数可)の回転運動をノズルキャリッジ1の、タブの縦方向の並進運動に変換するのは、歯付きベルト12および穴あきベルト13以外の他の変換手段を用いて、上でより詳細に説明した方法で行うこともできる。当業者は、そのような変換手段を知っており、例えば、チェーンもしくはロープ、例えばワイヤロープ、台形ねじスピンドル、歯付きラック、または他の同等の手段を提供することができる。
【0068】
本発明によれば、ノズルカート1はノズルを支持し、ノズルはマッサージ水をフィルム材料Fの底面へ噴出する。
【0069】
本発明によれば、少なくとも2つのノズルD、D’、D’’がノズルカート1上に設けられる。
【0070】
原則として、本発明によれば、ノズルの数は制限されない。したがって、2つ、3つ、4つ、またはさらに多くのノズルがノズルカート1上に配置され得る、あるいは乾式ウォータジェットマッサージのための本発明による装置Vに含まれ得る。しかしながら、本発明によるウォータジェットマッサージ装置Vの信頼できる操作性の理由から、少なくとも2つのノズルD、D’を設けることが有用であることが分かっている。(ノズルカート1上の、したがってノズルカート1を有する)本発明の他の好ましい実施形態では、これらの実施形態は、タブの縦方向に移動させることができるだけでなく、以下に個別に説明する機構を用いてタブの縦方向に対して横方向に移動させることもでき、このことは、以下に説明するように、これらの(好ましくは2つの)ノズルD、D’をタブWの縦方向にかつタブWの横方向に互いに独立してまたは同じ運動パターンで移動させることができるという事実をもたらす。このことは、フィルムFの底面のフィルム材料Fの底面に(したがって、マッサージを受ける人Peの身体上にも)噴出されたウォータジェットを用いて多数の乾式ウォータジェットマッサージパターンを生成する可能性をもたらす。これは、乾式ウォータジェットマッサージのタイプが様々なかかるマッサージパターンを使用して選択され得ることを意味する。
【0071】
単独で、または別の実施形態もしくは別の特徴と組み合わせて、または本発明の複数もしくはすべての他の実施形態もしくは特徴と組み合わせて、実現され得る本発明の他の好ましい実施形態では、これらに限定されるものではないが、少なくとも2つのノズルD、D’に加えて、別のノズルD’’がノズルカート1に装着される。この別のノズルD’’は、好ましくは、ノズルカート1上に固定して配置され得る。したがって、ノズルカート1上のこの追加のノズルD’’は、ノズルD’’がノズルカート上に固定して装着された状態でノズルカート1を並進移動させることによってのみマッサージパターンをタブWの縦方向に変化させることができるように、マッサージ水をフィルム材料Fの底面に噴出することになる。結果として、追加のノズルD’’がマッサージ水をフィルム材料Fの底面に連続的に噴出すると、すなわち、追加のノズルD’’は、タブの縦方向に沿って直線の形態で延びるウォータジェットマッサージのパターンを生成することになる。しかしながら、この追加のノズルは、このノズルが基本的にマッサージ水を上述したラインマッサージパターンで噴出することができるように動作し得るが、追加のノズルは、このノズルがノズルのウォータジェットを、ノズルD’’の固定したウォータジェット噴出方向を有するノズルカート1の特定の位置で、必要に応じて、ノズルカートの並進移動が凹状空洞部100の下で停止されるときに、フィルムFの底面の凹状空洞部100/バンプのうちの1つの中へ正確に噴出するように動作する。
【0072】
そのような動作では、乾式ウォータジェットマッサージのための装置Vの他のマッサージ動作から独立した「特別なマッサージ」が、フィルムの上面でフィルムの底面の1つの凹状空洞部100、またはフィルムの底面の複数の凹状空洞部100に隣接する、マッサージを受ける人Peの身体の各部分に対して行われ得る。
【0073】
図1Aに示す従来技術による乾式ウォータジェットマッサージのため装置(
図1A)では、マルチパートノズルカートが、タブWの底部に固定された複線ガイドレール上に配置され、このノズルカートは、タブWの長手方向軸線(ここおよび以下では、本発明の場合も「X方向」と定義される)に平行な複線ガイドレール上を車輪上で移動され得る。この従来技術のノズルカートは、1つまたは複数の固定ノズルを有する上部と、ノズルを、少なくともX方向に対して30°と60°との間にある角度をなすX方向に対してほぼ垂直な方向(ここおよび以下では、本発明の場合も「Y方向」と定義される)にノズルを移動させるための回転歯付きベルトシステムを介して操作され得る装置を有する下部と、からなる。最後に言及した装置を操作してノズルをY方向に移動させることにより、マッサージ水ジェットは、X方向の変位によるノズルカート上の1つまたは複数のノズル、通常は2つのノズルの移動の長さとY方向の変位によるノズルのそれぞれの移動とによって画定される領域にわたって向けることができる。この解決策の欠点は、Y方向に比較的狭い、2つのノズルの1つのマッサージ「通路」しか水にさらすことができず、複数、例えば2つのノズルでは、ノズルのY方向にのみ変位する1つの完全に同じ移動(したがってマッサージ作動)しか実現することができないことである。
【0074】
この解決策は、さらに前の解決策と比べて既に進歩的なものであり、本発明に異なる手法を提供する。
【0075】
驚くべきことに、この解決策は、少なくともタブWの横方向のノズルの完全に独立した移動を可能にし、したがって、以下で詳細に説明するように、乾式ウォータジェットマッサージのための多数の新しいマッサージ形態を可能にする(
図10参照)。加えて、ノズルカート1によって支持される少なくとも2つのノズルD、D’は、フィルム材料Fの底面に形成された空洞部100内にウォータジェットマッサージ水を噴出することもでき、それによって、マッサージを受ける人の肩や足の裏など、垂直である(すなわち、フィルム材料Fの表面に対してほぼ直角に配置されている)マッサージを受ける人Peの身体の場所をマッサージすることもできる。これは、既知のウォータジェットマッサージ装置では不可能であった。
【0076】
本発明によれば、乾式ウォータジェットマッサージのための装置Vは、ノズルカート1をさらに備える。これについては、
図4Aおよび
図4Bを参照して以下でより詳細に説明する。ノズルカート1は、タブ底部Bと平行に水平ベース板10を備え、水平ベース板は、車輪4、4’、4’’上でタブの縦方向に移動することができ、いずれの場合も左側および右側で底板10に固定された垂直側板12、12’を有する。タブWの横方向に延びる第1の枢軸14と随意に、タブWの横方向に延び、第1の枢軸14からオフセットされ、案内目的のために役立つことができる第2の枢軸14’とが、垂直側板12、12’を互いに固定的に連結する。
【0077】
乾式ウォータジェットマッサージのための装置Vは、側板12、12’の外側のそれぞれの上に垂直に延びる傾動板16、16’をさらに備え、傾動板はそれぞれ、これらの側板12、12’のそれぞれの上でタブWの横方向に延びる第1の枢軸14を中心に枢動可能であるように取り付けられる。2つの垂直傾動板16、16’の底側に水平に装着された連結支持部16aとタブWの横方向に延びる剛性軸14’’とが、傾動板16、16’を互いに固定的に連結する。さらに、傾動板16、16’はそれぞれ、傾動板ストッパの反対側にある傾動板の端部の外側に(横方向に)転動車輪17、17’を有し、いずれの場合も、第1の枢軸14および第2の枢軸14’に平行な1つの車輪軸を有する。
【0078】
図4Aおよび
図4Bから分かるように、2つの傾動板16、16’は、水平連結支持部16aおよび剛性軸14’’と共に連結されて、水平枢軸14を中心に枢動可能な剛性ユニットを形成する。ノズルD、D’を支持するノズルホルダDHはまた、枢軸14を中心に枢動可能であり、傾動板16、16’上に配置され、追加のレール18、18’およびランプR上を走行する転動車輪17、17’を有するノズルカート1がランプRの上方へ移動させられるとすぐに、剛性の、また水平に延びる軸14’’の動作を受けて水平「アイドル位置」から上げられる。
【0079】
追加のオプションの第2の枢軸14’は、タブWの横方向にも延び、第1の枢軸14に対してオフセットされているので、ノズルがフィルム材料Fの凹所/空洞部100と位置合わせするために上げられることを可能にし、その後、マッサージ目的のための水を凹所/空洞部内に噴出するのは、ランプR上での転動車輪17,17’の上昇に依存して行うことができるだけでなく、2つの水平枢軸14、14’のオフセット配置により、(ランプの上方への転動車輪17、17’の上昇と比較して)不均衡なリフティングに変換することもできる。これは、好適には、ノズルホルダDH内のノズルD、D’の水噴出方向が、(略)垂直上方(開始位置、
図7A、
図7B、
図8Aを比較)から比較的少ない労力および単純な機械的手段で、移行位置(
図7C、
図7Dを比較)を経由して、タブWの足側端部の方向(噴出位置、
図7E、
図8Bを比較)に(略)水平に変更され得ることを確実にする。噴出位置では、マッサージ水は、フィルム材料Fの凹所/空洞部100内に実質的に噴出され、それにより、張出部/空洞部100に隣接する治療を受ける人Peの身体の部分のマッサージをもたらす。これは、治療を受ける人Peの肩をマッサージする場合の例として
図8Cに示されており、ここで、「F」はフィルム全体を示し、張出部/空洞部は「100」で示されている。
【0080】
本発明によるノズルカート1のこの構造の主な利点は、この構造により、マッサージ水がフィルム材料の底面に垂直に(すなわち、フィルムの底面に対して略90°の角度で)フィルム材料の底面に向けられることが可能になるだけでなく、ノズルカート、およびそれと共に少なくとも2つのノズルD、D’はタブWの縦方向に移動され、少なくとも2つのノズルD、D’は、以下で詳細に説明するように、フィルム材料Fの底面に、したがってマッサージを受ける人Peの身体上にも所望のマッサージパターン(
図10参照)を達成するためにタブWの横方向に移動されることである。むしろ、さらに(従来技術とは対照的に)、ノズルカート1上の少なくとも2つのノズルD、D’は、枢動可能な傾動板16、16’を用いてベース板10の平面から外方に移動され、したがって、ノズルカート1の特別な位置でノズルのマッサージ水ジェットをフィルム材料Fの底面に形成された空洞部100/バンプ/張出部内に噴出することもできる。
【0081】
これについては以下で詳細に説明する。
【0082】
従来技術のように、本発明によれば、乾式ウォータジェットマッサージのための装置Vにより備えられたノズルカート1は、少なくとも2つのノズルD、D’、Dを有し、これらのノズルは、ノズルカート1上で移動することができ、ノズルごとに1つのウォータジェットをフィルム材料Fの底面に対してかつ/またはフィルムの底面の空洞部に対して噴射するために、ポンプPを用いてマッサージ水をタブWから可撓性ホース接続部を経由して供給することができる。マッサージ水をタブWから少なくとも2つのノズル内に供給するためのポンプは、当業者に知られているように、液体を少なくとも2つのノズルD、D’内に圧送するための従来型ポンプとすることができ、個々の場合の要件に従って選択することができる。ポンプの送出側の出力部は、少なくとも2つのノズルD、D’のノズル入力部に、好ましくはマッサージ水中での連続運転に耐えるようになされた材料からなる可撓性ホースで接続される。乾式ウォータジェットマッサージのための装置Vが運転しているとき、次いで、少なくとも2つのノズルは、マッサージ水をフィルム材料Fの底面にかつ/またはフィルムの底面の空洞部に対して略垂直に噴出する。
【0083】
タブWの縦方向への少なくとも2つのノズルD、D’の前後移動は、ノズルカート1の移動によって行われる。駆動部3を介してモータ2によって駆動されるノズルカート1が車輪4、4’上でタブWの縦方向に移動される場合、タブWの幅方向に互いに隣接してノズルカート1上に取り付けられた少なくとも2つのノズルD、D’、D’’もまた、タブWの縦方向に互いに平行に移動する。
【0084】
ポンプの運転中(少なくとも2つのノズルD、D’、D’’の横方向の移動なし)、2つ/3つのマッサージ水ジェットが少なくとも2つのノズルD、D’、D’’から噴出されて、タブWの縦方向に互いに平行にフィルムの底面に当たる。
【0085】
少なくとも2つのノズルD、D’、D’’をタブの縦方向に移動させるのにかかわらず、少なくとも2つのノズルD、D’をタブWの横方向に移動させるのは、ノズルカート1の底側のブッシングLBを通る、装置Vの長手方向軸線と平行に延びる2つのスプラインシャフト5、5’が、各スプラインシャフト長手方向軸線を中心に回転往復運動を実行するための駆動部によって制御されることで行うことができる。本発明によれば、2つのスプラインシャフト5、5’は、スプラインシャフト自体の軸線を中心に回転できるようにタブの内側にある軸受L、L’内の頭側に取り付けられ、各スプラインシャフト長手方向軸線を中心に回転往復運動を行うように、足側でタブWの外側にある駆動モータによって制御される。
【0086】
さらに、2つのスプラインシャフト5、5’はそれぞれ、ノズルカート底部の底側に配置され、かつスプラインシャフト5、5’の一方と同心のギヤ軸を有するギヤZRと係合する。さらに、スプラインシャフト5、5’とそれぞれ係合する2つのギヤZRは、下部ノズルホルダDH上の2つの枢軸14、14’、14’’と平行に配置された歯付きラックZと順次係合し、枢軸14、14’、14’’に沿ったタブの横方向にノズルの独立した移動を引き起こす。
【0087】
単独で、または別の実施形態もしくは別の特徴と組み合わせて、または本発明の複数もしくはすべての他の実施形態もしくは特徴と組み合わせて実現され得る本発明の他の好ましい実施形態では、これらに限定されるものではないが、したがって、少なくとも1つの駆動モータ2’(タブWの外側に配置される)が、タブWの縦方向に沿って延びる各スプラインシャフト軸線を中心に往復回転を行うように、スプラインシャフト5、5’の一方または両方を互いに独立して制御することができる。
【0088】
スプラインシャフト5、5’は、その都度2つのスプラインシャフト端部上に取り付けられ、その都度各ブッシングを通り抜けるものであり、ブッシングLBによって支持されず、(ノズルカート1がタブWの縦方向に沿って移動されるときに)実質的に接触せずにブッシングを通り抜ける。いずれの場合も、ノズルカート底部の下に配置された歯車ZRは、歯車の歯車軸が関連するスプラインシャフト5、5’の当該回転軸と同心であり、関連するスプラインシャフト5、5’の往復運動と共に前後に移動される。ノズルカート1上に配置された少なくとも2つのノズルD、D’、D’’はそれぞれ、当該ノズルの下端をノズルカートに連結するノズルホルダDHを有する。ノズルホルダDHのそれぞれには、横方向に(すなわち、枢軸14、14’、14’’と平行に)配置された歯付きラックZが設けられる。2つの歯付きラックZはそれぞれ、ノズルカート底部の下に配置され、かつノズルカート底部の間隙を通ってノズルカート底部の上方に延びる関連ギヤZRと係合する。結果として、少なくとも1つのモータ2’を介してスプラインシャフト駆動部によって制御されるときの2つのスプラインシャフト5、5’の(スプラインシャフト軸線に沿って見た)時計回りまたは反時計回りの動きは、当該ギヤZRの対応する時計回りまたは反時計回りの動きに変換される。
【0089】
2つのギヤZRは、少なくとも2つのノズルD、D’、D’’のうちの1つ上に配置された歯付きラックZのうちの1つと係合しており、2つのギヤをタブWの左側または右側への動きに設定し、この動きは、枢軸14、14’、14’’に沿って割り当てられたノズルD、D’によって実行される。2つのスプラインシャフトの動きは、最終的に、少なくとも2つのノズルD、D’の、タブの長手方向軸線に対して横方向の移動をもたらす。
【0090】
ノズルカート1の少なくとも2つのノズルD、D’がノズルカート1と共にタブWの縦方向に移動される場合、および、スプラインシャフト5、5’をタブWの右側または左側に(タブWの縦方向の移動とは独立して)時計回りまたは反時計回りに移動させることにより、ノズルが互いに個々にかつ独立して、共にまたは異なる方法で移動される場合、これは、少なくとも2つのノズルの縦方向の移動をもたらし、同時に横方向の移動をもたらす。少なくとも2つのノズルD、D’のこの横方向の移動は、ノズルカート1上の/ノズルカート1と一体のノズルの縦方向の移動と組み合わされて、フィルム材料の底面に、したがってマッサージを受ける人Peの身体上にも対称または非対称のウォータジェットマッサージパターンを形成することができる(
図10参照)。
【0091】
これのすべてにおいて、スプラインシャフト5、5’の機能に関して、スプラインシャフト5、5’は、ブッシングLBを介しても、いかなる荷重支持機能も有さず、特にノズルカート1の重量に関する荷重支持機能を有さず、少なくとも2つのノズルD、D’によって噴出されるマッサージ水の圧力パルスのいかなる「遮断」機能も有さないことに留意されたい。
【0092】
スプラインシャフト5、5’は、当業者に知られている、動力伝達シャフトとして適切な任意のロッド、例えば、三角形または正方形の断面をもつ2つのロッドとすることができる。本発明によれば、2つのそのようなスプラインシャフト5、5’は、タブW内の装置Vの長手方向軸線と平行に配置される。
【0093】
本発明によれば、スプラインシャフト5、5’は、好ましくは、タブの内側の頭側に(すなわち、タブWの、治療を受ける人の頭部が通常横たわる側に(治療を受ける人のスケッチである
図1Bも比較されたい)、いずれの場合も軸線を中心に回転できるようにタブの内側にある軸受L、L’内に取り付けられる。スプラインシャフト5、5’はまた、足側で(すなわち、タブWの、治療を受ける人の足が通常横たわる側に(
図1Bも治療を受ける人のスケッチと比較されたい))、いずれの場合も1つの駆動モータ2’、2’’によって制御される。駆動モータ2’、2’’はタブWの外側にあり、この目的のために当業者に知られているモータとすることができ、モータは、既知の基準に基づいて所望に応じて選択することができる。好ましい実施形態では、モータは、例えば電気モータである。これらのモータ2’、2’’を用いて、それぞれのスプラインシャフト5、5’は、スプラインシャフト5、5’の長手方向軸線を中心とした回転、すなわち両方向(スプラインシャフト軸線に沿って見て時計回りおよび反時計回り)の回転に設定することができる。これにより、スプラインシャフト5、5’がスプラインシャフトの長手方向軸線を中心に往復回転することが可能になる。当業者に知られているように、スプラインシャフト5、5’は、足側で、モータ2’、2’’と係合するタブWの内側から外側までの密閉されたガイドによって案内される。
【0094】
本発明によれば、ノズルD、D’、D’’のうちの少なくとも1つはさらに、フィルム材料Fの底面に、ノズルが噴出するウォータジェットをフィルムの底面の1つまたは複数の空洞部100の内部上へ向けることができ、空洞部は、フィルム材料Fの上面に凸状隆起部100を形成する。
【0095】
これは、上述したように、少なくとも1つのノズルがノズルカートの特定の(調整可能な)位置に到達したときにそのノズルがそのノズルのマッサージ水ジェットをフィルムの底面に形成された1つの空洞部100(バンプ)内へ正確に向けるように、そのノズルがノズルカート1上に固定的に配置されるようになされ得る。
【0096】
この解決策は、考えられる可能性の1つであるが、マッサージ水ジェットをフィルム材料Fの底面の凹状空洞部内に正確に向ける目的でノズルカート1を特定の位置に移動させなければならないことを条件としており、これにより、マッサージ水ジェットが所望の1つの空洞部100内に/所望の複数の空洞100内に噴出することが可能になり、さらに、そこで一定期間、乾式ウォータジェットマッサージを可能にしたままである。これは、ノズルD’’’がノズルカート1上に固定的に配置され、したがって、マッサージ水ジェット噴出の方向を、ノズルカート1の移動と共にタブWの縦方向にのみ変えることができるからである。
【0097】
あるいは、単独で、または別の実施形態もしくは別の特徴と組み合わせて、または本発明の複数もしくはすべての他の実施形態または複数もしくはすべての他の特徴と組み合わせて実現され得る本発明の好ましい一実施形態では、これらに限定されるものではないが、乾式ウォータジェットマッサージのための装置Vは、ノズルカート1上に少なくとも2つのノズルD、D’を備え、これらのノズルは、ノズルカート1をタブWの長辺間および横辺間に及びタブ1の底部に平行な平面内で移動させて、各噴出ウォータジェットをフィルム材料Fの底面に対して略垂直に向けることができる。
【0098】
これは、ノズルカート1が、タブ底部に固定されたレール上をノズルカートの車輪4、4’でタブWの縦方向に移動され、2つのノズルD、D’が、駆動部を用いてスプラインシャフト5、5’を共に時計回りもしくは反時計回りに、または互いに独立して同時に動かし、それによって少なくとも2つのノズルD、D’が、駆動部に対して横方向に、タブの両側の方向に、またはタブの中心の方向に移動され得るという点で、上述したような方法で行われる。
【0099】
単独で、または別の実施形態もしくは別の特徴と組み合わせて、または本発明の複数もしくはすべての他の実施形態と組み合わせて、または複数もしくはすべての他の特徴と組み合わせて実現され得る本発明の他のさらにいっそう好まし実施形態では、これらに限定されるものではないが、乾式ウォータジェットマッサージのための装置Vは、タブWの縦方向のタブWの底部B上に固定された2つのレールの左外側および右外側にそれぞれ、いずれの場合も、ノズルカート1がタブWの縦方向に移動されるときにタブWの底部上での車輪4、4’、4’’’の走行に平行な2つの傾動板16、16’上に装着された転動車輪17、17’の走行のためにノズルカート1を移動させるための1つの追加のレール18、18’を備える。
【0100】
レール18、18’は、タブ端部に向かう上昇ランプ上の1つまたは複数の場所で、好ましくは、タブWの頭側端部の領域および/または足側端部の領域内を延びる。タブの端部に向かって上昇するランプは、転動車輪17、17’がランプ上を上り駆動されると、ノズルカートの端部の傾動板16、16’の端部を第1の枢軸14を中心にタブWの底部Bから離れてフィルムFに向かって枢動させることができ、それにより、傾動板16、16’に固定的に連結された各ノズルD、D’の各マッサージ水ジェットのフィルムの底面との角度は、傾動板16、16’の枢動につれて、マットの底面を基準にして略90°から鋭角まで、好ましくは10°未満の角度まで、例えば6.5°の角度まで変化する。
【0101】
結果として、ノズルカート1上の少なくとも2つのノズルD、D’は、噴出する各ウォータジェットを、フィルムの底面の1つまたは複数の空洞部のうちの少なくとも1つの内部上に向けることができ、空洞部は横方向に延び、フィルム材料M上に横たわる人Peに向けられ、フィルムFをフィルムの上面に凸状をなす1つまたは複数の隆起部100に形成する。乾式ウォータジェットマッサージを受ける人Peは、その人の身体で、特にフィルムの上部上に形成されたバンプ100に寄りかかるその人の垂直な部分で乾式ウォータジェットマッサージを受けることになり、バンプのフィルム材料壁を介してウォータジェットマッサージ圧力パルスを受け、したがってフィルム材料壁上で乾式マッサージされる。
【0102】
【0103】
図2Aおよび
図2Bに示すように、空洞部/バンプ100が頭の領域内のフィルム材料の底面に形成されるものとすると、
図5Aに示すノズルカート1の位置は、タブWの足側端部付近にあり、ノズル2、2’がタブ底部付近に「とどまった」状態であり、マッサージを受ける人上での乾式ウォータジェットマッサージのための移動の開始点とすることができる。表現を簡単にするために、前述の図のすべてにおいて(特に明記されていない場合を除く)、フィルム材料Fは、タブWを覆い、マッサージを受ける人Peが横になるために使用されるものであり、簡略化の理由で図には示されていない(
図8A、
図8Cは例外)。
【0104】
タブWの足側端部を発端として、2つの少なくとも2つのノズルD、D’、好ましくは正確に2つのノズルD、D’がその上に配置されているノズルカート1は、タブWの頭側端部の方向に、すなわちタブWの縦方向に、走行車輪4、4’上を任意の速度(通しマッサージのために遅い)で移動することができる。
【0105】
移動の速度は、ノズルカート1がタブの足側端部と頭側端部との間の距離を(例えば、制限なく)1~2分に1回カバーするような範囲とすることができる。次いで、ノズルカートは、同じ経路上などをタブWの足側端部まで戻すことができる。しかしながら、マッサージの要件のために、時間は、個々のケースに応じて短くしたり長くしたりすることができ、例えば、マッサージを受ける人Peに対する乾式ウォータジェットマッサージを監視する人によって設定することができる。そのような設定は、少なくとも2つのノズルD、D’、D’’のタブWの縦方向への移動、ならびに少なくとも2つのノズルD、D’、D’’のタブWの横方向への移動の両方、ならびにフィルムFのノズル底面に配置された空洞部100のうちの1つ上へのマッサージ水ジェットのジェット方向の調整を伴う少なくとも2つのノズルD、D’の移動とすることができる。
【0106】
ノズルD、D’がその上に配置されているノズルカート1がタブWの足側端部からタブWの頭側端部まで往復移動する間、少なくとも2つのノズルD、D’の一方または両方が、ノズルカート上のスプラインシャフト6、6’の一方または両方を用いて横方向に、すなわちタブの縦方向に対して横方向に移動させることができる。これは、スプラインシャフト6、6’を同じ方向に同期回転させることにより共に、またはスプラインシャフト6、6’の非同期回転もしくは逆回転する回転により互いに独立して、または一方のスプラインシャフトを他方のスプラインシャフトが停止している間に移動させることにより、または一方のスプラインシャフト5を任意の方向に素早く移動させ、他方のスプラインシャフト5’を任意の方向にゆっくりと移動させることにより、行うことができる。
【0107】
スプラインシャフト(複数可)を、タブWに対して縦方向に延びるそのスプラインシャフトの軸線を中心に時計回りまたは反時計回りにそれぞれ回転させると、当該スプラインシャフトと同軸に配置された、同じ円形(部分的)円周のギヤZRの同じ同一向きの回転を引き起こす。歯付きホイールZRは共に、ノズルカート1のベース板の上方に配置されたそれぞれの歯付きラックZと係合する。歯付きラックは、各ノズルD、D’のホルダの下端にタブWの横方向に固定される。タブの縦方向に対して横方向に配置された歯付きラックZは、したがってノズルD、D’も、スプラインシャフト6、6’によって制御される歯車ZRによって横方向に(左または右に)、すなわちタブWの縦方向に対しても横方向に延びる枢軸14、14’、14’に沿って移動される。
【0108】
スプラインシャフト6、6’を時計回りまたは反時計回りに回転させることによるノズルD、D’の横方向移動の制御は、ノズルD、D’がノズルカート1上でこれと共にタブの縦方向に移動するのとは無関係である。これにより、今まで知られていなかった数のウォータジェットマッサージパターンをたどることが可能になり、そのパターンのうちのほんの数パターンが
図10に示されている。ノズルD、D’の横方向の動きは、上の図のいずれにも示されていないが、当業者は、上記の詳細な説明に基づいて、スプラインシャフト6、6’の一方または両方を時計回りまたは反時計回りに移動させることによるタブWの横方向へのノズルD、D’の移動の制御と、歯車ZRおよび歯付きラックZを介したタブWの横方向へのノズルD、D’の実際の移動と、の間の関連性を理解している。
【0109】
タブWの底部上の車輪4、4’、4’’を有するノズルカート1が駆動部3によって「平面内で」移動され、ノズルD、D’が上述した方法で横方向に前後に(タブの縦方向に対して横方向に)同時に(または別々に)移動される限り、ノズルD、D’から噴出されたマッサージ水ジェットは、ノズルカート1のタブの縦方向への移動(車輪4、4’、4’’上のノズルカート1の移動による)に関係なく、それにまた、ノズルカート1上に配置されたノズルD、D’のタブの横方向への多少強い変位とは無関係に、マッサージを受ける人Peが横たわるフィルム材料Fの底面に対して略垂直に当たる。したがって、フィルム材料の方に向いており、マッサージ水ジェットの圧力パルスにアクセスできるマッサージを受ける人Peの各身体部分は、フィルム底面に対して略垂直に当たるマッサージ水ジェットによって所望の態様でマッサージされる。このプロセスは、フィルムFの材料と接触する、すなわちフィルムF上に載っているマッサージを受ける人のすべての身体部分を、マッサージ水ジェットの選択可能な、例えば(制限なく)一定圧力でマッサージすることを可能にする。これは、上述の例で言及したように、タブWの足側端部を発端として起こり、この場合は、例えば、プロセスが進行するにつれて、ノズルカート1上の少なくとも2つのノズルD、D’がタブWの縦方向にタブの頭側端部に向かって連続的に変位し、少なくとも2つのノズルD、D’が、同期的もしくは非同期的もしくは完全に独立した反復移動により、またはさらにはスプラインシャフト5、5’による少なくとも2つのノズルD、D’のうちの1つの個々の移動のみにより、タブの横方向に制御された往復移動をして、マッサージを受ける人の足のかかと、ふくらはぎ、大腿部の下側、臀部、尻、背中、肩甲骨(場合によっては首も)が、フィルムの底面に略垂直に当たるマッサージ水ジェットで乾式マッサージされる。マッサージを受ける人PeがカバーフィルムF上にうつ伏せに横たわる場合には、マッサージを受ける人の対応する身体の前面部分をタブWの足側端部から頭側端部まで移動させることもできる。
【0110】
このプロセスは、ノズルカートを逆方向に(頭側端部から足側端部まで)移動させることにより、かつ、同期もしくは非同期の反復移動または完全に独立した反復移動による、あるいはスプラインシャフト5、5’などを用いた少なくとも2つのノズルD、D’のうちの1つの個々の移動のみによる、タブの横方向の少なくとも2つのノズルD、D’の制御された往復移動で繰り返すことができる。
【0111】
この手順では、少なくとも2つのノズルD、D’を有するノズルカート1は、同期もしくは非同期のまたは完全に独立した反復移動による、あるいはスプラインシャフト5、5’を用いたノズルカート1上に配置された少なくとも2つのノズルD、D’のうちの1つの個々の移動のみによる、タブの横方向の少なくとも2つのノズルD、D’の制御された往復移動で、
図5に示す状態(足側端部で、「平面」内のノズル)から
図6A、
図6Bに示す状態(「平面」内のノズル、頭側端部付近のノズルカート)まで往復して、車輪4、4’、4’’上で移動することができる。所望であれば、これは、ノズルカート1を足側端部から頭側端部まで、または頭側端部から足側端部まで移動させ、ノズルカートを「高速」直接経路上の当該開始位置にマッサージ水を噴出せずにそれぞれ戻す、複数の連続サイクルまたは複数の上述の移動シーケンスで行うことができる。
【0112】
本発明の別の実施形態では、ノズルカート1が、その上に少なくとも2つのノズルD、D’が配置された状態でさらに移動されると、ノズルカート1上に配置された少なくとも2つのノズルD、D’のうちの少なくとも1つは、少なくとも2つのノズルD、D’のうちの1つまたは2つを、少なくとも2つのノズルD、D’のうちの少なくとも1つが、好ましくは少なくとも2つのノズルD、D’のうちの2つでさえも、噴出される各マッサージ水ジェットを、フィルムの底面に形成された空洞部100のうちの少なくとも1つに、好ましくはその都度少なくとも1つに向けることができる位置にすることができる。好ましくは、ノズルカート1が、その上に少なくとも2つのノズルD、D’が配置された状態でさらに移動されると、ノズルカート1上に配置された少なくとも2つのノズルD、D’のうちの2つは、少なくとも2つのノズルD、D’のうちの1つまたは2つを、少なくとも2つのノズルD、D’のうちの少なくとも1つが、好ましくは少なくとも2つのノズルD、D’のうちの2つでさえも、噴出される各マッサージ水ジェットを、フィルムの底面に形成された空洞部100のうちの少なくとも1つに、好ましくはその都度少なくとも1つに向けることができる位置にすることができる。このプロセスは、
図7A~
図7Eおよび
図8A~
図8Cに示されており、以下で詳細に説明される。
【0113】
図7Aおよび
図8Aに示すように、追加のレール18、18’が、いずれの場合もタブの底部B上のレール上の外側に横方向に配置され、追加レール上でノズルカート1は、車輪4、4’、4’’上で、少なくともタブWの頭側端部の領域内でタブWの底部B上に固定されたレールと平行に移動される。
【0114】
本発明による装置Vの他の好ましい実施形態では、これらの追加レール18、18’は、ここで説明する場合には、タブWの当該端部に向かって延びる、すなわち、追加レールはタブWの頭側端部に向かって上昇する。
【0115】
タブ底部と比較した上昇角は、技術的要件に適合して、例えば利用可能な空間要件に適合して当業者によって選択され得る、例えば、限定するものではないが、10°~60°、好ましくは15°~45°である。上昇角は、レール18、18’が特定の場所を発端として均一に上昇するランプ上を延びるように、追加のレール18、18’の全長にわたって同じとすることができる。これに代わる手段として、上昇角度は、ランプの進路にわたって異なることができ、例えば、上昇角度は、ランプの端部に向かって(制限なく)大きくなることができる。当業者は、個々のケースの状況に応じて上昇角度を選定し、それに応じて調整することができる。
【0116】
特に
図7Aから分かるように、ノズルカート1が、タブWの底部B上に配置されたレール上を車輪4、4’、4’’上で「平面内で」、すなわち、少なくとも2つのノズルD、D’を持ち上げずに、傾動板16、16’および傾動板の外側転動車輪17、17’を用いて移動されるとすぐに、ここまでは、タブ端部の方向に、
図7Aでは、タブWの頭側端部の方向に、傾動板16、16’に割り当てられた外側転動車輪17、17’がレール18、18’のランプに上がり始めるところに配置され、タブWの底部B上に配置されたレール上をノズルカート1が車輪4、4’、4’’上で、タブWの端部の方向に、
図7AではタブWの頭側端部の方向にさらに移動するたびに、少なくとも2つのノズルD、D’がその上に配置されているノズルカート1は、タブWの底部B上に配置されたレール上を車輪4、4’、4’’上でタブWの頭側端部に向かってさらに移動されるが、傾動板16、16’に割り当てられた外側転動車輪17、17’は、両側のランプ上の当該追加の外側平行レール18、18’上を走行して上がり始める。これは、例えば
図7Aおよび
図7Bに示されている。外側転動車輪17、17’およびこれらの車輪に連結された傾動板16、16’は、両側のランプ18、18’の上昇に従って持ち上げられ、枢軸14を中心にフィルムFの底面の方向に枢動される。
【0117】
この枢動プロセスは、傾動板が別の軸14’’を介して固定的に連結されるので、ノズルカートの両側で同じ上昇で行われる。
図7Bでは、少なくとも2つのノズルD、D’のジェット方向または噴出方向が矢印で概略的に描かれている。
図7Bでは、既にこの段階で、マッサージ水噴出方向の角度は、少なくとも2つのノズルD、D’を有するノズルカート1を「平面内で」移動させるときの少なくとも2つのノズルD、D’からのマッサージ水ジェットの噴出方向と比較して、フィルム材料Fの底面に対してより小さい角度、すなわちより鋭角(フィルム底面に対して略90°)に変化することが分かる。
【0118】
このプロセスの過程で、ノズルカート1上に配置された少なくとも2つのノズルD、D’のタブの横方向への移動は、上述したように、2つのスプラインシャフト5、5’をスプラインシャフト5、5’の長手方向軸線の周りで時計回りまたは反時計回りに回転させることにより、「平面内」の場合のように、いかなる制限を受けることなく、独立して実行することができる。
【0119】
少なくとも2つのノズルD、D’がその上に配置されているノズルカート1を、例えば(制限なく)、タブWの底部B上に配置されたレール上を車輪4、4’、4’’上でタブWの頭側端部に向かう方向にさらに移動させる間、外側転動車輪17、17’は、ランプ上の追加のレール18、18’上でランプの上方へさらに移動される。転動車輪17、17’の上方への移動は、オフセット枢軸14、14’によって、上述したように、
図4A、
図4Bおよび
図7A~
図7Eから分かるように、ノズルD、D’がその上に配置された状態での傾動板16、16’の不釣り合いな持ち上げに「変換される」。これは、
図7Cおよび
図7Dと
図7Bとの比較から分かる。ランプ上の追加の平行レール18、18’上での外側転動車輪17、17’の上昇により、傾動板16、16’はさらに上昇し、ノズルホルダおよび少なくとも2つのノズルD、D’と共に、枢軸14’’を中心にフィルムの底面の方向にさらに枢動する。これら2つの
図7Cおよび
図7Dでも、少なくとも2つのノズルD、D’のさらに変化するジェット方向または噴出方向が、矢印で概略的に描かれている。フィルム材料Fの底面とのマッサージ水噴出方向の角度は、
図7Bと比較してさらに小さい鋭角に変化することが分かる。
【0120】
最後に、
図7Eは、少なくとも2つのノズルD、D’がその上に配置されているノズルカート1を、例えば(制限なく)、タブWの底部Bに配置されたレール上を車輪4、4’、4’’上でタブWの頭側端部に向かう方向にさらに移動させる間、外側転動車輪17、17’は、タブWの頭側端部の方向の端部位置(
図7Eに示す)までランプ上の追加レール18、18’上でランプの上方へさらに移動されることを示す。
【0121】
外側転動車輪17、17’がランプ上の追加の平行レール18、18’上で上昇し続けると、傾動板16、16’は、
図7Eに示す端部位置までさらに上昇し、ノズルホルダおよび少なくとも2つのノズルD、D’と共に枢軸14’’を中心にフィルムの底面の方向に枢動する。
図7Eは、
図7Cおよび
図7Dと比較して、フィルムの底面でのマッサージ水ジェットの入射角が、少なくとも2つの全開ノズルD、D’を有するノズルカート1の端部位置でのフィルムの底面の進路に対してさらに減少していることを示す。
図7Eでは、被覆フィルムおよびライナフィルムFの(オプションの)支持面Sも別々に識別される。
【0122】
図7A~
図7Eに示したものと同じ、枢軸14’’を中心とした傾動板16、16’の枢動運動を伴う外側転動車輪17、17’の一連の上方移動が、
図8A~
図8Cのノズルカート1の側面図にも示されている。
図8A~
図8Cでは、マッサージを受ける人の頭に隣接する肩の上の被覆フィルムおよびライナフィルムFの(オプションの)支持面Sもまた、別々に識別される。
図8Bおよび
図8Cの側面図は、
図8BがカバーフィルムおよびライナフィルムFを示していないが、
図8CにはカバーフィルムおよびライナフィルムFが示されているという点でのみ異なる。
【0123】
図8Aは、
図7Aに相当するが、ノズルカート1の側面図である、乾式ウォータジェットマッサージ用の本発明による装置Vの図を示す。
図8Aに示す側面図では、少なくとも2つのノズルD、D’を有するノズルカート1が示されている。ここまでで、ノズルカート1は、タブWの縦方向に、タブの足側端部からマッサージタブWの頭側端部の方向に「平面内」で移動している、すなわち、タブ底部上に配置されたレール上を車輪4、4’、4’によってタブWの縦方向に移動している。
【0124】
したがって、ノズルカート1上に配置された少なくとも2つのノズルD、D’は、ノズルカート1と共にかつノズルカート1上でタブWの縦方向に移動する。同時に、この時点まで、少なくとも2つのノズルD、D’は、2つのスプラインシャフト5、5’を用いて、枢軸14、14’、14’’に沿って外側に(すなわち、タブ側壁の方向に)または内側に(すなわち、タブ側壁から離れる向きに)移動されるノズルホルダDH上で横方向(=マッサージタブWの横方向)にタブの縦方向に延びるシャフトの回転軸を中心にシャフトを回転させることにより、タブの横方向に変位される。被覆フィルムまたはライナフィルムFの底面に(ほぼ)直角に衝突するマッサージ水は、上述のように、被覆フィルムまたはライナフィルムの底面にマッサージパルスを及ぼし、このマッサージパルスは、フィルムF上に横たわっている人Peの身体に伝達され、このようにしてこの人をマッサージする。
【0125】
図8Aに示すノズルカート1の位置は、2つの傾動板16、16’の外側の外側転動車輪17、17’が、ノズルカート1のさらなる変位中に、ランプ上の追加の外側レール18、18’上をタブの頭側端部の方向に「上り」駆動し始める、したがって2つの傾動板16、16’を共に枢軸14を中心にフィルムの底面の方向に平面から枢動させ始める位置である。この枢動運動の状況で、枢動運動の継続は、
図8Bおよび
図8Cの外側転動車輪17、17’のさらなる上り駆動および傾動板16、16’のさらなる枢動と共に示されており、少なくとも2つのノズルD、D’のウォータジェット噴出方向は、(
図7Aから
図7Eのシーケンスから分かるように)フィルムの底面に対して(略)直角から、より小さい、略小さすぎる鋭角、より好ましくは10°未満の角度に変化する。
【0126】
【0127】
この角度は、フィルムの底面を基準にして、
図8Aでは約90°であるが、
図8Bおよび
図8Cの噴出角度は著しく小さく、好ましくは10°未満の小さい鋭角である。これは、被覆フィルムおよびライナフィルムの断面を有する
図8Cのスケッチから分かるように、少なくとも2つのノズルD、D’によってフィルム空洞部100の内側上に噴出されるマッサージ水ジェットの入射角約90°をもたらし、したがって、フィルムの上面の壁に隣接する、マッサージを受ける人の体表面部分のマッサージのための凹状の空洞壁に対する良好なマッサージ効果を達成しながら、少なくとも2つのノズルD、D’のうちの少なくとも1つを通るマッサージ水パルスの好適な角度での印加をもたらす。
【0128】
このマッサージ効果が達成された後、複数の同様の同様に長いマッサージが、マッサージを受ける人Peの身体部分に全体的なマッサージを形成するように組み合わされ得る、乾式ウォータジェットマッサージまたはその少なくとも一部に十分なまたは所望される時間の間、この身体部分は、空洞100に隣接し、ライナフィルムFに対して略垂直に配置され、人PeがライナフィルムF上に横たわっているときに、例えばマッサージを受ける人の肩または足の裏であり、ノズルカートは、マッサージタブの頭側端部から最も遠くに横たわる位置(
図8Bおよび
図8C参照)からマッサージタブの足側端部の方向に移動される。これは、少なくとも2つのノズルD、D’によって噴出されるウォータジェットのパルス作用の同じステップを上記の順序とは逆の順序で使用して行うことができ(
図8C、
図8Bおよび
図8A、または
図7E、
図7D、
図7C、
図7B、
図7A参照)、あるいは上述したように、より速いステップまたは逆の順序の複数の速いステップで行うことができる。この手順は、所与のマッサージパターンの周囲および/またはマッサージを受ける人の希望に応じて当業者によって制御され得る。
【0129】
次いで、乾式ウォータジェットマッサージのプロセスは、このプロセスが、ノズルカート1を、したがってノズルカート1上に配置された少なくとも2つのノズルD、D’をも、車輪4、4’、4’’を用いて「平面内」でタブ底部に固定されたレール上の足側端部からタブWの頭側端部の方向に移動させ、同時に、スプラインシャフト5、5’を用いて少なくとも2つのノズルD、D’をタブの縦方向に対して横方向に移動させ、それによって、マッサージを受ける人の身体の、フィルムF上に横たわり、かつフィルムFと接触する部分上に乾式ウォータジェットマッサージの様々なパターン(いくつかの例については
図10を参照)を生成するために再開されるという点で、上記の説明に従って再開することができる。
【0130】
「平面内」で行われるそのようなマッサージプロセスは、フィルムの底面に形成された凹状空洞部100において任意の数の(かつ任意の順序の)マッサージプロセスと任意の数およびシーケンスで組み合わせることができる。これは、この技術分野に精通した当業者によって、マッサージを受ける人Peの要件、例えば、マッサージを受ける人Peの希望またはマッサージを受ける人の治療指示に従って調整することができる。
【0131】
さらに、記載されたマッサージプロセスはすべて、治療を受ける人Peによって心地良く知覚される連続的な一定の圧力を有するマッサージ水ジェットを用いて実行することができる。あるいは、乾式ウォータジェットマッサージの進路で圧力を変化させるか、または「脈動圧力画像」を適用することも可能である。当業者は、これを個々の場合の状況および要件、例えばマッサージを受ける人の生理学的要件にも適合させることができる。
【0132】
単独で、または本発明の別の特徴と共に、または本発明の複数の他の特徴と共に、または本発明の他のすべての特徴と共に実現され得る本発明の好ましい実施形態(図面のいずれにも示されていない)では、本発明をこれらの実施形態に限定するものではないが、装置Vは、少なくとも1つのノズルD’’’をさらに備え、このノズルは、ノズルカート1上には配置されず、ノズルが噴出するウォータジェットを1つまたは複数の凹状形成部/空洞部100のうちの少なくとも1つの凹状内部上に向けることができる。これは、当業者に知られている任意の方法で、例えば、連続的または断続的に、または脈動して、またはノズルカート1上に取り付けられたノズルのマッサージ水噴出と協調したリズムで行うことができる。ノズルカート1上に配置されていないノズルD’’’によって噴出されるウォータジェットが、連続的または断続的または脈動的に、あるいはノズルカート1上に取り付けられたノズルマッサージ水噴出部と協調したリズムで、複数の凹状形成部/空洞部100のうちの少なくとも1つの内部に向けられるので、連続的または断続的または脈動的なマッサージ効果、あるいはノズルカート上に取り付けられたノズル(複数可)のマッサージパルスに調整されるマッサージ効果は、1つまたは複数の凹状形成部/空洞部100のうちの少なくとも1つに近接または隣接する、治療を受ける人Pe/患者の横たわっている位置に関するマッサージを受ける人Pe/患者の身体部分上で達成され得る。このマッサージ効果は、明らかに、時間的および空間的に、ノズルカート上に取り付けられたノズルD、D’、D’’が治療を受ける人Pの身体/患者に及ぼすものとは無関係である。したがって、ノズルカート上に配置されないノズルD’’’は複数の凹状形成部100のうちの少なくとも1つの内部上にマッサージ水を噴出する(または噴出もしない)が、マッサージノズルD、D’、D’’を有するノズルカート1は、スプラインシャフト5、5’を用いてY方向の、タブまたはノズルD、D’の縦方向に、独立して移動され得る(それにより、上述したように、乾式ウォータジェットマッサージの任意所望のマッサージパターンを独立して生成することができ(あるいはノズルD、D’が移動していないかまたは変位していない場合は生成しない))、これが、ノズルカート1上に配置されていない、本発明による装置VのノズルD’’’による乾式ウォータジェットマッサージに影響を与えることはない。
【0133】
上述したのと同じ方法で、ノズルD’’’のマッサージ水によって作用されるマッサージパルスはまた、好ましくは、制御された凹状形成部(複数可)に、したがって治療を受ける人P/患者の身体部分にも印加され得る、または他のノズルによって印加されるマッサージパルスとは無関係に変更され得る、あるいはこれらに特に適合させることもできる。同じことがマッサージ水温にも当てはまる。
【0134】
これは、独立して選択、変更、または適合されることもできる。
【0135】
本発明は、乾式ウォータジェットマッサージ方法にも関する。この場合、治療を受ける人Pe/患者の身体は、本発明に従って詳細に上述したように、圧力パルスの伝達を可能にする装置Vの上部カバーとしてフィルム材料F上に配置されるものであり、ノズルD、D’、D’’、D’’’のうちの少なくとも1つによってフィルム材料Fの底面に、随意に、前記フィルムFの底面の1つまたは複数の凹状空洞部100のうちの少なくとも1つの内部に噴出されたウォータジェットの圧力パルスを一定期間受けて、身体にマッサージ効果を及ぼす、パルスを送出するノズルD、D’、D’’’のうちの少なくとも1つからフィルムFの上面の凸状隆起部(複数可)100を形成する。
【0136】
従来技術とは対照的に、本発明による乾式ウォータジェットマッサージ方法では、上述した種々の平坦なマッサージ画像がライナフィルムFの底面に生成され得るだけでなく、その画像を用いて、マッサージ圧力パルスが、ライナフィルムFを介してフィルム材料F上に直接載っている治療を受ける人の身体部分に印加される。
【0137】
むしろ、マッサージパルスは、本発明に従って、フィルムに装着された1つまたは複数の凹状形成部/空洞部100を介して治療を受ける人Pの身体の各部分に印加することもでき、凹状形成部/空洞部は、フィルムの底面の方向に開放しており、ライナフィルムの表面の垂直上方に立ち上がり、1つ/複数の凹状形成部/空洞部100に当接する。この目的のために、ノズルカート1上に配置されていない少なくとも1つ、好ましくは1つのノズルD’’’であって、そのノズルの噴出ウォータジェットを1つまたは複数の凹状凹所100のうちの少なくとも1つの内部上に向けることができるノズルD’’’か、ノズルカート1上に配置された少なくとも1つ、好ましくは1つのノズルD’’であって、そのノズルの噴出ウォータジェットを1つまたは複数の凹状凹所100のうちの少なくとも1つの内部上に導くことができるノズルD’’か、ノズルカート1上のノズルの少なくとも2つのD、D’であって、そのノズルの噴出ウォータジェットをその都度複数の凹状凹所100のうちの少なくとも1つまたは2つの内部上に向けることができるノズルD、D’か、のいずれかを設けることができる。これは上記で詳細に説明されており、乾式ウォータジェットマッサージのための本発明による方法についてこれらの上記の説明を参照されたい。
【0138】
従来のマッサージまたはウォータジェットマッサージと同様に、本発明による乾式ウォータジェットマッサージは、本発明の装置を用いて実行され、好ましくは、痙攣、緊張(例えば、筋緊張)、緊張(例えば、ストレス関連の筋緊張)を緩和するため、ストレスの軽減のため(例えば、僧帽筋のストレス関連または姿勢硬化の除去のため)、痛みの緩和もしくは除去のため(例えば、スポーツ傷害の場合、または背部もしくは関節の痛み、筋肉不均衡、筋肉疲労、筋緊張障害の緩和または除去のため)、血液循環の改善のため(例えば、(慢性)静脈鬱血症候群または循環性および代謝性障害の除去のため)、頸部偏頭痛の治療のため、線維筋痛症の治療のため、脊椎の可逆的機能障害の除去のため、かつ、頸椎および胸椎症候群といわゆる腰椎症候群の抑制のためのマッサージとして使用され得る。「頸椎症候群」、「胸椎症候群」、および「腰椎症候群」という用語はそれぞれ、頸椎、胸椎、または腰椎の領域に痛みが存在する状態を意味し、いずれの場合も一般に、痛みの原因の特定の指示はない。それぞれの症候群は、一般に、制御または緩和が困難であるが、本発明によれば、新しい装置で具体的に緩和または制御される。
【0139】
他の可能な使用は、代謝能力を向上させるため、皮下細胞組織を弛緩させるため、静脈およびリンパのうっ血除去のため、瘢痕組織を弛緩させるため、自律神経系を活性化および抑制して内臓に有益な効果をもたらすために、本発明による装置を使用することである。
【0140】
従来技術と比較して、乾式ウォータジェットマッサージのための本発明による装置Vの利点には下記が含まれる。
いくつかの、好適には2つのノズルD、D’に対して中央水圧連結部が設置され得る。ノズルD、D’は共に、単一ノズルキャリッジ1上に装着され、タブWの横方向に互いに離れる向きに移動され、互いに向かって移動され得る。
駆動モータ2、2’、2’’は、タブの外側に装着され得ると共に、それぞれが公差補償クロスカップリングを介してシャフト(スプラインシャフト5、5’または駆動部3)を駆動することができる。
タブAの縦方向および横方向のノズル移動が同時に可能であり、重ね合わせることができ、耐荷重機能を有さない独立して制御可能なスプラインシャフト5、5’により、ノズルカート上に取り付けられた少なくとも2つのノズルD、D’をタブWの横方向に互いに独立して移動させることを可能にし、スプラインシャフト5、5’は、それ自体の長手方向軸線を中心としたスプラインシャフト5、5’の移動によって開始される枢軸14、14’に沿ってノズルカート1上の少なくとも2つのノズルD、D’の配置をシフトさせるようにのみ機能する。
ノズルD、D’間の横方向の距離は、最小から最大まで連続的に可変である。
すべてのノズル位置は、スプラインシャフト駆動部の回転角を測定することによりタブWの外側から検出することができる。
ノズルならびにノズルカートを変位させる役割を果たす装置は事前に組み付けることができる。
【0141】
本発明は、好ましい実施形態を例としてのみ参照して上記で説明してきたが、好ましい実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0142】
B タブWの底部
D、D’、D’’、D’’’ ノズル
DH ノズルホルダ
F フィルム材料
L、L’ スプラインシャフト5、5’の軸受
LB ブッシング
Pe 人
R ランプ
S フィルムカバーFの支持面
V 乾式ウォータジェットマッサージのための装置
W タブ
Z タブの縦方向に対して横方向に配置された歯付きラック
ZR スプラインシャフト5、5’と同軸で係合するギヤ
1 ノズルカート
2 モータ
3 駆動部
4、4’、4’’ タブ底部上のレール上でノズルカート1を移動させるための車輪
5、5’ スプラインシャフト
6、6’ スプラインシャフト
10 底板
12、12’ 垂直左/右側板
14、14’、14’’ タブWの横方向の枢軸
16、16’ 傾動板
16a 水平連結支持部
17、17’ 傾動板16、16’上の外側転動車輪
18、18’ 立ち上がりランプを有する追加の外側平行レール
100 フィルムの上部上の凸状形成部/フィルムFの底部上の凹状空洞部