(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】リールカバー
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
H05K13/02 B
(21)【出願番号】P 2022067972
(22)【出願日】2022-04-18
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】522156058
【氏名又は名称】株式会社ルックス電子
(74)【代理人】
【識別番号】100199451
【氏名又は名称】和田 隆滋
(72)【発明者】
【氏名】北原 秀晋
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-021855(JP,A)
【文献】特開2021-153152(JP,A)
【文献】特開2016-122753(JP,A)
【文献】特開2006-165111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバーにおいて、
第一の円板部と、
第二の円板部を有し、
前記第一の円板部の中心に
柱状部を有する凸部が設けられ、
前記第二の円板部の中心に凹部が設けられ、
前記
補給用リールの中心には孔が設けられており、該孔に前記凸部と前記凹部を通し、該凸部を前記凹部に嵌合することで前記補給用リールに前記第一の円板部と前記第二の円板部が取り付けられ、
前記第一の円板部と前記第二の円板部の直径は、前記補給用リールの直径よりも大きい、リールカバー。
【請求項2】
前記凸部の
柱状部の先端面の形状と前記凹部の底面部の形状が異なる、請求項1に記載のリールカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品を基板に実装するチップマウンターがある。チップマウンターは、電子部品を収容したキャリアテープを備え、キャアテープから供給された電子部品を基板に装着するものがある。キャリアテープは、リールに巻き付けられた状態でチップマウンターに備え付けられるが、キャリアテープの電子部品がなくなって生産ラインが停止する前に、新たなキャリアテープを補給する必要がある。特許文献1には、補給用リールからキャリアテープの一部を解いて、解いたキャリアテープの始端をスプライシング装置に挿入しスプライシングを行う。この際に、補給用リールからキャリアテープが必要以上に解ける場合がある。特に、補給用リールが未使用でリールの外周縁部の位置までキャリアテープを巻いていた場合、キャリアテープの先端を止めているテープ等を取り外すと、キャリアテープは、リールの外側に広がって必要以上に解けてしまうという問題がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、チップマウンターへの電子部品の供給において、補給用リールからキャリアテープの一部を解いて、解いたキャリアテープの始端をスプライシング装置に挿入しスプライシングを行う際に、補給用リールからキャリアテープが必要以上に解けることを防止するリールカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、
電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられたリールに取り付ける付属品のリールカバーにおいて、
第一の円板部と、
第二の円板部を有し、
前記第一の円板部の中心に凸部が設けられ、
前記第二の円板部の中心に凹部が設けられ、
前記リールの中心には孔が設けられており、該孔に前記凸部と前記凹部を通し、該凸部を前記凹部に嵌合することで前記リールに前記第一の円板部と前記第二の円板部が取り付けられ、
前記第一の円板部と前記第二の円板部の直径は、前記リールの直径よりも大きい、リールカバー
によって達成できる。
【0006】
また、上記目的は、
前記凸部の先端面の形状と前記凹部の底面部の形状が異なる、請求項1に記載のリールカバー
によっても達成できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、チップマウンターへの電子部品の供給において、補給用リールからキャリアテープの一部を解いて、解いたキャリアテープの始端をスプライシング装置に挿入しスプライシングを行う際に、補給用リールからキャリアテープが必要以上に解けることを防止するリールカバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー1の斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー1の使用状態を説明する分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー1を説明する図である。
【
図4】本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー1を説明する図である。
【
図5】本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー1を説明する図である。
【
図6】本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー1を説明する図である。
【
図7】従来例の電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールを説明する図である。
【
図8】本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー1を説明する図である。
【
図9】本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー1が用いられるチップマウンター10の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー100について、
図1~
図9を用いて説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて図示する場合がある。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態による本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー1の斜視図である。本実施形態のリールカバー1は透明樹脂で構成される。
【0011】
図2は、本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられた補給用リールに取り付ける付属品のリールカバー1の使用状態を説明する分解斜視図である。
【0012】
図1および
図2に示すように、リールカバー1は、円板部100と円板部200で構成される。円板部100の中心に底面130を有する凹部120が設けられている。円板部200の中心に円柱230を有する凸部220が設けられている。電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられたリール300、310を挟み込むようにリールカバー1が取り付けられる。リール300、310の中心に設けられた孔320に、円板部100の凹部120と円板部200の凸部220を通し、凸部220を凹部120に嵌合することでリール300、310に円板部100と円板部200が取り付けられる。本実施形態において、円板部100、200の直径は、リール300、310の直径よりも2cm程度長くなるように構成されているが、円板部100、200の直径がリール300、310の直径よりも長くなるように構成されていればよい。
【0013】
図3は、円板部100の正面図である。
図3に示すように、円板部100は、円周部に設けられた周溝110と中心から4方向に放射状に延伸する放射溝140を有する構成である。周溝110は、円板部100の外側に設けられ、放射溝140は、円板部100の内側に設けられている。周溝110の溝幅は1cmであり、放射溝140の溝幅は、5mm、3mm、2mmおよび1mmである。周溝110の内側にリール310を収容する構成である。
【0014】
図4は、円板部100の側面図である。
図4に示すように、円板部100の中心に凹部120が設けられている。凹部120の底面には略四角形状の底面部130を有している。
【0015】
図5は、円板部200の正面図である。
図5に示すように、円板部200は、円周部に設けられた周溝210と中心から4方向に放射状に延伸する放射溝240を有する構成である。周溝210は、円板部200の外側に設けられ、放射溝240は、円板部200の内側に設けられている。周溝210の溝幅は1cmであり、放射溝240の溝幅は、5mm、3mm、2mmおよび1mmである。周溝210の内側にリール300を収容する構成である。
【0016】
図6は、円板部200の側面図である。
図6に示すように、円板部200の中心に凸部220が設けられている。凸部220は円柱230を有している。
【0017】
このように、円板部100の凹部120の底面の形状と円板部200の凸部220の先端面の形状を異ならせることで、円板部100と円板部200の取り外しが容易になるという効果を奏する。
【0018】
図7は、従来例の電子部品を搭載したキャリアテープ400が巻き付けられたリール300,310を説明する図である。従来例に示すように、チップマウンターへの電子部品の供給に用いられるリール300、310には余裕がない状態でキャリアテープ400が巻き付けられている。
【0019】
図8は、電子部品を搭載したキャリアテープ400が巻き付けられたリール300、310にリールカバー1が取り付けられた状態を説明する図である。本実施形態に示すように、チップマウンターへの電子部品の供給に用いられるリール300、310にリールカバー1が取り付けられることで余裕がある状態でキャリアテープ400が巻き付けられている。
【0020】
図9は、本発明の実施の形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられたリールに取り付ける付属品のリールカバー1が用いられるチップマウンター10の一例である。
【0021】
このように、本実施形態による電子部品を搭載したキャリアテープが巻き付けられたリールに取り付ける付属品のリールカバー1を用いることで以下の効果を奏する。
(あ)リールカバー1の直径が補給用リールの直径よりも長くなるため、キャリアテープのスプライシングを行う際にキャリアテープを巻き付ける余裕が生まれるため、補給用リールからキャリアテープが必要以上に解けることを防止することが可能である。
(い)リールカバー1は、透明樹脂で構成されるため、リールカバー1を取り付けた状態で補給用リールに設けられた印字や一次元コードや二次元コードを読み取ることが可能である。
(う)リールカバー1は、放射状に延伸する溝が複数設けられているため強度を高めることが可能である。
(え)リールカバー1は、周溝の内側に補給用リールを収容する構成であるため、リールカバー1を取り付けても補給用リールの厚みとほとんど変わらない。
【0022】
本発明は、上述の実施の形態に限らず種々の変形が可能である。また、上述の各実施の形態は、本発明の好適な一例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上述の説明によって不当に限定されるものではない。また、上述の各実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、チップマウンターへの電子部品の供給に用いられる補給用リールにおいて利用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 リールカバー
100、200 円板部
110、210 周溝
140、240 放射溝
300、310 リール
400 キャリアテープ