(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240528BHJP
G06Q 40/12 20230101ALI20240528BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q40/12
(21)【出願番号】P 2023018785
(22)【出願日】2023-02-09
(62)【分割の表示】P 2022178174の分割
【原出願日】2022-11-07
【審査請求日】2024-03-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521425652
【氏名又は名称】株式会社ゼロボード
(72)【発明者】
【氏名】渡慶次 道隆
【審査官】星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-108204(JP,A)
【文献】特開2011-048715(JP,A)
【文献】特開2004-054687(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0260634(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00~99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温室効果ガスの排出量を算出するための基礎データ
を取得する取得部と、
前記基礎データに基づいて前記排出量を算出する排出量算出部と、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報と、
前記基礎データを示す会計記録データ、財務諸表データ又は監査証拠データの少なくともいずれかである会計データを特定する情報とを対応付けて記憶する対応データベースと、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報の指定を受け付け、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データを特定する情報を前記対応データベースから読み出して出力する会計データ出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記会計データ
のうち会計システムに記録されていないデータであるシステム外データを記憶する記憶部を備え、
前記会計データ出力部は、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データのうち、前記会計システムに記録されているものについては前記会計システムにアクセスして取得し、前記会計システムに記録されていないものについては前記記憶部から取得し、取得した前記会計データを出力すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記会計データに関連する財務諸表に係る会計監査が行われたことを示す監査データを記憶する監査データ記憶部を備え、
前記対応データベースは、前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報と、前記会計データを特定する情報と、前記監査データを特定する情報とを対応付けて記憶し、
前記会計データ出力部は、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データを特定する情報及び前記監査データを特定する情報を前記対応データベースから読み出して出力すること、
を特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
温室効果ガスの排出量を算出するための基礎データ
を取得するステップと、
前記基礎データに基づいて前記排出量を算出するステップと、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報と、
前記基礎データを示す会計記録データ、財務諸表データ又は監査証拠データの少なくともいずれかである会計データを特定する情報とを対応付けてデータベースに記憶するステップと、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報の指定を受け付け、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データを特定する情報を前記データベースから読み出して出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
温室効果ガスの排出量を算出するための基礎データ
を取得するステップと、
前記基礎データに基づいて前記排出量を算出するステップと、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報と、
前記基礎データを示す会計記録データ、財務諸表データ又は監査証拠データの少なくともいずれかである会計データを特定する情報とを対応付けてデータベースに記憶するステップと、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報の指定を受け付け、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データを特定する情報を前記データベースから読み出して出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素等の排出量が算定されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排出量の計算根拠となるデータを検証するための証憑を管理することが求められている。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、温室効果ガスの排出量の算出に係る証憑を管理することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、情報処理システムであって、温室効果ガスの排出量を算出するための基礎データを示す会計データを取得する会計データ取得部と、前記基礎データに基づいて前記排出量を算出する排出量算出部と、前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報と、前記会計データを特定する情報とを対応付けて記憶する対応データベースと、前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報の指定を受け付け、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データを特定する情報を前記対応データベースから読み出して出力する会計データ出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、温室効果ガスの排出量の算出に係る証憑を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】サーバ装置2のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】サーバ装置2のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態の情報処理システムにおける排出量の算出処理の流れを説明する図である。
【
図5】本実施形態の情報処理システムにおける会計データの出力処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システムは、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量の算出に用いるデータを証明する証憑データを管理しようとするものである。本実施形態では、とくに証憑となるデータのうち、会計データに含まれるものを管理する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の情報処理システムは、サーバ装置2を含んで構成される。サーバ装置2は、ユーザ端末1及び会計システム3と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0011】
サーバ装置2は、温室効果ガスの排出量を算出するコンピュータである。サーバ装置2は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0012】
ユーザ端末1は、ユーザが使用する、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどのコンピュータである。ユーザはユーザ端末1を操作してサーバ装置2にアクセスし、温室効果ガスの排出量を計算させる。
【0013】
会計システム3は、会計データを管理するコンピュータシステムである。会計システム3は、1台又は複数台のコンピュータにより構成されうる。本実施形態では、会計データには、いわゆる財務諸表データと、財務諸表の基礎となる会計記録データ(伝票データや請求書データ、契約書データ、総勘定元帳データ、仕訳データなど)とを含みうる。会計データには、会計監査に用いられた監査証拠データを含めるようにしてもよい。会計システム3は、少なくとも財務諸表データを記憶しており、リクエストに応じて財務諸表データを出力することができる。
【0014】
<サーバ装置2>
図2は、サーバ装置2のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。サーバ装置2は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述するサーバ装置2の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、サーバ装置2の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0015】
図3は、サーバ装置2のソフトウェア構成例を示す図である。サーバ装置2は、会計データ記憶部231と、監査データ記憶部232と、対応データベース233と、排出係数記憶部234と、会計データ取得部211と、基礎データ取得部212と、排出量算出部213と、を備える。
【0016】
会計データ取得部211は、温室効果ガスの排出量を算出するための基礎データを含む会計データを取得する。基礎データは、例えば、活動量及び排出係数の少なくともいずれかとすることができる。
【0017】
活動量に係る会計データは、例えば、請求書や領収書、契約書などの会計記録データである。GHG(GreenHouse Gas)プロトコルのスコープ1(直接排出量)に係る証憑となる会計記録データとしては、例えば、ガソリンスタンドでの給油のレシート、ガスや石炭などの請求書などがあり得る。スコープ2(間接排出量)に係る証憑となる会計記録データとしては、例えば、電力の領収書や契約書などがあり得る。スコープ3(関連他社による排出量)に係る証憑となる会計記録データとしては、カテゴリー1(購入した物品・サービス)に関して、例えば、原料や部品の調達に係る発注書、請求書、契約書や領収書、あるいは調達システムのデータや部品表などがあり得る。なお、会計記録データではなく、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表データに含まれる項目を基礎データとすることも可能であり、その場合には、財務諸表データが当該基礎データに対応する会計データとなりうる。
【0018】
また、排出係数に係る証憑としての会計データには、例えば、サプライヤから入手した原材料の排出原単位の一次データ(サプライヤが独自に算出したものであってもよいし、第三者検証を受けているものであってもよい。)などがあり得る。例えば、会計記録データに含まれておらず、炭素会計の監査に用いられた監査証拠データを会計データとすることができる。
【0019】
会計データは、例えば、PDFファイルなどのドキュメントであってもよいし、XMLなどの構造化ファイルであってもよい。また、会計データを、画像データとすることも可能である。
【0020】
会計データ取得部211は、会計データを特定する情報(例えば、会計年度及び会計データの名称など)の入力をユーザ端末1から受け付けて、会計システム3にアクセスし、会計システム3に会計データを特定する情報を送信し、会計システム3から応答される会計データを受信することができる。また、会計データ取得部211は、例えば、ユーザ端末1から会計データのアップロードを受け付けるようにしてもよいし、ユーザ端末1から送信された電子メールやチャットメッセージなどのメッセージに添付された会計データを取得するようにしてもよい。
【0021】
会計データ取得部211は、取得した会計データを会計データ記憶部231に登録することができる。なお、会計データ取得部211は、会計システム3に記録されている会計データについては、会計データ記憶部231に登録せず、必要に応じて会計システム3にアクセスして取得するようにしてもよい。会計データ取得部211は、ユーザ端末1から指定された会計データが会計システム3に登録されていないときに、ユーザ端末1から受信した会計データ記憶部231に登録することができる。
【0022】
会計データ記憶部231は、会計データを記憶する。会計データ記憶部231は、例えば、会計データを特定する会計データ特定情報及び会計データを登録したユーザを示すユーザIDに対応付けて会計データを記憶することができる。会計データ特定情報は、例えば、会計年度及び会計データの名称などとすることができる。会計データ記憶部231は、リレーショナルデータベースやオブジェクトデータベースなどとして実装することもできるし、ファイルシステムとして実装することもできる。指定された会計データが会計システム3に登録されていないときに、ユーザ端末1から受信した会計データを記憶する場合、会計データ記憶部231は、会計システム3が管理していない会計データ(システム外データ)を記憶することになる。
【0023】
監査データ記憶部232は、会計データに関連する財務諸表についての会計監査が行われたことを示す監査データを記憶する。監査データは、例えば、監査法人が作成した監査報告書のデータ(電子データ形式の監査報告書又は紙の監査報告書をスキャンしたデータなど)とすることができる。監査データ記憶部232は、例えば、監査データを特定する監査データ特定情報及びユーザを示すユーザIDに対応付けて監査データを記憶することができる。監査データ特定情報は、例えば、会計年度などとすることができる。監査データ記憶部232は、リレーショナルデータベースやオブジェクトデータベースなどとして実装することもできるし、ファイルシステムとして実装することもできる。
【0024】
対応データベース233は、排出量を特定する情報と、会計データを特定する情報とを紐付けて記憶する。また、対応データベース233は、さらに、監査データを特定する情報を紐付けて記憶することもできる。本実施形態では、対応データベース233は、排出量特定情報と、基礎データを特定する基礎データID(例えば、活動量の内容)と、会計データを示す会計データ特定情報と、監査データを特定する監査データ特定情報と、を対応付けて記憶する。排出量特定情報には、例えば、年度や月、日などの時間情報を含めることができる。また、排出量特定情報には、排出量に係る温室効果ガスの出力主体(企業等)を特定する情報(ユーザIDなど)を含めることもできる。また、排出量特定情報には、計算対象となる商品やサービスを含めることもできる。
【0025】
排出係数記憶部234は、排出係数を記憶する。排出係数記憶部234は、活動を特定する情報(基礎データID)に対応付けて、排出係数を記憶することができる。基礎データIDは、例えば、活動量の種類とすることができる。;
【0026】
基礎データ取得部212は、排出量を算出するために必要なデータ(基礎データ)を取得する。基礎データは、例えば、活動量及び排出係数とすることができる。本実施形態では、活動量として会計データを取得する(会計データ取得部211が取得した会計データを会計データ記憶部231から読み出す)ものとする。排出係数は、例えば排出係数記憶部234から読み出すことができる。また、排出係数をユーザ端末1から受信するようにしてもよい。
【0027】
排出量算出部213は、基礎データに基づいて排出量を算出する。本実施形態では、排出量算出部213は、会計データに含まれる活動量を読み出し、単位変換を行い、活動量に、対応する排出係数を乗じて排出量を計算することができる。スコープ1に係る排出量の場合、例えば、排出量算出部213は、購入した燃料に係る会計データから燃料の購入金額を抽出し、当該購入金額に燃料に対応する排出係数を乗じることによる排出量を計算することができる。また、スコープ2に係る排出量の場合、排出量算出部213は、例えば、水道光熱費のうち電気に関する会計データから電気料金を抽出し、電気の排出係数を電気料金に乗じて排出量を計算することができる。また、スコープ3に係る排出量の場合、排出量算出部213は、例えば、特定の商品の仕入に係る会計データから当該商品の仕入金額を抽出し、抽出した仕入金額に、商品に対応する排出係数を乗じることにより、当該商品に関連する排出量を計算することができる。排出量算出部213は、排出係数の単位が会計データの単位と異なる場合には、会計データの活動量について単位変換を行ったうえで排出係数を乗じることができる。
【0028】
排出量出力部214は、計算した排出量を出力する。排出量出力部214は、例えば、全ての排出量の合計値を出力してもよいし、GHGプロトコルに係るスコープごとの排出量の合計値を出力してもよいし、スコープ3のカテゴリごとの排出量の合計値を出力してもよい。
【0029】
会計データ出力部215は、会計データ(又は会計データを特定する情報)を出力することができる。会計データ出力部215は、排出量特定情報の指定を受け付けることができる。例えば、会計データ出力部215は、年度や月、日などの時間情報の指定を受け付けることができる。また、会計データ出力部215は、時間情報に加えて又は代えて、排出量の主体の指定を受け付けることができる。また、会計データ出力部215は、時間情報及び/又は排出量の主体に加えて又は代えて、計算対象となる商品又はサービスを特定する情報を受け付けることができる。会計データ出力部215は、受け付けた排出量特定情報に対応する会計データ特定情報を対応データベース233から特定し、特定した会計データ特定情報により特定される会計データを会計データ記憶部231又は会計システム3から取得して出力することができる。
【0030】
会計データ出力部215は、会計データに加えて又は代えて、監査データを出力することもできる。会計データ出力部215は、受け付けた排出量特定情報に対応する監査データ特定情報を対応データベース233から特定し、特定した監査データ特定情報に対応する監査データを監査データ記憶部232から読み出して出力することができる。
【0031】
会計データ出力215は、例えば、第三者認証機関(監査機関)からのリクエストに応じて会計データ及び/又は監査データを出力することができる。また、GHGプロトコルに係る排出量を計算するユーザからのリクエストに応じて、当該排出量の算出根拠となった基礎データに係る会計データを対応データベース233から特定し、特定した会計データを排出量とともに第三者認証機関(の情報処理装置)に対して送信するようにすることもできる。
【0032】
また、会計データ出力部215は、排出量特定情報に加えて基礎データの指定を受け付けることもできる。この場合、会計データ出力部215は、排出量特定情報及び指定された基礎データを示す基礎データIDに対応する会計データ特定情報及び/又は監査データ特定情報を対応データベースから特定し、特定した会計データ特定情報及び/又は監査データ特定情報に対応する会計データ及び/又は監査データを取得して出力することができる。
【0033】
<動作>
図4は、本実施形態の情報処理システムにおける排出量の算出処理の流れを説明する図である。
【0034】
サーバ装置2は、ユーザ端末1から指定された会計データを取得する(S301)。サーバ装置2は、例えば、ユーザ端末1から会計データの指定を受け付けて、会計システム3にアクセスし、指定された会計データを取得するようにしてもよいし、ユーザ端末1から会計データを受信するようにしてもよい。サーバ装置2は、会計データに係る活動の排出係数を取得する(S302)。サーバ装置2は、例えば、会計データに係る活動を示す基礎データIDに対応する排出係数を排出係数記憶部234から読み出すことができる。
【0035】
サーバ装置2は、会計データから抽出した活動量に排出係数を乗じて排出量を計算する(S303)。サーバ装置2は、会計データに関する財務諸表の監査データの入力を受け付けて監査データ記憶部232に登録する(S304)。サーバ装置2は、排出量、基礎データ、会計データ及び監査データを対応付ける情報を対応データベース233に登録する(S305)。
【0036】
図5は、本実施形態の情報処理システムにおける会計データの出力処理の流れを説明する図である。
【0037】
サーバ装置2は、ユーザ端末1から排出量特定情報を受け付け(S321)、受け付けた排出量特定情報に対応する会計データ特定情報及び監査データ特定情報を対応データベース233から読み出し(S322)、読み出した会計データ特定情報及び/又は監査データ特定情報により特定される会計データ及び/又は監査データを取得して出力する(S323)。会計データは、例えば、会計システム3にアクセスして取得し、会計システム3から取得できない会計データは、会計データ記憶部231から取得することができる。監査データは、監査データ記憶部232から取得することができる。
【0038】
以上のようにして、本実施形態の情報処理システムによれば、温室効果ガスの排出量の算出に用いた基礎データに係る会計データ及び/又は監査データを、排出量に対応付けて管理することができる。したがって、監査や第三者認証などの場合に、排出量やその算出に用いる基礎データに対応する会計データ及び/又は監査データを容易に提示することができる。
【0039】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0040】
例えば、本実施形態では、クライアントサーバ構成のシステムであるものとしたが、例えば、ユーザ端末1がサーバ装置2の機能を備えるようにすることもできる。
【0041】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
温室効果ガスの排出量を算出するための基礎データを示す会計データを取得する会計データ取得部と、
前記基礎データに基づいて前記排出量を算出する排出量算出部と、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報と、前記会計データを特定する情報とを対応付けて記憶する対応データベースと、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報の指定を受け付け、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データを特定する情報を前記対応データベースから読み出して出力する会計データ出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記会計データには、財務諸表データ、会計記録データ、監査証拠データが含まれ、
前記会計データのうち外部の会計システムに記録されていないデータであるシステム外データを記憶する記憶部を備え、
前記会計データ出力部は、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データのうち、前記会計システムに記録されているものについては前記会計システムにアクセスして取得し、前記会計システムに記録されていないものについては前記記憶部から取得し、取得した前記会計データを出力すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目3]
項目1に記載の情報処理システムであって、
前記会計データに関連する財務諸表に係る会計監査が行われたことを示す監査データを記憶する監査データ記憶部を備え、
前記対応データベースは、前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報と、前記会計データを特定する情報と、前記監査データを特定する情報とを対応付けて記憶し、
前記る会計データ出力部は、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データを特定する情報及び前記監査データを特定する情報を前記対応データベースから読み出して出力すること、
を特徴とする情報処理システム。
[項目4]
温室効果ガスの排出量を算出するための基礎データを示す会計データを取得するステップと、
前記基礎データに基づいて前記排出量を算出するステップと、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報と、前記会計データを特定する情報とを対応付けてデータベースに記憶するステップと、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報の指定を受け付け、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データを特定する情報を前記データベースから読み出して出力するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
[項目5]
温室効果ガスの排出量を算出するための基礎データを示す会計データを取得するステップと、
前記基礎データに基づいて前記排出量を算出するステップと、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報と、前記会計データを特定する情報とを対応付けてデータベースに記憶するステップと、
前記基礎データを特定する情報又は前記排出量を特定する情報の指定を受け付け、指定された前記基礎データ又は前記排出量に対応する前記会計データを特定する情報を前記データベースから読み出して出力するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0042】
1 ユーザ端末
2 サーバ装置