(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】ボタン電話システム、ボタン電話装置、避難誘導メッセージ出力方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 27/00 20060101AFI20240528BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20240528BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20240528BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G08B27/00 B
H04M3/42 R
H04M3/42 Q
G01S5/02 A
H04M11/04
(21)【出願番号】P 2023020652
(22)【出願日】2023-02-14
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】鵤 裕司
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-199928(JP,A)
【文献】特開昭62-221287(JP,A)
【文献】特開平7-146986(JP,A)
【文献】特開平7-212498(JP,A)
【文献】特開2008-42320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S5/02
G08B1/00-9/20
23/00-31/00
H04B7/24-7/26
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q3/58-3/62
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボタン電話装置と、複数の電話端末と、一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末と、を備えたボタン電話システムにおいて、
前記電話端末は、それぞれ、配置位置が既知であり、
前記ボタン電話装置は、
前記無線端末の位置を所定のタイミングで取得することにより、前記無線端末を検出する位置取得部と、
前記電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の前記配置位置に対応づけてメッセージテーブルに記憶する記憶部と、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させるメッセージ送出部と、を備えるボタン電話システム。
【請求項2】
請求項1記載のボタン電話システムであって、
前記無線端末は、設置位置が既知の複数のアクセスポイントを介して前記ボタン電話装置に接続され、
前記位置取得部は、前記無線端末が帰属する前記アクセスポイントの前記設置位置に基づいて当該無線端末の位置を取得する、ボタン電話システム。
【請求項3】
請求項1記載のボタン電話システムであって、
前記位置取得部は、設置位置が既知のビーコン発信機からのビーコンを受信した前記無線端末からの情報に基づいて、当該無線端末の位置を取得する、ボタン電話システム。
【請求項4】
請求項1記載のボタン電話システムであって、
前記メッセージテーブルには、前記電話端末に対応づけて、当該電話端末の前記配置位置の近傍に検出された前記一時滞在者が所持する前記無線端末の情報が一時滞在者情報として登録され、
緊急時、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記従業員が所持する前記無線端末が検出された場合、前記メッセージ送出部は、前記従業員が所持する前記無線端末に、前記一時滞在者情報を送出する、ボタン電話システム。
【請求項5】
請求項1記載のボタン電話システムであって、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、前記メッセージ送出部は、当該電話端末ごとに用意された前記避難誘導メッセージを、前記一時滞在者が所持する前記無線端末にも送出する、ボタン電話システム。
【請求項6】
一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末の位置を所定のタイミングで取得することにより、前記無線端末を検出する位置取得部と、
それぞれ配置位置が既知である、複数の電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の前記配置位置に対応づけてメッセージテーブルに記憶する記憶部と、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させるメッセージ送出部と、を備えるボタン電話装置。
【請求項7】
ボタン電話装置と、複数の電話端末と、一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末と、を備えたボタン電話システムにおける避難誘導メッセージ出力方法であって、
前記ボタン電話装置が、前記電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の配置位置に対応づけて記憶するとともに、所定のタイミングで、前記無線端末の位置を取得することにより、当該無線端末を検出し、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末を検出した場合、当該ボタン電話装置が、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させる、避難誘導メッセージ出力方法。
【請求項8】
コンピュータを、
一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末の位置を所定のタイミングで取得することにより、前記無線端末を検出する位置取得手段と、
それぞれ配置位置が既知である、複数の電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の前記配置位置に対応づけてメッセージテーブルに記憶する記憶手段と、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させるメッセージ送出手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン電話システム、ボタン電話装置、避難誘導メッセージ出力方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
専用の情報表示装置等を設置することなく、構内電話システムが備える常時接続、停電時動作可能、可視可聴表示などの機能を有効に活用し、利用者へ緊急情報を音声により通知すると共に避難経路を案内することができる構内電話システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。
【0005】
特許文献1に開示の技術は、予め電話機毎の固有の避難経路情報を記憶し、緊急時、当該電話機からその避難経路情報を音声案内する。例えば、ホテル等、多種の避難経路が用意されている施設では、客室毎に最適な避難経路が異なる。特許文献1に開示の技術によれば、このような状況で、各客室に配置した電話機に、個々の客室に応じた避難経路を案内できる。
【0006】
しかしながら、ホテル等では、全ての客室に宿泊客がいるとは限らない。したがって、特許文献1に開示の技術は、無駄が多い。例えば、音声案内の音量が大きい場合、宿泊客のいない客室に配置された電話端末や、周りに人のいない廊下等に配置された電話端末等から出力される音声案内も耳に入り、宿泊客が混乱する恐れもある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、無駄なく、効率的に必要十分な避難誘導メッセージを提供し、安全性を向上させることに貢献する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の視点によれば、
ボタン電話装置と、複数の電話端末と、一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末と、を備えたボタン電話システムにおいて、
前記電話端末は、それぞれ、配置位置が既知であり、
前記ボタン電話装置は、
前記無線端末の位置を所定のタイミングで取得することにより、前記無線端末を検出する位置取得部と、
前記電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の前記配置位置に対応づけてメッセージテーブルに記憶する記憶部と、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させるメッセージ送出部と、を備えるボタン電話システムが提供される。
【0009】
本発明の第二の視点によれば、
一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末の位置を所定のタイミングで取得することにより、前記無線端末を検出する位置取得部と、
それぞれ配置位置が既知である、複数の電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の前記配置位置に対応づけてメッセージテーブルに記憶する記憶部と、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させるメッセージ送出部と、を備えるボタン電話装置が提供される。
【0010】
本発明の第三の視点によれば、
ボタン電話装置と、複数の電話端末と、一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末と、を備えたボタン電話システムにおける避難誘導メッセージ出力方法であって、
前記ボタン電話装置が、前記電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の配置位置に対応づけて記憶するとともに、所定のタイミングで、前記無線端末の位置を取得することにより、当該無線端末を検出し、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末を検出した場合、当該ボタン電話装置が、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させる、避難誘導メッセージ出力方法が提供される。
【0011】
本発明の第四の視点によれば、
コンピュータを、
一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末の位置を所定のタイミングで取得することにより、前記無線端末を検出する位置取得手段と、
それぞれ配置位置が既知である、複数の電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の前記配置位置に対応づけてメッセージテーブルに記憶する記憶手段と、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させるメッセージ送出手段として機能させるためのプログラムが提供される。
【0012】
なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、無駄なく、効率的に必要十分な避難誘導メッセージが提供されるため、安全性の向上に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第一実施形態のボタン電話システムの全体構成図である。
【
図2】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第一実施形態のボタン電話装置の機能ブロック図およびハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の第一実施形態のメッセージテーブルの一例を説明するための説明図である。
【
図4】本発明の第一実施形態の無線IP端末テーブルの一例を説明するための説明図である。
【
図5】本発明の第一実施形態の、事前設定処理のフローチャートである。
【
図6】本発明の第一実施形態の、チェックイン処理のフローチャートである。
【
図7】本発明の第一実施形態の、チェックアウト処理のフローチャートである。
【
図8】本発明の第一実施形態の、宿泊客向け緊急事態発生時処理のフローチャートである。
【
図9】本発明の第一実施形態の、従業員向け緊急事態発生時処理のフローチャートである。
【
図10】本発明の第二実施形態の電話システムの全体構成図である。
【
図11】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第二実施形態の、ビーコンテーブルおよび無線IP位置テーブルの一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と呼ぶ。)の概要について図面を参照して説明する。なお、図面の参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向および単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。
【0016】
また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポートやインタフェースがあるが図示を省略する。また、以下の説明において、「Aおよび/またはB」は、AまたはB、もしくは、AおよびBという意味で用いる。
【0017】
<<第一実施形態>>
本実施形態では、不特定多数の一時滞在者に、多数の避難経路の中から最適な避難経路を通知する必要のある施設において、ボタン電話装置を用いたシステム(ボタン電話システム)を利用し、個々の滞在者に最適な避難経路を通知する。以下、本実施形態の詳細を、本実施形態のボタン電話システムがホテルで用いられる場合を例にあげて説明する。
【0018】
まず、本実施形態のボタン電話システム100の全体構成について説明する。
図1は、本実施形態のボタン電話システム100の全体構成図である。本図に示すように、本実施形態のボタン電話システム100は、ボタン電話装置200と、ボタン電話機(電話端末)300と、無線IP端末400と、を備える。
【0019】
電話端末300および無線IP端末400の数は問わない。電話端末300は、フロント、各客室、ロビー、エレベータホール、宴会場、レストラン等、ホテルの各所に配置される。無線IP端末400は、基本的に、ホテルの全従業員および全宿泊客に所持される。
【0020】
各電話端末300は、ボタン電話装置200に収容される。また、無線IP端末400は、最寄りの無線基地局(アクセスポイント(Access Point;AP)500を介してLAN(ローカルエリアネットワーク)等のIPネットワーク900に接続する。また、ボタン電話装置200もLAN900に接続する。
【0021】
以下、電話端末300は、客室端末310とフロント端末320とに、必要に応じて区別して説明する。フロント端末320は、ホテルのフロント等に配置され、ボタン電話装置200の入出力装置としても使用される端末である。客室端末310は、フロント端末320以外の、客室、廊下等に配置される電話端末300の総称である。いずれも、略固定した位置に配置される。
【0022】
ボタン電話装置200は、IPネットワーク接続機能付きの、いわゆる、ボタン電話システムの主装置である。本実施形態では、IPネットワーク900を介しアクセスポイント500と接続する。なお、アクセスポイント500は、無線接続により、無線IP端末400と接続する。本実施形態の無線IP端末400は、アクセスポイント500を介してボタン電話装置200に収容され、内線番号が付与される。
【0023】
アクセスポイント500には、IPアドレス等、他のアクセスポイントと重複しない番号が付与される。本実施形態では、アクセスポイントは、例えば、ホテルの各客室、レストランや宴会場、ロビー、フロント周辺、エレベータホール等に配置される。本実施形態では、後述するように、電話端末300の配置位置特定に用いられるため、例えば、電話端末300が配置される近傍にそれぞれ配置されることが望ましい。
【0024】
無線IP端末400は、ホテル内に設置されているいずれかのアクセスポイント500を介してボタン電話装置200と接続できる。無線IP端末400は、アクセスポイント500の電波強度を測定し、最も電波強度の強いアクセスポイント500を最寄りのアクセスポイント500と判別する。そして、判別した最寄りのアクセスポイント500に接続されるよう動作する。
【0025】
なお、無線IP端末400は、例えば、スマートフォン等の無線通信機能付きの携帯型情報処理装置(無線端末)である。無線IP端末400として、専用の端末が用意されてもよい。また、無線IP端末400は、汎用の携帯型情報処理装置に、専用のアプリケーションをインストールすることにより、実現されてもよい。以下、本実施形態では、汎用のスマートフォンに、専用のアプリケーションをインストールすることで実現される場合を例にあげて説明する。
【0026】
また、ボタン電話装置200は、IPネットワークまたはデジタル接続により、客室端末310およびフロント端末320を収容する。客室端末310およびフロント端末320には内線番号が付与される。客室端末310およびフロント端末320は、応答することなく、ボタン電話装置200からの音声等を再生することができる。
【0027】
ここで、ボタン電話装置200の詳細について説明する。
図2(a)は、本実施形態のボタン電話装置200の、本実施形態の処理に関連する機能の、機能ブロック図である。
【0028】
本図に示すように、本実施形態のボタン電話装置200は、情報管理部210と、位置取得部220と、メッセージ送出部230と、記憶部260と、を備える。
【0029】
記憶部260は、メッセージテーブル261と、無線IP端末テーブル262と、を備え、各部の指示に従って、これらのテーブルの追加、削除等の更新を行う。
【0030】
メッセージテーブル261は、アクセスポイント500のIPアドレスに対応づけて、電話端末300の内線番号、避難誘導メッセージ、アクセスポイント500の設置位置が保存される。メッセージテーブル261の具体例を、
図3に示す。
【0031】
本図に示すように、本実施形態のメッセージテーブル261は、アクセスポイント500毎に、アクセスポイント(Access Point)IPアドレス261aと、電話端末内線番号261bと、避難誘導メッセージと、アクセスポイント設置位置261eと、呼び出し中宿泊客名261fと、を備える。避難誘導メッセージは、宿泊者向けの避難誘導メッセージ261cと、従業員向けの避難誘導メッセージ261dと、が登録される。
【0032】
電話端末内線番号261bについては、例えば、アクセスポイント500が客室内に配置されている場合、同じ客室内の客室端末310の内線番号が登録される。また、廊下等の客室内以外にアクセスポイント500が配置されている場合は、距離的に最も近くに配置される電話端末300の内線番号が登録される。
【0033】
宿泊者向けの避難誘導メッセージ261cと、従業員向けの避難誘導メッセージ261dとは、音声メッセージ用のひな型である。後述するように、無線IP端末テーブル262から取得した使用者名と組み合わせて、出力する音声メッセージが作成される。なお、客室端末310が表示機能を有する場合、表示メッセージであってもよい。
【0034】
また、従業員向けの避難誘導メッセージ261dには、後述する呼び出し中宿泊客名261fの有無により、2種のメッセージが登録される。以下、呼び出し中宿泊客名261fが登録されている際に用いられるメッセージを登録有メッセージと呼び、登録されていない際に用いられるメッセージを不在時メッセージと呼ぶ。登録有メッセージには、例えば、対応するアクセスポイント設置位置261eに関する情報が含まれていてもよい。
【0035】
アクセスポイント設置位置261eについても同様に、アクセスポイント500が客室に配置されている場合は、その客室番号が登録される。また、廊下等の客室内以外にアクセスポイント500が配置されている場合は、配置位置の特徴、または、距離的に最も近くに配置される電話端末300の配置位置の特徴が登録される。例えば、5階の廊下南端に配置されている場合は、「5階廊下南端」と、3302号室近くの廊下に配置されている場合は、「3302号室付近廊下」等である。
【0036】
呼び出し中宿泊客名261fは、対応する電話端末300に、宿泊客向けの避難誘導メッセージ261cが出力されている場合、登録される。詳細は、後述する。
【0037】
無線IP端末テーブル262は、ボタン電話装置200がその時点で収容する無線IP端末400毎に、当該端末に割り当てられた内線番号と、使用者の名前と、使用者の区分(属性)と、を対応づけて記憶したテーブルである。
図4に、その一例を示す。
【0038】
本図に示すように、無線IP端末テーブル262は、無線IP端末に割り当てられた内線番号(無線IP内線番号)262a毎に、その無線IP端末400の使用者名262bと、使用者区分262cと、が登録される。使用者区分262cは、本実施形態では、宿泊客と従業員とのいずれかである。なお、区分は、これに限定されない。区分に応じて、メッセージテーブル261に、異なる避難誘導メッセージが用意される。
【0039】
これらは、後述するように、宿泊客については、チェックイン時に登録され、チェックアウト時に削除される。従業員については、適宜、登録、削除される。なお、無線IP内線番号262aは、一意な値のみ受け付ける。
【0040】
情報管理部210は、記憶部260に記憶される情報を管理する。本実施形態では、メッセージテーブル261および無線IP端末テーブル262を管理する。本実施形態の情報管理部210は、ユーザからの指示に従って、これらのテーブルに情報を登録したり、テーブルから情報を削除したりする指示を記憶部260に行う。
【0041】
本実施形態では、フロント端末320が、ボタン電話装置200の入出力装置として用いられる場合を例にあげて説明する。すなわち、ユーザ(例えば、フロントクラーク)は、フロント端末320を介して、メッセージテーブル261へ登録する情報および/または無線IP端末テーブル262へ登録する情報を指示する。
【0042】
なお、たとえば、ボタン電話装置200に、入出力装置が備えられている場合は、それらを用いて登録してもよい。
【0043】
位置取得部220は、ボタン電話装置200がその時点で収容する各無線IP端末400の、位置情報を取得する位置取得処理を行う。本実施形態では、各無線IP端末400が使用するアクセスポイント500の設置位置を、当該無線IP端末400の位置として取得する。なお、本実施形態では、位置取得部220は、緊急事態が発生した際、所定の時間間隔で、位置取得処理を実行する。
【0044】
メッセージ送出部230は、緊急事態が発生した際(緊急時)、無線IP端末400を所持する宿泊者、従業員に対し、避難誘導メッセージを送出する。本実施形態では、緊急時に、電話端末300の近傍に宿泊客が所持する無線IP端末400が検出された場合、当該電話端末300に宿泊客向けの避難誘導メッセージ261cを送出する。また、電話端末300の近傍に従業員が所持する無線IP端末400が検出された場合、当該無線IP端末400に、従業員向けの避難誘導メッセージ261dを送出する。
【0045】
すなわち、メッセージ送出部230は、位置取得部220が取得した、各無線IP端末400の位置に基づいて、最寄りの電話端末300と使用者の区分とを特定する。そして、使用者が宿泊客の場合、宿泊客向けの避難誘導メッセージ261cを送出する。一方、使用者が従業員の場合、従業員が所持する無線IP端末400に従業員向けの避難誘導メッセージ261dを送出する。なお、詳細は、後述する。
【0046】
以下、各処理の流れを説明する。
【0047】
[事前設定]
まず、事前設定処理を説明する。
図5は、事前設定処理の流れを説明するための図である。事前設定処理は、アクセスポイント500の設置時に行う処理であり、メッセージテーブル261を生成、更新する処理である。アクセスポイント500を新規に設置したり、設置位置を変更したりする際に行われる。また、本実施形態では、フロント端末320を、ボタン電話装置200の入出力端末として用いる場合を例にあげて説明する。
【0048】
フロントクラークは、フロント端末320を介し、アクセスポイント(AP)500のIPアドレスおよびその設置位置等、メッセージテーブル261に必要な事項を入力する(ステップS1101)。
【0049】
情報管理部210は、フロント端末320を介してフロントクラークからの入力を受け付けると、記憶部260に、受け付けた事項をメッセージテーブル261に登録するよう指示する(ステップS1102)。記憶部260は、指示に従って、メッセージテーブル261に登録することにより、メッセージテーブル261を更新する(ステップS1103)。例えば、新たなアクセスポイント500が追加された場合は、新規にレコードを追加し、既存のアクセスポイント500の情報が変更された場合は、該当するレコードの該当情報を変更する。最終的に更新結果をメッセージテーブル261に記憶する。
【0050】
[チェックイン処理]
次に、チェックイン時の処理(チェックイン処理)について説明する。
図6は、チェックイン処理を説明するための図である。チェックイン処理は、宿泊客が所持するスマートフォンを、本実施形態のボタン電話システム100の無線IP端末400として無線IP端末テーブル262に登録する処理である。なお、従業員の場合も、従業員に無線IP端末400が渡された際、同じ処理が行われる。
【0051】
ここでは、上述のように、宿泊客のスマートフォンに、予め専用のアプリケーションがインストールされているものとする。専用のアプリケーションには、各スマートフォンを一意に識別するID(識別情報)が登録されているものとする。なお、IDの代わりに、スマートフォンの電話番号等を用いてもよい。
【0052】
チェックイン時、フロントクラークは、フロント端末320を介して、チェックイン処理の開始を指示する。フロント端末320は、受け付けた開始指示を、情報管理部210に送信する(ステップS1201)。
【0053】
なお、例えば、フロント端末320の、所定のボタンにチェックインの開始指示を予め登録しておく。すなわち、当該ボタンの押下を受け付けた場合、フロント端末320は、チェックイン開始の指示を受け付けたと判断し、ボタン電話装置200に開始指示を送信する。以下、他の処理についても同様とする。
【0054】
宿泊客は、専用のアプリケーションを用いて、スマートフォンをホテル内のアクセスポイント500に接続する(ステップS1202)ことにより、ボタン電話装置200にIDを通知する。
【0055】
アクセスポイント500は、通知を受けたIDを情報管理部210に送信する(ステップS1203)。
【0056】
情報管理部210は、記憶部260から宿泊客のスマートフォンに付与する無線IP内線番号を取得する(ステップS1204)。例えば、記憶部260は、無線IP端末テーブル262を参照し、未使用の無線IP内線番号を情報管理部210に提供する。
【0057】
情報管理部210は、取得した無線IP内線番号を、アクセスポイント500経由で宿泊客のスマートフォンに付与し、無線IP端末400とする(ステップS1205、S1206)。また、フロント端末にも、取得した無線IP内線番号を通知する(ステップS1207)。
【0058】
通知を受けたフロント端末320では、フロントクラークから、宿泊客名および区分の入力を受け付け、情報管理部210に送信する(ステップS1208)。そして、情報管理部210は、通知した無線IP内線番号に対応づけて、受信した宿泊客名および区分を、無線IP端末テーブル262に登録するよう記憶部260に指示する(ステップS1209)。記憶部260は、指示に従って、無線IP端末テーブル262にレコードを追加し(ステップS1210)、処理を終了する。
【0059】
[チェックアウト処理]
次に、チェックアウト時の処理(チェックアウト処理)を説明する。
図7は、チェックアウト処理を説明するための図である。チェックアウト処理は、宿泊客が使用する無線IP端末400に係る情報を、無線IP端末テーブル262から削除する処理である。なお、従業員が無線IP端末400を手放す際も同じ処理が行われる。
【0060】
フロントクラークは、フロント端末320を介して、チェックアウト開始を指示する。フロント端末320は、受け付けた開始指示を、情報管理部210に送信する(ステップS1301)。
【0061】
情報管理部210は、記憶部260に無線IP端末テーブル262の一覧の提供を依頼し、取得する(ステップS1302)。そして、それをフロント端末320に送付する(ステップS1303)。
【0062】
フロント端末320は、受け取った一覧をフロントクラークに提示し、チェックアウトする宿泊客の指定、すなわち、削除する対象者の指定を受け付ける。そして、受け付けた削除指定を情報管理部210に送信する(ステップS1304)。
【0063】
情報管理部210は、受信した削除指定に従って、記憶部260に対し、削除指示を行い、記憶部260は、無線IP端末テーブル262から指定されたレコードを削除し(ステップS1306)、処理を終了する。
【0064】
なお、フロントクラークは、処理終了後、宿泊客に、専用アプリケーションの削除を依頼してもよい。
【0065】
また、上記処理において、ステップS1301からS1303の処理無しに、フロント端末320において、チェックアウトする宿泊客名を受け付け、情報管理部210に送信してもよい。この場合、情報管理部210が、受け付けた宿泊客名を有するレコードを削除するよう、記憶部260に指示する。
【0066】
[宿泊客向け緊急事態発生時処理]
次に、緊急事態発生時の処理について説明する。まず、宿泊客に対する処理を説明する。
図8は、宿泊客向け緊急事態発生時処理を説明するための図である。本実施形態のボタン電話システム100は、緊急事態発生時に、宿泊客が近傍に存在する電話端末300から、個々の宿泊客に最善の避難誘導を促すメッセージを出力する。
【0067】
緊急事態が発生した場合、フロントクラークは、フロント端末320を介して、避難誘導の開始指示を行う。これを受け、フロント端末320は、避難誘導開始指示を、ボタン電話装置200に送出する(ステップS1401)。
【0068】
ボタン電話装置200では、避難誘導開始指示を受信すると、まず、位置取得部220が、ホテル内の各無線IP端末の位置取得処理を行う。
【0069】
ここでは、位置取得部220は、各アクセスポイント500に対し、無線IP端末検索指示を送信する(ステップS1402)。無線IP端末検索指示を受信した各アクセスポイント500は、自装置に接続する(帰属する)無線IP端末400を検索し(ステップS1403)、その無線IP内線番号を取得し(ステップS1404)、自装置(アクセスポイント500)のIPアドレスとともに、無線IP内線番号を位置取得部220に返信する(ステップS1405)。これにより、位置取得部220は、アクセスポイント500毎に、近傍の無線IP端末400を知ることができる。
【0070】
位置取得部220は、取得した、アクセスポイント500毎の、当該アクセスポイント500に帰属する無線IP端末400の無線IP内線番号を、各無線IP端末400の位置情報として、メッセージ送出部230に送信する(ステップS1406)。
【0071】
メッセージ送出部230は、まず、無線IP端末テーブル262を参照し、取得した無線IP内線番号を有する各無線IP端末400の、使用者名262bおよび使用者区分262cを特定する(ステップS1407、ステップS1408)。
【0072】
そして、メッセージ送出部230は、使用者区分262cが、宿泊客である無線IP端末400に対し、以下の処理を行う。
【0073】
まず、メッセージ送出部230は、メッセージテーブル261を参照し、当該無線IP端末400が現時点で帰属するアクセスポイントのIPアドレス261aから、最寄りの客室端末310の電話端末内線番号261bおよび宿泊客向けの避難誘導メッセージ261cを取得する(ステップS1411)。
【0074】
そして、メッセージ送出部230は、ステップS1407で特定した使用者名262bと、ステップS1411で取得した宿泊客向けの避難誘導メッセージ261cとを用いて、出力する音声メッセージを作成する(ステップS1412)。
【0075】
メッセージ送出部230は、ステップS1411で取得した客室端末310の内線番号に対し、呼び出しを行うとともに、作成した音声メッセージを送出する(ステップS1413)。また、当該客室端末310が呼び出し中であることを、メッセージテーブル261の呼び出し中宿泊客名261fに登録する(ステップS1414)。この時、ステップS1407で特定した使用者名262bを登録する。
【0076】
以上の処理により、緊急時、宿泊者の無線IP端末400が近傍に存在する電話端末300から、例えば、音声による、避難誘導メッセージが出力される。
【0077】
[従業員向け緊急事態発生時処理]
次に、緊急事態発生時の、従業員に対する処理を説明する。
図9は、従業員向け緊急事態発生時処理を説明するための図である。従業員向け緊急事態発生時処理は、近傍に宿泊客がいることを従業員に知らせる処理である。なお、ステップS1408までは、上述の宿泊客向け緊急事態発生時処理と同様であるため、説明を省略する。
【0078】
ステップS1408で特定した使用者区分262cが、従業員である無線IP端末400に対し、メッセージ送出部230は、以下の処理を行う。
【0079】
まず、メッセージ送出部230は、メッセージテーブル261を参照し、当該無線IP端末400が現時点で帰属するアクセスポイントのIPアドレス261aに、呼び出し中宿泊客名261fが登録されているかを判別する。
【0080】
登録されている場合、登録されている使用者名262bと、従業員向け避難誘導メッセージ261dのうちの登録有メッセージと、を取得する(ステップS1421)。なお、ここで、呼び出し中宿泊客名261fが登録されていない場合、従業員向け避難誘導メッセージ261dのうち、不在時のメッセージを取得する。
【0081】
メッセージ送出部230は、呼び出し中宿泊客名261fが登録されている場合、登録されている使用者名262bと、登録有のメッセージとを用いてメッセージを作成する(ステップS1422)。
【0082】
そして、メッセージ送出部230は、当該無線IP端末400の無線IP内線番号に向けて、生成したメッセージ(または不在時のメッセージ)を、アクセスポイント500経由で送信する(ステップS1423、S1424)。
【0083】
なお、宿泊客、従業員ともに、緊急事態発生時は、移動することが想定される。したがって、上記緊急事態発生時処理の、ステップS1402以降の処理は、所定の時間間隔で、繰り返し実行する。
【0084】
[具体例]
ここで、宿泊者向け緊急事態発生時処理を具体例で説明する。ここでは、AAヤマ様(宿泊者)が、3301号室に滞在しているケースを考える。AAヤマ様は、無線IP内線番号が「4410」の無線IP端末400を所持している。そして、この無線IP端末400は、3301号室に設置されているアクセスポイント500(IPアドレス:172.16.0.201)を使用している。
【0085】
緊急事態発生時、位置取得部220は、アクセスポイント500を介して無線IP端末400を検索する。例えば、検索メッセージを送信する。アクセスポイント500は、無線IP端末400から無線IP内線番号(ここでは、「4410」)を受け取り、自装置のIPアドレス(ここでは、「172.16.0.201」)とともに、その無線IP内線番号「4410」を、位置取得部220に返信する。
【0086】
位置取得部220は、取得したIPアドレス「172.16.0.201」と無線IP内線番号「4410」とをメッセージ送出部230に通知する。
【0087】
メッセージ送出部230は、無線IP端末テーブル262を参照し、無線IP内線番号262aが「4410」の使用者名262bは、「AAヤマ」様であり、使用者区分262cが、「宿泊客」であることを取得する。
【0088】
また、メッセージ送出部230は、メッセージテーブル261を参照し、IPアドレス261aが「172.16.0.201」のレコードの、電話端末内線番号261b「3301」と、宿泊客向け避難誘導メッセージ261c「***様、廊下に出て左です。」を取得する。
【0089】
メッセージ送出部230は、取得した使用者名262bと、宿泊客向け避難誘導メッセージ261cとを組み合わせ、「AAヤマ様、廊下に出て左です。」という避難誘導メッセージを生成する。そして、内線番号「3301」の客室端末310に対し音声呼び出しを行い、「AAヤマ様、廊下に出て左です。」という避難誘導メッセージを再生する。
【0090】
なお、上述のように、無線IP番号「4410」の無線IP端末400が移動し、例えば、アクセスポイント(IPアドレス:172.16.1.202)を使うようになった場合は、内線番号「3302」の客室端末310に対し、「AAヤマ様、階段室へ向かって下さい。」という避難誘導メッセージを送信し、再生する。
【0091】
3302号室に滞在している宿泊客のAAヤマ様は、その避難誘導メッセージに従って、避難する。
【0092】
次に、従業員向け緊急事態発生時処理を具体例で説明する。宿泊客の「AAヤマ様」を呼び出し中に、従業員の「CCオカ」さんが、3301号室付近にいる。そして、従業員の「CCオカ」さんが所持する無線IP端末400は、無線IP内線番号が「4412」であり、IPアドレスが「172.16.0.201」のアクセスポイントを使用しているものとする。
【0093】
緊急事態発生時、位置取得部220は、アクセスポイント500を介して、無線IP端末400を検索する。アクセスポイント500は、無線IP端末400から、無線IP内線番号(ここでは、「4412」)を受け取り、自装置のIPアドレス(ここでは、「172.16.0.201」)とともに、位置取得部220に返信する。
【0094】
位置取得部220は、取得したIPアドレス「172.16.0.201」と無線IP内線番号「4412」とをメッセージ送出部230に通知する。
【0095】
メッセージ送出部230は、無線IP端末テーブル262を参照し、無線IP内線番号262aが「4412」の使用者名262bは、「CCオカ」さんであり、使用者区分262cが、「従業員」であることを取得する。
【0096】
次に、メッセージ送出部230は、メッセージテーブル261を参照し、IPアドレス261aが「17216.0.201」のレコードにおいて、呼び出し中宿泊客名261fが登録されているか否かを判別する。
【0097】
例えば、呼び出し中宿泊客名261fに、「AAヤマ」様が登録されているものとする。メッセージ送出部230は、当該レコードから、従業員向け避難誘導メッセージ261dの、登録有メッセージである「***様が、3301号室に滞在しています。」を取得する。そして、呼び出し中宿泊客名261fに登録されている「AAヤマ」様と組み合わせ、「AAヤマ様が、3301号室に滞在しています。」というメッセージを生成し、無線IP内線番号262aが「4412」の無線IP端末400に送信し、通知する。
【0098】
それを見た従業員の「CCオカ」さんは、自身の現在地の最寄りの客室3301号室に宿泊客の「AAヤマ」様が滞在していることを知り、その宿泊客の「AAヤマ」様を避難誘導することができる。
【0099】
一方、呼び出し中宿泊客名261fに、誰も登録されていない場合は、メッセージ送出部230は、当該レコードから、従業員向け避難誘導メッセージ261dの、不在時メッセージである「この付近にお客様はいません。」を取得する。そして、そのメッセージを、無線IP内線番号262aが「4412」の無線IP端末400に送信し、通知する。
【0100】
それを見た従業員の「CCオカ」さんは、現在地の最寄りの客室3301号室には、だれも宿泊客がいないことを把握でき、事前に定めた避難誘導行動を行うことができる。
【0101】
[ボタン電話装置のハードウェア構成]
ここで、本実施形態のボタン電話装置200のハードウェア構成について説明する。
図2(b)は、本実施形態のボタン電話装置200のハードウェア構成図である。本図に示すように、本実施形態のボタン電話装置200は、例えば、コントローラ291と、通信I/F292と、電話網制御装置293と、IP網制御装置294と、を備える。
【0102】
コントローラ291は、CPU(Central Processing Unit)と、記憶装置(メモリ)と、を備え、ボタン電話装置200の各部を制御する。
【0103】
CPUは、例えば、記憶装置に記憶されたプログラムをロードして実行する。なお、CPUの代わりにMPU(Micro Processing Unit)等の1以上のプロセッサを用いてもよい。記憶装置には、ボタン電話装置200が実行するプログラム等が格納され、これらをCPUが処理する際のワーク領域としても用いられる。
【0104】
通信I/F292は、有線または無線による信号、データの送受信を行う。例えば、外線電話網に接続するための外線I/F、内線電話機に接続するための内線I/F、LAN等のネットワーク(IPネットワーク900)に接続するためのネットワークI/F等を備える。ネットワークI/Fは、IPネットワーク900を介して、スマートフォン等の無線端末およびプッシュ通知サーバを含む他の通信装置と通信を行う。
【0105】
電話網制御装置293は、所定の呼制御手順に従い、内線電話機(電話端末300)および外線電話網と連携して呼制御処理を実施する。これにより、内線電話機同士の通話路、あるいは、内線電話機と外線電話網側の電話機との通話路を確立・解放する。そして、確立された通話路を用いて、内線電話機同士、あるいは内線電話機と外線電話網側の電話機との通話を中継する。
【0106】
IP網制御装置294は、無線電話端末(無線IP端末400)に内線電話サービスを提供する主装置として必要な処理を実施する。具体的には、SIP(Session Initiation Protocol)等の所定の呼制御プロトコルに従い、無線電話端末と呼制御メッセージを送受信することにより、無線電話端末間に通話路を確立したり、確立された通話路を解放したりする。また、RTP(Realtime Transport Protocol)等の所定の伝送プロトコルに従い、通話路を介して無線電話端末間の音声通話あるいはテレビ音声通話を中継する。
【0107】
本実施形態のボタン電話装置200の上記各機能は、それぞれ、記憶装置に記憶されたプログラムを、CPUがロードして実行することにより実現される。また、メッセージテーブル261、無線IP端末テーブル262等は、記憶装置に構築されてもよい。また、処理の途中に生成されるデータは、記憶装置に記憶される。
【0108】
なお、ボタン電話装置200のハードウェア構成は、これに限定されない。図示しないハードウェアを含んでもよい。
【0109】
[電話端末のハードウェア構成]
電話端末300は、ボタン電話装置200に収容されるボタン電話機であってもよいし、VoIP(Voice over Internet Protocol)に従って、IP網を通じて音声通話を行うためのIP電話機(または、スマートフォン)であってもよい。
【0110】
[無線IP端末のハードウェア構成]
本実施形態の無線IP端末400は、例えば、CPUと、メモリと、通信インタフェース(I/F)と、ディスプレイ等を備える、一般のスマートフォン等で実現される。上記各機能は、予め用意された専用アプリケーションを、ネットワーク上のサーバからダウンロードしてインストールすることにより、実現される。
【0111】
なお、上述したように、上記各機能を備え、IP通信が可能な専用の無線IP端末を用いてもよい。専用の無線IP端末には、予め無線IP内線番号を付与しておいてもよい。例えば、従業員が使用する無線IP端末は、専用の装置で実現し、宿泊客については、専用アプリケーションで実現してもよい。もちろん、スマートフォンを所持しない宿泊客については、専用の無線IP端末を提供するよう構成してもよい。
【0112】
以上説明したように、本実施形態によれば、チェックイン時に宿泊客のスマートフォン(無線IP端末400)に付与した無線IP内線番号と、当該スマートフォン(無線IP端末400)が使用するアクセスポイント500の配置位置とに基づいて、電話端末300の近傍における宿泊客の有無を判別し、有りと判別した場合、当該電話端末300に向けて、当該エリアに最適な避難誘導メッセージを送出し、出力させることができる。したがって、無駄なく、効率的に必要十分な避難誘導メッセージを宿泊客に提供できる。
【0113】
また、緊急時、従業員に対しても、現在地の付近の宿泊客の有無により、適切なメッセージを送出することができる。したがって、従業員も、無駄に各客室を回って宿泊客の有無を確認する必要がない。このため、効率的な避難誘導を行うことができる。
【0114】
さらに、本実施形態によれば、一時的に滞在する宿泊客についても、無線IP端末400に対応づけて、氏名が登録されている。したがって、氏名を付したメッセージを送出することができる。宿泊客は、緊急時に大量の避難誘導メッセージが出力される中、自分用の避難誘導メッセージを聞き分けることができる。
【0115】
以上より、本実施形態によれば、多数の一時的な滞在者のいる施設において、無駄なく、効率的な避難誘導を行うことができ、安全性が向上する。
【0116】
<<第二実施形態>>
次に、本発明を適用する第二実施形態を説明する。本実施形態では、無線IP端末400の位置を、ビーコンで取得する。以下、本実施形態について、第一実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
【0117】
図10は、本実施形態のボタン電話システム100aの全体構成図である。本実施形態のボタン電話システム100aは、第一実施形態の構成に加え、複数のビーコン発信機600と、位置管理サーバ700と、をさらに備える。
【0118】
ビーコン発信機600は、ビーコンIDを含むビーコンを所定の時間間隔で出力する。ビーコン発信機600は、例えば、客室の入り口付近、エレベータ乗降口付近、階段付近、廊下等、それぞれ、電話端末300付近に設置される。
【0119】
位置管理サーバ700は、IPネットワーク900を介してボタン電話装置200と接続され、無線IP端末400の位置を管理する。本実施形態では、各ビーコンと電話端末300とを対応づけてビーコンテーブル710として管理する。
【0120】
ビーコンテーブル710の一例を、
図11(a)に示す。本図に示すように、ビーコンテーブル710では、各ビーコン発信機600が出力するビーコンに含まれるビーコンID710aに、当該ビーコン発信機600の最寄りの電話端末300の内線番号710bが登録される。
【0121】
本実施形態の無線IP端末400は、ビーコンを受信すると、当該ビーコンに含まれるビーコンIDと、自装置(無線IP端末400)の識別情報として、付与された無線IP内線番号を、位置管理サーバ700に送信する。また、ビーコンIDと無線IP内線番号とを送信する処理は、無線IP端末400にインストールされた専用アプリケーションにより実現される。なお、無線IP内線番号の代わりに、上記専用アプリケーションにより登録されたIDを送信してもよい。
【0122】
位置管理サーバ700は、無線IP端末400から、無線IP内線番号とビーコンIDとを位置情報として受信する毎に、受信日時に対応づけて、それらを無線IP位置テーブル720に保持する。ここで、無線IP位置テーブル720の一例を、
図11(b)に示す。
【0123】
無線IP位置テーブル720では、日時720aに対応づけて、その日時に取得した無線IP内線番号720bとビーコンID720cとを記憶する。なお、同じ無線IP内線番号720bの情報を受信した場合、受信日時の古いレコードは、削除するよう構成してもよい。また、無線IP位置テーブル720は、無線IP内線番号毎に設け、日時とビーコンIDとを登録するよう構成してもよい。
【0124】
なお、本実施形態では、情報管理部210は、チェックアウト時、チェックアウトした宿泊客が使用していた無線IP端末400の無線IP内線番号に係るレコードを全て無線IP位置テーブル720から削除するよう、位置管理サーバ700に指示する。また、従業員がホテルから退出する際も同様である。これにより、現在、ホテルに滞在中の宿泊客、勤務中の従業員のデータのみ保持される。
【0125】
本実施形態では、位置取得部220は、緊急時、位置管理サーバ700にアクセスし、各無線IP端末400について、最新の位置情報を取得する。本実施形態では、無線IP位置テーブル720に登録される各無線IP内線番号720bについて、それぞれ、最新の無線IP内線番号720bに対応づけられたビーコンID720cを取得する。そして、位置取得部220は、ビーコンテーブル710を参照し、最寄りの電話端末300の内線番号を取得する。
【0126】
また、メッセージ送出部230は、第一実施形態同様、無線IP端末テーブル262を参照し、無線IP位置テーブル720に登録される各無線IP内線番号720bを、無線IP内線番号262aとして有する無線IP端末400の使用者の区分を特定する。そして、区分が宿泊者の場合、取得した最寄りの電話端末300に対し、避難誘導メッセージを送出する。
【0127】
その他の機能、処理は第一実施形態と同様である。
【0128】
なお、本実施形態では、アクセスポイント500は備えなくてもよい。この場合、事前設定は不要である。また、チェックイン時等のアクセスポイント500に関連する処理も不要である。
【0129】
本実施形態によれば、例えば、客室数より少ない数のアクセスポイント500しか設置されていない場合であっても、現在位置を、精度よく特定できる。したがって、第一実施形態で得られる効果に加え、さらに精度よく宿泊客に避難誘導メッセージを提供できる。
【0130】
もちろん、無線IP端末の位置の取得について、アクセスポイント500を使う第一実施形態の手法と、ビーコン発信機600を使う第二実施形態の手法とは、併用が可能である。
【0131】
<変形例1>
なお、上記各実施形態では、緊急事態発生時に、宿泊客の最寄りの電話端末300に宿泊客用の避難誘導メッセージ261cを出力させている。しかし、これに限定されない。例えば、宿泊客の無線IP端末400に宿泊客用の避難誘導メッセージ261cを送信し、出力させてもよい。
【0132】
この場合、避難誘導メッセージ261cとして音声メッセージだけでなく、例えば、避難経路を表示する画面データ(または、動画データ)が、さらに登録されていてもよい。
【0133】
このように構成することにより、例えば、宿泊客が、広い客室にいる場合や、宴会場等にいる場合であっても、各宿泊客に、確実に、最善の避難経路を通知することができる。
【0134】
<変形例2>
上記実施形態では、アクセスポイント500が追加、変更される毎に、メッセージテーブル261に記憶される全ての情報を、フロントクラークが入力しているが、これに限定されない。例えば、予め、各客室端末310の内線番号に対応づけて、当該客室端末310の配置位置、配置位置に応じた宿泊者向け避難誘導メッセージおよび従業員向け避難誘導メッセージを、客室端末テーブルとして保持しておいてもよい。この場合、フロントクラークが、最寄りの客室端末310の内線番号を入力することにより、情報管理部210が、対応する宿泊者向け避難誘導メッセージ、従業員向け避難誘導メッセージおよびアクセスポイント設置位置と、を客室端末テーブルから取得し、メッセージテーブル261に登録する。
【0135】
<変形例3>
上記実施形態では、チェックイン時、宿泊客のスマートフォンを特定する情報を、専用アプリケーションによりボタン電話システム100に送信するよう構成しているが、これに限定されない。
【0136】
例えば、上記ステップS1202およびS1203の処理を行わず、情報管理部210が取得した無線IP内線番号を、フロント端末320に送信する。そして、フロントクラークが、フロント端末320に届いた無線IP内線番号を宿泊客に見せ、宿泊客が、専用アプリケーションの所定の画面を介してスマートフォンに入力するよう構成してもよい。
【0137】
<変形例4>
なお、ボタン電話装置200の入出力端末として機能する電話端末300を、フロントだけでなく、事務室等にも用意し、自動的に区分が入力されるよう構成してもよい。例えば、フロントに配置された電話端末300から使用者名が入力された場合は、区分は宿泊客とされ、事務室に配置された電話端末300から使用者名が入力された場合は、区分は従業員とされる、等である。
【0138】
<変形例5>
例えば、火災の場合と地震の場合とでは、誘導経路が異なることがある。したがって、例えば、宿泊客用の避難誘導メッセージ261cは、緊急事態の種類に応じて複数用意されていてもよい。この場合、例えば、ステップS1401の避難誘導操作時に、緊急事態の種類を特定し。指示を行う。
【0139】
<変形例6>
また、無線IP端末テーブル262には、宿泊客からの申し出に応じて、宿泊客の特性を登録するよう構成してもよい。この場合、宿泊客用の避難誘導メッセージ261cには、宿泊客の特性毎に避難メッセージを用意する。例えば、足の不自由な人やお年寄り等の歩行困難な人の場合は、特別にエレベータの使用を促したり、特定の階段に向かわせ、助けが来るまで待機させる、等である。さらに、耳の不自由な人の場合は、音声メッセージを出力させる代わりに、電話端末300のランプを点滅させる、等の処理が登録されていてもよい。
【0140】
<変形例7>
上述したように、無線IP端末400は、スマートフォンに限定されない。例えば、上述の情報処理機能、通信機能等を備えていればよく、タブレット等の携帯型情報処理端末、ノートPC(Personal Computer)等であってもよい。
【0141】
また、ボタン電話装置200も、ボタン電話主装置に限定されない。各種の制御処理とIP電話を含めた複数の電話機の通信制御とが可能であればよく、例えば、PBX(Private Branch Exchange)等であってもよい。
【0142】
<変形例8>
上記各実施形態および変形例では、本実施形態のボタン電話システム100(100a)が、ホテルで用いられる場合を例にあげて説明したが、使用環境は、ホテルに限定されない。避難誘導が必要な、いわゆる一時滞在者が存在するような各施設で用いることができる。
【0143】
なお、上述の説明で用いたフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。例えば、各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0144】
また、ボタン電話装置200の記憶装置に記憶されたプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)に記録されたプログラム製品として提供することができる。これらは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に記録された各種プログラムを中長期的に記憶することに利用することが可能である。
【0145】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したネットワーク構成、各要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0146】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
(付記1)
ボタン電話装置と、複数の電話端末と、一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末と、を備えたボタン電話システムにおいて、
前記電話端末は、それぞれ、配置位置が既知であり、
前記ボタン電話装置は、
前記無線端末の位置を所定のタイミングで取得することにより、前記無線端末を検出する位置取得部と、
前記電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の前記配置位置に対応づけてメッセージテーブルに記憶する記憶部と、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させるメッセージ送出部と、を備えるボタン電話システム。
(付記2)
付記1記載のボタン電話システムにおいて、
前記無線端末は、設置位置が既知の複数のアクセスポイントを介して前記ボタン電話装置に接続され、
前記位置取得部は、前記無線端末が帰属する前記アクセスポイントの前記設置位置に基づいて当該無線端末の位置を取得することが望ましい。
(付記3)
付記1または付記2記載のボタン電話システムにおいて、
前記位置取得部は、設置位置が既知のビーコン発信機からのビーコンを受信した前記無線端末からの情報に基づいて、当該無線端末の位置を取得することが望ましい。
(付記4)
付記1から3のいずれかに記載のボタン電話システムにおいて、
前記メッセージテーブルには、前記電話端末に対応づけて、当該電話端末の前記配置位置の近傍に検出された前記一時滞在者が所持する前記無線端末の情報が一時滞在者情報として登録され、
緊急時、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記従業員が所持する前記無線端末が検出された場合、前記メッセージ送出部は、前記従業員が所持する前記無線端末に、前記一時滞在者情報を送出することが望ましい。
(付記5)
付記1から4のいずれかに記載のボタン電話システムにおいて、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、前記メッセージ送出部は、当該電話端末ごとに用意された前記避難誘導メッセージを、前記一時滞在者が所持する前記無線端末にも送出することが望ましい。
(付記6)
一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末の位置を所定のタイミングで取得することにより、前記無線端末を検出する位置取得部と、
それぞれ配置位置が既知である、複数の電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の前記配置位置に対応づけてメッセージテーブルに記憶する記憶部と、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させるメッセージ送出部と、を備えるボタン電話装置。
(付記7)
ボタン電話装置と、複数の電話端末と、一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末と、を備えたボタン電話システムにおける避難誘導メッセージ出力方法であって、
前記ボタン電話装置が、前記電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の配置位置に対応づけて記憶するとともに、所定のタイミングで、前記無線端末の位置を取得することにより、当該無線端末を検出し、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末を検出した場合、当該ボタン電話装置が、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させる、避難誘導メッセージ出力方法。
(付記8)
コンピュータを、
一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末の位置を所定のタイミングで取得することにより、前記無線端末を検出する位置取得手段と、
それぞれ配置位置が既知である、複数の電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の前記配置位置に対応づけてメッセージテーブルに記憶する記憶手段と、
緊急時に、前記電話端末の前記配置位置の近傍に前記一時滞在者が所持する前記無線端末が検出された場合、当該電話端末に対応づけて用意された前記避難誘導メッセージを当該電話端末に送出し、出力させるメッセージ送出手段として機能させるためのプログラム。
なお、付記6-8の各形態は、付記2-5の形態に展開することが可能である。
【0147】
なお、上記の特許文献等の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0148】
100:ボタン電話システム、100a:ボタン電話システム、
200:ボタン電話装置、210:情報管理部、220:位置取得部、230:メッセージ送出部、260:記憶部、261:メッセージテーブル、261a:IPアドレス、261b:電話端末内線番号、261c:避難誘導メッセージ、261d:避難誘導メッセージ、261e:アクセスポイント設置位置、261f:呼び出し中宿泊客名、262:無線IP端末テーブル、262a:無線IP内線番号、262b:使用者名、262c:使用者区分、291:コントローラ、292:通信I/F、293:電話網制御装置、294:IP網制御装置、
300:電話端末、310:客室端末、320:フロント端末、
400:無線IP端末、
500:アクセスポイント、
600:ビーコン発信機、
700:位置管理サーバ、710:ビーコンテーブル、710a:ビーコンID、710b:内線番号、720:無線IP位置テーブル、720a:日時、720b:無線IP内線番号、720c:ビーコンID、
900:IPネットワーク
【要約】
【課題】無駄なく、効率的に必要十分な避難誘導メッセージを提供し、安全性を向上させることに貢献する。
【解決手段】ボタン電話システムは、ボタン電話装置と、複数の電話端末と、一時滞在者および従業員それぞれが所持する複数の無線端末と、を備えたボタン電話システムにおいて、電話端末は、それぞれ、配置位置が既知であり、ボタン電話装置は、無線端末の位置を所定のタイミングで取得することにより、無線端末を検出する位置取得部と、電話端末ごとに用意された避難誘導メッセージを、当該電話端末の配置位置に対応づけてメッセージテーブルに記憶する記憶部と、緊急時に、電話端末の配置位置の近傍に一時滞在者が所持する無線端末が検出された場合、当該電話端末に対応づけて用意された避難誘導メッセージを電話端末に送出し、出力させるメッセージ送出部と、を備える。
【選択図】
図1