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特許7495167ロボット連携システム及びロボット連携方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】ロボット連携システム及びロボット連携方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240528BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G05D1/43
B61B13/00 V
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023127664
(22)【出願日】2023-08-04
(62)【分割の表示】P 2022580846の分割
【原出願日】2022-08-15
(65)【公開番号】P2024026045
(43)【公開日】2024-02-28
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】521293800
【氏名又は名称】株式会社LexxPluss
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】阿蘓 将也
(72)【発明者】
【氏名】三浦 康幸
(72)【発明者】
【氏名】西東 敦規
(72)【発明者】
【氏名】小山 修史
【審査官】田中 成彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-055435(JP,A)
【文献】特開2017-017905(JP,A)
【文献】特開2011-025908(JP,A)
【文献】国際公開第2022/070350(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0247201(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 - 1/87
B61B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結機構により互いに連結及び分離可能な第1ロボット及び第2ロボット、並びに、前記第1ロボット及び第2ロボットと通信可能な管理装置を備えるシステムであって、
前記第1ロボット及び第2ロボットはそれぞれ、前記第1ロボット及び第2ロボットが前記連結機構によって連結されているか否かをセンサで取得した情報に基づいて判定する個別判定部を有し、
前記第1ロボット、前記第2ロボット、及び前記管理装置の少なくとも何れかは、前記第1ロボットの個別判定部による判定結果及び前記第2ロボットの個別判定部による判定結果の組み合わせに基づいて、前記第1ロボット及び第2ロボットが連結されているか否かを判定する総合判定部を備え、
前記総合判定部は、前記第1ロボットの個別判定部による判定結果及び前記第2ロボットの個別判定部による判定結果が共に連結されていると判定している場合にのみ、適切に連結されていると総合判定し、
前記第1ロボットの個別判定部による判定結果及び前記第2ロボットの個別判定部による判定結果の一方が連結されていないと判定している場合には、適切に連結されていないと総合判定する、ロボット連携システム。
【請求項2】
前記第1ロボット及び第2ロボットは、それぞれ前記総合判定部を備える、請求項1に記載のロボット連携システム。
【請求項3】
前記第1ロボットは、前記第1ロボットの個別判定部による判定結果を前記第2ロボットに直接、又は前記管理装置を介して間接的に送信可能であり、
前記第2ロボットは、前記第2ロボットの個別判定部による判定結果を前記第1ロボットに直接、又は前記管理装置を介して間接的に送信可能である、請求項1又は2に記載のロボット連携システム。
【請求項4】
前記第1ロボットは、前記第1ロボットの個別判定部による判定結果を前記第2ロボットに直接送信せずに前記管理装置を介して送信し、
前記第2ロボットは、前記第2ロボットの個別判定部による判定結果を前記第1ロボットに直接送信せずに前記管理装置を介して送信する、請求項1又は2に記載のロボット連携システム。
【請求項5】
前記第1ロボットは、
前記第2ロボットに設けられた被連結部に対して着脱可能に結合する連結部と、
前記連結部が前記被連結部に結合することで通電する一対の電極部と、
前記一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得可能な通電状態検出部と、
前記通電状態に関する情報に基づいて、前記第2ロボットに対する前記第1ロボットの連結状態を判定する前記個別判定部と、を有する、請求項1又は2に記載のロボット連携システム。
【請求項6】
前記個別判定部は、前記連結機構に設けられた電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報に基づいて、前記第1ロボット及び第2ロボットが連結されているか否かを判定する、請求項1又は2に記載のロボット連携システム。
【請求項7】
前記第1ロボットは、前記第2ロボットを搬送する自動搬送車である、請求項1又は2に記載のロボット連携システム。
【請求項8】
前記第1ロボット及び第2ロボットはそれぞれ、緊急時に動作を停止するための緊急停止装置を有し、
前記第1ロボット及び前記第2ロボットが連結された連結状態において、前記第1ロボット及び前記第2ロボットの何れか一方の前記緊急停止装置が作動した場合に前記第1ロボット及び前記第2ロボットの両方が緊急停止するよう構成されている、請求項1又は2に記載のロボット連携システム。
【請求項9】
それぞれの前記緊急停止装置は、前記第1ロボット及び第2ロボットのそれぞれの前記連結機構に設けられた電極部を含む電気回路に接続されており、
前記連結状態において、前記第1ロボットの前記電気回路と前記第2ロボットの前記電気回路とが電気的に接続されることにより、前記第1ロボット及び前記第2ロボットの何れか一方の前記緊急停止装置が作動した場合に前記第1ロボット及び前記第2ロボットの両方が緊急停止するよう構成されている、請求項8に記載のロボット連携システム。
【請求項10】
前記第1ロボット及び第2ロボットの少なくとも何れかの前記緊急停止装置は、ユーザーの操作によって作動する緊急停止スイッチを含む、請求項8に記載のロボット連携システム。
【請求項11】
前記第1ロボット及び第2ロボットの少なくとも何れかの前記緊急停止装置は、障害物に対する接触を検知する接触センサを含む、請求項8に記載のロボット連携システム。
【請求項12】
連結機構により互いに連結及び分離可能な第1ロボット及び第2ロボット、並びに、前記第1ロボット及び第2ロボットと通信可能な管理装置を連携して用いる方法であって、
前記第1ロボット及び第2ロボットはそれぞれ、前記第1ロボット及び第2ロボットが前記連結機構によって連結されているか否かの連結状態をセンサで取得した情報に基づいて判定し、
前記第1ロボット、前記第2ロボット、及び前記管理装置の少なくとも何れかが、前記第1ロボットの個別判定部による判定結果及び前記第2ロボットの個別判定部による判定結果の組み合わせに基づいて、前記第1ロボット及び第2ロボットの連結状態を総合的に判定する総合判定処理を実行し、
前記総合判定処理は、前記第1ロボットの個別判定部による判定結果及び前記第2ロボットの個別判定部による判定結果が共に連結されていると判定している場合にのみ、適切に連結されていると判定し、
前記第1ロボットの個別判定部による判定結果及び前記第2ロボットの個別判定部による判定結果の少なくとも一方が連結されていないと判定している場合には、適切に連結されていないと判定する、ロボット連携方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット連携システム及びロボット連携方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場や倉庫、物流センター内で、自動搬送ロボット、ベルトコンベア等の複数のロボットが互いに協調して動作することが求められている。例えば、ベルトコンベアに自動搬送ロボットを連結させてベルトコンベアを移動したり、連結状態を解除(分離)してベルトコンベアと搬送ロボットが互いに別の作業を行ったりすることで、効率的な作業が可能になる。
【0003】
特許文献1には、自動搬送車でロボットアームを移動するときに、ロボットアームに電力が供給されないようにして誤作動を防止することで、周囲の障害物にロボットアームが接触しないようにする方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-070082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の文献の方法においても、2つのロボットが連結状態であるか非連結状態であるかの判定という観点では、安全性に改善の余地があった。
【0006】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、連結可能な複数のロボットをより安全に使用することができるロボット連携システム及びロボット連携方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、連結機構により互いに連結及び分離可能な第1ロボット及び第2ロボットを備えるシステムであって、
前記第1ロボット及び第2ロボットはそれぞれ、前記第1ロボット及び第2ロボットが前記連結機構によって連結されているか否かをセンサで取得した情報に基づいて判定する個別判定部を有し、
前記第1ロボットの個別判定部による判定結果及び前記第2ロボットの個別判定部による判定結果の組み合わせに基づいて、前記第1ロボット及び第2ロボットが連結されているか否かを判定する総合判定部を備える、ロボット連携システムが提供される。
【0008】
また、本開示によれば、連結機構により互いに連結及び分離可能な第1ロボット及び第2ロボットを連携して用いる方法であって、
前記第1ロボット及び第2ロボットはそれぞれ、前記第1ロボット及び第2ロボットが前記連結機構によって連結されているか否かをセンサで取得した情報に基づいて判定し、
前記第1ロボットの個別判定部による判定結果及び前記第2ロボットの個別判定部による判定結果の組み合わせに基づいて、前記第1ロボット及び第2ロボットが連結されているか否かを判定する、ロボット連携方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、連結可能な複数のロボットをより安全に使用することができるロボット連携システム及びロボット連携方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るロボット連携システムの一例を示す概念図である。
図2】同実施形態に係るロボット連携システムの機能構成図の一例を示す図である。
図3】同実施形態に係る自動搬送車とベルトコンベアが連結された例を示す側面図である。
図4】同実施形態に係る自動搬送車の一例を示す斜視図である。
図5】同実施形態に係る連結機構の一例を示す図である。
図6】同実施形態に係る自動搬送車の平面図である。
図7】同実施形態に係る自動搬送車とベルトコンベアの電気回路の一例を示す図である。
図8】同実施形態に係る連結判定のフローの一例を示す図である。
図9】同実施形態に係る連結判定のフローの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
本開示のロボット連携システムは、連結機構により互いに連結及び分離可能な第1ロボット及び第2ロボットを備える。第1ロボット及び第2ロボットは、それぞれ、制御部、記憶部(記録部)、通信部を備える。制御部は、例えばCPU(Central Processing Unit )であり、記憶部に格納されたプログラムを実行して各処理を行う。記憶部は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備える。通信部は、無線通信または有線通信などの任意の適当な通信手段を使用することができる。通信部は、インターネット網等のネットワークに接続するものであって、例えば、ローカル エリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、LTE、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)などの任意の通信方式のうちの1つ以上を利用することができる。制御部は、入力情報に基づいて各種情報処理を実行し、出力情報を出力する。第1ロボット及び第2ロボットの制御部はそれぞれ、連結機構によって連結されているか否かの連結状態をセンサで取得した情報に基づいて判定する個別判定部として機能し得る。各個別判定部は、連結機構に設けられた電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報に基づいて、第1ロボット及び第2ロボットの連結状態を判定するようにしてもよいし、他の方法で連結状態を判定するようにしてもよい。例えば、非接触ドアセンサー等のセンサを用いて、連結されているか否かを判定するようにしてもよい。すなわち、第1ロボット及び第2ロボットが所定の距離以下に接近しているか否か、あるいは、接触しているか否か等の情報を取得するセンサの検出情報に基づいて、連結状態を判定するようにしてもよい。
【0013】
記憶部は、ロボットに設けられた検出部で取得した情報、制御部による出力情報、通信部等を介して取得した情報等の各種情報を記憶する。通信部は、他の装置(ロボット)との間で、インターネット等のネットワーク40を介して、または、装置間で直接的に(無線もしくは有線で)通信を行い、各種信号の送受信を行う。これにより、第1ロボット及び第2ロボットは、各種情報を互いに授受することができる。
【0014】
また、本システムは、第1ロボットの個別判定部による判定結果及び第2ロボットの個別判定部による判定結果の組み合わせに基づいて、第1ロボット及び第2ロボットの連結状態を判定する総合判定処理を実行する総合判定部を備える。総合判定部は、第1ロボットに設けられていてもよいし、第2ロボットに設けられていてもよいし、例えば後述する管理装置30に設けられていてもよい。総合判定部は、1の装置に限られず、複数の装置に設けられていてもよい。総合判定部は、連結機構が適切に連結されているか否かの最終判定を行うことができる。
【0015】
図1に示すロボット連携システム1は、第1ロボットである自動搬送車(自動搬送ロボット)10と、第2ロボットであるベルトコンベア(以下、「コンベア」と称する)20と、管理装置30と、を備える。なお、管理装置30は必須の構成ではなく、第1ロボットと第2ロボットのみで構成されていてもよい。ロボットとは、電源等の動力源によって駆動し、何らかの動作をする装置であればその種類は特に限定されず、例えば、ベルトコンベア等のコンベア装置、荷物やパレットの昇降装置、アーム型ロボット(ロボットアーム)等とすることができるが、具体的な構造や動作の種類は特に限定されない。第1ロボットと第2ロボットは異なる種類のロボットであることが好ましいが、同一種類のロボットであってもよい。また、本実施形態のシステムは、3以上のロボットが連携する場合にも適用可能であり、3以上の全てのロボットの連結状態または一部のロボットの連結状態を判定するようにしてもよい。
【0016】
図2に示すように、自動搬送車10は、制御部110、記録部120、通信部130、検出部140、及び駆動部150を備える。制御部110は、判定部111を含み、判定部111は、個別判定部を含み、総合判定部を含んでもよい。個別判定部は、第1ロボット及び第2ロボットが連結機構によって連結されているか否かをセンサ(検出部140)で取得した情報に基づいて判定する。検出部140は、例えば、電気回路の通電状態を検出する電気センサであるが、接触を検知する接触センサ、所定の距離以下の距離に接近していることを検知する非接触のセンサ等、他のセンサであってもよい。駆動部150は、例えばモーターを備え、各駆動輪の回転速度や回転方向を個別に制御することで、自動搬送車を任意の軌跡半径でカーブさせて走行させたり、自動搬送車を回転させて向きを変えたりすることが可能となる。
【0017】
なお、検出部140は、物体位置検出部、誘導ライン検出部、走行距離検出部、衝突検出部、姿勢検出部、充電量検出部、通電状態検出部等を備えていてもよい。物体位置検出部は、レーザー光を照射して物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測することで物体までの距離や方向を計測するレーザー距離センサ(LiDAR(Light detection and ranging)など)、ミリ波の送信信号と物体に反射して戻ってくる受信信号に基づいて物体までの距離を検出するミリ波レーダー、または、カメラで物体を撮影して撮影画像を解析することで物体までの距離を計測するカメラ式距離センサ、などで構成される。
【0018】
誘導ライン検出部は、誘導方式のタイプに応じたセンサが用いられる。誘導方式として、電磁誘導方式を用いる場合はピックアップコイル、磁気誘導方式を用いる場合は磁気センサ、画像認識方式を用いる場合はカメラが誘導ライン検出部のセンサとして用いられる。誘導ライン検出部は、誘導ラインの直上に位置している場合に誘導ラインを検出して検出信号を出力する。また、カメラにより二次元コードやバーコードを使った誘導ラインを読み取る画像認識方式の場合には、誘導ラインの検出信号に加えて、検出したコードの情報に基づいて位置情報を生成し、更にコードの画像情報を行うことで誘導ラインと自動搬送車の相対角度情報を生成することができる。
【0019】
走行距離検出部は、非駆動輪14または駆動輪13の回転数を検出し、当該回転数の検出情報と非駆動輪または駆動輪の直径(または円周長)の情報に基づいて自動搬送車の走行距離を計測する。代替手段として、ミリ波を床面に照射して反射波を検出するミリ波センサを用いて、自動搬送車の走行速度を検出し、当該走行速度を積分することで走行距離を推定する手段を適用することも可能である。
【0020】
衝突検出部は、自動搬送車が障害物や人に衝突したことを検出する機能を有する。具体的には、後述の接触センサ23などで構成される。また、さらに、ジャイロセンサなどにより加速度を検出して、加速度の急変を検出した場合に衝突が発生したと判断するようにしてもよい。また、他のバンパーや物理スイッチを設け、当該物理スイッチが押されたことにより衝突が発生したと判断する手段を適用することも可能である。衝突検出部が衝突を検出した場合には、自動搬送車を停止させ、衝突発生情報と衝突発生位置の少なくともいずれかの情報を記録部に記録すると共に、当該情報をコンベア20と、管理装置30及び後述する端末装置に情報を通知するようにしてもよい。姿勢検出部は、磁気コンパス又は左右駆動輪の回転数の情報又は車輪のステアリング情報に基づいて、自車の向き(姿勢)を検出する。
【0021】
充電量検出部は、自動搬送車の電源であるバッテリの充電量を検出する。通電状態検出部は、自動搬送車の連結部11に設けられた一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報を取得する。
【0022】
自動搬送車10は、自動搬送車に搭載された物理スイッチ又はタッチパネル等で構成され、ユーザーは動作指令等を直接自動搬送車に入力するための入力部を有することができる。自動搬送車10は、自動搬送車に搭載された液晶パネル等で構成され、自動搬送車の状態情報(検出部での各種検出情報や現在実行中の動作シナリオなど)を表示する表示部を備えていてもよい。
【0023】
制御部110は、動作判定部と、モード切替部と、連結制御部と、表示制御部と、停車位置判定部と、走行制御部と、自車位置推定部を備えている。動作判定部は、予め記憶部に記憶され、または、入力部を介して入力され、または通信部を介して管理装置30等の外部装置から受信した自動搬送車の動作シナリオに基づいて自動搬送車の動作を判定する。動作判定部は、連結部の一対の電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報に基づいて、搬送対象物に対する自動搬送車の連結状態を判定する。すなわち、正常に連結されているか否かを判定する。これにより、正常に連結されていれば搬送対象物を搬送可能と判断し、正常に連結されていなければ搬送不可能と判断する。つまり、動作判定部は搬送の可否を判定することができる。また、動作判定部は、衝突検出部からの情報に基づいて障害物への接触を検知し、緊急停止する等の予め設定された動作を実行するか否かの判断を行うことができる。
【0024】
モード切替部は、動作シナリオであらかじめ定められた条件、または入力部で入力された指令に基づいて、自動搬送車の走行モードを誘導走行モードと自律走行モードの間でモードの切り替えを行う。連結制御部は、動作シナリオであらかじめ定められた条件、または入力部で入力された指令に基づいて、連結部11の動作を制御して、コンベア20、台車等の搬送物との連結/非連結を制御する。表示制御部は、前述した入力部と表示部を制御する。
【0025】
停車位置判定部は、停車位置判定を行う位置と予め設定された位置に自機が到着した場合に、物体位置検出部12により検出された物体の位置情報に基づいて、自機の停車位置を判定する処理を実行する
【0026】
走行制御部は、動作判定部、モード切替部、停車位置判定部による判定情報の少なくともいずれかに基づいて、自動搬送車の走行を制御する。具体的には、車輪駆動部の有する右輪駆動部、左輪駆動部をそれぞれ個別に制御する。右輪駆動部と左輪駆動部は例えばモーターで構成され、各駆動輪の回転速度や回転方向を個別に制御することで、自動搬送車を任意の軌跡半径でカーブさせて走行させたり、自動搬送車を回転させて向きを変えたりすることが可能となる。自車位置推定部は、走行距離検出部で検出した走行距離と、姿勢検出部で検出した自車の向きの情報と、記録部に記録されているエリア全体のマップ情報に基づいて、走行エリア全体における自車の位置を推定する。または、物体位置検出部12で計測した物体までの距離や方向の情報と、記録部に記録されているエリア全体のマップ情報に基づいて走行エリア全体における自車の位置を推定することも可能である。あるいは、二次元コードで構成された誘導ライン上を走行している場合には、二次元コードの識別情報と上記マップ情報とに基づいて走行エリア全体における自車の位置を推定することも可能である。
【0027】
コンベア20は、制御部210、記録部220、通信部230、検出部240、及び駆動部250を備える。制御部210は、判定部211を含み、判定部211は、個別判定部を含み、総合判定部を含んでもよい。駆動部250は、例えば、ベルトコンベアを動かすためのモーターを備える。
【0028】
管理装置30は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータや、スマートフォンやタブレットPC等の携帯端末であってもよい。管理装置30は、制御部310、記録部320、及び通信部330を備え、制御部310は、判定部311を含む。判定部311は、総合判定部として機能する。管理装置30は、指定したロボットの状態情報を表示する機能と、指定したロボットへ指令を入力する機能を備えている。例えば、管理装置30に表示される各ロボットの状態情報としては、各ロボットに搭載されて各ロボットの電源となるバッテリの充電量の情報、各ロボットと連結されたロボットの識別情報などである。各ロボットへ入力する指令としては、例えば、自動搬送車の目的地に関する指令情報、コンベアとの連結や連結解除の動作指令、自動搬送車の走行開始指令、自動搬送車の停止指令などである。
【0029】
管理装置30は、施設エリアで運行される複数の自動搬送車の状態情報を記録したり、複数の自動搬送車の動作シナリオを管理したりすることも可能である。記録部に記録される情報は、例えば、運行中の複数のロボットのバッテリ充電量の情報、各ロボットの識別情報、各ロボットの位置情報、各ロボットの動作モード(誘導走行モードまたは自律走行モード)、その他自動搬送車の検出部で検出される各種検出情報などである。動作シナリオは、例えば、複数の自動搬送車それぞれの目的地の情報、目的地に行き着くまでに実行する複数の動作内容、複数動作の動作順序、複数動作の切替条件を含んでいる。
【0030】
管理装置30は、記録部に記録された情報を表示するとともに、動作シナリオを入力することで新規に動作シナリオを追加したり、更新したりすることができる。管理装置30の入出力部に入力される情報は、例えば、任意の自動搬送車の目的地や、目的地に行き着くための動作内容、動作切替条件などを含んでいる。
【0031】
ここでコンベア20は、例えば図3に示すように、自動搬送車10が潜り込むことができる下部空間Sを有している。自動搬送車10は、コンベア20の下側に潜り込んだ状態でコンベア20に対して物理的に連結されて連結状態となり、また、分離されて非連結状態となることでそれぞれ独立して動作する。自動搬送車10は、コンベア20や台車等の搬送対象物を搬送(牽引)することができるよう構成されている。
【0032】
コンベア20は、架台部25と、ベルトコンベア部26とを備える。架台部25は、支持板25aと脚部25bとを備える。支持板25aの下面(底面)には、被連結部21が設けられている。脚部25bの下端には車輪が設けられていてもよい。支持板25aの前面には、緊急停止スイッチ29が設けられている。緊急停止スイッチ29の位置は、上面、背面、左右の側面、底面等の他の面であってもよい。緊急停止スイッチ29は、1つに限られず、複数の位置にそれぞれ設けられてもよい。緊急停止スイッチ29は、ユーザーの操作によって作動して走行中の自動搬送車を緊急停止させるためスイッチである。ユーザーの操作とは、例えば、緊急停止スイッチ29が押し込み式のボタンであれば押し込む操作であるが、これに限られず、上下左右の何れかの方向に力を加えて動かすスイッチ操作や、手前に引っ張る操作で作動する操作部であってもよいし、タッチパネルの緊急停止スイッチのアイコンをタップする等の操作であってもよい。
【0033】
図4は、本実施形態に係る自動搬送車10のハードウェア構成例を示す斜視図である。図4の矢印15は自動搬送車10の進行方向(前進方向)を示している。図4に示す通り、自動搬送車10は、コンベア20を連結するための連結部11を備えている。自動搬送車10は、連結部11を駆動することによって、コンベア20に対して自動搬送車10が連結された連結状態と、連結を解除した非連結状態とを切り替えることができる。
【0034】
本例の自動搬送車10は、自動搬送車周辺の物体を検出する物体位置検出部12、駆動輪13、非駆動輪14、緊急停止スイッチ19等を備えている。自動搬送車10の構成は図示例に限られず、適宜変更可能である。また、自動搬送車10は、矢印15の方向への前進、逆方向への後退、左右の旋回等の動作が可能である。自動搬送車10は、記憶部に記憶された所定のプログラム等に基づいて自律的に動作するものでもよいし、床面に設けた軌道線、軌道マーカをセンサで認識して、そこから取得した情報に基づいて動作するものであってもよいし、入力部を介したユーザーの入力に基づいて動作するものであってもよいし、それらの組み合わせでもよい。
【0035】
緊急停止スイッチ19は、ユーザーの操作によって作動して走行中の自動搬送車を緊急停止させるための操作部である。ユーザーの操作とは、例えば、緊急停止スイッチ19が押し込み式のボタンであれば押し込む操作であるが、これに限られず、上下左右の何れかの方向に力を加えて動かすスイッチ操作や、手前に引っ張る操作で作動する操作部であってもよいし、タッチパネルの緊急停止スイッチのアイコンをタップする等の操作であってもよい。
【0036】
緊急停止スイッチ19は、例えば、ユーザーの押し込み操作によって、駆動部への電力供給を遮断することにより、自動搬送車10を停止させるように構成されているが、これに限られず、自動搬送車10を緊急停止させることができるものであればよく、例えば、車輪の回転を停止させるためのブレーキが作動することで自動搬送車10を停止させるように構成されていてもよい。
【0037】
緊急停止スイッチ19は、図示例では進行方向の逆側の面(背面)に設けられているが、正面、上面、左右の側面、底面など、他の位置に設けられていてもよいし、1つに限られず、複数の位置にそれぞれ設けられてもよい。緊急停止スイッチ19は、後述する電気回路に電気接続されており、緊急停止スイッチ19がその時点で押されているか否かを電気回路の通電状態に基づいて判定することができるように構成されている。
【0038】
連結部11は、コンベア20に設けられた被連結部21に対して着脱可能に結合(係合)する。つまり、連結機構は、自動搬送車10の連結部11とコンベア20の被連結部21とで構成される。連結部11が被連結部21に適切に結合すると、第1ロボットと第2ロボットとが連結状態となり、結合が解除されると、第1ロボットと第2ロボットとが非連結状態となる。連結機構は、本例の形態に限定されず、連結状態で互いに接触し、第1ロボットと第2ロボットとが通電可能な状態となり電気回路を形成するものであればよい。
【0039】
連結機構としての連結部11が被連結部21に結合することでコンベア20に自動搬送車10が連結される。この連結状態で自動搬送車10を動作(走行)させることにより、自動搬送車10の動作に追従してコンベア20を搬送することができる。
【0040】
本例の連結部11は、自動搬送車10の本体部10Aの上面に位置し、上向きに設けられている。本例の本体部10Aは、直方体状であるが、これに限られず、例えば円盤状等であってもよい。連結部11は、例えば図に示すような凹状の被連結部21に向けて軸方向に進退動作する少なくとも1本のロッド部材で構成される。ロッド部材は、例えば軸方向に進出及び後退するアクチュエータで構成される。各連結部11は、それぞれ独立して別々に動作させることができ、同時に全ての連結部11を進退動作させることも可能である。連結部11は、コンベア20と連結する場合にはロッド部材を鉛直方向の上側に伸ばして(軸方向に進出させて)コンベア20側の被連結部21と結合させ、連結を解除する場合にはロッド部材を縮めて(軸方向に後退させて)、被連結部21に対する連結部11の結合を解除できるように構成されている。連結部11は、コンベア20と連結していない状態において、自動搬送車10の上面に開口する空間内に収容され、上面から突出しないように形成されていることが好ましい。また、ロッド部材は、被連結部21に進入しやすいように、先端に向けて徐々に細くなる形状であることが好ましい。本例のロッド部材は、全体として円柱状であり、先端部が円錐台状である。
【0041】
図4図5に例示する連結部11は、3本のロッド部材で構成されている。具体的に、連結部11は、平面視で自動搬送車10の中央領域に位置する中央連結部11aと、中央連結部11aよりも後ろ側に位置する左右一対の後方連結部11b、11cと、で構成されている。この場合、コンベア20側には、少なくとも3つの被連結部21が設けられる。連結部11を構成するロッド部材の数が多いほど、コンベア20に対する自動搬送車10の連結強度を高めることができる。
【0042】
連結部11には、少なくとも一対の電極部16a、16bが設けられている。一対の電極部16a、16bは、連結部11が被連結部21に結合した状態で通電状態となるように構成されている。本例の連結部11は、被連結部21に結合していない状態では、非通電状態となっている。一対の電極部は導電材料で形成されている。また本例では、一対の電極部は、第1電極部16aと第2電極部16bとで構成されている。
【0043】
図6は、本実施形態の連結機構の一例を示している。一対の電極部16a、16bは、図6に示すように、何れか1本のロッド部材に設けてもよいし、図4、5に示すように、2本のロッド部材に分けて設けてもよい。一対の電極部16a、16bは、互いに離間して配置される。
【0044】
図4、5の例において、一対の電極部16a、16bは、2つの後方連結部11b、11cに分けて設けられている。より具体的に、左右一対の後方連結部11b、11cのうち、(矢印15を前方として)左側の後方連結部11bに一方の電極部(第1電極部)16aが設けられ、右側の後方連結部11cに他方の電極部(第2電極部)16bが設けられている。なお、1つのロッド部材に1つの電極部を設ける場合には、ロッド部材全体あるいは、ロッド部材の先端部全体が電極部となっていてもよい。このように、1つのロッド部材に1つの電極部を設ける場合には、1つのロッド部材に2つ(一対)の電極部を設ける場合に比べて、電極部の面積を大きくすることができる。これによれば、電極部の接触面積が大きくなるので、電気接続の信頼性を高めることができる。また、複数の連結部11の全てに、それぞれ一対の電極部を設けるようにしてもよく(図6参照)、その場合、全ての連結部11が被連結部21に正常に結合しているかを確認することが可能となる。
【0045】
図7は、自動搬送車10とコンベア20の間に形成される電気回路の一例を概念的に示す図である。自動搬送車10の電極部16a、16bは、自動搬送車10に設けられた電源部17及び電気センサ18(通電状態検出部)を含む電気回路に接続されている。電気回路には電気抵抗24も接続されているが、必須の構成ではない。本例の電極部16a、16bは、緊急停止スイッチ19に接続されているが、緊急停止スイッチ19は接続されていなくてもよい。電気センサは、例えば、電流、電圧、抵抗等を測定するセンサであるが、これに限定されない。電気センサ18は、電気回路の通電状態に関する情報を取得することができる。電気センサ18は少なくとも一対の電極部16a、16bを含む電気回路が通電しているか否かを検出することができる。電気センサは、一対の電極部16a、16bを含む電気回路における電流、電圧、抵抗等の数値、大きさを検出できることが好ましい。電気センサ18により電気回路の通電状態に関する情報を取得することで、緊急停止スイッチ19、29が作動しているか否かを判定することができる。また、電気センサ18により電気回路の通電状態に関する情報を取得することで、接触センサ23が作動しているか否かも判定することができる。
【0046】
一対の電極部16a、16bは、自動搬送車10とコンベア20が適切に連結されていないときには非通電状態であり、自動搬送車10とコンベア20が適切に連結されることによって、通電状態となるよう構成されている。電気センサを用いて、一対の電極部16a、16bを含む電気回路の通電状態に関する情報を取得することで、正常に連結されているか否かを判定することができる。つまり、制御部の判定部(個別判定部)は、一対の電極部16a、16bを含む電気回路が通電していれば正常に連結されており、非通電状態であれば、正常に連結されていないと判定する。正常に連結されていないと判定した場合には、連結部11を後退させて自動搬送車10の位置を調整し直し、再度、連結部11を被連結部に結合させるようにしてもよい。なお、判定部は、自動搬送車10の制御部にあってもよいし、ネットワークを介して接続されるサーバ等の情報処理装置の制御部にあってもよい。
【0047】
コンベア20の被連結部21には、自動搬送車10の一対の電極部16a、16bに対応する導電部が設けられている。導電部は、一対の電極部16a、16bに接触して、一対の電極部16a、16bを通電させる。
【0048】
図6に示すように、1本の連結部11に一対の電極部16a、16bを設ける場合、少なくとも1つの被連結部21に、一対の電極部16a、16bを通電させる導電部を設ける。なお、コンベア20に複数の被連結部21が設けられている場合、全ての被連結部21に導電部を設けてもよいし、一部の被連結部21のみに導電部を設けてもよい。
【0049】
図6の例では、コンベア20の1つの被連結部21に導電部を構成する一対の電極部22a、22bが設けられており、自動搬送車10の一対の電極部16a、16bにそれぞれ接触するように構成されている。被連結部21において、一対の電極部22a、22bは互いに離間して配置され、一対の電極部22a、22bは電線等の導電材料で電気的に接続されている。
【0050】
ここで被連結部21は、連結部21を進入し易くする観点から、下方に向けて徐々に開口径が大きくなっていることが好ましい。このような構成により、連結部11に摺動して連結部11を被連結部21に誘導するガイド面が形成される。被連結部21は、例えば円錐台状(すり鉢状)とすることができる。被連結部21の天面または側面には、連結部11に設けられた電極部の位置に応じて、電極部22a、22b等の導電部が設けられている。
【0051】
上記の被連結部21は、コンベア20の下面に位置しているが、自動搬送車10の連結部11の位置に対応する位置であれば、搬送対象物の側面等に位置していてもよい。
【0052】
図7に模式的に示すように、コンベア20において一対の電極部22a、22bには、接触センサ23、電気抵抗24、電気センサ28(通電状態検出部)、緊急停止スイッチ29が電気接続されている。なお、接触センサ23、電気抵抗24、緊急停止スイッチ29は必須の構成ではない。接触センサ23は、コンベア20の外周面に設置されており、障害物のコンベア20への接触を検知する。接触センサ23の構成は特に限定されない。電気センサ28は、電気センサ18と同様に、電気回路の通電状態に関する情報を取得することができる。電気センサ28は少なくとも一対の電極部22a、22bを含む電気回路が通電しているか否かを検出することができる。電気センサ28を用いて、一対の電極部22a、22bを含む電気回路の通電状態に関する情報を取得することで、正常に連結されているか否かを判定することができる。つまり、制御部の判定部(個別判定部)は、一対の電極部22a、22bを含む電気回路が通電していれば正常に連結されており、非通電状態であれば、正常に連結されていないと判定する。電気センサは、一対の電極部22a、22bを含む電気回路における電流、電圧、抵抗等の数値、大きさを検出できることが好ましい。電気センサ28により電気回路の通電状態に関する情報を取得することで、緊急停止スイッチ19、29が作動しているか否かを判定することができる。
【0053】
接触センサ23は、例えば、テープスイッチである。テープスイッチは、わずかな空隙を空けた状態で配置された電極板がゴム等の樹脂で被覆され、全体がテープ状に形成されている。テープスイッチは、障害物等の接触時に電極板間の隙間がなくなる(電極板同士が接触する)ことで、電極板間に電流が流れ、接触を検知できる原理である。なお接触センサ23は、他の形式のものでもよい。接触センサ23は、コンベア20の前面、後面、及び左右両側面と4つの角部に、つまり全周に亘って環状に設けることができる。1本の長い接触センサ23をコンベア20の外周面に環状に設置してもよいし、2以上の比較的サイズの小さい接触センサ23を前面、後面、及び左右両側面等の複数個所に分けて配置してもよい。なお、複数の接触センサ23を、それぞれコンベア20の別々の個所(前面、後面、及び左右両側面等)に設置するとともに、それぞれの接触センサ23で別々の電気回路を構成し、それぞれの通電状態を確認するようにしてもよい。これによれば、コンベア20のどの部分が障害物等に接触したかを確認することができる。接触センサ23は、コンベア20の下端部及び上端部、その間の中央部等、任意の高さに設置される。コンベア20の下端部に接触センサ23を設けた場合、床面付近の低い位置にある障害物との接触を検出し易くなり、コンベア20の上端部に接触センサ23を設けた場合、高い位置ある障害物(例えば天井から吊り下げられた物体等)との接触を検出し易くなる。
【0054】
図7において、自動搬送車10の連結部11がコンベア20の被連結部21に進入して結合し、自動搬送車10とコンベア20が正常な連結状態となると、自動搬送車10の一対の電極部16a、16bがコンベア20の一対の電極部22a、22bにそれぞれ接触する。このように、電極同士(電極部16aと電極部22a、電極部16bと電極部22b)が接触することによって、自動搬送車10とコンベア20の間に電気回路が形成され、通電状態となる。なお、本例では自動搬送車10側に電源部17が設けられているが、コンベア20側に設けてもよいし、両方に設けてもよい。また、当該電源部17は、自動搬送車10の移動のために車輪を駆動させるための電源を兼ねていてもよいし、別途設けた電源であってもよい。すなわち、連結状態の判定、接触検知のための電源と、走行のための電源とを別々に設けてもよいし、統合してもよい。
【0055】
ここで、本例では、コンベア20においてテープスイッチを介して電気抵抗24が接続されており、障害物への接触がない状態(非衝突時)では電気抵抗24の影響で電流(または電圧)が比較的小さくなり、障害物に接触した状態(衝突時)では電気抵抗24を介さずにテープスイッチの電極間で電気が流れるため、電流(または電圧)が比較的大きくなる。そして、このような通電状態の変化を、センサとしての通電状態検出部(電気センサ18)で検出することにより、コンベア20が障害物等に接触したか否かを検出(判定)することができる。
【0056】
したがって、本例の構成によれば、自動搬送車10がコンベア20に対して正常に連結されているか否かの判定(牽引可否判定)と、コンベア20に対する障害物等の接触判定とを、簡易な構成で容易に両立することが可能となる。
【0057】
本実施形態のロボット連携システム1において、コンベア20に対する自動搬送車10の連結姿勢は、1つのパターンに限定されない。つまり、コンベア20に対して自動搬送車10が複数の連結姿勢で連結できるようにしてもよい。このような構成により、コンベア20を搬送する方向や、コンベア20の重心位置に応じて、コンベア20に対する自動搬送車10の連結姿勢を変更(調整)することができる。なお、その場合、何れの姿勢においても、連結状態の判定が可能となっていることが好ましい。
【0058】
図8は、連結判定のフローの一例を示す図である。自動搬送車10は、自動搬送車10がコンベア20に対して連結されているか否かをセンサで取得した情報に基づいて判定する個別判定処理を実行し(S101)、判定結果の情報を示す信号を管理装置30に送信する(S102)。例えば、自動搬送車10の判定部111は、電気センサ18で取得した、電気回路の通電状態に関する情報に基づいて、自動搬送車10及びコンベア20が連結されているか否かを判定する。そして、個別判定処理の結果(連結状態または非連結状態)を示す信号を、通信部130を介して、総合判定を実行する管理装置30に送信する。
【0059】
同様に、コンベア20は、自動搬送車10がコンベア20に対して連結されているか否かをセンサで取得した情報に基づいて判定する個別判定処理を実行し(S201)、判定結果の情報を示す信号を管理装置30に送信する(S202)。例えば、コンベア20の判定部211は、電気センサ28で取得した、電気回路の通電状態に関する情報に基づいて、自動搬送車10及びコンベア20が連結されているか否かを判定する。そして、個別判定処理の結果(連結状態または非連結状態)を示す信号を、通信部230を介して、総合判定を実行する管理装置30に送信する。
【0060】
管理装置30は、自動搬送車10の個別判定の判定結果及びコンベア20の個別判定の判定結果の組み合わせに基づいて、自動搬送車10及びコンベア20が連結されているか否かを判定する総合判定処理を実行し(S301)、判定結果を自動搬送車10及びコンベア20に送信する(S302)。例えば、管理装置30の判定部311(総合判定部)は、自動搬送車10及びコンベア20のそれぞれから受信した個別判定処理の結果が、共に、「連結状態」である場合、自動搬送車10及びコンベア20が適切に連結された状態であると判定する。一方で、自動搬送車10及びコンベア20の何れか一方、または、両方の個別判定処理の結果が、「非連結状態」である場合に、総合判定部が適切に連結されていない、と判定することができる。この場合、何れか一方の個別判定処理の結果が、誤っていたとしても、安全性を担保することができる。なお、何れか一方の個別判定処理の結果が、「非連結状態」であって、他方の個別判定処理の結果が「連結状態」である場合に、総合判定部が適切に連結されている、と判定するようにしてもよい。総合判定結果に基づいて、自動搬送車10及びコンベア20はそれぞれ、動作可否を判定する(S103、S203)。例えば、総合判定の結果が「連結状態」である場合に、自動搬送車10がコンベア20を搬送する動作が可能と判定し、コンベア20は動作不可能と判定する。一方で、総合判定の結果が「非連結状態」である場合には、自動搬送車10がコンベア20を搬送する動作は不可能と判定し、コンベア20は動作可能と判定する。なお、動作可否の判定は、自動搬送車10及びコンベア20に限られず、管理装置30で行っていてもよい。
【0061】
図9は、管理装置30を介さずに、自動搬送車10及びコンベア20のみで総合判定処理まで実行する場合の、連結判定のフローを示す図である。この場合、管理装置30は不要となる。図8の場合と同様に、自動搬送車10及びコンベア20はそれぞれ、個別判定処理を実行する(S111、S211)。次いで、自動搬送車10は、個別判定結果の情報を示す信号をコンベア20に送信し(S112)、コンベア20は、個別判定結果の情報を示す信号を自動搬送車10に送信する(S212)。
【0062】
自動搬送車10は、自動搬送車10による個別判定結果と、コンベア20から受信した個別判定結果との組み合わせに基づいて、自動搬送車10及びコンベア20が連結されているか否かを判定する総合判定処理を実行する(S113)。この場合、自動搬送車10の判定部111は、総合判定部として機能する。コンベア20は、コンベア20による個別判定結果と、自動搬送車10から受信した個別判定結果との組み合わせに基づいて、自動搬送車10及びコンベア20が連結されているか否かを判定する総合判定処理を実行する(S213)。この場合、コンベア20の判定部211は、総合判定部として機能する。総合判定結果に基づいて、自動搬送車10及びコンベア20はそれぞれ、動作可否を判定する(S114、S214)。なお、本例では自動搬送車10とコンベア20の両方で総合判定を実行しているが、何れか一方のみでもよい。すなわち、自動搬送車10とコンベア20の何れか一方のみで総合判定を実行し、その結果を他方に送信することで、総合判定結果を共有するようにしてもよい。また、本例のように自動搬送車10とコンベア20の両方で総合判定を実行し、その結果を互いに送信して共有してから動作可否判定をするようにしてもよい。
【0063】
上記の個別判定処理、及び総合判定処理は、連続的に、または、所定期間ごとに、繰返し実行されることが好ましい。また、個別判定処理、及び総合判定処理のタイミングは、連結機構による動作と連動してもよく、例えば、自動搬送車10の連結部11を軸方向に進出(上昇)させたタイミングや、連結部11を後退(下降)させたタイミングで、判定処理を実行するようにしてもよい。また、自動搬送車10の連結部11を軸方向に進出(上昇)させたタイミングで個別判定処理、総合判定処理を実行し、「非連結状態」と判定された場合には、自動搬送車10の位置調整を実行して、確実に連結機構が連結状態となるように制御してもよい。その場合、総合判定処理が、「連結状態」となるまで、位置調整と判定処理を繰り返し実行することが好ましい。
【0064】
以上の通り、本実施形態のロボット連携システム1にあっては、連結機構により互いに連結及び分離可能な第1ロボット及び第2ロボットを備えるシステムであって、第1ロボット及び第2ロボットはそれぞれ、第1ロボット及び第2ロボットが連結機構によって連結されているか否かをセンサで取得した情報に基づいて判定する個別判定部を有し、第1ロボットの個別判定部による判定結果及び第2ロボットの個別判定部による判定結果の組み合わせに基づいて、第1ロボット及び第2ロボットが連結されているか否かを判定する総合判定部を備える。このような構成により、第1ロボット及び第2ロボットの何れか一方の個別判定が誤りだったとしても、総合判定で適切な判定ができる。その結果、連結可能な複数のロボットをより安全に使用することが可能となる。
【0065】
本実施形態のロボット連携システム1にあっては、個別判定部は、連結機構に設けられた電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報に基づいて、第1ロボット及び第2ロボットが連結されているか否かを判定することが好ましい。これによれば、個別判定の速度と精度を高めることができる。
【0066】
本実施形態のロボット連携システム1にあっては、第1ロボット及び第2ロボットはそれぞれ、緊急時に動作を停止するための緊急停止装置を有し、第1ロボット及び第2ロボットが連結された連結状態において、第1ロボット及び第2ロボットの何れか一方の緊急停止装置が作動した場合に第1ロボット及び第2ロボットの両方が緊急停止するよう構成されていることが好ましい。これによれば、第1ロボットの緊急停止装置と第2ロボットの緊急停止装置とが連動することにより、何れか一方の緊急停止装置を作動させるだけで、両方のロボットを緊急停止させることができるので、安全性を高めることができ、操作も容易である。なお、上記の総合判定処理において、第1ロボット及び第2ロボットが適切に連結されていると判定された状態でのみ、第1ロボットの緊急停止装置と第2ロボットの緊急停止装置とが連動するようにしてもよい。
【0067】
本実施形態のロボット連携システム1にあっては、それぞれの緊急停止装置が、第1ロボット及び第2ロボットのそれぞれの電気回路に接続されており、連結状態において、第1ロボットの電気回路と第2ロボットの電気回路とが電気的に接続されることにより、第1ロボット及び第2ロボットの何れか一方の緊急停止装置が作動した場合に第1ロボット及び第2ロボットの両方が緊急停止するよう構成されているようにしてもよい。この場合、第1ロボット及び第2ロボットの緊急停止装置が直接的に電気接続で連動するので、何れか一方の緊急停止装置が作動するだけで、迅速に他方のロボットも緊急停止させることができる。この場合、緊急停止装置が作動することによる電気回路の通電状態の変化を電気センサで検出することが好ましい。
【0068】
本実施形態のロボット連携システム1にあっては、第1ロボット及び第2ロボットの何れか一方の緊急停止装置が作動した場合に、当該一方のロボットの緊急停止装置が作動したことを示す情報(信号)を、他方のロボットに送信するようにしてもよい。その場合、当該情報を受信した他方のロボットの制御部が駆動部を緊急停止させることができる。例えば、第1ロボット及び第2ロボットが連結された状態で、第1ロボットの緊急停止装置が作動した場合に、第1ロボットは緊急停止するとともに第2ロボットに緊急停止信号を送信し、第2ロボットは当該緊急停止信号を受信して、第2ロボットが緊急停止する。このように、第1ロボット及び第2ロボットの一方から他方に緊急停止信号が送信されることで、緊急停止機能を連動させることができる。
【0069】
本実施形態のロボット連携システム1にあっては、第1ロボット及び第2ロボットの少なくとも何れかの緊急停止装置が、ユーザーの操作によって作動する緊急停止スイッチを含むようにしてもよい。この場合、第1ロボット及び第2ロボットの何れか一方の緊急停止スイッチをユーザーが作動させる操作で、第1ロボット及び第2ロボットの両方を緊急停止させることができる。
【0070】
本実施形態のロボット連携システム1にあっては、第1ロボット及び第2ロボットの少なくとも何れかの緊急停止装置が、障害物に対する接触を検知する接触センサを含むものであってもよい。この場合、第1ロボット及び第2ロボットの何れか一方に障害物が接触した場合に、第1ロボット及び第2ロボットの両方を緊急停止させることができる。
【0071】
また、本実施形態のロボット連携システム1にあっては、各種情報をユーザーに通知する機能を有していてもよい。例えば、第1ロボット及び第2ロボットの連結状態に関する情報(個別判定処理の結果、総合判定処理の結果とそれらの時刻情報等)、緊急停止に関する情報(緊急停止スイッチの操作有無、その時刻情報等)、各ロボットの稼働状況、障害物への接触(衝突)に関する情報を、第1ロボット、第2ロボット、管理装置からユーザーの所有する端末装置に通知するようにしてもよい。端末装置は、例えばタブレット端末、スマートフォン、デスクトップ型やノート型のコンピュータ等の情報処理装置とすることができる。端末装置は、例えばネットワーク40を介して第1ロボット、第2ロボット、管理装置の少なくとも何れかと通信可能であり、各種情報を受信して、タッチパネルやモニター等の表示部に表示させたり、タッチパネル等の入力部から入力操作を行い、第1ロボット、第2ロボット、管理装置の何れか又は全てに対して制御指示を送信したりすることができる。また、第1ロボット、第2ロボットが障害物への衝突を検出した場合に、管理装置及び端末装置の少なくとも何れかに対して衝突情報と連結状態の情報を共に通知することで、衝突によって台車と自動搬送車の連結が外れていないかを確認することも可能となる。
【0072】
また、自動搬送車は、コンベアと自動搬送車の連結状態が所定の条件を満たした場合に、予め設定された動作を実行するようにしてもよい。所定の条件は、例えばコンベアの搬送中に連結が解除された(連結が外れた)こと、搬送開始時もしくは搬送開始前の所定時点において連結状態が正常でないと判定した場合等とすることができる。また、予め設定された動作とは、緊急停止、走行中止、連結部(ロッド部材等)の上昇、下降、等とすることができる。これによれば、例えば、コンベアと自動搬送車の連結が走行中に外れた場合に緊急停止したり、搬送開始時に連結が不十分である(正常でない)場合に、連結部を上昇させて連結させたり、連結部を下降させて一度確認したりすることができる。また、自動搬送車は、障害物への接触(衝突)に関して、所定の条件を満たした場合に、予め設定された動作を実行するようにしてもよい。例えば、コンベアの搬送中に障害物への接触を検出した場合に、緊急停止したり、所定距離だけ後退してから停止もしくは回転したりすることができる。上記の条件及び当該条件に応じた動作に関する情報は、自動搬送車の記憶部(記録部等)に記憶されており、自動搬送車の制御部が記憶部の情報を参照して各種対応動作を実行するようにしてもよい。あるいは、管理装置及び端末装置の少なくとも何れかから自動的に送信される信号を受信して、当該信号に基づいて動作を実行するようにしてもよい。
【0073】
また、自動搬送車からの通知を受信した管理装置及び端末装置の少なくとも何れかにおいて、予め設定された対応動作を自動的に実行するようにしてもよい。例えば、搬送中の台車と自動搬送車の連結解除の通知、または、障害物への台車もしくは自動搬送車の衝突を示す通知を受信した場合に、管理装置及び端末装置の少なくとも何れかが自動搬送車、コンベアに対して緊急停止を指示する信号を送信するようにしてもよい。この場合、管理装置の記憶部には、受信する通知内容(連結解除、障害物への接触等)と、各通知内容にそれぞれ対応する動作内容(緊急停止指示等)が関連付けて記憶されており、制御部が当該記憶部を参照して、対応動作を実行する。
【0074】
また、上記実施形態では、第1ロボット及び第2ロボットの両方で個別判定処理を行っているが、第1ロボット及び第2ロボットの何れか一方のみで個別判定処理を行い、その判定結果を、他方のロボットに直接、あるいは管理装置30等の中継装置を介して間接的に送信することで、判定結果を共有してその後の動作の可否等を判定するようにしてもよい。その場合、第1ロボット及び第2ロボットの両方で判定処理をしなくてもよいので、処理負担が軽減される。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0076】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、自動搬送車の制御部および記録部は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。また、本明細書において説明したロボット連携システムでは、管理装置、端末装置がそれぞれネットワークを介して接続された別個のハードウェアで構成される例を説明したが、それらの機能の一部又は全部が自動搬送車、コンベアにそれぞれ実装されていても良い。
【0077】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係る制御部の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0078】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0079】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0080】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
連結機構により互いに連結及び分離可能な第1ロボット及び第2ロボットを備えるシステムであって、
前記第1ロボット及び第2ロボットはそれぞれ、前記第1ロボット及び第2ロボットが前記連結機構によって連結されているか否かをセンサで取得した情報に基づいて判定する個別判定部を有し、
前記第1ロボットの個別判定部による判定結果及び前記第2ロボットの個別判定部による判定結果の組み合わせに基づいて、前記第1ロボット及び第2ロボットが連結されているか否かを判定する総合判定部を備える、ロボット連携システム。
(項目2)
前記個別判定部は、前記連結機構に設けられた電極部を含む電気回路の通電状態に関する情報に基づいて、前記第1ロボット及び第2ロボットが連結されているか否かを判定する、項目1に記載のロボット連携システム。
(項目3)
前記第1ロボットは、前記第2ロボットを搬送する自動搬送車である、項目1又は2に記載のロボット連携システム。
(項目4)
前記第1ロボット及び第2ロボットはそれぞれ、緊急時に動作を停止するための緊急停止装置を有し、
前記第1ロボット及び前記第2ロボットが連結された連結状態において、前記第1ロボット及び前記第2ロボットの何れか一方の前記緊急停止装置が作動した場合に前記第1ロボット及び前記第2ロボットの両方が緊急停止するよう構成されている、項目1又は2に記載のロボット連携システム。
(項目5)
それぞれの前記緊急停止装置は、前記第1ロボット及び第2ロボットのそれぞれの前記電気回路に接続されており、
前記連結状態において、前記第1ロボットの前記電気回路と前記第2ロボットの前記電気回路とが電気的に接続されることにより、前記第1ロボット及び前記第2ロボットの何れか一方の前記緊急停止装置が作動した場合に前記第1ロボット及び前記第2ロボットの両方が緊急停止するよう構成されている、項目4に記載のロボット連携システム。
(項目6)
前記第1ロボット及び第2ロボットの少なくとも何れかの前記緊急停止装置は、ユーザーの操作によって作動する緊急停止スイッチを含む、項目4に記載のロボット連携システム。
(項目7)
前記第1ロボット及び第2ロボットの少なくとも何れかの前記緊急停止装置は、障害物に対する接触を検知する接触センサを含む、項目4に記載のロボット連携システム。
(項目8)
連結機構により互いに連結及び分離可能な第1ロボット及び第2ロボットを連携して用いる方法であって、
前記第1ロボット及び第2ロボットはそれぞれ、前記第1ロボット及び第2ロボットが前記連結機構によって連結されているか否かの連結状態をセンサで取得した情報に基づいて判定し、
前記第1ロボットの個別判定部による判定結果及び前記第2ロボットの個別判定部による判定結果の組み合わせに基づいて、前記第1ロボット及び第2ロボットの連結状態を総合的に判定する、ロボット連携方法。
【符号の説明】
【0081】
1 ロボット連携システム
10 自動搬送車(第1ロボット)
11 連結部
20 コンベア(第2ロボット)
21 被連結部
30 管理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9