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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】送達システム
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/10 20060101AFI20240528BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20240528BHJP
   A24B 15/42 20060101ALI20240528BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20240528BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20240528BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20240528BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
A24B15/10
A24B15/16
A24B15/42
A24D3/04
A24D1/20
A24D3/17
A24D1/02
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2022533535
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 GB2020053106
(87)【国際公開番号】W WO2021111141
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】1917917.5
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2012051.5
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2012049.9
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】サイモンズ, クレア
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャク, デニス
(72)【発明者】
【氏名】ヘスフォード, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル, ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ドゥベイ, ウメシュ
(72)【発明者】
【氏名】ロングドン, エイドリアン
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-509730(JP,A)
【文献】特表2007-520204(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103519343(CN,A)
【文献】特表2018-531587(JP,A)
【文献】国際公開第2019/069386(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/10
A24B 15/16
A24B 15/42
A24D 3/04
A24D 1/20
A24D 3/17
A24D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刻まれたタバコ材料、並びに、刻まれたシートの形状であるエアロゾル化可能材料を含むエアロゾル生成材料であって、前記エアロゾル化可能材料が、結合剤、エアロゾル形成材、及び、前記エアロゾル化可能材料の50重量%~90重量%の量で無機材料を含む、前記エアロゾル生成材料と、
エアロゾル改変剤を含むエアロゾル改変剤放出成分と
を含む、送達システム。
【請求項2】
当該送達システムが、前記エアロゾル改変剤放出成分を含むフィルター材料を含む、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記フィルター材料が、フィラメント状のトウ又はセルロースベースの材料を含む、請求項2に記載の送達システム。
【請求項4】
前記エアロゾル改変剤放出成分が、前記エアロゾル改変剤を含有する易破壊性カプセルを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項5】
前記易破壊性カプセルがシェルを含み、前記エアロゾル改変剤が前記シェル内に封入される、請求項4に記載の送達システム。
【請求項6】
前記易破壊性カプセルが実質的に球状の形状である、請求項4又は5に記載の送達システム。
【請求項7】
前記易破壊性カプセルが2mm~4mmの範囲の直径を有する、請求項4~6のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項8】
前記エアロゾル改変剤放出成分が、前記エアロゾル改変剤を含有する複数の易破壊性カプセルを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項9】
前記複数の易破壊性カプセルのうちの少なくとも1つのカプセル内のエアロゾル改変剤が前記複数の易破壊性カプセルのうちの別のカプセル内のエアロゾル改変剤と異なる、請求項8に記載の送達システム。
【請求項10】
前記複数の易破壊性カプセルのうちの各カプセル内のエアロゾル改変剤が、前記複数の易破壊性カプセルのうちの他のカプセルの各々の中のエアロゾル改変剤と異なる、請求項8又は9に記載の送達システム。
【請求項11】
前記複数の易破壊性カプセルのうちの各カプセル内のエアロゾル改変剤が、前記複数の易破壊性カプセルのうちの他のカプセルの各々の中のエアロゾル改変剤と同じである、請求項8に記載の送達システム。
【請求項12】
前記エアロゾル改変剤が液体である、請求項1~11のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項13】
前記フィラメント状のトウが、8,000~40,000の範囲の総デニールを含む、請求項に記載の送達システム。
【請求項14】
前記フィラメント状のトウが、5~12の範囲のデニール/フィラメントを含む、請求項に記載の送達システム。
【請求項15】
前記エアロゾル改変剤放出成分が、前記エアロゾル改変剤を含むラッパーである、請求項1に記載の送達システム。
【請求項16】
前記エアロゾル化可能材料が、該エアロゾル化可能材料の10重量%~20重量%の量で前記エアロゾル形成材を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項17】
前記エアロゾル生成材料が、該エアロゾル生成材料の10重量%~90重量%の量で前記エアロゾル化可能材料を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項18】
前記エアロゾル化可能材料が、該エアロゾル化可能材料の少なくとも1重量%の量で前記結合剤を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項19】
前記エアロゾル形成材が、
グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項20】
前記タバコ材料がドライアイス膨化タバコ材料を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項21】
前記タバコ材料が葉タバコを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項22】
前記葉タバコが、糖類及びニコチンを8:1~20:1の重量比で含み、
糖類及びニコチンを8:1~20:1の重量比で含む前記葉タバコが、前記タバコ材料の少なくとも5重量%の量で該タバコ材料中に存在する、請求項21に記載の送達システム。
【請求項23】
前記葉タバコ中の糖類対ニコチンの重量比が8:1~15:1である、請求項22に記載の送達システム。
【請求項24】
前記葉タバコが下部葉柄の葉タバコである、請求項21又は22に記載の送達システム。
【請求項25】
前記タバコ材料が、該タバコ材料の1重量%~2.5重量%の量でニコチンを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項26】
前記タバコ材料が、該タバコ材料の30重量%~50重量%の量で葉タバコを含む、請求項22~25のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項27】
葉タバコが、葉タバコ材料の5重量%~20重量%の量で糖類を含む、請求項2126のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項28】
前記エアロゾル生成材料が、該エアロゾル生成材料の20%~90%の量で前記タバコ材料を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項29】
前記タバコ材料及び/又は前記エアロゾル化可能材料が刻まれており、0.01~1.5mmの幅を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項30】
前記エアロゾル化可能材料が追加の着色剤を含まない、請求項1~29のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項31】
前記エアロゾル生成材料が香味料を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項32】
燃焼型エアロゾル供給システムが実質的に円筒状の形状である、請求項1~31のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項33】
燃焼型エアロゾル供給システムが15mm~23mmの範囲の円周を有する、請求項1~32のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項34】
当該送達システムが燃焼型エアロゾル供給システムである、請求項1~33のいずれか一項に記載の送達システム。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか一項に記載のエアロゾルの送達システムを含む、パケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は送達システム及び送達システムに使用されるエアロゾル生成材料に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種のタバコ産業製品は使用中エアロゾルを生成し、これがユーザーにより吸入される。エアロゾルは使用中に加熱又は燃焼されるタバコのようなエアロゾル化可能材料により生成する。幾つかのタバコ産業製品は香味料を含み得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によると、タバコ材料並びに無機材料、結合剤及びエアロゾル形成材を含むエアロゾル化可能材料を含むエアロゾル生成材料と、エアロゾル改変剤を含むエアロゾル改変剤放出成分とを包含する送達システムが提供される。
【0004】
以下、単に例示として、添付の図面を参照して本発明の実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】送達システムの概略図である。
図2】送達システムの概略図である。
図3】送達システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示の第1の態様によると、送達システムが提供される。本明細書で使用される用語「送達システム」は物質をユーザーに送達するシステムを包含することが意図されており、以下を含む:
燃焼型エアロゾル供給システム、例えば紙巻タバコ、シガリロ、葉巻タバコ、及びパイプ用又は手巻きタバコ用又は自分で作るタバコ用のタバコ(タバコ、タバコ誘導体、膨化タバコ、再生タバコ、タバコ代替品又はその他の喫煙材をベースにするか否かに関わりなく);
エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する非燃焼型エアロゾル供給システム、例えば電子タバコ、タバコ加熱製品、及びある組合せのエアロゾル生成材料を用いてエアロゾルを生成するハイブリッドシステム;及び
エアロゾル生成材料を含み、且つこれらの非燃焼型エアロゾル供給システムの1つで使用されるように構成された燃焼型エアロゾル供給システム。
【0007】
本開示によると、「燃焼型の」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの送達を容易にするためにエアロゾル供給システム(又はその成分)の構成成分であるエアロゾル生成材料が燃やされるか又は燃焼するものである。
【0008】
本開示によると、「非燃焼型の」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの送達を容易にするためにエアロゾル供給システム(又はその成分)の構成成分のエアロゾル生成材料が燃やされないか又は燃焼しないものである。
【0009】
幾つかの実施形態において、送達システムは紙巻タバコ、シガリロ及び葉巻タバコからなる群から選択されるシステムのような燃焼型エアロゾル供給システムである。
【0010】
幾つかの実施形態において、本開示は燃焼型エアロゾル供給システム又は非燃焼型エアロゾル供給システムに使用される成分、例えばフィルター、フィルターロッド、フィルターセグメント、タバコロッド、スピル、エアロゾル改変剤放出成分、例えばカプセル、スレッド、若しくはビーズ、又は紙、例えばプラグラップ、チップペーパー若しくはシガレットペーパーに関する。
【0011】
記載されている幾つかの実施形態において、送達システムは非燃焼型エアロゾル供給システム、例えば電源付き非燃焼型エアロゾル供給システムである。非燃焼型エアロゾル供給システムはベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)ともいわれる電子タバコであることができるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在は必要条件ではないといわれている。
【0012】
非燃焼型エアロゾル供給システムは非燃焼加熱式システムともいわれるタバコ加熱システムであることができる。
【0013】
非燃焼型エアロゾル供給システムは、ある組合せのエアロゾル生成材料(そのうちの1種又は複数が加熱されてもよい)を用いて、エアロゾルを生成するハイブリッドシステムであることができる。各々のエアロゾル生成材料は例えば固体、液体又はゲルの形態であり得、ニコチンを含有してもしなくてもよい。ハイブリッドシステムは液体又はゲルのエアロゾル生成材料及び固体のエアロゾル生成材料を含むことができる。固体のエアロゾル生成材料は例えば、タバコ又は非タバコ製品を含み得る。
【0014】
通例、非燃焼型エアロゾル供給システムは非燃焼型のエアロゾル供給デバイス及び非燃焼型のエアロゾル供給システムと共に使用される消耗品を含み得る。然しながら、自身がエアロゾル生成成分に動力を供給するための手段を含む燃焼型エアロゾル供給システム自体が非燃焼型エアロゾル供給システムを形成し得ることが予測される。
【0015】
非燃焼型エアロゾル供給デバイスは動力源及びコントローラーを含むことができる。動力源は、電源又は発熱動力源であり得る。発熱動力源は、熱の形態の出力を発熱動力源に近接したエアロゾル化可能材料又は熱伝達材料に分配するように賦活化され得る炭素基板を含むことができる。動力源、例えば発熱動力源は、非燃焼型のエアロゾル供給を形成するように燃焼型エアロゾル供給システム内に提供されることができる。
【0016】
エアロゾル生成成分は、1つ又は複数の揮発性物質をエアロゾル生成材料から放出させてエアロゾルを形成するようにエアロゾル生成材料と相互作用することができるヒーターであることができる。エアロゾル生成成分は加熱することなくエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させることができる。例えば、エアロゾル生成成分はそれに熱を加えることなく、例えば振動、機械的、加圧又は静電気手段のうちの1つ又は複数によってエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させることができ得る。
【0017】
消耗品は、そのうちの一部又は全部が使用中ユーザーにより消費されることが意図されているエアロゾル生成材料を含むか又はそれからなる物品である。消耗品は1つ又は複数の他の成分、例えばエアロゾル生成材料貯蔵区域、エアロゾル生成材料伝達成分、エアロゾル生成区域、ハウジング、ラッパー(被覆体)、マウスピース、フィルター及び/又はエアロゾル改変剤を含み得る。
【0018】
消耗品はまた、エアロゾル発生器、例えば、使用時熱を放出してエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるヒーターも含み得る。ヒーターは、例えば、燃焼可能な材料、電気伝導により加熱可能な材料、又はサセプタを含み得る。
【0019】
本明細書で使用される用語「上流」及び「下流」は使用中の送達システムを通って引き出される主流のエアロゾルの方向に関して定義される相対的な用語である。送達システムの成分又は部品は本明細書で「マウスピース」といわれているが、燃焼型エアロゾル供給システムのこの成分又は部品は代わりに、必ずしもユーザーの口内に少なくとも部分的に位置するように配置される必要なくエアロゾル生成材料の下流にある部分又は成分であることができる。
【0020】
送達システムはエアロゾル生成材料を含む。エアロゾル生成材料は、例えば加熱、照射又は何らかの他の方法で賦活化されたとき、エアロゾルを生成させることができる材料である。エアロゾル生成材料は送達システムのエアロゾル生成領域内に含まれる。
【0021】
エアロゾル生成材料はタバコ材料を含む。本明細書で使用されるとき、用語「タバコ材料」はタバコ属(Nicotiana)の種の植物に由来する材料を指す。タバコ属の種の植物の選択は限定されず、使用されるタバコの種類は変化し得る。
【0022】
用語「タバコ材料」にはタバコ、タバコ誘導体、膨化タバコ、再生タバコ又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含み得る。タバコ材料は粉砕タバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコの茎、タバコラミナ、再生タバコ及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0023】
幾つかの実施形態において、タバコ材料は鉄管乾燥又はバージニア、バーレー、日光乾燥、メリーランド、暗色火力乾燥、暗色空気乾燥、明色空気乾燥、インディアン空気乾燥、レッドルシアン及びルスティカタバコ、並びにこれらの混合物、並びに様々な他の生葉の又は乾燥した希少な又は特殊なタバコから選択される。タバコの味を改変することができるその他のいずれかの種類のタバコ処理、例えば発酵タバコ又は遺伝子組み換え又は異種交配技術によって生産されるタバコ材料も本開示の範囲内である。例えば、タバコ植物は成分の生産、特性又は属性を増大又は低下するように遺伝子操作又は異種交配され得ると考えられる。
【0024】
幾つかの実施形態において、タバコ材料はインディアンクルヌール及びオリエンタルタバコ、例えばイズミール、バスマ、サムスン、カテリーニ、プレリプ、コモティニ、クサンティ及びヤンボルタバコから選択される日光乾燥タバコである。幾つかの実施形態において、タバコ材料はパッサンダ、クバーノ、ジャティン及びベスキタバコから選択される暗色空気乾燥タバコである。幾つかの実施形態において、タバコ材料はノースウィスコンシン及びガルパオタバコから選択される明色空気乾燥タバコである。
【0025】
幾つかの実施形態において、タバコ材料は鉄管乾燥、バーレー及びオリエンタルタバコの乾燥した又は非乾燥の混合物である。
【0026】
幾つかの実施形態において、タバコ材料はブラジリアンタバコ、例えばマタフィナ及びバイアタバコから選択される。幾つかの実施形態において、タバコ材料はクリオロ、ピロトクバーノ、オロー、グリーンリバー、イザベラDAC、ホワイトパタ、エールール、ジャティン、マドゥラ、カストリ、コネチカットシード、ブロードリーフ、コネチカット、ペンシルベニアン、イタリアン乾燥空気乾燥、パラグアイアン乾燥空気乾燥及びワンサッカータバコから選択される。
【0027】
喫煙用/ベイピング又は無煙タバコ製品の調製には、タバコ属の種の植物が乾燥プロセスに供され得る。一定の種類のタバコは別の種類の乾燥プロセス、例えば火力乾燥又は日光乾燥に供され得る。好ましくは、必ずではないが、乾燥され収穫されたタバコは熟成させられる。
【0028】
タバコは成長のいろいろな段階で、例えば植物がある成熟レベルに達し、上の方の葉がまだ発育中であるが低い方の葉が収穫できるようになったとき、収穫することができる。
【0029】
幾つかの実施形態において、タバコ属の種の植物の少なくとも一部分(例えば、タバコ材料の少なくとも一部分)は未熟な形態で使用される。即ち、幾つかの実施形態において、植物、又はその植物の少なくとも一部分は通常完熟又は成熟したとみられる段階に達する前に収穫される。
【0030】
幾つかの実施形態において、タバコ属の種の植物の少なくとも一部分(例えばタバコ材料の少なくとも一部分)は成熟した形態で使用される。即ち、幾つかの実施形態において、植物、又はその植物の少なくとも一部分はその植物(又は植物部分)が伝統的に完熟、熟し過ぎ又は成熟したとみられる点に達したときに収穫され、これは農家により従来使用されているタバコ収穫技術の使用によって達成することができる。オリエンタルタバコ及びバーレータバコ植物の両方を収穫することができる。また、バージニアタバコ葉を収穫することができ、又はその葉柄の位置に応じて下の葉を収穫することができる。
【0031】
タバコ属の種は植物内に存在する様々な化合物の含量に関して選択され得る。例えば、植物は、それらの植物が、単離することが望まれる1種又は複数の化合物(即ち対象の揮発性化合物)を比較的高い量で生産するということに基づいて選択され得る。一定の実施形態において、タバコ属の種の植物は特に葉表面化合物の豊富さに関して培養される。タバコ植物は温室、栽培箱、若しくは屋外の畑で育てられ得、又は水耕法で育てられ得る。
【0032】
タバコ属の種の植物の様々な器官又は部分が本明細書に定義されている方法に使用され得る。幾つかの実施形態において、植物全体、又は実質的に植物全体が収穫され、そのまま使用される。本明細書で使用されるとき、用語「実質的に植物全体」は植物の少なくとも90%、例えば植物の少なくとも95%、例えば植物の少なくとも99%が収穫されることを意味する。或いは、幾つかの実施形態において、植物の様々な器官又は断片が収穫されるか又は収穫後更なる使用のために分離される。幾つかの実施形態において、タバコ材料は植物の葉、茎、葉柄、及びこれらの器官の様々な組合せから選択される。このように本開示のタバコ材料はタバコ属の種の植物全体又は植物のいずれかの部分を含み得る。
【0033】
所望の風味プロフィールを達成するために、燃焼型エアロゾル供給システム、例えば喫煙用の燃焼型エアロゾル供給システムに使用されるエアロゾル生成材料は通常タバコ植物の異なる器官から得られたタバコ材料、異なる植物から得られたタバコ材料及び収穫後の処理に供されているタバコ材料のブレンドを含む。
【0034】
タバコ材料はいろいろな種のタバコ材料及び/又はタバコ処理プロセスに従って処理されているタバコ材料のブレンドであることができる。タバコ材料のブレンドは燃焼型エアロゾル供給システムの使用中に生成するエアロゾルの官能特性を変えるように調整することができる。例えば、組成物中のタバコ材料の異なる品種の相対量を調整して組成物の官能特性を変えることができる。
【0035】
エアロゾル生成材料はエアロゾル化可能材料の約20重量%~約90重量%の量でタバコ材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料はエアロゾル生成材料の約30重量%~約85重量%、約35重量%~約80重量%、約40重量%~約75重量%又は約45重量%~約70重量%の量でタバコ材料を含む。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料はエアロゾル生成材料の約50%~約70重量%の量でタバコ材料を含む。例えば、エアロゾル生成材料はエアロゾル生成材料の約50重量%、51重量%、52重量%、53重量%、54重量%、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%、61重量%、62重量%、63重量%、64重量%、65重量%、66重量%、67重量%、68重量%、69重量%又は約70重量%の量でタバコ材料を含み得る。
【0036】
本明細書中で所与の量が重量%で示されている場合、誤解を避けるためにこれは特に反対に示されない限り乾燥重量基準を指す。従って、タバコ材料中、又はそのいずれかの成分中に存在し得るあらゆる水は重量%の決定の目的では完全に無視される。本明細書に記載されているタバコ材料の水含量は変化し得、例えば2重量~25重量%であり得る。本明細書に記載されているタバコ材料の水含量は組成物が維持される、例えば温度、圧力及び湿度条件に従って変化し得る。水含量は当業者に公知のようにKarl-Fisher分析によって決定することができる。
【0037】
上述の通り、タバコ植物は茎及びタバコ葉を含む。生育中、タバコ植物は炭水化物種(例えば糖類及びデンプン)及びニコチンを含めて種々の化学化合物を産生する。糖類はまた、幾つかの品種のタバコ植物の乾燥(curing)中にも生産される。
【0038】
幾つかの実施形態において、タバコ材料は葉タバコを含む。タバコ材料は葉タバコからなることができるか、又はタバコ植物の他の器官、例えばタバコの茎から得られたタバコ材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、タバコ材料は葉タバコ及びタバコの茎を含むブレンドである。
【0039】
葉タバコは葉全体の形態であり得る。幾つかの実施形態において、タバコ材料は乾燥した葉タバコ全体を含む。幾つかの実施形態において、タバコ材料は実質的に乾燥した葉タバコ全体を含む。幾つかの実施形態において、タバコ材料は本質的に乾燥した葉タバコ全体からなる。
【0040】
糖類対ニコチンの比はタバコ植物全体で変化する。本明細書で使用されるとき、用語「糖」及び「糖類」は、還元糖(例えばグルコース及びフルクトース)及び非還元糖(例えばデンプン)を含めて全糖類をカバーすることが意図されている。
【0041】
葉の糖対ニコチンの比は一般に植物のより低い領域の葉から植物のより高い領域の葉に向かって低下する。このように、タバコ植物のより低い部分(例えば、植物の下半分)の葉はタバコ植物の上部領域(例えば、上の三分の一)の葉と比較して比較的高い比の糖類対ニコチンを含む。最も若いタバコ葉はタバコ植物の上部領域に見られるが、最も古いタバコ葉はタバコ植物の下部領域に見られる。通例、植物の下半分の糖類は成長及び開花を助けるために植物の上半分の葉に輸送されるので、タバコ植物の下半分の葉はタバコ植物の上半分の葉より少ない糖を含有する。
【0042】
タバコ材料の糖対ニコチンの比及び全糖含量は送達システムでエアロゾルが生成されるときタバコ材料の官能特性にある効果を有する。例えば、糖類はタバコ材料の加工処理中に望ましい官能特性を示す他の化合物に変換され得る。
【0043】
タバコ材料が糖類を含有するのが望ましいけれども、比較的高い糖対ニコチン含量は喫煙したとき「強すぎる」風味及び/又は刺激を生じる可能性があり、これは望ましくないことがある。その結果、比較的高い糖対ニコチン比を含む下部葉柄(lower-stalk)及び中部葉柄(mid-stalk)の葉は従来燃焼型エアロゾル供給システムに使用される慣用のエアロゾル生成材料の少量成分(5wt%未満)を構成する。
【0044】
葉タバコは糖及びニコチンをある範囲の重量比で含み得る。葉タバコは糖類及びニコチンを約8:1~約20:1の重量比で含む葉タバコを含む。また、糖類及びニコチンをこの範囲外の重量比で含む葉タバコも含み得る。
【0045】
幾つかの実施形態において、葉タバコは糖類及びニコチンを少なくとも約8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1又は19:1の重量比(糖類:ニコチン)で含む。幾つかの実施形態において、葉タバコは糖及びニコチンを約20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1又は9:1までの重量比(糖類:ニコチン)で含む。葉タバコ材料は糖類及びニコチンを約8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1又は20:1の重量比で含むことができる。幾つかの実施形態において、葉タバコ中の糖類対ニコチンの重量比は約10:1~約15:1である。幾つかの実施形態において、葉タバコ中の糖類対ニコチンの重量比は約9:1、10:1、11:1又は約12:1である。
【0046】
タバコ材料は糖類及びニコチンを約8:1~約20:1の重量比で含む葉タバコをタバコ材料の約5重量%~約90重量%の量で含むことができる。幾つかの実施形態において、タバコ材料は糖類及びニコチンを約8:1~約20:1の重量比で含む葉タバコをタバコ材料の約10重量%~約80重量%、約15重量%~約70重量%、約20重量%~約60重量%、約25重量%~約50重量%又は約30重量%~約45重量%の量で含む。幾つかの実施形態において、タバコ材料は糖類及びニコチンを約8:1~約20:1の重量比で含む葉タバコをタバコ材料の約25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%、31重量%、32重量%、33重量%、34重量%、35重量%、36重量%、37重量%、38重量%、39重量%、40重量%、41重量%、42重量%、43重量%、44重量%又は45重量%の量で含む。
【0047】
本出願の発明者は、驚くべきことに、下部葉柄葉タバコ、即ち、約8:1~約20:1の糖類対ニコチンの重量比を有する葉タバコをタバコ材料の5重量%より多い量で含むタバコ材料を、エアロゾル形成材と合わせると、燃焼型エアロゾル供給システムに使用されたときに優れた官能特性を有するエアロゾル生成材料を提供することができるということを見出した。それだけでなく、タバコ材料中の下部葉柄葉タバコの比較的高い含有レベルの結果として、得られるエアロゾル生成材料は従来のエアロゾル生成材料と比較して極めて望ましい明るい色を有する。
【0048】
糖類及びニコチンを約8:1~約20:1の重量比で含む葉タバコは幾つかの実施形態において下部葉柄葉タバコである。
【0049】
葉タバコはエアロゾル生成材料への組込みに先立って収穫後のプロセスに供してもよい。例えば、葉タバコはエアロゾル生成材料に含ませる前に1又は複数の乾燥(鉄管乾燥及び空気乾燥を含む)、熟成、発酵又はコンディショニングに供してもよい。
【0050】
糖類及びニコチンを約8:1~約20:1の重量比で含む葉タバコは葉タバコ材料の約5重量%~約20重量%の合計糖含量を含み得る。幾つかの実施形態において、糖類及びニコチンを約8:1~約20:1の重量比で含む葉タバコは葉タバコ材料の約10重量%~約14重量%の合計糖含量を含み得る。幾つかの実施形態において、糖類及びニコチンを約8:1~約20:1の重量比で含む葉タバコはエアロゾル生成材料の約12重量%~約14重量%の合計糖含量を含む。
【0051】
幾つかの実施形態において、タバコ材料は茎タバコ材料を含む。タバコ材料は少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の茎タバコ材料を含み得る。
【0052】
タバコ材料は刻んだタバコ材料でもよい。刻んだタバコ材料の裁断幅は約0.5カット/mm~約2.5カット/mmであり得る。幾つかの実施形態において、刻んだタバコ材料の裁断幅は約0.8~約1.8又は約0.9~約1.7カット/mmである。幾つかの実施形態において、刻んだタバコ材料の裁断幅は約1.4~約1.6カット/mm、又は約1.45カット/mm、又は約37カット/インチである。
【0053】
タバコ材料はエアロゾル形成材を含み得る。エアロゾル形成材はエアロゾルを形成することができる1種又は複数の構成成分を含む。エアロゾル形成材はグリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、ソルビトール及びプロピレンカーボネートのうちの1種又は複数を含み得る。エアロゾル形成材の組合せもまた使用できる。例えば、エアロゾル形成材はグリセロール及びプロピレングリコールの組合せを含み得る。
【0054】
理論に縛られることは望まないが、ニコチンに対して高量の糖を有する(例えば8:1~約20:1)葉タバコとエアロゾル形成材との組合せが優れた官能特性及びより滑らかな味を有するタバコ材料を提供すると推測される。
【0055】
エアロゾル形成材はいずれかの適切な手段によってタバコ材料と合わせることができる。例えば、タバコ材料をエアロゾル形成材と混合することができ、又はエアロゾル形成材をタバコ材料に噴霧することができる。
【0056】
タバコ材料はタバコ材料の約0.5重量%~約3重量%、約0.6重量%~約2.9重量%、約0.7重量%~約2.8重量%、約0.8じゅう%~約2.7重量%、約0.9重量%~約2.6重量%の量でニコチンを含み得る。幾つかの実施形態において、タバコ材料のニコチン含量はタバコ材料の約1重量%~約2.5重量%、約1.1重量%~約2.4重量%、約1.2重量%~約2.3重量%、約1.3重量%~約2.2重量%又は約1.4重量%~約2.1重量%である。幾つかの実施形態において、タバコ材料のニコチン含量はタバコ材料の約1.8~約2重量%である。幾つかの実施形態において、タバコ材料のニコチン含量はタバコ材料の約1.8重量%、1.9重量%又は2重量%である。
【0057】
幾つかの実施形態において、タバコ材料は膨化したタバコ材料を含む。幾つかの実施形態において、タバコ材料はドライアイス膨化タバコ(DIET)材料及び/又は膨化茎タバコを含む。幾つかの実施形態において、タバコ材料はDIET材料からなる。DIET材料はタバコ材料の約5重量%、10重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、又は100重量%の量で存在することができる。幾つかの実施形態において、DIETはタバコ材料の約5重量%~約50重量%の量で存在する。
【0058】
幾つかの実施形態において、DIETは約5%~約30%、約10%~約20%又は約10%~約15%の量で存在する。
【0059】
有利なことに、送達システムが燃焼型エアロゾル供給システムである場合、DIET材料は燃焼型エアロゾル供給システムの燃焼特性を改良し得る。例えば、DIET材料は燃焼の速度を増大し得るか、又は燃焼が消化されるようになる機会を低減し得る。また、DIETは通例葉タバコより高い充填値を有する。これは、所与の容積に対して、DIETを含むエアロゾル生成材料がDIETなしのエアロゾル生成材料未満の重さがあり得ることを意味する。従ってエアロゾル生成材料にDIETを含ませるとエアロゾル生成材料の全体の重量を低下させ得、従って輸送コストを低減する。
【0060】
幾つかの実施形態において、タバコ材料はタバコ葉柄を含む。タバコ葉柄材料はタバコ材料の約5重量%、10重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%の量で存在することができる。幾つかの実施形態において、タバコ葉柄はタバコ材料の約5重量%~約50重量%の量で存在する。
【0061】
有利なことに、送達システムが燃焼型エアロゾル供給システムである場合、葉柄は燃焼型エアロゾル供給システムの燃焼特性を改良し得る。例えば、葉柄は燃焼の速度を増大し得るか、又は燃焼が消化されるようになる機会を低減し得る。また、茎はエアロゾル生成材料の他の成分より高価でない材料であり得るので、送達システムの生産に関連するコストも低減し得る。
【0062】
幾つかの実施形態において、タバコ材料は組成物の約0重量%~約90重量%の量で再生タバコを含む。幾つかの実施形態において、タバコ材料は組成物の10重量%~90重量%、10重量%~80重量%又は20重量%~70重量%の量で紙再生タバコを含む。幾つかの実施形態において、タバコ材料は約1%~約20%、約2%~約15%又は約3%~約10%の量で再生タバコを含む。
【0063】
エアロゾル生成材料は無機材料、結合剤、エアロゾル形成材を含むエアロゾル化可能材料を含む。
【0064】
エアロゾル生成材料はエアロゾル化可能材料を任意の適切な量で含み得る。例えば、エアロゾル生成材料はエアロゾル化可能材料をエアロゾル生成材料の約1重量%~約99重量%、約1重量%~約50重量%又は約30重量%~約45重量%の量で含み得る。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料はエアロゾル化可能材料をエアロゾル生成材料の約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%又は約10重量%から約90重量%、約80重量%、約70重量%、約60重量%、約50重量%、約40重量%、約30重量%、約20重量%までの量で含む。
【0065】
幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料はエアロゾル化可能材料をエアロゾル生成材料の約3重量%、4重量%、5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%又は約45重量%の量で含む。
【0066】
幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料はエアロゾル化可能材料を約1%~約10%の量で含む。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料はエアロゾル化可能材料をエアロゾル生成材料の約5重量%~約60重量%、約6重量%~約55重量%、約7重量%~約50重量%、約8重量%~約45重量%、約9重量%~約40重量%又は約10重量~約35重量%の量で含む。
【0067】
エアロゾル生成材料はエアロゾル化可能材料をエアロゾル生成材料の約5重量%~約95重量%の量で含み得る。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料はエアロゾル化可能材料をエアロゾル生成材料の約10重量%~約80重量%、約20重量%~約60重量%、又は約30重量%~約40重量%の量で含む。幾つかの実施形態において、エアロゾル化可能材料はエアロゾル生成材料の約35重量%~約40重量%の量で、又はエアロゾル生成材料の37重量%~39重量%の量で又はエアロゾル生成材料の約37.5重量%の量で存在する。
【0068】
本発明者は、比較的高い量のエアロゾル化可能材料(例えば、約20%超)を含むエアロゾル生成材料を含む物品が様々な知覚(例えば官能)特性、特にその物品を喫煙したとき生成する煙の滑らかさを改良することを見出した。言い換えると、エアロゾル化可能材料の量が多ければ多いほど、風味プロフィールはより滑らかになる。
【0069】
本発明者はまた、比較的低い量のエアロゾル化可能材料(例えば約20%未満)を含むエアロゾル生成材料を含む物品が滑らかな風味プロフィールを提供するだけでなく、他の成分の風味及び味、特にエアロゾル生成材料中のタバコ材料の風味及び味も増進することを見出した。有利なことに、これにより、従来望ましいが微妙な風味プロフィールがエアロゾル生成材料中に使用されると考えられるタバコの品種が可能になる。
【0070】
幾つかの実施形態において、エアロゾル化可能材料は不定形の固体である。
【0071】
エアロゾル化可能材料は結合剤を含む。結合剤はアルジネート、ペクチン、デンプン(及び誘導体)、セルロース(及び誘導体)、ガム、シリカ又はシリコーン化合物、クレイ、ポリビニルアルコール及びこれらの組合せを含む群から選択される1種又は複数の化合物であることができる。例えば、幾つかの実施形態において、結合剤はアルジネート、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアゴム、ヒュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリン及びポリビニルアルコールのうちの1種又は複数を含む。場合によって、結合剤はアルジネート及び/又はペクチンを含む。幾つかの実施形態において、結合剤はアルジネート、例えばアルギン酸ナトリウムを含む。結合剤はエアロゾル化可能材料の成分を一緒に結合する。
【0072】
エアロゾル化可能材料はエアロゾル化可能材料の1重量%~約15重量%の量で結合剤を含み得る。幾つかの実施形態において、結合剤はエアロゾル化可能材料の約5重量%~約10重量%又は約7重量%~約9重量%(例えば、約8重量%)の量で存在する。
【0073】
エアロゾル化可能材料は無機材料を含む。無機材料は1種又は複数の金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウムを含むか又はそれからなることができる。或いは、無機材料は金属炭酸塩、例えば炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム、金属酸化物、例えばカルシウム又はマグネシウムの酸化物及び/又は金属硫酸塩、例えば硫酸カルシウムの混合物であり得る。無機材料は1種又は複数の金属炭酸塩を含む鉱物であり得る。幾つかの実施形態において、無機材料はチョークである。無機材料は、エアロゾル化可能材料の外観、従ってエアロゾル生成材料の外観を高める外観を有し得る。
【0074】
エアロゾル化可能材料はエアロゾル化可能材料の少なくとも約1重量%の量で無機材料を含み得る。例えば、エアロゾル化可能材料はエアロゾル化可能材料の約1重量%、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%~約90重量%、約60重量%~約85重量%又は約75重量%~約80重量%の量で無機材料を含み得る。
【0075】
エアロゾル化可能材料は既に記載したように1種又は複数のエアロゾル形成材を含む。エアロゾル化可能材料はエアロゾル化可能材料の約1重量%~約30重量%、5重量%~約30重量%又はエアロゾル化可能材料の約5重量%~約20重量%の量でエアロゾル形成材を含み得る。幾つかの実施形態において、エアロゾル化可能材料は9重量%~約16重量%のエアロゾル化可能材料、約10重量%~約15重量%又は約11重量%~約14重量%又は約12重量%~約13重量%のエアロゾル化可能材料の量で存在する。
【0076】
幾つかの実施形態において、エアロゾル化可能材料はエアロゾル形成材をエアロゾル化可能材料の総重量に対して約10wt%~約20wt%の量で、結合剤をエアロゾル化可能材料の総重量に対して約1wt%~約10wt%の量で、無機材料をエアロゾル化可能材料の総重量に対して約75wt%~約85wt%の量で含む。エアロゾル形成材は好ましくはグリセロール又はプロピレングリコールであるが、他のエアロゾル形成材(本明細書に記載されているいずれも含む)が使用され得る。
【0077】
エアロゾル生成材料中のエアロゾル形成材の総含量はエアロゾル生成材料の約1%~約20重量%であり得る。
【0078】
エアロゾル化可能材料は本明細書に記載されている香料のいずれかを含み得る。
【0079】
幾つかの実施形態において、エアロゾル化可能材料はタバコ抽出物を含む。タバコ抽出物は当業者に公知の何らかの手段で調製し得る。タバコ抽出物をエアロゾル化可能材料中に含ませると、エアロゾル生成材料の風味が更に高められ得る。
【0080】
任意選択で、エアロゾル生成材料はエアロゾル化可能材料並びに糖類及びニコチンを約8:1~約20:1の重量比で含む葉タバコを含むタバコ材料をタバコ材料の少なくとも5重量%の量で含むことができる。
【0081】
幾つかの実施形態において、エアロゾル化可能材料は着色剤を含まない。或いは、エアロゾル化可能材料は着色剤を含んでいてもよい。着色剤はエアロゾル化可能材料の外観を変え得る。エアロゾル化可能材料中の着色剤の存在はエアロゾル化可能材料を含むエアロゾル生成材料の外観を高め得る。例えば、エアロゾル化可能材料は、2つの材料を合わせたときにタバコ材料と視覚的に混じり合うようにタバコ材料と調色され得る。エアロゾル化可能材料の色は白色、緑色、青色、褐色又は黒色であり得る。好ましい実施形態において、エアロゾル化可能材料の色は白色である。
【0082】
幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料の色は所望の色を達成するように調整され得る。例えば、エアロゾル生成材料の外観を変えるように構成された物質、例えば着色剤が、幾つか又は全てのエアロゾル生成材料に適用され得る。幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料の外観を変えるように構成された物質はタバコ材料及び/又はエアロゾル化可能材料に個別に(例えばこれらの材料をブレンドする前に)適用される。エアロゾル生成材料の外観を変えるように構成された物質はエアロゾル化可能材料とタバコ材料をブレンドした後又はその間にエアロゾル生成材料に適用され得る。エアロゾル生成材料の外観を変えるように構成された物質は例えば噴霧することにより適用することができる。
【0083】
エアロゾル化可能材料は材料のシートとして形成され、次いで材料の分離した個々のセグメント又は部分に裁断するか又は刻むことができる。
【0084】
刻まれたエアロゾル化可能材料タバコ材料の裁断幅は約0.5カット/mm~約2.5カット/mmであり得る。幾つかの実施形態において、刻まれたエアロゾル化可能材料の裁断幅は約0.8~約1.8又は約0.9~約1.7カット/mmである。幾つかの実施形態において、刻まれたエアロゾル化可能材料の裁断幅は約1.4~約1.6カット/mm、又は約1.45カット/mm、又は約37カット/インチである。
【0085】
刻まれたエアロゾル化可能材料は約0.2~約1カット/mm、約0.3~約0.9カット/mm、約0.4~約0.8カット/mm又は約0.5~約0.7カット/mmの裁断幅を有し得る。
【0086】
エアロゾル化可能材料はエアロゾル形成材、結合剤及び無機材料、並びに任意選択で香料を、溶媒、例えば水と合わせ;スラリーを加熱されたバンドキャスター上にキャストして湿ったシートを生成させ;湿ったシートを乾燥してエアロゾル化可能材料を提供することにより製造され得る。エアロゾル化可能材料は更に加工処理されてもよい。例えば、エアロゾル化可能材料を刻んでもよい。
【0087】
エアロゾル化可能材料は乾燥後約1%~約10%の水分含量を有することができる。好ましい実施形態において、エアロゾル化可能材料の水分含量は約2%~約5%である。
【0088】
エアロゾル化可能材料は加熱又は燃焼したとき望ましくない官能特性を示さない。従って、加熱されたときエアロゾル生成材料により生成するエアロゾルは滑らかで中性の風味プロフィールを示し、強烈又は不快な風味を放出しない。理論に縛られることは望まないが、これは煙の流れに対して希釈効果を有するエアロゾル化可能材料に起因し得ると仮定される。
【0089】
幾つかの実施形態において、エアロゾル生成材料は既に記載した方法に従ってエアロゾル生成材料の表面に適用されるか又はエアロゾル化可能材料に含まれる1つ又は複数の香料を含む。本発明者は、驚くべきことに、エアロゾル生成材料が香料を含む場合、この香料がユーザーにより容易に知覚され得るということを見出した。従って、比較的少量の香料が所望の風味特性を達成するのに組成物に加えられる必要があり得る。例えば、1種又は複数の香料は約2000ppm未満、例えば約100ppm、500ppm、1000ppm、1500ppmの量でエアロゾル生成材料及び/又はエアロゾル化可能材料に加えることができる。幾つかの実施形態において、1種又は複数の香料は約2000ppm~約12000ppm、例えば約2000ppm、3000ppm、4000ppm、5000ppm、6000ppm、7000ppm、8000ppm、9000ppm、10000又は11000ppmの量で加えられる。
【0090】
エアロゾル生成材料の表面に適用する代わりに、又はそれに加えて、香料をエアロゾル化可能材料に組み込むことができる。例えば、エアロゾル化可能材料は埋め込まれた香料を含み得る。香料はその製造中にエアロゾル化可能材料に加えてもよい。有利なことに、香料がエアロゾル化可能材料内に含まれる場合は、エアロゾル生成材料の表面に含まれる香料と比較してよりゆっくりエアロゾル化可能材料から放出され得る。これにより、エアロゾル生成材料の保存可能期間が延長され得、また物品の喫煙中香料が放出される期間も延ばし得る。
【0091】
香料はエアロゾル化可能材料の約0.01%~約0.1重量%の量でエアロゾル化可能材料に加えることができる。
【0092】
また、本明細書に記載されているエアロゾル生成材料の比較的中性の官能特性のために、例えば微妙な味及び/又は香りを示す香料のような、例えば紙巻タバコに通例使用されてない香料を使用することが可能であり得る。
【0093】
本明細書で使用されるとき、用語「香料」及び「香味料」は、地方条例が許容する場合、成人消費者向けの製品で所望の味、又は香りを作り出すのに使用され得る材料を指す。1つ又は複数の香料を本明細書に記載されているエアロゾル改変剤として使用することができる。それらとしては、抽出物、(例えば、リコリス、抹茶、ユズ、カプチーノ、クランベリー、スターフルーツ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属のいずれかの種に由来するハッカ油、)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤又は刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、及び他の添加物、例えばチャコール、クロロフィル、鉱物、植物性物質、又は息清涼剤を挙げることができる。それらは模造品、合成若しくは天然成分又はこれらのブレンドであり得る。それらは任意の適切な形態、例えば、油、液体、又は粉末であり得る。
【0094】
幾つかの実施形態において、香料はメンソール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。幾つかの実施形態において、香料はキュウリ、ブルーベリー、柑橘類及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。特定の実施形態において、香料はカプチーノである。幾つかの実施形態において、香料はオイゲノールを含む。幾つかの実施形態において、香料はタバコから抽出された香料成分を含む。幾つかの実施形態において、香料は大麻から抽出された香料成分を含む。
【0095】
幾つかの実施形態において、香料は感覚剤を含み得、これは体性感覚知覚を達成することが意図されており、これらは通常化学的に誘発され、香り又は味覚神経に加えて又はその代わりに第5脳神経(三叉神経)の刺激により知覚され、これらには加熱し、冷却し、チクチクさせ、麻痺させる効果をもたらす作用物質が含まれ得る。適切な加熱効果剤はバニリルエチルエーテルであり得るが限定されることはなく、適切な冷却剤は限定されないがユーコリプトール、WS-3であり得る。
【0096】
エアロゾル生成材料が本明細書に記載されているエアロゾル化可能材料、及び香料又は感覚剤を含む場合、エアロゾル化可能材料はエアロゾル化可能材料を含まないエアロゾル生成材料と比較してユーザーの香料又は感覚剤の知覚を高め得る。理論に縛られることは望まないが、エアロゾル化可能材料の比較的中性の風味特性は、「香料担体」として機能することができ、他の香料又は感覚剤を高めることができることを意味すると考えられる。
【0097】
エアロゾル供給システムはエアロゾル改変剤を含む。エアロゾル改変剤は、加熱されたときエアロゾル生成材料により生成されるエアロゾルを、例えばエアロゾルの味、風味、酸性度又は別の特性を変えることにより改変するように構成されている、通例エアロゾル生成区域の下流に配置される物質である。
【0098】
エアロゾル改変剤は、例えば、添加剤又は吸着剤であり得る。エアロゾル改変剤は、例えば、香料、着色剤、水、及び炭素吸着剤の内の1種又は複数を含み得る。エアロゾル改変剤は、例えば、固体、液体、又はゲルであり得る。エアロゾル改変剤は粉末、スレッド又は顆粒の形態であり得る。エアロゾル改変剤はろ過材を含まない可能性がある。
【0099】
好ましいエアロゾル改変剤は既に記載されたように香味料及び感覚剤である。
【0100】
既に述べたように、本明細書に記載されているエアロゾル生成材料により生成するエアロゾルは比較的滑らかで中性の官能特性を示す。本発明者は、エアロゾル生成材料がエアロゾル中に存在するエアロゾル改変剤を覆い隠す傾向がないことを見出した。これは、エアロゾルがエアロゾル改変剤のための「担体」として作用することができるということを意味する。従って、エアロゾル改変剤の官能特性はユーザーにより容易に知覚することができ、より低い量のエアロゾル改変剤が所望のエアロゾル特性を達成するためにエアロゾル生成材料に加えられる必要があり得、エアロゾル生成材料により生成されるエアロゾルが多種多様ないろいろなエアロゾル改変剤を担持するために使用され得る。
【0101】
エアロゾル改変剤は、エアロゾル改変剤を選択的に放出するように作動可能であり得るエアロゾル改変剤放出成分中又はその上に備えられる。エアロゾル改変剤放出成分はカプセル、スレッド、又はビーズ、ラッパー(被覆体)、例えば紙ラッパー、プラグラップ、チップペーパー又はシガレットペーパーであることができる。エアロゾル改変剤はエアロゾル生成材料の一部ではない。エアロゾル生成材料はエアロゾル改変剤を含まない。
【0102】
幾つかの実施形態において、エアロゾル改変剤放出成分はエアロゾル改変剤を含むラッパー、特にチップペーパーである。チップペーパー又は本明細書に記載されている紙/ラッパーのいずれかはエアロゾル改変剤、例えば感覚剤物質を含むことができる。
【0103】
幾つかの実施形態において、感覚剤物質はpH調節剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1種又は複数を含み得る。これらの物質はラッパー、従って燃焼型エアロゾル供給システムの保存可能期間を増大するのを補助し得る。
【0104】
エアロゾル改変剤はカプセル材料内にカプセル化することができる。例えば、感覚剤物質は、チップペーパー又は他のラッパーに適用されたマイクロカプセルの形態で提供することができる。エアロゾル改変剤のカプセル化は様々な利点を提供し得る。例えば、カプセル化されたエアロゾル改変剤は所望の味又は香りを有する香味料を含み得るか又はそれからなり得る。カプセル化は味及び/又は香りの寿命を増進し得る。
【0105】
特に、エアロゾル改変剤のカプセル化はユーザーにより検出される風味を強化することによりエアロゾル改変剤の香りの寿命を改良し得る。従って、香りは風味が少なくなった後(例えば風味がもはやユーザーにより検出できなくなったか又は消費者により検出可能であるより少なくなったとき)でもユーザーにより検出され続けることによりユーザーの経験を増進し得る。
【0106】
カプセル化されたエアロゾル改変剤はまた、その使用前又は使用中に非燃焼型エアロゾル供給システムに使用される燃焼型エアロゾル供給システムの成分により放出され得る他の香りを覆い隠す助けにもなり得る。
【0107】
カプセル化されたエアロゾル改変剤はエアロゾル改変剤の風味を示す香りを示し得る。例えば、香りはユーザーにエアロゾル改変剤の風味に対する合図を提供し得る。これはユーザーが感覚剤物質の風味を迅速に設置するのを助け得る。
【0108】
幾つかの実施形態において、エアロゾル改変剤放出成分はカプセルである。
【0109】
カプセルはコアシェル構造を有し得る。コアシェル構造は液体作用物質、例えば本明細書に記載されているエアロゾル改変剤をカプセル化するシェルを含む。カプセルのシェルは、ユーザーにより破裂させてエアロゾル改変剤を放出するように構成することができる。
【0110】
送達システムは単一のカプセルを含み得るか、又は1つより多くのカプセルを含み得る。
【0111】
カプセルのシェルはエアロゾル改変剤を含むコアの周りにシェルを作り出すカプセル材料又はバリヤー材料を含むことができる。シェル構造は送達システムの貯蔵中エアロゾル改変剤の移動を妨げるが使用中エアロゾル改変剤の制御された放出を可能にする。
【0112】
バリヤー材料(本明細書中ではカプセル材料ともいわれる)は壊れやすい。カプセルはユーザーにより砕かれるか又はその他破砕されるか又は破壊されてカプセル化されているエアロゾル改変剤を放出する。通例、カプセルは加熱が開始される直前に破壊されるが、ユーザーはエアロゾル改変剤を放出するときを選択することができる。用語「易破壊性カプセル」は、シェルがコアを放出するために圧力によって破壊され得るカプセルを指し;より特定的にはシェルはユーザーがカプセルのコアを放出させたいときユーザーの指により課される圧力下で破裂させることができる。
【0113】
幾つかの実施形態において、フィルターは、使用中、ユーザーによりタバコ産業製品成分の壁に外力が加えられた際粒子がカプセルの破壊を促進するように構成された
カプセル及び複数の粒子を含み得る。粒子はカプセルのシェルより頑丈な(例えばより堅い)材料で作成され得る。これは、外力が加えられた際に添加物カプセルの破損を促進するのに役立つ。より頑丈である粒子はまた推移中カプセルの破損を防ぐのにも役立つ。適した構成体は、例えば国際公開第2019/207302号に記載されている。
【0114】
場合によって、バリヤー材料は耐熱性である。即ち、場合によって、バリヤーはエアロゾル供給デバイスの作動中カプセル部位で達した温度において破裂したり、融解したり、又はその他機能しなくなったりしない。実例として、マウスピースに位置するカプセルは例えば30℃~100℃の範囲の温度に曝露され得、バリヤー材料は少なくとも約50℃~120℃まで液体コアを保持し続け得る。
【0115】
他の場合、カプセルは加熱の際に、例えばバリヤー材料の融解によるか又はバリヤー材料の破裂に至るカプセルの膨潤によりコア組成物を放出する。
【0116】
カプセルは球状であることができ、約3mm~約3.5mmの直径を有することができる。他の例においては、カプセルの他の形状及び大きさを使用することができる。例えば、カプセルは4mm未満、又は3.5mm未満、又は3.25mm未満の直径を有し得る。代わりの実施形態において、カプセルは約3.25mmより大きい、例えば3.5mmより大きい、又は4mmより大きい直径を有し得る。
【0117】
カプセルの総重量は約1mg~約100mg、適切には約5mg~約60mg、約8mg~約50mg、約10mg~約20mg、又は約12mg~約18mgの範囲であり得る。
【0118】
コア製剤の総重量は約2mg~約90mg、適切には約3mg~約70mg、約5mg~約25mg、約8mg~約20mg、又は約10mg~約15mgの範囲であり得る。
【0119】
バリヤー材料はゲル化剤、増量剤、緩衝剤、着色剤及び可塑剤のうちの1種又は複数を含み得る。適切には、ゲル化剤は、例えば、多糖若しくはセルロースゲル化剤、ゼラチン、ガム、ゲル、ワックス又はこれらの混合物であり得る。適切な多糖にはアルジネート、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン及びペクチンがある。適切なアルジネートには、例えば、アルギン酸の塩、エステル化したアルギン酸又はアルギン酸グリセリルがある。アルギン酸の塩にはアルギン酸アンモニウム、アルギン酸トリエタノールアミン、並びにナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムのアルギン酸塩のようなI族又はII族金属イオンのアルギン酸塩がある。エステル化したアルギン酸にはアルギン酸プロピレングリコール及びアルギン酸グリセリルがある。ある実施形態において、バリヤー材料はアルギン酸ナトリウム及び/又はアルギン酸カルシウムである。適切なセルロース材料にはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース及びセルロースエーテルがある。ゲル化剤は1種又は複数の加工デンプンを含み得る。ゲル化剤はカラギーナンを含み得る。適切なガムには寒天、ジェランガム、アラビアゴム、プルランガム、マンナンガム、ガムガッチ、トラガカントゴム、カラヤ、イナゴマメ、アカシアゴム、グアー、クインスシード及びキサンタンガムがある。適切なゲルには寒天、アガロース、カラギーナン、フロイダン及びファーセラランがある。適切なワックスにはカルナウバワックスがある。場合によって、ゲル化剤はカラギーナン及び/又はジェランガムを含み得;これらのゲル化剤は得られるカプセルを破壊するのに必要とされる圧力が特に適しているときゲル化剤として含ませるのに特に適切である。
【0120】
バリヤー材料は1種又は複数の増量剤、例えばデンプン、加工デンプン(例えば酸化デンプン)及び糖アルコール、例えばマルチトールを含み得る。
【0121】
バリヤー材料はエアロゾル生成用デバイスの製造プロセス中エアロゾル生成用デバイス内のカプセルの配置をより容易にする着色剤を含み得る。着色剤は好ましくは染料及び顔料から選ばれる。
【0122】
バリヤー材料は更に少なくとも1種の緩衝剤、例えばクエン酸又はリン酸化合物を含み得る。
【0123】
バリヤー材料は更に少なくとも1種の可塑剤を含み得、これはグリセロール、ソルビトール、マルチトール、トリアセチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール又は可塑化特性をもつ別の多価アルコール、任意選択で一酸、二酸若しくは三酸タイプの1種の酸、殊にクエン酸、フマル酸、リンゴ酸、などであり得る。可塑剤の量はシェルの総乾燥重量の1重量%~30重量%、好ましくは2重量%~15重量%、更により好ましくは3重量~10重量%の範囲である。
【0124】
バリヤー材料はまた1種又は複数の充填剤材料も含み得る。適切な充填剤材料はデンプン誘導体、例えばデキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリン(アルファ、ベータ又はガンマ)、又はセルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピル-メチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール、ポリオール又はこれらの混合物を含む。デキストリンは好ましい充填材である。シェル中の充填材の量はシェルの総乾燥重量に対して多くとも98.5重量%、好ましくは25~95重量%、より好ましくは40~80重量%、更により好ましくは50~60重量%である。
【0125】
カプセルシェルは更に、湿気に誘発される劣化に対するカプセルの感受性を低減させる疎水性の外層を含み得る。疎水性の外層は適切にはワックス、殊にカルナウバワックス、カンデリラワックス若しくは蜜蝋、カルボワックス、シェラック(アルコール性又は水性溶液中)、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシル-プロピルセルロース、ラテックス組成物、ポリビニルアルコール、又はこれらの組合せを含む群から選択される。より好ましくは、少なくとも1種の防湿剤はエチルセルロース又はエチルセルロースとシェラックの混合物である。
【0126】
カプセルコアは既に記載したエアロゾル改変剤を含む。
【0127】
エアロゾル改変剤が香味料である場合、香味料は適切にはリコリス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、ミント風味、適切にはメンソール及び/又はハッカ属のいずれかの種に由来するハッカ油、例えばペパーミント油及び/又はスペアミント油、又はラベンダー、ウイキョウ若しくはアニスであり得る。場合によって、香味料はメンソールを含む。
【0128】
場合によって、カプセルは少なくとも約25%w/wの香味料(カプセルの総重量に対して)、適切には少なくとも約30%w/wの香味料、35%w/wの香味料、40%w/wの香味料、45%w/wの香味料又は50%w/wの香味料を含み得る。
【0129】
場合によって、コアは少なくとも約25%w/wの香味料(コアの総重量に対して)、適切には少なくとも約30%w/wの香味料、35%w/wの香味料、40%w/wの香味料、45%w/wの香味料又は50%w/wの香味料を含み得る。場合によって、コアは約75%w/w以下の香味料(コアの総重量に対して)、適切には約65%w/w以下の香味料、55%w/wの香味料、又は50%w/wの香味料を含み得る。実例として、カプセルは香味料を25~75%w/w(コアの総重量に対して)、約35~60%w/w又は約40~55%w/wの範囲の量で含み得る。
【0130】
カプセルは少なくとも約2mg、3mg又は4mgのエアロゾル改変剤、適切には少なくとも約4.5mgのエアロゾル改変剤、5mgのエアロゾル改変剤、5.5mgのエアロゾル改変剤又は6mgのエアロゾル改変剤を含み得る。
【0131】
場合によって、カプセルは少なくとも約7mgのエアロゾル改変剤、適切には少なくとも約8mgのエアロゾル改変剤、10mgのエアロゾル改変剤、12mgのエアロゾル改変剤又は15mgのエアロゾル改変剤を含む。コアはまたエアロゾル改変剤を溶解する溶媒も含み得る。いずれかの適切な溶媒を使用し得る。
【0132】
エアロゾル改変剤が香味料を含む場合、溶媒は適切には短又は中鎖の油脂を含み得る。例えば、溶媒はグリセロールのトリエステル、例えばC2~C12トリグリセリド、適切にはC6~C10トリグリセリド又はCs-C12トリグリセリドを含み得る。例えば、溶媒はパーム油及び/又はヤシ油に由来し得る中鎖トリグリセリド(MCT-C8~C12)を含み得る。
【0133】
エステルはカプリル酸及び/又はカプリン酸と共に形成され得る。例えば、溶媒はカプリル酸トリグリセリド及び/又はカプリン酸トリグリセリドである中鎖トリグリセリドを含み得る。例えば、溶媒はCAS登録番号73398-61-5、65381-09-1、85409-09-2で同定される化合物を含み得る。かかる中鎖トリグリセリドは無臭且つ無味である。
【0134】
溶媒の親水性-親油性バランス(HLB)は9~13、適切には10~12の範囲であり得る。カプセルを作成する方法は共押出、任意選択でそれに続く遠心分離並びに硬化及び/又は乾燥を含む。国際公開第2007/010407号の内容は参照によりその全体が組み込まれる。
【0135】
送達システムはフィルターを含み得る。フィルターは、送達システムの使用中エアロゾル生成材料により生成したエアロゾルをろ過するように送達システムのマウスピースに配置され得る。
【0136】
フィルターは材料の本体を含み得る。材料の本体はフィラメント状のトウを含み得る。本明細書に記載されているフィラメント状のトウ材料は酢酸セルロース繊維トウを含むことができる。フィラメント状のトウはまた、繊維を形成するのに使用される他の材料、例えばポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(1-4ブタンジオールスクシネート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、デンプンベースの材料、綿、脂肪族ポリエステル材料及び多糖ポリマー又はこれらの組合せを用いて形成することもできる。フィラメント状のトウは、トウ用の適切な可塑剤、例えば材料が酢酸セルローストウであるか、又はトウが可塑化されていない可能性がある場合トリアセチンで可塑化され得る。トウは任意の適切な仕様、例えば「Y」形状又は他の横断面、例えば「X」形状を有する繊維、2.5~15デニール/フィラメント、例えば8.0~11.0デニール/フィラメントのフィラメント状デニール値及び5,000~50,000、例えば10,000~40,000の総デニール値を有することができる。
【0137】
フィルターはカプセルを含む材料の本体を含むことができる。カプセルは既存のプロセス及び機械を用いてフィルターに製造し挿入することができる。
【0138】
幾つかの実施形態において、送達システムは2つ以上のフィルターセクションを含み得る。第1のフィルターセクションはその軸領域に配置された1つ又は複数のカプセルを有する連続したフィルター材料を含むことができる。第2のフィルターセクションはチューブ状のフィルターセクションを含むことができる。チューブ状のフィルターセクションは繊維質のフィルター材料から形成することができる。
【0139】
本開示の更なる態様によると、本明細書に記載されている送達システムを含有するパケットが提供される。パケットは1つ又は複数の送達システムのパケットからの取出しを可能にするように配置された開口を含み得る。1つ又は複数の送達システムは開口を通して1つ又は複数の送達システムをパケットから取り出す前に開口を通してエアロゾル生成材料がユーザーの目に見えるように配置される。
【代表的な実施形態】
【0140】
代表的な実施形態1
図1は一般に円筒状の形状である燃焼型エアロゾル供給システム1aの略図である。送達システムは、エアロゾル生成材料を含み、包装材料3、この例ではシガレットペーパーに包まれたロッド2を含んでおり、ロッド2は、フィルター4をロッド2に接続するようにフィルター4を覆い包装材料3を部分的に覆うチップ材料5により長手方向にフィルター4に接続されている。フィルターは吸収性材料7を含み、プラグラップ8に包まれている。
【0141】
ある範囲の包装材料がエアロゾル化可能材料を包むのに適切であり得る。包装材料は様々な色を有することができる。幾つかの実施形態において、包装材料の色はエアロゾル生成材料と合致又は調和するように選択され得る。包装材料はまた半透明であってもよいし、又はユーザーが消耗品内のエアロゾル生成材料を確認できるように透明であってもよい。例えば、エアロゾル生成材料又はエアロゾル生成材料の成分は透明又は半透明のラッパーを通してユーザーの目に見える独特な外観を有し得る。
【0142】
エアロゾル生成材料は本明細書に記載されているようにタバコ材料及びエアロゾル化可能材料を含み得る。幾つかの実施形態において、ロッド2内のタバコ材料及びエアロゾル化可能材料の分布は均一である。或いは、ロッド2内のタバコ材料及びエアロゾル化可能材料の分布は不均一である。エアロゾル生成材料内のエアロゾル化可能材料の濃度はロッド2の長さに沿って変化することができる。例えば、エアロゾル化可能材料はマウスピースに近い方がより高い濃度で存在し得る。これは消耗品により生成したエアロゾルの滑らかさをセッションの終わりにかけて改良し得る。エアロゾル化可能材料が香料を含む場合、セッションの終わりにかけて消耗品により生成したエアロゾルは特に高い香料濃度を有し得、従ってセッションの終わりにかけて消耗品の知覚特性を変える(例えば改良する)。
【0143】
軸領域は、本例においては、送達システム1aの軸「a」に中心をもち、約3mmの半径を有する領域である。代わりの実施形態において、軸領域の半径は1mm~4mm、若しくは1mm~3mmのどこか、又は約1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm若しくは3.5mmであることができる。
【0144】
タバコロッド2及びフィルター4が周りに配置された送達システム1aの軸が図1に「a」として示されている。
【0145】
代表的な実施形態2
図2は燃焼型エアロゾル供給システム1bの略図である。
【0146】
参照数字は図1に示された実施形態から保たれており、既に記載した通りである。
【0147】
カプセル9がフィルター4に備えられている。カプセルは喫煙品2を通過する主流煙の特性を変更するエアロゾル改変剤を含む。カプセルは、既存のプロセス及び機械を用いて製造しフィルター4に挿入することができる。本例においてカプセルはメンソール香味料を含有するが、他の流体又は顆粒状添加剤をカプセル内に含有することができよう。
【0148】
カプセル9は易破壊性カプセル、例えば液体ペイロードを取り囲む固体の壊れやすい殻を有するカプセルであることができる。カプセルは消費者により破裂させて流体の添加剤を吸収性フィルター材料7中に放出させることができる。カプセル9は材料7の本体内にすっかり埋め込まれている。言い換えると、カプセル9は本体7を形成する材料により完全に取り囲まれている。
【0149】
本例においては単一のカプセル9が使用される。代わりの実施形態において、フィルター4は1つ又は複数のカプセルを含んでもよい。他の例において、複数の易破壊性カプセル、例えば2つ、3つ又はそれより多くの易破壊性カプセルが材料7の本体内に配置されてもよい。材料7の本体の長さは必要とされるカプセルの数を収容するように増大することができる。複数のカプセルが使用される例において、個々のカプセルは大きさ及び/又はカプセルペイロードの点で互いに同一であっても又は互いに異なってもよい。
【0150】
他の例において、材料7の多数の本体が備えられ、各々の本体が1つ又は複数のカプセルを含有していてもよい。
【0151】
代表的な実施形態3
図3は燃焼型エアロゾル供給システム1cの略図である。参照数字は既に記載した図1及び2により例示した実施形態のままである。
【0152】
フィルター4は吸収性材料からできた第1のセクション7a及びチューブ状の形状に形成された繊維質フィルター材料11を含み、フィルター材料11の中心を通って延びるチャンネル12を有するフィルター4の口側の端の第2のセクション10を含む。フィルター材料11の中心を通って延びる空又は中空のチャンネル12は直径1mm~6mm、例えば直径2mm~5mmであることができる。フィルター材料11の中心を通って延びるチャンネル12は本例において空の中空の通路である。チャンネルは、幾つかの実施形態において、第2のフィルターセクション10のフィルター材料の軸領域を通って延びる。第2のフィルターセクション10の軸領域は、本例において、約2.5mmの半径を有する喫煙品1の軸「a」上に中心をもつ領域である。代わりの実施形態において、軸領域の半径は1mm~4mm、又は1mm~3mmのどこか、又は約1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm又は3.5mmであることができる。本例において、チューブ状のフィルターセクションは酢酸セルローストウから形成され、第2のプラグラップ13に包まれる。チューブ状のフィルターの壁厚は約1.5mmである。代わりの実施形態において、壁厚は1mm~4mm、又は1mm~3mmのどこか、又は約1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm若しくは3.5mmであることができる。しかしながら、具体的な寸法はチューブを形成するフィルター材料の密度及び所望の剛性、多孔性又はその他の特性を有するチューブを得るために材料に適用される可塑剤のレベルを基準にして選択され得る。チューブ状のフィルターセクション10は既存のプロセス及び機械を用いて製造することができる。
【0153】
消費者が喫煙品1を喫煙する前又は喫煙中のいずれかでカプセル9を破壊したとき、その中に含まれるエアロゾル改変剤、この場合メンソールが第1のフィルターセクション7aの軸領域により高い濃度で放出され、第2のフィルターセクション10の結果としてその領域を通って主流煙の増大した流れが向けられる。従って、主流煙の増大した流れが煙を改変する添加剤の消費者への送達を高め、従って喫煙品1cは従来の喫煙品と比較して煙を改変する添加剤の消費者への改良された送達を示すことができる。
【0154】
代表的な実施形態4-エアロゾル化可能材料
エアロゾル化可能材料は以下のように作成した。水及びアルギン酸ナトリウム(Protanal(登録商標) RF6650;乾燥重量基準で8%)を合わせ、高剪断ミキサーで15分混合した。チョーク(乾燥重量基準で79%)及びグリセロール(乾燥重量基準で13%)を混合物に加え、5分混合した。スラリーが均一な粘稠度に達するまでタンク内で混合物を掻き混ぜた。次いで加熱したバンドキャスター(キャスト幅800mm;80~90℃、20分)を用いてスラリーをキャストして約0.5mm厚の湿ったシートを生成させた。次いで寸断機を用いてエアロゾル化可能材料を37カット/インチ(約1.5カット/mm)に刻んで、刻まれたエアロゾル化可能材料を得た。
【0155】
代表的な実施形態5-エアロゾル生成材料
上記のように調製したエアロゾル化可能材料をタバコ材料とブレンドしてタバコ及びエアロゾル化可能材料を含むエアロゾル生成材料を生成させた。エアロゾル生成材料中のエアロゾル化可能材料及びタバコ材料の相対的な量を表1に示す。
【0156】
タバコは組成物の総重量に対して約50wt%の量でタバコ葉を含んでいた。タバコ葉の約40wt%はタバコ植物の下半分から得られた葉であり、約10:1の糖類対ニコチンの比を有していた。エアロゾル生成材料は組成物の総重量に対して約18wt%の量でタバコ茎を含んでいた。
【表1】
【0157】
代表的な実施形態6-送達システム
フィルターを含む3つの紙巻タバコを代表的な実施形態5のエアロゾル生成材料を用いて製造した。エアロゾル生成材料を含む紙巻タバコは「白色タバコ」の名前で上市され得る。1つの紙巻タバコは任意の追加の香味料を含んでいなかった。他の2つの紙巻タバコは香味料(メンソール、1mg)を含んでいた。
【0158】
構成を表2に示す。
【表2】
【0159】
知覚評価
紙巻タバコ1~3の知覚特性を、熟練喫煙者のパネルにより、本明細書に記載されているエアロゾル化可能材料を含有しない対照の紙巻タバコ(Kent Super Slim(1mgメンソール))に対して評価した。
【0160】
熟練喫煙者のパネルは、喫煙したとき、紙巻タバコ1~3が対照の紙巻タバコと比較してより良い後味、より良い風味知覚及びより良い口当たりを示したと結論した。
【0161】
熟練喫煙者は、紙巻タバコ2及び3が対照の紙巻タバコと比較してメンソール香味料の同じレベル(1mg)にも関わらず著しく改良された清涼感を示したと報告した。
【0162】
本明細書に記載されている様々な実施形態が、特許請求の範囲に記載の本発明の特徴を理解し教示するのを補助するためにのみ示されている。これらの実施形態は実施形態の代表的な実例としてのみ提供され、網羅的及び/又は排他的ではない。本明細書に記載されている利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は特許請求の範囲に定義される本発明の範囲に対する限定又は特許請求の範囲の等価物に対する限定とは考えられず、また他の実施形態が利用され得、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく修正をなし得ることと理解されたい。本発明の様々な実施形態は適切には具体的に本明細書に記載されているもの以外の開示されている要素、成分、特徴、部分、ステップ、手段、等の適当な組合せを含み得るか、又はそれらからなり得るか、又は本質的にそれらからなり得る。加えて、この開示は、現在の特許請求の範囲に記載されていないが将来記載され得る他の発明を包含し得る。
図1
図2
図3