(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】包装機のジョーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B65B 51/30 20060101AFI20240528BHJP
B65B 9/207 20120101ALI20240528BHJP
B65B 51/16 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
B65B51/30
B65B9/207
B65B51/16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019043598
(22)【出願日】2019-03-11
【審査請求日】2022-02-22
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】508337053
【氏名又は名称】ティエヌエイ オーストラリア ピーティワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、 アルフレッド アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】フェルフォルヤ、 デニ
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05031386(US,A)
【文献】特開平06-219425(JP,A)
【文献】特開昭63-272639(JP,A)
【文献】特開2007-076719(JP,A)
【文献】特開2015-107806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/30
B65B 9/207
B65B 51/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装機のジョーアセンブリであって、
平行でありかつ横方向に離間している一対の駆動シャフトと、
シールジョーが協働する対で配置されるように各駆動シャフトに取り付けられた少なくとも1つのシールジョーと
を含み、
各駆動シャフトは、長手方向軸を有しかつそれぞれの軸を中心に繰り返し360°回転し、
前記一対の駆動シャフトは反対方向に回転し、
各シールジョーは、下方に移動する筒状袋材と係合して筒状袋材に横方向シールを形成するシール面を有し、
各シール面は、それぞれの回転軸から85mmより小さい半径だけ離間し、
前記ジョーアセンブリは、前記シールジョーが前記筒状袋材と係合する前に協働する一対の扱きバーが前記筒状袋材を扱くように、各シールジョーと動作可能に関連付けられた扱きバーを含み、
前記扱きバーの各々は
、前記扱きバーの長さ方向に沿って前記扱きバーに取り付けられた保護物を有し、
前記保護物は前記扱きバーと共に移動し、前記保護物は、前記扱きバーが前記筒状袋材を扱く際に、前記筒状袋材に隣接して配置されて前記筒状袋材との意図しない接触から各シール面を隔離するのを助け
る、ジョーアセンブリ。
【請求項2】
各シール面は、その回転軸から65mmより大きく85mmより小さい半径だけ離間している、請求項1に記載のジョーアセンブリ。
【請求項3】
各シール面は、そのそれぞれの軸から80mmより小さいが70mmより大きい半径だけ離間している、請求項2に記載のジョーアセンブリ。
【請求項4】
各シール面は、その回転軸から約76mmの距離だけ離間している、請求項3に記載のジョーアセンブリ。
【請求項5】
前記長手方向軸は概ね水平である、請求項1に記載のジョーアセンブリ。
【請求項6】
前記シールジョーは、前記筒状袋材と係合しているときに下方に移動している、請求項1に記載のジョーアセンブリ。
【請求項7】
前記ジョーアセンブリは、各シールジョーと動作可能に関連付けられた閉鎖バーであって、前記シールジョーが前記筒状袋材とシール接触しているときに前記筒状袋材を閉じるように対で協働する閉鎖バーを含む、請求項1に記載のジョーアセンブリ。
【請求項8】
前記扱きバー及び前記閉鎖バーは、前記筒状袋材と接触しているときに下方に移動する、請求項7に記載のジョーアセンブリ。
【請求項9】
前記長手方向軸は概ね水平である、請求項3に記載のジョーアセンブリ。
【請求項10】
前記シールジョーは、前記筒状袋材と係合しているときに下方に移動している、請求項3に記載のジョーアセンブリ。
【請求項11】
前記ジョーアセンブリは、各シールジョーと動作可能に関連付けられた閉鎖バーであって、前記シールジョーが前記筒状袋材とシール接触しているときに前記筒状袋材を閉じるように対で協働する閉鎖バーを含む、請求項3に記載のジョーアセンブリ。
【請求項12】
前記扱きバー及び前記閉鎖バーは、前記筒状袋材と接触しているときに下方に移動する、請求項11に記載のジョーアセンブリ。
【請求項13】
前記シールジョーは、前記筒状袋材と係合しているときに下方に移動している、請求項5に記載のジョーアセンブリ。
【請求項14】
前記ジョーアセンブリは、各シールジョーと動作可能に関連付けられた閉鎖バーであって、前記シールジョーが前記筒状袋材とシール接触しているときに前記筒状袋材を閉じるように対で協働する閉鎖バーを含む、請求項5に記載のジョーアセンブリ。
【請求項15】
前記扱きバー及び前記閉鎖バーは、前記筒状袋材と接触しているときに下方に移動する、請求項14に記載のジョーアセンブリ。
【請求項16】
各シール面は、その回転軸から約76mmの距離だけ離間している、請求項15に記載のジョーアセンブリ。
【請求項17】
前記長手方向軸は概ね水平であり、
前記シールジョーは、前記筒状袋材と係合しているときに下方に移動しており、
前記ジョーアセンブリは、各シールジョーと動作可能に関連付けられた閉鎖バーであって、前記シールジョーが前記筒状袋材とシール接触しているときに前記筒状袋材を閉じるように対で協働する閉鎖バーを含み、
前記扱きバー及び前記閉鎖バーは、前記筒状袋材と接触しているときに下方に移動する、請求項16に記載のジョーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スナック食品の袋などの製品の袋を製造する包装機用のジョーアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
包装機は、袋材を筒状の形態で受け取る。包装される製品が筒状袋材の内部に供給され、次いで包装機が筒状袋材を横方向に封止及び切断して製品の袋を形成する。筒状袋材は、包装用フィルムが帯状の形態で供給されるフォーマーショルダーによって形成される。フォーマー及び包装機は、特許文献1-19に記載されている。
【0003】
フォーマーショルダーによって提供される筒状材料は、長手方向に封止される。この機能は、筒状袋材をその長手方向に重なり合う縁に沿って加熱すること及び重なり合う長手方向の端に圧力を加えることによって行われる。
【0004】
フォーマーの上には、フォーマーショルダーに向かって延びるシュートに製品のバッチを供給する計量機が配置されている。
【0005】
筒状袋材は、フォーマーショルダーを通過し、長手方向に封止され、次いで包装機に供給される。これが行われている間、筒状袋材の長さに沿って散在している製品からなる製品のバッチが計量器によって筒状袋材の内部に供給される。フォーマーショルダーの下で且つ包装機の上に、フィルム駆動アセンブリが配置される。フィルム駆動アセンブリは、筒状袋材と係合して帯状材料にフォーマーを通過させ、筒状袋材を下の包装機に供給する。一般的に、フィルム駆動アセンブリは、筒状袋材を所望の速度で駆動する一対の従動ベルトを含む。ローラーを使用することもできる。包装機は、少なくとも一対の回転駆動されるジョーを含み、ジョーは、フィルム駆動アセンブリによって決定される筒状袋材の速度と一致する周速度を(筒状袋材と係合したときに)有する。
【0006】
特にスナック食品に関して、スナック食品を縮小サイズの袋で提供する傾向及び圧力がある。小さい袋は再梱包され、必ずしもそうとは限らないが、通常大きい袋に入っている。すなわち、小さい袋は、消費者に個々の一人分を提供する。
【0007】
上述の包装機は、各シャフト上に取り付けられた2つのジョーを有し、シャフトを360°回転させるごとに2つの袋が製造される。各ジョーのシール面は、シャフトの回転軸から約100mmの距離だけ離れている。
【0008】
上述のようなジョーアセンブリでは、すなわち、ジョーのシール面が回転軸から約100mmだけ離間していると、それらが大きいサイズの袋を製造するのに最も適しており、大きいサイズの袋を製造するように設計されているという欠点を有し、したがって、それらは小さい袋を高い生産速度で製造するのにはあまり適していないという欠点を有する。特に、ジョーが変化する速度プロファイルを有する場合、ジョーは、筒状袋材と係合する前及び筒状袋材と係合した後に加速及び減速される必要があり、一方、筒状袋材とシール接触しているとき、ジョーは筒状袋材と同じ速度で移動する必要がある。この速度の変化、したがって加速度は、慣性力に関して問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第4910943号明細書
【文献】米国特許第5622032号明細書
【文献】米国特許第4663917号明細書
【文献】米国特許第6655110号明細書
【文献】米国特許第7159376号明細書
【文献】米国特許第7600630号明細書
【文献】米国特許第7383672号明細書
【文献】米国特許第4753336号明細書
【文献】米国特許第7124559号明細書
【文献】米国特許第7415809号明細書
【文献】米国特許第7152387号明細書
【文献】米国特許第7472528号明細書
【文献】オーストラリア特許出願第2012258403号明細書
【文献】オーストラリア特許出願第20122584号明細書
【文献】オーストラリア特許出願第2012258497号明細書
【文献】オーストラリア特許出願第2012201494号明細書
【文献】オーストラリア特許出願第2012201595号明細書
【文献】オーストラリア特許出願第2011360138号明細書
【文献】国際出願PCT/EP2013/052754号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記の欠点の少なくとも1つを克服するか又は実質的に改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書には、包装機のジョーアセンブリであって、
平行でありかつ横方向に離間している一対の駆動シャフトと、
ジョーが協働する対で配置されるように各シャフトに取り付けられた少なくとも1つのシールジョーと
を含み、
各駆動シャフトは長手方向軸を有しかつそれぞれの軸を中心に繰り返し360°回転し、
一対の駆動シャフトは反対方向に回転し、
各シールジョーは下方に移動する筒状袋材と係合して筒状袋材に横方向シールを形成するシール面を有し、
各シール面はそれぞれの回転軸から85mmより小さい半径だけ離間している、ジョーアセンブリが開示されている。
【0012】
好ましくは、各シール面は、その回転軸から65mmより大きいが85mmより小さい半径だけ離間している。
【0013】
好ましくは、各シール面は、それぞれの軸から80mmより小さいが70mmより大きい半径だけ離間している。
【0014】
好ましくは、各シール面は、その回転軸から約76mmの距離だけ離間している。
【0015】
好ましくは、長手方向軸は概ね水平である。
【0016】
好ましくは、シールジョーは筒状袋材と係合しているときに下方に移動している。
【0017】
好ましくは、ジョーアセンブリは、シールジョーが筒状袋材と係合する前に協働する対の扱きバーが筒状袋材を扱くように、各シールジョーと動作可能に関連付けられた扱きバーを含む。
【0018】
好ましくは、ジョーアセンブリは、各シールジョーと動作可能に関連付けられた閉鎖バーであって、シールジョーが筒状袋材とシール接触しているときに筒状袋材を閉じるように対で協働する閉鎖バーを含む。
【0019】
好ましくは、扱きバー及び閉鎖バーは、筒状袋材と接触しているときに下方に移動する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
添付の図面を参照しながら本発明の好ましい形態を例として説明する。
【
図1】包装機のジョーアセンブリの概略等角図である。
【
図2】
図1のジョーアセンブリの概略端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面には、包装機のジョーアセンブリ10が概略的に描かれている。
【0022】
包装機は、ジョーアセンブリ10によって横方向に封止されかつ横方向に切断されてスナック食品の袋12を形成する筒状袋材11をジョーアセンブリ10に供給するフィルム駆動アセンブリの下に位置する。筒状袋材11は、下方向13に送られる。
【0023】
フィルム駆動アセンブリは、筒状袋材11に縦方向シールを形成するシールバーを含み、ジョーアセンブリ10は、各袋12に対して横方向シールを形成する。
【0024】
フィルム駆動アセンブリの上に位置するのは、筒状袋材11を帯状の形態で受け取るフォーマーであり、フォーマーは、帯状袋材を受け取り、筒状袋材11を形成する。フォーマーの上に位置するのは、フォーマーの中央開口部を通して製品のバッチを筒状袋材11の内部に供給する計量機である。
【0025】
ジョーアセンブリ10は、反対の回転方向16及び17に駆動される一対のシャフト14及び15を含む。各シャフト14又は15は、そのそれぞれの長手方向の回転軸18又は19の周りで繰り返し360°回転駆動される。軸18及び19は概ね水平である。
【0026】
シャフト14及び15は、概ね平行でありかつ横方向に間隔を置いて配置され、実質的に同一の広がりを有する。
【0027】
各シャフト14/15に固定されているのは駆動ギア20であり、ギア20はシャフト15及び16を反対の回転方向16/17に駆動する。
【0028】
ギア20の一方に固定されているのは、駆動プーリー23の周りに延びる駆動ベルト22に係合されているプーリー21である。
【0029】
プーリー23はギアボックス24によって駆動され、ギアボックス24はサーボモータ25によって駆動される。
【0030】
サーボモータ25は、その動作に関してコントローラ(コンピュータ)26によって調節されている。コントローラ26は、上述のフィルム駆動アセンブリ及び計量機の動作を調節する。
【0031】
各シャフト14/15には一対のシールジョー27又は28が取り付けられている。各ジョー27は、筒状袋材11に横方向シールを形成するために、筒状袋材11と係合するようにジョーの対応する1つ28と動作可能に関連付けられる。筒状袋材11と係合しているとき、ジョー27及び28は、筒状袋材11と同じ速度で方向13において下方に移動している。
【0032】
筒状袋材11と係合しているとき、ジョー27/28は筒状袋材11と同じ速度で移動している。しかしながら、筒状袋材11と係合していないとき、シャフト14及び15は、ジョー27/28が筒状袋材11との係合の間にできるだけ迅速に動くように変化する角速度で駆動され、それによって袋12のより大きな生産速度を可能にする。
【0033】
この実施形態では、各シャフト14/15は一対のジョー27/28を有する。しかしながら、別の実施形態では、各シャフト14/15それぞれに取り付けられた少なくとも1つのジョー27/28がある。
【0034】
各ジョー27/28は、加熱された端面29を有し、筒状袋材11と係合して筒状袋材11に横方向シールを形成する。図示されていないのは、袋12を形成するために横方向シールに隣接して筒状袋材11を切断する各ジョー27/28に取り付けられたブレードである。その点に関して、袋12が切断されるときに、形成される袋12は端部シールを有し、一方次の袋は下端シールを有するように、面29はそれぞれ、ブレードの両側で横方向シールの一部を形成する準表層に配置される。
【0035】
各ジョー27/28内に取り付けられているのは、面29が横方向シールを形成するようにジョー27/28を加熱する加熱素子30である。
【0036】
各面29は、それぞれの軸18/19から半径31だけ離間している。すなわち、各面29はそのそれぞれの軸から所定の距離だけ離間している。
【0037】
好ましくは、半径は85mmより小さいが65mmより大きい。
【0038】
別の好ましい形態では、半径31は80mmより小さいが70mmより大きい。
【0039】
最も好ましくは、半径31は約76mmである。
【0040】
上述のような半径31を有することにより、ジョー27/28によって生じる慣性力が大幅に減少する。これにより、袋12の生産速度を速めるために、ジョー27/28をより迅速に加速し、その後で減速することができる。
【0041】
各シールジョー27/28と動作可能に関連付けられているのは、扱き閉鎖アセンブリ32である。
【0042】
各アセンブリ32は、一対の閉鎖バー34及び一対の扱きバー35を支持する一対の取り付けアーム33を含む。
【0043】
閉鎖バー34は対向する対34で配置され、扱きバー35は協働する対35で配置される。
【0044】
各シールジョー27/28が筒状袋材11に接近すると、バー34及び35が筒状袋材と係合して筒状袋材を扱いて筒状袋材を閉じ、ジョー27/28によって形成されるこのシール内に製品が配置されないようにする。
【0045】
詳細には、扱きバー35は、筒状袋材11に沿って下方に移動し、形成している袋12の下端に向かって筒状袋材を移動し、それによってシール内に位置し得る製品を除去する。閉鎖バー34は、扱きバー35の上方で筒状袋材11と係合して筒状袋材11を閉じ、供給される次のバッチによって封止される領域に製品が入らないようにする。
【0046】
好ましくは、扱きバー35の各々は、面29を筒状袋材11との意図しない接触から隔離するのを助けるために筒状袋材11に隣接して配置された保護物45を有する。
【0047】
バー34/35の各々は、アーム36/37の端部に取り付けられ、各アーム36/37は、回転軸18/19と概ね平行な軸を中心とする角運動のためにアーム33に旋回可能に取り付けられる。扱きバー35を支持するアーム36は、ばね38によってシャフト14及び15に対して所定の位置に付勢されている。
【0048】
また、バー34/35の各々は、カムトラック41/42と動作可能に関連付けられた端部突起39/40を有し、バー34/35を筒状袋材11との適切な係合のために位置決めする。
【0049】
上述のバー34/35の動作中、扱きバー35は筒状袋材11と係合し、筒状袋材11よりも大きい下向き速度を有し、それによって筒状袋材11に沿って下方に移動し、筒状袋材11を「扱く」。「扱き」機能は単に、筒状袋材11の内部に供給された製品が形成される横方向シールから離れるように下方に移動すること確実にすることを伴う。
【0050】
閉鎖バー34は、筒状袋材11と係合して筒状袋材11を閉じ、次に続くバッチの製品が形成されるシール領域に入らないようにする。筒状袋材と係合しているとき、バー34は下方に動いている。