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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】発泡性入浴剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20240528BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 8/362 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q19/10
A61K8/365
A61K8/362
A61K8/19
A61K8/39
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020029266
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2021134149
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308040638
【氏名又は名称】株式会社バスクリン
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】村松 司
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 達也
(72)【発明者】
【氏名】上野 康博
【審査官】牟田 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-234015(JP,A)
【文献】特開平10-298058(JP,A)
【文献】特開2009-62320(JP,A)
【文献】特開2020-132565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/
A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡性入浴剤100質量%中に、有機酸(A)30~65質量%、炭酸塩(B)30~65質量%及びアミノ酸系界面活性剤(C)0.1~2質量%を含み、
さらに、アミノ酸系界面活性剤以外の非イオン界面活性剤(E)を0.1~3質量%含み、
多孔質無水ケイ酸を含まず、
前記非イオン界面活性剤(E)が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル及びプルロニック系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、発泡性入浴剤。
【請求項2】
さらに、発泡性入浴剤100質量%中に、油剤(D)を0.1~5質量%含む請求項1に記載の発泡性入浴剤。
【請求項3】
前記油剤(D)の下記水付加試験における水添加量が5~50mL以下であり、かつ前記アミノ酸系界面活性剤(C)の前記油剤(D)に対する質量比が1倍以上である請求項に記載の発泡性入浴剤。
(水付加試験)
油剤(D)2gにエタノール(99.5%)50mLを加え混合した溶液に、ビュレットで精製水を添加していき、溶液が白濁するまでに添加した精製水の量を水添加量(mL)とする。
【請求項4】
40℃の水中での発泡持続時間が180秒以上である請求項1~のいずれか1項に記載の発泡性入浴剤。
【請求項5】
ブリケット型入浴剤であって、表面積が350~850mm/個である請求項1~のいずれか1項に記載の発泡性入浴剤。
【請求項6】
ブリケット型入浴剤であって、圧壊強度が80N以上である請求項1~のいずれか1項に記載の発泡性入浴剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性入浴剤に関する。
【背景技術】
【0002】
入浴剤として、水中で炭酸ガス泡を発生させる発泡性入浴剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。この発泡性入浴剤は、有機酸と炭酸塩とを含み、浴湯中で両者が反応することにより炭酸ガスを発生させる。
【0003】
この入浴剤から発生する炭酸ガスは、血管を拡張し、血流を促進することで入浴時の温浴効果を高める作用のあることが知られているだけでなく、浴湯中で発泡する様子そのものが視覚、触覚、聴覚といった五感を通じて心身に心地よい刺激となり、入浴の効果感を高める作用がある。例えば、短時間の勢いの良い発泡は活力のある印象を与え、長時間穏やかに持続する発泡はリラックス感を与える。
【0004】
このように、発泡の勢いは炭酸発泡入浴剤の重要な性能のひとつであり、任意にコントロールすることのできる技術が望まれてきた。従来、炭酸発泡入浴剤の発泡の勢いは、製剤処方中の主剤である有機酸、炭酸塩の粒度、溶解性、量および配合比によって決定されるところが大きかった。
【0005】
特許文献1には、有機酸及び炭酸塩に加え、特定のHLB値を有する非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び増粘剤を配合した浴用剤組成物が開示されている。この浴用剤組成物は、発泡した泡が浴水面で長く持続する効果を奏するものであり、発泡する状態が長く持続するものでないとともに、浴水面に長く存在する泡が、入浴者が湯浴から上がるときに、入浴者の体表面に付着し、そのまましばらく残るものであった。さらには、アミノ酸系以外のアニオン界面活性剤は、皮膚への刺激感が強く、入浴剤としては好ましくなかった。
【0006】
特許文献2には、有機酸及び炭酸塩に加え、特定のHLB値を有する非イオン界面活性剤を配合し、有機酸の浴水中での使用量を特定の範囲とした浴用剤組成物が開示されている。この浴用剤組成物は、組成物の全溶解時間に対する水中発泡時間の割合を高めるという効果を奏するものであるが、水中での発泡時間の実際の長さ及び発泡の穏やかさを調整するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2015-113321号公報
【文献】特開2011-190190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、微細な泡が生じるとともに、水中での発泡持続時間が長く、また、一度生成した泡の湯面の泡残りが抑制され、さらには肌への刺激が抑制された発泡性入浴剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、たとえば以下の[1]~[7]である。
[1]発泡性入浴剤100質量%中に、有機酸(A)30~65質量%、炭酸塩(B)30~65質量%及びアミノ酸系界面活性剤(C)0.1~2質量%を含む発泡性入浴剤。
[2]さらに、発泡性入浴剤100質量%中に、油剤(D)を0.1~5質量%含む[1]の発泡性入浴剤。
[3]さらに、発泡性入浴剤100質量%中に、アミノ酸系界面活性剤以外の非イオン界面活性剤(E)を0.1~3質量%含む[1]又は[2]の発泡性入浴剤。
[4]前記油剤(D)の下記水付加試験における水添加量が5~50mL以下であり、かつ前記アミノ酸系界面活性剤(C)の前記油剤(D)に対する質量比が1倍以上である[2]又は[3]の発泡性入浴剤。
(水付加試験)
油剤(D)2gにエタノール(99.5%)50mLを加え混合した溶液に、ビュレットで精製水を添加していき、溶液が白濁するまでに添加した精製水の量を水添加量(mL)とする。
[5]水中での発泡持続時間が180秒以上である[1]~[4]のいずれかの発泡性入浴剤。
[6]ブリケット型入浴剤であって、表面積が350~850mm/個である[1]~[5]のいずれかの発泡性入浴剤。
[7]ブリケット型入浴剤であって、圧壊強度が80N以上である[1]~[6]のいずれかの発泡性入浴剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発泡性入浴剤は、微細な泡が生じるとともに、水中での発泡持続時間が長く、また、一度生成した泡の湯面の泡残りが抑制されている。さらには、肌への刺激が抑制されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、発泡性入浴剤100質量%中に、有機酸(A)30~65質量%、炭酸塩(B)30~65質量%及びアミノ酸系界面活性剤(C)0.1~2質量%を含む発泡性入浴剤に関する。
【0012】
<必須成分>
(A)有機酸
有機酸としては、室温で固体のものが挙げられ、例えば、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、ピロリドンカルボン酸、クエン酸一ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、アジピン酸、酒石酸、安息香酸、サリチル酸、グルタル酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、ピルビン酸など等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、リンゴ酸、フマル酸及びコハク酸からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、リンゴ酸、フマル酸及びコハク酸の3種類を併用することがより好ましい。リンゴ酸の立体異性体については、特に制限はなく、いずれであってもよい。
【0013】
発泡性入浴剤100質量%中の有機酸の含有量は、30~65質量%であり、35~55質量%が好ましく、40~50質量%であることがより好ましい。有機酸の量が、上記範囲より少ないと、十分な炭酸ガス量を得られず、発泡力が弱くなる傾向がある。そのため、温浴効果も低下する傾向がある。上記範囲より多いと、保存安定性の確保が困難になる場合がある。上記範囲にあると、保存安定性が良好であり、製造過程においては、ブリケット剤とする場合の圧縮成型時にロール付着やリークなどが生じ難く、また解砕時にもバリ等の発生が抑制され、さらに、使用の際に不溶解物の生成の問題も生じないために好ましい。
【0014】
(B)炭酸塩
炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、入手の容易さ等の観点から、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの2種類を併用することがより好ましい。
【0015】
発泡性入浴剤100質量%中の炭酸塩の含有量は、30~65質量%であり、35~50質量%が好ましい。炭酸塩の量が、上記範囲より少ないと、十分な炭酸ガス量を得られず、発泡力が弱くなる傾向がある。上記範囲よりも多いと、保存安定性の確保が困難になる場合がある。そのため、温浴効果も低下する傾向がある。上記範囲にあると、保存安定性が良好である。
【0016】
(C)アミノ酸系界面活性剤
アミノ酸系界面活性剤としては、天然物由来の脂肪酸を疎水性基とするN-アシル酸性アミノ酸塩が好ましい。
アミノ酸系界面活性剤におけるアミノ酸残基としてはグリシン、アラニン、サルコシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸等があり、グルタミン酸塩、サルコシン塩、グリシン塩、アラニン塩が特に好ましい。また、構成脂肪酸としては、具体的には、ヤシ油脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、パーム脂肪酸、パーム核油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が好ましく、これらの中でも、泡の微細さの観点から炭素数10~18の脂肪酸が好ましく、炭素数10~16の脂肪酸がより好ましく、炭素数12~14の脂肪酸がより好ましい。
【0017】
アミノ酸系界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン界面活性剤のいずれであってもよいが、刺激感の少なさの観点から、アニオン界面活性剤が好ましい。
【0018】
アミノ酸系界面活性剤としては、具体的には、N-ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシントリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシルアラニントリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシルサルコシントリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルアラニンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルサルコシンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルアラニンカリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシルサルコシンカリウム、N-牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、N-牛脂脂肪酸アシルグリシンナトリウム、N-牛脂脂肪酸アシルアラニンナトリウム、N-牛脂脂肪酸アシルサルコシンナトリウム、N-牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、N-牛脂脂肪酸アシルグリシンカリウム、N-牛脂脂肪酸アシルアラニンカリウム、N-牛脂脂肪酸アシルサルコシンカリウム、N-牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-牛脂脂肪酸アシルグリシントリエタノールアミン、N-牛脂脂肪酸アシルアラニントリエタノールアミン、N-牛脂脂肪酸アシルサルコシントリエタノールアミン、N-パーム脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、N-パーム脂肪酸アシルグリシンナトリウム、N-パーム脂肪酸アシルアラニンナトリウム、N-パーム脂肪酸アシルサルコシンナトリウム、N-パーム脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、N-パーム脂肪酸アシルグリシンカリウム、N-パーム脂肪酸アシルアラニンカリウム、N-パーム脂肪酸アシルサルコシンカリウム、N-パーム脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-パーム脂肪酸アシルグリシントリエタノールアミン、N-パーム脂肪酸アシルアラニントリエタノールアミン、N-パーム脂肪酸アシルサルコシントリエタノールアミン、N-パーム核油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、N-パーム核油脂肪酸アシルグリシンナトリウム、N-パーム核油脂肪酸アシルアラニンナトリウム、N-パーム核油脂肪酸アシルサルコシンナトリウム、N-パーム核油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、N-パーム核油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N-パーム核油脂肪酸アシルアラニンカリウム、N-パーム核油脂肪酸アシルサルコシンカリウム、N-パーム核油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-パーム核油脂肪酸アシルグリシントリエタノールアミン、N-パーム核油脂肪酸アシルアラニントリエタノールアミン、N-パーム核油脂肪酸アシルサルコシントリエタノールアミン、N-ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ラウロイルアスパラギン酸カリウム、N-ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイルグルタミン酸カリウム、N-ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイルグルタミン酸カリウム、N-ミリストイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-パルミトイルグルタミン酸ナトリウム、N-パルミトイルグルタミン酸カリウム、N-パルミトイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸カリウム、N-ステアロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、N-ラウロイルアラニンナトリウム、N-ラウロイルアラニンカリウム、N-ラウロイルアラニントリエタノールアミン、N-ミリストイルアラニンナトリウム、N-ミリストイルアラニンカリウム、N-ミリストイルアラニントリエタノールアミン、N-パルミトイルアラニンナトリウム、N-パルミトイルアラニンカリウム、N-パルミトイルアラニントリエタノールアミン、N-ステアロイルアラニンナトリウム、N-ステアロイルアラニンカリウム、N-ステアロイルアラニントリエタノールアミン、N-ラウロイルサルコシンナトリウム、N-ラウロイルサルコシンカリウム、N-ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、N-ミリストイルサルコシンナトリウム、N-ミリストイルサルコシンカリウム、N-ミリストイルサルコシントリエタノールアミン、N-パルミトイルサルコシンナトリウム、N-パルミトイルサルコシンカリウム、N-パルミトイルサルコシントリエタノールアミン、N-ステアロイルサルコシンナトリウム、N-ステアロイルサルコシンカリウム、N-ステアロイルサルコシントリエタノールアミン、N-ラウロイルグリシンナトリウム、N-ラウロイルグリシングルカリウム、N-ラウロイルグリシングルトリエタノールアミン、N-ミリストイルグリシンナトリウム、N-ミリストイルグリシンカリウム、N-ミリストイルグリシントリエタノールアミン、N-パルミトイルグリシンナトリウム、N-パルミトイルグリシンカリウム、N-パルミトイルグリシントリエタノールアミン、N-ステアロイルグリシンナトリウム、N-ステアロイルグリシンカリウム、N-ステアロイルグリシントリエタノールアミン等が挙げられる他、炭素数10~18の脂肪酸とグルタミン酸又はアスパラギン酸との縮合物のアルカリ金属塩が挙げられるがこの限りではない。
これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0019】
これらの中でも、発泡持続時間及び泡の微細さの両立の観点からラウロイルアスパラギン酸(N-ラウロイルアスパラギン酸)、ラウロイルグルタミン酸(N-ラウロイルグルタミン酸)、ミリストイルグルタミン酸(N-ミリストイルグルタミン酸)、ステアロイルグルタミン酸(N-ステアロイルグルタミン酸)、パーム脂肪酸グルタミン酸(N-パーム脂肪酸アシルグルタミン酸)のアルカリ金属塩が好ましく、ラウロイルアスパラギン酸、ラウロイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸のアルカリ金属塩がより好ましく、ラウロイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸のアルカリ金属塩がさらに好ましい。
【0020】
発泡性入浴剤100質量%中のアミノ酸系界面活性剤の含有量は、0.1~2質量%であり、0.3~1質量%が好ましく、0.5~1質量%であることがより好ましい。アミノ酸系界面活性剤の量が、上記範囲より少ないと、発泡剤の泡が大きくなるとともに水中での発泡持続時間が短くなる傾向がある。上記範囲より多いと、発泡剤がもろくなり、欠けなどが生じる傾向があるとともに、保存安定性も劣る。
【0021】
<その他の成分>
本発明の発泡性入浴剤には、上記必須成分(A)~(C)に加え、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で更に任意成分を配合することができる。この任意成分としては、油剤、アミノ酸系界面活性剤以外の非イオン界面活性剤、無機塩、滑沢剤、アミノ酸類、生薬及び/又はそのエキス類、水溶性高分子、保湿剤、色素、酸化チタン等の白濁剤等が挙げられる。
【0022】
(D)油剤
油剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン、ブリスタン等の炭化水素類;パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、オレイン酸デシル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソトリデシル等の脂肪酸エステル;ラウリルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、コレステロール、ヘキシルドデカノール等の高級アルコール;レモン油、ゆず油、ばら油、ベルガモット油、ショウブ油、ラベンダー油、オレンジ油、グレープフルーツ油、マンダリン油、ゼラニウム油、セージ油、ユーカリ油、ネロリ油、パチュリ油、クローブ油、ナツメグ油、セダーウッド油、ペパーミント油、スペアミント油、ジュニパベリー油、アルモアーズ油、カモミール油、エレミ油、ベチバー油、ショウノウ油、ライム油、ハッカ油、ジャスミン油、ヒノキ油、テレビン油、ヒバ油、ラバンジン油、クローブ油、タイム油、ローズマリー油、パイン油、などの天然香料;α-ピネン、β-ピネン、d-リモネン、カンフェン、テルピネン、などのテルペン系香料;青葉アルコール、サンダロール、エバノール、アンブリノール、アンバーコア、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、テトラヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、イソプレゴール、メントール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ファルネソール、サンタロール、ベチベロール、β-フェニルエチルアルコール、バクダノール、などのアルコール系香料;等のアルコール系香料アルデヒドC-8、アルデヒドC-9、アルデヒドC-10、アルデヒドC-11、アルデヒドC-12、青葉アルデヒド、シトロネラール、シトラール、α-メチレンシトロネラール、イソシクロシトラール、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、ヘリオトロピン、ヘリオナール、cis-ジャスモン、ジヒドロジャスモン、ネクタリル、ダマスコン、ヨノン、イソ・イー・スーパー、カロン、l-カルボン、メントン、などのアルデヒド・ケトン系香料等の合成香料;前記天然香料および合成香料を任意に組み合わせた調合香料;大豆油、ホホバ油、米ぬか油、オリーブ油、ヤシ油、シア脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド等のグリセリド類;メチルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、各種変性シリコーン等のシリコーン油類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0023】
これらの中でも、脂肪酸エステルや天然油脂が好ましく用いられ、特に、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ホホバ油等は、入浴中の肌感触に優れることから好適に用いられる。また、上記天然香料、合成香料、調合香料などの香料を用いることにより発泡時に香り立ちが付与されるために香料を配合することが好ましい。
【0024】
発泡性入浴剤100質量%中の油剤の含有量は、0.1~5質量%であることが好ましく、0.3~3質量%であることがより好ましく、0.5~2質量%であることがさらに好ましい。油剤の量が上記範囲であると、安定性、入浴中の使用感に問題がなく、ブリケットにした場合、強度不足により生産性が低下することもない。
【0025】
(水付加試験における水添加量)
油剤の性質を表す指標として、水付加試験における水添加量がある。
水付加試験とは、油剤2gにエタノール(99.5%)50mLを加え混合した溶液に、ビュレットで精製水を添加していき、溶液が白濁するまでに添加した精製水の量(mL)を水添加量として求める試験である。水との相溶性が高い油剤は水添加量が少なく、水との相溶性が低い油剤は水添加量が多くなる傾向が認められる。
本発明に用いる油剤は、上記水付加試験による水添加量が5~50mLであることが好ましく、8~40mLであることがより好ましい。水添加量が50mLより少ないと十分な安定性を得ることができ、5mLより多いと持続的な発泡を得ることができる。
【0026】
前記アミノ酸系界面活性剤の添加量は、油剤に対して1倍以上の質量比であることが好ましく、さらには1.2倍以上の質量比であることが好ましい。アミノ酸系界面活性剤の添加量が油剤に対して1倍以上であると持続的な発泡が得られる。
【0027】
(E)アミノ酸系界面活性剤以外の非イオン界面活性剤
アミノ酸系界面活性剤以外の非イオン界面活性剤のHLBとしては、特に制限されないが、長い発泡持続時間と良好な成型性の観点から、10以上が好ましく、12以上がより好ましい。HLBの値は、Griffinの式によって、求められる値である。
アミノ酸系界面活性剤以外の非イオン界面活性剤としては、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンヒマシ油;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレンアルキルアミン;自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル等のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール, エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン等のプルロニック系界面活性剤等が挙げられる。
【0028】
発泡性入浴剤100質量%中のアミノ酸系界面活性剤以外の非イオン界面活性剤の含有量は、0.1~3質量%であることが好ましく、0.5~2質量%であることがより好ましく、0.5~1.5質量%であることがさらに好ましい。アミノ酸系界面活性剤以外の非イオン界面活性剤の量が上記範囲であると、発泡持続時間が長くなり、かつ高い成型性を得ることができる。
【0029】
(F)滑沢剤
滑沢剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
滑沢剤を配合する場合、発泡性入浴剤100質量%中の滑沢剤の含有量は、0.1~10質量%が好ましく、0.1~5質量%がより好ましく、0.2~2質量%であることがさらに好ましい。滑沢剤の量が上記範囲にあると、入浴剤がもろくならないとともに、発泡の妨げとならない。
【0030】
(G)無機塩
無機塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸鉄リン酸ナトリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫化カリウム、ミョウバン、メタケイ酸、無水ケイ酸等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0031】
無機塩を配合する場合、発泡性入浴剤100質量%中の無機塩の含有量は、0.1~20質量%であることが好ましく、1~18質量%がより好ましく、1~15質量%であることがさらに好ましい。無機塩の量が上記範囲にあると、入浴剤が固くなりすぎないため、発泡の妨げとならないとともに、湯に溶かした際の溶け残りの問題もない。
【0032】
水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、スターチ、カチオン化セルロース等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0033】
保湿剤としては、例えば、グルタミン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、コラーゲン、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0034】
<製造方法>
本発明の発泡性入浴剤の製造にあたっては、まず、上記必須成分(A)ないし(C)と、必要に応じて添加される任意成分とを、ヘンシェルミキサー、ハイスピードミキサー、万能混合機、SVミキサー、バーチカルグラニュレーター、リボコーンミキサー等を用いて、混合、粉砕して調合バルクを調製する。その後、固形状の製剤とする。
【0035】
製剤化方法としては、打錠、ブリケッティング、コンパクティング等の圧縮成型;押出造粒;転動造粒;撹拌造粒;流動層造粒等の公知の方法、あるいはこれらの組み合わせで行うことができる。
ブリケット剤の場合、次いで、この調合バルクをブリケッティングマシンに供給し、圧縮成型することにより、複数のブリケット粒子が連結部を介してシート状に成型されたシート状一次成形体が得られ、さらにこれを解砕することによりブリケット剤が得られる。
【0036】
上記調合バルクがブリケッティングマシンに供給される際に、ロール間のクリアランスの大きさやフィードスクリューの押圧力などを調整して、ロール間の線圧を10~25kN/cmとすることが好ましく、13~23kN/cmの範囲がより好ましく、15~20kN/cmとすることがさらに好ましい。この範囲であると、解砕時に粒子にバリや欠けが無く外観に優れたものとなり、また圧縮成型時のロール付着やリークを抑制し、生産効率を向上することができる。
【0037】
<剤型>
入浴剤の剤型としては、特に制限されないが、顆粒、タブレット、ブリケット、フレーク、錠等が挙げられるが、溶解性が良好な点から、ブリケット型入浴剤が好ましい。
ブリケット型入浴剤は、ピロー状、レンズ状、アーモンド状、プリズム状、棒状、フィンガー状などの形状に成型されるが、その長径が15~25mm、厚さが8~13mmのものが好ましく、長径が18~23mm、厚さが9~11mmであるものがより好ましい。ここで、ブリケット剤の長径とは、シート状一次成形体の水平方向における、ブリケット粒子の長さの最大値を意味し、ブリケットの厚さとは、シート状一次成形体の垂直方向におけるブリケット粒子の長さの最大値を意味する。このような大きさとすることにより、溶存炭酸ガスの量を高めることができるため、入浴剤として利用する場合には、非常に優れた温浴効果が得られる。上記形状のうち、ピロー状、アーモンド状等が成型性の観点から好ましい。
【0038】
(ブリケット型入浴剤の表面積)
また、ブリケット型入浴剤は、表面積が350~850mm/個が好ましく、450~750mm/個がより好ましい。上記範囲にあると、発泡が急激に生じることがなく、穏やかで持続時間の長い発泡を得ることができる。
【0039】
(ブリケット型入浴剤の圧壊強度)
また、得られたブリケット型入浴剤は、製造直後の圧壊強度が80N以上であることが好ましく、90N以上であることがより好ましい。この範囲であると、穏やかで持続時間の長い発泡を得ることができる。また、解砕時のバリ取り作業において「欠け」の発生を抑え外観が良く、更には生産効率が良くなるため好適である。本発明において、圧壊強度は以下の測定方法によって求められる値である。
木屋式硬度計を使用し、発泡性入浴剤を台に乗せ、ポケット合わせ面より垂直方向から先端φ5mm棒を発泡性入浴剤に押し当てながら下降させ、発泡性入浴剤が破損した時の荷重値を測定する。
【0040】
<発泡持続時間>
本発明の発泡性入浴剤は、40℃の水中での発泡持続時間が180秒以上であることが好ましく、180~600秒がより好ましく、300~600秒がさらに好ましい。本発明において、「発泡持続時間」とは、発泡性入浴剤50gを40℃、200Lの湯に投入した時点から、発泡を伴う製剤の溶解が完全に終了するまでに要する時間をいう。発泡終了後に製剤が溶解するのに要した時間は含まない。発泡持続時間が上記範囲であると、水中での発泡時間が長く感じられ、その様子を鑑賞することによるリラックス感が得られる。このような時間で発泡される泡は、従来の発泡性入浴剤よりも微細である。微細な泡を発生して入浴剤がゆっくりと崩壊していくことで、入浴剤の比重が水よりも軽くなるまでの時間が伸び、水中での発泡時間が長くなる結果となる。
【実施例
【0041】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0042】
実施例で使用した成分は、以下の市販品を使用した。
ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム:アミノフォーマー(登録商標)FLMS-P1(旭化成ファインケム株式会社)
ラウロイルグルタミン酸ナトリウム:アミソフト(登録商標)LS-11(味の素ヘルシーサプライ株式会社)
ミリストイルグルタミン酸ナトリウム:アミソフト(登録商標)MS-11(味の素ヘルシーサプライ株式会社)
ステアロイルグルタミン酸ナトリウム:アミソフト(登録商標)HS-11P(味の素ヘルシーサプライ株式会社)
パーム脂肪酸グルタミン酸ナトリウム:アミソフト(登録商標)GS-11P(味の素ヘルシーサプライ株式会社)
ポリエチレングリコール6000:PEG6000(東邦化学工業株式会社)
ポリビニルピロリドン:クリージャス(登録商標) K90(第一工業製薬株式会社)
色素:青色1号(癸巳化成株式会社)
香料:ゆず(高砂香料工業株式会社)
香料の水付加試験における水添加量:21.3mL
なお、水付加試験における水添加量は、油剤(香料)2gにエタノール(99.5%)50mLを加え混合した溶液に、ビュレットで精製水を添加していき、白濁するまでに添加した精製水の量(mL)である。
ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリルのHLBは、14である。
【0043】
実施例の評価は、以下の基準で評価した。
(1)発泡持続時間(秒)
40℃200Lの浴湯中に50gの製剤を投入し、投入時点から、発泡を伴う製剤の溶解が完全に終了するまでの時間を測定した。
【0044】
(2)泡の微細さ
40℃200Lの浴湯中に50gの製剤を投入し、発生した炭酸ガスの泡の繊細さをモニター10人が目視により以下の基準で評価し、後述するモニターの平均点により決定した。
3点:非常に泡が繊細である
2点:泡が繊細である
1点:あまり泡が繊細でない
0点:全く泡が繊細でない
【0045】
(3)圧壊強度
製造直後のブリケット剤の圧壊強度(単位:N)を、木屋式硬度計(製品名:KHT-40N、 製造会社名:株式会社藤原製作所)を使用し、発泡性入浴剤を台に乗せ、ポケット合わせ面より垂直方向から先端φ5mm棒を発泡性入浴剤に押し当てながら下降させ、発泡性入浴剤が破損した時の荷重値を測定することにより求めた。
【0046】
(4)温まり感
40℃200Lの浴湯中に50gの製剤を投入した浴湯に、モニター10人が10分間入浴し、浴後の温まり感について、以下の基準で評価し、後述するモニターの平均点により決定した。
3点:非常に良く温まった
2点:良く温まった
1点:あまり温まらなかった
0点:全く温まらなかった
【0047】
(5)リラックス感
40℃200Lの浴湯中に50gの製剤を投入した浴湯に、モニター10人が10分間入浴し、浴後のリラックス感について、以下の基準で評価し、後述するモニターの平均点により決定した。
3点:非常に良くリラックスできた
2点:良くリラックスできた
1点:あまりリラックスできなかった
0点:全くリラックスできなかった
【0048】
(6)肌への刺激感
40℃200Lの浴湯中に50gの製剤を投入した浴湯に、モニター10人が10分間入浴し、浴中浴後の肌への刺激感について、以下の基準で評価し、後述するモニターの平均点により決定した。
3点:全く刺激を感じなかった
2点:ほとんど刺激を感じなかった
1点:多少の刺激を感じた
0点:強く刺激を感じた
【0049】
(7)湯面の泡残り
40℃200Lの浴湯中に50gの製剤を投入した浴湯に、モニター10人が10分間入浴し、湯上り時の湯面の泡残りについて、以下の基準で評価し、後述するモニターの平均点により決定した。
3点:全く湯面に泡が残っていなかった
2点:ほとんど気にならない程度の泡が湯面に残っていた
1点:若干気になる程度の泡が湯面に残っていた
0点:かなり気になる程度の泡が湯面に残っていた
【0050】
(2)泡の微細さ、(4)温まり感、(5)リラックス感、(6)肌への刺激感、及び(7)湯面の泡残りは、モニターの平均点から、以下の基準で評価した。
◎:平均点2.5点以上3点以下
○:平均点2点以上2.5点未満
△:平均点1.5点以上2点未満
×:平均点1.5点未満
【0051】
[実施例1~10、比較例1~6]
表1に示す配合処方合計20kgをリボコーンミキサーにて均一になるまで混合しバルクを調合し、ブリケッティングマシンに供給した。この際、長径20mm、深さ3.5mmのラウンドコーナーピロー状のポケットを持つロールを用い、ロール間のクリアランスの大きさやフィードスクリューの押圧力などを調整して、ロール間の線圧を20kN/cmとした。ブリケット剤を成型した後、振動ふるいにより解砕し長径20mm、厚さ9.4mmの発泡性ブリケット型入浴剤を得た。この発泡性ブリケット型入浴剤の表面積は685mm/個であった。
上記評価を行った結果を表1に示す。表の配合量の単位は、質量%である。
【0052】
【表1】
【0053】
実施例1~10では、微細な泡が生じるとともに、水中での発泡持続時間が長く、リラックス感が得られるとともに、湯面の泡残り及び肌への刺激が抑制されている。さらには、ブリケット型入浴剤の圧壊強度も十分である。そして、十分温まることができる。
実施例1~10と比較例1~4とを比較すると、発泡性入浴剤がアミノ酸系界面活性剤を含むと、発泡持続時間が長くなるとともに、泡も繊細であることがわかる。
実施例1~10と、比較例5及び6とを比較すると、アミノ酸系界面活性剤を使用すると、非アミノ酸系界面活性剤を使用した場合に比べて、肌への刺激が抑制されるとともに、湯上り時の湯面の泡残りが少ないことがわかる。