(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】肘掛け及び椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 7/54 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
A47C7/54 E
(21)【出願番号】P 2020085524
(22)【出願日】2020-05-14
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】石丸 俊介
(72)【発明者】
【氏名】益永 浩
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-056526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子本体に設けられる支持体と、
前記支持体に上下動可能に支持された肘掛け本体と、
前記支持体に対して前記肘掛け本体の上下方向の位置決めを行う高さ調整機構と、を備え、
前記高さ調整機構は、
上下方向に間隔あけて前記支持体に形成された複数の被係合部と、
前記複数の被係合部のうち、何れかの被係合部に上下方向で係合する係合位置、及び前記何れかの被係合部との係合が解除された係合解除位置の間を、上下方向に交差する第1方向に移動可能に前記肘掛け本体に設けられた係脱部と、
前記支持体に設けられた第1当接面に当接する当接位置、及び前記第1当接面から離間した離間位置の間を、上下方向に交差する第2方向に移動可能に前記肘掛け本体に設けられた押付部と、
前記肘掛け本体に設けられ、前記係脱部の前記係合位置への移動と、前記押付部の前記当接位置への移動と、を連動させる連動部材と、を備え、
前記支持体は、上下方向から見て、前記第1当接面との間に前記肘掛け本体の少なくとも一部を挟んで配置された第2当接面を備え、
前記第2当接面には、前記押付部が前記当接位置にあるとき、前記肘掛け本体が当接
し、
前記第1方向及び前記第2方向は、上下方向から見て互いに交差する方向であり、
前記押付部は、前記係脱部のうち前記第2方向を向く側面である肘掛け。
【請求項2】
前記第1当接面及び前記第2当接面は、前記第2方向で向かい合っている請求項1に記載の肘掛け。
【請求項3】
前記押付部は、前記係脱部の前記係合位置に到達した後、前記当接位置に到達する請求項1又は請求項2に記載の肘掛け。
【請求項4】
前記肘掛け本体は、前記係脱部が前記係合位置に向かうに従い前記押付部を前記当接位置に向けて案内するガイド部を備えている請求項
1から請求項3の何れか1項に記載の肘掛け。
【請求項5】
前記肘掛け本体には、前記係脱部が挿通されるとともに、上下方向の寸法が前記係脱部よりも大きい挿通孔が形成され、
前記係脱部は、前記第1方向で前記係合解除位置から前記係合位置に向かうに従い前記挿通孔内を上方移動可能に前記肘掛け本体に支持され、
前記第1当接面及び前記第2当接面は、前記第2方向で向かい合い、
前記ガイド部は、上方に向かうに従い前記挿通孔の開口縁からの前記第2方向での突出量が漸次大きくなる傾斜面に形成されるとともに、前記係脱部が摺動可能に構成されている請求項
4に記載の肘掛け。
【請求項6】
前記支持体には、前記第1方向において前記肘掛け本体側に向けて開口する蟻溝状のガイド溝が形成され、
前記肘掛け本体は、前記ガイド溝内で前記第1方向に係止された状態で、前記ガイド溝内を上下方向に移動可能に支持されたレールを備え、
前記被係合部は、前記ガイド溝の底面上で開口し、
前記第1当接面は、前記被係合部の内面に形成され、
前記第2当接面は、前記ガイド溝の内側面のうち前記レールを間に挟んで前記第1当接面に向かい合う部分に形成され、
前記レールのうち、前記第2当接面と向かい合う面は、前記押付部の前記当接位置において前記第2当接面に係止される係止面を構成している請求項4
又は請求項5に記載の肘掛け。
【請求項7】
上下方向から見て前記第1当接面と前記第2当接面との間の距離は、前記第1方向において前記肘掛け本体から離間するに従い大きくなっている請求項
6に記載の肘掛け。
【請求項8】
椅子本体に設けられる支持体と、
前記支持体に上下動可能に支持された肘掛け本体と、
前記支持体に対して前記肘掛け本体の上下方向の位置決めを行う高さ調整機構と、を備え、
前記高さ調整機構は、
上下方向に間隔あけて前記支持体に形成された複数の被係合部と、
前記複数の被係合部のうち、何れかの被係合部に上下方向で係合する係合位置、及び前記何れかの被係合部との係合が解除された係合解除位置の間を、上下方向に交差する第1方向に移動可能に前記肘掛け本体に設けられた係脱部と、
前記支持体に設けられた第1当接面に当接する当接位置、及び前記第1当接面から離間した離間位置の間を、上下方向に交差する第2方向に移動可能に前記肘掛け本体に設けられた押付部と、
前記肘掛け本体に設けられ、前記係脱部の前記係合位置への移動と、前記押付部の前記当接位置への移動と、を連動させる連動部材と、を備え、
前記支持体は、上下方向から見て、前記第1当接面との間に前記肘掛け本体の少なくとも一部を挟んで配置された第2当接面を備え、
前記第2当接面には、前記押付部が前記当接位置にあるとき、前記肘掛け本体が当接し、
前記第1方向及び前記第2方向は、上下方向から見て互いに交差する方向であり、
前記連動部材は、前記肘掛け本体に上下動可能に設けられ、
前記連動部材は、
前記係脱部に係合して前記連動部材の下方移動に伴い、前記係脱部を前記係合位置に向けて移動させる第1係合部と、
前記押付部に係合して前記連動部材の下方移動に伴い、前記押付部を前記当接位置に向けて移動させる第2係合部と、を備えてい
る肘掛け。
【請求項9】
椅子本体と、
前記椅子本体における幅方向の側方に設けられた請求項1から請求項
8の何れか1項に記載の肘掛けと、を備えている椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肘掛け及び椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、肘掛けが上下動可能に構成された椅子が知られている。肘掛けは、背凭れに取り付けられ、上下方向に沿って延びるガイド溝を有する支持体と、ガイド溝内で上下動可能に支持されたレールを有する昇降ユニットと、を備えている(例えば、下記特許文献1参照)。ガイド溝の底面には、複数の被係合部が上下方向に間隔をあけて形成されている。昇降ユニットには、係合部材が左右方向に移動可能に支持されている。
この構成によれば、複数の被係合部のうち、何れかの被係合部内に係合部材が係合されることで、支持体(背凭れ)に対する昇降ユニットの上下方向の位置決めが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術にあっては、優れた操作性を維持した上で、係合部材が被係合部内に係合された状態(ロック状態)での支持体に対する昇降ユニットの安定性を確保する点で未だ改善の余地があった。すなわち、支持体と昇降ユニットとの間には、ガイド溝の内面とレールとの間や、係合部材と被係合部との間等に少なからず隙間が生じる。そのため、ロック状態であっても、上述した隙間分のがたつきが昇降ユニットに発生する可能性がある。一方で、ガイド溝の内面とレール部との間の隙間を小さくした場合には、昇降ユニットを上下動させる際のガイド溝の内面とレール部との間の摺動抵抗が大きくなり、昇降ユニットの操作性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、優れた操作性を維持した上で、係合部材が被係合部内に係合された状態での支持体に対する昇降ユニットの安定性を確保できる肘掛け及び椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る肘掛けは、椅子本体に設けられる支持体と、前記支持体に上下動可能に支持された肘掛け本体と、前記支持体に対して前記肘掛け本体の上下方向の位置決めを行う高さ調整機構と、を備え、前記高さ調整機構は、上下方向に間隔あけて前記支持体に形成された複数の被係合部と、前記複数の被係合部のうち、何れかの被係合部に上下方向で係合する係合位置、及び前記何れかの被係合部との係合が解除された係合解除位置の間を、上下方向に交差する第1方向に移動可能に前記肘掛け本体に設けられた係脱部と、前記支持体に設けられた第1当接面に当接する当接位置、及び前記第1当接面から離間した離間位置の間を、上下方向に交差する第2方向に移動可能に前記肘掛け本体に設けられた押付部と、前記肘掛け本体に設けられ、前記係脱部の前記係合位置への移動と、前記押付部の前記当接位置への移動と、を連動させる連動部材と、を備え、前記支持体は、上下方向から見て、前記第1当接面との間に前記肘掛け本体の少なくとも一部を挟んで配置された第2当接面を備え、前記第2当接面には、前記押付部が前記当接位置にあるとき、前記肘掛け本体が当接する。
【0007】
本態様によれば、連動部材が移動することで、係脱部が係合位置に移動するのに伴い、押付部が当接位置に移動する。すると、押付部から第1当接面に作用する押圧力に対する反力が、押付部を介して肘掛け本体に作用する。これにより、係脱部が係合位置にあるとき、押付部が第1当接面に当接し、肘掛け本体が第2当接面に当接する。その結果、上下方向に交差する方向での支持体に対する肘掛け本体のがたつきを抑制できる。この場合、肘掛け本体と支持体との間や、係脱部と被係合部との間の隙間を維持できるので、昇降時の操作性も維持できる。
【0008】
上記態様の肘掛けにおいて、前記第1当接面及び前記第2当接面は、前記第2方向で向かい合っていることが好ましい。
本態様によれば、押付部から第1当接面に作用する押圧力に対する反力によって、肘掛け本体を第2当接面に効果的に押し付けることができる。これにより、支持体に対する肘掛け本体のがたつきをより確実に抑制できる。
【0009】
上記態様の肘掛けにおいて、前記押付部は、前記係脱部の前記係合位置に到達した後、前記当接位置に到達することが好ましい。
本態様によれば、係脱部と被係合部との係合状態を確保した上で、支持体に対する肘掛け本体のがたつきを抑制できる。これにより、係脱部が係合位置に到達する前に押圧部が当接位置に到達して、支持体に対する肘掛け本体の上下動が阻害されるのを抑制できる。
【0010】
上記態様の肘掛けにおいて、前記第1方向及び前記第2方向は、上下方向から見て互いに交差する方向であり、前記押付部は、前記係脱部のうち前記第2方向を向く側面であることが好ましい。
本態様によれば、押付部が係脱部に一体に形成されることで、部品点数の削減を図ることができる。
【0011】
上記態様の肘掛けにおいて、前記肘掛け本体は、前記係脱部が前記係合位置に向かうに従い前記押付部を前記当接位置に向けて案内するガイド部を備えていることが好ましい。 本態様によれば、押付部をより確実に第1当接面に当接させることができる。これにより、支持体に対する肘掛け本体のがたつきをより確実に抑制できる。
【0012】
上記態様の肘掛けにおいて、前記肘掛け本体には、前記係脱部が挿通されるとともに、上下方向の寸法が前記係脱部よりも大きい挿通孔が形成され、前記係脱部は、前記第1方向で前記係合解除位置から前記係合位置に向かうに従い前記挿通孔内を上方移動可能に前記肘掛け本体に支持され、前記第1当接面及び前記第2当接面は、前記第2方向で向かい合い、前記ガイド部は、上方に向かうに従い前記挿通孔の開口縁からの前記第2方向での突出量が漸次大きくなる傾斜面に形成されるとともに、前記係脱部が摺動可能に構成されていることが好ましい。
本態様によれば、係脱部に対して肘掛け本体が下方移動するのに伴い、係脱部がガイド上を摺動することで、押付部が第1当接面に向けて移動する。これにより、押付部をスムーズに第1当接面に案内することができる。また、ガイドは、上方に向かうに従い突出量が大きくなるように形成されているので、肘掛け本体の成形時において挿通孔の成形と同時にガイドを成形できる。その結果、金型の複雑化を抑え、製造コストの削減を図ることができる。
【0013】
上記態様の肘掛けにおいて、前記支持体には、前記第1方向において前記肘掛け本体側に向けて開口する蟻溝状のガイド溝が形成され、前記肘掛け本体は、前記ガイド溝内で前記第1方向に係止された状態で、前記ガイド溝内を上下方向に移動可能に支持されたレールを備え、前記被係合部は、前記ガイド溝の底面上で開口し、前記第1当接面は、前記被係合部の内面に形成され、前記第2当接面は、前記ガイド溝の内側面のうち前記レールを間に挟んで前記第1当接面に向かい合う部分に形成され、前記レールのうち、前記第2当接面と向かい合う面は、前記押付部の前記当接位置において前記第2当接面に係止される係止面を構成していることが好ましい。
本態様によれば、昇降時にはガイド溝の内面とレールとの間の隙間を確保した上で、ロック位置にあるときには支持体に対する肘掛け本体のがたつきを抑制できる。
【0014】
上記態様の肘掛けにおいて、上下方向から見て前記第1当接面と前記第2当接面との間の距離は、前記第1方向において前記肘掛け本体から離間するに従い大きくなっていることが好ましい。
本態様によれば、押付部から第1当接面に作用する押圧力に対する反力は、ガイド溝の第2当接面とレールの係止面との間において、法線方向及び接線方向の分力として作用する。接線方向の分力は、支持体に対して肘掛け本体を引き込むように作用する。その結果、支持体と肘掛け本体とが接近離間する方向での肘掛け本体のがたつきも抑制できる。
【0015】
上記態様の肘掛けにおいて、前記第1方向及び前記第2方向は、上下方向から見て互いに交差する方向であり、前記連動部材は、前記肘掛け本体に上下動可能に設けられ、前記連動部材は、前記係脱部に係合して前記連動部材の下方移動に伴い、前記係脱部を前記係合位置に向けて移動させる第1係合部と、前記押付部に係合して前記連動部材の下方移動に伴い、前記押付部を前記当接位置に向けて移動させる第2係合部と、を備えていることが好ましい。
本態様によれば、係脱部及び押付部を別々に有することで、係脱部及び押付部それぞれの機能に応じた位置や形状等を選択し易い。そのため、設計自由度を向上させることができる。
【0016】
上記態様の備えている椅子は、椅子本体と、前記椅子本体における幅方向の側方に設けられた肘掛けと、を備えている。
本態様によれば、上記態様に係る肘掛けを備えているため、操作性及び安定性に優れた椅子を提供できる。
【発明の効果】
【0017】
上記各態様によれば、優れた操作性を維持した上で、係合部材が被係合部内に係合された状態での支持体に対する肘掛け本体の安定性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態に係る椅子を左前方から見た斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る背凭れ及び背凭れ支持部の斜視図である。
【
図6】第1実施形態に係る昇降ユニットの斜視図である。
【
図7】第1実施形態に係る昇降ユニットの分解斜視図である。
【
図8】
図6のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図12】第1実施形態に係る作動部材が規制解除位置にある場合の
図10に対応する断面図である。
【
図13】第1実施形態に係る肘掛けの動作説明図である。
【
図14】第1実施形態に係る肘掛けの動作説明図である。
【
図15】第1実施形態に係る肘掛けの動作説明図である。
【
図16】第1実施形態に係る肘掛けの動作説明図である。
【
図17】第1実施形態に係る肘掛けの動作説明図である。
【
図18】第1実施形態に係る肘掛けの動作説明図である。
【
図19】第1実施形態に係る肘掛けの動作説明図である。
【
図20】第1実施形態に係る肘掛けの動作説明図である。
【
図21】第2実施形態に係る肘掛けの分解斜視図である。
【
図22】第2実施形態に係る肘掛けの断面図である。
【
図23】第2実施形態に係る肘掛けの断面図である。
【
図24】第3実施形態に係る肘掛けの分解斜視図である。
【
図25】第3実施形態に係る肘掛けの断面図である。
【
図26】第3実施形態に係る肘掛けの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。また、本実施形態において、「向かい合う」とは、2つの面それぞれの直交方向(法線方向)が互いに一致している場合に限らず、法線方向同士が交差している場合も含んでいる。
【0020】
(第1実施形態)
[椅子1]
図1は、椅子1を左前方から見た斜視図である。
図1に示すように、椅子1は、支持構造体2と、座3と、背凭れ4と、を有している。以下の説明において、前後上下左右等の向きは、椅子1に正規姿勢で着座した人(着座者)の向きと同一とする。この場合、図中における矢印UPは上方を示し、矢印FRは前方を示し、LHは左方を示している。また、以下の説明では、各構成部材において、前後方向及び左右方向(幅方向)で中心から離間する側を外側といい、中心に向かう側を内側という場合がある。
【0021】
<支持構造体2>
支持構造体2は、脚部11と、支基12と、背凭れ支持部13と、を備えている。
脚部11は、多岐脚14と、脚柱15と、を備えている。
多岐脚14の各脚部には、床面上を走行可能なキャスタ16が取り付けられている。
【0022】
脚柱15は、多岐脚14の中央部から上方に立設されている。脚柱15には、椅子1の昇降機構であるガススプリング17が内蔵されている。ガススプリング17は、例えば脚柱15内に設けられた外筒(不図示)に対して内筒17aが昇降かつ相対回転可能に支持された構成である。
【0023】
支基12は、脚柱15(内筒17a)の上端部に接続されている。支基12は、座3を下方から支持する。支基12は、背凭れ支持部13を介して背凭れ4を傾動可能に支持するとともに、背凭れ支持部13に連動して座3を傾動可能に支持する。なお、支基12には、ガススプリング17を操作する操作部等が搭載されている。
【0024】
図2は、背凭れ4及び背凭れ支持部13の斜視図である。
図2では、後述する面材66が取り外された状態を示している。
図2に示すように、背凭れ支持部13は、左右方向から見た側面視でL字状に形成されている。具体的に、背凭れ支持部13は、下部フレーム21と、上部フレーム22と、を備えている。なお、背凭れ支持部13には、適宜リブや肉抜き部が形成されている。
【0025】
下部フレーム21は、平面視で前方に開口するC字状に形成されている。下部フレーム21は、支基連結部23と、支基カバー24と、を備えている。
支基連結部23は、左右方向に延在している。支基連結部23は、支基12の後端部に連結されている。
支基カバー24は、支基連結部23から前方に延在している。支基カバー24は、支基12の外周部及び支基12の周囲を下方から覆っている。
【0026】
上部フレーム22は、支基連結部23と協働して正面視で枠状に形成されている。具体的に、上部フレーム22は、左右一対の上方延在部31と、上方延在部31の上端部同士を架け渡す上方連結部32と、を備えている。
上方連結部32は、後方に向けて凸の円弧状に形成されている。
【0027】
上方延在部31は、支基連結部23における左右方向の両端部から上方に延在している。各上方延在部31の上端部同士は、上方連結部32により架け渡されている。本実施形態において、上方延在部31は、上方に向かうに従い漸次前方、かつ左右方向の外側に向けて傾斜して延在している。
【0028】
<背凭れ4>
図1に示すように、背凭れ4は、支基12の後端部に傾動可能に連結されている。背凭れ4は、背凭れ本体61と、肘掛け62と、を備えている。なお、背凭れ4は、支基12に対して傾動不能に構成されていてもよい。本実施形態では、肘掛け62が背凭れ支持部13に取り付けられる構成のため、肘掛け62を背凭れ4の一部として説明するが、この構成に限られない。肘掛け62は、支持構造体2や座3の一部としてもよい。また、肘掛け62は、背凭れ本体61に取り付けられていてもよい。すなわち、支持構造体2、座3及び背凭れ本体61の少なくとも何れかが本実施形態の椅子本体を構成している。
【0029】
<背凭れ本体61>
背凭れ本体61は、椅子1に着座した着座者の腰部や背部等を後方から支持する。背凭れ本体61は、背凭れフレーム65と、面材66と、を備えている。なお、背凭れ本体61は、背凭れ支持部13と一体に形成されていてもよい。
【0030】
図2に示すように、背凭れフレーム65は、正面視で四角枠状に形成されている。背凭れフレーム65の下枠部68は、後方に向けて凸の円弧状に形成されている。背凭れフレーム65の縦枠部69は、下枠部68における左右方向の両端部から上方に延在している。本実施形態の縦枠部69は、下部に位置する屈曲部69aを起点に、上方及び下方それぞれに向かうに従い後方に延在している。
背凭れフレーム65の上枠部70は、縦枠部69の上端部同士を接続している。上枠部70は、後方に向けて凸の円弧状に形成されている。
【0031】
背凭れフレーム65のうち、各縦枠部69の屈曲部69aよりも下方に位置する部分には、背凭れ連結部72が形成されている。背凭れ連結部72は、各縦枠部69から左右方向の内側に張り出している。背凭れ連結部72の下端縁は、下枠部68に連なっている。背凭れ連結部72は、上述した上方延在部31の前面に倣って形成されている。各背凭れ連結部72は、ボルト及びナット等によって対応する上方延在部31に締結されている。
【0032】
図1に示すように、面材66は、が背凭れフレーム65の外周縁に係止された状態で、背凭れフレーム65を前方から覆っている。面材66は、例えばメッシュや布等の膜状の部材により弾性変形可能に構成されている。
【0033】
<肘掛け62>
肘掛け62は、支持体100と、昇降ユニット102と、を備えている。肘掛け62は、左右対称の構成である。そのため、以下の説明では、右側の肘掛け62を例にして説明する。
【0034】
<支持体100>
図3は、支持体100の斜視図である。
図3に示すように、支持体100は、上下方向を長手方向とするブロック状に形成されている。支持体100は、例えば樹脂材料等によって一体形成されている。支持体100は、背凭れ支持部13の上方延在部31に固定されて、昇降ユニット102を上下動可能に支持する。支持体100は、支持ベース110と、昇降支持部111と、を備えている。
【0035】
支持ベース110は、平面視において左右方向の外側に向かうに従い前方に延在している。支持ベース110における左右方向の内側端部は、ボルト等によって上述した上方延在部31に左右方向の外側から取り付けられている。
【0036】
支持ベース110における左右方向の外側を向く面には、被係合部120が形成されている。被係合部120は、左右方向の外側に向けて開口する凹部である。被係合部120は、左右方向の内側に向かうに従い側面視での面積(開口面積)が漸次縮小する錘台状に形成されている。
【0037】
図4は、
図10のIV部拡大図である。
図4に示すように、被係合部120の内面のうち上面120a及び下面120bは、左右方向の内側に向かうに従い互いに接近する向きに延在する傾斜面に形成されている。
【0038】
図5は、
図10のV-V線に相当する断面図である。
図5に示すように、被係合部120の内面のうち前面120c及び後面120dは、左右方向の内側に向かうに従い互いに接近する向きに延在する傾斜面に形成されている。被係合部120は、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、被係合部120は、凹部に限らず、凸部等であってもよい。
【0039】
昇降支持部111は、ガイド壁部121と、第1ストッパ壁部122と、を備えている。
ガイド壁部121は、支持ベース110における前後両端部に一対で形成されている。
【0040】
第1ストッパ壁部122は、ガイド壁部121の先端部(左右方向の外側端部)から前後方向の内側(互いに対向するガイド壁部121)に向けて張り出している。したがって、支持ベース110と昇降支持部111とで囲まれた部分は、蟻溝状のガイド溝129を形成している。すなわち、ガイド溝129は、左右方向の外側に開口するとともに、上下方向に延在している。ガイド溝129の底面(支持ベース110の外側面)には、上述した被係合部120が開口している。本実施形態において、第1ストッパ壁部122は、前後方向の内側に向かうに従い漸次左右方向の外側に向けて延在している。したがって、ガイド溝129の内側面には、左右方向の外側に向かうに従い互いに接近する向きに延びる傾斜面(前側傾斜面129a及び後側傾斜面129b)が形成されている。
【0041】
本実施形態において、前側傾斜面129a及び被係合部120の後面120d同士、並びに後側傾斜面129b及び被係合部120の前面120c同士は、それぞれ非平行に延在している。図示の例において、前側傾斜面129a及び被係合部120の後面120d同士、並びに後側傾斜面129b及び被係合部120の前面120c同士は、左右方向の内側に向かうに従い互いに離間する向きに延在している。但し、前側傾斜面129a及び被係合部120の後面120d同士、並びに後側傾斜面129b及び被係合部120の前面120c同士は、それぞれ平行に延在していてもよい。
【0042】
<昇降ユニット102>
図6は、昇降ユニット102の斜視図である。
図6に示すように、昇降ユニット102は、支持体100に上下動可能に支持されている。昇降ユニット102は、肘掛け本体130と、位置決め機構131と、肘乗せ部132と、を備えている。
【0043】
<肘掛け本体130>
肘掛け本体130は、側面視でL字状に形成された中空の部材である。具体的に、肘掛け本体130は、外装本体部135と、側方カバー136と、上方カバー137と、エンドキャップ138と、を備えている。
外装本体部135は、肘掛け本体130の外観を構成している。具体的に、外装本体部135は、第1外装部140と、第2外装部141と、が一体に形成された構成である。
【0044】
図7は、昇降ユニット102の分解斜視図である。
図7に示すように、第1外装部140は、上下方向に直交する横断面視で左右方向に扁平した形状で、上下方向に延びる筒状に形成されている。具体的に、第1外装部140は、支持体100に沿って上下方向に延在している。図示の例において、第1外装部140は、上方に向かうに従い前方、かつ左右方向の外側に向けて傾斜している。
【0045】
第1外装部140には、左右方向の内側に開口する側方開口145が形成されている。側方開口145は、第1外装部140の延在方向に沿って上下方向に延びている。側方開口145は、第1外装部140の下端縁上で開口している。
【0046】
図5、
図7に示すように、第1外装部140の内面には、左右方向の内側(側方開口145側)に向けて突出するリブ(第1リブ147及び第2リブ148)が形成されている。第1リブ147は、第1外装部140の前後方向の中央部において、上下方向及び前後方向に亘って延在している。第2リブ148は、第1外装部140において第1リブ147に対して前後両側に設けられている。第2リブ148は、第1リブ147よりも左右方向の内側に突出している。第1リブ147の先端面147a及び第2リブ148の先端面148aは、側方カバー136(カバー本体150)に左右方向で対向している。
【0047】
図8は、
図6のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図7、
図8に示すように、第2外装部141は、第1外装部140の上端部から前方に片持ちで延在している。図示の例において、第2外装部141は、上方に開口している。第2外装部141は、後端部において第1外装部140内に連通している。第2外装部141における底壁には、レバー露出孔144(
図8参照)が形成されている。レバー露出孔144は、前後方向に延びるスリット状に形成されている。
【0048】
図7に示すように、側方カバー136は、肘掛け本体130の外表面のうち左右方向の内側を向く面を構成する。側方カバー136は、側方開口145を閉塞した状態で外装本体部135に組み付けられることで、外装本体部135との間に肘掛け本体130の収容空間S(
図5参照)を形成する。具体的に、側方カバー136は、カバー本体150と、爪部151と、レール152と、を備えている。
【0049】
カバー本体150は、左右方向を厚さ方向とし、上下方向に延びる板状に形成されている。カバー本体150は、外周縁を側方開口145の開口縁に突き当てた状態で、第1外装部140(外装本体部135)に、ボルト156によって締結されている。これにより、カバー本体150は、側方開口145を閉塞している。具体的に、カバー本体150の外周縁のうち前端縁150a及び後端縁150bは、側方開口145の開口縁のうち前端開口縁145a及び後端開口縁145bにそれぞれ左右方向で突き当てられている。
【0050】
一方、カバー本体150の上端縁には、第1突当部150cと、第2突当部150dと、が形成されている。第1突当部150cは、カバー本体150の上端縁において、前後方向に直線状に延在する部分である。第1突当部150cは、側方開口145の上端開口縁のうち後突当部145cに下方から突き当てられている。第2突当部150dは、カバー本体150の上端縁において、第1突当部150cの前端から下方に向かうに従い前方に傾斜している。第2突当部150dは、側方開口145の上端開口縁のうち前突当部145dに後方から突き当てられている。これにより、カバー本体150は、肘掛け本体130に対して前後上下左右の何れの方向においても突き当てられた状態で組み付けられる。
【0051】
爪部151は、カバー本体150の前端縁150a及び上端縁(第1突当部150c、第2突当部150d)から、それぞれ張り出している。各爪部151は、カバー本体150及び第1外装部140が組み付けられた状態において、第1外装部140内に左右方向で係止されている。
【0052】
図5に示すように、カバー本体150のうち、外装本体部135における第1リブ147及び第2リブ148の間に位置する部分には、カバーリブ153が設けられている。カバーリブ153は、カバー本体150から左右方向の外側に突出している。カバー本体150及び第1外装部140は、第2リブ148がカバー本体150に近接又は当接し、カバーリブ153が第1外装部140に近接又は当接した状態で組み付けられている。なお、カバー本体150及び第1外装部140が組み付けられた状態において、第1リブ147とカバー本体150との間には、隙間が設けられている。
【0053】
カバー本体150には、左右方向の内側に向けて開口する収容溝155が形成されている。収容溝155は、前後方向で向かい合う側面(前側面155a及び後側面155b)同士が左右方向の内側に向かうに従い互いに離間する向きに延在していることで、左右方向の内側に向かうに従い開口幅(前後方向の幅)が漸次拡大している。
【0054】
図5に示すように、レール152は、カバー本体150のうち収容溝155の底面から左右方向の内側に突出している。レール152は、ガイド溝129内に収容されて、支持体100に上下動可能に支持されている。レール152は、突条部165と、第2ストッパ壁部166と、を備えている。
【0055】
図5に示すように、突条部165は、カバー本体150から左右方向の内側に突出するとともに、上下方向に延在している。突条部165は、ガイド溝129内に収容されている。突条部165における前後方向の中央部には、上下方向に延びる突条溝部167が形成されている。突条溝部167は、左右方向の内側に向けて開口している。
【0056】
第2ストッパ壁部166は、突条部165の先端部(左右方向の内側端部)から前後両側に張り出している。各第2ストッパ壁部166は、ガイド溝129内において対応する第1ストッパ壁部122に左右方向で係止される。本実施形態において、第2ストッパ壁部166のうち第1ストッパ壁部122と向かい合う係止面(前側係止面166a及び後側係止面166b)は、左右方向の内側に向かうに従い互いに離間する向きに延びる傾斜面とされている。
【0057】
図7に示すように、側方カバー136には、側方カバー136を左右方向に貫通する中央挿通孔171及び補助挿通孔172が形成されている。各挿通孔171,172は、突条溝部167の底面上で開口している。
【0058】
図9は、
図7のIX矢視図である。
図9に示すように、中央挿通孔171は、側方カバー136において上下方向の中央部に形成されている。中央挿通孔171は、左右方向から見た側面視において、上下方向を長手方向とする矩形状に形成されている。
【0059】
中央挿通孔171の内面において前方に位置する面(前側内面171a)には、中央ガイド174が形成されている。中央ガイド174は、前側内面171aにおいて上下方向に間隔をあけて形成されている。各中央ガイド174は、前側内面171aから後方に向けて突出している。中央ガイド174は、上方に向かうに従い前側内面171aからの突出量が漸次大きくなる傾斜面に形成されている。中央ガイド174は、中央挿通孔171の横断面視における前側内面171aからの突出量が左右方向の全体に亘って一様になっている。なお、突条溝部167の底面上において、中央挿通孔171に対して上下両側に位置する部分には、ボルト156の挿通開口169が開口している。
【0060】
補助挿通孔172は、突条溝部167の底面上において、挿通開口169に対して上下方向の外側に位置する部分で開口している。補助挿通孔172は、側面視で矩形状に形成されている。補助挿通孔172の前側内面172aには、補助ガイド175が形成されている。補助ガイド175は、上方に向かうに従い前側内面172aからの突出量が漸次大きくなる傾斜面に形成されている。補助ガイド175は、補助挿通孔172の横断面視における前側内面172aからの突出量が左右方向の全体に亘って一様になっている。なお、補助ガイド175は、中央ガイド174と平行であっても、非平行であってもよい。
【0061】
図5に示すように、カバー本体150において、側面視で各挿通孔171,172と重なり合う部分には、左右方向の外側に向けて開口する連通溝177が形成されている。連通溝177は、上下方向に沿って延在している。連通溝177の底面上には、各挿通孔171,172が開口している。連通溝177の内面のうち前後方向で対向する部分には、係止片179が形成されている。係止片179は、上下方向の同じ位置に形成されたもの同士が対になって、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0062】
図6、
図7に示すように、上方カバー137は、外装本体部135の上端開口を上方から閉塞している。上方カバー137は、外装本体部135の上端開口縁とともに肘掛け本体130の頂壁部を構成する。
エンドキャップ138は、側方カバー136の下端部を間に挟んで外装本体部135に組み付けられている。エンドキャップ138の上端部には、カバー本体150との間に隙間をあけて配置された引掛け部180が形成されている。
【0063】
<位置決め機構131>
図7に示すように、位置決め機構131は、操作レバー200と、係合部材201と、作動部材202と、を備えている。なお、位置決め機構131に加え、上述した支持体100の被係合部120及びガイド溝129や、肘掛け本体130のレール152等により、本実施形態の高さ調整機構が構成されている。
【0064】
<操作レバー200>
図8に示すように、操作レバー200は、外装本体部135内で前後方向に延在している。操作レバー200は、アーム部205と、回動支持部206と、操作部207と、連係部208と、を備えている。
【0065】
アーム部205は、第2外装部141内を前後方向に延在している。
回動支持部206は、アーム部205の前端部に位置している。回動支持部206は、第2外装部141内においてレバー露出孔144よりも前方に位置する部分に、左右方向に沿う軸線回りに回動可能に支持されている。
【0066】
操作部207は、アーム部205における前後方向の中央部から下方に膨出している。操作部207は、レバー露出孔144を通じて第2外装部141から下方に突出している。
連係部208は、アーム部205の後端部から後方に突出している。連係部208は、第1外装部140内の上端部を臨んでいる。
【0067】
<係合部材201>
図7に示すように、係合部材201は、支持体100に対して肘掛け本体130の上下方向の位置決めを行う。係合部材201は、側方カバー136を間に挟んで作動部材202とは反対側に配置されている。
【0068】
図10は、
図6のX-X線に沿う断面図である。
図10に示すように、係合部材201は、係合ベース230と、係止部231と、係脱部232と、被押圧部233と、補助被押圧部234と、を備えている。
係合ベース230は、上述した突条溝部167内を上下方向に延在している。したがって、係合ベース230は、上述した各挿通孔171,172及び挿通開口169を左右方向の内側から覆っている。なお、係合ベース230の幅(前後方向の寸法)は、突条溝部167の溝幅よりも狭くなっている。
係止部231は、係合ベース230の下端部から下方に突出している。係止部231は、側方カバー136とエンドキャップ138との間に挿入され、上述した引掛け部180に左右方向の外側から係止されている。したがって、係合部材201は、引掛け部180に左右方向の内側への移動が規制された状態で、突条溝部167内を前後上下左右方向に移動可能に収容されている。
【0069】
図4に示すように、係脱部232は、支持体100に対する昇降ユニット102の高さ位置に応じて、上述した被係合部120のうち何れかの被係合部120に対して係脱する。すなわち、係合部材201は、係脱部232が何れかの被係合部120内で係合したロック位置(
図4参照)と、被係合部120との係合が解除されたロック解除位置(
図13参照)と、の間を左右方向に移動する。
【0070】
係脱部232は、係合ベース230のうち中央挿通孔171と同等の高さにおいて、上下方向に間隔をあけて複数(例えば、2つ)設けられている。係脱部232は、正面視において、左右方向の内側に向けて凸の半円状に形成されている。したがって、係脱部232の上面232a及び下面232bは、左右方向の内側に向かうに従い互いに接近する向きに延びる湾曲面とされている。但し、係脱部232の上面232a及び下面232bは、傾斜面等であってもよい。なお、係脱部232は、被係合部120に係合可能な形状であれば、正面視で矩形状等であってもよい。
【0071】
図5に示すように、係脱部232は、平面視において左右方向の内側に向かうに従い前後方向の幅が先細る台形状に形成されている。したがって、係脱部232の前面232c及び後面232dは、左右方向の内側に互いに接近する向きに延在する傾斜面とされている。したがって、平面視において前面232c及び後面232dの法線方向(第2方向)は、左右方向に交差している。なお、前面232c及び後面232dの法線方向は、少なくとも左右方向に交差していればよく、左右方向に直交する方向(前後方向)であってもよい。本実施形態において、前面232c及び後側係止面166b同士、並びに後面232d及び前側係止面166a同士は、非平行であることが好ましい。図示の例において、前面232c及び後側係止面166b同士、並びに後面232d及び前側係止面166a同士は、左右方向の内側に向かうに従い互いに離間する向きに延在している。
【0072】
図4に示すように、被押圧部233は、係合ベース230のうち係脱部232と同じ高さから左右方向の外側に膨出している。被押圧部233は、中央挿通孔171を通じて肘掛け本体130内に臨んでいる。被押圧部233は、係合部材201の左右方向の移動に伴い、中央挿通孔171内を左右方向に移動する。
図9に示すように、本実施形態において、被押圧部233の上下方向の最大寸法H1は、中央挿通孔171の上下方向の最小寸法H2よりも大きい。被押圧部233の前後方向の最大寸法D1は、中央挿通孔171の前後方向の最小寸法D2よりも小さい。したがって、被押圧部233は、肘掛け本体130に対する係合部材201の上下方向及び前後方向の移動に伴い、中央挿通孔171内を上下方向及び前後方向にも移動可能に構成されている。
【0073】
図4に示すように、被押圧部233は、下方に位置するものほど係合ベース230からの突出量が大きい階段状に形成されている。具体的に、被押圧部233の上部を構成する上段部240には、上段カム従節面240a及び上段規制面240bが形成されている。
上段カム従節面240aは、下方に向かうに従い左右方向の外側に向けて延びる傾斜面である。
上段規制面240bは、上段カム従節面240aから下方に直線状に延びる平坦面である。
【0074】
被押圧部233の下部を構成する下段部241は、上段部240(規制面240b)の下端に連なるとともに、上段部240に対して左右方向の外側に突出している。下段部241には、下段カム従節面241a及び下段規制面241bが形成されている。
下段カム従節面241aは、下方に向かうに従い左右方向の外側に向けて延びる傾斜面である。
下段規制面241bは、下段カム従節面241aから下方に直線状に延びる平坦面である。
【0075】
図10に示すように、補助被押圧部234は、係合ベース230のうち補助挿通孔172と同じ高さから左右方向の外側に突出している。補助被押圧部234は、各補助挿通孔172を通じて肘掛け本体130内に臨んでいる。補助被押圧部234は、係合部材201の左右方向の移動に伴い、補助挿通孔172内を左右方向に移動する。
図9に示すように、補助被押圧部234は、肘掛け本体130に対する係合部材201の上下方向及び前後方向の移動に伴い、補助挿通孔172内を上下方向及び前後方向にも移動可能に構成されている。
【0076】
図10に示すように、補助被押圧部234には、補助従節面234a及び補助規制面234bが形成されている。補助従節面234aは、下方に向かうに従い左右方向の外側に向けて延びる傾斜面に形成されている。補助規制面234bは、補助従節面234aから下方に直線状に延びる平坦面である。なお、本実施形態では、被押圧部233及び補助被押圧部234の双方が係合ベース230を介して連なっている構成について説明するが、この構成に限られない。係合部材201は、少なくとも係脱部232及び被押圧部233を備えていればよい。
【0077】
<作動部材202>
図7に示すように、作動部材202は、操作レバー200の操作に伴い、係合部材201をロック位置に向けて押し付ける。作動部材202は、作動ベース250と、レバー接続部251と、押付部252と、を備えている。
【0078】
図5、
図10に示すように、作動ベース250は、左右方向を厚さ方向として上下方向に延在している。作動ベース250には、上述した第1リブ147の先端面147aが左右方向の外側から近接又は当接している。これにより、作動部材202は、肘掛け本体130に対する左右方向の外側への移動が規制されている。作動ベース250には、作動ベース250を左右方向に貫通する通過孔253が形成されている。通過孔253は、上下方向を長手方向とする長円形状に形成されている。通過孔253には、外装本体部135と側方カバー136とを締結するボルト156等が貫通している。
レバー接続部251は、作動ベース250の上端部に形成されている。レバー接続部251には、上述した連係部208が係合している。すなわち、作動部材202は、操作レバー200の軸線回りの回動に伴い、肘掛け本体130に対して上下動する。
【0079】
押付部252は、連通溝177内でカバー本体150に上下動可能に配置されている。押付部252は、中央挿通孔171と同じ高さに配置された中央押付部252Aと、補助挿通孔172と同じ高さに配置された補助押付部252Bと、を備えている。
【0080】
図4に示すように、中央押付部252Aは、作動ベース250から左右方向の内側に膨出している。中央押付部252Aは、上方に位置するものほど作動ベース250からの突出量が大きい階段状に形成されている。具体的に、中央押付部252Aの上部を構成する上段部254には、上段押付面254a及び上段カム面254bが形成されている。
上段押付面254aは、上下方向に直線状に延びる平坦面に形成されている。
上段カム面254bは、上段押付面254aから下方に向かうに従い左右方向の外側に向けて延びる傾斜面に形成されている。
【0081】
中央押付部252Aの下部を構成する下段部255には、下段押付面255a及び下段カム面255bが形成されている。
下段押付面255aは、上下方向に直線状に延びる平坦面に形成されている。
下段カム面255bは、下段押付面255aから下方に向かうに従い左右方向の外側に向けて延びる傾斜面に形成されている。
【0082】
図5に示すように、上段部254のうち左右方向の内側端部には、中央張出部256が形成されている。中央張出部256は、上段部254から左右方向の外側に張り出している。中央張出部256は、上述した係止片179のうち、中央挿通孔171と対向する係止片179に左右方向の内側から係止されている。
【0083】
図10に示すように、補助押付部252Bは、作動ベース250から左右方向の内側に膨出している。補助押付部252Bには、補助押付面257a及び補助カム面257bが形成されている。
補助押付面257aは、上下方向に直線状に延びる平坦面に形成されている。
補助カム面257bは、補助押付面257aから下方に向かうに従い左右方向の外側に向けて延びる傾斜面に形成されている。
【0084】
図11は、
図10のXI-XI線に沿う断面図である。
図11に示すように、補助押付部252Bのうち左右方向の内側端部には、補助張出部259が形成されている。補助張出部259は、補助押付部252Bから左右方向の外側に張り出している。補助張出部259は、上述した係止片179のうち、補助挿通孔172と対向する係止片179に左右方向の内側から係止されている。
【0085】
本実施形態の作動部材202は、ロック位置からロック解除位置への係合部材201の移動を規制する規制位置(
図10参照)と、ロック位置からロック解除位置への係合部材201の移動を許容する規制解除位置(
図12参照)と、の間を上下動可能に構成されている。
図10に示す規制位置において、作動部材202は、中央押付部252A(押付面254a,255a)が被押圧部233(規制面240b,241b)に左右方向の外側から近接又は当接し、補助押付部252B(補助押付面257a)が補助被押圧部234(補助規制面234b)に左右方向の外側から近接又は当接することで、係合部材201の左右方向の外側(ロック解除位置)への移動を規制する。これにより、係脱部232と被係合部120との係合状態が維持される。なお、
図11に示すように、係合部材201がロック位置にあるとき、係合ベース230は、ガイド溝129の底面(支持ベース110の外側面)のうち隣り合う被係合部120間に位置する部分に左右方向の外側から当接している。
【0086】
図4に示す縦断面視において、係合部材201がロック位置にあるとき、係脱部232の下面232bは被係合部120の下面120bに下方から支持されている。これにより、係脱部232が、被係合部120に上下方向で係合する(係合位置)。
図9に示す側面視において、係合部材201がロック位置にあるとき、被押圧部233,234は、対応する挿通孔171,172の上端開口縁に下方から近接又は当接している。この場合、被押圧部233,234は、ガイド174,175によって後方に押さえ付けられている。その結果、
図5に示す横断面視において、係脱部232の後面232dが被係合部120の後面120dに当接している(当接位置)。このように、本実施形態のロック位置は、係脱部232が被係合部120に係合し、かつ係脱部232の後面232dが被係合部120の後面120dに押し付けられた状態である。
【0087】
ここで、ガイド溝129の前側傾斜面129a及び被係合部120の後面120d同士、並びにガイド溝129の後側傾斜面129b及び被係合部120の前面120c同士は、昇降ユニット102の少なくとも一部を間に挟んで向かい合っている。具体的に、前側傾斜面129a及び後面120d同士は、平面視において係脱部232及びレール152の一部を間に挟み、係脱部232の後面232dの法線方向で向かい合っている。後側傾斜面129b及び前面120c同士は、平面視において係脱部232及びレール152の一部を間に挟み、係脱部232の前面232cの法線方向で向かい合っている。
【0088】
したがって、係脱部232の後面232dが被係合部120の後面120dに当接することで、後面120d,232d間に作用する反力によって昇降ユニット102が前方(本実施形態では、前方かつ左右方向の外側)に押さえ付けられている。この場合、昇降ユニット102は、係脱部232の周辺を起点としてレール152が前方に傾いた状態で、ガイド溝129内に配置される。すなわち、係脱部232周辺及び係脱部232よりも上方に位置する部分では、レール152が前方に傾くことで、前側係止面166aがガイド溝129の前側傾斜面129aに当接している。一方、
図11に示すように、係脱部232よりも下方に位置する部分では、レール152が後方に傾くことで、後側係止面166bがガイド溝129の後側傾斜面129bに当接している。
【0089】
図12は、作動部材202が規制解除位置にある場合の
図10に対応する断面図である。
図12に示すように、作動部材202は、規制解除位置において、中央押付部252A(押付面254a,255a)が被押圧部234(規制面240b,241b)に対して上方に退避し、補助押付部252B(補助押付面257a)が補助被押圧部234(補助規制面234b)に対して上方に退避する。これにより、係合部材201は、被押圧部234,245と作動ベース50との間の隙間分、左右方向の移動が許容される。なお、作動部材202は、側方カバー136との間に介在する付勢部材260によって規制位置(下方)に向けて常時付勢されている。
【0090】
[肘掛けの動作方法]
図13~
図20は、肘掛け62の動作説明図である。次に、上述した肘掛け62の動作方法として、肘掛け62の昇降動作について説明する。肘掛け62は、初期状態において、支持体100に対して最上端で位置決めされている。すなわち、
図10に示すように、係脱部232は、最上端の被係合部120を含む2つの被係合部120にそれぞれ係合されている。
【0091】
初期状態の昇降ユニット102を下降させるには、例えば肘乗せ部132とともに操作部207を把持して、操作部207を引き上げる。すると、操作レバー200が軸線回りに回動することで、連係部208を介して作動部材202が上方に向けて引き上げられる。これにより、
図12に示すように、作動部材202の各押付部252が対応する被押圧部233,234から上方に退避し、作動部材202が規制解除位置に移動する。その結果、係合部材201の左右方向の外側(ロック解除位置)への移動が許容される。なお、本実施形態のように、支点となる回動支持部206が、作用点となる操作部207を間に挟んで力点となる連係部208の反対側に配置されていることで、操作部207の操作量に対する連係部208の移動量を確保し易い。そのため、肘掛け本体130の大型化を抑制した上で、作動部材202の移動量を確保できる。
【0092】
図4、
図13に示すように、作動部材202が規制解除位置に移動すると、例えば係合部材201の自重等によって係脱部232の下面232bが被係合部120の下面120b上を摺動する。これにより、係合部材201は、支持体100及び肘掛け本体130に対して下方に移動しながら、左右方向の外側に向けて移動する。なお、係合部材201をロック解除位置へ移行させるにあたっては、係合部材201の自重に加え、昇降ユニット102全体の自重が付与されてもよい。また、肘掛け本体130を介して係合部材201に押し下げ力を付与してもよい。すなわち、肘乗せ132等を介して昇降ユニット102に下方への押し下げ力を付与することで、中央挿通孔171の上端開口縁を介して係合部材201(被押圧部233)に対して押し下げ力が付与される。これにより、被係合部120の下面120b上に、係脱部232の下面232bをスムーズに摺動させることができる。
【0093】
図13~
図15に示すように、係脱部232が被係合部120から離脱すると、係合部材201は自重によって支持体100及び肘掛け本体130に対して下方に移動することで、被押圧部233,234が対応する挿通孔171,172の上端開口縁から離間する。これにより、ガイド174,175による被押圧部233,234の移動規制が解除される。その結果、係脱部232の後面232dが被係合部120の後面120dから離間することで、ガイド溝129の前側傾斜面129aへの前側係止面166aの押し付けが解除される。
以上により、係脱部232と被係合部120との係合が解除され、ロック解除位置となる。
【0094】
図16に示すように、ロック解除状態において、操作部207を把持したまま昇降ユニット102を押し下げる。すると、係脱部232が被係合部120を下方に乗り越えながら、レール152がガイド溝129内を下方に移動する。これにより、支持体100に対して昇降ユニット102が下方に移動する。
【0095】
図4、
図17に示すように、昇降ユニット102が所定の高さになった時点で、操作部207から手を離す。すると、作動部材202が付勢部材260の付勢力によって下方に移動することで、操作レバー200が軸線回りの下方に回動する。そして、作動部材202が下方に移動するのに伴い、作動部材202のカム面254b,255b,257bが対応する被押圧部233,234の従節面240a,241a,234a上を摺動する。これにより、係合部材201は、作動部材202の下方移動に伴い被係合部120内に向けて移動する。すなわち、係脱部232は、初期状態で係合していた被係合部120に対して下方の被係合部120内に進入する(係合位置)。なお、
図18に示すように、作動部材202が規制位置に移行することで、係合部材201の左右方向の外側への移動が規制される。
【0096】
その後、
図19に示すように、例えば利用者が肘乗せ部132から手を離す等すると、係合部材201に対して肘掛け本体130が下方に移動する。すると、各被押圧部233,234は、挿通孔171,172内でガイド174,175上を摺動することで、後方に向けて案内される。その結果、
図20に示すように、係脱部232の後面232dが被係合部120の後面120dに向けて押し込まれる(当接位置)。よって、肘掛け本体130が前方に向けて押圧されることで、第2ストッパ壁部166のうち、上部では前側係止面166aがガイド溝129の前側傾斜面129aに当接し、下部では後側係止面166bがガイド溝129の後側傾斜面129bに当接した状態で保持される。
以上により、係脱部232が再度ロック位置となり、昇降ユニット102の昇降動作が完了する。
【0097】
ここで、本実施形態では、前側傾斜面129a及び被係合部120の後面120d同士は、左右方向の内側に向かうに従い互いに離間する向きに延在している。そのため、係脱部232の後面232dが被係合部120の後面120dに押し付けられるのに伴い、レール152前側係止面166aがガイド溝129の前側傾斜面129a上を摺動することで、昇降ユニット102が左右方向の内側に引き付けられる。その結果、ロック位置では、
図5に示すように、レール152がガイド溝129の底面上に近接又は当接し、第1ストッパ壁部122が収容溝155の底面に近接又は当接した状態となる。
【0098】
なお、昇降ユニット102を上昇させる際には、作動部材202が規制解除位置にある状態で、肘乗せ132等を介して昇降ユニット102に上方への押し上げ力を付与する。すると、
図4に示すように、係合部材201に対して肘掛け本体130が上方に移動することで、中央挿通孔171の下端開口縁が被押圧部233に下方から当接する。その後、さらに昇降ユニット102を引き上げることで、中央挿通孔171の下端開口縁を介して係合部材201が肘掛け本体130とともに押し上げられる。これにより、係脱部232が未だロック解除位置に到達していない場合であっても、係脱部232の上面232aが被係合部120の上面120a上を摺動する。その結果、ロック解除位置に向けて係合部材201をスムーズに誘導できる。
【0099】
<肘掛け62の組付方法>
次に、
図7、
図10に基づき、肘掛け62の組付方法について説明する。まず、側方カバー136に作動部材202を組み付ける。具体的には、押付部252A,252Bを連通溝177内に上方から進入させ、張出部256,259を対応する係止片179に係止する。続いて、通過孔253を通じて作動部材202と側方カバー136との間に付勢部材260を差し入れる。
【0100】
次に、作動部材202が組み付けられた状態で、側方カバー136を外装本体部135に、ボルト156を用いて組み付ける。その後、外装本体部135の上端開口を通じて、操作レバー200を組み付ける。この際、外装本体部135内において、操作レバー200の連係部208をレバー接続部251に引っ掛ける。
【0101】
次に、側方カバー136に対して係合部材201を組み付ける。具体的には、対応する挿通孔171,172内に被押圧部233,234を挿通させた状態で、突条溝部167内に係合ベース230を配置する。これにより、各挿通孔171,172及び挿通開口169が係合ベース230によって覆われる。その後、レール152をガイド溝129内に上方から挿入させ、昇降ユニット102を支持体100に組み付けた後、肘掛け本体130にエンドキャップ138を装着する。
以上により、肘掛け62が組み付けられる。
【0102】
このように、本実施形態では、支持体100が、平面視において昇降ユニット102を間に挟んで配置された後面(第1当接面)120d及び前側傾斜面(第2当接面)129aを備えている構成とした。また、本実施形態では、係脱部232が被係合部120に係合した係合位置への移動と、係脱部232の後面(押付部)232dが後面120dに当接した当接位置への移動と、を作動部材(連動部材)202によって連動させる。これにより、本実施形態では、係脱部232が係合位置にあり、かつ後面232dが当接位置にあるロック位置において、後面120dには係脱部232(後面232d)が当接し、前側傾斜面129aには肘掛け本体130(前側係止面166a)が当接する構成とした。
この構成によれば、係脱部232がロック位置にある状態において、係脱部232の後面232dから後面120dに作用する押圧力に対する反力が、係合部材201を介して肘掛け本体130に作用する。これにより、係脱部232がロック位置にあるとき、肘掛け本体130が前側傾斜面129aに当接する。その結果、上下方向に交差する方向での支持体100に対する昇降ユニット102のがたつきを抑制できる。この場合、ガイド溝129の内面とレール152との間や、係脱部232と被係合部120との間の隙間を維持できるので、昇降時の操作性も維持できる。
【0103】
本実施形態では、前側傾斜面129a及び後面120d同士は、係脱部232及びレール152の一部を間に挟んで、係脱部232の後面232dの法線方向で向かい合っている構成とした。
この構成によれば、係脱部232の後面232dから被係合部120の後面120dに作用する押圧力に対する反力によって、肘掛け本体130を前側傾斜面129aに効果的に押し付けることができる。これにより、支持体100に対する昇降ユニット102のがたつきをより確実に抑制できる。
【0104】
本実施形態では、係脱部232の後面232dは、係脱部232が被係合部120内に進入した後(係合位置に到達した後)、被係合部120の後面120dに当接する構成とした。
この構成によれば、係脱部232と被係合部120との係合状態を確保した上で、支持体100に対する昇降ユニット102のがたつきを抑制できる。これにより、係脱部232が係合位置に到達する前に係脱部232の後面232dが被係合部120の後面120dに当接して、支持体100に対する昇降ユニット102の上下動が阻害されるのを抑制できる。
【0105】
本実施形態では、係脱部232が左右方向に移動するとともに、係脱部232のうち左右方向に交差する方向を向く後面232dを押付部とする構成した。
この構成によれば、押付部が係脱部232に一体に形成されることで、部品点数の削減を図ることができる。
【0106】
本実施形態では、肘掛け本体130は、係脱部232がロック位置に向かうに従い後面120dに案内するガイド174,175を備えている構成とした。
この構成によれば、係脱部232がロック位置にあるとき、係脱部232をより確実に後面120dに当接させることができる。これにより、支持体100に対する昇降ユニット102のがたつきをより確実に抑制できる。
【0107】
本実施形態では、肘掛け本体130には上下方向の寸法が係脱部232よりも大きい中央挿通孔(挿通孔)171が形成されている。後面120d及び前側傾斜面129a同士が前後方向で向かい合っている。中央ガイド(ガイド)174は、上方に向かうに従い中央挿通孔171の前側内面171aからの後方への突出量が漸次大きくなっている。
この構成によれば、係合部材201に対して肘掛け本体130が下方移動するのに伴い、係脱部232が中央ガイド174上を摺動することで、係脱部232が後方に向けて移動する。これにより、係脱部232をスムーズに後面120dに案内することができる。また、中央ガイド174は、上方に向かうに従い突出量が大きくなるように形成されているので、側方カバー136の成形時において中央挿通孔171の成形と同時に中央ガイド174を成形できる。その結果、金型の複雑化を抑え、製造コストの削減を図ることができる。
【0108】
本実施形態では、係脱部232がロック位置にあるとき、ガイド溝129の前側傾斜面129aにレール152の前側係止面166aが当接する構成とした。
この構成によれば、昇降時にはガイド溝129の内面とレール152との間の隙間を確保した上で、ロック位置にあるときには支持体100に対する昇降ユニット102のがたつきを抑制できる。
【0109】
本実施形態では、後面120dと前側傾斜面129aとの距離が左右方向の内側に向かうに従い漸次拡大している構成とした。
この構成によれば、係脱部232の後面232dから後面120dに作用する押圧力に対する反力は、ガイド溝129の前側傾斜面129aとレール152の前側係止面166aとの間において、法線方向及び接線方向の分力として作用する。接線方向の分力は、支持体100に対して昇降ユニット102を左右方向の内側に引き込むように作用する。その結果、支持体100に対する昇降ユニット102の左右方向でのがたつきも抑制できる。
【0110】
本実施形態の椅子1では、上述した肘掛け62を備えているため、操作性及び安定性に優れた椅子1を提供できる。
【0111】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
図21は、第2実施形態に係る肘掛け300の分解斜視図である。
図21に示すように、肘掛け300は、インナスリーブ(支持体)301と、昇降ユニット302と、を備えている。
【0112】
インナスリーブ301は、上下方向に延びる筒状に形成されている。本実施形態において、インナスリーブ301の平面視形状は、前後方向に長い六角形状に形成されている。インナスリーブ301は、背凭れ支持部13に設けられた肘掛け支持部(支持体)305に上方から嵌め込まれている。インナスリーブ301の後部において、左右方向の両側に位置する部分には、被係合部308が形成されている。被係合部308は、インナスリーブ301を貫通する貫通孔である。被係合部308は、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0113】
昇降ユニット302は、肘掛け本体310と、位置決め機構311と、を備えている。
肘掛け本体310は、上下方向に延びる筒状に形成されている。本実施形態において、肘掛け本体310は、インナスリーブ301よりも一回り小さい六角形状に形成されている。肘掛け本体310は、インナスリーブ301の内側に、インナスリーブ301に対して上下動可能に挿入されている。肘掛け本体310の後部において、上下方向の中央部には、挿通孔312が形成されている。挿通孔312は、肘掛け本体310において左右両側に開口している。
【0114】
位置決め機構311は、作動部材320と、係合部材321と、を備えている。
作動部材320は、肘掛け本体310内に上下動可能に収容されている。作動部材320は、側面視においてL字状に形成されている。具体的に、作動部材320は、アーム部325と、操作部326と、カム部327と、を備えている。
【0115】
アーム部325は、肘掛け本体310内を上下方向に延在している。アーム部325と肘掛け本体310との間には、作動部材320を下方に付勢する第1付勢部材329が介在している。
操作部326は、アーム部325の上端部から前方に延在している。操作部326は、肘掛け本体310に形成された露出孔340を通じて外部に露出している。
カム部327は、アーム部325における上下方向の中央部から後方に突出している。カム部327の後面は、上部に位置する規制面327aと、規制面327aから下方に連なるカム面327bと、を備えている。カム面327bは、下方に向かうに従い漸次前方に延びている。
【0116】
図22は、第2実施形態に係る肘掛け300の断面図である。
図21、
図22に示すように、係合部材321は、肘掛け本体310内で前後動可能に構成されている。具体的に、係合部材321は、挿通孔312を通じて被係合部308内に係合するロック位置と、被係合部308から退避したロック解除位置(
図23参照)と、の間を移動する。係合部材321は、平面視において、後方に向かうに従い左右方向の幅が漸次縮小する台形状に形成されている。係合部材321のうち左右方向の両端部は、ロック位置において被係合部308内に係合する係脱部330を構成している。係脱部330の先端面は、押付部330aを構成している。
【0117】
係合部材321には、前方に開口するカム収容溝331が形成されている。カム収容溝331の底面は、作動部材320の上下動に伴い、カム部327が摺動可能に構成されている。なお、係合部材321と肘掛け本体310との間には、係合部材321をロック解除位置に向けて付勢する第2付勢部材333が介在している。
【0118】
本実施形態の肘掛け300では、係合部材321がロック位置にあるとき、カム部327の規制面327aがカム収容溝331内に位置している。そのため、係合部材321のロック解除位置(前方)への移動が規制されている。また、係合部材321がロック位置にあるとき、係脱部330は被係合部308を貫通している。これにより、係脱部330が被係合部308内に係合した係合位置で、かつ押付部330aが肘掛け支持部305の内面に当接した当接位置となる。当接位置において、押付部330aは、肘掛け支持部305の内面のうち、左右両側で前方を向く面(第1当接面305a)に当接している。そして、肘掛け本体310は、係脱部330から第1当接面305aに作用する押付力の反力によって前方に押し付けられる。その結果、肘掛け本体310の外面のうち、左右両側で前方を向く面(係止面310a)は、インナスリーブ301の内面のうち左右両側で後方を向く面(第2当接面301a)に当接している。したがって、第1当接面305a及び第2当接面301aは、平面視において肘掛け本体310の全体を間に挟んで配置されている。具体的に、本実施形態において、各第1当接面305a及び各第2当接面301a同士のうち、肘掛け本体310の対角に配置された第1当接面305a及び第2当接面301a同士は、互いに向かい合っている。
【0119】
本実施形態において、昇降ユニット302を昇降させる場合には、操作部326を介して作動部材320を上方に引き上げる。すると、
図23に示すように、規制面327aが被係合部308に対して上方に退避することで、係脱部330が第2付勢部材333の付勢力によって被係合部308から退避する。これにより、係脱部330が係合解除位置に移動するとともに、押付部330aが第1当接面305aから離間した離間位置に移動する。その結果、係合部材301がロック解除位置になる。
【0120】
続いて、昇降ユニット302を所定高さまで移動させた後、操作部326の把持を解除すると、肘掛け本体310に対して作動部材320が下降する。作動部材320が下降すると、カム面327bがカム収容溝331の底面上を摺動する。これにより、係合部材321は、作動部材320の下方移動に伴い、ロック位置に向けて移動する。すなわち、係脱部330は、対応する被係合部308に進入して係合位置になるとともに、押付部330aが被係合部308を通じて肘掛け支持部305の第1当接面305aに当接した当接位置になる。これにより、肘掛け本体310が前方に押し付けられることで、肘掛け本体310の係止面310aが第2当接面301aに当接する。このように、昇降ユニット302は、係脱部330が被係合部308内に係合した状態で、肘掛け支持部305に対して前方に押さえ付けられた状態で保持される。すなわち、本実施形態では、係脱部330の移動方向(第1方向)と、押付部330aによる押付方向(第2方向)と、が平面視で一致している。
【0121】
その結果、本実施形態においても、優れた操作性を維持した上で、係脱部330が被係合部308内に係合された状態での肘掛け支持部305に対する昇降ユニット302の安定性を確保できる。
【0122】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。本実施形態では、係脱部421と押付部422とを別々に有する点で、上述した実施形態と相違している。
図24は、第3実施形態に係る肘掛け400の分解斜視図である。
図24に示す肘掛け400において、インナスリーブ301には、左右方向の内側に開口する被係合部308が形成されている。被係合部308は、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0123】
昇降ユニット302において、肘掛け本体310には、挿通孔312が形成されている。挿通孔312は、肘掛け本体310の上下方向の中央部において、左右方向の内側に向けて開口している。
肘掛け本体310の後部には、後方に向けて開口する溝部410が形成されている。溝部410は、上下方向に直線状に延びている。溝部410の底面には、肘掛け本体310を前後方向に貫通する通過孔411が形成されている。通過孔411は、上下方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0124】
位置決め機構311は、係脱部421と、押付部422と、作動部材423と、を備えている。
【0125】
図25、
図26は、第2実施形態に係る肘掛け300の断面図である。
係脱部421は、作動部材423の移動に伴い、挿通孔312内を左右方向に移動可能に設けられている。具体的に、係脱部421は、挿通孔312を通じて被係合部308内に係合する係合位置(
図25参照)と、被係合部308から退避した係合解除位置(
図26参照)と、の間を移動する。
【0126】
図24に示すように、係脱部421は、ブロック状に形成されている。係脱部421のうち、左右方向の外側端部には、第1カム従節部430が形成されている。第1カム従節部430は、遷移面430aと、遷移面430aから下方に連なる規制面430bと、を備えている。遷移面430aは、下方に向かうに従い漸次左右方向の外側に延びている。
【0127】
押付部422は、作動部材423の移動に伴い、溝部410内を前後方向に移動可能に設けられている。具体的に、押付部422は、インナスリーブ301の内面に当接する当接位置(
図25参照)と、インナスリーブ301の内面から離間した離間位置(
図26参照)と、の間を移動する。
【0128】
押付部422は、押付本体部431と、第2カム従節部432と、を備えている。
押付本体部431は、上下方向に延びる棒状に形成されている。押付本体部431は、当接位置において、インナスリーブ301の内面のうち、前方を向く面(第1当接面440a)に当接する。肘掛け本体310は、押付部422が当接位置にあるとき、押付本体部431から第1当接面440aに作用する押付力の反力によって前方に押し付けられる。その結果、肘掛け本体310の外面のうち、前方を向く面(係止面310a)は、インナスリーブ301の内面のうち後方を向く面(第2当接面440b)に当接している。したがって、第1当接面440a及び第2当接面440bは、平面視において肘掛け本体310の全体を間に挟んで配置されている。なお、係止面310a及び第2当接面440bは、平面視において法線方向が少なくとも前後方向の成分を有していればよい。すなわち、係止面310a及び第2当接面440bは、前後方向に直交する面であってもよい。
【0129】
第2カム従節部432は、押付本体部431から前方に突出している。第2カム従節部432は、各通過孔411内にそれぞれ進入している。各第2カム従節部432は、遷移面432aと、遷移面432aから下方に連なる規制面432bと、を備えている。遷移面432aは、下方に向かうに従い漸次前方に延びている。
【0130】
作動部材423は、アーム部325と、操作部326と、第1カム部(第1係合部)435と、第2カム部(第2係合部)436と、を備えている。
【0131】
第1カム部435は、アーム部325における上下方向の中央部から左右方向の内側に突出している。第1カム部435の先端面は、第1カム従節部430に摺動可能に係合している。具体的に、第1カム部435は、規制面435aと、規制面435aから下方に連なるカム面435bと、を備えている。カム面435bは、下方に向かうに従い漸次左右方向の外側に延びている。
【0132】
図25に示すように、規制面435aは、係脱部421が係合位置にあるとき、第1カム従節部430の規制面430bに当接している。そのため、係脱部421の係合解除位置への移動が規制されている。一方、
図26に示すように、第1カム部435が係脱部421(第1カム従節部430)から上方に退避した状態において、係脱部421の係合解除位置への移動が許容される。これにより、係脱部421は、第2付勢部材333の付勢力によって被係合部308から退避した係合解除位置となる。
【0133】
第2カム部436は、アーム部325から後方に向けて突出している。第2カム部436は、上述した通過孔411と同等の高さにそれぞれ形成されている。各第2カム部436の先端面(後面)は、第2カム従節部432に摺動可能に係合している。具体的に、各第2カム436は、規制面436aと、規制面436aから下方に連なるカム面436bと、を備えている。カム面436bは、下方に向かうに従い漸次前方に延びている。
【0134】
図25に示すように、規制面436aは、押付部422が当接位置にあるとき、第2カム従節部432の規制面432bに当接している。これにより、押付部422の離間位置への移動が規制されている。一方、
図26に示すように、第2カム部436が第2カム従節部432から上方に退避した状態において、押付部422の離間位置への移動が許容される。なお、押付部422と肘掛け本体310との間に、押付部422を離間位置に向けて付勢する付勢部材を介在させてもよい。
【0135】
本実施形態において、昇降ユニット302を昇降させる場合には、操作部326を介して作動部材423を上方に引き上げる。すると、
図26に示すように、第1カム部435の規制面435aが第1カム従節部430から上方に退避する。すると、係脱部421が第2付勢部材333の付勢力によって被係合部308から退避する。これにより、係脱部421が係合解除位置に移動する。また、第2カム部436が第2カム従節部432から上方に退避することで、作動部材423による押付部422の押し付けが解除される。これにより、押付部422が第1当接面440aから離間するとともに、肘掛け本体310が第2当接面440bから離間する。
【0136】
続いて、昇降ユニット302を所定高さまで移動させた後、操作部326の把持を解除すると、肘掛け本体310に対して作動部材420が下降する。作動部材423が下降すると、第1カム部435のカム面435bが第1カム従節部430の遷移面430a上を摺動する。これにより、係脱部421は、作動部材423下方移動に伴い、係合位置に向けて移動する。そして、係脱部421は、被係合部308に進入することで、被係合部308内に係合される。
また、作動部材423の下降に伴い、第2カム部436のカム面436bが第2カム従節部432の遷移面432a上を摺動する。これにより、押付部422が当接位置に向けて移動する。そして、押付本体部431が第1当接面440aに前方から当接することで、押付部422の押付力に対する反力が肘掛け本体310に作用する。これにより、肘掛け本体310が前方に押し付けられることで、肘掛け本体310の係止面310aが第2当接面440bに当接する。このように、昇降ユニット302は、係脱部421が係合位置にあるとき、押付部422が第1当接面440aに当接し、肘掛け本体310が第2当接面440bに当接した状態で保持される。
【0137】
なお、係脱部421が係合位置に到達するタイミングは、押付部422が当接位置に到達するタイミングよりも早い方が好ましい。但し、係脱部421の係合位置への到達と、押付部422の当接位置への到達と、が同じタイミングでもよい。また、係脱部421が係合位置に到達するタイミングは、押付部422が当接位置に到達するタイミングよりも遅くてもよい。
【0138】
このように、本実施形態のように、係脱部421及び押付部422を別々に有することで、係脱部421及び押付部422それぞれの機能に応じた位置や形状等を選択し易い。そのため、設計自由度を向上させることができる。
【0139】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、背凭れ支持部13に対して左右両側に肘掛けが配設された構成について説明したが、この構成のみに限られない。肘掛けは、背凭れ支持部13に対して左右方向における少なくとも第1側に配設されていればよい。
上述した実施形態では、昇降ユニットが上方に向かうに従い前方や左右方向の外側に延在することで、昇降ユニットが支持体に対して上方に向かうに従い前方及び左右方向の外側に移動する構成とした。但し、昇降ユニットは、支持体に対して上下方向に直線状に移動してもよい。すなわち、昇降ユニットは、少なくとも上下方向の成分をもって移動する構成であれば、左右方向や前後方向の成分をもっていてもよい。
【0140】
上述した第1実施形態では、係合部材201がロック位置及びロック解除位置間を左右方向に移動する際に、肘掛け本体130に対して前後上下に移動する構成について説明したが、この構成に限られない。係合部材201は、ロック位置及びロック解除位置間の第1方向に少なくとも移動すればよい。この場合、中央ガイド174は、左右方向の外側に向かう従い前方に延びる傾斜面等にしてもよい。また、第1方向は左右方向に限らず、前後方向であってもよい。
上述した第1実施形態では、係脱部232が中央挿通孔171を通じて被係合部120に係脱される構成について説明したが、この構成に限られない。例えば係脱部232は、肘掛け本体130の外部に設けられていてもよい。
上述した実施形態では、作動部材の上下動に伴い、係合部材がロック位置及びロック解除位置間を前後方向又は左右方向に移動する構成について説明したが、この構成に限られない。係合部材は、例えばリンク機構等によってロック位置及びロック解除位置間を移動してもよい。また、作動部材の移動方向(例えば、左右方向)や移動態様(例えば、回動)は適宜変更が可能である。
【0141】
上述した第1実施形態では、後面120d及び前側傾斜面129a同士が当接する構成について説明したが、前面120c及び後側傾斜面129b同士が当接する構成であってもよい。
上述した実施形態では、各当接面(例えば、後面120d及び前側傾斜面129a)が肘掛け本体の少なくとも一部を挟んで向かい合う構成について説明したが、この構成に限られない。各当接面は、肘掛け本体の少なくとも一部を間に挟んでいれば、互いに直交する面等であってもよい。
上述した実施形態では、各当接面が左右方向に対して傾斜する傾斜面に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。
上述した実施形態では、係脱部232が被係合部120の内面上をロック解除位置に向けて摺動する構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、作動部材202に連動して係脱部232がロック解除位置に移動する構成であってもよい。
【0142】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0143】
1…椅子
2…支持構造体(椅子本体)
3…座(椅子本体)
61…背凭れ本体(椅子本体)
62…肘掛け
100…支持体
120…被係合部(高さ調整機構)
120c…前面(第1当接面)
120d…後面(第1当接面)
129…ガイド溝(高さ調整機構)
129a…前側傾斜面(第2当接面)
129b…後側傾斜面(第2当接面)
130…肘掛け本体(高さ調整機構)
131…位置決め機構(高さ調整機構)
152…レール
166a…前側係止面(係止面)
166b…後側係止面(係止面)
171…中央挿通孔(挿通孔)
174…中央ガイド(ガイド)
202…作動部材
232…係脱部
232d…後面(押付部)
301…インナスリーブ(支持体)
301a…第2当接面
305…支持部(支持体)
305a…第1当接面
310…肘掛け本体
310a…係止面
312…挿通孔
320…作動部材
330…係脱部
421…係脱部
422…押付部
435…第1カム部(第1係合部)
436…第2係合部(第2係合部)
440a…第1当接面
440b…第2当接面