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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】接続装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20240528BHJP
   H01F 7/02 20060101ALI20240528BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20240528BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H01R13/639 A
H01F7/02 G
H01R13/64
H02J7/00 301B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021006468
(22)【出願日】2021-01-19
(65)【公開番号】P2022110821
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】清宮 正雄
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-263078(JP,A)
【文献】特開2020-017439(JP,A)
【文献】特表2010-531035(JP,A)
【文献】特開2003-168485(JP,A)
【文献】特開平10-225000(JP,A)
【文献】特開2010-113957(JP,A)
【文献】特開平07-085923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/56-13/72
H01F 7/02
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
突出する一対の機器側電極を有する可搬型機器との電気的接続を行う接続装置であって、
第1の電極と、第2の電極と、固定部材を含む筐体とを備え、
前記第1の電極は、導電性を有するとともに磁力を有し、その少なくとも一部が平面の形状であり、
前記第2の電極は、導電性を有するとともに磁力を有し、その少なくとも一部が平面の形状であり、
前記固定部材は、前記第1の電極と前記第2の電極とを前記可搬型機器の前記一対の機器側電極の間隔に応じた間隔に固定可能に構成され、
前記筐体は、前記第1の電極及び前記第2の電極を収容するとともに、第1の孔部と第2の孔部とを備え、
前記第1の電極の前記平面の形状の部分と前記第1の孔部とで前記筐体の第1の凹部を形成し、
前記第2の電極の前記平面の形状の部分と前記第2の孔部とで前記筐体の第2の凹部を形成し、
各前記第1及び第2の凹部の内周面に絶縁性素材が露出しており、且つ、各前記第1及び第2の電極の前記平面の形状の部分は、円形、正方形又は長方形であり、その直径又は一辺の長さが各前記第1及び第2の凹部の深さより大きく、
前記機器側電極の一方を前記第1の凹部に挿入するとともに、前記第1の電極の前記平面の形状の部分と面で接触させ、前記機器側電極の他方を前記第2の凹部に挿入するとともに、前記第2の電極の前記平面の形状の部分と面で接触させることにより、前記可搬型機器を前記接続装置に対して位置決めするように構成されている
接続装置。
【請求項2】
請求項1に記載の接続装置において、
前記第1の電極は、着磁された硬磁性体で構成され、
前記第2の電極は、着磁された硬磁性体で構成される
接続装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の接続装置において、
前記第1の電極は、少なくとも一部が柱状の形状であり、
前記第2の電極は、少なくとも一部が柱状の形状である
接続装置。
【請求項4】
請求項1に記載の接続装置において、
磁化手段を備え、
前記第1の電極は、導電性を有する軟磁性体を含んで構成され、
前記第2の電極は、導電性を有する軟磁性体を含んで構成され、
前記磁化手段は、前記第1の電極及び前記第2の電極を磁化可能に構成される
接続装置。
【請求項5】
請求項4に記載の接続装置において、
前記磁化手段は、第1の磁化部と、第2の磁化部とを備え、
前記第1の磁化部は、着磁された硬磁性体を含んで構成され、
前記第2の磁化部は、着磁された硬磁性体を含んで構成され、
前記第1の磁化部が前記第1の電極を磁化し、前記第2の磁化部が前記第2の電極を磁化する
接続装置。
【請求項6】
請求項5に記載の接続装置において、
前記第1の電極は、前記第1の磁化部を包含し、
前記第2の電極は、前記第2の磁化部を包含する
接続装置。
【請求項7】
請求項6に記載の接続装置において、
前記第1の電極は、少なくとも一部が筒状の形状であり、
前記第2の電極は、少なくとも一部が筒状の形状である
接続装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の接続装置において、
前記第1の電極は、第1の突起部を有し、
前記第1の突起部は、前記固定部材と嵌合して前記第1の電極を固定し、
前記第2の電極は、第2の突起部を有し、
前記第2の突起部は、前記固定部材と嵌合して前記第2の電極を固定する
接続装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の接続装置において、
前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記可搬型機器に直流電力を供給し、
前記第1の電極は、正電極であり、
前記第2の電極は、負電極である
接続装置。
【請求項10】
請求項9に記載の接続装置において、
前記第1の電極の前記可搬型機器と接する部位の磁極と、前記第2の電極の前記可搬型機器と接する部位の磁極とが、異なる極性である
接続装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の接続装置において、
前記第1の電極と前記第2の電極は、形状と大きさの少なくとも一方が各々異なる
接続装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の接続装置において、
前記筐体は、前記第1及び第2の凹部から縁部へ下る傾斜を有する
接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
可搬型機器は、バッテリーを有するものが多い。バッテリーを有する可搬型機器は、充電を行う必要があるが、その作業が煩雑であることも多い。このため、磁石を利用して、可搬型機器と充電器との接続を容易に行う技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-147807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、磁石を用いて可搬型機器と充電器とを接続する場合、磁石が可搬型機器と吸着していても、電極が接しているとは限らない状態も存在する。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、容易に、かつ、確実に可搬型機器との電気的接続を確立することのできる接続装置を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、可搬型機器との電気的接続を行う接続装置が提供される。この接続装置は、第1の電極と、第2の電極と、固定部材とを備える。第1の電極は、導電性を有するとともに磁力を有する。第2の電極は、導電性を有するとともに磁力を有する。固定部材は、第1の電極と第2の電極とを可搬型機器に応じた間隔に固定可能に構成される。
【0007】
本発明の一態様によれば、可搬型機器との電気的接続を容易に、かつ、確実に行うことが可能となる。
【0008】
また、装置を小型化することも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る接続装置10の外観を示した図である。
図2】可搬型機器の外観の例を示した図である。
図3】接続装置10と可搬型機器60を接続した状態を示した図である。
図4】接続装置10の内部構成を示した図である。
図5】電極11の形状を説明するための図である。
図6】位置決め方法を説明するための図である。
図7】位置決め方法を説明するための図である。
図8】位置決め方法を説明するための図である。
図9】接続装置20の基本的な構成を示した図である。
図10】接続装置20の外観を示した図である。
図11】接続装置20の内部構成を示した図である。
図12】接続装置20の内部構成を示した図である。
図13】接続装置20の内部構成を示した図である。
図14】電極21の形状を説明するための図である。
図15】電極21の形状を説明するための図である。
図16】接続装置30の外観を示した図である。
図17】接続装置40の外観を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
1.実施例1
図1は、本発明の実施形態に係る接続装置10の外観を示した図である。また、図2は、可搬型機器の外観の例を示した図である。図1に示すように、接続装置10は、第1の電極である電極11と、第2の電極である電極12と、固定部材14と、筐体上部15と、給電線16とを備える。この接続装置10は、可搬型機器60との電気的接続を行い、給電線16に接続された図示しない電源の電力を可搬型機器60に給電するものである。なお、接続装置10は、これを予め机や洗面台の棚等に置いておき、この上に可搬型機器を載置して両者を電気的に接続することを想定したものである。もちろん、接続装置10の利用形態は、任意である。
【0012】
また、図2に示すように、可搬型機器60は、電極61と電極62を有している。電極61は、電極11と接する電極であり、電極62は、電極12と接する電極である。なお、接続装置10を介して給電される電力が交流の場合など、極性を問わないものであれば、電極61と電極12、電極62と電極11が接するようにしてもよい。
【0013】
電極11は、導電性を有するとともに磁力を有する。つまり、電極11は、導電性を有する磁石、例えば、着磁された硬磁性体で構成される。同様に、電極12は、導電性を有するとともに磁力を有するもので、導電性を有する磁石、例えば、着磁された硬磁性体で構成される。導電性を有する着磁された硬磁性体としては、例えば、アルニコ磁石がある。電極11の一部は、筐体上部25から突出しており、電極12の一部も、筐体上部25から突出している。電極11と電極12は、それぞれ、図示しない電源50と電気的に接続され、電極11が可搬型機器60の電極61と接触し、電極12が可搬型機器60の電極62と接触することで、図示しない電源が出力する電力が可搬型機器60に給電されることになる。
【0014】
固定部材14は、接続装置10の筐体の下部を兼ねるものであり、例えば、プラスチック等の樹脂を成形することで実現されるものである。固定部材14は、電極11と電極12とを可搬型機器60に応じた間隔、つまり、電極61と電極62の間隔と同じ間隔に固定可能に構成される。
【0015】
筐体上部15は、接続装置10の筐体の上部であり、例えば、シリコンゴム等を成形することで実現される。筐体上部15は、電極11及び電極12が突出している部分から内部に水等が侵入することを防止するために、弾性素材であることが望ましく、また、電極11及び電極12との間を電気的に短絡させないために、絶縁性を有する素材である必要がある。
【0016】
また、固定部材14と筐体上部15で構成される筐体は、上面から下面へ貫通する貫通孔を備える。このため、筐体上部15は、貫通孔151を有する。貫通孔151は、接続装置10の筐体上面に水滴等が付着した場合の水はけを考慮したものであり、このため、筐体上面である筐体上部15は、縁部152から貫通孔151へ下る傾斜を有することが望ましい。
【0017】
給電線16は、図示しない電源が出力する電力を接続装置10に給電するもので、一方が電極11及び電極12と接続され、他方が、図示しない端子又はコネクタと接続される。
【0018】
可搬型機器60の電極61と電極62は、可搬型機器60の載置面63に凹部を形成するように配設されている。載置面63は、可搬型機器60と接続装置10を接続していない状態で、可搬型機器60を机や洗面台の棚等に置く場合の下面となる面である。このため、可搬型機器60を机や洗面台の棚等に置いた場合に、可搬型機器60が正立するように、電極61と電極62を凹部に形成している。したがって、電極61と電極62は、載置面63と略同一平面となるように配設してもよい。また、電極61と電極62を載置面63以外の場所に設ける場合には、電極61と電極62が凸部を形成するようにすることも可能である。なお、電極61と電極62は、導電性を有し、軟磁性体等の磁石に吸着する素材で構成される必要がある。
【0019】
図3は、接続装置10と可搬型機器60を接続した状態を示した図である。可搬型機器60の電極61と電極62は、それぞれ、接続装置10の電極11と電極12に接続される。電極11と電極12は、磁力を有するため、電極61と電極62を吸着し、接続は容易かつ確実となる。また、図3に示すように、可搬型機器60の載置面63と接続装置10の筐体上部15の間が所定の間隔dとなるように、電極11と電極12の高さが調整されている。このため、可搬型機器60は、電極61と電極62のみが接続装置10と接する状態となり、電気的な接続不良が生じにくい。間隔dは、例えば、0.2mmである。また、接続装置10に対しての可搬型機器60の位置決めは、電極61と電極62のみで可能であるため、これ以外の他の磁力や位置決めのためのガイドライン等は、不要である。
【0020】
続いて、接続装置10の詳細について説明する。図4は、接続装置10の内部構成を示した図である。同図に示すように、固定部材14には、貫通孔141と、固定枠142と、固定枠143とが一体成型されている。貫通孔141は、筐体上部15の貫通孔151とともに、接続装置10の貫通孔を形成する。固定枠142は、電極11が配設される場所であり、固定枠143は、電極12が配設される場所である。電極11は、第1の突起部である突起部111を有しており、この突起部111が固定部材14と嵌合し、これにより電極11が固定される。同様に、電極12は、第1の突起部である突起部121を有しており、この突起部121が固定部材14と嵌合して電極22を固定する。
【0021】
ここで、電極11及び電極12について説明する。図5は、電極11の形状を説明するための図である。同図に示すように、電極11は、突起部111と、柱状部114と、平面部115とを有する形状である。突起部111は、電極11を固定部材14に配設する際に、固定部材24と嵌合する部分である。柱状部114は、円柱形又は角柱形(図は円柱形)の側面部に相当する。平面部115は、電極61と接する部分であり、接続装置10を水平面に設置した場合に、略水平となる平面である。なお、平面部115は、後述するように、水平面と所定の角度で交わる平面となる場合もある。つまり、電極11は、少なくとも一部が柱状の形状であり、少なくとも一部が平面の形状である。
【0022】
また、図示は省略するが、電極12は、電極11と同様のものであり、少なくとも一部が柱状の形状であり、少なくとも一部が平面の形状である。
【0023】
ところで、可搬型機器60に直流電力を供給する場合、例えば、電源をUSB(Universal Serial Bus)とした場合には、接続装置10は、電極11を正電極、電極12を負電極とする。この場合、電極11と電極61を接続し、電極12と電極62を接続することで、可搬型機器60に正しく直流電圧が印加されるが、電極11と電極62が接続され、電極12と電極61が接続された場合には、可搬型機器60には、逆極性の直流電圧が印加されることになる。可搬型機器60に逆流防止や整流の機能があればよいが、可搬型機器60がこれらの機能を有さない場合には、電極11と電極61、電極12と電極62が正しく接続されるように位置決めする必要がある。ここでは、位置決めの方法について、数例説明する。
【0024】
まず、磁力により位置決めを行う方法について説明する。磁力により位置決めを行う場合、電極11の可搬型機器60の電極61と接する部位の磁極と、電極12の可搬型機器60の電極62と接する部位の磁極とが、異なる極性となるようにする。例えば、電極11がN極である場合、電極12はS極となるようにする。この場合、可搬型機器60の電極61がS極であり、電極62がN極であれば、接続装置10と可搬型機器60は、正しく接続される。
【0025】
次に、電極12の形状と大きさの少なくとも一方を、電極11と異ならせることにより、位置決めを行う方法について説明する。この方法は、電極11と電極12とで、形状と大きさの少なくとも一方が各々異なるようにすることで、可搬型機器60を逆向きに接続することが物理的に困難になるようにする方法である。なお、磁力により、正位置での電極間の接続が容易に行えるようになっているため、逆位置での接続は、わずかでも困難であればよく、接続が不可能となる程度まで困難性を高める必要はない。
【0026】
ここで、電極12の形状と大きさの少なくとも一方を、電極11と異ならせることにより、位置決めを行う方法を数例説明する。図6乃至図8は、位置決め方法を説明するための図である。なお、ここでは、電極11と電極12を主として説明するが、可搬型機器60側でも、電極61と電極62の形状を対応させておく必要がある。
【0027】
図6に示した例は、平面部115を円形、平面部125を正方形としたものである。この場合、例えば、平面部115の直径が5.5mm、平面部225の一辺が5mmであれば、逆位置での接続は困難となる。
【0028】
また、図示は省略するが、平面部115と平面部125を同じ長方形の形状として、その長手方向が異なるようにすることでも、逆位置での接続は困難となる。
【0029】
図7に示した例は、平面部115と平面部125を水平面と所定の角度で交わる平面としたものである。この場合、逆位置では、電極11と電極62、電極12と電極61が面で接することは困難となり、磁力による吸着も弱くなる。
【0030】
図8に示した例は、電極11と電極12とで、筐体上部15から突出している部分の長さ(高さ)を異ならせたものである。この場合、逆位置では、電極11と電極62が接することはない。
【0031】
なお、ここで説明したのは、例であり、他の方法、例えば、電極11と電極12を異なる直径の円形とするだけでも、逆位置での接続は困難となる
【0032】
2.実施例2
図9は、接続装置20の基本的な構成を示した図である。同図に示すように、接続装置20は、第1の電極である電極21と、第2の電極である電極22と、磁化手段23と、固定部材24とを備える。この接続装置20は、可搬型機器60との電気的接続を行い、電源50の電力を可搬型機器60に給電するものである。
【0033】
電極21及び電極22は、いずれも、導電性を有する軟磁性体を含んで構成される。軟磁性体は、磁界をかけることで容易に磁化し、磁界を取り除くことで元の状態に戻るもので、導電性を有する軟磁性体としては、例えば、鉄があげられる。電極11と電極12は、それぞれ、電源50と電気的に接続され、電極11が可搬型機器60の電極61と接触し、電極12が可搬型機器60の電極62と接触することで、電源50が出力する電力が可搬型機器60に給電されることになる。
【0034】
磁化手段23は、電極21と電極22のそれぞれを磁化可能にするもので、着磁された硬磁性体である磁石が1つ又は2つ用いられる。1つの磁石を用いる場合には、電極21と電極22の間を絶縁する必要がある。また、磁石に代えてコイル等を用いた電磁石を用いてもよい。
【0035】
固定部材24は、電極21と電極22を可搬型機器60に応じた間隔、つまり、電極61と電極62の間隔と同じ間隔に固定可能とする。
【0036】
図10は、接続装置20の外観を示した図である。同図に示すように、接続装置20は、電極21と、電極22と、固定部材24と、筐体上部25と、給電線26とを備える。なお、接続装置20は、これを予め机や洗面台の棚等に置いておき、この上に可搬型機器を載置して両者を電気的に接続することを想定したものである。もちろん、接続装置20の利用形態は、任意である。
【0037】
電極21と電極22は、磁化手段23に相当する第1の磁化部と、第2の磁化部とにより磁化されている。なお、第1の磁化部と第2の磁化部については後述する。電極21の一部は、筐体上部25から突出しており、電極22の一部も、筐体上部25から突出している。
【0038】
固定部材24は、接続装置20の筐体の下部を兼ねるものであり、例えば、プラスチック等の樹脂を成形することで実現されるものである。なお、固定部材24の詳細については後述する。
【0039】
筐体上部25は、接続装置20の筐体の上部であり、例えば、シリコンゴム等を成形することで実現される。筐体上部25は、電極21及び電極22が突出している部分から内部に水等が侵入することを防止するために、弾性素材であることが望ましく、また、電極21及び電極22との間を電気的に短絡させないために、絶縁性を有する素材である必要がある。
【0040】
また、固定部材24と筐体上部25で構成される筐体は、上面から下面へ貫通する貫通孔を備える。このため、筐体上部25は、貫通孔251を有する。貫通孔251は、接続装置20の筐体上面に水滴等が付着した場合の水はけを考慮したものであり、このため、筐体上面である筐体上部25は、縁部252から貫通孔251へ下る傾斜を有することが望ましい。
【0041】
給電線26は、図示しない電源が出力する電力を接続装置20に給電するもので、一方が電極21及び電極22と接続され、他方が、図示しない端子又はコネクタと接続される。
【0042】
続いて、接続装置20の詳細について説明する。図11乃至図13は、いずれも、接続装置20の内部構成を示した図である。図11に示すように、固定部材24には、貫通孔241と、固定枠242と、固定枠243とが一体成型されている。貫通孔241は、筐体上部25の貫通孔251とともに、接続装置20の貫通孔を形成する。
【0043】
図12に示すように、固定枠242には、第1の磁化部である磁石231が配設され、固定枠243には、第2の磁化部である磁石232が配設される。磁石231と固定枠242は直接固定される必要はなく、また、磁石232と固定枠243も直接固定される必要はない。磁石231は、着磁された硬磁性体を含んでおり、磁石232は、着磁された硬磁性体を含んでいる。
【0044】
また、図13に示すように、電極21は、磁石231を包含するように配設され、電極22は、磁石232を包含するように配設される。これにより、磁石231が電極21に吸着し、磁石231が電極21を磁化する。同様に、磁石232が電極22に吸着し、磁石232が電極22を磁化する。また、電極21は、第1の突起部である突起部211を有しており、この突起部211が固定部材24と嵌合して電極21を固定する。同様に、電極22は、第2の突起部である突起部221を有しており、この突起部221が固定部材24と嵌合して電極22を固定する。
【0045】
ここで、電極21及び電極22について説明する。図14及び図15は、電極21の形状を説明するための図である。図14及び図15に示すように、電極21は、突起部211と、爪部212と、中空部213と、筒状部214と、平面部215とを有する形状である。突起部211は、電極21を固定部材24に配設する際に、固定部材24と嵌合する部分である。爪部212は、給電線26と接続される部分であり、カシメられることにより、給電線26と接続される。中空部213は、磁石231を収容する部分である。筒状部214は、円筒形又は角筒形(図は円筒形)の側面部に相当する。平面部215は、電極71と接する部分であり、接続装置20を水平面に設置した場合に、略水平となる平面である。なお、平面部215は、後述するように、水平面と所定の角度で交わる平面となる場合もある。つまり、電極21は、少なくとも一部が筒状の形状であり、少なくとも一部が平面の形状である。また、電極21の材質は、導電性を有し、軟磁性体等の磁石に吸着する素材であればよく、鉄やステンレス鋼等が用いられる。電極21の厚みに制限は無いが、0.1mmから0.3mm程度、好ましくは0.2mmを用いることが加工の容易さ、重量等の観点から望ましいと言える。
【0046】
電極22は、電極21と同様のものであり、少なくとも一部が筒状の形状であり、少なくとも一部が平面の形状である。
【0047】
なお、接続装置20と可搬型機器60を接続される際の位置決めについては、実施例1の場合と同様であるため、説明は省略する。もちろん、可搬型機器60に直流電力を供給することが可能な点も、実施例1の場合と同様である。
【0048】
3.実施例3
図16は、接続装置30の外観を示した図である。同図に示すように、接続装置30は、電極31と、電極32と、筐体35と、給電線36とを有する。電極31及び電極32は、実施例1の電極21及び電極22と同様に、磁化手段により磁化されている。筐体35は、第1の孔部である孔部351と、第2の孔部である孔部352とを備える。そして、第1の電極である電極31の一部と孔部351とで凹部を形成し、第2の電極である電極32の一部と孔部352とで凹部を形成する。また、筐体35は、凹部から縁部353へ下る傾斜を有するようにしてもよい。給電線36は、図示しない電源が出力する電力を接続装置30に給電するものである。
【0049】
この接続装置30は、基本的には、接続装置20と同様の構成を有するものであるが、電極31と電極32を平板として、各々磁石を吸着させる構成とすることができる。
【0050】
なお、接続装置30は、これ自体を動かして、机や洗面台の棚等に置かれている可搬型機器に接続することを想定したものである。この場合、可搬型機器は、載置面以外に電極が配設されていることを想定している。もちろん、接続装置30の利用形態は、任意である。
【0051】
4.実施例4
図17は、接続装置40の外観を示した図である。同図に示すように、接続装置40は、電極41と、電極42と、筐体45と、給電線46とを有する。電極41及び電極42は、実施例2の電極21及び電極22と同様に、磁化手段により磁化されている。筐体45は、電極41及び電極42が配設されている位置から縁部453へ下る傾斜を有するようにしてもよい。給電線46は、図示しない電源が出力する電力を接続装置30に給電するものである。
【0052】
この接続装置40は、接続装置30と同様のものであるが、電極41及び電極42を、筐体45の面とほぼ同じ高さとしたもので、水はけを良好としたものである。
【0053】
5.その他
実施例1乃至実施例4で説明した構成は、適宜、組み合わせることが可能である。具体的には、実施例2で説明した机上等に設置するタイプの接続装置20の電極を、筐体から突出したものではなく、凹部に配設したり、筐体と略同一面に配設することができ、実施例3及び実施例4で説明した接続装置側を移動させるタイプの電極を筐体から突出したものとすることもできる。
【0054】
また、実施例1乃至実施例4で説明した各接続装置を可搬型機器側に組み込み、可搬型機器側の電極を磁化されたものとすることも可能である。
【0055】
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記接続装置において、前記第1の電極は、着磁された硬磁性体で構成され、前記第2の電極は、着磁された硬磁性体で構成される接続装置。
前記接続装置において、前記第1の電極は、少なくとも一部が柱状の形状であり、前記第2の電極は、少なくとも一部が柱状の形状である接続装置。
前記接続装置において、磁化手段を備え、前記第1の電極は、導電性を有する軟磁性体を含んで構成され、前記第2の電極は、導電性を有する軟磁性体を含んで構成され、前記磁化手段は、前記第1の電極及び前記第2の電極を磁化可能に構成される接続装置。
前記接続装置において、前記磁化手段は、第1の磁化部と、第2の磁化部とを備え、前記第1の磁化部は、着磁された硬磁性体を含んで構成され、前記第2の磁化部は、着磁された硬磁性体を含んで構成され、前記第1の磁化部が前記第1の電極を磁化し、前記第2の磁化部が前記第2の電極を磁化する接続装置。
前記接続装置において、前記第1の電極は、前記第1の磁化部を包含し、前記第2の電極は、前記第2の磁化部を包含する接続装置。
前記接続装置において、前記第1の電極は、少なくとも一部が筒状の形状であり、前記第2の電極は、少なくとも一部が筒状の形状である接続装置。
前記接続装置において、前記第1の電極は、少なくとも一部が平面の形状であり、前記第2の電極は、少なくとも一部が平面の形状である接続装置。
前記接続装置において、前記第1の電極は、第1の突起部を有し、前記第1の突起部は、前記固定部材と嵌合して前記第1の電極を固定し、前記第2の電極は、第2の突起部を有し、前記第2の突起部は、前記固定部材と嵌合して前記第2の電極を固定する接続装置。
前記接続装置において、前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記可搬型機器に直流電力を供給し、前記第1の電極は、正電極であり、前記第2の電極は、負電極である接続装置。
前記接続装置において、前記第1の電極の前記可搬型機器と接する部位の磁極と、前記第2の電極の前記可搬型機器と接する部位の磁極とが、異なる極性である接続装置。
前記接続装置において、前記第1の電極と前記第2の電極は、形状と大きさの少なくとも一方が各々異なる接続装置。
前記接続装置において、筐体を備え、前記第1の電極の一部と、前記第2の電極の一部とが、前記筐体から突出している接続装置。
前記接続装置において、前記筐体は、上面から下面へ貫通する貫通孔を備え、前記上面は、縁部から前記貫通孔へ下る傾斜を有する接続装置。
前記接続装置において、筐体を備え、前記筐体は、第1の孔部と第2の孔部とを備え、前記第1の電極の一部と前記第1の孔部とで前記筐体の凹部を形成し、前記第2の電極の一部と前記第2の孔部とで前記筐体の凹部を形成する接続装置。
前記接続装置において、前記筐体は、前記凹部から縁部へ下る傾斜を有する接続装置。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0056】
10 :接続装置
11 :電極
12 :電極
14 :固定部材
15 :筐体上部
16 :給電線
20 :接続装置
21 :電極
22 :電極
23 :磁化手段
24 :固定部材
25 :筐体上部
26 :給電線
30 :接続装置
31 :電極
32 :電極
35 :筐体
36 :給電線
40 :接続装置
41 :電極
42 :電極
45 :筐体
46 :給電線
50 :電源
60 :可搬型機器
61 :電極
62 :電極
63 :載置面
71 :電極
111 :突起部
114 :柱状部
115 :平面部
121 :突起部
125 :平面部
141 :貫通孔
142 :固定枠
143 :固定枠
151 :貫通孔
152 :縁部
211 :突起部
212 :爪部
213 :中空部
214 :筒状部
215 :平面部
221 :突起部
225 :平面部
231 :磁石
232 :磁石
241 :貫通孔
242 :固定枠
243 :固定枠
251 :貫通孔
252 :縁部
351 :孔部
352 :孔部
353 :縁部
453 :縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17