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特許7495362作業機械用の燃料供給装置、及び収穫機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】作業機械用の燃料供給装置、及び収穫機械
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20240528BHJP
   A01D 41/02 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
A01D41/12 E
A01D41/02 K
A01D41/12 N
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021007194
(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公開番号】P2022111633
(43)【公開日】2022-08-01
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 充
(72)【発明者】
【氏名】水畑 竜也
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-112992(JP,A)
【文献】特開2020-147925(JP,A)
【文献】特開2012-095540(JP,A)
【文献】特開2008-121292(JP,A)
【文献】特開2002-089391(JP,A)
【文献】特開2001-288777(JP,A)
【文献】実開昭56-091116(JP,U)
【文献】特開平05-270282(JP,A)
【文献】特開2007-216703(JP,A)
【文献】特開2018-139543(JP,A)
【文献】特開2017-031842(JP,A)
【文献】特開2011-189903(JP,A)
【文献】特開2011-220033(JP,A)
【文献】特開平08-242657(JP,A)
【文献】特開2014-233214(JP,A)
【文献】特開2020-048454(JP,A)
【文献】特開2018-019625(JP,A)
【文献】特開2013-226091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/12
A01D 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の機体に搭載され、燃料を収容する燃料タンクと、
前記機体に搭載され、前記作業機械の動力部に対する前記燃料の供給路に挿入されて前記燃料中の対象物を除去するフィルタ装置と、を備え、
前記フィルタ装置は、上面視において、前記燃料タンクに対して前記機体の中心とは反対側に配置され
前記燃料タンクの窪みに前記フィルタ装置が収容され、かつ、上面視において前記フィルタ装置から見て前記燃料タンクと反対側にフレームが配置される、
作業機械用の燃料供給装置。
【請求項2】
前記機体は、上面視において仮想直線を挟んで左右方向に並ぶ脱穀部及びグレンタンクを備え、
前記燃料タンクは、前記仮想直線上に配置される、
請求項1に記載の作業機械用の燃料供給装置。
【請求項3】
前記フィルタ装置は、前記燃料タンクの後方であって、少なくとも一部が前後方向において前記燃料タンクと対向する位置に配置される、
請求項1又は2に記載の作業機械用の燃料供給装置。
【請求項4】
前記燃料タンクは、一側面の一部に凹所を有し、
前記フィルタ装置の少なくとも一部は、前記凹所内に配置される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の作業機械用の燃料供給装置。
【請求項5】
前記燃料タンクは、前記機体に設けられて脱穀処理にて発生する排出物を排出する排出口と、前記フィルタ装置との間に位置する遮蔽部を有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の作業機械用の燃料供給装置。
【請求項6】
前記燃料タンクは、前部よりも後部において上下方向の寸法が大きい、
請求項1~5のいずれか1項に記載の作業機械用の燃料供給装置。
【請求項7】
前記燃料タンクは、下面の一部に下面凹部を有し、前記機体のうちの前記燃料タンクが搭載されるフレームとの間に、配管が配置される配管空間を前記下面凹部により形成する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の作業機械用の燃料供給装置。
【請求項8】
前記機体は、
前記燃料タンクを支持する支持フレームと、
前記支持フレームの後方に前記支持フレームに沿って配置される後方フレームと、を備えており、
前記フィルタ装置は、前記支持フレームと前記後方フレームとの間の隙間を通して下方からアクセス可能なフィルタ収容室を有する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の作業機械用の燃料供給装置。
【請求項9】
前記フィルタ装置は、前記機体に前記燃料タンクを固定するステーに固定される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の作業機械用の燃料供給装置。
【請求項10】
記機体は、上面視において仮想直線を挟んで左右方向に並ぶ脱穀部及びグレンタンクを備え、
前記フィルタ装置は、上面視において、前記グレンタンク内の貯留物を排出する排出搬送路のうちの上下方向に延びる縦搬送路と、前記燃料タンクとの間に配置される、
請求項1~9のいずれか1項に記載の作業機械用の燃料供給装置。
【請求項11】
作業機械の機体に搭載され、燃料を収容する燃料タンクと、
前記機体に搭載され、前記作業機械の動力部に対する前記燃料の供給路に挿入されて前記燃料中の対象物を除去するフィルタ装置と、を備え、
前記フィルタ装置は、前記燃料タンクの後方であって、少なくとも一部が前後方向において前記燃料タンクと対向する位置に配置され
前記燃料タンクの窪みに前記フィルタ装置が収容され、かつ、上面視において前記フィルタ装置から見て前記燃料タンクと反対側にフレームが配置される、
作業機械用の燃料供給装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の作業機械用の燃料供給装置と、
前記機体と、を備える、
収穫機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料の供給を受けて駆動する動力部を備える作業機械用の燃料供給装置、及び収穫機械に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、刈取部、脱穀部及びグレンタンク等を備えるコンバインが知られている(例えば、特許文献1参照)。関連技術に係るコンバインのような作業機械では、動力部(エンジン)及び燃料タンクを機体(走行機体)に搭載し、燃料タンク(第1燃料タンク及び第2燃料タンク)から動力部に燃料を供給して動力部を駆動する。
【0003】
関連技術に係る作業機械においては、1つの燃料タンク(第1燃料タンク)は、機体の後部において、左右方向に並設されている脱穀部とグレンタンクとの間に配置されている。さらに、この燃料タンク(第1燃料タンク)の前方には、動力部に供給される燃料に含まれる水分を除去するフィルタ装置(油水分離機)が配置されている。そのため、フィルタ装置は、脱穀部、グレンタンク及び燃料タンク(第1燃料タンク)で囲まれた場所に位置することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-19625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記関連技術の構成では、フィルタ装置のメンテナンスに際して、ユーザがフィルタ装置にアクセスするには、一度、グレンタンクを回転移動させて開姿勢として、フィルタ装置を露出させる必要がある。つまり、フィルタ装置のメンテナンスの度に、グレンタンクの開閉が必要となる。
【0006】
本発明の目的は、フィルタ装置のメンテナンスの省力化を可能とする作業機械用の燃料供給装置、及び収穫機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る作業機械用の燃料供給装置は、燃料タンクと、フィルタ装置と、を備える。前記燃料タンクは、作業機械の機体に搭載され、燃料を収容する。前記フィルタ装置は、前記機体に搭載され、前記作業機械の動力部に対する前記燃料の供給路に挿入されて前記燃料中の対象物を除去する。前記フィルタ装置は、上面視において、前記燃料タンクに対して前記機体の中心とは反対側に配置される。
【0008】
本発明の他の局面に係る作業機械用の燃料供給装置は、燃料タンクと、フィルタ装置と、を備える。前記燃料タンクは、作業機械の機体に搭載され、燃料を収容する。前記フィルタ装置は、前記機体に搭載され、前記作業機械の動力部に対する前記燃料の供給路に挿入されて前記燃料中の対象物を除去する。前記機体は、上面視において仮想直線を挟んで左右方向に並ぶ脱穀部及びグレンタンクを備える。前記フィルタ装置は、上面視において、前記グレンタンク内の貯留物を排出する排出搬送路のうちの上下方向に延びる縦搬送路と、前記燃料タンクとの間に配置される。
【0009】
本発明の他の局面に係る作業機械用の燃料供給装置は、燃料タンクと、フィルタ装置と、を備える。前記燃料タンクは、作業機械の機体に搭載され、燃料を収容する。前記フィルタ装置は、前記機体に搭載され、前記作業機械の動力部に対する前記燃料の供給路に挿入されて前記燃料中の対象物を除去する。前記フィルタ装置は、前記燃料タンクの後方であって、少なくとも一部が前後方向において前記燃料タンクと対向する位置に配置される。
【0010】
本発明の他の局面に係る収穫機械は、前記作業機械用の燃料供給装置と、前記機体と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フィルタ装置のメンテナンスの省力化を可能とする作業機械用の燃料供給装置、及び収穫機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態1に係る作業機械用の燃料供給装置を示し、左斜め後方から見た燃料タンク周辺の概略斜視図である。
図2図2は、実施形態1に係る作業機械の概略左側面図である。
図3図3は、実施形態1に係る作業機械の概略平面図である。
図4図4は、実施形態1に係る作業機械用の燃料供給装置を示し、右斜め後方から見た燃料タンク周辺の概略斜視図である。
図5図5は、実施形態1に係る作業機械用の燃料供給装置を示す概略平面図である。
図6図6は、実施形態1に係る作業機械の機体のフレームを示す概略平面図である。
図7図7は、実施形態1に係る作業機械の機体のフレームを示し、左斜め後方から見た後部の概略斜視図である。
図8図8は、実施形態1に係る作業機械用の燃料供給装置を示し、左斜め後方から見た燃料タンク周辺の概略斜視図である。
図9図9は、実施形態1に係る作業機械用の燃料供給装置を示す概略平面図である。
図10図10は、実施形態1に係る作業機械用の燃料供給装置の燃料タンクを示す概略三面図である。
図11図11は、実施形態1に係る作業機械用の燃料供給装置を示し、フィルタ装置3を外した状態で、右斜め後方から見た燃料タンク周辺の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
【0014】
(実施形態1)
[1]全体構成
まず、本実施形態に係る作業機械4の全体構成について、図2及び図3を参照して説明する。作業機械4は、燃料の供給を受けて駆動する動力部46を少なくとも備えている。本実施形態に係る作業機械用の燃料供給装置10(図1参照)は、このような作業機械4の機体40に搭載される。
【0015】
本開示でいう「作業機械」は、例えば圃場等の作業領域において各種の作業を行う機械を意味し、一例として、収穫機械(コンバインを含む)、トラクタ、田植機、散布機、噴霧機、播種機及び移植機等の作業車両である。つまり、作業機械4は作業車両を含む。作業機械4は、「車両」に限らず、例えば、作業用飛翔体又は作業用船舶等であってもよい。さらに、作業機械4は農業機械(農機)に限らず、例えば、建設機械(建機)等であってもよい。本実施形態では、特に断りが無い限り、作業機械4が乗用タイプの収穫機械である場合を例に挙げて説明する。
【0016】
また、本開示でいう「収穫機械」は、圃場にて作物の収穫作業を行う機械であって、一例として、収穫作業に加えて脱穀及び選別をも行うコンバイン(コンバインハーベスタ)等を含む。コンバインは、主として穀物の収穫作業に用いられ、圃場内を移動(走行)しながら、作物の刈り取りを行い、刈り取った作物を収穫する。特に、コンバインには、刈り取った作物全体を脱穀機に送り込む普通型(汎用)コンバインと、刈り取った作物の穂先のみを脱穀機に送り込む自脱型コンバインとがあるところ、本実施形態では、屋外の圃場(田んぼ)で生育されている稲を収穫対象とする普通型コンバインを作業機械4の例として説明する。また、本実施形態では一例として、作業機械4は、人(オペレータ)の操作(遠隔操作を含む)により動作することとするが、これに限らず、作業機械4は、自動運転により動作する無人機であってもよい。
【0017】
また、本実施形態では、説明の便宜上、作業機械4が使用可能な状態での鉛直方向を上下方向D1と定義する。さらに、図3に示すように、作業機械4(の運転部47)に乗っている人から見た方向を基準として、前後方向D2及び左右方向D3を定義する。言い換えれば、本実施形態で用いられる各方向は、いずれも作業機械4の機体40を基準として規定される方向であって、作業機械4の前進時に機体40が移動する方向が「前方」、作業機械4の後退時に機体40が移動する方向が「後方」となる。同様に、作業機械4の右旋回時に機体40の前端部が移動する方向が「右方」、作業機械4の左旋回時に機体40の前端部が移動する方向が「左方」となる。ただし、これらの方向は、作業機械4の使用方向(使用時の方向)を限定する趣旨ではない。
【0018】
本実施形態に係る作業機械4は、動力部46に加えて、走行装置41、刈取部42、脱穀部43、選別部44、貯留装置45、運転部47、藁処理部48及び排出装置49等を、機体40に備えている。さらに、本実施形態では、作業機械4は、制御装置、通信端末及びバッテリ等を、機体40に更に備えている。また、本実施形態では、作業機械4は、作業機械用の燃料供給装置10(以下では単に「燃料供給装置」ともいう)を更に備えている。すなわち、作業機械4の本体である機体40は、走行装置41、刈取部42、脱穀部43、選別部44、貯留装置45、動力部46、運転部47、藁処理部48及び排出装置49等を含んでいる。そして、本実施形態に係る燃料供給装置10は、機体40と共に、収穫機械としての作業機械4を構成する。言い換えれば、本実施形態に係る収穫機械(作業機械4)は、作業機械用の燃料供給装置10と、機体40と、を備えている。
【0019】
走行装置41は、作業機械4を前後方向D2及び左右方向D3に移動させることができる。例えば、作業機械4は、田んぼ又は畑等の圃場内を蛇行しながら収穫作業を実施する。一例として、作業機械4は、圃場内を外側から内側に向かって右(又は左)に旋回しながら移動してもよく、この場合、作業機械4の移動軌跡は渦巻き状の経路となる。
【0020】
刈取部42は、圃場の作物(本実施形態では一例として稲)を刈り取る。刈取部42は、リール421、カッター422、掻込オーガ423、搬送コンベア424、ロータ425及びフィーダハウス426等を有する。リール421は、回転することによって作物の穀稈をカッター422へ案内する。カッター422は、リール421によって案内された穀稈を切断する。これにより、圃場に生育されている作物は穀稈の途中で切断されることになり、少なくとも穂先を含む穀稈が作業機械4によって刈り取られることになる。
【0021】
掻込オーガ423は、このようにして刈り取られた穀稈をフィーダハウス426に掻き込む。具体的には、掻込オーガ423は、刈り取られた穀稈を、左右方向D3に搬送し、フィーダハウス426の前方位置に集合させる横送りスクリューである。
【0022】
フィーダハウス426は、刈取部42(の掻込オーガ423)と脱穀部43との間に、刈り取られた作物(穀稈)を通すための経路の外郭を構成する。本実施形態では、脱穀部43は刈取部42の斜め上後方に位置する。フィーダハウス426は、一例として、断面矩形状である中空筒状(角筒状)であって、刈取部42から脱穀部43に向けて斜め上方に延びるように配置されている。刈取部42で刈り取られた穀稈は、フィーダハウス426の前方側に開口する取込口からフィーダハウス426へと掻き込まれ、フィーダハウス426の内部空間を通して脱穀部43へと送られる。
【0023】
搬送コンベア424は、フィーダハウス426内に配置されている。搬送コンベア424は、掻込オーガ423によってフィーダハウス426の取込口の前方位置に集められ、取込口からフィーダハウス426に掻き込まれた穀稈を、フィーダハウス426の内部を通してロータ425まで搬送する。ロータ425は、搬送コンベア424により搬送されてくる穀稈を脱穀部43へ送り込む。
【0024】
脱穀部43は、刈取部42により刈り取られた穀稈に対する脱穀処理を実行する。脱穀処理では、穀稈から穀粒を含む脱穀物を分離する。脱穀物は脱穀部43から下方の選別部44へ落下する。
【0025】
選別部44は、脱穀部43から落下する脱穀物から、穀粒を選別する選別処理を実行する。選別部44は、例えば、脱穀物に対して斜め下方から風を当てつつ脱穀物をふるいにかけることにより、脱穀物から穀粒を選別する。
【0026】
脱穀部43は、例えば、穀稈を脱穀部43の前部から後方へ搬送しつつ穀稈に対する脱穀処理を実行する。同様に、選別部44は、例えば、脱穀物を選別部44の前部から後方へ搬送しつつ脱穀物に対する選別処理を実行する。
【0027】
貯留装置45は、縦搬送ダクト451、縦搬送コンベア452及びグレンタンク453等を有する。縦搬送ダクト451は、選別部44とグレンタンク453の上部の入口とをつなぐダクトである。縦搬送コンベア452は、縦搬送ダクト451内で回転することにより穀粒を選別部44からグレンタンク453内へ搬送するスクリューコンベアである。
【0028】
すなわち、グレンタンク453は、脱穀部43での脱穀処理にて得られる脱穀物(穀粒等)を貯留するタンク(容器)である。グレンタンク453は、脱穀部43に対して、機体40の幅方向である左右方向D3に並べて配置されている。本実施形態では一例として、機体40を左右方向D3において略均等に二分したときに、その左側部分に脱穀部43(及び選別部44)が位置し、右側部分にグレンタンク453(貯留装置45)が位置する。要するに、機体40は、上面視において仮想直線VL1を挟んで左右方向D3に並ぶ脱穀部43及びグレンタンク453を備える。仮想直線VL1は、図3に想像線(二点鎖線)で示すように、脱穀部43とグレンタンク453との間を通して前後方向D2に沿って延びる仮想的な直線であって、実体を伴わない。脱穀部43及びグレンタンク453は、上面視(平面視)において、このような仮想直線VL1の左右方向D3の両側に位置する。
【0029】
排出装置49は、グレンタンク453内の穀粒を作業機械4の周囲の任意の場所へ排出する。排出装置49は、排出搬送路490及び搬送機構493等を有する。排出搬送路490は、グレンタンク453内の貯留物(穀粒)を排出するための経路である。排出搬送路490は、上下方向D1に延びる縦搬送路491と、上下方向D1に直交する方向(水平方向)に延びる横搬送路492と、を含んでいる。縦搬送路491の下端部はグレンタンク453につながっており、縦搬送路491の上端部は横搬送路492につながっている。これにより、グレンタンク453内の貯留物は、縦搬送路491を通して上方に搬送され、更に横搬送路492を通して水平方向に搬送され、横搬送路492の先端部から排出される。
【0030】
また、縦搬送路491は、グレンタンク453の開閉時の回転軸としても機能する。つまり、グレンタンク453は、縦搬送路491の中心軸を中心として、水平面内で回転可能に構成されている。これにより、グレンタンク453は、閉姿勢と開姿勢との間で移動(回転)可能となり、例えば、選別部44の揺動軸受け441(図4参照)のメンテナンス等に際して、グレンタンク453を開姿勢とすることでメンテナンス等の作業空間を確保しやすくなる。図3等では、グレンタンク453が閉姿勢にある状態を示している。
【0031】
搬送機構493は、例えば、排出搬送路490内で回転することにより、排出搬送路490を通して穀粒を搬送するスクリュー(オーガ)である。つまり、縦搬送路491内では、搬送機構493としての縦オーガが回転することで穀粒を搬送し、横搬送路492内では、搬送機構493としての横オーガが回転することで穀粒を搬送する。
【0032】
藁処理部48は、脱穀処理にて発生する排藁(ワラ)等の排出物を排出する。つまり、脱穀部43での脱穀処理にて脱穀物(穀粒を含む)と分離された藁等は、排出物として藁処理部48へと搬送される。藁処理部48は、排出物を機体40の外部に排出するための排出口481(図4参照)を有する。藁処理部48は、例えば、脱穀部43の後方、つまり機体40の左後部に配置され、排出口481が後方に向けて開口する。藁処理部48は、排ワラカッター等を有し、排出物に対する裁断処理等を行った上で、排出口481から排出物を排出する。ただし、藁処理部48が裁断処理等を行うことは必須でない。
【0033】
動力部46は、走行装置41、刈取部42、脱穀部43、選別部44、貯留装置45、藁処理部48及び排出装置49等の駆動源である。動力部46は、動力源として、例えばディーゼルエンジン等のエンジンを有する。また、動力部46は、エンジンとモータ(電動機)とを含むハイブリッド式の動力源を有していてもよい。
【0034】
運転部47には、操作者(オペレータ)が着席する運転座席、並びに、操作者により操作されるハンドル、各種の操作レバー及び各種の操作スイッチ等の操作装置が設けられている。本実施形態では、運転部47は、作業機械4の機体40の右側部分におけるグレンタンク453の前方(図3参照)に配置されている。さらに、運転部47は、刈取部42の後方であって、かつ動力部46の上方(図2参照)に位置する。
【0035】
制御装置は、操作装置が受け付ける操作に応じて、走行装置41、刈取部42、脱穀部43、選別部44、貯留装置45、動力部46、藁処理部48及び排出装置49等を制御する。例えば、操作装置には、エンジンON/OFFキーが含まれており、制御装置は、エンジンON/OFFキーがオンに切り替えられた場合に動力部46のエンジンを始動させ、エンジンON/OFFキーがオフに切り替えられた場合にエンジンを停止させる。
【0036】
通信端末は、作業機械4の外部のサーバ等と通信を行う。ここでは、通信端末は、作業機械4の稼働状況、作業機械4の現在位置、作物の収穫量(収量)、作物の食味(タンパク質含有量又は水分含有量等を含む)、作業時間又は作業効率等に関する情報を、サーバ等に適宜送信する。本実施形態では、通信端末は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星測位システムを用いて、作業機械4の現在位置を検出可能に構成されている。また、通信端末は、作業機械4の運転支援又は自動運転等に係る制御情報をサーバ等から受信してもよい。一例として、収穫量に関する情報(収量データ)は、作業機械4に備わっているセンサー(穀粒センサー)により、収穫された穀粒量を検出することで取得可能である。この種のセンサーは、一例として、グレンタンク453の上面に取り付けられる歪みゲージ又は圧電素子等の衝撃検出部を含み、縦搬送コンベア452によってグレンタンク453へ向けて搬送された穀粒が、衝撃検出部に衝突した際の衝撃力を検出する。もちろん、作業機械4の収穫量の取得手法は、これに限定されない。
【0037】
通信端末は、作業機械4の外部のサーバ等と通信を行う。ここでは、通信端末は、作業機械4の稼働状況、作業機械4の現在位置、作物の収穫量(収量)、作物の食味(タンパク質含有量又は水分含有量等を含む)、作業時間又は作業効率等に関する情報を、サーバ等に適宜送信する。本実施形態では、通信端末は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星測位システムを用いて、作業機械4の現在位置を検出可能に構成されている。また、通信端末は、作業機械4の運転支援又は自動運転等に係る制御情報をサーバ等から受信してもよい。一例として、収穫量に関する情報(収量データ)は、作業機械4に備わっているセンサー(穀粒センサー)により、収穫された穀粒量を検出することで取得可能である。この種のセンサーは、一例として、グレンタンク453の上面に取り付けられる歪みゲージ又は圧電素子等の衝撃検出部を含み、縦搬送コンベア452によってグレンタンク453へ向けて搬送された穀粒が、衝撃検出部に衝突した際の衝撃力を検出する。もちろん、作業機械4の収穫量の取得手法は、これに限定されない。
【0038】
また、作業機械4の機体40は、構造体としてのフレーム5(図6等参照)を備えている。フレーム5は、複数のフレーム材(例えば金属パイプ等)が組み合わされて構成されている。本実施形態では、フレーム5は、水平面に沿って面状に広がってプラットフォームを構成する。走行装置41、刈取部42、脱穀部43、選別部44、貯留装置45、動力部46、運転部47、藁処理部48及び排出装置49等は、フレーム5に搭載される。そして、走行装置41によって、機体40はフレーム5ごと圃場内を移動する。そのため、フレーム5は、脱穀部43等の重量物を支持するのに十分な強度(剛性)を有している。
【0039】
[2]燃料供給装置に関する構成
次に、本実施形態に係る作業機械4における燃料供給装置10に関する構成について、図1図4図9を参照して説明する。
【0040】
燃料供給装置10は、動力部46を駆動するための燃料を動力部46に供給する装置(システム)である。燃料供給装置10によって供給される燃料としては、軽油又はガソリン等、動力部46に合わせた燃料が適宜用いられる。本実施形態では一例として、動力部46が動力源としてディーゼルエンジンを有することとする。そのため、燃料供給装置10により動力部46に供給される燃料は軽油である。
【0041】
燃料供給装置10は、図1に示すように、燃料タンク11と、配管系2と、を備えている。燃料供給装置10は、燃料タンク11に所定容量以下の燃料を収容し、配管系2を通して動力部46へと燃料を供給する。燃料供給装置10の構成要素である燃料タンク11及び配管系2等は、機体40のフレーム5に固定されることで、作業機械4の機体40に搭載されている。
【0042】
燃料タンク11は、燃料を適宜補給できるよう、上面視(平面視)における機体40の外周部に配置され、外側に向けて給油口101を有している。本実施形態では一例として、燃料タンク11は機体40の後端部に配置され、給油口101が燃料タンク11の後端部に設けられている。図1では、給油口101に給油キャップ102が装着されて給油口101が閉じた状態を示している。
【0043】
本実施形態に係る燃料供給装置10は、フィルタ装置3を更に備えている。フィルタ装置3は、動力部46に対する燃料の供給路(配管系2)に挿入されており、燃料中の対象物を除去する。フィルタ装置3が除去対象とする対象物は、例えば、燃料に含まれる水分等の不純物、及び燃料中の塵埃等の異物等である。このようなフィルタ装置3を備えることで、燃料供給装置10は、動力部46に対して水分等の対象物が除去された純粋な燃料を供給することができる。
【0044】
ところで、このようなフィルタ装置3の配置に関して、例えば、燃料タンク11の奥にフィルタ装置3が配置されるとすれば、上記関連技術のように、ユーザがフィルタ装置にアクセスするために、グレンタンク453の開閉が必要となる。特に、フィルタ装置3は、例えば定期的なフィルタの交換等、日常的にメンテナンスを行うことが推奨されるところ、フィルタ装置3のメンテナンスの度に、グレンタンク453の開閉が必要となれば、ユーザの負担となり得る。
【0045】
本実施形態では、以下に説明する構成を採用することによって、フィルタ装置3のメンテナンスの省力化を可能とする作業機械用の燃料供給装置10、及び収穫機械(作業機械4)を実現する。
【0046】
すなわち、本実施形態に係る作業機械用の燃料供給装置10は、図1図4及び図5に示すように、燃料タンク11と、フィルタ装置3と、を備える。燃料タンク11は、作業機械4の機体40に搭載され、燃料を収容する。フィルタ装置3は、機体40に搭載され、作業機械4の動力部46に対する燃料の供給路(配管系2)に挿入されて燃料中の対象物を除去する。ここで、フィルタ装置3は、上面視(平面視)において、燃料タンク11に対して機体40の中心C1とは反対側に配置される。
【0047】
言い換えれば、フィルタ装置3は、図5に示すように、機体40を上方から見た上面視(平面視)において、機体40の中心C1との間に燃料タンク11が位置するように配置されている。つまり、フィルタ装置3は、上面視において、燃料タンク11よりも機体40の外側(外周側)に配置されている。本実施形態では特に、上述したように燃料タンク11が機体40の後端部に配置されているので、フィルタ装置3は燃料タンク11の更に後方に配置される。図5においては、上面視(平面視)における機体40の中心C1を模式的に示しているが、中心C1を示す点(丸印)は、中心C1に構造物があることを示す趣旨ではない。
【0048】
上記構成によれば、フィルタ装置3が燃料タンク11よりも外側(機体40の外周側)に配置されるので、フィルタ装置3のメンテナンスに際して、機体40の外側から、フィルタ装置3にアクセスしやすくなる。つまり、機体40の外側からユーザがフィルタ装置3にアクセスする際に、少なくとも燃料タンク11よりも手前にフィルタ装置3が位置するので、燃料タンク11によってはフィルタ装置3へのアクセスが阻害されにくく、ユーザはフィルタ装置3にアクセスしやすくなる。その結果、例えばグレンタンク453の開閉等を伴わずとも、ユーザがフィルタ装置3にアクセスしやすくなり、フィルタ装置3のメンテナンスの省力化が可能となる。
【0049】
さらに、フィルタ装置3のメンテナンスの省略化が図られることにより、ユーザの負担が軽減されるだけでなく、フィルタ装置3のメンテナンス頻度の向上も期待できる。これにより、フィルタ装置3の適切なメンテナンスが実施されやすくなり、動力部46にクリーンな燃料を供給しやすくなるので、動力部46の駆動効率の向上、ひいては動力部46の長寿命化にもつながる。
【0050】
以下、本実施形態に係る燃料供給装置10の具体的構成について説明する。
【0051】
本実施形態では、燃料供給装置10は、図1及び図5に示すように、燃料タンク11、配管系2及びフィルタ装置3に加えて、別体燃料タンク12を更に備えている。別体燃料タンク12は、燃料タンク11と共に、燃料タンクセット1を構成する。つまり、本実施形態に係る燃料供給装置10は、燃料を収容する燃料タンクとして、燃料タンク11と別体燃料タンク12との複数の燃料タンクからなる燃料タンクセット1を備えている。本実施形態では一例として、燃料タンク11(第1燃料タンク)よりも、別体燃料タンク12(第2燃料タンク)の方が容量(燃料の収容可能量)は大きい。
【0052】
燃料タンク11と別体燃料タンク12とは、いずれも機体40のフレーム5上に搭載される。燃料タンク11と別体燃料タンク12とは、左右方向D3に並べて配置されている。つまり、燃料タンクセット1を構成する燃料タンク11及び別体燃料タンク12は、いずれも機体40の後端部に配置されている。本実施形態では一例として、燃料タンク11が、別体燃料タンク12の右方に配置されている。燃料タンク11と別体燃料タンク12とは、その内部空間同士が連通管13にてつながっている。したがって、燃料タンクセット1は、燃料タンク11の容量と別体燃料タンク12の容量との合計分の容量を持つ燃料タンクとして機能する。
【0053】
燃料タンク11は、機体40の後端部において、グレンタンク453と脱穀部43との間に配置されている。別体燃料タンク12は、脱穀部43の後端部の下方に配置されている。脱穀部43の後面(背面)には、藁処理部48の排出口481(図4参照)が設けられているので、別体燃料タンク12は、藁処理部48(排出口481)の下方に配置されることになる(図8参照)。
【0054】
燃料タンク11は、グレンタンク453と脱穀部43との間に配置されているので、グレンタンク453と脱穀部43との間の空間を有効利用できる。また、別体燃料タンク12は脱穀部43の後部下方に配置されているので、脱穀部43の下方の空間を有効利用できる。また、燃料タンクセット1が燃料タンク11と別体燃料タンク12とに分割されているので、上述したような機体40(フレーム5)上の空き空間を有効利用しながら、燃料タンクセット1全体としての容量を大きく確保できる。
【0055】
配管系2は、図5に示すように、第1送り配管21、第2送り配管22、フィードポンプ23、第3送り配管24、第1戻り配管25、クーラー26及び第2戻り配管27を有している。第1送り配管21は、別体燃料タンク12とフィルタ装置3との間をつなぐ。第2送り配管22は、フィルタ装置3とフィードポンプ23との間をつなぐ。第3送り配管24は、フィードポンプ23と動力部46との間をつなぐ。第1戻り配管25は、動力部46とクーラー26との間をつなぐ。第2戻り配管27は、クーラー26と燃料タンク11との間をつなぐ。厳密には、第1戻り配管25は、動力部46内のフィードポンプにつながっている。
【0056】
上述した構成の配管系2によれば、燃料タンクセット1内の燃料は、フィードポンプ23により別体燃料タンク12からフィルタ装置3を通して動力部46に供給され、動力部46からの余剰分(余剰燃料)は動力部46内のフィードポンプにより燃料タンク11に戻される。すなわち、燃料タンクセット1に収容されている燃料は、燃料タンクセット1の別体燃料タンク12から、第1送り配管21、フィルタ装置3、第2送り配管22、フィードポンプ23及び第3送り配管24を、この順で通って動力部46に供給される。一方、動力部46からの余剰燃料は、第1戻り配管25、クーラー26及び第2戻り配管27を、この順で通って燃料タンクセット1(燃料タンク11)へと戻される。
【0057】
また、本実施形態では一例として、フィルタ装置3は、主に燃料中の水分を対象物として除去する油水分離機である。つまり、フィルタ装置3は、燃料タンクセット1(別体燃料タンク12)から第1送り配管21を通してフィルタ装置3に送られる燃料から対象物としての水分を除去し、水分が除去された燃料を第2送り配管22から動力部46側へ出力する。
【0058】
このようなフィルタ装置3については、定期的にメンテナンスを行うことが望ましい。具体的には、フィルタ装置3は、図4に示すように、上下方向D1に延びる円筒状のフィルタケース31と、フィルタキャップ32と、を有している。フィルタキャップ32は、フィルタケース31の下面に取り外し可能に取り付けられる。フィルタケース31とフィルタキャップ32とで囲まれる空間は、交換可能なフィルタを収容するためのフィルタ収容室33を構成する。つまり、フィルタケース31の内部空間がフィルタ収容室33となり、フィルタケース31の開口面(下面)がフィルタキャップ32で覆われる。
【0059】
フィルタ装置3のメンテナンスに際して、ユーザは、フィルタケース31からフィルタキャップ32を取り外し、フィルタ収容室33内のフィルタをフィルタケース31の開口面(下面)から取り出す。そして、ユーザは、洗浄されたフィルタ又は新しいフィルタを、フィルタケース31の開口面からフィルタ収容室33内に挿入して、フィルタキャップ32をフィルタケース31に取り付ける。これにより、フィルタ収容室33内のフィルタが洗浄後のフィルタ又は新しいフィルタに交換され、フィルタ装置3のメンテナンスが完了する。
【0060】
上述したような構成の燃料供給装置10は、機体40のフレーム5に支持されることにより、機体40に搭載される。ここで、フレーム5の具体的構成について、図6及び図7を参照して説明する。
【0061】
フレーム5は、上述したように、複数のフレーム材(例えば金属パイプ等)が組み合わされて構成され、水平面に沿って面状に広がってプラットフォームを構成する。特に燃料供給装置10周辺の構成として、フレーム5は、支持フレーム51、後方フレーム52、横フレーム53及び縦フレーム54等を有している。
【0062】
支持フレーム51は、機体40の後端部において、左右方向D3に長さを有する。後方フレーム52は、支持フレーム51の更に後方に配置され、左右方向D3に長さを有する。横フレーム53は、支持フレーム51の前方に配置され、左右方向D3に長さを有する。縦フレーム54は、支持フレーム51と交差(本実施形態では直交)するように支持フレーム51に組み合わされ、前後方向D2に長さを有する。縦フレーム54は、少なくとも支持フレーム51及び横フレーム53間にわたって設けられており、支持フレーム51と横フレーム53とを連結する機能を持つ。本実施形態では特に、支持フレーム51、後方フレーム52及び横フレーム53は、縦フレーム54下方の縦パイプにて一体に連結されており、フレーム5を構成する。フレーム5を構成する複数のフレーム材は、例えば、溶接、接着又は締結具を用いた締結等の手段により、互いに固定されている。
【0063】
ここで、後方フレーム52は、支持フレーム51に対して短く、支持フレーム51の長手方向(左右方向D3)の一部から後方に突出する。つまり、後方フレーム52は、支持フレーム51に沿って配置されているものの、後方フレーム52の全体ではなく、後方フレーム52の一部のみに対応して設けられている。本実施形態では一例として、左右方向D3における支持フレーム51の右側半分の後方に、後方フレーム52が配置される。ここで、後方フレーム52の左端部は、前方に向けて傾斜しており、その先端が支持フレーム51に結合されている。
【0064】
後方フレーム52は、このように支持フレーム51の少なくとも一部から後方に突出する形に設けられることで、支持フレーム51に対する衝撃を緩和するバンパーとして機能する。さらに、後方フレーム52は、図7に示すように、荷重受け部521を有している。荷重受け部521は、排出装置49の縦搬送路491の下方に位置し、縦搬送路491(搬送機構493としての縦オーガを含む)の荷重を受ける。つまり、後方フレーム52は、グレンタンク453の回転軸となる縦搬送路491を支持する機能も有している。
【0065】
また、支持フレーム51には、ステー6が設けられている。ステー6は、支持フレーム51のうち後方フレーム52と前後方向D2に対向する位置に配置され、支持フレーム51の上面から上方に突出する。ステー6は、例えば、溶接、接着又は締結具を用いた締結等の手段により、支持フレーム51に固定されている。このステー6は、燃料タンク11を固定するために用いられる。
【0066】
このようなフレーム5に対して、燃料供給装置10は、例えば図1に示すように搭載される。
【0067】
すなわち、本実施形態では、燃料タンク11は、支持フレーム51上に配置され、支持フレーム51にて支持されている。より厳密には、燃料タンク11は、支持フレーム51と横フレーム53とに跨って配置される。さらに、燃料タンク11は、左右方向D3において縦フレーム54と同じ位置に配置される。そのため、燃料タンク11の下方には縦フレーム54が位置する。
【0068】
図1の例では、燃料タンク11は、支持フレーム51上に配置され、支持フレーム51にて支持される。より厳密には、燃料タンク11は、支持フレーム51と横フレーム53とに跨って配置される。ここで、燃料タンク11は、メタルバンド等の締結バンド103にて、フレーム5に対して締結されている。締結バンド103の一端部は、支持フレーム51に設けられたステー6に保持され、締結バンド103の他端部は横フレーム53に保持される。さらに、燃料タンク11は、左右方向D3において縦フレーム54と重複する位置に配置される。そのため、燃料タンク11の下方には縦フレーム54が位置する。
【0069】
また、別体燃料タンク12は、燃料タンク11の左方において、燃料タンク11と同様に、支持フレーム51上に配置され、支持フレーム51にて支持される。より厳密には、別体燃料タンク12にあっても、支持フレーム51と横フレーム53とに跨って配置される。ここで、別体燃料タンク12は、メタルバンド等の締結バンド104,105にて、フレーム5に対して締結されている。締結バンド104,105の一端部は、支持フレーム51に保持され、締結バンド104,105の他端部は横フレーム53に保持される。
【0070】
また、フィルタ装置3は、フレーム5における支持フレーム51と後方フレーム52との間となる位置に配置され、支持フレーム51にて支持される。ここで、フィルタ装置3の少なくとも一部が、上面視(平面視)において、支持フレーム51と後方フレーム52との間にあればよく、フィルタ装置3の全体が支持フレーム51と後方フレーム52との間に収まることは必須ではない。
【0071】
具体的には、フィルタ装置3は、支持フレーム51のうち後方フレーム52と前後方向D2に対向する位置に配置されたステー6に固定される。フィルタ装置3は、ステー6の背面側(後方)に配置され、ステー6に対してボルト等の締結具を用いて固定される。これにより、フィルタ装置3は、上面視においては、支持フレーム51のうち後方フレーム52と前後方向D2に対向する位置から、後方に突出する形で配置されることになる。
【0072】
より詳細には、ステー6は、上下方向D1に長さを有する柱部61(図7参照)と、取付プレート62(図7参照)と、を有している。柱部61には、締結バンド103の端部を引っ掛けるための孔が形成されており、この孔に締結バンド103の一端部を引っ掛けることにより、ステー6にて締結バンド103の一端部が保持される。取付プレート62は、柱部61の上端部に固定されている。取付プレート62は、フィルタ装置3を固定するための部位であって、フィルタ装置3のフィルタケース31をボルト等の締結具にて取付プレート62に固定することで、フィルタ装置3がステー6に固定される。取付プレート62は、一例として溶接により柱部61と一体化されるが、これに限らず、例えば取付プレート62が柱部61とシームレスに一体化されていてもよい。
【0073】
要するに、本実施形態では、フィルタ装置3は、機体40に燃料タンク11を固定するステー6に固定される。そのため、フィルタ装置3を固定するための部材をステー6とは別に設ける場合に比べて、部品点数を減らすことができ、燃料供給装置10の省スペースでの配置が可能となる。
【0074】
また、配管系2に関しても、フレーム5に対して適宜固定されている。ここで、基本的には、第1送り配管21、第2送り配管22、フィードポンプ23、第3送り配管24、第1戻り配管25及び第2戻り配管27等の配管系2は、フレーム5の下方ではなく、フレーム5の上方に配置されることが好ましい。配管系2が、フレーム5上に配置されることで、例えば圃場での機体40の沈み込みにより、機体40の底部が地面に接することがあっても、第1送り配管21及び第2送り配管22等の配管系2を、フレーム5にて保護できる。
【0075】
上述した構成によれば、フィルタ装置3は、上面視(平面視)において、燃料タンク11に対して機体40の中心C1とは反対側に配置される。本実施形態では特に、フィルタ装置3は燃料タンク11の後方に配置される。よって、機体40の後方からであれば、燃料タンク11が邪魔にならずにフィルタ装置3にアクセスしやすくなる。
【0076】
また、本実施形態では、フィルタ装置3のメンテナンスに際して、フィルタ収容室33に下方からアクセスするところ、図1及び図4に示すように、支持フレーム51と後方フレーム52との間の隙間を通してフィルタ収容室33にアクセス可能である。つまり、本実施形態では、フィルタ装置3は、フレーム5における支持フレーム51と後方フレーム52との間となる位置に配置されている。そのため、フィルタケース31の開口面(下面)は支持フレーム51と後方フレーム52との間の隙間に対向し、ユーザが下方から、この隙間を通してフィルタ収容室33に手を差し入れることが可能となる。ここで、支持フレーム51と後方フレーム52との隙間は、ユーザの手が通り、かつフィルタ収容室33に収容されるフィルタが通過できるだけの寸法を有する。
【0077】
すなわち、本実施形態では、機体40は、燃料タンク11を支持する支持フレーム51と、支持フレーム51の後方に支持フレーム51に沿って配置される後方フレーム52と、を備えている。ここで、フィルタ装置3は、支持フレーム51と後方フレーム52との間の隙間を通して下方からアクセス可能なフィルタ収容室33を有する。このように、支持フレーム51と後方フレーム52との間の空きスペース(隙間)を利用して、フィルタ装置3が配置されることで、フィルタ装置3を効率的に配置できる。さらに、この隙間が、フィルタ装置3のフィルタ収容室33へのアクセスに利用されるので、フィルタ装置3(のフィルタケース31)を機体40から取り外すことなく、フィルタ収容室33内のフィルタの交換が可能となる。
【0078】
さらに、本実施形態では、図1及び図4等に示すように、フィルタ装置3は、燃料タンク11の後方であって、少なくとも一部が前後方向D2において燃料タンク11と対向する位置に配置される。すなわち、フィルタ装置3と燃料タンク11とでは、左右方向D3の位置が少なくとも一部で重複する。言い換えれば、フィルタ装置3と燃料タンク11とは、(前方から見た)正面視、又は(後方から見た)背面視において、左右方向D3の位置が少なくとも一部で重複する位置関係にある。本実施形態では一例として、前後方向D2において、フィルタ装置3の全体が燃料タンク11と対向する。つまり、左右方向D3における燃料タンク11の幅内に収まるように、フィルタ装置3が配置されている。これにより、上面視において、フィルタ装置3と燃料タンク11とで占有される左右方向D3の幅を小さく抑えることができ、コンパクトにフィルタ装置3を配置できる。
【0079】
また、本実施形態では、図1及び図4等に示すように、燃料タンク11は、一側面の一部に凹所106を有している。フィルタ装置3の少なくとも一部は、凹所106内に配置される。本実施形態では一例として、凹所106は燃料タンク11の一側面である後面111(図10参照)の一部に設けられている。すなわち、燃料タンク11は、上面視において、凹所106にて一部が窪んだ形状を有しており、この窪みとなる凹所106内にフィルタ装置3が配置される。ここで、フィルタ装置3の全体が凹所106内に配置されることは必須ではなく、少なくとも一部が凹所106内に配置されていればよい。本実施形態では一例として、フィルタ装置3の前端部は凹所106から突出する。この構成によれば、上面視において、フィルタ装置3と燃料タンク11とで占有される機体40上の面積を小さく抑えることができ、コンパクトにフィルタ装置3を配置できる。
【0080】
また、本実施形態では、図4に示すように、燃料タンク11は、遮蔽部107を有する。遮蔽部107は、機体40に設けられて脱穀処理にて発生する排出物を排出する排出口481と、フィルタ装置3との間に位置する。具体的には、遮蔽部107は、燃料タンク11の一側面の一部から突出するような形状を有する。本実施形態では、凹所106が燃料タンク11の後面111の右側に設けられており、燃料タンク11の後面111の左側は凹所106の底面に対して相対的に出っ張る形になる。そのため、燃料タンク11の後面111の左側部分が、後方に突出することで遮蔽部107として機能する。本実施形態では、フィルタ装置3が機体40の後端部に設けられていることで、同じく機体40の後端部に設けられている藁処理部48の排出口481の近傍にフィルタ装置3が位置する。このように近接した排出口481とフィルタ装置3との間に、燃料タンク11の遮蔽部107が位置することで、排出口481とフィルタ装置3との間が遮蔽部107によって遮られることになる。これにより、排出口481から排出される排出物(排藁等)が、フィルタ装置3に接触しにくくなり、フィルタ装置3が排出物から保護される。
【0081】
以下に、本実施形態に係る燃料供給装置10の燃料タンク11及びフィルタ装置3の配置について、図8及び図9を参照して、貯留装置45及び脱穀部43等のフレーム5上に搭載される機体40の構成要素との相対関係により規定する。図8及び図9では、貯留装置45及び脱穀部43等の、フレーム5上に搭載される機体40の構成要素を、想像線(二点鎖線)にて模式的に示している。
【0082】
まず、本実施形態に係る燃料供給装置10は、燃料タンク11と、フィルタ装置3と、を備えている。燃料タンク11は、作業機械4の機体40に搭載され、燃料を収容する。フィルタ装置3は、機体40に搭載され、作業機械4の動力部46に対する燃料の供給路(配管系2)に挿入されて燃料中の対象物を除去する。機体40は、上面視において仮想直線VL1を挟んで左右方向D3に並ぶ脱穀部43及びグレンタンク453を備えている。フィルタ装置3は、上面視において、グレンタンク453内の貯留物を排出する排出搬送路490のうちの上下方向に延びる縦搬送路491と、燃料タンク11との間に配置される。このようなフィルタ装置3の配置は、上述したような、上面視において燃料タンク11に対して機体40の中心C1とは反対側という配置とは別に、採用可能である。つまり、フィルタ装置3は、上面視において燃料タンク11に対して機体40の中心C1と同じ側であっても、上面視において、縦搬送路491と燃料タンク11との間に配置されていればよい。
【0083】
すなわち、図8及び図9に示すように、縦搬送路491はグレンタンク453の後方に配置されている。このような縦搬送路491と、燃料タンク11との間にフィルタ装置3が配置されることで、機体40の外側からアクセスしやすい位置に、フィルタ装置3の配置が配置されることになる。つまり、機体40の外側からユーザがフィルタ装置3にアクセスする際に、縦搬送路491と燃料タンク11との間にフィルタ装置3が位置するので、燃料タンク11によってはフィルタ装置3へのアクセスが阻害されにくく、ユーザはフィルタ装置3にアクセスしやすくなる。その結果、例えばグレンタンク453の開閉等を伴わずとも、ユーザがフィルタ装置3にアクセスしやすくなり、フィルタ装置3のメンテナンスの省力化が可能となる。
【0084】
また、本実施形態では、機体40は、上面視において仮想直線VL1を挟んで左右方向D3に並ぶ脱穀部43及びグレンタンク453を備えている。燃料タンク11は、仮想直線VL1上に配置される。言い換えれば、燃料タンク11は、機体40における脱穀部43とグレンタンク453との間となる位置に配置されている。ここで、燃料タンク11は、脱穀部43とグレンタンク453との間を通る仮想直線VL1上にあればよく、燃料タンク11の全体が脱穀部43とグレンタンク453との間に収まることは必須ではない。つまり、燃料タンク11の少なくとも一部が、上面視(平面視)において、左右方向D3における脱穀部43とグレンタンク453との間にあればよい。これにより、グレンタンク453と脱穀部43との間の空間を有効利用できる。
【0085】
[3]燃料タンクの具体的構成
次に、本実施形態に係る燃料タンク11の具体的構成について、図10及び図11を参照して説明する。
【0086】
図10は、燃料タンク11について、三方向から見た概略三面図である。つまり、図10では、燃料タンク11について、右方から見た「右側面視」、上方から見た「上面視」、及び前方から見た「正面視」を示している。また、図10では、給油キャップ102を外した状態の燃料タンク11を示す。
【0087】
図10から明らかなように、本実施形態では、燃料タンク11は、後面111、前面112、右側面113、左側面114、上面115及び下面116の六面を有する略直方体状に形成されている。ここでは一例として、燃料タンク11は、前後方向D2に長手方向とするように、前後方向D2に長い。
【0088】
まず、上述したように、燃料タンク11は、一側面である後面111の一部(本実施形態では右側部分)に凹所106を有している。この凹所106により、フィルタ装置3の少なくとも一部を配置するための配置空間Sp1が形成される。また、燃料タンク11は、一側面である後面111の一部(本実施形態では左側部分)に遮蔽部107を有している。燃料タンク11が機体40に搭載された状態では、遮蔽部107により排出口481とフィルタ装置3との間が遮蔽される。
【0089】
また、本実施形態では、燃料タンク11は、前部よりも後部において上下方向D1の寸法が大きい。すなわち、図10の「右側面視」から明らかなように、燃料タンク11は、前後方向D2における後側の部位(後部)の上下方向D1の寸法H1は、前側の部位(前部)の上下方向D1の寸法H2よりも大きい(H1>H2)。しかも、燃料タンク11の上面115の後部のみを上方に突出させた形状を採用することで、燃料タンク11の前部においては、上面115の高さを低く抑えることができる。これにより、燃料タンク11の前部の高さを抑えつつ、燃料タンク11の後部にて燃料タンク11の容積をかせぐことができ、燃料タンク11の容量の向上を図りやすい。
【0090】
このような上面115の形状によれば、燃料タンク11の前部の上方には、空間Sp3が確保される。そして、この空間Sp3によれば、例えば図11に示すように、選別部44の揺動軸受け441の手前を空けることができ、揺動軸受け441のメンテナンスに際して燃料タンク11を機体40から外さなくても、燃料タンク11が邪魔になりにくい。結果的に、作業機械4のメンテンナンスの効率を向上させることができる。ただし、燃料タンク11の上面115の形状は、上記形状に限らず、例えば、燃料タンク11の上面115の前部のみ、又は上面115の前部及び後部のみを上方に突出させた形状であってもよい。つまり、燃料タンク11の上面115は、後部が突出する形状に限らず、揺動軸受け441を回避するように一部のみが上方に突出していればよい。この場合でも、燃料タンク11の上方に揺動軸受け441を避ける空間Sp3を確保しつつ、燃料タンク11の容量の向上を図ることができる。
【0091】
また、燃料タンク11は、下面116の一部に下面凹部108を有する。燃料タンク11は、機体40のうちの燃料タンク11が搭載されるフレーム5との間に、配管が配置される配管空間Sp2を下面凹部108により形成する。本実施形態では一例として、下面凹部108は、燃料タンク11の下面116の右端部に設けられている。すなわち、燃料タンク11は、正面視において、下面凹部108にて右下角部が窪んだ形状を有しており、この窪みとなる下面凹部108により配管空間Sp2が確保される。ここで、配管空間Sp2においては、第2送り配管22等の全体が収まることは必須ではなく、第2送り配管22等の少なくとも一部が収まればよい。
【0092】
本実施形態では、下面凹部108により、図11に示すように、燃料タンク11(の下面116)と、フレーム5のうちの縦フレーム54(の上面)との間に、第2送り配管22(図4参照)等の配管系2を通すための配管空間Sp2が確保される。そのため、燃料タンク11をフレーム5上に搭載しながらも、配管系2をフレーム5上に配置でき、機体40の底部が地面に接するような状況でも、配管系2をフレーム5にて保護できる。
【0093】
ところで、上述したような燃料タンク11の形状に係る構成に関しては、それ単独でも採用することが可能である。すなわち、フィルタ装置3の配置にかかわらず、又はフィルタ装置3が存在しない場合でも、上述した凹所106、遮蔽部107、下面凹部108、更には上下方向D1の寸法(H1,H2)に係る構成を、燃料タンク11は採用可能である。
【0094】
(その他の実施形態)
以下、その他の実施形態を列挙する。以下に説明する各実施形態に係る構成は、互いに、又は、実施形態1で説明した各種構成と、適宜組み合わせて適用可能である。
【0095】
燃料タンク11及びフィルタ装置3等についての形状及び寸法等は、実施形態1で説明した態様に限らない。例えば、フィルタ装置3は円筒状に限らず、例えば直方体状等であってもよい。
【0096】
また、燃料供給装置10が別体燃料タンク12を備えることは必須ではなく、燃料供給装置10は燃料タンクを(燃料タンク11の)1つのみ備えていてもよい。反対に、燃料供給装置10は、燃料タンクを3つ以上備えていてもよい。
【0097】
また、上述したような燃料タンク11の形状に係る構成に関しても必須ではない。例えば、凹所106、遮蔽部107、下面凹部108、及び上下方向D1の寸法(H1,H2)に係る構成の少なくとも1つを燃料タンク11が採用しない場合でも、上述したようなフィルタ装置3の配置に係る構成は適用可能である。
【0098】
また、燃料供給装置10が搭載される機体40は収穫機械の機体40に限らず、収穫機械以外の各種の作業機械4の機体40であってもよい。この場合、脱穀部43及びグレンタンク453等は、作業機械4に合わせて他の構成と適宜入れ替えられる。
【0099】
また、燃料供給装置10の配置を含めて、機体40における左右方向D3又は前後方向D2の配置が、実施形態1と逆であってもよい。例えば、グレンタンク453は脱穀部43の左方に配置されてもよい。
【0100】
また、フィルタ装置3は、燃料タンク11の後方であって、少なくとも一部が前後方向D2において燃料タンク11と対向する位置に配置されていれば、上面視において、燃料タンク11に対して機体40の中心C1とは反対側に配置されることは必須でない。つまり、燃料タンク11の後方にフィルタ装置3が配置されていることで、燃料タンク11によってはフィルタ装置3へのアクセスが阻害されにくく、ユーザはフィルタ装置3にアクセスしやすくなる。その結果、例えばグレンタンク453の開閉等を伴わずとも、ユーザがフィルタ装置3にアクセスしやすくなり、フィルタ装置3のメンテナンスの省力化が可能となる。
【符号の説明】
【0101】
3 フィルタ装置
4 作業機械(収穫機械)
5 フレーム
6 ステー
10 作業機械用の燃料供給装置
11 燃料タンク
33 フィルタ収容室
40 機体
43 脱穀部
46 動力部
51 支持フレーム
52 後方フレーム
106 凹所
107 遮蔽部
108 下面凹部
111 後面(一側面)
116 下面
453 グレンタンク
481 排出口
491 縦搬送路
D1 上下方向
D2 前後方向
D3 左右方向
H1,H2 (上下方向の)寸法
Sp2 配管空間
VL1 仮想直線
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
図11