(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】呼吸補助装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/16 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
A61M16/16 A
(21)【出願番号】P 2021523763
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(86)【国際出願番号】 IB2019059462
(87)【国際公開番号】W WO2020095185
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-11-02
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ファン シャルクウィク アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】サーモン アンドリュー ポール マックスウェル
(72)【発明者】
【氏名】ダウィナン ラミルリンド アグラ
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-514541(JP,A)
【文献】特表2018-518297(JP,A)
【文献】特表2009-504277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
A61M 16/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸補助装置において、
液体チャンバを取外し可能に受けるように構成される凹部を有するハウジングと、
バリアを含むガードと、を含み、前記バリアは、前記液体チャンバが前記凹部の中にあるとき、前記バリアが前記凹部を部分的に覆い、前記液体チャンバの一部と重複する被覆位置と、前記凹部が前記バリアによってより低い程度に覆われるか、覆われなくなり、前記バリアが前記液体チャンバの前記
一部を露出させるアクセス位置との間で移動可能であり、前記バリアは前記被覆位置へと付勢され、前記バリアは、前記液体チャンバを前記凹部から取外し方向に移動させることによって前記被覆位置から前記アクセス位置に移動するように構成され
、
前記バリアは、前記液体チャンバが前記取外し方向に移動される際の前記液体チャンバと前記バリアの接触面との間の接触によって、前記バリアが前記被覆位置から前記アクセス位置に移動するように構成され、
前記バリアの前記接触面は、前記取外し方向に関して90度より大きく、180度未満の角度である、
呼吸補助装置。
【請求項2】
前記バリアの前記接触面は、前記取外し方向に関して100度より大きく、170度未満の角度である、請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
前記バリアの前記接触面は、前記取外し方向に関して120度より大きく、130度未満の角度である、請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
前記液体チャン
バは、
ベースフランジを含み
、前記バリアは、前記被覆位置にあるとき、前記ベースフランジの一部である前方縁と重複し、前記接触面は、前記液体チャンバが前記取外し方向に移動されると、前記ベースフランジの前記前方
縁と接触するように構成される、請求項
2又は3に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
前記凹部は液体チャンバ保持ガイドレールを含み、前記液体チャンバ保持ガイドレールは、前方に開放しており、前記ベースフランジの
うち前記前方縁以外の部分が前記ガイドレールの下にあり、前記ベースフランジの前記前方縁が前記ガイドレールから露出する状態で前記液体チャンバを前記凹部に挿入できる、請求項
4に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
前記接触面は、側方から見たときに、前記液体チャンバと前記バリアとの間の接触領域全体を通じて一定の角度を有する、請求項2~5の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
1つ又は複数の付勢装置は、前記ハウジングと前記ガードとの間で、前記バリアを前記被覆位置へと付勢するように機能する、請求項1~6の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
前記1つ又は複数の付勢装置は、前記ハウジングと前記バリアとの間で機能する、請求項7に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
前記バリアは前記被覆位置と前記アクセス位置との間で直線移動可能である、請求項7又は8に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
前記ガードの
うち前記バリア以外の部分が、弾性的に柔軟であり、前記バリアを前記被覆位置へと付勢する、請求項1~9の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
前記ガードは前記ハウジングと一体に形成されるか、又は前記ハウジングに固定される、請求項1~10の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項12】
前記ガードは、ベースを含み、前記ガードのベースは、前記ハウジングに取り付けられ、前記ガードの前記バリアは、前記ガードの
前記ベースの、前記ガードの前記ベースの前記ハウジングへの取付け部分より先端側の位置から延びる、請求項1~11の何れか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項13】
前記ガードの前記バリアは、前記ガードの前記ベースの前方端の、又はそれに隣接する位置から上方に延び、前記ベースの前に配置される、請求項12に記載の呼吸補助装置。
【請求項14】
前記ハウジングは、突起を含み、前記ガードの前記ベースは、前記突起を受けて前記ガードの前記ベースの
前記取外し方向への移動に抵抗する相補的な穴を含む、請求項12又は13に記載の呼吸補助装置。
【請求項15】
前記液体チャンバが前記凹部から取り外されるとき、前記液体チャンバと前記バリアとの間の接触によって前記ガードに
前記取外し方向の力が加えられ、
前記ガードの前記ベースの前記
取外し方向への移動は、前記突起が前記穴の周辺壁と接触することによって阻止される、請求項14に記載の呼吸補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置は、病院、医療施設、在宅看護、又は家庭内等、様々な環境でガスの流れを使用者や患者に送達するために使用される。呼吸補助装置は、自立型加湿装置、持続的気道陽圧療法(CPAP:continuous positive airway pressure)装置、高流量療法装置、又は人工呼吸器等、各種の形態をとる。
【0003】
自立型加湿装置は、呼吸療法、腹腔鏡検査及びその他を含む各種の医療処置のために加熱及び加湿されたガスを送達することができる。これらの装置は、温度及び/又は湿度を制御するように構成できる。装置はまた、加熱及び/又は加湿されたガスを患者に、及び患者から輸送するために使用可能な様々なコンポーネントを含む医療用回路も含むことができる。例えば、幾つかの呼吸回路において、患者が吸い込むガスは吸気チューブ又はコンジットを通じて加熱-加湿器から送達される。他の例として、チューブは加湿ガス(一般的にCO2)を送気回路内で腹腔へと送達できる。これは、患者の体内器官の乾燥、すなわち「ドライアウト」を防止するのを助けることができ、それによって術後の回復に要する時間を短縮できる。加熱器のワイヤは、回路を形成する配管の少なくとも一部の内部まで延びて、顕著な結露の形成の可能性を防止又は少なくとも低下させる。
【0004】
自立型加湿装置は典型的に、加熱器ベースと加湿液チャンバを含む。加熱器ベースは、加熱板を含むことができる。液体チャンバは、水等のある体積の液体を保持するように構成できる。加熱板は、液体チャンバ内に保持されるある体積の液体を加熱して蒸気を発生させるように構成できる。
【0005】
液体チャンバは加熱器ベースから取外し可能であり、それによって液体チャンバの殺菌若しくは処分、又はチャンバへの液体の再充填がより行いやすくなる。液体チャンバの本体は、非伝導性ガラス又はプラスチック材料から形成できるが、液体チャンバは伝導性コンポーネントを含むこともできる。例えば、液体チャンバは、加熱器ベースの上の加熱板と接触する、又はそれと関連付けられる高熱伝導性底部(例えば、アルミニウムの底部)を含むことができる。
【0006】
加熱器ベースはまた、マスタコントローラ等の電子コントローラも含むことができる。ユーザインタフェースを介した使用者の設定による湿度又は温度値の入力及びその他の入力に応じて、マスタコントローラはいつ(又はどの程度まで)加熱板を励起させて、液体チャンバ内の液体を加熱するかを特定する。
【0007】
自立型加湿装置は、ガスを液体チャンバに送達するガス供給部を含むことができる。幾つかの構成において、ガス供給部は、呼吸又は医療処置での使用に適した、ベンチレータ、ブロワ、又は加圧ガスの他の何れの適当な供給源を含むこともできる。
【0008】
自立型加湿装置は、呼吸療法、陽圧装置、非侵襲的換気、腹腔鏡手術を含むがこれに限定されない外科的処置、及びその他で使用することができる。望ましくは、加湿装置は、湿気又は蒸気をガスの供給部に供給するようになすことができる。加湿装置は、持続的、可変的、若しくはバイレベルPAPシステム又はその他の形態の呼吸療法で使用できる。幾つかの構成において、加湿装置はこのような何れの種類の療法を提供するシステムにも組み込むことができる。
【0009】
例示的な自立型加湿装置は、国際公開第2015/038013号に記載されている。
【0010】
CPAP装置は、ガス供給であり、またガス加湿装置であってもよい。この装置は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA:Obstructive Sleep Apnea)、いびき、又は慢性閉塞性肺疾患(COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease)、及びその他をはじめとする病気の治療のために陽圧でのガス(加湿又はそれ以外)の供給を必要とする患者又は使用者に対して呼吸補助を提供するように動作可能である。CPAP装置は典型的に、加湿器液体チャンバを含み、補助呼吸ユニットと加湿器の複合体を形成する。
【0011】
CPAP装置は、加湿器と併用した場合、必要な圧力でのガスが補助呼吸ユニット又はブロワユニットからブロワ下流の液体チャンバへと送達される構造を典型的に有する。ガスは、液体チャンバを通過しながら、液体蒸気(例えば、水蒸気)で飽和する。柔軟な管状ガスコンジットがガスを加湿チャンバから下流の使用者又は患者に送達する。
【0012】
例示的なCPAP装置は、国際公開第2011/056080号に記載されている。
【0013】
高流量装置は、呼吸を補助する、及び/又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む呼吸障害を治療するために患者に高流量のガス又は高流量療法を送達するために使用されてよい。高流量装置は、ガス供給部を含み、典型的に加湿装置を含む。
【0014】
呼吸補助装置は典型的に、呼吸コンジット等の1つ又は複数の付属物と、ガスを患者に送達するためのカニューレ又はマスク等の患者インタフェースを有する。コンジットにより、ガスを呼吸補助装置のハウジングから患者へと送達できる。例えば、装置は床又はその他の支持面上に置かれてよく、患者はベッド上にいてよい。呼吸補助装置は、加湿器液体チャンバを受けるための凹部を有していてよい。液体チャンバは、例えば、液体を1つ又は複数のチューブを介して加湿器液体チャンバに送達する柔軟な液体バッグから液体を受ける。代替的に、液体チャンバは取り外して、必要に応じて再充填できる。凹部には、液体チャンバを加熱するための加熱板が収容され、液体チャンバを通過するガスが加湿される。すると、加湿ガスは患者に送達される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本明細書で開示される実施形態の少なくとも1つの特定の特徴、態様、及び利点によれば、呼吸補助装置が開示され、呼吸補助装置は、凹部を有するハウジングと、ハウジングに取り付けられるガードと、を含み、ガードはベースとバリアを含み、ベースの少なくとも一部は柔軟であり、バリアは、バリアが凹部を部分的に覆う被覆位置と、凹部がバリアによってより低い程度に覆われるか、又は覆われなくなるアクセス位置との間で移動可能であり、ベースの前記少なくとも一部は、バリアが被覆位置とアクセス位置との間で移動されると曲がるように構成される。
【0016】
幾つかの構成において、ガードのベースはハウジングのベースに取り付けられる。
【0017】
幾つかの構成において、ガードのベースは、1つ又は複数の固定具によってハウジングのベースに取り付けられる。
【0018】
幾つかの構成において、ガードはハウジングの外側に固定され、ハウジングを分解せずに交換可能である。
【0019】
幾つかの構成において、バリアはバンパとして機能するように構成される。
【0020】
幾つかの構成において、ガードのベースは、バリアが実質的にガードのベースを曲げることによって2つの反対方向にしか移動できないように、また、バリアの1つの領域が使用者によって押されても、ガードのベースを曲げることによって実質的にバリアを他の方向に移動できないように構成される。
【0021】
幾つかの構成において、ガードは、ベースに沿って、ガードのバリアを通って前後方向に延びる軸の周囲でねじれ得ないように構成される。
【0022】
幾つかの構成において、呼吸補助装置は、凹部の中に加熱板を含み、凹部は、液体チャンバを取外し可能に受けるように構成され、ガードは、バリアが被覆位置にあり、液体チャンバが凹部の中にあるときに、液体チャンバのベースを使用者による接触から保護する。
【0023】
幾つかの構成において、液体チャンバのベースはベースフランジを含み、ガードは、バリアが被覆位置にあり、液体チャンバが凹部の中にあるときに、ベースフランジを使用者による接触から保護する。
【0024】
幾つかの構成において、凹部は液体チャンバを取外し可能に受けるように構成され、バリアは、ガードのベースを曲げなければ、液体チャンバを凹部に挿入し、又はそこから取り外せないようにする。
【0025】
幾つかの構成において、ガードのベースはバリアを押すことによって曲げることができる。
【0026】
幾つかの構成において、ガードのベースは液体チャンバを凹部から取外し方向に移動させることによって曲げることができる。
【0027】
幾つかの構成において、バリアは、液体チャンバが取外し方向に移動される際の液体チャンバとバリアの接触面との間の接触によって、バリアが被覆位置からアクセス位置へと移動するように構成される。
【0028】
幾つかの構成において、バリアの接触面は、取外し方向に関して90度より大きく180度未満の、任意選択的に取外し方向に関して100度~170度の、任意選択的に取外し方向に関して110度~135度の、任意選択的に取外し方向に関して120度~130度の、及び任意選択的に取外し方向に関して125度の垂直以外の角度である。
【0029】
幾つかの構成において、バリアは、液体チャンバを凹部から取外し方向に移動させることによってガードのベースを曲げることができないように構成される。
【0030】
幾つかの構成において、バリアは、液体チャンバの取外し方向への液体チャンバとバリアの接触面との間の接触によって、バリアは被覆位置から移動しないように構成される。
【0031】
幾つかの構成において、接触面は液体チャンバの取外し方向に関して約90度以下の角度である。
【0032】
幾つかの構成において、バリアは被覆位置へと付勢される。
【0033】
幾つかの構成において、1つ又は複数の付勢装置はハウジングとガードとの間で、バリアを被覆位置へと付勢するように機能する。
【0034】
幾つかの構成において、1つ又は複数の付勢装置はハウジングとバリアとの間で機能する。
【0035】
幾つかの構成において、ガードのベースの前記少なくとも一部は弾性的に柔軟であり、バリアを被覆位置へと付勢する。
【0036】
幾つかの構成において、ガードのベースは液体がガードのベースを通って、又はその周囲で排出されるように、1つ又は複数の排出ポート又は排出スペースを含む。
【0037】
幾つかの構成において、ハウジングは突起を含み、ガードのベースは、突起を受けてガードのベースの水平方向への移動に抵抗する相補的な穴を含む。
【0038】
幾つかの構成において、ガードはハウジングと一体に形成されるか、又はハウジングに固定される。
【0039】
それに加えて、本明細書で開示される実施形態の少なくとも1つの特定の特徴、態様、及び利点によれば、呼吸補助装置が開示され、呼吸補助措置は、液体チャンバを取外し可能に受けるように構成される凹部を有するハウジングと、バリアを含むガードと、を含み、バリアは、液体チャンバが凹部の中にあるとき、バリアが凹部を部分的に覆い、液体チャンバの一部分と重複する被覆位置と、凹部がバリアによってより低い程度に覆われるか、又は覆われなくなり、バリアが液体チャンバのその部分を露出させるアクセス位置との間で移動可能であり、バリアは被覆位置へと付勢され、バリアは、液体チャンバを凹部から取外し方向に移動させることによって被覆位置からアクセス位置に移動するように構成される。
【0040】
幾つかの構成において、バリアは、液体チャンバが取外し方向に移動される際の液体チャンバとバリアの接触面との間の接触によって、バリアが被覆位置からアクセス位置に移動するように構成される。
【0041】
幾つかの構成において、バリアの接触面は、取外し方向に関して90度より大きく180度未満の、任意選択的に取外し方向に関して100度~170度の、任意選択的に取外し方向に関して110度~135度の、任意選択的に取外し方向に関して120度~130度の、及び任意選択的に取外し方向に関して125度の垂直以外の角度である。
【0042】
幾つかの構成において、液体チャンバの前記部分は、液体チャンバのベースフランジの前方縁を含み、接触面は、液体チャンバが取外し方向に移動されると、ベースフランジの前方縁の実質的に全体と接触するように構成される。
【0043】
幾つかの構成において、凹部は液体チャンバ保持ガイドレールを含み、液体チャンバ保持ガイドレールは、前方に開放しており、ベースフランジの後面と側面がガイドレールの下にあり、ベースフランジの前方縁がガイドレールから露出する状態で液体チャンバを凹部に挿入できる。
【0044】
幾つかの構成において、接触面は、側方から見たときに、液体チャンバとバリアとの間の接触面全体を通じて一定の角度を有する。
【0045】
幾つかの構成において、1つ又は複数の付勢装置は、ハウジングとガードとの間で、バリアを被覆位置へと付勢するように機能する。
【0046】
幾つかの構成において、1つ又は複数の付勢装置は、ハウジングとバリアとの間で機能する。
【0047】
幾つかの構成において、バリアは被覆位置とアクセス位置との間で直線移動可能である。
【0048】
幾つかの構成において、ガードの一部は弾性的に柔軟であり、バリアを被覆位置へと付勢する。
【0049】
幾つかの構成において、ガードはハウジングと一体に形成されるか、又はハウジングに固定される。
【0050】
それに加えて、本明細書で開示される実施形態の少なくとも1つの特定の特徴、態様、及び利点によれば、呼吸補助装置が開示され、呼吸補助装置は、凹部を有するハウジングと、ハウジングに取り付けられるガードと、を含み、ガードは、バリアであって、バリアが凹部を部分的に覆う被覆位置と、凹部がバリアによってより低い程度に覆われるか、又は覆われなくなるアクセス位置との間で移動可能であるバリアを含み、ガードはハウジングの外部に固定されて、ハウジングを分解せずに交換可能である。
【0051】
幾つかの構成において、バリアはバンパとして機能するように構成される。
【0052】
幾つかの構成において、ガードは凹部の前方外側部分を覆う。
【0053】
幾つかの構成において、ガードはハウジングのベースに固定される。
【0054】
幾つかの構成において、ガードは固定具を外すことによってハウジングから取り外すことができる。
【0055】
幾つかの構成において、ガードは、呼吸補助装置の所期の機能を表す色を有する。
【0056】
幾つかの構成において、凹部は液体チャンバを取外し可能に受けるように構成される。
【0057】
それに加えて、本明細書で開示される実施形態の少なくとも1つの特定の特徴、態様、及び利点によれば、呼吸補助装置が開示され、呼吸補助装置は、ハウジングであって、ガスポートと、後面、側面、及び前方縁を持つベースフランジを有する液体チャンバを取外し可能に受けるように構成された凹部とを有し、凹部は液体チャンバを後方挿入方向に凹部の中へと、ベースフランジの後面が最初に挿入される状態で移動させることによって、液体チャンバを取外し可能に受けるように構成される、ハウジングと、バリアを含むガードと、を含み、バリアは、液体チャンバが凹部の中にあるときにバリアが凹部を部分的に覆い、液体チャンバのベースフランジの前方縁と重複する被覆位置と、凹部がバリアによってより低い程度に覆われるか、又は覆われなくなり、バリアがベースフランジの前方縁を露出させるアクセス位置との間で移動可能であり、バリアは横方向に延びる本体部分と、横方向に延びる本体部分のそれぞれの側面に、又はそれに隣接する2つの直立部分とを含む。
【0058】
幾つかの構成において、ベースフランジは実質的に円形の周辺形状を有する。
【0059】
幾つかの構成において、呼吸補助装置は凹部内に加熱板を含み、ガードは、液体チャンバのベースフランジを使用者による接触から保護する。
【0060】
幾つかの構成において、バリアは、バリアが被覆位置にあるときに液体チャンバを凹部の中に挿入し、又はそこから取り外すことができないようにする。
【0061】
幾つかの構成において、バリアは被覆位置へと付勢される。
【0062】
幾つかの構成において、1つ又は複数の付勢装置はハウジングとガードとの間で、バリアを被覆位置へと付勢するように機能する。
【0063】
幾つかの構成において、1つ又は複数の付勢装置はハウジングとバリアとの間で機能する。
【0064】
幾つかの構成において、ガードの一部は弾性的に柔軟であり、バリアを被覆位置へと付勢する。
【0065】
幾つかの構成において、被覆位置ではバリアはハウジングに関して上昇され、アクセス位置ではバリアはハウジングに関して下げられる。
【0066】
幾つかの構成において、バリアは、ガードを作動させることによってアクセス位置へと移動できる。
【0067】
幾つかの構成において、ガードはバリアを下方に押し下げることによって作動されるように構成される。
【0068】
幾つかの構成において、各直立部分は、使用者がガードを作動させるのに押すための、拡大された上側指接触領域を含む。
【0069】
幾つかの構成において、各直立部分は、上側指接触領域の下に、ガードがアクセス位置にあるときに液体チャンバのベースを収容する狭小区間を含む。
【0070】
幾つかの構成において、ガードはハウジングに取り付けられるベースを含み、バリアはガードのベースの、ベースのハウジングへの取付部の先端側の位置から延びる。
【0071】
幾つかの構成において、ベースの少なくとも一部は柔軟であり、ベースの前記少なくとも一部は、ガードが移動すると曲がるように構成される。
【0072】
幾つかの構成において、ガードのベースは、バリアが実質的に、ガードのベースを曲げることによって2つの反対方向にしか移動できず、また、バリアの1つの領域が使用者によって押されても、バリアが実質的にガードのベースを曲げることによって他の方向に移動させることができないように構成される。
【0073】
幾つかの構成において、ガードは、ベースに沿って、及びガードのバリアを通じて前後方向に延びる軸の周囲でねじれ得ないように構成される。
【0074】
幾つかの構成において、直立部分の表面は、ガードの移動中、ハウジングの支持部分と相互作用して、ガードが拘束されるのを防止するように構成される。
【0075】
幾つかの構成において、支持部分は延長部材を含み、直立部分の表面は、ガードの移動の少なくとも一部において、延長部材に当たってスライドするように構成される。
【0076】
幾つかの構成において、表面は実質的に垂直面である。
【0077】
幾つかの構成において、ガードはハウジングと一体に形成されるか、又はハウジングに固定される。
【0078】
幾つかの構成において、凹部は液体チャンバ保持ガイドレールを含み、液体チャンバ保持ガイドレールは、前方に開放しており、ベースフランジの後面と側面がガイドレールの下にあり、ベースフランジの前方縁がガイドレールから露出する状態で液体チャンバを凹部に挿入できる。
【0079】
幾つかの構成において、ハウジングは呼吸補助装置の主ハウジングである。
【0080】
幾つかの構成において、ガスポートは出口ポートであり、ハウジングはモータ凹部を含み、モータモジュールはモータ凹部に受けられて、ガスを出口ポートを介して液体チャンバに送達する。
【0081】
幾つかの構成において、ガスポートは入口ポートであり、液体チャンバのガス出口ポートに連結されるように構成される。
【0082】
幾つかの構成において、ハウジングは液体チャンバから患者コンジットへとガスを送達する出口ポートをさらに含む。
【0083】
それに加えて、本明細書で開示される実施形態の少なくとも1つの特定の特徴、態様、及び利点によれば、呼吸補助装置が開示され、呼吸補助装置は、凹部を有するハウジングと、ハウジングに取り付けられるガードと、を含み、ガードはベースとバリアを含み、バリアは横方向に延びる本体部分と、横方向に延びる本体部分の側面の、又はそれに隣接する直立部分とを含み、ベースの少なくとも一部は柔軟であり、バリアは、使用者が直立部分に力を加えることによって、バリアが凹部を部分的に覆う被覆位置と、凹部がバリアによってより低い程度に覆われるか、又は覆われなくなるアクセス位置との間で移動可能であり、ベースの前記少なくとも一部は、バリアが被覆位置とアクセス位置との間で移動されると曲がるように構成され、ベースは、バリアが実質的に、ガードのベースを曲げることによって被覆位置とアクセス位置との間で2つの反対方向にしか移動できず、また、バリアの1つの領域が使用者によって押されても、バリアが実質的に、ガードのベースを曲げることによって他の方向に移動できないように構成される。
【0084】
幾つかの構成において、ガードは、ベースに沿って、及びガードのバリアを通って前後方向に延びる軸の周囲でねじれ得ないように構成される。
【0085】
幾つかの構成において、直立部分の表面は、ガードの移動中、ハウジングの支持部分と相互作用して、ガードが拘束されるのを防止するように構成される。
【0086】
幾つかの構成において、支持部分は延長部材を含み、直立部分の表面は、ガードの移動の少なくとも一部において、延長部材に当たってスライドするように構成される。
【0087】
幾つかの構成において、表面は実質的に垂直面である。
【0088】
幾つかの構成において、バリアは、横方向に延びる本体部分の反対側に、又はそれに隣接して他の直立部分を含む。
【0089】
幾つかの構成において、直立部分の表面は、ガードの移動中にハウジングの支持部分と相互作用して、ガードの拘束を防止するように構成される。
【0090】
幾つかの構成において、支持部分は延長部材を含み、直立部分の表面は、ガードの移動の少なくとも一部において、延長部材に当たってスライドするように構成される。
【0091】
幾つかの構成において、表面は実質的に垂直面である。
【0092】
幾つかの構成において、ベースはハウジングに取り付けられ、バリアはベースの、ベースのハウジングへの取付部分より先端側の位置から延びる。
【0093】
幾つかの構成において、呼吸補助装置は凹部内に加熱板を含み、凹部は液体チャンバを取外し可能に受けるように構成され、ガードは、バリアが被覆位置にあり、液体チャンバが凹部の中にあるときに、使用者による接触から液体チャンバのベースを保護する。
【0094】
幾つかの構成において、凹部は液体チャンバを取外し可能に受けるように構成され、バリアは、ガードのベースを曲げなければ、液体チャンバを凹部に挿入し、又はそこから取り外すことができないようにする。
【0095】
幾つかの構成において、ガードのベースは、液体チャンバを取外し可能方向へと凹部から移動させることによって曲げることができる。
【0096】
幾つかの構成において、ガードはハウジングと一体に形成され、又はハウジングに固定される。
【0097】
幾つかの構成において、ガードは少なくとも2つの離間された固定具によってハウジングに固定される。
【0098】
それに加えて、本明細書に開示されている実施形態の少なくとも1つの特定の特徴、態様、及び利点によれば、呼吸補助装置が開示され、呼吸補助装置は、凹部を有するハウジングであって、第一の色を有する外面を含み、第一の色とは異なる第二の色を有する部分を有するハウジングと、ハウジングに取り付けられ、第二の色とは異なる色を有するガードであって、バリアが凹部を部分的に覆う被覆位置と、凹部がバリアによってより低い程度に覆われるか、又は覆われなくなる位置との間で移動可能なバリアを含むガードと、を含み、バリアは、バリアが被覆位置にあるときに第二の色を有する部分を覆い、第二の色を有する部分が装置の外から見えないように構成され、バリアは、バリアが被覆位置にないときに第二の色を有する部分を露出させて、バリアが被覆位置にないときには、第二の色を有する部分が装置の外から見えるように構成される。
【0099】
幾つかの構成において、ガードは、第一の色及び第二の色とは異なる第三の色を有する。
【0100】
幾つかの構成において、第二の色を有する部分は、バリアが被覆位置にあるときに、バリアの一部の背後及び/又は下方に位置付けられる延長部材を含む。
【0101】
幾つかの構成において、バリアは、横方向に延びる本体部分と、横方向に延びる本体部分の側方の、又はそれに隣接する直立部分とを含み、延長部材は、バリアが被覆位置にあるときに直立部分の背後及び/又は下方に位置付けられ、延長部材は、バリアが被覆位置にないときには、直立部分により露出される。
【0102】
幾つかの構成において、バリアは横方向に延びる本体部分の反対の側面における、又はそれに隣接する別の直立部分を含み、ハウジングは、第二の色を有する別の延長部材を含み、別の延長部材は、バリアが被覆位置にあるときに別の直立部分の背後及び/又は下方に位置付けられ、別の延長部材は、バリアが被覆位置にないときには別の直立部分により露出される。
【0103】
幾つかの構成において、第二の色を有する部分は、バリアが被覆位置にないときに呼吸補助装置の上及び/又は側方から見える。
【0104】
幾つかの構成において、ハウジングは上側シャシと下側シャシを含み、上側シャシは、第一の色を有する外面を含み、下側シャシは第二の色を有する部分を含む。
【0105】
1つ又は複数の実施形態又は構成の特徴は、1つ又は複数の他の実施形態又は構成の特徴と組み合わせられてよい。さらに、患者の呼吸支援のプロセス中に、2つ以上の実施形態が一緒に使用されてよい。
【0106】
本明細書で開示される数字の範囲(例えば、1~10)への言及は、その範囲内の全ての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、及び10)及びその範囲内の有理数のあらゆる範囲(例えば、2~8、1.5~5.5、及び3.1~4.7)への言及も含み、したがって、本明細書で明示的に開示される全ての範囲の全ての小部分がそれによって明示的に開示されることが意図される。これらは、具体的に意図されるものの例にすぎず、列挙された最低値と最高値の間の数値の全ての考え得る組合せが本願で同様に明示されていると考えるものとする。
【0107】
代替的な実施形態又は構成は、本明細書中で図示、説明、又は言及された部品、要素、又は特徴のうちの2つ又はそれ以上の、あらゆる全ての組合せを含んでいてよいと理解すべきである。
【0108】
本発明はまた、本願の明細書中で言及され、又は示された部品、要素、及び特徴の各々又は集合及び、何れか2つ又はそれ以上の前記部品、要素、又は特徴の、あらゆる全ての組合せからなると広く言ってよい。
【0109】
本発明が関係する分野の当業者にとって、付属の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、構成における多くの変更並びに本発明の様々な実施形態及び応用を着想するであろう。本明細書の開示と説明は純粋に例示的であって、いかなる意味においても限定的であることは意図されない。本明細書では、本発明が関係する分野において知られている等価物を有する具体的な整数が記載されている場合、このような既知の等価物もそれらが個別に明記されているかのように本願に含められるとみなされる。
【0110】
本明細書で使用される「~を含む(comprising)」という用語は、「少なくとも部分的に~からなる」を意味する。本明細書中の「~を含む」という用語を含む各記述を解釈する際、その用語を伴うもの以外の特徴もまた存在する場合がある。関係する変化形である「~を含む(comprise、comprises)」等も同様に解釈されるものとする。
【0111】
本明細書で使用されるかぎり、名詞の語尾の「(s)」はその名詞の複数形及び/又は単数形を意味する。
【0112】
本明細書で使用されるかぎり、「及び/又は」という用語は、「及び」若しくは「又は」、又は文脈上可能であればその両方を意味する。
【0113】
本発明は、前述のものにあるとともに後述の構成をも想定しているが、これらは例にすぎない。
【0114】
当業者にとって、具体的な実施形態及びその改良は、下記のような図面を参照しながら詳細な説明を読めば明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【
図2】液体チャンバが呼吸補助装置ベースユニットの凹部の中に位置付けられている呼吸補助装置の前方/右側俯瞰斜視図である。
【
図3】液体チャンバが呼吸補助装置ベースユニットの凹部から取り外された呼吸補助装置の前方/左側俯瞰斜視図である。
【
図4】凹部の中に位置付けられている液体チャンバと、呼吸補助装置ベースユニットの左側図である。
【
図5】凹部の中に位置付けられている液体チャンバと、呼吸補助装置ベースユニットの前方図である。
【
図6】呼吸補助装置ベースユニットの底面図である。
【
図7】呼吸補助装置ベースユニットのガードの前方/右側俯瞰斜視図である。
【
図10】付勢装置受容機構を示す、ガードのバリアの上側壁の下面図である。
【
図11】ガードを呼吸補助装置ベースユニットのハウジングに取り付けるための取付装置の1つの断面図である。
【
図12】ガードの相補的な穴を通って延びる、ハウジングのアラインメント突起の断面図である。
【
図13】ガードと呼吸補助装置ベースユニットのハウジングの一部との分解右側下面斜視図である。
【
図14】排出ポートを示す、加熱板が取り外された呼吸補助装置ベースユニットの凹部の俯瞰図である。
【
図15】付勢装置受容機構と付勢装置を示す、加熱板が取り外された呼吸補助装置ベースユニットの凹部のベースの一部断面斜視図である。
【
図16】ガードのバリアに関する液体チャンバのベースの位置を示す、呼吸補助装置ベースユニットの一部断面左側面図である。
【
図17】バリアの接触面24eと液体チャンバの取外し方向RDとの間の角度αを示す概略側面図である。
【
図18】呼吸補助装置ベースユニットの液体チャンバ保持レールの前方/右側俯瞰斜視図である。
【
図19】
図18の線19-19に沿った液体チャンバ保持レールの側断面図である。
【
図20】
図18の線20-20に沿った液体チャンバ保持レールの正面断面図である。
【
図21】そのベースフランジが液体チャンバ保持レールの位置に位置付けられた状態で位置付けられた液体チャンバの下面図である。
【
図22】ハウジングの上側及び下側シャシ部分と液体チャンバ保持レールとのアセンブリを示す、呼吸補助装置ベースユニットの右側の正面断面図である。
【
図23】代替的な排出ポートを示す、呼吸補助装置ベースユニットの凹部の俯瞰図である。
【
図24】呼吸補助装置ベースユニットの、その側方排出ポートの領域の一部断面正面図である。
【
図25】呼吸補助装置ベースユニットの、その中央排出ポートの領域の一部断面側面図である。
【
図26】被覆位置にあるバリア251を示す、呼吸補助装置ベースユニットの前方領域の拡大前方/左側俯瞰斜視図である。
【
図27】
図26に対応するが、バリア251がアクセス位置にある図である。
【発明を実施するための形態】
【0116】
1.序説
患者にガスの流れ(1つ又は複数のガスを含んでいてよい)を送達するための呼吸補助装置10が
図1に示されている。装置10は、例えば、CPAP装置又は高流量装置とすることができる。例示的なCPAP装置は、国際公開第2011/056080号に記載されている。その明細書の内容の全体を参照によって本願に援用する。
【0117】
CPAP装置は、ガス供給部であり、またガス加湿装置であってもよい。この装置は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、いびき、又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及びその他をはじめとする病気の治療のために陽圧でのガス(加湿又はその他)の供給を必要とする患者又は使用者に対して呼吸補助を提供するように動作可能である。CPAP装置は典型的に、加湿液体チャンバを含み、補助呼吸ユニットと加湿器の複合体を形成する。
【0118】
CPAP装置は、加湿器と併用した場合、必要な圧力でのガスが補助呼吸ユニット又はブロワユニットからブロワ下流の液体チャンバへと送達される構造を典型的に有する。ガスは、液体チャンバを通過しながら、液体蒸気(例えば、水蒸気)で飽和する。柔軟な管状ガスコンジットがガスを加湿チャンバから下流の使用者又は患者に送達する。
【0119】
高流量装置は、呼吸を補助する、及び/又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む呼吸障害を治療するために患者に高流量のガス又は高流量療法を送達するために使用されてよい。高流量装置は、ガス供給部を含み、典型的に加湿装置を含む。
【0120】
呼吸補助装置は典型的に、呼吸コンジット等の1つ又は複数の付属物と、ガスを患者に送達するためのカニューレ又はマスク等の患者インタフェースを有する。コンジットにより、ガスを呼吸補助装置のハウジングから患者へと送達できる。例えば、装置は床又はその他の支持面上に置かれてよく、患者はベッド上にいてよい。呼吸補助装置は、加湿器液体チャンバを受けるための凹部を有していてよい。液体チャンバは、例えば、液体を1つ又は複数のチューブを介して加湿器液体チャンバに送達する柔軟な液体バッグから液体を受ける。代替的に、液体チャンバは取外して、必要に応じて再充填することもできる。凹部には、液体チャンバを加熱するための加熱板が収容され、液体チャンバを通過するガスが加湿される。すると、加湿ガスは患者に送達される。
【0121】
おおまかに言えば、装置10は主ハウジング100を含み、そこには、モータ/インペラ装置の形態の流れ発生器11、加湿器12、コントローラ13、及びユーザI/Oインタフェース14(例えば、ディスプレイとボタン等の入力装置、タッチスクリーン、又はその他を含む)が収容される。コントローラ13は、装置のコンポーネントを制御するように構成又はプログラムされ、その中には、流れ発生器11を動作させて、患者に送達するためのガスの流れ(ガスフロー)を生成すること、加湿器12を動作させて生成されたガスフローを加湿及び/又は加熱すること、ユーザインタフェース14から装置10の再構成及び/又は使用者が決定する動作のためのユーザ入力を受信し、使用者に情報を(例えば、ディスプレイ上で)出力することが含まれる。使用者は、患者、医療従事者、又は装置の使用に関心を持つ他のあらゆる人物であり得る。
【0122】
患者呼吸コンジット16は、呼吸補助装置10のハウジング100の中のガスフロー出力又は患者出口ポート30に連結され、マニホルド19及び鼻プロング18を備える鼻カニューレ等の患者インタフェース17に連結される。それに加えて、又は代替的に、患者呼吸コンジット16はフェイスマスクに連結できる。それに加えて、又は代替的に、患者呼吸コンジットは、鼻ピローマスク、及び/又は鼻マスク、及び/又は気管切開インタフェース、又は他のあらゆる適当な種類の患者インタフェースに連結できる。呼吸補助装置10により生成されるガスフローは、加湿されてもよく、患者呼吸コンジット16を介して患者インタフェース17を通じて患者に送達される。患者呼吸コンジット16は、患者へと通過するガスフローを加熱する加熱ワイヤ16aを有することができる。加熱ワイヤ16aはコントローラ13の制御下に置かれる。患者呼吸コンジット16及び/又は患者インタフェース17は、呼吸補助装置10の一部と考えることも、代替的にその周辺器具と考えることもできる。呼吸補助装置10、呼吸コンジット16、及び患者インタフェース17は集合的に、呼吸補助システム又は、幾つかの構成ではフロー療法システムを形成してよい。
【0123】
例示的な呼吸補助装置10の一般的な動作は当業者の間で知られており、ここで詳しく説明する必要はない。しかしながら、おおまかに言えば、コントローラ13は流れ発生器11を制御して、所望の流量のガスフローを発生させ、1つ又は複数のバルブを制御して、空気と酸素若しくは他の代替的なガスとの混合を制御し、及び/又は加湿器12を制御して、適当なレベルまで、ガスフローの加湿及び/又はガスフローの加熱を行う。ガスフローは、患者呼吸コンジット16及び患者インタフェース17を通じて患者へと方向付けられる。コントローラ13はまた、加湿器12の加熱素子及び/又は患者呼吸コンジット16内の加熱素子16aを制御して、患者のための所望のレベルの治療及び/又は快適さを実現する所望の温度までガスの加熱を行うことができる。コントローラ13は、ガスフローの適当な標的温度でプログラムでき、又はそれを特定できる。
【0124】
フロー、温度、湿度、及び/又は圧力センサ等の動作センサ3a、3b、3c、20、及び25を呼吸補助装置10内の様々な場所及び/又は患者呼吸コンジット16及び/又は患者インタフェース17に設置できる。センサからの出力はコントローラ13によって受信され、それが呼吸補助装置10を最適な療法を提供するような方法で動作させるのに役立てることができる。幾つかの構成では、最適な療法の提供には患者の吸気フローを満たすことが含まれる。装置10は、送信器及び/又は受信器15を有していてよく、それによってコントローラ13はセンサからの信号8を受信し、及び/又は呼吸補助装置10の各種のコンポーネントを制御することが可能となり、これには流れ発生器11、加湿器12、及び加熱ワイヤ16a、又は呼吸補助装置10に関連する付属物若しくは周辺機器が含まれるが、これらに限定されない。それに加えて、又は代替的に、送信器及び/又は受信器15は、データをリモートサーバに送達し、又は装置10の遠隔制御を可能にしてよい。
【0125】
呼吸補助装置10は何れの適当な種類の装置であってもよいが、幾つかの構成では、(例えば、空気、酸素、その他のガス混合物、又はそれらの何れかの組合せの)ハイガスフロー又は高流量療法を患者に送達して、呼吸を補助し、及び/又は呼吸疾患を治療してよい。幾つかの構成では、ガスは酸素であるか、それを含む。幾つかの構成では、ガスは酸素と周囲空気の混合物を含む。本明細書で論じられる高流量療法には、当業者により理解されているその典型的な通常の意味が与えられるものとし、これは一般に、意図的にシールが解かれた患者インタフェースを介して、加湿された呼吸ガスの標的流れを、一般に患者の吸気フローを満たす、又はそれを超えるように意図された流量で送達する呼吸補助システムを指す。典型的な患者インタフェースとしては、鼻又は気管患者インタフェースが含まれるが、これらに限定されない。成人の場合の典型的な流量は、多くの場合、約15リットル毎分(LPM)~約70リットル毎分又はそれ以上の範囲であるが、これに限定されない。小児患者(例えば、新生児、幼児、児童)の場合の典型的な流量は、多くの場合、患者の体重1キログラムあたり約1リットル毎分~患者の体重1キログラムあたり約3リットル毎分又はそれ以上の範囲であるが、これに限定されない。高流量療法はまた、補助酸素を含むガス混合組成物及び/又は治療用薬剤の投与を含んでいてよい。高流量療法は、鼻高流量(NHF:nasal high flow)、加湿高流量鼻カニューレ(HHFNC:humidified high flow nasal cannula)、高流量鼻酸素(HFNO:high flow nasal oxygen)、高流量療法(HFT:hifh flow therapy)、又は気管高流量(THF:tracheal high flow)のほか、その他の一般的な名称として呼ばれることが多い。
【0126】
例えば、幾つかの構成において、成人の患者の場合、「高流量療法」は、約10リットル毎分(10LPM)以上、例えば約10LPM~約100LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPMの流量で患者にガスを送達することを指してよい。幾つかの構成において、新生児、幼児、又は児童患者の場合、「高流量療法」は、約1LPM超、例えば約1LPM~約25LPM、又は約2LPM~約25LPM、又は約2LPM~約5LPM、又は約5LPM~約25LPM、又は約5LPM~約10LPM、又は約10LPM~約25LPM、又は約10LPM~約20LPM、又は約10LPM~約15LPM、又は約20LPM~約25LPMの流量で患者にガスを送達することを指してよい。成人患者、新生児、幼児、又は児童患者での高流量療法装置は、幾つかの構成において、約1LPM~約100LPMの流量で、又は上述の部分的範囲の何れかの中のある流量で患者にガスを送達してよい。送達されるガスは、あるパーセンテージの酸素を含んでいてよい。幾つかの構成において、送達ガス中の酸素のパーセンテージは、約20%~約100%、又は約30%~約100%、又は約40%~約100%、又は約50%~約100%、又は約60%~約100%、又は約70%~約100%、又は約80%~約100%、又は約90%~約100%、又は約100%、又は100%であってよい。
【0127】
高流量療法は、患者の吸気フローを満たすか、それを超えること、患者の酸素化を増大させること、及び/又は呼吸仕事量を軽減させることにおいて有効であることがわかっている。それに加えて、高流量療法は、鼻咽頭フラッシング効果を発生することがあり、それによって上気道の解剖学的死腔に高流量の流入ガスフローが流される。これによって、毎回の呼吸に利用可能な新鮮なガスの貯蔵部が得られ、それと同時に二酸化炭素、窒素等の再呼吸が最小限とされる。
【0128】
高流量療法の一例において、シールが解かれた、又はシールされていないユーザインタフェース、例えば鼻カニューレが使用される。CPAPでは、シールされたインタフェース、例えば鼻マスク、フルフェイスマスク、又は鼻ピロー等が典型的に使用される。
【0129】
患者インタフェース17は、気圧性外傷(例えば、大気に関する圧力差による肺又はその他の呼吸器への組織損傷)を防止するために、シールされていないインタフェースであってよい。患者インタフェースは、マニホルドと鼻プロングを備える鼻カニューレ、及び/又はフェイスマスク、及び/又は鼻ピローマスク、及び/又は鼻マスク、及び/又は気管切開インタフェース、又は他のあらゆる適当な種類の患者インタフェースであってよい。
【0130】
前述のように、呼吸補助装置10は、呼吸補助装置10の機能、使用、及び/又は構成を支援するための各種の特徴を有する。
【0131】
図2~6に示されるように、第一の構成の呼吸補助装置10は、主ハウジング100を有する呼吸補助装置ベースユニット50を含む。主ハウジング100は、主ハウジング上側シャシ102と主ハウジング下側シャシ104を有する。
【0132】
ベースユニット50の主ハウジングは、周辺壁配置を有する。周辺壁配置は、取外し可能な液体チャンバ151を受けるための加湿器液体チャンバベイを提供する凹部108を画定する。取外し可能な液体チャンバ151は、患者に送達されることになるガスを加湿するための水等の適当な液体を収容する。
【0133】
装置10のベースユニット50は、より詳しくは後述するガード200を有する。ガードのバリア251は、ガードのバリアが被覆位置にあり、液体チャンバが凹部108の中にあるときには液体チャンバ151の一部と重複し、ガード200のバリアがアクセス位置にあり、液体チャンバ151が凹部の中にあるときには液体チャンバ151の一部を露出させる。
【0134】
図の形態で、主ハウジングの下側シャシ104の周辺壁配置は、主ハウジング100の前後方向に向けられる実質的に垂直な左側外壁109と、実質的に垂直な右側外壁111と、壁109、111との間に延び、これらを接続する実質的に垂直な後方外壁113と、を含む。底壁115は壁109、111、113の下端間に延び、これらを接続し、装置の底部及び液体チャンバベイの実質的に水平な床部分を形成する。
【0135】
凹部108の床部分は、加湿プロセス中に使用するための、液体チャンバ151内の液体を加熱する加熱板140又はその他の適当な加熱素子等の加熱装置を受ける受容部分108aを有する。加熱板140は典型的に、液体チャンバ151のベース154の形状に実質的に対応する形状を有し、例えば円形状等である。加熱板140は弾性的に、例えばばね等の付勢装置の上に取り付けられる。弾性取付によって、加熱板は下方に移動して、液体チャンバ151を凹部108に収容し、それと同時に液体チャンバが凹部108に挿入されたところで加熱板140と液体チャンバのベースとの間の良好な接触を保持することができる。
【0136】
主ハウジングの下側シャシ104は、例えばクリップ等の適当な固定具又は内蔵された取付機構の何れかによって、上側シャシ102に取付可能である。主ハウジングの下側シャシ104が主ハウジングの上側シャシ102に取り付けられると、上側及び下側シャシの壁は相互に係合する。
【0137】
図6に示される通り、下側シャシ104はモータ凹部121を有し、これは凹部に永久的に挿入されても、又は凹部から取外し可能であってもよいモータモジュールを受ける。凹部の開口は、底壁115のその後方縁辺に隣接して提供され、取外し可能モータモジュールを受ける。モータモジュールのベース123は、モータ凹部121への開口を覆う。モータモジュールは、ガスの流れを起こすためのブロワを形成するモータを含み、モータモジュールを通過するガスの特性を感知するための1つ又は複数のセンサを含んでいてよい。モータモジュールは、モータモジュールを通って流れるガスのパラメータを感知するセンサを含んでいてよい。
【0138】
モータモジュールと装置10のベースユニット50のハウジングには、ガスを装置のベースユニット50の1つ又は複数のガス入口から、ガスを加湿するための液体チャンバ151のガス入口ポート157へと送達するための適当なチューブ及び/又はガス流路が提供される。ガスは液体チャンバ151のガス出口ポート159から患者出口ポート30へと、及びそれによって患者呼吸コンジット16と患者インタフェース17を介して患者へと送達される。
【0139】
図の形態では、モータ凹部121は、ハウジング100の底壁の凹部開口を含む。代替的に、凹部開口は、ハウジング100の異なる部分、例えばハウジング100の側面、前面、又は上面にあってもよい。
【0140】
装置10のベースユニット50は、停電時又はポータブルでの使用のために、装置に電源供給するためのバッテリ125を有していてよい。バッテリは交換可能であってよい。
【0141】
図の形態では、バッテリ125は装置ハウジング100の後壁の外側に連結される。これは、バッテリを冷却するための大きい表面積を提供し、バッテリから装置内に入る熱の量を減らす。それに加えて、この構成により、特にバッテリの充電中に、装置のコンポーネントから発せられる熱がバッテリに与える影響が軽減される。代替的な構成では、バッテリは主ハウジングの内側に取り付けられてもよい。
【0142】
図4に示されるように、装置10のベースユニット50は、装置を支持装置に取り付けるための取付機構127を有する。
【0143】
取付機構127は、装置10のベースユニット50の主ハウジング100の一部と一体に形成されてよい。図の形態では、取付機構127はハウジング100の下側シャシ104の左側壁109と一体に形成されている。取付機構127は、その代わりに、ハウジング100の他の壁の何れか、例えば後壁、右側壁、又はその他の壁と一体に形成することもできる。
【0144】
装置の主ハウジング100は、取付機構127を一体形成できるのに適した何れの材料で形成されてもよい。例えば、ハウジング100はポリカーボネートで形成されてよい。
【0145】
一体の取付機構127は、追加的な、部分的にねじ止めされたものと比較して、より高い衝撃強さを有する。取付機構127の補強はまた、例えば壁厚を変化させること、肋材を設けること、又は内部形状を変化させることによって行われてもよい。
【0146】
図3は、呼吸補助装置10と使用するための加湿器液体チャンバ151を示す。チャンバ151は取外し可能な液体チャンバであり、それに呼吸ガスを加湿するための水等の液体が充填される。液体チャンバ151は、呼吸補助装置10のベースユニット50から取外し可能であり、その再充填又は処分がより容易となる。
【0147】
液体チャンバ151は、周辺壁153と屋根156を有する本体152を有する。本体は、液体を受けるための内側チャンバを画定する。液体チャンバのベース154は、周辺壁の下端に提供され、ベース154のベースフランジ155は周辺壁153の下端から外側に突出する。ベース154は、ベースフランジ155を含め、典型的に高熱伝導性材料である。液体チャンバガス入口ポート157と液体チャンバガス出口ポート159を含む第一及び第二のベースユニット接続ポートは、液体チャンバ151の内側チャンバと連通する。呼吸補助装置ベースユニット50は、ガス出口ポート161と加湿ガス入口ポート163を含む相補的なチャンバ接続ポートを含む。液体チャンバが凹部108に受けられてハウジング100と係合すると、液体チャンバガス入口ポート157はガス出口ポート161に連結され(
図14)、これはモータモジュールからガスを受け取り、液体チャンバガス出口ポート157は加湿ガス入口ポート163に連結され(
図3)、加湿ガスを液体チャンバから患者出口ポート30へと送達する。
【0148】
液体チャンバ151、及び液体チャンバのベースフランジ155は、概して円形の周辺形状を有することができ、又は他の何れの適当な形状を有することもでき、凹部108の形状は必要に応じて相応に調整される。
【0149】
図の形態において、液体チャンバ151は実質的に円筒形状を有する。
【0150】
液体チャンバのベース154は熱伝導性を有する。特に、液体チャンバ151のベース154は、熱伝導性の高い材料で製作され、それによって使用中に呼吸補助装置10のベースユニット50の加熱板140と接触すると、チャンバ内の液体が加熱される。
【0151】
液体チャンバ151は装置10のベースユニット50に、ハウジング100の前方位置からハウジング100の後方に向かう方向である、液体チャンバ151の凹部108へのその後方挿入方向IDに滑り込むように流体連結できる。すなわち、凹部108は、液体チャンバを後方挿入方向に凹部108の中へと、ベースフランジ155の後部が最初に挿入される状態で移動させることによって、液体チャンバ151を取外し可能に受けるように構成される。
【0152】
ガス出口ポート161は、固定されたL字形エルボウを介して、モータ/インペラユニットからのガス流路と流体連通する。液体チャンバ151は当初、凹部108に斜めに挿入され、その後水平になるように回転させられてよく、液体チャンバのポート157、159が装置10のポート161、163と係合する際の移動の最終部分は直線移動である。
【0153】
加湿ガス入口ポート163は、取外し可能エルボウ内に具現化される。取外し可能エルボウはL字形であり、患者呼吸コンジット16に連結されて患者インタフェース17にガスを送達する患者出口ポート30をさらに含む。ガス出口ポート161、加湿ガス入口ポート163、及び患者出口ポート30は各々、ワイパシール、Lシール、Xリング、又はOリング等のソフトシールを含んで、装置10、液体チャンバ151、及び患者呼吸コンジット16、並びに任意選択的に1つ又は複数のその他の付属物の間にシールされたガス流路を提供する。
【0154】
ガス出口ポート161とガス入口ポート163は、複数のシール要素を含む。シール要素は、ワイパシール、Lシール、Xリング、又はOリングであってよい。ワイパシールはT字形の断面を有していてよい。ガス出口ポート161とガス入口ポート163は各々、2つ、3つ、又はそれ以上のシール要素を含んでいてよい。1つの構成において、ガス入口ポート163とガス出口ポート161の各々はワイパシールのペアを含む。この構成では、ガス入口ポート163は、ガス入口ポート163上に相互に隣接して位置付けられた2つのワイパシールを有する。同様に、ガス出口ポート161は、ガス出口ポート161上に相互に隣接して位置付けられたワイパシールのペアを含む。各ポート161、163上のワイパシールの(又は他の種類のシール要素の)ペアによって、対応するベースユニット接続ポート157、159とのシールが改善され、装置のベースユニット50のハウジングの、電子部品が配置される内部への液体の浸入に対するよりよい保護を提供する。液体チャンバ151がベースユニット50のガス入口ポート163とガス出口ポート161に連結されると、1つのワイパシールは各ベースユニット接続ポート157、159の内部に位置付けられてよく、液体チャンバがベースユニット50と組み立てられると、1つのワイパシールは各ベースユニット接続ポート157、159の外側に配置されてよい。代替的に、液体チャンバ151が凹部108内で加熱板140に組み付けられると、両方のワイパシールがそれぞれのベースユニット接続ポート157、159の内部に位置付けられる。各ポート161、163に2つのワイパシールを使用する配置によって、液体の浸入に対する冗長性が提供される。同様の配置は、Lシール、Xリング、又はOリングにも使用できる。ベースユニット50のガス出口ポート161とガス入口ポート163は、長い部分を有するような構造とされ、すなわち、ポート161、163の長さは、ワイパシール、Lシール、Xリング、又はOリンクがポート161、163の上に保持されるような長さである。
【0155】
液体チャンバのガス入口ポート157は呼吸補助装置ベースユニット50のガス出口ポート161と相補的であり、液体チャンバのガス出口ポート159は呼吸補助装置ベースユニット50の加湿ガス入口ポート163と相補的である。これらのポートの軸は好ましくは平行及び/又は水平であって、液体チャンバ151をチャンバベイ108に、実質的に直線移動で挿入し、ポート間にガス接続が形成されるようにすることができる。
【0156】
チャンバ接続ポート161、163は、呼吸補助装置ベースユニット50のハウジングから延びる平行な円筒形機構である。ポート161、163は典型的に、等しいプロファイル及び等しい長さを有し、軸は同一水平面上にある。ポート161、163は典型的に、それぞれの遠位端において同じ垂直平面で終了する。ポート161、163は、ポート分離距離又はピッチを有し、これは各ポート161、163の中心又は軸間の水平距離である。これは、液体チャンバのベースユニット接続ポート157、159の中心間の水平距離と実質的に等しい。
【0157】
呼吸補助装置ベースユニット50のチャンバ接続ポート161、163(図の形態ではオス接続部材)は、液体チャンバのベースユニット接続ポート157、159(図の形態ではメス接続部材)に同心円状に挿入される。ベースユニット接続ポート157、159の内径は、チャンバ接続ポート161、163の外径より大きい。
【0158】
液体チャンバ151は当初、凹部108に斜めに挿入され、その後、実質的に水平になるまで傾けられてよく、それによって液体チャンバ151の移動の後部は実質的に線形である。凹部108は、液体チャンバを凹部108内の位置に保持するのを支援する1つ又は複数のガイドレールを含んでいてよい。
【0159】
呼吸補助装置10は、国際公開第2016/207838A9号(WO‘838)に記載され、図示されている呼吸補助装置の特徴及び/又は機能の何れか1つ又は複数を有していてもよい。その明細書の内容の全体を参照によって本願に援用する。
【0160】
呼吸補助装置ベースユニット50は、ハウジング100に取り付けられたガード200を含む。ガードは、使用者が液体チャンバ151のベース154に、及びより詳しくは液体チャンバ151のベース154のベースフランジ155に接触する可能性を最小化するように構成される。幾つかの構成において、ガード200は、使用者が凹部108のベース内の加熱板140に接触する可能性を最小化し、及び/又は液体チャンバ151を呼吸補助装置10と係合した状態に保持するのを助けるように構成されてよい。ガードは、
図2~6ではハウジングに取り付けられた状態で示され、
図7~10ではハウジングとは分離されて示されている。
【0161】
ガード200は、ベース201とバリア251を含む。バリア251は、ハウジングに関して、バリア251が凹部108を部分的に覆い、液体チャンバのベースフランジ155の前方縁と重複する、上に上げられた被覆位置(例えば、
図4において実線で示される)と、凹部108がバリア251によってより低い程度に覆われるか、又は覆われなくなり、バリア251が液体チャンバのベースフランジ155の前方端を露出させる、下に下げられたアクセス位置(
図4の挿入図において破線で示される)との間で移動可能である。ガードのベース201は、その移動中に曲がる。ガード200は、使用者がガード200を作動させることによって移動できる。ガード200は、バリア251を下方に、図に示される状態へと押すことによって操作されるように構成される。ガードのベース201は、ハウジング100のベースの下に延びる。ガード200のベース201はハウジング100のベースに取り付けられ、より詳しくはハウジング100の底壁115の外側に取り付けられる。ガード200のベース201は、それが曲がっていないその休止状態にあるときに実質的に平らである。
【0162】
図の形態において、ガード200のベース201は、1つ又は複数の固定具205によってハウジング100のベースに取り付けられる。例えば
図9に示される形態において、ガード200のベース201は、ベース201の第一の端201aに、又はそれに隣接して位置付けられた1つ又は複数の固定具受容穴203を含む。ベースの第一の端201aは、ハウジング100の前方端から離れた位置においてハウジング100に取り付けられるように構成される。
図13に示されるように、取付凹部115aがハウジング100の底壁115の前方に提供される。取付凹部115aは、ガード200のベース201を受けるように構成される。取付凹部115aは、液体チャンバ151を受けるための凹部108の下に提供される。
【0163】
図の形態において、ガード200のベース201は、2つの固定具受容穴203を有する。代替的な構成において、ガードのベース201は、1、3、4つ、又はそれより多い固定具受容穴203を有していてもよい。
【0164】
図11は、ハウジング100へのガード200の取付領域を通る側断面図を示す。ガードは、ベース201の下面から下方に延びる円筒形延長部207を含む。円筒形延長部207は、自由端207aと接続端207bを有する。実質的に平らな天井部分209が円筒形延長部207の内部に提供される。円筒形延長部の内壁207cと天井部分209は、固定具205の頭部205aを受ける凹部210を画定する。固定具受容穴203は、凹部210より小さい直径を有し、凹部210から上方に延びる。固定具が装置に連結されると、固定具の軸205bは固定具受容穴203を通ってハウジング100の中へと延び、固定具の頭部205aは凹部210内に位置付けられ、天井209と当接する。固定具205は、例えば、ねじ、プッシュピン、又はその他の種類等、何れの適当な種類とすることもできる。
【0165】
ガード200がハウジング100に組み付けられると、各固定具受容穴203はそれぞれの固定具受容凹部131と整列する。固定具受容凹部131は、テーパ状の導入機構133を有し、これによって、コンポーネントが完全に整列されていなくても、固定具軸205bを固定具受容穴203を通って固定具受容凹部131へと挿入できる。固定具205は、固定具がさらに挿入されると、コンポーネントを押して整列状態になるようにする。
【0166】
固定具受容凹部131は、ハウジング100から下方に突出する円筒形突起135の中に提供される。この構成では、円筒形突起135は、ハウジング100の中で、ガード200のベース201の上面と接触する唯一の部分であってよい。それによって、ガード200とハウジング100がさらに接触すると、ガードのベース201は妨害されずに曲がることができる。代替的な構成では、固定具受容凹部131は、円筒形突起のないハウジング100の壁の中に上方に延びてもよい。
【0167】
図11に示される構成において、ガードのベース201の中の固定具受容穴203の直径203Dは、ハウジング100の固定具受容凹部131の直径131Dよりわずかに大きい。それによって、固定具205は、ハウジング100の固定具受容凹部131に、円筒形延長部の内壁207cと接触することなく係合する。したがって、固定具205は、ガード200とハウジング100を一体に保持する力のみを加え、何れの実質的な横方向の力又は負荷はかけない。
【0168】
ガード200及び/又はハウジング100は、ガード200が使用者によって操作されるときに、ガード200をハウジング100に取り付ける固定具205に横方向の負荷がかかるのを最小化する1つ又は複数の他の機構を含んでいてよい。
【0169】
図12及び13を参照すると、ハウジング100は下方に延びるアラインメント突起141を含み、ガード200のベース201は、突起141を受けてガードが曲がっている間のガードのベース201の水平移動に抵抗する相補的なアラインメント穴211を含む。これは、例えばねじ等、横方向の力に抵抗するのに不適な固定具205が用いられるときに適している。アラインメント突起141は、ハウジング100の壁から下方に延びる。アラインメント突起141とアラインメント穴211は、ベース201の第一の端201aの付近及び固定具受容穴203の付近に位置付けられる。アラインメント突起141とアラインメント穴211は、これらがガード200のベース201が垂直方向に曲がるのは可能にし、他方で水平移動は阻止するように構成される。
【0170】
後述のように、幾つかの構成において、ガード200は、液体チャンバ151を凹部108に挿入し、及び/又はそこから取り外すことによって操作できる。液体チャンバ151が挿入され、取り外される際、液体チャンバ151とバリア251との間の接触によってガードに水平方向の力が加えられるかもしれない。この状況で、水平移動は、アラインメント突起141がアラインメント穴211の周辺壁と接触することによって阻止される。
【0171】
図12に示されるように、アラインメント穴211はアラインメント突起141より若干大きくすることができ、それによってガード200のベース201が垂直に曲がる場合のわずかな水平移動に対応する。アラインメント突起141とアラインメント穴211との間の空間により、液体チャンバ151を凹部108に挿入し、又はそこから取り外している間に液体チャンバ151から液体が漏れた場合に、液体をベース201の上面から排出できる。
【0172】
図12及び13に示されるように、アラインメント突起141は1つ又は複数の支持部材143を有していてよく、これは負荷を受けている間のアラインメント突起に安定性を提供する。図の形態において、前方及び後方への弓状セグメントの支持部材143がアラインメント突起141に隣接して位置付けられている。代替的に、異なる数又は形状の支持部材143が提供されても、又は支持部材143がまったく提供されなくてもよい。
【0173】
ハウジング100は、1つ、2つ、又はそれより多いアラインメント突起141を有していてよく、ガード200のベース201は、対応する数のアラインメント穴211を有していてよい。横方向の負荷に対応できる代替的な種類の固定を使ってガード200がハウジング100に取り付けられる場合(内蔵されている固定機構等)、アラインメント突起141とアラインメント穴は提供されなくてもよい。
【0174】
ガード200はハウジングの外部に固定され、それによって、ガード200は、呼吸補助装置10のベースユニット50のハウジング100を分解せずに交換できる。ガード200は、固定具を外すことによってハウジング100から取り外すことができる。これは、バリアがバンパとして機能するように構成されている場合、有益である。
【0175】
1つの構成において、ガード200は凹部108の前面外部を覆う。代替的に、凹部はハウジング100の異なる部分、例えばハウジング100の側面外部又はハウジングの後面外部へと開放することができ、ガード200はしたがって、凹部の側面外部又は凹部の後面外部を覆うことができる。
【0176】
ガード200は、呼吸補助装置10の所期の機能を表す色を有していてよい。色は、呼吸補助装置が家庭用か又は病院用かを示すことができる。色は、呼吸補助装置が、例えば非侵襲性換気(NIV)、CPAP、バブルCPAP、蘇生、又は鼻高流量等のどの療法を提供するかを示すことができる。色は、呼吸補助装置の型を示すことができる。
【0177】
ガード200は、容易に取り外して呼吸補助装置10の異なる所期の機能を表す異なる色のガード200に交換できる。ガード200をハウジング100の外部に固定することにより、異なるガードは、製造プロセスのより遅い段階で、呼吸補助装置10のための構成が決定されたところで容易に取り付けることができる。それに加えて、呼吸補助装置10を異なる機能を果たすように目的を変更する必要が生じた場合、ガード200を取り外して、異なる色のガード200に取り換えることは簡単なプロセスであろう。
【0178】
ガードのバリア251は、ガードのベース201の、ベース201のハウジング100への取付け点より先端側の位置から延びる。ガードのバリア251は、ベース201の反対の第二の前方端201bの、又はそれに隣接する位置から上方に延び、ベース201の前に配置される。
【0179】
ガード200を呼吸補助装置10のベースユニット50のベースに、ガードの前方が呼吸補助装置10のベースユニット50の前方を覆い、そこから突出する状態で固定することによって、ガード200は呼吸補助装置10のための前方バンパとして機能する。ガード200は、例えば使用者が呼吸補助装置10のベースユニット50を落とした場合、又は呼吸補助装置10のベースユニット50が移動中に物にぶつかった場合(例えば、呼吸補助装置10が搬送中のベッドのポールに接続される場合等)、衝突中に呼吸補助装置10のベースユニット50を保護することになる。このような衝突中、ガード200は呼吸補助装置10の中で損傷を受けるであろう唯一の部分であり、何れの固定具205も外さずに容易に交換でき、呼吸補助装置10の他の部分をさらに分解する必要がない。
【0180】
図5及び7~10を参照すると、バリア251は、横方向に延びる本体部分253と、横方向に延びる本体部分のそれぞれの側面の、又はそれに隣接する2つの直立部分255とを含む。各直立部分255は、使用者がガード200を操作するために押す拡大上側指接触領域257を含む。
【0181】
バリア251の形状は、ハウジング100の前方端の形状と相補的である。
図7、8、及び16に示されるように、バリア251は下側壁部分254aを含み、これは、ベース201の前方端201bから上方及び前方に延び、上から見ると凹状である。直立壁部分254bは下側壁部分から上方に延び、前から見ると凸状である。斜めの前方壁部分254cは、直立壁部分254bの上から上方及び後方に延びる。後方に突出する上側壁部分254dは、斜めの前方壁部分254cの上端から後方に、及びわずかに下方に延びて、横方向に延びる本体部分253の上側縁を形成する。後方に突出する上側壁部分254dは、下方及び後方に傾斜する後方壁部分254eで終了する。後方に突出する上側壁部分254dと下方及び後方に傾斜する後方壁部分254eは、平面図において、液体チャンバ151の周辺壁153の周辺形状に実質的に対応する弓状形状を有する。
【0182】
図4に示されるように、上側指接触領域257は上側傾斜後方縁257aを有し、これはハウジングの上側シャシの傾斜前方縁102aに当接する。同様に、直立部分255は上向きの後方縁255aを含み、これはハウジング100の下側シャシの左側壁109の対応する前方縁109aに当接する。対応する機構が装置の両側に提供されることになる。これらの縁間の当接は、ハウジング100に関するバリア251の上方移動を限定するための停止手段を提供する。バリアが被覆位置にあるとき、バリアの表面はハウジングの表面と実質的に連続する。上側指接触領域257は、
図2に示されるように、ハウジングの上側面110a、110bと整列する。
【0183】
直立部分255の上側指接触領域257によって、使用者は、指を液体チャンバのベースフランジ255又は加熱板140の付近に当てることなく、ガード200を湾曲させることができる。直立部分255の上側指接触領域257によって、使用者はまた、指が液体チャンバ151を凹部108から取り外す際の障害となることなく、ガード200を湾曲させることができる。
【0184】
図の構成において、各直立部分255は、上側指接触領域257の下に、ガードがアクセス位置にあるときに(
図4において破線で示される)液体チャンバ151のベースフランジ155を収容する狭小区間259を含む。代替的な構成において、直立部分255は、液体チャンバの(すなわち、ベースフランジ155の)最も広い寸法より広く離間させることができる。この構成において、直立部分255は狭小区間を含まなくてもよい。その代わりに、液体チャンバ15
1は単純に、バリア251がアクセス位置にあるときに、バリアの横方向に延びる本体部分253を通過できる。
【0185】
ガード200のベース201の少なくとも一部は柔軟である。ベース201の前記少なくとも一部は、バリア251が使用者によって被覆位置とアクセス位置との間で移動されると曲がるように構成される。固定具受容穴203の領域を除き、ガードのベース201の実質的に全体が柔軟であってよく、それによってガード200のベース201は固定位置の周囲で曲がることができる。代替的に、ガードのベース201の不連続部分は曲がってよく、ガードのベース201のその他の不連続部分はより硬質である。例えば、ベースの第一の端201aは実質的に硬質であり得、1つ若しくは複数の不連続の柔軟な横方向ストリップが第一の端201aと第二の端201bとの間に位置付けられてよく、1つ若しくは複数の不連続の比較的硬質の横方向ストリップが柔軟な横方向ストリップ間に位置付けられてもよい。
【0186】
図8はベース201の構成を示しており、これは、ガード200の前後方向に延び、ベース201のそれぞれの側に向かって位置付けられる離間された2つの肉薄部分202aを有する。横方向の肉薄部分202bは、ベース201の第一の端201aに隣接して、2つの肉薄部分202a間に延びる。ベース200の残りの部分の実質的に全体は、例えばアラインメント穴211の周囲等、曲げに対する強度又は抵抗がより大きい領域の中に肉厚部分202cを含む。ベース部分の第一の端201aは、段差部202dを含み、これは第一の端を横切ってベース部分の各側の一部に沿って延び、ハウジング100の下面のバルブモジュールハウジング115aと相互作用する。他の何れの適当な構成の肉薄部分、肉厚部分、及び/又は段差部も提供できる。
【0187】
ガード200のベース201は、バリア251が、ガードのベース201を曲げることによって、実質的に
図4において矢印UDで示される2つの反対方向に上がるか下がることしかできず、それによって、バリアの1つの領域が使用者によって押されても、ガード200のベース201を曲げることによってバリア251を他の方向に実質的に移動できないように構成される。この構成では、ガードは実質的に、呼吸補助装置の前後方向に延びる(すなわち、ベース201に沿って、バリア251を通って延びる)軸の周囲でねじれることがあり得ず、使用者が移動させている間にガード200の拘束を最小化又は防止するのに役立つ。ガード200はハウジング100の外側にあるため、ベース201がねじれても、ガード200は拘束されないはずである。
【0188】
バリア251は、反対方向UDに何れの適当な距離だけ移動してもよい。例えば、バリアは少なくとも5mm、任意選択的に最大で20mm、任意選択的に5mm~15mm、任意選択的に8mm~13mm、又は他の何れの適当な距離だけ移動してもよい。
【0189】
ガード200が望ましくなくねじれないことの利点は、使用者がバリア251の片側を押して、液体チャンバ151を取外し方向に凹部108から引き出すことができる点である。ガード200がねじれていると、液体チャンバ151は片側でブロックされる可能性がある。
【0190】
バリア251の片側を押すことによってガード200を作動させることができるようにするために、ガード200は以下の2つの機能を実現する:
1.バリア251の片側(すなわち、直立部分255)を押すことによって、バリアの、チャンバをブロックする区間(すなわち、横方向部分253)が十分に縦方向に移動し、それによってバリア251は液体チャンバ151をブロックしなくなる。
2.バリアの片側(すなわち、直立部分255)を押しても、ガード200が拘束されない(したがって、バリア251の可動範囲が限定されない)。
【0191】
以下の機構によって機能1が可能となる。
【0192】
ベース201の実質的な幅は、ハウジング100に離間された2か所(すなわち、ハウジングの両側の付近)で接続されるベース201と共に、ベース201がねじれるのを最小限にし、それによってベースは第一の横方向軸の周囲でしか曲がらない。すなわち、ガードのベース201はトーションバーのように機能し、それによって所望の方向UDには曲がるが、ねじれには抵抗する。そのため、ガードのバリア251上の何れの点に下方の力がかけられても、ガードは、ねじれて拘束されるのではなく、下方に均等に曲がる。したがって、使用者は、上側指接触領域257の1つを押し下げることによって、ガード200を作動させることができる。
【0193】
それに加えて、直立部分255の内面又は後面255a(
図8)は、ハウジング100の支持部分と相互作用する。特に、内面又は後面255aは実質的に垂直な面であり、これは下側シャシ104の両側の前方に突出する延長部材112の上に提供される、相補的な、実質的に垂直な直立壁面112a(
図15)に沿ってスライドする。スライド接触は、ガードの移動の少なくとも一部について発生する。
【0194】
ガード200はねじれないため、バリア251の片側が垂直に移動すれば、バリア251の残りの部分全体に同様な垂直移動が生じることになる。バリア251がねじれた場合、垂直移動の量は、バリア251の、使用者が押した側から離れた区間において減少することになる。このような減少した移動は、液体チャンバ151を凹部108から取り外すには足りないかもしれない。
【0195】
ガード200はまた、バリア251を、液体チャンバ151を凹部108から取り外すのに必要な範囲よりさらに作動させることができるような構造とすることもできる。この構成では、使用者はバリア251の片側を押して、ガード200をできるだけ遠くまで作動させることができる。わずかにねじれたとしても、横方向部分253の垂直移動は、若干減少しても、液体チャンバ151を凹部108から取り外すのに依然として十分であろう。
【0196】
以下の機構によって機能2が可能となる。
【0197】
ガード200が拘束されるには、バリア251が作動されている間にその通常の経路から逸れる必要がある。バリア251の片側を押すと、ベース201がねじれることによってそれが起こり、バリア251はハウジング100の一部と接触する。固定具205の離れた位置と組み合わされるベース201の幅と、相互にすれ違いにスライドする表面112a、255aによってねじれ量が限定され、その結果、これが発生しない。
【0198】
それに加えて、ハウジング100とガード200の形状は拘束が発生する機会を減らすように設計される。
図15に示されるように、ハウジング100は、下側シャシ104の前方から突出する延長部材112を有する。これらの延長部材112は、被覆位置にあるときにバリア251の内面と接触して、バリア251を正しい位置に配置するのを助けるように設計される。特に、延長部112の外壁112a、内壁112b、及び上壁112cは、バリア251の直立部分255の外壁255a、上壁255c、及び内側後壁255bと接触するように構成される。
図15には、これらの延長部材112のテーパ部も示されており、延長部材112の前方部分は、延長部材112の後方部分より相互により近い。テーパ部の目的は、バリアが被覆位置にあるときにバリア251の直立部分255と延長部材112との間の締まり嵌めが可能となるようにすることであり、それによって、ガード200の作動中にバリアの直立部分255と延長部材112との間により大きい隙間ができる。このように増大した隙間によって、わずかな量のねじれが生じたとしても、ガード200が拘束される機会が減る。
【0199】
ガード200の代替的構成において、バリア251は、離間された2つの直立部分255ではなく、横方向に延びる本体部分の側面の、又はそれに隣接する1つの直立部分255を含んでいてよい。バリア251は、使用者が直立部分255の上側指接触領域257に力を加えることによって、バリア251が凹部108を部分的に覆う、上に上げられた被覆位置と、凹部108がバリアによってより低い程度に覆われるか、又は覆われなくなる、下に下げられたアクセス位置との間で移動させることができる。ベース201の、柔軟である前記少なくとも一部は、バリア251が被覆位置とアクセス位置との間で移動される際に曲がるように構成される。1つの直立部分255は、2つの直立部分について本明細書に記載されている何れの構成を有することもできる。ハウジングは、延長部材112を単独で有していてよい。横方向に延びる本体部分253の反対側には、バリア251の横方向に延びる部分253の上側壁254dと実質的に同一平面であってよく、凹部108の、液体チャンバ151の反対側に対応する縁においてより短く終了しても、又はハウジング100の反対側壁まで延びていてもよい。
【0200】
前述のように、呼吸補助装置は、凹部108の中に加熱板140を含んでいてよい。凹部108は、液体チャンバ151を取外し可能に受けるように構成される。ガード200は、ベースフランジ155を遮蔽し、それによって、ガード200のバリア251が被覆位置にある時、及び液体チャンバ151が凹部108の中に位置付けられているときに、使用者は液体チャンバ151のベース154に接触できない。
【0201】
使用中、加熱板140は高温に到達する可能性があり、これは、使用者にとって、例えば呼吸補助装置を握っているとき、又は加湿液体チャンバ151を呼吸補助装置ベースユニット50に接続し/そこから切断しているとき等、そこに、又は加熱板140に近い液体チャンバのベースフランジ155に接触するかもしれない場合に有害となる可能性がある。ガード200により、使用者が加熱板140又は液体チャンバ151のベースフランジ155に接触する可能性が最小化される。
【0202】
それに加えて、又は代替的に、凹部108は、液体チャンバ151を取外し可能に受けるように構成される。バリア251は、ガード200のベース201を曲げないと液体チャンバ151を凹部108に挿入し、又はそこから取り外せないようにする。
図16に示されるように、バリアの横方向に延びる部分253の上側縁254dは、液体チャンバのベース154のベースフランジ155と少なくとも部分的に重複するように位置付けられ、それによって液体チャンバ151は、ガード200のベース201を曲げて、バリア251が下方に十分な距離だけ移動して、液体チャンバ151が凹部108から外れるようにしないと、取外し方向RDに移動できない。
【0203】
ガード200のベース201は、使用者がバリア251を押すことによって曲がる。使用者は、ガードのバリア251に下向きの力を加えて、バリアを被覆位置からアクセス位置に移動させることができる。
【0204】
1つの構成において、ガード200のベース201はまた、液体チャンバ151を凹部108から取外し方向RDに移動させることによっても曲がる。
図16を参照すると、バリア251は、液体チャンバ151が取外し方向RDに移動されているときに、液体チャンバ151と、バリア251の下方及び後方に傾斜する後壁部分254eにより提供される接触面とが接触することによって、バリア251が被覆位置からアクセス位置に移動するように構成される。
【0205】
1つの構成において、下方及び後方に傾斜する後壁部分254eにより提供される接触面は、液体チャンバが取外し方向に移動されているときに、ベースフランジの前方縁の実質的に全体(すなわち、
図2において見える、及び
図21においてガイドレール300の前方縁の前に見えるベースフランジ155の湾曲した前方縁の実質的に全体)と接触するように構成される。
【0206】
使用者が液体チャンバ151を引き出そうとする際にバリア251を曲げることにより、使用者は液体チャンバ151を片手で取り外し、空いている反対の手で呼吸補助装置10のベースユニット50を支えることができる。それに加えて、ガード200と直接相互作用せずに液体チャンバ151を引き出せることにより、使用者は手を加熱板140に近づけないようにすることができ、使用者が液体チャンバ151を引き出すとき、一時的に露出する加熱板140に偶発的に接触する可能性が低くなる。
【0207】
図の構成において、液体チャンバ151は周辺ベースフランジ155を含み、これは液体チャンバの周辺壁153の底縁から外側に、液体チャンバの周辺全体に沿って延びる。この構成では、液体チャンバのベース154及び、より詳しくはベースフランジ155は、液体チャンバ151が取外し方向RDに移動されて、バリアが被覆位置からアクセス位置に移動されているときに、バリア251の接触面254eと接触する。
【0208】
液体チャンバ151の代替的な構成において、周辺ベースフランジ155を有するのではなく、液体チャンバの2つの側面が横方向の突起を含んでいてよく、これは液体チャンバの周辺壁153の底縁から外側に延びて、凹部108内の液体チャンバ保持ガイドレール300と係合する。液体チャンバは、取外し方向RD又は反対の挿入方向IDに延びる突起を持たなくてもよい。この構成では、液体チャンバ151の壁153及び/又は液体チャンバの壁の下のベース154の前方縁は、液体チャンバが取外し方向RDに移動されて、バリア251が被覆位置からアクセス位置に移動されているときにバリアの接触面254eと接触する。バリア251は、バリア251が被覆位置にあり、液体チャンバが凹部108の中にあるときに、液体チャンバのベース154を使用者による接触から保護する。この構成では、加熱板140は、液体チャンバ151がベースフランジ155を有する場合より、凹部108の前方に露出するかもしれない。バリア251はしたがって、バリア251が被覆位置にあり、液体チャンバが凹部108の中にあるときに、加熱板140も使用者による接触から保護するかもしれない。
【0209】
バリア251の、液体チャンバと接触する接触面254eは、傾斜壁区間を有する。これは、使用者が液体チャンバ151を取り外そうとして、液体チャンバを取外し方向RDに水平に移動させることによって、ガード200のバリア251に下方の力がかかり、それによってバリア251は、使用者とバリア251との間のそれ以外の相互作用がなくても押し出されることを意味する。
【0210】
図17を参照すると、バリア251の接触面254eは、取外し方向RDに関して90度を超え、180度未満の、任意選択的に取外し方向RDに関して100度~170度の、任意選択的に取外し方向RDに関して110度~135度の、任意選択的に取外し方向RDに関して120度~130度の、任意選択的に取外し方向RDに関して125度の、垂直以外の角度αである。より平坦な角度(すなわち、水平により近い)では、液体チャンバの移動によって、バリア251をより容易に湾曲させることができるが、バリアをより長くして十分なモーメントを提供できるようにする必要があり、それによって呼吸補助装置10のベースユニット50がより大きなスペースを占めることを意味する。
【0211】
バリア251の接触面254eは、側方から見たときに、液体チャンバと接触面との間の接触領域全体を通じて一定の角度を有する。これによって、液体チャンバ151を凹部108からより引き出しやすくなり、それは、液体チャンバ151が常に接触面254eの最も急峻な角度と係合することになるからである。最も急峻な角度によって、液体チャンバを凹部108から引き出すのに必要な力が決まる。
【0212】
代替的な構成において、バリア251は、ガード200のベース201が、液体チャンバ151を凹部108から取外し方向RDに移動させることによって曲がらないように構成される。バリア251は、液体チャンバの取外し方向において液体チャンバとバリアの接触面が接触しても、バリア251は被覆位置から移動しないように構成される。この構成において、接触面は、液体チャンバの取外し方向RDに関して約90度以下の角度αであってよい。
【0213】
角度が90度以下であると、ガードは、液体チャンバ151を凹部108から取外し方向RDに引くことによって作動させることができない。角度が90度よりわずかに大きいと、液体チャンバ151を凹部108から引き出すのに必要な力は、ガードの付勢力や使用者が液体チャンバ151をどの程度強く引き出すと予想されるか等の要素に応じて実現不能に大きくなるかもしれない。したがって、バリア251は、ガードが使用者によって作動されなければ、液体チャンバ151を取り外せないようにする。液体チャンバ151を取り外すには、使用者はバリア251を押し下げてベース201を曲げ、バリアが液体チャンバ151を凹部108から取り外すのを妨害しなくなるようにする必要がある。
【0214】
液体チャンバ151が凹部108の中で受けられると、液体チャンバのベースフランジ155(又は、フランジがない場合はベース154)は、下方及び後方に傾斜する後壁部分254e等のバリア251の表面と接触するかもしれない。これは、ガードが液体チャンバを取外し方向RDに移動することによって作動させることができない構成において、液体チャンバ151の移動を阻止し、液体チャンバ151をポート161、163と接続された状態に保持するのを助ける機能を果たす。代替的に、液体チャンバが凹部108の中に完全に受けられると、ベースフランジ155とバリア251との間に、例えば約0.5mmの小さいギャップがあってよい。
【0215】
それに加えて、組立時にバリア251と液体チャンバ151との間を干渉嵌りとすることによって、ガード200のバリア251は、液体チャンバ151が完全に挿入されないかぎり、その被覆位置に戻らない。これは、接触面254eの角度に関係なく当てはまるかもしれない。これは、使用者に対し、ガード200のバリア251がその被覆位置に戻ったときに液体チャンバが正しく接続されたことを示す。液体チャンバ151を正しく接続することは、それによって空気圧シールが形成されたことが確実となるため、重要である。
【0216】
液体チャンバを挿入する/取り外す前に、使用者はガード200を押し下げてガードを曲げてよく、それによってバリア251がずれる。代替的に、ガードは、使用者が必ずしもこれを行わなくてもよいように設計されてもよい。液体チャンバ151を挿入するとき、使用者はまず液体チャンバを液体チャンバの最終位置より高い位置まで、及び/又は呼吸補助装置10のベースユニット50のハウジング100に対して斜めに(液体チャンバ151の接続面は下方に傾斜する)挿入してよい。液体チャンバ151が挿入されると、液体チャンバ151のベースフランジ155は傾斜する前方壁部分254c又は後方に突出する上側壁部分254dに押し付けられて、ガードのバリア251を下に下げられたアクセス位置へと押す。液体チャンバ151が凹部108の中に完全に挿入されると、ガード200は曲がり、それによってバリア251は被覆位置に戻り、バリア251は使用者が液体チャンバのベースフランジ155に接触するのを阻止する。被覆位置に戻るバリアは、液体チャンバ151が呼吸補助装置のポート161、163に完全に接続されたことを使用者に知らせる表示として使用できる。
【0217】
ガード200は、バリア251が被覆位置へと付勢させるように構成される。
【0218】
1つの構成において、1つ又は複数の付勢装置は、ハウジング100とガード20
0の一部分との間でバリア251を被覆位置に付勢するように機能する。付勢装置は、ハウジング100とガード200との間のどこに配置することもでき、これは例えばハウジング100とバリア251又はガード200のベース201との間である。付勢装置は、有利な点として、ガード200の前方の付近に位置付けられてよく、これは、それによってガード200を通じてより大きなモーメントが生じるからである。図の構成において、付勢装置は、ハウジング100とバリア251との間、特に下側シャシ104とバリア251との間で機能する。付勢装置は、ばね、弾性ブロック、若しくは部材等の何れの適当な形態又は、他の何れの適当な構成を有していてもよい。
図10及び15は、圧縮コイルばね173がハウジング100とバリア251との間で付勢力を提供する1つの例示的な構成を示す。代替的な構成において、ばねは緊張状態で動作でき、付勢力はハウジング100とガード
200を相互に向かって引っ張る。ハウジングの下側シャシは、半径方向に延びるベースサポート175aと、凹部108の前方端に、又はそれに隣接して位置付けられる直立突起175bとを含む2つのばねマウントを含む。上側部分、例えばバリア251の後方に突出する上側壁部分254dの下面は、ばね173の上端を受ける凹部を含む2つの対応するばねマウント256を含む。凹部を提供することによって、ばねの上端が外れる可能性が最小限となる。
【0219】
何れの適当な数の付勢装置、例えば1、2、3、又はそれ以上の付勢装置が使用されてもよい。ガード200のベース201は曲げている間に実質的にねじれないようにされているため、1つの付勢装置で十分であるかもしれない。付勢装置マウントは、使用される付勢装置の種類に応じて変更できる。
【0220】
付勢装置が使用される場合、ガードのベース201は柔軟であるが弾性的に柔軟ではなく、それによってベース201は被覆位置への付勢力を提供しない。
【0221】
代替的に、又はそれに加えて、ガード200の一部は弾性的に柔軟であり、バリア251を被覆位置に付勢する。1つの構成において、ガード200のベース201の前記少なくとも一部は弾性的に柔軟であり、バリア251を被覆位置へと付勢する。すなわち、幾つかの構成において、バリア251は、ガードのベース201の弾力のみによって、1つ又は複数の付勢装置のみによって、又は付勢装置とガード200のベース201の弾力との組合せによって被覆位置に付勢されてよい。
【0222】
バリア251を被覆位置に付勢することにより、使用者がガード200を操作し始めるために克服する必要のある付勢力が提供される。それに加えて、これは、呼吸補助装置の寿命の中で生じ得るガード200のわずかな変形の原因となり、それによって、作動されていないときにバリア251を正しい被覆位置に戻すことにより、ガード200が確実に所期の機能を果たすのを助ける。
【0223】
前述のように、ガード200はハウジング100の外部に取り付けられる。この利点は、使用者が呼吸補助装置10のベースユニット50のどちら側からでもガード200を見ることができる点である。これは、ガードの色が前述のように装置の目的又は機能を識別するために使用されてよいため、有利である。代替的に、又はそれに加えて、バリア251とハウジング100との間の接触は、液体チャンバ151が凹部108の中に正しく/完全に挿入されて、装置10のポート161、163と接続されたか否かを特定するために使用されてよい。
【0224】
後述のような異なる色の異なる表面を有するベースユニット50の例示的な構成は、
図26及び27に示されている。
【0225】
ハウジング100は、第一の色を有する表面110a、110b等の外面を含む。幾つかの構成において、上側シャシ102の全体が第一の色を有していてよい。代替的に、上側シャシ102の異なる領域は異なる色を有していてよい。ハウジング100の一部、例えば延長部112の表面112a、112b、112c(
図15)のうちの1つ又は複数は、第一の色とは異なる第二の色を有する。幾つかの構成において、下側シャシ104の全体が第二の色を有していてよい。代替的に、下側シャシ104の異なる領域は異なる色を有していてよい。
【0226】
ガード200は、延長部材112の第二の色とは異なる色を有する。幾つかの構成において、ガード200は、第一の色及び第二の色とは異なる第三の色を有する。代替的に、ガードは、第一の色と同じであるが、第二の色とは異なる色を有していてよい。
【0227】
第二の色は、第一の色及び、該当する場合は第三の色とは視覚的に区別されるように選択される。例えば、色間に高いコントラストがあってよい。代替的に、又はそれに加えて、第二の色は、警告に典型的に関連付けられる色、例えば赤又は橙色となるように選択されてよい。
【0228】
バリア251は、バリアが被覆位置にあるときにハウジングのうち第二の色を有する部分112を覆い、第二の色を有する部分が装置10の外から見えなくなるように構成される。バリア251は、バリア251が被覆位置にないときに第二の色を有する部分112を露出させて、バリアが被覆位置にないときには第二の色を有する部分が装置10の外から見えるように構成される。
【0229】
延長部材112は、バリアが被覆位置にあるとき、バリア251の一部の背後及び/又は下方に位置付けられる。特に、延長部材112は、バリアが被覆位置にあるとき、バリア251の直立部分255の背後及び/又は下方に位置付けられ、延長部材112は、バリア251が被覆位置にないときには直立部分255によって露出される。
【0230】
同様の色特徴を、バリア251上の1つの直立部分255及びハウジング上の1つの延長部材112を有する装置に、又はバリア上に直立部分を持たない装置に組み込むことができる。例えば、バリア251は横断部材253を含んでいてよく、これはバリア251が被覆位置にないときにハウジング100の色を有する部分を露出させ、バリアが被覆位置にあるときにハウジング100の色を有する部分を覆う。
【0231】
上述の構成では、バリア251が被覆位置にあるとき、バリアの表面255a、257aはハウジング100の表面109a、102aと接触し、それによって使用者はハウジングの第一の色とバリア251の色を、上から、及び/又は装置の片側からしか見ることができない。これは、バリア251が被覆位置にあることを示す視覚的表示として機能する。
【0232】
第二の色は、バリア251が十分に被覆位置にないときは常に、装置の外からハウジングとバリア251の第一の色間に見える。これは、バリア251が十分に被覆位置にないことを示す視覚的表示として機能する。第二の色は、上から、及び/又は装置の何れの側からも見え、この特徴がより見えやすくなる。
【0233】
ガードのバリア251が完全にその被覆位置に戻ることは、使用者に対し、液体チャンバ151が装置のポート161、163に十分に接続されたことを示す。したがって、使用者によりハウジング100とガード200との間から第二の色が見えるか否かは、液体チャンバ151が十分に挿入され、接続されたか否かの表示を提供することになる。
【0234】
図18~22に示されるように、液体チャンバ保持ガイドレール300が凹部108の中に提供される。ガイドレール300は、凹部108の壁に関して固定され、それによってハウジング100に関して移動しない。液体チャンバ151が凹部108に挿入されると、そのベースフランジ155はガイドレール300の下に位置付けられて、凹部108内の液体チャンバの上方への移動を阻止する。加熱板140は、1つ又は複数の付勢装置によって上方に付勢されてよく、上方への力が液体チャンバの下面に加わり、液体チャンバは加熱板140とガイドレール300との間に保持される。
【0235】
ガイドレール300は、半円形の部分的リングの形状であり、液体チャンバ151のベースフランジ155と相補的である。ガイドレール300は、凹部108の後面及び側面の周囲並びに液体チャンバ151のベースフランジ155の後面及び側面の周囲に延びるが、前方に開放して、ベースフランジ155の後面及び側面がガイドレール300の下になる状態で、液体チャンバを前から凹部に挿入できるように構成される。液体チャンバ151のベースフランジ155の前方縁は、液体チャンバ151が凹部108の中に位置付けられると、ガイドレール300から露出する。ガイドレール300は加熱板140からの上方への力に対抗するため、液体チャンバの大部分と相補的なガイドレールが好ましく、これは、それによって前記負荷がより均等に分散されるからである。
【0236】
図18及び19に示されるように、ガイドレールの下面は、ガイドレールの前方縁301から下方及び後方に延びる傾斜区間303を含む。下面の残りの部分は平坦区間305を含み、これは各傾斜区間303から後方に、及びガイドレール300の後方部分の周囲に延びる。平坦区間305は、組み立てられて、加熱板からの上方への力に対抗するとき、液体チャンバ151上のベースフランジ155と接触する役割を果たす。平坦区間305は、液体チャンバ151の底部に、及び/又は加熱板140の上面と平行であり、それによって液体チャンバ151のベースフランジ155はこれらの間でスライドできる。
【0237】
傾斜区間303は、使用者が液体チャンバ151を呼吸補助装置10に連結するときに液体チャンバ151を整列させるのを助ける。例えば、傾斜区間303により、使用者は液体チャンバ151を凹部108内の液体チャンバの最終位置より高い高さから、及び/又は下向きの角度で挿入できる。使用者が液体チャンバ151を凹部108に押し込むと、傾斜区間303は液体チャンバを下方に、それが加熱板140及び/又はバリア251と接触するまで案内する。使用者が引き続き液体チャンバ151の挿入を続けると、液体チャンバは傾斜区間303によって引き続き下方に付勢され、それによって加熱板140のばねを圧縮し、及び/又はガード200を曲げて、バリア251がずれる。液体チャンバ151が平坦区間305に到達すると、液体チャンバは呼吸補助装置のポート161、163へと水平に押し付けられる。液体チャンバ151が十分に接続されると、バリア251は液体チャンバ151の底と接触しなくなり、バリア251はその被覆位置に戻る。
【0238】
図19及び20に示されるように、ガイドレール300は概してZ字形の断面形状を有し、これは直立壁部分307、直立壁部分307の最下部の、又はそれに隣接する地点から半径方向に内側に延びる平坦ベース区間305、及び直立壁部分307の最上部の、又はそれに隣接する地点から半径方向に外側に延びる上側フランジ309を含む。
【0239】
第一の接続機構311は、平坦ベース区間305の上面上に、又はその中に提供される。第二の接続機構313は、上側フランジ309の下面上に、又はその中に提供される。何れの接続機構も、突起及び/又は凹部の形態をとることができ、呼吸補助装置のハウジング100の相補的な突起及び/又は凹部と係合するように構成される。接続機構は、実質的に環状であり、実質的にガイドレール300の周囲全体にわたって延びていてよく、又は複数の不連続の第一の接続機構311及び/又は第二の接続機構313を提供することもできる。液体チャンバ151のベースフランジ155と接触する平坦水平面を提供するために、リングの平坦ベース区間305は、半径方向に内側に、リングの中心に向かって延び、上側フランジ309は、半径方向に外側に、リングの中心と反対に延びる。
【0240】
図22は、ガイドレール300とハウジング100の上側及び下側シャシ部102、104との間の係合を示す。下側シャシ104は、リングの上側フランジ309上の下向きの接続機構313と接続されるように構成される。上側シャシ102は、リングの平坦ベース区間305上の上向きの接続機構311と接続されるように構成される。上側及び下側シャシ102、104が相互にしっかりと固定されると、ガイドレール300は呼吸補助装置のハウジング100に関してしっかりと配置され、それを所定の場所に固定するための別の接着剤又は固定具は必ずしも必要ではない。
【0241】
図の形態において、上側シャシ102の実質的に垂直な壁区間102bの底縁は、接続機構309と係合する相補的な接続機構102cを有する。下側シャシ104の2つの壁部分104b、104c間のインステップ104aは、接続機構311と係合する相補的な接続機構104dを有する。この構成は、凹部108の側面及び後部の周囲に延びる。
【0242】
上側シャシ部102の実質的に垂直な壁区間102bは、リングの直立壁部分307の最も内側の面及び内側に延びる平坦ベース区間305の内側の形状と一致する。リングの縁と上側シャシ102の実質的に垂直な壁区間102bは、半円形の液体チャンバ凹部108の上側区間を形成する。液体チャンバ凹部108のこの上側区間の直径は、液体チャンバ151のベースフランジ155の直径より小さい。そのため、使用者が液体チャンバ151を凹部108に、ベースフランジがガイドレール300の上にある状態で挿入しようとすると、フランジが上側区間の壁と接触し、液体チャンバ151は挿入できなくなる。これによって、使用者が液体チャンバを凹部108に、ベースフランジ155がガイドレール300の上にある状態で、正しくない方法では挿入できなくなり、それによって液体チャンバ151の挿入がより直感的となる。それに加えて、凹部108の上側区間の直径は液体チャンバ151の本体の直径より実質的に広く、それによって使用者は、それを凹部108に挿入し/そこから取り外す際に、液体チャンバの側面を握ることができてよい。
【0243】
呼吸補助装置10のベースユニット50のハウジング100及び/又はガード200は、1つ又は複数の排出ポート又は排出スペース171を含み、液体はガード200のベース201を通じて、又はその周囲に排出できる。液体チャンバ151の接続/切断中に液体がこぼれた場合、これは呼吸補助装置10の何れかの電子部品の付近に溜まるのではなく、排出ポートを通じて流れることになる。
【0244】
例えば
図14に示されるように、ハウジング100のベースは、前方/側方排出ポート108bと後方排出ポート108cを含んでいてよい。排出ポートは、加熱板140の付近に位置付けられる。前述のように、ガード20
0のベース201の大部分がハウジング100のベースと接触しなくてよいため、何れかの液体が排出ポート108b、108cを通じて流れ、これはベース部分201の側面とハウジングの底壁115との間に提供される空間171を通じて引き続き排出されるはずである。
図8を参照すると、ガード200は1つ又は複数の排出ポート、例えばバリアの下側壁部分254aの排出ポート254を含み、液体の排出を支援してもよい。下側壁部分の排出ポート254は、バリア251がアクセス位置にあるときに、液体を排出することになる。
【0245】
ハウジング100及び/又はガードは、何れの適当な構成及び/又は数の排出ポートを有することもできる。
【0246】
図23~25は、代替的な例示的構成を示す。ハウジング100のベースは、後方/側方排出ポート108d及び前方中央排出ポート108eを含む。排出ポートは、加熱板140の付近に位置付けられる。後方/側方排出ポート108dを通過する液体は、ガードのベース201とハウジング100のベースとの間の空間を通じて方向LDへと通過できる。
【0247】
前方中央排出ポート108eは、後方/側方排出ポート108dよりガード200のベース201の縁から遠いため、このポート108eを通って排出される液体は、後方/側方排出ポート108dの場合ほど容易に引き続きガード200のベース201の縁の周囲から排出されないかもしれない。そのため、この構成では、ガード200のベース201は、排出ポート212を有する。この排出ポート212は、前方中央排出ポート108eの実質的に真下に位置付けられてよく、それによって前方中央排出ポート108eを通じて排出された液体はすべて、引き続き排出ポート212を通じて排出される。排出ポート212は、何れの適当な形状を有することもでき、例えばアラインメント穴211と同様の形状又は円形形状である。ガード200のベース201には複数の排出ポート212が提供されてもよい。
【0248】
本開示は、特定の実施形態の点から説明されているが、当業者にとって明らかなその他の実施形態も本開示の範囲に含まれる。それゆえ、本開示の主旨と範囲から逸脱することなく、様々な変更や改良を加えてよい。例えば、各種のコンポーネントは希望に応じて位置を変えてよい。説明された実施形態の何れかにおける特徴は、相互に組み合わせられてよく、及び/又はある装置は、前述の実施形態の特徴の1つ、複数、又は全部を含んでいてよい。さらに、特徴、態様、及び利点の全てが本開示の実施に必ずしも必要というわけではない。したがって、本開示の範囲は、後述の特許請求の範囲によってのみ定義されるものとする。
【0249】
上述の様々な構成は例示的な構成にすぎない。構成の何れかにおける1つ又は複数の特徴は何れも、他の構成の何れかにおける1つ又は複数の特徴の何れとも組み合わせて使用されてよい。
【0250】
ガード200の特徴は、少なくともその一部が柔軟であるベース201を有するガード200に関して説明する。代替的に、ガード200の1つ又は複数の特徴は、曲がるベースを持たないガードに含めることもできる。例えば、バリア251の傾斜接触面254eは、柔軟ベース201を持たないガードに組み込むことができる。その代わりに、傾斜接触面254eは、被覆位置とアクセス位置との間で実質的に垂直に直線移動可能であり、付勢装置を使ってバリアが被覆位置へと付勢されるガードのバリアに組み込むことができる。このような構成によっても依然として、液体チャンバを凹部108に関して取外し方向RDに移動させることによって、バリアをアクセス位置へと移動させることができる。しかしながら、柔軟ベース201を有するガード200は好ましい構成であり、それは、コンポーネント数が最少となるからである。したがって、柔軟ベース201を有するガード200の構成は、より簡単な製造及び組立を提供し、また、ガード200のバリア251の付近に装置のコンパクトな領域を提供する。
【0251】
ガード200は、固定具によってハウジング100に接続される別のコンポーネントとして説明されている。代替的に、ガード200及び/又はハウジングは、ガード200をハウジング100に固定するために、クリップ等、内蔵された相補的な連結機構を含むことができる。
【0252】
代替的に、ガード200は、ハウジング100の一体的コンポーネントとすることによってハウジングに取り付けることができる。これは、下側シャシ部104から延びるタブとしてのベース201を有することによって行うことができ、ベース201の各側には切欠きがあり、それによってガード200はハウジング100の残りの部分に関して曲がることができる。この構成は、ガード200が損傷した場合、下側シャシ104の全体を交換しなければならないため、より好ましくない。
【0253】
ガード200は、加熱及び加湿ガスを患者又は使用者に送達できる呼吸補助装置に関して説明した。装置は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に適していてよい。装置は、ガスを患者インタフェースに高流量で(高流量療法)、特に鼻高流量療法を送達するように構成されてよい。
【0254】
或いは、ガード200は異なる目的の装置で使用されてもよい。装置は、高流量療法装置であっても、又は低流量療法装置であってもよい。例えば、特徴は、ガス(加湿又はそれ以外)をより低流量で送達してよい持続的気道陽圧(CPAP)を提供するための装置の中に提供されてもよく、又は医療用ガス注入装置の中に提供されてもよい。
【0255】
ガードは、自立型加湿器で使用できる。自立型加湿器は、ハウジング、液体チャンバ151を受ける凹部108、及び加熱板140を有していてよいが、モータユニットはなくてよい。自立型加湿器は、外部供給源からガスを受けてよい。
【0256】
したがって、代替的な形態の呼吸補助装置10は、主ハウジングと加湿器12を画定するベースユニット50を含む自立型加湿装置であってよい。
【0257】
自立型加湿装置は、呼吸療法、腹腔鏡手術、及びその他を含む各種の医療処置のための加熱及び加湿ガスを送達できる。これらの装置は、温度及び/又は湿度を制御するように構成できる。装置はまた、加熱及び/又は加湿ガスを患者に、及び/又は患者から輸送するために使用できる各種のコンポーネントを含む医療用回路を含むこともできる。例えば、幾つかの呼吸回路の中で、患者が吸い込むガスは吸気チューブ又はコンジットを通じて加熱-加湿器から送達される。他の例として、チューブは加湿ガス(一般的にCO2)を送気回路内で腹腔へと送達できる。これは、患者の体内器官の乾燥、すなわち「ドライアウト」を防止するのを助けることができ、それによって術後の回復に要する時間を短縮できる。加熱器のワイヤは、回路を形成する配管の少なくとも一部の内部まで延びて、顕著な結露の形成の可能性を防止又は少なくとも低下させる。
【0258】
自立型加湿装置は、典型的にベースユニット50と加湿器液体チャンバ151を含む。ベースユニット50は、加熱板140を含むことができる。液体チャンバ151は、水等のある体積の液体を保持するように構成できる。加熱板は、液体チャンバ151内に保持されるある体積の液体を加熱して蒸気を発生させるように構成できる。
【0259】
液体チャンバ151はベースユニットから取外し可能であり、それによって液体チャンバの殺菌若しくは処分、又はチャンバへの液体の再充填をより行いやすい。液体チャンバ151の本体は、非伝導性ガラス又はプラスチック材料から形成できるが、液体チャンバは伝導性コンポーネントを含むこともできる。例えば、液体チャンバは、加熱器ベースの上の加熱板と接触する、又はそれと関連付けられる高熱伝導性ベース(例えば、アルミニウムのベース)を含むことができる。
【0260】
ベースユニットまた、マスタコントローラ等の電子コントローラも含むことができる。ユーザインタフェースを介した使用者の設定による湿度又は温度値の入力及びその他の入力に応じて、マスタコントローラはいつ(又はどの程度まで)加熱板140を励起させて、液体チャンバ151内の液体を加熱するかを特定する。
【0261】
自立型加湿装置は、ガスを液体チャンバに送達するガス発生器を含むことができる。幾つかの構成において、ガス発生器は、ベンチレータ、ブロワ、又は呼吸又は医療処置での使用に適した加圧ガスの他の何れの適当な供給源を含むこともできる。流れ発生器は、ベースユニット50の中に位置付けられてよい。
【0262】
代替的に、自立型加湿装置は、ベースユニット50と液体チャンバ151だけを含んでいてもよく、別の、又は離れた場所にある流れ発生器と共に使用されてもよい。ベースユニット50は、別の、又は離れた場所にある発生器と流体接続するように構成されてよい。
【0263】
したがって、自立型加湿装置と共に使用される流れ発生器は、例えば壁設置型ガス供給源、ベンチレータ、ブロワ、又はガスボンベであってよい。
【0264】
自立型加湿装置は、呼吸療法、陽圧装置、非侵襲的換気、腹腔鏡手術を含むがこれに限定されない外科的処置、及びその他で使用することができる。望ましくは、加湿装置は、湿気又は蒸気をガスの供給部に供給するようになすことができる。加湿装置は、持続的、可変的、若しくはバイレベルPAPシステム又はその他の形態の呼吸療法で使用できる。幾つかの構成において、加湿装置はこのような何れの種類の療法を提供するシステムにも組み込むことができる。
【0265】
例示的な自立型加湿装置は、国際公開第2015/038013号に記載されている。その明細書の内容の全体を参照によって本願に援用する。
【0266】
自立型加湿装置は、本願で説明又は図示される特徴の何れか1つ又は複数を有していてもよい。
【0267】
ガードは、異なる形状の液体チャンバを有する装置の中でも使用でき、ガードのバリアは相応に変更されたその形状を有することができる。
【0268】
本明細書における何れの先行技術への言及も、その先行技術が世界中の何れかの国の努力傾注分野における一般常識の一部をなすとの認識又はいかなる示唆でもなく、そのように解釈されるべきではない。
【0269】
本明細書において方向を指す用語、例えば「上」、「下」、「前方」、「後方」、「水平」、「垂直」等に言及されている場合、これらの用語は、装置が典型的な使用中の姿勢にある場合に関し、及び/又は図中に示される特定の向きに関するものであり、相対的な方向又は向きを示し、及び/又は説明するために使用されている。