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特許7495413土木建設現場管理システム及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】土木建設現場管理システム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20240528BHJP
   G01S 19/04 20100101ALI20240528BHJP
   G01S 19/43 20100101ALI20240528BHJP
   H04W 4/021 20180101ALI20240528BHJP
【FI】
H04M11/00 301
G01S19/04
G01S19/43
H04W4/021
【請求項の数】 40
(21)【出願番号】P 2021540316
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-14
(86)【国際出願番号】 AU2019051415
(87)【国際公開番号】W WO2020142801
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】2019900075
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】521304368
【氏名又は名称】アプテッラ プロプリエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】アーロン クレンスケ
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-181204(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0200755(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0365259(US,A1)
【文献】特表2008-510992(JP,A)
【文献】国際公開第2018/053330(WO,A1)
【文献】特開2016-024689(JP,A)
【文献】特表2019-530385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
H04M 1/72- 1/72516
H04M 11/00-11/10
H04W 4/00-99/00
G06Q 10/06-10/067
G01S 5/00- 5/14
G01S 19/00-19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木建設現場を少なくとも部分的に定義する少なくとも1つの仮想境界と、
少なくとも1つのグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)アンテナ及び少なくとも1つのモデムを含む少なくとも1つのローバーデバイスと、
前記土木建設現場のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正データ及びプロジェクトファイルデータを前記少なくとも1つのローバーデバイスに提供するため並びに前記少なくとも1つの仮想境界に対する前記少なくとも1つのローバーデバイスの位置を決定するための少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバと、を含み、
前記ローバーデバイスが前記少なくとも1つの仮想境界に入るときに前記RTK補正データ及び前記プロジェクトファイルデータが前記少なくとも1つのローバーデバイスに送信され、前記ローバーデバイスが前記少なくとも1つの仮想境界を出るときに前記RTK補正データ及び前記プロジェクトファイルデータが前記少なくとも1つのローバーデバイスから除去される、土木建設現場管理システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの仮想境界が、前記土木建設現場の周囲の又は部分的に周囲の地理的周辺を定義する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの仮想境界が、前記地理的周辺を定義するためにGNSS又は無線周波数識別(RFID)を利用するジオフェンスを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの仮想境界が、前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバによってホストされる、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのローバーデバイスが、オペレータに動作可能に関連付けられている、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのローバーデバイスが、車両に動作可能に関連付けられている、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのローバーデバイスが、前記車両に取り付けられたポールに取り付けられている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記車両が陸上作業機材であり、前記少なくとも1つのローバーデバイスが前記車両の先端又はその近くに取り付けられている、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのローバーデバイスの前記少なくとも1つのモデムが、前記少なくとも1つのモデムと前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバとの間でのデータの伝送のために前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバと通信するように構成されている、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記データが、前記少なくとも1つの仮想境界に対する前記少なくとも1つのローバーデバイスの位置、前記少なくとも1つのローバーデバイスの識別情報、前記RTK補正データ、及び前記プロジェクトファイルデータのいずれか1つを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、RTK補正データのソースと通信する、請求項1~10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記ソースが、現場での単一固定基地局又はRTK基地局のネットワークから選択される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのローバーデバイスの前記少なくとも1つのGNSSアンテナ及び少なくとも1つのモデムとインタフェースするため及び前記プロジェクトファイルデータを表示するために前記少なくとも1つのローバーデバイスに動作可能に接続されたディスプレイデバイスを更に含む、請求項1~12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記プロジェクトファイルデータのソースと通信する、請求項1~13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
前記ソースが、前記土木建設現場のプロジェクトマネージャ等によって管理されるコンピューティングデバイスである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つのローバーデバイス及び前記プロジェクトファイルデータのソースとの間で通信情報を送信及び受信するように構成されており、前記通信情報が通信ネットワークを介して受信及び送信される、請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項17】
前記通信情報が、前記少なくとも1つのローバーデバイスと前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバとの間、及び前記プロジェクトファイルデータのソースと前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバとの間で確立されたプライベートネットワーク接続を介して受信及び送信される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、複数のローバー識別子を含む少なくとも1つのデータベースと通信しており、前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記データベース内のあるローバー識別子を検索して前記少なくとも1つのローバーデバイスを認証する、請求項1~17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つのローバーデバイスからの接続要求について通信ネットワークを監視しており、ある要求を受信することに応答して、前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つの仮想境界に対する前記少なくとも1つのローバーデバイスの場所を決定し、前記少なくとも1つのローバーデバイスのアイデンティティを認証する、請求項1~18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記接続要求と共に前記少なくとも1つのローバーデバイスによって提供される位置情報に基づいて、前記少なくとも1つのローバーデバイスの位置を決定する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つのローバーデバイスが、前記位置情報及び識別情報を前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバにブロードキャストする、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記位置情報及び識別情報が、ポーリングされるときにブロードキャストされる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記位置情報及び識別情報が、所定のスケジュールに従ってブロードキャストされる、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記少なくとも1つのローバーデバイスが前記少なくとも1つの仮想境界に位置していること及びそのアイデンティティが認証されていることに応答して、前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つのローバーデバイスへの安全な接続を確立し、少なくとも前記RTK補正データ及び前記プロジェクトファイルデータを前記少なくとも1つのローバーデバイスに送信する、請求項1~23のいずれかに記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのローバーデバイスが前記少なくとも1つの仮想境界の外側に位置していること及びそのアイデンティティが認証されていることに応答して、前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つのローバーデバイスから前記プロジェクトファイルデータを削除する、請求項1~24のいずれかに記載のシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つのローバーデバイスへの安全な接続を確立し、前記少なくとも1つのローバーデバイスのメモリユニットにアドレスして、当該デバイスが前記土木建設現場に固有のプロジェクトファイルデータを含んでいるかどうかを決定する、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記プロジェクトファイルデータの現在のバージョンを維持する、請求項1~26のいずれかに記載のシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つのローバーデバイスのアイデンティティが認証され得ないことに応答して、前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つのローバーデバイスとの安全な接続を確立しない、請求項1~27のいずれかに記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記土木建設現場のプロジェクトマネージャ等のコンピューティングデバイスにアラート通知を送信して、識別されていない前記少なくとも1つのローバーデバイスを通知する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つのローバーデバイスとのネットワーク接続を確立するための接続サーバと、前記接続サーバと通信して前記プロジェクトファイルデータのデータベースを維持することに関与するファイルサーバと、前記接続サーバと通信して前記少なくとも1つの仮想境界をホストすることに少なくとも関与するマップサーバと、前記接続サーバと通信してRTK補正値のデータベースを維持することに関与するCORSサーバと、を含む、請求項1~29のいずれかに記載のシステム。
【請求項31】
前記ファイルサーバ、前記マップサーバ、及び前記CORSサーバが、前記接続サーバを介して前記少なくとも1つのローバーデバイスとのみ通信する、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記接続サーバが前記少なくとも1つのローバーデバイスのアイデンティティを認証すると、前記ファイルサーバ、前記マップサーバ、及び前記CORSサーバが、前記少なくとも1つのローバーデバイスと直接通信する、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
土木建設現場でプロジェクトファイルデータを管理する方法であって、
前記土木建設現場を少なくとも部分的に定義する少なくとも1つの仮想境界を確立することと、
少なくとも1つのGNSSアンテナ及び少なくとも1つのモデムを含む少なくとも1つのローバーデバイスの前記少なくとも1つの仮想境界に対する位置を監視することと、
前記少なくとも1つのローバーデバイスが前記少なくとも1つの仮想境界に入ることに応答して、RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバから前記少なくとも1つのローバーデバイスに送信することと、
前記少なくとも1つのローバーデバイスが前記少なくとも1つの仮想境界を出ることに応答して、前記少なくとも1つのローバーデバイスから少なくとも前記プロジェクトファイルデータを削除することと、を含む方法。
【請求項34】
前記確立することが、GNSS又は無線周波数識別(RFID)を利用して前記土木建設現場又はその一部の周辺の周囲の地理的境界を定義するジオフェンスを確立することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記監視することが、前記少なくとも1つのローバーデバイスにアドレスして前記少なくとも1つの仮想境界に対する前記デバイスの位置を監視する少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバによって行われる、請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
前記監視することが、前記少なくとも1つのローバーデバイスからの接続要求について通信ネットワークを監視している前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバによって行われ、要求を受信することに応答して、前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つの仮想境界に対する前記少なくとも1つのローバーデバイスの位置を決定する、請求項33又は34に記載の方法。
【請求項37】
前記監視することが、前記少なくとも1つのローバーデバイスが少なくとも位置情報を前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバにブロードキャストすることを含む、請求項33又は34に記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つのローバーデバイスが前記少なくとも1つの仮想境界に入ることに応答して、RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバから前記少なくとも1つのローバーデバイスに送信する前に、前記少なくとも1つのローバーデバイスのアイデンティティを認証し、前記少なくとも1つのローバーデバイスが前記少なくとも1つの仮想境界を出ることに応答して、前記RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを削除する前に、前記少なくとも1つのローバーデバイスのアイデンティティを認証する、請求項33~37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも1つのローバーデバイスの位置が前記少なくとも1つの仮想境界内にあると決定されていること及びそのアイデンティティが認証されていることに応答して、前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つのローバーデバイスとの安全な接続を確立し、前記RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを前記少なくとも1つのローバーデバイスに送信する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも1つのローバーデバイスが前記少なくとも1つの仮想境界を出ていると決定されていること及びそのアイデンティティが認証されていることに応答して、前記少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバが、前記少なくとも1つのローバーデバイスからプロジェクトファイルデータを削除する、請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木建設現場での少なくともプロジェクトファイルデータの管理のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの土木建設現場は、現場での調査データの収集のために、また現場で例えば掘削機、ブルドーザ、及びモーターグレーダ等の陸上作業機材の操作をガイドするために、衛星ベースの測位システムからもたらされた正確な位置データを利用している。このような土木建設現場では、作業の検査や品質保証の目的で、携帯型のポールマウント衛星測位システムも利用している。
【0003】
このようなシステムは、車載型であるか携帯型であるかにかかわらず、通常、リアルタイムキネマティック(RTK)測位システムを更に用いて、例えば、GPS、GLONASS、Galileо、及びBeiDou等のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)からもたらされる位置データを強化している。RTK測位システムは、一般的に、GNSS信号の搬送波の位相を信号の他の情報コンテンツと共に測定し、1つ以上の固定基地局を頼りにしてリアルタイム補正値(RTK補正値)及び最大でセンチメートルレベルの精度を提供する。設定に応じて、RTK補正値は、現場で単一固定基地局から、又は連続動作基準局(Continuously Operating Reference Station)(CORS)ネットワークとして知られるRTK基地局のネットワークを介してブロードキャストされ得る。
【0004】
最新の建設現場では、RTK補正値は、現場で人員及び陸上作業機材に動作可能に関連付けられた、ローバー(rovers)として知られるモバイルユニットにブロードキャストされる。各ローバーデバイスは、典型的には、GNSSからもたらされた位置データを受信するためのアンテナと、ブロードキャストされたRTK補正値を受信し、それらをGNSSからもたらされた位置データに対して適用して位置情報を強化するためのモデムと、を含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、そのようなシステムの問題は、新しいローバーデバイスが現場に到着したときにそれらを設置するプロセスが時間と労力を要し、典型的には、ローバーデバイスのモデムがRTK補正値及びプロジェクトファイルデータをその現場で受信し得るように、ローバーデバイスのモデムの構成(configuration)が必要であることである。この構成プロセスは、通常、個々のローバーデバイスに正しいサーバアドレス/ポート及びログイン詳細を手動で入力することを伴う。
【0006】
そのようなシステムでの別の問題は、現場に対する誤ったプロジェクトファイルデータの不注意な入力及び/又はRTK補正値を受信する上での不具合を通してローバーデバイスを誤って構成してしまうリスク、並びに現場で誤って構成されたローバーデバイスによって引き起こされるその後の問題である。残念ながら、このような問題は珍しいことではなく、早い段階で拾い上げないと、プロジェクトに回復不能なコストを付加し得る。
【0007】
大規模なプロジェクト現場でのそのようなシステムの使用から更に別の問題も生じ、現場の異なるサブエリアに対して複数のプロジェクトファイルが存在してしまうことがある。このような状況においては、プロジェクト現場内でのローバーデバイスの内部移動を正確に監視できないと、誤って構成されたローバーデバイスに起因して、この場合にも不正確で回復不能なコストが発生する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、土木建設現場での少なくともプロジェクトファイルデータの管理のためのシステム及び方法を提供し、これにより、上述した問題の少なくとも1つが少なくとも部分的に克服され、又は有用な若しくは商業的選択が消費者に提供される。
【0009】
本発明の第1の態様によると、土木建設現場管理システムが提供され、このシステムは、
土木建設現場を少なくとも部分的に定義する少なくとも1つの仮想境界と、
少なくとも1つのグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)アンテナ及び少なくとも1つのモデムを含む少なくとも1つのローバーデバイスと、
土木建設現場のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正データ及びプロジェクトファイルデータを少なくとも1つのローバーデバイスに提供するため並びに少なくとも1つの仮想境界に対する少なくとも1つのローバーデバイスの位置を決定するための少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバと、を含み、
ローバーデバイスが少なくとも1つの仮想境界に入るときにRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータが少なくとも1つのローバーデバイスに送信され、ローバーデバイスが少なくとも1つの仮想境界を出るときにRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータが少なくとも1つのローバーデバイスから除去される。
【0010】
本発明の第2の態様によると、土木建設現場管理システムが提供され、このシステムは、
土木建設現場を少なくとも部分的に定義する少なくとも1つの仮想境界と、
オペレータ又は車両に動作可能に関連付けられ、少なくとも1つのGNSSアンテナ及び少なくとも1つのモデムを有する少なくとも1つのローバーデバイスと、
RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータをローバーデバイスに提供するため並びに少なくとも1つの仮想境界に対するローバーデバイスの位置を決定するために少なくとも1つのモデムと通信する少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバと、
少なくとも1つのGNSSアンテナ及び少なくとも1つのモデムとインタフェースするため並びにプロジェクトファイルデータを表示するために少なくとも1つのローバーデバイスに動作可能に接続されたディスプレイデバイスと、を含み、
ローバーデバイスが少なくとも1つの仮想境界に入るときにRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータが少なくとも1つのモデムを介して少なくとも1つのローバーデバイスに送信され、ローバーデバイスが少なくとも1つの仮想境界を出るときにRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータが少なくとも1つのローバーデバイスから除去される。
【0011】
有利なことに、本発明のシステム及び方法は、土木建設現場固有のデータへのアクセスを自動的に管理するための手段を提供し、それにより、ローバーデバイスを手動で設置する(onboarding)という労力及び時間を要する作業を取り除く。また、ローバーデバイスを手動で設置する必要性を排除することにより、ローバーデバイスを誤って構成するリスク、及び誤って構成されたローバーデバイスがもたらす下流側の問題が、回避されないとしても少なくとも減少する。最後に、少なくとも1つの仮想境界、少なくとも1つのローバーデバイス、及び少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバの間での自動的な相互作用は、大規模な土木建設現場でのローバーデバイスの内部移動をより正確に監視する手段を提供する。
【0012】
上記のように、システムは、RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータへのローバーデバイスアクセスを管理するために土木建設現場で用いられるためのものである。しかし、当業者は、システムが、データのアクセス管理が望まれる他の現場で最終的に用いられてよいことを理解するはずである。
【0013】
ここで用いられる場合、「土木建設現場(civil construction site)」という用語は、例えば、道路、橋、運河、ダム、空港、下水道システム、パイプライン、鉄道、輸送堤防、土手、及び建物基礎等の土木構造物が建設及び/又は維持されている任意の建設現場を含んでいてよい。
【0014】
ここで用いられる場合、「プロジェクトファイルデータ」という用語は、現場での1つ以上の土木構造物の建設に関連する任意のデータを含んでいてよい。例えば、プロジェクトファイルデータは、3Dデザイン、無線設定、サーバログイン、及び/又はIPアドレスジョブファイルを含んでいてよい。
【0015】
少なくとも1つの仮想境界は、土木建設現場を少なくとも部分的に定義するための任意の適切なサイズ、形状、及び形態のものであってよい。
【0016】
典型的には、少なくとも1つの仮想境界は、土木建設現場の周囲の又は部分的に周囲の地理的周辺を定義してよい。
【0017】
但し、いくつかの実施形態では、土木建設現場は、2つ以上の仮想境界を含んでいてよい。例えば、大規模な建設現場は、各々が現場のサブエリアを定義する少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、又は少なくとも10の仮想境界を含んでいてよい。
【0018】
一般的に、境界は、土木建設現場の周囲の地理的境界を定義するためにGNSS又は無線周波数識別(RFID)、好ましくはGNSS、より好ましくはGPSを利用するジオフェンス(geo-fence)を含んでいてよい。
【0019】
少なくとも1つの仮想境界は、典型的には、プロジェクトマネージャ等によって設定されてよい。一般的に、プロジェクトマネージャ等は、マッピングソフトウェアを用いて現場の衛星ビューの上に境界を定義してよい。境界は調整可能であってよい。
【0020】
ジオフェンスは能動的又は受動的ジオフェンスであってよい。
【0021】
少なくとも1つの仮想境界は、好ましくは、少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバによってホストされる。
【0022】
上記のように、システムは、少なくとも1つのGNSSアンテナ及び少なくとも1つのモデムを有する少なくとも1つのローバーデバイスを含む。ローバーデバイスは、移動可能なサイズ及び形状であって、現場でオペレータ又は車両と動作可能に関連付けられるサイズ及び形状であってよい。ローバーデバイスは、任意の適切な方法で動作可能に関連付けられてよい。
【0023】
例えば、動作可能にオペレータに関連付けられる場合、ローバーデバイスは、例えば、ポケット若しくはバックパック内又はオペレータによって運ばれるポール上のように、オペレータによって運ばれるようなサイズ及び形状であってよい。
【0024】
車両に動作可能に関連付けられる場合、ローバーデバイスは、車両に取り付けられるようなサイズ及び形状であってよい。ローバーデバイスは、車両に直接又は間接的に取り付けられてよい。例えば、いくつかのそのような実施形態では、ローバーデバイスは、車両に取り付けられたポールに取り付けられてよい。他のそのような実施形態では、ローバーデバイスは、車両の先端又はその近くに取り付けられてよい。車両は、好ましくは、例えば、ブルドーザ、グレーダ、掘削機等の陸上作業機材であってよい。
【0025】
GNSSシステム又はアンテナは、ローバーデバイスの位置座標を決定するために複数の人工衛星、好ましくはGNSS衛星、より好ましくは少なくとも4つのGNSS衛星から電波を受信するように構成されてよい。
【0026】
典型的には、ローバーデバイスは、アンテナからの出力を受信するために、少なくとも1つのGNSSアンテナに関連付けられたGNSS受信機を更に含んでいてよい。
【0027】
少なくとも1つのモデムは、少なくとも1つのモデムとサーバとの間でのデータの伝送のために、少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバと通信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのモデムはセルラーモデムであってよい。他の実施形態では、少なくとも1つのモデムは無線モデムであってよい。
【0028】
データは、ローバーデバイスの位置情報及び/又は識別情報に対応するデータを含んでいてよい。データは、サーバからのRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを含んでいてもよい。サーバは、例えば、現場で単一固定基地局等のRTK補正データのソースと通信してよく又は連続動作基準局(CORS)ネットワークとして知られるRTK基地局のネットワークを介して通信してよく、典型的には後者である。
【0029】
一般的に、ローバーデバイスは、少なくとも1つのGNSSアンテナ及び少なくとも1つのモデムの動作を管理するためのコントローラを更に含んでいてよい。コントローラは、少なくとも1つのGNSSアンテナ及び少なくとも1つのモデム並びにローバーデバイスの任意の他の電気部品に動作可能に接続されていてよい。
【0030】
ローバーデバイスは、コントローラとインタフェースするため及びユーザがローバーデバイスと相互作用するのを可能にするために少なくとも1つのディスプレイを含んでいてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、コントローラは、少なくとも1つのディスプレイに関連付けられていてよい。例えば、コントローラ及び/又は少なくとも1つのディスプレイは、ユーザがローバーデバイスと情報をやりとりし、ローバーデバイスの機能の種々の態様を管理することを可能にするタッチスクリーンを含んでいてよい。
【0032】
他の実施形態では、ローバーデバイスは、ローバーデバイスの機能の種々の態様を管理するための1つ以上のキー又はボタンを含むキーパッド又はタッチパッドを含んでいてよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、コントローラ及び/又は少なくとも1つのディスプレイは、例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチ、又はPDA等の外部コンピューティングデバイスの一部であってよい。外部コンピューティングデバイスは、有線接続又は無線ネットワーク(例えば、Wi-Fi(WLAN)通信、RF通信、赤外線通信、又はブルートゥース(登録商標))を介した無線接続、好ましくは後者によってローバーデバイスに接続されていてよい。
【0034】
好ましい実施形態では、コントローラ及び/又は少なくとも1つのディスプレイは、ローバーデバイスと一体構造のものであってよい。典型的には、そのような実施形態では、コントローラは、1つ以上のプロセッサ及びメモリを含むマイクロコンピュータの形態であってよい。プロセッサは、好ましくは、低電力プロセッサであってよい。プロセッサは、ローバーデバイスの他の電子部品に結合された複数の入力及び出力を有していてよい。
【0035】
例えば、プロセッサは、衛星位置情報を受信するために、少なくとも1つのGNSSアンテナに関連付けられたGNSS受信機に結合された少なくとも1つの入力を有していてよい。同様に、プロセッサは、衛星位置情報を少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバに送信するために、少なくとも1つのモデムに結合された少なくとも1つの出力を有していてよい。更に、プロセッサは、少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバからRTK補正データを受信するため及び衛星位置情報に対して補正データを適用して補正位置情報を取得するために、少なくとも1つのモデムに結合された少なくとも1つの入力を有していてよい。
【0036】
ローバーデバイスは、ローバーデバイスの電気部品に電力を供給するための電力源を更に含んでいてよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、電力源は、例えば、1つ以上のバッテリ又キャパシタ等の車載型(on-board)電力源を含んでいてよい。
【0038】
他の実施形態では、電力源は、太陽光発電ソーラーパネル、インバータ、及び生成された電力を貯蔵するための1つ以上のバッテリを含んでいてよく、そこからローバーデバイスが電力を取り出してよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、ローバーデバイスは、アドレス可能であってよく、例えば、ポーリングされたとき(when polled)に、その位置を少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバに報告してよい。
【0040】
少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバは、任意の適切なサーバコンピュータ、分散型サーバコンピュータ、クラウドベースのサーバコンピュータ、サーバコンピュータクラスタ等であってよい。サーバは、典型的には、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行される実行可能命令/ソフトウェアを含む1つ以上のメモリユニットと、を含んでいてよい。
【0041】
上記のように、サーバは、一般的に、例えば、現場で単一固定基地局等のRTK補正データのソースと通信してよく又は連続動作基準局(CORS)ネットワークとして知られるRTK基地局のネットワークを介して通信してよく、典型的には後者である。
【0042】
サーバは、プロジェクトファイルデータのソース、典型的には、土木建設現場のプロジェクトマネージャ等によって管理されるコンピューティングデバイスと通信してもよい。コンピューティングデバイスは、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのメモリユニット、及び少なくとも1つのディスプレイを含んでいてよい。コンピューティングデバイスは、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットデバイス、スマートフォン、スマートウォッチ、又はPDAの形態であってよい。
【0043】
遠隔アクセス可能サーバは、任意の適切な1つ以上の通信ネットワークを介して、少なくとも1つのローバーデバイス及び/又はプロジェクトマネージャ等のコンピューティングデバイスとの間で通信情報を送信及び受信するように構成される。
【0044】
通信情報は、通信ネットワークを介して受信及び送信されてよく、通信ネットワークは、特に、インターネット、LANs、WANs、GPRSネットワーク、移動通信ネットワーク、無線ネットワーク(UHFバンド)等を含んでいてよく、有線及び/又は無線通信リンク、好ましくは後者を含んでいてよい。
【0045】
通信情報は、好ましくは、ローバーデバイスと遠隔アクセス可能サーバとの間及び/又はプロジェクトマネージャ等によって管理されるコンピューティングデバイスと遠隔アクセス可能サーバとの間で確立されたプライベートネットワーク接続を介して受信及び送信されてよい。
【0046】
例えば、いくつかの実施形態では、プライベートネットワーク接続は、ハイパーテキスト転送プロトコルセキュア(HTTPS)、トランスポート層セキュリティ/セキュアソケット層(TLS/SSL)、又はいくつかの他の安全なチャネル等の暗号化された通信チャネルを介した安全な通信セッションであってよい。
【0047】
但し、好ましい実施形態では、プライベートネットワーク接続は、暗号化された層状トンネリングプロトコル並びに識別子、パスワード、及び/又は証明を含む認証方法を用いて確立されたVPN接続であってよい。
【0048】
例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのローバーデバイスは、少なくとも1つのサーバに登録されていてもよい一意的な識別子を割り当てられてよい。使用において、サーバは、ローバーデバイスに割り当てられた識別子を認証する際に、ローバーデバイスとのVPN接続を確立してよい。
【0049】
そのような実施形態では、サーバは、複数の識別子を含む少なくとも1つのデータベースと通信してよい。これらの識別子は、ローバーデバイス識別子であってよい。サーバは、データベース内のある識別子を検索して、ローバーデバイスを認証してよい。好ましくは、サーバは、複数の識別子を含むデータベースにリンクされていてよく又はデータベースを維持してよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、サーバは、少なくとも1つのローバーデバイスからの接続要求について通信ネットワークを監視してよい。要求を受信すると、サーバは、少なくとも1つの仮想境界に対するローバーデバイスの位置を決定してよく、及び/又はローバーデバイスのアイデンティティを認証してよい。典型的には、サーバは、接続要求とともにローバーデバイスによって提供される位置情報に基づいて、少なくとも1つの仮想境界に対するローバーデバイスの位置を決定してよい。
【0051】
他の実施形態では、少なくとも1つのローバーデバイスは、位置情報及び/又は識別情報を少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバにブロードキャストしてよい。情報は、ポーリングされたとき、又はスケジュールに従って、典型的には後者でブロードキャストされてよい。
【0052】
ローバーデバイスは、好ましくは、所定のスケジュールに従って情報をブロードキャストするように構成されてよい。例えば、ローバーデバイスは、約1分間隔、約2分間隔、約3分間隔、約4分間隔、約5分間隔、約6分間隔、約7分間隔、約8分間隔、約9分間隔、約10分間隔、約15分間隔、約20分間隔、約25分間隔、約30分間隔、約35分間隔、約40分間隔、約45分間隔、約50分間隔、約55分間隔、又は約60分間隔以上で情報をブロードキャストしてよい。
【0053】
ローバーデバイスが境界内に位置していること及びそのアイデンティティが認証されていることに応答して、サーバは、ローバーデバイスとの安全な接続を確立し、RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータをローバーデバイスに送信してよく、その安全な接続は好ましくはVPN接続である。典型的には、サーバは、ローバーデバイスによって提供される位置情報に基づいて、ローバーデバイスが境界内にあるかどうかを決定してよい。
【0054】
ローバーデバイスが境界の外側に位置していること及びそのアイデンティティが認証されていることに応答して、サーバは、ローバーデバイスにプロジェクトファイルデータがある場合、それを削除してよい。そのような実施形態では、サーバは、ローバーデバイスとの安全な接続を確立し、ローバーデバイスのメモリユニットにアドレスして、それが土木建設現場に固有のプロジェクトファイルデータを含むかどうかを決定してよく、ここでもその安全な接続は好ましくはVPN接続である。ローバーデバイスのメモリユニットがプロジェクトファイルデータを含むことに応答して、サーバはメモリユニットからデータを削除してよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、サーバは、プロジェクトファイルデータの最新バージョンを維持してよい。従って、サーバは、ローバーデバイスバージョンがプロジェクトファイルデータの最新バージョンであると決定したことに応答して、プロジェクトファイルデータのサーババージョンをプロジェクトファイルデータのローバーデバイスバージョンで上書きしてよい。いくつかのそのような実施形態では、サーバは、ローバーデバイスバージョンをサーバにコピーし、サーババージョンを上書きする前に、ローバーデバイスバージョンが最新バージョンであるかどうかを決定してよい。他のそのような実施形態では、サーバは、ローバーデバイスバージョンをサーバにコピーする前に、ローバーデバイスバージョンが最新バージョンであるかどうかを決定してよい。一旦コピーされると、ローバーデバイスバージョンは削除されてよい。
【0056】
ローバーデバイスのアイデンティティが認証され得ないことに応答して、サーバは、ローバーデバイスとの安全な接続を確立しなくてよい。サーバは、代わりに、プロジェクトマネージャ等のコンピューティングデバイスにアラート通知を送信して、識別されていないローバーデバイスに通知してよい。
【0057】
アラート通知は、電子的通知であってよく、ショートメッセージサービス(SMS)プロトコル、非構造化補足サービスデータ(Unstructured Supplementary Service Data)(USSD)プロトコル、安全なインターネット接続、又はコンピューティングデバイスにインストールされているソフトウェアアプリケーションにより可能になるデータ通信によってもたらされてよい。
【0058】
追加的に、またいくつかの実施形態では、サーバは、認証され得ない少なくとも1つのローバーデバイスからの接続要求を更にブロックしてよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、システムは、ローバーデバイス、遠隔アクセス可能サーバ、及び/又はプロジェクトマネージャ等のコンピューティングデバイス上で実行されるように構成されたソフトウェアを含んでいてよい。ソフトウェアは、好ましくはインタラクティブ型であってよい。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、例えば、スマートフォン又はモバイルデバイス上で実行されるように構成されたアプリケーション(即ち、アプリ)の形態であってよい。
【0060】
他の実施形態では、遠隔アクセス可能サーバは、グラフィカルユーザインタフェースを提供するウェブサーバを含んでいてよく、そのグラフィカルユーザインタフェースを介してプロジェクトマネージャ等はシステム及び遠隔アクセス可能サーバと相互作用し得る。ウェブサーバは、HTTP要求等の要求を受け入れてよく、HTTP応答等の応答を、ウェブページ(HTMLドキュメント等)及びリンクされたオブジェクト等の随意的データコンテンツとともに提供してよい。一般的に、ウェブサーバは、プロジェクトマネージャ等が、遠隔アクセス可能サーバとの間で通信情報を受信及び送信することを可能にしてよく、また遠隔アクセス可能サーバを介してローバーデバイスとの間で通信情報を受信及び送信することを可能にしてよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバは、2つ以上のサーバを含んでいてよい。例えば、少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバは、少なくとも1つのローバーデバイスとのネットワーク接続を確立するための接続サーバと、接続サーバと通信してプロジェクトファイルデータのデータベースを維持することに関与するファイルサーバと、接続サーバと通信して少なくとも1つの仮想境界をホストすることに少なくとも関与するマップサーバと、接続サーバと通信してRTK補正値のデータベースを維持することに関与するCORSサーバと、を含んでいてよい。
【0062】
いくつかのそのような実施形態では、ファイルサーバ、マップサーバ、及び/又はCORSサーバは、接続サーバを介して少なくとも1つのローバーデバイスとのみ通信してよい。
【0063】
他のそのような実施形態では、ファイルサーバ、マップサーバ、及び/又はCORSサーバは、接続サーバが少なくとも1つのローバーデバイスのアイデンティティを認証すると、少なくとも1つのローバーデバイスと直接通信してよい。
【0064】
しかし、一般的に、プロジェクトマネージャ等のコンピューティングデバイスは、ファイルサーバ及び/又はマップサーバと直接通信してよい(例えば、仮想境界及び/又はプロジェクトファイルデータを修正するために)。
【0065】
本発明の第3の態様によると、土木建設現場でプロジェクトファイルデータを管理する方法が提供され、この方法は、
土木建設現場を少なくとも部分的に定義する少なくとも1つの仮想境界を確立することと、
少なくとも1つのGNSSアンテナ及び少なくとも1つのモデムを含む少なくとも1つのローバーデバイスの少なくとも1つの仮想境界に対する位置を監視することと、
少なくとも1つのローバーデバイスが少なくとも1つの仮想境界に入ることに応答して、RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバから少なくとも1つのローバーデバイスに送信することと、
少なくとも1つのローバーデバイスが少なくとも1つの仮想境界を出ることに応答して、少なくとも1つのローバーデバイスから少なくともプロジェクトファイルデータを削除することと、を含む。
【0066】
この方法は、前述のようなシステムの1つ以上の特性又は特徴を含んでいてよい。
【0067】
確立することは、典型的には、GNSS又は無線周波数識別(RFID)、好ましくはGNSS、より好ましくはGPSを利用して土木建設現場又はその一部の周辺の周囲の地理的境界を定義するジオフェンスを確立することを含んでいてよい。
【0068】
確立することは、一般的に、プロジェクトマネージャ等がマッピングソフトウェアを用いて建設現場の衛星ビューの上に境界を定義することによって実施されてよい。境界は好ましくは調整可能であってよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、確立することは、土木建設現場のために2つ以上の仮想境界を確立することを含んでいてよい。例えば、確立することは、建設現場のために少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、又は少なくとも10の仮想境界を確立することを含んでいてよく、各仮想境界は現場のサブエリアを少なくとも部分的に定義する。
【0070】
少なくとも1つのローバーデバイスの位置の監視は、一般的に、少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバによって行われてよい。サーバは、少なくとも1つの仮想境界をホストしてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、ローバーデバイスは、アドレス可能であってよく、例えば、ポーリングされたときにその位置を少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバに報告してよい。そのような実施形態では、サーバは、所定のスケジュールに従って少なくとも1つのローバーデバイスにアドレスして少なくとも1つの仮想境界に対するローバーデバイスの位置を監視してよい。
【0072】
他の実施形態では、少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバは、少なくとも1つのローバーデバイスからの接続要求について通信ネットワークを監視してよい。要求を受信すると、サーバは、少なくとも1つの仮想境界に対するローバーデバイスの位置を決定し及び/又はローバーデバイスのアイデンティティを認証してよい。典型的には、サーバは、接続要求とともにローバーデバイスによって提供される位置情報に基づいて、少なくとも1つの仮想境界に対するローバーデバイスの位置を決定してよい。
【0073】
更に他の実施形態では、少なくとも1つのローバーデバイスは、位置情報及び/又は識別情報を少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバにブロードキャストしてよい。情報は、所定のスケジュールに従ってブロードキャストされてよい。そのような実施形態では、サーバは、ローバーデバイスによってブロードキャストされた位置情報に基づいて、境界に対するローバーデバイスの位置を決定してよい。
【0074】
応答するステップは、好ましくは、RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータの送信又は削除の前に、少なくとも1つのローバーデバイスのアイデンティティを認証するステップを更に含んでいてよい。応答するステップは、好ましくは、少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバによって自動的に実施されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのローバーデバイスのアイデンティティは、少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバとローバーデバイスとの間のプライベートネットワーク接続並びに識別子、パスワード、及び/又は証明を含む認証方法の使用を通して認証されてよい。
【0076】
例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのローバーデバイスは、少なくとも1つのサーバに登録されていてもよい一意的な識別子を先に割り当てられていてよい。使用において、サーバは、ローバーデバイスに割り当てられた識別子を認証する際に、ローバーデバイスとの安全な接続、好ましくはVPN接続を確立してよい。
【0077】
ローバーデバイスの位置が境界内にある(即ち、境界に入る)と決定されていること及びそのアイデンティティが認証されていることに応答して、サーバは、ローバーデバイスとの安全な接続を確立し、RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータをローバーデバイスに送信してよく、ここでもその安全な接続は好ましくはVPN接続である。
【0078】
ローバーデバイスが境界の外側に位置している(即ち、境界を出る)こと及びそのアイデンティティが認証されていることに応答して、サーバは、ローバーデバイスにプロジェクトファイルデータがある場合、それを削除してよい。そのような実施形態では、サーバは、ローバーデバイスとの安全な接続を確立し、ローバーデバイスのメモリユニットにアドレスして、それが土木建設現場に固有のプロジェクトファイルデータを含むかどうかを決定してよく、その安全な接続は好ましくはVPN接続である。ローバーデバイスのメモリユニットがプロジェクトファイルデータを含むことに応答して、サーバはメモリユニットからデータを削除してよい。いくつかの実施形態では、サーバは、RTK補正データを削除してもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、サーバは、ローバーデバイスバージョンを削除する前に、プロジェクトファイルデータのローバーデバイスバージョンをプロジェクトファイルデータのサーババージョンと比較してよい。そのような実施形態では、ローバーデバイスバージョンがプロジェクトファイルデータの最新バージョンである場合、サーバはサーババージョンをローバーデバイスバージョンで上書きしてよい。
【0080】
ローバーデバイスのアイデンティティが認証されていことに応答して、サーバは、ローバーデバイスとの接続を確立しなくてよい。サーバは、代わりに、プロジェクトマネージャ等のコンピューティングデバイスにアラート通知を送信して、識別されていないローバーデバイスに通知してよい。
【0081】
ここに記載された特徴のいずれかは、本発明の範囲内でここに記載された他の特徴のいずれか1つ以上と任意の組み合わせにおいて組み合わせることができる。
【0082】
本明細書における任意の先行技術への言及は、先行技術が一般常識の一部を形成することの承認又はいかなる形態の提案としても解釈されことはなく、また解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
本発明の好ましい特徴、実施形態、及び変形例は、当業者が本発明を実施するのに十分な情報を提供する以下の詳細な説明から識別され得る。詳細な説明は、前述の発明の要約の範囲を限定するものと見なされるべきではない。詳細な説明では、以下のいくつかの図面を参照する。
【0084】
図1図1は本発明の実施形態による土木建設現場管理システムの図である。
【0085】
図2図2図1に示されるようなシステムの使用を示す概略図である。
【0086】
図3図3図1に示されるようなシステムの使用を示す別の概略図である。
【0087】
図4図4図1に示されるようなシステムの使用を示す更に別の概略図である。
【0088】
図5図5図1に示されるシステムの方法におけるステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0089】
図1は、土木建設現場(900)でプロジェクトデータファイルの配布を管理するための本発明の実施形態による土木建設現場管理システム(100)を示している。
【0090】
システム(100)は、土木建設現場(900)の周辺又は境界を定義するジオフェンス(120;少なくとも1つの仮想境界)と、GPSアンテナ(132)及びセルラーモデム(134)を含み、陸上作業機材(800)と動作可能に関連付けられたGPSローバー(130;即ち、ローバーデバイス)と、土木建設現場(900)のためのリアルタイムキネマティック(RTK)補正データ及びプロジェクトファイルデータをGPSローバー(130)に提供するため並びにジオフェンス(120)に対するGPSローバー(130)の位置を決定するための少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバ(140)と、を含む。使用において、サーバ(140)は、GPSローバー(130)がジオフェンス領域に入りそのアイデンティティが認証されると、RTK補正データ及びプロジェクトファイルデータをGPSローバー(130)に送信する。逆に、GPSローバー(130)がジオフェンスエリアを出ると、サーバ(140)はRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータをGPSローバー(130)から削除する。
【0091】
図1を参照すると、ジオフェンス(120)は、GPSを利用して建設現場(900)の周囲の地理的境界を定義する。
【0092】
ジオフェンス(120)は、サーバ(140)によってホストされ、サーバ(140)と通信するコンピューティングデバイス(700)上のマッピングソフトウェアを用いてプロジェクトマネージャ(600)によって設定される。一般的に、マッピングソフトウェアは、プロジェクトマネージャ(600)が、土木建設現場(900)の衛星ビューの上にジオフェンス(120)を定義することを可能にしてよい。ジオフェンス(120)は調整可能である。いくつかの実施形態では、ジオフェンス(120)は、座標を入力又はアップロードして土木建設現場(900)の中心及び外側境界を決定することによって調整されてよい。
【0093】
図示されるように、GPSローバー(130)は、GPSアンテナ(132)及びセルラーモデム(134)を有しており、移動可能なサイズ及び形状であって、陸上作業機材(800)と動作可能に関連付けられるサイズ及び形状である。ローバー(130)は、任意の適切な方法で陸上作業機材(800)と動作可能に関連付けることができる。
【0094】
例えば、いくつかの実施形態では、GPSローバー(130)は、陸上作業機材(800)に取り付けられたポールに取り付けることができる。他の実施形態では、GPSローバー(130)は、陸上作業機材(800)に直接取り付けることができる。
【0095】
GPSアンテナ(132)は、ローバー(130)の位置座標を決定するために、GPS衛星(1000)から電波を受信するように構成される。GPSアンテナ(132)はGPS受信機と関連付けられている。
【0096】
セルラーモデム(134)は、セルラーモデム(134)とサーバ(140)との間でのデータの伝送のために、少なくとも1つの遠隔アクセス可能サーバ(140)と通信するように構成される。
【0097】
データは、ローバー(130)の位置情報及び/又は識別情報に対応するデータ並びにサーバ(140)からのRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを含む。サーバ(140)は、連続動作基準局(CORS)ネットワークとして知られるRTK基地局のネットワークの形態にあるRTK補正データのソースと通信する。
【0098】
ローバー(130)は、GPSアンテナ(132)及びセルラーモデム(134)の動作を管理するためのマイクロコンピュータの形態にあるコントローラを含む。コントローラは、ローバー(130)と一体的に形成されており、GPSアンテナ(132)、セルラーモデム(134)、及びローバー(130)の他の電気部品に動作可能に接続されている。
【0099】
ローバー(130)は、コントローラとインタフェースするため及びユーザがローバー(130)と相互作用することを可能にするためのディスプレイ(136)を含む。
【0100】
ローバー(130)はアドレス可能であり、ポーリングされるとその位置をサーバ(140)に報告する。
【0101】
サーバ(140)は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサによって実行される実行可能命令/ソフトウェアを含む1つ以上のメモリユニットと、を含む。
【0102】
上述したように、サーバ(140)は、RTK補正データを提供するために、連続動作基準局(CORS)ネットワークと通信する。
【0103】
サーバ(140)は、プロジェクトファイルデータのソース、典型的にはサーバ(140)に関連付けられたデータベースとも通信する。データベースは、プロジェクトファイルデータが必要に応じて修正され得るように、プロジェクトマネージャ(600)によって管理されるコンピューティングデバイス(700)にアクセス可能である。
【0104】
サーバ(140)は、通信ネットワークを介してGPSローバー(130)及び/又はプロジェクトマネージャ(600)のコンピューティングデバイス(700)との間で通信情報を受信及び送信するように構成され、通信ネットワークは、特に、インターネット、LANs、WANs、GPRSネットワーク、移動通信ネットワーク、無線ネットワーク(UHFバンド)等を含んでいてよい。
【0105】
通信情報は、ローバー(130)とサーバ(140)との間及び/又はプロジェクトマネージャ(600)によって管理されるコンピューティングデバイス(700)とサーバ(140)との間で確立されたプライベートネットワーク接続を介して受信及び送信される。
【0106】
一般的に、プライベートネットワーク接続は、例えば、暗号化された層状トンネリングプロトコル並びに識別子、パスワード、及び/又は証明を含む認証方法を用いて確立されたVPN接続等の安全な接続である。
【0107】
GPSローバー(130)は、サーバ(140)にも登録される一意的な識別子を割り当てられる。使用において、サーバ(140)は、ローバー(130)に割り当てられた識別子を認証する際に、ローバー(130)とのVPN接続を確立する。
【0108】
サーバ(140)は、ローバー(130)によってブロードキャストされた位置情報及び/又は識別情報に基づいて、ジオフェンス(120)に対するローバー(130)の位置を決定する。情報は所定のスケジュールに従ってブロードキャストされる。
【0109】
図2~4は、システム(100)の使用の種々の状況を示している。
【0110】
これらの状況では、第1のジオフェンス(120A)を有する第1の建設現場(900A)が提供され、第1の建設現場(900A)は、第2のジオフェンス(120B)を有する第2の建設現場(900B)に隣接して位置している。
【0111】
更に、これらの状況では、認証されたGPSローバー(130A,130B,130C)とのVPN接続を確立するための接続サーバ(140A)と、第1及び第2の建設現場(900A,900B)に固有のプロジェクトファイルデータのデータベースを維持するためのファイルサーバ(140B)と、第1及び第2のジオフェンス(120A,120B)をホストすることに関与するマップサーバ(140C)と、固有RTK補正値の維持に関与するCORSサーバ(140D)と、が設けられている。
【0112】
ファイルサーバ(140B)、マップサーバ(140C)、及びCORSサーバ(140D)は、接続サーバ(140A)を介して認証済みローバー(130)と通信する。
【0113】
ファイルサーバ(140B)及びマップサーバ(140C)は、プロジェクトファイルデータ及びジオフェンス(120A,120B)が必要に応じて修正され得るように、プロジェクトマネージャ(600)によって管理されるコンピューティングデバイス(700)に直接アクセス可能である。
【0114】
図2を参照すると、この図は、第1の建設現場(900A)における陸上作業機材(800A)に関連付けられた複数のGPSローバー(130A)を示している。
【0115】
GPSローバー(130A)は、それらの位置及びそれらの識別子を接続サーバ(140A)にブロードキャストし、接続サーバ(140A)は、ジオフェンス(120A)に対するローバー(130A)の位置を決定する。サーバ(140A)が、ジオフェンスエリア内にローバー(130A)があると決定すること及びローバー(130A)に割り当てられた識別子を認証することに応答して、接続サーバ(140A)は、ローバー(130A)とのVPN接続を確立する。
【0116】
ローバー(130A)とのVPN接続を確立すると、CORSサーバ(140D)及びファイルサーバ(140B)は、接続サーバ(140A)を介してそれぞれRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータをローバー(130A)に送信する。
【0117】
図3を参照すると、この図は、第1の建設現場(900A)及び第1のジオフェンス(120A)から第2の建設現場(120A)及び第2のジオフェンス(120B)に移動した陸上作業機材(800B)に関連付けられたローバー(130B)を示している。
【0118】
図2におけるのと同様に、GPSローバー(130B)は、その位置及びアイデンティティを接続サーバ(140A)にブロードキャストする。接続サーバ(140A)は、ローバー(130B)に割り当てられた識別子を認証し、第1及び第2のジオフェンス(120A,120B)に対するその位置を決定する。
【0119】
ローバー(130B)が第1のジオフェンス(120A)を離れ現在第2のジオフェンス(120B)内にあると接続サーバ(140A)が決定することに応答して、接続サーバ(140A)は、ローバー(130B)とのVPN接続を確立し、ローバー(130B)のメモリユニットにアドレスしてメモリユニットが第1の建設現場(900A)に固有のRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを含むかどうかを決定する。ローバー(130B)のメモリユニットが固有のRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを含むことに応答して、サーバ(140A)はメモリユニットからデータを削除する。
【0120】
同時に、CORSサーバ(140D)及びファイルサーバ(140B)は、それぞれ、第2の建設現場(900B)に固有のRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを、接続サーバ(140A)を介してローバー(130B)に送信する。
【0121】
図4を参照すると、この図は、第2の建設現場(900B)を出た陸上作業機材(800C)に関連付けられたローバー(130C)を示している。
【0122】
図2及び3におけるのと同様に、GPSローバー(130C)は、その位置及びアイデンティティを接続サーバ(140A)にブロードキャストする。接続サーバ(140A)は、ローバー(130C)に割り当てられた識別子を認証し、第2のジオフェンス(120B)に対するその位置を決定する。
【0123】
ローバー(130C)が第2のジオフェンス(120B)内にないと接続サーバ(140A)が決定することに応答して、接続サーバ(140A)は、ローバー(130C)とのVPN接続を確立し、ローバー(130C)のメモリユニットにアドレスしてメモリユニットが第2の建設現場(900B)に固有のRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを含むかどうかを決定する。ローバー(130C)のメモリユニットが固有のRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータを含むことに応答して、サーバ(140A)はメモリユニットからデータを削除する。
【0124】
次いで、図5を参照して、図1に示されるようなシステム(100)を用いる方法(500)を詳細に説明する。
【0125】
ステップ510では、プロジェクトマネージャ(600)は、コンピューティングデバイス(700)上のソフトウェアを用いて建設現場(900)の周囲に調整可能ジオフェンス(120)を確立して、建設現場(900)の衛星ビューの上に境界を定義する。ジオフェンス(120)は、遠隔アクセス可能サーバ(140)によってホストされている。
【0126】
ステップ520では、GPSアンテナ(132)及びセルラーモデム(134)を有するGPSローバー(130)のジオフェンス(120)に対する位置が、遠隔アクセス可能サーバ(140)によって監視される。サーバ(140)は、ローバー(130)によってブロードキャストされた位置情報に基づいて、ジオフェンス(120)に対するローバー(130)の位置を監視する。
【0127】
ステップ530では、サーバ(140)が、ジオフェンスされた建設現場(900)にローバー(130)が入ったのを決定すること及びローバー(130)のアイデンティティを認証することに応答して、サーバ(140)は、ローバー(130)とのVPN接続を確立し、建設現場(900)に固有のRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータをローバー(130)に自動的に送信して、建設現場(900)での使用のためにローバー(130)を構成する。
【0128】
ステップ540では、ジオフェンスされた建設現場(900)をローバー(130)が出たとサーバ(140)が決定することに応答して、サーバ(140)は、ローバー(130)とのVPN接続を確立し、建設現場(900)に固有のRTK補正データ及びプロジェクトファイルデータをローバー(130)から自動的に削除する。
【0129】
本明細書及び特許請求の範囲(それがある場合)において、「備えている(comprising)」という語及び「備える(comprises, comprise)」を含むその派生語は、記載された完全体(integers)の各々を含むが、1つ以上の更なる完全体を含むことを除外しない。
【0130】
本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通して種々の場所における「一実施形態では」又は「実施形態では」という句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の組み合わせにおいて任意の適切な方法で組み合わされてよい。
【0131】
法令に従い、構造的又は方法的特徴に多かれ少なかれ固有の言語で本発明が説明されてきた。ここで説明された手段は、本発明を実施する好ましい形態を備えているので、本発明は、図示又は記載された特定の特徴に限定されないことが理解されるべきである。従って、本発明は、当業者によって適切に解釈される添付の特許請求の範囲(それがある場合)の適切な範囲内で、その形式又は修正のいずれかで特許請求される。
図1
図2
図3
図4
図5