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特許7495418作業機械の作業台から廃物を除去するための機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】作業機械の作業台から廃物を除去するための機械
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/32 20240101AFI20240528BHJP
【FI】
B08B1/32
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021547800
(86)(22)【出願日】2020-02-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 IB2020051551
(87)【国際公開番号】W WO2020183266
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】102019000003479
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521358925
【氏名又は名称】シーエフ ラミエーレ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】デュランティ,シモーネ
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-110632(JP,A)
【文献】国際公開第2005/077552(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の作業台(1)から廃物を除去するための機械であって、前記作業台は、互いに平行に配置されて格子を形成する一連のプレート(2)を備え、それらは、長手方向の展開方向(L)、及び歯状突起部(5)が装備された頂縁部(3)を有し、前記歯状突起部の頂部は、加工される部品のための、水平方向の支持面(WB)を画定し、
-廃物を除去するための前記機械(10、110)は、前記格子の少なくとも1つのプレート(2)の上を乗り越えるのに好適、かつ前記長手方向の展開方向(L)と同一の前進方向に、前記プレート(2)に対して摺動するのに好適な、少なくとも1つのチャネル(12)が装備された、主本体(11)を備え、
-この目標のために、前記チャネル(12)は、頂部境界(15、20)、一対の側方境界、及び下方に面した入口開口部を備え、
-前記チャネル(12)の側方境界は、それぞれ回転ツール(22)で画定され、
前記機械は、
-前記頂部境界が、前記頂縁部(3)上を前進するよう、前記前進方向(L)に転がり可能な、少なくとも1つの転がり面(16、21)を備えることと、
-前記上記ツール(22)が、前記前進方向(L)に対して傾斜した回転軸(24)を有し、前記ツール(22)が、前記チャネル(12)に挿入された前記プレート(2)の側面(6、7)に作用するときに、前記転がり面(16、21)が前記歯状突起部(5)押圧するように回転することと
を特徴とする、廃物を除去するための機械。
【請求項2】
前記頂部境界は、前記歯状突起部の表面に載るよう意図された、少なくとも2つの領域を備え、一方の領域は、前進方向に上記の回転ツールに先行し、他方は後を追い、前記領域のうち少なくとも一方は、少なくとも1つの前記転がり面を備えることを特徴とする、請求項1に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項3】
前記転がり面は、少なくとも部分的に、前記前進方向(L)に、前記回転ツール(22)の位置に先行することを特徴とする、請求項2に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項4】
前記領域の両方は、少なくとも1つの転がり面を備えることを特徴とする、請求項2に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項5】
少なくとも1つの前記転がり面は、円筒形回転の表面、または軌道の表面であることを特徴とする、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項6】
前記歯状突起部の頂部に載るための前記頂部境界を画定するよう意図された、前記軌道の表面は、平坦であることを特徴とする、請求項5に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項7】
少なくとも部分的に前記回転ツール(22)の位置に先行する、少なくとも前記転がり面は、円筒形回転の表面、または軌道の平坦面であることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6の組み合わせによる廃物を除去するための機械。
【請求項8】
前記転がり面の両方は、円筒形回転の表面、または軌道の平坦面であることを特徴とする、請求項7に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項9】
前記頂部境界は、前記歯状突起部(5)の頂部に転がりライン(P)を画定することを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項10】
前記前進方向(L)を参照すると、前記頂部境界は、前記歯状突起部の頂部を転がるよう意図された、少なくとも1つの前部転がり手段及び後部転がり手段(15、20、115)を備え、それらの共通の接線は前記転がりライン(P)を画定し、前記ツール(22)はそれらの間に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項11】
前記転がり手段(15、20、115)は、ホイール及び/または軌道であることを特徴とする、請求項10に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項12】
前記ツールは、前記転がりラインを部分的に横断することを特徴とする、請求項9、10、及び11のうちいずれか一項に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項13】
前記転がり面(15、16)は、50~400mmの範囲で構成される径を有することを特徴とする、請求項1~12のうちいずれか一項に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項14】
前記頂部境界は、少なくとも2つのホイールを備え、それらは前進方向に整合され、それらの間のピッチは150~1000mmの範囲で構成されることを特徴とする、請求項1~13のうちいずれか一項に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項15】
少なくとも1つのプレート(2)の前記頂縁部(3)において転がりラインを備え、前記ラインの下方に前記チャネルが配置されることを特徴とする、請求項1~14のうちいずれか一項に記載の廃物を除去するための機械。
【請求項16】
前記チャネルを避けて配置された、廃物から防護するためのプレートを備えることを特徴とする、請求項1~15のうちいずれか一項に記載の廃物を除去するための機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械の作業台から廃物を除去するための機械に関する。本発明は、詳細には、加工する部品をレーザ切断機械に対して支持するために一般的に使用される、互いに平行な一連のプレートを備えた作業台を、清掃するために考察される。しかし、これは他の使用を排除するものではない。
【背景技術】
【0002】
レーザ切断機械の作業台は、それだけではないが、実質的に格子を形成するために互いに対して平行に配置された、一般的に金属製である一連の支持プレートであり、これらプレートの頂部には、一定のピッチの歯状突起部が付けられている。これら歯状突起部の頂部は、加工する対象物の支持面を全体的に画定し、最高の精度でなければならない。しかし、切断は材料を溶かし、それらはプレート上に落下して、部品の正確な位置付けを妨げる付着物層を生成する。したがって課題は、機械のタイプから想定される極めて高い精度を仮定すると、非常に重要である。面は効率を大きく失うことが多く、交換する必要があり、大きいコストを伴う。
【0003】
課題を軽減させるために、格子を清掃するための機械が考案されてきた。これらのうち1つで、例えば米国特許第8245376号明細書(Trumpf)のものが公知である。この機械は、一度に1枚のプレートを清掃することを提供し、歯状突起部の頂部に載ったスレッドを介して、及びプレートの側面の周りに巻くために突出した一対のミルを介して、プレートを乗り越える。この清掃機械は、スレッドを歯状突起部の頂部で摺動させることによって、プレートに沿って移動する。課題は、モータが装備された清掃機械が無視できない重量を有すること、及び廃物を掴むミルが、スレッドを歯状突起部に向けて引張ることであり、その理由のために歯状突起部は、摩擦による摩耗を受け、作業面の平坦性を乱す。したがって1回または2回の清掃後、作業面のプレートを交換する必要があり、その理由のために、このソリューションは一時しのぎに過ぎず、清掃機械のコストを考慮すると有利ではない。課題は、除去される廃物が金属製である場合に、より大きい。
【0004】
別の機械が、国際公開第1706218号(Thuet)で公知であり、それは、上記で説明した機械に対して、ミルを、プレートの側面から廃物をこすり落とす往復運動をするナイフに置き換える。しかし、これは実際、Trumpfの機械よりも悪い。なぜなら、作用可能にするために、ナイフが、スレッドを歯状突起部に向けて引張り、その圧力を増加させる。さらにそれは、前進中に一定ではなく突然起こり、特に一様でない摩耗を発生させる。課題を緩和するために、Thuetは、緩衝材をスレッドに適用するが、それはナイフを、緩衝材のストロークに沿って無効にするのみであり、ナイフが有効である、末端停止部に達するときに、摩耗が盛んになるという課題を再び提起する。実際、これは非実用的な機械である。
【0005】
例えばケーブルまたは管を清掃する、他の分野の清掃機械も存在する。しかし取り組む課題は異なるので、それらはレーザ機械の格子には使用できない。その中でも、独国特許出願公開第3937928号明細書、及び仏国特許出願公開第2526842号明細書に記載された、ケーブルを清掃するための公知の機械が存在する。それらは、ケーブルの全360°を清掃ブラシで囲むことによって作用し、互いに向けて押圧することによって、その把持を定める。スレッドは、ランダムかつ可変の側部に載ることによって、ケーブルに沿って前進可能となる。なぜならそれは、ケーブルとの関連性を有さない態様であるためである。同じ原則は格子に適用できない。なぜならそれは、プレートの全ての側を清掃及び把持を発生させるからであり、そのツールはブラシよりも強力であるため、歯状突起部の頂部の角をとることにもなる。
【0006】
ボイラのパイプの外側を清掃するための機械が、英国特許出願公開第210773号明細書に記載されている。この機械は一対のナイフを提供しており、それらは顎のように作用して、隣のパイプに対して互いに押圧する。したがって実際、格子を清掃するために使用された場合、2つの平行なプレートを同時に清掃するようにする必要がある。しかし、その適用は、上述のケーブル清掃のためのものよりも実際に悪くなる。なぜなら、ツールを用いて清掃する部品の全ての側を把持するのと同様、配慮すべき領域を区別せず、ナイフを強くぶつけることによって作用するからである。これは、薄片で落ちる水垢廃物には効果的であるが、溶けた金属廃物には非効果的である。さらに、強くぶつけることは、歯状突起部の表面、したがって作業面を曲げて変形させることになる。
【0007】
結局、上記で言及した機械によって提供される効果的ソリューションがないため、当技術分野において、付着物で覆われた、レーザ切断などの作業台を清掃して、その平坦性を復元するための改善された機械が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第8245376号明細書
【文献】国際公開第1706218号
【文献】独国特許出願公開第3937928号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2526842号明細書
【文献】英国特許出願公開第210773号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目標は、先行技術の課題を、全体的または部分的に克服することである。
【0010】
本発明の好ましい目標は、作業面の平坦性を考慮に入れた、金属廃物を除去するための機械を提供することである。
【0011】
本発明の別の好ましい目標は、適用されると作業台の有効使用寿命を延ばす、廃物を除去するための機械を提供することである。
【0012】
本発明の別の好ましい目標は、使用が簡単かつ実用的な機械を提供することである。
【0013】
本発明の別の好ましい目標は、製造が容易で低い作動コストの、廃物を除去するための機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の全体的な態様によると、本発明は、作業機械の作業台(1)から廃物を除去するための機械に関し、この作業台は、互いに平行に配置されて格子を形成する一連のプレート(2)を備え、それらは、長手方向の展開方向(L)、及び歯状突起部(5)が装備された頂縁部(3)を有し、このような歯状突起部の頂部は、例えばレーザ切断などの加工をされる部品のための、水平方向の支持面(WB)を画定し、
-機械(10、110)は、格子の少なくとも1つのプレート(2)の上を乗り越えるのに好適、かつ上記長手方向の展開方向(L)と同一の前進方向に、プレート(2)に対して摺動するのに好適な、少なくとも1つのチャネル(12)が装備された主本体(11)を備え、
-この目標のために、チャネル(12)は、頂部境界(15、20)、一対の側方境界、及び下方に面した入口開口部を備え、
-チャネル(12)の側方境界は、それぞれ回転ツール(22)で画定され、
機械は、
-頂部境界が、頂縁部(3)上を前進するよう、前進方向(L)に転がり可能な、少なくとも1つの転がり面(16、21)を備えることと、
-ツール(22)は、前進方向(L)に対して傾斜した回転軸(24)を有し、ツール(22)が、チャネル(12)に挿入されたプレート(2)の側面(6、7)に作用するときに、前記転がり面(16、21)が前記歯状突起部(5)押圧するように回転することと
を特徴とする。
【0015】
本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、上記の頂部境界は、歯状突起部の表面に載るよう意図された、少なくとも2つの領域を備える。一方の領域は、前進方向に上記の回転ツールに先行し、他方は後を追う。これら領域のうち少なくとも一方は、少なくとも1つの転がり面を備える。
【0016】
この場合好ましくは、この転がり面は、少なくとも部分的に、前進方向(L)に回転ツール(22)の位置に先行する。
【0017】
本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、これら両方の領域は、少なくとも1つの転がり面を備える。
【0018】
好ましい一般的な特徴によると、この少なくとも1つの転がり面は、円筒形回転面または軌道の表面である。
【0019】
例えば、歯状突起部の頂部に載るための頂部境界を画定するよう意図された軌道の表面は、平坦である。
【0020】
本発明のいくつかの好ましい実施形態によると、歯状突起部の表面に載るよう意図された、少なくとも2つの領域が存在する場合、回転ツール(22)の位置に部分的に先行する、少なくとも上記の転がり面は、円筒形回転面または軌道の平坦面である。
【0021】
好ましくは、上記の両方の転がり面は、円筒形回転面、または軌道の平坦面である。
【0022】
いくつかの好ましい実施形態によると、上記の頂部境界は、歯状突起部(5)の頂部において転がりライン(P)を画定する。
【0023】
例えば、上記の頂部境界は、歯状突起部の頂部を転がるよう意図された、少なくとも1つの前部転がり手段、及び後部転がり手段(15、20、115)を備える。それらの共通の接線は、転がりライン(P)を画定し、ツール(22)はそれらの間に配置される。
【0024】
好ましくは、転がり手段(15、20、115)は、ホイール及び/または軌道である。
【0025】
一般的に上記のツールにとって、上記の転がりラインを部分的に横断することが好ましい。
【0026】
いくつかの好ましい実施形態によると、転がり面(15、16)は、50~400mmの範囲で構成された径を有する。
【0027】
いくつかの好ましい実施形態によると、頂部境界は、少なくとも2つのホイールを備え、それらは前進方向に整合され、それらの間のピッチは150~1000mmの範囲で構成される。
【0028】
好ましい一般的な特徴によると、機械は、少なくとも1つのプレート(2)の頂縁部(3)において転がりラインを備え、上記のチャネルはこのラインの下方に配置される。
【0029】
いくつかの好ましい実施形態によると、上記の機械は、廃物から防護するための、上記のチャネルを避けて配置されたプレートを備える。
【0030】
本発明のさらなる特徴及び利点は、例示のため非限定で与えられた添付の図面を参照して、以下の好ましい実施形態の詳細な説明から、より明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】レーザ切断機械の平坦な格子を有する作業台を、概略で表わした斜視図である。
図2】廃物の除去を介して図1の格子を清掃するために、格子のプレートに適用されている機械の、本発明による第1の実施形態を概略で表わす図である。
図3】廃物の除去を介して図1の格子を清掃するために、格子のプレートに適用されている機械の、本発明による第1の実施形態を概略で表わす図である。
図4】廃物の除去を介して図1の格子を清掃するために、格子のプレートに適用されている機械の、本発明による第1の実施形態を概略で表わす図である。
図5図3の拡大詳細図である。
図6】前の図における機械の詳細を、下から概略で表わした斜視図である。
図7図6の詳細正面図である。
図8】前の図における機械の、代替の実施形態を概略で表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1を参照すると、レーザ切断機械の作業台が示され、全体的に参照番号1で示される。台1は、長手方向の主な展開方向(L)を伴う、一連のプレート2を備える。図2でより良好に確認できるように、各プレートは、頂部の長手方向縁部3、及び下部の長手方向縁部4を有する。頂縁部3は、一連の歯状突起部5を備える。プレートは、2つの平坦な側面6及び7も備える。それらは、一定の厚さSによって離隔され、長手方向Lに延び、かつ頂縁部3と下縁部4との間に共通の鏡映面を形成するよう、配置される。それらの高さHは歯状突起部5を含み、好ましくはプレート2の全高と一致する。
【0033】
使用中、プレート2は平行に配置され、方向Lに対して垂直方向に離隔され、格子を形成する。歯状突起部5は上方に向き、切断される部品のための水平支持面WBを画定する。
【0034】
切断中、廃物は側面6及び7の上、かつ歯状突起部5の間に堆積する。
【0035】
図2図3、及び図4を参照すると、本発明による機械が例示され、全体的に参照番号10で示される。
【0036】
機械10は、プレート2の歯状突起部5の上に載るよう考慮され、プレート2の長手方向の展開方向Lと一致した前進方向を有する。
【0037】
以降、全ての方向は、動作条件で表わすよう意味する。そのため、前進方向Lは水平方向と一致し、鉛直方向Vは、それに対して垂直方向である。
【0038】
機械10は、主本体11及びハンドグリップ13を有する。
【0039】
主本体11は、歯状突起部5の上(図3)、好ましくはそれらの頂部に、転がりラインPを備え、以降でより明確になるように、その下方で、廃物を清掃するための複数のツール22が、側面6及び7に作用するよう配置される。
【0040】
主本体11は、少なくともツール22を作動させるためのモータ手段9を備える。好ましくはこの手段9は、転がりラインPの上方に配置される(図3)。
【0041】
同時に1つのプレート2の上を乗り越えるよう、主本体11は、転がりラインPの下方において、頂部境界15、20を伴い、方向L(図7)に摺動するチャネル12と、一対の側方境界と、下方に面した入口開口部と、を画定する。
【0042】
頂部境界は、浮遊面Pを画定し、一対のホイール15及び20における転がり面16及び21を備え(図4)、前進方向Lに少なくとも1つの下部共通接線を有するよう、互いに対して整合される。少なくとも前ホイール15、好ましくは後ホイール20も、図5でより良好に確認できるように、好ましくは歯状突起部5の頂部で転がるよう意図される。これは、少なくとも前ホイール15で起こることが必須である。なぜなら、前ホイール15は、歯状突起部間の廃物を伴う領域に直面し、その一方で後ホイール20は、すでに清潔になった領域に直面するからである。したがって、後ホイール20にはあまり好ましくないが、プレート2の歯状突起部5のピッチと等しいピッチを有する歯が付けられ、例えばモータ化されることが許容される。
【0043】
ホイール15、好ましくはホイール20も含めた浮遊は、例えばそれらの径によって、及び/または、それらの歯状突起部5のピッチに対するピッチによって、実現することができる。
【0044】
例えばホイールの径は、好ましくは、それらの頂部でしっかりと浮遊するのを保証するよう、すなわち廃物が存在し得る、1つの歯状突起部と別の歯状突起部との間に貫入することのないよう十分大きく、歯状突起部5のピッチに対して関連付けられる。
【0045】
好ましい例のように、ホイールは、50~400mmの範囲で構成された径と、150~1000mmの範囲で構成されたピッチと、を有することができる。
【0046】
しかし、それぞれのホイールの浮遊に最も影響する要因は、転がり面16または21である。転がり面16または21は、好ましくは円筒形であり、すなわち、それぞれのホイールの軸と一致した回転軸に対して垂直に配置された直線を含む、母線を伴う。換言すると、転がり面には窪みがない。
【0047】
図5で留意されるように、ホイール15及び20の径と、後ホイール20の円筒形の度合と、廃物の存在と、などによってもたらされた近似値のために、転がりラインPは、歯状突起部5の頂部と完全には一致しないが、いずれの場合も実質的に一致することになる。
【0048】
転がりラインPの上方、及びそれから離隔されることで、ツール22の作用から派生する廃物から防護するための、プレート30を提供することが可能である(図5)。
【0049】
チャネル12の側方境界は、例えば一対のミルなど、それぞれの回転ツール22によって画定される。それらは両方とも、前進方向Lで、2つのホイール15及び20の間に配置される。その一方で、鉛直方向において、それらは互いに対して平行な回転軸24を有し、転がりラインPの下方に突出する。好ましくは、軸24は傾斜して、前進方向Lに対して角度Aを形成し、それによってミルの下端部26は、上端部28に対して前に出される。角度Aは、好ましくは45~60°で構成され、好ましい値は45~50°であり、極値を含む。
【0050】
ツール22間の距離は、プレート2の厚さSを収容するために十分であり、好ましくは調整可能である。
【0051】
方向Lに清掃されるプレート2のための、任意で追加の誘導部が、チャネル12を通して面し、したがってプレート2における反対側の側面6、7の傍らに配置されるよう意図された、一対のフランジ35によって与えられる。
【0052】
使用中、機械10は、同時に単一のプレート2の上を乗り越えるよう位置付けられ、単一のプレート2を、チャネル12の中、かつフランジ35の間に挿入する。機械10は、ハンドグリップ13を介して、またはモータによる方法(この場合ハンドグリップは任意である)で、プレートに沿って前後に移動される。ツール22は、プレート2の側面6及び7に作用するときに、少なくとも前ホイール15が下方に引っ張られるように回転する。
【0053】
歯状突起部上を転がる原理のため、歯状突起部は摩耗を受けず、同時に、ホイールは、回転ツールの作用によって与えられる下方の引張りのバランスを取る、しっかりとした静止ポイントを確保し、それによって先行技術に対して強固に、したがってより効果的にすることができる。少なくとも前ホイールにおける、歯状突起部の頂部の浮遊は、精度及び動作の円滑さを改善する。なぜならそれは、歯状突起部間の廃物によって変形されないからである。
【0054】
図8は、清掃機械の代替の実施形態を表わし、全体的に参照番号110で示される。この機械の同一または類似の要素は、前に使用されたものと同じ参照番号か、または同じ参照番号に100を加えた参照番号で示される。
【0055】
機械110は、主に軌道115で置き換えられた前ホイールが、機械10とは異なる。
【0056】
それ以外の、動作及び構造は実質的に同じである。なぜなら、ホイール15及び起動115の両方は、歯状突起部5の表面上の転がりラインPを画定するよう配置された、回転手段の例であるからである。いくつかの変形によると、後ホイール16も、もしくは後ホイール16のみが軌道と置き換えられるか、または前後両方のホイールが、ツール22の前及び背部に延びた単一の軌道と置き換えられることも、排除されない。結局、ホイールまたは軌道の全ての組み合わせが企図され、かつそれらは自由に動くか、またはモータ化することができる。
【0057】
最後に、ツール22に先行する歯状突起部5の頂部に載るための領域、及びツールを追う制止領域を備え、その2つのうち一方のみが転がり面を有し、他方が摺動面を有するような、あまり好ましくない実施形態も企図されることが明白である。例えば、追う領域は、スレッドまたは歯状突起部上を摺動する他の面を備えることができ、その一方で、先行する領域は転がり面を備える。
【0058】
本発明を理解する目的で、用語「備える(comprising)」及びその派生語は、ここで使用されるとき、言明する特徴、要素、構成要素、グループ、整数、及び/またはステップの存在を指定するオープンエンドの用語を意味するが、言明されない他の特徴、要素、構成要素、グループ、整数、及び/またはステップを排除しない。上記は、用語「構成される(comprised)」、「有する(having)」、及びそれらの派生語など、類似の意味を有する単語にも適用される。さらに、用語「パート」、「セクション」、「部分」、「部材」、または「要素」が単数で使用されるとき、単一のパートまたは複数のパートの、二重の意味を有することができる。上記の実施形態を説明するために、ここで使用されるとき、以下の方向を示す用語「前方に」、「後方に」、「上方に」、「下方に」、「鉛直の」、「水平の」、「下」、及び「横断の」、ならびに他の任意の類似した方向を示す用語は、動作位置において説明された実施形態を指す。最後に、「実質的に」、「約」、及び「概ね」など、程度の用語は、ここで使用されるとき、最終結果が著しく変わらないような妥当な量の逸脱の、変更された用語を意味する。
【0059】
特定の実施形態のみが、本発明を例示するために選択されたが、様々な変更及び変形が、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく成され得ることは、本説明から当業者には明白であろう。例えば、様々な構成要素のサイズ、形状、位置または向きを、必要及び/要望によって変えることができる。互いに直接接続されるか、または接触して示された構成要素は、それらの間に配置された中間の構造を有することができる。1つの要素の機能は2つによって、及びその逆に実行することができる。実施形態の構造及び機能は、別の実施形態に採用することができる。全ての利点が、1つの特定の実施形態に同時に存在する必要はない。先行技術と比較して新規である全ての特徴は、それ自体または他の特徴との組み合わせで、このような特徴によって組み込まれた構造的及び/または機能的コンセプトを含む、本申請者による他の発明の分離した説明としても考慮されるのが望ましい。したがって、本発明による実施形態の前の説明は、例示目的のみのために提供され、添付の特許請求の範囲及びその同等物によって定義された本発明を、限定する目的のためではない。
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