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特許7495421特にステアリングコラムのねじれを検出するために設計された位置センサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】特にステアリングコラムのねじれを検出するために設計された位置センサ
(51)【国際特許分類】
   B62D 5/04 20060101AFI20240528BHJP
   G01B 7/30 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
B62D5/04
G01B7/30 U
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021549648
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 FR2020050353
(87)【国際公開番号】W WO2020174171
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】1901907
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501377391
【氏名又は名称】ムービング マグネット テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】フラション,ディディエ
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2008/044689(JP,A1)
【文献】特開2013-127368(JP,A)
【文献】特開2009-020064(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0214648(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04
G01B 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にステアリングコラムのねじれを検出するために設計された位置センサであって、
複数の磁石を備える第1の着磁磁気ロータ構造体(100)と、
少なくとも1つの感磁素子(300、301、302)が中に配置された少なくとも1つのエアギャップを定める2つの磁束コレクション部品(210、220)と、
から構成された位置センサにおいて、
磁束コレクション部品(210、220)が、少なくとも1つの二次コレクションゾーン(214、215、224、225)を有する少なくとも1つの延在部(216、219、226、229)が延在する少なくとも1つの一次コレクションゾーン(211、221)を有し、
複数の前記二次コレクションゾーン(214、215、224、225)が、前記エアギャップの2つの極を形成する平坦化された複数のシューにおいて終端し、
前記エアギャップの横方向中央平面(350)が、複数の前記延在部(216、219、226、229)のうちの少なくとも1つと交わり、
第1の前記磁束コレクション部品(210)の前記少なくとも1つの一次コレクションゾーン(211)が、中央平面PP1を有する少なくとも1つのコレクション表面(211B)を有し、
第2の前記磁束コレクション部品(220)の前記少なくとも1つの一次コレクションゾーン(221)が、中央平面PP2を有する少なくとも1つのコレクション表面(221B)を有し、
前記少なくとも1つの二次コレクションゾーン(214、215)が、中央平面PS1を有する第1の前記磁束コレクション部品(210)のための少なくとも1つのコレクション表面(214B、215B)を有し、
第2の前記磁束コレクション部品(220)の前記少なくとも1つの二次コレクションゾーン(224、225)が、中央平面PS2を有する少なくとも1つのコレクション表面(224B、225B)を有し、
PP1がPS2に対して垂直でないか、またはPP2がPS1に対して垂直でなく、
異なる2つの流れの方向において、集められた磁場が前記エアギャップ内へもたらされ、これにより干渉磁場の全成分を打ち消すことが可能である、
ということを特徴とする、位置センサ。
【請求項2】
少なくとも1つのティース付きリング(130、140)が、前記第1の着磁磁気ロータ構造体(100)に対向して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項3】
前記エアギャップの前記横方向中央平面(350)が、前記一次コレクションゾーン(211、221)の複数の平面に対して平行であることを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項4】
少なくとも1つの一次コレクションゾーン(211、221)がさらに、前記第1の着磁磁気ロータ構造体(100)から来る有用な磁束を集めることが意図された追加の表面(211A、221A)を有することを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの一次コレクションゾーン(211)が、中央平面PP1´を有する少なくとも1つの追加のコレクション表面(211C、211D)を有し、
前記少なくとも1つの一次コレクションゾーン(221)が、中央平面PP2´を有する少なくとも1つのコレクション表面(221C、221D)を有し、
前記少なくとも1つの二次コレクションゾーン(214、215)が、中央平面PS1´を有する少なくとも1つのコレクション表面(214B、215B)を有し、
前記少なくとも1つの二次コレクションゾーン(224、225)が、中央平面PS2´を有する少なくとも1つのコレクション表面(224B、225B)を有し、
PP1´がPS2´に対して垂直でないか、またはPP2´がPS1´に対して垂直でない、
ということを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項6】
前記延在部(216、219、226、229)が、軸方向に、かつ前記一次コレクションゾーン(211)の平面に対して垂直に、前記横方向中央平面(350)を越えて延在することを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項7】
前記二次コレクションゾーン(214、215、224、225)の総面積が、前記一次コレクションゾーン(211、221)の総面積に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の位置センサ。
【請求項8】
ステアリングコラムの絶対位置を検出するための装置において、
複数の磁石を備える第1の着磁磁気ロータ構造体(100)と、
少なくとも1つの感磁素子(300、301、302)が中に配置された少なくとも1つのエアギャップを定める2つの磁束コレクション部品(210、220)と、
から構成された前記ステアリングコラムにおけるねじれのセンサをさらに備え、
磁束コレクション部品(210、220)が、少なくとも1つの二次コレクションゾーン(214、215、224、225)を有する少なくとも1つの延在部(216、219、226、229)が延在する少なくとも1つの一次コレクションゾーン(211、221)を有し、
複数の前記二次コレクションゾーン(214、215、224、225)が、前記エアギャップの2つの極を形成する平坦化されたシューにおいて終端し、
前記エアギャップの横方向中央平面(350)が、複数の前記延在部(216、219、226、229)のうちの少なくとも1つと交わり、
異なる2つの流れの方向において、集められた磁場が前記エアギャップ内へもたらされ、これにより干渉磁場の全成分を打ち消すことが可能である、
ということを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、感磁プローブ、例えばホールプローブが収容されるエアギャップの方へ磁束を集めるための構造体に対して運動可能(移動可能)な着磁部を備える、磁気的な位置センサまたはトルクセンサに関する。相対変位は、回転または線形、または任意の軌道に沿ったものでさえあり得る。かかるセンサは、例えば、シャフトの位置もしくはトーションシャフトを備えるステアリングコラムの位置を検出するために、特に自動車分野において使用され、またはその他には、ロボット工学の分野において使用される。
【0002】
感磁プローブの感度の向上、および、かかるセンサが使用される環境における電磁干渉の源の増加は、かかるセンサによって送られる電気信号の信頼性の問題の増加につながる。実際、この信号は、センサの着磁部分により生じる磁場だけでなく、外部の干渉源から来るすべての磁場および電磁場を表したものである。
【0003】
本発明の目的は、この干渉の影響を低減することである。
【0004】
〔従来技術〕
正確な検出を妨げる外部磁場により生じる磁束を磁気センサが検出することを防止するために、特許DE102012014208は、両方がトーションバーを介して接続された、第1のシャフト要素および第2のシャフト要素によって形成された回転要素において発生するトルクを検出するトルクセンサを提案している。
【0005】
特許出願JP2009020064もまた公知である。これは、大きさが低減され、かつ効率がかなり改善されたトルクセンサを提供することを目的としている。当該トルクセンサは、連結軸を介して同軸に連結された第1および第2の軸と、前記第2の軸に固定され、周方向に沿って多極着磁されたリング状の永久磁石と、前記第1の軸に固定され、前記永久磁石と共に磁気回路を形成するセンサヨークと、前記センサヨークを基準として前記永久磁石の軸方向反対側に配置され、前記永久磁石および前記センサヨークと共に前記磁気回路を形成する集磁ヨークと、前記センサヨークおよび前記集磁ヨークが誘導した磁束を検出する磁束センサと、を備える。前記トルクセンサは、前記第1および第2の軸のうちの一方に加えられたトルクを前記磁束センサからの出力に基づいて検出する。前記センサヨークは、同一平面または略同一平面上に配置された複数のクローポールから構成され、少なくとも一部の前記クローポールは、互いに分離して形成される。
【0006】
〔従来技術の欠点〕
想像され得る解決策は、磁石の寸法または磁石のBrを増大させることによって有用な磁場を増大させるものであり、干渉の影響をある程度薄めることを可能にする。しかし、センサのコンパクトさの損失およびコストの増大という犠牲が伴う。
【0007】
プローブの近くに配置されるか、またはセンサを取り囲むボックスを構成するシールドの追加もまた、公知の技術である。これはしばしばかさ張るか、また透磁率の高さゆえに高価な材料から作製される追加の部品を必要とする。この技術はまた、漏れ経路の発生のため、有用な磁場の損失をしばしば伴う。
【0008】
磁気シールドの追加の部品を設ける解決策は、結果として、通常のセンサよりも多数の部品を含むセンサに結びつき、かつより高い製造および組立コストに結びつくため、満足できるものではない。
【0009】
〔本発明により提供される解決策〕
これらの欠点に対処するために、本発明の目的は、当業者ならば行うであろうように外部の干渉場に対する磁気シールドを作り出すのではなく、測定エアギャップに対して特定の方法で配置された、それぞれ一次コレクション(収集)ゾーンおよび二次コレクションゾーンという、この干渉場に対する2つのコレクションゾーンを、各磁束コレクション構造体上に作り出すことである。
【0010】
本発明の原理は事実、集められた場を測定エアギャップ内にもたらすことにあるが、異なる2つの流れの方向において、最終的に干渉場の全成分が打ち消し合うようにすることを可能にする。この観点から、限定的ではないものの好ましくは、このエアギャップ内における有用な磁束を最大化しつつ、これら2つのゾーンの相対的な位置決めをするために、(i)二次コレクションゾーンによって集めるのと同量の干渉場を一次コレクションゾーンによって集めることと、(ii)エアギャップにおける2つの場を互いに対して反転させることと、が求められる。
【0011】
より詳細には、エアギャップを定める(画定する)横断中央平面の一方の側に一次コレクションゾーン、および、エアギャップを定める横断中央平面の他方の側に二次コレクションゾーンを配置することにより、エアギャップを横切る集められた磁場の方向を反転させる2つの磁束コレクタ構造体を組み合わせることによって、磁場反転ゾーンが作り出される。第1のコレクタ構造体の一次および二次コレクションゾーンによって集められた磁束は、種々の図においてより良く理解されるであろうように、第2の構造体の一次および二次コレクションゾーンによって集められた磁束と協働して、打ち消し合うか、または最小化される。
【0012】
本発明は、その最も一般的な意味において、特にステアリングコラムのねじれを検出するために設計された位置センサに関する。当該位置センサは、複数の磁石を備える第1の着磁磁気ロータ構造体と、少なくとも1つの感磁素子が中に配置された少なくとも1つのエアギャップを画定する2つの磁束コレクション部品と、から構成される。当該位置センサは、各コレクション部品が、磁束のコレクションゾーン内に位置し、かつ少なくとも1つの二次コレクションゾーンを有する少なくとも1つの延在部が延在する、少なくとも1つの一次コレクションゾーンを有し、複数の前記二次コレクションゾーンが、前記エアギャップの2つの極を形成する平坦化された複数のシューにおいて終端し、前記エアギャップの横方向中央平面が、複数の前記延在部のうちの少なくとも1つと交わる、ということを特徴とする。
【0013】
変形実施形態では:
-少なくとも1つのティース付きリングが、前記着磁構造体に対向して配置されている
-前記中央平面が、前記一次コレクションゾーンの複数の平面に対して平行である
-複数の前記一次コレクションゾーンが、複数の前記二次コレクションゾーンに対して平行である
-前記延在部が、軸方向に、かつ前記一次コレクションゾーンの平面に対して垂直に、前記横方向中央平面を越えて延在する
-前記二次コレクションゾーンの総面積が、前記一次コレクションゾーンの総面積に等しい
-それが、複数の磁石を備える第1の着磁磁気ロータ構造体と、少なくとも1つの感磁素子が中に配置された少なくとも1つのエアギャップを画定する2つの磁束コレクション部品と、から構成された前記コラムにおけるねじれのセンサをさらに備え、各コレクション部品が、少なくとも1つの二次コレクションゾーンを有する少なくとも1つの延在部が延在する少なくとも1つの一次コレクションゾーンを有し、複数の前記二次コレクションゾーンが、前記エアギャップの2つの極を形成する平坦化されたシューにおいて終端し、前記エアギャップの横方向中央平面が、複数の前記延在部のうちの少なくとも1つと交わる。
【0014】
本発明はまた、ステアリングコラムの絶対位置を検出するための装置において、複数の磁石を備える第1の着磁磁気ロータ構造体と、少なくとも1つの感磁素子が中に配置された少なくとも1つのエアギャップを画定する2つの磁束コレクション部品と、から構成された前記コラムにおけるねじれのセンサをさらに備え、各コレクション部品が、少なくとも1つの二次コレクションゾーンを有する少なくとも1つの延在部が延在する少なくとも1つの一次コレクションゾーンを有し、複数の前記二次コレクションゾーンが、前記エアギャップの2つの極を形成する平坦化されたシューにおいて終端し、前記エアギャップの横方向中央平面が、複数の前記延在部のうちの少なくとも1つと交わる、ということを特徴とする装置に関する。
【0015】
〔本発明の非限定的な実施例の詳細な説明〕
本発明は、添付の図面を参照しつつ、以下の本発明の非限定的な実施例の詳細な説明を読むことによって、より良く理解されるであろう:
図1図1は、本発明によるセンサの第1の概略例の斜視図を示し、
図2A図2B図2C図2D図2Eおよび図2Fは、本発明によるセンサの他の概略例を示し、
図3A図3B図3Aおよび図3Bは、本発明によるセンサの変形例を、それぞれ上方および下方からの斜視図において示し、
図4図4は、角度センサの別の実施形態の斜視図を示し、
図5図19図5図19はすべて、従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示し、
図20図20は、絶対位置センサと結合した本発明による角度センサの一実施形態の斜視図を示し、
図21図22図21および図22は、二次コレクションゾーンに一次コレクションゾーンを取り付ける方法を示す。
【0016】
磁気的原理は、図1図2A図2B図2Cおよび図2Dに示される概略図、ならびに、特に図3Aおよび図3Bに示される実施形態を参照して、説明される。この実施形態は一例として選択されている。残りの図面に示される複数の変形実施形態では、これら第1の複数の図面に記載されたものと同じ原理が繰り返される。
【0017】
〔第1の変形実施形態の説明〕
図1は、磁気の働きの原理を示すための、本発明の一実施形態の概略断面図を示す。センサは、主要な磁束コレクタを構成する軟質強磁性材料から作られ、かつ前記着磁構造体(100)に対向して配置された、少なくとも2つの部品(210、220)によって形成された第2の構造体に対して運動可能(移動可能)な公知の着磁構造体(100)から構成されている。
【0018】
本発明は、着磁構造体(100)と第2の構造体との間の任意の種類の組合せに対して適用され、線形方向または角度方向であり得る相対変位、そして、位置または角度トルク(angular torque)を測定するための円盤状または筒状の幾何学的形状を有する。
【0019】
着磁構造体(100)は、この第2の構造体に対するその位置の関数として、第2の構造体を通過する有用な誘導場(101)を調節するように決定されている。この目的のために、種々の構成が知られている。例えば:互い違いの磁化の方向を有する磁石の並置、互い違いの方向に分極した磁石が中に収容された構造体、角度方向に可変な磁化を有する磁石、または軌道に沿って強度が変わる磁化を有する磁石。
【0020】
この有用な誘導場(101)は、それぞれ磁束集中タブ(212、222)が延在する一次磁束コレクションゾーン(211、221)を備える、前記着磁構造体(100)の前に配置された2つの軟質強磁性部品(210、220)によって集められる。一次磁束コレクションゾーン(211、221)は、前記着磁構造体(100)によって生成される有用な場(101)、および干渉場が横切るように配置されている。この概略図では、簡単のために、図3から図19において表され、磁束の収集を改善し、それを一次コレクションゾーン(211、221)の方へ向ける役割を果たすティース付きリング(130、140)と同等の中間部品は示されていない。
【0021】
この誘導場(101)は、一次磁束コレクションゾーン(211、221)によって集められる。当該一次磁束コレクションゾーン(211、221)は、軟質強磁性材料から作られ、コレクション表面を有し、ここでは誘導場(101)の方向に対して垂直であり―しかしながら、この向きは決して限定的なものではない―、そして、磁化の主成分に対して垂直な着磁構造体(100)の面によって掃かれるエリアに対応する形状を有する。これらの一次磁束コレクションゾーン(211、221)は、着磁構造体(100)の両側に配置されている。着磁構造体(100)の磁化の方向は限定的なものではなく、ここでは簡略化された例として与えられたものである、と明記しておく。磁化の方向、および着磁構造体の形状は異なるものであり得る。
【0022】
磁束集中タブ(212、222)の前端部(213、223)は、ホールプローブ(300)が中に収容されたエアギャップを画定しており、その結果、磁力線が内部を循環する磁気回路が形成されている。ホールプローブにより測定される磁気誘導(magnetic induction)は、一次磁束コレクションゾーン(211、221)を通過する磁場の直接的な関数である。それぞれ延在部(216、226)が延在する各一次コレクションゾーン(211、221)は、強磁性材料から作られた部品を切断し曲げることによって製造され得る。
【0023】
本発明の目的は、点線の矢印(111~114)により表された、一次磁束コレクションゾーン(211、221)を横切る干渉磁場の入射を低減することである。これらの干渉場(111~114)は、さらに、ここで提示した垂直方向のものとは異なる向きを有し得、着磁構造体(100)によって生成された有用な場(100)と同様に、一次磁束コレクションゾーン(211、221)によって集められ、したがって、これらの干渉磁束は、有用な磁束(100)とちょうど同様に、測定プローブ(300)において見出される。これらの干渉場はまた、コレクタおよびコンセントレータの軟質強磁性材料による集中効果によって増幅される;したがって、プローブによって測定される値は、次の関係にほぼ等しい関係にしたがって、加えられた干渉場よりも大きくなるだろう:測定される誘導=(有用な誘導+干渉誘導)×増幅率。
【0024】
本発明によって提案される解決策は、測定プローブ(300)における干渉磁束の方向を反転させることによって、相殺(補正)(compensation)を作り出すものである。この目的のために、二次コレクションゾーン(214、225)が設けられている。
【0025】
本文献に提示されている種々の変形例は、非限定的な方法で、測定プローブ(300)が中に配置されたエアギャップにおける干渉磁束に関するかかる相殺を達成することを可能にする複数の実施形態を提案している。最適な実施形態では、測定プローブ(300)における干渉の完全な相殺のために、干渉磁束の逆収集(reverse collection)は干渉磁束の順収集(direct collection)と同一であることが理想である。ただし、本発明の枠組み内において、完全な相殺を達成することが絶対に必要だというわけではない。
【0026】
図1に示す実施例では、二次コレクションゾーン(214、225)は一次コレクションゾーン(211、221)に対して平行方向を向き、一次コレクションゾーン(211、221)の累積面積と実質的に同一の累積面積を有するエリアから構成されている。
【0027】
エアギャップは、前記一次コレクションゾーン(211、221)のうちの一方と、前記関連する集中タブ(212、222)の前端部(213、223)によって定められる平面(218、228)のうちの一方との間に位置する、中央平面(350)を有する。前端部(213、223)は、前記一次コレクションゾーン(211、221)に対して、前記中央平面(350)の後ろに位置する湾曲ゾーン(217、227)の終端に形成され、前記中央平面(350)は、前記一次コレクションゾーン(211、221)と前記二次コレクションゾーン(214、225)との間の平面(216、226)において、前記集中タブと交わる。
【0028】
〔概略的な変形実施形態の説明〕
図2Aは、磁気の働きの原理を示すための、本発明の別の実施形態の概略断面図を示す。この実施例では、干渉磁束(111~114)の反転は、追加の磁束コンセントレータ(244、254)によって一次コレクションゾーン(211、221)の前部ゾーン(213、223)に接続された2つの二次コレクションゾーン(214、224)によって行われる。当該追加の磁束コンセントレータ(244、254)は、プローブ(300)におけるエアギャップにおいて、一次コレクションゾーン(211、221)によって集められる磁束の方向に対して、二次コレクションゾーン(214、224)によって集められる磁束の方向を反転するように構成されている。これを行うためには、強磁性部品のうちの少なくとも1つは、前記部品の一次コレクションゾーンと二次コレクションゾーンとの間に測定エアギャップが位置するようでなければならない。
【0029】
図2Bは、二次コレクションゾーン(214、225)を有する、本発明の別の実施形態の概略断面図を示す。この変形例では、一次コレクションゾーン(211、221)に磁束集中タブ(216、226)が軸方向に延在し、次いで、二次コレクションゾーン(214、225)が水平方向に延在する。プローブ(300)が配置された測定エアギャップは、前記二次コレクションゾーン(214、225)の間に定められている。エアギャップの中央平面(350)は、この実施例では、一次コレクションゾーン(211、221)の間、および二次コレクションゾーン(214、225)の間に位置する。上で述べた要素の垂直方向および水平方向の向きは決して限定的なものではなく、種々の向きが考えられ得るが、目的は、測定エアギャップ内における干渉磁束の流れの方向を反転させることである。
【0030】
図2Cは、プローブ(300)が中に配置されたエアギャップが前記部品(210)の一次コレクションゾーン(211)と二次コレクションゾーン(214)との間に位置するために、少なくとも1つの強磁性部品(210)を有することが必要であるのみだということを示す、本発明の別の実施形態の概略断面図を示す。
【0031】
図2Dは、2つのプローブ(300、301)が使用された、本発明の別の実施形態の概略断面図を示す。この構成はさらに、図18Aおよび図18Bにおいてより現実的な方法で示されるものに類似している。そこでは、プローブの半径の配置が、プローブ間に角度方向のスペースを有する当該プローブの同一半径の配置によって置き換えられている。一次コレクションゾーン(211、221)には、二次コレクションゾーン(214、215および224、225)をそれぞれ端部として有する、2つおよび1つの集中タブ(216、219および226)がそれぞれ延在する。プローブ(300、301)は、前記二次コレクションゾーン(214、215および224、225)の間のエアギャップに配置されている。各部品(210、220)について、エアギャップは、一次コレクションゾーン(211、221)および二次コレクションゾーン(214、215および224、225)の間に位置する。
【0032】
図2Eは、一次コレクションゾーン(211、221)のコレクション表面(211B、221B)、および二次コレクションゾーン(214、224)のコレクション表面(214B、224B)が定められた、本発明の別の実施形態の概略断面図を示す。この図は、前記コレクション表面(211B、214B、221B、224B)に直交する平面における断面を示しており、それらはこれらの表面の各々における中央平面(PP1、PS1、PP2、PS2)によりそれぞれ定められている。したがって、この概略図は、一次コレクションゾーン(211、221)の表面(211B、221B)の中央平面が、二次コレクションゾーン(214、224)の表面(214B、224B)の中央平面に対して必ずしも平行ではない、ということを示す;ここで、平面(PP1、PS2)は、ゼロでない角度αをなす。この例は非限定的なものであり、ゼロでない角度をなし得る前記平面(PP1、PS1、PP2、PS2)の他の任意の組み合わせが提供される。しかしながら、相殺は、平面(PP1)および平面(PS2)、または、平面(PP2)および平面(PS1)が、小さな角度、すなわち、α<45度をなすとき、有利である;これらの組合せの両者がともに平面の直交を伴うとき、相殺(補正)はゼロであるから、この可能性は除外する。最後に、中央平面は、コレクションゾーン(211、214、221、224)の湾曲したまたは凹凸のあるコレクション表面を含むように導入されている。したがって、表面の中央平面は、前記表面と前記中央平面との間の距離の、当該表面の任意の点における最小化によって定められる。
【0033】
図2Fは、本発明の別の実施形態の概略断面図を示す。この実施形態は、コレクションゾーン(211、214、221、224)が干渉磁束に対するいくつかのコレクション表面(211B、211C、214B、214C、221B、221C、224B、224C)を有するという点において、図2Eに示された前の図とは異なっている。この概略図は、前記表面に直交する方向に沿った断面図である。干渉磁束の追加のコレクション表面(211C、214C、221C、224C)はそれぞれ、中央平面(PP1´、PS1´、PP2´、PS2´)によって定められ、角度の関係は、前の実施形態における平面(PP1、PS1、PP2、PS2)間において定められた関係と同様に、これらの平面間において立てられる。したがって、以下の関係のうちの1つが真であるならば、平面(PP1´)および(PS2´)は直交しないか、または平面(PP2´)および(PS1´)は直交しない。本文献の残りの部分では、コレクションゾーンに関するコレクション表面は、前記ゾーンを識別する番号に応じて、文字A、B、C、またはDによって指定される。したがって、明確さのために、図は、すべてのコレクションゾーンを明示的に、体系的に示すわけではなく、表面の指定は、ゾーンを識別するに足りるものである。
【0034】
〔角度センサの第1の実施形態の説明〕
図3Aおよび図3Bは、ステアリングコラムに取り付けられたトーションシャフトの数度(典型的には+/-3°、+/-6°、+/-8°)のストロークにわたる測定を行うための角度ねじれセンサの一実施形態を示す図である。このセンサの基礎は、本発明が干渉磁場に対する抵抗性に関する改良を求める基礎となる、文献US20140130612に提示されるものと類似している。
【0035】
センサは、好ましくは―しかし限定的ではなく―半径方向に磁化された、2N対の磁極(典型的にはN=6、8、10または12)を有する円筒形磁石(110)から構成された着磁構造体(100)からなり、それは磁石と同じ高さの円筒形ヨーク(118)上に取り付けられたブッシュ(bushing)を形成している。
【0036】
この実施形態によれば、着磁構造体(100)はさらに、互いに対向して取り付けられ、磁石(110)の磁極ピッチに対応する角度だけ角度的にずれた2つのティース付きリング(130、140)を備える。各々のティース付きリング(130、140)は、円筒部分の形状であってN個のティース(135、145)を有し、それは、磁石(110)の外面と協働できるように軸方向を向いている。ここで、ティース(歯)は、ティース根元における磁束通過セクションを増大できるように、ティース根元において増大する、センサの軸から見た角度幅を示す。
【0037】
これらのティース付きリング(130、140)は着磁構造体(100)から、本例ではここでは円環またはリングの形状である強磁性部品(210、220)によって形成された主要なコレクションゾーンへと、円環状エアギャップを通じて磁束を伝達する。部品(210、220)は、一方では、着磁構造体(100)から来る有用な磁束に対する半径方向コレクション表面(211A、221A)を有し、他方では、有用な磁束の一部、しかしとりわけ外部干渉磁束を集める軸方向コレクション表面(211B、221B)を有する。外面(211C、221C)は、主に干渉磁束の収集に関わる。
【0038】
部品(210、220)にはそれぞれ、2つの集中タブ(216、219および226、229)のそれぞれが延在し、集中ゾーン(216、218および226、228)の半径方向外側に位置し、かつ中に2つの感磁素子(300、301)が配置されプリント回路(図示せず)によって保たれている2つの測定エアギャップ内に、磁束を集中させ、方向付けることを可能にする。この例で使用されるエアギャップおよび感磁素子の数は―より一般的には、提示されたすべての例において―所望の信号の冗長性に応じて、可変であり得る。実際には、1つ、2つ、または3つのプローブが、これらのセンサに通常は使用される。
【0039】
部品(220)の二次コレクションゾーン(224、225)は、コレクション表面(221B)の平面に対して平行な平面内に延在し、ホールプローブ(300、301)が中に配置されたエアギャップを通過する横方向中央平面の後ろに(裏側に)位置する、2つの上部横方向エリア(224B、225B)によって形成される。したがって、この中央平面は、次の平面の間に配置されている:
-関連する集中タブ(226、229)の延在する一次コレクションセクタ(221B)の平面、
-一次コレクションセクタ(221B)の前記平面に対して平行な、関連する二次コレクションエリア(224B、225B)の平面。
【0040】
これらの3つの平面(221B、224B、225B)は、記載された実施例では平行であるが、それら、またはそれらのうちの1つは、本発明の範囲から逸脱することなく、傾いたものであり得る。エアギャップの中央平面は、集中タブ(226、229)と交わる。
【0041】
同様に、部品(210)の二次コレクションゾーン(214、215)は、一次コレクション表面(211B)の平面に対して平行な平面内に延在し、ホールプローブ(300、301)が中に配置されたエアギャップを通過する横方向中央平面の後ろに(裏側に)位置する、2つの上部横方向エリア(214B、215B)によって形成される。したがって、この中央平面は、次の平面の間に配置されている:
-関連する集中タブ(216、219)の延在する一次コレクションセクタ(211B)の平面、
-一次コレクションセクタ(211B)の前記平面に対して平行な、関連する二次コレクションエリア(214B、215B)の平面。
【0042】
これらの3つの平面(211B、214B、215B)は、記載された実施例では平行であるが、それら、またはそれらのうちの1つは、本発明の範囲から逸脱することなく、傾いたものであり得る。エアギャップの中央平面は、集中タブ(216、219)と交わる。
【0043】
〔角度センサの複数の実施形態の説明〕
図4は、文献US20140283623に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは単一のプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向けるティース付きリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。
【0044】
前記強磁性部品(210、220)は、一次コレクション表面(211A、221A)によって形成されている。当該一次コレクション表面(211A、221A)は、その内面上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、その縁部上およびその外面上において、外部干渉磁束を集める。一次コレクション表面(211B、221B)は主に、干渉磁束の軸方向成分を収集する。これらの表面には集中タブ(216、226)が延在し、当該集中タブ(216、226)はその端部に二次コレクションゾーン(214、224)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、プローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、225)間において順方向に、コレクションゾーン(211B、221B)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0045】
図5Aおよび図5Bは、文献US20090027045に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは1つまたは2つのプローブ(300、301)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向けるティース付きリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。ここで、リング(130、140)のティース(135、145)は、半径方向に延在し、図4に先に示したように軸方向には延在しない。図5Aは、単一の測定プローブ(300)を有し、図5Bは、2つのプローブ(300、301)を有し、その他の機能は、2つの副変形例間において同一のままである。
【0046】
前記強磁性部品(210、220)は、一次コレクション表面(211A、221A)によって形成されている。当該一次コレクション表面(211A、221A)は、その内面上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、その外面上において、外部干渉磁束を集める。一次コレクションゾーン(211、221)の二次コレクション表面(211B、221B)は、有用な磁束と干渉磁束とを収集する。これらの表面には、集中タブ(216、226)が延在し、当該集中タブ(216、226)はその端部に二次コレクションゾーン(214、224、215、225)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、プローブ(300、301)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224、215、225)間において順方向に、コレクションゾーン(211、216、221、226)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0047】
図6は、文献JP200920064に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは単一のプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向けるティース付きリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、着磁構造体がティース付きリング(130、140)の下に配置されている。
【0048】
前記強磁性部品(210、220)は、一次コレクション表面(211B、221B)によって形成されている。当該一次コレクション表面(211B、221B)は、その内面上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、その外面上において、外部干渉磁束を集める。これらの表面(211B、221B)には、集中タブ(216、226)が延在し、当該集中タブ(216、226)はその端部に二次コレクションゾーン(214、224)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、プローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224)間において順方向に、コレクションゾーン(211B、216、221B、226)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0049】
図7は、文献KR20120010696に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは単一のプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向けるティース付きリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、リング(130、140)のティース(135、145)が、角度的に傾斜している。
【0050】
前記強磁性部品(210、220)は、一次コレクションゾーン(211、221)のコレクション表面(211B、221B)によって形成されている。当該一次コレクションゾーン(211、221)のコレクション表面(211B、221B)は、その内面上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、その外面上において、干渉磁束を集める。これらの表面(211B、221B)には、集中タブ(216、219、226)が延在し、当該集中タブ(216、219、226)はその端部に二次コレクションゾーン(214、215、224、225)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、プローブ(300、301)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、215、224、225)間において順方向に、コレクションゾーン(211、216、219、221B、226)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0051】
図8は、文献JP2012058249に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは単一のプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向けるティース付きリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、リング(130、140)は平坦であり、ティースを有しておらず、有用な磁束の収集は、図1の概略図と同様に、軸方向に行われる。
【0052】
前記強磁性部品(210、220)は、一次コレクション表面(211B、221B)によって形成されている。当該一次コレクション表面(211B、221B)は、その内面上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、その外面上において、外部干渉磁束を集める。これらの表面(211B、221B)には、集中タブ(216、226)が延在し、当該集中タブ(216、226)はその端部に二次コレクションゾーン(214、224)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、プローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224)間において順方向に、コレクションゾーン(211B、221B、216、226)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0053】
図9は、文献JP2016090492に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは単一のプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向けるリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、リング(130、140)は平坦であり、ティースを有しない。
【0054】
前記強磁性部品(210、220)は、一次コレクション表面(211B、221B)によって形成されている。当該一次コレクション表面(211B、221B)は、その内面上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、その外面上において、外部干渉磁束を集める。これらの表面(211B、221B)には、集中タブ(216、226、見えず)が延在し、当該集中タブ(216、226、見えず)はその端部に二次コレクションゾーン(214、224)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、プローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224)間において順方向に、コレクションゾーン(211、216、226、221)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0055】
図10は、文献US20090078058に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは3つのプローブ(300、301、302)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向けるリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、強磁性部品(210、220)は、ティース付きリング(130、140)よりも大きな軸方向厚さを有する。
【0056】
前記強磁性部品(210、220)は、一次コレクション表面(211A、221A)によって形成されている。当該一次コレクション表面(211A、221A)は、その内面上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、その縁部上およびその外面上において、干渉磁束を集める。これらの表面(211A、221A)には、集中タブ(216、226)が延在し、当該集中タブ(216、226)はその端部に二次コレクションゾーン(214、224)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、ここでは3つのプローブ(300、301、302)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224)間において順方向に、コレクションゾーン(211、221)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0057】
図11は、文献KR976701に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは2つのプローブ(300、301)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向けるリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、ティース付きリング(130、140)は有用な磁束コレクション表面を増大させるため、二重になっている。
【0058】
前記強磁性部品(210、220)は、一次コレクションゾーン(211、221)によって形成されている。当該一次コレクションゾーン(211、221)は、その内表面(211A、221A)上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、その外表面(211B、221B)上において、干渉磁束を集める。これらの表面(211B、221B)には、集中タブ(216、219、226)が延在し、当該集中タブ(216、219、226)はその端部に二次コレクションゾーン(214、215、224、225)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、ここでは2つのプローブ(300、301)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、215、224、225)間において順方向に、コレクションゾーン(211、221)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0059】
図12Aおよび図12Bは、文献KR987896に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは単一のプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向ける単一のリング(130)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、リング(130)はただ1つであり、ティースを有していない。図12Aはセンサの分解図を示し、図12Bは、センサの組立図を示す。
【0060】
前記強磁性部品(210、220)は、一次コレクション表面(211A、221A)によって形成されている。当該一次コレクション表面(211A、221A)は、その縁部上およびその外面上において、着磁構造体(100)の有用な磁束、および干渉磁束を集める。これらの表面(211A、221A)には、表面(211B、221B)が延在し、次に集中タブ(216、219、226)が延在して、それらはその端部に二次コレクションゾーン(214、224)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、ここではプローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224)間において順方向に、コレクションゾーン(211A、211B、221A、221B)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0061】
図13は、文献WO2016032785に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは1つの2つのプローブ(300、301)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向けるリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、ティース付きリング(130、140)は半径方向に傾斜したティース(135、145)を有する。
【0062】
前記強磁性部品(210、220)は、円環の形状であり、一次コレクションゾーン(211B、221B)によって形成されている。当該一次コレクションゾーン(211B、221B)は、その外面上において、着磁構造体(100)の有用な磁束、および干渉磁束を集める。これらの表面(211B、221B)には、集中タブ(参照せず)が延在し、当該集中タブはその端部に二次コレクションゾーン(214、215、224、225)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、ここでは2つのプローブ(300、301)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、215、224、225)間において順方向に、コレクションゾーン(211B、221B)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0063】
図14は、文献KR2016029991に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここではプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向けるリング(130)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、リング(130)はただ1つであり、半径方向に延在するティース(135)を有する。
【0064】
前記強磁性部品(210、220)は、扇形の形状であり、一次コレクションゾーン(211B、221B)によって形成されている。当該一次コレクションゾーン(211B、221B)は、その内面上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、その外面上において、干渉磁束を集める。表面(211B)には、集中タブ(216)が延在し、当該集中タブ(216)は二次コレクションゾーン(214、224)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、ここではプローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224)間において順方向に、コレクションゾーン(211、221)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0065】
図15は、文献JP6036220に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここではプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向ける2つのリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、リング(130、140)のティース(135、145)は軸方向に延在し、各リング(130、140)間において同一直線上にある。着磁構造体(100)は軸方向に分極している。
【0066】
前記強磁性部品(210、220)は、扇形の形状であり、一次コレクションゾーン(211、221)によって形成されている。当該一次コレクションゾーン(211、221)は、コレクション表面(211A、221A)上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、コレクション表面(211B、221B)上において、干渉磁束を集める。コレクションゾーン(211、221)には、集中タブ(216、226)が延在し、当該集中タブ(216、226)はその端部に二次コレクションゾーン(214、224)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、ここではプローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224)間において順方向に、コレクションゾーン(211、221)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0067】
図16は、文献US20160138983に提示されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここではプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向ける2つのティース付きリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、リング(130、140)のティース(135、145)は共にリング(130、140)を構成している。着磁構造体(100)は、軸方向に分極し、前記リング(130、140)の上方に位置する。
【0068】
前記強磁性部品(210、220)は、扇形の形状であり、一次コレクションゾーン(211、221)によって形成されている。当該一次コレクションゾーン(211、221)は、コレクション表面(211A、221A)上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、コレクション表面(211B、221B)上において、干渉磁束を集める。コレクションゾーン(211、221)には、集中タブ(216、226)が延在し、当該集中タブ(216、226)はその端部に二次コレクションゾーン(214、224)を形成するに至り、これらのゾーンの間には、ここではプローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224)間において順方向に、コレクションゾーン(211、221、216、226)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0069】
図17は、プローブ面(300)が先行の説明に対して軸方向、または90°を向いたセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここではプローブ(300)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向ける2つのティース付きリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、リング(130、140)のティース(135、145)は共にリング(130、140)を構成している。また、本発明によって提供される解決策は、センサの回転軸に対して垂直な向きの外部場の干渉を最小化することを可能にする。
【0070】
前記強磁性部品(210、220)は、扇形の形状であり、一次コレクション表面(211A、221A)によって形成されている。当該一次コレクション表面(211A、221A)は、着磁構造体(100)の有用な磁束を集める。表面(211B、221B)には、その端部において、二次コレクションゾーン(214、224)が延在し、これらの間には、ここではプローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224)間において順方向に、コレクションゾーン(211B、、221B)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0071】
図18Aおよび図18Bは、文献US8418570に記載されたもののようなセンサへの、本発明の適用を示す。前と同様に、このセンサは、強磁性集中部品(210、220)、およびここでは2つのプローブ(300、301)が中に配置された測定エアギャップの方へ磁束を向ける2つのティース付きリング(130、140)に対して運動可能な着磁構造体(100)を備える。この実施例では、強磁性部品(210、220)は、追加のエアギャップ(500、501)を生み出す2つの部分の中にある。図18Aは、装置の完全な図であり、一方、図18Bは、要素の形状をより良く理解するために、強磁性部品(210、220)が軸平面内において切り取られた図である。
【0072】
前記強磁性部品(210、220)は、扇形の形状であり、一次コレクション表面(211、221)によって形成されている。当該一次コレクション表面(211、221)は、その内面(211A)上において、着磁構造体(100)の有用な磁束を集め、その縁部(211B、221B)上およびその外面(211C、221C)上において、干渉磁束を集める。ゾーン(211、221)には、その端部において、二次コレクションゾーン(214、215、224、225)が延在し、これらの間には、ここでは2つのプローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、215、224、225)間において順方向に、コレクションゾーン(211、221)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0073】
図19は、文献JP2016095281に記載されているもののようなセンサへの、本発明の適用を示している。前記強磁性部品(210、220)は、円環の形状であり、一次コレクション表面(211B、221B)によって形成されている。当該一次コレクション表面(211B、221B)は、着磁構造体(100)の有用な磁束、および干渉磁束を集める。表面(211B、221B)には、集中タブ(216、226)が延在し、その端部において、二次コレクションゾーン(214、224)が延在し、これらの間には、ここではプローブ(300)が配置されている。干渉磁束は一方では、二次コレクションゾーン(214、224)間において順方向に、コレクションゾーン(211B、221B)を通じて反対方向に、エアギャップ内へと向けられ、全て、測定エアギャップ内の干渉磁束を最小化するか、または相殺さえすることに関与する。
【0074】
図20は、本発明により定められるような位置センサと絶対位置検出装置との組み合わせを示す。この非限定的な実施例では、図3A図3Bにおいて定められるような位置センサが、文献WO2012084288に記載されたものと類似の装置に結合している。後者の装置は、磁気的なバーニア(vernier)による測定原理を用いて、ステアリングコラムの複数回転にわたって、その絶対位置を決定するためのものである。バーニア型装置は特に、ティース付きメインホイール(1000)を備え、それは好ましくは、着磁構造体(100)に固定されている。したがって、ステアリングコラムの回転は、メインホイール(1000)の回転を引き起こし、それは次いで、着磁遊星ホイール(1001、1002)の回転を引き起こし、それは感磁プローブ(1003、1004)におけるシグナルの発生をもたらす。このように、ステアリングコラムの複数回転にわたってステアリングコラムの絶対角度方向位置を得ることが可能である。
【0075】
もちろん、任意の絶対位置検出装置とともに、本発明による位置センサの任意の変形例を使用することが想定できるのであって、図20のこの実施例は、その実施形態におけるいかなる点でも限定的なものではない。
【0076】
図21および図22は、二次コレクションゾーン(214、224)と一次コレクションゾーン(211、221)との間の機械的および磁気的接続の実施形態を示す構造体の図である。一方の側において、二次コレクションゾーン(214、224)は、延在部(216、226)の平坦な端部に「クリッピング」により接続することを可能にする、湾曲したU字形状部分(2140、2240)を、その端部に有する。他方の側において、二次コレクションゾーン(214、224)は、延在部(216、226)の平坦な端部と接触状態にある平坦な表面(2141、2241)を有し、接触部における溶接による接続が可能となっている。当該U字形状は限定的なものではなく、機械的変形による維持を保証する相補的な形状を用いる他のクリッピングの方法を考えることが可能である。
【0077】
もちろん、提示または示唆された固定方法を任意に組み合わせて使用することが想定され得るのであって、図21および図22における異なる固定方法の使用は、その多様さを例示することを単に意図したものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】本発明によるセンサの第1の概略例の斜視図を示す。
図2A】本発明によるセンサの他の概略例を示す。
図2B】本発明によるセンサの他の概略例を示す。
図2C】本発明によるセンサの他の概略例を示す。
図2D】本発明によるセンサの他の概略例を示す。
図2E】本発明によるセンサの他の概略例を示す。
図2F】本発明によるセンサの他の概略例を示す。
図3A】本発明によるセンサの変形例を、それぞれ上方および下方からの斜視図において示す。
図3B】本発明によるセンサの変形例を、それぞれ上方および下方からの斜視図において示す。
図4】角度センサの別の実施形態の斜視図を示す。
図5A】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図5B】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図6】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図7】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図8】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図9】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図10】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図11】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図12A】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図12B】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図13】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図14】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図15】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図16】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図17】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図18A】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図18B】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図19】従来技術の複数のセンサを改良する、本発明によるセンサの変形実施形態の斜視図を示す。
図20】絶対位置センサと結合した本発明による角度センサの一実施形態の斜視図を示す。
図21】二次コレクションゾーンに一次コレクションゾーンを取り付ける方法を示す。
図22】二次コレクションゾーンに一次コレクションゾーンを取り付ける方法を示す。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22