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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】収音器、弦楽器及び収音器の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G10G 7/02 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
G10G7/02 100
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021566320
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 CN2020094923
(87)【国際公開番号】W WO2020244664
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-11-08
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】201910494960.0
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201920859306.0
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516167934
【氏名又は名称】広州市拿火信息科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陸 子天
(72)【発明者】
【氏名】謝 倬豪
(72)【発明者】
【氏名】尹 帥
(72)【発明者】
【氏名】蘇 開生
(72)【発明者】
【氏名】陳 芳芳
【合議体】
【審判長】高橋 宣博
【審判官】樫本 剛
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-527393(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0150630(US,A1)
【文献】国際公開第2019/093307(WO,A1)
【文献】特開2010-102261(JP,A)
【文献】実開昭57-205198(JP,U)
【文献】特開2007-264034(JP,A)
【文献】特開2014-6415(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2945152(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10H 3/00
G10D 3/00
G10H 1/00
G10G 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収音器であって、
収音素子と、マルチタッチパネルと、処理ユニットと、を含み、
前記マルチタッチパネルは、前記処理ユニットに接続され、前記収音素子は、前記処理ユニットに接続され、
前記収音素子は、楽器から発せられた音声情報をピックアップし、
前記マルチタッチパネルは、音色調整機能アプリケーション情報、トーン調整機能アプリケーション情報、バランス調整機能アプリケーション情報のうちの少なくとも1種の収音器の機能アプリケーション情報を表示し、且つ機能トリガー命令を受信し、
前記機能トリガー命令は、ユーザーが前記マルチタッチパネルにタッチすることで、収音器の機能を制御することにより得られ、
前記処理ユニットは、第1プロセッサと第2プロセッサと、を含み、
音色調整の制御過程は、以下のとおりであり、
前記第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、前記音色調整に関する機能制御情報を生成し、前記音色調整に関する機能制御情報を前記第2プロセッサに転送し、
また、前記第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、音色調整に対応するトリガー命令であるか否かを判断し、
前記音色調整に対応するトリガー命令であると、生成された音色調整の機能制御情報を前記第2プロセッサに転送する必要があり、
前記音色調整に対応するトリガー命令ではなく、即ち、前機能トリガー命令がトーン調整に関する機能アプリケーション情報、バランス調整機能アプリケーション情報であると、生成された制御命令を前記第2プロセッサに伝達する必要がなく、
前記第2プロセッサは、前記音色調整に関する機能制御情報に基づいて、前記音声情報に対して音色調整を行い、
前記収音器は、前記第1プロセッサに接続されるストレージをさらに含み、
前記第1プロセッサは、前記音声情報に関する第1記憶命令を生成し、且つ前記第1記憶命令を前記第2プロセッサに転送し、
前記第2プロセッサは、前記第1記憶命令に応じて、前記音声情報を前記第1プロセッサに送信し、
前記第1プロセッサは、前記音声情報を前記ストレージに記憶する、収音器。
【請求項2】
前記処理ユニットは、CPLDプロセッサ又はFPGAプロセッサを含む、請求項1に記載の収音器。
【請求項3】
前記第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令が前記トーン調整機能アプリケーション情報をトリガーする命令であるか又は前記バランス調整機能アプリケーション情報をトリガーする命令であるかを決定して、第1機能制御情報を生成して、前記音声情報に対してトーン又はバランス調整を行い、
前記第2プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令が前記音色調整機能アプリケーション情報をトリガーする命令であるか又は前記バランス調整機能アプリケーション情報をトリガーする命令であるかを決定して、第2機能制御情報を生成して、前記音声情報に対して音色調整又はバランス調整を行う、請求項1に記載の収音器。
【請求項4】
前記第1プロセッサは、ARMプロセッサ、第2プロセッサは、DSPプロセッサである、請求項3に記載の収音器。
【請求項5】
前記収音器は、前記第2プロセッサ及び/又は前記第1プロセッサに接続されるスピーカーセットをさらに含み、
前記スピーカーセットは、調整後の音声情報を再生する、請求項3又は4に記載の収音器。
【請求項6】
前記第1プロセッサと前記第2プロセッサは、回路基板に設けられ、前記マルチタッチパネルは、前記回路基板に接続される、請求項3又は4に記載の収音器。
【請求項7】
前記第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、リアルタイム音声を処理するか又は非リアルタイム音声を処理するかを決定し、リアルタイム音声を処理する場合、いかなる動作もせず、非リアルタイム音声を処理する場合、前記機能トリガー命令が前記音色調整機能アプリケーション情報、前記トーン調整機能アプリケーション情報若しくは前記バランス調整機能アプリケーション情報、又は、この三者をトリガーする命令であるかを決定して、前記音声に対して対応処理を行うように構成されており、
前記第2プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、リアルタイム音声を処理するか又は非リアルタイム音声を処理するかを決定し、非リアルタイム音声を処理する場合、いかなる動作もせず、リアルタイム音声を処理する場合、前記機能トリガー命令が前記音色調整機能アプリケーション情報、前記トーン調整機能アプリケーション情報若しくは前記バランス調整機能アプリケーション情報、又は、この三者をトリガーする命令であるかを決定して、前記音声に対して対応処理を行う、請求項1に記載の収音器。
【請求項8】
弦楽器であって、
弦楽器本体と、前記弦楽器本体に取り付けられる請求項1~のいずれかに記載の収音器と、を含み、
収音器におけるマルチタッチパネルが前記弦楽器の側板に取り付けられる、弦楽器。
【請求項9】
収音器の制御方法であって、
収音器は、収音素子と、マルチタッチパネルと、処理ユニットと、ストレージと、を含み、前記マルチタッチパネルは、前記処理ユニットに接続され、前記収音素子は、前記処理ユニットに接続され、前記処理ユニットは、第1プロセッサと第2プロセッサと、を含み、前記ストレージは、前記第1プロセッサに接続され、
前記収音素子は、楽器から発せられた音声情報をピックアップし、
前記第1プロセッサは、前記音声情報に関する第1記憶命令を生成し、且つ前記第1記憶命令を前記第2プロセッサに転送し、
前記第2プロセッサは、前記第1記憶命令に応じて、前記音声情報を前記第1プロセッサに送信し、
前記第1プロセッサは、前記音声情報を前記ストレージに記憶し、
前記マルチタッチパネルは、音色調整機能アプリケーション情報、トーン調整機能アプリケーション情報、バランス調整機能アプリケーション情報のうちの少なくとも1種の収音器の機能アプリケーション情報を表示し、且つ機能トリガー命令を受信し、
前記機能トリガー命令は、ユーザーが前記マルチタッチパネルにタッチすることで、収音器の機能を制御することにより得られ、
前記処理ユニットは、前記機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令によってトリガーされた機能制御情報を生成し、前記音声情報を調整し、
前記方法は、
前記マルチタッチパネルが前記音色調整機能アプリケーション情報、前記トーン調整機能アプリケーション情報及び前記バランス調整機能アプリケーション情報を表示し、機能トリガー命令を受信するステップと、
前記処理ユニットが前記機能トリガー命令に応じて、ユーザーによって選択された機能アプリケーション情報が媒体音を含むか否かを判断するステップと、
媒体音を含むと判断すると、前記トレージから前記機能トリガー命令に対応する音声パケットを呼び出し、前記音声パケットを再生するステップと、
媒体音を含まないと判断すると、前記ストレージから前記機能トリガー命令に対応する特定の音色を呼び出して、前記特定の音色に基づいて現在の音声情報に対して音声処理を行うことで、収音素子によって収集された楽器から発せられた、音声処理済みの現在の音声情報を再生するステップと、を含み、
色調整の制御過程は、以下のとおりであり、
前記第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、前記音色調整に関する機能制御情報を生成し、前記音色調整に関する機能制御情報を前記第2プロセッサに転送し、
また、前記第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、音色調整に対応するトリガー命令であるか否かを判断し、
前記音色調整に対応するトリガー命令であると、生成された音色調整の機能制御情報を前記第2プロセッサに転送する必要があり、
前記音色調整に対応するトリガー命令ではなく、即ち、前機能トリガー命令がトーン調整に関する機能アプリケーション情報、バランス調整機能アプリケーション情報であると、生成された制御命令を前記第2プロセッサに伝達する必要がなく、
前記第2プロセッサは、前記音色調整に関する機能制御情報に基づいて、前記音声情報に対して音色調整を行う、収音器の制御方法。
【請求項10】
前記方法は、前記処理ユニットがストレージから前記機能トリガー命令に対応する特定の音色を呼び出すステップの前に、
前記処理ユニットが記憶に関する機能トリガー命令を受信したか否かを判断するステップと、
受信したと判断すると、第2記憶命令を生成し、前記特定の音色に基づいて現在の音声情報に対して音声処理を行った後、前記第2記憶命令に応じて、音声処理済みの現在の音声情報を前記ストレージに記憶するステップと、
をさらに含む、請求項に記載の収音器の制御方法。
【請求項11】
前記収音器は、前記収音器の内蔵スピーカーであり直接再生するホーンと、スピーカーを接続するためのインタフェースと、を含み、
前記音声パケットを再生する又は音声処理済みの現在の音声情報を再生する前に、前記方法は、
前記処理ユニットはインタフェースが接続状態にあるかどうかを判断するステップと、
接続状態にあると判断すると、前記音声パケット又は音声処理済みの現在の音声情報を前記インタフェースを介してスピーカーに送信し、前記スピーカーで再生するステップと、
非接続状態であると判断すると、前記音声パケット又は音声処理済みの現在の音声情報をホーンで再生するステップと、
をさらに含む、請求項に記載の収音器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収音器、弦楽器及び収音器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
楽器を学習する過程において、楽器における収音器で補助して調音などの操作を行う必要がある。従来の収音器は、LEDデジタルチューブ又はその他のディスプレイスクリーンにより、調音と音量を表示でき、回転ノブによりLEDデジタルチューブを制御して音を表示して切り替えさせる。具体的には、調音するとき、回転ノブを押した後、LEDデジタルチューブに音符を表示し、チューブが赤色であると、音調が正しくないことを表し、チューブが緑色であると、音調が正しいことを表し、音量ボタンを回転するとき、LEDデジタルチューブに音量を数字で表す。
【0003】
しかし、回転ノブにより制御し、LEDデジタルチューブにより表示する上記形態は、収音器の機能が単一であり、収音器の機能を追加するとき、LEDデジタルチューブの操作不可能性のため、回転ノブにより切り替えを制御する必要があり、複数の回転ノブを追加する必要があるが、多くの回転ノブを追加すると、ユーザーの使用負担が増加してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施例は、従来技術で回転ノブにより制御するため、制御機能が単一である状況を改善し、演奏エクスペリエンスを豊かにする、収音器、弦楽器及び収音器の制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る収音器は、
収音素子と、マルチタッチパネルと、処理ユニットと、を含み、前記マルチタッチパネルは、前記処理ユニットに接続され、前記収音素子は、前記処理ユニットに接続され、
前記収音素子は、楽器から発せられた音声情報をピックアップし、
前記マルチタッチパネルは、音色調整機能アプリケーション情報、トーン調整機能アプリケーション情報、バランス調整機能アプリケーション情報のうちの少なくとも1種の収音器の機能アプリケーション情報を表示して、機能トリガー命令を受信し、
前記機能トリガー命令は、ユーザーが前記マルチタッチパネルにタッチすることで、収音器の機能を制御することにより得られ、
前記処理ユニットは、前記機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令によってトリガーされた機能制御情報を生成して、前記音声情報を調整する。
【0006】
さらに、前記処理ユニットは、CPLDプロセッサ又はFPGAプロセッサを含む。
【0007】
さらに、前記処理ユニットは、第1プロセッサと第2プロセッサと、を含み、
前記第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令が前記トーン調整機能アプリケーション情報又は前記バランス調整機能アプリケーション情報をトリガーする命令であると決定し、第1機能制御情報を生成し、前記音声情報に対してトーン又はバランス調整を行い、
前記第2プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令が前記音色調整機能アプリケーション情報、又は前記バランス調整機能アプリケーション情報をトリガーする命令であると決定し、第2機能制御情報を生成し、前記音声情報に対して音色調整又はバランス調整を行う。
【0008】
例えば、前記第1プロセッサは、ARMプロセッサ、第2プロセッサは、DSPプロセッサである。
【0009】
さらに、前記収音器は、前記第1プロセッサに接続されるストレージをさらに含み、
前記第1プロセッサは、前記音声情報に関する第1記憶命令を生成し、前記第1記憶命令を前記第2プロセッサに転送し、
前記第2プロセッサは、前記第1記憶命令に応じて、前記音声情報を前記第1プロセッサに送信し、
前記第1プロセッサは、前記音声情報を前記ストレージに記憶する。
【0010】
さらに、前記収音器は、前記第2プロセッサ及び/又は前記第1プロセッサに接続されるスピーカーセットをさらに含み、
前記スピーカーセットは、調整後の音声情報を再生する。
【0011】
さらに、前記第1プロセッサと前記第2プロセッサは、回路基板に集積され、前記マルチタッチパネルは、前記回路基板に接続される。
【0012】
例えば、前記処理ユニットは、第1プロセッサと第2プロセッサと、を含み、
前記第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、リアルタイム音声を処理するか又は非リアルタイム音声を処理するかを決定する。リアルタイム音声を処理する場合、いかなる動作もしない。非リアルタイム音声を処理する場合、前記機能トリガー命令が前記音色調整機能アプリケーション情報、前記トーン調整機能アプリケーション情報若しくは前記バランス調整機能アプリケーション情報、又は、この三者をトリガーする命令であるかを決定して、前記音声に対して対応処理を行うように構成されている。
【0013】
前記第2プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、リアルタイム音声を処理するか又は非リアルタイム音声を処理するかを決定する。非リアルタイム音声を処理する場合、いかなる動作もしない。リアルタイム音声を処理する場合、前記機能トリガー命令が前記音色調整機能アプリケーション情報、前記トーン調整機能アプリケーション情報若しくは前記バランス調整機能アプリケーション情報、又は、この三者をトリガーする命令であるかを決定して、前記音声に対して対応処理を行う。
【0014】
本開示に係る弦楽器は、弦楽器本体と、前記弦楽器本体に取り付けられる上記実施例のいずれかに記載の収音器と、を含み、収音器におけるマルチタッチパネルが前記弦楽器の側板に取り付けられる。
【0015】
本開示に係る収音器の制御方法であって、収音器は、収音素子と、マルチタッチパネルと、処理ユニットと、を含み、前記マルチタッチパネルは、前記処理ユニットに接続され、前記収音素子は、前記処理ユニットに接続され、
前記収音素子は、楽器から発せられた音声情報をピックアップし、
前記マルチタッチパネルは、音色調整機能アプリケーション情報、トーン調整機能アプリケーション情報、バランス調整機能アプリケーション情報のうちの少なくとも1種の収音器の機能アプリケーション情報を表示し、機能トリガー命令を受信し、前記機能トリガー命令は、ユーザーが前記マルチタッチパネルにタッチすることで、収音器の機能を制御することにより得られ、
前記処理ユニットは、前記機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令によってトリガーされた機能制御情報を生成し、前記音声情報を調整し、
前記方法は、
前記マルチタッチパネルが前記音色調整機能アプリケーション情報、前記トーン調整機能アプリケーション情報及び前記バランス調整機能アプリケーション情報を表示し、機能トリガー命令を受信するステップと、
前記処理ユニットが前記機能トリガー命令に応じて、ユーザーによって選択された機能アプリケーション情報が媒体音を含むか否かを判断するステップと、
媒体音を含むと判断すると、前記収音器に設けられ且つ前記処理ユニットに接続される前記ストレージから前記機能トリガー命令に対応する音声パケットを呼び出して、前記音声パケットを再生するステップと、
媒体音を含まないと判断すると、前記ストレージから前記機能トリガー命令に対応する特定の音色を呼び出して、前記特定の音色に応じて現在の音声情報に対して音声処理を行うことで、収音素子によって収集された楽器から発せられた、音声処理済みの現在の音声情報を再生するステップと、を含む。
【0016】
さらに、前記収音器は、ホーンと、スピーカーに接続するためのインタフェースと、を含み、前記方法は、前記音声パケットを再生する又は音声処理済みの現在の音声情報を再生する前に、
前記処理ユニットはインタフェースが接続状態にあるかどうかを判断するステップと、
接続状態にあると判断すると、前記音声パケット又は音声処理済みの現在の音声情報を前記インタフェースを介してスピーカーに送信し、前記スピーカーで再生するするステップと、
非接続状態であると判断すると、前記音声パケット又は音声処理済みの現在の音声情報をホーンで再生するステップと、をさらに含む。
【発明の効果】
【0017】
本開示に係る収音器、弦楽器及び収音器の制御方法は、収音器にマルチタッチパネルと処理ユニットを追加することで、マルチタッチパネルが処理ユニットに接続され、収音素子が処理ユニットに接続され、収音素子、マルチタッチパネル及び処理ユニットがいずれも電源システムに接続される。作動中、収音素子は、楽器から発せられた音声情報をピックアップし、マルチタッチパネルは、音色調整機能アプリケーション情報、トーン調整機能アプリケーション情報、バランス調整機能アプリケーション情報のうちの少なくとも1種の収音器の機能アプリケーション情報を表示し、ユーザー機能トリガー命令を受信し、ユーザー機能トリガー命令は、ユーザーがマルチタッチパネルにタッチすることで、収音器の機能を制御することにより得られ、処理ユニットは、機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令によってトリガーされた機能制御情報を生成し、前記音声情報を調整する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の具体的な実施形態又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するため、以下、具体的な実施形態又は従来技術の技術的解決手段の記述において必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に記載する図面は本開示のいくつかの実施例だけであり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本開示の実施例に係る収音器の構造図である。
図2】本開示の実施例に係る弦楽器の模式図である。
図3】本開示の実施例に係る別の収音器の構造図である。
図4】本開示の実施例に係る収音器における素子接続構造の模式図である。
図5】本開示の実施例に係る収音器の制御方法のフローチャートである。
図6】本開示の実施例に係る別の収音器の制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に実施例を参照しながら本開示の技術的解決手段を明確で、完全に説明し、明らかに、説明された実施例は本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0020】
従来の収音器は、回転ノブにより制御し、LEDデジタルチューブにより表示する形態であり、収音器の機能が単一であり、収音器の機能を追加する必要がある場合、LEDデジタルチューブの操作不可能性のため、回転ノブを追加して切り替えを制御する必要があるが、多くの回転ノブを追加すると、ユーザーの使用負担が増加してしまう。
【0021】
収音器は、さらに音色を調整することができるが、現在、異なる機能を選択するには、回転ノブが角度を回転することで行うしかない。操作可能性を考慮すると、音色調整には、一般的に3つほどの音色が存在し、より多くの音色を形成できないため、音色調整が単一であり、多くの回転ノブを追加すると、ユーザーの学習負担と操作負担が増加してしまう。
【0022】
よって、本開示に係る収音器、弦楽器及び収音器の制御方法では、収音器の複数の機能情報をマルチタッチパネルにより表示でき、ユーザーは、マルチタッチパネルに表示された複数の機能アプリケーション情報を検索して、複数の機能アプリケーション情報に基づいて、マルチタッチパネルとのインタラクションにより収音器を制御することができ、処理ユニットは、ユーザーのインタラクションを受信すると音の関連処理を行い、それにより、ユーザーがより多くの機能を選択でき、従来技術では回転ノブにより制御するため、制御機能が単一である状況を改善し、演奏エクスペリエンスを豊かにする。
【0023】
以下、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
図1に示すように、本開示に係る収音器は、楽器に取り付けられてもよい。前記収音器は、収音素子110と、電源システム120と、マルチタッチパネル130と、処理ユニット140と、を含む。前記マルチタッチパネル130は、前記処理ユニット140に接続され、前記収音素子110も、前記処理ユニット140に接続される。前記収音素子110、前記マルチタッチパネル130及び前記処理ユニット140は、いずれも、前記電源システム120に接続される。前記処理ユニットは、CPLD(Complex Programmable Logic Device、複雑プログラマブルロジックデバイス)プロセッサ又はFPGA(Field-Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)プロセッサを含む。
【0025】
前記収音素子110は、楽器から発せられた音声情報をピックアップする。前記楽器には、収音器が装着されてもよい。弦楽器を例として、図2に示すように、収音素子110は、弦に取り付けられてもよく、収音棒又は収音ヘッドであってもよい。
【0026】
前記マルチタッチパネル130は、音色調整機能アプリケーション情報、トーン調整機能アプリケーション情報、バランス調整機能アプリケーション情報のうちの少なくとも1種の収音器の機能アプリケーション情報を表示し、機能トリガー命令を受信し、前記機能トリガー命令は、ユーザーが前記マルチタッチパネルにタッチすることで、収音器の機能を制御することにより得られる。音色調整は、音色効果を変えるために行われており、音色効果とは、ギターのアコースティックな音をその他の楽器の音に変えたり、ギターのアコースティックな音に、ピアノの音、二胡の音、遅延、リバーブ、コーラス、ヘビーメタル、ロックンロール音などの音効果を追加したりすることである。音色調整機能アプリケーション情報は、複数の種類の音色と音色調整機能アプリケーションのアイコンを含み、即ち、マルチタッチパネル130は、複数の種類の音色を表示できる。トーンは、弦楽器で演奏された音、即ち、音高である。例えば、トーン調整は、「Do」を「Re」に変えるなどであってもよく、つまり、元々「Do」を演奏した弦は、トーン調整を経て、「Re」などを出力する。バランス調整機能アプリケーション情報は、高音/中音/低音の調整である。つまり、高音、中音及び低音が音に占める割合を調整する。例えば、高音を調整するとは、弦楽器が演奏した高音をより高く又はより低くさせる。中音を調整するとは、弦楽器が演奏した中音をより高く又はより低くさせる。バランス調整機能アプリケーション情報は、トーン調整機能アプリケーションのアイコン及び高/中/低トーンのリアルタイム情報、又は、制御アイコンを含む。
【0027】
ユーザーは、ジェスチャーでマルチタッチパネル130とインタラクションしてもよい。
【0028】
前記処理ユニット140は、前記機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令によってトリガーされた機能制御情報を生成し、前記音声情報を調整する。具体的には、ユーザーが収音器の音色調整機能を制御するときに、前記音声情報に対して音色調整を行う。または、ユーザーが収音器のトーン調整機能を制御するときに、前記音声情報に対してトーン調整を行う。または、ユーザーが収音器のバランス調整機能を制御するときに、前記音声情報に対してバランス調整を行う。当然ながら、処理ユニットは、前記電池の電量状況を検出して、前記電量状況を前記マルチタッチパネルに送信することができる。マルチタッチパネルは、電量状況情報を表示することができる。
【0029】
図1の作動方法については、1つの方法としては、音量調整を例とすると、ユーザーが音量調整機能アプリケーションのアイコンをクリックし、マルチタッチパネルに音声のリアルタイム音量を表示でき、同時に、「+」「-」制御アイコンを表示でき、ユーザーがマルチタッチパネルの「+」にタッチし、即ち、機能トリガー命令が音声情報の音量を増加調整する命令であると、処理ユニットは、機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令トリガーに対応する機能制御情報を生成し、音声情報の音量を増加させることができる。同様に分かるように、「-」にタッチし、即ち、機能トリガー命令が音声情報の音量を減少調整する命令であると、処理ユニットは、機能トリガー命令に応じて、音声情報の音量を減少させることができる。別の方法としては、マルチタッチパネルに音声のリアルタイム音量を表示でき、ユーザーが音声のリアルタイム音量の表示領域にタッチし、また、前記マルチタッチパネルにおいて上へトラックを描くと、生成された機能トリガー命令が音声情報の音量を増加調整する命令である。同様に、ユーザーが前記マルチタッチパネルにおいて下へトラックを描くと、生成された機能トリガー命令が音声情報の音量を減少するように調整する命令である。
【0030】
音量調整と同様に、トーンを調整するとき、高音/中音/低音のリアルタイム情報を表示でき、「+」「-」符号により大きさを調整し、又は、上又は下へトラックを描くことで、大きさを調整することができる。
【0031】
音色調整を行うとき、ユーザーは、マルチタッチパネル130に表示されている音色調整機能アプリケーション情報のアイコンをクリックした後、マルチタッチパネル130に複数種類の音色を表示する。ユーザーは、マルチタッチパネル130における、選択しようとする音色の表示領域にタッチすることで、前記音色を選択できる。
【0032】
マルチタッチパネル130に複数種類の音色情報を表示できる。ユーザーがインタラクションすることで、マルチタッチパネル130において所望の音色種類を選択できる。それにより、音色調整を実現し、音色選択種類を増加させ、従来技術では回転ノブで音色を選択することによる音色が単一である問題が改善された。
【0033】
電量については、電源システム120は、電池と電源システムと、を含むことができ、処理ユニット140は、電源システム120における電池の電量状況を収集し、即ち、前記電池の電量状況を検出し、前記電量状況を前記マルチタッチパネル130に送信することができる。電量を表示するとき、電量情報を赤色で表示することで、電源切れを表し、緑色で表示することで、電力余剰を表す。
【0034】
当然ながら、本開示では、処理ユニットにメトロノーム、レコーダー、チューナー、スマートトレーナー、loopなどの機能アプリケーションが記憶されてもよい。メトロノーム、レコーダー、チューナー、スマートトレーナー、loop、などのアプリケーションのフロントエンドインタフェースがマルチタッチパネルに表示される。例えば、マルチタッチパネルにメトロノーム、レコーダー、チューナー、スマートトレーナー、loopなどのAPP機能が追加されてもよい。
【0035】
図3を参照すると、前記処理ユニットは、第1プロセッサと第2プロセッサと、を含み、第1プロセッサは、シングルチップマイクロコンピュータ又はARM(Advanced RISC Machines)プロセッサであってもよく、第2プロセッサは、DSP(Demand-Side Platform)プロセッサであってもよい。ARMプロセッサ141は、X86(The X86 architecture)プロセッサ、MIPS(Million Instructions Per Second)プロセッサ、POWERプロセッサと読み替えてもよい。
【0036】
前記第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令が前記トーン調整機能アプリケーション情報をトリガーする命令であるか又はバランス調整をトリガーする命令であるかを決定して、第1機能制御情報を生成して、前記音声情報に対してトーン又はバランス調整を行う。第1プロセッサは、トーン調整とバランス調整とを行う。
【0037】
前記第2プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、前記機能トリガー命令が前記音色調整機能アプリケーション情報をトリガーする命令であるか又は前記バランス調整機能アプリケーション情報をトリガーする命令であることを決定して、第2機能制御情報を生成して、前記音声情報に対して音色調整又はバランス調整を行う。
【0038】
オプションとしては、第1プロセッサが非リアルタイム音声のバランス調整とすべての音声のトーンを処理し、第2プロセッサがリアルタイム音声のバランス調整と音色を処理してもよいし、又は、リアルタイム音声と非リアルタイム音声を区別せず、第1プロセッサと第2プロセッサがいずれもバランス調整を行ってもよい。
【0039】
音色調整の制御過程は、具体的には、以下のとおりである。第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、音色調整に関する機能制御情報を生成し、音色調整に関する機能制御情報を前記第2プロセッサに転送し、また、第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、音色調整に対応するトリガー命令であるか否かを判断し、トリガー命令であると、生成された音色調整の機能制御情報を第2プロセッサに転送する必要があり、トリガー命令ではなく、即ち、機能トリガー命令がトーン調整に関する機能アプリケーション情報、バランス調整機能アプリケーション情報であると、生成された制御命令を第2プロセッサに伝達する必要がない。前記第2プロセッサは、音色調整に関する機能制御情報に基づいて、前記音声情報に対して音色調整を行う。ユーザーは、音色表示領域をクリックすることで、選択された該音色種類を生成し、第2プロセッサは、該音色種類に応じて音声情報に対して音色調整を行うことができる。
【0040】
図3に示すように、処理素子が第1プロセッサと第2プロセッサとを含むと、収音棒は、弦が引かれて生じた音声を感圧によりピックアップすることができる。次に、収音棒は、当該音声をDSPプロセッサ142に伝送できる。DSPプロセッサ142は、当該音声を取得し、次にDSPプロセッサ142のARMプロセッサ141に接続されるインタフェースを介して、当該音声をARMプロセッサ141に伝送する。ARMプロセッサ141は、当該音声に対してデジタルフィルタリングを行い、当該音声の正確なオーディオ周波数を取得する。ARMプロセッサ141は、正確なオーディオ周波数に基づいて、当該音声に対応するトーンを判断して、当該トーンをマルチタッチパネルに伝送する。ユーザーは、見たトーンに基づいて、上記説明された方式で調整できる。
【0041】
音声に対してバランス調整を行うとき、音声は、収音棒によって取得されるものであってもよいし、ストレージに記憶されるものであってもよい。ARMプロセッサ141は、当該音声をDSPプロセッサ142に転送でき、DSPプロセッサ142は、当該音声の高音部分、中音部分及び低音部分を判断し、ユーザーは、マルチタッチパネル130にタッチすることで、高音部分、中音部分及び低音部分を調整でき、次にARMプロセッサ141は、ユーザーによって発行された機能トリガー命令、生成された制御情報をDSPプロセッサ142に転送し、DSPプロセッサ142は、制御命令に応じて、高音部分、中音部分及び低音部分を調整し、それにより、高音部分、中音部分及び低音部分が占める割合を調整し、音声に対するバランス調整を実現する。
【0042】
例えば、音声に対してトーン及び/又は音色調整を行うとき、音声は、収音棒によって取得されるものであってもよいし、ストレージに記憶されるものであってもよい。
【0043】
例えば、第1プロセッサと第2プロセッサは、いずれも、バランス調整を行うことができ、第1プロセッサは、非リアルタイム音声を処理し、つまり、非リアルタイム音声は、収音素子によって即時に収集される音声ではなく、即時に出力する必要がない音声であり、例えば、遅延が20ミリ秒を超える音声又はストレージに記憶される音声である。第2プロセッサは、DSPプロセッサであり、処理速度が速く、リアルタイム性が高いため、リアルタイム音声を処理でき、つまり、リアルタイム音声は、収音素子によって即時に収集される、即時に出力すべき音声であり、例えば、遅延が20ミリ秒を超えない音声である。このようにすることで、第1プロセッサが非リアルタイム音声を処理し、第2プロセッサがリアルタイム音声を処理し、処理速度が速い第2プロセッサでリアルタイム音声を処理することで、リアルタイム音の出力遅延を減少でき、性能がより高い第1プロセッサで非リアルタイム音声を処理することで、より多くの音声調整機能を実現でき、それにより、ユーザーの使用体験を向上させ、弦楽器の音出力効果を豊かにすることができる。
【0044】
オプションとしては、前記第1プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、リアルタイム音声を処理するか、又は、非リアルタイム音声を処理するかを決定する。リアルタイム音声を処理する場合、いかなる動作もしない。非リアルタイム音声を処理する場合、前記機能トリガー命令が前記音色調整機能アプリケーション情報、前記トーン調整機能アプリケーション情報若しくは前記バランス調整機能アプリケーション情報、又は、この三者をトリガーする命令であるかを決定して、前記音声に対して対応処理を行うように構成されている。
【0045】
前記第2プロセッサは、前記機能トリガー命令に応じて、リアルタイム音声を処理するか、又は、非リアルタイム音声を処理するかを決定する。非リアルタイム音声を処理する場合、いかなる動作もしない。リアルタイム音声を処理する場合、前記機能トリガー命令が前記音色調整機能アプリケーション情報、前記トーン調整機能アプリケーション情報若しくは前記バランス調整機能アプリケーション情報、又は、この三者をトリガーする命令であるかを決定して、前記音声に対して対応処理を行う。
【0046】
また、従来の収音器では、上記の収音プロセスにより、音声情報を記憶できず、録音デバイスと記憶デバイスを外付して音を記憶する必要があり、使用過程が面倒である。
【0047】
以上に基づいて、前記収音器は、前記第1プロセッサに接続されるストレージをさらに含み、ストレージが処理済みのリアルタイム音声又は未処理のリアルタイム音声を記憶する必要があるとき、前記第1プロセッサは、前記音声情報に関する第1記憶命令を生成し、前記第1記憶命令を前記第2プロセッサに転送する。前記第2プロセッサは、前記第1記憶命令に応じて、未処理の前記音声情報又は処理済みの音声情報を前記第1プロセッサに送信する。前記第1プロセッサは、前記音声情報を前記ストレージに記憶する。詳しくは、ユーザーがマルチタッチパネルにおいて、記憶機能を備える関連命令を選択することで、第1プロセッサが前記音声情報に関する第1記憶命令を生成でき、第1記憶命令を第2プロセッサに下す。第2プロセッサは、収音素子によってピックアップされた音声情報を呼び出した後、それを第1プロセッサに転送し戻す。第1プロセッサが記憶操作し又はそれをその他の機器のポートに伝送することにより、音を記憶して伝送する機能を実現する。当然ながら、調整後の音声情報を記憶してもよい。ここで、調整とは、音量、トーン又は音色に対する調整であってもよいし、又は、それらの間のバランス調整であってもよい。
【0048】
例えば、ストレージが処理済みの非リアルタイム音声を記憶する必要があるとき、第1プロセッサが記憶命令に応じて、直接処理済みの非リアルタイム音声をストレージに送信して記憶してもよい。
【0049】
前記収音器は、前記第2プロセッサに接続されるスピーカーセット160をさらに含む。前記スピーカーセット160は、調整後の音声情報を再生する。調整後の音声情報は、音量調整後の、又はトーン調整後の、又はバランス調整後の、又は音色調整後の音声情報を含む。
【0050】
音声情報の再生は、2つのルートを通じて行われる。1つは、スピーカーに接続するためのインタフェースを介して、音声情報をスピーカーに伝送し、スピーカーにより再生する。もう1つは、収音器におけるホーンにより直接再生する。
【0051】
例えば、スピーカーセット160は、第1プロセッサと第2プロセッサにいずれも接続されてもよく、第1プロセッサと第2プロセッサで調整された音声情報、又は、未調整のリアルタイム音声又は非リアルタイム音声を再生してもよい。
【0052】
図2に示すように、前記第1プロセッサ140と前記第2プロセッサは、回路基板200に集積される。前記マルチタッチパネル130は、前記回路基板200に接続される。回路基板には、マルチタッチパネル130に接続される複数のインタフェースを有してもよい。当該インタフェースは、収音素子110に接続されてもよいし、スピーカーセット160に接続されてもよい。
【0053】
また、ディスプレイスクリーンと回転ノブを含む収音器は、ディスプレイスクリーンに表示されているコンテンツと回転ノブで表される機能を変更することが非常に難しい。スクリーンのコンテンツ又は回転ノブで表される機能を変更する必要があれば、収音器を琴体から取り外し、内部の回路を変更し、改めて取り付ける必要があるが、専門家が操作する必要があり、操作難度と複雑度が非常に高い。
【0054】
本開示は、処理ユニットによりソフトウェアアプリケーションをアップグレード更新し、機能の追加、削除、及び変更を実現する。ピアノ本体から収音器を取り外さずに、マルチタッチパネルにこれらの更新を表示し、ゼロ操作で、機能の変更を簡単に行うことを実現する。
【0055】
前記収音器は、データ伝送インタフェースをさらに含む。前記データ伝送インタフェースは、電源システムを充電して、前記収音器と外付機器との間にデータを伝送する。
【0056】
前記収音器は、前記第1プロセッサに接続される、前記収音器と外付機器との間に無線データを伝送する無線コネクタをさらに含む。
【0057】
図4を参照すると、上記説明された収音器のうちの1つが示される。第1プロセッサは、MIPIインタフェースとI2Cインタフェースを介してIPSハイビジョンタッチパネルに接続され、第1プロセッサは、メモリとストレージに接続され、メモリは、システム実行メモリであってもよく、ストレージは、システムとデータ、例えば、複数の種類の音色の音声パケットを記憶することができる。第1プロセッサは、電源システムを介してリチウム電池に接続され、第1プロセッサにおけるUSBインタフェースは、充電したり、コンピュータがデータを転送し、アプリケーションをアップグレードするインタフェースに接続したりすることができ、第1プロセッサは、無線接続モジュールに接続され、無線接続モジュールは、ネットワークに接続する又はネットワークホットスポットを構築してその他の機器と通信するWIFIモジュールを含むことができる。ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)モジュールは、音声情報をブルートゥース(登録商標)機能を備える携帯電話、ipad、コンピュータなどのその他のブルートゥース(登録商標)機器に伝達する。無線接続モジュールは、さらに、2G/3G/4G/5Gモジュールであってもよい。第1プロセッサは、第2プロセッサであるデジタル音声プロセッサに接続される。第2プロセッサは、音声情報をエンコーダー/デコーダーを介して、音声増幅/フィルタリング回路において増幅及びフィルタリングし、出力する。第1プロセッサは、さらに、リアルタイムクロックシステムに接続される。第1プロセッサは、ARMプロセッサであってもよい。
【0058】
本開示に係る弦楽器は、弦楽器本体と、前記弦楽器本体に取り付けられる、上記実施例のいずれかに記載の収音器と、を含み、弦楽器は、ギター、又は、ウクレレであってもよい。図2を参照すると、弦楽器がギターであることを例とすると、収音器におけるマルチタッチパネル130が前記弦楽器の側板に取り付けられ、第1プロセッサと第2プロセッサの回路基板200がマルチタッチパネル130に隣接して設けられ、収音素子110が弦に設けられ、収音素子110がホーン160に隣接して設けられる。
【0059】
また、本開示の実施例による弦楽器本体の他の構成及び作用は、当業者にとって既知のものであり、冗長性を減らすために、詳しく説明しない。
【0060】
本開示に係る収音器の制御方法では、当該実施例に係る収音器は、上記の実施例に記載の収音器であり、該収音器は、収音素子と、マルチタッチパネルと、処理ユニットと、を含む。図5に示すように、前記方法は、S210~S240を含む。
【0061】
S210:前記マルチタッチパネル110が音色調整、トーン調整、バランス調整などの機能アプリケーション情報を表示し、機能トリガー命令を受信する。例えば、作業中、ユーザーは、音色選択機能に入るためのアイコンをクリックすることで、音色調整機能のアプリケーションに入り、クリックして入った後に、複数の種類の音色情報を表示する。ユーザーは、ある特定の音色の領域をクリックし、それにより、該特定の音色を選択する。
【0062】
S220:前記処理ユニットが前記機能トリガー命令に応じて、ユーザーによって選択された機能アプリケーション情報が媒体音を含むか否かを判断し、「はい」であれば、ステップS230を実行し、「いいえ」であれば、ステップS240を実行する。
【0063】
処理ユニットでは、ユーザーによって選択されたのが媒体音であるか否かを判断する。ここで、媒体音とは、ストレージに記憶される、単独で再生できる音又は補助音である。
【0064】
S230:前記処理ユニットがストレージから前記機能トリガー命令に対応する音声パケットを呼び出して、前記音声パケットを再生する。前記ストレージは、前記収音器に設けられ、且つ前記処理ユニットに接続されている。
【0065】
ストレージは、複数の媒体音の音声パケットを記憶できる。媒体音の場合、処理ユニットは、ストレージから直接前記機能トリガー命令に対応する音声パケットを呼び出すことができる。前記収音器は、ホーンと、スピーカーに接続するためのインタフェースとを含み、音声パケットを再生できる。音声パケットを呼び出すとき、前記処理ユニットは、インタフェースが接続状態にあるかどうか、即ち、スピーカーを接続するためのインタフェースがスピーカーに接続されているか否かを判断する。前記処理ユニットが接続されていると判断すると、前記音声パケットを前記インタフェースを介して前記スピーカーに送信して、前記スピーカーでそれを再生する。前記処理ユニットが接続されていないと判断すると、前記音声パケットをホーンで再生する。
【0066】
S240:前記処理ユニットがストレージから前記機能トリガー命令に対応する特定の音色を呼び出し、前記特定の音色に基づいて現在の音声情報に対して音声処理を行うことで、収音素子によって収集された楽器から発せられた音声処理済みの現在の音声情報を再生する。
【0067】
例えば、ステップS240は、さらに、下記の通りであってもよい。前記処理ユニットは、前記機能トリガー命令に応じて、音色調整、トーン調整若しくはバランス調整を行うか又は三者の調整を行うかを判断し、且つリアルタイム音声を判断するか又は非リアルタイム音声を処理するかを判断する。前記処理ユニットは、リアルタイム音声又はストレージから取得された非リアルタイム音声を処理する。
【0068】
同様に、音声処理済みの現在の音声情報を再生する前に、前記処理ユニットはインタフェースが接続状態にあるかどうかを判断し、前記処理ユニットが接続状態と判断すると、音声処理済みの現在の音声情報を前記インタフェースを介してスピーカーに送信し、前記スピーカーでそれを再生する。前記処理ユニットが非接続状態と判断すると、音声処理済みの現在の音声情報をホーンで再生する。
【0069】
他の実施例では、図6に示すように、前記方法は、上記プロセスの他に、前記処理ユニットがストレージから前記機能トリガー命令に対応する特定の音色を呼び出すステップの前に、以下のステップをさらに含む。
【0070】
前記処理ユニットが記憶に関する機能トリガー命令を受信したか否かを判断し、即ち、記憶する必要があるか否かを判断する。処理ユニットが判断する基礎としては、ユーザーがマルチタッチパネルにより、記憶を選択するときに、処理ユニットが記憶に関するタッチ命令を受信すれば、記憶すると決定できる。
【0071】
記憶する必要があれば、第2記憶命令、即ち命令2を生成する。前記特定の音色に基づいて現在の音声情報に対して音声処理を行った後、前記第2記憶命令に応じて、音声処理済みの現在の音声情報を前記ストレージに記憶し、
記憶する必要がなければ、記憶命令を含まない命令1を生成し、特定の音色を呼び出して、音色処理を行う。
【0072】
本開示に係る収音器、弦楽器及び収音器の制御方法では、収音器の複数の機能情報をマルチタッチパネルにより表示できる。ユーザーは、マルチタッチパネルに表示されている複数の機能情報を検索し、複数の機能情報に基づいて、マルチタッチパネルとのインタラクションにより収音器を制御することができる。処理ユニットがユーザーのインタラクションを受信した後に、音の関連処理を行い、それにより、ユーザーがより多くの機能を選択でき、従来技術では回転ノブによる制御機能が単一である状況を改善し、演奏エクスペリエンスを豊かにすることができる。第1プロセッサと第2プロセッサが協働し、処理速度が速いプロセッサでリアルタイム音声を処理することで、リアルタイム音の出力遅延を減少することができる。また、性能が高い第1プロセッサで非リアルタイム音声を処理することで、より多くの音声調整機能を実現できる。それにより、ユーザーの使用体験を向上させ、弦楽器の音出力効果を豊かにすることができる。
【0073】
最後に、以上の各実施例は本開示の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではない。前述の各実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又は全部の技術的特徴を同等置換することができる。これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本開示の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させるものではない。
【0074】
さらに以下の点を説明する必要がある。
(1)本開示の実施例の図面は本開示の実施例に係る構造のみに関し、他の構造は一般的な設計を参照することができる。
(2)明確にするために、本開示の実施例を説明するための図面において、層又は領域の厚さは拡大又は縮小され、即ちこれらの図面は実際の比率に応じて描画されるものではない。例えば層、膜、領域又は基板のような要素が別の要素の「上」又は「下」に位置すると記載される場合、該要素は「直接」に別の要素の「上」又は「下」に位置してもよく、又は中間要素を介してもよいことが理解され得る。
(3)矛盾しない限り、本開示の実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせて新たな実施例を得ることができる。
【0075】
本願は、2019年6月6日に提出された中国特許出願の第201910494960.0号と第201920859306.0号の優先権を主張し、上記中国特許出願に開示された内容のすべてを本出願の一部として引用する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6