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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/00 20060101AFI20240528BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20240528BHJP
   H04R 7/04 20060101ALI20240528BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H04R1/00 310F
H04R1/02 102Z
H04R1/02 103B
H04R7/04
H04R17/00
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022162049
(22)【出願日】2022-10-07
(65)【公開番号】P2023084093
(43)【公開日】2023-06-16
【審査請求日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0173132
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チン, サンウ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ミンジョン
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ジェウォン
(72)【発明者】
【氏名】イム, ジェヨン
【審査官】中嶋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-219528(JP,A)
【文献】特開2020-171013(JP,A)
【文献】特開2021-164165(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0028669(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00
H04R 1/02
H04R 7/04
H04R 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部材、
前記振動部材の背面にあり、前記振動部材を振動させる振動装置、および
前記振動部材および前記振動装置の間の曲面支持部材を含み、
前記曲面支持部材が、前記振動装置に隣接する第1面および前記第1面の反対側にある第2面を含み、
前記第1面は、曲面を含み、
前記第1面と前記第2面との間の距離が、前記曲面支持部材の中央部で最大距離を有し、
前記第1面と前記第2面との間の距離が、第1方向の中央から離れる方向に、前記最大距離から徐々に減少する距離を有する、
装置。
【請求項2】
前記第2面は、前記第1面とは異なる面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記曲面支持部材の第1面が、300R~4000Rの曲率を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記最大距離が、0.45mm~6mmの距離を有する、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1面と前記第2面との間の距離が、前記第1方向とは異なる第2方向に一定の距離を有する、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記振動装置が、前記第1方向に連続した構造で形成された振動部を含む、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記振動部材および前記曲面支持部材の間に補助振動部材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記補助振動部材が、前記振動部材から発生する熱を放熱させ、前記振動部材の質量を増強する、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記振動装置が、前記曲面支持部材の前記第1面の曲率に対応する形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記振動装置の第1側面及び第2側面が、前記振動部材の背面と平行である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記振動部材と前記曲面支持部材の間に第1連結部材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記振動装置の第1側面及び第2側面が、前記第1連結部材に接触する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1連結部材が、中空部を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記曲面支持部材と前記振動装置の間に第2連結部材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記振動装置が、
振動部、
前記振動部の第1面にある第1電極部、および
前記振動部の前記第1面とは異なる面にある第2電極部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記振動装置が、
前記第1電極部にある第1カバー部材、および
前記第2電極部にある第2カバー部材をさらに含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1カバー部材と前記第1電極部との間にある第1接着層、および
前記第2カバー部材と前記第2電極部との間にある第2接着層をさらに含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記振動部が、
圧電特性を有する無機物質部を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記振動部が、
圧電特性を有する複数の無機物質部、および
前記複数の無機物質部の間にある有機物質部を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記振動部材が、第1領域および第2領域を含み、
前記振動装置は、前記第1領域に配置された第1振動装置、および前記第2領域に配置された第2振動装置を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記振動装置が、少なくとも2つ以上の振動発生器を含み、
前記少なくとも2つ以上の振動発生器は、互いに同じ方向に振動する、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記振動部材が、金属材質を含むか、または木材、ゴム、プラスチック、ガラス、繊維、布、紙、および皮革の中の1つ以上の単一非金属または複合非金属材質を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記振動部材が、映像を表示する画素を有する表示パネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、および無機発光照明パネルの中の1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記振動部材が、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段のガラス窓、運送手段の外装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、繊維、布、紙、皮革、および鏡の中の1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、発光表示装置に関するもので、より具体的には音響を出力することができる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
装置は、音響を提供するために別個のスピーカーまたは音響装置を含む。装置にスピーカーを配置する場合、スピーカーが占める空間のために装置の設計および空間配置に制約が伴うという問題が生じる。
【0003】
装置に適用されるスピーカは、例えば、マグネットとコイルを含むアクチュエータであり得る。しかしながら、アクチュエータを装置に適用すると、厚さが厚いという欠点がある。そのため、薄い厚さを実現できる圧電素子が注目されている。
【0004】
圧電素子は、脆性特性を有し、外部衝撃により破損が発生しやすく、音響再生の信頼性が低いという問題がある。そして、フレキシブル装置に圧電素子等のスピーカを適用した場合、脆性特性により破損が発生するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本明細書の発明者らは、上記の問題を認識し、音響の音質を向上させることができ、音圧特性を向上させることができる振動装置を具現するためのいくつかの実験を行った。様々な実験を通じて音響の音質を向上させることができ、音圧特性を向上させることができる新しい振動装置を含む装置を発明した。
【0006】
本明細書の実施例に係る解決課題は、振動対象物を振動させて振動または音響を発生させることができ、音響特性および/または音圧特性を向上させることができる装置を提供することである。
【0007】
本明細書の実施例に係る解決課題は、上記の課題に限定されず、言及していない他の課題は、以下の記載から当業者には明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書の実施例に係る装置は、振動部材、振動部材の背面にあって振動部材を振動させる振動装置、および振動部材および振動装置の間の曲面支持部材を含み、曲面支持部材は、振動装置に隣接する第1面、および第1面の反対側にある第2面を含み、第1面が曲面であり、第2面が第1面とは異なる面を含む。
【0009】
上記の課題の解決手段以外の本明細書の様々な例による具体的な事項は、以下の記載内容および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0010】
本明細書の実施例に係る装置は、表示パネルまたは振動部材を振動させる振動装置を構成することで、音の進行方向が表示パネルまたは振動部材の前面になるように音響を発生させることができる。
【0011】
本明細書の実施例に係る装置は、振動装置と振動部材の間に配置された曲面支持部材を含み、曲面支持部材は、所定の曲率を有する曲面で形成され、振動装置が所定の曲面を含むことができ、これにより、振動装置で発生するd31およびd33の応力成分および/または振動成分が振動部材に寄与し、重低音域帯の音圧が向上する効果がある。
【0012】
本明細書の実施例に係る装置は、振動板の変位によって発生する音響の低音域帯、中低音域帯、中音域帯、及び高音域帯の特性を向上させることができる。
【0013】
上記の解決しようとする課題、課題解決手段、効果の内容は、特許請求の範囲の本質的な特徴を特定するものではないので、特許請求の範囲の権利範囲は、発明の内容に記載された事項によって制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本明細書の実施例に係る装置を示す図である。
図2A図1の線A-A’の断面図である。
図2B図1の線B-B'の断面図である。
図3図2Bの振動部材および振動装置を拡大して示したものである。
図4】本明細書の実施例に係る振動部材および振動装置の斜視図である。
図5】本明細書の実施例に係る振動装置の平面図である。
図6図5の線C-C’の断面図である。
図7A】本明細書の実施例に係る振動装置の振動部の構造である。
図7B】本明細書の実施例に係る振動装置の振動部の構造である。
図8A図1の線A-A’の他の断面図である。
図8B図1の線B-B’の他の断面図である。
図9図8Bの振動部材および振動装置を拡大して示したものである。
図10】本明細書の実施例に係る振動部材および振動装置の他の斜視図である。
図11A】本明細書の実施例に係る補助振動部材に振動装置を結合したことを示す図である。
図11B】本明細書の実施例に係る補助振動部材に振動装置を結合したことを示す図である。
図12図11Aおよび図11Bの装置の周波数による音圧を示す。
図13A】本明細書の実施例に係る振動部材の背面に振動装置を結合したことを示す図である。
図13B図13Aの構造に補助振動部材が追加されたことを示すものである。
図13C】実験例に係る振動部材の背面に振動装置を結合したことを示す図である。
図13D図13Cの実験例の構造に補助振動部材を追加したことを示す図である。
図14図13Aおよび図13Cの装置の周波数による音圧を示す図である。
図15図13Bおよび図13Cの装置の周波数による音圧を示す図である。
図16図13B図13Dの装置の周波数による音圧を示す図である。
図17図13B図13Dの装置の周波数による音圧を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書の利点および特徴、およびそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述される実施例を参照することによって明らかになるであろう。しかしながら、本明細書は以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現されるものであり、単に本実施例は、本明細書の開示を完全にし、本明細書が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らしめる為に提供されるものであり、本明細書は、特許請求の範囲によって定義されるだけである。
【0016】
本明細書の実施例を説明するための図に開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものであり、本明細書が示した事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照番号は、同じ構成要素を指す。また、本明細書の説明において、関連する公知技術の具体的な説明が本明細書の要旨を不必要に曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書で言及する「含む」、「有する」、「からなる」などが使用される場合、「のみ」が使用されない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り複数を含む場合を含む。
【0017】
構成要素を解釈する際には、誤差範囲について別途明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0018】
位置関係の説明である場合、例えば、「上に」、「上部に」、「下部に」、「隣に」など、2つの部分の位置関係を説明する場合、例えば「すぐ」あるいは、「直接」が使用されていない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が配置され得る。
【0019】
時間関係の説明である場合、「後に」、「続いて」、「次に」、「前に」などで時間的前後関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない限り連続的ではないケースも含むことができる。
【0020】
第1、第2などは、様々な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されるものではない。これらの用語は、単に1つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本明細書の技術的思想内で第2構成要素であり得る。
【0021】
本明細書の構成要素を説明するために、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。この用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によってその構成要素の性質、順番、順序、または数などが限定されるものではない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」「結合」または「接続」すると記載されている場合、その構成要素は他の構成要素に直接に連結または接続することができるが、特に明示的な記載がない限り、間接的に連結または接続することができる各構成要素の間に、他の構成要素が「介在」し得ることを理解しなければならない。
【0022】
「少なくとも1つ」は、関連する構成要素の1つ以上のすべての組み合わせを含むことを理解しなければならない。例えば、「第1、第2、および第3構成要素の少なくとも1つ」の意味は、第1、第2、または第3構成要素のみならず、第1、第2、および第3構成要素の2つ以上のすべての構成要素の組み合わせを含むと言える。
【0023】
本明細書の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各実施例は互いに独立して実施することもでき、関連して一緒に実施することもできる。
【0024】
以下、添付の図および実施例を介して、本明細書の実施例を見ると以下の通りである。図に示す構成要素の大きさは、説明の便宜のために実際とは異なる大きさを有するので、図に示される大きさに限定されるものではない。
【0025】
図1は、本明細書の実施例に係る装置を示す図であり、図2Aは、図1の線A-A’の断面図、図2Bは、線B-B’の断面図である。図3は、図2Bの振動部材および振動装置を拡大して示す図であり、図4は、本明細書の実施例に係る振動部材および振動装置の斜視図である。
【0026】
図1図2Aを参照すると、本明細書の実施例に係る装置10は、振動部材100および振動部材100の背面(または裏面)に配置された振動装置200を含むことができる。
【0027】
例えば、振動部材100は、振動装置200の振動によって音響を出力することができる。振動装置200は、振動部材100を振動板として用いて音響を出力することができる。例えば、振動装置200は、振動部材100を振動板として振動部材100の前面に音響を出力することができる。例えば、振動装置200は、音響の進行方向が表示パネルまたは振動部材100の前面となるように音響を発生させることができる。振動装置200は、振動部材100を振動して音響を出力することができる。例えば、振動装置200は、振動部材100を直接に振動して音響を出力することができる。例えば、振動部材100は、振動対象物、表示パネル、振動板、または前面部材であり得、これに限定されるものではない。以下では、振動部材が表示パネルであるとして説明する。
【0028】
振動部材100は、映像、例えば電子映像またはデジタル映像を表示することができる。例えば、振動部材100は、光を出力して映像を表示することができる。振動部材100は、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、量子ドット発光表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネル、および電気泳動表示パネルなどのあらゆる形態の表示パネルまたは曲面型表示パネルであり得る。振動部材100は、フレキシブル表示パネルであり得る。例えば、振動部材100は、フレキシブル発光表示パネル、フレキシブル電気泳動表示パネル、フレキシブル電子湿潤表示パネル、フレキシブルマイクロ発光ダイオード表示パネル、またはフレキシブル量子ドット発光表示パネルであり得、これに限定されるものではない。
【0029】
本明細書の実施例に係る振動部材100は、複数の画素の駆動によって映像を表示する表示領域(AA)を含むことができる。振動部材100は、表示領域(AA)を囲む非表示領域(IA)を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0030】
本明細書の実施例に係る振動部材100は、アノード電極、カソード電極、及び発光素子を含み、複数の画素を含む画素アレイ層の構造によって、トップエミッション方式、ボトムエミッション方式、またはデュアルエミッション方式などの形態で画像を表示することができる。トップエミッション方式は、画素アレイ層で発生した可視光をベース基板の前方に放出して映像を表示することができ、ボトムエミッション方式は、画素アレイ層で発生した可視光をベース基板の後方に放出して映像を表示することができる。
【0031】
本明細書の実施例に係る振動部材100は、基板上に配置された画素アレイ部を含むことができる。画素アレイ部は、信号ラインに供給される信号によって映像を表示する複数の画素を含むことができる。信号ラインは、ゲートライン、データライン、画素駆動電源ラインなどを含むことができ、これに限定されるものではない。
【0032】
複数の画素の各々は、複数のゲートライン及び/又は複数のデータラインにより構成される画素領域に設けられた駆動薄膜トランジスタを含む画素回路層、駆動薄膜トランジスタと電気的に連結したアノード電極、アノード電極上に形成された発光素子、および発光素子と電気的に連結したカソード電極とを含むことができる。
【0033】
駆動薄膜トランジスタは、基板上に配置された各画素領域のトランジスタ領域に構成することができる。駆動薄膜トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極、およびドレイン電極を含むことができる。薄膜トランジスタの半導体層は、アモルファスシリコン(a-Si)、ポリシリコン(poly-Si)、または低温poly-Siなどのシリコンを含むか、IGZO(Indium-Gallium-Zinc-Oxide)などの酸化物を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0034】
アノード電極(または画素電極)は、各画素領域に配置された開口領域に設けられ、駆動薄膜トランジスタと電気的に連結することができる。
【0035】
本明細書の実施例に係る発光素子は、アノード電極上に形成された有機発光素子層を含むことができる。有機発光素子層は、画素ごとに同じ色、例えば白色の光を発光するように具現するか、画素ごとに異なる色、例えば赤色、緑色、または青色の光を発光するように具現することもできる。カソード電極(または共通電極)は、各画素領域に設けられた有機発光素子層に共通に連結することができる。例えば、有機発光素子層は、画素毎に同じ色を含む単一の構造、または2つ以上の構造を含むスタック構造であり得る。
【0036】
本明細書の他の実施例としては、有機発光素子層は、画素ごとに1つ以上の他の色を含む2つ以上の構造を含むスタック構造であり得る。1つ以上の他の色を含む2つ以上の構造は、青色、赤色、黄緑色、および緑色の中の1つ以上であるか、またはそれらの組み合わせからなり得、これらに限定されるものではない。組み合わせの例としては、青色および赤色、赤色および黄緑色、赤色および緑色、および赤色/黄緑色/緑色などであり、これらに限定されるものではない。そして、これらの積層順序に関係なく適用することができる。同じ色または1つ以上の他の色を有する2つ以上の構造を含むスタック構造は、2つ以上の構造の間に電荷生成層をさらに含むことができる。電荷生成層は、PN接合構造であり得、N型電荷生成層およびP型電荷生成層を含むことができる。
【0037】
本明細書の他の実施例に係る発光素子は、アノード電極とカソード電極のそれぞれに電気的に連結したマイクロ発光ダイオード素子を含むことができる。マイクロ発光ダイオード素子は、集積回路(IC)またはチップ(Chip)の形態で具現された発光ダイオードであり得る。マイクロ発光ダイオード素子は、アノード電極と電気的に連結した第1端子と、カソード電極と電気的に連結した第2端子とを含むことができる。カソード電極は、各画素領域に設けられたマイクロ発光ダイオード素子の第2端子に共通に連結することができる。
【0038】
封止部は、画素アレイ部を囲むように基板上に形成することにより、酸素または水分が画素アレイ部の発光素子の層に浸透することを防止することができる。本明細書の実施例に係る封止部は、有機物質層と無機物質層とが交互に積層された複層構造で形成することができ、これに限定されるものではない。無機物質層は、酸素または水分が画素アレイ部の発光素子層に浸透するのを遮断することができる。有機物質層は、製造工程中に発生し得る異物を覆うことができるように、無機物質層よりも相対的に厚い厚さに形成することができ、これに限定されるものではない。例えば、封止部は、第1無機膜、第1無機膜上の有機膜、および有機膜上の第2無機膜を含むことができる。有機膜は、異物カバー層であり得、用語に限定されるものではない。タッチパネルは、封止部上に配置するか、画素アレイ部の背面または画素アレイ部内に配置され得る。
【0039】
本明細書の実施例に係る振動部材100は、第1基板、第2基板、および液晶層を含むことができる。第1基板は、上部基板または薄膜トランジスタアレイ基板であり得る。例えば、第1基板は、複数のゲートラインおよび/または複数のデータラインによって構成される画素領域に形成された複数の画素を有する画素アレイ(または表示部または表示領域)を含むことができる。複数の画素のそれぞれは、ゲートラインおよび/またはデータラインに接続した薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタに接続した画素電極、および画素電極に隣接するように形成されて共通電圧が供給される共通電極を含むことができる。
【0040】
第1基板は、第1端部(または非表示部)に設けられたパッド部と、第2端部(または第2非表示部)に設けられたゲート駆動回路とをさらに含むことができる。
【0041】
パッド部は、外部から供給される信号を画素アレイ部および/またはゲート駆動回路に供給することができる。例えば、パッド部は、複数のデータリンクラインを介して、複数のデータラインに連結した複数のデータパッドおよび/またはゲート制御信号ラインを介して、ゲート駆動回路に連結した複数のゲート入力パッドを含むことができる。例えば、第1基板の大きさは、第2基板の大きさよりも大きい大きさを有することができ、これに限定されるものではない。
【0042】
ゲート駆動回路は、複数のゲートラインに連結するように第1基板の第2端部に内蔵(または集積)され得る。例えば、ゲート駆動回路は、画素領域に設けられた薄膜トランジスタと同じ工程により形成されるトランジスタを含むシフトレジスタで具現することができる。本明細書の他の実施例に係るゲート駆動回路は、第1基板に内蔵せずに、集積回路の形態でパネル駆動回路に含むこともできる。
【0043】
第2基板は、下部基板またはカラーフィルタアレイ基板であり得る。例えば、第2基板は、第1基板に形成された画素領域と重畳する開口領域を含むことができる画素パターン(または画素定義パターン)、および開口領域に形成されたカラーフィルタ層を含むことができる。第2基板は、第1基板よりも小さい大きさを有することができ、これに限定されるものではない。例えば、第2基板は、第1基板の第1端部を除く残りの部分と重畳することができる。第2基板は、シーラントによって液晶層を挟んで第1基板の第1端部を除いた残りの部分と合着することができる。
【0044】
液晶層は、第1基板と第2基板の間に配置され得る。液晶層は、画素毎に画素電極に印加されるデータ電圧と共通電圧とによって形成される電界によって、液晶分子の配列方向が変化する液晶からなり得る。
【0045】
第2偏光部材は、第2基板の下面に付着して、バックライトから入射して液晶層に進行する光を偏光させることができる。第1偏光部材は、第1基板の上面に付着し、第1基板を透過して外部に放出される光を偏光させることができる。
【0046】
本明細書の実施例に係る振動部材100は、各画素ごとに印加されるデータ電圧と共通電圧によって、各画素毎に形成される電界によって液晶層を駆動することにより、液晶層を透過する光によって映像を表示することができる。
【0047】
本明細書の他の実施例に係る振動部材100は、第1基板がカラーフィルタアレイ基板であり、第2基板が薄膜トランジスタアレイ基板であり得る。例えば、本明細書の他の実施例に係る振動部材100は、本明細書の実施例に係る振動部材100が上下反転した形態を有することができる。この場合、本明細書の他の実施例に係る振動部材100のパッド部は、別途の機構物によって覆われ得る。
【0048】
本明細書の他の実施例に係る振動部材100は、曲面形態または一定の曲率半径を有するように曲げられた、または撓んだ曲げ部を含むことができる。
【0049】
振動部材100の曲げ部は、振動部材100において、互いに平行な一側端部分と他側端部分の中の少なくとも1つ以上に具現することができる。曲げ部を具現する振動部材100の一側端部分及び/又は他側端部分は、非表示領域(IA)のみを含むか、表示領域(AA)の端部分と非表示領域(IA)を含むことができる。非表示領域(IA)の曲げによって具現された曲げ部を含む振動部材100は、片側ベゼル曲げ構造または両側ベゼル曲げ構造を有することができる。そして、表示領域(AA)の端部分と非表示領域(IA)の曲げによって具現された曲げ部とを含む振動部材100は、片側アクティブ曲げ構造または両側アクティブ曲げ構造を有することができる。
【0050】
振動装置200は、振動部材100の背面で振動部材100を振動させることによって、振動部材100の振動に基づいて音響および/またはハプティックフィードバックを使用者に提供することができる。振動装置200は、振動部材100を直接に振動させることができるように、振動部材100の背面に具現することができる。例えば、振動装置200は、振動発生装置、変位装置、音響装置、または音響発生装置などであり得、用語に限定されるものではない。
【0051】
本明細書の一実施例として、振動装置200は、振動部材100に表示される映像と同期する振動駆動信号によって振動して、振動部材100を振動させることができる。本明細書の他の実施例として、振動装置200は、振動部材100上に配置され、振動部材100に内蔵されたタッチパネル(またはタッチセンサ層)に対する使用者タッチに同期するハプティックフィードバック信号(または触覚フィードバック信号)によって振動して、振動部材100を振動させることができる。これによって、振動部材100は、振動装置200の振動によって振動し、音響およびハプティックフィードバックの中の少なくとも1つを使用者(または視聴者)に提供することができる。
【0052】
振動装置200は、表示パネルまたは振動部材100を振動させることができる。例えば、振動装置200は、表示パネルまたは振動部材100を直接に振動させることができるように、振動部材100の背面に具現することができる。例えば、振動装置200は、表示パネルまたは振動部材100の背面で振動部材100を振動させることによって、表示パネルまたは振動部材100の振動に基づいて音響および/またはハプティックフィードバックを使用者に提供することができる。
【0053】
本明細書の実施例に係る振動装置130は、フィルムの形態で具現することができる。振動装置130がフィルム形態に具現されるため、振動部材100より薄い厚さを有することができるので、振動装置130の配置による表示装置の厚さの増加を最小限に抑えることができる。例えば、振動装置130は、振動部材100を音響振動板として使用する音響発生モジュール、音響発生装置、振動発生装置、変位装置、音響装置、フィルムアクチュエータ、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカ、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表現することができ、これに限定されるものではない。
【0054】
本明細書の実施例に係る振動装置130または振動素子131は、相対的に高い振動実施が可能なセラミック系の物質から構成するか、またはペロブスカイト系の結晶構造を有する圧電セラミックで構成することができる。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する板状の構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABOの式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなり得る。例えば、ABOの化学式において、AサイトおよびBサイトはカチオンであり、Oはアニオンであり得る。例えば、PbTiO、PbZrO、PbZrTiO、BaTiO、およびSrTiOの中の少なくとも1つ以上を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0055】
ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または電界によって中央イオン、例えばPbTiOの場合、Tiイオンの位置が変動して分極(polarization)が変化して圧電効果を発生させることができる。例えば、ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または電界によって対称の構造であるキュービック(cubic)形状から、非対称構造である四角形、直方形、および菱形などの形状に変化することで、圧電効果を発生させることができる。対称でない構造を有する四角形および菱形の相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary)で分極が高く、分極の再配列が容易であるため、高い圧電特性を有することができる。
【0056】
本明細書の実施例によれば、振動装置130または振動素子131は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)の中の1つ以上を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0057】
本明細書の他の実施例に係る振動装置130または振動素子131は、単結晶セラミックおよび/または多結晶セラミックを含むことができる。単結晶セラミックは、一定の構造の単一結晶相を有する粒子が規則的に配列した物質であり得る。多結晶セラミックは、様々な結晶相が存在する不規則な粒子からなり得る。
【0058】
本明細書の他の実施例によれば、振動装置130または振動素子131は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)およびチタン(Ti)を含むPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系物質、または鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(ニッケルニオブ酸ジルコン酸鉛)系物質を含むことができ、これらに限定されるものではない。本明細書の他の実施例では、振動装置130または振動素子131は、鉛(Pb)を含まないCaTiO、BaTiO、およびSrTiOの中の少なくとも1つ以上を含むことができ、これらに限定されるものではない。
【0059】
本明細書の他の実施例によれば、振動装置130または振動素子131は、厚さ方向(Z)による圧電歪定数(d33)を1,000pC/N以上を有することができる。振動装置を大型の表示パネルまたは振動対象物に適用することができ、十分な振動特性または圧電特性を有するためには、高い圧電歪定数(d33)を有することが必要である。例えば、高い圧電歪定数(d33)を有するために無機物質部は、PZT系物質(PbZrTiO)を主成分とし、Aサイト(Pb)にドープされたソフトナードーパント(softner dopant)物質、及びBサイト(ZrTi)にドープされたリラクサー強誘電体物質を含むことができる。
【0060】
ソフトナードーパント物質は、振動装置130または振動素子131の圧電特性および誘電特性を向上させることができ、例えば、無機物質部の圧電歪定数(d33)を増加させることができる。本明細書の実施例に係るソフトナードーパント物質は、+2価~+3価の元素を含むことができる。PZT系物質(PbZrTiO)にソフトナードーパント物質を含めて相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary;MPB)を構成することができるので、圧電特性及び誘電特性を向上させることができる。例えば、ソフトナードーパント物質は、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ランタナム(La)、ネオジム(Nd)、カルシウム(Ca)、イットリウム(Y)、エルビウム(Er)、またはイッテルビウム(Yb)を含むことができる。例えば、PZT系物質(PbZrTiO)にドープされたソフトナードーパント物質のイオン(Sr2+、Ba2+、La2+、Nd3+、Ca2+、Y3+、Er3+、Yb3+)は、PZT系物質(PbZrTiO)において鉛(Pb)の一部を置換し、その置換量は、2~20モル%であり得る。例えば、置換量が2mol%未満または20mol%を超過すると、ペロブスカイト結晶構造が割れていまうので、電気結合係数(kP)および圧電歪定数(d33)が減少し得る。ソフトナードーパント物質を置換する場合、相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary)を構成することができ、相転移境界領域で高い圧電特性及び誘電特性を有することができるので、高い圧電特性及び誘電特性を有する振動装置を具現することができる。
【0061】
本明細書の実施例によれば、PZT系物質(PbZrTiO)にドープされたリラクサー強誘電体物質は、無機物質部の電気変形特性を向上させることができる。本明細書の実施例に係るリラクサー強誘電体物質は、PMN(マグネシウムニオブ酸鉛)系物質またはPNN(ニッケルニオブ酸鉛)系物質を含むことができ、これらに限定されるものではない。PMN系物質は、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Mg、Nb)Oであり得る。PNN系物質は、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Ni、Nb)Oであり得る。例えば、PZT系物質(PbZrTiO)にドープされたリラクサー強誘電体物質は、PZT系物質(PbZrTiO)においてジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)のそれぞれの一部を置換し、置換量は5~25mol%であり得る。例えば、置換量が5mol%未満または25mol%を超過すると、ペロブスカイト結晶構造が壊れるため、電気結合係数(kP)および圧電歪定数(d33)が減少し得る。
【0062】
本明細書の実施例によれば、振動装置130または振動素子131は、圧電歪定数をさらに向上させるために、PZT系物質(PbZrTiO)のBサイト(ZrTi)にドープされたドナー(donor)物質をさらに含むことができる。例えば、Bサイト(ZrTi)にドープされたドナー物質は、+4~6の元素を含むことができる。例えば、Bサイト(ZrTi)にドープされたドナー物質は、テルリウム(Te)、ゲルマニウム(Ge)、ウラン(U)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、アンチモン(Sb)、またはタングステン(W)を含むことができる。
【0063】
本明細書の実施例に係る振動装置130または振動素子131は、厚さ方向(Z)による圧電歪定数(d33)を1,000pC/N以上を有することができるため、振動特性が向上した振動装置を具現することができる。例えば、振動特性が向上した振動装置を大面積の装置または振動対象物に具現することができる。
【0064】
本明細書の他の実施例では、振動装置130を振動部材100の背面に配置せず、表示パネルではなく非表示パネルに適用することができる。例えば、非表示パネルは、木、プラスチック、ガラス、金属、布、繊維、ゴム、紙、皮革、自動車の内装材、建物の屋内天井、および航空機の内装材の中の1つ以上であり得、これに限定されるものではない。この場合には、非表示パネルを振動板として適用することができ、振動装置130は、非表示パネルを振動させて音響を出力することができる。
【0065】
例えば、本明細書の実施例に係る装置は、振動部材(または振動対象物)、および振動部材に配置された振動装置130を含むことができる。例えば、振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネルを含むか、非表示パネルを含むことができる。例えば、振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネルを含むか、木、プラスチック、ガラス、金属、布、繊維、ゴム、紙、皮革、自動車の内装材、自動車のガラス窓、建物の室内天井、建物のガラス窓、建物の内装材、航空機の内装材、及び航空機のガラス窓などの中の1つ以上であり得、これに限定されるものではない。例えば、振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段のガラス窓、運送手段の外装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、および鏡の中の1つ以上を含むことができ、これらに限定されるものではない。例えば、非表示パネルは、発光ダイオード照明パネル(または装置)、有機発光照明パネル(または装置)または無機発光照明パネル(または装置)などであり得、これらに限定されるものではない。例えば、振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネルを含むか、または発光ダイオード照明パネル(または装置)、有機発光照明パネル(または装置)、または無機発光照明パネル(または装置)の中の1つ以上であり得、これに限定されるものではない。
【0066】
本明細書の他の実施例によれば、振動部材は、プレートを含むことができる。プレートは金属材質を含むか、または木、プラスチック、ガラス、布、繊維、ゴム、紙、および皮革の中のいずれか1つ以上の単一非金属または複合非金属材質を含むことができ、これらに限定されるものではない。本明細書の他の実施例によれば、振動部材は、木、プラスチック、ガラス、金属、布、繊維、ゴム、紙、および皮革の中の1つ以上であり得、これらに限定されるものではない。例えば、紙はスピーカー用のコーン紙であり得る。例えば、コーン紙は、パルプまたは発泡プラスチックなどであり得、これに限定されるものではない。例えば、振動部材は、振動対象物、振動板、または前面部材であり得、用語に限定されるものではない。
【0067】
振動装置130は、振動部材100の表示領域と重畳するように振動部材100の背面に配置され得る。例えば、振動装置130は、振動部材100の表示領域の中の半分以上の表示領域と重畳し得る。本明細書の他の実施例では、振動装置130は、振動部材100の表示領域全体と重畳することができる。
【0068】
本明細書の実施例に係る振動装置130は、交流電圧が印加されると、逆圧電効果により収縮と膨張を交互に繰り返すことで振動することができ、振動を通じて振動部材100を振動させことができる。例えば、振動装置130は、振動部材100に表示される映像と同期するボイス信号によって振動して、振動部材100を振動させることができる。本明細書の他の実施例では、振動装置130は、振動部材100上に配置された、または振動部材100に内蔵されたタッチパネル(またはタッチセンサ層)に対する使用者のタッチに同期するハプティックフィードバック信号(または触覚フィードバック信号)によって振動して、振動部材100を振動させることができる。これにより、振動部材100は、振動装置130の振動によって振動し、音響およびハプティックフィードバックの少なくとも1つ以上を使用者(または視聴者)に提供することができる。
【0069】
したがって、本明細書の実施例に係る装置は、振動装置130の振動による振動部材100の振動によって発生する音響を、振動部材100の前方に出力することができる。そして、本明細書の実施例に係る装置は、フィルム形態の振動装置130によって振動部材100の大部分の領域が振動することができるので、振動部材100の振動による音響の音圧特性および音の定位感をさらに向上させることができる。
【0070】
本明細書の実施例によれば、振動部材100の背面(または背面)は、第1領域(または第1背面領域)(A1)、および第2領域(または第2背面領域)(A2)を含むことができる。例えば、振動部材100の背面において、第1領域(A1)は左側背面領域であり得、第2領域(A2)は右側背面領域であり得る。第1領域(A1)及び第2領域(A2)は、第1方向(X)を基準とするとき、振動部材100の中間ライン(CL)を中心に左右対称であり得、これに限定されるものではない。例えば、第1領域(A1)および第2領域(A2)のそれぞれは、振動部材100の表示領域と重畳することができる。
【0071】
本明細書の実施例に係る振動装置200は、振動部材100の背面に配置された第1振動装置130-1及び第2振動装置130-2を含むことができる。
【0072】
第1振動装置130-1は、振動部材100の第1領域(A1)に配置され得る。例えば、第1振動装置130-1は、第1方向(X)を基準としたときに、振動部材100の第1領域(A1)内で、中央部または端部の方に偏るように配置され得る。本明細書に係る第1振動装置130-1は、振動部材100の第1領域(A1)を振動させることにより、振動部材100の第1領域(A1)において、第1振動音響(PVS1)を発生させるか、または第1ハプティックフィードバックを発生させることができる。例えば、本明細書の実施例に係る第1振動装置130-1は、振動部材100の第1領域(A1)を直接に振動させることによって、振動部材100の第1領域(A1)で第1振動音響(PVS1)を発生させるか、または第1ハプティックフィードバックを発生させることができる。例えば、第1振動音響(PVS1)は、左側音響であり得る。本明細書による第1振動装置130-1の大きさは、第1振動音響(PVS1)の特性または装置に求められる音響特性によって、第1領域(A1)の半分以下の大きさを有するか、半分以上の大きさを有することができる。本明細書の他の実施例では、第1振動装置130-1の大きさは、振動部材100の第1領域(A1)に対応する大きさを有することができる。例えば、第1振動装置130-1の大きさは、振動部材100の第1領域(A1)と同じ大きさを有するか、または第1領域(A1)よりも小さい大きさを有することができる。
【0073】
第2振動装置130-2は、振動部材100の第2領域(A2)に配置され得る。例えば、第2振動装置130-2は、第1方向(X)を基準としたときに、振動部材100の第2領域(A2)内で、中央部または端部の方に偏るように配置され得る。本明細書による第2振動装置130-2は、振動部材100の第2領域(A2)を直接に振動させることにより、振動部材100の第2領域(A2)で第2振動音響(PVS2)を発生させるか、または第2ハプティックフィードバックを発生させることができる。例えば、本明細書に係る第2振動装置130-2は、振動部材100の第2領域(A2)を直接に振動させることにより、振動部材100の第2領域(A2)で第2振動音響(PVS2)を発生させるか、または第2ハプティックフィードバックを発生させることができる。例えば、第2振動音響(PVS2)は、右側音響であり得る。本明細書による第2振動装置130-2の大きさは、第2振動音響(PVS2)の特性または装置に求められる音響特性によって、第2領域(A2)の半分以下の大きさを有するか、半分以上の大きさを有することができる。本明細書の他の実施例では、第2振動装置130-2の大きさは、振動部材100の第2領域(A2)に対応する大きさを有することができる。例えば、第2振動装置130-2の大きさは、振動部材100の第2領域(A2)と同じ大きさを有するか、または第2領域(A2)よりも小さい大きさを有することもできる。したがって、第1および第2振動装置130-1、130-2は、装置の左右の音響特性および/または装置の音響特性によって、互いに同じ大きさを有するか、または異なる大きさを有することができる。そして、第1及び第2振動装置130-1、130-2は、振動部材100の中間ライン(CL)を中心に左右対称又は左右非対称構造に配置され得る。
【0074】
第1及び第2振動装置130-1、130-2のそれぞれは、圧電特性を有する圧電セラミックを含む圧電構造物(振動部又は圧電振動部)を含むことができ、これに限定されるものではない。例えば、本明細書の実施例に係る第1および第2振動装置130-1、130-2の各々は、ペロブスカイト結晶構造を有する圧電セラミックを含むことによって、外部から印加される電気信号に応答して振動(または機械的変位)することができる。例えば、第1及び第2振動装置130-1、130-2のそれぞれは、振動駆動信号(又はボイス信号)が印加されると、圧電構造物(振動部又は圧電振動部)の逆圧電効果により、収縮と膨張を交互に繰り返すことにより、反り方向が交互に変化する反り現象によって互いに同じ方向に変位(または振動)することにより、振動装置200または/および振動部材100の変位量(または曲げ力)あるいは、振幅変位を増加または最大化することができる。
【0075】
第1及び第2振動装置130-1、130-2で発生する振動が、第1領域(又は第1背面領域)(A1)、及び第2領域(又は第2背面領域)(A2)全体を振動させることができるので、音響の定位感が高く、使用者の満足度を向上させることができる。また、振動部材100と第1及び第2振動装置130-1、130-2の接触面積(又はパネルカバレッジ)が増加し、振動部材100の振動領域が増加する。したがって、振動部材100の振動によって発生する重低音域帯の音響を改善することができる。そして、大型表示装置に適用される振動装置130は、大型(または大面積)の振動部材100全体を振動させることができるので、振動部材100の振動による音響の定位感がさらに向上し、向上した音響効果を具現することができる。したがって、本明細書の実施例に係る振動装置130は、振動部材100の背面に配置され、振動部材100を上下(または前後)方向に十分に振動させることができるので、装置または表示装置の前方に所望の音響を出力することができる。例えば、振動装置130は、振動部材100の背面に配置され、振動部材100の第1方向(X)を基準に振動部材100を上下(または前後)方向に十分に振動させることができるので、装置または表示装置の前方に所望の音響を出力することができる。
【0076】
本明細書の実施例に係る振動装置200は、連結部材150をさらに含むことができる。例えば、連結部材150は、振動部材100と振動装置200の間に配置され得る。例えば、連結部材150は、第1および第2振動装置130-1、130-2のそれぞれと振動部材100の間に配置され得る。
【0077】
連結部材150は、振動部材100と第1及び第2振動装置130-1、130-2の間に配置されることにより、振動装置200を振動部材100の背面に連結または結合することができる。例えば、振動装置200は、連結部材150を介して、振動部材100の背面に連結または結合されることにより、振動部材100の背面に支持または配置され得る。
【0078】
本明細書の他の実施例に係る連結部材150は、振動部材100と振動装置200の間に設けられた中空部をさらに含むことができる。連結部材150の中空部は、振動部材100と振動装置200の間にエアギャップを設けることができる。エアギャップは、振動装置200の振動に伴う音波(または音圧)が、連結部材150によって分散せずに振動部材100に集中することにより、連結部材150による振動の損失を最小限に抑えることができるので、振動部材100の振動によって発生する音響の音圧特性を向上させることができる。
【0079】
本明細書の実施例に係る装置は、表示パネルまたは振動部材100と振動装置130の間に連結部材150(または第1連結部材)をさらに含むことができる。
【0080】
例えば、連結部材150は、表示パネルまたは振動部材100の背面と振動装置130の間に配置されることにより、振動装置130を振動部材100の背面に連結または結合することができる。例えば、振動装置130は、連結部材150を介して、表示パネルまたは振動部材100の背面に連結または結合することにより、表示パネルまたは振動部材100の背面に支持または配置され得る。例えば、振動装置130は、連結部材150を介して、表示パネルまたは振動部材100の背面に配置され得る。
【0081】
本明細書の実施例に係る連結部材150は、表示パネルまたは振動部材100の背面と振動装置130のそれぞれに対して、密着力または接着力に優れた接着層を含む材質で構成することができる。例えば、連結部材150は、フォームパッド、両面テープ、または接着剤などを含むことができ、これらに限定されるものではない。例えば、連結部材150の接着層は、エポキシ、アクリル、シリコーン、またはウレタンを含むことができ、これに限定されるものではない。例えば、連結部材150の接着層は、アクリルとウレタンの中で相対的に接着力に優れ、硬度の高い特性を有するアクリル系の物質(または材質)を含むことができる。これにより、振動装置130の振動を振動部材100に良好に伝達することができる。
【0082】
連結部材150の接着層は、粘着付与剤、ワックス成分、酸化防止剤などの添加剤をさらに含むことができ、これに限定されるものではない。添加剤は、振動装置130の振動による表示パネルまたは振動部材100から連結部材150の落下(または剥離)を防止することができる。例えば、粘着付与剤はロジン誘導体などであり得、ワックス成分はパラフィンワックスなどであり得、酸化防止剤はチオエステルなどのフェノール系酸化防止剤であり得、これに限定されるものではない。
【0083】
本明細書の他の実施例に係る連結部材150は、表示パネルまたは振動部材100と振動装置130の間に設けられた中空部をさらに含むことができる。連結部材150の中空部は、表示パネルまたは振動部材100と振動装置130の間にエアギャップを設けることができる。エアギャップは、振動装置130の振動に伴う音波(または音圧)が、連結部材150によって分散されずに表示パネルまたは振動部材100に集中するようにすることにより、連結部材150による振動の損失を最小化し、表示パネルまたは振動部材100の振動によって発生する音響の音圧特性および/または音響特性を向上させることができる。
【0084】
本明細書の実施例に係る装置10は、振動部材100の背面(または裏面)に配置される支持部材300をさらに含むことができる。
【0085】
支持部材300は、振動部材100または表示パネルの背面に配置することができる。例えば、支持部材300は、振動部材100または表示パネルの背面を覆うことができる。例えば、支持部材300は、ガラス材質、金属材質、およびプラスチック材質の中の少なくとも1つ以上の材質を含むことができる。例えば、支持部材300は、背面構造物、セット構造物、支持構造物、支持カバー、背面部材、ケース、またはハウジングであり得、用語に限定されるものではない。支持部材300は、カバーボトム(Cover Bottom)、プレートボトム(Plate Bottom)、バックカバー(Back Cover)、ベースフレーム(Base Frame)、メタルフレーム(Metal Frame)、メタルシャーシ(Metal Chassis)、シャーシベース(Chassis Base)、またはm-シャーシなどの他の用語で表現することができる。例えば、支持部材300は、振動部材100の背面に配置されたあらゆる形態のフレームまたは板状構造物などで具現することができる。
【0086】
支持部材300の端または鋭い角の部分は、面取り工程または角丸め工程によって斜面形態または曲面形態を有することができる。例えば、ガラス材質の支持部材300は、サファイアガラス(Sapphire Glass)であり得る。本明細書の他の実施例として、金属材質の支持部材300は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、および鉄とニッケルの合金の中のいずれか1つ以上の材質からなり得る。
【0087】
本明細書の実施例に係る装置は、ミドルフレーム400をさらに含むことができる。ミドルフレーム400は、振動部材100の背面端部と支持部材300の前面端部分との間に配置され得る。ミドルフレーム400は、振動部材100の端部分と支持部材300の端部分の中の1つ以上を支持することができる。ミドルフレーム400は、振動部材100と支持部材300のそれぞれの側面の中の1つ以上を囲むことができる。ミドルフレーム400は、振動部材100と支持部材300の間にギャップ空間(GS)を設けることができる。ミドルフレーム400は、ミドルキャビネット、ミドルカバー、ミドルシャーシ、連結部材、フレーム、フレーム部材、中間部材、または側面カバー部材などで表現することができ、用語に限定されるものではない。
【0088】
本明細書の実施例に係るミドルフレーム400は、第1支持部分410と第2支持部分430を含むことができる。例えば、第1支持部分410は支持部であり得、用語に限定されるものではない。例えば、第2支持部分430は側壁部であり得、用語に限定されるものではない。
【0089】
第1支持部分410は、振動部材100の背面端部と支持部材300の前面端との間に配置することにより、振動部材100と支持部材300の間にギャップ空間(GS)を設けることができる。第1支持部分410の前面は、第1連結部材401を介して振動部材100の背面端部分と結合または連結することができる。第1支持部分410の背面は、第2連結部材403を介して支持部材300の前面端部分と結合または連結することができる。例えば、第1支持部分410は、四角形態の単一フレーム構造を有するか、または複数の分割バー形態を有するフレーム構造を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0090】
第2支持部分430は、装置の厚さ方向(Z)と平行になるように配置され得る。例えば、第2支持部分430は、装置の厚さ方向(Z)と平行になるように、第1支持部分410の外側面に垂直に結合することができる。第2支持部分430は、振動部材100の外側面と支持部材300の外側面の1つ以上を囲むことにより、振動部材100と支持部材300のそれぞれの外側面を保護することができる。第1支持部分410は、第2支持部分430の内側面から振動部材100と支持部材300の間のギャップ空間(GS)に突出することができる。
【0091】
本明細書の実施例に係る装置は、ミドルフレーム400の代わりにパネル連結部材を含むことができる。
【0092】
パネル連結部材は、振動部材100の背面端部分と支持部材300の前面端部分との間に配置することで、振動部材100と支持部材300の間にギャップ空間(GS)を設けることができる。パネル連結部材は、振動部材100の背面端部分と支持部材300の端部分との間に配置され、振動部材100と支持部材300を接着することができる。例えば、パネル連結部材は、両面テープ、片面テープ、または両面接着フォームパッドで具現することができ、これらに限定されるものではない。例えば、パネル連結部材の接着層は、エポキシ、アクリル、シリコーン、またはウレタンを含むことができ、これに限定されるものではない。例えば、パネル連結部材の接着層は、振動部材100の振動が支持部材300に伝達することを最小限に抑えるために、アクリルとウレタンの中で、アクリルより相対的に軟性特性を有するウレタン系の物質(又は材質)を含むことができる。これにより、支持部材300に伝達される振動部材100の振動を最小限に抑えることができる。
【0093】
本明細書の他の実施例では、本明細書の実施例に係る装置では、ミドルフレーム400を省略することができる。ミドルフレーム400の代わりにパネル連結部材または接着剤で構成することができる。本明細書の他の実施例は、ミドルフレーム400の代わりにパーティションで構成することができる。
【0094】
図2A図2B図3および図4を参照すると、曲面支持部材170は、振動部材100と振動装置200の間に配置され、振動装置130に隣接する第1面と第1面の反対側にある第2面とを含み、第1面は、第2面とは異なる面を有することができる。例えば、第1面は曲面であり、第2面は平面(または平坦な面)であり得る。例えば、曲面支持部材170は、第1面がアーチを有するカーブド模写構造体であり得、用語に限定されるものではない。
【0095】
曲面支持部材170の第1面は、所定の曲率(R)を有することができ、曲面形状の振動装置130-1の第1面は、反り方向が、例えば、第2方向または(Y)方向と平行であり得る。また、曲面状の振動装置130-1の第1面は、反り方向が第1方向またはX方向と平行でも、定められていない方向と平行でもよい。
【0096】
本明細書の実施例によれば、曲面支持部材170の第1面の曲率(R)の値は、300~4000Rであり得る。曲面支持部材170の第1面の曲率(R)が、300R未満の場合、後述する振動部131aの急激な変形で破損が発生することがあり、曲面支持部材170の第1面の曲率(R)が4000Rを超過すると、曲面支持部材170の第1面の曲面の反りの程度が小さくなり、振動装置130の振動成分(例えば、d31、d33)が振動に寄与する部分が低くなり得、それによる装置の音圧特性が大きく改善されないことがあり得る。
【0097】
本明細書の実施例によれば、曲面支持部材170の第1面と第2面の最大距離(d)は、0.45~6mmであり得る。
【0098】
ここで、曲面支持部材170の第1面と第2面との最大距離(d)は、図3に示すように、本明細書の装置において曲面を有する第1面の第2方向、または、Y方向の中央またはセンターと第2面の第2方向またはY方向の中央またはセンターの厚さ、または離隔した距離であり得る。例えば、曲面支持部材170の第1面が曲面で形成されているのは、第2方向またはY方向の中央またはセンターでは最大距離を有し、第2方向またはY方向の中央またはセンターから離れるほど、最大距離から徐々に減少する距離を有することができる。例えば、曲面支持部材170の両端では、第1面および第2面の厚さ、または離隔した距離は、ゼロであり得る。例えば、曲面支持部材170の第1面および第2面は、曲面支持部材170の両端で互いに相接する構造であり得る。また、前述したように、曲面支持部材170の第1面と第2面との最大距離(d)は、第2方向またはY方向の中央またはセンターではなく、定められていない方向の中央または中心であり得る。
【0099】
曲面支持部材170は、第1面と第2面の最大距離(d)が6mmを超過すると、後述する振動部131aの急激な変形で破損が発生し得、曲面支持部材170は、第1面と第2面の最大距離(d)が0.45mm未満の場合、曲面支持部材170の第1面の曲面の反りの程度が小さくなり、振動装置130の振動成分(例えば、d31、d33)が振動に寄与する部分が低くなり得、それによって装置の音圧特性を大きく改善できないことがあり得る。図2Bに示したように、曲面支持部材170の第1面において、第1方向またはX方向に平行な線A-A’による断面は、一定の高さを有することができ、それによって四角形の断面で示すことができる。
【0100】
したがって、支持部材170の第1面は、少なくとも1つの方向に所定の曲率(R)を有するように形成することができ、少なくとも1つの方向に垂直な他の方向には一定の高さを有するように形成することができる。
【0101】
曲面支持部材170は、木材、プラスチック、ポリマー、ガラス、金属、布、繊維、ゴム、紙、および皮革の中の少なくとも1つ以上であり得る。曲面支持部材170が金属を含む場合、曲面支持部材170は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、および鉄とニッケルの合金の中のいずれか1つ以上の材質からなり得る。曲面支持部材170がプラスチックまたはポリマーを含む場合、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネート)またはPCとABS混合物などの比較的に硬質の物質、または合成ゴム、天然ゴム、シリコーンまたは他の弾性重合体物質などの比較的に軟質のポリマーであり得る。
【0102】
本明細書の実施例によれば、曲面支持部材170の第1面の背面に配置された振動装置200は、第1面の曲面に対応する形状を有することができる。ここで、振動装置200の振動部131は、電界の方向によって異なる応力と変形を発生させることができる。したがって、振動装置200の振動部131は方向性を有することができる。d33は、振動部131の1つの方向に電界を加えたとき、その方向(1つの方向)に変形が発生する圧電電荷定数であり得る。例えば、d33は、振動部131の第3方向またはZ方向に電界を加えたときに、第3方向またはZ方向に変形が発生する圧電電荷定数(piezoelectric charge constantまたはpiezoelectric constant)であり得る。d31は、1つの方向に電界を加えたときに他方の方向に変形が発生する圧電電荷定数であり得る。例えば、d31は、第3方向またはZ方向に電界を加えたときに他の方向、例えば、第1方向または第2方向に変形が発生する圧電電荷定数(piezoelectric charge constant またはpiezoelectric constant)であり得る。図3では、振動装置130にd33圧電電荷定数及びd31圧電電荷定数を表示し、図3では、d33圧電電荷定数は、振動装置130-1の平面に垂直な第3方向に応力が発生するものであり、d31圧電電荷定数は、振動装置130-1の平面と平行な第2方向に応力が発生するものであり得る。したがって、以下の明細書では、d33圧電電荷定数は、振動装置130-1の平面と垂直な応力成分であり、d31圧電電荷定数は、振動装置130-1の平面と平行な第2方向に応力が発生するものであり得る。
【0103】
したがって、以下の明細書では、圧電電荷定数d33は、振動装置200の垂直方向に対する応力成分または振動成分であり、圧電電荷定数d31は、振動装置200の水平方向に対する応力成分または振動成分であり得る。
【0104】
したがって、図3のように、振動装置200の第1面および第2面が所定の曲面または曲率を有するように形成された場合、振動装置200の第1側面および第2側面が振動部材100又は連結部材150に向かう側では、振動装置200の水平方向の振動成分d31は相殺されず、振動部材100に伝達され得、それにより、装置の振動特性及び装置によって発生する音圧を向上させることができる。これとは逆に、例えば曲面支持部材を含まない振動装置200の水平方向の振動成分d31は相殺されるので、本明細書の実施例に比べて音圧が向上しないことがあり得る。
【0105】
本明細書の実施例に係る装置は、振動装置130-1の一側面および他側面が連結部材150を介して、振動部材100と接着または連結するように構成され得る。振動装置130-1の一側面200a及び他側面200bは、連結部材150を介して振動部材100に付着することにより、振動装置130-1の一側面及び他側面で発生するd31の応力成分および/または振動成分が音圧向上に寄与し得る。
【0106】
図5は、本明細書の振動装置の平面図であり、図6は、図5の線C-C’の断面図である。
【0107】
図5及び図6を参照すると、本明細書の実施例に係る振動素子131は、振動部131a、第1電極部131b、及び第2電極部131cを含むことができる。
【0108】
本明細書の実施例に係る振動素子131は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動器、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルスピーカー、フレキシブル圧電スピーカー、フィルムアクチュエーター、フィルム型圧電複合体アクチュエーター、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表現することができ、これらに限定されるものではない。
【0109】
振動部131aは、圧電物質を含むことができる。例えば、振動部131aは、圧電効果を含む圧電物質(または電気活性物質)を含むことができる。例えば、圧電物質は、外力によって結晶構造に圧力または捩れ現象が作用しながら、正(+)イオンと負(-)イオンの相対的にな位置変化に伴う誘電分極によって電位差が発生し、逆に印加される電圧による電界によって振動が発生する特性を有することができる。振動部131aは、振動層、圧電層、圧電物質層、電気活性層、振動部、圧電物質部、電気活性部、圧電構造物、圧電複合層、圧電複合体、または圧電セラミック複合体などの他の用語で表すことができるが、これに限定されるものではない。振動部131aは、透明、半透明、または不透明な圧電物質からなり得るので、振動部131aは透明、半透明、または不透明であり得る。
【0110】
本明細書の実施例に係る振動部131aは、相対的に高い振動の具現が可能なセラミック系の物質から構成するか、ペロブスカイト系の結晶構造を有する圧電セラミックで構成することができる。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する板形状の構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABOの化学式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなり得る。例えば、ABOの式において、AサイトおよびBサイトはカチオンであり得、Oはアニオンであり得る。例えば、PbTiO、PbZrO、PbZrTiO、BaTiO、およびSrTiOの中の少なくとも1つ以上を含むことができ、これらに限定されるものではない。
【0111】
ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または電界によって中央イオン、例えばPbTiOの場合、Tiイオンの位置が変動して分極(polarization)が変化して圧電効果を発生させることができる。例えば、ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または電界によって対称な構造であるキュービック(cubic)形状から、非対称構造である四角形、直方形、および菱形などの形状に変化することで圧電効果を発生させることができる。対称でない構造を有する四角形および菱形の相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary)で分極が高く、分極の再配列が容易であるため、高い圧電特性を有することができる。
【0112】
本明細書の実施例によれば、振動部131aは、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、ニオブ(Nb)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、およびインジウム(In)の中の1つ以上を含むことができ、これらに限定されるものではない。
【0113】
本明細書の他の実施例に係る振動部131aは、単結晶セラミックまたは多結晶セラミックを含むことができる。単結晶セラミックは、一定の構造の単一結晶相を有する粒子が規則的に配列した材料であり得る。多結晶セラミックは、様々な結晶相が存在する不規則な粒子からなり得る。
【0114】
本明細書の他の実施例によれば、振動部131aは、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、およびチタン(Ti)を含むPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系物質、または鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(ニッケルニオブ酸ジルコン酸鉛)系物質を含むことができ、これらに限定されるものではない。本明細書の他の実施例によれば、PMN(マグネシウムニオブ酸鉛)系物質、 PNN(ニッケルニオブ酸鉛)系物質、PZN(ジルコン酸ニオブ酸鉛)系物質、または PIN(インジウムニオブ酸鉛)系物質を含むことができ、これに限定されるものではない。PMN系物質は、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Mg、Nb)Oであり得る。PNN系物質は、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Ni、Nb)Oであり得る。PIN系物質は、鉛(Pb)、インジウム(In)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(In、Nb)Oであり得る。本明細書の他の実施例では、振動部131aは、鉛(Pb)を含まないCaTiO、BaTiO、およびSrTiOの中の少なくとも1つ以上を含むことができ、これらに限定されるものではない。
【0115】
本明細書の他の実施例によれば、振動部131aは、厚さ方向(Z)による圧電歪定数(d33)を1,000pC/N以上を有することができる。振動装置を大きさが大きい表示パネルまたは振動部材に適用することができ、十分な振動特性または圧電特性を有するためには、高い圧電歪定数(d33)を有することが必要である。例えば、高い圧電歪定数(d33)を有するために無機物質部は、PZT系物質(PbZrTiO)を主成分とし、Aサイト(Pb)にドープされたソフトナードーパント(softner dopant)物質、及びBサイト(ZrTi)にドープされたリラクサー強誘電体物質を含むことができる。
【0116】
ソフトナードーパント物質は、振動部131aの圧電特性及び誘電特性を向上させることができ、例えば、無機物質部の圧電歪定数(d33)を増加させることができる。本明細書の実施例に係るソフトナードーパント材質は、+2価~+3価の元素を含むことができる。PZT系物質(PbZrTiO)にソフトナードーパント物質を含めて相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary;MPB)を構成できるので、圧電特性及び誘電特性を向上させることができる。例えば、ソフトナードーパント材質は、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ランタナム(La)、ネオジム(Nd)、カルシウム(Ca)、イットリウム(Y)、エルビウム(Er)、またはイッテルビウム(Yb)を含むことができる。例えば、PZT系物質(PbZrTiO)にドープされたソフトナードーパント物質のイオン(Sr2+、Ba2+、La2+、Nd3+、Ca2+、Y3+、Er3+、Yb3+)は、PZT系物質(PbZrTiO)において鉛(Pb)の一部を置換し、その置換量は、2~20モル%であり得る。例えば、置換量が2mol%未満または20mol%を超過すると、ペロブスカイト結晶構造が壊れてしまうので、電気結合係数(kP)および圧電歪定数(d33)が減少し得る。ソフトナードーパント材質を置換する場合、相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary)を構成することができ、相転移境界領域で高い圧電特性及び誘電特性を有することができるので、高い圧電特性及び誘電特性を有する振動装置を具現することができる。
【0117】
本明細書の実施例によれば、PZT系物質(PbZrTiO)にドープされたリラクサー強誘電体物質は、無機物質部の電気変形特性を向上させることができる。本明細書の実施例に係るリラクサー強誘電体物質は、PMN(マグネシウムニオブ酸鉛)系物質またはPNN(ニッケルニオブ酸鉛)系物質を含むことができ、これらに限定されるものではない。PMN系物質は、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、及びニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Mg、Nb)Oであり得る。PNN系物質は、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、及びニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Ni、Nb)Oであり得る。例えば、PZT系物質(PbZrTiO)にドープされたリラクサー強誘電体物質は、PZT系物質(PbZrTiO)でジルコニウム(Zr)とチタン(Ti)それぞれの一部を置換し、置換量は5~25mol%であり得る。例えば、置換量が5mol%未満または25mol%を超過すると、ペロブスカイト結晶構造が割れてしまうので、電気結合係数(kP)および圧電歪定数(d33)が減少し得る。
【0118】
本明細書の実施例によれば、振動部131aは、圧電歪定数のさらなる向上のために、PZT系物質(PbZrTiO)のBサイト(ZrTi)にドープされたドナー(ドナー)物質をさらに含むことができる。例えば、Bサイト(ZrTi)にドープされたドナー物質は、+4価~+6価の元素を含むことができる。例えば、Bサイト(ZrTi)にドープされるドナー物質は、テルリウム(Te)、ゲルマニウム(Ge)、ウラン(U)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、アンチモン(Sb)、またはタングステン(W)を含むことができる。
【0119】
本明細書の実施例に係る振動部131aは、厚さ方向(Z)による圧電歪定数(d33)を1,000pC/N以上を有することができるので、振動特性が向上した振動装置を具現することができる。例えば、振動特性が向上した振動装置を大面積の装置または振動部材(または振動対象物)に具現することができる。
【0120】
第1電極部131bは、振動部131aの第1面(又は上面)に配置され、振動部131aの第1面と電気的に連結し得る。第2電極部131cは、振動部131aの第1面とは異なる面に配置することができる。例えば、第2電極部131cは、振動部131aの第2面(または下面)に配置され、振動部131aの第2面と電気的に連結し得る。例えば、振動部131aは、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化する温度雰囲気で第1電極部131bと第2電極部131cに印加される一定電圧によって分極化(またはポーリング)され得、これに限定されるものではない。
【0121】
例えば、第1電極部131bは、振動部131aの第1面全体に配置された筒状電極形態を有することができる。本明細書の実施例に係る第1電極部131bは、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電性物質は、ITO(インジウムスズ酸化物)またはIZO(インジウム亜鉛酸化物)を含むことができ、これらに限定されるものではない。不透明導電材質は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、またはマグネシウム(Mg)などを含むか、またはそれらの合金からなり得、これらに限定されるものではない。
【0122】
第2電極部131cは、振動部131aの第1面と反対の第2面(又は背面又は後面)上に配置され、振動部131aの第2面と電気的に連結し得る。例えば、第2電極部131cは、振動部131aの第2面全体に配置された筒状電極形態を有することができる。本明細書の実施例に係る第2電極部131cは、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、第2電極部131cは、第1電極部131bと同じ物質で形成することができ、これに限定されるものではない。本明細書の他の実施例では、第2電極部131cは、第1電極部131bとは異なる物質で構成することができる。
【0123】
本明細書の他の実施例に係る振動素子131(または振動装置130)は、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eをさらに含むことができる。
【0124】
第1カバー部材131dは、振動素子131の第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1電極部131bにあることができる。例えば、第1カバー部材131dは、第1電極部131b上にあることができる。例えば、第1カバー部材131dは、振動部131aの第1面上に配置された第1電極部131bを覆うことにより、振動部131aの第1面または第1電極部131bを保護することができる。
【0125】
第2カバー部材131eは、振動素子131の第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第2電極部131cにあることができる。例えば、第2カバー部材131eは、第2電極部131cの下にあることができる。例えば、第2カバー部材131eは、振動部131aの第2面上に配置された第2電極部131cを覆うことにより、振動部131aの第2面または第2電極部131cを保護することができる。
【0126】
本明細書の実施例に係る第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのそれぞれは、プラスチック、繊維、および木材の中の1つ以上の材質を含むことができ、これらに限定されるものではない。例えば、第1カバー部材131dと第2カバー部材131eのそれぞれは、同一または異なる材質を含むことができる。例えば、第1カバー部材131dおよび第2カバー部材131eのそれぞれは、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルム、またはポリエチレンナフタレートフィルムであり得、これに限定されるものではない。
【0127】
本明細書の他の実施例に係る振動素子131(または振動装置130)は、第1接着層131fおよび第2接着層131gをさらに含むことができる。例えば、第1接着層131fは、第1カバー部材131dと第1電極部131bの間に配置され得る。例えば、第2接着層131gは、第2カバー部材131eと第2電極部131cの間に配置され得る。
【0128】
本明細書の実施例に係る第1カバー部材131dは、第1接着層131fを介して、振動部131aの第1面に配置され得る。例えば、第1カバー部材131dは、第1接着層131fを介して、第1電極部131bに連結または結合することができる。例えば、第1カバー部材131dは、第1接着層131fを媒介とするフィルムラミネート工程により振動部131aの第1面に配置され得る。したがって、振動部131aを第1カバー部材131dに一体化(または配置)することができる。
【0129】
本明細書の実施例に係る第2カバー部材131eは、第2接着層131gを介して振動部131aの第2面に配置され得る。例えば、第2カバー部材131eは、第2接着層131gを介して第2電極部131cに連結または結合することができる。例えば、第2カバー部材131eは、第2接着層131gを媒介とするフィルムラミネート工程により振動部131aの第2面に配置され得る。したがって、振動部131aを第2カバー部材131eに一体化(または配置)することができる。
【0130】
例えば、第1接着層131f及び第2接着層131gは、振動素子131全体を完全に囲むことができる。例えば、第1接着層131f及び第2接着層131gは、振動部131a、第1電極部131b、及び第2電極部131cを包むように第1カバー部材131dと第2カバー部材131eの間に配置され得る。例えば、第1接着層131f及び第2接着層131gは、振動部131a、第1電極部131b、及び第2電極部131cを完全に包み込むように第1カバー部材131dと第2カバー部材131eの間に配置され得る。例えば、振動部131aと第1電極部131b及び第2電極部131cは、第1接着層131fと第2接着層131gの間に埋め込むか内蔵することができる。第1接着層131fおよび第2接着層131gは、説明の便宜上、第1接着層131fおよび第2接着層131gとして示しており、1つの接着層に配置され得る。
【0131】
本明細書の実施例に係る第1接着層131fおよび第2接着層131gのそれぞれは、接着性を有しながら圧縮および復元が可能な電気絶縁物質を含むことができる。例えば、第1接着層131fおよび第2接着層131gのそれぞれは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはウレタン樹脂を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0132】
本明細書の実施例に係る振動装置130は、信号ケーブルをさらに含むことができる。
【0133】
信号ケーブルは、振動装置130に配置されたパッド部と電気的に連結し、音響処理回路から提供される振動駆動信号(または音響信号)を振動装置200に供給することができる。本明細書の実施例に係る信号ケーブルは、端子を含むことができ、端子は、パッド部のパッド電極と電気的に連結することができる。例えば、信号ケーブル219は、フレキシブルケーブル、フレキシブルプリント回路ケーブル、フレキシブルフラットケーブル、片面フレキシブルプリント回路、片面フレキシブルプリント回路基板、フレキシブル多層プリント回路、またはフレキシブル多層プリント回路基板からなり得るが、これに限定されるものではない。例えば、信号ケーブルは、透明、半透明、または不透明になるように構成することができる。
【0134】
音響処理回路は、音響源に基づいて第1振動駆動信号と第2振動駆動信号を含む交流形態の振動駆動信号を生成することができる。第1振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号の中のいずれか1つであり、第2振動駆動信号は、正極性(+)の振動駆動信号および負極性(-)の振動駆動信号の中のいずれか1つであり得る。例えば、第1振動駆動信号は、信号ケーブル219の端子とパッド部のパッド電極及び第1電源供給ラインを介して、振動素子131の第1電極部131bに供給され得る。第2振動駆動信号は、信号ケーブルの端子とパッド部のパッド電極及び第2電源供給ラインを介して、振動素子131の第2電極部131cに供給され得る。
【0135】
本明細書の実施例によれば、振動部131aは、第1及び第2カバー部材131e、131fによって一体化して構成することができるので、構造が単純化されて肉厚の薄い振動装置を提供することができる。
【0136】
図7A及び図7Bは、振動装置の振動部の構造を例示したものである。
【0137】
図7Aを参照すると、振動部131aは、パターンがないソリッドな構造で提供することができる。また、振動部131aは、後述するセラミック系のペロブスカイト物質を含んでいても、上述した曲面支持部材170の曲線を有する第1面に対応するように反り得る所定の柔軟性を有することができる。
【0138】
振動部131aは、相対的に高い振動の具現が可能なセラミック系の物質で構成するか、またはペロブスカイト系の結晶構造を有する圧電セラミックで構成することができる。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する板形状の構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABOの化学式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなり得る。例えば、ABOの化学式において、AサイトおよびBサイトはカチオンであり、Oはアニオンであり得る。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、PbTiO、PbZrO、PbZrTiO、BaTiO、およびSrTiOの中の少なくとも1つ以上を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0139】
ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または電界によって中央イオン、例えばPbTiOの場合、Tiイオンの位置が変動して分極(polarization)が変化して圧電効果を発生することができる。例えば、ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または電界によって対称な構造であるキュービック(cubic)形状から非対称構造である四角形、直方形、および菱形などの形状に変化することで圧電効果を発生させることができる。対称でない構造を有する四角形および菱形の相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary)で分極が高く、分極の再配列が容易であるため、高い圧電特性を有することができる。
【0140】
複数の第1部分131a1の各々は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、及びチタン(Ti)を含むPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系物質、又は鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(ニッケルニオブ酸ジルコン酸鉛)系物質を含むことができ、これらに限定されるものではない。本明細書の他の実施例によれば、PMN(マグネシウムニオブ酸鉛)系物質、PNN(ニッケルニオブ酸鉛)系物質、PZN(ジルコン酸ニオブ酸鉛)系物質、またはPIN(インジウムニオブ酸鉛)系物質を含むことができ、これに限定されるものではない。PMN系物質は、鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Mg、Nb)Oであり得る。PNN系物質は、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(Ni、Nb)Oであり得る。PIN系物質は、鉛(Pb)、インジウム(In)、およびニオブ(Nb)を含むことができ、例えば、Pb(In、Nb)Oであり得る。または、複数の第1部分131a1のそれぞれは、鉛(Pb)を含まないCaTiO、BaTiO、およびSrTiOの中の少なくとも1つ以上を含むことができ、これらに限定されるものではない。
【0141】
図7Bを参照すると、本明細書の実施例に係る振動素子は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動器、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルスピーカ、フレキシブル圧電スピーカ、フィルムアクチュエータ、フィルム型圧電複合体アクチュエータ、フィルムスピーカ、フィルム型圧電スピーカ、またはフィルム型圧電複合体スピーカなどで表現することができ、これに限定されるものではない。
【0142】
図7Bを参照すると、本明細書の実施例に係る振動部131aは、第1部分131a1及び第2部分131a2を含むことができる。例えば、複数の第1部分131a1および複数の第2部分131a2は、第1方向(X)に沿って交互に繰り返し配置され得る。例えば、第1方向(X)は、振動部131aの横方向であり得、第2方向(Y)は、第1方向(X)と交差する振動部131aの縦方向であり得、これに限定されるものではない。例えば、第1方向(X)は、振動部131aの縦方向であり得、第2方向(Y)は、振動部131aの横方向であり得る。
【0143】
本明細書の実施例によれば、振動部131aは、第2方向またはY方向に連続した構造で形成することができる。図7Aおよび図7B図3に結び付ける場合、振動部131aが第2方向またはY方向に不連続的な構造に形成された場合、d31の応力成分が振動部材100に伝達されないことがあり得る。したがって、本明細書の実施例に係る振動部131aの好ましい構造は、Y方向に連続した構造で形成することができる。
【0144】
例えば、第1部分131a1は無機物質を含み、第2部分131a2は有機物質を含むことができる。例えば、第1部分131a1は圧電特性を有することができ、第2部分131a2は軟性特性または柔軟性を有することができる。例えば、第1部分131a1の無機物質は圧電特性を有することができ、第2部分131a2の有機物質は軟性特性または柔軟性を有することができる。
【0145】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、無機物質部で構成することができる。無機物質部は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質を含むことができる。
【0146】
複数の第1部分131a1のそれぞれは、上述した図7Aの振動部131aと同じ物質を含むことができる。
【0147】
本明細書の実施例に係る複数の第2部分131a2のそれぞれは、有機物質部からなり得る。第2部分131a2を構成する有機物質部は、第1部分131a1である無機物質部と比較して柔軟な特性を有する有機物質、有機ポリマー、有機圧電物質、または有機非圧電物質を含むことができる。例えば、第2部分131a2は、柔軟性を有する接着部、伸縮部、曲げ部、ダンピング部、または軟性部などで表現することができ、これに限定されるものではない。例えば、有機物質部は、無機物質部間に配置されることにより、無機物質部(または第1部分)に加えられる衝撃を吸収することができ、無機物質部に集中するストレスを解放して、振動部131aまたは振動素子131の耐久性を向上させることができ、さらに振動部131aまたは振動素子131に柔軟性を提供することができる。
【0148】
複数の第2部分131a2のそれぞれは、複数の第1部分131a1の間に配置され得る。これにより、振動部131aまたは振動素子131は、第2部分131a2によって第1部分131a1の単位格子内のリンクによる振動エネルギーを増加させることができ、振動特性を増加させることができ、圧電特性と柔軟性を確保することができる。例えば、第2部分131a2は、エポキシ系ポリマー、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマーの中の1つ以上であり得、これに限定されるものではない。
【0149】
本明細書の実施例に係る第2部分131a2は、第1部分131a1と比較して低い弾性率と粘弾性を有することができ、それによって第1部分131a1の脆性特性によって、衝撃に弱い第1部分131a1の信頼性を向上させることができる。例えば、第2部分131a2は、0.01~1の損失係数と0.1~10[Gpa]の弾性率を有する物質で構成することができる。
【0150】
振動部131aにおいて、複数の第1部分131a1と複数の第2部分131a2のそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配置)することができる。複数の第2部分131a2のそれぞれは、隣接する2つの第1部分131a1間のギャップを埋めるように構成することによって、隣接する第1部分131a1と連結または接着することができる。したがって、振動部131aは、第1部分131a1と第2部分131a2の側面結合(または連結)によって所望の大きさまたは長さに拡張することができる。
【0151】
図7Bを参照すると、複数の第1部分131a1及び複数の第2部分131a2は、第1方向(X)に沿って交互に繰り返し配置され得る。複数の第1部分131aのそれぞれは、複数の第2部分131a2の間に配置され得る。例えば、複数の第1部分131a1のそれぞれは、第1方向(X)と平行な第1幅(W1)を有し、第2方向(Y)と平行な長さを有することができる。複数の第2部分131a2のそれぞれは、第1方向(X)と平行な第2幅(W2)を有し、第2方向(Y)と平行な長さを有することができる。第1幅(W1)は、第2幅(W2)と同じかまたは相違することができる。例えば、第1幅(W1)は、第2幅(W2)より大きくてもよい。例えば、第1部分131a1と第2部分131a2は、互いに同一または相違する大きさを有するライン形態またはストライプ形態を含むことができる。したがって、図7Bに示す振動部131aは、2-2複合構造を有することにより、20kHz以下の共振周波数を有することができる。これに限定されず、振動部131aの共振周波数は、振動部の形態、長さ、および厚みなどの少なくとも1つ以上によって変更することができる。
【0152】
図7Bに示す振動部131aにおいて、複数の第1部分131a1と複数の第2部分131a2とのそれぞれは、同一平面(又は同一層)に互いに平行に配置(又は配列)することができる。複数の第2部分131a2のそれぞれは、隣接する2つの第1部分131aの間のギャップを埋めるように構成することができる。複数の第2部分131a2のそれぞれは、隣接する第1部分131a1と連結または接着することができる。したがって、振動部131aは、第1部分131a1と第2部分131a2の側面結合(または連結)によって、所望の大きさまたは長さに拡張することができる。
【0153】
図7Bに示す振動部131aにおいて、複数の第2部分131a2のそれぞれの幅(W1、W2)は、振動部131a又は振動装置の中間部から両端部分(または両側または両先端)に行く程、徐々に減少することができる。
【0154】
本明細書の実施例によれば、複数の第2部分131a2の中の最も大きい幅(W2)を有する第2部分131a2は、振動部131aまたは振動装置が上下方向(Z)(あるいは、厚さ方向)に振動するとき、最大の応力が集中する部分に配置され得る。複数の第2部分131a2の中の最も小さい幅(W2)を有する第2部分131a2は、振動部131aまたは振動装置が上下方向(Z)に振動するとき、相対的に最も小さい応力が発生する部分に位置することができる。例えば、複数の第2部分131a2の中の最も大きい幅(W2)を有する第2部分131a2は、振動部131aの中間部分に配置され、複数の第2部分131a2の中の最も小さな幅(W2)を有する第2部分131a2は、振動部131aの両端部分に配置され得る。これにより、振動部131aまたは振動装置が上下方向(Z)に振動するとき、最も大きい応力が集中する部分で発生する音波の干渉または共振周波数の重畳を最小限に抑えることができ、これにより低音域帯で発生する音圧の低下(dipping)現象を改善することができ、低音域帯での音響特性の平坦度を向上させることができる。例えば、音響特性の平坦度は、最高音圧と最低音圧の間の偏差の大きさであり得る。
【0155】
図7Bに示す振動部131aにおいて、複数の第1部分131a1のそれぞれは、互いに異なる大きさ(または広さ)を有することができる。例えば、複数の第1部分131aのそれぞれの大きさ(または幅)は、振動部131aまたは振動装置の中間部分から両端部分(または両側または両先端)に行くほど、徐々に減少または増加することができる。この場合、振動部131aは、互いに異なる大きさを有する複数の第1部分131aのそれぞれの振動による多様な固有振動周波数により、音響の音圧特性を向上させることができ、音響の再生帯域が拡大され得る。
【0156】
複数の第2部分131a2のそれぞれは、複数の第1部分131a1の間に配置され得る。これにより、振動部131aまたは振動素子131は、第2部分131a2によって第1部分131a1の単位格子内のリンクによる振動エネルギーを増加させることができ、振動特性を増加させることができ、圧電特性と柔軟性を確保することができる。例えば、第2部分131a2は、エポキシ系ポリマー、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマーの中の1つ以上であり得、これらに限定されるものではない。
【0157】
本明細書の実施例に係る複数の第2部分131a2のそれぞれは、有機物質部からなり得る。例えば、有機物質部が無機物質部間に配置されることにより、無機物質部(または第1部分)に印加される衝撃を吸収することができ、無機物質部に集中するストレスを解放して、振動部131aまたは振動素子131の耐久性を向上させることができ、さらに振動部131aまたは振動素子131に柔軟性を提供することができる。
【0158】
本明細書の実施例に係る第2部分131a2は、第1部分131a1と比較して低い弾性率と粘弾性を有することができ、それによって第1部分131a1の脆性特性によって、衝撃に弱い第1部分131a1の信頼性を向上させることができる。例えば、第2部分131a2は、0.01~1の損失係数と0.1~10[Gpa]の弾性率を有する物質で構成することができる。
【0159】
第2部分131a2に構成される有機物質部は、第1部分131a1である無機物質部と比較して柔軟な特性を有する有機物質、有機ポリマー、有機圧電物質、又は有機非圧電物質を含むことができる。例えば、第2部分131a2は、柔軟性を有する接着部、伸縮部、曲げ部、ダンピング部、または軟性部などで表現することができ、これに限定されるものではない。
【0160】
本明細書の実施例に係る振動部131aは、複数の第1部分131a1と第2部分131a2が同一平面上に配置(または連結)されることによって、単一の薄いフィルム形態を有することができる。例えば、振動部131aの複数の第1部分131a1が、一側に連結した構造を有することができる。例えば、複数の第1部分131a1は、振動部131aの全体で連結した構造を有することができる。例えば、振動部131aは、振動特性を有する第1部分131a1によって、表示パネルまたは振動部材を基準に上下方向に振動することができ、柔軟性を有する第2部分131a2によって曲面形態に曲がることができる。なお、本明細書の実施例に係る振動部131aにおいて、第1部分131a1の大きさ及び第2部分131a2の大きさは、振動部131a又は振動素子131に求められる圧電特性および柔軟性によって設定することができる。一例として、柔軟性より圧電特性を求める振動部131aの場合、第1部分131a1の大きさを第2部分131a2の大きさより大きく構成することができる。他の例としては、圧電特性より柔軟性を求める振動部131aの場合、第2部分131a2の大きさを第1部分131a1の大きさより大きく構成することができる。したがって、振動部131aの大きさを求められる特性によって調整することができるので、振動部131aの設計が容易であるという利点がある。
【0161】
図8Aは、図1のA-A’線の他の断面図であり、図8Bは、B-B'線の他の断面図であり、図9は、図8Bの表示パネルおよび音響発生装置を拡大して示すものであり、図10は、本明細書の表示パネル及び表示パネル背面の音響発生装置の他の斜視図である。
【0162】
図8図10を参照すると、本明細書の実施例に係る装置は、振動部材100と振動装置200の間に配置された補助振動部材190をさらに含むことができる。
【0163】
補助振動部材190は、振動装置200の第1振動装置130-1と第2振動装置130-2のそれぞれと振動部材100の背面の間に配置され得る。
【0164】
補助振動部材190は、振動部材100から発生した熱を放熱させるか、振動部材100の背面に配置またはぶら下げる第1振動装置130-1と第2振動装置130-2それぞれの質量を増強することができる。補助振動部材190は、振動部材100の背面と同じ形態と同じ大きさを有するか、または振動装置200と同じ形態と同じ大きさを有することができる。他の例として、補助振動部材190は、振動部材100とは異なる大きさを有することができる。例えば、補助振動部材190は、振動部材100の大きさより小さくてもよい。他の例として、補助振動部材190は、振動装置200とは異なる大きさを有することができる。例えば、補助振動部材190は、振動装置200の大きさより大きくても小さくてもよい。振動装置200は、振動部材100の大きさと同じでも小さくてもよい。
【0165】
本明細書による補助振動部材190は、金属材質であり得る。例えば、補助振動部材190は、ステンレス鋼、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、マグネシウム(Mg)合金、マグネシウムリチウム(Mg-Li)合金、アルミニウム(Al)合金の中の1つ以上の材質からなり得、これに限定されるものではない。
【0166】
本明細書による補助振動部材190は、複数の開口部を含むことができる。複数の開口部は、一定の大きさと一定の間隔を有するように構成することができる。例えば、複数の開口部は、一定の大きさと一定の間隔を有するように、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って形成することができる。複数の開口部のそれぞれは、振動装置200の振動による音波(または音圧)が補助振動部材190によって分散されずに、振動部材100に集中するようにすることにより、補助振動部材190による振動の損失を最小限に抑えて、振動部材100の振動によって発生する音響の音圧特性を向上させることができる。例えば、複数の開口部を含む補助振動部材190は、メッシュ形状を有することができる。例えば、複数の開口部を含む補助振動部材190は、メッシュプレートであり得る。
【0167】
本明細書によれば、補助振動部材190は、振動部材100の背面に連結または結合することができる。補助振動部材190は、振動部材100で発生する熱を放熱させることができる。例えば、補助振動部材190は、放熱部材、放熱板、またはヒートシンクなどで表現することができ、用語に限定されるものではない。
【0168】
本明細書によれば、補助振動部材190は、振動部材100の背面に配置またはぶら下げる振動装置200の質量を増強することができる。これにより、補助振動部材190は、振動装置200の質量増加に伴う振動装置200の共振周波数を減少させることができる。したがって、補助振動部材190は、振動装置200の振動に連動して発生する低音域帯の音響特性および低音域帯の音圧特性を向上させ、音響特性の平坦度を向上させることができる。ここで、音響特性の平坦度は、最高音圧と最低音圧の間の偏差の大きさであり得る。例えば、補助振動部材190は、重量部材、質量部材、または音響平坦化部材などで表現することができ、用語に限定されるものではない。
【0169】
本明細書によれば、補助振動部材190が配置された振動部材100の変位量(または曲げ力)または振幅変位(または振動幅)は、補助振動部材190の剛性による補助振動部材190の厚さが増加するほど減少し得る。これにより、振動部材100の変位(または振動)によって発生する音響の低音域特性と音圧特性が低下し得る。
【0170】
図11Aは、本明細書の補助振動部材に振動装置を結合したことを示し、図11Bは、実験例に係る補助振動部材と振動装置が結合したことを示す。
【0171】
図11Aを参照すると、本明細書の実施例に係る装置は、補助振動部材190、振動装置200、および補助振動部材190と振動装置200の間の曲面支持部材170を含み、曲面支持部材170と補助振動部材190の間の第1連結部材150-1、および曲面支持部材170と振動装置200の間の第2連結部材150-2を含むことができる。ここで、曲面支持部材170の振動装置200に隣接する第1面は、第2方向またはY方向に所定の曲率(R)を有する曲面を有するように準備することができ、それにより曲面支持部材170の第1面上に配置される振動装置200は、支持部材170の第1面に対応する曲げまたは反りを有するように湾曲した状態で曲面支持部材170の第1面上に配置され得る。
【0172】
図11Aにおいて、曲面支持部材170は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含むように準備し、補助振動部材190は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含むように準備した。ここで、補助振動部材190の厚さは0.2mmとし、幅および長さは170×280mmで準備した。ただし、本明細書における補助振動部材190の大きさはこれに限定されるものではない。
【0173】
図11Bを参照すると、本明細書の実験例による装置は、補助振動部材19、振動装置20、および補助振動部材19と振動装置20の間の連結部材15を含むように構成した。図11Bにおいて、補助振動部材19は、図11Aと同じポリエチレンテレフタレート(PET)を含むように準備した。補助振動部材19の厚さは0.2mmとし、幅と長さは170×280mmで準備した。
【0174】
図12は、図11A及び図11Bの装置の音響出力特性を示す図である。
【0175】
音響出力特性は、音響分析装置によって測定することができる。音響分析装置は、B&Kオーディオ測定装置で測定したものである。音響分析装置は、制御用PC(Control PC)と音を送受信するサウンドカード、サウンドカードから発生した音を振動装置に増幅伝達するアンプ(amplifier)、および表示パネルから振動装置を通じて発生する音響を収集するマイクで構成することができる。例えば、マイクは、振動装置の中心に配置し、表示パネルとマイクの間の距離は50cmであり得る。振動装置にマイクを垂直にして音響を測定することができる。マイクで収集された音響は、サウンドカードを介して制御用PCに入力され、これを制御用プログラムで確認して振動装置の音響を分析する。例えば、パルスプログラムを用いて100Hz~20kHzの周波数範囲の周波数応答特性を測定することができる。
【0176】
図12において、横軸は、周波数(Frequency、hertz(Hz))であり、縦軸は、音圧(Sound Pressure Level;SPL、decibel(dB))を示す。図12の点線は、図11Aの装置の音響出力特性であり、実線は、図11Bの音響出力特性を示す。
【0177】
図12を参照すると、点線は、実線と比較して200Hz~4000Hz以下での音響出力特性が向上することが分かる。例えば、点線は、実線と比較して中低音域帯での音圧を向上させることができる。例えば、点線は実線と比較して100Hz~1000Hzで平均して約10dB以上向上することが分かり、最大400Hzで約14db向上することが分かる。例えば、1000HZ~4000Hzで平均して約4dB向上することが分かる。
【0178】
図13Aは、本明細書の実施例に係る振動部材の背面に振動装置を結合したことを示したもので、図13Bは、図13Aの構造に補助振動部材を追加したことを示すものであり、図13Cは、実験例による振動部材の背面に振動装置を結合したことを示したもんであり、図13Dは、図13Cの実験例の構造に補助振動部材を追加したことを示すものである。
【0179】
図13Aを参照すると、本明細書の実施例に係る装置は、振動部材100の背面に配置された曲面支持部材170、及び曲面支持部材170の背面に配置された振動装置200を含むことができる。曲面支持部材170と補助振動部材190の間の第1連結部材150-1、および曲面支持部材170と振動装置200の間の第2連結部材150-2を含むことができる。ここで、曲面支持部材170の振動装置200に隣接する第1面は、第2方向またはY方向に所定の曲率(R)を有する曲面を有するように準備することができ、これによって曲面支持部材170の第1面上に配置された振動装置200は、支持部材170の第1面に対応する曲げまたは反りを有するように湾曲した状態で、曲面支持部材170の第1面に配置され得る。図13Aにおいて、曲面支持部材170は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含んで具備した。
【0180】
図13Bを参照すると、本明細書の実施例に係る装置は、振動部材100の背面に配置された補助振動部材190、補助振動部材190の背面に配置された曲面支持部材170、および曲面支持部材170の背面に配置された振動装置200を含むことができる。曲面支持部材170と補助振動部材190の間の第1連結部材150-1、および曲面支持部材170と振動装置200の間の第2連結部材150-2を含むことができる。ここで、曲面支持部材170の振動装置200に隣接する第1面は、第2方向またはY方向に所定の曲率(R)を有する曲面を有するように準備することができ、これによって曲面支持部材170の第1面上に配置される振動装置200は、支持部材170の第1面に対応する曲げまたは反りを有するように湾曲した状態で曲面支持部材170の第1面上に配置され得る。図13Bでは、曲面支持部材170は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)を含むように準備され、補助振動部材190は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、およびアルミニウム(Al)の中の1つで準備した。補助振動部材190のポリエチレンテレフタレート(PET)で準備する場合、厚さは0.2mmで準備し、幅及び長さは150×150mmで準備し、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)で準備する場合は、厚さは0.5mmで準備し、幅及び長さは150×150mmで準備し、アルミニウムで準備する場合は、厚さは0.15mmで準備し、幅及び長さは170×250mmで準備した。ただし、本明細書における補助振動部材190の大きさは、本明細書の内容に限定されるものではない。
【0181】
図13Cを参照すると、本明細書の実験例による装置は、振動部材100、および振動部材100の背面に配置された振動装置20を含み、振動部材100と振動装置20間の連結部材15を含むように構成した。
【0182】
図13Dを参照すると、本明細書の実験例による装置は、振動部材100、振動部材100の背面上に配置された補助振動部材19、及び補助振動部材19の背面上に配置された振動装置20を含み、補助振動部材19と振動装置20の間に連結部材15を含むように構成した。図13Dにおいて、補助振動部材19は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アブロアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、およびアルミニウムの中の1つで準備した。
【0183】
図14は、図13Aおよび図13Cの装置の周波数による音圧を示すものである。
【0184】
音響出力特性の測定方法は、図12で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0185】
図14において、横軸は周波数(Frequency、hertz(Hz))であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、decibel(dB))を示す。図14の点線は、図13Aの装置の音響出力特性であり、実線は、図13Cの音響出力特性を示す。
【0186】
図14を参照すると、点線は実線と比較して200Hz~900Hz区間の音圧を向上させることができる。例えば、点線は、実線と比較して中低音域帯での音圧を向上させることができる。例えば、点線は、実線と比較して100Hz~20kHz全域にわたって音圧が高く測定されたことが分かる。例えば、100Hz~1000Hzで平均して約10dB以上向上することが分かり、400Hzで約14db向上することが分かる。例えば、1000HZ~4000Hzで平均して約4dB向上することが分かる。
【0187】
図14を参照すると、図13Aによって準備された本明細書の実施例に係る装置は、振動装置200に隣接する曲面で形成された第1面を含む曲面支持部材170、および曲面支持部材170の第1面に対応する曲げまたは反りを有する振動装置200を含むことにより、平坦な振動装置20の構造を含む実験例の装置と比較して、200Hz~900Hz区間で、最大20dBの音圧向上があることが観察できた。
【0188】
図15は、図13Bおよび図13Cの装置の周波数による音圧を示すものである。
【0189】
音響出力特性の測定方法は、図12で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0190】
図15において、横軸は周波数(Frequency、hertz(Hz))であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、decibel(dB))を示す。図15の点線は、図13Bの装置の音響出力特性であり、実線は、図13Cの音響出力特性を示す。
【0191】
図15図13Bの装置の補助振動部材190は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含むように準備した。
【0192】
図15を参照すると、点線は、実線と比較して約300Hz~600Hzおよび約6000Hz~10500Hzで音響出力特性が向上することが分かる。例えば、点線は実線と比較して、全体的な音響出力特性が平坦になる効果があることが分かる。例えば、点線は実線と比較して、低音域帯の音響出力特性が向上することが分かる。
【0193】
図16は、図13Bおよび図13Cの装置の周波数による音圧を示すものである。
【0194】
音響出力特性の測定方法は、図12で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0195】
図16において、横軸は周波数(Frequency、hertz(Hz))であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、decibel(dB))を示す。図16の点線は、図13Bの装置の音響出力特性を示し、一点鎖線は、図13Bの音響出力特性を示し、実線は、図13Cの装置の音響出力特性を示す。点線の補助振動部材190は、ABSを含むように準備し、一点鎖線の補助振動部材190は、PETを含むように準備した。
【0196】
図16を参照すると、点線及び一点鎖線は、実線と比較して約200~500Hzの音響出力特性が向上し、全体的に音響出力特性が平坦になる効果がある。例えば、点線および一点鎖線は、実線と比較して低音域帯の音響出力特性が向上することが分かる。点線は、一点鎖線と比較して約200~400Hzの範囲で音響出力特性が約2dB向上することが分かる。したがって、補助振動部材190の剛性または弾性係数が高い物質で準備する場合、低音域帯の音響出力特性が向上することが分かる。
【0197】
図17は、図13B図13Dの装置の周波数による音圧を示すものである。
【0198】
音響出力特性の測定方法は、図12で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0199】
図17において、横軸は周波数(Frequency、Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。図17の点線は、図13Bの装置の音響出力特性であり、実線は、図13Cの音響出力特性を示し、一点鎖線は、図13Dの音響出力特性を示す。点線の補助振動部材190および一点鎖線の補助振動部材19は、アルミニウムを含むように準備した。
【0200】
図17を参照すると、点線は、一点鎖線と比較して約200Hz~900Hzの範囲で音響出力特性が向上することが分かる。例えば、点線は一点鎖線と比較して低音域帯の音響出力特性が向上することが分かり、約400Hzで最大8dB向上することが分かる。例えば、点線および一点鎖線は、実線と比較して全体的な音響出力特性が平坦になる効果があることが分かる。
【0201】
本明細書の実施例に係る振動装置は、装置に配置された振動装置に適用することができる。本明細書の実施例に係る装置は、モバイルデバイス、ビデオ電話、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、ウェアラブル機器(wearable apparatus)、フォルダブル機器(foldable apparatus)、ローラブル機器(rollable apparatus)、ベンダブル機器(bendable apparatus)、フレキシブル機器(flexible apparatus)、カーブド機器(curved apparatus)、スライド機器(sliding apparatus)、電子手帳、電子書籍、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション(workstation)、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用機器、車両用表示装置、劇場用機器、劇場用表示装置、テレビ、ウオールペーパー機器、サイネージ機器、ゲーム機器、ノートパソコン、モニター、カメラ、ビデオカメラ、および家電機器などに適用することができる。そして、本明細書の実施例に係る振動装置は、有機発光照明装置または無機発光照明装置に適用することができる。振動装置が照明装置に適用する場合、照明およびスピーカーの役割をすることができる。そして、本明細書の実施例に係る振動装置をモバイル機器などに適用する場合、スピーカ、レシーバ、およびハプティックの中の1つ以上であり得、これに限定されるものではない。
【0202】
本明細書の実施例に係る装置は、以下のように説明することができる。
【0203】
本明細書の実施例に係る装置は、振動部材の背面にあり、振動部材を振動させる振動装置、および振動部材と振動装置の間の曲面支持部材を含み、曲面支持部材は、振動装置に隣接する第1面および第1面の反対側にある第2面とを含み、第1面は、曲面を含むことができる。
【0204】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第2面は、第1面とは異なる面を含むことができる。
【0205】
本明細書のいくつかの実施例によれば、曲面支持部材の第1面は、300R~4000Rの曲率を有することができる。
【0206】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1面および第2面の距離は、曲面支持部材の中央部で最大距離を有することができる。
【0207】
本明細書のいくつかの実施例によれば、最大距離は、0.45mm~6mmの距離を有することができる。
【0208】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1面と第2面との間の距離は、第1方向の中央から離れる方向に、最大距離から徐々に減少する距離を有することができる。
【0209】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1面と第2面との間の距離は、第1方向とは異なる第2方向に一定の距離を有することができる。
【0210】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動装置は、第1方向に連続した構造で形成された振動部を含むことができる。
【0211】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材および曲面支持部材の間に補助振動部材をさらに含むことができる。
【0212】
本明細書のいくつかの実施例によれば、補助振動部材は、振動部材から発生する熱を放熱させ、振動部材の質量を増強することができる。
【0213】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動装置は、曲面支持部材の第1面の曲率に対応する形状を有することができる。
【0214】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動装置の第1側面および第2側面は、振動部材の背面と平行であり得る。
【0215】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材および曲面支持部材の間に第1連結部材を含むことができる。
【0216】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動装置の第1側面及び第2側面は、第1連結部材に接触することができる。
【0217】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1連結部材は、中空部を含むことができる。
【0218】
本明細書のいくつかの実施例によれば、曲面支持部材よび振動装置の間に第2連結部材を含むことができる。
【0219】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動装置は、振動部、振動部の第1面にある第1電極部、および振動部の第1面とは異なる面にある第2電極部を含むことができる。
【0220】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動装置は、第1電極部にある第1カバー部材、および第2電極部にある第2カバー部材をさらに含むことができる。
【0221】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1カバー部材と第1電極部の間にある第1接着層、および第2カバー部材と第2電極部の間にある第2接着層をさらに含むことができる。 。
【0222】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部は、圧電特性を有する無機物質部を含むことができる。
【0223】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部は、圧電特性を有する複数の無機物質部、および複数の無機物質部の間にある有機物質部を含むことができる。
【0224】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材は第1領域および第2領域を含み、振動装置は、第1領域に配置された第1振動装置と第2領域に配置された第2振動装置とを含むことができる。
【0225】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動装置は少なくとも2つ以上の振動発生器を含み、少なくとも2つ以上の振動発生器は、互いに同じ方向に振動することができる。
【0226】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材は金属材質を含むか、または木材、ゴム、プラスチック、ガラス、繊維、布、紙、および皮革の中の1つ以上の単一非金属または複合非金属材質を含むことができる。
【0227】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、および無機発光照明パネルの中の1つ以上を含むことができる。
【0228】
本明細書のいくつかの実施例によれば、前記振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段のガラス窓、運送手段の外装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、繊維、布、紙、皮革、および鏡の一つ以上を含むことができる。
【0229】
以上、説明した本明細書は、上記実施例及び添付の図に限定されるものではなく、本明細書の技術的思想から逸脱しない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であることが、本明細書に属する技術分野で通常の知識を有する者には明らかであろう。したがって、本明細書の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、およびその等価概念から導出されるすべての変更または変形形態が、本明細書の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0230】
10:装置
100:振動部材
130、130-1、130-2、200:振動装置
150:連結部材
170:曲面支持部材
190:補助振動部材
300:支持部材
400:ミドルフレーム
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
図16
図17