(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-27
(45)【発行日】2024-06-04
(54)【発明の名称】折り畳み式空気フィルター及びこれを含む空気清浄機
(51)【国際特許分類】
B01D 46/52 20060101AFI20240528BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20240528BHJP
F24F 8/158 20210101ALI20240528BHJP
A61L 9/014 20060101ALI20240528BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
B01D46/52 A
F24F8/108 320
F24F8/158
A61L9/014
A61L9/16 F
(21)【出願番号】P 2022576529
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 KR2021007752
(87)【国際公開番号】W WO2021261860
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0075789
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ユンヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ムン, ソンイル
(72)【発明者】
【氏名】ベイ, ジュンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ナム, ユヨン
(72)【発明者】
【氏名】クォン, ソンドク
(72)【発明者】
【氏名】ペク, ジュヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク, チャンジョン
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-183771(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0085203(KR,A)
【文献】特開2006-026518(JP,A)
【文献】特開2020-069426(JP,A)
【文献】特開2000-153131(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0221805(US,A1)
【文献】特開2006-057900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
A61L 9/00-9/22
F24F 8/00-8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる複数のひだと、互いに対して回転可能に連結されている側面をそれぞれ具備する
4つ以上のろ過領域とを含むフィルター部材と、
前記
4つ以上のろ過領域を支持するための複数の支持部を具備するフレームと、
を含み、
前記支持部には、前記ろ過領域の上側エッジ及び下側エッジのいずれか一つに対応する形状の窪みが形成されており、
前記ろ過領域は、前記上側エッジ
および前記下側エッ
ジが前記窪みに挿入されて前記支持部によって支持さ
れ、
前記複数の支持部には、モールド用溝がさらに形成され、
前記窪みと前記モールド用溝とは、互いに反対面に形成されている、
折り畳み式空気フィルター。
【請求項2】
前記4つ以上のろ過領域のそれぞれが隣接するろ過領域に対して平角よりも小さい角度を成すように互いに対して回転されたとき、前記
4つ以上のろ過領域は、ループ状の経路に沿って配列される、
請求項1に記載の
折り畳み式空気フィルター。
【請求項3】
前記
4つ以上のろ過領域は、偶数個である、
請求項2に記載の
折り畳み式空気フィルター。
【請求項4】
前記
4つ以上のろ過領域は、互いに隣接する少なくとも2つのろ過領域が平行に配列されるように、互いに対して回転自在である、
請求項1に記載の
折り畳み式空気フィルター。
【請求項5】
前記
4つ以上のろ過領域は、一体に互いに連結されている、
請求項1に記載の
折り畳み式空気フィルター。
【請求項6】
互いに異なるろ過領域の側面に固定されて前記
4つ以上のろ過領域が連結される部分を補強するブラケットをさらに含む、
請求項1に記載の
折り畳み式空気フィルター。
【請求項7】
前記複数の支持部は、互いに対して回転可能に端部が互いに一体に連結されている、
請求項1に記載の
折り畳み式空気フィルター。
【請求項8】
前記複数の支持部は、モールド成形可能な弾性素材からなる、
請求項1に記載の
折り畳み式空気フィルター。
【請求項9】
前記モールド用溝は、前記上側エッジまたは前記下側エッジとずれる方向に延びる、
請求項
8に記載の
折り畳み式空気フィルター。
【請求項10】
外気をろ過するための複数のろ過モジュールをさらに含み、
複数の前記ろ過モジュールのそれぞれは、前記
4つ以上のろ過領域と並んで配置されて前記複数の支持部に支持される、
請求項1に記載の
折り畳み式空気フィルター。
【請求項11】
前記複数のろ過モジュールは、活性炭脱臭フィルターを含む、
請求項1
0に記載の
折り畳み式空気フィルター。
【請求項12】
請求項1乃至
11のいずれか一項に記載の
折り畳み式空気フィルターと、
外気が前記
折り畳み式空気フィルターを通過するように送風力を提供する送風機と、を含む、
空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気フィルター及びこれを含む空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、空気清浄機は、汚染された室内空気を吸い込んで空気に含有されたほこり、匂い粒子などをフィルターでろ過してきれいな空気に浄化させる装置である。このような空気清浄機は、周囲の汚染された空気を吸い込んで浄化させた後、浄化されたきれいな空気を空気清浄機の外へ排出することで室内空気を浄化させることができる。
【0003】
一方、空気清浄機は、空気清浄機の内部に流入した空気に含有されたほこり、匂い粒子などをフィルターリングするフィルターを含むことができる。このようなフィルターは、空気清浄機の種類によって、多様な形状を有することができる。例えば、フィルターは、円柱形状、直方体形状などで提供されることができる。
【0004】
しかし、前述した形状のフィルターは、運搬過程で相対的に大きい体積を占めるようになり、これによって、フィルターを運ぶのに多くの費用がかかる。また、近年は広い空間の空気を浄化させるために大面積のフィルターへの需要が増加しつつあり、運搬途中にフィルターが占める体積が次第に大きくなっている。そこで、フィルター運搬時の体積を低減させるためのフィルターが開発されている。
【0005】
本出願人の米国公開特許公報第2018/0221805号「Air Purifier」及びBlueair ABの米国公開特許公報第2018/0304184号の「Foldable Air Filter Unit」には、フィルター運搬時の体積を低減することができる折り畳み式フィルターが開示されている。ところが、従来の折り畳み式フィルターによれば、折り畳みのために複雑なヒンジ構造を要し、フィルターと支持部(フレーム)との結合のために複雑な構造を利用するか、別途の接着剤を利用することで折り畳み式フィルターの構造及び製造工程が複雑となるから、折り畳み式フィルターの製造コストの上昇を招くという問題があった。
【0006】
特に、折り畳み式フィルターは、繰り返して展開及び折り畳みが行われるものではなく、使用者に届くまで折り畳み状態を維持し、使用者が使う場合に展開状態を維持するものであるから、ほんの数回に過ぎない折り畳み動作のために、高価のヒンジ構造物を用いることは望ましくない。
【0007】
したがって、単純な構造を持つことで製造工程を単純化し、製造コストを節減できる折り畳み式フィルターが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国公開特許公報第2018/0221805号
【文献】米国公開特許公報第2018/0304184号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態は、上記のような背景に着目して発明されたもので、広いろ過面積を確保して大量の空気をろ過することができるとともに運搬時の体積を減らすことができる空気フィルターを提供しようとする。
【0010】
また、折り畳み可能なフィルターの構造を単純化しながらも、フィルターの耐久性を向上させることにより、長い間使用できる空気フィルターを提供しようとする。
【0011】
また、フィルターの構造を単純化させることで、フィルターを製造するのに所要となる時間及び費用を節減することができる空気フィルターを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、上下方向に延びる複数のひだと、互いに対して回転可能に連結されている側面をそれぞれ具備する複数のろ過領域とを含むフィルター部材と、前記複数のろ過領域を支持するための複数の支持部を具備するフレームと、を含み、前記支持部には、前記ろ過領域の上側エッジ及び下側エッジのいずれか一つに対応する形状の窪み(groove)が形成されており、前記ろ過領域は、前記上側エッジまたは前記下側エッジの少なくとも一部が前記窪みに挿入されて前記支持部によって支持される、空気フィルターが提供される。
【0013】
また、前記複数のろ過領域は、3つ以上設けられ、前記複数のろ過領域のそれぞれが隣接するろ過領域に対して平角よりも小さい角度を成すように互いに対して回転されたとき、前記複数のろ過領域は、ループ状の経路に沿って配列される、空気フィルターが提供される。
【0014】
また、前記複数のろ過領域は、偶数個である、空気フィルターが提供される。
【0015】
また、前記複数のろ過領域は、互いに隣接する少なくとも2つのろ過領域が平行に配列されるように、互いに対して回転自在である、空気フィルターが提供される。
【0016】
また、前記複数のろ過領域は、一体に互いに連結されている、空気フィルターを提供することができる。
【0017】
また、互いに異なるろ過領域の側面に固定されて前記複数のろ過領域が連結される部分を補強するブラケットをさらに含む、空気フィルターを提供することができる。
【0018】
また、前記複数の支持部は、互いに対して回転可能に端部が互いに一体に連結されている、空気フィルターを備えてもよい。
【0019】
また、前記複数の支持部は、モールド成形可能な弾性素材からなる、空気フィルターを提供することができる。
【0020】
また、前記複数の支持部には、モールド用溝がさらに形成され、前記窪みと前記モールド用溝とは、互いに反対面に形成されている、空気フィルターを提供することができる。
【0021】
また、前記モールド用溝は、前記上側エッジまたは前記下側エッジとずれる方向に延びる、空気フィルターを提供することができる。
【0022】
また、外気をろ過するための複数のろ過モジュールをさらに含み、
【0023】
複数の前記ろ過モジュールのそれぞれは、前記複数のろ過領域と並んで配置されて前記複数の支持部に支持される、空気フィルターを提供することができる。
【0024】
また、前記複数のろ過モジュールは、活性炭脱臭フィルターを含む、空気フィルターが提供される。
【0025】
また、空気フィルターと、外気が前記空気フィルターを通過するように送風力を提供する送風機と、を含む、空気清浄機を提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態によれば、広いろ過面積を確保して大量の空気をろ過し得るフィルターの運搬時の体積を減らすことができるという効果がある。
【0027】
また、フィルターの体積を減らすことでフィルターを運搬するのにかかる費用を節減することができるという効果がある。
【0028】
また、折り畳み可能なフィルターの構造を単純化しながらも、フィルターの耐久性を向上させることで、空気フィルターを長い間使用できるという効果がある。
【0029】
また、フィルターを製作する工程を単純化させることで、フィルターの製造に所要となる時間及び費用を節減するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態による空気清浄機を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示された空気フィルターの斜視図である。
【
図6】
図6は、
図3のフィルター部材及びフレームの斜視図である。
【
図7】
図7は、
図3の空気フィルターの折り畳み状態である時の斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2実施形態による空気フィルターの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の技術的思想を具現するための具体的な実施形態について図面を参照して詳しく説明する。
【0032】
なお、本発明を説明するにおいて、関連した公知の構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を濁らす恐れがあると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0033】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「支持」、「流入」されると言及されたときには、その他の構成要素に直接に連結、支持、流入されることもできるが、中間に他の構成要素が介在することもできると理解されなければならない。
【0034】
本明細書で使われた用語は、ただ特定の実施形態を説明するために使われたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに他の意味ではない限り複数の表現を含む。
【0035】
また、第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために使われることができるが、当該構成要素はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。
【0036】
明細書で使われる「含む」という意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素及び/または成分を具体化し、他の特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素、成分及び/または群の存在や付加を除外させるものではない。
【0037】
また、本明細書における上側、下側などの方向に対する表現は、図面に示されたものを基準として説明したものであって、当該対象の方向が変更されれば異なるように表現され得ることをあらかじめ明らかにしておく。一方、本明細書において、上下方向は
図3~
図6の上下方向を基準とすることができる。
【0038】
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態による空気清浄機1の具体的な構成について説明する。
【0039】
次に、
図1及び
図2を参照すると、本発明の第1実施形態による空気清浄機1は、空気清浄機1に流入した空気のほこり、匂い粒子などをろ過することで汚染された空気をきれいな空気に浄化させることができる。また、空気清浄機1は、空気清浄機の外部の空気を内部へ吸い込むことができ、内部で浄化されたきれいな空気を外部へ排出することができる。空気清浄機1は、ボディー部10、送風機20、及び空気フィルター30を含むことができる。
【0040】
ボディー部10は、送風機20及び空気フィルター30を支持することができ、送風機20及び空気フィルター30が収容される空間を提供することができる。このようなボディー部10は、送風機20と空気フィルター30を取り囲むケースを含むことができる。
【0041】
送風機20は、空気清浄機1の外部の汚染された空気が、空気清浄機1の内部へ流入するように駆動可能である。このような送風機20は、流入した空気が空気フィルター30を通過するように送風力を提供することができる。また、送風機20は、空気清浄機1の内部のきれいな空気を外部へ送出させるように駆動可能である。例えば、送風機20は、ボディー部10の下側に配置されてよく、空気フィルター30の内側に配置されてもよい。
【0042】
図3及び
図4を参照すると、空気フィルター30は、空気清浄機1の外部から流入した空気をきれいな空気にろ過させることができる。例えば、空気中のほこり、匂い粒子などをろ過させることができる。また、空気フィルター30は、選択的に折り畳み可能に設けられることができる。例えば、空気フィルター30は、配送中には空気フィルター30の体積が最小になるように折り畳まれることができ、配送後には、空気フィルター30の機能を遂行するために展開され得る。このような空気フィルター30は、フィルター部材100、ろ過モジュール200、フレーム300、及びブラケット400を含むことができる。
【0043】
フィルター部材100は、空気が通過するように構成され、フィルター部材100を通過する空気をきれいな空気にろ過させることができる。このようなフィルター部材100は、上下方向に延びて形成されることができ、フィルター部材100の上下側面は、フレーム300によって支持されることができる。また、フィルター部材100は、空気が通過する一面がろ過モジュール200の一面と並んで配置されることができる。例えば、フィルター部材100は、ろ過モジュール200を通過して1次にろ過された空気を2次にろ過させることができる。このようなフィルター部材100は、複数のろ過領域110を含むことができる。
【0044】
図5を参照すると、ろ過領域110は、空気をろ過させるために設けられることができる。このようなろ過領域110には、上下方向に延びる複数のひだが形成されることができる。例えば、ろ過領域110の複数のひだは、上下方向と垂直な方向に沿って縮まるように折曲されるか、上下方向と垂直な方向に沿って伸展されるように展開されることができる。また、ろ過領域110の上下側には、第1エッジ111及び第2エッジ112が形成されてもよく、複数のひだは、第1エッジ111と第2エッジ112との間で延びて形成されることができる。
【0045】
第1エッジ111は、ろ過領域110の上側縁部に形成することができる。このような第1エッジ111は、後述する窪み311に挿入され、後述する支持部310によって支持されることができる。
【0046】
第2エッジ112は、c110の下側縁部に形成することができる。このような第2エッジ112は、窪み311に挿入され、支持部310によって支持されることができる。
【0047】
尚、本明細書において、第1エッジ111は、ろ過領域110の上側に形成され、第2エッジ112は、ろ過領域110の下側に形成されたものと述べたが、これは例示に過ぎなく、第1エッジ111がろ過領域110の下側に形成されてもよく、第2エッジ112が上側に形成されてもよい。
【0048】
一方、ろ過領域110は、複数個設けられてもよい。例えば、ろ過領域110は、偶数個であることができる。後述では4つのろ過領域110が設けられるものと説明するが、これは例示に過ぎなく、任意の個数であってもよい。このような複数のろ過領域110は、一体に形成されることができ、互いに対して回転可能に側面が連結されることができる。言い換えれば、複数のろ過領域110のいずれか一つは、隣接したもう一つのろ過領域110に対して回転可能である。例えば、複数のろ過領域110のそれぞれは、上下方向に延びた仮想の軸を中心に回転する方式で隣接したろ過領域110に対して折られるように構成されることができる。
【0049】
図6を参照すると、複数のろ過領域110のそれぞれが隣接するろ過領域110に対して平角よりも小さい角度を成すように、互いに対して回転されたとき、複数のろ過領域110はループ状の経路に沿って配列されることができる。ここで、ループ状の経路は、一地点から始まって他の地点を経た後再び一地点に戻るという所定の経路と定義されることができる。より具体例として、複数のろ過領域110は、それぞれが隣接するろ過領域110に対して所定の角度(4つである場合、90゜の角度)を成すように互いに対して回転することができる。ここで、所定の角度は、上側から見て、複数のろ過領域110で取り囲まれた内側空間の面積が最大になる角度であることができる。この時、
図2に示されているように、上側から見て複数のろ過領域110は四角形のループを形成することができる。このように、複数のろ過領域110のそれぞれが隣接するろ過領域110に対して0゜よりも大きく180゜よりも小さい角度を成すときに、展開状態と定義する。
【0050】
図7を参照すると、複数のろ過領域110は、互いに隣接する少なくとも2つのろ過領域110が平行に配列されるように互いに対して回転することができる。より具体例として、複数のろ過領域110のいずれか一つのろ過領域110は、一側に連結された他のろ過領域110に対して回転することで他のろ過領域110に対して折り畳まれることができる。この場合、いずれか一つのろ過領域110と一側に連結された他のろ過領域110との間の角度は、0゜である。また、いずれか一つのろ過領域110は、他側に連結されたもう一つのろ過領域110に対して回転することで、もう一つのろ過領域110に対して展開されることができる。複数のろ過領域110のそれぞれが隣接するろ過領域110と成す角度が、0゜または180゜であるとき、折り畳み状態と定義する。この場合、いずれか一つのろ過領域110と他側に連結されたもう一つのろ過領域110との間の角度は、180゜である。
【0051】
このように、複数のろ過領域110は、折り畳み状態であるとき、互いに隣接する2つのろ過領域110が平行に配列されることで、隣接するろ過領域110が互いに密着することができる。また、複数のろ過領域110の間の空間が最小化されることでフィルター部材100の体積が最小化される効果がある。
【0052】
ろ過モジュール200は、外部から流入した空気をろ過するために設けられることができる。例えば、ろ過モジュール200は、活性炭脱臭フィルター(Carbon filter)を含むことができる。このようなろ過モジュール200は、複数個で設けられることができ、複数のろ過モジュール200は、複数の支持部310に支持されることができる。例えば、ろ過モジュール200の上下側面は、支持部310によって支持されることができる。また、複数のろ過モジュール200のそれぞれはモールド成形によって複数の支持部310に固定されることができる。
【0053】
また、ろ過モジュール200は、ろ過領域110と並んで配置されることができ、ろ過領域110の外側に配置されることができる。言い換えれば、ろ過モジュール200は、ろ過領域110少なくとも一部を取り囲むように配置されることができる。よって、ろ過モジュール200は、外部から流入した空気がろ過領域110でろ過される前に1次に空気をろ過させることができる。
フレーム300は、フィルター部材100及びろ過モジュール200を支持することができる。このようなフレーム300は、ろ過領域110及びろ過モジュール200を支持するための支持部310を含むことができる。
【0054】
支持部310は、上側及び下側でろ過領域110及びろ過モジュール200を支持することができる。このような支持部310は、モールド成形されることで、ろ過領域110及びろ過モジュール200を支持することができ、支持部310は、モールド成形可能な弾性素材で形成されることができる。例えば、支持部310は、ウレタン(Urethane)、ゴムなどのように弾性がある素材を含むことができる。
【0055】
また、支持部310は、複数個で設けられることができ、複数のろ過領域110及びろ過モジュール200を支持することができる。これらの複数の支持部310は、互いに一体に形成されることができ、互いに対して回転可能に端部が連結されることができる。つまり、複数の支持部310のいずれか一つは、隣接したもう一つの支持部310に対して折り畳み可能である。また、複数の支持部310は複数のろ過領域110の回転に対応して回転することができる。このような複数の支持部310のうちの一部は、上側で複数のろ過領域110及びろ過モジュール200を固定支持し、複数の支持部310のうちの他の一部は、下側で複数のろ過領域110及びろ過モジュール200を固定支持することができる。
【0056】
一方、支持部310には、窪み311及びモールド用溝312が形成されることができる。
【0057】
窪み311には、支持部310内のろ過領域110が挿入される。このような窪み311は、支持部310の表面から所定深さだけ引き込み形成されることができ、複数の支持部310のそれぞれに形成されることができる。例えば、窪み311は、支持部310及びろ過領域110がモールド成形されるとき、ろ過領域110が支持部310に挿入されて形成された部分であることができる。このように、窪み311の内側にろ過領域110の一部が挿入されて噛み合うことでろ過領域110は支持部310に安定に固定支持されることができる。また、複数の支持部310の中で上側に配置された一部には、第1エッジ111が挿入されることができ、複数の支持部310の中で下側に配置された一部には、第2エッジ112が挿入されることができる。このような窪み311は、第1エッジ111または第2エッジ112の形状に対応する形状を有することができる。本明細書における窪み311は、平面に凹んで形成された溝だけではなく、複数の突出部の間に形成された空間を含む概念であることができる。
【0058】
モールド用溝312は、ろ過領域110が支持部310を貫通することを防止するために複数の支持部310のそれぞれに形成されることができる。例えば、モールド用溝312は、支持部310及びろ過領域110がモールド成形されるとき、ろ過領域110が所定の深さ以上に支持部310を貫通することを防止するために、ストッパ用モールド(図示せず)が挿入された部分であることができる。ここで、ストッパ用モールドは、支持部310の両面の中でろ過領域110が挿入される面と反対側面から挿入されることができる。よって、ストッパモールドによって形成されたモールド用溝312は、窪み311と互いに反対面に形成されることができる。より具体例として、モールド用溝312の深さと窪み311の深さとの合計は、支持部310厚さと等しいかより小さいことができる。さらに、モールド用溝312は、第1エッジ111または第2エッジ112とずれる方向に延びることができる。例えば、モールド用溝312は、支持部310が延びる方向に沿って延在することができる。
【0059】
ブラケット400は、複数のろ過領域110の中で隣接したろ過領域110の間を補強するために設けられることができる。このようなブラケット400の両側端部は、複数のろ過領域110の中で互いに隣接した2つのろ過領域110にそれぞれ固定されることができる。例えば、ブラケット400は、接着層(図示せず)を介してろ過領域110に固定できる。また、ブラケット400は、複数個で設けられることができ、複数のブラケット400は、複数のろ過領域110の間の耐久性を向上させることができる。
【0060】
一方、ブラケット400は、ろ過領域110の回転に対応して折り畳み又は展開が行われるように構成され得る。例えば、ブラケット400は、ろ過領域110が展開状態にあるとき(つまり、空気フィルター30が空気清浄機1に装着されて第1状態に置かれたとき)、0゜よりも大きく180゜よりも小さい所定の角度を形成することができる。また、ブラケット400は、ろ過領域110が折り畳み状態にあるとき(つまり、空気フィルター30が保管または運搬されるために空気清浄機1から取り外された第2状態に置かれたとき)、複数のろ過領域110の中でいずれか一部の間に配置されたブラケット400は、180゜の角度を形成するように全く展開されることができ、複数のろ過領域110の中で他の一部の間に配置されたブラケット400は、0゜の角度を形成するように折り畳まれることができる。このようなブラケット400は、一例として、フォームのような多孔性物質、不織布、合成繊維、及び天然繊維の中で少なくとも一つ以上を含むフレキシブル(flexible)素材であることができる。このように、ブラケット400は折り畳みまたは展開が行われるように構成されることで、隣接したろ過領域110の間を補強することができる。
【0061】
以下では、前述のような構成を有する空気清浄機1の効果について説明する。
【0062】
空気フィルター30は、複数のろ過領域110が互いに対して回転可能に構成されることで展開状態または折り畳み状態に容易に互いに切り替えられる。
【0063】
また、空気フィルター30が折り畳み状態であるとき、隣接したろ過領域110が互いに当接するように配列されることで、複数のろ過領域110の間の空間が最小化される効果がある。このような空気フィルター30は、折り畳み状態であるときに体積が最小化されることができ、これにより、運搬に必要な費用が節減される効果がある。また、空気フィルター30は運搬後に展開状態に切り替えられてフィルターの機能を遂行することができる。
【0064】
一方、ブラケット400は、ろ過領域110が他のろ過領域110と連結される部分に取り付けられることができ、このような連結部分を補強することで耐久性を向上させることができるという効果がある。
【0065】
また、支持部310は、モールド成形によってろ過領域110及びろ過モジュール200をより安定に固定支持することができる。このような支持部310は、ろ過領域110の回転に対応して回転することで、ろ過領域110の耐久性を向上させることができるという効果がある。また、モールド成形によってろ過領域110と支持部310との間の構造及び工程を単純化させることで、工程に所要となる時間及び費用を節減することができる効果がある。
【0066】
なお、このような構成の以外にも、本発明の第2実施形態によれば、ろ過領域110及び支持部310は6つであることができる。以下、
図8をさらに参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態を説明するにおいて、上述した実施形態と比べたときの相違点を中心に説明し、同一の説明及び符号は上述した実施形態を援用する。
【0067】
ろ過領域110及び支持部310は、6つであることができる。このような複数のろ過領域110は展開状態であるとき、隣接するろ過領域110に対して120゜の角度を成すように互いに対して回転できる。また、上側から見て複数のろ過領域110は、六角形のループを形成することができる。複数の支持部310のそれぞれは複数のろ過領域110の回転に対応して回転することができる。
【0068】
このようなろ過領域110は、より多様な方向から流入される空気をろ過することができ、このため、ろ過効率を向上させることができる効果がある。
【0069】
以上、本発明の実施形態を具体的な実施形態として説明したが、これは例示に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、本明細書に開示された技術的思想に従う最も広い範囲を有するものと解釈されなければならない。当業者は開示の実施形態を組み合わせ・置換して摘示されない形状のパターンを実施することができるが、これも本発明の範囲を外れないものである。このほかにも当業者は本明細書に基づいて開示の実施形態を容易に変更または変形することができ、これらの変更または変形も本発明の権利範囲に属することは明白である。