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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】情報コード読取システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/14 20060101AFI20240529BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20240529BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240529BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
G06K7/14 091
G06K19/06 112
G06K19/06 037
G06K7/10 464
G06K7/14 017
G06K7/10 372
G06K17/00 022
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020139384
(22)【出願日】2020-08-20
(65)【公開番号】P2021039752
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2019159733
(32)【優先日】2019-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智仁
(72)【発明者】
【氏名】伊東 裕一
(72)【発明者】
【氏名】鏡味 良平
(72)【発明者】
【氏名】鴻巣 光司
【審査官】土谷 慎吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062260(JP,A)
【文献】特開2018-028807(JP,A)
【文献】特開2004-326241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/14
G06K 19/06
G06K 7/10
G06K 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コード表示装置及び情報コード読取装置と、これら情報コード表示装置及び情報コード読取装置と通信可能なサーバと、を備える情報コード読取システムであって、
前記情報コード表示装置は、
前記サーバに対する第1の要求に応じて当該サーバから第1の規則を受信する表示側通信部と、
前記表示側通信部により前記第1の規則が受信されると、所定の情報が記録される情報コードの画像から当該情報コードのコード領域を構成する一部のセルが前記第1の規則に対応するように除かれた複数種類の一部コード画像を準備する一部コード画像準備部と、
前記一部コード画像準備部にて準備された複数の前記一部コード画像を、前記第1の規則に基づいて表示画面にサイクリックに表示する表示部と、
を備え、
前記情報コード読取装置は、
前記サーバに対する第2の要求に応じて当該サーバから第2の規則を受信する読取側通信部と、
前記読取側通信部により前記第2の規則が受信されると、当該第2の規則に対応する撮像間隔にて前記表示画面を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された複数の撮像画像から前記第2の規則に基づいて1つの情報コードを合成する合成部と、
前記合成部により合成された情報コードを解読する解読部と、
を備え、
前記サーバは、
要求を受信した時刻に応じて前記一部コード画像の表示に関する規則を設定する設定部と、
前記情報コード表示装置から前記第1の要求を受信すると、当該第1の要求を受信した時刻に応じて前記設定部により設定された規則を前記第1の規則として前記情報コード表示装置に送信し、前記情報コード読取装置から前記第2の要求を受信すると、当該第2の要求を受信した時刻に応じて前記設定部により設定された規則を前記第2の規則として前記情報コード読取装置に送信するサーバ側通信部と、
を備えることを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項2】
情報コード表示装置及び情報コード読取装置と、これら情報コード表示装置及び情報コード読取装置と通信可能なサーバと、を備える情報コード読取システムであって、
前記情報コード表示装置は、
前記サーバに対する第1の要求に応じて当該サーバから第1の規則を受信する表示側通信部と、
複数の情報コードが記憶される記憶部と、
前記表示側通信部により受信された前記第1の規則に基づいて前記複数の情報コードを表示画面にサイクリックに表示する表示部と、
を備え、
前記情報コード読取装置は、
前記サーバに対する第2の要求に応じて当該サーバから第2の規則を受信する読取側通信部と、
前記読取側通信部により前記第2の規則が受信されると、当該第2の規則に対応する撮像間隔にて前記表示画面を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された複数の連続する撮像画像に対して情報コードを解読する解読処理を行う解読部と、
前記解読部により前記連続する撮像画像からそれぞれ解読される解読結果が前記第2の規則から想定される結果と異なる場合に所定の報知を行う報知部と、
を備え、
前記サーバは、
要求を受信した時刻に応じて情報コードの表示に関する規則を設定する設定部と、
前記情報コード表示装置から前記第1の要求を受信すると、当該第1の要求を受信した時刻に応じて前記設定部により設定された規則を前記第1の規則として前記情報コード表示装置に送信し、前記情報コード表示装置から前記第2の要求を受信すると、当該第2の要求を受信した時刻に応じて前記設定部により設定された規則を前記第2の規則として前記情報コード表示装置に送信するサーバ側通信部と、
を備えることを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項3】
前記第1の規則には有効期限に関する情報が含まれており、
前記表示側通信部は、前記第1の規則を受信してから当該第1の規則に含まれる有効期限が経過すると、新たに前記第1の要求を前記サーバに対して行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報コード読取システム。
【請求項4】
前記情報コード表示装置は、
前記第1の規則を受信した際に、当該第1の規則に従う表示条件が前記表示部に対応可能な表示条件であるかについて判定する判定部と、
前記判定部により対応可能な表示条件でないと判定されると、前記表示部にて対応可能な表示条件に関する情報と前記情報コード表示装置を特定可能な特定情報とを記録した情報コードとして表示条件コードを生成する生成部と、を備え、
前記表示部は、前記生成部により前記表示条件コードが生成されると、当該表示条件コードを前記表示画面に表示し、
前記情報コード読取装置では、
前記読取側通信部は、前記解読部により前記表示条件コードが解読されると、当該表示条件コードの解読結果を含めるように前記第2の要求を行い、
前記サーバでは、
前記設定部は、前記情報コード読取装置から前記表示条件コードの解読結果を含めた前記第2の要求を受信すると、前記解読結果に応じて表示条件を変更するように前記第1の規則及び前記第2の規則を設定し、
前記サーバ側通信部は、前記設定部により設定された前記第1の規則と前記第2の規則とを前記情報コード表示装置と前記情報コード読取装置とにそれぞれ送信することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項5】
情報コード表示装置及び情報コード読取装置を備える情報コード読取システムであって、
前記情報コード表示装置は、
コード領域内に配置されるセルを利用して所定の情報が記録される情報コードを元に、所定の規則に基づいて、特定パターンを除く一部のセルが置換されて生成される合成用コード画像を、置換対象となる置換セル領域の位置を変えることで複数種類準備するコード画像準備部と、
前記コード画像準備部にて準備された複数種類の前記合成用コード画像を表示画面にサイクリックに表示する表示部と、
を備え、
前記情報コード読取装置は、
所定の撮像間隔にて前記表示画面を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された複数の撮像画像から前記所定の規則に基づいて1つの情報コードを合成する合成部と、
前記合成部により合成された情報コードを解読する解読部と、
を備えることを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項6】
前記置換セル領域のセルは、前記コード領域に対応する所定のセルパターンの一部を構成することを特徴とする請求項5に記載の情報コード読取システム。
【請求項7】
情報コード表示装置及び情報コード読取装置を備える情報コード読取システムであって、
前記情報コード表示装置は、
コード領域内に配置されるセルを利用して所定の情報が記録される情報コードを元に、所定の規則に基づいて、一部のセルが置換されて生成される合成用コード画像を、置換対象となる置換セル領域の位置を変えることで複数種類準備するコード画像準備部と、
前記コード画像準備部にて準備された複数種類の前記合成用コード画像を表示画面にサイクリックに表示する表示部と、
を備え、
前記情報コード読取装置は、
所定の撮像間隔にて前記表示画面を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された複数の撮像画像から前記所定の規則に基づいて1つの情報コードを合成する合成部と、
前記合成部により合成された情報コードを解読する解読部と、
を備え
前記コード領域の一部が所定数のセルからなるデータブロックを複数配置して構成され、
前記置換セル領域は、前記データブロック単位で設定され、
前記所定の規則は、同じ位置となる前記データブロックに関して、複数種類の前記合成用コード画像の1つが前記コード領域のセル配置と同じになり、残りが前記置換セル領域となるように設定されることを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項8】
前記表示部は、前記コード画像準備部にて準備された複数種類の前記合成用コード画像に加えて、前記データブロックごとに前記コード領域のセル配置と同じであるか否かについて判定するための判定用情報を記録した判定用コードの画像を、前記表示画面にサイクリックに表示することを特徴とする請求項7に記載の情報コード読取システム。
【請求項9】
前記情報コード読取装置は、
前記所定の規則に関する情報が予め記憶される記憶部を備えることを特徴とする請求項5~8のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項10】
複数種類の前記合成用コード画像には、前記所定の規則に関する情報がそれぞれ個別に含まれることを特徴とする請求項5~8のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【請求項11】
情報コード表示装置及び情報コード読取装置を備える情報コード読取システムであって、
前記情報コード表示装置は、
コード領域内に配置されるセルを利用して所定の情報が記録される情報コードを元に、所定の規則に基づいて、一部のセルが置換されて生成される合成用コード画像を、置換対象となる置換セル領域の位置を変えることで複数種類準備するコード画像準備部と、
前記コード画像準備部にて準備された複数種類の前記合成用コード画像を表示画面にサイクリックに表示する表示部と、
を備え、
前記情報コード読取装置は、
所定の撮像間隔にて前記表示画面を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された複数の撮像画像から前記所定の規則に基づいて1つの情報コードを合成する合成部と、
前記合成部により合成された情報コードを解読する解読部と、
を備え
前記コード画像準備部は、第1の情報が記録される第1の情報コードの画像から当該第1の情報コードのコード領域を構成する一部のセルが前記所定の規則に対応するようにそれぞれ個別に置換された複数種類の第1の合成用コード画像を準備するとともに、第2の情報が記録される第2の情報コードの画像から当該第2の情報コードのコード領域を構成する一部のセルが前記所定の規則に対応するようにそれぞれ個別に置換された複数種類の第2の合成用コード画像を準備し、
前記表示部の前記表示画面には、前記コード画像準備部にて準備された複数種類の前記第1の合成用コード画像と複数種類の前記第2の合成用コード画像とがサイクリックに表示され、
前記合成部は、前記撮像部により撮像された複数の撮像画像から前記所定の規則に基づいて前記第1の情報コードと前記第2の情報コードとをそれぞれ合成することを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項12】
情報コード表示装置及び情報コード読取装置を備える情報コード読取システムであって、
前記情報コード表示装置は、
コード領域内に配置されるセルを利用して所定の情報が記録される情報コードを元に、所定の規則に基づいて、一部のセルが置換されて生成される合成用コード画像を、置換対象となる置換セル領域の位置を変えることで複数種類準備するコード画像準備部と、
前記コード画像準備部にて準備された複数種類の前記合成用コード画像を表示画面にサイクリックに表示する表示部と、
を備え、
前記情報コード読取装置は、
所定の撮像間隔にて前記表示画面を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された複数の撮像画像から前記所定の規則に基づいて1つの情報コードを合成する合成部と、
前記合成部により合成された情報コードを解読する解読部と、
を備え
前記コード画像準備部は、前記コード領域のうちセルの置換対象となる所定の合成用領域において、同じ位置となるセルに関して、複数種類の前記合成用コード画像のそれぞれのセルの明暗及び前記所定の規則から求められる明暗と、前記情報コードのセルの明暗とが一致するように、複数種類の前記合成用コード画像をそれぞれ生成して準備することを特徴とする情報コード読取システム。
【請求項13】
前記所定の合成用領域は、複数設定され、
前記所定の規則は、前記所定の合成用領域ごとに異なることを特徴とする請求項12に記載の情報コード読取システム。
【請求項14】
前記表示部は、前記コード画像準備部にて準備された複数種類の前記合成用コード画像に加えて、前記所定の規則に関する情報を記録した他の情報コードの画像を、前記表示画面にサイクリックに表示することを特徴とする請求項5~13のいずれか一項に記載の情報コード読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コード表示装置に画面表示される情報を利用して情報コード読取装置にて情報コードを読み取る情報コード読取システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが様々な用途で使用されており、その使用目的も多様化しつつある。例えば、画面表示された情報コードをカメラ付きの携帯端末にて撮像して光学的に読み取ることで、その情報コードに応じた所定の情報を容易に取得する事ができる。さらに、暗号化等された情報コードをユーザに配信し、ユーザが配信された情報コードを画面表示して提示することで、店舗等の提示先では、その情報コードに応じたサービスの提供や本人認証、バリュー提示を行うシステムを構築することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-079781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のように情報コードを表示した画面が不正に撮影されると、その情報コードが容易に複製されてしまい、セキュリティ面や運用安全面で問題がある。例えば、金銭的情報が付与されたQRコードが撮像されて複製されると、その金銭的情報が不正に使用されるおそれがある。また、例えば、認証用のQRコードが撮像されて複製されると、その認証情報が不正に使用されるおそれがある。
【0005】
この問題を解決するため、例えば、特許文献1に開示される分割表示方法のように、2次元コードを複数の分割2次元コードに分割して表示することで、表示された1つの分割2次元コードを撮像しただけでは2次元コードの情報を取得できなくすることができる。しかしながら、単に1つの情報コードを複数の分割コードに分割しただけでは、分割した全ての分割コードをそれぞれ撮像して合成するだけで元の情報コードを復元できてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、画面表示される情報コードの不正使用を防止し得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
情報コード表示装置(20)及び情報コード読取装置(30)と、これら情報コード表示装置及び情報コード読取装置と通信可能なサーバ(40)と、を備える情報コード読取システム(10)であって、
前記情報コード表示装置は、
前記サーバに対する第1の要求に応じて当該サーバから第1の規則を受信する表示側通信部(26)と、
前記表示側通信部により前記第1の規則が受信されると、所定の情報が記録される情報コードの画像から当該情報コードのコード領域を構成する一部のセルが前記第1の規則に対応するように除かれた複数種類の一部コード画像を準備する一部コード画像準備部(21,22)と、
前記一部コード画像準備部にて準備された複数の前記一部コード画像を、前記第1の規則に基づいて表示画面にサイクリックに表示する表示部(24)と、
を備え、
前記情報コード読取装置は、
前記サーバに対する第2の要求に応じて当該サーバから第2の規則を受信する読取側通信部(36)と、
前記読取側通信部により前記第2の規則が受信されると、当該第2の規則に対応する撮像間隔にて前記表示画面を撮像する撮像部(33)と、
前記撮像部により撮像された複数の撮像画像から前記第2の規則に基づいて1つの情報コードを合成する合成部(31)と、
前記合成部により合成された情報コードを解読する解読部(31)と、
を備え、
前記サーバは、
要求を受信した時刻に応じて前記一部コード画像の表示に関する規則を設定する設定部(41)と、
前記情報コード表示装置から前記第1の要求を受信すると、当該第1の要求を受信した時刻に応じて前記設定部により設定された規則を前記第1の規則として前記情報コード表示装置に送信し、前記情報コード読取装置から前記第2の要求を受信すると、当該第2の要求を受信した時刻に応じて前記設定部により設定された規則を前記第2の規則として前記情報コード読取装置に送信するサーバ側通信部(43)と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、
情報コード表示装置(20)及び情報コード読取装置(30)と、これら情報コード表示装置及び情報コード読取装置と通信可能なサーバ(40)と、を備える情報コード読取システム(10)であって、
前記情報コード表示装置は、
前記サーバに対する第1の要求に応じて当該サーバから第1の規則を受信する表示側通信部(26)と、
複数の情報コードが記憶される記憶部(22)と、
前記表示側通信部により受信された前記第1の規則に基づいて前記複数の情報コードを表示画面にサイクリックに表示する表示部(24)と、
を備え、
前記情報コード読取装置は、
前記サーバに対する第2の要求に応じて当該サーバから第2の規則を受信する読取側通信部(36)と、
前記読取側通信部により前記第2の規則が受信されると、当該第2の規則に対応する撮像間隔にて前記表示画面を撮像する撮像部(33)と、
前記撮像部により撮像された複数の連続する撮像画像に対して情報コードを解読する解読処理を行う解読部(31)と、
前記解読部により前記連続する撮像画像からそれぞれ解読される解読結果が前記第2の規則から想定される結果と異なる場合に所定の報知を行う報知部(34)と、
を備え、
前記サーバは、
要求を受信した時刻に応じて情報コードの表示に関する規則を設定する設定部(41)と、
前記情報コード表示装置から前記第1の要求を受信すると、当該第1の要求を受信した時刻に応じて前記設定部により設定された規則を前記第1の規則として前記情報コード表示装置に送信し、前記情報コード表示装置から前記第2の要求を受信すると、当該第2の要求を受信した時刻に応じて前記設定部により設定された規則を前記第2の規則として前記情報コード表示装置に送信するサーバ側通信部(43)と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、
情報コード表示装置(20a)及び情報コード読取装置(30a)を備える情報コード読取システム(10a)であって、
前記情報コード表示装置は、
コード領域内に配置されるセルを利用して所定の情報が記録される情報コード(Ca,Cb)を元に、所定の規則に基づいて、特定パターンを除く一部のセルが置換されて生成される合成用コード画像(P41~P43,P51~P53,P61~P63)を、置換対象となる置換セル領域の位置を変えることで複数種類準備するコード画像準備部(21,22)と、
前記コード画像準備部にて準備された複数種類の前記合成用コード画像を表示画面にサイクリックに表示する表示部(24)と、
を備え、
前記情報コード読取装置は、
所定の撮像間隔にて前記表示画面を撮像する撮像部(33)と、
前記撮像部により撮像された複数の撮像画像から前記所定の規則に基づいて1つの情報コードを合成する合成部(31)と、
前記合成部により合成された情報コードを解読する解読部(31)と、
を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、情報コード表示装置において、サーバに対する第1の要求に応じて当該サーバから第1の規則が受信されると、所定の情報が記録される情報コードの画像から当該情報コードのコード領域を構成する一部のセルが上記第1の規則に対応するように除かれた複数種類の一部コード画像が準備されて、このように準備された複数の一部コード画像が上記第1の規則に基づいて表示部の表示画面にサイクリックに表示される。そして、情報コード読取装置では、サーバに対する第2の要求に応じて当該サーバから第2の規則が受信されると、当該第2の規則に対応する撮像間隔にて表示画面が撮像されて、このように撮像した複数の撮像画像から上記第2の規則に基づいて合成された1つの情報コードが解読される。そして、サーバでは、要求を受信した時刻に応じて一部コード画像の表示に関する規則が設定されるようになっており、情報コード表示装置から上記第1の要求が受信されると、当該第1の要求を受信した時刻に応じて設定された規則が上記第1の規則として情報コード表示装置に送信され、情報コード読取装置から上記第2の要求が受信されると、当該第2の要求を受信した時刻に応じて設定された規則が上記第2の規則として情報コード読取装置に送信される。
【0011】
これにより、情報コード読取装置にて第2の要求に応じてサーバから受信した第2の規則に対応する撮像間隔にて情報コード表示装置の表示画面を撮像する場合、情報コード表示装置では、サーバから受信した第1の規則に対応するように準備された一部コード画像がその第1の規則に基づいて表示画面にサイクリックに表示されている。このため、第1の要求の要求タイミングが第2の要求の要求タイミングに近い場合には、互いに対応する規則となるように第1の規則と第2の規則とが設定されるため、情報コード読取装置では、情報コード表示装置にてサイクリックに表示される一部コード画像を漏らすことなく順次撮像することができる。そして、情報コード読取装置では、第2の規則に基づいて、各一部コード画像がどのように撮像されているか容易に把握できるため、各一部コード画像から1つの情報コードを解読可能に合成することができる。すなわち、情報コード読取装置では、情報コード表示装置にて一部コード画像がサイクリックに表示される表示画面を撮像することで、1つの情報コードを読み取ることができる。一方、情報コード表示装置の表示画面を単に撮影しても、1つの一部コード画像が撮像されるだけで、所定の情報が記録される情報コードが撮像されることもないので、情報コードの複製を防止することができる。また、情報コード表示装置の表示画面を単に複数回撮影しても、その撮影タイミングで受信した第2の規則を利用しなければ、全ての一部コード画像が撮像されないため、1つの情報コードを解読可能に合成することができない。したがって、画面表示される情報コードの不正使用(複製)を防止することができる。
【0012】
請求項2の発明では、情報コード表示装置において、サーバに対する第1の要求に応じて当該サーバから第1の規則が受信されると、この第1の規則に基づいて記憶部に記憶される複数の情報コードが表示部の表示画面にサイクリックに表示される。そして、情報コード読取装置では、サーバに対する第2の要求に応じて当該サーバから第2の規則が受信されると、当該第2の規則に対応する撮像間隔にて表示画面が撮像され、このように撮像された複数の連続する撮像画像に対して情報コードを解読する解読処理がなされて、これらの解読結果が第2の規則から想定される結果と異なる場合に所定の報知が行われる。そして、サーバでは、要求を受信した時刻に応じて情報コードの表示に関する規則が設定されるようになっており、情報コード表示装置から上記第1の要求が受信されると、当該第1の要求を受信した時刻に応じて設定された規則が上記第1の規則として情報コード表示装置に送信され、情報コード読取装置から上記第2の要求が受信されると、当該第2の要求を受信した時刻に応じて設定された規則が上記第2の規則として情報コード読取装置に送信される。
【0013】
これにより、情報コード読取装置にて第2の要求に応じてサーバから受信した第2の規則に対応する撮像間隔にて情報コード表示装置の表示画面を撮像する場合、情報コード表示装置では、サーバから受信した第1の規則に対応するように複数の情報コードが表示画面にサイクリックに表示されている。このため、第1の要求の要求タイミングが第2の要求の要求タイミングに近い場合には、互いに対応する規則となるように第1の規則と第2の規則とが設定されるため、情報コード読取装置では、情報コード表示装置にてサイクリックに表示される全ての情報コードを漏らすことなく順次撮像することができる。その一方で、情報コード読取装置では、順に解読された解読結果が第2の規則から想定される結果と異なる場合、例えば、第2の規則から3種類の情報コードがサイクリックに表示されているために3種類の解読結果が得られることが想定される状況で3つとも同じ解読結果が得られる場合などでは、情報コード表示装置の表示画面と異なる他の情報コード等を撮像しているとして、所定の報知を行うことができる。すなわち、情報コード表示装置の表示画面と異なる他の情報コード等を撮像している場合に上記所定の報知を行うことができ、画面表示される情報コードの不正使用を防止することができる。
【0014】
請求項3の発明では、第1の規則には有効期限に関する情報が含まれており、表示側通信部は、第1の規則を受信してから当該第1の規則に含まれる有効期限が経過すると、新たに第1の要求をサーバに対して行う。これにより、情報コード表示装置では、第1の規則に含める有効期限に応じて第1の規則自体を適切なタイミングで更新することができる。
【0015】
請求項4の発明では、情報コード表示装置において、第1の規則を受信した際に、当該第1の規則に従う表示条件が表示部に対応可能な表示条件でないと判定されると、表示部にて対応可能な表示条件に関する情報と情報コード表示装置を特定可能な特定情報とを記録した表示条件コードが生成されて、表示画面に表示される。そして、情報コード読取装置では、上記表示条件コードが解読されると、当該表示条件コードの解読結果を含めた第2の要求がなされる。そして、サーバでは、情報コード読取装置から表示条件コードの解読結果を含めた第2の要求が受信されると、その解読結果に応じて表示条件を変更するように第1の規則及び第2の規則が設定されて、情報コード表示装置と情報コード読取装置とにそれぞれ送信される。
【0016】
これにより、情報コード表示装置では、受信した第1の規則に従う表示条件が対応不能な条件であれば、表示条件コードが表示される状態が維持され、この表示条件コードを情報コード読取装置にて撮像して解読することで、情報コード表示装置にて対応可能な表示条件に第1の規則及び第2の規則が変更される。このため、受信した第1の規則により情報コード表示装置の表示性能に見合わない表示条件がサーバから指示された場合でも、その表示条件を適切に変更できるだけでなく、情報コード読取装置にもその変更した表示条件に応じた第2の規則を受信させることができる。
【0017】
請求項5の発明では、情報コード表示装置において、コード領域内に配置されるセルを利用して所定の情報が記録される情報コードを元に、所定の規則に基づいて、特定パターンを除く一部のセルが置換されて生成される合成用コード画像が、置換対象となる置換セル領域の位置を変えることでコード画像準備部により複数種類準備されて、このように準備された複数種類の合成用コード画像が表示部の表示画面にサイクリックに表示される。そして、情報コード読取装置では、所定の撮像間隔にて表示画面が撮像されて、このように撮像した複数の撮像画像から上記所定の規則に基づいて合成部により合成された1つの情報コードが解読部により解読される。
【0018】
これにより、情報コード読取装置では、上記所定の規則に基づいて、各合成用コード画像のそれぞれの置換対象でないセルから1つの情報コードを解読可能に合成することができる。すなわち、情報コード読取装置では、情報コード表示装置にて合成用コード画像がサイクリックに表示される表示画面を撮像することで、1つの情報コードを読み取ることができる。一方、情報コード表示装置の表示画面を単に撮影しても、1つの合成用コード画像が撮像されるだけで、所定の情報が記録される情報コードが撮像されることもないので、情報コードの複製を防止することができる。また、仮に、情報コード表示装置の表示画面を複数回撮影することで全ての合成用コード画像が撮像されたとしても、上記所定の規則を利用しなければ所定の情報が記録される情報コードを解読可能に合成することができない。したがって、画面表示される情報コードの不正使用(複製)を防止することができる。
【0019】
請求項6の発明では、置換セル領域のセルは、コード領域に対応する所定のセルパターンの一部を構成する。これにより、例えば、白セルのみからなる置換セル領域等のために各合成用コード画像の外形が不鮮明になることを防止することができる。
【0020】
請求項7の発明では、コード領域の一部が所定数のセルからなるデータブロックを複数配置して構成され、上記置換セル領域は、データブロック単位で設定される。そして、上記所定の規則は、同じ位置となるデータブロックに関して、複数種類の合成用コード画像の1つがコード領域のセル配置と同じになり、残りが置換セル領域となるように設定される。このように、各合成用コード画像におけるそれぞれの置換セル領域がデータブロック単位で設定されることで、合成に不要となる置換セル領域と合成に必要なセル領域とを区分けしやすくなるので、合成部による合成処理時の処理負荷を軽減することができる。
【0021】
請求項8の発明では、コード画像準備部にて準備された複数種類の合成用コード画像に加えて、データブロックごとにコード領域のセル配置と同じであるか否かについて判定するための判定用情報を記録した判定用コードの画像が、表示部の表示画面にサイクリックに表示される。これにより、撮像された判定用コードから読み取った判定用情報を利用することで、合成された情報コードに関してデータブロックごとに正しく合成されているか判定することができる。このため、例えば、同じでないと判定されたデータブロックを誤り訂正に利用しないことで誤り訂正能力が強化されるので、読み取りやすさを向上させることができる。
【0022】
請求項9の発明のように、情報コード読取装置は、上記所定の規則に関する情報が予め記憶される記憶部を備えるように構成されてもよい。
【0023】
請求項10の発明では、複数種類の合成用コード画像には、上記所定の規則に関する情報がそれぞれ個別に含まれる。これにより、情報コード読取装置が上記所定の規則に関する情報を予め取得する必要もなく、情報コードごとに上記所定の規則を変えることもできるので、システムとして利便性を高めつつセキュリティ性を向上させることができる。
【0024】
請求項11の発明では、コード画像準備部により、第1の情報が記録される第1の情報コードの画像から当該第1の情報コードのコード領域を構成する一部のセル領域が上記所定の規則に対応するようにそれぞれ個別に置換された複数種類の第1の合成用コード画像が準備されるとともに、第2の情報が記録される第2の情報コードの画像から当該第2の情報コードのコード領域を構成する一部のセル領域が上記所定の規則に対応するようにそれぞれ個別に置換された複数種類の第2の合成用コード画像が準備される。このように準備された複数種類の第1の合成用コード画像と複数種類の第2の合成用コード画像とが表示部の表示画面にサイクリックに表示される。そして、撮像部により撮像された複数の撮像画像から上記所定の規則に基づいて第1の情報コードと第2の情報コードとが合成部によりそれぞれ合成される。
【0025】
これにより、情報コード読取装置では、表示部の表示画面にサイクリックに表示される各合成用コード画像を撮像することで、2つの情報(第1の情報及び第2の情報)を読み取ることができるので、画面表示される情報コードの不正使用(複製)を防止しつつ、読み取り可能な情報量を増やすことができる。
【0026】
請求項12の発明では、コード画像準備部により、コード領域のうちセルの置換対象となる所定の合成用領域において、同じ位置となるセルに関して、複数種類の合成用コード画像のそれぞれのセルの明暗及び上記所定の規則から求められる明暗と、情報コードのセルの明暗とが一致するように、複数種類の合成用コード画像がそれぞれ生成されて準備される。
【0027】
これにより、情報コード読取装置では、上記所定の合成用領域における各合成用コード画像の各セルの明暗及び上記所定の規則に基づいて、上記情報コードを解読可能に合成することができる。一方、仮に、情報コード表示装置の表示画面を複数回撮影することで全ての合成用コード画像が撮像されたとしても、上記所定の規則を利用しなければ所定の情報が記録される情報コードを解読可能に合成することができないので、画面表示される情報コードの不正使用(複製)を防止することができる。
【0028】
請求項13の発明では、上記所定の合成用領域は、複数設定され、上記所定の規則は、所定の合成用領域ごとに異なる。これにより、仮に、1つの合成用領域に対して設定される所定の規則が不正に取得されたとしても、他の所定の規則や当該他の所定の規則が設定される合成用領域に関する情報まで取得しなければ所定の情報が記録される情報コードを解読可能に合成することができない。したがって、画面表示される情報コードに関してセキュリティ性をより一層向上させることができる。
【0029】
請求項14の発明では、コード画像準備部にて準備された複数種類の合成用コード画像に加えて、上記所定の規則に関する情報を記録した他の情報コードの画像が、表示部の表示画面にサイクリックに表示される。これにより、情報コード読取装置では、複数種類の合成用コード画像とともに撮像された上記他の情報コードから上記所定の規則を読み取ることができる。このため、情報コード読取装置が上記所定の規則に関する情報を予め取得する必要もなく、情報コードごとに上記所定の規則を変えることもできるので、システムとして利便性を高めつつセキュリティ性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施形態に係る情報コード読取システムの概略構成を示す説明図である。
図2図1の情報コード表示装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図3】合成後の情報コードを説明する説明図である。
図4】第1実施形態における各一部コード画像を説明する説明図であり、図4(A)は、一部コードC11を含めた一部コード画像P11を示し、図4(B)は、一部コードC12を含めた一部コード画像P12を示し、図4(C)は、一部コードC13を含めた一部コード画像P13を示す。
図5】第1実施形態における各一部コード画像を説明する説明図であり、図5(A)は、一部コードC21を含めた一部コード画像P21を示し、図5(B)は、一部コードC22を含めた一部コード画像P22を示し、図5(C)は、一部コードC23を含めた一部コード画像P23を示し、図5(D)は、一部コードC24を含めた一部コード画像P24を示す。
図6図1の情報コード読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図7図1のサーバの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図8】第1実施形態における情報コード表示装置での決済用表示処理の流れを例示するフローチャートである。
図9】第1実施形態における情報コード読取装置での決済用読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図10】第1実施形態におけるサーバでの規則送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図11】第1実施形態の変形例における各一部コード画像を説明する説明図であり、図11(A)は、一部コードC31を含めた一部コード画像P31を示し、図11(B)は、一部コードC32を含めた一部コード画像P32を示し、図11(C)は、一部コードC33を含めた一部コード画像P33を示す。
図12】第2実施形態における情報コード表示装置での決済用表示処理の流れを例示するフローチャートである。
図13】第2実施形態における情報コード読取装置での決済用読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図14】第2実施形態におけるサーバでの規則送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図15】第3実施形態における情報コード表示装置での決済用表示処理の流れを例示するフローチャートである。
図16】第3実施形態における情報コード読取装置での決済用読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図17】第3実施形態におけるサーバでの規則送信処理の流れを例示するフローチャートである。
図18】第4実施形態に係る情報コード読取システムの概略構成を示す説明図である。
図19】第4実施形態において各合成用コードを構成する正しいコードワードとダミーセルとの関係を説明する説明図である。
図20】ダミーセルを構成する所定のセルパターンを例示する説明図である。
図21】元コードを説明する説明図である。
図22】第4実施形態における各合成用コード画像を説明する説明図であり、図22(A)は、合成用コードC41を含めた合成用コード画像P41を示し、図22(B)は、合成用コードC42を含めた合成用コード画像P42を示し、図22(C)は、合成用コードC43を含めた合成用コード画像P43を示す。
図23】第4実施形態の変形例における各合成用コード画像を説明する説明図であり、図23(A)は、合成用コードC51を含めた合成用コード画像P51を示し、図23(B)は、合成用コードC52を含めた合成用コード画像P52を示し、図23(C)は、合成用コードC53を含めた合成用コード画像P53を示す。
図24】第5実施形態において各合成用コードを構成する正しいコードワードとダミーセルとパリティ値との関係を説明する説明図である。
図25】第6実施形態に係る情報コード読取システムの要部を示す説明図である。
図26】第7実施形態に係る情報コード読取システムの要部を示す説明図であり、図26(A)は、元コードを示し、図26(B)は、図26(A)の元コードに対して、図27の2つの合成用コードで明色系となる位置のセルをハッチングのセルにて図示し、図27の2つの合成用コードで暗色系となる位置のセルをクロスハッチングのセルにて図示する。
図27】第7実施形態における各合成用コード画像を説明する説明図であり、図27(A)は、合成用コードC61を含めた合成用コード画像P61を示し、図27(B)は、合成用コードC62を含めた合成用コード画像P62を示し、図27(C)は、合成用コードC63を含めた合成用コード画像P63を示す。
図28】第7実施形態の変形例においてサイクリックに画面表示される画像を説明する説明図であり、図28(A)は、合成用コード画像P61を示し、図28(B)は、合成用コード画像P62を示し、図28(C)は、合成用コード画像P63を示し、図28(D)は、別の情報コードCcを示す。
図29】第8実施形態に係る情報コード読取システムの要部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[第1実施形態]
以下、本発明の情報コード読取システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る情報コード読取システム10は、画面表示される情報コードの複製等の不正使用を防止するためのシステムである。この情報コード読取システム10は、図1に示すように、情報コード表示装置20と、情報コード読取装置30と、これら情報コード表示装置20及び情報コード読取装置30と通信可能なサーバ40とを備えている。より具体的には、例えば、情報コード読取システム10は、店舗内に設置されたPOSレジスタ(図示略)での決済処理に利用される決済システムであって、情報コード表示装置20は、利用者(購入者)が決済用に利用する携帯端末によって構成され、情報コード読取装置30は、POSレジスタの近傍に配置された端末によって構成される。
【0032】
まず、情報コード表示装置20について、図2を参照して説明する。
本実施形態に係る情報コード表示装置20は、ユーザによって携帯されて様々な場所で情報コードを画面表示するために用いられる携帯型の情報端末であり、後述する決済表示用のアプリケーションプログラム(以下、決済表示アプリともいう)がインストールされたスマートフォン等により構成することができる。
【0033】
この情報コード表示装置20は、CPU等からなる制御部21、ROM、RAMなどの半導体メモリ等からなる記憶部22、カメラとして構成される撮像部23、制御部21によって表示内容が制御されるタッチパネル式の表示部24、タッチパネルに対するタッチ操作やキー操作に応じた操作信号を制御部21に出力する操作部25、サーバ40等の外部機器と通信するための通信部26などを備えている。なお、通信部26は、「表示側通信部」の一例に相当し得る。
【0034】
記憶部22には、上記決済表示アプリがインストールされる際に、複数種類の一部コード画像が準備されて記憶される。一部コード画像は、1つの情報コードの画像から当該情報コードのコード領域を構成する一部のセルを除くように生成された合成用の画像であって、複数の一部コード画像を合成することで、上記1つの情報コードの画像を生成することができる。本実施形態では、上記一部コード画像として、図3に示すQRコードからなる情報コードCを、図4(A)~(C)に示すように3つの一部コードC11~C13に分割するようにして生成した一部コード画像P11~P13と、図5(A)~(D)に示すように4つの一部コードC21~C24に分割するようにして生成した一部コード画像P21~P24とが予め準備されて記憶部22に記憶される。なお、情報コードCには、読み取らせるべき所定の情報として、情報コード表示装置20を所持する利用者の決済用の個人情報や情報コード表示装置20を特定可能な端末情報等が記録されるように生成される。なお、各一部コード画像を準備するために各一部コード画像が予め記憶される記憶部22及び制御部21は、「一部コード画像準備部」の一例に相当し得る。
【0035】
特に、各一部コード画像P11~P13は、図4(A)~(C)からわかるように、情報コードCのコード領域の位置が一致するように生成される。すなわち、図4(A)に示すように、一部コード画像P11は、情報コードCを基準位置(例えば画面中央)に配置するときに、この情報コードCに対して一部コードC11が占める位置に当該一部コードC11が配置されるように生成される。また、図4(B)に示すように、一部コード画像P12は、情報コードCを上記基準位置に配置するときに、この情報コードCに対して一部コードC12が占める位置に当該一部コードC12が配置されるように生成される。また、図4(C)に示すように、一部コード画像P13は、情報コードCを上記基準位置に配置するときに、この情報コードCに対して一部コードC13が占める位置に当該一部コードC13が配置されるように生成される。同様に、各一部コード画像P21~P24は、図5(A)~(D)からわかるように、情報コードCのコード領域の位置が一致するように生成される。
【0036】
そして、上記決済表示アプリを起動することで制御部21にてなされる決済用表示処理では、第1の要求に応じてサーバ40から第1の規則を受信することで、この第1の規則に基づいて一部コード画像が表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。例えば、第1の規則として、一部コード画像P11~P13を第1のフレームレート(例えば、50fps)でサイクリックに表示する規則がサーバ40から受信されていると、このフレームレートにて一部コード画像P11~P13がサイクリックに表示される。また、第1の規則として、一部コード画像P21~P24を第2のフレームレート(例えば、60fps)でサイクリックに表示する規則がサーバ40から受信されていると、このフレームレートにて一部コード画像P21~P24がサイクリックに表示される。このように複数の一部コード画像が高速でサイクリックに画面表示される状態では、利用者等は、その表示画面に情報コードCが表示されているものと視認する。
【0037】
次に、情報コード読取装置30について、図6を参照して説明する。
本実施形態に係る情報コード読取装置30は、POSレジスタの近傍に配置された端末であり、後述する決済読取用のアプリケーションプログラム(以下、決済読取アプリともいう)がインストールされたタブレット端末等により構成することができる。
【0038】
図6に示すように、情報コード読取装置30は、CPU等からなる制御部31、ROM、RAMなどの半導体メモリ等からなる記憶部32、カメラとして構成される撮像部33、制御部31によって表示内容が制御されるタッチパネル式の表示部34、タッチパネルに対するタッチ操作やキー操作に応じた操作信号を制御部31に出力する操作部35、サーバ40等の外部機器と通信するための通信部36などを備えている。なお、通信部36は、「読取側通信部」の一例に相当し得る。
【0039】
そして、上記決済読取アプリを起動することで制御部31にてなされる決済用読取処理では、第2の要求に応じてサーバ40から受信した第2の規則に対応する撮像間隔(シャッター速度)にて撮像部33により撮像を行い、この撮像で得られた複数の画像を上記第2の規則に基づいて合成することで読み取るべき情報コードを復元する。そして、復元した情報コードを読み取った読取結果はPOSレジスタに決済用の情報として出力される。
【0040】
次に、サーバ40について、図7を参照して説明する。
サーバ40は、情報コード表示装置20と情報コード読取装置30とで、一部コード画像の表示条件と撮像条件とを同期させる規則送信処理を行う機能を有するコンピュータとして構成されるものである。
【0041】
図7に示すように、サーバ40は、主に、当該サーバ40全体を統括的に制御する制御部41、記憶部42、通信部43等を備えている。制御部41は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、記憶部42とともに情報処理装置として機能する。記憶部42は、ROM、RAM、HDD等からなり、上記規則送信処理を実行するためのアプリケーションプログラムや所定のデータベース等が、制御部41により利用可能に予め格納されている。通信部43は、制御部41により制御されて、インターネット等の所定のネットワークNを介して、情報コード表示装置20や情報コード読取装置30などの他の外部機器と通信を行う通信手段としての機能を有するように構成されている。なお、通信部43は、「サーバ側通信部」の一例に相当し得る。
【0042】
このように構成されるサーバ40の制御部41にてなされる規則送信処理では、情報コード表示装置20や情報コード読取装置30からの要求を受信した時刻に応じて情報コードの表示に関する規則が設定されて、その設定された規則が情報コード表示装置20や情報コード読取装置30に送信される。本実施形態では、情報コードの表示に関する規則としては、情報コードを分割する分割数とその分割位置、フレームレートの3種類が選択可能に用意されている。そして、要求の受信時に選択される規則は、所定の期間(例えば、10分)で切り替わるようになっている。
【0043】
具体的には、情報コード表示装置20から第1の要求を受信した時刻に応じて分割数及び分割位置とフレームレートとが選択されるように第1の規則が設定されて、その設定された第1の規則が情報コード表示装置20に送信される。特に、本実施形態では、情報コード表示装置20に送信する第1の規則には上記所定の期間に対応する有効期限に関する情報が含まれており、第1の規則の受信後に有効期限が経過すると、情報コード表示装置20がサーバ40に対して再び第1の要求を行うように運用する。また、情報コード読取装置30から第2の要求を受信した時刻に応じて分割数及び分割位置とフレームレートに対応する撮像間隔(シャッター速度)とが選択されるように第2の規則が設定されて、その設定された第2の規則が情報コード読取装置30に送信される。これにより、第1の要求の要求タイミングと第2の要求の要求タイミングとが近い場合には、互いに対応する規則となるように第1の規則と第2の規則とを設定することができる。
【0044】
次に、このように構成される情報コード読取システム10において、情報コード表示装置20を所持する利用者(購入者)が情報コード読取装置30を設置した店舗等にて決済を行う場合に、情報コード表示装置20、情報コード読取装置30、サーバ40のそれぞれにてなされる処理について、図8図10のフローチャートを参照して詳述する。
【0045】
まず、情報コード表示装置20の制御部21にてなされる決済用表示処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
利用者による所定の操作に応じて上記決済表示アプリを起動することで決済用表示処理が開始されると、図8のステップS101に示す要求処理がなされ、サーバ40に対して第1の要求が通信部26を介してなされる。この第1の要求に応じて上述のように第1の規則が受信されると(S103でYes)、ステップS105に示す表示処理がなされ、受信した第1の規則に基づいて各一部コード画像が表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。
【0046】
そして、終了操作がなされず(S107でNo)、第1の規則に含まれている有効期限を経過していない場合には(S109でNo)、各一部コード画像がサイクリックに表示される状態が継続される。そして、決済完了したために、利用者により終了操作がなされることで(S107でYes)、本決済用表示処理が終了する。
【0047】
一方、各一部コード画像がサイクリックに表示される状態が継続している状態で、有効期限が経過すると(S109でYes)、再度、上記ステップS101からの処理がなされて再度第1の要求がなされることで、第1の規則が有効期限内となるように更新される。
【0048】
次に、情報コード読取装置30の制御部31にてなされる決済用読取処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。
店員等により上記決済読取アプリが起動されて情報コード表示装置20の表示画面を撮像する際に所定の操作がなされることで決済用読取処理が開始されると、図9のステップS201に示す要求処理がなされ、サーバ40に対して第2の要求が通信部36を介してなされる。この第2の要求に応じて上述のように第2の規則が受信されると(S203でYes)、ステップS205に示す撮像処理がなされ、受信した第2の規則に対応する撮像間隔にて所定時間継続して撮像が実施される。
【0049】
続いて、ステップS207に示す合成処理がなされ、上述のようにして撮像した複数の撮像画像から上記第2の規則に基づいて1つの情報コードを合成するための処理がなされる。この合成が成功することで(S209でYes)、1つの情報コードが得られると、ステップS211に示す解読処理にて、1つの情報コードが解読(デコード)される。そして、ステップS213に示す出力処理がなされ、上述のように読み取った読取結果が、POSレジスタに決済用の情報として出力されて、本決済用読取処理が終了する。なお、上記ステップS207の処理を行う制御部31は、「合成部」の一例に相当し、上記ステップS211の処理を行う制御部31は、「解読部」の一例に相当し得る。
【0050】
一方、合成により解読可能な1つの情報コードが得られない場合、例えば、全て同じ情報コードが撮像されている場合等のため、合成処理が失敗したと判定されると(S209でNo)、ステップS215に示す報知処理がなされる。この処理では、正規の情報コードを撮像していないために決済ができない旨が表示部34の表示等を利用して報知されて、本決済用読取処理が終了する。なお、上記報知処理では、視覚的に報知することに限らず、例えば、警告音声やビープ音等を利用して正規の情報コードを撮像していないために決済ができない旨を報知してもよい。
【0051】
次に、サーバ40の制御部41にてなされる規則送信処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
制御部41にて規則送信処理が開始されると、図10のステップS301の判定処理及びステップS303の判定処理にて、第1の要求及び第2の要求のいずれかを受信しているか否かについて判定され、いずれも受信していない場合には、ステップS301の判定処理及びステップS303の判定処理にてNoとの判定が繰り返される。
【0052】
そして、情報コード表示装置20から第1の要求が受信されると(S301でYes)、ステップS305に示す第1の規則選択処理がなされる。この処理では、予め用意される複数種類の分割数及び分割位置とフレームレートとから、第1の要求を受信した時刻に応じて、1種類の分割数及び分割位置とフレームレートとが選択される。このように選択された分割数及び分割位置とフレームレートは、有効期限に関する情報とともに第1の規則として情報コード表示装置20に送信される(S309)。
【0053】
また、情報コード読取装置30から第2の要求が受信されると(S303でYes)、ステップS307に示す第2の規則選択処理がなされる。この処理では、予め用意される複数種類の分割数及び分割位置と撮像間隔(シャッター速度)とから、第2の要求を受信した時刻に応じて、1種類の分割数及び分割位置と撮像間隔とが選択される。このように選択された分割数及び分割位置と撮像間隔は、第2の規則として情報コード読取装置30に送信される(S309)。なお、上記ステップS305の処理及びステップS307の処理を行う制御部41は、要求を受信した時刻に応じて一部コード画像の表示に関する規則を設定する「設定部」の一例に相当し得る。
【0054】
例えば、情報コード表示装置20から第1の要求を受信した時刻にて、図4(A)~(C)に例示するような上中下の3分割となる分割数及び分割位置とフレームレート50fpsとが選択されると、この選択結果に応じた第1の規則が情報コード表示装置20に送信される。このとき、同じような時間帯で情報コード読取装置30から第2の要求が受信されると、上中下の3分割となる分割数及び分割位置とフレームレート50fpsに対応する撮像間隔(シャッター速度)とが選択されて、この選択結果に応じた第2の規則が情報コード読取装置30に送信される。
【0055】
このため、情報コード表示装置20では、各一部コード画像P11~P13がフレームレート50fpsにて表示部24の表示画面にサイクリックに表示されており、情報コード読取装置30では、受信した第2の規則に応じてフレームレート50fpsに対応する撮像間隔で表示画面を撮像することで、各一部コード画像P11~P13がその順番で撮像される。このため、ステップS207の合成処理にて、上記第2の規則から3つの一部コードC11~C13の位置が把握できるため、撮像した各一部コード画像P11~P13から図3に示す情報コードCを解読可能に合成することができる。
【0056】
また、例えば、情報コード表示装置20から第1の要求を受信した時刻にて、図5(A)~(D)に例示するような4分割となる分割数及び分割位置とフレームレート60fpsとが選択されると、この選択結果に応じた第1の規則が情報コード表示装置20に送信される。このとき、同じような時間帯で情報コード読取装置30から第2の要求が受信されると、上述のような4分割となる分割数及び分割位置とフレームレート60fpsに対応する撮像間隔(シャッター速度)とが選択されて、この選択結果に応じた第2の規則が情報コード読取装置30に送信される。
【0057】
このため、情報コード表示装置20では、各一部コード画像P21~P24がフレームレート60fpsにて表示部24の表示画面にサイクリックに表示されており、情報コード読取装置30では、受信した第2の規則に応じてフレームレート60fpsに対応する撮像間隔で表示画面を撮像することで、各一部コード画像P21~P24がその順番で撮像される。このため、ステップS207の合成処理にて、上記第2の規則から4つの一部コードC21~C24の位置が把握できるため、撮像した各一部コード画像P21~P24から図3に示す情報コードCを解読可能に合成することができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取システム10では、情報コード表示装置20において、サーバ40に対する第1の要求に応じて当該サーバ40から第1の規則が受信されると、複数の一部コード画像が上記第1の規則に基づいて表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。そして、情報コード読取装置30では、サーバ40に対する第2の要求に応じて当該サーバ40から第2の規則が受信されると、当該第2の規則に対応する撮像間隔にて表示画面が撮像されて、このように撮像した複数の撮像画像から上記第2の規則に基づいて合成された情報コードCが解読される。そして、サーバ40では、要求を受信した時刻に応じて一部コード画像の表示に関する規則が設定されるようになっており、情報コード表示装置20から上記第1の要求が受信されると、当該第1の要求を受信した時刻に応じて設定された規則が上記第1の規則として情報コード表示装置20に送信され、情報コード読取装置30から上記第2の要求が受信されると、当該第2の要求を受信した時刻に応じて設定された規則が上記第2の規則として情報コード読取装置30に送信される。
【0059】
これにより、情報コード読取装置30にて第2の要求に応じてサーバ40から受信した第2の規則に対応する撮像間隔にて情報コード表示装置20の表示画面を撮像する場合、情報コード表示装置20では、サーバ40から受信した第1の規則に対応するように準備された一部コード画像がその第1の規則に基づいて表示画面にサイクリックに表示されている。このため、第1の要求の要求タイミングが第2の要求の要求タイミングに近い場合には、互いに対応する規則となるように第1の規則と第2の規則とが設定されるため、情報コード読取装置30では、情報コード表示装置20にてサイクリックに表示される一部コード画像を漏らすことなく順次撮像することができる。そして、情報コード読取装置30では、第2の規則に基づいて、各一部コード画像がどのように撮像されているか容易に把握できるため、各一部コード画像から1つの情報コードを解読可能に合成することができる。すなわち、情報コード読取装置30では、情報コード表示装置20にて一部コード画像がサイクリックに表示される表示画面を撮像することで、1つの情報コードを読み取ることができる。一方、情報コード表示装置20の表示画面を単に撮影しても、1つの一部コード画像が撮像されるだけで、所定の情報が記録される情報コードが撮像されることもないので、情報コードの複製を防止することができる。また、情報コード表示装置20の表示画面を単に複数回撮影しても、その撮影タイミングで受信した第2の規則を利用しなければ、全ての一部コード画像が撮像されないため、1つの情報コードを解読可能に合成することができない。したがって、画面表示される情報コードの不正使用(複製)を防止することができる。
【0060】
特に、本実施形態では、第1の規則には有効期限に関する情報が含まれており、制御部21にてなされる決済用表示処理では、第1の規則を受信してから当該第1の規則に含まれる有効期限が経過すると(S109でYes)、新たに第1の要求をサーバ40に対して行う。これにより、情報コード表示装置20では、第1の規則に含める有効期限に応じて第1の規則自体を適切なタイミングで更新することができる。
【0061】
なお、一部コード画像は、情報コードCを3つ又は4つに分割した一部コードを個々に含めるように準備されることに限らず、5つ以上に分割した一部コードを個々に含めるように準備されてもよい。
【0062】
また、一部コード画像は、情報コードCを複数に分割した一部コードを個々に含めるように準備されることに限らず、情報コードCの画像から当該情報コードCのコード領域を構成する一部のセルが除かれるように準備されてもよい。例えば、図11(A)~(C)に示す一部コード画像P31~P33のように、情報コードCの画像から誤り訂正不能となる範囲でセルを間引くように除いて一部コードC31~C33を準備してもよい。特に、QRコードのファインダパターンのような特定パターンを残して他のデータ記録領域部分のセルの一部を除くように各一部コード画像を生成することで、全ての一部コード画像に特定パターンが同じように含まれるので、この特定パターンを合成基準とすることで、合成した情報コードの読み取りを迅速に実施することができる。
【0063】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、第1の規則に従う表示条件が対応不能な場合に第1の規則を変更可能とする点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
情報コード表示装置20にてなされる決済用表示処理において、情報コード表示装置20の表示性能等によっては、受信した第1の規則に従う表示条件が対応不能となる場合がある。例えば、高フレームレートを指定される場合にこの高フレームレートで一部コード画像をサイクリックに表示できない場合などである。
【0065】
そこで、本実施形態では、情報コード表示装置20において受信した第1の規則に従う表示条件が対応不能である場合に、表示部24にて対応可能な表示条件に関する情報(以下、表示対応可能情報ともいう)と情報コード表示装置20を特定可能な特定情報とを記録した情報コードとして表示条件コードを生成して情報コード読取装置30に読み取らせ、情報コード読取装置30からサーバ40に対して第1の規則及び第2の規則を変更するように要求する。
【0066】
以下、本実施形態において、情報コード表示装置20、情報コード読取装置30、サーバ40のそれぞれにてなされる処理について、図12図14のフローチャートを参照して詳述する。
情報コード表示装置20の制御部21にてなされる決済用表示処理において、第1の要求に応じてサーバ40から第1の規則が受信されると(図12のS103でYes)、ステップS111の判定処理にて、受信した第1の規則に従う表示条件が対応可能であるか否かについて判定される。ここで、第1の規則に従う表示条件が対応可能であれば(S111でYes)、上記ステップS105以降の処理がなされる。なお、上記ステップS111の判定処理を行う制御部21は、「判定部」の一例に相当し得る。
【0067】
一方、第1の規則に従う表示条件が対応可能でない場合には、ステップS111にてNoと判定されて、ステップS113に示す表示条件コード生成処理がなされる。この処理では、上記表示対応可能情報(例えば、フレームレート30fps以下が対応可能な表示条件であることを示す情報)と上記特定情報とを記録するように表示条件コードが生成される。続いて、ステップS115に示す表示条件コード表示処理がなされ、上述のように生成された表示条件コードが表示部24に静止状態で表示される。そして、上記ステップS103の判定処理がなされ、新たに第1の規則を受信するまで、表示条件コードが表示される状態が継続される。なお、上記ステップS113の処理を行う制御部21は、「生成部」の一例に相当し得る。
【0068】
情報コード読取装置30の制御部31にてなされる決済用読取処理では、第2の要求に応じてサーバ40から第2の規則が受信されると(図13のS203でYes)、その後に撮像された複数の撮像画像から上記第2の規則に基づいて1つの情報コードを合成するための処理がなされる(S207)。
【0069】
その際、表示部24に表示された表示条件コードを撮像している場合には、合成により解読可能な1つの情報コードが得られないため、合成処理が失敗したと判定されて(S209でNo)、ステップS217の判定処理にて表示条件コードを読み取っているか否かについて判定される。上述のように表示部24に表示された表示条件コードを撮像している場合には、表示条件コードに記録される表示対応可能情報及び特定情報が解読されるため、ステップS217にてYesと判定されて、ステップS219に示す変更要求処理がなされる。この処理では、読み取った表示対応可能情報及び特定情報を含めた第2の要求が変更要求としてサーバ40に対して送信される。
【0070】
サーバ40の制御部41にてなされる規則送信処理では、第2の要求を受信した場合であっても(図14のS303でYes)、その第2の要求が表示対応可能情報及び特定情報を含む変更要求であると(S311でYes)、ステップS313に示す規則変更処理がなされる。この処理では、変更要求を受信した時刻にかかわらず、変更要求に含まれる表示対応可能情報に対応する第1の規則が設定されるとともに、この第1の規則に対応するように第2の規則も設定される。例えば、フレームレート30fps以下が対応可能な表示条件であるとの表示対応可能情報を受信している場合には、この表示条件にて対応可能に第1の規則が設定される。このように第1の規則及び第2の規則が設定されると、ステップS309に示す送信処理にて、第1の規則が、変更要求に含まれる特定情報から特定される情報コード表示装置20に送信され、第2の規則が、変更要求を行った情報コード読取装置30に送信される。
【0071】
このため、上記変更要求の送信後に第1の規則を新たに受信した情報コード表示装置20では、受信した第1の規則に従う表示条件が対応可能となるため(S111でYes)、上記ステップS105以降の処理がなされて、新たに受信した第1の規則に基づいて各一部コード画像を表示部24の表示画面にサイクリックに表示することができる。
【0072】
一方、上記変更要求の送信後に第2の規則を新たに受信した情報コード読取装置30では、情報コード表示装置20の表示部24にて上述のように各一部コード画像がサイクリックに表示されているため、新たに受信した第2の規則に対応する撮像間隔にて撮像を実施することで、各一部コード画像から1つの情報コードを解読可能に合成することができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取システム10では、情報コード表示装置20において、第1の規則を受信した際に、当該第1の規則に従う表示条件が表示部に対応可能な表示条件でないと判定されると(S111でNo)、表示対応可能情報及び特定情報とを記録した表示条件コードが生成されて(S113)、表示部24の表示画面に表示される(S115)。そして、情報コード読取装置30では、上記表示条件コードが解読されると(S217でYes)、当該表示条件コードの解読結果を含めた第2の要求が変更要求としてなされる(S219)。そして、サーバ40では、情報コード読取装置30から表示条件コードの解読結果を含めた第2の要求が受信されると(S311でYes)、その解読結果に応じて表示条件を変更するように第1の規則及び第2の規則が設定されて(S313)、情報コード表示装置20と情報コード読取装置30とにそれぞれ送信される(S309)。
【0074】
これにより、情報コード表示装置20では、受信した第1の規則に従う表示条件が対応不能な条件であれば、表示条件コードが表示される状態が維持され、この表示条件コードを情報コード読取装置30にて撮像して解読することで、情報コード表示装置20にて対応可能な表示条件に第1の規則及び第2の規則が変更される。このため、受信した第1の規則により情報コード表示装置20の表示性能に見合わない表示条件がサーバ40から指示された場合でも、その表示条件を適切に変更できるだけでなく、情報コード読取装置30にもその変更した表示条件に応じた第2の規則を受信させることができる。
【0075】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第3実施形態では、一部コードに変えて複数の情報コードをサイクリックに表示する点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
本実施形態に係る情報コード表示装置20では、第1の要求に応じてサーバ40から受信した第1の規則に基づいて複数種類の情報コードが表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。このため、記憶部22には、例えば、3種類の情報コードをサイクリックに表示するためにそれぞれの情報コードが個々に含まれる3つのコード画像や、4種類の情報コードをサイクリックに表示するためにそれぞれの情報コードが個々に含まれる4つのコード画像等が予め準備されて記憶されている。各情報コードは、サイクリックに表示される一連の情報コードを解読した解読結果から、情報コード表示装置20を所持する利用者の決済用の個人情報や情報コード表示装置20を特定可能な端末情報等が取得でき、1つの情報コードからは秘匿すべき情報が読み取れないように生成される。
【0077】
そして、情報コード読取装置30では、第2の要求に応じてサーバ40から受信した第2の規則に対応する撮像間隔にて表示画面が撮像され、このように撮像された複数の連続する撮像画像に対してそれぞれ情報コードを解読する解読処理を行う。これらの解読結果が第2の規則から想定される結果となる場合に正規の情報コードを読み取っていると判断し、解読結果が第2の規則から想定される結果と異なる場合に所定の報知を行うことで、情報コードの不正使用を防止する。
【0078】
そして、サーバ40では、情報コード表示装置20や情報コード読取装置30からの要求を受信した時刻に応じて情報コードの表示に関する規則が設定されて、その設定された規則が情報コード表示装置20や情報コード読取装置30に送信される。本実施形態では、情報コードの表示に関する規則としては、情報コードをサイクリックに表示する情報コードの個数である情報コード表示数とフレームレートとの2種類が選択可能に用意されている。
【0079】
以下、本実施形態において、情報コード表示装置20、情報コード読取装置30、サーバ40のそれぞれにてなされる処理について、図15図17のフローチャートを参照して詳述する。
【0080】
まず、情報コード表示装置20の制御部21にてなされる決済用表示処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
利用者による所定の操作に応じて上記決済表示アプリを起動することで決済用表示処理が開始されると、図15のステップS401に示す要求処理がなされ、サーバ40に対して第1の要求が通信部26を介してなされる。この第1の要求に応じて上述のように第1の規則が受信されると(S403でYes)、ステップS405に示す表示処理がなされ、受信した第1の規則に基づいて記憶部22に記憶されるコード画像が表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。
【0081】
そして、終了操作がなされず(S407でNo)、第1の規則に含まれている有効期限を経過していない場合には(S409でNo)、各コード画像がサイクリックに表示される状態が継続される。そして、決済完了したために、利用者により終了操作がなされることで(S407でYes)、本決済用表示処理が終了する。
【0082】
一方、各コード画像がサイクリックに表示される状態が継続している状態で、有効期限が経過すると(S409でYes)、再度、上記ステップS401からの処理がなされて再度第1の要求がなされることで、第1の規則が有効期限内となるように更新される。
【0083】
次に、情報コード読取装置30の制御部31にてなされる決済用読取処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
店員等による上記決済読取アプリが起動されて情報コード表示装置20の表示画面を撮像する際に所定の操作がなされることで決済用読取処理が開始されると、図16のステップS501に示す要求処理がなされ、サーバ40に対して第2の要求が通信部36を介してなされる。この第2の要求に応じて上述のように第2の規則が受信されると(S503でYes)、ステップS505に示す撮像処理がなされ、受信した第2の規則に対応する撮像間隔にて所定時間継続して撮像が実施される。
【0084】
続いて、ステップS507に示す解読処理がなされ、上述のように撮像された複数の画像のそれぞれに対して情報コードを解読(デコード)するための処理がなされる。そして、ステップS509の判定処理にて、各解読結果が第2の規則から想定される通りであるか否かについて判定される。ここで、第2の規則として情報コード表示数がn個に設定されており、各撮像画像からn種類のデコード結果が繰り返し得られている場合には、解読結果が第2の規則から想定される通りの結果であるとして、ステップS509にてYesと判定される。そして、ステップS511に示す出力処理がなされ、上述のように読み取ったn種類のデコード結果が、POSレジスタに決済用の情報として出力されて、本決済用読取処理が終了する。POSレジスタ等では、n種類のデコード結果から決済用の個人情報や端末情報等が取得することができる。なお、上記ステップS507の処理を行う制御部31は、「解読部」の一例に相当し得る。
【0085】
一方、第2の規則として情報コード表示数がn個に設定されており、各撮像画像からn種類のデコード結果が繰り返し得られていない場合、例えば、全て同じデコード結果が得られている場合等のため、解読結果が第2の規則から想定される通りでないと判定されると(S509でNo)、ステップS513に示す報知処理がなされる。この処理では、正規の情報コードを撮像していないために決済ができない旨が表示部34の表示等を利用して報知されて、本決済用読取処理が終了する。なお、上記報知処理では、視覚的に報知することに限らず、例えば、警告音声やビープ音等を利用して正規の情報コードを撮像していないために決済ができない旨を報知してもよく、これら表示部34等は、「報知部」の一例に相当し得る。
【0086】
次に、サーバ40の制御部41にてなされる規則送信処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
制御部41にて規則送信処理が開始されると、図17のステップS601の判定処理及びステップS603の判定処理にて、第1の要求及び第2の要求のいずれかを受信しているか否かについて判定され、いずれも受信していない場合には、ステップS601の判定処理及びステップS603の判定処理にてNoとの判定が繰り返される。
【0087】
そして、情報コード表示装置20から第1の要求が受信されると(S601でYes)、ステップS605に示す第1の規則選択処理がなされる。この処理では、予め用意される情報コード表示数と複数種類のフレームレートとから、第1の要求を受信した時刻に応じて、1つの情報コード表示数とフレームレートとが選択される。このように選択された情報コード表示数及びフレームレートは、有効期限に関する情報とともに第1の規則として情報コード表示装置20に送信される(S609)。
【0088】
また、情報コード読取装置30から第2の要求が受信されると(S603でYes)、ステップS607に示す第2の規則選択処理がなされる。この処理では、予め用意される情報コード表示数と複数種類の撮像間隔(シャッター速度)とから、第2の要求を受信した時刻に応じて、1つの情報コード表示数と撮像間隔とが選択される。このように選択された情報コード表示数と撮像間隔は、第2の規則として情報コード読取装置30に送信される(S609)。なお、上記ステップS605の処理及びステップS607の処理を行う制御部41は、要求を受信した時刻に応じて情報コードの表示に関する規則を設定する「設定部」の一例に相当し得る。
【0089】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取システム10では、情報コード表示装置20において、サーバ40に対する第1の要求に応じて当該サーバ40から第1の規則が受信されると、この第1の規則に基づいて記憶部22に記憶される複数の情報コードが表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。そして、情報コード読取装置30では、サーバ40に対する第2の要求に応じて当該サーバ40から第2の規則が受信されると、当該第2の規則に対応する撮像間隔にて表示画面が撮像され、このように撮像された複数の連続する撮像画像に対して情報コードを解読する解読処理がなされて、これらの解読結果が第2の規則から想定される結果と異なる場合に(S509でNo)、所定の報知が行われる(S513)。そして、サーバ40では、要求を受信した時刻に応じて情報コードの表示に関する規則が設定されるようになっており、情報コード表示装置20から上記第1の要求が受信されると、当該第1の要求を受信した時刻に応じて設定された規則が上記第1の規則として情報コード表示装置20に送信され、情報コード読取装置30から上記第2の要求が受信されると、当該第2の要求を受信した時刻に応じて設定された規則が上記第2の規則として情報コード読取装置30に送信される。
【0090】
これにより、情報コード読取装置30にて第2の要求に応じてサーバ40から受信した第2の規則に対応する撮像間隔にて情報コード表示装置20の表示画面を撮像する場合、情報コード表示装置20では、サーバから受信した第1の規則に対応するように複数の情報コードが表示画面にサイクリックに表示されている。このため、第1の要求の要求タイミングが第2の要求の要求タイミングに近い場合には、互いに対応する規則となるように第1の規則と第2の規則とが設定されるため、情報コード読取装置30では、情報コード表示装置20にてサイクリックに表示される全ての情報コードを漏らすことなく順次撮像することができる。その一方で、情報コード読取装置30では、順に解読された解読結果が第2の規則から想定される結果と異なる場合、例えば、第2の規則から3種類の情報コードがサイクリックに表示されているために3種類の解読結果が得られることが想定される状況で3つとも同じ解読結果が得られる場合などでは、情報コード表示装置20の表示画面と異なる他の情報コード等を撮像しているとして、所定の報知を行うことができる。すなわち、情報コード表示装置20の表示画面と異なる他の情報コード等を撮像している場合に上記所定の報知を行うことができ、画面表示される情報コードの不正使用を防止することができる。
【0091】
なお、本第3実施形態においても、上記第2実施形態にて説明したように、第1の規則に従う表示条件が対応可能な表示条件でない場合には、その規則を変更してもよい。すなわち、情報コード表示装置20において、第1の規則を受信した際に、当該第1の規則に従う表示条件が表示部に対応可能な表示条件でないと判定されると、表示対応可能情報及び特定情報とを記録した表示条件コードが生成されて、表示部24の表示画面に表示される。そして、情報コード読取装置30では、上記表示条件コードが解読されると、当該表示条件コードの解読結果を含めた第2の要求が変更要求としてなされる。そして、サーバ40では、情報コード読取装置30から表示条件コードの解読結果を含めた第2の要求が受信されると、その解読結果に応じて表示条件を変更するように第1の規則及び第2の規則が設定されて、情報コード表示装置20と情報コード読取装置30とにそれぞれ送信される。これにより、受信した第1の規則により情報コード表示装置20の表示性能に見合わない表示条件がサーバ40から指示された場合でも、その表示条件を適切に変更できるだけでなく、情報コード読取装置30にもその変更した表示条件に応じた第2の規則を受信させることができる。
【0092】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第4実施形態では、サーバ40を廃止し、情報コード表示装置におけるサイクリック表示のフレームレートが一定であり、その予め決められた一定のフレームレートに合わせた撮像間隔(シャッター速度)にて情報コード読取装置による撮像が行われる点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
本実施形態に係る情報コード読取システム10aは、上述した情報コード読取システム10と同様に、画面表示される情報コードの複製等の不正使用を防止するためのシステムである。この情報コード読取システム10aは、図18に示すように、上述した情報コード読取システム10の情報コード表示装置20及び情報コード読取装置30に対して同等の機能を有する情報コード表示装置20a及び情報コード読取装置30aを備えて、サーバ40が廃止されるようにして構成される。
【0094】
そして、本実施形態に係る情報コード表示装置20では、本実施形態にて利用する決済表示用のアプリケーションプログラム(以下、第2決済表示アプリともいう)がインストールされる際に、複数種類の合成用コード画像が準備されて記憶部22に記憶される。合成用コード画像は、コード領域内に配置される明色系セル及び暗色系セルを利用して所定の情報が記録される情報コード(以下、元コードともいう)を元に、所定の規則に基づいて、一部のセルが置換されて生成されるもので、置換対象となる置換セル領域の位置を変えることで複数種類準備される。このため、各合成用コード画像を上記所定の規則に基づいて合成することで、元コードの画像を生成することができる。なお、上記所定の情報は、情報コード表示装置20aを所持する利用者の決済用の個人情報や情報コード表示装置20aを特定可能な端末情報等である。
【0095】
本実施形態では、上記所定の規則は、コード領域のうちファインダパターンのような特定パターンを除いたデータ記録領域に関して、このデータ記録領域を構成するデータブロック(8個のセルからなるブロック)単位で、元コードのデータ記録領域を構成する各データブロックにそれぞれ記録される正しいコードワードが、それぞれ分散されるように設定される。特に、上記所定の規則は、同じ位置となるデータブロックに関して、複数種類の合成用コード画像の1つがコード領域のセル配置と同じになり、残りが置換セル領域となるように設定される。
【0096】
具体的には、例えば、3つの合成用コード画像を準備する場合には、図19に例示するように、第1の合成用コードは、1番目のデータブロックDB1(図22(A)参照)や4番目のデータブロックDB4等の3k+1番目のデータブロックに、正しいコードワードが記録され、置換セル領域となる他のデータブロックにダミーセルが配置されるように生成される。また、第2の合成用コードは、2番目のデータブロックDB2(図22(B)参照)や5番目のデータブロック等の3k+2番目のデータブロックに、正しいコードワードが記録され、置換セル領域となる他のデータブロックにダミーセルが配置されるように生成される。また、第3の合成用コードは、3番目のデータブロックDB3(図22(C)参照)や6番目のデータブロック等の3k+3番目のデータブロックに、正しいコードワードが記録され、置換セル領域となる他のデータブロックにダミーセルが配置されるように生成される。
【0097】
そして、本実施形態では、第1の合成用コード、第2の合成用コード、第3の合成用コードにそれぞれ配置されるダミーセルは、同じコードサイズかつ同じセルサイズにてQRコードのように配置された所定のセルパターンに対して、同じ位置のデータブロックのセル配置となるように設定される。本実施形態では、上記所定のセルパターンとして、例えば、図20に例示するような市松模様のパターンが採用されているが、これに限らず、例えば、QRコードに採用されるマスクパターンなど、読み取り補助になるパターンが採用されてもよい。また、ダミーセルは、例えば、全て明色系セルにより構成されてもよいし、全て暗色系セルにより構成されてもよい。なお、図20及び後述する図22等では、便宜上、ダミーセルを構成する暗色系セルに対してクロスハッチングを付して図示している。
【0098】
このため、例えば、図21に示すQRコードからなる元コードCaから、上記所定の規則に基づいて、図22(A)~(C)に示すような3つの合成用コードC41~C43が生成されて、合成用コードごとに合成用コード画像P41~P43が予め準備されて記憶部22に記憶される。特に、各合成用コード画像P41~P43は、図22(A)~(C)からわかるように、それぞれのコード領域の位置が一致するように生成される。なお、各合成用コード画像を準備するために各合成用コード画像が予め記憶される記憶部22及び制御部21は、「コード画像準備部」の一例に相当し得る。
【0099】
そして、上記第2決済表示アプリを起動することで制御部21にてなされる第2決済用表示処理では、予め決められた規定フレームレートにて各合成用コード画像P41~P43が表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。
【0100】
そして、本実施形態に係る情報コード読取装置30aの制御部31にてなされる決済用読取処理では、上記規定フレームレートに対応する所定の撮像間隔にて撮像部33により撮像を行い、この撮像で得られた各合成用コード画像を上記所定の規則に基づいて合成する合成処理を行うことで読み取るべき情報コードが復元される。なお、本実施形態では、上記所定の規則に関する情報が情報コード読取装置30aの記憶部32に予め記憶されているものとする。
【0101】
このため、上記規定フレームレートにて合成用コード画像P41~P43がサイクリックに表示されている表示画面を上記所定の撮像間隔にて撮像している場合には、上記所定の規則に基づいて、合成用コード画像P41の第1の合成用コードC41の3k+1番目のデータブロックと、合成用コード画像P42の第2の合成用コードC42の3k+2番目のデータブロックと、合成用コード画像P43の第3の合成用コードC43の3k+3番目のデータブロックとを利用した合成処理により、元コードCaを合成することができる。このように合成された元コードCaを解読するための解読処理がなされることで、元コードCaに記録される所定の情報が読み取られる。なお、上記合成処理を行う制御部31は、「合成部」の一例に相当し、上記解読処理を行う制御部31は、「解読部」の一例に相当し得る。
【0102】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取システム10aでは、情報コード表示装置20aにおいて、コード領域内に配置される明色系セル及び暗色系セルを利用して所定の情報が記録される情報コード(Ca)を元に、所定の規則に基づいて、一部のセルが置換されて生成される合成用コード画像(P41~P43)が、置換対象となる置換セル領域の位置を変えることで複数種類準備されて、このように準備された複数種類の合成用コード画像が表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。そして、情報コード読取装置30aでは、所定の撮像間隔にて表示画面が撮像されて、このように撮像した複数の撮像画像から上記所定の規則に基づいて合成された1つの情報コードが解読処理により解読される。
【0103】
これにより、情報コード読取装置30aでは、上記所定の規則に基づいて、各合成用コード画像のそれぞれの置換対象でないセルから1つの情報コードを解読可能に合成することができる。すなわち、情報コード読取装置30aでは、情報コード表示装置20aにて合成用コード画像がサイクリックに表示される表示画面を撮像することで、1つの情報コードを読み取ることができる。一方、情報コード表示装置20aの表示画面を単に撮影しても、1つの合成用コード画像が撮像されるだけで、所定の情報が記録される情報コードが撮像されることもないので、情報コードの複製を防止することができる。また、仮に、情報コード表示装置20aの表示画面を複数回撮影することで全ての合成用コード画像が撮像されたとしても、上記所定の規則を利用しなければ所定の情報が記録される情報コードを解読可能に合成することができない。したがって、画面表示される情報コードの不正使用(複製)を防止することができる。
【0104】
そして、置換セル領域となる他のデータブロックのダミーセルは、図20に例示する市松模様のパターンのように、コード領域に対応する所定のセルパターンの一部を構成する。これにより、例えば、白セルのみからなる置換セル領域等のために各合成用コード画像の外形が不鮮明になることを防止することができる。
【0105】
また、所定の情報が記録される情報コードは、そのコード領域の一部が所定数のセルからなるデータブロックを複数配置して構成され、上記置換セル領域は、図19からわかるように、データブロック単位で設定される。そして、上記所定の規則は、同じ位置となるデータブロックに関して、複数種類の合成用コード画像の1つがコード領域のセル配置と同じになり、残りが置換セル領域となるように設定される。
【0106】
このように、各合成用コード画像におけるそれぞれの置換セル領域がデータブロック単位で設定されることで、合成に不要となる置換セル領域と合成に必要なセル領域とを区分けしやすくなるので、合成処理時の処理負荷を軽減することができる。
【0107】
本実施形態の変形例として、合成用コード画像は、その画像が何番目かを示す情報等を含めた上記所定の規則に関する情報が、それぞれ個別に含まれるように生成されてもよい。例えば、図23(A)~(C)に示す合成用コード画像P51~P53における合成用コードC51~C53のように、誤り訂正能力を備えたQRコードのフォーマット情報領域に相当する領域Cfに、それぞれ何番目かを示す情報等を含めた上記所定の規則に関する情報を個別に記録することで、元コードをより正確に合成することができる。特に、この構成では、情報コード読取装置30aが上記所定の規則に関する情報を予め取得する必要もないため、情報コードごとに上記所定の規則を変えることもできるので、システムとして利便性を高めつつセキュリティ性を向上させることができる。
【0108】
なお、本実施形態及び変形例では、3つの合成用コード画像がサイクリックに画面表示されることに限らず、2つの合成用コード画像又は4つ以上の合成用コード画像がサイクリックに画面表示されてもよい。また、置換セル領域は、データブロック単位で設定されることに限らず、上記所定の規則から特定可能な任意の範囲に設定されてもよい。
【0109】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第5実施形態では、複数種類の合成用コード画像に加えて、判定用コードの画像が、表示部の表示画面にサイクリックに表示される点が、上記第4実施形態と主に異なる。したがって、第4実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0110】
本実施形態では、図24からわかるように、データブロックごとにコード領域のセル配置と同じであるか否かについて判定するためのパリティ値(判定用情報)を記録した判定用コードが生成されて、この判定用コードの画像が複数種類の合成用コード画像に加えて表示部の表示画面にサイクリックに表示される。
【0111】
例えば、データブロックを構成する暗色系セルの個数に1足した値を、そのデータブロックに対応するパリティ値として、判定用コードを生成することができる。この場合、4つの暗色系セルと4つ明色系セルとから構成されるデータブロックでは、パリティ値が「5」に設定される。このため、元コードを合成した後、データブロックごとに、そのデータブロックを構成する暗色系セルの個数に1足した値と、判定用コードから読み取ったそのデータブロックに対応するパリティ値とを比較して、両者が一致しないデータブロックを誤読の可能性が高いデータブロックとすることができる。
【0112】
このように、本実施形態では、撮像された判定用コードから読み取ったパリティ値(判定用情報)を利用することで、合成された元コードに関してデータブロックごとに正しく合成されているか判定することができる。このため、例えば、同じでないと判定されたデータブロックを誤り訂正に利用しないことで誤り訂正能力が強化されるので、読み取りやすさを向上させることができる。
【0113】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係る情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第6実施形態では、複数の元コードからそれぞれ生成した複数種類の合成用コード画像がそれぞれ表示部の表示画面にサイクリックに表示される点が、上記第4実施形態と主に異なる。したがって、第4実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0114】
本実施形態では、情報コード表示装置20aにて、第1の情報が記録される第1の情報コードの画像から当該第1の情報コードのコード領域を構成する一部のセル領域が上記所定の規則に対応するようにそれぞれ個別に置換された複数種類の第1の合成用コード画像が準備されるとともに、第2の情報が記録される第2の情報コードの画像から当該第2の情報コードのコード領域を構成する一部のセル領域が上記所定の規則に対応するようにそれぞれ個別に置換された複数種類の第2の合成用コード画像が準備される。このように準備された複数種類の第1の合成用コード画像と複数種類の第2の合成用コード画像とが表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。そして、情報コード読取装置30aでは、撮像部33により撮像された複数の撮像画像から上記所定の規則に基づいて第1の情報コードと第2の情報コードとがそれぞれ合成される。
【0115】
例えば、図25に示すように、第1の元コードCa1から生成される3つの合成用コード画像Pa1~Pa3と第2の元コードCa2から生成される3つの合成用コード画像Pa4~Pa6とが準備される場合、6つの合成用コード画像Pa1~Pa6が表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。このため、情報コード読取装置30aでは、撮像部33により撮像された複数の撮像画像から上記所定の規則に基づいて第1の元コードCa1と第2の元コードCa2とを合成でき、これら第1の元コードCa1及び第2の元コードCa2からそれぞれ第1の情報及び第2の情報をそれぞれ読み取ることができる。
【0116】
このように、情報コード読取装置30aでは、表示部24の表示画面にサイクリックに表示される各合成用コード画像を撮像することで、2つの情報(第1の情報及び第2の情報)を読み取ることができるので、画面表示される情報コードの不正使用(複製)を防止しつつ、読み取り可能な情報量を増やすことができる。
【0117】
なお、2つの元コード(Ca1,Ca2)からそれぞれ生成した複数種類の合成用コード画像(Pa1~Pa6)がそれぞれ表示部24の表示画面にサイクリックに表示されることに限らず、3つ以上の元コードからそれぞれ生成した複数種類の合成用コード画像がそれぞれ表示部24の表示画面にサイクリックに表示されてもよい。このような場合には、情報コード読取装置30aでは、上記3つ以上の元コードからそれぞれ情報を読み取ることができ、読み取り可能な情報量をさらに増やすことができる。
【0118】
[第7実施形態]
次に、第7実施形態に係る情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第7実施形態では、コード領域のうちセルの置換対象となる所定の合成用領域において、同じ位置となるセルに関して、複数種類の合成用コード画像のそれぞれのセルの明暗及び所定の規則から求められる明暗と、元コードのセルの明暗とが一致するように、複数種類の合成用コード画像がそれぞれ生成されて準備される点が、上記第4実施形態と主に異なる。したがって、第4実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0119】
本実施形態では、上記データ記録領域がセルの置換対象となる所定の合成用領域に設定されており、この所定の合成用領域において、各合成用コード画像のセルの明暗及び所定の規則から求められる明暗と、元コードのセルの明暗とが一致するように、各合成用コード画像がそれぞれ生成される。
【0120】
具体的には、本実施形態では、図26(A)に示すQRコードを元コードCbとするとき、上記所定の規則に対応して、図27(A)~(C)に例示するように、同じコードサイズかつ同じセルサイズとなる3つの合成用コードC61~C63の合成用コード画像P61~P63が準備される。図27(A)~(C)の例では、上記所定の規則として、各合成用コードにおいて同じ位置となるセルに関して、明色系セルとなる合成用コードの数と暗色系セルとなる合成用コードの数とを比較した際に、数が多い方のセルの明暗に元コードのセルの明暗が一致する規則が採用される。
【0121】
このため、元コードCbのセルが明色系となるセルの位置では、2つ又は全ての合成用コードで明色系セルとなり、元コードCbのセルが暗色系となるセルの位置では、2つ又は全ての合成用コードで暗色系セルとなる。なお、図26(B)では、全ての合成用コードで明色系セルとなる元コードCbのセルを白セルにて図示し、2つの合成用コードで明色系セルとなり残りの1つの合成用コードで暗色系セルとなる元コードCbのセルをハッチングのセルにて図示している。また、2つの合成用コードで暗色系セルとなり残りの1つの合成用コードで明色系セルとなる元コードCbのセルをクロスハッチングのセルにて図示し、全ての合成用コードで暗色系セルとなる元コードCbのセルを黒セルにて図示している。
【0122】
このように、情報コード表示装置20aでは、上記所定の規則に基づいて、各合成用コード(C61~C63)が生成されて、合成用コードごとに合成用コード画像(P61~P63)が予め準備されて記憶部22に記憶される。そして、上記第2決済表示アプリを起動することで制御部21にてなされる第2決済用表示処理では、予め決められた規定フレームレートにて各合成用コード画像(P61~P63)が表示部24の表示画面にサイクリックに表示される。
【0123】
そして、本実施形態に係る情報コード読取装置30aの制御部31にてなされる決済用読取処理では、上記規定フレームレートに対応する所定の撮像間隔にて撮像部33により撮像を行い、この撮像で得られた各合成用コード画像を上記所定の規則に基づいて合成する合成処理を行うことで読み取るべき情報コードが復元される。なお、本実施形態では、上記所定の規則に関する情報が情報コード読取装置30aの記憶部32に予め記憶されているものとする。
【0124】
このため、上記規定フレームレートにて合成用コード画像P61~P63がサイクリックに表示されている表示画面を上記所定の撮像間隔にて撮像している場合には、上記所定の規則に基づいて、2つ以上の合成用コードで明色系セルとなる位置のセルが明色系となり、2つ以上の合成用コードで暗色系セルとなる位置のセルが暗色系となるように、合成処理がなされて、元コードCaが合成される。
【0125】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取システム10aでは、コード領域のうちセルの置換対象となる所定の合成用領域において、同じ位置となるセルに関して、複数種類の合成用コード画像(P61~P63)のそれぞれのセルの明暗及び上記所定の規則から求められる明暗と、元コード(Cb)のセルの明暗とが一致するように、複数種類の合成用コード画像がそれぞれ生成されて準備される。
【0126】
これにより、情報コード読取装置30aでは、上記所定の合成用領域における各合成用コード画像の各セルの明暗及び上記所定の規則に基づいて、上記情報コードを解読可能に合成することができる。一方、仮に、情報コード表示装置20aの表示画面を複数回撮影することで全ての合成用コード画像が撮像されたとしても、上記所定の規則を利用しなければ所定の情報が記録される情報コードを解読可能に合成することができないので、画面表示される情報コードの不正使用(複製)を防止することができる。
【0127】
なお、上記所定の規則は、上述したように単純なセル数の多数決を利用するように設定されることに限らず、例えば、各合成用コードにおいて同じ位置となるセルの明暗に関する論理和(OR)や排他的論理和(XOR)を利用するように設定されてもよいし、一部の合成用コードの論理和の結果と残部の合成用コードとの排他的論理和を利用するように設定されてもよい。また、セルの置換対象となる所定の合成用領域は、上記データ記録領域となるように設定されることに限らず、上記データ記録領域の一部となるように設定されてもよい。この場合、各合成用コードは、上記所定の合成用領域以外に配置されるセルが全て同じ明暗配列となるようにそれぞれ生成される。
【0128】
本実施形態の変形例として、情報コード表示装置20aでは、図28(A)~(D)に例示するように、複数種類の合成用コード画像(P61~P63)に加えて、上記所定の規則に関する情報を記録した他の情報コードCcの画像P64が、表示部24の表示画面にサイクリックに表示されてもよい。
【0129】
これにより、情報コード読取装置30aでは、複数種類の合成用コード画像とともに撮像された上記他の情報コードCcから上記所定の規則を読み取ることができる。このため、情報コード読取装置30aが上記所定の規則に関する情報を予め取得する必要もなく、情報コードごとに上記所定の規則を変えることもできるので、システムとして利便性を高めつつセキュリティ性を向上させることができる。なお、上記他の情報コードCcは、セキュリティ性を向上させるために、図28(D)に示すように、各合成用コードと同じコードサイズかつセルサイズのQRコードによって生成されてもよいし、各合成用コードとの区別を容易にするためにデータマトリックスコードやマキシコード等の他の種別の情報コードによって生成されてもよい。
【0130】
なお、上記所定の規則に関する情報を記録した他の情報コードの画像が各合成用コード画像とともにサイクリックに画面表示される構成は、上記第4実施形態等にも適用することができる。
【0131】
また、本実施形態等においても、誤り訂正能力を備えたQRコードのフォーマット情報領域に相当する領域Cf等を利用することで、各合成用コード画像は、上記所定の規則に関する情報等がそれぞれ個別に含まれるように生成されてもよい。このようにしても、情報コード読取装置30aが上記所定の規則に関する情報を予め取得する必要もなく、情報コードごとに上記所定の規則を変えることもできるので、システムとして利便性を高めつつセキュリティ性を向上させることができる。
【0132】
[第8実施形態]
次に、第8実施形態に係る情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第8実施形態では、セルの置換対象となる所定の合成用領域が複数設定されて、セル置換に関する上記所定の規則が所定の合成用領域ごとに異なる点が、上記第7実施形態と主に異なる。したがって、第7実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0133】
具体的には、図29に示す元コードCbのように、例えば、上記データ記録領域に対して3つの合成用領域E1,E2,E3が設けられて、合成用領域E1におけるセル置換に関する規則と、合成用領域E2におけるセル置換に関する規則と、合成用領域E3におけるセル置換に関する規則とがそれぞれ異なる。この場合には、例えば、合成用領域E1の規則に関して単純なセル数の多数決を利用するように設定し、合成用領域E2の規則に関して論理和(OR)を利用するように設定し、合成用領域E3の規則に関して排他的論理和(XOR)を利用するように設定することができる。
【0134】
このように、複数設定された合成用領域ごとにセル置換に関する規則がそれぞれ異なるように設定されることで、1つの合成用領域に対して設定される所定の規則が不正に取得されたとしても、他の所定の規則や当該他の所定の規則が設定される合成用領域に関する情報まで取得しなければ所定の情報が記録される元コードを解読可能に合成することができない。したがって、画面表示される情報コードに関してセキュリティ性をより一層向上させることができる。
【0135】
なお、本実施形態においても、セル置換に関するそれぞれの規則に関する情報を記録した他の情報コードの画像が各合成用コード画像とともにサイクリックに画面表示されてもよい。また、誤り訂正能力を備えたQRコードのフォーマット情報領域に相当する領域Cf等を利用することで、各合成用コード画像は、セル置換に関するそれぞれの規則に関する情報等がそれぞれ個別に含まれるように生成されてもよい。
【0136】
また、合成用領域は、上記データ記録領域に対して上述したように3つ設けられることに限らず、データ記録領域の少なくとも一部に対して2つ又は4つ以上設けられてもよい。
【0137】
なお、本発明は上記各実施形態及び変形例等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)情報コード読取装置30は、タブレット端末等によって構成されることに限らず、情報コードを読み取る専用の読取装置、例えば、表示画面を有しないハンディスキャナ等によって構成されてもよい。
【0138】
(2)情報コード読取装置30に送信する第2の規則に、上記所定の期間に対応する有効期限に関する情報を含め、情報コード読取装置30にて第2の規則の受信後に有効期限が経過すると、情報コード読取装置30がサーバ40に対して再び第2の要求を行うように運用してもよい。
【0139】
(3)本発明は、上述したように、購入者側の情報コード表示装置20の表示画面を店舗側の情報コード読取装置30に読み取らせることで決済を行うCPM(Consumer Presented Mode)型の決済システムに採用されることに限らず、店舗側の情報コード表示装置20の表示画面を購入者側の情報コード読取装置30に読み取らせることで決済を行うMPM(Merchant Presented Mode)型の決済システムに採用されてもよい。
【0140】
(4)本発明は、情報コードを利用した決済システムに採用されることに限らず、情報コード表示装置20から情報コード読取装置30に対して情報コードの読み取りを利用して情報を伝達するシステムに採用してもよい。
【0141】
(5)上記第1実施形態等において、合成元となる情報コードCは、QRコードとして構成されることに限らず、暗色系セル及び明色系セルを有する他のコード種別の情報コード、例えば、データマトリックスコード、マキシコード等の二次元コードとして構成されてもよいし、バーコード等の一次元コードとして構成されてもよい。
【0142】
(6)上記第1実施形態等において、第1の要求に応じてサーバ40にて設定される第1の規則として、情報コードを分割する分割数とその分割位置、フレームレートの3種類が選択可能に用意されることに限らず、情報コードの表示に関する他の要素等が選択可能に用意されてもよい。この場合、サーバ40では、第2の規則も、第1の規則に応じて選択するように設定することができる。
【0143】
(7)上記第3実施形態等において、サイクリックに表示する情報コードは、それぞれQRコードとして構成されることに限らず、暗色系セル及び明色系セルを有する他のコード種別の情報コード、例えば、データマトリックスコード、マキシコード等の二次元コードとして構成されてもよいし、バーコード等の一次元コードとして構成されてもよい。
【0144】
(8)上記第3実施形態等において、第1の要求に応じてサーバ40にて設定される第1の規則として、情報コード表示数及びフレームレートの2種類が選択可能に用意されることに限らず、情報コードの表示に関する他の要素等が選択可能に用意されてもよい。この場合、サーバ40では、第2の規則も、第1の規則に応じて選択するように設定することができる。
【0145】
(9)情報コードC等を構成するセルは、明色系セル及び暗色系セルによって構成されることに限らず、複数種類のカラーセルによって構成されてもよい。
【符号の説明】
【0146】
10,10a…情報コード読取システム
20,20a…情報コード表示装置
21…制御部(一部コード画像準備部,判定部,生成部)
22…記憶部(一部コード画像準備部)
24…表示部
26…通信部(表示側通信部)
30,30a…情報コード読取装置
31…制御部(合成部,解読部)
32…記憶部
33…撮像部
34…表示部(報知部)
36…通信部(読取側通信部)
40…サーバ
41…制御部(設定部)
43…通信部(サーバ側通信部)
C…情報コード
Ca,Cb…元コード
C11~C13,C21~C24,C31~C33…一部コード
C41~C43,C51~C53,C61~C63…合成用コード
P11~P13,P21~P24,P31~P33…一部コード画像
P41~P43,P51~P53,P61~P63…合成用コード画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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