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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】電波センサおよび照明器具
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20240529BHJP
   G01S 7/03 20060101ALI20240529BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240529BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20240529BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20240529BHJP
【FI】
G01V3/12 A
G01S7/03 240
F21V23/00 110
F21V23/00 115
F21S9/02 200
F21Y103:00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021020009
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122644
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 将人
(72)【発明者】
【氏名】冨山 和也
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 重利
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-101550(JP,A)
【文献】特開2000-133040(JP,A)
【文献】特開2007-053009(JP,A)
【文献】実開平03-116578(JP,U)
【文献】特開2019-207777(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0141818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 3/12
G01S 7/00 - 7/42
F21V 23/00 - 99/00
F21S 9/00 - 9/04
H01R 13/56 - 13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ基板と;
前記センサ基板に対して接続される配線と;
爪部を備える第一面部と、前記第一面部に対して交差する方向に延びる第二面部と、前記第一面部と前記第二面部との間に位置し前記第一面部と前記第二面部とを離隔するとともに前記配線が挿通される隙間と、を有する第一ケース体と;
前記爪部が係止される受け部と、前記隙間に挿通された前記配線を引き出し可能な穴部と、を有し、前記第一ケース体の少なくとも一部を覆って前記第一ケース体に取り付けられ、前記第一ケース体との間に前記センサ基板を収容する第二ケース体と;
を備えることを特徴とする電波センサ。
【請求項2】
前記第二ケース体は、前記穴部から引き出された前記配線を支持する支持部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の電波センサ。
【請求項3】
前記第二ケース体は、被取付部に対して固定具により固定される固定部を有し、
前記支持部は、前記固定部から延出されて前記穴部の縁部をなしている
ことを特徴とする請求項2記載の電波センサ。
【請求項4】
前記配線を保持し、前記センサ基板に対して着脱可能なコネクタと;
前記センサ基板に対する前記コネクタの抜けを防止する抜止部と;
を備えることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の電波センサ。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか一記載の電波センサを備える
ことを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、センサ基板に対して配線が接続された電波センサおよびこれを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、階段の踊り場の設置面に設置され、階段や踊り場を照明する照明器具がある。このような照明器具には、階段を移動する人を検知する電波センサを備え、人等の移動体の検知に応じて調光制御する機能が備えられることがある。電波センサは、支持体とカバーとからなる合成樹脂製のケースの内部にセンサ基板が収容され、センサ基板に接続された配線が制御ユニットへと接続される。このような電波センサの場合、組み立てを容易にすること、および、電波センサに接続される配線をケースの外部へと引き出しやすくすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-101550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、組み立てが容易で、かつ、配線を外部に引き出しやすい電波センサおよび照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電波センサは、センサ基板と、センサ基板に対して接続される配線と、第一ケース体と、第一ケース体との間にセンサ基板を収容する第二ケース体と、を備える。第一ケース体は、第一面部と、第二面部と、隙間と、を有する。第一面部は、爪部を備える。第二面部は、第一面部に対して交差する方向に延びる。隙間は、第一面部と第二面部との間に位置し第一面部と第二面部とを離隔するとともに配線が挿通される。第二ケース体は、受け部と、穴部と、を有し、第一ケース体の少なくとも一部を覆って第一ケース体に取り付けられる。受け部は、爪部が係止される。穴部は、隙間に挿通された配線を引き出し可能である。
【発明の効果】
【0006】
実施形態の電波センサによれば、組み立てが容易で、かつ、配線を外部に引き出しやすくすることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態を示す電波センサの分解斜視図である。
図2】同上電波センサの図1とは反対方向から示す分解斜視図である。
図3】同上電波センサの斜視図である。
図4】同上電波センサの図3とは反対方向から示す斜視図である。
図5】同上電波センサの断面図である。
図6】同上電波センサの図5と直交する方向の断面図である。
図7】同上電波センサの被取付部への第二ケース体の取付状態を示す斜視図である。
図8】同上電波センサを備える照明器具の壁面取付状態を示す斜視図である。
図9】同上照明器具の天井面取付状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態を、図1ないし図9を参照して説明する。
【0009】
図8および図9に照明器具10を示す。この照明器具10は、例えば、階段の踊り場の壁面または天井面等の設置面に設置され、階段や踊り場を照明するのに使用される階段灯である。さらに、この照明器具10は、階段を移動する人等の移動体の検知に応じて調光制御するとともに常用電源の停電時に非常用電源で点灯する非常用照明器具である。
【0010】
なお、図8には照明器具10が壁面に取り付けられる状態を示し、図9には照明器具10が天井面に取り付けられる状態を示すが、以下、照明器具10が壁面に取り付けられる状態を主として説明する。
【0011】
照明器具10は、幅方向に沿って長尺状に設けられている。照明器具10は、筐体11と、この筐体11の前面側に配置される主光源または常用光源である光源ユニット12および非常灯ユニット13と、筐体11内に配置される端子台、電源ユニット15(図7)、電波センサ16、センサ制御ユニット、非常用点灯ユニットおよびバッテリ等とを備えている。
【0012】
筐体11は、器具本体23、およびこの器具本体23の前面に着脱可能に取り付けられるカバー24を備えている。筐体11の前面には、短手方向の一方に向けて傾斜する傾斜面25が形成されている。
【0013】
器具本体23は、前面側が開口され、幅方向に沿って長尺状に形成されている。器具本体23の前面側で短手方向の一方である下側の領域に光源ユニット12および非常灯ユニット13が配置され、他方である上側の領域にカバー24によって開閉される前面開口が形成されている。器具本体23は、設置面から突出するボルトに対して取り付けられるもので、取付面となる背面部に設けられた取付孔に対し、ボルトを通し、ボルトの先端にナットを螺着して締め付けることにより、器具本体23が設置面に取り付けられる。
【0014】
また、カバー24は、前面部30、およびこの前面部30から折曲された側面部31を有している。カバー24は、前面部30で器具本体23の前面の開口を覆い、側面部31が器具本体23の上側の側面部に重なるように配置されるとともにねじ等によって器具本体23に着脱可能に取り付けられている。
【0015】
カバー24の前面部30には筐体11の前面の傾斜面25が形成されている。この傾斜面25は、光源ユニット12の光を反射する反射面としても機能する。本実施形態において、カバー24の側面部31は、その前端側が前面部30に向けて傾斜されているが、傾斜されている構成に限定されるものではない。
【0016】
光源ユニット12は、照明器具10の幅方向に沿って長尺状に設けられている。光源ユニット12は、シャーシ、このシャーシの前面に取り付けられる発光モジュール、発光モジュールを覆ってシャーシに取り付けられる透光カバー35を備え、器具本体23に対し取付ばねにより筐体11の前面の傾斜面25と平行に取り付けられる。
【0017】
非常灯ユニット13は、光源ユニット12の長手方向の両側に並ぶ位置で、器具本体23の前面に取り付けられている。非常灯ユニット13は、非常用光源37、およびこの非常用光源37を取り付けた非常用光源カバーおよび化粧枠である前面枠38を備えている。
【0018】
端子台は、器具本体23内に引き込まれる外部電源線が接続される。端子台は、電線である内部配線によって電源ユニット15(図7)、センサ制御ユニットおよび非常用点灯ユニットと電気的に接続されている。
【0019】
電源ユニット15(図7)は、一次側である外部電源入力部が端子台に内部配線によって電気的に接続され、二次側である点灯電源出力側が接続配線によって光源ユニット12に電気的に接続される。電源ユニット15(図7)は、端子台を通じて供給される交流電源等の外部電源を、光源ユニット12の発光モジュールの発光素子を点灯させるための直流電源等の点灯電源に変換して発光モジュールに供給する。
【0020】
電波センサ16は、検出電波を所定の検知範囲に送信し、送信した電波の移動体による反射波を受信して、照明器具10の前方域の検知範囲の移動体の有無を検出する。本実施形態において、電波センサ16は、人を検出する人感センサである。電波センサ16は、カバー24に形成されたセンサ孔40から前方に突出されている。また、電波センサ16は、器具本体内23内に引き込まれる外部電源線と干渉しないように構成されている。
【0021】
センサ制御ユニットは、端子台に内部配線によって電気的に接続され、外部電源の供給を受けて動作する。センサ制御ユニットは、電波センサ16と内部配線によって電気的に接続され、電波センサ16を制御して人等の移動体の存在を検知する。センサ制御ユニットは、電源ユニット15(図7)と内部配線によって電気的に接続され、電波センサ16による移動体の存在の検知に応じた調光信号等の制御信号を電源ユニット15(図7)に送る。
【0022】
非常用点灯ユニットは、端子台に内部配線によって電気的に接続され、外部電源の供給を受けて動作し、また、バッテリに内部配線によって電気的に接続され、バッテリの充放電を制御する。非常用点灯ユニットは、外部電源の停電を検知する停電検知回路、外部電源の供給時にバッテリを充電する充電回路、外部電源の停電時にバッテリの電源により非常用光源37に点灯電源を供給する非常用点灯回路等を備えている。さらに、非常用点灯ユニットは、非常用光源37およびバッテリを含む非常点灯の点検を指示する点検部42、およびこの点検指示によって点検モードを実行する点検回路等を備えている。
【0023】
点検部42は、カバー24に形成された点検窓43に対向して器具本体23に配設されており、点検リモコン等の端末から送信される赤外線信号等の無線信号を受信する受信部、点検結果を端末に送信する送信部、手動操作で点検を指示するための点検スイッチ、点検結果等を表示するモニタランプ等を備えている。そして、点検部42を介して、バッテリの電源によって非常用光源37が正常に点灯動作するかを定期的に点検可能となっている。
【0024】
また、バッテリは、充放電可能な蓄電池であり、内部配線によって非常用点灯ユニットに電気的に接続されている。
【0025】
次に、電波センサ16の構成について説明する。
【0026】
図1ないし図7に示す電波センサ16は、センサ基板45と、このセンサ基板45とセンサ制御ユニットとを電気的に接続するハーネス46と、センサ基板45を保持する第一ケース体である下部ケース47及びこの下部ケース47を保持する第二ケース体である上部ケース48を備えるケース49と、を有する。センサ基板45が、下部ケース47により一方向側から保持され、その反対方向である他方向側から上部ケース48により覆われる。以下、電波センサ16の説明においては、上記一方向を下側、他方向を上側とする。また、上下方向から見て、電波センサ16の長手方向を両側方向、その直交方向である短手方向を両端方向とする。図中では、上下方向を矢印D1、両側方向を矢印D2、両端方向を矢印D3として示す。
【0027】
センサ基板45は、基板本体50を備える。本実施形態において、基板本体50は、四角形平板状に形成されている。基板本体50の一主面50aには、アンテナ51が形成されている。アンテナ51には、電波の送信アンテナと受信アンテナとが対をなして設定されている。また、基板本体50の他主面50bには、アンテナ51と電気的に接続された回路部52と、回路部52と電気的に接続されハーネス46を着脱可能に受けるコネクタピンであるコネクタ受け部53と、が配置されている。基板本体50の長手方向の一端部に、基板本体50の短手方向に沿ってコネクタ受け部53が配設され、このコネクタ受け部53に隣接して、回路部52が配設されている。回路部52は、四角形状に形成され、基板本体50の他主面50bの大部分または過半を覆っている。
【0028】
センサ基板45は、本実施形態において、基板本体50の一主面50aを上側、他主面50bを下側としてケース49の内部に収容される。図示される例では、センサ基板45は、両側方向に長手状にケース49の内部に配置される。つまり、センサ基板45の基板本体50の長辺が両側方向に沿い、短辺が両端方向に沿う。
【0029】
ハーネス46は、複数の配線55と、これら配線55を保持するコネクタ56と、これら配線55をまとめるスリーブであるチューブ57と、を有する。
【0030】
配線55は、コネクタ56の端子に対して一端部がそれぞれ電気的および機械的に接続される。配線55は、コネクタ56がコネクタ受け部53に対して機械的に接続されることでセンサ基板45の回路部52に対して電気的に接続される。
【0031】
コネクタ56は、扁平な直方体状に形成されている。コネクタ56は、一端部である上端部がコネクタ受け部53に着脱可能に接続可能であり、コネクタ受け部53に対して接続された状態で、センサ基板45の他主面50bの面方向にて下方に延びて位置する。また、コネクタ56の他端部である下端部から配線55が導出されている。また、コネクタ56は、配線55の本数に対して端子数が多く設定されている。そのため、コネクタ56には、配線55が接続される端子と、配線55が接続されない、つまり余っている端子と、が設定されている。本実施形態において、コネクタ56の他端部には、配線55が隣接して配置される配置領域56aと、配線55が配置されていない非配置領域56bと、が互いに隣接して設定されている。非配置領域56bは、配線55が配置されていない平面状の領域である。
【0032】
チューブ57は、長尺の円筒状に形成されている。チューブ57の内部に各配線55が挿通され、このチューブ57を介して各配線55の他端部側がケース49の外部に導出される。チューブ57には、このチューブ57をケース49(下部ケース47)に対して抜け止めする抜止体58が取り付けられている。抜止体58は、円環状に形成され、チューブ57の外周を囲んでいる。
【0033】
下部ケース47は、例えばポリカーボネート等の合成樹脂により形成されている。下部ケース47は、上側に位置する第一部分60と、下側に位置する第二部分61と、を一体的に有する。下部ケース47は、下部が開放されて形成されている。
【0034】
第一部分60は、センサ基板45を支持する基板支持部63を有する。基板支持部63は、上部が平面状に形成され、センサ基板45の回路部52が上部に重ねられる。また、基板支持部63の下部には、補強用のリブ64が例えば十字状に形成されている。基板支持部63は、センサ基板45とその下方の空間とを仕切る仕切り部となっている。基板支持部63は、四角形状に形成されている。基板支持部63の一の長辺と両短辺とに沿う位置に、端壁部66と側壁部67,67とが形成されている。端壁部66と側壁部67とは、上方又は下方から見てコ字状に連なって形成されている。端壁部66と側壁部67,67との上端部には、センサ基板45の上部の位置を規制する規制部69が爪状にそれぞれ形成されている。
【0035】
端壁部66と一方(図1図2図5中の右側)の側壁部67とは、基板支持部63の一の長辺と一の短辺とに連なって形成されている。他方(図1図2図5中の左側)の側壁部67は、基板支持部63の他の短辺に対して離れて位置している。そのため、基板支持部63と他方の側壁部67との間には、配置空間71が形成されている。配置空間71は、基板支持部63の上方のセンサ基板45が位置する空間とその下方の空間とを連通する。配置空間71には、センサ基板45のコネクタ受け部53に接続されたハーネス46のコネクタ56が位置する。
【0036】
基板支持部63の他の短辺の位置には、他方の側壁部67に対向して下方に延びる延出部73が一体的に形成されている。延出部73には、コネクタ56を抜け止めする抜止部75が形成されている。抜止部75は、コネクタ56の下端部の位置を規制することにより、コネクタ56がセンサ基板45のコネクタ受け部53に対して下方に抜けることを防止する。本実施形態において、抜止部75は、延出部73に形成された突起部77と、延出部73と他方の側壁部67との間を連結する連結部78と、を有する。
【0037】
突起部77は、延出部73からその対向する他方の側壁部67に向かって突出する。したがって、突起部77は、配置空間71の両側方向の幅を狭めるように形成されている。突起部77は、延出部73の先端部である下端部に形成され、コネクタ56の下端部に対向して位置する。
【0038】
連結部78は、延出部73と他方の側壁部67とに亘り、直線状に延びて形成されている。連結部78は、配置空間71の両端方向の幅を狭めるように形成されている。図4に示すように、連結部78は、延出部73の下端部と他方の側壁部67の下端部との間に亘り形成され、コネクタ56の下端部にて非配置領域56bに対向して位置する。
【0039】
図1図2図5および図6に示すように、第二部分61は、第一部分60の端壁部66と側壁部67,67とに対して外側に段差状に突出する拡大部80を上端部に備えている。拡大部80には、第一面部81と、第二面部82と、第三面部83と、が下方に延びて形成されている。
【0040】
第一面部81は、拡大部80に対し、両端方向の一側に位置する。第一面部81は、端壁部66に対して、両端方向の一側に離れた位置で、端壁部66と略平行に位置する。すなわち、第一面部81は、上下方向および両側方向に面を有し、厚み方向が両端方向となる板状に形成されている。第一面部81は、基板支持部63側となる基端部である上端部が固定端であり、先端部である下端部が自由端となっている。第一面部81は、舌片状に形成されている。第一面部81には、下部ケース47を上部ケース48に対して係止する爪部81aが形成されている。本実施形態において、爪部81aは、第一面部81の上下方向の中央部に対して下端部寄りに配置されている。爪部81aは、第一面部81からの突出量が下側ほど大きくなる三角形状の断面を有する。本実施形態において、第一面部81は、両側方向に互いに離れて一対形成されている。
【0041】
第二面部82は、拡大部80に対し、両側に位置する。第二面部82は、側壁部67,67に対して、両側方向に離れた位置で、側壁部67,67と略平行に位置する。すなわち、第二面部82は、上下方向および両端方向に面を有し、厚み方向が両側方向となる板状に形成されている。第二面部82は、第一面部81に対して交差する方向に延びている。第二面部82は、基板支持部63側となる基端部である上端部が固定端であり、先端部である下端部が自由端となっている。第二面部82と第一面部81との間には、隙間85が形成されている。第一面部81の側縁部に対し、第二面部82の端縁部が両端方向の一側にオフセットされている。隙間85により、第一面部81と第二面部82とが両端方向に離れて位置している。一方の隙間85には、ハーネス46のチューブ57が挿通される。したがって、一方の隙間85により、配線55が下部ケース47の外部へと引き出し可能となっている。
【0042】
第三面部83は、拡大部80に対し、両端方向の他側に位置する。つまり、第三面部83は、第二面部82を基準として、両端方向にて第一面部81とは反対側に位置する。第三面部83は、側壁部67,67の両端方向の縁部近傍から下方に延びる。第三面部83は、第一面部81と同様に、上下方向および両側方向に面を有し、厚み方向が両端方向となる板状に形成されている。第三面部83は、舌片状に形成されている。第三面部83には、上部ケース48に対して嵌合可能な嵌合部83aが形成されている。本実施形態において、嵌合部83aは、第三面部83の下端部から外側、すなわち第一面部81とは反対側に延出されている。第三面部83と第二面部82との間には、隙間86が形成されている。隙間86により、第一面部81と第二面部82とが互いに離隔されている。第三面部83の側縁部に対して、第二面部82の端縁部が両端方向の他側にオフセットされている。隙間86により、第三面部83と第二面部82とが両端方向に離れて位置している。本実施形態において、第三面部83は、両側方向に互いに離れて一対形成されている。
【0043】
上部ケース48は、例えばポリカーボネート等の合成樹脂により形成されている。上部ケース48は、状面部であるアンテナ面88と、このアンテナ面88の外縁部から下方へと延びる両端面部89および両側面部90と、を有し、下部ケース47と対向する下方が開口された四角形箱状に形成された上蓋である。アンテナ面88は、センサ基板45の基板本体50の一主面50a側、つまりアンテナ51が配置されている側に対向する。アンテナ面88の位置において、上部ケース48の厚みが上部ケース48の他の部分よりも厚く形成されている。
【0044】
一方の端面部89は、上下方向の中央部に段差状に拡大された端面拡大部89aを有して形成されている。一方の端面部89には、下部ケース47の爪部81aが爪嵌合される受け部89bが形成されている。受け部89bは、一方の端面部89を厚み方向に貫通する孔であり、上下方向に長手状のスリットとして形成されている。受け部89bは、端面拡大部89aから一方の端面部89の下端部近傍に亘り形成されている。
【0045】
また、他方の端面部89のアンテナ面88と反対側の下端部には、下部ケース47の嵌合部83aが嵌合される凹部89cが形成されている。本実施形態において、凹部89cは、嵌合部83aに対応して、他方の端面部89の両側部にそれぞれ切り欠き形成されている。
【0046】
図7に示すように、各側面部90には、上部ケース48すなわち電波センサ16を器具本体23に固定するための固定部92がそれぞれ形成されている。固定部92は、側面部90から外方へと突出している。固定部92は、両側方向および両端方向に面を有し、厚み方向が上下方向となる板状に形成されている。固定部92は、両端方向に長手状に形成されている。固定部92には、ねじ等の固定具が挿入される挿入孔92aが形成されている。固定部92は、器具本体23に形成された取付金具等の被取付部93に重ねられ、挿入孔92aに挿入された固定具を締め付けることで、被取付部93(器具本体23)の取付面に固定されるようになっている。
【0047】
また、固定部92と側面部90とに亘り、補強部94が一体的に形成されている。補強部94は、固定部92の外面と側面部90の上面とを連結する三角形状のリブである。補強部94は、固定部92毎に複数形成され、両端方向に他側に離れて位置する。本実施形態において、補強部94は、固定部92の長手方向の両端近傍に位置している。したがって、補強部94は、挿入孔92aを挟む位置に配置されている。
【0048】
そして、図1ないし図3に示すように、上部ケース48には、少なくとも一方の側面部90と一方の端面部89とが連なる位置に、穴部95が形成されている。穴部95は、ハーネス46すなわち配線55をケース49の内部から外部へと引き出し可能な部分である。穴部95は、一方の側面部90と一方の端面部89とが連なる位置の下端部を四角形状に切り欠いて形成されている。したがって、穴部95は、上部ケース48の下端の開口と連なっている。穴部95は、下部ケース47の一方の隙間85と対向し、この隙間85から引き出されたハーネス46のチューブ57を介して配線55を上部ケース48の外部に引き出し可能となっている。本実施形態において、穴部95と挿入孔92aとの間に、一の補強部94が配置されている。
【0049】
また、穴部95に臨んで、この穴部95から引き出された配線55(チューブ57)を支持する支持部96が形成されている。本実施形態において、支持部96は、一方の固定部92から延出されている。すなわち、支持部96は、一方の固定部92の一部として形成されている。また、支持部96は、穴部95の縁部をなしているとともに、一方の端面部89に対して離れている。したがって、穴部95は、一方の側面部90と一方の端面部89とに亘り開口されている。支持部96は、平面状に形成されている。図示される例では、支持部96は、一方の固定部92において、両端方向の一側から延出されている。したがって、一方の固定部92が他方の固定部92よりも両側方向に長く形成される。支持部96の先端部には、穴部95から引き出された配線55(チューブ57)の位置を規制する位置規制部96aが形成されている。位置規制部96aは、支持部96から上方に突出している。
【0050】
さらに、図2図5および図6に示すように、本実施形態において、上部ケース48の内部には、下部ケース47に被せる際のガイドとなるガイド部98が形成されている。図示される例では、ガイド部98は、他方の端面部89の内面に上下方向にリブ状に形成されている。
【0051】
また、本実施形態において、上部ケース48の内部には、下部ケース47を位置決めする位置決め部99が形成されている。図示される例では、位置決め部99は、下部ケース47を上部ケース48に対して両側方向に位置決めする第一位置決め部である両側位置決め部99aと、下部ケース47を上部ケース48に対して両端方向に位置決めする両端位置決め部99bと、を有する。両側位置決め部99aは、各側面部90にそれぞれリブ状に形成されている。両側位置決め部99aは、例えばアンテナ面88の背面側に連なって下方に延びている。また、両端位置決め部99bは、各端面部89にそれぞれ形成されている。
【0052】
そして、電波センサ16を組み立てる際には、まず、センサ基板45のコネクタ受け部53にハーネス46のコネクタ56を接続し、このセンサ基板45を、下部ケース47に対し、端壁部66とは反対側から、コネクタ56の位置を配置空間71に位置合わせしつつ、基板支持部63上に回路部52を重ねるように両側方向の他方から一方に向かってスライドさせて押し込むことにより、下部ケース47にセンサ基板45を保持する。
【0053】
この状態で、センサ基板45の位置は、規制部69によって上方に規制され、基板支持部63によって下方に規制され、側壁部67,67によって両側方向に規制され、端壁部66によって両端方向の一方側に規制される。また、ハーネス46のコネクタ56は、下端部の一側が下部ケース47の突起部77に対向し、非配置領域56bが下部ケース47の連結部78に対向する。このため、ハーネス46の引っ張りに対して、コネクタ56の下端部の一側が突起部77に当接し、また、非配置領域56bが連結部78に当接することで、コネクタ56のコネクタ受け部53からの外れが防止される。
【0054】
次いで、下部ケース47に対して上部ケース48を被せて上部ケース48を下方に押し込む。このとき、下部ケース47の爪部81aが上部ケース48の端面部89の内面と接触することで、隙間85によって第二面部82に対して板状に独立する第一面部81が弾性的に撓み、爪部81aが受け部89bの位置になると第一面部81が復帰変形し、爪部81aが受け部89bに爪嵌合される。下部ケース47に対する上部ケース48の押し込みは、ガイド部98によってガイドされ、下部ケース47の側壁部67、規制部69および拡大部80と上部ケース48の両側位置決め部99a、両端位置決め部99bおよび端面拡大部89aとが当接し、凹部89cに嵌合部83aが嵌合することで下部ケース47と上部ケース48との上下方向、両側方向および両端方向の相対的な位置が決まる。ハーネス46の配線55は、基板支持部63の下方の空間にてチューブ57に挿通されてまとめられ、このチューブ57が隙間85に嵌め込まれるとともに穴部95に挿通されて、配線55がチューブ57とともにケース49の外部へと導出される。ケース49の外部へと導出された配線55は、チューブ57を介して支持部96により支持され、位置規制部96aにより位置が規制される。また、チューブ57の外部の抜止体58が隙間85に対して下部ケース47の内方に位置することで、ケース49の外方への引っ張りに対して隙間85の位置で抜止体58が第一面部81および第二面部82に引っ掛かり、配線55自体、および、配線55とコネクタ56との接続部分への負荷が防止される。
【0055】
このように組み立てた電波センサ16は、カバー24を外した器具本体23に対して取り付けられる。図7に示すように、器具本体23の被取付部93の下方に向けて傾斜する取付面に対し、電波センサ16の上部ケース48の固定部92を重ね、挿入孔92aに挿入したねじ等の固定具を締め付けることで、上部ケース48が被取付部93に固定され、電波センサ16が器具本体23に取り付けられる。この状態で、電波センサ16は、下部ケース47が上部ケース48と被取付部93との間に収容され、下部ケース47、および、下部ケース47に保持されたセンサ基板45に対し、外部から直接アクセスすることができなくなる。また、各側面部90は、センサ孔40の縁部に近接して位置し、固定部92および補強部94は、センサ孔40の縁部よりも外方の位置でカバー24の背面に対向する位置となる。また、電波センサ16は、アンテナ面88が所定角度、本実施形態では例えば30°下方へ向き、上部ケース48の長手方向、つまりセンサ基板45の長手方向が左右方向に向くように支持される。
【0056】
電波センサ16のケース49の外部へと導出された配線55は、内部配線としてセンサ制御ユニットと機械的および電気的に接続される。
【0057】
そして、電波センサ16等を取り付けた照明器具10は、階段の踊り場の壁面や天井等の設置面に設置する。
【0058】
照明器具10に外部電源が供給されている通常時には、電源ユニット15が外部電源を所定の点灯電源に変換して光源ユニット12に供給する。これにより、光源ユニット12が点灯し、階段や踊り場を照明する。
【0059】
照明器具10の壁面取付時には、光源ユニット12は、器具本体23の下部側に配置されているとともに斜め下方に向けて傾斜されているため、照明器具10が設置された壁面の下部側や踊り場の床面等にも光が照射され、踊り場の足元付近が明るくなる効果がある。
【0060】
また、通常時において、センサ制御ユニットは、電波センサ16による人の検知の有無を監視し、人の検知に応じて電源ユニット15を制御し、光源ユニット12の明るさを自動制御する。センサ制御ユニットは、電波センサ16によって人を検知していないときには、光源ユニット12を消灯または光出力が低くなるように調光することにより、省エネルギ化を図り、一方、電波センサ16によって人を検知したときには、光源ユニット12を点灯または光出力が高くなるように調光する。
【0061】
また、通常時において、非常用点灯ユニットは、外部電源の供給を検知しており、この外部電源によってバッテリを充電する。このとき、非常用光源は消灯させている。
【0062】
そして、照明器具10への外部電源の供給が止まった停電時には、非常用点灯ユニットが外部電源の停電を検知し、バッテリの電源を所定の点灯電源に変換して非常用光源37に供給する。これにより、停電時には、光源ユニット12は消灯するが、非常用光源37が点灯し、階段や踊り場を照明する。
【0063】
照明器具10の壁面取付時には、非常用光源37は、器具本体23の下部側に配置されているとともに斜め下方に向けて傾斜されているため、照明器具10が設置された壁面の下部側や踊り場の床面等にも光が照射され、階段や踊り場の足元付近が明るくなる効果がある。
【0064】
また、非常用光源37は、器具本体23の両端側の2箇所に配設されているため、踊り場と上階とをつなぐ階段側、および踊り場と下階とをつなぐ階段側を、それぞれ適切に照明できる。
【0065】
このように、下部ケース47の第一面部81と第二面部82との間に隙間85を形成することで、上部ケース48を下部ケース47に組み付ける際に、第一面部81が隙間85によって撓みやすくなるので、第一面部81の爪部81aを上部ケース48の受け部89bに対して容易に爪嵌合させることができ、ケース49の組み立てが容易になる。また、隙間85には、センサ基板45に接続された配線55を挿通し、上部ケース48の穴部95から引き出すことにより、配線55を外部に引き出しやすくなる。したがって、隙間85は、ケース49の組み立てやすさと配線55の引き出しやすさとをそれぞれ向上させる、二つの役割を果たすことができる。
【0066】
穴部95から引き出された配線55を支持部96によって支持することで、配線55を安定した状態に保持できるため、電波センサ16を被取付部93に対して取り付けやすくできる。
【0067】
また、支持部96は、被取付部93に対して取り付けられる固定部92から延出されて穴部95の縁部をなすことで、固定部92の形状を利用して、支持部96を容易に形成可能となる。
【0068】
センサ基板45に対して着脱可能なコネクタ56を抜止部75によってセンサ基板45に対して抜け止めすることで、仮に配線55が引っ張られたときでも、コネクタ56がセンサ基板45から外れにくくできる。
【0069】
特に、電波センサ16のセンサ基板45のコネクタ受け部53は、一般的に部品仕様として予め決まっていることが多く、このようなコネクタ受け部53に適合するコネクタ56には、抜け止めするための機構等が設けられていない。そのため、下部ケース47に抜止部75を形成することにより、抜け止めするための機構を備えていないコネクタ56であっても、コネクタ受け部53から容易に外れにくくできる。
【0070】
しかも、コネクタ56は、必要な端子数に対して一つ以上の端子を余剰に備えるものを用いることで形成した非配置領域56bを抜止部75の連結部78に対向させることによって、抜け止めする構成を容易に形成できる。
【0071】
また、上部ケース48には、側面部90と固定部92とに亘り補強部94を形成することで、強度を確保できるとともに、電波センサ16を器具本体23の被取付部93に取り付けてカバー24により覆った状態で仮に爪部81aの劣化や破損によって上部ケース48と下部ケース47との係止が外れてしまった場合であっても、補強部94がセンサ孔40の縁部の背面側に当接することで、上部ケース48がセンサ孔40から脱落することを防止できる。
【0072】
なお、一実施形態において、電波センサ16は、照明器具10に用いるものとしたが、これに限らず、他の任意の機器に用いることが可能である。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
10 照明器具
16 電波センサ
45 センサ基板
47 第一ケース体である下部ケース
48 第二ケース体である上部ケース
55 配線
56 コネクタ
75 抜止部
81 第一面部
81a 爪部
82 第二面部
85 隙間
89b 受け部
92 固定部
93 被取付部
95 穴部
96 支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9