(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】学習支援システムおよび学習支援方法
(51)【国際特許分類】
G09B 5/06 20060101AFI20240529BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20240529BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20240529BHJP
【FI】
G09B5/06
G09B19/00 G
G06Q50/20
(21)【出願番号】P 2023204251
(22)【出願日】2023-12-01
【審査請求日】2023-12-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503128216
【氏名又は名称】株式会社フォーサイト
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩司
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-163854(JP,A)
【文献】特開2023-089080(JP,A)
【文献】特開2017-173546(JP,A)
【文献】特開2021-006894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00-9/56
G09B 17/00-19/26
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供する学習支援システムであって、
前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶する記憶部と、
前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定する設定部と、
前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成する生成部と、
前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力する出力部と、
前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示するプロフィール提示部と、
を有し、
前記受講者情報には、受講者が嗜好するものごとを示す受講者嗜好情報が含まれており、
前記内面的特徴情報には、アバター講師が嗜好するものごとを示す講師嗜好情報が含まれており、
前記設定部は、前記受講者嗜好情報に基づいて前記講師嗜好情報を設定する
、
学習支援システム。
【請求項2】
前記設定部は、前記受講者嗜好情報に示されたものごとと同じものごとを前記講師嗜好情報に設定し、
前記生成部は、前記受講者嗜好情報および前記講師嗜好情報に共通に設定されているものごとに関する話題の声かけのテキストデータを生成し、
前記出力部は、講義の前、合間、または後に前記声かけを出力する、
請求項
1に記載の学習支援システム。
【請求項3】
前記設定部は、前記受講者嗜好情報に示されたものごとと同じものごとを前記講師嗜好情報に設定し、
前記生成部は、前記受講者嗜好情報および前記講師嗜好情報に共通に設定されているものごとに関連付けた付加解説のテキストデータを生成し、
前記出力部は、前記付加解説を講義に挿入して出力する、
請求項
1に記載の学習支援システム。
【請求項4】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供する学習支援システムであって、
前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶する記憶部と、
前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定する設定部と、
前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成する生成部と、
前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力する出力部と、
前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示するプロフィール提示部と、
を有し、
前記受講者情報には、受講者の出身地を示す受講者出身地情報が含まれており、
前記内面的特徴情報には、アバター講師の仮想的な出身地を示す講師出身地情報が含まれており、
前記設定部は、前記受講者出身地情報に示された出身地と同じ出身地を前記講師出身地情報に設定し、
前記プロフィール提示部は、前記講師出身地情報に示された前記出身地を前記受講者に提示する
、
学習支援システム。
【請求項5】
前記内面的特徴情報には、アバター講師が話す言語体系を示す言語体系情報が含まれており、
前記設定部は、前記講師出身地情報に設定された出身地にて用いらている言語体系を前記言語体系情報に設定し、
前記生成部は、前記言語体系情報に示された言語体系によるテキストデータを生成する、
請求項
4に記載の学習支援システム。
【請求項6】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供する学習支援システムであって、
前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶する記憶部と、
前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定する設定部と、
前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成する生成部と、
前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力する出力部と、
前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示するプロフィール提示部と、
を有し、
前記受講者情報には、受講者の出身学校を示す受講者出身学校情報が含まれており、
前記内面的特徴情報には、アバター講師の仮想的な出身学校を示す講師出身学校情報が含まれており、
前記設定部は、前記受講者出身学校情報に示された出身学校と同じ学校を前記講師出身学校情報に設定し、
前記プロフィール提示部は、前記講師出身学校情報に示された前記学校を前記受講者に提示する
、
学習支援システム。
【請求項7】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供する学習支援システムであって、
前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶する記憶部と、
前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定する設定部と、
前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成する生成部と、
前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力する出力部と、
前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示するプロフィール提示部と、
を有し、
前記講義を受講する受講者を撮影するために取得された画像に基づいて、前記受講者が前記講義にどの程度集中しているかを所定期間毎に計測し、期間毎集中度として時系列に記録する集中判定部を更に有し、
前記設定部は、前記期間毎集中度に基づいて、前記アバター講師の外面的特徴または内面的特徴の少なくとも一方を修正する
、
学習支援システム。
【請求項8】
前記設定部は、前記期間毎集中度の時系列の経過に基づいて前記アバター講師の修正の要否を判定する、
請求項
7に記載の学習支援システム。
【請求項9】
前記集中判定部は、複数の受講者の集中度に基づいて、アバター講師毎の評価値を算出し、
前記設定部は、前記評価値に基づいて、現在のアバター講師よりも前記受講者の集中度が高まるようにアバター講師を修正する、
請求項
7に記載の学習支援システム。
【請求項10】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供する学習支援ための学習支援方法であって、
コンピュータが、
前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶し、
前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定し、
前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成し、
前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力し、
前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示する、
方法において、
前記受講者情報には、受講者が嗜好するものごとを示す受講者嗜好情報が含まれており、
前記内面的特徴情報には、アバター講師が嗜好するものごとを示す講師嗜好情報が含まれており、
前記コンピュータが、
前記受講者嗜好情報に基づいて前記講師嗜好情報を設定する、
学習支援システム。
【請求項11】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供するための学習支援方法であって、
コンピュータが、
前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶し、
前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定し、
前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成し、
前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力し、
前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示する、
方法において、
前記受講者情報には、受講者の出身地を示す受講者出身地情報が含まれており、
前記内面的特徴情報には、アバター講師の仮想的な出身地を示す講師出身地情報が含まれており、
前記コンピュータが、
前記受講者出身地情報に示された出身地と同じ出身地を前記講師出身地情報に設定し、
前記講師出身地情報に示された前記出身地を前記受講者に提示する、
学習支援方法。
【請求項12】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供するための学習支援方法であって、
コンピュータが、
前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶し、
前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定し、
前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成し、
前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力し、
前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示する、
方法において、
前記受講者情報には、受講者の出身学校を示す受講者出身学校情報が含まれており、
前記内面的特徴情報には、アバター講師の仮想的な出身学校を示す講師出身学校情報が含まれており、
前記コンピュータが、
前記受講者出身学校情報に示された出身学校と同じ学校を前記講師出身学校情報に設定し、
前記講師出身学校情報に示された前記学校を前記受講者に提示する、
学習支援方法。
【請求項13】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供するための学習支援方法であって、
コンピュータが、
前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶し、
前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定し、
前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成し、
前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力し、
前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示する、
方法において、
前記コンピュータが、
前記講義を受講する受講者を撮影するために取得された画像に基づいて、前記受講者が前記講義にどの程度集中しているかを所定期間毎に計測し、期間毎集中度として時系列に記録し、
前記期間毎集中度に基づいて、前記アバター講師の外面的特徴または内面的特徴の少なくとも一方を修正する、
学習支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計算機システムを利用して学習を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、映像と音声を含む講義を提供する学習システムが開示されている。学習システムは、講師を模した姿を有する仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義コンテンツを提供する。学習システムは、講義コンテンツの合間にアバター講師によって受講者に呼びかけ、また受講者の反応を検知することにより、アバター講師と受講者とのインタラクティブな疑似的対話を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現実の人間の講師が受講者に対して講義を行う学校、予備校、塾などにおいて、講義の内容だけでなく、講師の講義スタイルや講師自体のタイプが受講者の学習の効果に影響することが知られている。例えば、受講者の中には講師から褒められることが学力の向上につながる受講者もいれば講師から叱られることが学力の向上につながる受講者もいる。すなわち、褒めるタイプの講師が好適な受講者もいれば、叱るタイプの講師が好適な受講者もいる。また、受講者が講師に好感を持っていれば学習に対する意欲が高まり、学力が向上する場合がある。しかしながら、現実の人間の講師による個別指導であっても、全ての受講者にそれぞれ好適な講師を割り当てることは難しい。
【0005】
コンピュータを利用してアバター講師による映像と音声で講義を提供する学習システムにおいても、受講者に対して、その受講者にとって好適なアバター講師による講義を提供すれば、受講者の学習を効果的に支援できる。
【0006】
しかしながら、これまで、コンピュータを利用してアバター講師による映像と音声で講義を提供する学習システムにおいて、受講者に応じて好適なアバター講師を割り当てることについてほとんど検討がなされていない。
本開示に含まれるひとつの目的は、個々の受講者に好適なアバター講師によって講義を提供することを可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のひとつの実施態様による学習支援システムは、講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供する学習支援システムであって、前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶する記憶部と、前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定する設定部と、前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成する生成部と、前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力する出力部と、前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示するプロフィール提示部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示のひとつの態様のよれば、アバター講師の外面および内面の特徴を個々の受講者に適合させることにより個々の受講者に対して好適なアバター講師によって講義に関するコンテンツを提供することが可能となる技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態による学習支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】学習支援システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】アバター講師設定処理のフローチャートである。
【
図7】プロフィール情報のテーブルを示す図である。
【
図11】付加解説挿入処理のフローチャートである。
【
図12】第2の実施形態による学習支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
【0011】
本実施形態の学習支援システムは、講師を模した姿を有する仮想的な人物(以下「アバター講師」ともいう)により、受講者に、映像および音声で構成された講義コンテンツを提供する計算機システムである。また、学習支援システムは、講義コンテンツの提供における特定のタイミングでアバター講師から受講者に声かけを行い、受講者の学習効果を向上させる。
図1は、第1の実施形態による学習支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【0012】
図1を参照すると、学習支援システム10は、設定部11、生成部12、出力部13、プロフィール提示部14、および記憶部15を有している。記憶部15には、サービスを実行するのに必要な予め準備されたデータと、サービスの実行により登録された情報とが記録されている。また、設定部11、生成部12、出力部13、およびプロフィール提示部14はその処理がソフトウェアプログラムにより規定され、プロセッサがそのソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。各部、データおよび情報の詳細は後述する。
図2は、学習支援システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0013】
図2を参照すると、学習支援システム10は、サーバ20と、インターネット等の通信ネットワーク経由でサーバ20に接続可能なパーソナルコンピュータやスマートホン等の情報端末とで構成されている。受講者90は、情報端末30上のブラウザ33を用いてサーバ20に接続し、サーバ20から提供されるサービスを利用する。サービスは、学習に関連するコンテンツを提供するサービスである。サービスは
図1に示した各部により実現される。
【0014】
図2に示すように、サーバ20は、ハードウェアとして、処理装置21、メインメモリ22、記憶装置23、通信装置24、入力装置25、および表示装置26を有し、それらがバス27に接続されている。
【0015】
記憶装置23は、書込みおよび読み出しが可能にデータを記憶するものである。
図1に示した記憶部15はこの記憶装置23によって実現される。処理装置21は、記憶装置23に記憶されたデータをメインメモリ22に読み出し、メインメモリ22を利用してソフトウェアプログラムの処理を実行するプロセッサである。処理装置21によって、
図1に示した設定部11、生成部12、出力部13、プロフィール提示部14が実現される。通信装置24は、処理装置21にて処理された情報を有線または無線あるいはそれら両方を含む通信ネットワークを介して送信し、また通信ネットワークを介して受信した情報を処理装置21に伝達する。受信した情報は処理装置21にてソフトウェアの処理に利用される。入力装置25は、キーボードやマウスなどオペレータによる操作入力による情報を受け付ける装置であり、入力された情報は処理装置21にてソフトウェア処理に利用される。表示装置26は、処理装置21によるソフトウェア処理に伴って画像やテキストの情報をディスプレイ画面に表示する装置である。入力装置25および表示装置26は、主には、受講者90ではなく管理者(不図示)が利用するために設けられている。
【0016】
図1に戻り、記憶部15は、台本データD30と、受講者情報D10と、アバター講師情報D20とを予め記憶している。アバター講師情報D20には、内面的特徴情報D21、外面的特徴情報D22、およびプロフィール情報D23が含まれている。台本データD30として、学習すべき内容の単位毎に講義を収めたコンテンツの台本となるテキストデータが記録されている。台本データD30のテキストデータは一例として標準語で作成されている。受講者情報D10として、各受講者90のそれぞれに関する情報が記録されている。アバター講師情報D20として、各受講者90のそれぞれに対応するアバター講師に関する情報が記録されている。内面的特徴情報D21は、アバター講師の内面的な特徴を示し、外面的特徴情報D22は、アバター講師の外面的な特徴を示す。
図3は、受講者情報のテーブルを示す図である。
【0017】
受講者情報D10のテーブルには、各受講者90のそれぞれの受講者番号(No.)、氏名、出身地、出身学校、嗜好、希望講師方言、希望講義スタイルが登録されている。氏名は当該受講者90の氏名を示す。出身地は、当該受講者90の出身地を示す。出身学校は、当該受講者90の出身学校を示す。嗜好は、当該受講者90の嗜好を示す。希望講師方言は、当該受講者90がアバター講師に使ってほしいと希望する方言を示す。方言は、特定の地域で用いられている言語体系である。希望講義スタイルは、当該受講者90がアバター講師に希望する講義のスタイルを示す。例えば、受講者番号が1である受講者90は、氏名が「特許 一郎」であり、「愛知県名古屋市・・・」の出身であり、出身学校が「○○高校」であり、「ネコ」と「中日ドラゴンズ」を嗜好し、アバター講師に「名古屋弁」を使ってほしいと希望し、「叱って伸ばす」講義スタイルを希望している。
【0018】
設定部11は、各受講者90の受講者情報D10に基づいて、当該受講者90に対して講義を行うアバター講師の外面的特徴情報D22と内面的特徴情報D21とを設定する。
図4は、アバター講師設定処理のフローチャートである。
ステップS101にて、設定部11は、受講者90に対して講義を行うアバター講師の外面的特徴情報D22を設定する。
図5は、外面的特徴情報のテーブルを示す図である。
外面的特徴情報D22のテーブルには、各受講者90のそれぞれの受講者番号と、アバター講師の外面的特徴とが対応づけて記録されている。
外面的特徴には、容姿、声音、言語体系、および講義スタイルが含まれている。
【0019】
容姿は、アバター講師の容姿を表す情報であり、一例として予め準備された容姿の中から受講者90により選択された容姿が設定される。声音は、アバター講師が発する声音を表す情報であり、一例として予め準備された声音の中から受講者90により選択された声音が設定される。これにより受講者90が好む容姿および声音のアバター講師が設定される。
【0020】
言語体系は、アバター講師が講義および声かけに用いる言語体系を表す情報であり、受講者90の受講者情報D10における出身地、嗜好、および希望講師方言のひとつ以上を基に設定される。言語体系の設定方法は特に限定されないが、例えば、受講者90の出身地の方言が、名古屋弁、広島弁、関西弁、博多弁など広く知られた方言であれば、その方言をアバター講師の用いる言語体系に設定してもよい。また、受講者90の出身地に広く知られた方言がなければ、受講者情報D10の希望講師方言を、アバター講師の用いる言語体系に設定してもよい。また、受講者の嗜好に、イヌやネコのように、「今日は晴れだワン」や「今日は雨だニャン」といった擬音語や擬態語を語尾等に用いる言語体系(以下「動物ことば」ともいう)が広く知られている動物が含まれていれば、その動物ことばをアバター講師の用いる言語体系に設定してもよい。さらに、方言と動物ことばをミックスした言語体系を設定することも可能である。
【0021】
講義スタイルは、アバター講師による講義のスタイルを表す情報であり、例えば、叱って伸ばす講義スタイルと、褒めて伸ばす講義スタイルとがある。アバター講師の講義スタイルの設定方法は特に限定されないが、一例として、受講者90の受講者情報D10における希望講義スタイルと同じ講義スタイルが設定される。受講者自身が希望する講義スタイルが必ずしもその受講者に適した講義スタイルとは限らないが、少なくとも初期値として希望講義スタイルを設定すればよい。
【0022】
図5の例では、受講者番号が1である受講者90に対応づけられたアバター講師は、容姿として「アバターA」が設定され、声音として「ボイスa」が設定され、言語体系として「名古屋弁+ネコ言葉」が設定され、講義スタイルとして「叱って伸ばす」が設定されている。
図4に戻り、ステップS102にて、設定部11は、受講者90に対応するアバター講師の内面的特徴情報D21を設定する。
図6は、内面的特徴情報のテーブルを示す図である。
【0023】
内面的特徴情報D21のテーブルには、各受講者90のそれぞれの受講者番号と、アバター講師の内面的特徴とが対応づけて記録されている。内面的特徴には、出身地、出身学校、および嗜好が含まれている。出身地は、当該アバター講師の仮想的な出身地を示す情報であり、受講者90の受講者情報D10における出身地と同等の出身地に設定される。出身学校は、当該アバター講師の仮想的な出身学校を示す情報であり、受講者90の受講者情報D10における出身学校と同じ学校に設定される。嗜好は、当該アバター講師の仮想的な嗜好を示す情報であり、受講者90の受講者情報D10における嗜好と同じ嗜好に設定される。
図4に戻り、ステップS103にて、設定部11は、受講者90に対応するアバター講師のプロフィール情報D23を設定する。
図7は、プロフィール情報のテーブルを示す図である。
【0024】
プロフィール情報D23のテーブルには、各受講者90のそれぞれの受講者番号と、アバター講師の氏名、誕生日、出身地、出身学校、および趣味とが対応づけて記録されている。氏名は、当該アバター講師の仮想的な氏名であり、一例としてアバター講師の容姿に対応づけて予め定められている氏名が設定される。出身地は、当該アバター講師の仮想的な出身地を示す情報であり、内面的特徴情報D21における出身地と同じ出身地に設定される。誕生日は、当該アバター講師の仮想的な誕生日であり、一例としてアバター講師の容姿に対応づけて予め定められている誕生日が設定される。出身学校は、当該アバター講師の仮想的な出身学校を示す情報であり、内面的特徴情報D21における出身学校と同じ学校に設定される。趣味は、当該アバター講師の仮想的な趣味を示す情報であり、内面的特徴情報D21における嗜好と同じ内容に設定される。
【0025】
図1に戻り、生成部12は、外面的特徴情報D22に設定された特徴および/または内面的特徴情報D21に設定された特徴に基づいて、受講者90に提供するコンテンツのテキストデータを生成する。出力部13は、設定部11により外面的特徴情報D22に設定された特徴を有するアバター講師と、生成部12で生成されたテキストデータとによってコンテンツの映像および音声を出力する。コンテンツには講義およびそれに付随する声かけが含まれる。
図8は、講義提供処理のフローチャートである。講義提供処理は、生成部12および出力部13により実行される処理である。
【0026】
ステップS201にて、生成部12は、講義を提供する対象の受講者90に対応するアバター講師の外面的特徴情報D22から言語体系情報を取得する。続いて、ステップS202にて、生成部12は、提供する講義に相当する台本データD30のテキストデータを、取得した言語体系に変換する。具体的には、生成部12は、自然言語生成人工知能を含んでおり、台本データD30のテキストデータを自然言語生成人工知能によって所望の言語体系に変換する。例えば、名古屋弁とネコ言葉を使った言い方に変換することを指示するプロンプトと、台本データD30とを自然言語生成人工知能に与えることにより、名古屋弁とネコ言葉を使った講義コンテンツの台本を生成することができる。
【0027】
次に、ステップS203にて、出力部13は、受講者90に対応する外面的特徴情報D22に設定された容姿および声音のアバター講師に、所望の言語体系に変換された台本のテキストデータを読み上げさせて、情報端末30のブラウザ33を介して講義の映像および音声を出力する。
【0028】
図9は、激励声かけ処理のフローチャートである。激励声かけ処理は、受講者90の学習や成績の状況を基に受講者90のやる気を向上させるために、講義の前、後、あるいは途中に、声かけを行う処理である。激励声かけ処理は、生成部12および出力部13により実行される。
【0029】
ステップS301にて、生成部12は、受講者90に対応するアバター講師の外面的特徴情報D22を取得する。次に、ステップS302にて、生成部12は、受講者90の学習および成績の状態とアバター講師の講義スタイルとに基づいて受講者90への激励となる声かけを生成する。例えば、受講者90のテストの成績は良いが学習の進捗が遅れており、アバター講師が叱って伸ばす講義スタイルであれば、進捗の遅れを叱りがんばって学習を進めるように促す声かけを生成してもよい。受講者90のテストの成績は良いが学習の進捗が遅れており、アバター講師が褒めて伸ばす講義スタイルであれば、テストの成績を褒めつつ進捗を促す声かけを生成してもよい。声かけの作成方法は特に限定されず、例えば、自然言語生成人工知能を用いて生成するという方法でもよいし、予め作成して登録しておいた中から条件にあうものを選択するという方法でもよい。
【0030】
次に、ステップS303にて、生成部12は、生成した声かけを、アバター講師の言語体系に変換する。更に、ステップS304にて、出力部13は、外面的特徴情報D22に設定された容姿および声音のアバター講師に、所望の言語体系に変換された声かけを読み上げさせて、情報端末30のブラウザ33を介して講義の映像および音声を出力する。
【0031】
図10は、嗜好声かけ処理のフローチャートである。嗜好声かけ処理は、受講者90への講義の前、後、あるいは途中に受講者90のやる気向上や気分転換のために声かけを行う処理である。嗜好声かけ処理は、生成部12および出力部13により実行される処理である。
【0032】
ステップS401にて、生成部12は、受講者90の受講者情報D10あるいは受講者90に対応するアバター講師の内面的特徴情報D21に登録されている嗜好の情報を取得する。受講者90の受講者情報D10に登録されている嗜好と、受講者90に対応するアバター講師の内面的特徴情報D21に登録されている嗜好とは一致している。
続いて、ステップS402にて、生成部12は、受講者90に対応するアバター講師の外面的特徴情報D22を取得する。
【0033】
次に、ステップS403にて、生成部12は、受講者90の嗜好に基づいて受講者90への嗜好に関する話題の声かけを生成する。例えば受講者90およびアバター講師がネコ好きであれば、ネコに関する話題の声かけを生成する。声かけの作成方法は特に限定されず、例えば、自然言語生成人工知能を用いて生成するという方法でもよいし、予め作成して登録しておいた中から条件にあうものを選択するという方法でもよい。
【0034】
次に、ステップS404にて、生成部12は、生成した声かけを、アバター講師の言語体系に変換する。更に、ステップS405にて、出力部13は、外面的特徴情報D22に設定された容姿および声音のアバター講師に、所望の言語体系に変換された声かけを読み上げさせて、情報端末30のブラウザ33を介して講義の映像および音声を出力する。
【0035】
図11は、付加解説挿入処理のフローチャートである。付加解説挿入処理は、生成部12および出力部13により実行される処理である。付加解説挿入処理は、講義に具体例やたとえ話などの付加解説を挿入する処理である。本付加解説挿入処理では、受講者90とアバター講師に共通する趣味などの嗜好に関連づける具体例やたとえ話などの付加解説が講義に挿入される。付加解説挿入処理は、生成部12および出力部13により実行される。
【0036】
ステップS501にて、生成部12は、受講者90の受講者情報D10あるいは受講者90に対応するアバター講師の内面的特徴情報D21に登録されている嗜好の情報を取得する。受講者90の受講者情報D10に登録されている嗜好と、受講者90に対応するアバター講師の内面的特徴情報D21に登録されている嗜好とは一致している。
続いて、ステップS502にて、生成部12は、受講者90に対応するアバター講師の外面的特徴情報D22を取得する。
【0037】
次に、ステップS503にて、生成部12は、受講者90の嗜好に基づいて、講義の内容を、受講者90への嗜好に関連付けて補足する付加解説を生成する。例えば受講者90およびアバター講師がネコ好きであれば、ネコに関連付けた付加解説を生成する。声かけの作成方法は特に限定されず、例えば、自然言語生成人工知能を用いて生成するという方法でもよいし、予め作成して登録しておいた中から条件にあうものを選択するという方法でもよい。
【0038】
次に、ステップS504にて、生成部12は、生成した声かけを、アバター講師の言語体系に変換する。更に、ステップS505にて、出力部13は、外面的特徴情報D22に設定された容姿および声音のアバター講師に、所望の言語体系に変換された声かけを読み上げさせて、情報端末30のブラウザ33を介して講義の映像および音声を出力する。
<第2の実施形態>
【0039】
第2の実施形態の学習支援システムは、第1の実施形態のものと同等の機能に加え、講義を受講している受講者の画像および音声から受講者の状態を取得し、取得した受講者の状態の情報を基にアバター講師の評価および修正を行うことにより、アバター講師による効果の向上を図るものである。
【0040】
第2の実施形態の学習支援システムは、第1の実施形態のものと同様の構成および動作を有するので、以下では、主に第2の実施形態における第1の実施形態と異なる部分について説明する。
【0041】
図12は、第2の実施形態による学習支援システムの機能構成を示すブロック図である。第2の実施形態の学習支援システムのハードウェア構成は
図2に示した第1の実施形態のものと同様である。
【0042】
図12を参照すると、第2の実施形態では、学習支援システム10は、設定部11、生成部12、出力部13、プロフィール提示部14、および記憶部15に加え、集中判定部16を有している。集中判定部16は、設定部11、生成部12、出力部13、およびプロフィール提示部14と同様に、ソフトウェアプログラムの処理を実行するプロセッサである処理装置21によって実現される。
【0043】
本実施形態では、集中判定部16は、情報端末30のカメラ31によって受講者90を撮影するために取得された画像に基づいて、受講者90が講義にどの程度集中しているかを判定し、設定部11は、その判定の結果に基づいて、受講者90に対応するアバター講師の外面的な特徴を制御する。集中判定の方法は特に限定されないが、例えば、受講者90が端末の前におり、良好な体勢をとっており、眼が開いており、画面を見ているという条件が揃っていれば、集中していると判定することにしてもよい。また、集中判定部16は、受講者90が講義にどの程度集中しているかを判定するのに、画像に加え、情報端末30のマイク32によって取得された受講者90の音声を利用してもよい。
【0044】
集中判定部16は、情報端末30のカメラ31によって受講者90を撮影するために取得された画像に基づいて、受講者90が講義にどの程度集中しているかを判定し、その判定の結果に基づく集中判定結果情報を記録する。
図13は、集中判定結果情報の一例を示す図である。
【0045】
集中判定部16は、講義を受けている受講者90の画像を基に、数字が大きいほど集中の度合いが高いことを表す「1」から「5」の5段階で集中度を判定し、週毎の平均値を算出し、週毎集中度として集中判定結果情報D41に時系列に記録する。週毎集中度の算出方法は特に限定されないが、例えば、集中判定部16は、講義毎に、その講義に対する集中度である各回集中度を算出して蓄積し、蓄積された各回集中度の週毎の平均値を算出し、週毎集中度とすることにしてもよい。また、各講義の集中度の算出方法も特に限定されないが、例えば、集中判定部16は、一定時間毎に画像を基に受講者が集中しているか否か判定し、集中か非集中かを示す集中フラグを記録し、講義中の集中と非集中の回数比によって5段階評価し、評価結果を各講義の集中度とすることにしてもよい。
【0046】
図13の例では、第1週の週毎集中度が「4.1」であり、第2週の週毎集中度が「4.0」であり、第3週の週毎集中度が「4.1」であり、第4週の週毎集中度が「3.5」であり、第5週の週毎集中度が「3.2」である。
【0047】
集中判定部16は、更に、複数の受講者90の講義毎の集中度あるいは週毎集中度についてアバター講師毎かつ受講者90の学力レベル別に平均値を算出し、評価値として評価情報に記録する。
図14は、評価情報の一例を示す図である。
【0048】
評価情報D42には、各アバター講師の番号、容姿、声音、および講義スタイルに対応付けて評価値が記録されている。番号は、当該アバター講師を特定する番号である。容姿は、当該アバター講師の容姿を示す。声音は、当該アバター講師の声音を示す。講義スタイルは、当該アバター講師の講義スタイルを示す。例えば、番号が「001」のアバター講師は容姿が「アバターA」であり、声音が「ボイスa」であり、講義スタイルが「叱って伸ばす」である。
【0049】
当該アバター講師の評価値は、受講者の学力レベル毎に算出される。学力レベル毎の評価値は、当該学力レベルの受講者から取得された週毎集中度の平均値である。評価情報D42においては、一例として、受講者90の学力レベルは、テストの結果を基に、学力が高い方から「A」から「D」の4段階にレベル分けがされている。学力レベル毎に評価値を算出することにより、どのアバター講師がどの学力レベルの受講者にとって評価が高いかを知ることができる。
【0050】
図15は、講師制御処理のフローチャートである。講師制御処理は、受講者90に対して講義を行うアバター講師の特徴を変更可能に制御する処理である。講義制御処理は、設定部11が定期的に繰り返し実行する処理である。
【0051】
ステップS601にて、設定部11は、集中判定結果情報D41を取得する。更に、ステップS602にて、設定部11は、集中判定結果情報D41に基づいてアバター講師の修正の要否を判定する。判定方法は特に限定されないが、例えば、週毎集中度が連続して所定週に亘って所定の閾値を下回ったら、アバター講師の修正を要すると判定することにしてもよい。また、週毎集中度が連続して所定週に亘って低下傾向を示したら、アバター講師の修正を要すると判定することにしてもよい。
【0052】
アバター講師の修正を不要と判定したら、設定部11は一連の処理を終了する。一方、アバター講師の修正を要すると判定したら、設定部11は、ステップS603にて、受講者90に尋ねることにより、受講者90からアバター講師を変更することに関する希望の有無を取得し、ステップS604にて希望の有無を判定する。
【0053】
受講者90がアバター講師の修正を希望しなければ、設定部11は一連の処理を終了する。一方、受講者90がアバター講師の修正を希望すれば、設定部11は、ステップS605にて、アバター講師の外面的特徴または内面的特徴の少なくとも一方を修正する。アバター講師の特徴の修正方法は特に限定されないが、例えば、設定部11は、評価情報D42に基づいて、現在のアバター講師の特徴よりも受講者90の集中度が高まるようにアバター講師の特徴を修正すればよい。
<付記>
【0054】
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、本発明は、これらの実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、これらの実施形態を組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりしてもよい。
また、上述した実施形態には以下に示す事項が含まれている。ただし、上述した実施形態に含まれる事項が以下に示すものだけに限定されることはない。
(事項1)
【0055】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供する学習支援システムであって、前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶する記憶部と、前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定する設定部と、前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成する生成部と、前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力する出力部と、前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示するプロフィール提示部と、を有する。これによれば、アバター講師の外面および内面の特徴を個々の受講者に適合させることにより個々の受講者に対して好適なアバター講師によって講義に関するコンテンツを提供することが可能となる。
(事項2)
【0056】
事項1に記載の学習支援システムにおいて、前記受講者情報には、受講者が嗜好するものごとを示す受講者嗜好情報が含まれており、前記内面的特徴情報には、アバター講師が嗜好するものごとを示す講師嗜好情報が含まれており、前記設定部は、前記受講者嗜好情報に基づいて前記講師嗜好情報を設定する。これによれば、講師の嗜好を受講者の嗜好と関連付けて設定することによりる講師と受講者の嗜好を整合させ、受講者の講師および講義に対する興味を高めることができる。
(事項3)
【0057】
事項2に記載の学習支援システムにおいて、前記設定部は、前記受講者嗜好情報に示されたものごとと同じものごとを前記講師嗜好情報に設定し、前記生成部は、前記受講者嗜好情報および前記講師嗜好情報に共通に設定されているものごとに関する話題の声かけのテキストデータを生成し、前記出力部は、講義の前、合間、または後に前記声かけを出力する。これによれば、講師の嗜好を受講者の嗜好と一致させ、その共通の話題による声かけを行うことにより、受講者の講師に対する好感および講義に対する興味を高めることができる。
(事項4)
【0058】
事項2に記載の学習支援システムにおいて、前記設定部は、前記受講者嗜好情報に示されたものごとと同じものごとを前記講師嗜好情報に設定し、前記生成部は、前記受講者嗜好情報および前記講師嗜好情報に共通に設定されているものごとに関連付けた付加解説のテキストデータを生成し、前記出力部は、前記付加解説を講義に挿入して出力する。これによれば、講師の嗜好を受講者の嗜好と一致させ、その共通の嗜好に関する具体例やたとえ話を行うことにより、受講者の講義に対する関心および理解を高めることができる。
(事項5)
【0059】
事項1に記載の学習支援システムにおいて、前記受講者情報には、受講者の出身地を示す受講者出身地情報が含まれており、前記内面的特徴情報には、アバター講師の仮想的な出身地を示す講師出身地情報が含まれており、前記設定部は、前記受講者出身地情報に示された出身地と同じ出身地を前記講師出身地情報に設定し、前記プロフィール提示部は、前記講師出身地情報に示された前記出身地を前記受講者に提示する。これによれば、講師の出身地を受講者の出身地と一致させ、そのことを受講者に提示することにより、受講者の講師に対する好感と講義に対する関心を高めることができる。
(事項6)
【0060】
事項5に記載の学習支援システムにおいて、前記内面的特徴情報には、アバター講師が話す言語体系を示す言語体系情報が含まれており、前記設定部は、前記講師出身地情報に設定された出身地にて用いらている言語体系を前記言語体系情報に設定し、前記生成部は、前記言語体系情報に示された言語体系によるテキストデータを生成する。これによれば、講師の話し方を受講者および講師に共通の出身地の言語体系(方言)にすることで、受講者の講師に対する好感と講義に対する関心を高めることができる。
(事項7)
【0061】
事項1に記載の学習支援システムにおいて、前記受講者情報には、受講者の出身学校を示す受講者出身学校情報が含まれており、前記内面的特徴情報には、アバター講師の仮想的な出身学校を示す講師出身学校情報が含まれており、前記設定部は、前記受講者出身学校情報に示された出身学校と同じ学校を前記講師出身学校情報に設定し、前記プロフィール提示部は、前記講師出身学校情報に示された前記学校を前記受講者に提示する。これによれば、講師を受講者と同じ学校の卒業生と設定することで、受講者の講師に対する好感と講義に対する関心を高めると共に、受講者に学習への励みを与えることができる。
(事項8)
【0062】
事項1に記載の学習支援システムにおいて、前記外面的特徴情報には、アバター講師の容姿を示す講師容姿情報と、前記アバター講師の声音を示す講師声音情報と、が含まれており、前記設定部は前記受講者情報に基づいて、前記受講者が好む容姿および声音を特定し、当該容姿を前記講師容姿情報に設定し、当該声音を前記講師声音情報に設定する。これによれば、講師の容姿および声を受講者の好みに合わせることにより、受講者の講師に対する関心を高め、講義の理解を高めることができる。
(事項9)
【0063】
事項1に記載の学習支援システムにおいて、前記記憶部は、更に、前記講義の台本として予め作成されたテキストデータである台本データを記憶し、前記生成部は、前記台本データのテキストデータを、前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて変換した変換テキストデータを生成し、前記出力部は、前記講義の音声として、前記変換テキストデータの読み上げ音声を出力する。これによれば、基本となる台本を予め準備しておき、その台本のテキストを受講者に適合させたアバター講師の特徴を持ったテキストに変換して音声出力するので、多様な受講者の各々に講師の話し方を柔軟に合わせてて講義を提供することができる。多数の台本を準備する必要がない。
(事項10)
【0064】
事項9に記載の学習支援システムにおいて、前記生成部は、指示に従ってテキストを生成する自然言語生成人工知能を含む。これによれば、多数の台本を準備する必要なく受講者に合わせたコンテンツを容易に構築することができる。
(事項11)
【0065】
事項10に記載の学習支援システムにおいて、前記生成部は、前記自然言語生成人工知能に、所定の指示を示すプロンプトと前記台本データとを与えて、前記変換テキストデータを生成させる。
(事項12)
【0066】
事項1に記載の学習支援システムにおいて、前記講義を受講する受講者を撮影するために取得された画像に基づいて、前記受講者が前記講義にどの程度集中しているかを所定期間毎に計測し、期間毎集中度として時系列に記録する集中判定部を更に有し、前記設定部は、前記期間毎集中度に基づいて、前記アバター講師の外面的特徴または内面的特徴の少なくとも一方を修正する。これによれば、集中度およびその時間遷移を基にアバター講師の特徴を修正するので、講師に対する講義に対する興味を高く維持することが可能となる。
(事項13)
【0067】
事項12に記載の学習支援システムにおいて、前記設定部は、前記期間毎集中度の時系列の経過に基づいて前記アバター講師の修正の要否を判定する。
(事項14)
【0068】
事項12に記載の学習支援システムにおいて、前記集中判定部は、複数の受講者の集中度に基づいて、アバター講師毎の評価値を算出し、前記設定部は、前記評価値に基づいて、現在のアバター講師よりも前記受講者の集中度が高まるようにアバター講師を修正する。受講者の集中度が高まるように講師の特徴を制御するので、講師に対する講義に対する興味を高く制御あるいは維持することが可能となる。
(事項15)
【0069】
講師を模した仮想的な人物であるアバター講師により、受講者に、映像および音声で構成された講義に関するコンテンツを提供するための学習支援システムであって、コンピュータが、前記受講者に関する情報である受講者情報を記憶し、前記受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報と前記アバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定し、前記受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、前記外面的特徴情報に示された特徴および/または前記内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成し、前記外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師が前記テキストデータを発声するコンテンツを出力し、前記内面的特徴情報に基づく前記アバター講師のプロフィール情報を前記受講者に提示する。
【符号の説明】
【0070】
10…学習支援システム、11…設定部、12…生成部、13…出力部、14…プロフィール提示部、15…記憶部、16…集中判定部、20…サーバ、21…処理装置、22…メインメモリ、23…記憶装置、24…通信装置、25…入力装置、26…表示装置、27…バス、30…情報端末、31…カメラ、32…マイク、33…ブラウザ
【要約】
【課題】個々の受講者に好適なアバター講師によって講義を提供することを可能にする。
【解決手段】アバター講師により講義に関するコンテンツを提供する学習支援システムは、受講者に関する情報である受講者情報を記憶する記憶部と、受講者の受講者情報に基づいて、当該受講者に対して講義を行うアバター講師の外面的な特徴を示す外面的特徴情報とアバター講師の内面的な特徴を示す内面的特徴情報とを設定する設定部と、受講者に対して提供するコンテンツのテキストデータを、外面的特徴情報に示された特徴および/または内面的特徴情報に示された特徴に基づいて生成する生成部と、外面的特徴情報に示された特徴を設定したアバター講師がテキストデータを発声するコンテンツを出力する出力部と、内面的特徴情報に基づくアバター講師のプロフィール情報を受講者に提示するプロフィール提示部と、を有する。
【選択図】
図1