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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240529BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018128037
(22)【出願日】2018-07-05
(65)【公開番号】P2020005771
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-11
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 浩司
(72)【発明者】
【氏名】近藤 憲吾
【合議体】
【審判長】小林 俊久
【審判官】阿部 知
【審判官】▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-163742(JP,A)
【文献】特開2018-50930(JP,A)
【文献】特開2017-35634(JP,A)
【文献】特開2018-93912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域を有する表示装置と、
前記表示領域に第一演出用画像を表示する第一演出および第二演出用画像を表示する第二演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記第一演出は、前記表示領域の全体に前記第一演出用画像が表示された第一状態から当該第一状態より小さい所定の大きさで前記第一演出用画像表示された第二状態に推移するものであり、
前記第二演出は、前記第一演出が第二状態となった後開始される演出であって、前記表示領域における前記第一演出用画像が小さく表示された状態となることによって生じた領域の少なくとも一部に前記第一状態においては表示されていなかった前記第二演出用画像が表示されるものであり、
前記第二演出は、前記第一演出用画像が前記所定の大きさで表示されたまま遊技者に有利な成功結末または当該成功結末に至らなかった場合の結末である失敗結末に至るものであり、
前記第二演出が前記成功結末に至る蓋然性が、前記第一状態では表示されないが前記第二状態では表示される画像であって前記第一演出用画像の周囲に沿う枠画像の態様により示唆されることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
当否判定手段を備える遊技機においては、当否判定結果を報知する一連の演出の一部として種々の演出が実行されることで遊技の趣向性が高められている。下記特許文献1には、並行して進行する第一演出と第二演出を実行することが可能な遊技機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-86088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、遊技の趣向性を向上させる演出を実行することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、表示領域を有する表示装置と、前記表示領域に第一演出用画像を表示する第一演出および第二演出用画像を表示する第二演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記第一演出は、前記表示領域の略全体に亘って前記第一演出用画像が表示された第一状態から当該第一状態よりも前記第一演出用画像が小さく表示された第二状態に推移するものであり、前記第二演出は、前記第一演出が第二状態となった後開始される演出であって、前記表示領域における前記第一演出用画像が小さく表示された状態となることによって生じた領域の少なくとも一部に前記第二演出用画像が表示されるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機によれば、遊技の趣向性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる遊技機の正面図である。
図2】表示装置(表示領域)に表示された識別図柄および保留図柄を示した図である。
図3】特定演出を説明するための図(その一)である。
図4】特定演出を説明するための図(その二)である。
図5】特定演出を説明するための図(その三)である。
図6】第一具体例を説明するための図である。
図7】第二具体例を説明するための図である。
図8】第三具体例を説明するための図(その一)である。
図9】第三具体例を説明するための図(その二)である。
図10】第五具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、一部の図においては表示領域911を大まかに記載するが、その形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0014】
大当たりの抽選(当否判定)は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口が複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。大当たりに当選した場合には大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、大入賞口906が頻繁に開放状態となり、遊技者が多くの遊技球(いわゆる出玉)を獲得することができるものであって、公知の遊技機と同様であるため詳細な説明を省略する。獲得できる遊技球の期待値が異なる複数種の大当たり遊技が設定されていてもよい。
【0015】
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄10(図2参照)の組み合わせによって当否抽選結果を遊技者に報知する。識別図柄10は、当否抽選結果の報知の開始とともに変動を開始する。大当たりに当選したかどうかを示す識別図柄10の態様はどのようなものであってもよい。本実施形態では、停止した識別図柄10が全て同じである場合に大当たりとなり、それ以外ははずれとなる。
【0016】
また、本実施形態では、上記当否抽選のための数値が取得された順に当否抽選結果の報知が開始される(識別図柄10の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否抽選結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否抽選結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否抽選結果の報知が開始されていない数値(以下、保留情報と称することもある)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大の保留情報の数は、一種の始動入賞口904につき四つである。
【0017】
また、本実施形態では、当否抽選結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなる。つまり、当否抽選結果を報知するための演出(識別図柄10の変動表示)が開始される時点で、対象となる当否抽選結果が大当たりとなるものかはずれとなるものなのかが判断される。当該情報(以下、変動中情報と称することもある)は、大当たりの成否を内部的に把握するためのいわゆる「フラグ」であって、保留情報ともに記憶手段に記憶される。本実施形態では、保留情報と変動中情報を記憶する記憶手段は同じであるが、各情報が異なる記憶手段に記憶される構成であってもよい。
【0018】
なお、ある数値が取得されたとき、それより前に取得された数値に基づく当否抽選結果の報知が既に完了している場合に、当該数値が即座に変動中情報として記憶されるように構成してもよいし、一旦保留情報として記憶された後、変動中情報とされる構成としてもよい。また、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否抽選結果が報知されているか否かに拘わらず、取得された数値に基づき当否抽選を行い、当該当否抽選結果自体を記憶させておく構成としてもよい。かかる構成とする場合には、記憶される当否抽選結果自体が、変動中情報や保留情報に相当することになる。
【0019】
保留情報が存在することを示す図柄は、保留図柄20として表示装置91に表示される(図2参照)。表示装置91とは別の装置に表示されるようにしてもよい。当該保留図柄20は、当否抽選結果を報知する演出が開始される順に対応する位置に表示される。本実施形態では、所定の方向に沿って並ぶように保留図柄20が表示装置91の表示領域911に表示される。また、いわゆる「当該変動保留」の存在を示す保留図柄20が表示されるようにしてもよい。
【0020】
本実施形態にかかる遊技機1は、当否判定手段によってなされた当否判定結果を報知する報知演出(識別図柄10の変動開始から変動停止までの演出)を構成する種々の演出が実行されるところ、当該報知演出を構成する演出の一種として特定演出を実行することが可能である。以下、一の報知演出中に発生しうる特定演出について説明する。なお、以下の説明における画像とは、特に明示した場合を除き、動画および静止画の両方を含むものとする。
【0021】
特定演出(図3図5参照)は、第一演出および第二演出を含むものである。第一演出は、第一状態から第二状態に推移する演出である。第一演出の第一状態は、表示領域911の第一演出用画像41が表示された状態にあるものである(図3(a)参照)。当該第一演出用画像41の具体的態様は適宜変更可能である。本実施形態における第一演出用画像41は、識別図柄10や保留図柄20を含むものではない(これらの図柄の背景画像を含むものである)が、識別図柄10や保留図柄20を含むものとしてもよい。第一演出の第一状態は、それ単独で見れば、至極ありふれた演出が実行されている状態であるといえる。本実施形態における第一演出用画像41は、第一演出の第一状態において表示領域911の略全体に表示されている画像であるといえる。
【0022】
第一演出の第二状態は、第一状態において表示領域911の略全体に表示されていた第一演出用画像41が、小さくなるように変化するものである。本実施形態では、第一演出用画像41が表示領域911の左上に小さく表示された状態となる(図3(b)参照)。第一状態から第二状態に移行する際に、第一演出用画像41が次第に小さくなっていく過程(映像)が表示されるとよい。また、本実施形態では、第二状態に移行したときには、小さくなった第一演出用画像41の周りを囲む画像(以下、枠画像411と称する)が表示される。当該枠画像411は、略方形状を呈し、小さくなった第一演出用画像41が表示される領域を明示するもの(後述する第二演出用画像42との境界を示すもの)であるといえる。また、見方を変えれば、枠画像411は、略方形状である表示領域911の外縁に相当する部分が、第二状態に移行して第一演出用画像41が小さくなることに伴い仮想的に視覚化されたものと捉えることもできる。ただし、枠画像411に相当する画像が、第一状態においても表示される構成(第二状態に移行することで、第一演出用画像41とともに枠画像411が小さくなる構成)としてもよい。このような第一演出用画像41の変化が生じることで、遊技者は、表示されていた画像が突然小さくなったかのような印象を受けることになる。
【0023】
なお、本実施形態では、第一状態においては第一演出用画像41の手前側に識別図柄10や保留図柄20が表示されるところ、当該識別図柄10や保留図柄20は第一演出用画像41に含まれないものとされる。このように、第一状態において、第一演出用画像41の手前側に重なるように表示される別の画像(第一演出用画像41を構成する画像レイヤとは別の画像レイヤによって構成される画像)が存在していてもよい。当該別の画像は、第二状態に推移しても小さくならないようにされる。当該別の画像としては、識別図柄10や保留図柄20の他に、識別図柄10が変動中であること(当否判定結果の報知が完了していないこと)を示すアイコン、保留情報の数を示すアイコン等を例示することができる。これらの別の画像は、基本的には表示領域911の外縁近くに表示されるため、第一状態から第二状態に移行したときにこれらの画像がそのままの態様で表示され続けても、遊技者は表示されていた演出用の画像が突然小さくなったかのような印象を受けることになる。
【0024】
また、第一演出が第一状態から第二状態に移行することに伴い、第一演出用画像41が動画から静止画に変化する(図3(b)参照)。つまり、第一状態においては演出の進行に伴い逐次変化する動画であった第一演出用画像41は、第二状態に移行する際にその大きさが小さくなるとともに当該変化が停止した静止画となる。つまり、第一演出は、第一状態では進行するものの、第二状態に移行することによりその進行が停止する演出であるといえる。遊技者には、表示領域911の略全体に表示されていて経時的に進行していた映像が、小さくなることによって進行が停止したかのように捉えられる。
【0025】
第二演出は、第一演出が第二状態に移行した後開始される演出である。すなわち、第一演出用画像41が小さくなった後開始される演出である(図3(b)参照)。第一演出用画像41が小さくなるということは、表示領域911には第一演出用画像41以外の画像を表示することができる領域(以下、特定領域911aと称する)が生じるということである。本実施形態では、表示領域911の外縁と、枠画像411の外縁との間の領域が特定領域911aということになる。当該特定領域911aに第二演出用画像42を表示することにより実行される演出が第二演出である。特定領域911aの大きさ、すなわち第二演出用画像42が表示される領域の大きさは、第一演出用画像41が表示される領域の大きさよりも大きい。したがって、第一演出が第二状態に推移した時点(第二演出が開始される時点)で、遊技者は、「主」として表示される画像(注目すべき演出)が第一演出用画像41(第一演出)から第二演出用画像42(第二演出)に切り替わったような印象を受けることになる。第二演出用画像42を構成する画像レイヤよりも、第一演出用画像41を構成する画像レイヤを手前に設定することで、第一演出用画像41が表示された領域以外の領域に第二演出用画像42が表示された状態を構築することができる。第二演出が開始されるということは、第一演出用画像41が小さくなった状態にあるということであるから、第二演出が開始される時点においては第一演出の進行は停止していることになる。
【0026】
第二演出は、演出の結末として遊技者に有利な成功結末(図4(a)参照)と、当該成功結末とならなかった場合に発生する失敗結末(図5(a)参照)が設定されている。本実施形態では、第二演出が成功結末となった場合には、リーチ演出に移行し、当否判定結果が大当たりとなることに期待がもてる展開となる(図4(b)参照)。一方、失敗結末となった場合には、リーチ演出に移行しない。つまり、リーチ演出の移行の有無という点において、成功結末は遊技者にとって有利な結末であり、失敗結末は遊技者にとって不利な結末であるといえる。
【0027】
第二演出の具体的態様はどのようなものであってもよい。本実施形態では、遊技者に対し、操作手段80(本実施形態では押しボタン)の操作を促す演出が実行される(図3(c)参照)。遊技者に要求される操作手段80の操作態様はどのようなものであってもよい。一回のみ操作する単操作、複数回の操作である連続操作(いわゆる連打)、操作された状態を維持する維持操作(いわゆる長押し)等を例示することができる。また、遊技者の身体の一部(「手」等)を検出可能なセンサを設け、当該センサに手等が検出されることを「操作手段の操作」として取り扱ってもよい。
【0028】
本実施形態における第二演出用画像42(動画)は、遊技者に対して操作手段80の操作を促すことを示す態様の画像を含むものとされる。当該画像としては、操作手段80を表した画像(操作画像81)や、「押せ」、「連打」といった操作態様を示す文字、操作手段80の操作が演出に反映される操作有効時間を示すメータ82を例示することができる(図3(c)参照)。また、第二演出用画像42は、操作有効時間中に操作手段80の操作がなされたとき、当該操作が反映されたことを示すような画像を含むものとされる。
【0029】
上記の通り、第二演出が成功結末となった場合(図4(a)参照)には、当該第二演出の終了後にリーチ演出が実行される(図4(b)参照)。その後の展開はどのようなものであってもよいため詳細な説明を省略する。ただし、第二演出が成功結末となった場合には、その後第一演出用画像41が消去される。つまり、停止したかのように表示された第一演出は再開されずに終了することになる。対象の当否判定結果は、第二演出が成功結末となったことによって発生する事後演出(本実施形態ではリーチ演出を含む演出)の結末により報知されることになる。
【0030】
一方、第二演出が失敗結末となった場合(図5(a)参照)には、当該第二演出の終了後に第一演出が再開される(図5(b)(c)参照)。上述した通り、第一演出は、第一状態から第二状態に移行したとき(第二演出の開始時)には演出の進行が停止した状態にある。その進行が停止した第一演出が、第二演出が失敗結末となって終了した後に再開される。具体的には、静止画として小さく表示されていた第一演出用画像41が、表示領域911の略全体に亘るまで拡大されて元に(第一状態時のサイズに)戻った(図5(b)参照)上で、再び演出が進行する(図5(c)参照)。つまり、動画である第一演出用画像41により第一演出が進行することになる。このように再開された後の第一演出を第三状態とすれば、第二演出が成功結末となったときには第一演出の第三状態には推移せず、第二演出が失敗結末となったときには第一演出の第三状態に推移するということである。
【0031】
第一演出の第三状態の具体的態様はどのようなものであってもよい。当該第三状態にて対象の当否判定結果が報知されることになる。本実施形態では、第三状態に推移したときであっても、対象の当否判定結果が大当たりとなる可能性は残されている。つまり、第二演出が失敗結末となった場合であっても、当否判定結果がはずれとなることが確定するものではないということである。ただし、第二演出が成功結末となったときに対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(いわゆる信頼度)は、第二演出が失敗結末となった上で第一演出が再開(第三状態に推移)したときに対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性よりも高く設定される。したがって、遊技者にとってみれば、特定演出は、基本的には第二演出が成功結末となることを願うものであるが、第二演出が失敗結末となっても第一演出が再開されることで大当たりに期待がもてるという演出の流れとなる。
【0032】
このように、本実施形態にかかる遊技機1では、第一演出を構成する第一演出用画像41が小さくなって生じた領域に第二演出用画像42が表示されることで第二演出が実行される。つまり、遊技者が注目すべき「主」の演出が第一演出から第二演出への切り替わったことが明確に示されるとともに、その切り替わりの態様が斬新なものであるから、遊技(演出)の趣向性を向上させることが可能である。
【0033】
また、第一演出が第二状態に推移したときには、その進行が停止されるため、遊技者が注目すべき「主」の演出が第一演出から第二演出に切り替わったことをより明確に示すことが可能である。
【0034】
また、第二演出が遊技者にとって喜ばしくない失敗結末となった場合には、進行が停止(一時停止)していた第一演出が再開されるという面白みのある演出の切替わりを実現することが可能である。第二演出が失敗結末となって終了したときには、小さくなっていた第一演出用画像41が元の大きさに戻ることによって第一演出の再開が示されるものであるため、遊技者が注目すべき「主」の演出が第二演出から第一演出に切り替わったことが明確に示される。
【0035】
また、第二演出が成功結末となった場合には事後演出を経て当否判定結果が大当たりであることが報知される可能性が残る一方、第二演出が失敗結末となったときであっても再開される第一演出を経て当否判定結果が大当たりとなる可能性は残るため、当否判定結果の報知が完了するまで目が離せない演出の流れとすることが可能である。
【0036】
以下、上記実施形態にかかる遊技機1を改良、変形、具体化等した具体例を説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0037】
・第一具体例
上記実施形態では、第一演出の第一状態や第三状態時に表示される第一演出用画像41は、表示領域911の略全体に亘って表示される画像であることを説明したが、表示領域911の一部に表示される画像であってもよい。第二状態時に表示される第一演出用画像41の大きさが、第一状態や第三状態時に表示される第一演出用画像41の大きさよりも小さいものであればよい。
【0038】
例えば、表示領域911の外縁の少なくとも一部に沿うような装飾画像50が表示される。第一演出の第一状態においては、当該装飾画像50よりも内側(中央側)の領域に第一演出用画像41が表示されるものとする(図6(a)参照)。第一演出が第二状態に移行すると、装飾画像50の大きさが維持されたまま、第一演出用画像41が小さくなるものとする(図6(b)参照)。第二演出用画像42は、装飾画像50よりも内側(中央側)の領域であって、第一演出用画像41が小さくなることによって生じた特定領域911aに表示されるものとする。このように、第一演出用画像41や第二演出用画像42は、表示領域911の一部に表示されるものであり、他の一部には別の画像(装飾画像50)が表示されるようにしてもよい。当該別の画像は、第一演出が第一状態から第二状態に推移したときに、第一演出用画像41と同じように小さくなるものではなく、大きさが維持されるものである。
【0039】
上記装飾画像50(別の画像)は、保留図柄20を含むものとしてもよい(図6参照)。このようにすれば、第一演出や第二演出が進行しても、保留図柄20の態様は維持される。つまり、第一演出や第二演出がどのような状況にあっても、装飾画像50の一部である保留図柄20は表示され続けるのであるから、遊技者は現在の保留情報の数を容易に確認することができる。
【0040】
・第二具体例
上記実施形態では、第一演出が第一状態から第二状態に移行することで、第一演出用画像41が小さく表示された状態に変化するものであること、すなわち第二演出中には、第一演出用画像41が小さく表示されるものであることを説明したが、このような第一演出用画像41が複数表示されることがある構成としてもよい。
【0041】
例えば、一回目の第一演出として、表示領域911に表示されていた第一演出用画像41が小さく表示された状態に変化する(図7(a)(b)参照)。第一演出用画像41が小さくなったことによって生じた特定領域911aにおいて、次の第一演出(二回目の第一演出)が実行されるものとする。つまり、特定領域911aに次の第一演出用画像41が表示される。その後、当該次の第一演出用画像41が小さくなるように変化する(図7(b)(c)参照)。このような流れが所定回数繰り返されるものとする。
【0042】
このように、複数の第一演出が繰り返し発生し、各第一演出が終了する度に第一演出用画像41が小さく表示され、それによって生じた特定領域911aにて次の第一演出(次の第一演出用画像41)が実行されるものとしてもよい。なお、二回目の移行の第一演出は、先の第一演出の第一演出用画像41が小さくなることによって生じた特定領域911aを用いて実行されるものであるから、先の第一演出との関係においては、上記実施形態でいう第二演出に相当するものであるともいえる。
【0043】
・第三具体例
第一演出が、遊技者に対し、操作手段80の操作を促す演出であるとする。つまり、操作手段80の操作が演出に反映される操作有効時間が設定されるものであるとする。当該第一演出が途中で停止し、第二演出に切り替わるような態様が発生しうるものとする。具体的には次の通りである。
【0044】
第一演出の第一状態にて、第一演出用画像41として、遊技者に対し、操作手段80の操作を促すような画像が表示される。第一演出用画像41は、操作手段80を表した画像(操作画像81)や、操作有効時間を表すメータ82の画像を含む(図8(a)参照)。これを見た遊技者は、操作手段80を操作すべき状況であることを把握することが可能である。本例においては、操作有効時間の途中で第一状態から第二状態への移行が発生しうるものとする。
【0045】
第一状態から第二状態に移行するということは、第一演出用画像41が小さく変化するとともに、当該第一演出用画像41が動画から静止画に変化する。第一演出用画像41は、操作有効時間を表すメータ82を含む画像であるから、第一状態から第二状態に移行する時点で操作有効時間が終了してしない場合には、操作有効時間の減少も停止することになる。つまり、第一演出用画像41が小さくなって静止画となるから、それに含まれていたメータ82の変化も停止することになる(図8(b)参照)。したがって、第一演出が第二状態にあるとき(第二演出が実行されているとき)には、操作手段80の操作は第一演出には反映されない。なお、第二演出が操作手段80の操作を促す演出であれば、操作手段80の操作は第二演出には反映されうる。
【0046】
上記実施形態と同様に、第二演出が失敗結末となった場合(図9(a)参照)には、第一演出用画像41が元の大きさに戻り、第一演出が再開される(第一演出の第三状態に推移する)(図9(b)参照)。第一演出が再開されるということは、停止していた操作有効時間の減少が再開されるということである。すなわち、停止していたメータ82が再び減少しはじめる(図9(b)(c)参照)。操作有効時間の減少が再開された後、操作有効時間が終了するよりも前の操作手段80の操作は、第一演出に反映されることになる。
【0047】
このように、第一演出の第一状態や第三状態においては、操作有効時間の減少が進行するため、操作手段80の操作が第一演出(第一演出用画像41)に反映されうる。一方、第一演出の第二状態(第二演出の実行中)においては、操作有効時間の減少が停止され、操作手段80の操作が第一演出(第一演出用画像41)に反映されない。本例の特定演出は、第一演出の操作有効時間は、「主」として実行される演出が第二演出であるときには停止され、第二演出が終了したときには途中から再開されるという面白みのある演出の流れとなる。
【0048】
・第四具体例
上記実施形態では、第一演出が第二状態にある(第二演出が実行されている)とき、小さく表示された第一演出用画像41の周りを囲む枠画像411が表示されることを説明した。かかる枠画像411の態様により、遊技者に有利な事象が発生する蓋然性を示唆するものとする。例えば、枠画像411の色として、「白」と「赤」の二種類を設定しておき、白の枠画像411が表示された場合に比して、赤の枠画像411が表示された場合の方が、遊技者に有利な事象が発生しやすい設定とする。遊技者に有利な事象はどのようなものであってもよい。枠画像411は、第一演出用画像41が小さくなっている状態で表示されるものであるから、第二演出が実行されているときに表示されるものである。したがって、枠画像411が表示されているときに実行される第二演出が成功結末となる蓋然性が、枠画像411の態様により示唆されるものとすることが考えられる。
【0049】
・第五具体例
上記実施形態では、第二演出が失敗結末となった場合に限り、停止していた第一演出が再開されることを説明したが、第二演出の結末がどのようなものであっても、第二演出の終了後に停止していた第一演出が再開される設定としてもよい。例えば以下のような構成とすることができる。
【0050】
第二演出は、その結末により対象の当否判定結果の信頼度を示唆するものとする。例えば、最終的に「?」(信頼度「低」)、「チャンス」(信頼度「中」)、「激熱」(信頼度「高」)のいずれかが表示されるものとする(図10(c-1)~(c-3)参照)。第二演出の結末としてこれらの画像のいずれが表示される場合であっても、第二演出の終了後に第一演出が再開され(図10(d)参照)、当該第一演出(第三状態)を経て、当否判定結果が報知されるものとする。つまり、第一演出は所定期間一時的に停止するものであり、当該第一演出が停止している最中に第二演出が実行される構成(第二演出の終了後には必ず第一演出が再開される構成)とする。第二演出は、対象の当否判定結果の信頼度示唆等に利用することができる。
【0051】
・第六具体例
上記実施形態では、第一演出は、第二状態にあるときに演出の進行が停止するものであることを説明したが、第二状態にあるときにも演出が進行するものとしてもよい。つまり、第二演出とともに、第一演出が進行するものとする。第二演出の実行中には、第一演出用画像41が小さく表示された状態にあるが、当該第一演出用画像41は第一演出の進行を示す動画とされる。そして、第二演出が失敗結末となって終了したときには、第一演出は第三状態に移行して第一演出用画像41が元の大きさに戻ることになるが、当該第一演出用画像41(動画)の内容は、第二状態から継続するようなものとされる。
【0052】
・第七具体例
上記実施形態における特定演出は、一の当否判定結果を報知する報知演出の一部として実行される(一変動中に実行される)ものであることを説明したが、複数の報知演出に跨って(複数の変動に跨って)実行されるものとしてもよい。例えば、ある変動中には第一演出が第一状態にあり、次の変動に移行することに伴い当該第一演出が第二状態に推移し(当該次の変動として第二演出が実行され)、さらに次の変動に移行することに伴い当該第一演出が第三状態に推移するといったように、複数の変動に跨って特定演出が実行される構成としてもよい。
【0053】
・第八具体例
第一演出の第二状態にて第一演出用画像41が表示される表示装置が、表示装置91(メインの表示装置)とは異なる別の表示装置(サブの表示装置(図示せず))であってもよい。つまり、第一演出の第一状態や第三状態では、第一演出用画像41がメインの表示装置91の表示領域911に表示されるものの、第一演出の第二状態では、第一演出用画像41が上記別の表示装置の表示領域(表示領域911よりも小さい表示領域)に表示されるものとしてもよい。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0055】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0056】
○手段1
表示領域を有する表示装置と、前記表示領域に第一演出用画像を表示する第一演出および第二演出用画像を表示する第二演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記第一演出は、前記表示領域に前記第一演出用画像が表示された第一状態から当該第一状態よりも前記第一演出用画像が小さく表示された第二状態に推移するものであり、前記第二演出は、前記第一演出が第二状態となった後開始される演出であって、前記表示領域における前記第一演出用画像が小さく表示された状態となることによって生じた領域の少なくとも一部に前記第二演出用画像が表示されるものであることを特徴とする遊技機。
上記遊技機では、第一演出を構成する第一演出用画像が小さくなって生じた領域に第二演出用画像が表示されることで第二演出が実行される。つまり、第一演出を構成する第一演出用画像が小さくなることによって第二演出が開始されるという斬新なものであるから、遊技(演出)の趣向性を向上させることが可能である。
【0057】
○手段2
前記第一演出が前記第二状態にあるときには当該第一演出の進行が停止されることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このように、第一演出が第二状態に推移したときに当該第一演出の進行が停止されるようにすれば、遊技者が注目すべき演出が第一演出から第二演出に切り替わったことを明確に示すことが可能である。
【0058】
○手段3
前記第一演出は、前記第二演出の終了後、前記第一演出用画像が前記第一状態における大きさに戻る第三状態に推移する場合があることを特徴とする手段1または手段2に記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者が注目すべき演出が第二演出から第一演出に切り替わったことを明確に示すことが可能である。
【0059】
○手段4
前記第二演出の結末として、遊技者に有利な成功結末と当該成功結末に至らなかった場合に発生する失敗結末が設定されており、前記第二演出が前記失敗結末に至った場合に、当該第二演出の終了後、前記第一演出が前記第三状態に推移することを特徴とする手段3に記載の遊技機。
このように、第二演出が失敗結末となった場合に、第二演出から第一演出への切り替わりが発生するようにすることができる。
【0060】
○手段5
遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記第一演出の前記第一状態にて前記操作手段の操作が促され、当該操作手段の操作が演出に反映される操作有効時間が設定される場合、前記第一状態の終了時点で操作有効時間が終了していなかったときには、前記第二状態においては当該操作有効時間が停止され、前記第三状態に推移することで停止していた当体操作有効時間が再開されることを特徴とする手段3または手段4に記載の遊技機。
このようにすることで、操作有効時間が一時的に停止するという面白みのある演出を実行することが可能となる。
【符号の説明】
【0061】
1 遊技機
10 識別図柄
41 第一演出用画像
411 枠画像
42 第二演出用画像
50 装飾画像
80 操作手段
81 操作画像
82 メータ
91 表示装置
911 表示領域
911a 特定領域
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10