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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】容器洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/093 20060101AFI20240529BHJP
   A47L 15/42 20060101ALI20240529BHJP
   A47L 15/28 20060101ALI20240529BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
B08B9/093
A47L15/42 S
A47L15/28
B08B3/02 B
B08B3/02 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021020554
(22)【出願日】2021-02-12
(65)【公開番号】P2022123322
(43)【公開日】2022-08-24
【審査請求日】2023-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000176604
【氏名又は名称】三田理化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】川端 政智
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-092948(JP,U)
【文献】特開2017-104777(JP,A)
【文献】特開2007-125531(JP,A)
【文献】特開2006-314947(JP,A)
【文献】特開平07-171086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 9/00 - 9/46
B08B 3/02
A47L 15/00 - 15/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定高さの導水管部(6)と、該導水管部(6)の上端に付設された扇形噴射水発生用ノズル(7)とを、有する水噴射管体(5)を、多数本、相互平行鉛直状として、基盤(8)に回転可能に立設し、
かつ、多数本の上記水噴射管体(5)を鉛直状軸心(L 5 )廻りに回転駆動する回転駆動手段(Y)を付設し、
さらに、多数の被洗浄容器(15)を倒立姿勢で保持すると共に、上記基盤(8)に立設された多数本の上記水噴射管体(5)の真上に被洗浄容器(15)を保持する被洗浄容器保持枠体(20)と、
該被洗浄容器保持枠体(20)を昇降させる昇降駆動手段(12)とを、
備え、
上記昇降駆動手段(12)にて上記被洗浄容器保持枠体(20)を下降させるに伴って、該被洗浄容器保持枠体(20)に倒立姿勢で保持した被洗浄容器(15)の下方開口部(15A)から、上記水噴射管体(5)が挿入されると共に、上記被洗浄容器(15)の内面(15Y)全体に対して、上記扇形噴射水発生用ノズル(7)からの扇形噴射水(W)は、上記水噴射管体(5)の回転によって、螺旋軌跡(S 15 )を描きつつ衝突して洗浄するように構成されていることを特徴とする容器洗浄装置。
【請求項2】
上記水噴射管体(5)が多数本とは、4本以上48本以下である請求項1記載の容器洗浄装置。
【請求項3】
上記回転駆動手段(Y)は、多数本の上記水噴射管体(5)の各々の下部にギアー(G 5 )を固設し、さらに、平面視、格子の各交叉点の位置に、全ての上記ギアー(G 5 )の軸心点(O 5 )を対応させると共に、隣り合うギアー(G 5 )(G 5 )を相互に噛合させ、多数本の全てのギアー(G 5 )を連動連結して成る格子状密接ギアー群(G 100 )を形成し、
駆動モータ(9)からの回転駆動力を、上記格子状密接ギアー群(G 100 )の内から選択した一個の受動ギアー(10)に伝達するように構成されている請求項1又は2記載の容器洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器洗浄装置に係り、特に、哺乳瓶,培養瓶,薬瓶等の高度清浄に使用できる容器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、哺乳瓶等の洗浄に回転ブラシを用いた洗浄機が知られているが、回転ブラシの当たりムラによって、洗浄が十分でない場合があった。
そこで、哺乳瓶等の容器を、倒立状態として、下方開口部から、水噴出用小円筒体を挿入して、この小円筒体の周壁に貫設された多数の小噴出孔から水を噴出して、容器内面を洗浄する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-158702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の発明にあっては、次のような問題がある。(i)容器内に下方から挿入される水噴出用小円筒体には極めて多数の小噴出孔が形成されているので、(逆に)1個1個の噴出孔から噴出される水の勢いが弱くなり、十分な内面の洗浄が困難であった。(ii)1個1個の噴出孔からの水の噴出の勢いが弱いために洗浄に時間が掛かっていた。(iii) 水の使用量が多くなる。
【0005】
そこで、本発明は、従来のこのような問題点を解決して、容器の内面全体から汚れを完全に落とし、迅速に洗浄を行うことができる容器洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明に係る容器洗浄装置は、所定高さの導水管部と、該導水管部の上端に付設された扇形噴射水発生用ノズルとを、有する水噴射管体を、多数本、相互平行鉛直状として、基盤に回転可能に立設し;かつ、多数本の上記水噴射管体を鉛直状軸心廻りに回転駆動する回転駆動手段を付設し;さらに、多数の被洗浄容器を倒立姿勢で保持すると共に、上記基盤に立設された多数本の上記水噴射管体の真上に被洗浄容器を保持する被洗浄容器保持枠体と;該被洗浄容器保持枠体を昇降させる昇降駆動手段とを;備え;上記昇降駆動手段にて上記被洗浄容器保持枠体を下降させるに伴って、該被洗浄容器保持枠体に倒立姿勢で保持した被洗浄容器の下方開口部から、上記水噴射管体が挿入されると共に、上記被洗浄容器の内面全体に対して、上記扇形噴射水発生用ノズルからの扇形噴射水は、上記水噴射管体の回転によって、螺旋軌跡を描きつつ衝突して洗浄するように構成されている。
【0007】
また、上記水噴射管体が多数本とは、4本以上48本以下である。
また、上記回転駆動手段は、多数本の上記水噴射管体の各々の下部にギアーを固設し、さらに、平面視、格子の各交叉点の位置に、全ての上記ギアーの軸心点を対応させると共に、隣り合うギアーを相互に噛合させ、多数本の全てのギアーを連動連結して成る格子状密接ギアー群を形成し;駆動モータからの回転駆動力を、上記格子状密接ギアー群の内から選択した一個の受動ギアーに伝達するように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
ノズルから噴射される扇形の高圧噴射水は、昇降運動と回転運動を結合した螺旋軌跡をもって、容器内面の全体にわたって衝撃的に当たり、能率良く、高い清浄度をもって、容器内面全体を洗浄できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の一形態を示す洗浄開始直前状態の一部断面正面図である。
図2】洗浄開始直前状態を示す一部断面側面図である。
図3】洗浄状態を示す一部断面正面図である。
図4】洗浄状態を示す一部断面側面図である。
図5】噴射水によって容器内面が洗浄される状態の説明図であって、(A)は各構成部材の作動の説明図、(B)は容器を静止したと仮定して容器の内面に対する噴射水が衝突してゆく軌跡の説明図である。
図6】要部斜視図である。
図7】要部平面図である。
図8】要部斜視図である。
図9】要部断面正面図である。
図10】要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
図1図4に於て、外ケーシング1内に、開閉扉2付の密閉開口自在な内槽体3が設けられている。この内槽体3の内部に容器洗浄装置の主要部が内蔵されている。
【0011】
5は水噴射管体である。この水噴射管体5は、所定高さの鉛直状導水管部6と、その上端に付設されて扇形の噴射水Wを発生するノズル7とを、有する。
図6図9に示すように、多数本の水噴射管体5は、相互平行鉛直状として、基盤8に回転可能に立設されている。
【0012】
しかも、多数本の水噴射管体5を、鉛直状軸心L5 廻りに回転駆動する回転駆動手段Yが付設されている。
本発明に於て、水噴射管体5が「多数本」とは、4本以上48本以下の場合を言う。
そして、回転駆動手段Yは、駆動モータ9と、多数本の水噴射管体5の各々の下部に固着された多数のギアーG5 とを、備えている。
【0013】
図6図7等から明らかなように、水噴射管体5に固着の全てのギアーG5 の軸心点O5 は、平面視において、格子の各交叉点の位置に、対応させる。さらに、隣り合ったギアーG5 ,G5 を相互に、(図6図9に示す如く)噛合させ、多数本(図6図7では24本)の全てのギアーG5 を連動連結して、格子状密接ギアー群G100 を構成(形成)している。
駆動モータ9の出力軸に駆動ギアーG9 を固設すると共に、中間介設ギアーG10を介して、前記格子状密接ギアー群G100 の内から選択した一個の受動ギアー10に、上記駆動モータ9からの回転駆動力を、伝達する。
【0014】
格子状密接ギアー群G100 は平面視長方形の輪郭を描くが、その長方形輪郭の一辺に存在している一つのギアーを受動ギアー10に選定し、この受動ギアー10に対して、介設ギアーG10を噛合させれば、図7に於て、矢印Rをもって示すように、24個の全てのギアーG5 がスムーズに(連動しつつ)回転する。
言い換えれば、全て(24本)の水噴射管体5(ノズル7)が矢印R方向に、連動して、回転する。特に、右回転と左回転が交互に配設される結果となる。
【0015】
図1図4に於て、20は被洗浄容器保持枠体であって、多数の被洗浄容器15を倒立姿勢で保持する。例えば、主として金属線材をもって構成する。しかも、多数の倒立姿勢の被洗浄容器15の下方開口端縁を受持しつつも、水噴射管体5が容器15の下方開口部15Aに挿入可能なように上記金属線材等をもって受持底面枠を形成しておく。
【0016】
さらに具体的に説明すれば、前述の基盤8に立設された多数本の水噴射管体5(図6参照)の真上に(倒立状の)被洗浄容器15を、保持枠体20が、保持している(図1図4参照)。
また、12は、(上述の)被洗浄容器保持枠体20を昇降させる昇降駆動手段である。
【0017】
この昇降駆動手段12について、以下、説明する。13はリニアドモータである。内槽体3の上面に固着された鉛直状のラック杆14と、モータ本体16と、減速機及び(ラック杆14を上下動させる)ピニオンギア等を内有した駆動力伝達部17等をもって、上記リニアドモータ13が構成される。
【0018】
リニアドモータ13のモータ本体16と駆動力伝達部17は、矩形板18に載置状に固着され、この矩形板18から4本のスライドシャフト19が垂設され、スライド軸受21を介して、内槽体3の天井壁面3Aから内部へ上記スライドシャフト19が突入している。
【0019】
前記被洗浄容器保持枠体20を支持する支持枠22が、上記スライドシャフト19にて吊下げ状に連結されている。
また、支持枠22には、前記開閉扉2を開放した状態(図2参照)に於て、被洗浄容器保持枠体20を、内槽体3から出し入れ自在とする車輪23付のレール部材24が付設されている。
【0020】
このようにして、被洗浄容器15を倒立姿勢で保持した保持枠体20は、レール部材24,24に載置状態にて、支持枠22の内部空間に収納され、図1図4に示したように、スライドシャフト19によって、吊持状とされると共に、リニアドモータ13の駆動力にて下降・上昇する。
【0021】
上述の昇降駆動手段12によって、保持枠体20を下降させてゆけば、図1図2の状態から、図3図4に示す如く、保持枠体20内に倒立姿勢で保持されている被洗浄容器15の下方開口部15Aから、水噴射管体5が挿入されている。
【0022】
しかも、水噴射管体5は、回転駆動手段Yによって鉛直状軸心L5 廻りに回転しているので、図5に示す如く、ノズル7から噴射されている扇形噴射水Wは、螺旋状軌跡を描きつつ被洗浄容器15の内面15Yに対して衝突して、内面15Yを全体にわたって洗浄できる。
【0023】
さらに詳しく説明すれば、図5(A)に示す矢印V1 ,V2 は、(図1図4に示した昇降駆動手段12によって付与される)容器15の下降,上昇の各作動を示す。さらに、矢印M5 は、水噴射管体5の鉛直軸心廻りの回転運動を示す。
【0024】
本発明における螺旋軌跡S15とは、図5(B)に示すように、被洗浄容器15を仮に静止(固定)状態に保って観察した場合に、ノズル7から噴射される噴射水Wが、容器内面15Yに次々と衝突する部位の軌跡が、螺旋状であることを言う。
しかも、図5(B)に示すように、螺旋軌跡S15によって、容器15の内面15Yの円筒内面部位は、(軸心L5 に沿った)全体にわたって、均等に洗浄されることが明らかであるが、さらに、図5(A)に示す扇形の噴射水Wが、矢印M5 のように回転しつつ、螺旋軌跡S15を描き、容器15の内面15Yの底面15B及び隅部15Cに対しても、強力に噴射水Wが衝突することで、この底面15B及び隅部15Cまでもが、完全に十分な洗浄が行われる。
【0025】
図5(A)(B)に基づき本発明の構成と作用を、以下のようにまとめることもできる。即ち、倒立姿勢に保った被洗浄容器15の下方開口部15Aから、扇形噴射水Wを発生するノズル7を挿入すると共に、被洗浄容器15とノズル7とを、相対的に上下方向に移動させ、かつ、相対的に鉛直軸心廻りに回転させる。
【0026】
ここで、「相対的に上下方向に移動させる」とは、図1図4に示したように、ノズル7は上下方向固定として、容器15を上下方向に移動させる場合と、(図示省略したが)ノズル7を上下往復動自在に駆動させ、逆に、容器15を上下動させずに固定保持する場合とを、想定している。
【0027】
また、「相対的に鉛直軸心廻りに回転させる」とは、図1図4に示したように、水噴射管体5を回転させ、容器15を鉛直軸心廻りに静止のままとする場合と、(図示省略したが)水噴射管体5を回転させずに固定し、容器15を鉛直軸心廻りに回転させる場合とを、想定している。
【0028】
容器15とノズル7を、相対的に上下方向に移動させ、かつ、相対的に鉛直軸心廻りに回転させ、容器15の内面15Yに対して、螺旋軌跡を描きつつ扇形の噴射水Wを衝突させ、上記内面15Yの全体を洗浄するように、構成される。
【0029】
本発明に於て、ノズル7から噴射される水の圧力は、0.3Mpa~1Mpaの高圧力とする。下限値未満では、能率良く迅速に十分な洗浄が困難となる。上限値を越すと、配管や管継手等が大きくなり、密封性を保つための回転部のシール材の選定が難しくなり、寿命も短くなる。
【0030】
図6図7等に於て、基盤8の全体を既に説明すると共に、格子状密接ギアーG100 についても既に説明したが、ここで、以下、図8図9及び図10を参照しつつ、上記基盤8を構成する(6個の)単位ユニットU8 について、追加説明する。
【0031】
この単位ユニットU8 は、平面視正方形であって、(正方形の)上盤31と(正方形の)下盤32を重ね合わせて(図示省略の)ボルト等にて一体化させる。4角部に対応した内方位置に円形孔33が上下方向に貫設され、この円形孔33に軸受ユニット34が嵌着されている。
【0032】
軸受ユニット34は、外筒体35を有し、この外筒体35の上下方向の軸心孔35Aに、導水管部6の下端部位6Aが挿入される。この下端部位6Aはネジ結合36によって、導水管本体6Bと、連結一体化される。
【0033】
下端部位6Aは、有底軸心孔37を有し、下端部位6Aの上下中間位置にまでの深さに形成されると共に、4本の径方向孔38,38,38,38が有底軸心孔37に連通連結される。
外筒体35には、径方向流路孔35Cが貫設され、4個の上記径方向孔38,38,38,38は、この流路孔35Cに連通連結状となる。
【0034】
25は、配管接続用の継手であり、図9、及び図2図4に示すように、単位ユニットU8 の下盤32に螺着され、下盤32と上盤31に連通状に貫設した(図9に点線をもって図示した)流路26に対し、この洗浄水を供給するために、前記継手25が単位ユニットU8 の下面の(底面視の)中心に、接続されている。
【0035】
図9に示す矢印F26,F26は、洗浄水の流れ(方向)を示し、継手25から供給された上方向の流れが4本に分岐して水平方向に流れる方向を示す。
上述の如く、単位ユニットU8 を底面から見た正方形の中心に継手25を介して流入する洗浄水は、(図示省略の)平面視X字状流路を介して、4個の軸受ユニット34,34,34,34の内部に流入して、その後、有底軸心孔37を介して、導水管本体6Bの内部孔を上昇してノズル7から扇形に噴射する。
【0036】
このように、各単位ユニットU8 に関しては、4本の水噴射管体5,5,5,5のノズル7から噴射される扇形の噴射水Wが均等となるよう分流させる作用効果がある。
しかも、図1図4に於て、(図示省略の)ポンプ等から供給される高圧水を送り出す高圧水分岐パイプ27に接続された6本の細径配管28…の長さ寸法等を同一に設定することで、水の通過抵抗(圧力損失)を同一とする。
【0037】
このようにして、高圧水分岐パイプ27の各分岐点から、全ての単位ユニットU8 の前記継手25までの水の通過抵抗が同等となり、しかも、各単位ユニットU8 に於ても、既述したように、4本の水噴射管体5の先端のノズル7までの水の通過抵抗も同等であることによって、全ての(図例では24個)ノズル7から同一の流量(流速)をもって、扇形の噴射水Wを噴出可能となる。
【0038】
図9及び図10にもどって、軸受ユニット34について説明すると、39,39は2個の軸受であり、40,40はXリング等の第1シール材、41,41はベアリング押さえ金具を示す。
42は、導水管部6の下端部位6Aの下端にボルト43にて固着されたカップ型抜け止め材である。なお、図8図9に示すように、ボルトにて締結一体化される半割セットカラー44,44は、ギアーG5 を導水管部6に固着するためのものである。
なお、本発明に於て、噴射水Wとしては、温水や洗剤入りの水(湯水)をも含むものとする。
【0039】
本発明は、以上詳述したように、倒立姿勢に保った被洗浄容器15の下方開口部15Aから、扇形噴射水発生用ノズル7を、挿入すると共に、上記被洗浄容器15と上記ノズル7とを、相対的に上下方向に移動させ、かつ、相対的に鉛直軸心廻りに回転させ;上記被洗浄容器15の内面15Yに対して、螺旋軌跡を描きつつ衝突させ、上記内面15Yの全体を洗浄するよう構成したので、被洗浄容器15の内面15Yを隅々まで、短い時間で、確実に洗浄することが可能となった。例えば、容器15の底面及び底面周縁部(隅部)までをも、確実に洗浄できる。特に、ノズル7から噴射する扇形噴射水Wの衝撃力は著大であり、落ち難い汚れ等をも、能率良く確実に除去できる。
【0040】
また、所定高さの導水管部6と、該導水管部6の上端に付設された扇形噴射水発生用ノズル7とを、有する水噴射管体5を、多数本、相互平行鉛直状として、基盤8に回転可能に立設し;かつ、多数本の上記水噴射管体5を鉛直状軸心L5 廻りに回転駆動する回転駆動手段Yを付設し;さらに、多数の被洗浄容器15を倒立姿勢で保持すると共に、上記基盤8に立設された多数本の上記水噴射管体5の真上に被洗浄容器15を保持する被洗浄容器保持枠体20と;該被洗浄容器保持枠体20を昇降させる昇降駆動手段12とを;備え;上記昇降駆動手段12にて上記被洗浄容器保持枠体20を下降させるに伴って、該保持枠体20に倒立姿勢で保持した被洗浄容器15の下方開口部15Aから、上記水噴射管体5が挿入されると共に、上記被洗浄容器15の内面15Y全体に対して、上記ノズル7からの扇形噴射水Wは、上記水噴射管体5の回転によって、螺旋軌跡S15を描きつつ衝突して洗浄するように構成されているので、(4本以上48本以下の)多数の被洗浄容器15を能率的に極めて清浄に洗浄可能となった。しかも、多数の被洗浄容器15を同時に洗浄可能でありながらも、装置全体のコンパクト化を図り得ると共に、多数の容器15の各々の底面及び隅部までをも、清浄に汚れ洗浄を行うことを実現した。特に、ノズル7から噴射する扇形噴射水Wの(被洗浄容器15の内面15Yに対する)衝撃力は著大であり、このような著大な衝撃力を一度に多数本の容器15の内面15Yに付与でき、かつ、水の使用量も少なく済むという利点もある。
【0041】
また、本発明において、上記水噴射管体5が多数本とは、4本以上48本以下であるので、全体として能率的に多くの容器15の洗浄ができる。
【0042】
また、上記回転駆動手段Yは、多数本の上記水噴射管体5の各々の下部にギアーG5 を固設し、さらに、平面視、格子の各交叉点の位置に、全ての上記ギアーG5 の軸心点O5 を対応させると共に、隣り合うギアーG5 ,G5 を相互に噛合させ、多数本の全てのギアーG5 を連動連結して成る格子状密接ギアー群G100 を形成し;駆動モータ9からの回転駆動力を、上記格子状密接ギアー群G100 の内から選択した一個の受動ギアー10に伝達するように構成されているので、多数本の水噴射管体5(及びノズル7)を(極限まで)密に配設することができて、装置のコンパクト化を図り、一度に洗浄可能な容器15の本数を、(同一横断面積の洗浄装置をもって比較したとき、)最大限まで増加可能となった。しかも、ギアーを従来のチェーン(鎖)等にて、連動させる必要がなくなり、故障が発生せず、装置の寿命も延びるという利点もある。
【0043】
また、上記ノズル7から噴射される水の圧力を、0.3Mpa~1Mpaの高圧力に設定したことにより、容器15の内面15Yの洗浄能力が著しくアップする。しかも、このような高圧力と、扇形噴射水Wの螺旋軌跡S15を描く内面への衝突によって、極めて高能率かつ高洗浄能力を発揮できる。
【符号の説明】
【0044】
5 水噴射管体
6 導水管部
7 扇形噴射水発生用ノズル
8 基盤
9 駆動モータ
10 受動ギアー
12 昇降駆動手段
15 被洗浄容器
15A 下方開口部
15Y 内面
20 被洗浄容器保持枠体
5 ギアー
100 格子状密接ギアー群
5 鉛直状軸心
5 軸心点
15 螺旋軌跡
W 扇形噴射水
Y 回転駆動手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10