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特許7495758マクロライド化合物及びその慢性呼吸器疾患の治療用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】マクロライド化合物及びその慢性呼吸器疾患の治療用途
(51)【国際特許分類】
   C07H 17/08 20060101AFI20240529BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240529BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20240529BHJP
   C12N 5/0786 20100101ALI20240529BHJP
【FI】
C07H17/08 B CSP
A61P29/00
A61K31/7048
C12N5/0786
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022560409
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2020070981
(87)【国際公開番号】W WO2021138847
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-06-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522228322
【氏名又は名称】ベイジン コンティネント ファーマシューティカルズ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,イン
(72)【発明者】
【氏名】イエ,ヤンピン
(72)【発明者】
【氏名】ユイ,ジェングオ
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/166503(WO,A1)
【文献】特表2005-538998(JP,A)
【文献】国際公開第2007/129646(WO,A1)
【文献】American Journal of Physiology,2013年,Vol.304,pp.L746-L756
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2012年,Vol.22,pp.4575-4578
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Aにリストされる化合物、その薬学的に許容される塩、又はその立体異性体
【表1】
【請求項2】
請求項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその立体異性体、並びにその薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項3】
炎症性疾患を治療又は予防するための薬剤の製造における、請求項に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその立体異性体の使用。
【請求項4】
請求項に記載の化合物の存在下で細胞を培養するステップを含む、単球のインビトロでのマクロファージへの促進方法。
【請求項5】
請求項に記載の化合物の存在下で細胞を培養するステップを含む、インビトロでのIL-8の発現阻害方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療技術及び医薬品の分野に属し、具体的には、マクロライド化合物及びその慢性呼吸器疾患の治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
慢性呼吸器疾患は、気道やその他の肺組織の慢性疾患である。炎症細胞の大量リクルートメン及び/又は感染の破壊的サイクルを特徴とする。最も一般的な慢性気道疾患は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、職業性肺疾患及び肺高血圧症である。
【0003】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、世界で死亡及び障害の主要な原因である。世界の疾病負荷研究(Global Burden of Disease Study:GBD)では、COPDは2020年までに世界で3番目に多い死因となり、障害調整生存年(Disability-adjusted Life Year:DALY)を12位から5位に引き上げると結論付けている。COPDは肺気腫と慢性気管支炎の両方を含む症候群で、タバコの煙が原因であることが最も多い。この疾患は、粘液の蓄積、強い免疫応答、及び疾患の後期における慢性好中球増加症を特徴とする。
【0004】
マクロライド系抗菌薬(Macrolide anti-biotics)は、60年以上にわたり慢性呼吸器感染症の治療に効果的且つ安全に使用されてきた。臨床で一般的に使用されるマクロライド系抗菌薬は、1個又は2個の糖がグリコシド結合を介して結合している14個又は15個の原子を含む大環状ラクトン環の存在を特徴としている。
【0005】
低い毒性、低い副作用と優れた抗炎症作用を有するが、抗菌活性を有しない新しいクラスのマクロライド系薬剤を開発することは、当技術分野で解決すべき緊急な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、慢性呼吸器疾患や炎症性疾患の治療に有用な、毒性、副作用が低く、優れた抗炎症作用を有するクラスのマクロライド系薬剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様では、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその立体異性体を提供する:
【0008】
【化1】

【0009】
ここで、
n1は、H、C1-6アルキル(好ましくはメチル)からなる群より選択され;
n2は、H、C1-10アルキル(好ましくはC1-6アルキル、より好ましくはC1-4アルキル)、-C1-4アルキレン-C6-10アリール、-C1-4アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)、C1-6アルカノイル(C1-6アルキル-C(O)-)、-C1-6アルカノイル-C6-10アリール、-C1-6アルカノイル-(5~10員ヘテロアリール)、C1-6アルコキシカルボニル(C1-6アルキル-OC(O)-)、-C1-6アルコキシカルボニル-C6-10アリール、-C1-6アルコキシカルボニル-(5~10員ヘテロアリール)、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルからなる群より選択される置換又は非置換の基であり;
12及びR13は、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC3-6シクロアルキル、R-C(O)-、及びR-OC(O)-からなる群より独立して選択され;
21、R22、R23、R24、R25、及びR26は、H、置換又は非置換のC1-6アルキル(好ましくはメチル)からなる群より独立して選択され;
はメチルであり、
は、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC3-6シクロアルキル、R-C(O)-、R-OC(O)-、及び
【0010】
【化2】
【0011】
からなる群より選択され;
ここで、
41及びR42は、H、置換又は非置換のC1-6アルキルからなる群より独立して選択され;
43は、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC1-6アルカノイルからなる群より選択され;
44は、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC1-6アルカノイルからなる群より選択され;
【0012】
【化3】
【0013】
は、二重結合又は単結合であり;
11は、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC3-6シクロアルキル、R-C(O)-、及びR-OC(O)-からなる群より選択され;又は、R11がヌル(null)であり、R11がヌルの場合、R11が接続されているOと、Aとの間に単結合が形成され;
Aは、-C(O)-、-N(R)-(C(R’))-、-CR’(R)-、-C(=N(OR))-、
【0014】
【化4】
【0015】
、-CR’=、-CR’-からなる群より選択され;
は、H、置換又は非置換のC1-6アルキルからなる群より選択され;
は、H、-OH、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC1-6アルコキシ、置換又は非置換のC1-6アルキル-C(O)O-、置換又は非置換の-N(R’)からなる群より選択され;
は、H、-C1-6アルキル、-C1-4アルキレン-C2-6アルケニル、-C1-4アルキレン-C2-6アルキニル、-C1-4アルキレン-O-C1-6アルキル、-C1-4アルキレン-S-C1-6アルキル、-C1-4アルキレン-O-C1-4アルキレン-O-C1-6アルキルからなる群より選択され;ここで、Rは、-OH、-CN、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換のC6-10アリール、置換又は非置換の5~10員ヘテロアリール、置換又は非置換の-N(R’)、置換又は非置換のC5-7ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のC3-8シクロアルキルからなる群より選択される置換基でさらに置換されていてもよく;
は、H、置換又は非置換のC1-6アルキル、置換又は非置換の-C1-6アルキレン-C6-10アリール、置換又は非置換の5~10員ヘテロアリールからなる群より選択され;
R’は、H、置換又は非置換のC1-6アルキルからなる群より選択され;
特に明記しない限り、用語「置換」とは、基中の1つ以上(好ましくは1、2、3、4又は5)の水素を、D、ハロゲン、-OH、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキルからなる群より選択される置換基で置換することを指す。
【0016】
別の好ましい実施形態において、Aが-C(O)-である場合、Rn1及びRn2は異なっている。
【0017】
別の好ましい実施形態において、Aが-C(O)-である場合、Rn2はメチルではない。
【0018】
別の好ましい実施形態において、Aが-C(O)-である場合、Rn2は、C1-6アルカノイル(C1-6アルキル-C(O)-)、-C1-6アルカノイル-C6-10アリール、-C1-6アルカノイル-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択される置換又は非置換の基である。
【0019】
別の好ましい実施形態において、Aが-N(R)-(C(R’))-、-CR’(R)-、-C(=N(OR))-、
【0020】
【化5】
【0021】
、-CR’=、-CR’-からなる群より選択される場合、Rn2は、H、C1-10アルキル、-C1-4アルキレン-C6-10アリール、-C1-4アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)、C1-6アルカノイル(C1-6アルキル-C(O)-)、-C1-6アルカノイル-C6-10アリール、-C1-6アルカノイル-(5~10員ヘテロアリール)、C1-6アルコキシカルボニル(C1-6アルキル-OC(O)-)、-C1-6アルコキシカルボニル-C6-10アリール、-C1-6アルコキシカルボニル-(5~10員ヘテロアリール)、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルからなる群より選択される置換又は非置換の基である。
【0022】
別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物はLY101-2ではない。
【0023】
別の好ましい実施形態において、
【0024】
【化6】
【0025】
が二重結合である場合、Aは、
【0026】
【化7】
【0027】
、-CR’=からなる群より選択される。
【0028】
別の好ましい実施形態において、
【0029】
【化8】
【0030】
が単結合である場合、Aは、-C(O)-、-N(R)-(C(R’))-、-CR’(R)-、-C(=N(OR))-からなる群より選択される。
【0031】
別の好ましい実施形態において、R11がヌルである場合、Aは
【0032】
【化9】
【0033】
又は-CR’-である。
【0034】
別の好ましい実施形態において、R11がヌルでない場合、Aは、-C(O)-、-N(R)-(C(R’))-、-CR’(R)-、-C(=N(OR))-からなる群より選択される。
【0035】
別の好ましい実施形態において、Rn1は、H又はメチルである。
【0036】
別の好ましい実施形態において、Rn2は、H、C1-10アルキル(好ましくはC1-6アルキル)、及びC1-6アルカノイルからなる群より選択される。
【0037】
別の好ましい実施形態において、Rn2は、C1-6アルカノイル;好ましくはC1-4アルカノイルである。
【0038】
別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-i)の構造を有する:
【0039】
【化10】

【0040】
ここで、
【0041】
【化11】
【0042】
、Rn1、Rn2、R11、R12、R13、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R、R、及びAは、上記のように定義される。
【0043】
別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、又は式(Ie)の構造を有し、
【0044】
【化12】

【0045】
ここで、Rn1、Rn2、R11、R12、R13、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R、R、R、R、及びRは、上記のように定義される。
【0046】
別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、式(Ia-i)、式(Ib-i)、式(Ic-i)、式(Id-i)、又は式(Ie-i)の構造を有し、
【0047】
【化13】

【0048】
ここで、
【0049】
【化14】
【0050】
、Rn1、Rn2、R11、R12、R13、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R、R、R、R、及びRは、上記のように定義される。
【0051】
別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物が式(Ic)又は式(Ic-i)の構造を有する場合、Rn1とRn2は異なる。
【0052】
別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物が式(Ic)又は式(Ic-i)の構造を有する場合、Rn2はメチルではない。
【0053】
別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物が式(Ic)又は式(Ic-i)の構造を有する場合、Rn2は、C1-6アルカノイル、-C1-6アルカノイル-C6-10アリール、-C1-6アルカノイル-(5~10員ヘテロアリール)からなる群より選択される置換又は非置換の基であり;好ましくは、Rn2は置換又は非置換のC1-6アルカノイルである。
【0054】
別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物が式(Ia)、式(Ib)、式(Id)、式(Ie)、式(Ia-i)、式(Ib-i)、式(Id-i)、又は式(Ie-i)の構造を有する場合、
n2は、H、C1-10アルキル、-C1-4アルキレン-C6-10アリール、-C1-4アルキレン-(5~10員ヘテロアリール)、C1-6アルカノイル(C1-6アルキル-C(O)-)、-C1-6アルカノイル-C6-10アリール、-C1-6アルカノイル-(5~10員ヘテロアリール)、C1-6アルコキシカルボニル(C1-6アルキル-OC(O)-)、-C1-6アルコキシカルボニル-C6-10アリール、-C1-6アルコキシカルボニル-(5~10員ヘテロアリール)、C2-10アルケニル、及びC2-10アルキニルからなる群より選択される置換又は非置換の基である。
【0055】
別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物が式(Ia)、式(Ib)、式(Id)、式(Ie)、式(Ia-i)、式(Ib-i)、式(Id-i)、又は式(Ie-i)の構造を有する場合、Rn2は、H、C1-10アルキル、C1-6アルカノイル、及びC1-6アルコキシカルボニルからなる群から選択される置換又は非置換の基である。
【0056】
別の好ましい実施形態において、
【0057】
【化15】
【0058】
、Rn1、Rn2、R11、R12、R13、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R、R、R、R、及びRは、前記実施例で調製した化合物における対応する基である。
【0059】
別の好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、表Aにリストされる化合物のいずれかである。
【0060】
本発明の第2の態様では、本発明の第1の態様の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその立体異性体、並びにその薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0061】
本発明の第3の態様では、炎症性疾患を治療又は予防するための薬剤の製造における、本発明の第1の態様の化合物、その薬学的に許容される塩、又はその立体異性体の用途を提供する。
【0062】
別の好ましい実施形態において、炎症性疾患は慢性炎症性疾患である。
【0063】
別の好ましい実施形態において、炎症性疾患は慢性呼吸器炎症性疾患である。
【0064】
別の好ましい実施形態において、炎症性疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、びまん性汎細気管支炎、嚢胞性肺線維症、気管支拡張症、又はそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0065】
本発明の第4の態様では、炎症性疾患を治療又は予防するための方法を提供し、この方法は、
本発明の第1の態様による化合物又は本発明の第2の態様による医薬組成物を必要とする被験体に投与するステップを含む。
【0066】
別の好ましい実施形態において、被験体はヒト及び非ヒト哺乳動物を含む。
【0067】
別の好ましい実施形態において、炎症性疾患は慢性炎症性疾患である。
【0068】
別の好ましい実施形態において、炎症性疾患は慢性呼吸器炎症性疾患である。
【0069】
別の好ましい実施形態において、炎症性疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、びまん性汎細気管支炎、嚢胞性肺線維症、気管支拡張症、又はそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0070】
本発明の第5の態様では、単球をインビトロ(in vitro)でマクロファージに促進するための方法を提供し、この方法は、本発明の第1の態様の化合物の存在下で細胞を培養するステップを含む。
【0071】
別の好ましい実施形態において、細胞はTHP-1細胞を含む。
【0072】
本発明の第6の態様では、インビトロにおけるIL-8の発現を阻害する方法を提供し、この方法は、本発明の第1の態様の化合物の存在下で細胞を培養するステップを含む。
【0073】
別の好ましい実施形態において、細胞はBEAS-2B細胞を含む。
【0074】
本発明の上記の各技術的特徴及び以下に具体的に説明される各技術的特徴(実施例など)は、新規又は好ましい技術的解決策を構成するために、本発明の範囲内で互いに組み合わせることができることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1】化合物AがTHP-1細胞のマクロファージへの分化に及ぼす効果を示す。
図2】化合物AがBEAS-2BによるIL-8のLPS誘発性放出に及ぼす効果を示す。
図3】化合物Aがエラスターゼ誘発性肺気腫マウスモデルに及ぼす効果を示す-左肺の矢状断面における代表的なHE染色(元の倍率100倍)。
図4】化合物Aがエラスターゼ誘発性肺気腫マウスモデルに及ぼす効果を示す-図3の組織病理学的画像から測定した肺胞の平均コード長。
図5】化合物Aが煙誘発性COPDマウスに及ぼす効果を示す-左肺の矢状断面における代表的なHE染色(元の倍率100倍)。
図6】化合物Aが煙誘発性COPDマウスに及ぼす効果を示す-図5の組織病理学的画像から測定した肺胞の平均コード長。
図7】化合物Aが煙誘発性COPDマウスモデルに及ぼす効果を示す-BALFの総炎症細胞数、マクロファージ数、及び好中球数。
図8】化合物Aが煙誘発性COPDマウスモデルに及ぼす効果を示す-全肺気量及び気道抵抗。
【発明を実施するための形態】
【0076】
広範且つ集中的な研究の後、発明者らは意外にも低い毒性、低い副作用と優れた抗炎症効果を示すが、抗菌活性を示さない、(
【0077】
【化16】

【0078】
基を有する)式(I)の新規クラスの化合物を開発した。本発明の化合物は、慢性疾患(慢性閉塞性肺疾患など)の治療に有用であり、不必要な細菌耐性を回避する。本発明は、この基本に鑑み完成された。
【0079】
〔定義〕
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、単独で又は他の置換基の一部として、特に明記しない限り、炭素数が指定された直鎖又は分岐鎖状の炭化水素基を意味する(すなわち、C1-10は、炭素数が1~10であることを意味する)。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基などが挙げられる。好ましいアルキル基は、炭素数が1~6のもので、すなわちC1-6アルキル基であり、より好ましいアルキル基は、炭素数が1~4のもので、すなわちC1-4アルキル基である。
【0080】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、1個以上の二重結合を有する不飽和アルキル基を指す。同様に、「アルキニル」という用語は、1個以上の三重結合を有する不飽和アルキル基を指す。このような不飽和アルキル基としては、ビニル基、2-プロペニル基、クロチル基、2-イソペンテニル基、2-(ブタジエニル)基、イソブテニル基、2,4-ペンタジエニル基、3-(1,4-ペンタジエニル)基、エチニル基、1-及び3-プロピニル基、3-ブチニル基、及び高次の同族体及び異性体が挙げられる。
【0081】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、指定数の環原子(例えば、C3-6シクロアルキル)を有し、且つ、完全に飽和しているか、又は環頂点間で1個以下の二重結合を有する炭化水素環を指す。「シクロアルキル」はまた、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンなどの二環式及び多環式炭化水素環を指すことを意味する。
【0082】
本明細書で使用される「ヘテロシクロアルキル」という用語は、N、O及びSから選択される1~5個のヘテロ原子を含むシクロアルキル基を指し、ここで、窒素及び硫黄原子は任意に酸化されていてもよく、窒素原子は任意に4級化されていてもよい。ヘテロシクロアルキルは、単環式、二環式又は多環式環系であってもよい。ヘテロシクロアルキル基の非限定例には、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ブチロラクタム、バレロラクタム、イミダゾリジノン、ヒダントイン、ジオキソラン、フタルイミド、ピペリジン、1,4-ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン-S-オキシド、チオモルホリン-S,S-オキシド、ピペラジン、ピラン、ピリドン、3-ピロリン、チオピラン、ピロン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、キヌクリジンなどが含まれる。ヘテロシクロアルキル基は分子の残部に環炭素又はヘテロ原子を通じて結合され得る。
【0083】
本明細書で使用される「アルキレン」は、単独又は他の置換基の一部として、-CHCHCHCH-に例示される、アルカンに由来する2価の基を意味する。典型的には、アルキル(又はアルキレン)基は1~24個の炭素原子を有し、本発明においては、10個以下(より好ましくは、1~6個又は1~4個)の炭素原子を有する基が好ましい。「低級アルキル」又は「低級アルキレン」は、短鎖アルキル又はアルキレン基であり、一般に炭素数が4以下である。同様に、「アルケニレン」及び「アルキニレン」とは、それぞれ二重結合又は三重結合を有する「アルキレン」の不飽和型を指す。
【0084】
本明細書で使用される「ヘテロアルキレン」という用語は、単独又は他の置換基の一部として、-CH-CH-S-CHCH-及び-CH-S-CH-CH-NH-CH-、-O-CH-CH=CH-、-CH-CH=C(H)CH-O-CH-及び-S-CH-C≡C-で例示される、ヘテロアルキルに由来する飽和又は不飽和又は多価不飽和2価の基を意味する。ヘテロアルキレン基では、ヘテロ原子は、ヘテロ原子は鎖末端の一方又は両方を占めていてもよい(例:アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。
【0085】
本明細書で使用される「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、単独又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。また、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、「C1-4のハロアルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどを含むことを意味する。
【0086】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、特に明記しない限り、互いに融合又は共有結合で連結される単一の環又は複数の環(最大3つの環)であり得る多価不飽和で典型的には芳香族の炭化水素基を意味する。
【0087】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、N、O及びSから選択される1~5個のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)を指し、ここで、窒素原子及び硫黄原子は任意に酸化され、窒素原子は任意に4級化される。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に結合することができる。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、ナフチル及びビフェニルが挙げられ、ヘテロアリール基の非限定的な例としては、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミンジニル、トリアジニル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニイル、ベンゾトリアジニル、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、ピロロピリジル、イミダゾピリジン、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プテリジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニルなどが挙げられる。上記のアリール環系及びヘテロアリール環系のそれぞれの置換基は、下記に記載の許容可能な置換基の群から選択される。
【0088】
本明細書で使用される化合物Aは、LY101-25、LY101-22、LY101-45、LY101-39、LY101-33、LY101-27、及びLY101-48から選択される化合物を意味する。
【0089】
本明細書で使用される「Cmpd」は、化合物の略であり、同様に、「CmpdA」は、化合物Aの略である。
【0090】
特に明記しない限り、本明細書で使用される略語は、当業者が知る慣用的意味を表す。
【0091】
〔医薬組成物〕
本明細書において、「本発明の活物質」又は「本発明の活性化合物」という用語は、本発明の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体、プロドラッグを指す。
【0092】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容される酸付加塩と塩基付加塩とを含む。
【0093】
本明細書で使用される「薬学的に許容される酸付加塩」という用語は、他の副作用を伴わずに遊離塩基の生物学的有効性を保持し得る塩であって、無機酸又は有機酸で形成された塩を指す。無機酸塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などが含まれるが、これらに限定されない。有機酸塩には、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩などが含まれるが、これらに限定されない。これらの塩は、当技術分野で知られている方法によって調製することができる。
【0094】
本明細書で使用される「医薬的に許容される塩基付加塩」という用語は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウム塩などの無機塩基の塩を含むがこれらに限定されず、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、リジン塩、アルギニン塩などの有機塩基の塩を含むがこれらに限定されない。これらの塩は、当技術分野で知られている方法によって調製することができる。
【0095】
本明細書で使用される式(I)の化合物は、1つ以上の結晶形で存在し得る。本発明の活性化合物は、種々の多形体及びそれらの混合物を含む。
【0096】
本発明に係る「溶媒和物」は、本発明の化合物と溶媒とで形成される複合体を指す。溶媒和物は、溶媒中での反応によって形成されることも、又は溶媒から析出又は結晶化して形成されることもできる。例えば、水で形成された複合体は「水和物」と呼ばれる。式(I)の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲にある。
【0097】
本発明の式(I)の化合物は、1つ以上のキラル中心を含み得、そして異なる光学活性形態で存在し得る。化合物が1つのキラル中心を含む場合、化合物はエナンチオマーを含む。本発明は、2つの異性体及びその混合物(例えば、ラセミ混合物)の両方を含む。エナンチオマーは、結晶化やキラルクロマトグラフィーなどの当技術分野で知られている方法で分解できる。式(I)の化合物が2つ以上のキラル中心を含む場合、化合物はジアステレオマーを含んでもよい。本発明は、光学的に純粋な異性体に分解された特定の異性体及びジアステレオマー異性体の混合物を含む。ジアステレオマー異性体は、結晶化や分取クロマトグラフィーなどの当技術分野で知られている方法を用いて分解できる。
【0098】
本発明は、上記化合物のプロドラッグを含む。プロドラッグには、既知のアミノ保護基及びカルボキシル保護基が含まれ、これらは生理学的条件下で加水分解されるか、又は酵素反応によって放出されて親化合物を得る。プロドラッグの具体的な調製方法は以下を参照することができる(Saulnier,MG;Frennesson,DB;Deshpande, MS;Hansel,SB and Vysa,DMBioorg.Med.Chem Lett.1994,4,1985-1990;及びGreenwald,RB;Choe,YH;Conover,CD;Shum,K.;Wu,D.;Royzen,M.J.Med.Chem.2000,43,475)。
【0099】
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、ヒト及び/又は動物に対して機能又は活性を生じる量で、ヒト及び/又は動物が許容できる量を指す。
【0100】
本発明により提供される医薬組成物は、有効成分を1~99%の重量比で含有することが好ましい。一般式(I)の化合物は、有効成分として全重量の65重量%~99重量%を占め、残りは薬学的に許容される担体、希釈剤、溶液又は塩溶液であることが好ましい。
【0101】
本発明によって提供される化合物及び医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末剤、シロップ剤、溶液、懸濁液、エアロゾルなどの様々な形態であってもよく、適切な固体又は液体の担体又は希釈剤、並びに注射又は点滴注入に適した消毒剤に存在してもよい。
【0102】
本発明の医薬組成物は、医薬品分野における従来の調製方法に従って、様々な剤形に調製することができる。その製剤式の単位投与量は、式(I)の化合物を0.05~200mg含有し、好ましくは、式(I)の化合物を0.1mg~100mg含有する。
【0103】
本発明の化合物は、単独で又は他の薬学的に許容される化合物(例えば、他のイオンチャネル阻害剤)と組み合わせて投与することができる。
【0104】
本発明の化合物及び医薬組成物は、ヒト及び動物を含む哺乳類において臨床的に使用することができ、口、鼻、皮膚、肺又は消化管を介して投与することができる。最も望ましいのは経口である。最も望ましい1日量は、1回の投与量で0.01~200mg/kg体重、又は分割投与量で0.01-100mg/kg体重である。投与方法にかかわらず、患者の至適投与量は具体的な治療法に基づいて決定する必要がある。通常は少量から始め、適量が見つかるまで徐々に増量する。
【0105】
〔調製方法〕
本発明は、式(I)の化合物の調製方法を提供する。本発明の化合物は、種々の合成操作によって容易に調製することができ、且つそれらの操作は当業者に馴染み深いものであり、これらの化合物の例示的な調製は、以下の工程を含んでいてもよい(ただし、これに限定されない)。
【0106】
一般に、調製工程において、各反応は通常、室温から還流温度(例えば、0~150C、好ましくは0~100℃)まで、不活性溶媒中で行われる。反応時間は通常0.1時間~60時間、好ましくは0.5~48時間である。
【0107】
好ましくは、本発明の式(I)の化合物は、以下のスキームのいずれかを参照して調製することができる。本方法の手順は、実際に必要に応じて拡張又は組み合わせることができる。
【0108】
本発明の主な利点は以下の通りである:
(a)本発明の化合物はより低い毒性を有する。
【0109】
(b)本発明の化合物は、抗菌活性を有しないため、細菌耐性を生じにくく、慢性疾患の治療に適する。
【0110】
(c)本発明の化合物は、優れた抗炎症能を有し、低毒性且つ低抗菌活性である。
【0111】
(d)特に、本発明の化合物、特に表Aの化合物、より具体的には化合物Aは、毒性が低く、抗菌活性が低く、抗炎症能に優れ、広い治療域に優れる。
【0112】
本発明は、具体的な実施形態を参照して以下でさらに説明される。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。以下の例で示す特定の条件を伴わない実験方法は、通常、従来の条件又は製造業者が推奨する条件に基づいている。特に明記しない限り、割合とパーツは重量による割合と重量によるパーツである。
【0113】
実施例1及び実施例2:Ly101-25とly-101-22の合成:
【0114】
【化17】
【0115】
ステップ1:O-((2S,3R,4S,6R)-4-(ジメチルアミノ)-2-(((3R,4S,5S,6R,7R,9R,11R,12R,13S,14R)-14-エチル-7,12,13-トリヒドロキシ-4-(((2R,4R,5S,6S)-5-ヒドロキシ-4-メトキシ-4,6-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3,5,7,9,11,13-ヘキサメチル-2,10-ジオキソオキサシクロテトラデカン-6-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)O-フェニルカルボノチオエート(ly101-1)の合成
【0116】
【化18】
【0117】
DCM(250mL)中のエリスロマイシン(5g、6.8mmol)溶液にDIEA(1.05g、8.1mmol)及びフェニルクロロチオノカーボネート(1.25g、7.3mmol)を5℃でゆっくり加えた。混合物を室温で3時間保持した。薄層クロマトグラフィー(thin-layer chromatography:TLC)分析は、原料が残っていないことを示した。混合物を濃縮し、得られた残渣を、石油(0%~40%)中の酢酸エチルで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、ly101-1(3.7g、収率:62.5%)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:870[M+H]。1H NMR(400MHz,CDCl)δ7.44-7.31(m,2H),7.27(d,J=7.3Hz,1H),7.12(dd,J=23.9,7.6Hz,2H),5.32(dd,J=10.5,7.2Hz,1H),5.04(d,J=8.9Hz,1H),4.88(d,J=4.4Hz,1H),4.62(dd,J=17.0,7.1Hz,1H),3.93(d,J=3.6Hz,3H),3.79(s,1H),3.51(t,J=7.5Hz,2H),3.26-3.16(m,3H),3.13(s,1H),3.03(dd,J=13.4,7.6Hz,2H),2.86(dd,J=14.2,7.5Hz,2H),2.63(s,1H),2.42-2.12(m,9H),2.02(s,1H),1.98-1.82(m,3H),1.78(s,1H),1.66(s,1H),1.64-1.55(m,2H),1.55-1.32(m,6H),1.24(dd,J=12.9,6.0Hz,11H),1.09(dd,J=16.1,9.3Hz,7H),1.03(d,J=7.5Hz,3H),0.83(t,J=7.4Hz,3H)。
【0118】
ステップ2:(3R,4S,5S,6R,9R,11R,12R,13S,14R)-6-(((2S,4S,6R)-4-(ジメチルアミノ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン)-2-イル)オキシ)-14-エチル-7,12,13-トリヒドロキシ-4-(((2R,4R,5S,6S)-5-ヒドロキシ-4-メトキシ-4,6-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3,5,7,9,11,13-ヘキサメチルオキサシクロテトラデカン-2,10-ジオン(ly101-2)の合成
【0119】
【化19】
【0120】
トルエン(250mL)中のly101-1(7.5g、8.6mmol)溶液にAIBN(1.54g、9.4mmol)及びBuSnH(7.5g、26mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間保持した。TLC分析は、原料が完全に消費されたことを示した。混合物を濃縮し、得られた残渣を、酢酸エチル(0%~10%)中のメタノールで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、ly101-2(4g、収率:64.5%)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:729.1[M+H]。1H NMR(400MHz,CDCl)δ5.05(d,J=10.8Hz,1H),4.87(d,J=5.0Hz,1H),4.50(d,J=9.6Hz,1H),4.12(dd,J=14.2,7.1Hz,1H),3.94(dd,J=16.4,9.6Hz,3H),3.80(s,1H),3.54(d,J=7.6Hz,1H),3.40(s,1H),3.28(d,J=11.4Hz,3H),3.10(s,2H),3.02(t,J=9.6Hz,1H),2.93-2.78(m,1H),2.69(s,1H),2.39(dd,J=21.5,13.6Hz,2H),2.31-2.15(m,6H),2.05(s,2H),1.97-1.80(m,3H),1.74-1.55(m,8H),1.33(dd,J=15.8,9.3Hz,2H),1.30-1.26(m,3H),1.23(d,J=9.1Hz,6H),1.20-1.10(m,11H),0.99-0.88(m,3H),0.85(t,J=7.3Hz,3H)。
【0121】
ステップ3:(3R,4S,5S,6R,9R,11R,12R,13S,14R)-14-エチル-7,12,13-トリヒドロキシ-4-(((2R,4R,5S,6S))-5-ヒドロキシ-4-メトキシ-4,6-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3,5,7,9,11,13-ヘキサメチル-6-(((2S,4S,6R)-6-メチル-4-(メチルアミノ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)オキサシクロテトラデカネ-2,10-ジオン(ly101-25)の合成
【0122】
【化20】
【0123】
メタノール(150mL)及び水(30mL)中のly101-2(5g、6.8mmol)の撹拌溶液に、酢酸ナトリウム(2.9g、35.3mmol)及び固体ヨウ素(2.3g、9mmol)を加えた。次に、溶液をpH8~9に維持し、続いて1N NaOH水溶液を加えた。混合物を50℃で3時間撹拌した。TLC分析は、原料が完全に消費されたことを示した。混合物を濃縮し、得られた残渣を、酢酸エチル(0%~10%)中のメタノールで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、ly101-25(1.8g、収率:37.2%)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:705.5[M+H]。1H NMR(400MHz,CDCl)δ5.05(dd,J=11.0,2.1Hz,1H),4.88(t,J=6.2Hz,1H),4.52(d,J=7.8Hz,1H),4.08-3.86(m,2H),3.80(d,J=7.7Hz,1H),3.62(d,J=8.4Hz,1H),3.54(d,J=7.6Hz,1H),3.50-3.38(m,2H),3.34-3.23(m,3H),3.06(dd,J=24.7,8.2Hz,3H),2.90-2.76(m,2H),2.67(d,J=6.9Hz,1H),2.54(s,2H),2.35(d,J=14.9Hz,2H),2.24(d,J=9.5Hz,1H),2.06-1.75(m,5H),1.60(dd,J=23.9,13.7Hz,3H),1.52-1.37(m,5H),1.32-1.20(m,10H),1.20-1.06(m,11H),0.97(t,J=13.1Hz,3H),0.85(dd,J=14.3,7.1Hz,3H)。13C NMR(101MHz,DMSO)δ218.45,175.09,146.06,110.05,101.88,86.05,83.85,79.56,77.78,76.26,74.95,73.51,73.11,69.33,67.64,65.19,54.99,49.51,44.82,38.55,37.94,33.23,26.96,22.06,21.65,21.30,18.85,18.64,17.87,11.90,11.08,9.61。
【0124】
ステップ4:N-((2S,4S,6R)-2-(((3R,4S,5S,6R,7R,9R,11R,12R,13S,14R)-14-エチル-7,12,13-トリヒドロキシ-4-(((2R,4R,5S,6S)-5-ヒドロキシ-4-メトキシ-4,6-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3,5,7,9,11,13-ヘキサメチル-2,10-ジオキソオキサシクロテトラデカン-6-イル)オキシ)-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-N-メチルアセトアミド(ly101-22)の合成
【0125】
【化21】
【0126】
1,4-ジオキサン(60mL)及び水(60mL)中のly101-25(3g、4.3mmol)の撹拌溶液に、無水酢酸(673mg、6.6mmol)及び炭酸カリウム(1.5g、11mmol)を加えた。溶液を室温で3時間撹拌した。TLC分析は、原料が完全に消費されたことを示した。混合物を濃縮し、得られた残渣を、酢酸エチル(0%~10%)中のメタノールで溶出させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、ly101-22(1.6g、収率:50%)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:768.4[M+Na]。1H NMR(400MHz,CDCl)δ5.11-4.99(m,1H),4.88(d,J=4.9Hz,1H),4.81-4.68(m,1H),4.67-4.55(m,1H),4.05-3.86(m,3H),3.81(d,J=14.6Hz,1H),3.54(t,J=9.7Hz,2H),3.39-3.26(m,3H),3.21(s,1H),3.14-3.05(m,2H),3.01(dd,J=17.4,7.5Hz,1H),2.88-2.78(m,3H),2.74-2.60(m,1H),2.50-2.30(m,2H),2.16-2.06(m,3H),1.86(dd,J=34.5,12.3Hz,4H),1.72(s,2H),1.67-1.53(m,3H),1.45(d,J=14.6Hz,2H),1.33-1.21(m,10H),1.21-1.07(m,14H),0.94(t,J=6.4Hz,3H),0.88-0.77(m,3H)。13C NMR(101MHz,DMSO)δ218.02,174.55,169.35,99.33,95.95,84.10,78.86,77.35,75.79,74.58,72.98,72.70,68.77,67.22,64.82,48.80,47.28,44.33,39.93,38.89,37.90,35.40,35.01,33.97,29.67,26.48,22.23,21.44,20.80,18.42,18.19,17.31,15.73,11.45,10.56,9.10。
【0127】
実施例3:Ly101-3の合成
【0128】
【化22】
【0129】
Ly101-2(7g、10mmol、1.0eq)を250mLの3ネックフラスコに入れ、AcOH(30mL)で溶解した。溶液を室温で2時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH/アンモニア水=10:100:1)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物にはpH=8~9になるまで飽和NaHCO(700mL)を滴下し、DCM(200mL)で2回抽出し、無水NaSO上で乾燥させた後、濃縮して、Ly101-3(6g、85%)を得た。MS(ESI)m/z:700.4[M+H]
【0130】
実施例4:Ly101-6の合成
【0131】
【化23】
【0132】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-3(170mg、0.25mmol、1.0eq)、ヨウ素(89mg、0.35mmol、1.4eq)及び酢酸ナトリウム(117mg、1.4mmol、5.7eq)を加えた。MeOH(6mL)及び水(1mL)で溶解した。溶液を50℃で撹拌し、NaOH水(0.5mol/L)を用いてpH=8~9に調整し、2時間加熱した。TLC(DCM/MeOH/アンモニア水=10:100:1)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、カラムにより精製して、Ly101-6(50mg、29.1%)を得た。MS(ESI)m/z:686.5[M+H]
【0133】
実施例5:Ly101-24の合成
【0134】
【化24】
【0135】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-6(0.5g、0.73mmol、1.0eq)、DIPEA(0.54g、4.1mmol、5.7eq)、及びヨウ化イソプロピル(0.3g、1.7mmol、3.9eq)を加えた。ACN(10mL)で溶解した。混合物を77℃で15時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH/アンモニア水=10:100:1)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-24(150mg、28.2%)を得た。MS(ESI)m/z:728.8[M+H]
【0136】
実施例6:Ly101-27の合成
【0137】
【化25】
【0138】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-5(0.5g、0.73mmol、1.0eq)、無水酢酸(156.3mg、1.5mmol、2.1eq)、KCO(0.5g、3.56mmol、5.0eq)、ジオキサン(5mL)、及び水(5mL)を加えた。混合物を氷浴中で30分間撹拌し、次に氷浴を除去した後、さらに3時間撹拌した。TLC(EA/MeOH/アンモニア水=3:1:0.15)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NaHCOで急冷し、EA(20mL)で抽出し、濃縮して乾燥させた後、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-27(220mg、41%)を得た。MS(ESI)m/z:750.3[M+Na]
【0139】
実施例7:Ly101-31の合成
【0140】
【化26】
【0141】
Ly101-25(0.3g、0.42mmol)をTHF(5mL)に溶解した。溶液にNaBHの水溶液(36mg、0.94mmol、0.2mL)を0℃で1分以内に滴下した。混合物を0℃で1.5時間、室温でさらに3時間撹拌した。反応混合物をクエン酸で急冷し、EA(10mL)で抽出し、濃縮して乾燥させた後、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-31(200mg、67%)を得た。MS(ESI)m/z:706.4[M+H]
【0142】
実施例8:Ly101-32の合成
【0143】
【化27】
【0144】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-31(0.5g、0.71mmol、1.0eq)、DIPEA(0.54g、4.1mmol、5.7eq)、ヨウ化イソプロピル(0.47g、2.7mmol、3.9eq)を加えた。ACN(10mL)で溶解した。溶液を77℃で15時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH/アンモニア水=10:100:1)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-32(230mg、43.3%)を得た。MS(ESI)m/z:748.9[M+H]
【0145】
実施例9:Ly101-33の合成
【0146】
【化28】
【0147】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-31(0.30g、0.42mmol、1.0eq)、無水酢酸(91mg、0.89mmol、2.1eq)、KCO(0.28g、2.1mmol、5.0eq)、ジオキサン(5mL)、及び水(5mL)を加えた。混合物を氷浴中で30分間撹拌し、次に氷浴を除去した後、さらに3時間撹拌した。TLC(EA/MeOH/アンモニア水=3:1:0.15)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NaHCOで急冷し、EA(20mL)で抽出し、濃縮して乾燥させた後、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-33(120mg、37.7%)を得た。MS(ESI)m/z:770.4[M+Na]
【0148】
実施例10:Ly101-34の合成
【0149】
【化29】
【0150】
Ly101-32(170mg、0.23mmol)を室温でMeOH(10mL)に溶解した。濃塩酸(0.25mL)を溶液に滴下し、溶液を38℃で2時間撹拌した。反応が完了した。反応混合物を、アンモニア水を使用してpH=7~8に調整し、濃縮して乾燥させた後、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-34(84mg、62%)を得た。MS(ESI)m/z:590.6[M+H]
【0151】
実施例11:Ly101-39の合成
ステップ1:Ly101-38の合成
【0152】
【化30】
【0153】
ロキシスロマイシン(1g、1.2mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(232mg、1.7mmol)及びフェニルチオクロロホルメート(309mg、1.7mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/イソプロパノール)により精製して、Ly101-38(587mg、50%)を得た。MS(ESI)m/z:974.3[M+H]
【0154】
ステップ2:Ly101-39の合成
【0155】
【化31】
【0156】
LY101-38(587mg、0.6mmol)をトルエン(10mL)に溶解し、AIBN(30mg、0.18mmol)及び水素化トリ-n-ブチルスズ(526mg、1.8mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-39(400mg、81%)を得た。MS(ESI)m/z:821.9[M+H]
【0157】
実施例12:Ly101-40の合成
【0158】
【化32】
【0159】
Ly101-39(170mg、0.21mmol)を室温でMeOH(10mL)に溶解し、濃塩酸(0.25mL)を加えた。混合物を38℃で2時間撹拌した。反応が完了した。反応混合物を、アンモニア水を用いてpH=7~8に調整し、濃縮して乾燥させた後、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-40(70mg、50%)を得た。MS(ESI)m/z:663.3[M+H]
【0160】
実施例13:Ly101-43の合成
ステップ1:Ly101-41の合成
【0161】
【化33】
【0162】
クラリスロマイシン(1g、1.3mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(258mg、2.0mmol)及びフェニルチオクロロホルメート(346mg、2.0mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/イソプロパノール)により精製して、Ly101-41(700mg、60%)を得た。MS(ESI)m/z:885.1[M+H]
【0163】
ステップ2:Ly101-43の合成
【0164】
【化34】
【0165】
トルエン(10mL)中のLY101-41(530mg、0.6mmol)の溶液にAIBN(30mg、0.18mmol)及び水素化トリ-n-ブチルスズ(526mg、1.8mmol)を加え、90℃で3時間撹拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-43(360mg、81.9%)を得た。MS(ESI)m/z:732.7[M+H]
【0166】
実施例14:Ly101-44の合成
ステップ1:Ly101-42の合成
【0167】
【化35】
【0168】
アジスロマイシン(0.97mg、1.3mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(258mg、2.0mmol)及びフェニルチオクロロホルメート(346mg、2.0mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/イソプロパノール)により精製して、Ly101-42(700mg、60.8%)を得た。MS(ESI)m/z:886.1[M+H]
【0169】
ステップ2:Ly101-44の合成
【0170】
【化36】
【0171】
トルエン(10mL)中のLY101-42(531mg、0.6mmol)の溶液に、AIBN(30mg、0.18mmol)及び水素化トリ-n-ブチルスズ(526mg、1.8mmol)を加え、溶液を90℃で3時間撹拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-44(352mg、80%)を得た。MS(ESI)m/z:733.8[M+H]
【0172】
実施例15:Ly101-45の合成
【0173】
【化37】
【0174】
Ly101-2(0.3g、0.42mmol)をTHF(5mL)に溶解し、NaBHの水溶液(36mg、0.94mmol、0.2mL)を0℃で1分以内に滴下した。混合物を0℃で1.5時間撹拌し、室温でさらに3時間撹拌し、そしてクエン酸で急冷した。反応混合物をDCMで抽出し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-45(100mg、33%)を得た。MS(ESI)m/z:720.7[M+H]
【0175】
実施例16:Ly101-46の合成
【0176】
【化38】
【0177】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-44(183mg、0.25mmol、1.0eq)、ヨウ素(89mg、0.35mmol、1.4eq)、及び酢酸ナトリウム(117mg、1.4mmol、5.7eq)を加えた。MeOH(6mL)及び水(1mL)で溶解した。溶液を50℃で撹拌し、NaOH水(0.5mol/L)を用いてpH=8~9に調整し、2時間加熱した。TLC(DCM/MeOH/アンモニア水=10:100:1)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、カラム(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-46(945mg、25%)を得た。MS(ESI)m/z:719.7[M+H]
【0178】
実施例17:Ly101-47の合成
【0179】
【化39】
【0180】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-46(0.51g、0.71mmol、1.0eq)、DIPEA(0.54g、4.1mmol、5.7eq)、及びヨウ化イソプロピル(0.47g、2.7mmol、3.9eq)を加えた。ACN(10mL)で溶解した。混合物を77℃で15時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH/アンモニア水=10:100:1)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、生成物Ly101-47(250mg、46%)を得た。MS(ESI)m/z:761.4[M+H]
【0181】
実施例18:Ly101-48の合成
【0182】
【化40】
【0183】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-46(0.53g、0.73mmol、1.0eq)、無水酢酸(156.3mg、1.5mmol、2.1eq)、KCO(0.5g、3.65mmol、5.0eq)、ジオキサン(5mL)、及び水(5mL)を加えた。混合物を氷浴中で30分間撹拌し、次に氷浴を除去した後、さらに3時間撹拌した。TLC(EA/MeOH/アンモニア水=3:1:0.15)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NaHCOで急冷し、EA(20mL)で抽出し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-48(231mg、41.5%)を得た。MS(ESI)m/z:761.8[M+H]
【0184】
実施例19:Ly101-51の合成
【0185】
【化41】
【0186】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-39(205mg、0.25mmol、1.0eq)、ヨウ素(89mg、0.35mmol、1.4eq)、及び酢酸ナトリウム(117mg、1.4mmol、5.7eq)を加えた。MeOH(6mL)及び水(1mL)で溶解した。溶液を50℃で撹拌し、NaOH水(0.5mol/L)を用いてpH=8~9に調整し、2時間加熱した。TLC(DCM/MeOH/アンモニア水=10:100:1)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、カラム(DCM/MeOH)により精製して、生成物Ly101-51(45mg、22%)を得た。
【0187】
実施例20:Ly101-52の合成
【0188】
【化42】
【0189】
金属ナトリウム(48.3mg、2.1mmol)をMeOH(15mL)に加え、混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、Ly101-25(211.2mg、0.3mmol)及びヨウ素(380.7mg、1.5mmol)を加えた。混合物を0℃で5時間撹拌した。TLC分析は反応が完了したことを示した。反応混合物には飽和チオ硫酸ナトリウムを加え、DCMで抽出し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、生成物Ly101-52(50mg、24%)を得た。MS(ESI)m/z:690.6[M+H]
【0190】
実施例21:Ly101-53の合成
【0191】
【化43】
【0192】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-52(0.51g、0.73mmol、1.0eq)、無水酢酸(156.3mg、1.5mmol、2.1eq)、KCO(0.5g、3.65mmol、5.0eq)、及びDCM(10mL)を加えた。混合物を氷浴中で30分間撹拌し、氷浴を除去した後、さらに3時間撹拌した。TLC(EA/MeOH/アンモニア水=3:1:0.15)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NaHCOで急冷し、EA(20mL)で抽出し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-53(236mg、40%)を得た。MS(ESI)m/z:755.3[M+H]
【0193】
実施例22:Ly101-54の合成
【0194】
【化44】
【0195】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-52(0.48g、0.71mmol、1.0eq)、DIPEA(0.54g、4.1mmol、5.7eq)、及びヨウ化イソプロピル(0.47g、2.7mmol、3.9eq)を加えた。ACN(10mL)で溶解した。混合物を77℃で15時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH/アンモニア水=10:100:1)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製して、生成物Ly101-54(243mg、50.6%)を得た。MS(ESI)m/z:732.5[M+H]
【0196】
実施例23-25
表Aの他の化合物は、異なる実施例1-22と同様の方法で調製した。
【0197】
【表1】
【0198】
【0199】
実施例26:Ly101-4の合成
【0200】
【化45】
【0201】
100mLシングルネックフラスコにLy101-3(6g、8.5mmol、1.0eq)を入れ、次にKCO(0.98g、7mmol、0.8eq)を入れた。MeOH(200mL)を加えて透明な溶液を得た。溶液を2時間加熱還流した。TLC(DCM/MeOH/アンモニア水=10:100:1)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮して固体にし、DCM(20mL)及び飽和NaHCO(10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮し、カラム(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-4(5g、83%)を得た。MS(ESI)m/z:700.4[M+H]
【0202】
実施例27:Ly101-10の合成
【0203】
【化46】
【0204】
50mLシングルネックフラスコに、Ly101-5(100mg、0.14mmol、1.0eq)、無水酢酸(30mg、0.29mmol、2.1eq)、KCO(96.6mg、0.7mmol、5.0eq)、ジオキサン(5mL)、及び水(5mL)を入れた。混合物を氷浴中で30分間撹拌し、続いて氷浴を除去し、さらに3時間撹拌した。TLC(EA/MeOH/アンモニア水=3:1:0.15)分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NaHCOで急冷し、EA(20mL)で抽出し、濃縮し、カラム(DCM/MeOH)により精製して、Ly101-10(30mg、29.4%)を得た。MS(ESI)m/z:750.3[M+Na]
【0205】
試験例1:細菌増殖への効果。
【0206】
エリスロマイシン及び実施例の化合物の抗菌活性を、CLSIのガイドラインに従って寒天希釈法により評価した。表1は、アッセイで試験した様々な菌株を示した。簡単に説明すると、細菌を、適応培地(肺炎連鎖球菌及びインフルエンザ菌に対して羊血の5%を含むMHIIA、その他の細菌株に対してのMHIIA)で35℃、5%COで一晩増殖させた。
【0207】
培養物を3000Xgで15分間遠心分離した。ペレットを5mLの冷PBSで希釈し、OD600nmを分光器で10CFU.mL-1に調整した。次に、細菌を96ウェル試験プレートに加えた。化合物をジメチルスルホキシド(Dimethyl sulfoxid:DMSO)で2倍のステップで希釈し、96ウェルプレートでDMSO中の20mg/mLから、試験プレートに移した。インキュベーション中に、プレートは35℃、5%COに維持された。
【0208】
最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration:MIC)は、肉眼で検出された、寒天平板の微生物の発育を完全に阻害する抗生物質の最低濃度として定義された。エリスロマイシン及び例示の化合物のMICは、20~24時間のインキュベーション後に測定された。
【0209】
【表2】
【0210】
表1は、本発明の化合物が抗菌活性を示さなかったことを示す。
【0211】
試験例2:
THP-1細胞株は、ATCC(American Type Culture Collection,Manassas,VA:アメリカンタイプカルチャーコレクション、米国バージニア州マナッサス)から購入した。37℃、5% CO条件下で、10%熱不活性化ウシ血清、100倍Glutamax培地、及び0.05mMのβ-メルカプトエカノールを補充した増殖培地(Growth medium)(RPMI-1640)で細胞を維持した。化合物を0.1% DMSOに溶解した。エリスロマイシンを陽性コントロールとして使用した。
【0212】
THP-1細胞株における単球のマクロファージへの分化に対する本発明の化合物の効果を評価するために、細胞を採取し、900rpmで4分間遠心分離した。細胞密度を2.5×10/mLに調整した。プレートレイアウトに従って、48ウェルプレートの各ウェルに400μLの細胞懸濁液を加えた。単球の分化を誘導できる化合物であるPMA 1mgを10mLのDMSOに溶解して100μg/mLの溶液を形成し、1バイアル当たり1mLにアリコートした。1mLの溶液を1バイアル当たり10μLにさらにアリコートして-20℃で保存できる。PMAをDMSOで10倍希釈し、次に完全培地で500倍に希釈した。次に、プレートレイアウトに従って、50μLの溶液を48ウェルプレートの各ウェルに添加した。エリスロマイシン及び10mMのストック濃度の例示の化合物をDMSOで10倍に段階希釈した。プレートレイアウトに従って、48ウェルプレートの各ウェルに50μLの溶液を加えた。37℃、5% COで96時間インキュベーションし、DPBSで3回洗浄し、非付着細胞を3回除去した。完全なミディアム180μLとアラマーブルー20μLを各ウェルに加えた。3時間のプレートのインキュベーション後、PerkinElmer Victor3を用いて励起530nm及び発光590nmで蛍光強度を読み取った。
【0213】
本発明のエリスロマイシン及び化合物は、いずれも用量依存的にTHP-1細胞の分化に促進効果を示した。実施例の化合物の分化活性を100μMエリスロマイシンのそれと比較し、その結果を図1及び表3に示した。
【0214】
半数致死量(LD50)は、細胞の生存率を50%低下させる化合物の投与量であり、非線形ロジスティック回帰を用いて決定される。
【0215】
治療ウィンドウ(TW)は、毒性作用を有することなく疾患を効果的に治療できる薬物の投与量範囲である。TW=EC50/LD50
【0216】
【表3】
【0217】
その結果、本発明の化合物は、インビトロ(in vitro)で単球からマクロファージへの分化を促進することを示した。
【0218】
試験例3:
気管支上皮の主な機能は、正常な気道機能の維持を助ける防御バリアとして機能することである。気管支上皮細胞(BEC)は外部環境と内部環境の間のインターフェースを形成し、吸入による傷害の主要な標的となっている。BECは、炎症細胞をリクルートして活性化するケモカインやサイトカインを放出することにより、免疫と炎症反応を開始及び調整するエフェクターとしても機能できる。NF-κB、IL-6、IL-8などのサイトカインの分泌を測定することにより、様々なマクロライド誘導体の抗炎症効果を評価した。
【0219】
BEAS-2B細胞におけるIL-8発現に対する実施例の化合物の阻害効果を、以下の方法を用いて試験した。BEAS-2Bは、ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション、米国バージニア州マナッサス)から購入した。細胞を増殖培地(LHC-9)で維持し、5% CO下で37℃で培養した。化合物を0.1% DMSOに溶解した。エリスロマイシンを陽性コントロールとして使用した。
BEAS-2B細胞株におけるIL-8発現阻害に対する実施例の化合物の効果を評価するために、最終容量1mLのアッセイ培地で、24ウェルプレートに100,000/mLの密度で細胞をプレーティングした。細胞を37℃、5% COで1日間インキュベートした。インキュベーション後、2日目に化合物を、3日目にLPSを添加した。1mMから開始して、DMSO中で3連の5点10倍又は2倍の段階希釈を行うことによって化合物ソースプレートを調製した(アッセイ中の実施例の化合物の最終最高濃度は100μMであり、DMSOは0.1%であった)。陽性コントロールは100μMエリスロマイシン処理細胞で構成され、陰性コントロールは0.1% DMSO処理細胞で構成された。10mgのLPS粉末を2mLのddHOに溶解して5mg/mLのLPSストック溶液を調製し、1バイアル当たり100μLにアリコートした。アッセイにおけるLPSの最終濃度は、培地でストック溶液を125倍に希釈することにより20μg/mLであった。
【0220】
培養上清におけるIL-8に対する特異的免疫反応性を、市販のELISAキット(R&D Systems,Inc.,米国ミネソタ州ミネアポリス)で測定した。各サンプルは、製造業者が推奨するように重複してアッセイした。BEAS-2BでのIL-8産生を10%阻害する実施例の化合物の濃度を、標準用量反応曲線の4パラメータから推定した(IC10)。
【0221】
BEASが培地に放出したIL-8の分析によると、LPSによる細胞の処理によりIL-8が有意に増加することが明らかになった。培地中にエリスロマイシンや実施例の化合物が存在すると、LPS誘発性IL-8の放出が有意に阻害された。LY101-22は100μΜの濃度でエリスロマイシンよりも強力な阻害活性を示した。(図2及び表4参照)。
【0222】
致死量(LD10)は、細胞の生存率を90%低下させる化合物の投与量であり、非線形ロジスティック回帰から推定される。
【0223】
【表4】
【0224】
図2及び表4は、本発明の化合物がインビトロでBEAS-2B細胞におけるIL-8の発現を阻害することを示している。
【0225】
試験例4:
生後8週齢の雄C57BL/6Jマウス(Shanghai Xipuer Yibikai社から購入)をランダムに6群に分けた:生理食塩水(50μL)を気管内に注入した、対照群(コントロール);ブタ膵臓エラスターゼ(PPE、Sigma Chemical Co.,米国ミズーリ州セントルイス)(50μL生理食塩水中0.1UI)を同じ経路で投与した、肺気腫群;気管内にPPEを投与し、低/中/高用量の化合物Aを経口投与した、肺気腫+化合物A群;PPEを気管内投与し、エリスロマイシン100mg/mLを経口投与した、肺気腫+エリスロマイシン(EM)群。生理食塩水とPPEを週1回、4週間気管内注射した。化合物A及びエリスロマイシンを1日2回、4週間投与した。4週間後、全マウスを10%塩素水和物の腹腔内注射で犠牲にした。化合物Aは、LY101-25、LY101-22、LY101-45、LY101-39、LY101-33、LY101-27及びLY101-48から選ばれる化合物であった。肺組織を25cmHOの圧力で4%パラホルムアルデヒドで膨張させ、ホルマリン中で24時間固定し、パラフィンを包埋し、矢状面で切断し、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色した。肺気腫の定量化は、解析ソフトウェアImage Jを用いて肺胞の平均コード長を測定することにより行った。
【0226】
結果:
化合物Aによる治療でエラスターゼ誘発性肺気腫が減少した。エラスターゼを注入したマウスではびまん性の肺気腫病変がみられ、生理食塩水を注入したマウスと比べて肺胞の平均コード長(mean alveolar chord length)が著しく増加した。(図3及び図4)。化合物Aの治療により、投与量に依存して肺形態が改善し、平均コード長(mean chord length)が短縮した。100mg/mL投与時の平均コード長の最大26%の減少に達した。
【0227】
その結果、化合物A治療はエラスターゼ誘発性肺気腫マウスモデルの肺病変を有意に改善した。
【0228】
試験例5:
この研究では、1本のタバコにつき11mgのタールと0.9mgのニコチンを含む市販のフィルターなしのタバコを使用した。8週齢の雄のC57BL/6Jマウス(Shanghai Xipuer Yibikai animal Coから購入)は、以下の4群に分けられた:第1群は対照群(NS6m)、第2群は動物モデルCS群(CS6m)、第3群はCS+化合物A 100mpk群(LY100)、第4群はCS+エリスロマイシン群(EM100)であった。マウスを使い捨てフィルターで覆われたプレキシガラスチャンバーに入れた。動物は、1日2回、週5日、24週間、1回当たり5本のタバコのCSを受けた。主流のCSは、タバコの燃焼が蠕動ポンプを介してマウスチャンバーに引き込まれる曝露システムによって生成された。第3群及び第4群では、マウスに化合物A(100mg/kg)を12週目から24週目まで1日2回経口投与した。最後のCS曝露から1週間後、血漿、気管支肺胞洗浄液(BALF)及び肺組織採取のために10%抱水クロラールを腹腔内注射して動物を犠牲にした。
【0229】
肺組織を採取し、圧力25cmHOで4%パラホルムアルデヒドで膨らせ、ホルマリンで24時間固定し、パラフィンを包埋し、矢状面で切断し、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)で染色した。肺胞腫大は、解析ソフトウェアImage Jを用いて肺胞の平均コード長を測定することにより定量化した。(図5及び図6参照)。
【0230】
気管支肺胞洗浄液採取では、1mLの生理食塩水で肺を洗浄し、得られたBALFを3000gで15分間遠心分離した。細胞を3回洗浄し、ThermoFisher Countess IIサイトメーターで分析した。
【0231】
結果:
化合物Aは、CS誘発COPDマウスの気道の組織病理学的変化を妨げた。肺切片の組織学的分析によると、CS群は、コントロールマウスに比べて炎症細胞の浸潤が多く、肺胞の増大が認められた。このような変化は化合物Aとエリスロマイシンの処理により著しく減衰した。
【0232】
化合物Aは、CS誘発COPDのBALFにおける炎症細胞の増加を改善した。化合物A/エリスロマイシン+喫煙群のマウスのBALFにおける全細胞数、マクロファージの数及び好中球の数は、喫煙群に比べて有意に少なかった。化合物Aは、同じ投与量でエリスロマイシンよりも高い効力を示した(図7)。
【0233】
化合物Aは、CS誘発COPDマウスの肺機能を部分的に回復させた。煙曝露24週後には気道抵抗と全肺気量が増加した。これらの肺機能の変化は、慢性炎症、気道リモデリング、及び肺胞組織の減少と気道付着の維持を伴う気腫性病変の組み合わせが原因である可能性が高い。100mg/kgのエリスロマイシン又は化合物Aの経口投与により、2つのパラメータが減少し、肺機能が部分的に回復した。化合物Aは、同量のエリスロマイシンよりも優れた治療効果を示した(図8)。
【0234】
その結果、化合物Aが煙誘発COPDマウスモデルの病態と肺機能を改善したことが分かった。
【0235】
試験例6:急性毒性
急性毒性試験は、OECDガイドライン423に従い、固定用量法を用いて行われた。簡単に言えば、研究は、各群の1性別から3匹の動物を用いて、5、50、300及び2000mg/kgの固定用量として実施された。最終用量を選択し、他の性別の3匹の動物をテストした。動物の肉眼的及び顕微鏡的な病理を決定した。行動、生化学的パラメータ及び死亡率も記録した。
【0236】
その結果、化合物Aの急性毒性は極めて低いことが示された。マウスでは、経口LD 50は体重2000mg/kgを超え、化合物Aはエリスロマイシンよりもさらに毒性が低い。
【0237】
試験例7:経口バイオアベイラビリティ及び薬物動態
雄のスパラグー・ダウリー(Sprague-Dawley)ラットに、エリスロマイシン又は化合物Aの100mg/kgを単回経口投与した(群当たりN-=3)。別の研究では、絶対的な経口バイオアベイラビリティとクリアランスのパラメータを得るために、側尾静脈を介して投与した後、ラット(N=3)に2つの化合物を30mg/mLの用量で単回静脈内投与した。化合物(10mg/mL)をIV注射用30% DMSOに溶解し、IG用0.5%CMC-Naにそれぞれ懸濁させた。エリスロマイシン又は化合物Aの静脈内(i.v.)投与の0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12、及び24時間後、及びエリスロマイシン又は化合物Aの経口(i.g.)投与の0.25、0.5、1、2、4、6、8、12時間後及び24時間後で採血した。プラズマ中の2つの化合物の濃度を、部分的に検証されたLC-MS/MS法によって測定した。
【0238】
その結果、エリスロマイシン(EMA)と化合物Aのクリアランス率は、それぞれ50.2mL・kg-1・min-1と26.6mL・kg-1・min-1であることがわかった。化合物Aの曝露レベルはエリスロマイシンの2倍であった。バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)は2つの化合物間で類似していた(表2参照)。
【0239】
【表5】
【0240】
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係る全ての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、この分野の技術者が本発明に各種の変動や修正を加えることができるが、それらの等価の様態のものも本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8