(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】非接触検査機能を備える半導体ウェハ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240529BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20240529BHJP
G01R 31/3187 20060101ALI20240529BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240529BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
H01L21/66 F
G01R31/28 V
G01R31/3187
H01L27/04 T
(21)【出願番号】P 2023061049
(22)【出願日】2023-04-04
【審査請求日】2023-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】322014392
【氏名又は名称】株式会社M3
(72)【発明者】
【氏名】神谷 江美
(72)【発明者】
【氏名】町田 哲男
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-253561(JP,A)
【文献】特開2007-078407(JP,A)
【文献】特開2001-357698(JP,A)
【文献】特開2010-027777(JP,A)
【文献】特開2011-060972(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0162801(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01R 31/28
G01R 31/3187
H01L 21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源供給部と、
電源シーケンシャル部と、第1のLSI本体部と第1の判定回路と第1の無線波形送信部を有する第1のブロックと、第2のLSI本体部と第2の判定回路と第2の無線波形送信部を有する第2のブロックと、アンテナ部をウェハ上に設けた半導体ウェハであり、
電源供給部は生成した電力を
前記電源シーケンシャル部を介して、第1のブロックに供給され、第1のブロックにて、前記第1の判定回路が前記第1のLSI本体部の内部動作の検査を行い第1の判定結果情報を生成し、かつ前記第1の無線波形送信部に伝送し、該無線波形送信部は
前記第1の判定結果情報を前記アンテナ部を介して送信し、
更に、
前記電源供給部が生成した電力を前記電源シーケンシャル部を介して、第1のブロックに供給された一定時間後に、
前記電源供給部が生成した電力を前記電源シーケンシャル部を介して、第2のブロックに供給され、第2のブロックにて、前記第2の判定回路が前記第2のLSI本体部の内部動作の検査を行い第2の判定結果情報を生成し、かつ前記第2の無線波形送信部に伝送し、該無線波形送信部は前記第2の判定結果情報を前記アンテナ部を介して送信することを特徴とする非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【請求項2】
前記電源供給部が複数の電源供給部から成ることを特徴とする請求項1に記載の非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【請求項3】
前記電源供給部が、太陽光発電方式(PV)であることを特徴とする請求項1に記載の非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【請求項4】
前記電源供給部が電源供給用の端子を有することを特徴とする請求項1に記載の非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【請求項5】
前記電源供給部が、ワイヤレス給電方式であることを特徴とする請求項1に記載の非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【請求項6】
前記アンテナ部が複数のアンテナ部から成ることを特徴とする請求項1に記載の非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【請求項7】
前記アンテナ部が形状が異なる複数のアンテナ部からなることを特徴とする請求項1に記載の非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【請求項8】
前記LSI本体部と判定回路と無線波形送信部を有するブロックを複数、ウェハ上に設け、前記電源供給部は生成した電力を
電源供給ライン部を介して各ブロックの前記LSI本体部、判定回路、および無線波形送信部に供給して起動させ、前記各ブロックの判定回路は同じブロックのLSI本体部の内部動作の検査を行い判定結果情報を生成し、かつ同じブロックの前記無線波形送信部に伝送し、該無線波形送信部は前記判定結果情報を前記アンテナを介して送信することを特徴とする請求項1に記載の非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【請求項9】
前記複数のLSI本体部の個別のLSI本体部に固有のIDを付与し、前記判定結果情報に、該個別のLSIの固有IDを含むことを特徴とする請求項8に記載の非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【請求項10】
前記電源供給部は生成した電力を前記電源供給ライン部を介して遅延時間をかけて順番に前記各ブロックの前記LSI本体部、判定回路、および無線波形送信部に電力を供給して起動させることを特徴とする請求項8に記載の非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【請求項11】
前記電源供給部は生成した電力を前記電源供給ライン部を介して最初のブロックの前記LSI本体部、判定回路、および無線波形送信部に電力を供給して起動させた後、所定時間経過後電力供給を停止し、次のブロックの前記LSI本体部、判定回路、および無線波形送信部に電力を供給して起動させた後、所定時間経過後電力供給を停止することを最後のブロックまで順番に行うことを特徴とする請求項8に記載の非接触検査機能を備える半導体ウェハ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハの検査方式に関する。
【背景技術】
【0002】
現状、半導体などのウェハ検査では、高速化、微細化が進み、その検査の課程で、プローブカードの針によるウェハの端子への直接の接触方式で検査を実施している。このプローブカードによる検査方式では、ウェハ内のチップの端子に直接、プローブカードの針が接触することで、電気的な導通により、ウェハ内の各チップの良否状態を検査することが可能である。
【0003】
しかるに、この方式では、プローブカードの針の寸法などにより、ウェハ内のチップの端子間の物理寸法において、端子間ピッチが40マイクロメートルなどの制約を受けることになり、また、プローブカード内部のSパラメータなどの電気的特性の限界により、ウェハ内のチップの外部端子の周波数が制約を受けてしまうということなどの課題がある。また、プローブカードからテスタへの電気的接続が必要となり、テスタなどの大規模測定装置の設置が必要となるなどの課題がある。さらには、このような従来型の大規模な検査システムでは、その製造過程等で発生するCO2排出量等も課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許4947950
【文献】特許4343452
【文献】特許4947950
【文献】特開2023-2714
【文献】特開2023-32018
【文献】特開2023-38254
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1では、半導体集積回路にICタグやアンテナを用いて、LSIの正常動作か否かの情報を外部に送信することが提案されているが、LSI本体部へ電源供給を可能とする構成は開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ウェハ上に、電源供給部と、電源供給ライン部と、LSI本体部と、判定回路と、無線波形送信部と、アンテナ部を有する。電源供給部において、生成された電力は、電源供給ライン部を通じて、LSI本体部と判定回路と無線波形送信部に供給される。その供給された電力により、LSI本体部と判定回路との間で、LSI本体部の内部の動作についてBISTなどの自己診断を実施し、その判定結果がOKであるか、あるいはNGであるかの結果を、無線波形送信部に伝送し、無線波形送信部から、その判定結果となるOKか、あるいはNGの判定結果情報を、アンテナ部を通じて、送信することが可能となる。その判定回路において、OKとなった良品のLSI本体部をダイシングなどにより、ウェハから切り取ることが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ウェハ上に、電源供給部と、電源供給ライン部と、LSI本体部と、判定回路と、無線波形送信部と、アンテナ部を有する。電源供給部において、生成された電力は、電源供給ライン部を通じて、LSI本体部と判定回路と無線波形送信部に供給される。その供給された電力により、LSI本体部と判定回路との間で、LSI本体部の内部の動作についてBISTなどの自己診断を実施し、その判定結果がOKであるか、あるいはNGであるかの結果を、無線波形送信部に伝送し、無線波形送信部から、その判定結果となるOKか、あるいはNGの判定結果情報を、アンテナ部を通じて、送信することが可能となる。その判定回路において、OKとなった良品のLSI本体部をダイシングなどにより、ウェハから切り取ることが可能となる。
【0008】
このようにして、テスタシステムや、テスタに接続されたプローブカードによる直接の接触検査に依存しない方式にて、ウェハ内の各チップの良否状態を検査することが可能となるため、プローブカードの針の寸法に依存しないウェハ内のチップの端子間の物理寸法を狭小化することが可能となり、また、プローブカード内部のSパラメータなどの電気的特性の限界を考慮する必要が無いため、ウェハ内のチップの外部端子の周波数がプローブカードの電気的特性の制約を受けないこととなり、更には、プローブカードに連結するテスタが不要となるため、テスタなどの大型測定装置の設置が不要となる等の効果がある。さらには、大規模な検査システムが不要となるので、大規模製造システムの製造過程等で発生するCO2排出等を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本発明の1実施例に関するウェハにおける回路配置例の図
【
図3】複数の電源供給部を有するウェハにおける回路配置例の図
【
図4】LSI本体部と判定回路と無線波形送信部を有するブロック
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施形態を説明する。
【0011】
尚、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複の説明を省略する。
また、図面は理解することを目的としており、実際の寸法比率は実際のものと必ずしも一致しない。
【0012】
図1は、本発明の1実施例に関する回路構成図である。
【0013】
ここにおいて、ウェハ上に、電源供給部1と、電源供給ライン部2と、LSI本体部3と、判定回路4と、無線波形送信部5と、アンテナ部6を有する。電源供給部1において、たとえば
図2に示すように、太陽光発電部8に光を照射することで、太陽光発電部8から発電された、電力が、電源供給ライン部2を通じて、LSI本体部3と、判定回路4と、無線波形送信部5に供給される。
【0014】
この場合、太陽光発電部8は、ワイヤレス給電方式などの電源供給部に置き換えることも可能であり、更に、太陽光発電部8などの電源供給部に端子を設けることで外部から電源を供給することも可能である。
【0015】
ここで、
図1において、電力が供給された、LSI本体部3と、判定回路4においては、LSI本体部の内部動作についてBISTなどの自己診断を実施し、その判定結果がOKであるか、あるいはNGであるかの結果を、判定回路4から無線波形送信部5に伝送し、無線波形送信部5から、その判定結果となるOKか、あるいはNGの判定結果情報を、アンテナ部6を通じて、送信することが可能となる。その判定回路において、OKとなった良品のLSI本体部をダイシングなどにより、ウェハから取り出すことが可能となる。
【0016】
また、判定結果がOKのものをHigh信号と仮定し、判定結果がNGのものをLow信号と仮定し、その判定結果を、電気信号として、判定回路4から無線波形送信部5に伝送することが可能である。
【0017】
次に、アンテナ部の発振周波数について、事例を踏まえて説明する。
【0018】
ウェハの材料であるシリコンにおける比誘電率(εr)≒11と仮定し、アンテナ部の実効比誘電率(εeff)≒8と仮定し、光の速度(c)を、3x108(m/s)とすると、アンテナ部における伝搬速度(v)は、
v = c /(εeff)1/2
となり、v ≒ 1.06x108(m/s)と算出される。
【0019】
このとき、ウェハの材料であるシリコン上にモノポールアンテナ(ロッドアンテナ)を形成し、そのアンテナ部の長さを、5cmと仮定すると、この5cmのアンテナ部の長さを、vの速度で波形が伝搬する場合の通過する時間(τ)は、
τ = 0.05 / 1.06x108 = 470 (psec)と算出される。
この時間を、1/4波長とする波形の周期(T)は、
T = τ x 4 = 1.88 (nsec)となり、
周波数(f)に置き換えると、
f = 1/T = 532 (MHz)となる。
この周波数の波形がアンテナ部から放出されるため、外部の測定器にて無線データを採取することが可能である。アンテナ部の長さを変更しても計算式に当てはめるだけのため考え方は同じである。
【0020】
この事例では、モノポールアンテナ(ロッドアンテナ)を考慮しているが、ダイポールアンテナや、ループアンテナなどの別形状のアンテナをアンテナ部に適用することが可能である。
【0021】
次に、複数の電源供給部について、事例を踏まえて説明する。
【0022】
図3に示すように電源供給部を複数有することも有効である。
図3の事例では、第1の電源供給部9、第2の電源供給部10、第1の電源供給ライン部11、第2の電源供給ライン部12、LSI本体部3と、判定回路4と、無線波形送信部5と、アンテナ部6をウェハ7上に有している。
【0023】
第1の電源供給部9は、第1の電源供給ライン部11を通じて、LSI本体部3と判定回路4とに電力を供給しており、第2の電源供給部10は、第2の電源供給ライン部12を通じて、無線波形送信部5に電力を供給している。このように電力の供給を分けることで、LSI本体部3や判定回路4や無線波形送信部5において発生する電源ノイズを効果的に分離することが可能となる。
【0024】
第1の電源供給部9、第2の電源供給部10は、太陽光発電による電源供給方式や、ワイヤレス給電による電源供給方式などが適用可能である。第1の電源供給部9、第2の電源供給部10が共に、同一方式の太陽光発電である電源供給方式の構成も適用可能であり、また、第1の電源供給部9は、太陽光発電を適用し、第2の電源供給部10では、ワイヤレス給電を適用することも可能である。
【0025】
次に、複数チップの検査について、事例を踏まえて説明する。
【0026】
図4は、LSI本体部3と判定回路4と無線波形送信部5を有するブロック13である。
【0027】
図5は、複数のブロックを有する回路構成図である。ここではブロックを2つ考慮している。LSI本体部と判定回路と無線波形送信部を有する第1のブロック14と、LSI本体部と判定回路と無線波形送信部を有する第2のブロック15と、電源シーケンシャル部16と、電源供給部1と、アンテナ部6を有している。
【0028】
ここで、複数ブロックにおける電源供給方式について、事例を踏まえて説明する。
【0029】
電源供給部1において、たとえば
図2に示すように、太陽光発電部8に光を照射することで、太陽光発電部8から発電された電力が、電源シーケンシャル部16に供給される場合、この電源シーケンシャル部16からは、まず電力が、第1のブロック14のみに供給される。ここで、
電源シーケンシャル部16から第1のブロック14までの遅延時間を、τ1
第1のブロック14における判定時間を、τ2
第1のブロック14からアンテナ部6への伝送時間を、τ3
任意の待ち時間を、τ4 と仮定し、
τx=τ1+τ2+τ3+τ4 の時間が経過した後に、
電源シーケンシャル部16から、第1のブロック14への電力供給を停止し、第2のブロック15に電力を供給することが開始される。
さらに、
電源シーケンシャル部16から第2のブロック15までの遅延時間を、τ12
第2のブロック15における判定時間を、τ22
第2のブロック15からアンテナ部6への伝送時間を、τ32
任意の待ち時間を、τ42 と仮定し、
τx2=τ12+τ22+τ32+τ42 の時間が経過した後に、
電源シーケンシャル部16から、第2のブロック15への電力供給を停止する。
【0030】
次に、複数ブロックの検査方式について、事例を踏まえて説明する。
【0031】
まず、電源シーケンシャル部16から、第1のブロック14のみにτ1の遅延時間をかけて電力が供給される。
【0032】
その後に、第1のブロック14の内部で、LSI本体部3と、判定回路4においては、LSI本体部3の内部の動作についてBISTなどの自己診断を実施し、その判定結果がOKであるか、あるいはNGであるかの結果を、判定回路4から無線波形送信部5に伝送する。この時間がτ2となる。
【0033】
更に、第1のブロック14の内部の無線波形送信部5から、その判定結果となるOKか、あるいはNGの判定結果情報を、アンテナ部6に送信する。この時間がτ3である。
【0034】
この後、任意の時間τ4の経過後に、電源シーケンシャル部16から第1のブロック14への電力供給が停止され、電源シーケンシャル部16から第2のブロック15へτ12の遅延時間をかけて電力が供給される。
【0035】
第2のブロック15における、判定動作は前記の第1のブロック14と同様であるが、第2のブロック15の内部で、LSI本体部3と、判定回路4においては、LSI本体部3の内部の動作についてBISTなどの自己診断を実施し、その判定結果がOKであるか、あるいはNGであるかの結果を、判定回路4から無線波形送信部5に伝送する。この時間がτ22となる。
【0036】
更に、第2のブロック15の内部の無線波形送信部5から、その判定結果となるOKか、あるいはNGの判定結果情報を、アンテナ部6に送信する。この時間がτ32である。
【0037】
この後、任意の時間τ42の経過後に、電源シーケンシャル部16から第2のブロック15への電力供給が停止される。
【0038】
電源シーケンシャル部16においては、規定された、電源供給の順番で各ブロックに電力が供給される。この実施例では、第1のブロック14に電力を供給後に、第2のブロック15に電力供給を行っている。その順番どおりに、各ブロックでは、OK/NGが判定され、その判定結果も順番にアンテナ部6からデータ送信するため、アンテナ部6から順番どおりに発信された波形を、ウェハ外部にて受信し確認することで、時系列での固有のブロックにおけるOK/NGが判定可能となる。
【0039】
更に、複数チップを検査する場合において、各チップに固有IDを付与し、判定結果である、OK/NGの前に固有IDのデータを付与することで、多数のチップを効率的に検査することが可能となる。
【0040】
固有IDの割り振り事例としては、1番から順にチップに番号を付し、その番号を2進数に変換し、その2進数の、0をLow信号、1をHigh信号として、判定結果である、OK/NGの前に付与して、アンテナ部から送信することで、各チップの固有IDの判別と、その固有IDに紐づけされるOK/NGの判定結果が判別可能となる。
【0041】
以上、説明したように、本発明は、ウェハ上に、電源供給部と、電源供給ライン部と、LSI本体部と、判定回路と、無線波形送信部と、アンテナ部を有し、電源供給部において、生成された電力は、電源供給ライン部を通じて、LSI本体部と判定回路と無線波形送信部に供給される。その供給された電力により、LSI本体部と判定回路との間で、LSI本体部の内部の動作についてBISTなどの自己診断を実施し、その判定結果がOKであるか、あるいはNGであるかの結果を、無線波形送信部に伝送し、無線波形送信部から、その判定結果となるOKか、あるいはNGの判定結果情報を、アンテナ部を通じて、送信することが可能となる。その判定回路において、OKとなった良品のLSI本体部をダイシングなどにより、ウェハから切り取ることが可能となる。
【0042】
このようにして、テスタシステムや、テスタに接続されたプローブカードによる直接の接触検査に依存しない方式にて、ウェハ内の各チップの良否状態を検査することが可能となるため、プローブカードの針の寸法に依存しないウェハ内のチップの端子間の物理寸法を狭小化することが可能となり、また、プローブカード内部のSパラメータなどの電気的特性の限界を考慮する必要が無いため、ウェハ内のチップの外部端子の周波数がプローブカードの電気的特性の制約を受けないこととなり、更には、プローブカードに連結するテスタが不要となるため、テスタなどの大型測定装置の設置が不要となる等の効果がある。さらには、大規模な検査システムが不要となるので、大規模製造システムの製造過程等で発生するCO2排出等を削減することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の非接触検査機能を備える半導体ウェハにおいては、従来のテスタシステムや、テスタに接続されたプローブカードによる直接の接触検査に依存しない方式にて、ウェハ内の各チップの良否状態を検査することが可能となるため、プローブカードの針の寸法に依存しないウェハ内のチップの端子間の物理寸法を狭小化することが可能となり、また、プローブカード内部のSパラメータなどの電気的特性の限界を考慮する必要が無いため、ウェハ内のチップの外部端子の周波数がプローブカードの電気的特性の制約を受けないこととなり、更には、プローブカードに連結するテスタが不要となるため、テスタなどの大型測定装置の設置が不要となる等の効果がある。さらには、大規模な検査システムが不要となるので、大規模製造システムの製造過程等で発生するCO2排出等を削減することが可能となる。また、検査に要するコストや、検査時間などを大幅に短縮することができるため、半導体産業の発展に大きく寄与できるものである。
【符号の説明】
【0044】
1・・・電源供給部
2・・・電源供給ライン部
3・・・LSI本体部
4・・・判定回路
5・・・無線波形送信部
6・・・アンテナ部
7・・・ウェハ
8・・・太陽光発電部
9・・・第1の電源供給部
10・・・第2の電源供給部
11・・・第1の電源供給ライン部
12・・・第2の電源供給ライン部
13・・・ブロック
14・・・第1のブロック
15・・・第2のブロック
16・・・電源シーケンシャル部
【要約】
【課題】
本発明は、従来のウェハ検査において必要とされていたプローブカードやテスタなどにより、ウェハ内のチップの端子間の物理寸法等や、外部端子の周波数等が制約を受けることや、テスタなどの大規模測定装置等の設置が必要となること、更には、従来型の大規模な検査システムでは、その製造過程等で発生するCO
2排出量等のSDGs関連の課題を解決することを目的としている。
【解決手段】
ウェハ上に、電源供給部と、電源供給ライン部と、LSI本体部と、判定回路と、無線波形送信部と、アンテナ部を有し、太陽光発電などによる自己発電で、自己検査を行い、検査結果を自動送信する。
【選択図】
図2