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特許7495767プログラム、特許情報処理装置、および特許情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】プログラム、特許情報処理装置、および特許情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/279 20200101AFI20240529BHJP
   G06F 40/56 20200101ALI20240529BHJP
   G06F 16/90 20190101ALI20240529BHJP
【FI】
G06F40/279
G06F40/56
G06F16/90 100
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023172763
(22)【出願日】2023-10-04
【審査請求日】2023-10-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598051277
【氏名又は名称】インパテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】有賀 康裕
(72)【発明者】
【氏名】西岡 理
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-187507(JP,A)
【文献】特開2020-095653(JP,A)
【文献】我妻裕太,ほぼテク 7月10日ChatGPTで「文書の中の大事な単語を拾い出す」テキストデータから宝を見つける究極のガイド?スケジュール管理編!,2023年07月10日,[2023年12月27日検索],インターネット<URL:https://www.sra-tohoku.co.jp/it-daily-brief-0710>
【文献】池田一輝,ChatGPTを使ったテキストマイニングの方法を徹底解説!Chromeの拡張機能やCode Interpreterを活用する,2023年08月16日,[2023年12月27日検索],インターネット<URL:https://bocek.co.jp/media/exercise/chatgpt/9004/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特許の課題に関する課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であり、課題情報の候補となる2以上の課題候補情報のうちのいずれかの課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報である課題プロンプト元が格納されるプロンプト元格納部にアクセス可能なコンピュータを、
課題情報を取得する特許を特定する2以上の特許特定情報を受け付ける情報受付部と、
前記2以上の各特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を取得する特許情報取得部と、
前記課題プロンプト元と前記特許情報とを用いて、前記2以上の課題候補情報のうちのいずれかの課題情報を取得するための課題プロンプトであり、課題情報の候補となる2以上の課題候補情報のうちのいずれの課題情報にも該当しない場合には「その他」を示す課題情報を取得するための課題プロンプトを取得する課題プロンプト取得部と、
前記課題プロンプト取得部が取得した前記課題プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから課題情報を取得する課題取得部と、
前記課題取得部が取得した前記課題情報を出力する課題出力部として機能させるためのプログラムであって、
前記課題取得部は、
前記2以上の課題候補情報のうちのいずれにも該当しない課題情報「その他」を示す課題情報を取得する場合があり、
前記コンピュータを
前記「その他」課題情報の数を取得し、当該数がリトライ条件を満たすか否かを判断する他判断部としてさらに機能させ、
前記課題取得部は、
前記他判断部が前記リトライ条件を満たすと判断した場合に、前記「その他」課題情報に対応する特許特定情報について、再度、前記課題プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから前記課題情報を取得するものとして、前記コンピュータを機能させるためのプログラム
【請求項2】
前記プロンプト元格納部には、
特許の前記課題を解決する解決手段に関する解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる解決手段プロンプト元が格納され、
前記解決手段プロンプト元と前記特許情報とを用いて、解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得する解決手段プロンプト取得部と、
前記解決手段プロンプト取得部が取得した前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから解決手段情報を取得する解決手段取得部と、
前記解決手段取得部が取得した前記解決手段情報を出力する解決手段出力部として、前記コンピュータをさらに機能させるための請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記課題取得部が取得した前記課題情報が、課題情報が満たすべき条件である課題条件を満すか否かを判断する課題判断部としてさらに機能させ、
前記課題取得部は、
前記課題判断部が前記課題条件を満たさないと判断した場合に、再度、前記課題プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから課題情報を取得し、
前記課題出力部は、
前記課題条件を満たした前記課題情報を出力するものとして、前記コンピュータを機能させるための請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
前記解決手段取得部が取得した前記解決手段情報が、解決手段情報が満たすべき条件である解決手段条件を満すか否かを判断する解決手段判断部としてさらに機能させ、
前記解決手段取得部は、
前記解決手段判断部が前記解決手段条件を満たさないと判断した場合に、再度、前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから解決手段情報を取得し、
前記解決手段出力部は、
前記解決手段条件を満たした前記解決手段情報を出力するものとして、前記コンピュータを機能させるための請求項記載のプログラム。
【請求項5】
前記解決手段プロンプト元は、
解決手段情報の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であり、
前記解決手段プロンプト取得部は、
前記解決手段プロンプト元と前記特許情報とを用いて、前記2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得するものとして、前記コンピュータを機能させるための請求項2記載のプログラム。
【請求項6】
前記解決手段プロンプト取得部は、
解決手段情報の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれの解決手段情報にも該当しない場合には、「その他」を示す解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得し、
前記解決手段取得部は、
前記2以上の解決手段候補情報のうちのいずれにも該当しない解決手段情報である「その他」解決手段情報を取得する場合があるものとして、前記コンピュータを機能させるための請求項記載のプログラム。
【請求項7】
前記情報受付部は、
2以上の特許特定情報を受け付け、
前記解決手段プロンプト取得部は、
前記2以上の各特許特定情報ごとに、前記解決手段プロンプト元と前記特許情報とを用いて、解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得し、
前記解決手段取得部は、
前記2以上の各特許特定情報ごとに、前記解決手段プロンプト取得部が取得した前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから解決手段情報を取得するものとして、前記コンピュータを機能させ、
前記コンピュータを、
前記「その他」解決手段情報の数を取得し、当該数がリトライ条件を満たすか否かを判断する他判断部としてさらに機能させ、
前記課題取得部は、
前記他判断部が前記リトライ条件を満たすと判断した場合に、前記「その他」解決手段情報に対応する特許特定情報について、再度、前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから前記解決手段情報を取得するものとして、前記コンピュータを機能させるための請求項記載のプログラム。
【請求項8】
前記情報受付部は、
2以上の特許特定情報を受け付け、
前記課題プロンプト取得部は、
前記2以上の各特許特定情報ごとに、前記課題プロンプト元と前記特許情報とを用いて、課題情報を取得するための課題プロンプトを取得し、
前記解決手段プロンプト取得部は、
前記2以上の各特許特定情報ごとに、前記解決手段プロンプト元と前記特許情報とを用いて、解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得し、
前記課題取得部は、
前記2以上の各特許特定情報ごとに、前記課題プロンプト取得部が取得した前記課題プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから課題情報を取得し、
前記解決手段取得部は、
前記2以上の各特許特定情報ごとに、前記解決手段プロンプト取得部が取得した前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから解決手段情報を取得するものとして、前記コンピュータを機能させ、
前記コンピュータを、
前記課題取得部が取得した2以上の課題情報を有する課題軸と前記解決手段取得部が取得した2以上の解決手段情報を有する解決手段軸とを有する特許マップを構成するマップ構成部と、
前記マップ構成部が構成した前記特許マップを出力するマップ出力部としてさらに機能させるための請求項2記載のプログラム。
【請求項9】
特許の課題を解決する解決手段に関する解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であり、解決手段の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報である解決手段プロンプト元が格納されるプロンプト元格納部にアクセス可能なコンピュータを、
解決手段情報を取得する特許を特定する2以上の特許特定情報を受け付ける情報受付部と、
前記2以上の各特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を取得する特許情報取得部と、
前記解決手段プロンプト元と前記特許情報とを用いて、前記2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトであり、解決手段情報の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれの解決手段情報にも該当しない場合には「その他」を示す解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得する解決手段プロンプト取得部と、
前記解決手段プロンプト取得部が取得した前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから解決手段情報を取得する解決手段取得部と、
前記解決手段取得部が取得した前記解決手段情報を出力する解決手段出力部として機能させるためのプログラムであって、
前記解決手段取得部は、
前記2以上の解決手段候補情報のうちのいずれにも該当しない解決手段情報「その他」を示す解決手段情報を取得する場合があり、
前記コンピュータを
前記「その他」解決手段情報の数を取得し、当該数がリトライ条件を満たすか否かを判断する他判断部としてさらに機能させ、
前記解決手段取得部は、
前記他判断部が前記リトライ条件を満たすと判断した場合に、前記「その他」解決手段情報に対応する特許特定情報について、再度、前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから前記解決手段情報を取得するものとして、前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
特許の課題に関する課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であり、課題情報の候補となる2以上の課題候補情報のうちのいずれかの課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報である課題プロンプト元が格納されるプロンプト元格納部と、
課題情報を取得する特許を特定する2以上の特許特定情報を受け付ける情報受付部と、
前記2以上の各特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を取得する特許情報取得部と、
前記課題プロンプト元と前記特許情報とを用いて、前記2以上の課題候補情報のうちのいずれかの課題情報を取得するための課題プロンプトであり、課題情報の候補となる2以上の課題候補情報のうちのいずれの課題情報にも該当しない場合には「その他」を示す課題情報を取得するための課題プロンプトを取得する課題プロンプト取得部と、
前記課題プロンプト取得部が取得した前記課題プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから課題情報を取得する課題取得部と、
前記課題取得部が取得した前記課題情報を出力する課題出力部とを具備し、
前記課題取得部は、
前記2以上の課題候補情報のうちのいずれにも該当しない課題情報「その他」を示す課題情報を取得する場合があり、
前記「その他」課題情報の数を取得し、当該数がリトライ条件を満たすか否かを判断する他判断部をさらに具備し、
前記課題取得部は、
前記他判断部が前記リトライ条件を満たすと判断した場合に、前記「その他」課題情報に対応する特許特定情報について、再度、前記課題プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから前記課題情報を取得する特許情報処理装置。
【請求項11】
特許の課題を解決する解決手段に関する解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であり、解決手段の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報である解決手段プロンプト元が格納されるプロンプト元格納部と、
解決手段情報を取得する特許を特定する2以上の特許特定情報を受け付ける情報受付部と、
前記2以上の各特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を取得する特許情報取得部と、
前記解決手段プロンプト元と前記特許情報とを用いて、前記2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトであり、解決手段情報の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれの解決手段情報にも該当しない場合には「その他」を示す解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得する解決手段プロンプト取得部と、
前記解決手段プロンプト取得部が取得した前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから解決手段情報を取得する解決手段取得部と、
前記解決手段取得部が取得した前記解決手段情報を出力する解決手段出力部とを具備し、
前記解決手段取得部は、
前記2以上の解決手段候補情報のうちのいずれにも該当しない解決手段情報「その他」を示す解決手段情報を取得する場合があり、
前記「その他」解決手段情報の数を取得し、当該数がリトライ条件を満たすか否かを判断する他判断部をさらに具備し、
前記解決手段取得部は、
前記他判断部が前記リトライ条件を満たすと判断した場合に、前記「その他」解決手段情報に対応する特許特定情報について、再度、前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから前記解決手段情報を取得する特許情報処理装置。
【請求項12】
特許の課題に関する課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であり、課題情報の候補となる2以上の課題候補情報のうちのいずれかの課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報である課題プロンプト元が格納されるプロンプト元格納部と、情報受付部と、特許情報取得部と、課題プロンプト取得部と、課題取得部と、課題出力部と、他判断部とにより実現される特許情報処理方法であって、
前記情報受付部が、課題情報を取得する特許を特定する2以上の特許特定情報を受け付ける情報受付ステップと、
前記特許情報取得部が、前記2以上の各特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を取得する特許情報取得ステップと、
前記課題プロンプト取得部が、前記課題プロンプト元と前記特許情報とを用いて、前記2以上の課題候補情報のうちのいずれかの課題情報を取得するための課題プロンプトであり、課題情報の候補となる2以上の課題候補情報のうちのいずれの課題情報にも該当しない場合には「その他」を示す課題情報を取得するための課題プロンプトを取得する課題プロンプト取得ステップと、
前記課題取得部が、前記課題プロンプト取得部が取得した前記課題プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから課題情報を取得する課題取得ステップと、
前記る課題出力部が、前記課題取得部が取得した前記課題情報を出力する課題出力ステップとを具備し、
前記課題取得ステップにおいて、
前記2以上の課題候補情報のうちのいずれにも該当しない課題情報「その他」を示す課題情報を取得する場合があり、
前記他判断部が、前記「その他」課題情報の数を取得し、当該数がリトライ条件を満たすか否かを判断する他判断ステップをさらに具備し、
前記課題取得ステップにおいて、
前記他判断部が前記リトライ条件を満たすと判断した場合に、前記「その他」課題情報に対応する特許特定情報について、再度、前記課題プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから前記課題情報を取得する特許情報処理方法。
【請求項13】
特許の課題を解決する解決手段に関する解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であり、解決手段の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報である解決手段プロンプト元が格納されるプロンプト元格納部と、情報受付部と、特許情報取得部と、解決手段プロンプト取得部と、解決手段取得部と、解決手段出力部と、他判断部とにより実現される特許情報処理方法であって、
前記情報受付部が、解決手段情報を取得する特許を特定する2以上の特許特定情報を受け付ける情報受付ステップと、
前記特許情報取得部が、前記2以上の各特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を取得する特許情報取得ステップと、
前記解決手段プロンプト取得部が、前記解決手段プロンプト元と前記特許情報とを用いて、前記2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトであり、解決手段情報の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれの解決手段情報にも該当しない場合には「その他」を示す解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得する解決手段プロンプト取得ステップと、
前記解決手段取得部が、前記解決手段プロンプト取得部が取得した前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから解決手段情報を取得する解決手段取得ステップと、
前記解決手段出力部が、前記解決手段取得部が取得した前記解決手段情報を出力する解決手段出力ステップを具備し、
前記解決手段取得ステップにおいて、
前記2以上の解決手段候補情報のうちのいずれにも該当しない解決手段情報「その他」を示す解決手段情報を取得する場合があり、
前記他判断部が、前記「その他」解決手段情報の数を取得し、当該数がリトライ条件を満たすか否かを判断する他判断ステップをさらに具備し、
前記解決手段取得ステップにおいて、
前記他判断部が前記リトライ条件を満たすと判断した場合に、前記「その他」解決手段情報に対応する特許特定情報について、再度、前記解決手段プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから前記解決手段情報を取得する特許情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成AIを用いて、特許情報から重要な情報を取得し、出力する特許情報処理装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の発明間の関係や類似性を、図面を参照して容易に判断できる特許マップを作成する、とされる特許マップ作成システムがあった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-38240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、生成AIを適切に用いて、特許情報から重要な情報を取得できなかった。なお、重要な情報は、例えば、課題、または解決手段である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の特許情報処理装置は、特許の課題に関する課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる課題プロンプト元が格納されるプロンプト元格納部と、課題情報を取得する特許を特定する特許特定情報を受け付ける情報受付部と、特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を取得する特許情報取得部と、課題プロンプト元と特許情報とを用いて、課題情報を取得するための課題プロンプトを取得する課題プロンプト取得部と、課題プロンプト取得部が取得した課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得する課題取得部と、課題取得部が取得した課題情報を出力する課題出力部とを具備する特許情報処理装置である。
【0006】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、特許情報から重要な情報である課題情報を取得できる。
【0007】
また、本第二の発明の特許情報処理装置は、第一の発明に対して、プロンプト元格納部には、特許の課題を解決する解決手段に関する解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる解決手段プロンプト元が格納され、解決手段プロンプト元と特許情報とを用いて、解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得する解決手段プロンプト取得部と、解決手段プロンプト取得部が取得した解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得する解決手段取得部と、解決手段取得部が取得した解決手段情報を出力する解決手段出力部とを具備する特許情報処理装置である。
【0008】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、特許情報から重要な情報である解決手段情報を取得できる。
【0009】
また、本第三の発明の特許情報処理装置は、第一の発明に対して、課題取得部が取得した課題情報が、課題情報が満たすべき条件である課題条件を満すか否かを判断する課題判断部をさらに具備し、課題取得部は、課題判断部が課題条件を満たさないと判断した場合に、再度、課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得し、課題出力部は、課題条件を満たした課題情報を出力する特許情報処理装置である。
【0010】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、特許情報からより適切な課題情報を取得できる。
【0011】
また、本第四の発明の特許情報処理装置は、第一の発明に対して、解決手段取得部が取得した解決手段情報が、解決手段情報が満たすべき条件である解決手段条件を満すか否かを判断する解決手段判断部をさらに具備し、解決手段取得部は、解決手段判断部が解決手段条件を満たさないと判断した場合に、再度、解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得し、解決手段出力部は、解決手段条件を満たした解決手段情報を出力する特許情報処理装置である。
【0012】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、特許情報からより適切な解決手段情報を取得できる。
【0013】
また、本第五の発明の特許情報処理装置は、第一の発明に対して、課題プロンプト元は、課題情報の候補となる2以上の課題候補情報のうちのいずれかの課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であり、課題プロンプト取得部は、課題プロンプト元と特許情報とを用いて、2以上の課題候補情報のうちのいずれかの課題情報を取得するためのプロンプトを取得する特許情報処理装置である。
【0014】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、2以上の課題候補情報から、特許情報に対する適切な課題情報を取得できる。
【0015】
また、本第六の発明の特許情報処理装置は、第五の発明に対して、課題プロンプト取得部は、課題情報の候補となる2以上の課題候補情報のうちのいずれの課題情報にも該当しない場合には、「その他」を示す課題情報を取得するための課題プロンプトを取得し、課題取得部は、2以上の課題候補情報のうちのいずれにも該当しない課題情報である「その他」課題情報を取得する場合がある特許情報処理装置である。
【0016】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、特許情報に対する適切な課題情報を取得できる。
【0017】
また、本第七の発明の特許情報処理装置は、第六の発明に対して、情報受付部は、2以上の特許特定情報を受け付け、課題プロンプト取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、課題プロンプト元と特許情報とを用いて、課題情報を取得するための課題プロンプトを取得し、課題取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、課題プロンプト取得部が取得した課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得し、「その他」課題情報の数を取得し、数がリトライ条件を満たすか否かを判断する他判断部をさらに具備し、課題取得部は、他判断部がリトライ条件を満たすと判断した場合に、「その他」課題情報に対応する特許特定情報について、再度、課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得する特許情報処理装置である。
【0018】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、課題情報が「その他」となる特許情報の数を少なくできる。
【0019】
また、本第八の発明の特許情報処理装置は、第一の発明に対して、情報受付部は、2以上の特許特定情報を受け付け、課題プロンプト取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、課題プロンプト元と特許情報とを用いて、課題情報を取得するための課題プロンプトを取得し、課題取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、課題プロンプト取得部が取得した課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得し、課題取得部が取得した2以上の異なる課題情報を用いて、1以上の課題情報を取得する課題集約部をさらに具備し、課題出力部は、課題取得部が取得した課題情報ではなく、課題集約部が取得した1以上の課題情報を出力する特許情報処理装置である。
【0020】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、課題候補情報を準備する必要もなく、2以上の特許情報に対する適切な種類の数の課題情報を取得できる。
【0021】
また、本第九の発明の特許情報処理装置は、第二の発明に対して、解決手段プロンプト元は、解決手段情報の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であり、解決手段プロンプト取得部は、解決手段プロンプト元と特許情報とを用いて、2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する特許情報処理装置である。
【0022】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、2以上の解決手段候補情報から、特許情報に対する適切な解決手段情報を取得できる。
【0023】
また、本第十の発明の特許情報処理装置は、第九の発明に対して、解決手段プロンプト取得部は、解決手段情報の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれの解決手段情報にも該当しない場合には、「その他」を示す解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得し、解決手段取得部は、2以上の解決手段候補情報のうちのいずれにも該当しない解決手段情報である「その他」解決手段情報を取得する場合がある特許情報処理装置である。
【0024】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、特許情報に対する適切な解決手段情報を取得できる。
【0025】
また、本第十一の発明の特許情報処理装置は、第十の発明に対して、情報受付部は、2以上の特許特定情報を受け付け、解決手段プロンプト取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、解決手段プロンプト元と特許情報とを用いて、解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得し、解決手段取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、解決手段プロンプト取得部が取得した解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得し、「その他」解決手段情報の数を取得し、数がリトライ条件を満たすか否かを判断する他判断部をさらに具備し、課題取得部は、他判断部がリトライ条件を満たすと判断した場合に、「その他」解決手段情報に対応する特許特定情報について、再度、解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得する特許情報処理装置である。
【0026】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、解決手段情報が「その他」となる特許情報の数を少なくできる。
【0027】
また、本第十二の発明の特許情報処理装置は、第二の発明に対して、情報受付部は、2以上の特許特定情報を受け付け、解決手段プロンプト取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、解決手段プロンプト元と特許情報とを用いて、解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得し、解決手段取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、解決手段プロンプト取得部が取得した解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得し、解決手段取得部が取得した2以上の異なる解決手段情報を用いて、1以上の解決手段情報を取得する解決手段集約部をさらに具備し、解決手段出力部は、解決手段取得部が取得した解決手段情報ではなく、解決手段集約部が取得した1以上の解決手段情報を出力する特許情報処理装置である。
【0028】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、解決手段候補情報を準備する必要もなく、2以上の特許情報に対する適切な種類の数の解決手段情報を取得できる。
【0029】
また、本第十三の発明の特許情報処理装置は、第一の発明に対して、特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を用いて、課題情報を取得する課題前処理部と、課題前処理部が取得した課題情報が、課題情報を使用せずに、生成AIから課題情報を取得するためのAI処理条件を満たすか否かを判断する判断前処理部とをさらに具備し、課題取得部は、判断前処理部がAI処理条件を満たすと判断した場合に、課題プロンプト取得部が取得した課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得する特許情報処理装置である。
【0030】
かかる構成により、必要な場合のみ、生成AIを適切に用いて、特許情報から課題情報を取得できる。
【0031】
また、本第十四の発明の特許情報処理装置は、第二の発明に対して、特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を用いて、解決手段情報を取得する解決手段前処理部と、解決手段前処理部が取得した解決手段情報が、解決手段情報を使用せずに、生成AIから解決手段情報を取得するためのAI処理条件を満たすか否かを判断する判断前処理部とをさらに具備し、解決手段取得部は、判断前処理部がAI処理条件を満たすと判断した場合に、解決手段プロンプト取得部が取得した解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得する特許情報処理装置である。
【0032】
かかる構成により、必要な場合のみ、生成AIを適切に用いて、特許情報から解決手段情報を取得できる。
【0033】
また、本第十五の発明の特許情報処理装置は、第二の発明に対して、情報受付部は、2以上の特許特定情報を受け付け、課題プロンプト取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、課題プロンプト元と特許情報とを用いて、課題情報を取得するための課題プロンプトを取得し、解決手段プロンプト取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、解決手段プロンプト元と特許情報とを用いて、解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得し、課題取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、課題プロンプト取得部が取得した課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得し、解決手段取得部は、2以上の各特許特定情報ごとに、解決手段プロンプト取得部が取得した解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得し、課題取得部が取得した2以上の課題情報を有する課題軸と解決手段取得部が取得した2以上の解決手段情報を有する解決手段軸とを有する特許マップを構成するマップ構成部と、マップ構成部が構成した特許マップを出力するマップ出力部とをさらに具備する特許情報処理装置である。
【0034】
かかる構成により、生成AIを適切に用いて、課題と解決手段とを軸とする特許マップを作成できる。
【発明の効果】
【0035】
本発明による特許情報処理装置によれば、生成AIを適切に用いて、特許情報から重要な情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】実施の形態1における情報システムAの概念図
図2】同情報システムAのブロック図
図3】同特許情報処理装置1のブロック図
図4】同特許情報処理装置1の動作例について説明するフローチャート
図5】同前処理の例について説明するフローチャート
図6】同課題AI処理の例について説明するフローチャート
図7】同解決手段AI処理の例について説明するフローチャート
図8】同課題後処理の例について説明するフローチャート
図9】同解決手段後処理の例について説明するフローチャート
図10】同特許マップ作成処理の例について説明するフローチャート
図11】同課題プロンプト元の例を示す図
図12】同解決手段プロンプト元の例を示す図
図13】同プロンプト元の例を示す図
図14】同特許一覧表の例を示す図
図15】同特許マップの例を示す図
図16】同プロンプト元の例を示す図
図17】同特許一覧表の例を示す図
図18】実施の形態2における特許情報処理装置3のブロック図
図19】同特許情報処理装置3の動作例について説明するフローチャート
図20】同課題集約処理の例について説明するフローチャート
図21】同解決手段集約処理の例について説明するフローチャート
図22】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
図23】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、特許情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0038】
(実施の形態1)
本実施の形態において、特許情報を用いた課題取得プロンプトを生成AIに与え、生成AIから課題情報を取得し、出力する特許情報処理装置について説明する。
【0039】
また、本実施の形態において、特許情報を用いた解決手段取得プロンプトを生成AIに与え、生成AIら解決手段情報を取得し、出力する特許情報処理装置について説明する。
【0040】
また、本実施の形態において、取得された課題情報が課題条件を満たさない場合、再度、課題取得プロンプトを生成AIに与え、再度、生成AIから課題情報を取得し、出力する特許情報処理装置について説明する。
【0041】
また、本実施の形態において、解決手段情報が解決手段条件を満たさない場合、再度、解決手段取得プロンプトを生成AIに与え再度、生成AIから解決手段情報を取得し、出力する特許情報処理装置について説明する。
【0042】
また、本実施の形態において、課題取得プロンプトが、2以上の課題情報のうちから一の課題情報を選択するように生成AIに指示するプロンプトである場合について説明する。
【0043】
また、本実施の形態において、課題取得プロンプトが、「その他」の課題情報も許容するプロンプトである場合について説明する。
【0044】
また、本実施の形態において、「その他」の数がリトライ条件を満たす場合、「その他」に対応する特許情報について、再度、プロンプトを生成AIに与え、再度、生成AIから課題情報を取得し、出力する特許情報処理装置について説明する。
【0045】
また、本実施の形態において、解決手段取得プロンプトが、2以上の解決手段情報のうちから一の解決手段情報を選択するプロンプトである場合について説明する。
【0046】
また、本実施の形態において、解決手段取得プロンプトが、「その他」の解決手段情報も許容するプロンプトである場合について説明する。
【0047】
また、本実施の形態において、「その他」の数がリトライ条件を満たす場合、「その他」に対応する特許情報について、再度、プロンプトを生成AIに与え、再度、生成AIから解決手段情報を取得し、出力する特許情報処理装置について説明する。
【0048】
また、本実施の形態において、生成AIを用いずに課題情報を取得する処理を前処理として行い、課題情報を取得できなかった場合等に、課題取得プロンプトを生成AIに与え、生成AIから課題情報を取得し、出力する特許情報処理装置について説明する。
【0049】
また、本実施の形態において、生成AIを用いずに解決手段情報を取得する処理を前処理として行い、解決手段情報を取得できなかった場合に、解決手段取得プロンプトを生成AIに与え、生成AIから解決手段情報を取得し、出力する特許情報処理装置について説明する。
【0050】
さらに、本実施の形態において、2以上の特許について、課題情報と解決手段情報とを軸とする特許マップを作成する特許情報処理装置について説明する。
【0051】
なお、本明細書において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0052】
また、本明細書において、情報Zを選択したり、決定したりすることは、情報Zを取得すること、情報Zへのポインタを取得すること、情報ZのIDを取得すること、情報Zにフラグを立てること等であり、情報Zにアクセスできれば良い。
【0053】
図1は、本実施の形態における情報システムAの概念図である。情報システムAは、特許情報処理装置1、1または2以上の端末装置2を備える。なお、情報システムAは、1または2以上の生成AI装置Xを有しても良い。
【0054】
特許情報処理装置1は、特許情報の課題等を取得し、出力する装置である。特許情報処理装置1は、通常、サーバであるが、スタンドアロンの装置でも良い。特許情報処理装置1がサーバである場合、特許情報処理装置1は、例えば、いわゆるクラウドサーバ、ASPサーバであるが、問わない。
【0055】
端末装置2は、ユーザが使用する端末である。端末装置2は、例えば、いわゆるパソコン、タブレット端末、スマートフォンである。
【0056】
生成AI装置Xは、生成AIの機能を有するソフトウェアが格納されているサーバである。ここでの生成AIの機能は、与えられたプロンプトに対して、回答であるテキストを生成する機能である。生成AIは、例えば、Chat-GPTであるが、問わない。
【0057】
特許情報処理装置1と1または2以上の各端末装置2とは、通常、インターネット等のネットワークにより通信可能である。また、特許情報処理装置1と生成AI装置Xとは、通常、インターネット等のネットワークにより通信可能である。
【0058】
図2は、本実施の形態における情報システムAのブロック図である。図3は、特許情報処理装置1のブロック図である。
【0059】
特許情報処理装置1は、格納部11、受付部12、処理部13、および出力部14を備える。格納部11は、プロンプト元格納部111、課題候補管理部112、および解決手段候補管理部113を備える。受付部12は、情報受付部121を備える。処理部13は、特許情報取得部130、課題前処理部131、解決手段前処理部132、判断前処理部133、課題プロンプト取得部134、課題取得部135、課題判断部136、解決手段プロンプト取得部137、解決手段取得部138、解決手段判断部139、他判断部13A、およびマップ構成部13Bを備える。出力部14は、課題出力部141、解決手段出力部142、およびマップ出力部143を備える。
【0060】
端末装置2は、端末格納部21、端末受付部22、端末処理部23、端末送信部24、端末受信部25、および端末出力部26を備える。
【0061】
特許情報処理装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述する各種のプロンプト元、後述する課題候補情報、後述する解決手段候補情報、後述する各種の条件である。
【0062】
プロンプト元格納部111は、1または2以上のプロンプト元が格納される。プロンプト元とは、生成AIに与えるプロンプトの元になる情報である。プロンプト元は、通常、文章である。プロンプト元は、通常、変数を有する。プロンプト元は、例えば、特許情報を挿入する変数を有する。プロンプト元は、例えば、課題プロンプト元、解決手段プロンプト元、集約プロンプト元である。プロンプト元は、プロンプトそのものでも良い。
【0063】
特許情報とは、特許の内容を特定する情報である。特許情報は、通常、特許の内容を示すテキストであるが図面でも良い。特許情報は、特許の明細書、特許請求の範囲、要約書、特許の明細書の一部、特許請求の範囲の一部、または要約書の一部である。特許の明細書の一部は、例えば、明細書の中の[発明が解決しようとする課題]または[課題を解決するための手段]または[発明の効果]または[発明を実施するための形態]等である。特許請求の範囲の一部は、例えば、請求項1、または1以上の独立項である。要約書の一部は、例えば、[課題]または[解決手段]である。特許情報の言語は問わないことは言うまでもない。特許情報の言語は、例えば、日本語、英語、中国語、その他の言語である。
【0064】
課題プロンプト元とは、課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報である。課題情報とは、特許の課題に関する情報である。特許の課題は、特許発明が解決しようとする課題である。特許の課題は、特許の課題の裏返しである特許の効果でも良い。つまり、課題情報は、課題の裏返しである効果に関する情報でも良い。課題情報の言語も問わないことは言うまでもない。課題情報の言語は、例えば、日本語、英語、中国語、その他の言語である。また、課題情報の言語は、特許情報の言語と異なっていても良い。
【0065】
課題プロンプト元は、課題情報の候補となる2以上の課題候補情報のうちのいずれかの課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であっても良い。かかる2以上の課題候補情報は、課題候補管理部112の情報である。
【0066】
解決手段プロンプト元とは、解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報である。解決手段情報とは、特許の課題を解決する解決手段に関する情報である。解決手段は、例えば、発明を構成する構成要素である。解決手段情報の言語も問わないことは言うまでもない。解決手段情報の言語は、例えば、日本語、英語、中国語、その他の言語である。また、解決手段情報の言語は、特許情報の言語と異なっていても良い。
【0067】
解決手段プロンプト元は、解決手段情報の候補となる2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる情報であっても良い。かかる2以上の解決手段候補情報は、解決手段候補管理部113の情報である。
【0068】
なお、課題プロンプト元と解決手段プロンプト元とは、一のプロンプト元の中に含まれていても良い。
【0069】
集約プロンプト元とは、複数の課題情報または複数の解決手段情報を、1以上の課題情報または1以上の解決手段情報に集約するためのプロンプトの元になる情報である。
【0070】
集約プロンプト元は、例えば、課題情報集約プロンプト元、解決手段集約プロンプト元である。課題情報集約プロンプト元とは、2以上の課題情報を1以上の課題情報に集約するためのプロンプト元である。解決手段集約プロンプト元とは、2以上の解決手段情報を1以上の解決手段情報に集約するためのプロンプト元である。
【0071】
課題候補管理部112には、2以上の課題候補情報が格納される。課題候補管理部112の2以上の課題候補情報は、課題プロンプト元に含まれていても良い。
【0072】
解決手段候補管理部113には、2以上の解決手段候補情報が格納される。解決手段候補管理部113の2以上の解決手段候補情報は、解決手段プロンプト元に含まれていても良い。
【0073】
受付部12は、各種の情報や指示を受け付ける。受付部12は、例えば、端末装置2から各種の情報や指示を受信する。各種の情報や指示は、後述する特許特定情報、開始指示、2以上の課題候補情報、または2以上の解決手段候補情報である。開始指示とは、動作の開始の指示である。
【0074】
ここでは、受け付けとは、通常、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信であるが、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念であっても良い。
【0075】
情報受付部121は、1または2以上の特許特定情報を受け付ける。情報受付部121は、2以上の特許特定情報を受け付けることは好適である。
【0076】
特許特定情報とは、特許を特定する情報である。特許特定情報は、例えば、出願番号、公開番号、特許番号、特許情報である。
【0077】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、特許情報取得部130、課題前処理部131、解決手段前処理部132、判断前処理部133、課題プロンプト取得部134、課題取得部135、課題判断部136、解決手段プロンプト取得部137、解決手段取得部138、解決手段判断部139、他判断部13A、マップ構成部13Bが行う処理である。
【0078】
特許情報取得部130は、情報受付部121が受け付けた1または2以上の各特許特定情報に対応する特許情報を取得する。
【0079】
特許情報取得部130は、例えば、情報受付部121が受け付けた特許特定情報である特許のID(例えば、出願番号、公開番号)により識別される特許情報を図示しない特許データベースまたは格納部11から取得する。特許情報取得部130は、例えば、情報受付部121が受け付けた特許特定情報である特許情報を取得する。なお、特許データベースは、通常、図示しない外部の装置である。
【0080】
課題前処理部131は、情報受付部121が受け付けた1以上の各特許特定情報ごとに、特許情報取得部130が取得した特許情報を用いて、課題情報を取得する。
【0081】
課題前処理部131が特許情報から課題情報を取得するアルゴリズムは問わない。課題前処理部131は、通常、生成AIを用いない。課題前処理部131は、例えば、特許明細書の[発明が解決しようとする課題]の文章を取得し、当該文章から手がかり句(例えば、「~できなかった。」)を用いて、「~」の部分に該当する課題情報を取得する。課題前処理部131は、例えば、特許明細書の[発明の効果]の文章を取得し、当該文章から手がかり句(例えば、「~できる。」)を用いて、「~」の部分に該当する課題情報(ここでは、効果を示す情報)を取得する。課題前処理部131は、例えば、明細書中の手がかり句「・・・により~できる。」を用いて、「~」の部分に該当する課題情報を取得する。また、課題前処理部131は、例えば、特開2021-43677号、特許第7323138号等に記載されている公知の手法を用いて、特許情報から課題情報を取得する。なお、課題前処理部131が使用する特許情報は、生成AIに与える特許情報と同じでも良いし、異なっていても良い。
【0082】
解決手段前処理部132は、情報受付部121が受け付けた1以上の各特許特定情報ごとに、特許情報取得部130が取得した特許情報を用いて、解決手段情報を取得する。
【0083】
解決手段前処理部132が特許情報から解決手段情報を取得するアルゴリズムは問わない。解決手段前処理部132は、通常、生成AIを用いない。解決手段前処理部132は、例えば、請求項1から2以上の構成要素を取得し、各構成要素を主語とする文を明細書から検索し、当該文の数が最大の構成要素を解決手段情報として取得する。解決手段前処理部132は、例えば、明細書中の手がかり句「・・・により~できる。」を用いて、「・・・」の部分に該当する解決手段情報を取得する。また、課題前処理部131は、例えば、特開2021-43677号、特許第7323138号等に記載されている公知の手法を用いて、特許情報から解決手段情報を取得する。なお、解決手段前処理部132が使用する特許情報は、生成AIに与える特許情報と同じでも良いし、異なっていても良い。
【0084】
判断前処理部133は、課題前処理部131が取得した課題情報が、AI処理条件を満たすか否かを判断する。ここでのAI処理条件とは、課題前処理部131が取得した課題情報を使用せずに、生成AIから課題情報を取得することを決定するための条件である。AI処理条件は、例えば、課題前処理部131が課題情報を取得できていないこと、課題前処理部131が取得した課題情報が「未分類」または「その他」または「不明」等を示す情報であったこと等である。
【0085】
判断前処理部133は、解決手段前処理部132が取得した解決手段情報が、AI処理条件を満たすか否かを判断する。ここでのAI処理条件とは、解決手段前処理部132が取得した解決手段情報を使用せずに、生成AIから解決手段情報を取得することを決定するための条件である。AI処理条件は、例えば、解決手段前処理部132が解決手段情報を取得できていないこと、解決手段前処理部132が取得した解決手段情報が「未分類」または「その他」または「不明」等を示す情報であったこと等である。
【0086】
課題プロンプト取得部134は、課題プロンプト元と特許情報とを用いて、課題プロンプトを取得する。課題プロンプト取得部134は、例えば、課題プロンプト元に含まれる変数であり、特許情報を代入する変数の箇所に特許情報を代入し、課題プロンプトを取得する。課題プロンプトとは、課題情報を取得するためのプロンプトである。プロンプトとは、生成AIから回答を得るために、生成AIに与える情報である。プロンプトは、問合せ、クエリ等と言っても良い。
【0087】
課題プロンプト取得部134が使用する特許情報は、要約書、明細書の中の[発明が解決しようとする課題]または[発明の効果]であることは好適である。
【0088】
課題プロンプト取得部134は、課題プロンプト元と特許情報とを用いて、2以上の課題候補情報のうちのいずれかの課題情報を取得するためのプロンプトを取得することは好適である。2以上の課題候補情報は、例えば、ユーザが与えた情報である。2以上の課題候補情報は、例えば、課題候補管理部112に格納されている。
【0089】
課題プロンプト取得部134は、2以上の課題候補情報のうちのいずれの課題情報にも該当しない場合には、「その他」を示す課題情報を取得するための課題プロンプトを取得しても良い。
【0090】
課題プロンプト取得部134は、2以上の各特許特定情報ごとに、課題プロンプト元と、各特許特定情報に対応する特許情報とを用いて、課題プロンプトを取得することは好適である。
【0091】
課題取得部135は、課題プロンプト取得部134が取得した課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得する。課題取得部135が課題プロンプトを生成AIに渡す方法は問わない。生成AIに情報を渡すことは、通常、生成AI装置Xに情報を送信することである。課題取得部135は、例えば、生成AIのAPIの引数に課題プロンプトを代入し、当該APIを実行することにより、課題プロンプトを生成AIに渡す。
【0092】
課題取得部135は、後述する課題判断部136が課題条件を満たさないと判断した場合に、再度、課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得することは好適である。
【0093】
課題取得部135は、2以上の課題候補情報のうちのいずれにも該当しない課題情報である「その他」を示す課題情報を取得する場合があっても良い。「その他」を示す課題情報は、「その他」課題情報、または単に「その他」と言っても良い。
【0094】
課題取得部135は、情報受付部121が受け付けた2以上の各特許特定情報ごとに、課題プロンプト取得部134が取得した課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得することは好適である。
【0095】
課題取得部135は、他判断部13Aがリトライ条件を満たすと判断した場合に、「その他」課題情報に対応する特許特定情報について、再度、課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得することは好適である。
【0096】
課題取得部135は、判断前処理部133がAI処理条件を満たすと判断した場合に、課題プロンプト取得部134が取得した課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得することは好適である。
【0097】
課題判断部136は、課題取得部135が取得した課題情報が課題条件を満すか否かを判断する。課題条件とは、課題情報が満たすべき条件である。課題条件は、言語的な条件であり、内容的な条件ではないことは好適である。課題条件は、例えば、課題情報の文字数が閾値以内または閾値未満、課題情報の単語数が閾値以内または閾値未満、課題情報が特定の言語(例えば、日本語)であることである。
【0098】
解決手段プロンプト取得部137は、解決手段プロンプト元と特許情報とを用いて、解決手段プロンプトを取得する。解決手段プロンプト取得部137は、例えば、解決手段プロンプト元に含まれる変数であり、特許情報を代入する変数の箇所に特許情報を代入し、解決手段プロンプトを取得する。なお、解決手段プロンプトとは、解決手段情報を取得するためのプロンプトである。
【0099】
解決手段プロンプト取得部137が使用する特許情報は、特許請求の範囲の中の請求項1、特許請求の範囲、要約書、明細書の[課題を解決するための手段]であることは好適である。解決手段プロンプト取得部137が使用する特許情報は、課題プロンプト取得部134が使用する特許情報と異なることは好適であるが同じでも良い。
【0100】
解決手段プロンプト取得部137は、解決手段プロンプト元と特許情報とを用いて、2以上の解決手段候補情報のうちのいずれかの解決手段情報を取得するためのプロンプトを取得することは好適である。なお、2以上の解決手段候補情報は、例えば、ユーザが与えた情報である。2以上の解決手段候補情報は、例えば、解決手段候補管理部113に格納されている。
【0101】
解決手段プロンプト取得部137は、2以上の解決手段候補情報のうちのいずれの解決手段情報にも該当しない場合には、「その他」を示す解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得しても良い。
【0102】
解決手段プロンプト取得部137は、2以上の各特許特定情報ごとに、解決手段プロンプト元と、各特許特定情報に対応する特許情報とを用いて、解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトを取得することは好適である。
【0103】
解決手段取得部138は、解決手段プロンプト取得部137が取得した解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得する。解決手段取得部138が解決手段プロンプXに情報を送信することである。解決手段取得部138は、例えば、生成AIのAPIの引数に課題プロンプトを代入し、当該APIを実行することにより、解決手段プロンプトを生成AIに渡す。
【0104】
解決手段取得部138は、解決手段判断部139が解決手段条件を満たさないと判断した場合に、再度、解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得することは好適である。
【0105】
解決手段条件とは、解決手段情報が満たすべき条件である。解決手段条件は、言語的な条件であり、内容的な条件ではないことは好適である。解決手段条件は、例えば、解決手段情報の文字数が閾値以内または閾値未満、解決手段情報の単語数が閾値以内または閾値未満、解決手段情報が特定の言語(例えば、日本語)であることである。なお、解決手段条件は、課題条件と違うことは好適であるが同じでも良い。
【0106】
解決手段取得部138は、2以上の解決手段候補情報のうちのいずれにも該当しない解決手段情報である「その他」を示す解決手段情報を取得する場合があることは好適である。「その他」を示す解決手段情報は、「その他」解決手段情報、または単に「その他」と言っても良い。
【0107】
解決手段取得部138は、2以上の各特許特定情報ごとに、解決手段プロンプト取得部137が取得した解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得することは好適である。
【0108】
解決手段取得部138は、判断前処理部133がAI処理条件を満たすと判断した場合に、解決手段プロンプト取得部137が取得した解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得することは好適である。
【0109】
解決手段取得部138は、他判断部13Aがリトライ条件を満たすと判断した場合に、「その他」解決手段情報に対応する特許特定情報について、再度、解決手段プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから解決手段情報を取得することは好適である。
【0110】
解決手段判断部139は、解決手段取得部138が取得した解決手段情報が、解決手段条件を満すか否かを判断する。
【0111】
他判断部13Aは、「その他」課題情報の数を取得し、当該数がリトライ条件を満たすか否かを判断する。
【0112】
リトライ条件とは、再度、生成AIから情報を取得するための条件である。リトライ条件は、「その他」の数に関する条件であることは好適である。ここでのリトライ条件は、例えば、「その他」課題情報の割合が閾値以上または閾値より多いこと、「その他」課題情報の数が閾値以上または閾値より多いことである。
【0113】
他判断部13Aは、「その他」解決手段情報の数を取得し、当該数がリトライ条件を満たすか否かを判断する。ここでのリトライ条件は、例えば、「その他」解決手段情報の割合が閾値以上または閾値より多いこと、「その他」解決手段情報の数が閾値以上または閾値より多いことである。
【0114】
マップ構成部13Bは、課題取得部135が取得した2以上の課題情報を有する課題軸と解決手段取得部138が取得した2以上の解決手段情報を有する解決手段軸とを有する特許マップを構成する。なお、特許マップは、例えば、課題軸と解決手段軸の中の一方を横軸、他方を縦軸とする二次元マップであるが、三次元以上のマップでも良い。
【0115】
マップ構成部13Bが取得する特許マップの各セルには、特許特定情報が対応付いていることは好適である。マップ構成部13Bが取得する特許マップの各セルには、例えば、セルにマッピングされる特許特定情報の数が配置されている。なお、セルに対応する特許特定情報またはセルにマッピングされる特許特定情報は、セルに対応する課題情報と解決手段情報とが取得された特許情報を識別する特許特定情報である。
【0116】
出力部14は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、1または2以上の課題情報、1または2以上の解決手段情報、特許マップである。
【0117】
ここで、出力とは、通常、端末装置2への送信であるが、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念であっても良い。
【0118】
課題出力部141は、課題取得部135が取得した1または2以上の課題情報を出力する。課題出力部141は、例えば、2以上の各特許特定情報または2以上の各特許情報に対応付けて、課題情報を出力する。課題出力部141は、課題条件を満たした課題情報のみを出力することは好適である。
【0119】
解決手段出力部142は、解決手段取得部138が取得した1または2以上の解決手段情報を出力する。解決手段出力部142は、例えば、2以上の各特許特定情報または2以上の各特許情報に対応付けて、解決手段情報を出力する。解決手段出力部142は、解決手段条件を満たした解決手段情報のみを出力することは好適である。
【0120】
マップ出力部143は、マップ構成部13Bが構成した特許マップを出力する。特許マップの出力態様は問わない。
【0121】
端末装置2を構成する端末格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、1または2以上の特許特定情報である。
【0122】
端末受付部22は、各種の情報や指示等を受け付ける。各種の情報や指示等とは、例えば、開始指示、または1または2以上の特許特定情報である。
【0123】
各種の情報や指示等の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0124】
端末処理部23は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、受け付けられた情報や指示等を、送信する構造の情報や指示等にする処理である。各種の処理は、例えば、受信された情報を出力する構造の情報にする処理である。
【0125】
端末送信部24は、各種の情報や指示等を特許情報処理装置1に送信する。各種の情報や指示等は、例えば、開始指示、または1または2以上の特許特定情報である。
【0126】
端末受信部25は、各種の情報を特許情報処理装置1から受信する。各種の情報は、例えば、1または2以上の課題情報、1または2以上の解決手段情報、または特許マップである。
【0127】
端末出力部26は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば1または2以上の課題情報、1または2以上の解決手段情報、または特許マップである。
【0128】
ここで出力とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、外部装置への送信、プリンタでの印字、音出力、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念であっても良い。
【0129】
格納部11、プロンプト元格納部111、課題候補管理部112、解決手段候補管理部113、および端末格納部21は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0130】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0131】
受付部12、および情報受付部121は、無線または有線の通信手段で実現されることが好適であるが、放送を受信する手段、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されても良い。
【0132】
処理部13、特許情報取得部130、課題前処理部131、解決手段前処理部132、判断前処理部133、課題プロンプト取得部134、課題取得部135、課題判断部136、解決手段プロンプト取得部137、解決手段取得部138、解決手段判断部139、他判断部13A、マップ構成部13B、および端末処理部23は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0133】
出力部14、課題出力部141、解決手段出力部142、およびマップ出力部143は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。また、出力部14等は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現されても良い。
【0134】
端末受付部22は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0135】
端末送信部24は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0136】
端末受信部25は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0137】
端末出力部26は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。端末出力部26は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0138】
次に、特許情報処理装置1の動作例について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0139】
(ステップS401)受付部12は、開始指示を受け付けたか否かを判断する。開始指示を受け付けた場合はステップS402に行き、受け付けなかった場合はステップS401に戻る。
【0140】
(ステップS402)特許情報取得部130は、ステップS401で受け付けられた開始指示に対応する1以上の特許特定情報を取得する。特許情報取得部130は、例えば、開始指示に含まれるファイルの中の1以上の特許特定情報を取得する。
【0141】
(ステップS403)処理部13は、カウンタiに1を代入する。
【0142】
(ステップS404)処理部13は、ステップS402で取得された特許特定情報の中に、i番目の特許特定情報が存在するか否かを判断する。i番目の特許特定情報が存在する場合はステップS405に行き、存在しない場合はステップS410に行く。
【0143】
(ステップS405)処理部13は、前処理を行うか否かを判断する。前処理を行う場合はステップS406に行き、前処理を行わない場合はステップS408に行く。なお、前処理とは、課題前処理部131による課題情報の取得処理と解決手段前処理部132とによる解決手段情報の取得処理である。また、前処理を行うか否かは、例えば、予め決められている、または開始指示に含まれている情報により判断される。
【0144】
(ステップS406)課題前処理部131等は、前処理を行う。前処理の例について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0145】
(ステップS407)処理部13は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS404に戻る。
【0146】
(ステップS408)課題プロンプト取得部134等は、課題AI処理を行う。課題AI処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。課題AI処理とは、生成AIを用いた課題情報の取得処理である。
【0147】
(ステップS409)解決手段プロンプト取得部137等は、解決手段AI処理を行う。ステップS407に行く。解決手段AI処理の例について、図7のフローチャートを用いて説明する。解決手段AI処理とは、生成AIを用いた解決手段情報の取得処理である。
【0148】
(ステップS410)他判断部13A等は、課題後処理を行う。課題後処理の例について、図8のフローチャートを用いて説明する。課題後処理とは、必要に応じて、「その他」に該当した課題情報を、他の課題情報に変更するための処理である。
【0149】
(ステップS411)他判断部13A等は、解決手段後処理を行う。解決手段後処理の例について、図9のフローチャートを用いて説明する。解決手段後処理とは、必要に応じて、「その他」に該当した解決手段情報を、他の解決手段情報に変更するための処理である。
【0150】
(ステップS412)処理部13は、特許マップを作成するか否かを判断する。特許マップを作成する場合はステップS413に行き、作成しない場合はステップS415に行く。なお、特許マップを作成するか否かは、例えば、予め決められている、または開始指示に含まれている情報により判断される。
【0151】
(ステップS413)マップ構成部13Bは、特許マップ作成処理を行う。特許マップ作成処理の例について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0152】
(ステップS414)マップ出力部143は、ステップS413で取得された特許マップを出力する。
【0153】
(ステップS415)出力部14は、特許一覧表を出力する。ステップS401に戻る。特許一覧表は、1または2以上の各特許ごとのレコードを有する。レコードは、例えば、特許特定情報と課題情報と解決手段情報とを有する。レコードは、例えば、特許情報を有する。
【0154】
なお、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0155】
次に、ステップS406の前処理の例について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0156】
(ステップS501)課題前処理部131は、課題情報を取得する対象の特許情報を取得する。
【0157】
(ステップS502)課題前処理部131は、格納部11から課題手がかり句を取得する。
【0158】
(ステップS503)課題前処理部131は、格納部11から解決手段手がかり句を取得する。
【0159】
(ステップS504)課題前処理部131は、ステップS502で取得した課題手がかり句を用いて、ステップS501で取得した特許情報から、課題情報を取得する。かかる処理はパターンマッチングの処理である。
【0160】
(ステップS505)課題前処理部131は、ステップS504で課題情報を取得できたか否かを判断する。課題情報を取得できた場合はステップS507に行き、取得できなかった場合はステップS506に行く。
【0161】
(ステップS506)課題前処理部131は、課題情報に「未取得」を代入する。
【0162】
(ステップS507)解決手段前処理部132は、ステップS503で取得した解決手段手がかり句を用いて、ステップS501で取得した特許情報から、解決手段情報を取得する。かかる処理はパターンマッチングの処理である。
【0163】
(ステップS508)解決手段前処理部132は、ステップS507で解決手段情報を取得できたか否かを判断する。解決手段情報を取得できた場合は上位処理にリターンし、取得できなかった場合はステップS509に行く。
【0164】
(ステップS509)解決手段前処理部132は、解決手段情報に「未取得」を代入する。上位処理にリターンする。
【0165】
次に、ステップS508の課題AI処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0166】
(ステップS601)課題プロンプト取得部134は、対象となる特許特定情報に対応する特許情報であり、課題情報を取得する際に使用する特許情報を取得する。
【0167】
(ステップS602)課題プロンプト取得部134は、プロンプト元格納部111から課題プロンプト元を取得する。
【0168】
(ステップS603)課題プロンプト取得部134は、ステップS602で取得した課題プロンプト元の特許情報の変数部分に、ステップS601で取得した特許情報を配置し、課題プロンプトを作成する。
【0169】
(ステップS604)課題取得部135は、ステップS603で作成された課題プロンプトを生成AIに渡す。課題取得部135は、例えば、生成AIのAPIに課題プロンプトを代入し、当該APIを実行する。
【0170】
(ステップS605)課題取得部135は、生成AIから課題情報を取得したか否かを判断する。課題情報を取得した場合はステップS606に行き、取得しなかった場合はステップS605に戻る。
【0171】
(ステップS606)課題判断部136は、ステップS605で取得された課題情報が課題条件を満たすか否かを判断する。課題条件を満たす場合はステップS608に行き、満たさない場合はステップS607に行く。
【0172】
(ステップS607)課題判断部136は、終了条件を満たすか否かを判断する。終了条件を満たす場合はステップS608に行き、満たさない場合はステップS604に戻る。終了条件とは、一の特許について、生成AIを用いた情報の取得を終了するための条件である。終了条件は、例えば、再度の生成AIの利用の回数が閾値以上であることである。
【0173】
(ステップS608)課題取得部135は、特許特定情報に、取得した課題情報を対応付ける。上位処理にリターンする。
【0174】
次に、ステップS409の解決手段AI処理の例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0175】
(ステップS701)解決手段プロンプト取得部137は、対象となる特許特定情報に対応する特許情報であり、解決手段情報を取得する際に使用する特許情報を取得する。
【0176】
(ステップS702)解決手段プロンプト取得部137は、プロンプト元格納部111から解決手段プロンプト元を取得する。
【0177】
(ステップS703)解決手段プロンプト取得部137は、ステップS702で取得した解決手段プロンプト元の特許情報の変数部分に、ステップS701で取得した特許情報を配置し、解決手段プロンプトを作成する。
【0178】
(ステップS704)解決手段取得部138は、ステップS703で作成された解決手段プロンプトを生成AIに渡す。解決手段取得部138は、例えば、生成AIのAPIに解決手段プロンプトを代入し、当該APIを実行する。
【0179】
(ステップS705)解決手段取得部138は、生成AIから解決手段情報を取得したか否かを判断する。解決手段情報を取得した場合はステップS706に行き、取得しなかった場合はステップS705に戻る。
【0180】
(ステップS706)解決手段判断部139は、ステップS705で取得された解決手段情報が解決手段条件を満たすか否かを判断する。解決手段条件を満たす場合はステップS708に行き、満たさない場合はステップS707に行く。
【0181】
(ステップS707)解決手段判断部139は、終了条件を満たすか否かを判断する。終了条件を満たす場合はステップS708に行き、満たさない場合はステップS704に戻る。終了条件は、例えば、再度の生成AIの利用の回数が閾値以上であることである。
【0182】
(ステップS708)解決手段取得部138は、特許特定情報に、取得した解決手段情報を対応付ける。上位処理にリターンする。
【0183】
次に、ステップS410の課題後処理の例について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0184】
(ステップS801)他判断部13Aは、1または2以上の各特許特定情報に対応付く課題情報の中の「その他」課題情報の数を取得する。
【0185】
(ステップS802)他判断部13Aは、ステップS801で取得した数がリトライ条件を満たすか否かを判断する。リトライ条件を満たす場合はステップS803に行き、満たさない場合は上位処理にリターンする。
【0186】
(ステップS803)課題取得部135は、カウンタiに1を代入する。
【0187】
(ステップS804)課題取得部135は、i番目の特許特定情報が存在するか否かを判断する。i番目の特許特定情報が存在する場合はステップS805に行き、存在しない場合はステップS801に戻る。なお、i番目の特許特定情報が存在しない場合、上位処理にリターンしても良い。
【0188】
(ステップS805)課題取得部135は、i番目の特許特定情報と対になる課題情報が「その他」課題情報であるか否かを判断する。「その他」課題情報であればステップS806に行き、「その他」課題情報でなければステップS807に行く。
【0189】
(ステップS806)課題取得部135等は、課題AI処理を行う。課題AI処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明した。
【0190】
(ステップS807)カウンタiを1、インクリメントする。ステップS804に戻る。
【0191】
次に、ステップS411の解決手段後処理の例について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0192】
(ステップS901)他判断部13Aは、1または2以上の各特許特定情報に対応付く解決手段情報の中の「その他」解決手段情報の数を取得する。
【0193】
(ステップS902)他判断部13Aは、ステップS901で取得した数がリトライ条件を満たすか否かを判断する。リトライ条件を満たす場合はステップS903に行き、満たさない場合は上位処理にリターンする。
【0194】
(ステップS903)解決手段取得部138は、カウンタiに1を代入する。
【0195】
(ステップS904)解決手段取得部138は、i番目の特許特定情報が存在するか否かを判断する。i番目の特許特定情報が存在する場合はステップS905に行き、存在しない場合はステップS901に戻る。なお、i番目の特許特定情報が存在しない場合、上位処理にリターンしても良い。
【0196】
(ステップS905)解決手段取得部138は、i番目の特許特定情報と対になる解決手段情報が「その他」解決手段情報であるか否かを判断する。「その他」解決手段情報であればステップS906に行き、「その他」解決手段情報でなければステップS907に行く。
【0197】
(ステップS906)解決手段取得部138等は、解決手段AI処理を行う。解決手段AI処理の例について、図7のフローチャートを用いて説明した。
【0198】
(ステップS907)カウンタiを1、インクリメントする。ステップS904に戻る。
【0199】
次に、ステップS413の特許マップ作成処理の例について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0200】
(ステップS1001)マップ構成部13Bは、対象となる2以上の各特許特定情報に対応する2以上の課題情報を取得する。同じ課題情報が存在する場合、マップ構成部13Bは、取得した2以上の課題情報に対してユニーク処理を行う。なお、マップ構成部13Bは、課題候補管理部112から2以上の課題情報を取得しても良い。
【0201】
(ステップS1002)マップ構成部13Bは、対象となる2以上の各特許特定情報に対応する2以上の解決手段情報を取得する。同じ解決手段情報が存在する場合、マップ構成部13Bは、取得した2以上の解決手段情報に対してユニーク処理を行う。なお、マップ構成部13Bは、解決手段候補管理部113から2以上の解決手段情報を取得しても良い。
【0202】
(ステップS1003)マップ構成部13Bは、ステップS1001で取得した2以上の課題情報を一軸の項目とし、ステップS1002で取得した2以上の解決手段情報を他の軸の項目とする特許マップの枠を作成する。
【0203】
(ステップS1004)マップ構成部13Bは、カウンタiに1を代入する。
【0204】
(ステップS1005)マップ構成部13Bは、特許マップの中にi番目のセルが存在するか否かを判断する。i番目のセルが存在する場合はステップS1006に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0205】
(ステップS1006)マップ構成部13Bは、i番目のセルに対応する課題情報と解決手段情報とを取得する。
【0206】
(ステップS1007)マップ構成部13Bは、ステップS1006で取得した課題情報と解決手段情報と対になる0または1以上の特許特定情報を取得し、i番目のセルに対応付ける。
【0207】
(ステップS1008)マップ構成部13Bは、ステップS1007で取得した特許特定情報の数を取得し、当該数をi番目のセルに配置する。なお、マップ構成部13Bは、当該数をアンカーとし、当該アンカーにi番目のセルに対応付いた特許特定情報をリンク付けることは好適である。
【0208】
(ステップS1009)マップ構成部13Bは、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS1005に戻る。
【0209】
以下、本実施の形態における情報システムAの具体的な3つの動作例について説明する。具体例1は、事前の課題情報等の取得である前処理を行わず、かつ課題候補情報や解決手段候補情報を与えない場合である。具体例2は、前処理を行わず、かつ課題候補情報や解決手段候補情報を与える場合である。具体例3は、前処理を行った後に生成AIを使用する場合である。
【0210】
(具体例1)
特許情報処理装置1のプロンプト元格納部111には、図11に示す課題プロンプト元が格納されている。課題プロンプト元において、「$特許情報」は変数であり、取得された特許情報が代入される。
【0211】
また、プロンプト元格納部111には、図12に示す解決手段プロンプト元が格納されている。解決手段プロンプト元において、「$特許情報」は変数であり、取得された特許情報が代入される。
【0212】
なお、プロンプト元格納部111に、課題プロンプト元と解決手段プロンプト元とが一つの文章になったプロンプト元(図13)が格納されていても良い。
【0213】
また、格納部11に格納されている課題条件は、「10文字以下 AND 言語=日本語」である、とする。また、格納部11に格納されている解決手段条件は、「9文字以下 AND 言語=日本語」である、とする。
【0214】
かかる状況において、ユーザは、端末装置2に、多数の特許の出願番号が含まれるファイルを含む開始指示を入力した、とする。
【0215】
次に、端末装置2は、当該ファイルを含む開始指示を受け付け、当該開始指示を特許情報処理装置1に送信する。
【0216】
次に、特許情報処理装置1の受付部12は、開始指示を受信する。次に、特許情報取得部130は、開始指示に含まれるファイルの中の多数の特許の出願番号(特許特定情報)を取得する。次に、処理部13は、前処理を行わない、と判断した、とする。
【0217】
次に、多数の各出願番号ごとに、課題プロンプト取得部134は、課題情報を取得する際に使用する特許情報(ここでは、要約書)を取得する。また、課題プロンプト取得部134は、プロンプト元格納部111から図11の課題プロンプト元を取得する。次に、課題プロンプト取得部134は、各出願番号ごとに、当該課題プロンプト元の「$特許情報」の箇所に、取得した要約書を配置し、課題プロンプトを作成する。次に、課題取得部135は、各出願番号ごとに、作成された課題プロンプトを生成AIのAPIに代入し、当該APIを実行する。その結果、課題取得部135は、各出願番号ごとに、生成AIから課題情報を取得する。
【0218】
なお、課題判断部136は、各出願番号ごとに、取得された課題情報が課題条件「10文字以下 AND 言語=日本語」を満たすか否かを判断し、課題条件を満たさない場合、終了条件(ここでは、例えば、リトライの回数が3回まで)を満たすまで、生成AIから課題情報を取得する処理を行う。
【0219】
また、多数の各出願番号ごとに、解決手段プロンプト取得部137は、解決手段を取得する際に使用する特許情報(ここでは、請求項1)を取得する。また、解決手段プロンプト取得部137は、プロンプト元格納部111から図12の解決手段プロンプト元を取得する。次に、解決手段プロンプト取得部137は、各出願番号ごとに、当該解決手段プロンプト元の「$特許情報」の箇所に、取得した請求項1を配置し、解決手段プロンプトを作成する。次に、解決手段プロンプト取得部137は、各出願番号ごとに、作成された解決手段プロンプトを生成AIのAPIに代入し、当該APIを実行する。その結果、解決手段プロンプト取得部137は、各出願番号ごとに、生成AIから解決手段情報を取得する。
【0220】
なお、解決手段プロンプト取得部137は、各出願番号ごとに、取得された解決手段情報が解決手段条件「9文字以下 AND 言語=日本語」を満たすか否かを判断し、解決手段条件を満たさない場合、終了条件(ここでは、例えば、リトライの回数が4回まで)を満たすまで、生成AIから解決手段情報を取得する処理を行う。
【0221】
以上の処理により、各出願番号に対応付けて、課題情報と解決手段情報とが対応付けられた。かかる例は、図14である。図14において、課題情報は「課題語」、解決手段情報は「解決語」である。また、図14の1401、1402は、課題条件を満たしていない。また、図14の1403、1404は、解決手段条件を満たしていない。そして、課題取得部135は、課題条件を満たしていない課題情報を「その他」としても良い。また、解決手段取得部138は、解決手段条件を満たしていない解決手段情報を「その他」としても良い
【0222】
次に、マップ構成部13Bは、各出願番号に対応付いた課題情報と解決手段情報とを用いて、課題情報を縦軸、解決手段情報を横軸とする特許マップを構成する。つまり、マップ構成部13Bは、取得されている課題情報「分離回収効率,気孔率向上,・・・」の各情報を縦軸の項目とし、取得されている解決手段情報「二段構成,連続気泡多孔性,・・・」の各情報を横軸の項目とする特許マップの枠を作成する。
【0223】
次に、マップ構成部13Bは、特許マップの枠の中の各セルごとに、セルに対応する課題情報と解決手段情報とを取得する。また、マップ構成部13Bは、各セルごとに、課題情報と解決手段情報と対になる0または1以上の特許特定情報を取得し、各セルに対応付ける。また、マップ構成部13Bは、各セルごとに、特許特定情報の数を取得し、当該数を各セルに配置する。さらに、マップ構成部13Bは、各セルごとに、数をアンカーとし、当該アンカーに各セルに対応付いた出願番号または/および特許情報をリンク付ける。
【0224】
次に、マップ出力部143は、構成された特許マップを端末装置2に送信する。また、出力部14は、特許の出願番号と課題語と解決語とを有する多数のレコードを含む特許一覧表を端末装置2に送信する。
【0225】
次に、端末装置2は、特許マップを受信し、出力する。かかる特許マップの例は、図15である。また、端末装置2は、特許一覧表を受信し、出力する。かかる特許一覧表の例は、図14の1401~1404を「その他」とした表である。
【0226】
なお、特許情報処理装置1の処理部13は、図13のプロンプト元を使用し、各特許特定情報ごとに、生成AIから、課題情報と解決手段情報とを一度に取得するようにしても良い。
【0227】
(具体例2)
特許情報処理装置1のプロンプト元格納部111には、図16に示すプロンプト元が格納されている。このプロンプト元は、課題情報の取得にも、解決手段情報の取得にも使用される。
【0228】
また、課題候補管理部112には、「耐久性向上,変換効率向上,耐久性,効率化,安定性向上,光電変換特性,コスト低減,組成物,導電性向上,質感向上」が格納されている。また、解決手段候補管理部113には、「手段A,手段B,・・・,手段G」が格納されている。なお、プロンプト元(図16)の変数「$分類」には、課題候補管理部112の10の課題候補情報が代入され、課題プロンプトが作成される。また、プロンプト元(図16)の変数「$分類」には、解決手段候補管理部113の7の解決手段候補情報が代入され、解決手段プロンプトが作成される。なお、プロンプト元(図16)は、2以上の課題候補情報のうちのいずれの課題情報にも該当しない場合には、「その他」を示す課題情報を取得するための課題プロンプトが取得される場合である。また、プロンプト元(図16)は、2以上の解決手段候補情報のうちのいずれの解決手段情報にも該当しない場合には、「その他」を示す解決手段情報を取得するための解決手段プロンプトが取得される場合である。
【0229】
さらに、格納部11に格納されているリトライ条件は、「その他」の割合が20%以上」である、とする。
【0230】
かかる状況において、ユーザは、端末装置2に、多数の特許の出願番号が含まれるファイルを含む開始指示を入力した、とする。
【0231】
次に、端末装置2は、当該ファイルを含む開始指示を受け付け、当該開始指示を特許情報処理装置1に送信する。
【0232】
次に、特許情報処理装置1の受付部12は、開始指示を受信する。次に、特許情報取得部130は、開始指示に含まれるファイルの中の多数の特許の出願番号(特許特定情報)を取得する。次に、処理部13は、前処理を行わない、と判断した、とする。
【0233】
次に、多数の各出願番号ごとに、課題プロンプト取得部134は、課題情報を取得する際に使用する特許情報(ここでは、明細書の[発明が解決しようとする課題]の文章)を取得する。また、課題プロンプト取得部134は、プロンプト元格納部111から図16のプロンプト元を取得する。次に、課題プロンプト取得部134は、課題候補管理部112の課題候補情報「耐久性向上,変換効率向上,・・・,質感向上」を取得し、変数「$分類」の箇所に配置する。次に、課題プロンプト取得部134は、各出願番号ごとに、当該プロンプト元の「$特許情報」の箇所に、取得した特許情報を配置し、課題プロンプトを作成する。次に、課題取得部135は、各出願番号ごとに、作成された課題プロンプトを生成AIのAPIに代入し、当該APIを実行する。その結果、課題取得部135は、各出願番号ごとに、生成AIから課題情報を取得する。
【0234】
また、多数の各出願番号ごとに、解決手段プロンプト取得部137は、解決手段を取得する際に使用する特許情報(ここでは、明細書の[課題を解決するための手段]の文章)を取得する。また、解決手段プロンプト取得部137は、プロンプト元格納部111から図16のプロンプト元を取得する。次に、解決手段プロンプト取得部137は、解決手段候補管理部113の解決手段候補情報「手段A,手段B,・・・,手段G」を取得し、変数「$分類」の箇所に配置する。次に、解決手段プロンプト取得部137は、各出願番号ごとに、当該解決手段プロンプト元の「$特許情報」の箇所に、取得した特許情報を配置し、解決手段プロンプトを作成する。次に、解決手段プロンプト取得部137は、各出願番号ごとに、作成された解決手段プロンプトを生成AIのAPIに代入し、当該APIを実行する。その結果、解決手段プロンプト取得部137は、各出願番号ごとに、生成AIから解決手段情報を取得する。
【0235】
次に、他判断部13Aは、各出願番号に対応付く課題情報の中の「その他」の数を取得する。また、他判断部13Aは、出願番号の数(例えば、「256」)を取得する。次に、他判断部13Aは、取得した数を用いて、「その他」の割合「「その他」の数/出願番号の数×100」を算出し、リトライ条件「20%以下」を満たすか否かを判断する。ここで、他判断部13Aは、「その他」の割合が25%であり、リトライ条件を満たす、とする。
【0236】
次に、課題取得部135は、各出願番号に対応する課題情報が「その他」である場合、当該出願番号に対応する課題プロンプトを、再度用いて、生成AIから課題情報を取得する。そして、リトライ条件「20%以下」を満たすまで、課題情報が「その他」である出願番号に対して、生成AIから課題情報を取得する処理を行う。
【0237】
次に、他判断部13Aは、各出願番号に対応付く解決手段情報の中の「その他」の数を取得する。また、他判断部13Aは、出願番号の数(例えば、「256」)を取得する。次に、他判断部13Aは、取得した数を用いて、「その他」の割合「「その他」の数/出願番号の数×100」を算出し、リトライ条件「20%以下」を満たすか否かを判断する。ここで、他判断部13Aは、「その他」の割合が16%であり、リトライ条件を満たさなかった、とする。
【0238】
次に、マップ構成部13Bは、具体例1における処理と同様の処理(図10のフローチャートの処理)により、特許マップを構成する。
【0239】
次に、マップ出力部143は、構成された特許マップを端末装置2に送信する。また、出力部14は、特許の出願番号と課題語と解決語とを有する多数のレコードを含む特許一覧表を端末装置2に送信する。
【0240】
次に、端末装置2は、特許マップを受信し、出力する。また、端末装置2は、特許一覧表を受信し、出力する。かかる特許一覧表の例は、図17である。
【0241】
(具体例3)
特許情報処理装置1のプロンプト元格納部111には、図11に示す課題プロンプト元と、解決手段プロンプト元とが格納されている。また、格納部11に格納されている課題条件は、「10文字以下 AND 言語=日本語」である、とする。さらに、格納部11に格納されている解決手段条件は、「9文字以下 AND 言語=日本語」である、とする。
【0242】
かかる状況において、ユーザは、端末装置2に、多数の特許の出願番号が含まれるファイルを含む開始指示を入力した、とする。
【0243】
次に、端末装置2は、当該ファイルを含む開始指示を受け付け、当該開始指示を特許情報処理装置1に送信する。
【0244】
次に、特許情報処理装置1の受付部12は、開始指示を受信する。次に、特許情報取得部130は、開始指示に含まれるファイルの中の多数の特許の出願番号(特許特定情報)を取得する。次に、処理部13は、前処理を行う、と判断した、とする。
【0245】
次に、課題前処理部131は、図5のフローチャートを用いて説明した処理により、各特許ごとに、例えば、明細書から課題情報を取得する。なお、課題前処理部131は、明細書から課題情報が取得できなかった場合は「その他」を取得する、とする。また、解決手段前処理部132は、図5のフローチャートを用いて説明した処理により、各特許ごとに、例えば、明細書から解決手段情報を取得する。なお、解決手段前処理部132は、明細書から解決手段情報が取得できなかった場合は「その他」を取得する、とする。以上の処理の結果、取得できた特許一覧表は、図17であった、とする。
【0246】
次に、課題取得部135等は、前処理の結果、課題情報が「その他」であった1または2以上の各特許(例えば、図17の1701)に対して、図6の課題AI処理を行い、生成AIを用いて、課題情報を取得する。そして、課題取得部135は、各特許に対応する課題情報を「その他」から、生成AIから取得された課題情報に変更する。
【0247】
また、解決手段取得部138等は、前処理の結果、解決手段情報が「その他」であった1または2以上の各特許(例えば、図17の1702)に対して、図7の解決手段AI処理を行い、生成AIを用いて、解決手段情報を取得する。そして、解決手段取得部138は、各特許に対応する解決手段情報を「その他」から、生成AIから取得された解決手段情報に変更する。
【0248】
その結果、例えば、図17の「その他」1701が「導電性向上」に変更され、かつ1702が「手段D」に変更された、とする。
【0249】
次に、出力部14は、特許の出願番号と課題語と解決語とを有する多数のレコードを含む特許一覧表を端末装置2に送信する。
【0250】
次に、端末装置2は、特許一覧表を受信し、出力する。
【0251】
以上、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、特許情報から重要な情報である課題情報を取得できる。
【0252】
また、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、特許情報から重要な情報である解決手段情報を取得できる。
【0253】
また、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、2以上の課題候補情報から、特許情報に対する適切な課題情報を取得できる。
【0254】
また、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、2以上の解決手段候補情報から、特許情報に対する適切な解決手段情報を取得できる。
【0255】
さらに、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、課題情報が「その他」となる特許情報の数を少なくできる。
【0256】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における特許情報処理装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、特許の課題に関する課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる課題プロンプト元が格納されるプロンプト元格納部にアクセス可能なコンピュータを、課題情報を取得する特許を特定する特許特定情報を受け付ける情報受付部と、前記特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を取得する特許情報取得部と、前記課題プロンプト元と前記特許情報とを用いて、課題情報を取得するための課題プロンプトを取得する課題プロンプト取得部と、前記課題プロンプト取得部が取得した前記課題プロンプトを生成AIに渡し、当該生成AIから課題情報を取得する課題取得部と、前記課題取得部が取得した前記課題情報を出力する課題出力部として機能させるためのプログラムである。
【0257】
(実施の形態2)
本実施の形態において、実施の形態1との差異は、課題情報の数または解決手段情報の数が多い場合、課題情報または解決手段情報を集約することを行う点である。
【0258】
本実施の形態における情報システムBの概念図は、符号を除いて、図1と同じである。情報システムBは、特許情報処理装置3、および1または2以上の端末装置2を備える。
【0259】
特許情報処理装置3は、特許情報の課題等を取得し、出力する装置である。特許情報処理装置3は、通常、サーバであるが、スタンドアロンの装置でも良い。特許情報処理装置3がサーバである場合、特許情報処理装置3は、例えば、いわゆるクラウドサーバ、ASPサーバであるが、問わない。
【0260】
図18は、本実施の形態における特許情報処理装置3のブロック図である。特許情報処理装置3は、格納部31、受付部12、処理部33、および出力部14を備える。格納部31は、プロンプト元格納部111、および関連語辞書311を備える。処理部33は、特許情報取得部130、課題前処理部131、解決手段前処理部132、判断前処理部133、課題プロンプト取得部134、課題取得部135、課題判断部136、解決手段プロンプト取得部137、解決手段取得部138、解決手段判断部139、課題集約部331、解決手段集約部332、およびマップ構成部13Bを備える。
【0261】
特許情報処理装置3を構成する格納部31には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、各種のプロンプト元、各種の条件である。各種のプロンプト元は、例えば、後述する課題集約プロンプト元、後述する解決手段集約プロンプト元である。各種の条件は、例えば、課題集約条件、解決手段集約条件である。
【0262】
課題集約条件とは、課題情報を集約するための条件である。課題集約条件とは、課題情報の数を減らすための条件である。課題情報の数は、課題情報の文字列が異なる場合に、カウントされる数である。課題集約条件は、例えば、課題情報の数が閾値以上または閾値より多いことである。
【0263】
解決手段集約条件とは、解決手段情報を集約するための条件である。解決手段集約条件とは、解決手段情報の数を減らすための条件である。解決手段情報の数は、解決手段情報の文字列が異なる場合に、カウントされる数である。解決手段集約条件は、例えば、解決手段情報の数が閾値以上または閾値より多いことである。
【0264】
プロンプト元格納部111には、例えば、課題集約プロンプト元、解決手段集約プロンプト元が格納される。
【0265】
課題集約プロンプト元とは、課題情報の集約のために使用されるプロンプトを作成する元になる情報である。課題集約プロンプト元は、例えば、「「$第一の課題情報」と「$第二の課題情報」に共通する上位語を教えて」である。
【0266】
解決手段集約プロンプト元とは、解決手段情報の集約のために使用されるプロンプトを作成する元になる情報である。課題集約プロンプト元は、例えば、「「$第一の解決手段情報」と「$第二の解決手段情報」に共通する上位語を教えて」である。
【0267】
関連語辞書311には、1または2以上の関連用語群が格納される。関連用語群は、関連する2以上の用語を有する。関連用語群は、例えば、2以上の類義語、2以上の同義語、または1以上の上位概念語と1以上の下位概念語である。
【0268】
処理部33は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、特許情報取得部130、課題前処理部131、解決手段前処理部132、判断前処理部133、課題プロンプト取得部134、課題取得部135、課題判断部136、解決手段プロンプト取得部137、解決手段取得部138、解決手段判断部139、課題集約部331、解決手段集約部332、またはマップ構成部13Bが行う処理である。
【0269】
課題集約部331は、課題取得部135が取得した2以上の異なる課題情報を用いて、1以上の課題情報を取得する。かかる処理は、課題情報の集約処理である。
【0270】
課題集約部331は、課題取得部135が取得した2以上の課題情報が、課題集約条件に合致する場合に、課題情報の集約処理を行うことは好適である。
【0271】
課題集約部331は、例えば、課題集約プロンプトを生成AIに渡すことにより、課題情報の集約処理を行っても良い。課題集約部331は、例えば、課題集約プロンプト元の変数部分に、集約対象の2以上の課題情報を代入し、課題集約プロンプトを作成する。次に、課題集約部331は、例えば、当該課題集約プロンプトを生成AIに渡し、一の課題情報を生成AIから取得する。
【0272】
課題集約部331は、例えば、関連語辞書311を用いて、課題情報の集約処理を行っても良い。課題集約部331は、例えば、2以上の課題情報に共通する上位語を関連語辞書311から取得し、当該2以上の課題情報を一つの当該上位語に集約する。
【0273】
解決手段集約部332は、解決手段取得部138が取得した2以上の異なる解決手段情報を用いて、1以上の解決手段情報を取得する。かかる処理は、解決手段情報の集約処理である。
【0274】
解決手段集約部332は、解決手段取得部138が取得した2以上の解決手段情報が、解決手段集約条件に合致する場合に、解決手段報の集約処理を行うことは好適である。
【0275】
解決手段集約部332は、例えば、解決手段集約プロンプトを生成AIに渡すことにより、解決手段報の集約処理を行っても良い。解決手段集約部332は、例えば、解決手段集約プロンプト元の変数部分に、集約対象の2以上の解決手段情報を代入し、解決手段集約プロンプトを作成する。次に、解決手段集約部332は、例えば、当該解決手段集約プロンプトを生成AIに渡し、一の解決手段情報を生成AIから取得する。
【0276】
解決手段集約部332は、例えば、関連語辞書311を用いて、解決手段情報の集約処理を行っても良い。解決手段集約部332は、例えば、2以上の解決手段情報に共通する上位語を関連語辞書311から取得し、当該2以上の解決手段情報を一つの当該上位語に集約する。
【0277】
格納部31、および関連語辞書311は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0278】
格納部31等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部31等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部31等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部31等で記憶されるようになってもよい。
【0279】
処理部33、課題集約部331、および解決手段集約部332は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部33等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0280】
次に、特許情報処理装置3の動作例について、図19のフローチャートを用いて説明する。図19のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと同一のステップについて説明を省略する。
【0281】
(ステップS1901)課題集約部331は、課題集約処理を行う。課題集約処理の例について、図20フローチャートを用いて説明する。
【0282】
(ステップS1902)解決手段集約部332は、解決手段集約処理を行う。解決手段集約処理の例について、図21フローチャートを用いて説明する。
【0283】
なお、図19のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0284】
次に、ステップS1901の課題集約処理の例について、図20フローチャートを用いて説明する。
【0285】
(ステップS2001)課題集約部331は、2以上の各特許特定情報に対応付く課題情報を取得する。
【0286】
(ステップS2002)課題集約部331は、ステップS2001で取得した2以上の課題情報に対して、ユニーク処理を行う。
【0287】
(ステップS2003)課題集約部331は、ステップS2002におけるユニーク処理の結果の課題情報の数を取得する
【0288】
(ステップS2004)課題集約部331は、ステップS2003で取得した数が課題集約条件を満たすか否かを判断する。課題集約条件を満たす場合はステップS2005に行き、満たさない場合は上位処理にリターンする。
【0289】
(ステップS2005)課題集約部331は、カウンタiに1を代入する。
【0290】
(ステップS2006)課題集約部331は、取得している2以上の課題情報の中で、i番目の課題情報の組(2つの課題情報)が存在するか否かを判断する。i番目の課題情報の組が存在する場合はステップS2007に行き、存在しない場合はステップS2003に戻る。
【0291】
(ステップS2007)課題集約部331は、課題集約プロンプト元をプロンプト元格納部111から取得する。
【0292】
(ステップS2008)課題集約部331は、i番目の課題情報の組を、課題集約プロンプト元の変数部分に配置し、課題集約プロンプトを作成する。
【0293】
(ステップS2009)課題集約部331は、課題集約プロンプトを生成AIに渡す。
【0294】
(ステップS2010)課題集約部331は、生成AIから情報を取得し、当該情報を用いて、2つの課題情報が集約可能であるか否かを判断する。集約可能であればステップS2011に行き、集約不可能であればステップS2012に行く。
【0295】
(ステップS2011)課題集約部331は、i番目の課題情報の組の集約結果である一の課題情報を取得し、i番目の課題情報の組を構成する2つの各課題情報に対応付ける。
【0296】
(ステップS2012)課題集約部331は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS2006に戻る。
【0297】
次に、テップS1902の解決手段集約処理の例について、図21フローチャートを用いて説明する。
【0298】
(ステップS2101)解決手段集約部332は、2以上の各特許特定情報に対応付く解決手段情報を取得する。
【0299】
(ステップS2102)解決手段集約部332は、ステップS2101で取得した2以上の解決手段情報に対して、ユニーク処理を行う。
【0300】
(ステップS2103)解決手段集約部332は、ステップS2102におけるユニーク処理の結果の解決手段情報の数を取得する
【0301】
(ステップS2104)解決手段集約部332は、ステップS2103で取得した数が解決手段集約条件を満たすか否かを判断する。解決手段集約条件を満たす場合はステップS2105に行き、満たさない場合は上位処理にリターンする。
【0302】
(ステップS2105)解決手段集約部332は、カウンタiに1を代入する。
【0303】
(ステップS2106)解決手段集約部332は、取得している2以上の解決手段情報の中で、i番目の解決手段情報の組(2つの解決手段情報)が存在するか否かを判断する。i番目の解決手段情報の組が存在する場合はステップS2107に行き、存在しない場合はステップS2103に戻る。
【0304】
(ステップS2107)解決手段集約部332は、解決手段集約プロンプト元をプロンプト元格納部111から取得する。
【0305】
(ステップS2108)解決手段集約部332は、i番目の解決手段情報の組を、解決手段集約プロンプト元の変数部分に配置し、解決手段集約プロンプトを作成する。
【0306】
(ステップS2109)解決手段集約部332は、解決手段集約プロンプトを生成AIに渡す。
【0307】
(ステップS2110)解決手段集約部332は、生成AIから情報を取得し、当該情報を用いて、2つの解決手段情報が集約可能であるか否かを判断する。集約可能であればステップS2111に行き、集約不可能であればステップS2112に行く。
【0308】
(ステップS2111)解決手段集約部332は、i番目の解決手段情報の組の集約結果である一の解決手段情報を取得し、i番目の解決手段情報の組を構成する2つの各解決手段情報に対応付ける。
【0309】
(ステップS2112)解決手段集約部332は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS2106に戻る。
【0310】
以上、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、特許情報から重要な情報である課題情報を取得できる。
【0311】
また、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、特許情報から重要な情報である解決手段情報を取得できる。
【0312】
また、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、特許情報からより適切な課題情報を取得できる。
【0313】
また、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、特許情報からより適切な解決手段情報を取得できる。
【0314】
また、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、2以上の課題候補情報から、特許情報に対する適切な課題情報を取得できる。
【0315】
また、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、特許情報に対する適切な課題情報を取得できる。
【0316】
また、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、課題情報が「その他」となる特許情報の数を少なくできる。
【0317】
また、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、課題候補情報を準備する必要もなく、2以上の特許情報に対する適切な種類の数の課題情報を取得できる。
【0318】
さらに、本実施の形態によれば、生成AIを適切に用いて、2以上の解決手段候補情報から、特許情報に対する適切な解決手段情報を取得できる。
【0319】
また、図22は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の特許情報処理装置1等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図22は、このコンピュータシステム300の概観図であり、図23は、システム300のブロック図である。
【0320】
図22において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0321】
図23において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0322】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の特許情報処理装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0323】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の特許情報処理装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0324】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0325】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0326】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0327】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0328】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0329】
以上のように、本発明にかかる特許情報処理装置1は、生成AIを適切に用いて、特許情報から重要な情報を取得できるという効果を有し、特許マップを自動作成するサーバ等として有用である。
【符号の説明】
【0330】
A、B 情報システム
1、3 特許情報処理装置
2 端末装置
11、31 格納部
12 受付部
13、33 処理部
14 出力部
21 端末格納部
22 端末受付部
23 端末処理部
24 端末送信部
25 端末受信部
26 端末出力部
111 プロンプト元格納部
112 課題候補管理部
113 解決手段候補管理部
121 情報受付部
130 特許情報取得部
131 課題前処理部
132 解決手段前処理部
133 判断前処理部
134 課題プロンプト取得部
135 課題取得部
136 課題判断部
137 解決手段プロンプト取得部
138 解決手段取得部
139 解決手段判断部
13A 他判断部
13B マップ構成部
141 課題出力部
142 解決手段出力部
311 関連語辞書
331 課題集約部
332 解決手段集約部
【要約】      (修正有)
【課題】生成AIを適切に用いて特許情報から重要な情報を取得できる特許情報処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】特許情報処理装置1は、特許の課題に関する課題情報を取得するためのプロンプトを取得する元になる課題プロンプト元が格納されるプロンプト元格納部111と、課題情報を取得する特許を特定する特許特定情報を受け付ける情報受付部121と、特許特定情報に対応する特許の内容に関する特許情報を取得する特許情報取得部130と、課題プロンプト元と特許情報とを用いて、課題情報を取得するための課題プロンプトを取得する課題プロンプト取得部134と、課題プロンプト取得部134が取得した課題プロンプトを生成AIに渡し、生成AIから課題情報を取得する課題取得部135と、課題取得部が取得した課題情報を出力する課題出力部141とを具備し、生成AIを適切に用いて特許情報から重要な情報を取得する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23