(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-28
(45)【発行日】2024-06-05
(54)【発明の名称】送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服
(51)【国際特許分類】
A41D 13/002 20060101AFI20240529BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20240529BHJP
A41D 31/02 20190101ALI20240529BHJP
B01D 39/16 20060101ALI20240529BHJP
【FI】
A41D13/002 105
A41D31/00 502E
A41D31/02 C
B01D39/16 A
B01D39/16 E
(21)【出願番号】P 2024027036
(22)【出願日】2024-02-27
【審査請求日】2024-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517374591
【氏名又は名称】セーフラン安全用品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174171
【氏名又は名称】原 慶多
(72)【発明者】
【氏名】熊 斌
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-028830(JP,A)
【文献】特開2005-016419(JP,A)
【文献】国際公開第2018/025784(WO,A1)
【文献】特開2022-054779(JP,A)
【文献】特開2022-008072(JP,A)
【文献】特開2017-150120(JP,A)
【文献】国際公開第2016/063416(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/002
A41D 31/00
A41D 31/02
B01D 39/16
A62B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面側胴体部の左右両側に設けられた給排気部と、
前記給排気部の防護服内側に設けられ、着脱可能に送排風機を取り付ける送排風機取付部と、を備える送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服であって、
前記給排気部は、ポリアクリロニトリル繊維及びポリオレフィン繊維を含む坪量150~250g/m
2の積層中間体と、ポリプロピレン繊維を含む坪量15~35g/m
2の外側層及び内側層と、を有するフィルタ部材を備え、
前記給排気部及び前記送排風機取付部を除いて、プラスチックフィルム層を有する生地を備え、
前記送排風機取付部が、送排風機を取り付けるための開口部を有する合成樹脂部材と、前記合成樹脂部材を取り付ける外枠と、を含み、
前記開口部は、略U字状の送排風機第1係合部と、前記送排風機第1係合部の上方の送排風機第2係合部と、前記送排風機第1係合部と前記送排風機第2係合部との間に設けられた切欠部と、を備える、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【請求項2】
背面側胴体部の左右両側に設けられた給排気部と、
前記給排気部の防護服内側に設けられ、着脱可能に送排風機を取り付ける送排風機取付部と、を備える送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服であって、
前記給排気部は、ポリアクリロニトリル繊維及びポリオレフィン繊維を含む坪量150~250g/m
2の積層中間体と、ポリプロピレン繊維を含む坪量15~35g/m
2の外側層及び内側層と、を有するフィルタ部材を備え、
前記給排気部及び前記送排風機取付部を除いて、プラスチックフィルム層を有する生地を備え、
前記送排風機取付部が、送排風機を取り付けるための開口部を有する合成樹脂部材と、前記合成樹脂部材を取り付ける外枠と、を含み、
前記開口部は、略U字状の送排風機第1係合部と、前記送排風機第1係合部の上方の送排風機第2係合部と、前記送排風機第1係合部と前記送排風機第2係合部との間に設けられた切欠部と、を備える、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【請求項3】
背面側胴体部であって、前記給排気部より上方に設けられた空気出入部を備える、請求項1に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【請求項4】
正面側胴体部であって、前記給排気部より上方に設けられた空気出入部を備える、請求項2に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【請求項5】
前記積層中間体と、前記外側層と、前記内側層とが、超音波接着によって接着されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【請求項6】
前記空気出入部がSMS不織布又は前記フィルタ部材である請求項
3又は4に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の前記送排風機取付部に前記送排風機を取り付けた送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【請求項8】
請求項
5に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の前記送排風機取付部に前記送排風機を取り付けた送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【請求項9】
請求項
6に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の前記送排風機取付部に前記送排風機を取り付けた送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【請求項10】
前記送排風機は、操作部を含む送排風装置によって送風と排風とを交互に繰り返す、請求項
7に記載の送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【請求項11】
前記送排風機は、操作部を含む送排風装置によって送風と排風とを交互に繰り返す、請求項
8に記載の送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【請求項12】
前記送排風機は、操作部を含む送排風装置によって送風と排風とを交互に繰り返す、請求項
9に記載の送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石綿は、20世紀後半に建材や摩擦材等に広く使われてきた。しかし、石綿を吸入した労働者や一般人に対し、長い潜伏期間の後に肺がんや中皮腫といった重篤な健康障害を引き起こしていたため、現在では殆どの先進国が石綿の使用を禁止している。
【0003】
しかし、21世紀中頃までは既存の建築物の解体が進むことから、石綿含有建築物の解体等の作業に従事する労働者の石綿ばく露防止対策と一般環境への石綿飛散漏えいの防止対策は極めて重要な喫緊の課題となっている。
【0004】
そのため、厚生労働省及び環境省は、「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」の作成を行い、石綿除去作業に関する指針を示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】厚生労働省、環境省 「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」 令和3年3月(令和4年3月訂正事項反映) <https://www.env.go.jp/content/900396898.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に記載されている通り、身体表面、下着及び防護服の下に着用する作業衣への石綿の付着を防止する観点から、作業時にはJIS T 8115の浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5)同等品以上のものを使用するよう定められている。このような防護服は、頭部を含む全身を覆う形状となっており、防護服と呼吸用保護具の全面形面体、手袋、シューズカバーなどとの接合部は、テーピングを行う必要があるため、非常に密閉性が高い。このような防護服を着用した上で、非常に複雑かつ多岐に渡る作業を、長時間行うことは、作業員の大きな負担となっている。
【0007】
さらにこのような状況においては、夏の猛暑下での作業になると、熱中症の危険が非常に高くなる。また、暑さ等により、作業員の集中力が続かなくなり、特に石綿除去作業においては犯してはならない作業ミスが発生してしまう可能性もある。
【0008】
上記のような場合、最近工事現場等で使用されている、衣服取り付け型送風機を使用することも考えられるが、石綿が防護服内に取り込まれるのを防ぐ必要がある。また、外の空気だけを取り込むことができたとしても、狭い空間も多い屋内での石綿除去作業において、取り込まれた空気で防護服が膨らむことによって作業に支障が生じる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、過酷な作業を強いられる石綿除去作業においても、作業に支障を生じさせることなく熱中症の危険性を軽減することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服は、正面側胴体部の左右両側に設けられた給排気部と、 前記給排気部の防護服内側に設けられ、着脱可能に送排風機を取り付ける送排風機取付部と、を備える送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服であって、前記給排気部は、ポリアクリロニトリル繊維及びポリオレフィン繊維を含む坪量150~250g/m2の積層中間体と、ポリプロピレン繊維を含む坪量15~35g/m2の外側層及び内側層と、を有するフィルタ部材を備え、前記給排気部及び前記送排風機取付部を除いて、プラスチックフィルム層を有する生地を備える。
【0011】
本態様によれば、送排風機によって、送風時には、給排気部から外部の空気を防護服内に取り込み、排風時には、防護服内の体温で温められ湿気を伴った空気を給排気部から排出させることができる。これにより、防護服内の温度や湿度を低く保つことが可能となり、作業員の熱中症の危険性を軽減することができる。
【0012】
また、本発明の別の一態様に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服は、背面側胴体部の左右両側に設けられた給排気部と、前記給排気部の防護服内側に設けられ、着脱可能に送排風機を取り付ける送排風機取付部と、を備える送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服であって、前記給排気部は、ポリアクリロニトリル繊維及びポリオレフィン繊維を含む坪量150~250g/m2の積層中間体と、ポリプロピレン繊維を含む坪量15~35g/m2の外側層及び内側層と、を有するフィルタ部材を備え、前記給排気部及び前記送排風機取付部を除いて、プラスチックフィルム層を有する生地を備える。
【0013】
上記一態様に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服は、背面側胴体部であって、前記給排気部より上方に設けられた空気出入部を備えていてもよい。
【0014】
本態様によれば、給排気部に加えて、空気出入部からも空気を導入・排出することができ、防護服全体的かつより効率的に空気の給排気を行うことが可能となる。
【0015】
上記別の一態様に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服は、正面側胴体部であって、前記給排気部より上方に設けられた空気出入部を備えていてもよい。
【0016】
上記各態様の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服は、前記積層中間体と、前記外側層と、前記内側層とが、超音波接着によって接着されていてもよい。
【0017】
本態様によれば、送風時に石綿繊維を防護服内に取り込む可能性が極めて低く、効率的に外の空気を防護服内へ導入することができ、排風時においても、空気の排出を妨げることがない。
【0018】
また、上記各態様の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服は、前記空気出入部がSMS不織布又は前記フィルタ部材であってもよい。
【0019】
本態様によれば、良好な給排気性を有し、かつ、空気出入部から石綿繊維が取り込まれる可能性を非常に低くすることができる。
【0020】
上記各態様の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服において、前記送排風機取付部が、送排風機を取り付けるための開口部を有する合成樹脂部材と、前記合成樹脂部材を取り付ける外枠と、を含み、前記開口部は、略U字状の送排風機第1係合部と、前記送排風機第1係合部の上方の送排風機第2係合部と、前記送排風機第1係合部と前記送排風機第2係合部との間に設けられた切欠部と、を備えていてもよい。
【0021】
本態様によれば、作業員が送排風機を取り付けることがさらに容易になり、かつ、送排風機を安定して保持することが可能となる。
【0022】
上記各態様の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服において、前記送排風機取付部に前記送排風機を取り付けた送排風機付き石綿除去作業用防護服としてもよい。
【0023】
上記態様の送排風機付き石綿除去作業用防護服は、前記送排風機が、操作部を含む送排風装置によって送風と排風とを交互に繰り返すようにしてもよい。
【0024】
本態様によれば、作業員が意識することなく、防護服内部を快適に保つことが可能となり、作業に集中することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の石綿除去作業用防護服によれば、過酷な作業を強いられる石綿除去作業においても、作業に支障を生じさせることなく熱中症の危険性を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の(a)正面図及び(b)背面図である。
【
図2】本発明の第二の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の(a)正面図及び(b)背面図である。
【
図3】本発明の第一の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の給排気部を拡大した正面拡大図である。
【
図4】本発明の第三の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の(a)正面図及び(b)背面図である。
【
図5】本発明の第四の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の(a)正面図及び(b)背面図である。
【
図6】本発明の第一の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられるフィルタ部材の一例に関する(a)超音波接着部分を示した概略正面図及び(b)概略断面図である。
【
図7】本発明の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられる送排風機取付部の一例を示す概略図である。
【
図8】本発明の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられる一例の送排風機取付部に(a)送排風機を取り付ける流れを示す概略図及び(b)送排風機が取り付けられた状態を示す概略図である。
【
図9】本発明の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられる送排風機取付部の他の一例を示す概略図である。
【
図10】本発明の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられる一例の送排風機取付部に送排風機が取り付けられ、作動している時の(a)排風の状態を示す概略側面図及び(b)送風の状態を示す概略側面図である。
【
図11】本発明の第一の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服において、送排風機を取り付けて作動させたときの空気の流れを示した概略正面図である。
【
図12】本発明の第三の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服において、送排風機を取り付けて作動させたときの空気の流れを示した(a)概略正面図及び(b)概略背面図である。
【
図13】本発明の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられる送排風装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
【0028】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の(a)正面図及び(b)背面図である。
図1(a)に示すように、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1は、正面側胴体部の左右両側に給排気部1を備える。
【0029】
送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1は、「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」 令和3年3月(令和4年3月訂正事項反映)のP.253に記載されているように、負圧隔離内部などの石綿除去作業場所では、JIS T 8115の浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5)の要件を満たすものである。以下に述べる石綿除去作業用防護服P2、P3、P4も同様である。
【0030】
送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の材質としては、JIS T 8115の浮遊固体粉じん防護用密閉服(タイプ5)の要件を満たしていれば特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルム層、SMS不織布層及びポリプロピレンスパンボンド層からなる群より選ばれる1層又は2層以上の構造が考えられる。これらのうち、石綿繊維の取り込みをできるだけ防ぐという観点から、プラスチックフィルム層及びSMS不織布層の2層構造であることが好ましい。当該材質は、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1において、給排気部1を除く部分に含まれる。
【0031】
プラスチックフィルム層の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらのうち、コストを抑える観点から、ポリエチレンが好ましく、石綿繊維の取り込み防止性能の観点から、高密度ポリエチレンがより好ましい。
【0032】
SMS不織布層の材質としては、例えば、ポリプロピレンスパンボンド層、ポリプロピレンメルトブローン層及びポリプロピレンスパンボンド層の3層構造が挙げられる。
【0033】
給排気部1は、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の外部と内部の空気を通過させるためのものである。取り付けられる送排風機の送風時は、給排気部1を通して外部の空気を防護服内に導入し、排風時は、給排気部1を通して防護服内で作業者の体温で温められ主に作業従事者の発汗によって湿気を多く含んだ空気を外部に排出する。給排気部1は、通常、正面側胴体部に設けられるが、胴体部の側面部分(わき腹部分)に設けられていてもよいし、背面側に設けられていてもよい。
【0034】
図2は、本発明の第二の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の(a)正面図及び(b)背面図である。
図2(b)に示すように、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P2は、背面側胴体部の左右両側に給排気部11を備える。
【0035】
送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P2の材質は送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1と同じであり、給排気部11は、給排気部1と同じものである。
【0036】
図3は、本発明の第一の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の給排気部を拡大した正面拡大図である。
図3に示すように、給排気部1は、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1に設けた開口部をフィルタ部材5で密閉することにより、形成される。給排気部1における送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の内側には、送排風機取付部に送排風機F1が着脱可能に取り付けられており、送排風機F1が作動することにより、フィルタ部材5を介して送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1内部に空気が導入され、外部に空気が排出される。
【0037】
図4は、本発明の第三の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の(a)正面図及び(b)背面図である。
図4(a)に示すように、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P3は、正面側胴体部の左右両側に給排気部101を備える。
図4(b)に示すように、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P3は、背面側胴体部の給排気部101より上方に空気出入部102を備える。
【0038】
空気出入部102は、送排風機F1の送風時は送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P3内の空気を排出し、排風時は送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P3に外気を導入するためのものである。空気出入部102は、体温によって温められた防護服内の空気を効果的に排出する観点から、給排気部101より上方かつ給排気部101の逆面側に設けられる。空気出入部102の材質としては、例えば、SMS不織布、給排気部101と同じフィルタが挙げられる。空気出入部102の面積としては、少なくとも給排気部101より大きいことが好ましい。
【0039】
送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P3の材質は送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1と同じであり、給排気部101は、給排気部1と同じものである。
【0040】
図5は、本発明の第四の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の(a)正面図及び(b)背面図である。
図5(b)に示すように、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P4は、背面側胴体部の左右両側に給排気部111を備える。
図5(a)に示すように、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P4は、正面側胴体部の給排気部111より上方に空気出入部112を備える。
【0041】
送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P4の材質は送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1と同じであり、給排気部111は給排気部1と、空気出入部112は空気出入部102と、それぞれ同じものである。
【0042】
図6は、本発明の第一の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられるフィルタ部材の一例に関する(a)超音波接着部分を示した概略正面図及び(b)概略断面図である。フィルタ部材5は、石綿除去作業時に石綿繊維が送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の内側に侵入しないような構造とする必要がある。
図6(b)に示すように、フィルタ部材5は、ポリアクリロニトリル繊維及びポリオレフィン繊維を含む積層中間体L2とポリプロピレン繊維を含む外側層L1及び内側層L3を有する。
【0043】
積層中間体L2の坪量としては、150~250g/m2であり、好ましくは、160~240g/m2である。また、外側層L1の坪量、及び、内側層L3の坪量としては、15~35g/m2であり、好ましくは、20~30g/m2である。
【0044】
積層中間体L2に関する製造方法としては、公知の方法で製造することができ、そのような方法としては、例えば、特開平7-256024、特開2000-189732、特開2002-249963等に記載されている方法が挙げられる。ポリオレフィン繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。これらのうち、通気性を保ち、かつ、効果的に石綿繊維の侵入を防ぐ観点から、ポリプロピレンが好ましい。
【0045】
外側層L1及び内側層L3の製造方法としては、公知の方法で製造することができる。例えば、一般的に製造されている、ポリプロピレンを含む不織布を使用したマスクと同様に、ポリプロピレン繊維を不織布としたものを用いることができる。
【0046】
フィルタ部材5の製造方法として、例えば、スパンボンド、超音波接着等が挙げられる。これらのうち、本件の場合は、超音波接着によって製造することが好ましい。L1、L2及びL3を積層し、
図6(a)に示すように、外枠接着部E1及び複数の枠内接着部E2を超音波接着することにより、フィルタ部材5を製造する。
【0047】
フィルタ部材5は、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1に設けられた開口部を密閉し、開口部を完全に塞ぐ形で取り付けられる。取付方法としては、例えば、両面テープ、縫合等の方法が挙げられる。開口部の大きさはフィルタ部材5よりやや小さくすることが好ましく、通気部6と同様の大きさとすることがより好ましい。
【0048】
図7は、本発明の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられる送排風機取付部の一例を示す概略図である。
図7に示すように、送排風機取付部20は、外枠21及び合成樹脂部材22を備える。送排風機取付部20は、フィルタ部材5とほぼ同じ大きさであり、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の内側に取り付けられ、固定される。合成樹脂部材22は、外枠21と同じかやや大きさが小さく、外枠21に取り付けられて、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1に固定されるときは、外枠21より送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の内側に位置するように配置される。
【0049】
外枠21を送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1に固定する方法は、特に限定されないが、例えば、両面テープ等により接着させることが考えられる。
【0050】
合成樹脂部材22の材質としては、例えば、プラスチック、ゴム等が挙げられる。プラスチックとしては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。合成樹脂部材22は、開口部23、第1係合部24、第2係合部25、切欠部26、突起部27aを備える。
【0051】
図8は、本発明の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられる一例の送排風機取付部に(a)送排風機を取り付ける流れを示す概略図及び(b)送排風機が取り付けられた状態を示す概略図である。送排風機取付部20に送排風機F1を取り付ける流れについて、以下に説明する。なお、送排風機F1は、例えば、市販されている作業服用送風機を送排風機に変更して使用することも可能である。
【0052】
まず、送排風機F1のフランジ部F1aを切欠部26に通すようにして第1係合部24と係合するまで挿入する。その後、第2係合部25を送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の内側に向かって湾曲させ、
図8(b)に示すようにフランジ部F1aの上部と係合させて、送排風機F1を送排風機取付部20に固定する。
【0053】
図9は、本発明の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられる送排風機取付部の他の一例を示す概略図である。
図9に示すように、合成樹脂部材22には折曲線27bが設けられており、突起部27aが折曲線27bを軸として回動可能となっている。合成樹脂部材22の材質によっては、折曲線27bを設けることで、送排風機F1をよりスムーズに取り付けることが可能となる。
【0054】
図10は、本発明の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられる一例の送排風機取付部に送排風機が取り付けられ、作動している時の(a)排風の状態を示す概略側面図及び(b)送風の状態を示す概略側面図である。
図10(a)に示すように、排風時は、送排風機F1が排風モードとなっており、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1内部の湿気を多く含んだ空気が排出される。また、
図10(b)に示すように、送風時は、送排風機F1が送風モードとなっており、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1内部に外部の空気が導入される。
図10に両矢印で示すように、送排風機F1による排風と送風は交互に行われるようにしてもよい。
【0055】
送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1は、
図10では示されていないが、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の外側にフィルタ部材5が取り付けられ、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の内側に送排風機取付部20が設けられている。送排風機F1は、フランジ部F1aが合成樹脂部材22と係合するようにしてさらに内側に取り付けられる。このような構成とすることにより、作業終了毎に破棄しなければならない石綿除去作業用防護服について、何度も繰り返し使用する送排風機の着脱が容易となり、石綿除去作業用防護服の迅速な装着が可能となる。
【0056】
図11は、本発明の第一の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服において、送排風機を取り付けて作動させたときの空気の流れを示した概略正面図である。
図11に示すように、防護服内の送排風機取付部に取り付けれられた送排風機F1の作動時は、給排気部1を通して空気が送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1の内部と外部を出入する。上記のように、送排風機F1を使用することにより、防護服が縮み過ぎたり膨らみ過ぎることなく快適に作業することができ、また、防護服内が高温多湿になりにくいため、熱中症を効果的に防ぐことが可能となる。
【0057】
図12は、本発明の第三の実施形態に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服において、送排風機を取り付けて作動させたときの空気の流れを示した(a)概略正面図及び(b)概略背面図である。
図12(a)に示すように、防護服内の送排風機取付部に取り付けれられた送排風機F1の作動時は、給排気部101を通して空気が送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P3の内部と外部を出入する。一方、その場合、
図12(b)に示すように、空気出入部102を通して、空気が逆方向に送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P3の内部と外部を出入する。
【0058】
なお、図示していないが、作業の継続性及び防護服の脱着の容易性の観点から、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の内側に、送排風機F1を作動させる電池等の電源部を取り付けるための電源部取付部を設けることが好ましい。
【0059】
図13は、本発明の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服に用いられる送排風装置の一例を示す概略図である。
図13に示すように、送排風装置Aは、送排風機F2、第1接続部材131、操作部132、第2接続部材133、電源部134を備える。送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1ないしP4に取り付けられる場合、2つの送排風機F2は、第1接続部材131によって操作部132に接続される。また、操作部132は、第2接続部材133によって電源部134に接続される。
【0060】
第1接続部材131及び第2接続部材133は、電源部134からの電力を送排風機F2に供給するためのものである。また、電源部134としては、電池等が挙げられるが、さらに電源部134以外の部材から電力の供給を受けられるものであってもよい。
【0061】
操作部132は、例えば、送排風機F2について、送風モード、排風モード、送排風モード等の切り替えを行うことができるものである。
図13に示すように、一例として、1のボタンを送風モード、2のボタンを排風モード、3のボタンを送排風モードにするためのボタンにすることが考えられる。また、操作部132を分離して、送排風機F2や電源部134と通信可能にし、無線によって、各モードを切り替えるようにしてもよい。そのような無線の通信方法としては、例えば、Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。
【実施例】
【0062】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0063】
(フィルタ部材の積層中間体)
フィルタ部材の積層中間体は、ポリアクリロニトリル繊維及びポリオレフィン繊維を含んでおり、ポリアクリロニトリル繊維とポリオレフィン繊維を混合したフィルタ部材又は不織布は、従来より知られている。例えば、特開平7-256024には、これらの混合物を効果のためのニードリングを行い、熱で活性化させる製法により静電効果を有する空気濾過材が示されている。また、特開2000-189732には、プレフィルターとして、ポリオレフィン系繊維とアクリル系繊維をニードルパンチを施して摩擦帯電型不織布が調製されている。さらに、特開2002-249963には、ポリオレフィン系繊維にリン系添加剤とイオウ系添加剤を含有させた帯電不織布が開示されている。
【0064】
<実施例>
フィルタ部材として、まずポリプロピレン繊維とポリアクリロニトリル繊維を特開2002-249963の実施例の記載に基づき混合し、ニードルパンチ法により、坪量80g/m
2の不織布を作成した。この不織布を積層中間体とし、さらに、外側層としての坪量25g/m
2のポリプロピレンスパンボンド不織布、及び、内側層としての坪量20g/m
2のポリプロピレンスパンボンド不織布と重ね合わせ、
図4で示すように、超音波接着によって、本発明に係るフィルタ部材を作製した。
【0065】
(石綿除去作業用防護服着用時の湿球黒球温度(WBGT)試験)
日本生気象学会の「日常生活における熱中症予防 第3版(2023年)」 <https://seikishou.jp/cms/wp-content/uploads/008ab7fdbb0b958314827de9a7b8c74c.pdf>に記載されているように、熱中症予防のための指標として湿球黒球温度(WBGT)が利用されている。この指針では、WBGTの値によって、熱中症の危険度を「危険」、「厳重警戒」、「警戒」及び「注意」の4段階で示している。具体的には、室内用のWBGT簡易推定図 Ver.4を用いて判断することができる。本試験では、本発明に用いられるフィルタ部材を取り付けた送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1を使用して熱中症の危険度を確認した。
【0066】
〔測定条件〕
室内温度27.5℃、湿度65%
着用者:40代男性
【0067】
まず、着用後、送排風機がOFFの状態で9分経過時に送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1内部の胴体部を測定したところ、温度31.5℃、湿度73%となった。
【0068】
その後、送排風機をONにし、1分毎に送風と排風を切り替えながら測定すると、5分後に温度31.5℃、湿度51%となった。
【0069】
これらを室内用のWBGT簡易推定図 Ver.4に当てはめると、「厳重警戒」のままである一方、実施例は「厳重警戒」から「警戒」に改善された。そのため、本発明に係る送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1は、作業員の熱中症予防に非常に効果があることがわかる。
【0070】
また、測定中、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1が膨らみ過ぎたり縮み過ぎることがなく、作業に支障を生じさせることないことがわかった。
【0071】
なお、本発明の実施形態は以下の構成を含む。
【0072】
(構成1)
正面側胴体部の左右両側に設けられた給排気部と、
前記給排気部の防護服内側に設けられ、着脱可能に送排風機を取り付ける送排風機取付部と、を備える送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服であって、
前記給排気部は、ポリアクリロニトリル繊維及びポリオレフィン繊維を含む坪量150~250g/m2の積層中間体と、ポリプロピレン繊維を含む坪量15~35g/m2の外側層及び内側層と、を有するフィルタ部材を備え、
前記給排気部及び前記送排風機取付部を除いて、プラスチックフィルム層を有する生地を備える、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0073】
(構成2)
背面側胴体部の左右両側に設けられた給排気部と、
前記給排気部の防護服内側に設けられ、着脱可能に送排風機を取り付ける送排風機取付部と、を備える送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服であって、
前記給排気部は、ポリアクリロニトリル繊維及びポリオレフィン繊維を含む坪量150~250g/m2の積層中間体と、ポリプロピレン繊維を含む坪量15~35g/m2の外側層及び内側層と、を有するフィルタ部材を備え、
前記給排気部及び前記送排風機取付部を除いて、プラスチックフィルム層を有する生地を備える、送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0074】
(構成3)
背面側胴体部であって、前記給排気部より上方に設けられた空気出入部を備える、請求項1に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0075】
(構成4)
正面側胴体部であって、前記給排気部より上方に設けられた空気出入部を備える、請求項2に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0076】
(構成5)
前記積層中間体と、前記外側層と、前記内側層とが、超音波接着によって接着されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0077】
(構成6)
前記空気出入部がSMS不織布又は前記フィルタ部材である請求項1から4のいずれか一項に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0078】
(構成7)
前記空気出入部がSMS不織布又は前記フィルタ部材である請求項5に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0079】
(構成8)
前記送排風機取付部が、送排風機を取り付けるための開口部を有する合成樹脂部材と、前記合成樹脂部材を取り付ける外枠と、を含み、
前記開口部は、略U字状の送排風機第1係合部と、前記送排風機第1係合部の上方の送排風機第2係合部と、前記送排風機第1係合部と前記送排風機第2係合部との間に設けられた切欠部と、を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0080】
(構成9)
前記送排風機取付部が、送排風機を取り付けるための開口部を有する合成樹脂部材と、前記合成樹脂部材を取り付ける外枠と、を含み、
前記開口部は、略U字状の送排風機第1係合部と、前記送排風機第1係合部の上方の送排風機第2係合部と、前記送排風機第1係合部と前記送排風機第2係合部との間に設けられた切欠部と、を備える請求項5に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0081】
(構成10)
前記送排風機取付部が、送排風機を取り付けるための開口部を有する合成樹脂部材と、前記合成樹脂部材を取り付ける外枠と、を含み、
前記開口部は、略U字状の送排風機第1係合部と、前記送排風機第1係合部の上方の送排風機第2係合部と、前記送排風機第1係合部と前記送排風機第2係合部との間に設けられた切欠部と、を備える請求項6に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0082】
(構成11)
前記送排風機取付部が、送排風機を取り付けるための開口部を有する合成樹脂部材と、前記合成樹脂部材を取り付ける外枠と、を含み、
前記開口部は、略U字状の送排風機第1係合部と、前記送排風機第1係合部の上方の送排風機第2係合部と、前記送排風機第1係合部と前記送排風機第2係合部との間に設けられた切欠部と、を備える請求項7に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服。
【0083】
(構成12)
請求項9に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の前記送排風機取付部に前記送排風機を取り付けた送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【0084】
(構成13)
請求項10に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の前記送排風機取付部に前記送排風機を取り付けた送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【0085】
(構成14)
請求項11に記載の送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服の前記送排風機取付部に前記送排風機を取り付けた送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【0086】
(構成15)
前記送排風機は、操作部を含む送排風装置によって送風と排風とを交互に繰り返す、請求項12に記載の送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【0087】
(構成16)
前記送排風機は、操作部を含む送排風装置によって送風と排風とを交互に繰り返す、請求項13に記載の送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【0088】
(構成17)
前記送排風機は、操作部を含む送排風装置によって送風と排風とを交互に繰り返す、請求項14に記載の送排風機付き石綿除去作業用防護服。
【0089】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
1,11,101,111 給排気部
102,112 空気出入部
5 フィルタ部材
6 通気部
20 送排風機取付部
21 外枠
22 合成樹脂部材
23 開口部
24 第1係合部
25 第2係合部
26 切欠部
27a 突起部
27b 折曲線
131 第1接続部材
132 操作部
133 第2接続部材
134 電源部
A 送排風装置
F1 送排風機
F1a フランジ部
L1 外側層
L2 積層中間体
L3 内側層
P1,P2,P3,P4 送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服
【要約】
【課題】過酷な作業を強いられる石綿除去作業においても、作業に支障を生じさせることなく熱中症の危険性を軽減することができる送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服を提供する。
【解決手段】送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服P1は、正面側胴体部の左右両側に設けられた給排気部と、給排気部の防護服内側に設けられ、着脱可能に送排風機を取り付ける送排風機取付部と、を備える送排風機取付部付き石綿除去作業用防護服であって、給排気部は、ポリアクリロニトリル繊維及びポリオレフィン繊維を含む坪量150~250g/m
2の積層中間体と、ポリプロピレン繊維を含む坪量15~35g/m
2の外側層及び内側層と、を有するフィルタ部材を備え、給排気部及び送排風機取付部を除いて、プラスチックフィルム層を有する生地を備える。
【選択図】
図1